説明

プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法

【課題】プロジェクターにおいて、特別な操作キーを追加することなく、投写中の画像データを保存し、呼び出して投写する画像メモ機能を実現する。
【解決手段】入力切替キー23b(25b)の操作により画像入力端子6を切り替えたとき、複数の画像入力端子6に入力される画像データから記憶手段21にメモ画像211として保存する画像データを選択し、投写データ設定手段201は選択中の画像入力端子6に対応する投写データ設定をメモ画像に設定する。これにより、画像入力端子6を切り替えることで、記憶手段21に画像データを保存し、保存した画像データを投写することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターにおいて投写中の画像を保存し、所定の操作で読み出し、投写するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のプロジェクター(映像表示装置)によれば、メモ記憶キーを押下することにより出力映像に対応した画像データを記憶部に格納し、メモ表示キーを押下することにより記憶部に記憶された画像データを読み出して画面表示する。これにより、所望のタイミングで記憶している画像を表示させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−102244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術によれば、あらかじめ専用の操作キーを配置しておく必要がある。しかし、一般にプロジェクターの本体操作パネルには入力切替、メニュー操作等の最小限の操作キーしか備えられていないため、専用の操作キーを配置すると装置が大型化してしまうおそれがあった。そこで、リモートコントローラー(リモコン)に専用の操作キーを配置する方法も考えられるが、やはり、専用の操作キーを追加することによりリモコンが大型化してしまい、なお且つユーザーにとっては、キー操作が煩雑になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、画像信号が入力される複数の画像入力端子と、前記複数の画像入力端子の切替操作を含む入力操作を受け付ける入力操作手段と、前記切替操作に基づき、前記複数の画像入力端子の中からいずれか一つを選択する画像入力選択手段と、前記画像入力選択手段が選択した一の画像入力端子に入力されている画像信号に基づいた画像データを生成し、出力する画像信号処理手段と、光源から射出された光を前記画像データに応じ、変調して投写する画像投写手段と、を有するプロジェクターであって、前記画像データをメモ画像として保存する記憶手段と、前記画像入力選択手段によって選択された前記一の画像入力端子ごとに、前記画像データと、前記メモ画像のうち、いずれを投写するかを設定する、投写データ設定手段と、前記投写データ設定手段の設定に基づき、前記メモ画像を前記画像投写手段により投写する、画像メモ手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、複数の画像入力端子ごとに、記憶手段に保存されたメモ画像を投写するか、入力され生成された画像データを投写するかの設定を行い、メモ画像を投写する設定がされている場合、選択された画像入力端子に対応するメモ画像を投写する。つまり、入力切替操作により、各画像入力端子に設定されたメモ画像の投写切替を行うことができるので、本体操作パネルに専用の操作キーを追加することなく、画像メモ機能を実現することが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記画像メモ手段は、前記切替操作を受け付けた時に、前記複数の画像入力端子のいずれかに入力される画像信号に基づいた前記画像データを前記メモ画像として前記記憶手段に保存する、ことを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、画像入力端子を切り替えたときに、複数の画像入力端子のいずれかに入力される画像データをメモ画像として記憶手段に保存することができるので、同一の画像入力端子に入力される異なる入力画像データ、または異なる複数の画像入力端子に入力される複数の入力画像データを、メモ画像として画像入力端子を切り替えたときに記憶手段に保存し、投写することが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記複数の画像入力端子に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出手段をさらに備え、前記画像メモ手段は、前記切替操作を受け付けた時に、選択された前記一の画像入力端子が画像信号未検出状態と判断された場合に、前記複数の画像入力端子のいずれかに入力される画像信号に基づいた画像データを前記メモ画像として、前記記憶手段に保存する、ことを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、画像入力端子を切り替えたときに、選択した画像入力端子に画像信号が入力されていない場合に、他の画像入力端子のいずれかに入力される画像データをメモ画像として、記憶手段に保存することができるので、画像信号が入力されていない、未使用の画像入力端子をメモ画像保存用として使用することが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記投写データ設定手段は、前記信号検出手段により、選択された前記一の画像入力端子が信号未入力状態と判断された場合に、前記記憶手段に保存された前記メモ画像のうち、いずれを投写するかを設定する、ことを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、画像入力端子を切り替えたときに、選択した画像入力端子に画像信号が入力されていない場合に、記憶手段に保存されたメモ画像を投写する設定を行うことができるので、画像信号が入力されない、未使用の画像入力端子をメモ画像投写用として使用することが可能となる。
【0015】
[適用例5]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記投写データ設定手段は、選択された前記一の画像入力端子に画像信号が検出された場合に、当該一の画像入力端子に入力される画像データを投写するよう設定する、ことを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、画像信号が入力されていない画像入力端子をメモ画像投写用として使っていた場合、画像信号を入力することで、画像入力端子の入力画像データを投写するよう設定を変更するので、特別な設定操作をせずに、画像信号を入力するだけでメモ画像投写設定から、入力画像データ投写設定に変更することが可能となる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、画像信号が入力される複数の画像入力端子と、前記複数の画像入力端子の切替操作を受け付ける入力操作手段と、前記切替操作に基づき、前記複数の画像入力端子の中からいずれか一つを選択する画像入力選択ステップと、前記画像入力選択ステップにより選択された一の画像入力端子に入力されている画像信号に基づいた画像データを生成し、出力する画像信号処理手段と、光源から射出された光を前記画像データに応じ、変調して投写する画像投写手段と、前記画像データをメモ画像として記憶手段に保存する画像保存ステップと、を有するプロジェクターの制御方法であって、
前記画像入力選択ステップによって選択された前記一の画像入力端子ごとに、当該一の画像入力端子に入力される画像データと、前記記憶手段に保存された前記メモ画像のうち、いずれを投写するかを設定する、投写データ設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、画像入力端子ごとに、記憶手段に保存されたメモ画像を投写する設定を行うことができるので、画像入力端子の切替操作により、メモ画像の投写切替を行うことができ、本体操作パネルに専用の操作キーを追加することなく、画像メモ機能を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】投写データ設定手段の設定情報を示す図。
【図3】記憶手段に保存されたメモ画像の画像保存状態を示す図。
【図4】入力切替キー操作、およびメモ画像保存操作時の画面遷移を示す図。
【図5】メモ画像投写中のヘルプキー操作時の画面遷移を示す図。
【図6】プロジェクターが入力切替操作を受け付けた時の動作を示すフローチャート。
【図7】プロジェクターがメモ画像投写中にヘルプ操作を受け付けた時、および画像信号を検出したときの動作を示すフローチャート。
【図8】本体操作パネルキーを示す図。
【図9】リモコンの操作キーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター100は、画像信号処理手段3、OSD処理手段4、画像入力選択手段5、画像入力端子6、信号検出手段7、画像投写手段10、制御手段20、記憶手段21、光源制御手段22、入力操作手段23、操作信号受信手段24等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0022】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0023】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0024】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。
【0025】
このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0026】
本実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター100を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。また、画像投写手段10では、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0027】
