説明

プロゲステロン受容体モジュレーター

主題発明は、式I


[式中、Xは、O、NOH、NO(1−4C)アルキル、NO(1−4C)アシルであり、A1ないしA5は、R1で置換されたCもしくはNであり、但し、A1ないしA5の少なくとも1個且つ3個以下は、Nであるか、あるいはA1、A2およびA5の1個もしくは2個はNであり、他のものはR1で置換されたCであり、A3およびA4は一緒に、場合により、共に1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、縮合ベンゾ環もしくは縮合5員もしくは6員の窒素含有芳香族環を表し、R1は、H、ハロゲン、(1−4C)アルキル、(1−4C)アルコキシであり、R2は、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、R3は、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲン原子で置換された(1−4C)アルキルであり、R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであるか、あるいはR2はR3と一緒に、3員、4員、5員もしくは6員の炭素環式環を形成し、R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであり、またはR2は、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、R3はR4と一緒に、5員、6員もしくは7員の飽和もしくは不飽和炭素環式環を形成し、R5は、Hまたは(1−4C)アルキルである]に従った化合物またはこれらの医薬的に許容される塩および/または水和物形および/またはプロドラッグを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避妊、ホルモン置換治療(HRT)および婦人科疾患の治療並びに癌および他の疾患における補助的治療の分野に関する。
【0002】
主題発明は、プロゲステロン受容体に対して作用性モジュレート活量と拮抗性モジュレート活量との両方を有する、新規なプロゲステロン受容体モジュレートステロイド、これらの製造方法および治療におけるこれらの使用を提供する。
【背景技術】
【0003】
細胞内受容体は、遺伝子転写の調節に含まれる構造的に関係するタンパク質の一種類である。ステロイド受容体は、これらの受容体の下位組であり、これには、プロゲステロン受容体(PR)、アンドロゲン受容体(AR)、エストロゲン受容体(ER)、グルココルチコイド受容体(GR)およびミネラルコルチコイド受容体(MR)が含まれる。遺伝子の調節には、細胞内受容体および遺伝子転写に影響を与える方法で受容体に選択的に結合する能力を有する対応するリガンドが必要である。
【0004】
プロゲステロン受容体モジュレーター(プロゲスターゲンおよび抗プロゲスターゲン(antiprogestagen))は、女性の健康において重要な役割を演じることが知られている。PRのための天然のリガンドは、ステロイドホルモンプロゲステロンであるが、リガンドとしても機能することができる合成化合物が作られた(例えば、Jonesら、米国特許第5,688,810号明細書参照)。
【0005】
プロゲスターゲンは、ホルモン避妊のためにおよびHRTにおいて、現在広く使用されている。プロゲスターゲンの他の重要な臨床的応用は、婦人科疾患(例えば、子宮内膜症、月経困難症、機能不全性子宮出血、重度の月経前症候群)、乳癌、体熱感および情緒異常症並びにIVFの間の黄体サポートの治療である。更に、これらは、限定されることなく、化学療法剤、例えば細胞毒性および細胞増殖抑制性薬物、免疫変性剤、例えばインターフェロンおよびインターロイキン、成長ホルモンまたは他のサイトカインを含む他のホルモンおよび/または他の治療、ホルモン治療、手術並びに放射線治療と組み合わせて適用される。
【0006】
現在のステロイド性プロゲスターゲンは、非常に安全でありよく許容されることが証明された。しかしながら、ときどき、単独でまたはエストロゲン性化合物との組み合わせで、これらのステロイド性プロゲスターゲンに起因する副作用(例えば、胸圧痛、頭痛、抑鬱および体重増加)が報告された。更に、1種の受容体のためのステロイド性リガンドは、しばしば、他のステロイド性受容体との交差反応性を示す。多くのプロゲスターゲンは、例えば、アンドロゲン受容体に結合し、他方、多くの抗プロゲスターゲンは、グルココルチコイド受容体に親和性を有する。
【0007】
プロゲスターゲンと組み合わせた抗プロゲスターゲンは、また、例えば、WO 99/25360およびWO 97/49407に記載されているように、避妊およびホルモン置換処方において有用である。したがって、一つの分子内に、プロゲスターゲン特性と抗プロゲスターゲン特性との両方を有する化合物を見出すことが有用であろう。
【0008】
WO 99/45022には、プロゲステロン受容体に対して拮抗薬活量または作用薬活量を有する20−ケト−11β−アリールステロイドが記載されている。WO 99/45022に開示された多数の化合物の中で、3種または4種の化合物は、プロゲステロン拮抗薬活量と作用薬活量との両方を有する。これらの化合物のいずれも、16位に置換基を有さず、17α位において、これらはアセチルオキシ、アセチルオキシメチルまたはメトキシメチル置換基を有する。
【0009】
欧州特許第349481号明細書に記載された化合物は、11β位に4−[(3−ピリジル)フェニル]置換基を含有し、16位に置換基を有さず、これらの化合物のいずれも、17位にシクロプロピルカルボニルまたはシクロプロペニルカルボニル置換基を有さず、また、17位にスピロシクロアルカノンまたはスピロシクロアルケノン置換基を有しない。欧州特許第349481号明細書の化合物は、抗プロゲスターゲン特性のみを有する。
【発明の開示】
【0010】
主題発明は、驚くべきことに、16位および17位の種々の置換基と組み合わせて(11β)−[4−(アザ−アリール)フェニル]置換基を有する新規なステロイド化合物が、1種の化合物内に、PR作用薬活量およびPR拮抗薬活量の混合プロフィール(以下、混合P/APプロフィールと言う)を示すことを開示する。これらの化合物は、避妊、HRTおよび婦人科疾患の治療のために特に有用である。
【0011】
Cookら(Life Sciences、第52巻(1993年)、第155−162頁)は、17α位のアセチルオキシ置換基と共に抗プロゲスターゲンプロフィールを有するステロイドが、この置換基を削除することによって混合プロフィールを有する化合物に変わることができ、一方、16α位に置換基を導入することによって、この化合物が全作用薬に変わる可能性を記載している。驚くべきことに、このことは、16α置換基と17α置換基との種々の組み合わせ(水素を含む)で混合プロフィールを一貫して有する、主題発明において開示された新規な化合物にはあてはまらない。
【0012】
本発明は、構造式I:
【0013】
【化2】

[式中、Xは、O、NOH、NO(1−4C)アルキル、NO(1−4C)アシルであり、
A1ないしA5は、R1で置換されたCもしくはNであり、但し、A1ないしA5の少なくとも1個且つ3個以下は、Nであるか、あるいは
A1、A2およびA5の1個もしくは2個はNであり、他のものはR1で置換されたCであり、A3およびA4は一緒に、場合により、共に1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、縮合ベンゾ環もしくは縮合5員もしくは6員の窒素含有芳香族環を表し、
それぞれのR1は、独立に、H、ハロゲン、(1−4C)アルキルおよび(1−4C)アルコキシから選択され、
R2は、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、
R3は、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲン原子で置換された(1−4C)アルキルであり、
R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであるか、あるいは
R2はR3と一緒に、3員、4員、5員もしくは6員の炭素環式環を形成し、
R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであるか、あるいは
R2は、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、
R3はR4と一緒に、5員、6員もしくは7員の飽和もしくは不飽和炭素環式環を形成し、
R5は、Hもしくは(1−4C)アルキルである]
の化合物またはこれらの医薬的に許容される塩および/または水和物形および/またはプロドラッグを提供する。
【0014】
一つの実施態様において、A1ないしA5は、R1で置換されたCまたはNであり、但し、A1ないしA5の少なくとも1個且つ3個以下は、Nである。
【0015】
他の実施態様において、A1、A2およびA5の1個または2個はNであり、他のものはR1で置換されたCであり、A3およびA4は一緒に、場合により、共にハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、縮合ベンゾ環または縮合窒素含有芳香族環を表す。
【0016】
一つの実施態様において、R2は、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、R3は、Hまたは場合により、1個以上のハロゲン原子で置換された(1−4C)アルキルであり、R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルである。
【0017】
他の実施態様において、R2はR3と一緒に、3員、4員、5員または6員の炭素環式環を形成し、R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルである。
【0018】
更に他の実施態様において、R2は、Hまたは(1−4C)アルキルであり、R3はR4と一緒に、5員、6員または7員の飽和または不飽和炭素環式環を形成する。
【0019】
特定の実施態様において、XはOである。
【0020】
他の特定の実施態様において、R4はシクロプロピルである。
【0021】
更に他の特定の実施態様において、A1、A3、A4およびA5は、R1で置換されたCであり、A2はNである。
【0022】
一つの実施態様において、R2は、H、(1−4C)アルキルまたは(1−4C)アルケニルである。
【0023】
特定の実施態様において、XはOであり、A1、A3、A4およびA5は、R1で置換されたCであり、A2はNであり、R2は、H、(1−4C)アルキルもしくは(1−4C)アルケニルであり、R3は、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、R4はシクロプロピルであるか、あるいはR2はR3と一緒に、3員、4員、5員もしくは6員の炭素環式環を形成し、R4はシクロプロピルである。
【0024】
特定の実施態様において、XはOであり、A1、A3、A4およびA5はCであり、A2はNであり、R1はHであり、R2はメチルであり、R3はHであり、R4はシクロプロピルであり、R5はHである。
【0025】
他の特定の実施態様において、XはOであり、A1、A3、A4およびA5はCであり、A2はNであり、R1はHであり、R2はエテニルであり、R3はHであり、R4はシクロプロピルであり、R5はHである。
【0026】
主題発明の化合物は、治療に使用するために意図される。
【0027】
主題発明は、主題発明の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。一つの実施態様において、医薬組成物は避妊のために意図される。他の実施態様において、医薬組成物は、ホルモン置換治療のために意図される。更に他の実施態様において、医薬組成物は、婦人科疾患の治療のために意図される。
【0028】
主題発明には、更に、薬物の製造のための主題発明の化合物の使用が含まれる。一つの実施態様において、主題発明の化合物の使用は、避妊薬の製造のためである。他の実施態様において、主題発明の化合物の使用は、ホルモン置換治療用のまたは婦人科疾患の治療用の薬物の製造のためである。
【0029】
主題発明は、更に、薬物的に有効量の主題発明の化合物を、これが必要である被検者に投薬することを含む、避妊方法を提供する。
【0030】
主題発明は、更に、薬物的に有効量の主題発明の化合物を、これが必要である被検者に投薬することを含む、婦人科疾患の治療方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
式中、XがNOH、NO(アルキル)またはNO(アシル)である式Iの化合物を、式中、XがOである式Iの化合物から、HNOH、HNO(アルキル)もしくはHNO(アシル)またはこれらのアミンの塩で処理することによって調製した。
【0032】
