説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】一台の認証操作により、カスケード接続された複数のプロジェクターを使用可能にする。
【解決手段】カスケード接続された先頭のプロジェクターとして動作するときは認証手段による認証(ステップS104:Y)を行い、2番目以降のプロジェクターとして動作するときは、受信手段より使用許可情報を受信した場合(ステップS113:Y)にプロジェクター1を使用可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの不正使用を防止する方法として、リモートコントローラー(リモコン)から暗証番号を入力する方法が知られている。しかし、複数のプロジェクターを同じ場所で使用するような設置環境においては、起動するたびに全てのプロジェクターに暗証番号を入力するのは面倒であった。
【0003】
特許文献1には、USBキーの脱着やRFタグをかざすことで認証するプロジェクターが開示されている。
このようなプロジェクターによれば、暗証番号を入力することなく、プロジェクターの不正使用を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−351996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のプロジェクターでは、暗証番号の入力は必要ないものの、使用時にユーザーが全てのプロジェクターのそばで認証のための操作をする必要があり、使用前の手間は削減されなかった。また、プロジェクターが天吊設置されている場合には、USBキーの脱着やRFタグをかざすという操作ができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターであって、複数の他のプロジェクターとカスケードに接続可能であり、カスケードに接続された他のプロジェクターと通信するための送信手段、及び受信手段と、当該プロジェクターがカスケード接続の先頭として動作する第1モードと、カスケード接続の2番目以降として動作する第2モードのいずれかを設定する、モード設定手段と、入力操作を受け付ける入力操作手段と、当該プロジェクターを使用可能にするための認証を行う認証手段と、当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記認証手段による認証の成功、または、前記受信手段による当該プロジェクターの使用許可情報の受信により、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、認証手段による認証の成功、または、使用許可情報の受信により、プロジェクターを使用可能にする。これにより、カスケード接続された複数のプロジェクター全てに認証操作を行う手間を省くことが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第1モードが設定されている場合に、前記認証手段による認証を行い、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、前記受信手段より、前記使用許可情報を受け付け、前記制御手段は、当該プロジェクターが使用可能になった場合に、前記送信手段より、前記使用許可情報を、カスケードに接続された他のプロジェクターへ送信することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、カスケード接続された先頭のプロジェクターが認証されることで、2番目以降のプロジェクターに使用許可情報が順次送られ、使用可能にする。これにより、カスケード接続された先頭の1台のみを認証することで全てのプロジェクターを使用可能にすることができる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、当該プロジェクターを識別する第1識別情報、及び前記使用許可情報を送信する相手先のプロジェクターを識別する第2識別情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、当該プロジェクターが使用可能になった場合に、前記送信手段より、前記使用許可情報、及び前記第2識別情報を、カスケードに接続された他のプロジェクターへ送信し、前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、前記受信手段より、前記使用許可情報、及び前記第2識別情報を受け付け、前記第2識別情報と前記第1識別情報が一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、プロジェクター自身を識別する第1識別情報と、カスケード接続された次のプロジェクターを識別する第2識別情報を持ち、使用許可情報とともに第2識別情報を次のプロジェクターへ送信し、次のプロジェクターは使用許可情報とともに受信した第2識別情報と、自身を識別する第1識別情報とが一致した場合に使用可能とする。これにより、カスケード接続の中に、不正に接続されたプロジェクターがあった場合に、使用させないようにすることが可能となる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、所定時間内に前記受信手段より、前記使用許可情報を受信しないとき、前記認証手段による認証を行うことを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、カスケード接続の2番目以降のプロジェクターが、所定時間以内に使用許可情報を受信しない場合に、カスケード接続の先頭のプロジェクターと同様に認証を行う。これにより、何らかの要因で接続されたプロジェクターに故障が生じ、使用許可情報を送信することができなくなった場合でも、認証を行うことにより、使用可能にすることができる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターの制御方法であって、複数の他のプロジェクターとカスケードに接続可能であり、カスケードに接続された他のプロジェクターと通信するための送信手段、及び受信手段と、当該プロジェクターがカスケード接続の先頭として動作する第1モードと、カスケード接続の2番目以降として動作する第2モードのいずれかを設定する、モード設定手段と、入力操作を受け付ける入力操作ステップと、当該プロジェクターを使用可能にするための認証を行う認証ステップと、前記認証ステップによる認証の成功、または、前記受信手段から当該プロジェクターの使用許可情報の受信により、当該プロジェクターを使用可能にする制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、認証手段による認証が成功するか、使用許可情報を受信するかのいずれかにより、プロジェクターを使用可能にする。