説明

プロジェクター及びその制御方法

【課題】画像光を遮る障害物の進入をより確実にユーザーに伝達し得るプロジェクター及びその制御方法を提供する。
【解決手段】メッセージ画像を現在の位置に表示させてから所定時間(例えば、数秒)が経過した場合には、制御部は、OSD処理部に指示をして、投写画像Pa内におけるメッセージ画像の表示位置を変更する。例えば、メッセージ画像を位置L1(左上)に表示してから所定時間が経過した場合には、制御部は、メッセージ画像の表示位置を位置L2(右上)に変化させる。そして、これ以降、制御部は、所定時間が経過する度に、メッセージ画像の表示位置を、位置L3(中央)、位置L4(左下)、位置L5(右下)の順で変化させ、その後、位置L1に戻って同じ順序で表示位置の変更を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像光を投写するプロジェクター及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像光を投写するプロジェクターの使用時において、プロジェクターの近傍で画像光を遮るように障害物が進入すると、障害物が光の照射を受けて高温になりやすいため十分な注意が必要である。このため、特許文献1には、画像光が通る筐体の開口部に進入した障害物(異物)を検出するセンサーを備えたプロジェクターが提案されている。このプロジェクターは、上記の障害物を検出すると、OSD(オンスクリーン表示)によって警告表示を行うことが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−34318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、障害物によって画像の投写が部分的に遮られている状況では、警告表示を行ったとしても、その警告表示の一部が視認不能になる場合がある。この結果、警告の内容がユーザーに伝達されず、適切な対処が遅れてしまうことも起こり得る。特に、画像光を凹面ミラーで広角化して投写する近接投写型のプロジェクターでは、凹面ミラーで反射した画像光は、所定の位置で集光した後に発散するため、集光する位置の近傍に障害物が進入した場合には、障害物の温度が急激に上昇しやすく、早急な対処が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、画像光を反射部で広角化して投写し、画像を表示するプロジェクターであって、前記反射部で反射した前記画像光を遮る障害物を検出する検出部と、前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記画像内に警告メッセージを表示するメッセージ表示部と、前記画像内における前記警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させる表示位置変更部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
このプロジェクターによれば、表示位置変更部は、障害物を検出した場合に表示する警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させるため、投写される画像の一部が障害物によって隠れてしまう場合であっても、表示位置が変化することによって警告メッセージが視認できるようになる可能性が高まる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記メッセージ表示部は、前記検出部による前記障害物の検出が第1所定時間継続した場合に、前記警告メッセージを表示することが望ましい。
【0009】
このプロジェクターによれば、検出部による障害物の検出が第1所定時間以上継続した場合に警告メッセージを表示するため、一時的に進入した障害物によって警告メッセージが表示されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記画像光の輝度を低下させる輝度調整部をさらに備えることが望ましい。
【0011】
このプロジェクターによれば、検出部が障害物を検出した場合に、画像光の輝度を低下させるため、障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記メッセージ表示部により前記画像内に前記警告メッセージが表示されてから、前記検出部による前記障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、前記画像光の投写を停止させる投写停止部をさらに備えることが望ましい。
【0013】
このプロジェクターによれば、警告メッセージを表示してから障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、画像光の投写を停止するため、障害物に画像光が照射され続けることを防ぐことが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記警告メッセージが表示される画像を黒色にする画像処理部をさらに備えることが望ましい。
【0015】
このプロジェクターによれば、警告メッセージが表示される画像を黒色にするため、警告メッセージを表示している際の障害物への光の照射、即ち障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の表示状態の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始することが望ましい。
【0017】
