説明

プロゲステロン受容体モジュレーターとしてのピリジンイミダゾール及びアザ−インドール

【化1】


本発明は、式(I)及び(II)に従う新規なピリミジンイミダゾール及びアザ−インドール、それらを含有する製薬学的組成物及び1種もしくはそれより多いエストロゲン受容体により媒介される障害の処置におけるそれらの使用を目的とする。本発明の化合物は、単独で又はプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストと組み合わされて、エストロゲンの枯渇と関連する障害、例えばのぼせ、膣乾燥、オステオペニア及び骨粗しょう症;乳房、子宮内膜、頸および前立腺のホルモン感受性ガン及び過形成;子宮内膜症、子宮フィブロイド、変形性関節症の処置において、ならびに避妊薬として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規なピリジンイミダゾール及びアザ−インドール誘導体、それらを含有する製薬学的組成物ならびにプロゲステロン受容体のアゴニスト及びアンタゴニストにより媒介される障害及び疾患の処置又は予防におけるそれらの使用を目的とする。これらの化合物の臨床的使用はホルモン性避妊、続発性無月経、無月経、機能不全性子宮不正出血、子宮筋腫(uterine leiomyomata)、子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺のガン及び腺ガンあるいは周期性月経出血の副作用のミニケーション(minication)の処置及び/又は予防に関する。本発明の追加の使用は、食物摂取の刺激を含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細胞内受容体は、遺伝子タンパク質の調節に含まれる1つの種類の構造的に関連するタンパク質である。ステロイド受容体は、プロゲステロン受容体(PR)、アンドロゲン受容体(AR)、エストロゲン受容体(ER)、グルココルチコイド受容体(GR)及びミネラロコルチコイド受容体(MR)を含むこれらの受容体のサブセットである。そのような因子による遺伝子の調節は細胞内受容体及び遺伝子転写に影響するようなやり方で受容体に選択的に結合する能力を有する対応するリガンドを必要とする。
【0003】
プロゲステロン受容体モジュレーター(プロゲスタゲン)は、哺乳類発育及びホメオスタシスにおいて重要な役割を果たすことが知られている。プロゲステロンは乳腺発育、排卵及び妊娠の維持に必要であることが知られている。現在、ステロイド性プロゲスチンアゴニスト及びアンタゴニストは避妊、ホルモン置換療法(HRT)及び治療的流産のために臨床的に承認されている。さらに、子宮内膜症、子宮筋腫(フィブロイド)、機能不全性子宮不正出血及び乳ガンの処置におけるプロゲスチンアンタゴニストの価値に関して、優れた前臨床的及び臨床的証拠がある。
【0004】
現在のステロイド性プロゲスタゲンは全く安全であり、十分に許容されることが証明されている。しかしながら、単独の、又はエストロゲン性化合物と組み合わされたこれらのステロイド性プロゲスタゲンに帰せられる副作用(例えば乳房圧痛、頭痛、抑うつ及び体重増加)が報告されたことがある。
【0005】
1つの受容体に関するステロイド性リガンドは多くの場合に他のステロイド性受容体と交差−反応性を示す。例として、多くのプロゲスタゲンはグルココルチコイド受容体にも結合する。非−ステロイド性プロゲスタゲンはステロイドと分子的類似性を有しておらず、従って物理化学的性質、薬物動力学的(PK)パラメーター、組織分布(例えばCNS対末梢)における相違を予測することもでき、且つさらに重要なことに、非−ステロイド性プロゲスタゲンは他のステロイド受容体への交差−反応性を全く示さないか/より少なく示し得る。従って非−ステロイド性プロゲスタゲンは、予知可能な将来に生殖薬理学において主要な演者として現れそうである。
【0006】
プロゲステロン受容体は2つのイソ型、全−長プロゲステロン受容体イソ型(PR−B)及びそのもっと短い片方(PR−A)として存在することが知られていた。最近、プロゲステロン受容体ノックアウトマウス(PRKO、受容体のA−及びB−型の両方がない)、PR−Aイソ型に関して特異的に(PRAKO)及びPR−Bイソ型に関して特異的に(PRBKO)大打撃を受けた(knockoutting)マウスにつき、広範囲の研究が行なわれた。繁殖可能性、排卵子宮受容能(ovulation uterine receptivity)、子宮増殖、乳腺の増殖、雌のマウスにおける性的受容能、雄のマウスにおける性的活動及び雄のマウスにおける嬰子殺しの傾向に関する生理学研究において、PRKO、PRAKO及びPRBKOに関して種々の表現型が見出された。これらの発見は、選択的なプロゲステロン受容体モジュレーター(SPRM)のみでなく、PR−A又はPR−B選択的プロゲステロン受容体モジュレーターも構築するという合成化学者にとって大きな挑戦を与えた。
【発明の開示】
【0007】
発明の概略
本発明は、式(I)又は(II):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
及びRは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、−OR、−SO−NR、−NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)NR、(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、R、−SO−NR、NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)−NR、−(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでQはO、S、NH、N(アルキル)及び−CH=CH−より成る群から選ばれ;
ここでR及びRはそれぞれ独立して水素及びアルキルより成る群から選ばれるか;あるいはまたR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルより成る群から選ばれる4〜8員環を形成し;ここでヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及び
ヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
はハロゲン、CF、ヒドロキシ、R、ニトロ、シアノ、SO(アルキル)、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)R、−OSi(R−OR、−SON(R、−O−(アルキル)1−4−C(O)R、−O−(アルキル)1−4−C(O)OR、アリール及びヘテロアリールより成る群から選ばれ、ここでアリール又はヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、−OC(O)−アルキル又は−C(O)O−アルキルから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここで各Rは水素、アルキル、アリール、アラルキルから独立して選ばれ;ここでアルキル、アリール又はアラルキル基は場合によりアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、−OC(O)−アルキル又は−C(O)O−アルキルから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができるか;
あるいはまた2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;ここでヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
は水素、アセチル、SO(アルキル)、アルキル、シクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、−OR、−SO−NR、−NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)NR、(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、R、−SO−NR、NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)−NR、−(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでQはO、S、NH、N(アルキル)及び−CH=CH−より成る群から選ばれ;
ここでR及びRはそれぞれ独立して水素及びアルキルより成る群から選ばれるか;あるいはまたR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルより成る群から選ばれる4〜8員環を形成し;ここでヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール
、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができる]
の新規なピリジンイミダゾール及びアザ−インドール誘導体又は製薬学的に許容され得るその塩を提供する。
【0010】
本発明の化合物は不斉炭素原子を含有し得、且つ本発明の化合物のいくつかは1個もしくはそれより多い不斉中心を含有し得、かくして光学異性体及びジアステレオマーを生じ得る。式1及び2には立体化学に関して示されていないが、本発明はそのような光学異性体及びジアステレオマーならびにラセミ体及び分割されたエナンチオマー的に純粋なS及びR立体異性体及び製薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0011】
本発明の例は、製薬学的に許容され得る担体及び上記の化合物のいずれかを含んでなる製薬学的組成物である。本発明の例は、上記の化合物のいずれかと製薬学的に許容され得る担体を混合することにより調製される製薬学的組成物である。本発明の例は、上記の化合物のいずれか及び製薬学的に許容され得る担体を混合することを含んでなる製薬学的組成物の調製方法である。
【0012】
本発明を代表するものは、上記の化合物のいずれか又は製薬学的組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる、必要な患者において1種もしくはそれより多いプロゲステロン受容体により媒介される障害を処置する方法である。
【0013】
本発明の例は、必要な患者に式(I)の化合物とエストロゲン又はエストロゲンアンタゴニストの治療的に有効な量を用いる共−治療を施すことを含んでなる、避妊方法である。
【0014】
本発明の他の例は、必要な患者における:(a)機能不全性不正出血、(b)子宮内膜症、(c)子宮筋腫、(d)続発性無月経、(e)多嚢胞性卵巣症候群、(f)子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺のガン及び腺ガン、(g)周期性月経出血の副作用のミニケーションの処置のためならびに(h)避妊及びi)食物摂取の刺激のための薬剤の製造における本明細書に記載される化合物のいずれかの使用である。
【0015】
発明の詳細な記述
本発明はさらに、プロゲステロン受容体により媒介される障害の処置に有用な式(I)又は(II):
【0016】
【化2】