これにより、カスケード接続された複数のプロジェクター全てに認証操作を行う手間を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターのカスケード接続を示す図であり、(a)はプロジェクターが有線接続された状態、(b)はプロジェクターPJ2がプロジェクターPJ1から使用許可情報を受け付けた状態、(c)はプロジェクターPJ2からプロジェクターPJ3へ使用許可情報が送信された状態、(d)は全てのプロジェクターが使用可能になった状態を示す図。
【図3】プロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図4】警告メッセージの一例を示す図であり、(a)は認証に失敗したとき、(b)は所定時間内に使用許可情報を受信しなかったとき、(c)は受信した識別情報が一致しなかったときの警告メッセージの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、OSD処理手段16、画像信号処理手段17、画像信号入力手段18、制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、光源制御手段25、電源端子30、電源部31、受信手段41、送信手段42等で構成されており、これらは図示しないプロジェクター1の筐体の内部に収容されている。
【0020】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0021】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0022】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。
【0023】
このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0024】
上述した実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0025】
制御手段20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。
制御手段20は、プロジェクター1の認証を行う認証手段201、プロジェクター1がカスケード接続の先頭として動作する第1モードと、カスケード接続の2番目以降として動作する第2モードのいずれかを設定するモード設定手段202、及び時間を計測するタイマー20aを含む。
【0026】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。記憶手段21には設定データとして、プロジェクター1を識別する第1識別情報21aと、プロジェクター1とカスケード接続され、送信手段42によって情報を送信する送信先のプロジェクターを識別する第2識別情報21bが保存される。
プロジェクター1は、後述する入力操作手段23によって入力された認証情報により認証が成功した場合、第2識別情報21bに登録されたプロジェクターがあれば、使用許可情報P1を第2識別情報21bとともに、送信手段42により送信する。
【0027】
入力操作手段23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、図示は省略するが、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えており、プロジェクター1の筐体外面に備えられる本体キーまたは、遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン)で構成させる。
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、また、プロジェクター1を使用可能にするための認証情報を入力する認証操作キー(例えば数字キー)等がある。
【0028】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。なお、入力操作手段23は、リモコン信号受信手段(図示せず)と遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0029】
画像信号入力手段18は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0030】
画像信号処理手段17は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0031】
OSD処理手段16は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。
なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段16は、画像信号処理手段17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0032】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0033】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0034】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、入力した電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0035】
受信手段41はカスケード接続された他のプロジェクターと通信し、使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを受信する。
【0036】
送信手段42はカスケード接続された他のプロジェクターと通信し、使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを送信する。