このプロジェクターによれば、検出部が障害物を検出した場合に、プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始するため、プロジェクターにおいて障害物が検出されている状態にあることを、より確実にユーザーに報知することが可能となる。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記反射部で反射した前記画像光を外部に導く開口部を有する筐体をさらに備え、前記検出部は、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐ障害物を検出することが望ましい。
【0019】
このプロジェクターによれば、画像光を外部に導く開口部が筐体に形成され、検出部が、この開口部を塞ぐ障害物を検出するため、開口部が上方を向くようにプロジェクターが設置されて、障害物が開口部の一部を覆うように筐体上に載置された場合に、この障害物を容易に検出することが可能となる。
【0020】
[適用例8]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、画像光を反射部で広角化して投写し、画像を表示するプロジェクターの制御方法であって、前記反射部で反射した前記画像光を遮る障害物を検出し、前記障害物を検出した場合に、前記画像内に警告メッセージを表示し、前記画像内における前記警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させることを特徴とする。
【0021】
このプロジェクターの制御方法によれば、障害物を検出した場合に表示する警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させるため、投写される画像の一部が障害物によって隠れてしまう場合であっても、表示位置が変化することによって警告メッセージが視認できるようになる可能性が高まる。
【0022】
[適用例9]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記障害物の検出が第1所定時間継続した場合に、前記警告メッセージを表示することが望ましい。
【0023】
このプロジェクターの制御方法によれば、障害物の検出が第1所定時間以上継続した場合に警告メッセージを表示するため、一時的に進入した障害物によって警告メッセージが表示されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0024】
[適用例10]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記障害物を検出した場合に、前記画像光の輝度を低下させることが望ましい。
【0025】
このプロジェクターの制御方法によれば、障害物を検出した場合に、画像光の輝度を低下させるため、障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0026】
[適用例11]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記警告メッセージが表示されてから、前記障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、前記画像光の投写を停止させることが望ましい。
【0027】
このプロジェクターの制御方法によれば、警告メッセージを表示してから障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、画像光の投写を停止するため、障害物に画像光が照射され続けることを防ぐことが可能となる。
【0028】
[適用例12]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記障害物を検出した場合に、前記警告メッセージが表示される画像を黒色にすることが望ましい。
【0029】
このプロジェクターの制御方法によれば、警告メッセージが表示される画像を黒色にするため、警告メッセージを表示している際の障害物への光の照射、即ち障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0030】
[適用例13]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記障害物を検出した場合に、前記プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の表示状態の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始することが望ましい。
【0031】
このプロジェクターの制御方法によれば、障害物を検出した場合に、プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始するため、プロジェクターにおいて障害物が検出されている状態にあることを、より確実にユーザーに報知することが可能となる。
【0032】
[適用例14]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記プロジェクターは、前記反射部で反射した前記画像光を外部に導く開口部を有する筐体を備え、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐ障害物を検出することが望ましい。
【0033】
このプロジェクターの制御方法によれば、画像光を外部に導く開口部が筐体に形成され、この開口部を塞ぐ障害物を検出するため、開口部が上方を向くようにプロジェクターが設置されて、障害物が開口部の一部を覆うように筐体上に載置された場合に、この障害物を容易に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】プロジェクターを示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、プロジェクターの内部構成を示す説明図。
【図2】プロジェクターの概略構成を示すブロック図。
【図3】電源オンの状態におけるプロジェクターの動作を説明するフローチャート。
