説明

プロジェクタ

【課題】検出対象物の姿勢(状態)に基づいて投影領域に投影される画像を制御することが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】このプロジェクタ100は、レーザ光を照射する赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aから照射されるレーザ光を走査させることにより、テーブル1およびスクリーン2に画像を投影するMEMSミラー69aと、赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aから照射されるレーザ光のうちユーザの指により反射されたレーザ光を検出する赤外線検出器10aおよび10bとを備える。また、赤外線検出器10aおよび10bにより検出されたレーザ光に基づいて、ユーザの指のテーブル1およびスクリーン2に対する傾きを取得するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プロジェクタに関し、特に、レーザ光を照射するレーザ光照射部を備えるプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ光を照射するレーザ光照射部を備えるプロジェクタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、赤色、緑色および青色の3色のレーザ光をそれぞれ発生させる3つのレーザ光源(レーザ光照射部)と、レーザ光源から照射されるレーザ光を走査する走査部とを備えるプロジェクタが開示されている。このプロジェクタでは、レーザ光源から照射される赤色、緑色および青色の3色のレーザ光が走査部によって走査されることにより、プロジェクタの上方に設けられたレンズを介して、テーブルや壁面などの投影領域に画像が投影されるように構成されている。また、ユーザの把持するタッチペン(検出対象物)がテーブル上に投影された画像に近づいた場合には、レーザ光源から照射されるレーザ光がタッチペンにより反射され、反射したレーザ光がプロジェクタに設けられている受光センサにより受光されることによって、ユーザの把持するタッチペンの投影領域の面内(表面)における位置情報(座標)が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−123006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のプロジェクタでは、ユーザの把持するタッチペンの投影領域の面内における座標のみを検出することが可能であり、投影領域の面内における座標以外のタッチペンの姿勢(状態)を検出することが困難であるという不都合がある。このため、ユーザの把持するタッチペンの姿勢(状態)に基づいて投影領域に投影される画像を制御することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、検出対象物の姿勢(状態)に基づいて投影領域に投影される画像を制御することが可能なプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面によるプロジェクタは、レーザ光を照射するレーザ光照射部と、レーザ光照射部から照射されるレーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像を投影する投影部と、レーザ光照射部から照射されるレーザ光のうち検出対象物により反射されたレーザ光を検出する検出部とを備え、検出部により検出されたレーザ光に基づいて、検出対象物の投影領域に対する傾きを取得するように構成されている。
【0008】
この一の局面によるプロジェクタでは、上記のように、検出部により検出されたレーザ光に基づいて、検出対象物の投影領域に対する傾きを取得することによって、検出対象物の投影領域の面内における座標に基づく画像に加えて、投影領域の面内における座標以外の検出対象物の状態(傾き)に基づく画像も制御することができる。これにより、たとえば、投影領域に投影された画像上において検出対象物を画像の上方向または下方向に傾けることにより、検出対象物の傾きに対応するように投影された画像を上方向または下方向にスクロールさせることができる。その結果、検出対象物の姿勢(状態)に基づいて制御することが可能な画像の種類を増やすことができる。
【0009】
上記一の局面によるプロジェクタにおいて、好ましくは、検出部により検出されたレーザ光の入射タイミングに基づいて、検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報を取得するとともに、複数領域の位置情報から検出対象物の投影領域に対する傾きを取得する制御を行う制御部をさらに備える。このように構成すれば、検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報を用いて容易に検出対象物の傾きを検出することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、検出部により検出されたレーザ光の入射タイミングに基づいて取得された検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報の差を検出するとともに、複数領域の位置情報の差から検出対象物の投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報の差を用いて容易に検出対象物の投影領域に対する傾きを検出することができる。
【0011】