【0017】
[式中、R、R、R及びRは本明細書に定義される通りである]
の化合物を目的とする。さらに特定的に、本発明の化合物はプロゲステロン−A及びプロ
ゲステロン−B受容体により媒介される障害の処置及び予防のために有用である。より好ましくは、本発明の化合物は組織選択的プロゲステロン受容体モジュレーターである。
【0018】
本発明の化合物は、単独で又はエストロゲンもしくは部分的エストロゲンアンタゴニストと組み合わされて、プロゲステロンの枯渇と関連する障害、ホルモン感受性ガン及び過形成、子宮内膜症、子宮フィブロイド、変形性関節症の処置において、ならびに避妊薬として有用である。
【0019】
本発明の化合物は、単独で又はエストロゲンもしくはエストロゲンアンタゴニストと組み合わされて、プロゲステロンの枯渇と関連する障害、続発性無月経、機能不全性不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺のガン及び腺ガン又は周期性月経出血の副作用のミニケーションの処置において、ならびに避妊薬として有用である。
【0020】
本発明の1つの態様において、R、Rは両方ともメチル基である。本発明の他の態様において、R、Rは−(CH−により連結して5−員スピロ環を形成する。本発明の他の態様において、R、Rは−(CH−により連結して6−員スピロ環を形成する。
【0021】
本発明の1つの態様において、Rはハロゲン、CN、CF、NO又はSO(アルキル)基から選ばれる。本発明の他の態様において、Rはアリール、ヘテロアリール基から選ばれ、ここでアリール又はヘテロアリール基はハロゲン、NO、CF、CN、O(アルキル)によりモノ−、ジ−もしくはトリ−置換されている。
【0022】
本発明の1つの態様において、Rは水素、アセチル又はSO(アルキル)、低級アルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキルから選ばれる。
【0023】
薬剤中での使用のために、本発明の化合物の塩は無毒性の「製薬学的に許容され得る塩」を指す。しかしながら他の塩は、本発明に従う化合物又はそれらの製薬学的に許容され得る塩の製造において有用であり得る。化合物の適した製薬学的に許容され得る塩には酸付加塩が含まれ、それらは例えば化合物の溶液を製薬学的に許容され得る酸、例えば塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸又はリン酸の溶液と混合することにより製造することができる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その適した製薬学的に許容され得る塩はアルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムもしくはマグネシウム塩;ならびに適した有機リガンドと形成される塩、例えば第4級アンモニウム塩を含むことができる。かくして代表的な製薬学的に許容され得る塩には以下が含まれる:
酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カルシウムエデテート、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、ジヒドロクロリド、酢酸塩、エジシレート(edisylate)、エストレート(estolate)、エシレート(esylate)、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオネート(lactobionate)、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メチルブロミド、メチルナイトレート、メチルサルフェート、ムコ酸塩、ナプシレート(napsylate)、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、サブアセテート(subacetate)、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート(teoclate)、トシレート、トリエチオダイド(triethiodide)及び吉草酸塩。
【0024】
本発明は、本発明の化合物のプロドラッグをその範囲内に含む。一般にそのようなプロドラッグは化合物の官能基誘導体であり、それは生体内で必要な化合物に容易に転換可能である。かくして本発明の処置方法において、「投与する」という用語は、特定的に開示される化合物あるいは特定的に開示されないかも知れないが、患者への投与の後に生体内で特定の化合物に転換される化合物を用いる、記載される種々の障害の処置を包含するものとする。適したプロドラッグ誘導体の選択及び製造のための通常の方法は、例えば“Design of Prodrugs”,ed.H.Bundgaard,Elsevier,1985に記載されている。
【0025】
本明細書で用いられる場合、「プロゲストゲンアンタゴニスト」という用語はミフェプリストン(mifepristone)、J−867(Jenapharm/TAP Pharmaceuticals)、J−956(Jenapharm/TAP Pharmaceuticals)、ORG−31710(Organon)、ORG−32638(Organon)、ORG−31806(Organon)、オナプリストン(onapristone)及びPRA248(Wyeth)を含むものとする。
【0026】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素及びヨウ素を意味するものとする。
【0027】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、単独で用いられても置換基の一部として用いられても、「アルキル」という用語は1〜8個の炭素原子の直鎖及び分枝鎖組成を含む。例えばアルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどが含まれる。他にことわらなければ、アルキルと一緒に用いられる場合の「低級」は、1〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。類似して、基「−(アルキル)0−4−」は、単独でも大きな置換基の一部としても、アルキル基の不在又は1〜4個の炭素原子を含んでなるアルキル基の存在を意味するものとする。適した例には−CH−、−CHCH−、CH−CH(CH)−、CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−、CHCHCHCH−などが含まれるが、これらに限られない。
【0028】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「アルコキシ」は上記の直鎖状もしくは分枝鎖状アルキル基の酸素エーテル基を示すものとする。例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
【0029】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「アリール」は非置換炭素環式芳香族基、例えばフェニル、ナフチルなどを指すものとする。
【0030】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「アラルキル」はアリール基、例えばフェニル、ナフチルなどで置換された低級アルキル基を意味するものとする。適した例にはベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチルなどが含まれる。
【0031】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「シクロアルキル」という用語は、安定な3〜8員単環式飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを意味するものとする。
【0032】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「シクロアルキル−アルキル」という用語は、シクロアルキル基で置換された低級アルキル基を意味するものとする。適し
た例にはシクロヘキシル−メチル、シクロペンチル−メチル、シクロヘキシル−エチルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0033】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「アシルオキシ」という用語は、式−O−C(O)−Rの基を意味するものとし、ここでRはアルキル、アリール又はアラルキルであり、ここでアルキル、アリール又はアラルキルは場合により置換されていることができる。本明細書で用いられる場合、「カルボキシレート」という用語は、式−C(O)O−Rの基を意味するものとし、ここでRはアルキル、アリール又はアラルキルであり、ここでアルキル、アリール又はアラルキルは場合により置換されていることができる。
【0034】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ヘテロアリール」は、O、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜3個の追加のヘテロ原子を含有することができる5もしくは6員単環式芳香族環構造;あるいはO、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜4個の追加のヘテロ原子を含有することができる9もしくは10員二環式芳香族環構造を示すものとする。ヘテロアリール基は、結果が安定な構造であるように、環のいずれのヘテロ原子又は炭素原子において結合することもできる。
【0035】
適したヘテロアリール基の例にはピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、プラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、フラザニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0036】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ヘテロアリール−アルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換された低級アルキル基を意味するものとする。適した例にはピリジル−メチル、イソキノリニル−メチル、チアゾリル−エチル、フリル−エチルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、O、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜3個の追加のヘテロ原子を含有することができる5〜7員単環式飽和もしくは部分的不飽和環構造;あるいはO、N及びSより成る群から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、場合によりO、N及びSより成る群から独立して選ばれる1〜4個の追加のヘテロ原子を含有することができる9〜10員飽和、部分的不飽和もしくは部分的芳香族二環式環系を示すものとする。ヘテロシクロアルキル基は、結果が安定な構造であるように、環のいずれのヘテロ原子又は炭素原子において結合することもできる。
【0038】
適したヘテロアリール基の例にはピロリニル、ピロリジニル、ジオキサラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、トリチアニル、インドリニル、クロメニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロベンゾフリルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0039】
本明細書で用いられる場合、他にことわらなければ、「ヘテロシクロアルキル−アルキ
ル」という用語は、ヘテロシクロアルキル基で置換された低級アルキル基を意味するものとする。適した例にはピペリジニル−メチル、ピペラジニル−メチル、ピペラジニル−エチル、モルホリニル−メチルなどが含まれるが、これらに限られない。
【0040】
特定の基が「置換されている」場合(例えばシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル)、その基は、置換基のリストから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基、好ましくは1〜5個の置換基、より好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を有することができる。さらに、アラルキル、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル又はシクロアルキル−アルキル基が置換されている場合、置換基は基のいずれの部分の上にあることもできる(すなわち置換基は基のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル又はアルキル部分の上にあることができる)。
【0041】
置換基に関し、「独立して」という用語は、1個より多いそのような置換基が可能な場合、そのような置換基が同じであるか、又は互いに異なることができることを意味する。
【0042】
本開示を通じて用いられる標準的な命名法の下に、指定される側鎖の末端位置を最初に記載し、結合の点に向かって隣接する官能基が続く。かくして例えば「フェニルC−CアルキルアミノカルボニルC−Cアルキル」置換基は式
【0043】
【化3】