【図4】メッセージ画像を示す図。
【図5】メッセージ画像の表示位置の変更を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、画像光を投写するプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクターを示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、プロジェクターの内部構成を示す説明図である。
図1(a)、(b)に示すように、プロジェクター1は、装置本体を収容する筐体2を備えて構成されており、筐体2の上面2tには、ユーザーにより入力操作が行われる入力操作部21と、プロジェクター1の動作状態等を表すLED表示部28とが配置されている。また、筐体2の上面2tには、側面視でV字状に窪んだ傾斜部2sが形成されており、傾斜部2sには、投写窓3と、検出部としての障害物センサー25とが配置されている。投写窓3は、筐体2に形成された開口部を、透光性及び耐熱性を有する部材(例えば、ガラス)で閉塞した部位であり、筐体2の内部から外部に画像光を導く。障害物センサー25は、投写窓3の近傍に進入して画像光を遮る障害物を検出することができる。
【0036】
図1(b)に示すように、プロジェクター1は、比較的近距離の投写面S(例えば、スクリーン)に画像光を投写する近接投写型のプロジェクターであり、投写面Sの近傍の下側に設置される。プロジェクター1は、図示しない外部の画像供給装置から画像情報の供給を受けて、この画像情報に基づく画像光を投写し、投写面Sに投写画像を表示させる。筐体2の内部には、画像光を投写するためのレンズ14と、投写する画像光を広角化するための反射部としての凹面ミラー15が収容されている。この凹面ミラー15は、凹状で非球面の反射面15aを有しており、その反射面15aが投写面Sに対向するように配置されている。そして、筐体2の内部では、凹面ミラー15の反射面15aに向けて画像光が射出され、凹面ミラー15で反射した画像光は、投写窓3を通って筐体2の外部に射出される。このとき、画像光は、投写窓3の近傍で集光した後に発散して投写面Sに到達する。
【0037】
図2は、プロジェクター1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、入力操作部21、画像情報入力部22、画像処理部23、OSD処理部24、障害物センサー25、光源制御部26、電源回路27、LED表示部28、ブザー29等を備えている。
【0038】
画像投写部10は、光源としての光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系13、液晶駆動部16等で構成されている。画像投写部10は、光源装置11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで画像光に変調し、この画像光を投写光学系13によって投写して投写面Sに画像を表示する。
【0039】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0040】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型の液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、複数の画素(図示せず)がマトリックス状に配列された矩形状の画素領域12aを備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部16が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域12aを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となる。
【0041】
投写光学系13は、レンズ14と凹面ミラー15とを備えて構成され、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bによって変調された画像光を、凹面ミラー15で広角化して投写面Sに投写する。
【0042】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20aと、制御プログラムや設定データ等が記憶される不揮発性のROM(Read Only Memory)20bと、各種処理の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)20cとを備え、CPU20aが、ROM20bに記憶されている制御プログラムを実行し、必要な情報をRAM20cに一時記憶しながら演算処理を行うことによってプロジェクター1の動作を制御する。つまり、制御部20は、コンピューターとして機能する。
【0043】
入力操作部21は、ユーザーの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。ユーザーが入力操作部21の各種操作キーを操作すると、入力操作部21は、この操作を受け付けて、操作された操作キーに対応する制御信号を制御部20に出力する。そして、制御部20は、入力操作部21から制御信号が入力されると、入力された制御信号に基づく処理を行って、プロジェクター1の動作を制御する。なお、入力操作部21として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しない受信部がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0044】
画像情報入力部22は、複数の入力端子を備えており、これらの入力端子には、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、図示しない外部の画像供給装置から各種形式の画像情報が入力される。画像情報入力部22は、入力された画像情報を画像処理部23に出力する。