反応図式1に示したように、式中、XがOである式Iの化合物(反応図式1中の式I)を、式IIの化合物から調製した。この反応図式において、Pgは、ステロイドの3位にあるカルボニル官能基の適切な保護基であった。当分野で公知である数個の保護基は、Greene T.W.およびWuts P.G.M.「有機合成における保護基(Protective Groups In Organic Synthesis)」(John Wiley & Sons、ニューヨーク)に記載されている。保護基の適切な種類は、ケタールであり、特に、環式ケタール、例えば1,3−ジオキソランが適している。ステロイドの17位のカルボニル基が、この反応系列におけるように使用されるかまたはヒドロキシメチル基(これは、合成における後の時点で、酸化されてカルボニルに戻された)のような合成等価物の形でマスクされた。他の選択は、ケタールのような保護基によるカルボニルの保護である。
【0033】
式IIの化合物を、当分野で公知の種々の方法、例えば、トリフルオロアセトフェノンの存在下での過酸化水素による処理を使用して、式IIIのエポキシドに酸化した。適切なCu(I)塩、例えば塩化銅(I)の存在下で(4−ブロモフェニル)マグネシウムブロミドによる、このようなエポキシドの処理によって、式IVの化合物を得た。式IVの化合物を、パラジウム仲介交差カップリング反応、例えば、Suzuki、StilleまたはNegishi反応を使用して、式Vの化合物に変えた。当分野で公知の方法、例えば、ケタールの場合に、酸性水溶液を使用して、式Vの化合物の保護基を除去することによって、式Iの化合物がもたらされた。このような脱保護方法を式IVの化合物に適用して、式VIの化合物を得ることができる。後者の化合物は、パラジウム仲介交差カップリング反応を使用して、式Iの化合物に変えることができる。
【0034】
R4がシクロプロピルもしくはシクロプロペニルである式IIの化合物を、反応図式2に記載したようにして、式VIIの化合物から調製した。式VIIの化合物は、文献(例えば、van den Heuvel,M.J.およびGroen,M.B.Rec.Trav.Chim.Pays−Bas、第112巻、第107頁(1993年)、欧州特許第289073号明細書、欧州特許第277676号明細書、独国特許第3617883号明細書、欧州特許第549041号明細書、欧州特許第582338号明細書)に記載されている。式VIIの化合物を、塩基およびトリフラート化試薬を使用して、エノールトリフラートに変えた。試薬の適切な組み合わせの例は、塩基としてリチウムヘキサメチルジシラザン、続いてトリフラート化剤としてN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)の添加である。得られるエノールトリフラートを、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンの存在下でパラジウム仲介カルボニル化を使用して、式VIIIの化合物に変えた。シクロプロピル−グリニャール、シクロプロピルリチアート(cyclopropyllithiate)、シクロプロペニル−グリニャールまたはシクロプロペニルリチアートによる式VIIIの化合物の処理によって、式IXの化合物を得る。適切なCu(I)塩の存在下でのR2−リチアートまたはR2−グリニャール化合物による後者の化合物の処理、続いて水でのクエンチングにより、式中R3がHである式IIの化合物が得られ、代わりに、アルキル化剤、例えばヨウ化メチルなどでのクエンチングにより、式中R3がアルキルである式IIの化合物が得られる。
【0035】
式中、R3がR4と一緒に5員炭素環式環を形成する式IIの化合物は、米国特許第5,084,450号明細書に記載された方法を使用して調製することができる。一般的に、式中、R3がR4と一緒に5員、6員または7員炭素環式環を形成する式IIの化合物は、J.Org.Chem.、第55巻、第2045頁(1990年)にMash,E.A.らによって記載された方法を使用して、式VIIの化合物から調製することができる。この刊行物において、この方法は、ケトンを6員スピロ化合物に変えるために適用された。この方法は、6員スピロ化合物を調製するためにこの刊行物において適用された5−ヨードペンチルtert−ブチルジメチルシリルエーテルの代わりに、4−ヨードブチルtert−ブチルジメチルシリルエーテルまたは6−ヨードヘキシルtert−ブチルジメチルシリルエーテルを使用することによって、5員または7員スピロ化合物に拡張することができる。
【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
本発明に従った化合物は、式Iにおいて前記定義した化合物、この塩、この水和物および/またはこのプロドラッグである。
【0039】
本発明の化合物が適切な塩基性度の窒素原子を含有する、これらの場合に、この化合物を、遊離塩基としてまたは医薬的に許容される塩として使用することができる。
【0040】
用語「医薬的に許容される塩」は、薬物審査の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性反応など無しに、ヒトおよび/または動物の組織と接触させて使用するために適しており、妥当な利点/危険比に対応している、これらの塩を表す。医薬的に許容される塩は当分野で周知である。
【0041】
これらは、本発明の化合物の最終単離と精製との間で得ることができまたは別個に、遊離塩基官能基を、適切な無機酸、例えば、塩酸、リン酸もしくは硫酸ともしくは有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸などと反応させることによって得ることができる。
【0042】
プロドラッグは、例えば、胃および/または血液内で加水分解により、肝臓内で代謝によりまたは当業者に公知の他の方法により、インビボで前記式の親化合物に急速に変わる化合物を表す。例えば、当業者は、式中XがHである式Iの化合物が、式中XがOであるアナローグ化合物(この化合物は、XがHであるプロドラッグが活量を示さない場合でも、インビトロ活量を示す)に代謝されると期待することができることを認めるであろう。
【0043】
式Iに従った本発明の化合物の定義において使用される用語は、下記の意味を有する。
【0044】
(1−4C)アルキルは、1−4個の炭素原子を有する枝分かれしたまたは枝分かれしていないアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである。
【0045】
(1−4C)アルコキシは、(1−4C)アルキルオキシ(ここで、(1−4C)アルキルは、上記定義されたような意味を有する)を意味する。
【0046】
(1−6C)アルケニルは、1−6個の炭素原子を有する枝分かれしたまたは枝分かれしていないアルケニル基、例えば、エテニル、1−メチル−エテニル、2−プロペニル、2−ブテニルなどである。
【0047】
(6−10)アリールは、6−10個の炭素原子を有する炭素環式芳香族基、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルである。
【0048】
(1−4C)アシルは、1−4個の炭素原子を有するアルキルカルボニル、例えば、ホルミル、アセチルまたはプロピオニルである。
【0049】
アザ−アリールは、少なくとも1個の環に、少なくとも1個の窒素環原子が含まれている、単環式または二環式芳香族環系を意味する。例には、これらに限定されないが、ピリジル、ピリミジニル、キノリニル、ナフチリジルなどが含まれる。
【0050】
環に関連して記載されるとき、炭素環式は、環を構成するすべての原子が炭素原子であることを意味する。
【0051】
スピロシクロアルカンは、この2個の末端原子が、同じ(炭素)原子に結合し、そうしてスピロ環系を形成している、アルカンジイル基からなる置換基である。
【0052】
スピロシクロアルケンは、この2個の末端原子が、同じ(炭素)原子に結合し、そうしてスピロ環系を形成している、アルケンジイル基からなる置換基である。
【0053】
接頭辞(1−4C)、(2−4C)などは、示された基の意味を、1から4個、2から4個などの炭素原子を有するものに制限するための通常の意味を有する。
【0054】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
【0055】
スピロシクロアルカノンは、炭素原子の1個がカルボニル基を形成している、スピロシクロアルカンである。
【0056】
スピロシクロアルケノンは、炭素原子の1個がカルボニル基を形成している、スピロシクロアルケンである。
【0057】
本発明に従った化合物のプロゲスターゲン受容体親和性および効能は、これらを、受精能および生殖の制御において、例えば、女性避妊において並びに更に女性HRT、婦人科疾患の治療のために、男性避妊の成分として並びに種々の組織におけるプロゲステロン受容体の量および/または位置に注目した診断方法において使用するために適するようにしている。後者の目的のために、本発明に従った化合物のアイソトープ的に標識を付けた変種を製造することが好ましいであろう。
【0058】
本発明の化合物は、更に、子宮内膜症、月経過多、機能性子宮出血、月経困難症、アクネ、子宮筋腫、骨粗鬆症並びに他の骨異常症、骨部分修復、筋肉減少症、フレイルティ、皮膚老化、女性性機能不全、閉経後症状、アテローム硬化症、無形成貧血、リポジストロフィー、化学療法の副作用、腫瘍(例えば、乳房、卵巣または子宮に位置している)およびこの他の治療のために有用であろう。
【0059】
本発明の化合物は、エストロゲン、アンドロゲン、プロゲスターゲン、抗プロゲスターゲンおよび他の適切な化合物、例えば葉酸、ビタミン、ミネラルなどと連係して投薬することができる。
【0060】
受容体結合を決定するための方法並びに化合物の生物学的活量を決定するためのインビトロおよびインビボアッセイは、周知である。一般的に、発現した受容体(またはこの官能性部分)が、本発明の化合物で処理され、官能性受容体の結合または刺激または阻害が測定される。
【0061】
官能性受容体を測定するために、プロゲステロン受容体遺伝子、好ましくはヒト受容体をエンコードする単離されたDNAが、適切な宿主細胞内で発現される。このような細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞であってよいが、他の細胞も適している。好ましくは、この細胞は哺乳動物起源のものである。組換えプロゲステロン受容体発現細胞系を構成するための方法は当分野で周知である(Sambrookら、「分子クローニング:研究所マニュアル(Molecular Cloning: a Laboratory Manual)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、最新刊)。受容体の発現は、所望のタンパク質をエンコードするDNAの発現によって達成される。
【0062】
部位特異的突然変異誘発、追加の配列の連結反応、PCRおよび適切な発現システムの構築のための技術はすべて、今まで、当分野で周知である。所望のタンパク質をエンコードするDNAの一部または全部を、標準的固相技術を使用して、好ましくは、連結反応の容易性のために制限部位を含めるように、合成的に構築することができる。含まれるコーディング配列の転写および翻訳のための適切な調節要素は、配列をコーディングするDNAによって与えることができる。周知のように、原核宿主、例えば細菌および真核宿主、例えば酵母、植物細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、トリ細胞などを含む広範囲の種々の宿主と適合性である発現システムが、現在利用可能である。
【0063】
次いで、受容体を発現する細胞を、本発明の化合物と接触させて、官能性応答の結合または刺激または阻害を観察する。
【0064】
代わりに、本発明の化合物の結合を測定するために、発現受容体を含有する単離された細胞質ゾルを使用することができる。
【0065】
結合の測定のために、放射性または蛍光標識化合物を使用することができる。参照化合物として、天然ホルモンまたは受容体に結合する他の化合物を使用することができる。代替として、競争結合アッセイを同様に実施することができる。他のアッセイには、受容体仲介天然標的遺伝子mRNA、即ち、遺伝子のプロモーター領域内の受容体の結合を介して受容体により調節される遺伝子の調節を決定することにより、本発明の混合作用薬/拮抗薬化合物をプロゲステロン受容体についてスクリーニングすることが含まれる。標的遺伝子mRNAのレベルは、受容体への結合の際の本発明の化合物の阻害効果または刺激効果に依存して、減少または増加するであろう。
【0066】
曝露された細胞におけるmRNAレベルの直接測定に加えて、受容体エンコーディングDNAと一緒のトランスフェクションに加えて、レポーター遺伝子をエンコードする第二DNA(この発現は、特別のレポーター遺伝子のプロモーター内の応答配列の方への受容体の結合に応答する)と共にトランスフェクションされた細胞を使用することができる。このような応答配列は、当分野で周知である、古典的ホルモン応答配列であってよく、例えば、Beato,M、Chalepakis,G、Schauer,M、Slater,EP、J.Steroid Biochem.、第5巻(1989年)、第737−47頁に記載されておりまたはこれらが新規な応答配列に連結されるような方式で構築することができる。一般的に、レポーター遺伝子発現は、プロゲステロン受容体結合に反応するすべての応答配列により制御することができる。適切なレポーター遺伝子は、例えば、LacZ、アルカリ性ホスファターゼ、ホタルルシフェラーゼおよびグリーン蛍光タンパク質である。