【0044】
の基を指す。
【0045】
明細書、特にスキーム及び実施例で用いられる略語は以下の通りである:
Ac アセチル基(−C(O)−CH
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
ERT エストロゲン置換療法
Et エチル(すなわち−CHCH
EtOAc 酢酸エチル
FBS 胎児ウシ血清
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HRT ホルモン置換療法
MeOH メタノール
Ph フェニル
TEA又はEtN トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TsOH トルエンスルホン酸
【0046】
本明細書で用いられる「患者」という用語は、処置、観察又は実験の対象であった動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくは人間を指す。
【0047】
本明細書で用いられる場合「治療的な有効な量」という用語は、組織系、動物又は人間において、研究者、獣医師、医師あるいは他の臨床医が求めている生物学的もしくは医学
的反応を引き出す活性化合物又は製薬学的薬剤の量を意味し、反応には処置されている疾患もしくは障害の症状の軽減が含まれる。本発明が1種もしくはそれより多い式Iの化合物及びプロゲストゲン又はプロゲストゲンアンタゴニストの投与を含んでなる共−治療を目的とする場合、「治療的な有効な量」は、組み合わされた効果が所望の生物学的もしくは医学的反応を引き出すように、一緒に摂取される薬剤の組み合わせの量を意味するものとする。例えば式Iの化合物及びプロゲストゲンの投与を含んでなる共−治療の治療的に有効な量は、一緒にもしくは逐次的に摂取される場合に治療的に有効である組み合わせ効果を有する式Iの化合物の量及びプロゲストゲンの量である。さらに、上記の例におけるような治療的に有効な量を用いる共−治療の場合、式Iの化合物の量及び/又はプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストの量は、個別に治療的に有効であっても良いか、又は有効でなくても良いことは、当該技術分野における熟練者により認識されるであろう。
【0048】
本明細書で用いられる場合、「共−治療」という用語は、1種もしくはそれより多い式Iの化合物をプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストと一緒に投与することによる、必要のある患者の処置を意味するものとし、ここで式Iの化合物及びプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストは適した手段により同時に、逐次的に、個別にあるいは単一の製薬学的調製物において投与される。式Iの化合物及びプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストが別の投薬形態物において投与される場合、各化合物に関する1日当たりに投与される投薬の回数は同じかもしくは異なることができる。式Iの化合物及びプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストを同じもしくは異なる投与経路を介して投与することができる。適した投与方法の例には、経口的、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮的及び直腸的投与方法が含まれるが、これらに限られない。頭蓋内又は脊椎内針及び/又はポンプ装置を有するかもしくは有していないカテーテルを介する送達により、これらに限られないが大脳内、脳室内、大脳室内、包膜内、槽内、脊髄内及び/又は脊髄−周囲投与経路を含んで、化合物を神経系に直接投与することもできる。式Iの化合物及びプロゲストゲンもしくはプロゲストゲンアンタゴニストを同時もしくは交互管理に従って、治療の経過の間の同じもしくは異なる時点に、分けられたかもしくは単一の形態で同時に投与することができる。
【0049】
本明細書で用いられる場合、「組成物」という用語は、特定の量における特定の成分を含んでなる製品(product)ならびに特定の量における特定の成分の組み合わせから直接もしくは間接に生ずる任意の製品を包含することが意図されている。
【0050】
当該技術分野における熟練者は、上記の方法内のいずれかの段階に、R及び/又はR基の1個もしくはそれより多くを保護するのが必要であるか及び/又は望ましいかも知れないことを認識するであろう。これは例えばProtective Groups in Organic Chemistry,ed.J.F.W.McOmie,Plenum Press,1973;及びT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記載されているもののような、既知の保護基ならびに既知の保護及び脱−保護試薬及び条件を用いて達成され得る。
【0051】
スキーム(I)に概述される方法に従って式(I)の化合物を製造することができる。
【0052】
【化4】

【0053】
さらに特定的に、既知の化合物又は既知の方法により製造される化合物であるXがハロゲン、CN、CF、NO又はSO(アルキル)である適切に置換された式(II)の化合物を、アセトン、THF、1,4−ジオキサン、エチルエーテルなどのような有機溶媒中で、約0℃〜約30℃に範囲内の温度で、既知の化合物である式(III)の化合物と反応させ、対応する式(IV)の化合物を与える。NaOMe、NaOEt、KOtBu、NaOtBuなどのような有機塩基又はNaOH、KOH、NaCO、NaHCO、KCO、CsCO、KFなどのような無機塩基下で;MeOH、EtOH、iPrOH、tBuOHのような有機溶媒の存在下に、約0℃〜100℃の範囲内の温度で化合物IV及びアルキルヨーダイド(V)又はアルキルジヨーダイド(VI)の環化を行い、対応する式(VII)の化合物を与えることができる。
【0054】
【化5】