【0037】
次に、本実施形態のプロジェクターのカスケード接続の動作について図2を用いて説明する。
図2(a)はプロジェクターPJ1、PJ2、PJ3、が有線接続された状態を示す。プロジェクターPJ1の送信手段42aがプロジェクターPJ2の受信手段41bに、プロジェクターPJ2の送信手段42bがプロジェクターPJ3の受信手段41cに、それぞれ接続された、カスケード接続状態になっている。カスケード接続先頭のプロジェクターPJ1は第1モード、2番目以降のプロジェクターPJ2,PJ3は第2モードに設定されている。この時点では全てのプロジェクターPJ1、PJ2、PJ3が使用待機状態になっている。
図2(a)のように、カスケード接続先頭のプロジェクターPJ1は入力操作手段23aからの暗証番号入力により、認証を行う。認証が成功した場合、図2(b)のようにプロジェクターPJ1が使用可能になり、プロジェクターPJ1からプロジェクターPJ2へ使用許可情報P1が送信される。このとき、第2識別情報21bも送信手段42aにより送信されるが、ここでの説明においては省略する。
図2(b)では、プロジェクターPJ2がプロジェクターPJ1から使用許可情報P1を受け付けると、図2(c)のように、プロジェクターPJ2が使用可能になり、プロジェクターPJ2からプロジェクターPJ3へ使用許可情報P1が送信される。
図2(c)では、プロジェクターPJ3がプロジェクターPJ2から使用許可情報P1を受け付けると、図2(d)のように、プロジェクターPJ3が使用可能になり、全てのプロジェクターが使用可能になる。
【0038】
次に、本実施形態のプロジェクターの動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
図3に示すように、プロジェクター1が入力操作手段23の電源オン操作により電源オンすると(ステップS101)、制御手段20はモード設定手段202に第1モードが設定されているか(プロジェクター1がカスケード接続の先頭であるか)否かを調べる(ステップS102)。
モード設定手段202に第1モードが設定されている場合(ステップS102:Y)、ステップS103に遷移する。モード設定手段202に第1モードが設定されていない場合、即ち第2モードが設定されている場合(ステップS102:N)、ステップS110に遷移する。
【0039】
ステップS103において認証手段201は、入力操作手段23からの暗証番号入力などによる認証を行い、ステップS104に遷移する。
【0040】
ステップS104において制御手段20は、ステップS103における認証が成功したか否かを調べる。認証が成功した場合(ステップS104:Y)、ステップS105に遷移する。認証が失敗した場合(ステップS104:N)、ステップS116に遷移する。
【0041】
ステップS105において制御手段20は、第2識別情報21bに有効な情報が保存されているか否かを調べる。第2識別情報21bに有効な情報が保存されている場合(ステップS105:Y)、ステップS106に遷移する。第2識別情報21bに有効な情報が保存されていない場合(ステップS105:N)、ステップS107に遷移する。
【0042】
ステップS106において制御手段20は、使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを送信手段42により送信し、ステップS107に遷移する。
【0043】
ステップS107において制御手段20は、画像信号入力手段18から入力される画像信号を画像投写手段10により投写し、本フローを終了する。
【0044】
ステップS110において制御手段20は、タイマー20aによる計時を開始し、ステップS111に遷移する。
【0045】
ステップS111において制御手段20は、タイマー20aが所定の時間T1(例えば20秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが時間T1を経過した場合(ステップS111:Y)、警告メッセージM2を所定時間投写し(ステップS112)、ステップS103に遷移する。このときの警告メッセージM2の一例を図4(b)に示す。
一方、タイマー20aが時間T1を経過していない場合(ステップS111:N)、ステップS113に遷移する。
【0046】
ステップS113において制御手段20は、受信手段41より、使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを受信したか否かを調べる。使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを受信した場合(ステップS113:Y)、ステップS114に遷移する。使用許可情報P1、及び第2識別情報21bを受信していない場合(ステップS113:N)、ステップS111に遷移する。
【0047】
ステップS114において制御手段20は、ステップS113において受信した第2識別情報21bと、第1識別情報21aとが一致するか否かを調べる。一致した場合(ステップS114:Y)、ステップS105に遷移する。一致しない場合(ステップS114:N)、ステップS115に遷移する。
【0048】
ステップS115において制御手段20は、警告メッセージM3を画像投写手段10により所定時間投写し、ステップS117に遷移する。このときの警告メッセージM3の一例を図4(c)に示す。
【0049】
ステップS116において制御手段20は、警告メッセージM1を画像投写手段10により所定時間投写し、ステップS117に遷移する。このときの警告メッセージM1の一例を図4(a)に示す。
【0050】
ステップS117において制御手段20は、プロジェクター1の電源をオフしてスタンバイ状態に移行させ、本動作フローを終了する。
【0051】
以上、説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、認証手段201による認証、または、使用許可情報P1の受信のいずれかにより、プロジェクター1を使用可能にする。これにより、カスケード接続された複数のプロジェクター全てに認証操作を行う手間を省くことができる。
【0052】
また、カスケード接続された先頭のプロジェクターが認証され、使用可能となることで、2番目以降のプロジェクターに使用許可情報P1が順次送られ、使用可能にする。これにより、カスケード接続された先頭のプロジェクター1台のみを認証することで全てのプロジェクターを使用可能にすることが可能となる。