【0067】
プロゲステロン受容体への混合モジュレート効果を有する主題発明の化合物を選択するために、作用薬モードにおける試験は、参照として(16α)−16−エチル−21−ヒドロキシ−19−ノルプレグン−4−エン−3,20−ジオンを使用するとき、最大活量の約15%と約85%との間の固有活量にならなくてはならない。更に、この最大作用薬活量は、10−6以下の濃度で、好ましくは10−8以下の濃度で到達されなくてはならない。
【0068】
拮抗薬モードにおいて、試験は、参照として(6β,11β,17β)−11−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−4’,5’−ジヒドロ−6−メチルスピロ[エストラ−4,9−ジエン−17,2’(3’H)−フラン]−3−オンを使用するとき、最大活量の約85%と約15%との間の固有活量にならなくてはならない。
【0069】
追加の規準は、IC50値であり、これは、<10−6M、好ましくは<10−8Mでなくてはならない。本発明について、混合P/APプロフィールを有する化合物が、約15%の最小固有作用薬活量と約85%の最大固有拮抗薬活量との組み合わせから、約85%の最大固有作用薬活量と約15%の最小固有拮抗薬活量との組み合わせまでの範囲のプロフィールを有すると理解されることが、当業者によって理解されるであろう。当業者は、また、アッセイにおける生物学的変動のために、固有作用薬活量と固有拮抗薬活量とを合計して正確に100%になることが、常に必ずしも事実ではないことを認めるであろう。
【0070】
当業者は、更に、望ましいEC50およびIC50値が、試験される本発明の化合物に依存性であることを認めるであろう。例えば、10−6Mよりも小さいEC50を有する化合物が、一般的に、薬物選択のための候補と考えられる。好ましくは、この値は10−8Mよりも小さい。しかしながら、より大きいEC50および/またはIC50を有するが、特別の受容体のための適切な選択率(または作用薬選択率および拮抗薬選択率の組み合わせ)を有する化合物は、なお、薬物選択のための候補であり得る。
【0071】
基本的に、可能性のある受容体活性化についての情報をもたらし得る哺乳動物細胞(細胞系または初代培養)におけるすべての転写促進アッセイを、効能があり、適切なリガンドを選択する目的のために使用することができる。異なった器官から由来する細胞と共に、幾つかの細胞系を使用することによる付加価値は、リガンドの可能性のある組織特異性についての情報が得られることであろう。限定されることなく、この目的のためにしばしば使用される細胞の例は、CHO細胞の他に、例えば、T47D細胞、MCF7細胞、ECC−1細胞、HeLa細胞、子宮内膜細胞の初代培養および下垂体細胞がある。
【0072】
主題発明の化合物(また、活性成分と呼ばれる)のための投薬の適切な経路は、経口、直腸、鼻、局所(経皮、頬側および舌下を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投薬または移植による投薬である。特定の実施態様において、この化合物は経口で投薬することができる。活性成分またはこの医薬組成物の投薬の正確な用量および処方は、必然的に、達成すべき治療効果(例えば、避妊、HRT、子宮内膜症)にしており、特定の化合物、投薬の経路並びに薬物が投薬されるべき個々の被検者の年齢および状態によって変化してよい。
【0073】
一般的に、非経口投薬は、吸着に一層依存性である他の投薬方法よりも低い用量を必要とする。しかしながら、ヒトのための用量は、0.0001から25mg/体重kgを含有することであろう。所望の用量は、1回用量としてもしくは1日を通して適切な間隔で投薬される複数回のサブ用量としてまたは女性服用者の場合に、月経周期を通して適切な(日)間隔で投薬すべき用量として表すことができる。
【0074】
したがって、本発明は、また、医薬的に許容される助剤および場合により他の治療薬との混合物で、式Iに従った化合物を含む医薬組成物に関する。助剤は、組成物の他の成分と適合性であり、この服用者に対して有害ではないという意味で「許容」されなくてはならない。
【0075】
医薬組成物には、経口、直腸、鼻、局所(経皮、頬側および舌下を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む)投薬または移植による投薬のために適しているものが含まれる。この組成物は、また、薬学の分野で公知である方法により、例えば、Gennaroら、レミントンの薬科学(Remington's Pharmaceutical Science)(第18版、Mack Publishing company、1990年刊、特に第8部:薬物調製およびこの製造(Pharmaceutical Preparations and Their Manufacture)参照)に記載されているもののような方法を使用して製造することができる。
【0076】
このような方法には、活性成分をすべての助剤と一緒にする工程が含まれる。アクセサリー成分とも呼ばれる助剤には、当分野において一般的なもの(Gennaro、前掲)、例えば、担体、充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑剤、着色剤、矯味・矯臭剤、酸化防止剤および湿潤剤が含まれる。
【0077】
経口投薬に適している医薬組成物は、別個の用量単位、例えば、丸剤、錠剤、糖衣錠もしくはカプセル剤としてまたは散剤もしくは顆粒剤としてまたは水剤もしくは懸濁剤として提供することができる。活性成分は、また、大型丸剤またはペースト剤として提供することができる。この組成物は、更に、直腸投薬のための坐剤または浣腸に加工することができる。
【0078】
本発明には、更に、前記のような用途のための組成物の使用についての指示書を含む、包装材料と組み合わせた、前記のような医薬組成物が含まれる。
【0079】
非経口投薬のために、適切な組成物には、水性および非水性滅菌注射剤が含まれる。この組成物は、1回用量容器または複数回用量容器内で、例えば、密封されたバイアルおよびアンプル内で提供することができ、使用前に、滅菌液体担体、例えば水の添加のみを必要とする凍結乾燥条件下で貯蔵することができる。鼻吸入による投薬のために適している組成物または配合物には、計量された用量の加圧エーロゾル、ネブライザーまたはインサフレーターの手段により発生させることができる、微細なダストまたはミストが含まれる。
【0080】
本発明の化合物は、また、放出速度調節膜によってカプセル化された活性物質のコアからなるデバイスの形で投薬することができる。このようなインプラントは、皮下にまたは局所的に適用することができ、比較的長期間、例えば、数週間から数年間に亘って、ほぼ一定の速度で活性成分を放出するであろう。このような移植可能な薬物デバイスの調製方法は、例えば、欧州特許第303,306号明細書に記載されているように、当分野で公知である。
【0081】
本発明の化合物は、また、例えば、欧州特許第876815号明細書に記載されているように、膣リングの形で投薬することができる。
【0082】
本発明の化合物は、一般的に有機化学の技術分野で公知である種々の方法によって製造することができる。更に具体的には、前記のおよび後記の反応図式および実施例に示したような合成の経路を使用することができる。この反応図式および実施例において、下記の略語を使用する。
【0083】
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NaHCO:炭酸水素ナトリウム
NHCl:塩化アンモニウム
Na:チオ硫酸ナトリウム
SiO:二酸化ケイ素(シリカゲル)
NaSO:硫酸ナトリウム
MgSO:硫酸マグネシウム
LCMS:液体クロマトグラフィー/質量分析法
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
NMR:核磁気共鳴
M:モル濃度
【0084】
本発明を、決して、特許請求の範囲に記載されたような本発明の範囲を限定することを意図しない、下記の実施例において更に説明する。
【実施例1】
【0085】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
a.17−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
リチウムヘキサメチルジシラザン(THF中1M、478mL、478mmol)を、THF(1L)に添加し、窒素雰囲気下で−40℃まで冷却した。乾燥THF(500mL)中のエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3,17−ジオン環式3−(1,2−エタンジイルアセタール)(50g、159mmol)の溶液を、反応温度を−15℃までゆっくり上昇させながら、滴下により添加した。−15℃で30分間攪拌した後、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(62.5g、175mmol)を回分式で添加し、反応混合物を0℃で3時間攪拌した。NaHCO飽和水溶液を滴下により添加し(発熱)、続いて水を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、4/1)によって精製して、17−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(90.1g、159mmol、収率100%、なお幾らかの溶媒を含有する)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.91(s,3H),1.20−2.55(m,16H),3.98(s,4H),5.52(m,1H),5.59(m,1H)。
【0086】
b.N−メトキシ−N−メチル−3,3−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]オキソ−エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−17−カルボキサミド
トリエチルアミン(221mL、1.59モル)、トリフェニルホスフィン(6.67g、25mmol)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン・HCl(82.2g、843mmol)を、DMF(1.5L)中の17−[[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(70.9g、159mmol)の溶液に添加した。一酸化炭素をこの溶液に10分間通過させ、次いで酢酸パラジウム(II)(2.86g、12.7mmol)を添加し、この反応混合物を、60℃でCO雰囲気下で一晩攪拌した。この反応混合物を、NHCl飽和水溶液の中に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、2/1)によって精製して、N−メトキシ−N−メチル−3,3−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−17−カルボキサミド(59.7g、139mmol、収率87%、なお幾らかの溶媒を含有する)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.97(s,3H),1.25−2.58(m,16H),3.25(s,3H),3.62(s,3H),3.99(s,4H),5.58(m,1H),6.41(m,1H)。
【0087】
c.17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
ジエチルエーテル(20mL)中の臭化シクロプロピル(22.3mL、278mmol)の溶液を、エーテル(380mL)中の粉砕したリチウム(5.8g、834mmol)の冷却した懸濁液(0℃)に、窒素雰囲気下で添加した(発熱)。この反応混合物を90分間攪拌し、この間に温度は室温にまで上昇した。このリチアートの溶液を、THF(260mL)中のN−メトキシ−N−メチル−3,3−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−17−カルボキサミド(59.7g、139mmol)の冷却した溶液(0℃)にゆっくり添加した。この混合物を0℃で2時間攪拌した後、NHCl飽和水溶液を滴下により添加し(発熱)、続いて水を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、4/1)によって精製して、17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(33.9g、93mmol、収率67%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.82−2.67(m,24H),3.99(s,4H),5.59(m,1H),6.88(m,1H)。