【0055】
好ましくは、スキームIから製造される化合物であるXがBr又はIである式(VII)の化合物をさらに、既知の化合物又は既知の方法から製造される化合物である式RB(OH)のアリールもしくはヘテロアリールボロン酸と、Pd(PPh、Pd(OAc)とPPh、PdCl(PPh又はPdCl(dppf)などのようなパラジウム(0)又はパラジウム(+2)触媒下で、KCO、NaCO、KOAc、KPO、NaOAc、CsCOなどのような無機塩基の存在下に、少量の水と一緒の1,4−ジオキサン、THF、トルエンのような有機溶媒中で;0〜125℃の範囲内の温度で反応させ、対応する式(VIII)の化合物を与えることができる。
【0056】
【化6】

【0057】
好ましくは、国際公開第2003/082868号パンフレットに記載されさている方法に従って製造される既知の化合物である式(X)の化合物を、nBuLi、LDA、NaHMDSなどのような有機塩基下に、THF、エーテル又はヘキサンのような非プロトン性溶媒中で、−78℃〜−40℃の範囲内の温度で脱プロトン化し;次いでアニオンを式RI又はRIのヨーダイドあるいは式I−(R−R)−Iのジヨーダイドと反応させ、式(XI)の化合物を生成させる。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
分子中の特定の位置における置換基又は変数の定義は、その分子中の他のどこかにおけるその定義と無関係であることが意図されている。化学的に安定であり、且つ当該技術分野において既知の方法ならびに本明細書に示される方法により容易に合成することができる化合物を与えるように、当該技術分野における通常の熟練者が本発明の化合物上の置換基及び置換パターンを選択できることは理解される。さらに、mが>1である場合、対応するR置換基は同一又は異なることができることが意図されている。
【0061】
製薬学的又は生理学的に許容され得る酸もしくは塩基から誘導される塩の形態で本発明の化合物を用いることができる。これらの塩には以下の無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸ならびに場合次第で酢酸、シュウ酸、コハク酸及びマレイン酸のような有機酸との塩が含まれるが、これらに限られない。他の塩には、エステル、カルバメートの形態及び他の通常の「プロ−ドラッグ」形態におけるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムとの塩が含まれ、それらはそのような形態で投与されると生体内で活性部分に転換される。
【0062】
本発明は、好ましくは1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る担体及び/又は賦形剤と組み合わされた1種もしくはそれより多い本発明の化合物を含んでなる製薬学的組成物を含む。本発明は避妊の方法ならびにプロゲステロン受容体と関連する疾患の処置もしくは予防方法も含み、該方法は、Rがアルキル、アリール、ヘテロアリール又はアルキルアリール基である1種もしくはそれより多い上記の化合物の製薬学的に有効な量を、必要のある哺乳類に投与することを含んでなる。
【0063】
単独で又は組み合わせて用いられる本発明のプロゲステロン受容体アンタゴニストを避妊ならびに良性及び悪性の腫瘍性疾患の処置及び/又は予防の方法において使用することができる。本発明の化合物及び製薬学的組成物の特定的使用には、子宮筋層フィブロイド、子宮内膜症、良性前立腺肥大;子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体のガン及び腺ガン、髄膜腫及び他のホルモン−依存性腫瘍の処置及び/又は予防が含まれる。本発明のプロゲステロン受容体アンタゴニストのさらなる使用には、家畜における発情の同期化(synchronization)が含まれる。
【0064】
避妊において用いられる場合、本発明のプロゲステロン受容体アンタゴニストを1日当たり0.1〜500mgの連続的投与において単独で、あるいはまた異なる管理において用いることができ、それは21日のプロゲスチンの後にプロゲステロン受容体アンタゴニストを用いる2〜4日の処置を伴う。この管理においては、0.1〜500mgのプロゲスチン(例えばレボノルゲストレル(levonorgestrel)、トリメゲストン(trimegestone)、ゲストデン(gestodene)、ノレジストロンアセテート(norethistrone acetate)、ノルゲスチメート(nor
gestimate)又はシプロテロンアセテート(cyproterone aectate))の毎日の投薬に0.1〜500mgの本発明のプロゲステロン受容体アンタゴニストの毎日の投薬が続く。
【0065】
単独で又は組み合わせて用いられる本発明のプロゲステロン受容体アゴニストを避妊ならびに機能不全性不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺のガン及び腺ガンの処置及び/又は予防の方法において使用することもできる。本発明のさらなる使用には食物摂取の刺激が含まれる。
【0066】
避妊において用いられる場合、本発明のプロゲステロン受容体アゴニストは、好ましくはエストロゲンアゴニスト(例えばエチニルエストラジアオ(ethinyl estradiao))と組み合わせて、又は逐次的に用いられる。プロゲステロン受容体アゴニストの好ましい投薬量は1日当たり0.01mg〜500mgである。
【0067】
本発明は、好ましくは1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る担体又は賦形剤と組み合わされた本明細書に記載される1種もしくはそれより多い化合物を含んでなる製薬学的組成物も含む。化合物が上記の用途のために用いられる場合、それらを1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る担体又は賦形剤、例えば溶媒、希釈剤などと組み合させることができ、錠剤、カプセル、分散可能な粉剤、顆粒剤又は例えば約0.05〜5%の懸濁化剤を含有する懸濁剤、例えば約10〜50%の糖を含有するシロップならびに例えば20〜50%のエタノールを含有するエリキシル剤などのような形態で経口的に、あるいは無菌の注入可能な溶液又は等張媒体中に約0.05〜5%の懸濁化剤を含有する懸濁剤の形態で非経口的に投与することができる。そのような製薬学的調製物は、例えば約25〜約90%の活性成分を担体と組み合わせて、より普通には約5重量%〜60重量%を含有することができる。
【0068】
用いられる活性成分の有効な投薬量は、用いられる特定の化合物、投与の様式及び処置されている状態の重度に依存して変り得る。しかしながら一般に、本発明の化合物を、動物の体重のkg当たり約0.5〜約500mgの1日の投薬量で投与し、好ましくは1日に2〜4回の分割された投薬量で、あるいは徐放性形態で与えると、満足できる結果が得られる。最も大きな哺乳類の場合、毎日の合計の投薬量は約1〜100mg、好ましくは約2〜80mgである。内部的使用に適した投薬形態物は、固体もしくは液体の製薬学的に許容され得る担体との緊密な混合物における約0.5〜500mgの活性化合物を含む。最適の治療的反応を与えるためにこの投薬量管理を調整することができる。例えば毎日数回の分割された投薬量を投与することができるか、あるいは治療的状況の危急性により示される通りに相対的に投薬量を減少させることができる。
【0069】
これらの活性化合物を経口的に、ならびに静脈内、筋肉内又は皮下経路により投与することができる。固体担体にはデンプン、ラクトース、リン酸二カルシウム、微結晶性セルロース、スクロースおよびカオリンが含まれ、液体担体には、活性成分の性質および所望の特定の投与の形態に応じて適宜、無菌水、ポリエチレングリコール、非−イオン性界面活性剤ならびに食用油、例えばコーン、ピーナッツおよびゴマ油が含まれる。風味剤、着色剤、防腐剤および酸化防止剤、例えばビタミンE、アスコルビン酸、BHTおよびBHAのような、製薬学的組成物の調製において通常用いられる助剤を有利に含むことができる。
【0070】
調製及び投与の容易さの観点から好ましい製薬学的組成物は固体組成物、特に錠剤及び固体充填(hardfilled)又は液体−充填カプセルである。化合物の経口的投与が好ましい。
【0071】
これらの活性化合物を非経口的に、又は腹膜内に投与することもできる。遊離の塩基又は薬理学的に許容され得る塩としてのこれらの活性化合物の溶液又は懸濁剤を、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合された水中で調製することができる。グリセロール、液体、ポリエチレングリコール及び油中のそれらの混合物中で分散液を調製することもできる。通常の保存及び使用の条件下で、これらの調製物は微生物の成長を妨げるために防腐剤を含有する。
【0072】
注入可能な使用に適した製薬学的形態物には無菌の水溶液又は分散液及び無菌の注入可能な溶液又は分散液のその場での調製のための無菌の粉剤が含まれる。すべての場合に、形態物は無菌でなければならず、且つ容易な注射器適応性(syring ability)が存在する程度まで流体でなければならない。それは製造及び保存の条件下で安定でなければならず、且つバクテリア及び菌・カビのような微生物の汚染作用に対して防腐されねばならない。担体は、例えば水、エタノール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、それらの適した混合物及び植物油を含有する溶媒又は分散媒であることができる。
【0073】
以下の制限ではない実施例は、本発明の化合物の製造及び使用を例示する。
【実施例1】
【0074】
A.2−アミノ−5−ブロモ−1−エトキシカルボニルメチル−ピリジニウム;ブロミド
【0075】
【化7】