【0045】
画像処理部23は、画像情報入力部22から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素に対応する複数の画素値を含んでいる。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素から射出される光の輝度が規定される。さらに、画像処理部23は、制御部20の指示に基づいて、変換した画像情報に対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の画質を調整するための画質調整処理等を行い、処理後の画像情報をOSD処理部24に出力する。
【0046】
また、画像処理部23は、制御部20の指示に基づいて、すべての画素の光透過率が最小となるように、すべての画素値を最小値(0)に設定する処理を行うことができる。この場合、OSD処理部24には、すべての画素値が0に設定された画像情報、即ち黒色無地の画像(黒色画像)を表す画像情報が出力され、画像投写部10から黒色画像が投写される。このように、画像処理部23は、画像情報入力部22に入力された画像情報に基づく画像(入力画像)を投写する状態と、黒色画像を投写する状態とを、制御部20の指示に応じて切り換えることができる。
【0047】
OSD処理部24は、制御部20の指示に基づいて、画像処理部23から入力される画像情報に基づく画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部24は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部24は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像処理部23から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部16に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部24は、画像処理部23から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部16に出力する。
【0048】
その後、液晶駆動部16が、OSD処理部24から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、光源装置11から射出された光は、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bによって画像情報に応じた画像光に変調され、投写光学系13から投写される。
【0049】
障害物センサー25は、例えば、赤外線を発光する発光装置(例えば、発光ダイオード)と、赤外線を受光する受光装置(例えば、フォトトランジスター)とを備えて構成され、投写窓3の近傍に進入した障害物を検出して、検出結果を制御部20に出力する。具体的には、障害物センサー25は、投写窓3(開口部)の少なくとも一部を塞いで画像光を遮る障害物を検出する。
【0050】
光源制御部26は、制御部20の指示に基づいて光源装置11(光源ランプ11a)の点灯を制御する。具体的には、光源制御部26は、光源ランプ11aに所定の電力を供給することにより光源ランプ11aを点灯させるとともに、電力の供給を停止して光源ランプ11aを消灯させることができる。また、光源制御部26は、輝度調整部としても機能し、制御部20の指示に基づいて光源ランプ11aに供給する電力を制御することにより、光源ランプ11aの輝度(明るさ)を調整することができる。本実施形態では、相対的に明るい「高輝度」と、相対的に暗い「低輝度」の2段階に調整することが可能になっている。
【0051】
電源回路27には、外部からAC100V等の商用電源が供給される。電源回路27は、商用電源(交流電源)を所定の電圧の直流電源に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する(各部への供給経路については、図示を省略する)。また、電源回路27は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オンの状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り換えることができる。
【0052】
LED表示部28は、LED(発光ダイオード)を備えたインジケーターであり、制御部20の指示に基づいてその表示状態(点灯、点滅、消灯、発光色等)を切り替えることにより、ユーザーにプロジェクター1の動作状態(電源のオン・オフや異常発生等)を報知する。なお、LED表示部28は、状態表示部に相当する。
【0053】
ブザー29は、例えば、圧電ブザーからなり、制御部20の指示に基づいて警告音(ビープ音)を発生する。なお、ブザー29は、警告音発生部に相当する。
【0054】
次に、プロジェクター1の動作について説明する。
プロジェクター1に商用電源が供給されると、電源回路27は、少なくとも制御部20、入力操作部21、LED表示部28に待機電力(スタンバイ電力)の供給を行い、制御部20は、この電力供給を受けて、制御プログラムに従った動作を開始する。商用電源が供給された直後には、プロジェクター1は、スタンバイ状態(「電源オフの状態」ともいう。)であり、LED表示部28をオレンジ色で点灯させるとともに、光源ランプ11aを消灯させた状態を維持している。そして、ユーザーにより入力操作部21の電源キーの操作(オン操作)がなされると、制御部20は、電源回路27に指示をして各部への動作電力の供給を開始させ、プロジェクター1を電源オンの状態に移行させる。
【0055】