【0053】
また、プロジェクターPJ1を識別する第1識別情報21aと、カスケード接続された次のプロジェクターPJ2を識別する第2識別情報21bを持ち、使用許可情報P1とともに第2識別情報21bを次のプロジェクターPJ2へ送信する。
次のプロジェクターPJ2は使用許可情報P1とともに受信した第2識別情報21bと、プロジェクターPJ2を識別する第1識別情報21aとが一致した場合にプロジェクターPJ2を使用可能とする。
これにより、カスケード接続の中に、不正に接続されたプロジェクター1があった場合に、使用させないようにすることが可能となる。
【0054】
また、カスケード接続の2番目以降のプロジェクターPJ2として動作する場合、所定時間以内に使用許可情報P1を受信しない場合に、カスケード接続の先頭のプロジェクターPJ1と同様に認証手段201により認証を行う。これにより、何らかの要因で接続されたプロジェクターPJ1が使用許可情報P1を送信することができなくなった場合、次にカスケード接続されたプロジェクターPJ2により認証を行い、使用許可情報P1を送信することができる。したがって、認証したプロジェクターPJ2、および以降接続されたプロジェクター(PJ3)を使用可能にできる。
【0055】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態のプロジェクター1ではモード設定手段202に第1モードが設定されている場合、入力操作手段23からの入力操作により、認証手段201で認証を行うが、外部記憶媒体から認証情報を取得し、認証するようにしてもよい、これにより、1台のプロジェクターに、認証情報が格納された記憶媒体を接続することにより、カスケード接続された全てのプロジェクターを使用可能にすることが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1…プロジェクター、10…画像投写手段、11…光源、12R、12G、12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、16…OSD処理手段、17…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、20…制御手段、201…認証手段、202…モード設定手段、20a…タイマー、21…記憶手段、21a…第1識別情報、21b…第2識別情報、23…入力操作手段、25…光源制御手段、30…電源端子、31…電源部、41…受信手段、41…送信手段、P1…使用許可情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターであって、
複数の他のプロジェクターとカスケードに接続可能であり、カスケードに接続された他のプロジェクターと通信するための送信手段、及び受信手段と、
当該プロジェクターがカスケード接続の先頭として動作する第1モードと、カスケード接続の2番目以降として動作する第2モードのいずれかを設定する、モード設定手段と、
入力操作を受け付ける入力操作手段と、
当該プロジェクターを使用可能にするための認証を行う認証手段と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記認証手段による認証、または、前記受信手段による当該プロジェクターの使用許可情報の受信により、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第1モードが設定されている場合に、前記認証手段による認証を行い、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、前記受信手段より、前記使用許可情報を受け付け、
前記制御手段は、当該プロジェクターが使用可能になった場合に、前記送信手段より、前記使用許可情報を、カスケードに接続された他のプロジェクターへ送信することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
当該プロジェクターを識別する第1識別情報、及び前記使用許可情報を送信する相手先のプロジェクターを識別する第2識別情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、当該プロジェクターが使用可能になった場合に、前記送信手段より、前記使用許可情報、及び前記第2識別情報を、カスケードに接続された他のプロジェクターへ送信し、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、前記受信手段より、前記使用許可情報、及び前記第2識別情報を受け付け、前記第2識別情報と前記第1識別情報が一致した場合に、当該プロジェクターを使用可能にすることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記第2モードが設定されている場合に、所定時間内に前記受信手段より、前記使用許可情報を受信しないとき、前記認証手段による認証を行うことを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して投写するプロジェクターの制御方法であって、
複数の他のプロジェクターとカスケードに接続可能であり、カスケードに接続された他のプロジェクターと通信するための送信手段、及び受信手段と、
当該プロジェクターがカスケード接続の先頭として動作する第1モードと、カスケード接続の2番目以降として動作する第2モードのいずれかを設定する、モード設定手段と、
入力操作を受け付ける入力操作ステップと、
当該プロジェクターを使用可能にするための認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップによる認証、または、前記受信手段より、当該プロジェクターの使用許可情報の受信により、当該プロジェクターを使用可能にする制御ステップと、を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−16053(P2013−16053A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148903(P2011−148903)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】