制御手段20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター100の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。本実施形態において制御手段20は、投写データ設定手段201と、画像メモ手段202とを含み構成される。
制御手段20は、画像信号処理手段3が生成した画像データを、後述する記憶手段21にメモ画像211として保存する。
【0028】
投写データ設定手段201は、選択された画像入力端子6ごとに、画像データ、またはメモ画像211のうち、いずれを投写するかを設定する。例えば、画像入力端子61〜64に対する投写データ設定手段201の設定内容を図2に示す。
図2に示すように、画像入力端子61〜64に、図示しない外部の画像供給装置であるビデオ再生装置(Video1,Video2)やパーソナルコンピューター(PC1,PC2)等が接続されており、PC1,Video1が画像データを、PC2,Video2がメモ画像を投写するように設定されている。
【0029】
画像メモ手段202は、投写データ設定手段201の設定に基づいて、記憶手段21に保存されたメモ画像211を画像投写手段10より投写する。
【0030】
記憶手段21は、図示しないフラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター100の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター100の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態において記憶手段21は複数のメモ画像211を保存する。記憶手段21に保存されたメモ画像211の画像保存状態を図3に示す。
図3に示すように、メモ画像211は複数の画像入力端子6ごとに、メモ画像211が保存される。投写データ設定手段201によってメモ画像211を投写するように設定された画像入力端子6が選択された場合、対応するメモ画像211が投写される。
【0031】
入力操作手段23は、プロジェクター100の本体筐体外面に備えられ、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター100に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作手段23の操作キーを図8に示す。
【0032】
図8に示すように、入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キー23aや、画像入力選択手段5により複数の画像入力端子6のうち、いずれかの画像入力端子6に切り替えるための入力切替キー23b、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー23c、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー23d、決定キー23e、エスケープキー23f、ヘルプキー23g等がある。
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23はユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。
【0033】
操作信号受信手段24は、遠隔操作で入力操作を行うリモコン25からの操作信号を受信し、ユーザーの操作内容に応じた、操作内容を制御手段20に出力する。リモコン(RC)25の操作キーを図9に示す。
図9に示すように、リモコン25が備える操作キーとしては、入力操作手段23と同等な電源キー25a、入力切替キー25b、メニューキー25c、カーソルキー25d、決定キー25e、エスケープキー25f、ヘルプキー25gの操作キーに加え、画面ミュートキー25h、画面縦横比切替キー25i、カラーモード切替キー25j、番号入力キー25k等がある。
【0034】
複数の画像入力端子6には、ビデオ再生装置(Video1,Video2)やパーソナルコンピューター(PC1,PC2)等、図示しない外部の画像供給装置から、各種形式の画像信号が入力され、入力された画像信号は、画像入力選択手段5に供給される。
【0035】
画像入力選択手段5は、複数の画像入力端子6のうち、制御手段20の指示に基づく一の画像入力端子6を選択し、一の画像入力端子6に入力される画像信号を、信号検出手段7、および画像信号処理手段3に出力する。
ユーザーが、入力操作手段23に備わる入力切替キー23bを操作して所望の一の画像入力端子6を指定すると、制御手段20は、一の画像入力端子6に入力される画像信号が信号検出手段7および画像信号処理手段3に出力されるよう、画像入力選択手段5に指示をする。
【0036】
信号検出手段7は、画像入力選択手段5から入力される画像信号の有無を検出し、画像入力選択手段5が選択した画像入力端子6に画像信号が入力されているか否かを検出し、その検出結果を制御手段20に通知する。
【0037】
画像信号処理手段3は、画像入力選択手段5から入力される画像信号を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像データに変換する。ここで、変換された画像データは、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。