【0088】
d.(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
塩化メチルマグネシウム(THF中3M、92.6mL、278mmol)を、THF(1L)中の酢酸銅(II)(1.7g、9.3mmol)の攪拌し、冷却した溶液(0℃)に、窒素雰囲気下で添加した。THF(500mL)中の17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(33.9g、93mmol)および塩化トリメチルシリル(58.5mL、463mmol)の溶液を、温度を0℃に保持しながら滴下により添加した。1時間後に、他の当量の塩化メチルマグネシウムを滴下により添加し、攪拌を0℃で30分間続けた。NHCl飽和水溶液を滴下により添加し、続いて水を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させて、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(32.9g、86mmol、収率93%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.61(s,3H),0.80−2.79(m,26H),3.99(s,4H),5.55(m,1H)。
【0089】
e.(5α,10α,16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5,10−エポキシ−16−メチルエストラ−9(11)−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
ジクロロメタン(500mL)中の(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(32.9g、86mmol)の攪拌した溶液に、ピリジン(2.1mL、26.7mmol)、トリフルオロアセトフェノン(12.1mL、86.1mmol)および過酸化水素(水中30%、96.1mL)を添加した。得られた2相系を、周囲温度で2日間激しく攪拌した。有機層を分離し、水性層をジクロロメタンで2回抽出した。一緒にした有機層を、Na飽和水溶液で2回洗浄し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、5/1)によって精製して、(5α,10α,16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5,10−エポキシ−16−メチルエストラ−9(11)−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(27.9g、70.1mmol、収率81%、16%のβ−エポキシド存在)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.61(s,3H),0.81−2.78(m,26H),3.87−3.96(m,4H),6.02(m,1H)。
【0090】
f.(5α,11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシ−16−メチルエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
ヨウ素の粒子を、マグネシウム(8.4g、350mmol)に添加し、1分間加熱した。THF(400mL)中の1,4−ジブロモベンゼン(85.1g、350mmol)および数滴の1,2−ジブロモエタンの溶液を、窒素雰囲気下で、温度を45℃に保持しながら、滴下により添加した。45℃で1時間攪拌した後、このグリニャール懸濁液を、THF(550mL)中の、(5α,10α,16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5,10−エポキシ−16−メチルエストラ−9(11)−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(27.9g、70.1mmol)および塩化銅(I)(3.4g、35.1mmol)の冷却した(−40℃)溶液に、窒素雰囲気下で、温度を−40℃に保持しながら添加した。この反応混合物を2時間攪拌し、この間に温度は室温にまで上昇した。NHCl飽和水溶液を滴下により添加し(発熱)、続いて水を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、NaHCO飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、2/1)によって精製して、(5α,11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシ−16−メチルエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(30.0g、54.1mmol、収率77%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.24(s,3H),0.80−2.71(m,26H),3.89−4.05(m,4H),4.23(d,J=6Hz,1H),4.37(d,J=1Hz,1H),7.05−7.09,(m,2H),7.35−7.38(m,2H)。
【0091】
g.(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン
2N塩酸(81.1mL、162mmol)を、アセトン(600mL)中の(5α,11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシ−16−メチルエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(30.0g、54.1mmol)の溶液に添加した。この溶液を室温で10分間攪拌した後、NaHCO飽和水溶液を添加した。この反応混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、2/1)によって精製して、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン(17.6g、35.7mmol、収率66%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.30(s,3H),0.84−2.76(m,24H),4.34(d,J=8Hz,1H),5.79(s,1H),7.02−7.05(m,2H),7.37−7.41(m,2H)。
【0092】
h.(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン(10g、20.3mmol)、3−ピリジニルボロン酸(3.7g、30.4mmol)、リン酸カリウム(5.2g、24.3mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(442mg、0.61mmol)およびトリフェニルアルシン(426mg、1.4mmol)を、ジオキサン(240mL)および水(30mL)の混合物中に、窒素雰囲気下で溶解させた。この反応混合物を100℃で2時間攪拌し、次いで室温にまで冷却した。水を添加し、この混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、乾固まで蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、勾配2/1→1/2)による精製によって、粗製生成物(8.3g、16.9mmol)を得、これをアセトニトリル/水から結晶化させて、(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン(5.5g、11.2mmol、収率55%)、mp.206℃を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.35(s,3H),0.86−2.86(m,24H),4.46(d,J=8Hz,1H),5.80(s,1H),7.26−7.29(m,2H),7.35(dd,J=10および6Hz,1H),7.49−7.53(m,2H),7.86(dt,J=10および4Hz,1H),8.57(dd,J=6および4Hz,1H),8.84(d,J=4Hz,1H)。
【実施例2】
【0093】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン塩酸塩の製造
アセトニトリル(1mL)中の(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン(40mg、0.081mmol)の溶液に、2N塩酸(40μL)および水(5mL)を添加した。この混合物の凍結乾燥によって、(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン塩酸塩を定量的収量(40mg、0.08mmol)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.34(s,3H),0.80−2.85(m,24H),4.47(d,J=7Hz,1H),5.81(s,1H),7.31−7.35(m,2H),7.51−7.55(m,2H),7.64(dd,J=8および5Hz,1H),8.18(dt,J=8および1Hz,1H),8.62(d,J=5Hz,1H),8.90(d,J=1Hz,1H)。
【実施例3】
【0094】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−11−[4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例1、工程hに記載した手順を使用する、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンと6−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸との反応によって、表題化合物(収率54%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.35(s,3H),0.84−0.99(m,6H),1.08−1.15(m,1H),1.33−1.39(m,1H),1.45−1.54(m,1H),1.62−1.70(m,2H),1.91−1.97(m,1H),2.01−2.08(m,1H),2.24−2.53(m,6H),2.58−2.64(m,2H),2.68−2.85(m,3H),3.98(s,3H),4.44(d,J=8Hz,1H),5.80(s,1H),6.80(d,J=8Hz,1H),7.23(d,J=7Hz,2H),7.44(d,J=7Hz,2H),7.75−7.79(m,1H),8.36−8.38(m,1H)。
【実施例4】
【0095】
(11β,16α,17β)−11−[4−(6−クロロピリジン−3−イル)フェニル]−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび6−クロロ−3−ピリジニルボロン酸から表題化合物を製造するために、実施例1、工程hに記載した手順を僅かに修正した。反応混合物を4時間加熱し、追加の2当量の6−クロロ−3−ピリジニルボロン酸を4回に分けて添加した。LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、生成物(収率11%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.34(s,3H),0.84−2.84(m,24H),4.45(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.25−7.30(m,2H),7.38(d,J=8Hz,1H),7.45−7.49(m,2H),7.82(dd,J=8および3Hz,1H),8.59(d,J=3Hz,1H)。
【実施例5】
【0096】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−11−[4−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび6−フルオロ−3−ピリジニルボロン酸を、実施例1、工程hに記載したようにして使用した。LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、生成物(収率65%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.34(s,3H),0.80−2.85(m,24H),4.45(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.00(dd,J=8および3Hz,1H),7.25−7.29(m,2H),7.44−7.48(m,2H),7.95(dt,J=8および3Hz,1H),8.41(d,J=3Hz,1H)。
【実施例6】