上記制御部を備えるプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、検出部が検出対象物により反射されたレーザ光を検出した時点でのレーザ光照射部から照射されるレーザ光の走査信号に基づく座標を検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報として取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、検出対象物の投影領域の面内における座標のみを検出することが可能な場合と異なり、検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報としての座標を取得することができるので、検出対象物の高さ方向の複数領域の座標を用いて容易に検出対象物の投影領域の表面に対する傾きを検出することができる。
【0012】
上記制御部を備えるプロジェクタにおいて、好ましくは、検出部は、検出対象物の第1領域により反射されたレーザ光を検出する第1検出器と、投影領域からの高さが第1領域よりも高い第2領域により反射されたレーザ光を検出する第2検出器とを含み、制御部は、第1検出器により検出されたレーザ光の入射タイミングおよび第2検出器により検出されたレーザ光の入射タイミングに基づいて、第1領域の位置情報および第2領域の位置情報を検出するとともに、第1領域の位置情報および第2領域の位置情報から検出対象物の投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、高さの異なる第1領域および第2領域の位置情報から容易に検出対象物の投影領域に対する傾きを取得することができ、かつ、その取得した検出対象物の傾きに対応するように投影領域に投影された画像の表示内容を制御することができる。
【0013】
上記高さの異なる第1領域および第2領域の位置情報から検出対象物の傾きを検出するプロジェクタにおいて、好ましくは、投影部は、投影領域の面内において横方向である水平方向および縦方向である垂直方向に連続的に交互にレーザ光を走査するように構成され、制御部は、レーザ光照射部から照射される水平方向のレーザ光の走査信号に基づいて検出対象物の水平方向における第1領域および第2領域の位置情報を検出するとともに、レーザ光照射部から照射される垂直方向のレーザ光の走査信号に基づいて検出対象物の垂直方向における第1領域および第2領域の位置情報を検出する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、レーザ光照射部から照射されたレーザ光の走査信号に基づいて検出された検出対象物の第1領域および第2領域の各々における水平方向および垂直方向の位置情報から検出対象物の投影領域の表面に対する水平方向および垂直方向の傾きを容易に取得することができる。
【0014】
上記投影領域の面内において水平方向および垂直方向に連続的に交互にレーザ光を走査するように構成されたプロジェクタにおいて、好ましくは、検出部は、検出対象物が水平方向に傾斜する場合には、検出対象物が投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状態において、検出対象物の第1領域により反射されるレーザ光と第2領域により反射されるレーザ光との入射タイミングが略一致するように検出するように構成され、制御部は、検出対象物の水平方向における第1領域の位置情報と第2領域の位置情報との差分の値に基づいて、検出対象物の投影領域の表面に対する水平方向の傾斜角度を取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、検出対象物の水平方向における第1領域の位置情報と第2領域の位置情報との差分の値がゼロの場合に、検出対象物が投影領域の表面に対して略鉛直に配置されていると制御部により判別されるのに対して、検出対象物の水平方向における第1領域の位置情報と第2領域の位置情報との差分の値がゼロ以外の場合には、検出対象物が投影領域の表面に対して水平方向(横方向)に傾いていると制御部により判別することができる。
【0015】
上記投影領域の面内において水平方向および垂直方向に連続的に交互にレーザ光を走査するように構成されたプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、検出対象物が垂直方向に傾斜する場合であって、検出対象物が投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状況において、検出対象物の第1領域により反射されるレーザ光および第2領域により反射されるレーザ光の検出部に対する入射タイミングがずれる場合に、検出対象物が投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状態における検出部により検出された第1領域により反射されるレーザ光と第2領域により反射されるレーザ光との入射タイミングのずれ量の値をオフセット値として設定するとともに、検出対象物の垂直方向における第1領域の位置情報と第2領域の位置情報とオフセット値との差分の値に基づいて検出対象物の投影領域の表面に対する垂直方向の傾斜角度を取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、検出対象物の垂直方向における第2領域の位置情報からオフセット値と第1領域の位置情報とを差分した値がゼロの場合に、検出対象物が投影領域の表面に対して略鉛直に配置されていると制御部により判別されるのに対して、検出対象物の垂直方向における第2領域の位置情報からオフセット値と第1領域の位置情報とを差分した値がゼロ以外の場合には、検出対象物が投影領域の表面に対して垂直方向(縦方向)に傾いていると制御部により判別することができる。
【0016】