プロジェクター1が電源オンの状態に移行すると、制御部20は、LED表示部28を緑色で点灯させるとともに、光源制御部26に指示をして光源ランプ11aを点灯させる。この結果、画像情報入力部22に入力される画像情報に基づく画像が画像投写部10から投写される。また、障害物センサー25は、障害物を検出するための動作を開始し、検出結果を制御部20に出力する。
【0056】
図3は、電源オンの状態におけるプロジェクター1の動作を説明するフローチャートである。ユーザーによりオン操作がなされて光源ランプ11aが点灯すると、制御部20は、図3に示すフローに従って動作する。
【0057】
図3に示すように、ステップS101では、制御部20は、障害物センサー25の検出結果に基づいて、障害物センサー25が投写窓3の近傍で障害物を検出したか否かを判断する。そして、障害物を検出した場合にはステップS102に移行し、障害物を検出していない場合には本ステップを繰り返す。
【0058】
障害物センサー25が障害物を検出してステップS102に移行した場合には、制御部20は、光源ランプ11aの輝度を低輝度に設定する。これに伴って、画像投写部10から投写される画像光の輝度が低下する。なお、既に低輝度に設定されていた場合には、その状態を維持する。
【0059】
ステップS103では、制御部20は、障害物センサー25の検出結果に基づいて、障害物センサー25による障害物の検出が継続しているか否かを判断する。そして、依然として障害物が検出されている場合にはステップS104に移行し、障害物が取り除かれて検出されなくなった場合にはステップS112に移行する。
【0060】
障害物が検出されなくなってステップS112に移行した場合には、制御部20は、光源ランプ11aの輝度を、障害物が検出される前の輝度に復帰させてステップS101に戻る。つまり、障害物が検出される前に高輝度に設定されていた場合には、高輝度に復帰させ、低輝度に設定されていた場合には、その状態を維持する。
【0061】
一方、ステップS103において障害物の検出が継続していてステップS104に移行した場合には、制御部20は、障害物を検出している状態が所定時間t1以上継続しているか否か、即ちステップS101で障害物が検出されてから所定時間t1が経過したか否かを判断する。そして、所定時間t1が経過した場合にはステップS105に移行し、所定時間t1が経過していない場合にはステップS103に戻る。この所定時間t1は、例えば、数秒に設定されており、障害物の検出が所定時間t1だけ継続している場合には、ユーザーに対して警告(報知)が行われる。一方、所定時間t1が経過する前に障害物が取り除かれた場合には、ユーザーに対する警告は行われない。なお、所定時間t1は第1所定時間に相当する。
【0062】
障害物の検出が所定時間t1以上継続しステップS105に移行した場合には、制御部20は、LED表示部28を赤色で点滅させるとともに、ブザー29の鳴動、即ち警告音の発生を開始させ、プロジェクター1が異常な状態にあることをユーザーに報知する。
【0063】
ステップS106では、制御部20は、画像処理部23に指示をして黒色画像を投写させる。そして、ステップS107では、制御部20は、OSD処理部24に指示をして、黒色画像上にメッセージ画像Pm(図4参照)を重畳して表示させる。つまり、制御部20は、メッセージ画像Pmを黒色の背景上に表示させる。
【0064】
図4は、メッセージ画像Pmを示す図であり、図5は、メッセージ画像Pmの表示位置の変更を説明するための説明図である。
図4に示すように、メッセージ画像Pmは、略矩形の領域の内部に、障害物の除去をユーザーに促す警告メッセージMs(例えば、「投写窓付近の障害物を取り除いてください。」)が表記された画像である。メッセージ画像Pmの横幅は、画像投写部10から投写される画像(投写画像Pa)の横幅の1/2以下であり、メッセージ画像Pmの高さは、投写画像Paの高さの1/3以下である。つまり、メッセージ画像Pmの面積は、投写画像Paの面積の1/6以下である。制御部20は、まず、図4に示す位置、即ち投写画像Pa内における左上の位置L1(図5参照)にメッセージ画像Pmを表示させ、その後、時間の経過に応じてメッセージ画像Pmの位置を変化させる(詳しくは後述する)。
【0065】
ステップS108では、制御部20は、障害物センサー25の検出結果に基づいて、障害物センサー25による障害物の検出が継続しているか否かを判断する。そして、依然として障害物が検出されている場合にはステップS113に移行し、障害物が取り除かれて検出されなくなった場合にはステップS109に移行する。
【0066】
障害物が検出されなくなってステップS109に移行した場合には、制御部20は、LED表示部28及びブザー29による報知を停止させる。即ち制御部20は、LED表示部28を緑色で点灯する状態に復帰させるとともに、ブザー29の鳴動を停止させる。
【0067】
ステップS110では、制御部20は、OSD処理部24に指示をしてメッセージ画像Pmの重畳表示を終了させる。ステップS111では、制御部20は、画像処理部23に指示をして黒色画像の投写を終了させて、入力画像を投写する状態に復帰させる。そして、ステップS112では、制御部20は、上述したように、光源ランプ11aの輝度を、障害物が検出される前の輝度に復帰させてステップS101に戻る。この結果、プロジェクター1の動作状態は、障害物が検出される前の状態に復帰する。
【0068】
一方、ステップS108において障害物の検出が継続していてステップS113に移行した場合には、制御部20は、メッセージ画像Pmを現在の位置に表示させてから所定時間t2(例えば、数秒)が経過したか否かを判断する。即ち、所定時間t2に対する最初の計時は、ステップS107において開始される。そして、所定時間t2が経過した場合にはステップS114に移行し、所定時間t2が経過していない場合にはステップS116に移行する。なお、本実施形態では、種々の所定時間に対する計時を制御部20が行うようにているが、特に制御部20に限られるものではなく、種々の計時手段が行えばよい。