【0097】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび5−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸を、実施例1、工程hに記載したようにして使用した。LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、生成物(収率41%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.35(s,3H),0.80−2.86(m,24H),3.92(s,3H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.24−7.29(m,2H),7.35(dd,J=3および1Hz,1H),7.48−7.53(m,2H),8.28(d,J=3Hz,1H),8.45(d,J=1Hz,1H)。
【実施例7】
【0098】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−キノリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよびキノリン−3−ボロン酸ピナコラートを、実施例1、工程hに記載した手順にしたがって3時間加熱した。LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(収率18%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.38(s,3H),0.78−2.89(m,24H),4.49(d,J=7Hz,1H),5.81(s,1H),7.30−7.34(m,2H),7.58(dt,J=7および1Hz,1H),7.63−7.67(m,2H),7.72(dt,J=8および1Hz,1H),7.87(dd,J=8および1Hz,1H),8.13(d,J=8Hz,1H),8.29(d,J=3Hz,1H),9.17(d,J=3Hz,1H)。
【実施例8】
【0099】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(4−ピリダジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
n−ブチルリチウム(2.76mL、6.9mmol、ヘキサン中2.5M)を、テトラヒドロフラン(2mL)中のジイソプロピルアミン(0.97mL、6.9mmol)の冷却した(0℃)溶液に、窒素雰囲気下で滴下により添加した。30分間攪拌した後、この反応混合物を−78℃にまで冷却し、ピリダジン(452μL、6.3mmol)の溶液およびトリブチルスズクロリド(1.9mL、6.9mmol)を、温度を−70℃以下に保持しながら、同時に添加した。この反応混合物を−78℃で2時間攪拌し、続いて、NHCl飽和水溶液を添加し、この反応混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、乾燥させ(MgSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物を、LCMSにより精製して、トリブチルスタンニルピリダジン(197mg、0.53mmol、収率8%)を得た。このスタンニルピリダジン(183mg、0.49mmol)、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン(100mg、0.20mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(3mg、0.004mmol)を、ジオキサン(3mL)中に、窒素雰囲気下で溶解させた。この反応混合物を110℃で一晩攪拌し、次いで室温にまで冷却した。水を添加し、この混合物をジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を、相分離フィルターを通して乾燥させ、乾固まで蒸発させた。LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(4−ピリダジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン(78mg、0.16mmol、収率79%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.33(s,3H),0.85−2.84(m,26H),4.48(d,J=7Hz,1H),5.81(s,1H),7.33−7.37(m,2H),7.60−7.64(m,3H),9.21(dd,J=5および1Hz,1H),9.46(dd,J=3および1Hz,1H)。
【0100】
同じ表題化合物を、また、Eur.J.Org.Chem.、第2885−2896頁(1998年)およびTetrahedron Letters、第38巻、第5791−5794頁(1997年)に記載された手順にしたがって製造した4−トリブチルスタンニルピリダジンを使用して得た。
【実施例9】
【0101】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(ピラジン−2−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例8に記載した手順にしたがって、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび2−トリブチルスタンニルピラジンを、マイクロ波中で135℃で加熱して(150W、25分間)、表題化合物(収率35%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.33(s,3H),0.84−2.86(m,24H),4.47(d,J=7Hz,1H),5.81(s,1H),7.30−7.34(m,2H),7.92−7.96(m,2H),8.49(d,J=3Hz,1H),8.61(dd,J=3および1Hz,1H),9.01(d,J=1Hz,1H)。
【実施例10】
【0102】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(2−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(PPhPdCl(4mg、0.006mmol)、フェロセンパラジウムジクロリド(6mg、0.009mmol)および2−ピリジル亜鉛ブロミド(2mL、1.0mmol)を、THF(4mL)中の(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン(200mg、0.41mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で添加した。この反応混合物を60℃で5時間攪拌し、次いで室温にまで冷却した。NHCl飽和水溶液を添加し、この混合物をジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を、相分離フィルターを通して乾燥させ、乾固まで蒸発させた。HPLCによる精製、続く凍結乾燥によって、(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(2−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン(80mg、0.16mmol、収率40%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.33(s,3H),0.80−2.87(m,24H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.20−7.23(m,1H),7.25−7.29(m,2H),7.68−7.77(m,2H),7.89−7.92(m,2H),8.67(dt,J=5および1Hz,1H)。
【実施例11】
【0103】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(5−メチルピリジン−2−イル)フェニルエストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例10に記載した手順を使用して、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび5−メチル−2−ピリジニル亜鉛ブロミドから、表題化合物(収率10%)を製造した。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.33(s,3H),0.80−2.86(m,27H),4.45(d,J=7Hz,1H),5.79(s,1H),7.22−7.26(m,2H),7.52−7.60(m,2H),7.85−7.88(m,2H),8.48−8.50(m,1H)。
【実施例12】
【0104】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(4−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび4−ピリジニルボロン酸を、実施例1、工程hに記載したようにして適用した。HPLCによる精製、続く結晶化(アセトニトリル/水)によって、生成物(収率44%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.33(s,3H),0.84−2.85(m,24H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.81(s,1H),7.26−7.30(m,2H),7.48−7.50(m,2H),7.55−7.59(m,2H),8.63−8.65(m,2H)。
【実施例13】
【0105】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エテニル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
a.(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エテニルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
実施例1、工程dに記載した手順に従った、17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールと塩化ビニルマグネシウムとの反応によって、表題化合物(収率48%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.63(s,3H),0.80−2.66(m,21H),2.71(d,J=9Hz,1H),3.30−3.39(m,1H),3.99(s,4H),4.84−4.97(m,2H),5.54−5.58(m,1H),5.71−5.81(m,1H)。
【0106】
b.(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エテニル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エテニルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。分取LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(これらの4工程で収率15%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.38(s,3H),0.84−0.99(m,3H),1.08−1.15(m,1H),1.46−2.88(m,16H),3.26−3.35(m,1H),4.47(d,J=7Hz,1H),4.86−4.97(m,2H),5.70−5.79(m,1H),5.81(s,1H),7.26−7.30(m,2H),7.35(dd,J=8および5Hz,1H),7.49−7.53(m,2H),7.86(dt,J=8および1Hz,1H),8.58(dd,J=5および1Hz,1H),8.84(d,J=1Hz,1H)。
【実施例14】
【0107】
[11β,16α(E),17β]−17−シクロプロピルカルボニル−16−(2−フェニルエテニル)−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エテニル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの精製において、表題化合物を副生物として単離した(収率2%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.41(s,3H),0.83−1.15(m,4H),1.50−2.91(m,16H),3.43−3.53(m,1H),4.49(d,J=7Hz,1H),5.82(s,1H),6.12(dd,J=16および8Hz,1H),6.32(d,J=16Hz,1H),7.17−7.22(m,1H),7.26−7.40(m,7H),7,50−7.54(m,2H),7.85−7.91(m,1H),8.56−8.61(m,1H),8.83−8.87(m,1H)。