上記制御部を備えるプロジェクタにおいて、好ましくは、制御部は、検出部が検出対象物の投影領域の表面に対する傾斜角度の大きさが変化していることを検知した場合には、検出対象物の投影領域の表面に対する傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得した検出対象物の移動距離と、検出対象物の位置情報の変化に基づいて取得した検出対象物の移動距離とを比較して、比較結果に基づいて、投影領域に投影される画像が複数の検出対象物により操作されているか否かを判別する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、投影領域に投影された画像を複数の検出対象物(たとえば、ユーザの人差し指および親指)により操作される場合に、複数の検出対象物のうちの1つの検出対象物(人差し指)が検出部により検出可能である一方、複数の検出対象物のうちの残りの検出対象物(親指)が複数の検出対象物のうちの1つの検出対象物(人差し指)の陰に隠れてしまうことによって検出部により検出することが不可能な場合にも、検出対象物の投影領域の表面に対する傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得した検出対象物の移動距離と、検出対象物の位置情報の変化に基づいて取得した検出対象物の移動距離との比較に基づいて、投影領域に投影される画像が複数の検出対象物(ユーザの人差し指および親指)により操作されているか否かを推測することができる。
【0017】
上記制御部を備えるプロジェクタにおいて、好ましくは、レーザ光照射部は、投影領域に任意の画像を投影する可視光のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、画像に寄与しない非可視光のレーザ光を照射するレーザ光照射部とを含み、検出部は、レーザ光照射部から照射されるレーザ光のうち検出対象物により反射された非可視光のレーザ光を検出可能に構成され、制御部は、検出部により検出された非可視光のレーザ光の入射タイミングに基づいて、検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報を検出するとともに、複数領域の位置情報から検出対象物の投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、可視光のレーザ光により検出対象物を検出する場合と異なり、投影領域に黒色の画像が投影された場合にも、非可視光のレーザ光が検出対象物により反射されるので、容易に検出対象物の傾きを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの使用状態を示した模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるプロジェクタの投影領域を上面から見た図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるユーザの指が投影領域に対して略鉛直に配置された状態を示す図である。
【図5】図4の状態におけるユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の検出タイミングを示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態によるユーザの指がプロジェクタに対して左側に傾いた状態を示す図である。
【図7】図6の状態におけるユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の検出タイミングを示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるユーザの指がプロジェクタに対して右側に傾いた状態を示す図である。
【図9】図8の状態におけるユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の検出タイミングを示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態によるユーザの指が投影領域に対して略鉛直に配置された状態を示す図である。
【図11】図10の状態におけるユーザの指により反射された赤外線の検出タイミングを示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態によるユーザの指がプロジェクタ側(奥側)に傾いた状態を示す図である。
【図13】図12に示す状態におけるユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の検出タイミングを示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態によるユーザの指がプロジェクタ側とは反対側(手前側)に傾いた状態を示す図である。
【図15】図14の状態におけるユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の検出タイミングを示す図である。
【図16】本発明の第1実施形態によるユーザの指の傾きの大きさを算出する制御フローを示した図である。
【図17】本発明の第2実施形態によるマルチタッチによるピンチアウト操作を示す図である。
【図18】本発明の第2実施形態によるマルチタッチによるピンチイン操作を示す図である。
【図19】本発明の第2実施形態によるマルチタッチが行われているか否かを判別する制御フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1〜図15を参照して、本発明の第1実施形態によるプロジェクタ100の構成を説明する。
【0021】