画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。また、画像信号処理手段3は、制御手段20の指示に基づき、変換した画像データに対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等を調整するための画質調整処理等を行い、処理後の画像データをOSD処理手段4に出力する。
【0038】
OSD処理手段4は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段4は、画像信号処理手段3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0039】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0040】
光源制御手段22は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0041】
次に、本実施形態のプロジェクターの画面遷移を図4、および図5を用いて説明する。
図4は、入力切替キー操作、およびメモ画像保存操作時の画面遷移を示す図である。図4の例では4つの画像入力端子61〜64(PC1,PC2,Video1,Video2)のうち2つの画像入力端子61,63(PC1,Video1)に画像信号が入力されているものとする。
また、本実施形態では、入力切替キー23b(25b)の操作により、予め定められた順番で画像入力端子6が切り替えられるものとする。
【0042】
図4(a)は、プロジェクター100が起動直後に、画像入力端子6にPC1(画像入力端子61)からの入力が選択されているときの画像投写状態を示すものである。初期状態では、投写データ設定手段201において全ての画像入力端子6が画像データを投写するよう設定されているため、PC1(画像入力端子61)からの画像データが投写されている。
この状態で入力切替キー23b(25b)を操作すると、画像入力端子6がPC1(画像入力端子61)からPC2(画像入力端子62)の入力に切り替わり、図4(b)に遷移する。
【0043】
図4(b)において、投写データ設定手段201で画像入力端子62(PC2)は、初期状態である画像データを投写する設定になっているが、画像入力端子62にはPC2からの画像信号が入力されていないため、他の画像入力端子6のうち、画像データをメモ画像211として保存するための、画像信号が入力されているPC1(画像入力端子61)またはVideo1(画像入力端子63)を選択する画面が投写される。
カーソルキー23d(25d)および決定キー23e(25e)により、PC1を選択すると、画像入力端子61(PC1)に入力される画像データが、記憶手段21にPC2のメモ画像211として保存され、投写データ設定手段201により、画像入力端子62(PC2)を選択した場合はメモ画像211を投写するよう設定される。次に図4(c)に遷移する。
【0044】
図4(c)において、投写データ設定手段201により画像入力端子62(PC2)がメモ画像211の投写に設定されているため、メモ画像211(PC1の画像データ)を投写している状態を示す。また、画面上部にはメモ画像であることを示すメッセージが投写される。
次に入力切替キー23b(25b)を操作すると、画像入力端子6がPC2(画像入力端子62)からVideo1(画像入力端子63)の入力に切り替わり、図4(d)に遷移する。
【0045】
図4(d)において、投写データ設定手段201では画像入力端子63(Video1)は画像データを投写する設定になっているため、Video1からの画像データを投写している状態を示す。次に入力切替キー23b(25b)を操作すると、画像入力端子6がVideo1(画像入力端子63)からVideo2(画像入力端子64)の入力に切り替わり、図4(e)に遷移する。
【0046】
図4(e)において、投写データ設定手段201で画像入力端子64(Video2)は、初期状態である画像データを投写する設定になっているが、画像入力端子64にはVideo2からの画像信号が入力されていないため、他の画像入力端子6のうち、画像データをメモ画像211として保存するための、画像信号が入力されているPC1(画像入力端子61)またはVideo1(画像入力端子63)を選択する画面が投写される。
ここで、メモ画像211に画像データを保存することを希望せず、入力切替キー23b(25b)を操作すると、画像入力端子6がVideo2(画像入力端子64)からPC1(画像入力端子61)の入力に切り替わり、図4(f)に遷移する。
【0047】
図4(f)において、投写データ設定手段201で画像入力端子61(PC1)は画像データを投写する設定になっているため、PC1からの画像データが投写される。
次に入力切替キー23b(25b)を操作すると、画像入力端子6がPC1(画像入力端子61)からPC2(画像入力端子62)の入力に切り替わり、図4(g)に遷移する。
【0048】
図4(g)において、投写データ設定手段201で画像入力端子62(PC2)はメモ画像211の投写に設定されているため、メモ画像211が投写される。
【0049】