【実施例15】
【0108】
(11β,16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エテニル−11−[4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して(最後の工程において6−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸を使用して)、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エテニルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。ヘプタンからの結晶化による精製によって、表題化合物(これらの4工程で収率24%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.39(s,3H),0.84−2.87(m,20H),3.26−3.34(m,1H),3.98(s,3H),4.45(d,J=7Hz,1H),4.88(d,J=11Hz,1H),4.95(d,J=16Hz,1H),5.70−5.81(m,2H),6.81(d,J=8Hz,1H),7.23(d,J=8Hz,2H),7.45(d,J=8Hz,2H),7.77(dd,J=8および3Hz,1H),8.37(d,J=3Hz,1H)。
【実施例16】
【0109】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
a.(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
実施例1、工程dに記載した手順に従った、17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールと塩化エチルマグネシウムとの反応によって、表題化合物(収率87%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.60(s,3H),0.80−2.64(m,28H),3.99(s,4H),5.54−5.58(m,1H)。
【0110】
b.(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。分取LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(これらの4工程で収率22%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.35(s,3H),0.82(t,J=7Hz,3H),0.87−0.98(m,3H),1.07−1.14(m,1H),1.25−1.34(m,2H),1.41−1.64(m,5H),1.91−1.99(m,1H),2.03−2.11(m,1H),2.24−2.85(m,10H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.25−7.30(m,2H),7.35(dd,J=7および5Hz,1H),7.48−7.53(m,2H),7.46(dt,J=8および1Hz,1H),8.57(dd,J=5および1Hz,1H),8.84(d,J=3Hz,1H)。
【実施例17】
【0111】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−エチル−11−[4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して、最後の工程において6−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸を使用して、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16−エチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。カラムクロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物(これらの4工程で収率14%)を得た。δ0.35(s,3H),0.82(t,J=8Hz,3H),0.85−0.99(m,4H),1.07−1.13(m,1H),1.25−1.34(m,2H),1.41−2.84(m,16H),3.98(s,3H),4.44(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),6.80(d,J=8Hz,1H),7.21−7.25(m,2H),7.42−7.46(m,2H),7.77(dd,J=8および2Hz,1H),8.37(d,J=2Hz,1H)。
【実施例18】
【0112】
(11β,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
a.(17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
K−セレクトリド(K−selectride)(THF中1M、12.1mL、12.1mmol)を、THF(105mL)中の17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(3.7g、10.0mmol)の冷却した溶液(−78℃)に、窒素雰囲気下で、反応温度を−70℃以下に保持しながら、滴下により添加した。この溶液を20分間攪拌した後、NaSO飽和水溶液を滴下により添加し、続いて水を添加した。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、乾固まで蒸発させた。この粗製生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル、4/1)により精製して、(17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(2.1g、5.8mmol、収率57%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.59(s,3H),0.80−2.59(m,23H),2.86(t,J=9Hz,1H),3.99(s,4H),5.55−5.60(m,1H)。
【0113】
b.(17β)−17−(シクロプロピルヒドロキシメチル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
ジエチルエーテル(54mL)中の17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式(1,2−エタンジイルアセタール)(2.1mg、5.8mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(36mL)中の水素化アルミニウムリチウム(262mg、6.9mmol)の冷却した(0℃)懸濁液に、窒素雰囲気下でゆっくり添加した。0℃で1時間攪拌した後、NaSO飽和水溶液を、グレー色が消えるまで添加した。固体NaSOを添加し、この混合物を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を乾固まで蒸発させて、環式(17β)−17−(シクロプロピルヒドロキシメチル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン 1,2−エタンジイルアセタール(2.2g、5.8mmol、収率>100%、生成物は、幾らかの酢酸エチルをなお含有していた)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.20−0.59(m,4H),0.70(s,3H),0.82−2.59(m,21H),2.85(dt,J=9および4Hz,1H),3.99(s,4H),5.53−5.58(m,1H)。
【0114】
c.(5α,11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルヒドロキシメチル)−5−ヒドロキシエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
実施例1、工程eおよびfに記載した手順にしたがって、(17β)−17−(シクロプロピルヒドロキシメチル)エストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、表題化合物(収率26%)に転換させた。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.12−0.57(m,7H),0.79−0.89(m,1H),1.10−2.12(m,17H),2.27−2.40(m,2H),2.65−2.76(m,2H),3.88−4.03(m,4H),4.14(d,J=7Hz,1H),4.34(s,1H),7.08−7.13(m,2H),7.32−7.36(m,2H)。
【0115】
d.(5α,11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
アセトン(25mL)中の(5α,11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルヒドロキシメチル)−5−ヒドロキシエストラ−9−エン−3−オン環式(1,2−エタンジイルアセタール)(726mg、1.3mmol)の溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(438mg、3.7mmol)およびテトラ−N−プロピルアンモニウム過ルテニウム酸塩(VII)(28mg、0.08mmol)を添加し、この反応混合物を室温で窒素雰囲気下で2時間攪拌した。シリカおよびヘプタン(14mL)を添加し、この混合物を1時間攪拌し、次いでダイカライト(dicalite)を通して濾過し、酢酸エチルで適切に洗浄した。濾液を乾固まで蒸発させて、(5α,11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(732mg、1.3mmol、収率100%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.21(s,3H),0.80−2.39(m,22H),2.66−2.74(m,2H),3.88−4.05(m,4H),4.23(d,J=7Hz,1H),4.37(s,1H),7.06−7.10(m,2H),7.34−7.38(m,2H)。
【0116】
e.(11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−4,9−ジエン−3−オン
実施例1、工程gに記載した手順にしたがって、(5α,11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−(シクロプロピルカルボニル)−5−ヒドロキシエストラ−9−エン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、表題化合物(収率65%)に転換させた。NMR(400MHz,CDCl):δ0.27(s,3H),0.83−2.83(m,22H),4.34(d,J=7Hz,1H),5.79(s,1H),7.02−7.07(m,2H),7.37−7.42(m,2H)。
【0117】
f.(11β,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
(11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−4,9−ジエン−3−オンを、実施例1、工程hに記載した手順を使用して、粗製表題化合物に転換させた。分取LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(収率66%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.32(s,3H),0.84−2.82(m,21H),2.92(d,J=13Hz,1H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.27−7.32(m,2H),7.34(dd,J=8および5Hz,1H),7.49−7.54(m,2H),7.86(dt,J=8および1Hz,1H),8.58(d,J=5Hz,1H),8.84(d,J=1Hz,1H)。
【実施例19】
【0118】
(11β,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−11−[4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