本発明の第1実施形態によるプロジェクタ100は、図1に示すように、テーブル1上に配置して使用されるように構成されている。そして、プロジェクタ100は、スクリーン2などの投影領域に向けてプレゼンテーション用(表示用)の画像2aが投影されるように構成されている。なお、テーブル1およびスクリーン2は、本発明の「投影領域」の一例である。また、プロジェクタ100は、テーブル1などの投影領域の上面に対して、プレゼンテーション用の画像2aと同様の画像1aが投影されるように構成されている。なお、テーブル1上に投影される画像1aの大きさは、スクリーン2に投影される画像2aの大きさよりも小さくなるように投影される。
【0022】
また、テーブル1上に投影された画像1aは、ユーザの指を使用して操作することが可能に構成されている。また、ユーザは、通常、画像1aを挟んでプロジェクタ100に対向する位置(プロジェクタの矢印Y1方向側)から人差し指を使用して画像1aを操作するものとする。
【0023】
また、プロジェクタ100の画像1aが投影される側(矢印Y1方向側)の側面には、画像投影に寄与しないとともに、約780nmの波長を有する赤外線のレーザ光(実質的に非可視光のレーザ光)を検出するための2つの赤外線検出器10aおよび赤外線検出器10bが設けられている。なお、赤外線検出器10aは、本発明の「第1検出器」および「検出部」の一例であり、赤外線検出器10bは、本発明の「第2検出器」および「検出部」の一例である。この2つの赤外線検出器10aおよび10bは、フォトダイオードなどからなる。また、赤外線検出器10bは、赤外線検出器10bのテーブル1の表面上からの高さが、赤外線検出器10aのテーブル1の表面上からの高さよりも大きくなるように配置されている。
【0024】
また、赤外線検出器10aは、ユーザの指の比較的下方の領域により反射される赤外線のレーザ光を検出することが可能なように構成されているとともに、赤外線検出器10bは、ユーザの指の比較的上方の領域により反射される赤外線のレーザ光を検出することが可能なように構成されている。なお、ユーザの指の下方の領域は、本発明の「第1領域」の一例であり、ユーザの指の上方の領域は、本発明の「第2領域」の一例である。
【0025】
また、プロジェクタ100の赤外線検出器10bの上方には、赤外線のレーザ光と、後述する赤色、緑色および青色の可視光のレーザ光とが照射されるレーザ投影口10cが設けられている。また、図2に示すように、赤外線検出器10aおよび10bの投影領域側の部分には、赤色、緑色および青色の可視光のレーザ光をカットするための可視光線フィルタ10dが設けられている。
【0026】
また、図2に示すように、プロジェクタ100は、操作パネル20と、制御処理ブロック30と、データ処理ブロック40と、デジタル信号プロセッサ(DSP)50と、レーザ光源60と、Video RAM(SD RAM)71と、ビームスプリッタ80と、2つの拡大レンズ90および91とを含んでいる。
【0027】
また、制御処理ブロック30は、プロジェクタ100全体の制御を司る制御部31と、外部ビデオ信号を受信するためのインターフェース(I/F)であるVideo I/F32と、各種データを記憶するSD−RAM33と、外部I/F34とを含んでいる。
【0028】
また、データ処理ブロック40は、データ/階調変換器41と、ビットデータ変換器42と、タイミングコントローラ43と、データコントローラ44とを含んでいる。また、デジタル信号プロセッサ50は、ミラーサーボブロック51と、変換器52とを含んでいる。
【0029】
また、レーザ光源60は、赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63と、赤外線レーザ制御回路64とを含んでいる。また、赤色レーザ制御回路61には、赤色(可視光)のレーザ光を照射する赤色LD(レーザダイオード)61aが接続されている。また、緑色レーザ制御回路62には、緑色(可視光)のレーザ光を照射する緑色LD62aが接続されている。また、青色レーザ制御回路63と、青色(可視光)のレーザ光を照射する青色LD63aが接続されている。また、赤外線レーザ制御回路64には、画像の投影に寄与しない赤外線(非可視光)のレーザ光を照射する赤外線LD64aが接続されている。なお、赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aは、本発明の「レーザ光照射部」の一例である。
【0030】
また、レーザ光源60は、4つのコリメートレンズ65と、3つの偏光ビームスプリッタ66a、66bおよび66cと、光検出器67と、レンズ68と、レーザ光を水平方向および垂直方向に走査するためのMEMSミラー69aと、MEMSミラー69aを水平方向および垂直方向に駆動させるためのアクチュエータ70とを含んでいる。なお、MEMSミラー69aは、本発明の「投影部」の一例である。
【0031】
また、赤色LD61aと、緑色LD62aと、青色LD63aと、赤外線LD64aとがそれぞれ照射するレーザ光は、共通のMEMSミラー69aに入射されるように構成されている。また、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aからそれぞれ照射される赤色、緑色および青色のレーザ光がMEMSミラー69aに走査されることにより、テーブル1およびスクリーン2にそれぞれ画像1aおよび2aが投影される。また、図3に示すように、テーブル1に投影される画像1aは、矩形形状を有しており、テーブル1の面内において横方向である水平方向(X方向)にXln[mm]の長さを有するとともに、テーブル1の面内において縦方向である垂直方向(Y方向)にYln[mm]の長さを有している。また、画像1aは、X方向にX0〜Xmaxの座標を有するとともに、Y方向にY0〜Ymaxの座標を有している。したがって、1座標あたりのX方向の大きさXdiv[mm]は、Xdiv[mm]=Xln[mm]/Xmaxの式により算出される。また、1座標あたりのY方向の大きさYdiv[mm]は、Ydiv[mm]=Yln[mm]/Ymaxの式により算出される。