【0069】
所定時間t2が経過してステップS114に移行した場合には、制御部20は、OSD処理部24に指示をして、投写画像Pa内におけるメッセージ画像Pmの表示位置を変更する。そして、ステップS115では、所定時間t2に対する計時を初期化する(0にする)。さらに、この計時の初期化とともに、制御部20は、所定時間t2に対する計時を0から開始する。
【0070】
例えば、制御部20は、ステップS107においてメッセージ画像Pmを図5に示される位置L1(左上)に表示し、さらに、メッセージ画像Pmを位置L1に表示してから所定時間t2が経過したと判断した場合には、図5に示すように、制御部20は、メッセージ画像Pmの表示位置を位置L2(右上)に変化させる。そして、制御部20は、所定時間t2に対する計時を初期化するとともに、計時を0から再開する。これ以降、制御部20は、所定時間t2が経過する度に、メッセージ画像Pmの表示位置を、位置L3(中央)、位置L4(左下)、位置L5(右下)の順で変化させ、その後、位置L1に戻って同じ順序で表示位置の変更を繰り返す。
【0071】
ステップS116では、制御部20は、ステップS107でメッセージ画像Pmを表示させてから所定時間t3(例えば、数分)が経過したか否かを判断する。即ち、制御部20は、メッセージ画像Pmを表示させてから障害物の検出が所定時間t3以上継続しているか否かを判断する。そして、所定時間t3が経過した場合にはステップS117に移行し、所定時間t3が経過していない場合にはステップS108に戻る。なお、所定時間t3は第2所定時間に相当する。
【0072】
メッセージ画像Pmを表示させてから所定時間t3が経過してステップS117に移行した場合には、制御部20は、異常停止処理を行ってフローを終了する。具体的には、制御部20は、光源制御部26に指示をして光源ランプ11aを消灯させ、画像光の投写を停止させる。その後、制御部20は、電源回路27に指示をして動作電力の供給を停止させることにより、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行させる。ただし、制御部20は、LED表示部28を赤色で点滅させたままとし、プロジェクター1が異常な状態にあることの報知を継続する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1よれば、以下の効果を得ることができる。
【0074】
(1)本実施形態のプロジェクター1によれば、制御部20は、障害物センサー25が障害物を検出した場合に表示するメッセージ画像Pmの表示位置を、時間の経過に応じて変化させるため、投写画像Paの一部が障害物によって隠れてしまう場合であっても、表示位置が変化することによってメッセージ画像Pmが視認できるようになる可能性が高まる。
【0075】
(2)本実施形態のプロジェクター1によれば、障害物センサー25による障害物の検出が所定時間t1(第1所定時間)以上継続した場合にメッセージ画像Pmを表示するため、一時的に進入した障害物(例えば、ユーザーの手)によってメッセージ画像Pmが表示されてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0076】
(3)本実施形態のプロジェクター1によれば、障害物センサー25が障害物を検出した場合に、光源ランプ11aを低輝度に設定して画像光の輝度を低下させるため、障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0077】
(4)本実施形態のプロジェクター1によれば、メッセージ画像Pmを表示してから障害物の検出が所定時間t3(第2所定時間)以上継続した場合に、光源ランプ11aを消灯させて画像光の投写を停止するため、障害物に画像光が照射され続けることを防ぐことが可能となる。
【0078】
(5)本実施形態のプロジェクター1によれば、障害物センサー25が障害物を検出した場合であっても、所定時間t1(第1所定時間)が経過する前に障害物の検出が終了した場合には、メッセージ画像Pmの表示、黒色画像の投写、LED表示部28の点滅、ブザー29の鳴動、及び異常停止処理を実行することがないので、異常が発生する前(障害物を検出する前)のプロジェクター1の動作状態により早く復帰することが可能となる。
【0079】
(6)本実施形態のプロジェクター1によれば、障害物センサー25が障害物を検出した場合であっても、所定時間t3(第2所定時間)が経過する前に障害物の検出が終了した場合には、異常停止処理を実行することがないので、異常が発生する前(障害物を検出する前)のプロジェクター1の動作状態により早く復帰することが可能となる。
【0080】
(7)本実施形態のプロジェクター1によれば、メッセージ画像Pmが表示される画像、即ちメッセージ画像Pmの背景を黒色にするため、メッセージ画像Pmを表示している際の障害物への光の照射、即ち障害物の温度上昇を抑制することが可能となる。
【0081】
(8)本実施形態のプロジェクター1によれば、障害物センサー25が障害物を検出した場合に、制御部20は、LED表示部28の点滅及びブザー29の鳴動を開始させるため、プロジェクター1が異常な状態にあることを、より確実にユーザーに報知することが可能となる。
【0082】
(9)本実施形態のプロジェクター1によれば、画像光を外部に導く投写窓3(開口部)が筐体2に形成され、障害物センサー25が、この投写窓3の近傍の障害物を検出するため、投写窓3が上方を向くようにプロジェクターが設置されて、障害物が投写窓3の一部を覆うように筐体2上に載置された場合に、この障害物を容易に検出することが可能となる。
【0083】