【0076】
2−アミノ−5−ブロモピリジン(10.88g,62.9ミリモル)をアセトン(65mL)中に溶解した。この溶液にブロモ酢酸エチル(7.7mL,69.2ミリモル)を加えた。溶液を窒素下で終夜加熱還流した。反応混合物を冷却し、オフ−ホワイト色の固体を濾過した。固体をアセトンで洗浄し、乾燥して表題化合物をオフ−ホワイト色の固体として与えた(13.74g,64%)。
H NMR(DMSO−d)δ8.91(s,2H),8.42(d,J=2.2Hz,1H),8.09(dd,J=2.2および9.5Hz,1H),7.10(d,J=9.5Hz,1H),5.11(s,2H),4.21(q,J=7.1および14.2,2H),1.26(t,J=7.1,3H);MS(m/e):259(MH)。
【0077】
B.6−ブロモ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0078】
【化8】

【0079】
メタノール(30mL)中の2−アミノ−5−ブロモ−1−エトキシカルボニルメチル−ピリジニウム;ブロミド(2.86g,8.4ミリモル)の溶液に、ナトリウムメトキシド(25重量%,2.5mL,10.1ミリモル)を加えた。反応混合物をアルゴン下に室温で終夜攪拌した。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて淡褐色
の固体を与えた。粗材料をカラムクロマトグラフィーにより、3、5及び10%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶離させて精製した。生成物が褐色の固体として得られた(56mg,3%)。
H NMR(CDCl)δ7.85(s,1H),7.67(dd,J=1.6,9.5Hz,1H),7.07(d,J=9.5Hz,1H),4.52(s,2H);MS(m/e):215(MH);HRMS:CBrNOについての計算値MH212.9672;実測値212.9664。
【0080】
C1.6−ブロモ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0081】
【化9】

【0082】
100mLのエタノール中の2−アミノ−5−ブロモ−1−エトキシカルボニルメチル−ピリジニウム;ブロミド(6.11g,17.97ミリモル)の溶液を調製し、続いてナトリウムエトキシド(21重量%,20.5mL,54.9ミリモル)を加えた。1時間後、ヨードメタン(2.3mL,37.7ミリモル)を加え、反応物を室温で終夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン中に取り上げた。混合物を濾過し、濾液をカラムクロマトグラフィーにより、5%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶離させて精製した。生成物が淡褐色の固体として得られた(1.07g,25%)。
H NMR(CDCl)δ7.73(s,1H),7.67(dd,J=1.8および9.4Hz,1H),7.13(d,J=9.4Hz,1H),1.59(s,6H);MS(m/e):241(MH)。
C2.6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0083】
【化10】

【0084】
6−ブロモ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(0.211g,1ミリモル)、NaOMe(MeOH中の25%,0.26g,1.2ミリモル)をMeOH(5.0mL)中で攪拌した。1,4−ジヨードブタン(0.310g,1.0ミリモル)をゆっくり加えた。これを周囲温度で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて淡褐色の固体を与えた。粗材料をカラムクロマトグラフィーにより、5%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶離させて精製した。生成物が白色の固体として得られた(20mg,20%)。種々の規模で数回の実験を行ない、最高の収率は50%である。
H NMR(CDCl)δ7.68(s,1H),7.62(d,1H,J=12Hz),7.04(d,1H,J=12Hz),2.52−1.83(m,8H);MS(m/e):267(MH)。
C3.6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0085】
【化11】

【0086】
80mLのエタノール中の2−アミノ−5−ブロモ−1−エトキシカルボニルメチル−ピリジニウム;ブロミド(4.66g,13.70ミリモル)の溶液を調製し、続いてナトリウムエトキシド(21重量%,15.4mL,41.11ミリモル)を加えた。1時間後、1,5−ジヨードペンタン(2.2mL,15.07ミリモル)を加え、終夜反応を進行させた。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて淡褐色の固体を与えた。粗材料をカラムクロマトグラフィーにより、5%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶離させて精製した。生成物がオレンジ色の固体として得られた(1.15g,30%)。
H NMR(CDCl)δ7.73(d,J=1.8Hz,1H),7.63(dd,J=2.2および9.4Hz,1H),7.07(d,J=9.0Hz,1H),2.35−2.24(m,2H),2.01−1.96(m,2H),1.88−1.81(m,1H),1.75−1.64(m,4H),1.46−1.37(s,1H);MS(m/e):282(MH)。
【実施例2】
【0087】
6−(3−クロロ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0088】
【化12】