【0032】
また、赤色、緑色、青色および赤外線のレーザ光の走査は、水平方向(矢印X2方向側から矢印X1方向側、または、矢印X1方向側から矢印X2方向側)および垂直方向(矢印Y2方向側から矢印Y1方向側)に連続的に交互に行われるように構成されている。具体的には、MEMSミラー69aは、水平方向(矢印X2方向側から矢印X1方向側)に赤色、緑色、青色および赤外線のレーザ光を走査した後に、垂直方向(矢印Y2方向側から矢印Y1方向側)に1座標分走査する。その後、MEMSミラー69aは、水平方向(矢印X1方向側から矢印X2方向側)に赤色、緑色、青色および赤外線のレーザ光を走査した後に、垂直方向(矢印Y2方向側から矢印Y1方向側)に1座標分走査する。そして、MEMSミラー69aは、座標(Xmax、Ymax)に到達するまで上記の走査を繰り返すように構成されている。
【0033】
また、図2に示すように、操作パネル20は、プロジェクタ100の筐体の表面または側面に設けられている。操作パネル20は、たとえば、操作内容を表示するためのディスプレイ装置(図示せず)や、プロジェクタ100に対する操作入力を受け付けるスイッチなどを含む。操作パネル20は、使用者からの操作を受け付けると、操作内容に応じた信号を制御処理ブロック30の制御部31に送信するように構成されている。
【0034】
また、プロジェクタ100の外部から与えられた外部ビデオ信号は、Video I/F32に入力されるように構成されている。また、外部I/F34は、たとえば、SDカード92などのメモリを装着することが可能に構成されている。なお、外部I/F34には、ケーブルなどを介してPCなどが接続可能であり、ユーザの指の位置情報などをPCに送信可能な出力部として機能するように構成されている。そして、制御部31は、SDカード92からデータを読み出し、読み出されたデータは、Video RAM71に格納されるように構成されている。
【0035】
また、制御部31は、データ処理ブロック40のタイミングコントローラ43と相互に通信することにより、Video RAM71に一時的に保持されている画像データに基づく映像の表示を制御するように構成されている。
【0036】
また、データ処理ブロック40では、タイミングコントローラ43は、制御部31から出力される信号に基づいて、データコントローラ44を介してVideo RAM71に保持されているデータを読み出すように構成されている。データコントローラ44は、読み出したデータをビットデータ変換器42に送信するように構成されている。ビットデータ変換器42は、タイミングコントローラ43からの信号に基づいて、データをデータ/階調変換器41に送信するように構成されている。ビットデータ変換器42は、外部から与えられた画像データをレーザ光により投影可能な形式に適合したデータに変換する機能を有する。また、タイミングコントローラ43は、赤外線レーザ制御回路64に接続されており、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射されるレーザ光に同期して、赤外線LD64aからレーザ光を照射するように赤外線レーザ制御回路64に信号を送信するように構成されている。
【0037】
また、データ/階調変換器41は、ビットデータ変換器42から出力されたデータを赤色(R:Red)、緑色(G:Green)および青色(B:Blue)の3色の階調に変換し、変換後のデータを赤色レーザ制御回路61と、緑色レーザ制御回路62と、青色レーザ制御回路63とにそれぞれ送信するように構成されている。
【0038】
また、赤色レーザ制御回路61は、データ/階調変換器41からのデータを赤色LD61aに送信するように構成されている。また、緑色レーザ制御回路62は、データ/階調変換器41からのデータを緑色LD62aに送信するように構成されている。また、青色レーザ制御回路63は、データ/階調変換器41からのデータを青色LD63aに送信するように構成されている。
【0039】
また、プロジェクタ100の画像1aが投影される側の側面に設けられる2つの赤外線検出器10aおよび10bにより受信された信号は、変換器52を介して、制御部31に入力されるように構成されている。
【0040】
また、赤色、緑色および青色の可視光のレーザ光と、赤外線のレーザ光との両方が照射される領域(可視光および赤外線のレーザ光の投影範囲)では、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aからそれぞれ照射されるレーザ光と、赤外線LD64aから照射される赤外線のレーザ光とは、同じ走査経路を走査されるように構成されている。すなわち、赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aからそれぞれ照射されるレーザ光のテーブル1上の平面的な位置(座標)と、赤外線LD64aから照射される赤外線のレーザ光の平面的な位置(座標)とは、略一致するように構成されている。
【0041】
また、制御部31は、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの指により反射された赤外線のレーザ光を検出した時点での赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射される水平方向(X方向)のレーザ光の走査信号(Hsync)に基づいてユーザの指の水平方向(X方向)の座標を取得する制御を行うように構成されている。また、制御部31は、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの指により反射された赤外線のレーザ光を検出した時点での赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射される垂直方向(Y方向)のレーザ光の走査信号(Ysync)に基づいてユーザの指の垂直方向(Y方向)の座標を取得する制御を行うように構成されている。
