説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】プロジェクターにおいて、ランプの点灯時間がランプ寿命警告時間を越えた場合、ランプ交換を開始するまでの間、使用条件に制限をかけた上でプロジェクターを使用可能にする。
【解決手段】ランプの点灯時間21aがランプ寿命警告時間を越えた場合にモード設定手段201を使用制限モードに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光源ランプ(ランプ)を使用して画像を投写するプロジェクターにおいて、光源ランプには寿命があり、一定の累積点灯時間を越えて使用すると切れてしまうため、特許文献1、及び特許文献2のように、光源ランプの累積点灯時間をメモリーに保存し、保存された累積点灯時間が予め設定した時間に到達したときに、光源ランプの交換を促す警告表示を行う方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−250437号公報
【特許文献2】特開2002−287243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、交換用の光源ランプを用意していない場合は、警告表示が出てもしばらくそのままで使い続けてしまうことがある。また、プロジェクターの光源ランプを交換するには、電源をオフし、光源ランプが交換可能な温度に下がるまで待たねばならない。特に、プロジェクターを天吊り設置で使用している場合、光源ランプの交換が煩雑で、そのまま使い続けることにより、光源ランプが切れてしまう可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、ランプから射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写手段と、前記ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測手段と、を備えたプロジェクターであって、当該プロジェクターを通常に使用可能な通常モード、または当該プロジェクターの使用時に制限がかけられる使用制限モードが設定されるモード設定手段と、当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は前記点灯時間がランプ寿命警告時間を越えた場合に、ランプ交換を促す警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、前記モード設定手段を前記使用制限モードに設定することを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、プロジェクターのランプの点灯時間が予め定められたランプ寿命警告時間を越えた場合、プロジェクターの使用時に制限がかけられる。これにより、ランプの交換を促しながら、ランプを交換するまでの間、制限つきでプロジェクターを使用することが可能になる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記モード設定手段に前記使用制限モードが設定されて、当該プロジェクターを所定の時間使用した場合に警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、当該プロジェクターの電源をオフすることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、プロジェクターのランプがランプ寿命警告時間に達し、使用制限モードに入った場合、連続して使用できる時間が所定の時間に制限される。これにより、使用者は必要最低限の時間のみしか投写できないので、ランプ寿命警告時間に到達後、早期のランプ交換を促すとともに、プロジェクターの使用中にランプが切れるのを防止することが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御手段は、前記モード設定手段に前記使用制限モードが設定されている場合、前記ランプの点灯輝度を前記通常モードより低く設定することを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、プロジェクターがランプ寿命警告時間に達し、使用制限モードに入った場合、ランプの点灯輝度が低輝度に設定されるので、ランプ寿命警告時間到達後、早期のランプ交換を促すとともに、低輝度でランプの負荷を抑えながら使用することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記ランプが交換されたことを検出するランプ交換検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記ランプ交換検出手段により、前記ランプが交換されたことを検出した場合に、前記モード設定手段は、前記使用制限モードから前記通常モードに設定変更することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、プロジェクターのランプを交換後、使用者が特に設定を変えることなく、使用制限が解除され通常状態でプロジェクターを使用することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、ランプから射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写手段と、前記ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測手段と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、当該プロジェクターを通常に使用可能な通常モード、または当該プロジェクターの使用時に制限がかけられる使用制限モードを設定するモード設定ステップと、前記ランプ点灯時間がランプ寿命警告時間を越えたか否かを判断する寿命判断ステップと、を有し、前記モード設定ステップは、前記寿命判断ステップにより、前記ランプ点灯時間が前記ランプ寿命警告時間を越えたと判断された場合に、ランプ交換を促す警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、前記使用制限モードを設定することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、プロジェクターのランプ点灯時間が予め定められたランプ寿命警告時間を越えた場合、プロジェクターの使用時に制限がかけられるので、ランプの交換を促しながら、ランプを交換するまでの間、制限つきでプロジェクターを使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターの電源オン時の動作を示すフローチャート。
【図3】プロジェクターの使用時間が使用制限時間を経過したときの動作を示すフローチャート。
【図4】プロジェクターのランプの累積点灯時間がランプ寿命警告時間に到達したときの動作を示すフローチャート。
【図5】プロジェクターの警告メッセージ。(a)はプロジェクター1の使用時間が使用制限時間を経過したときの電源オフ通知メッセージM1の一例、(b)は動作中のランプ寿命警告時間到達時に警告するメッセージM2の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、制御手段20、記憶手段21、光源制御手段22、入力操作手段23、画像信号入力手段5、画像信号処理手段3、OSD処理手段4、電源端子6、電源部7、ランプ交換検出手段30等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0019】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、画像情報に応じて液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0020】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。なお、光源ランプ11aがランプに相当する。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