【0089】
丸底フラスコに6−ブロモ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(60mg,0.25ミリモル)、3−クロロフェニルボロン酸(39mg,0.25ミリモル)、炭酸カリウム(69mg,0.25ミリモル)、Pd(PPh(29mg,0.025ミリモル)、ジオキサン(5mL)及び水(1mL)を加えた。HPLC−MSにより監視して出発材料が消費されるまで、混合物を加熱還流した。溶液を冷却し、水を加えた。反応混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより、5%メタノール/ジクロロメタンを用いて溶離させて精製し、所望の生成物をオフ−ホワイト色の固体として与えた(43mg,63%)。
H NMR(CDCl)δ7.84(dd,J=1.8および9.1Hz,1H),7.74(s,1H),7.46−7.27(m,5H),1.64(s,6H);MS(m/e):273(MH);HRMS:C1513ClNOについての計算値MH273.0794;実測値273.0800。
【実施例3】
【0090】
6−(3−クロロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0091】
【化13】

【0092】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘプタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、標題化合物を71%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.81(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.76(d,J=1.4,1H),7.45−7.33(m,3H),7.25−7.23(m,2H),2.40−2.30(m,2H),2.05−2.00(m,2H),1.91−1.86(m,1H),1.78−1.71(m,4H),1.49−1.42(m,1H);MS(m/e):313(MH)。
【実施例4】
【0093】
3−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)−ベンゾニトリル(JNJ−27385696)
【0094】
【化14】

【0095】
実施例2に記載される方法に従い、出発材料として3−シアノフェニルボロン酸を用いて、表題生成物を12%の収率で黄色の固体として製造した。
H NMR(CDCl)δ7.82(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.76−7.69(m,4H),7.61(m,1H),7.31(d,J=9.3Hz,1H),1.65(s,6H);MS(m/e):264(MH);HRMS:C1613Oについての計算値MH264.1137;実測値264.1130。
【実施例5】
【0096】
6−クロロ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0097】
【化15】

【0098】
実施例1−C1に記載される方法に従い、5−クロロ−ピリジン−2−イルアミンから出発して、表題化合物を44%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.62(d,J=2.2Hz,1H),7.57(dd,J=2.3および9.5Hz,1H),7.16(d,J=9.5Hz,1H),1.59(s,6H);MS(m/e):197(MH)。
【実施例6】
【0099】
6−クロロ−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0100】
【化16】

【0101】
実施例1−C3に記載される方法に従い、5−クロロ−ピリジン−2−イルアミンから出発して、表題化合物を14%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.63(t,J=1.8および0.4Hz,1H),7.53(dd,J=2.3および9.4Hz,1H),7.11(dd,J=0.4,9.4Hz,1H),2.36−2.25(m,2H),2.00−1.96(m,2H),1.88−1.81(m,1H),1.75−1.63(m,4H),1.46−1.36(m,1H);MS(m/e):237(MH)。
【実施例7】
【0102】
6−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(JNJ−27446913)
【0103】
【化17】

【0104】
実施例2に記載される方法に従い、出発材料として3,5−ジフルオロフェニルボロン酸を用いて、表題生成物を73%の収率で黄色の固体として製造した。
H NMR(CDCl)δ7.81(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.77(d,J=1.4Hz,1H),7.29(d,J=0.6Hz,1H),7.02−6.98(m,2H),6.90−6.84(m,1H),1.64(s,6H);MS(m/e):275(MH);HRMS:C1512FNOについての計算値MH275.0996;実測値275.1009。
【実施例8】
【0105】
3,3−ジメチル−6−(3−ニトロ−フェニル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(JNJ−27504646)
【0106】
【化18】

【0107】
実施例2に記載される方法に従い、出発材料として3−ニトロフェニルボロン酸を用いて、表題生成物を37%の収率で黄色の固体として製造した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.35(t,J=2.0Hz,1H),8.30−8.27(m,1H),7.89(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.83−7.80(m,2H),7.70(t,J=8.0Hz,1H),7.33(d,J=9.3Hz,1H),1.66(s,6H);MS(m/e):284(MH);HRMS:C1513についての計算値MH284.1035;実測値284.1028。
【実施例9】
【0108】
3,3−ジメチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(JNJ−27512277)
【0109】
【化19】

【0110】
実施例2に記載される方法に従い、出発材料として3−トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用いて、表題生成物を73%の収率でオフ−ホワイト色の固体として製造した。H NMR(CDCl)δ7.86(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.76(s,J=1.5Hz,1H),7.70−7.61(m,4H),7.30(d,J=9.2,1H),1.65(s,6H);MS(m/e):307(MH);HRMS:C1613Oについての計算値MH307.1058;実測値307.1052。
【実施例10】
【0111】
6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(JNJ−27518738)
【0112】
【化20】

【0113】
実施例2に記載される方法に従い、出発材料として2,4−ジ−フルオロフェニルボロン酸を用いて、表題生成物を65%の収率で白色の固体として製造した。
H NMR(CDCl)δ7.78−7.74(m,2H),7.37(m,1H),7.28−7.26(m,1H),7.05−6.95(m,2H),1.62(s,6H);MS(m/e):275(MH);HRMS:C1512FNOについての計算値MH275.0996;実測値275.1008。
【実施例11】
【0114】
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン(27518803)
【0115】
【化21】

【0116】
実施例2に記載される方法に従い、3,5−ジ−トリフルオロメチルフェニルボロン酸から出発して、表題化合物を75%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.93−7.91(m,3H),7.88−7.86(m,2H),7.33(dd,J=1.8および8.4Hz,1H),1.67(s,6H);MS(m/e):375(MH)。
【実施例12】
【0117】
6−(3−メトキシ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0118】
【化22】

【0119】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び3−メトキシフェニルボロン酸から出発して、表題化合物を54%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.86(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.73(d,J=1.5Hz,1H),7.43−7.39(m,1H),7.28−7.25(m,1H),7.05(m,1H),6.97−6.94(m,2H),3.88(s,3H),1.63(s,6H);MS(m/e):269(MH)。
【実施例13】
【0120】
6−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0121】
【化23】

【0122】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を72%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.84(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.75(d,J=1.6Hz,1H),7.49−7.43(m,1H),7.29−7.24(m,2H),7.19−7.10(m,2H),1.64(m,6H);MS(m/e):257(MH)。
【実施例14】
【0123】
6−(2−クロロ−フェニル)−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0124】
【化24】

【0125】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を46%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.77−7.73(m,2H),7.55−7.51(m,1H),7.40−7.32(m,3H),7.28−7.23(m,1H),1.62(s,6H);MS(m/e):273(MH)。
【実施例15】
【0126】
6−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0127】
【化25】

【0128】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を39%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.81(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.77(d,J=1.4Hz,1H),7.50−7.40(m,1H),7.25−7.23(m,2H),7.18−7.10(m,2H),2.40−2.30(m,2H),2.05−2.00(m,2H),1.91−1.81(m,1H),1.77−1.71(m,4H),1.50−1.38(m,1H);MS(m/e):297(MH)。
【実施例16】
【0129】
6−(3−メトキシ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0130】
【化26】

【0131】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を67%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.83(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.77(d,J=1.4Hz,1H),7.40−7.38(m,1H),7.24−7.22(m,1H),7.04−7.02(m,1H),6.97−6.95(m,2H),3.88(s,3H),2.40−2.30(m,2H),2.05−2.00(m,2H),1.92−1.80(s,1H),1.77−1.68(m,4H),1.50−1.38(m,1H);MS(m/e):309(MH)。
【実施例17】
【0132】
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0133】
【化27】