(11β,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−4,9−ジエン−3−オンを、実施例1、工程hに記載した手順を使用し、試薬として6−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸を使用して、粗製表題化合物に転換させた。分取LCMSによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(収率60%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.32(s,3H),0.83−2.81(m,21H),2.91(d,J=13Hz,1H),3.98(s,3H),4.44(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),6.80(d,J=8Hz,1H),7.22−7.26(m,2H),7.42−7.46(m,2H),7.77(dd,J=8および2Hz,1H),8.37(d,J=2Hz,1H)。
【実施例20】
【0119】
(11β,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−17−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
a.(17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−17−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
L−セレクトリド(3.0mL、3.0mmol、THF中1M)を、乾燥THF(20mL)中の17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(500mg、1.4mmol)および1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.33mL、2.7mmol)の冷却し(−78℃)、攪拌した溶液に、窒素雰囲気下で、ゆっくり添加した。−78℃で1時間後に、ヨウ化メチル(1.7mL、27mmol)を添加した。この反応混合物を、更に1.5時間攪拌し、この間に温度は−30℃まで上昇した。この反応混合物を水の中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を、NaHCO飽和水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を乾固まで蒸発させた。この粗製生成物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン/酢酸エチル=9/1、v/v)により精製して、(17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−17−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(255mg、0.67mmol、収率49%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.67(s,3H),0.78−2.72(m,27H),1.23(s,3H),3.96−4.02(m,4H),5.57−5.61(m,1H)。
【0120】
b.(11β,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−17−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して、(17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−17−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。HPLCによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(これらの4工程で収率19%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.42(s,3H),0.80−2.82(m,24H),2.28(s,3H),4.48(d,J=8Hz,1H),5.80(s,1H),7.30(d,J=8Hz,1H),7.34(dd,J=4および8Hz,1H),7.50(d,J=8Hz,1H),7.85(dt,J=2および8Hz,1H),8.57(dd,J=2および4Hz,1H),8.84(d,J=2Hz,1H)。
【実施例21】
【0121】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16,17−ジヒドロ−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−3’H−シクロプロパ[16,17]エストラ−4,9,16−トリエン−3−オンの製造
a.(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16,17−ジヒドロ−3’H−シクロプロパ[16,17]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール
水素化ナトリウム(60%油分散液、197mg、4.9mmol)を、DMSO(20mL)中のトリメチルスルホキソニウムヨージド(960mg、1.1mmol)の攪拌した溶液に、窒素雰囲気下で添加した。30分間後に、乾燥THF(4mL)中の17−(シクロプロピルカルボニル)エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式(1,2−エタンジイルアセタール)(400mg、1.1mmol)の溶液を添加した。1時間後に、この反応混合物を氷−水の中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を乾固まで蒸発させた。この粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、勾配ヘプタン/酢酸エチル=9/1、v/v→ヘプタン/酢酸エチル=3/7、v/v)によって精製して、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16,17−ジヒドロ−3’H−シクロプロパ[16,17]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタール(102mg、0.25mmol、収率91%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.72−2.50(m,28H),0,98(s,3H),3.97−4.02(m,4H),5.56−5.60(m,1H)。
【0122】
b.(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16,17−ジヒドロ−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−3’H−シクロプロパ[16,17]エストラ−4,9,16−トリエン−3−オン
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順を使用して、(16α,17β)−17−(シクロプロピルカルボニル)−16,17−ジヒドロ−3’H−シクロプロパ[16,17]エストラ−5(10),9(11),16−トリエン−3−オン環式1,2−エタンジイルアセタールを、粗製表題化合物に転換させた。HPLCによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(これらの4工程で収率24%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.70(s,3H),0.68−2.78(m,23H),3.03(d,J=12,1H),4.41(d,J=8Hz,1H),5.78(s,1H),7.31(d,J=8Hz,1H),7.35(dd,J=4および8Hz,1H),7.49(d,J=8Hz,1H),7.86(dt,J=2および8Hz,1H),8.57(dd,J=2および5Hz,1H),8.83(d,J=3Hz,1H)。
【実施例22】
【0123】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン3−オキシムの製造
ヒドロキシルアミン塩酸塩(20mg、0.30mmol)および水(1mL)を、ジオキサン(2mL)中の(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの100mg(0.20mmol)の攪拌した溶液に添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次いでジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機層を、相分離フィルターを通して濾過し、乾固まで蒸発させた。HPLCによる粗製生成物の精製、続く凍結乾燥によって、(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン3−オキシムを、E/Z混合物(2:1)(85mg、0.17mmol、収率84%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.31および0.32(2x s,合計で3H),0.83−2.95(m,25H),4.37−4.42(m,1H),5.89および6.55(2x s,合計で1H),7.26−7.32(m,2H),7.35(dd,J=8および5Hz,1H),7.47−7.51(m,2H),7.86(dt,J=8および1Hz,1H),8.57(dd,J=5および1Hz,1H),8.84(d,J=1Hz,1H)。
【実施例23】
【0124】
(11β)−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4,9−ジエン−3,20−ジオンの製造
実施例1、工程e、f、gおよびhに記載した手順にしたがって、17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−5(10),9(11)−ジエン−3,20−ジオン環式3−(1,2−エタンジイルアセタール)(米国特許第5,084,450号明細書)を、粗製表題化合物に転換させた。分取HPLCによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(収率18%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.47(s,3H),1.24−2.82(m,22H),4.48(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),7.23−7.27(m,2H),7.35(dd,J=8および4Hz,1H),7.46−7.51(m,2H),7.84(dt,J=8および1Hz,1H),8.58(dd,J=4および1Hz,1H),8.82(d,J=1Hz,1H)。
【実施例24】
【0125】
(11β)−11−[4−(6−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4,9−ジエン−3,20−ジオンの製造
実施例25で適用した手順を使用し、最後の工程でホウ酸塩として6−メトキシ−3−ピリジニルボロン酸を使用して、17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−5(10),9(11)−ジエン−3,20−ジオン環式3−(1,2−エタンジイルアセタール)から、表題化合物を得た(収率17%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.47(s,3H),1.25−2.81(m,22H),3.98(s,3H),4.46(d,J=7Hz,1H),5.80(s,1H),6.80(d,J=9Hz,1H),7.18−7.22(m,2H),7.40−7.44(m,2H),7.75(dd,J=9および2Hz,1H),8.36(d,J=2Hz,1H)。
【実施例25】
【0126】
(11β)−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4,9−ジエン−3,20−ジオン塩酸塩の製造
実施例2に記載した手順を使用して、(11β)−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4,9−ジエン−3,20−ジオンを、(11β)−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]−17,24−シクロ−19,21−ジノルコラ−4,9−ジエン−3,20−ジオン塩酸塩(収率100%)に転換させた。H NMR(600MHz,CDCl):δ0.45(s,3H),1.33−2.80(m,22H),4.50(d,J=7Hz,1H),5.82(s,1H),7.30−7.33(m,2H),7.50−7.53(m,2H),7.69−7.72(m,1H),8.25(d,J=7Hz,1H),8.64(d,J=5Hz,1H),8.90(d,J=1Hz,1H)。