なお、本実施形態では、ステップS107においてメッセージ画像Pmを重畳表示させる際の制御部20とOSD処理部24とがメッセージ表示部に相当し、ステップS114において、メッセージ画像Pmの表示位置を変更する際の制御部20及びOSD処理部24が表示位置変更部に相当し、ステップS117の異常停止処理を行って画像光の投写を停止させる際の制御部20が投写停止部に相当する。また、ステップS101が検出ステップに相当し、ステップS102が輝度調整ステップに相当し、ステップS106が画像処理ステップに相当し、ステップS107がメッセージ表示ステップに相当し、ステップS114が表示位置変更ステップに相当し、ステップS117が投写停止ステップに相当する。また、本願の特許請求の範囲における「警告メッセージ」は、警告メッセージMsと、警告メッセージMsを含むメッセージ画像Pmの双方に対応し得る。
【0084】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0085】
上記実施形態において、入力画像を縮小させる機能(サイズ調整機能)を画像処理部23に備えるようにしてもよい。サイズ調整機能は、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの画素領域12a内に、画素領域12aよりも小さな矩形の画像形成領域を設定し、この画像形成領域内に入力画像を縮小して形成させるとともに、画像形成領域の外側を黒色に設定する。そして、このサイズ調整機能によって入力画像を縮小させている場合には、メッセージ画像Pmを表示する際に、入力画像の縮小を解除することが望ましい。このようにすれば、警告メッセージMsが縮小されて視認性が低下することを抑制することができる。ただし、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bが十分に高解像である場合には、画像形成領域内にメッセージ画像Pmを表示するようにしてもよい。
【0086】
上記実施形態において、投写面Sに対して筐体2を傾けて設置する場合等に生じる台形歪を補正する機能(キーストーン補正機能)を画像処理部23に備えるようにしてもよい。キーストーン補正機能は、台形歪を相殺可能な形状の画像形成領域を画素領域12a内に設定し、この画像形成領域内に入力画像を形成させるとともに、画像形成領域の外側を黒色に設定する。そして、このキーストーン補正機能によって台形歪を補正している場合には、メッセージ画像Pmを表示する際にも補正した状態を維持することが望ましい。この場合には、メッセージ画像Pmが歪んで視認性が低下することを抑制することができる。ただし、筐体2の傾きがさほど大きくない場合には、キーストーン補正機能を解除した状態でメッセージ画像Pmを表示するようにしてもよい。
【0087】
上記実施形態では、メッセージ画像Pmの大きさ(面積)を投写画像Paの1/6以下とし、メッセージ画像Pmの表示位置を位置L1〜L5の5ヶ所としているが、メッセージ画像Pmの大きさや表示位置の数は、これに限定されない。例えば、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bが高解像である場合には、視認性をさほど低下させることなく、メッセージ画像Pmを小さくすることができる。そして、メッセージ画像Pmを小さくして、表示位置の数を増やすほど、投写画像Paの一部が障害物によって隠れてしまう場合であっても、メッセージ画像Pmが視認できるようになる可能性が高まる。
【0088】
上記実施形態において、メッセージ画像Pmの大きさは常に一定である必要はなく、途中で大きさを変更したり、徐々に大きさを変化させたりしてもよい。
【0089】
上記実施形態では、メッセージ画像Pmを表示してから所定時間t2が経過する度に表示位置を順次変化させているが、時間の経過とともにメッセージ画像Pmを滑らかに移動させるようにしてもよい。
【0090】
上記実施形態では、メッセージ画像Pmの表示位置を、所定時間t2毎に変更しているが、表示位置を変化させるタイミングは、不規則であってもよい。
【0091】
上記実施形態では、メッセージ画像Pmの表示位置を、所定の順序に従って変更しているが、ランダムに変更するようにしてもよい。
【0092】
上記実施形態では、メッセージ画像Pmの背景を、画素値が最小値の黒色にしているが、最小値以外の画素値としてもよい。また、黒色以外の色や入力画像を背景にしてもよいが、障害物への光の照射を抑制するためには、背景は暗い色であることが望ましい。
【0093】
上記実施形態では、ステップS105において、制御部20は、プロジェクター1が異常な状態にあることをユーザーに報知するために、LED表示部28の点滅、及びブザー29の鳴動を実行させたが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。これに伴い、ステップS109において、制御部20は、実行された一方の実行を停止させる。
【0094】
上記実施形態では、ステップS104において、障害物が検出されてから所定時間t1が経過した場合に、ステップS105〜S107の処理が行われるが、これらの処理はどの順番で実行されてもよい。また、ステップS108において、障害物が検出されなくなった場合に、ステップS109〜S111の処理が行われるが、これらの処理はどの順番で実行されてもよい。
【0095】
上記実施形態では、光変調装置として3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた3板式のプロジェクター1について説明したが、これに限定されない。例えば、各画素の中にそれぞれR光、G光、B光を透過可能なサブ画素を含んだ1つの液晶ライトバルブによって画像光に変調する態様とすることも可能である。
【0096】
上記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【0097】
上記実施形態では、光源装置11は、放電型の光源ランプ11aによって構成されているが、LED光源やレーザー光源等の固体光源、或いはその他の光源に適用することもできる。