また、光源11は、交換可能なユニットとして構成されている。
【0021】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0022】
なお、本実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0023】
制御手段20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。
制御手段20は、プロジェクター1を通常の動作で使用できる通常モード、またはプロジェクター1に使用制限がかけられる使用制限モードを設定するモード設定手段201を含む。
また、制御手段20は、点灯時間計測手段に相当するタイマー20aを備え、光源ランプ11aの点灯時間を計測する。計測した点灯時間は、記憶手段21にランプ点灯時間21aとして保存される。
【0024】
プロジェクター1が起動し、光源制御手段22に指示して、光源ランプ11aを点灯すると、制御手段20はタイマー20aによる計時を開始し、計時した点灯時間は記憶手段21のランプ点灯時間21aに加算される。
タイマー20aはプロジェクター1が使用制限モードになったときに、使用制限時間を計測するのにも用いられる。
【0025】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶手段21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では、光源ランプ11aの累積点灯時間であるランプ点灯時間21aが記憶手段21に保存される。
【0026】
入力操作手段23は、図示は省略するが、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段5に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー、ヘルプキー等がある。
【0027】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。なお、入力操作手段23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信手段(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を送信し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0028】
ランプ交換検出手段30は、メカニカルまたは電気的なスイッチなどで構成され、光源11がプロジェクター1から外されたことを検出し、制御手段20に通知する。
具体的には、ランプ交換検出手段30は制御手段20の指示により、ランプ交換監視状態に設定され、光源11が外されると、ランプ交換検出状態になる。制御手段20はランプ交換検出手段30が、ランプ交換検出状態になっていることで光源11が取り外され、再度取り付けられたことを検出する。
【0029】
画像信号入力手段5は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0030】
画像信号処理手段3は、画像信号入力手段5から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R、G、Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0031】
OSD処理手段4は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段4は、画像信号処理手段3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0032】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0033】
電源部7には、AC100V等の電力が電源端子6を介して外部から供給される。電源部7は、商用電源などの交流電源を所定の電圧の直流電源に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部7は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0034】
光源制御手段22は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源ランプ11aの点灯、及び消灯を切り替える。また、光源制御手段22は光源ランプ11aの点灯時の輝度を変更する(例えば、通常モードより明るいと感じる高輝度や、通常モードより暗いと感じる低輝度に設定する)ことも可能である。
【0035】
本実施形態のプロジェクター1は、上記のように構成されているため、電源端子6に電源ケーブル(図示せず)が接続され、電源部7に電力が供給されると、電源部7は、少なくとも制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23に電力(スタンバイ電力)の供給を行い、制御手段20は、この電力供給を受けて、制御プログラムに従った動作を開始する。
電力が供給された直後には、プロジェクター1は、スタンバイ状態(「電源オフ状態」ともいう。)であり、光源ランプ11aを消灯させた状態を維持している。そして、入力操作手段23に備わる電源キーがユーザーにより操作されると、制御手段20は、電源部7に指示をして、各部、又は/及び各手段への動作電力の供給を開始させ、プロジェクター1を電源オン状態に移行させる。
【0036】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を、図2から図4のフローチャートを用いて説明する。
(電源オン操作)
図2はプロジェクター1の電源オン時の動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、プロジェクター1のスタンバイ状態において、入力操作手段23より電源オン(ON)操作を検出すると(ステップS101)、制御手段20は、ランプ交換検出手段30が光源11(光源ランプ11a)の交換を検出しているか否かを調べる(ステップS102)。ランプ交換検出手段30が光源11の交換を検出している場合(ステップS102:Y)、ステップS103に遷移する。ランプ交換検出手段30が光源11の交換を検出していない場合(ステップS102:N)、ステップS105に遷移する。
【0037】
ステップS103において制御手段20は、ランプ点灯時間21aをリセットし、ランプ交換検出手段30をランプ交換監視状態に設定して、ステップS104に遷移する。
【0038】
ステップS104において制御手段20は、モード設定手段201を通常モードに設定し、ステップS105に遷移する。
【0039】
ステップS105において制御手段20は、光源制御手段22により光源ランプ11aを点灯し、プロジェクター1を電源オン状態に移行させ、ステップS106に遷移する。
【0040】
ステップS106において制御手段20は、モード設定手段201に使用制限モードが設定されているか否かを調べる。モード設定手段201に使用制限モードが設定されている場合(ステップS106:Y)、ステップS107に遷移する。モード設定手段201に使用制限モードが設定されていない場合、即ち通常モードが設定されている場合(ステップS106:N)、ステップS109に遷移する。
【0041】
ステップS107において制御手段20は、光源制御手段22により、光源ランプ11aの点灯輝度を低輝度に設定し、ステップS108に遷移する。
【0042】
ステップS108において制御手段20は、ランプ交換警告メッセージM2を画像投写手段10により投写し、ステップS110に遷移する。このときのランプ交換警告メッセージM2の一例を図5(b)に示す。
【0043】
ステップS109において制御手段20は、光源制御手段22により、光源ランプ11aの点灯輝度を高輝度に設定し、ステップS110に遷移する。
【0044】