【0134】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を35%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.93−7.79(m,5H),7.30−7.28(m,1H),2.40−2.36(m,2H),2.06−2.01(m,2H),1.92−1.88(m,1H),1.82−1.72(m,4H),1.50−1.38(m,1H);MS(m/e):415(MH)。
【実施例18】
【0135】
6−(3−ニトロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0136】
【化28】

【0137】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を8%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ8.34(t,J=1.9Hz,1H),8.29−8.26(m,1H),7.88−7.79(m,3H),7.69(t,J=7.9,1H),7.31−7.26(m,1H),2.45−2.30(m,2H),2.10−2.00(m,2H),1.93−1.83(m,1H),1.81−1.70(m,4H),1.50−1.40(m,1H);MS(m/e):324(MH)。
【実施例19】
【0138】
6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0139】
【化29】

【0140】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を65%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.84(dd,J=2.2および9.2Hz,1H),7.78(d,J=1.4Hz,1H),7.69−7.62(m,4H),7.28−7.25(m,1H),2.39−2.32(m,2H),2.05−2.00(m,2H),1.91−1.86(m,1H),1.80−1.71(m,4H),1.47−1.43(m,1H);MS(m/e):347(MH)。
【実施例20】
【0141】
6−(3−シアノ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0142】
【化30】

【0143】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を47%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.82−7.79(m,2H),7.77−7.70(m,3H),7.28−7.26(m,1H),7.28−7.26(m,1H),2.38−2.30(m,2H),2.05−2.01(m,2H),1.91−1.87(m,1H),1.80−1.71(m,4H),1.49−1.43(m,1H);MS(m/e):304(MH)。
【実施例21】
【0144】
6−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0145】
【化31】

【0146】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を36%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.78−7.75(m,2H),7.23(s,1H),7.00−6.97(m,2H),6.90−6.84(m,1H),2.40−2.23(m,2H),2.05−1.95(m,2H),1.91−1.81(m,1H),1.77−1.65(m,4H),1.50−1.37(m,1H);MS(m/e):315(MH)。
【実施例22】
【0147】
6−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0148】
【化32】

【0149】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を48%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.79−7.76(m,1H),7.69−7.64(m,1H),7.58−7.53(m,1H),7.49−7.45(m,1H),7.31−7.23(m,2H),2.38−2.30(m,2H),2.04−2.00(m,2H),1.90−1.85(m,1H),1.79−1.65(m,4H),1.50−1.38(m,1H);MS(m/e):347(MH)。
【実施例23】
【0150】
6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0151】
【化33】

【0152】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を48%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.81(s,1H),7.75−7.72(m,1H),7.40−7.33(m,1H),7.25−7.22(m,1H),7.08−6.95(m,2H),2.37−2.28(m,2H),2.05−2.02(m,2H),1.87−1.84(m,1H),1.75−1.71(m,4H),1.45−1.39(m,1H);MS(m/e):315(MH)。
【実施例24】
【0153】
6−(3−クロロ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0154】
【化34】

【0155】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を60%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.80(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.73(d,J=1.6Hz,1H),7.45−7.39(m,3H),7.34−7.31(m,1H),7.25−7.23(m,1H),2.53−2.48(m,2H),2.20−2.16(m,2H),2.05−1.94(m,4H);MS(m/e):299(MH)。
【実施例25】
【0156】
6−(3−シアノ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0157】
【化35】

【0158】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を31%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.80(dd,J=2.2および9.2Hz,1H),7.75−7.68(m,4H),7.62(t,J=7.7Hz,1H),7.28(s,1H),2.55−2.48(m,2H),2.22−2.18(m,2H),2.06−1.95(m,4H);MS(m/e):290(MH)。
【実施例26】
【0159】
6−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0160】
【化36】

【0161】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を58%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.81(dd,J=2.0および9.1Hz,1H),7.
74(d,J=1.8Hz,1H),7.49−7.43(m,1H),7.27−7.22(m,2H),7.17−7.10(m,2H),2.54−2.48(m,2H),2.21−2.14(m,2H),2.08−1.94(m,4H);MS(m/e):283(MH)。
【実施例27】
【0162】
6−(3−ニトロ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0163】
【化37】

【0164】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を48%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ8.33(t,J=2.0Hz,1H),8.29−8.27(m,1H),7.87(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.83−7.68(m,2H),7.70(t,J=8.0Hz,1H),7.30(d,J=9.2Hz,1H),2.54−2.49(m,2H),2.22−2.18(m,2H),2.07−1.97(m,4H);MS(m/e):310(MH)。
【実施例28】
【0165】
6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0166】
【化38】

【0167】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を58%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.77(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.72(m,1H),7.57−7.53(m,2H),7.30−7.23(m,2H),2.53−2.47(m,2H),2.21−2.14(m,2H),2.08−1.94(m,4H);MS(m/e):331(MH)。
【実施例29】
【0168】
6−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0169】
【化39】

【0170】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を80%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.93(s,1H),7.88(s,2H),7.84−7.79(m,2H),7.30−7.28(m,1H),2.54−2.48(m,2H),2.23−2.16(m,2H),2.09−1.97(m,4H);MS(m/e):401(MH)。
【実施例30】
【0171】
6−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[ペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン
【0172】
【化40】

【0173】
実施例2に記載される方法に従い、6−ブロモ−3,3−スピロ[シクロペンタン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン及び対応するボロン酸から出発して、表題化合物を44%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ7.76(dd,J=2.1および9.2Hz,1H),7.70(d,J=1.4Hz,1H),7.49(dd,J=2.3および6.7Hz,1H),7.34−7.22(m,3H),2.53−2.47(m,2H),2.22−2.12(m,2H),2.07−1.94(m,4H);MS(m/e):317(MH)。
【実施例31】
【0174】
A.5−(3−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
【0175】
【化41】

【0176】
実施例2に記載される方法に従い、5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(国際公開第2003082868号パンフレット、33頁に記載されている方法に従って製造される)及び3−フルオロ−フェニルボロン酸から出発して、表題化合物を32%の収率で製造した。H NMRは国際公開第20030828
68号パンフレット、34頁に報告されているものと同じである。
B.5−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
【0177】
【化42】

【0178】
THF(8mL)中の5−(3−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(91mg,0.40ミリモル)の溶液を、アルゴン下で−10〜−30℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウム(0.34mL,0.84ミリモル)を加え、続いてN,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン(0.13mL,0.84ミリモル)を加えた。溶液を−10℃で0.5時間攪拌した。ヨードメタン(0.05mL,0.84ミリモル)を加え、終夜、溶液が室温に温まるのを許した。反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて淡褐色の固体を与えた。粗材料をカラムクロマトグラフィーにより、40%酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶離させて精製した。生成物がオフ−ホワイト色の固体として得られた(23mg,22%)。
H NMR(CDCl)δ8.74(s,1H),8.36(d,J=1.9Hz,1H),7.62(d,J=2.0Hz,1H),7.46−7.41(m,1H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),7.24−7.23(m,1H),7.11−7.06(m,1H),1.48(s,6H);MS(m/e):257(MH)。
【実施例32】
【0179】
5−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
【0180】
【化43】