図5は、メモ画像投写中のヘルプキー23g(25g)操作時の画面遷移を示す図である。4つの画像入力端子6(PC1,PC2,Video1,Video2)のうち2つの画像入力端子61,63(PC1,Video1)に画像信号が入力されており、図4(a)から図4(f)で説明したように、投写データ設定手段201で画像入力端子62(PC2)がメモ画像投写に設定されているものとする。
【0050】
図5(a)は、画像入力端子6にPC2からの入力が選択されており、メモ画像211を投写している状態を示す。この状態においてヘルプキー23g(25g)を操作すると、図5(b)に遷移する。
【0051】
図5(b)は画像入力端子62(PC2)の、投写データの設定変更を行う操作画面が投写されている状態を示す。カーソルキー23d(25d)および決定キー23e(25e)で画像データを投写するか、画像信号が入力されている画像入力端子61,63(PC1,Video1)の画像データをメモ画像211として保存するかを選択する。
画像信号が入力されている画像入力端子63(Video1)を選択すると、図5(c)に遷移する。画像データを投写するよう選択した場合、図5(d)に遷移する。
【0052】
図5(c)は、画像入力端子63(Video1)からの画像データがメモ画像211として保存され、投写している状態を示す。
【0053】
図5(d)は、画像入力端子62(PC2)からの画像データを投写している状態を示す。PC2からは画像信号が入力されていないため、無信号状態を示す画面が投写される。
【0054】
次に、本実施形態のプロジェクター100の動作を図6、および図7のフローチャートを用いて説明する。図5は、メモ画像投写中のヘルプキー操作時の画面遷移を示す図であり、図6は、プロジェクターが入力切替操作を受け付けた時の動作を示すフローチャートである。
【0055】
(入力切替操作を受け付けた時)
図6に示すように、プロジェクター100が画像を投写中に、入力切替キー23b(25b)の操作を検出した場合(ステップS101)、制御手段20は画像入力選択手段5に指示をして、現在投写中の画像入力端子6(図中には「端子」と称する)の次の画像入力端子6に切り替え(ステップS102)、次にステップS103に遷移する。なお、ステップS102が画像入力選択ステップに相当する。
【0056】
ステップS103において制御手段20は、信号検出手段7の検出結果に基づき、現在選択している画像入力端子6に画像信号が検出されたか否かを調べる。画像入力端子6に画像信号が検出された場合(ステップS103:Y)、ステップS112に遷移する。画像入力端子6に画像信号が検出されない場合(ステップS103:N)、ステップS104に遷移する。
【0057】
ステップS104において制御手段20は、投写データ設定手段201の設定情報に基づき、現在選択している画像入力端子6がメモ画像211を投写する設定になっているか否かを調べる。メモ画像211を投写する設定になっている場合(ステップS104:Y)、ステップS111に遷移する。メモ画像を投写する設定になっていない場合、即ち、画像データを投写する設定になっている場合(ステップS104:N)、ステップS105に遷移する。
【0058】
ステップS105において制御手段20は、現在選択されている画像入力端子6が無信号状態であることを示す画像を画像投写手段10により投写し、ステップS106に遷移する。
【0059】
ステップS106において制御手段20は、画像入力選択手段5、および信号検出手段7により、現在選択されている画像入力端子6以外の他の画像入力端子6の画像信号検出状態を取得し、ステップS107に遷移する。
【0060】
ステップS107において制御手段20は、ステップS106において取得した画像信号検出状態の情報に基づき、現在選択されている画像入力端子6の他に、画像信号が検出された画像入力端子6があるか否かを調べる。画像信号が検出された画像入力端子6がある場合(ステップS107:Y)、ステップS108に遷移する。画像信号が検出された画像入力端子6がない場合(ステップS107:N)、ステップS113に遷移する。
【0061】
ステップS108において制御手段20は、画像信号が入力されている画像入力端子6、およびメモ画像保存選択方法を示すメッセージを画像投写手段10により投写し、ステップS109に遷移する。図4(b)が、このときのメッセージ画面に相当する。
【0062】
ステップS109において制御手段20は、ステップS108において投写したメッセージに対し、メモ画像保存操作を受け付けたか(画像データを保存する画像入力端子6が選択されたか)否かを調べる。メモ画像保存操作を受け付けた場合(ステップS109:Y)、ステップS110に遷移する。メモ画像保存操作を受け付けなかった場合(ステップS109:N)、ステップS113に遷移する。
【0063】
ステップS110において画像メモ手段202は、ステップS109において選択された、画像信号が入力されている画像入力端子6の画像データを記憶手段21にメモ画像211として保存し、投写データ設定手段201は、現在選択されている画像入力端子6に対応する投写データ設定をメモ画像に設定し、ステップS111に遷移する。
【0064】
以上のステップS108,S109,S110,S110が、投写データ設定ステップに相当する。
【0065】