【符号の説明】
【0098】
1…プロジェクター、2…筐体、2s…傾斜部、2t…上面、3…投写窓、10…画像投写部、11…光源装置、11a…光源ランプ、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、12a…画素領域、13…投写光学系、14…レンズ、15…凹面ミラー、15a…反射面、16…液晶駆動部、20…制御部、20a…CPU、20b…ROM、20c…RAM、21…入力操作部、22…画像情報入力部、23…画像処理部、24…OSD処理部、25…障害物センサー、26…光源制御部、27…電源回路、28…LED表示部、29…ブザー、L1,L2,L3,L4,L5…位置、Ms…警告メッセージ、Pa…投写画像、Pm…メッセージ画像、S…投写面、t1…所定時間(第1所定時間)、t2…所定時間、t3…所定時間(第2所定時間)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を反射部で広角化して投写し、画像を表示するプロジェクターであって、
前記反射部で反射した前記画像光を遮る障害物を検出する検出部と、
前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記画像内に警告メッセージを表示するメッセージ表示部と、
前記画像内における前記警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させる表示位置変更部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記メッセージ表示部は、前記検出部による前記障害物の検出が第1所定時間継続した場合に、前記警告メッセージを表示することを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプロジェクターであって、
前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記画像光の輝度を低下させる輝度調整部をさらに備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記メッセージ表示部により前記画像内に前記警告メッセージが表示されてから、前記検出部による前記障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、前記画像光の投写を停止させる投写停止部をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記警告メッセージが表示される画像を黒色にする画像処理部をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記検出部が前記障害物を検出した場合に、前記プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の表示状態の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始することを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記反射部で反射した前記画像光を外部に導く開口部を有する筐体をさらに備え、
前記検出部は、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐ障害物を検出することを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
画像光を反射部で広角化して投写し、画像を表示するプロジェクターの制御方法であって、
前記反射部で反射した前記画像光を遮る障害物を検出し、
前記障害物を検出した場合に、前記画像内に警告メッセージを表示し、
前記画像内における前記警告メッセージの表示位置を、時間の経過に応じて変化させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記障害物の検出が第1所定時間継続した場合に、前記警告メッセージを表示することを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記障害物を検出した場合に、前記画像光の輝度を低下させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記警告メッセージが表示されてから、前記障害物の検出が第2所定時間継続した場合に、前記画像光の投写を停止させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記障害物を検出した場合に、前記警告メッセージが表示される画像を黒色にすることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記障害物を検出した場合に、前記プロジェクターの動作状態を示す状態表示部の表示状態の切り替え、及び警告音の発生の少なくとも一方を開始することを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一項に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記プロジェクターは、前記反射部で反射した前記画像光を外部に導く開口部を有する筐体を備え、前記開口部の少なくとも一部を塞ぐ障害物を検出することを特徴とするプロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−105171(P2013−105171A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251341(P2011−251341)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】