【実施例26】
【0127】
(6β,11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−6,16−ジメチル−11−[4−(3−ピリジニル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オン
実施例1に記載した手順にしたがって、(6β)−6−メチルエストラ−5(10),9(11)−ジエン−3,17−ジオン環式3−(1,2−エタンジイルアセタール)を、粗製表題化合物に転換させた。分取HPLCによる精製、続く凍結乾燥によって、表題化合物(収率14%)を得た。NMR(400MHz,CDCl):δ0.38(s,3H),0.85−2.88(m,24H),0.99(d,J=8Hz,3H),1.32(d,J=8Hz,3H),4.46(d,J=8Hz,1H),5.84(s,1H),7.27(d,J=8Hz,1H),7.41(dd,J=5および8Hz,1H),7.53(d,J=8Hz,1H),7.94(dt,J=2および8Hz,1H),8.59(dd,J=2および4Hz,1H),8.90(d,J=2Hz,1H)。
【実施例27】
【0128】
(11β,16α,17β)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチル−11−[4−(ピリミジン−2−イル)フェニル]エストラ−4,9−ジエン−3−オンの製造
実施例8に記載した手順にしたがって、(11β,16α,17β)−11−(4−ブロモフェニル)−17−シクロプロピルカルボニル−16−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オンおよび2−トリブチルスタンニルピリミジンを、110℃で4時間加熱して、表題化合物(収率17%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ0.32(s,3H),0.83−2.87(m,24H),4.47(d,J=7.0Hz,1H),5.80(s,1H),7.18(t,J=4.7Hz,1H),7.28−7.31(m,2H),8.32−8.35(m,2H),8.79(d,J=4.7Hz,2H)。
【実施例28】
【0129】
トランス活性化におけるプロゲステロン受容体−B活量
本発明の化合物のプロゲスターゲン活量(EC50および固有作用薬活量)を、W.G.E.J.Schoonenら(Anal.Biochem.第261巻(1998年)、第222−224頁)によって記載されたような、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のインビボバイオアッセイで決定した。本発明の化合物の抗プロゲスターゲン活量(IC50および固有拮抗薬活量)は、上記の作用薬アッセイと比較できる設定で、0.1nMのインデューサー(16α)−16−エチル−21−ヒドロキシ−19−ノルプレグン−4−エン−3,20−ジオンの存在下で、酵素ルシフェラーゼのプロゲステロン受容体−Bによるトランス活性化の阻害により決定した。拮抗薬効果の効能は、標準拮抗薬、(6β,11β,17β)−11−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−4’,5’−ジヒドロ−6−メチルスピロ[エストラ−4,9−ジエン−17,2’(3’H)−フラン]−3−オンによってもたらされる効果のパーセンテージとして表した。作用薬リガンドは、このインデューサーによってもたらされるルシフェラーゼ活量のトランス活性化を阻害しないが、一方、強いおよび弱い抗プロゲスターゲン並びに混合したプロゲスターゲン/抗プロゲスターゲンプロフィールを有する化合物は、当該の抗プロゲスターゲンまたは混合プロフィール化合物の使用する用量レベルに依存してトランス活性化を阻害することができる。
【0130】
上記の設定で、決定されたEC50は、ほぼ絶対的であり、試験された化合物自体の固有特性に依存するが、IC50は、インデューサーの量および作用薬EC50並びに試験された化合物自体の固有特性に依存することは当業者によって理解される。したがって、同じ量のインデューサーで、比較的強い拮抗薬は測定可能なIC50をもたらすことができ、一方、比較的弱い拮抗薬は検出可能な結果をもたらすことができないであろう。
【0131】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iに従った化合物、
【化1】

[式中、Xは、O、NOH、NO(1−4C)アルキル、NO(1−4C)アシルであり、
A1ないしA5は、R1で置換されたCもしくはNであり、但し、A1ないしA5の少なくとも1個且つ3個以下は、Nであるか、あるいは
A1、A2およびA5の1個もしくは2個はNであり、及び他のものはR1で置換されたCであり、及びA3およびA4は一緒に、場合により、共に1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、縮合ベンゾ環もしくは縮合5員もしくは6員の窒素含有芳香族環を表し、
それぞれのR1は、独立に、H、ハロゲン、(1−4C)アルキルおよび(1−4C)アルコキシから選択され、
R2は、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、及び
R3は、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、及び
R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであるか、あるいは
R2はR3と一緒に、3員、4員、5員もしくは6員の炭素環式環を形成し、及び
R4は、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであるか、あるいは
R2は、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、及び
R3はR4と一緒に、5員、6員もしくは7員の飽和もしくは不飽和炭素環式環を形成し、
R5は、Hもしくは(1−4C)アルキルである]
またはこれらの医薬的に許容される塩および/または水和物形および/またはプロドラッグ。
【請求項2】
A1ないしA5が、R1で置換されたCまたはNであり、但し、A1ないしA5の少なくとも1個且つ3個以下がNであることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
A1、A2およびA5の1個または2個がNであり、及び他のものがR1で置換されたCであり、及びA3およびA4が一緒に、場合により、共にハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、縮合ベンゾ環または縮合5員もしくは6員窒素含有芳香族環を表すことを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R2が、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、及び
R3が、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R2がR3と一緒に、3員、4員、5員または6員の炭素環式環を形成し、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
R2が、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、及び
R3がR4と一緒に、5員、6員または7員の飽和または不飽和炭素環式環を形成することを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R2が、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、及び
R3が、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項8】
R2がR3と一緒に、3員、4員、5員または6員の炭素環式環を形成し、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項9】
R2が、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、及び
R3がR4と一緒に、5員、6員または7員の飽和または不飽和炭素環式環を形成することを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項10】
R2が、H、共に場合により、(6−10C)アリール基(場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換されている)で置換された、(1−4C)アルキルもしくは(1−6C)アルケニルであり、及び
R3が、Hまたは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項3記載の化合物。
【請求項11】
R2がR3と一緒に、3員、4員、5員または6員の炭素環式環を形成し、及び
R4が、共に場合により、1個以上のハロゲンおよび/または(1−4C)アルキルで置換された、シクロプロピルもしくはシクロプロペニルであることを特徴とする、請求項3記載の化合物。
【請求項12】
R2が、Hもしくは(1−4C)アルキルであり、及び
R3がR4と一緒に、5員、6員または7員の飽和または不飽和炭素環式環を形成することを特徴とする、請求項3記載の化合物。
【請求項13】
XがOであることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
R4がシクロプロピルであることを特徴とする、請求項4記載の化合物。
【請求項15】
R4がシクロプロピルであることを特徴とする、請求項5記載の化合物。
【請求項16】
A1、A3、A4およびA5が、R1で置換されたCであり、及びA2がNであることを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項17】
特徴とする、請求項4記載の化合物。
【請求項18】
A1、A3、A4およびA5が、R1で置換されたCであり、及びA2がNであり、
R2が、H、(1−4C)アルキルもしくは(1−4C)アルケニルであり、及び
R3が、Hもしくは場合により、1個以上のハロゲンで置換された(1−4C)アルキルであり、
R4がシクロプロピルであるか、あるいは
R2がR3と一緒に、3員、4員、5員もしくは6員の炭素環式環を形成し、及び
R4がシクロプロピルであることを特徴とする、請求項13記載の化合物。
【請求項19】
A1、A3、A4およびA5がCであり、
A2がNであり、
R1がHであり、
R2がメチルであり、
R3がHであり、
R4がシクロプロピルであり、
R5がHであることを特徴とする、請求項13記載の化合物。
【請求項20】
A1、A3、A4およびA5がCであり、
A2がNであり、
R1がHであり、
R2がエテニルであり、
R3がHであり、
R4がシクロプロピルであり、
R5がHであることを特徴とする、請求項13記載の化合物。
【請求項21】
治療に使用するための請求項1から20のいずれか一項の化合物。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか一項記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項23】
避妊用の請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
ホルモン置換治療用の請求項22記載の医薬組成物。
【請求項25】
婦人科疾患の治療用の請求項22記載の医薬組成物。
【請求項26】
薬物の製造のための請求項1から20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項27】
避妊薬の製造のための請求項1から20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項28】
薬物が、ホルモン置換治療用または婦人科疾患の治療用である請求項26記載の使用。
【請求項29】
薬物的に有効量の請求項1から20のいずれか一項記載の化合物を、必要とする被検者に投与することを含む、避妊方法。
【請求項30】
薬物的に有効量の請求項1から20のいずれか一項記載の化合物を、必要とする被検者に投与することを含む、婦人科疾患の治療方法。

【公表番号】特表2007−530501(P2007−530501A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504406(P2007−504406)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051265
【国際公開番号】WO2005/092912
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【Fターム(参考)】