ステップS111において画像メモ手段202は、現在選択されている画像入力端子6に対応する、メモ画像211を画像投写手段10に投写し、ステップS113に遷移する。図4(c)がこのときのメモ画像投写画面に相当する。
【0066】
ステップS112において制御手段20は、現在選択されている画像入力端子6の画像データを画像投写手段10に投写し、ステップS113に遷移する。
【0067】
ステップS113において本動作フローを終了する。
【0068】
(メモ画像投写中にヘルプ操作を受け付けた時)
図7に示すように、プロジェクター100がメモ画像211を投写中に、ヘルプキー23g(25g)の操作(ヘルプ操作)を受け付けた場合(ステップS201)、ステップS202に遷移する。
【0069】
ステップS202において制御手段20は、画像入力選択手段5、および信号検出手段7により、現在選択されている画像入力端子6の他の画像入力端子6の画像信号検出状態を取得し、ステップS203に遷移する。
【0070】
ステップS203において制御手段20は、ステップS202において取得した他の画像入力端子6の画像信号検出状態の情報に基づき、画像信号が入力されている画像入力端子6の画像データを投写するか、または他の画像入力端子6の画像データをメモ画像として保存するかを選択し、設定変更を行うメッセージ(メッセージ画面)を画像投写手段10により投写し、ステップS204に遷移する。
図5(b)が、このときのメッセージ画面に相当する。なお、画像信号が入力されている他の画像入力端子6がなかった場合は現在選択されている画像入力端子6の画像データの投写(入力画像投写)に切り替えるか否かを選択する。
【0071】
ステップS204において制御手段20は、ステップS203において投写したメッセージに対し、入力画像投写に変更する操作を受け付けたか否かを調べる。入力画像投写に変更する操作を受け付けた場合(ステップS204:Y)、ステップS208に遷移する。入力画像投写に変更する操作を受け付けていない場合(ステップS204:N)、ステップS205に遷移する。
【0072】
ステップS205において制御手段20は、ステップS203において投写したメッセージに対し、メモ画像保存操作を受け付けたか(画像データを保存する画像入力端子6が選択されたか)否かを調べる。メモ画像保存操作を受け付けた場合(ステップS205:Y)、ステップS206に遷移する。メモ画像保存操作を受け付けなかった場合(ステップS205:N)、ステップS210に遷移する。
【0073】
ステップS206において画像メモ手段202は、ステップS205において選択された画像入力端子6の画像データを記憶手段21にメモ画像211として保存し、投写データ設定手段201は、現在選択されている画像入力端子6に対応する投写データ設定をメモ画像に設定し、ステップS207に遷移する。
このとき、直前に投写データ設定手段201に設定されている画像入力端子6と同じ画像入力端子6を選択した場合、選択された画像入力端子6の画像データが新たにメモ画像211に保存される。
【0074】
ステップS207において画像メモ手段202は、選択された画像入力端子6に対応するメモ画像211を画像投写手段10に投写し、ステップS210に遷移する。
【0075】
ステップS208において制御手段20は、投写データ設定手段201の、現在選択されている画像入力端子6に対応する画像データを入力画像投写に設定し、ステップS209に遷移する。
【0076】
ステップS209において制御手段20は、現在選択されている画像入力端子6の入力画像データを画像投写手段10に投写し、ステップS210に遷移する。
【0077】
ステップS210において本動作フローを終了する。
【0078】
(メモ画像投写中に画像入力端子に画像信号が入力されたことを検出した時)
図7に示すように、プロジェクター100がメモ画像211に保存された画像データを投写中に、信号検出手段7により、現在選択されている画像入力端子6に画像信号が入力されたことを検出した場合(ステップS211)、ステップS208に遷移する。
【0079】
以下、上述したステップS208からステップS210の動作を実行する。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター100によれば、複数の画像入力端子6ごとに、メモ画像211を投写するか、画像データを投写するかの設定を行い、メモ画像211を投写する設定がされている場合、選択された画像入力端子6に対応するメモ画像211を投写する。つまり、入力切替操作により、各画像入力端子6に設定されたメモ画像211の投写切替を行うことができるので、本体操作パネルに専用の操作キーを追加することなく、画像メモ機能を実現することが可能となる。
【0081】
また、画像入力端子6を切り替えたときに、複数の画像入力端子6のいずれかに入力される画像データをメモ画像211として保存することができるので、同一の画像入力端子6に入力される異なる画像データ、または異なる複数の画像入力端子6に入力される複数の画像データを、メモ画像211として保存し、投写することが可能となる。
【0082】
また、画像入力端子6を切り替えたときに、選択した画像入力端子6に画像信号が入力されていない場合に、他の画像入力端子6のいずれかに入力される画像データをメモ画像211として保存し、投写することができるので、画像信号が入力されていない、未使用の画像入力端子6をメモ画像保存、および投写用として使用することが可能となる。