ステップS110において制御手段20は、タイマー20aによる時間の計時を開始し、ステップS111に遷移する。
【0045】
ステップS111において制御手段20は、画像信号入力手段5から入力される画像データを画像投写手段10により投写開始し、本動作フローを終了する。
【0046】
(使用制限時間経過)
図3はプロジェクター1が使用制限モードで動作中に、タイマー20aによる計時が所定の時間としての使用制限時間T1(例えば30分)を経過したときの動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、プロジェクター1が動作中にタイマー20aによる計時が使用制限時間T1に到達すると(ステップS201)、制御手段20は、電源オフ通知メッセージM1を所定時間、画像投写手段10により投写し(ステップS202)、ステップS203に遷移する。このときの電源オフ通知メッセージM1の一例を図5(a)に示す。
【0047】
ステップS203において制御手段20は、光源制御手段22により光源ランプ11aを消灯し、プロジェクター1の電源をオフし、ステップS204に遷移する。
【0048】
ステップS204において制御手段20は、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行させ、本動作フローを終了する。
【0049】
(ランプ寿命警告時間到達)
図4はプロジェクター1の動作中にランプ点灯時間21aがランプ寿命警告時間に到達したときの動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、プロジェクター1の投写中にランプ点灯時間21aがランプ寿命警告時間に到達したことを制御手段20が検出すると、(ステップS301)、制御手段20は、モード設定手段201を使用制限モードに設定し(ステップS302)、ステップS303に遷移する。
【0050】
ステップS303において制御手段20は、ランプ点灯時間21aがランプ寿命警告時間に到達したことを通知するランプ交換警告メッセージM2を画像投写手段10により投写させ、ステップS304に移行する。このときのランプ交換警告メッセージM2の一例を図5(b)に示す。
【0051】
ステップS304において本動作フローを終了する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、ランプ点灯時間21aが予め定められたランプ寿命警告時間を越えた場合、プロジェクター1を使用制限モードに設定し、使用時に制限がかけられる。これにより、光源ランプ11aの交換を促しながら、光源ランプ11aを交換するまでの間、制限つきでプロジェクター1を使用することが可能になる。
【0053】
例えば、プロジェクター1が使用制限モードに入った場合、連続して使用できる時間が制限される。これにより、ランプ点灯時間21aがランプ寿命警告時間に到達後、使用者が、プロジェクター1を長時間使い続けるのを防止することができる。さらに、必要最低限の時間のみしか使用できないので、使用者に対して、光源ランプ11aの早期交換を促すことができる。
【0054】
また、プロジェクター1が使用制限モードに入った場合、光源ランプ11aの点灯輝度が低輝度に設定されるので、ランプ点灯時間21aがランプ寿命警告時間に到達後、低輝度で光源ランプ11aの負荷を抑えながら使用することが可能となる。
なお、光源ランプ11aを交換後、モード設定手段201が通常モードに設定されて、使用制限が解除され、使用者が特に設定を変えることなく、通常状態でプロジェクター1を使用することが可能となる。
【0055】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態においては、モード設定手段201が使用制限モードに設定された場合、プロジェクター1の光源ランプ11aを使用制限時間T1使用した場合に電源をオフし、光源ランプ11aの点灯輝度を低輝度に設定するが、使用制限モードの場合、使用時に暗証番号認証が必要なようにしてもよい。これにより、ランプ寿命警告時間到達後、暗証番号を知っている管理者や限られた使用者しか、使用することができなくなるので、管理者にランプの早期交換を促すとともに、プロジェクター1が使い続けられるのを防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1…プロジェクター、3…画像信号処理手段、4…OSD処理手段、5…画像信号入力手段、6…電源端子、7…電源部、10…画像投写手段、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、20…制御手段、201…モード設定手段、21…記憶手段、21a…ランプ点灯時間、22…光源制御手段、23…入力操作手段、30…ランプ交換検出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプから射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写手段と、
前記ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測手段と、を備えたプロジェクターであって、
当該プロジェクターを通常に使用可能な通常モード、または当該プロジェクターの使用時に制限がかけられる使用制限モードが設定されるモード設定手段と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は前記点灯時間がランプ寿命警告時間を越えた場合に、ランプ交換を促す警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、前記モード設定手段を前記使用制限モードに設定することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記使用制限モードが設定されて、当該プロジェクターを所定の時間使用した場合に、警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、当該プロジェクターの電源をオフすることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御手段は、前記モード設定手段に前記使用制限モードが設定されている場合、前記ランプの点灯輝度を前記通常モードより低く設定することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記ランプが交換されたことを検出するランプ交換検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ランプ交換検出手段により、前記ランプが交換されたことを検出した場合に、前記モード設定手段は、前記使用制限モードから前記通常モードに設定変更することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
ランプから射出された光を画像情報に応じて変調して投写する画像投写手段と、
前記ランプの点灯時間を計測する点灯時間計測手段と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、
当該プロジェクターを通常に使用可能な通常モード、または当該プロジェクターの使用時に制限がかけられる使用制限モードを設定するモード設定ステップと、
前記ランプ点灯時間がランプ寿命警告時間を越えたか否かを判断する寿命判断ステップと、
を有し、
前記モード設定ステップは、前記寿命判断ステップにより、前記ランプ点灯時間が前記ランプ寿命警告時間を越えたと判断された場合に、ランプ交換を促す警告メッセージを前記画像投写手段により投写させるとともに、前記使用制限モードを設定することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−25020(P2013−25020A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158733(P2011−158733)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】