【0181】
実施例30Bに記載されている方法に従い、5−(3−フルオロ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン及び1,5−ジヨードペンタンから出発して、表題化合物を24%の収率で製造した。
H NMR(CDCl)δ9.40(s,1H),8.37(s,1H),7.87(d,J=1.9Hz,1H),7.47−7.38(m,1H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),7.24−7.23(m,1H),7.11−7.06(m,1H),1.99−1.67(m,10H);MS(m/e):297(MH)。
【実施例33】
【0182】
試験管内試験
T47Dヒト乳ガン細胞を、10%(v/v)熱−不活化胎児ウシ血清(FBS;Hy
clone)、1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)、1%(w/v)グルタミン(Invitrogen)及び10mg/mLインスリン(Sigma)を含有し、フェノールレッドを含まないRPMI培地(Invitrogen)中で生育させる。インキュベーション条件は、加湿された5%(v/v)二酸化炭素環境中の37℃である。アッセイのために、96−ウェル組織培養プレートにおいて、アッセイ培地[5%(v/v)木炭−処理FBS(Hyclone)及び1%(v/v)ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)を含有し、フェノールレッドを含まないRPMI培地(Invitrogen)]中でウェル当たり10,000個の細胞において細胞をプレート化する。2日後、培地をデカンテーションし、新しいアッセイ培地中の0.1%(v/v)ジメチルスルホキシドの最終的濃度において化合物を加える。24時間後、SEAPキット(BD Biosciences Clontech,Palo Alto,CA)を用いてアルカリ性ホスファターゼアッセイを行なう。要するに、培地をデカンテーションし、5%(v/v)ホルマリン(Sigma)を用いて細胞を室温で30分間固定する。室温のハンクスの緩衝食塩水(Invitrogen)で細胞を1回洗浄する。等しい容積(0.05mL)の1X希釈緩衝液、アッセイ緩衝液および1:20 基質/エンハンサー混合物を加える。暗所で室温における1時間のインキュベーションの後、ライセートを白い96−ウェルプレート(Dynex)に移し、LuminoSkan Ascent(Thermo Electron,Woburn,MA)を用いてルミネセンスを読み取る。
【0183】
【表3】

【0184】
【表4】

【実施例34】
【0185】
前記の明細書は本発明の原理を記載しており、例示の目的で実施例が示されているが、本発明の実施は、前記の請求項及びそれらの同等事項の範囲内に含まれる通常の変動、応用及び/又は修正のすべてを包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
及びRは独立して水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキル及びヘテロアリール−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、−OR、−SO−NR、−NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)NR、(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、R、−SO−NR、NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)−NR、−(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでQはO、S、NH、N(アルキル)及び−CH=CH−より成る群から選ばれ;
ここでR及びRはそれぞれ独立して水素及びアルキルより成る群から選ばれるか;あるいはまたR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルより成る群から選ばれる4〜8員環を形成し;ここでヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
はハロゲン、CF、ヒドロキシ、R、ニトロ、シアノ、SO(アルキル)、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)R、−OSi(R−OR、−SON(R、−O−(アルキル)1−4−C(O)R、−O−(アルキル)1−4−C(O)OR、アリール及びヘテロアリールより成る群から選ばれ、ここでアリール又はヘテロアリールは場合によりアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、−OC(O)−アルキル又は−C(O)O−アルキルから
独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここで各Rは水素、アルキル、アリール、アラルキルから独立して選ばれ;ここでアルキル、アリール又はアラルキル基は場合によりアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、−OC(O)−アルキル又は−C(O)O−アルキルから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができるか;
あるいはまた2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル基を形成し;ここでヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
は水素、アセチル、SO(アルキル)、アルキル、シクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アラルキル又はヘテロアリール−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、−OR、−SO−NR、−NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)NR、(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、−SH、−S(アルキル)、SO(アルキル)、NO、CN、COH、R、−SO−NR、NR、NR−SO−R、−(アルキル)0−4−C(O)−NR、−(アルキル)0−4−NR−C(O)−R、−(アルキル)0−4−(Q)0−1−(アルキル)0−4−NRから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでQはO、S、NH、N(アルキル)及び−CH=CH−より成る群から選ばれ;
ここでR及びRはそれぞれ独立して水素及びアルキルより成る群から選ばれるか;あるいはまたR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルより成る群から選ばれる4〜8員環を形成し;ここでヘテロアリール又はヘテロシクロアルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができ;
ここでRは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル及びヘテロシクロアルキル−アルキルより成る群から選ばれ;ここでシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル−アルキル基は場合によりハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、カルボキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ又はシアノから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基で置換されていることができる]
の新規なピリジンイミダゾール及びアザ−インドール誘導体又は製薬学的に許容され得るその塩。
【請求項2】
及びRがメチルである請求項1の化合物。
【請求項3】
及びRが−(CH−により連結して5−員スピロ環を形成する請求項1の
化合物。
【請求項4】
及びRが−(CH−により連結して6−員スピロ環を形成する請求項1の化合物。
【請求項5】
がハロゲン、CN、CF、NO又はSO(アルキル)である請求項1の化合物。
【請求項6】
がアリール又はヘテロアリールであり、ここで該アリール又はヘテロアリールはハロゲン、NO、CF又はCN、O(アルキル)によりモノ−、ジ−もしくはトリ−置換されている請求項1の化合物。
【請求項7】
が水素、低級アルキル、アラルキル、ヘテロアリールアルキル又はアセチルである請求項1の化合物。
【請求項8】
6−(3−ニトロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
6−(3−シアノ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
6−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
6−(3,5−ジクロロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
6−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−オン、
5−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン;
及び
5−(3−フルオロ−フェニル)−3,3−スピロ[シクロヘキサン]−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン;
より成る群から選ばれる請求項1の化合物。
【請求項9】
製薬学的に許容され得る担体及び請求項1の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項10】
請求項1の化合物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる、必要のある患者におけるエプロゲステロン受容体により媒介される障害の処置方法。
【請求項11】
プロゲステロン受容体により媒介される障害が続発性無月経、機能不全性不正出血、子宮筋腫(uterine leiomyomata)、子宮内膜症;多嚢胞性卵巣症候群、子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺のガン及び腺ガン、あるいは周期性月経出血の副作用のミニケーション(minication)の処置及び/又は予防に関連するものより成る群から選ばれる請求項10の方法。
【請求項12】
プロゲステロン受容体により媒介される障害が避妊より成る群から選ばれる請求項10の方法。
【請求項13】
請求項9の組成物の治療的に有効な量を患者に投与することを含んでなる、必要のある患者におけるプロゲステロン受容体により媒介される障害の処置方法。
【請求項14】
請求項1の化合物及びエストロゲン又はエストロゲンアゴニストの治療的に有効な量を用いる共−治療を含んでなる避妊方法。

【公表番号】特表2008−518010(P2008−518010A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538997(P2007−538997)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/037820
【国際公開番号】WO2006/049890
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】