【0083】
また、画像信号が検出されていない画像入力端子6をメモ画像投写用として使っていた場合、画像信号を入力することで、画像データを投写するよう投写データ設定手段201に設定するので、特別な設定変更操作をせずに、画像信号を入力するだけでメモ画像投写設定から、画像データ投写設定に、設定を変更することが可能となる。
【0084】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態において、メモ画像211として画像データを保存する画像入力端子6を選択する際に、選択中の画像入力端子6の入力される画像データを画像投写手段10に投写するようにしてもよい。
これにより、メモ画像211として保存する画像データが選択しやすくなる。
【符号の説明】
【0085】
1…プロジェクター、3…画像信号処理手段、4…OSD処理手段、5…画像入力選択手段、6…画像入力端子、7…信号検出手段、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、20…制御手段、21…記憶手段、22…光源制御手段、23…入力操作手段、24…操作信号受信手段、201…投写データ設定手段、202…画像メモ手段、211…メモ画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号が入力される複数の画像入力端子と、
前記複数の画像入力端子の切替操作を含む入力操作を受け付ける入力操作手段と、
前記切替操作に基づき、前記複数の画像入力端子の中からいずれか一つを選択する画像入力選択手段と、
前記画像入力選択手段が選択した一の画像入力端子に入力されている画像信号に基づいた画像データを生成し、出力する画像信号処理手段と、
光源から射出された光を前記画像データに応じ、変調して投写する画像投写手段と、
を有するプロジェクターであって、
前記画像データをメモ画像として保存する記憶手段と、
前記画像入力選択手段によって選択された前記一の画像入力端子ごとに、前記画像データと、前記メモ画像のうち、いずれを投写するかを設定する、投写データ設定手段と
前記投写データ設定手段の設定に基づき、前記メモ画像を前記画像投写手段により投写する画像メモ手段と、
を備えたことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記画像メモ手段は、前記切替操作を受け付けた時に、前記複数の画像入力端子のいずれかに入力される画像信号に基づいた画像データを前記メモ画像として前記記憶手段に保存する、
ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記複数の画像入力端子に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出手段をさらに備え、
前記画像メモ手段は、前記切替操作を受け付けた時に、選択された前記一の画像入力端子が画像信号未検出状態と判断された場合に、前記複数の画像入力端子のいずれかに入力される画像信号に基づいた画像データを前記メモ画像として、前記記憶手段に保存する、
ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記投写データ設定手段は、前記信号検出手段により、選択された前記一の画像入力端子が信号未入力状態と判断された場合に、前記記憶手段に保存された前記メモ画像を投写するよう設定する、
ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
請求項4に記載のプロジェクターであって、
前記投写データ設定手段は、選択された前記一の画像入力端子に画像信号が検出された場合に、当該一の画像入力端子に入力される画像データを投写するよう設定する、ことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項6】
画像信号が入力される複数の画像入力端子と、
前記複数の画像入力端子の切替操作を受け付ける入力操作手段と、
前記切替操作に基づき、前記複数の画像入力端子の中からいずれか一つを選択する画像入力選択ステップと、
前記画像入力選択ステップにより選択された一の画像入力端子に入力されている画像信号に基づいた画像データを生成し、出力する画像信号処理手段と、
光源から射出された光を前記画像データに応じ、変調して投写する画像投写手段と、
前記画像データをメモ画像として記憶手段に保存する画像保存ステップと、
を有するプロジェクターの制御方法であって、
前記画像入力選択ステップによって選択された前記一の画像入力端子ごとに、当該一の画像入力端子に入力される画像データと、前記記憶手段に保存された前記メモ画像のうち、いずれを投写するかを設定する、投写データ設定ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−80105(P2013−80105A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219964(P2011−219964)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】