【0042】
ここで、第1実施形態では、制御部31は、ユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aおよび10bの入射タイミングの差に基づいて、ユーザの指の高さ方向(Z1方向)の上方の領域および下方の領域の各々の水平方向および垂直方向の座標を取得するとともに、ユーザの指の画像1aの表面に対するユーザの指の傾きを取得する制御を行うように構成されている。
【0043】
また、ユーザの指の水平方向(X方向)の傾きの算出方法としては、ユーザの指の上方の領域に対応するX方向の座標をXupとし、ユーザの指の下方の領域に対応するX方向の座標をXdownとし、赤外線検出器10aと10bとの間の距離をh[mm]とした場合に、ユーザの指のX方向の傾きθ[度]は、θ=tan−1(h/((|Xup−Xdown|×Xdiv)))の式により算出される。なお、X方向の1座標あたりの距離Xdivは、Xdiv[mm]=Xln[mm]/Xmaxの式により算出される。また、制御部31は、Xup−Xdown<0の場合には、ユーザの指が左側(矢印X2方向側)に傾いていると判断するとともに、Xup−Xdown>0の場合には、ユーザの指が右側(矢印X1方向側)に傾いていると判断するように構成されている。また、制御部31は、Xup−Xdown=0の場合には、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直に配置されていると判断するように構成されている。
【0044】
次に、ユーザの指の水平方向(X方向)の傾きを取得する場合について、具体的に説明する。図4に示すように、ユーザの指が画像1aの表面の水平方向(X方向)に対して略鉛直に配置されている場合には、図5に示すように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出されるユーザの指により反射される赤外線のレーザ光の入射タイミング(時間t)は、略一致する。このとき、制御部31は、ユーザの指により反射された赤外線のレーザ光の入射時におけるユーザの指の下方の領域および上方の領域の各々に対応する平面的な座標を取得する。そして、制御部31は、ユーザの指の下方の領域に対応するX方向の座標と、ユーザの指の上方の領域に対応するX方向の座標との差分の値に基づいて、ユーザの指の傾きを算出するように構成されている。すなわち、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直(矢印Z1方向)に配置されている場合には、ユーザの指の上方の領域に対応するX方向の座標Xupがユーザの指の下方の領域に対応するX方向の座標Xdownと同じ値となるので、Xup−Xdown=0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直(矢印Z1方向)に配置されていると制御部31により判断される。
【0045】
また、図6に示すように、ユーザの指が画像1aの表面に対して左側(矢印X2方向側)に傾いている場合には、図7に示すように、ユーザの指の上方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10bに対する入射タイミングは、ユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aに対する入射タイミングよりも速くなる。すわなち、ユーザの指の上方の領域に対応するX方向の座標Xupは、ユーザの指の下方の領域に対応するX方向の座標Xdownよりも小さい値となるので、Xup−Xdown<0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が左側(矢印X2方向側)に傾いていると制御部31により判断される。
【0046】
また、図8に示すように、ユーザの指が画像1aの表面に対して右側(矢印X1方向側)に傾いている場合には、図9に示すように、ユーザの指の上方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10bに対する入射タイミングは、ユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aに対する入射タイミングよりも遅くなる。すわなち、ユーザの指の上方の領域に対応するX方向の座標Xupは、ユーザの指の下方の領域に対応するX方向の座標Xdownよりも大きい値となるので、Xup−Xdown>0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が右側(矢印X1方向側)に傾いていると制御部31により判断される。
【0047】
また、ユーザの指の垂直方向(Y方向)の傾きの算出方法としては、ユーザの指の上方の領域に対応するY方向の座標をYupとし、ユーザの指の下方の領域に対応するY方向の座標をYdownとし、赤外線検出器10aと10bとの間の距離をh[mm]とし、ユーザの指の下方の領域と上方の領域により反射される赤外線のレーザ光との入射タイミングのずれ量をYoffsetとした場合に、ユーザの指のY方向の傾きθ[度]は、θ=tan−1(h/((|Yup−Yoffset−Ydown|×Ydiv)))の式により算出される。なお、Y方向の1座標あたりの距離Ydivは、Ydiv[mm]=Yln[mm]/Ymaxの式により算出される。また、制御部31は、(Yup−Yoffset)−Ydown<0の場合には、ユーザの指が奥側(矢印Y2方向側)に傾いていると判断するとともに、(Yup−Yoffset)−Ydown>0の場合には、ユーザの指が手前側(矢印Y1方向側)に傾いていると判断するように構成されている。なお、制御部31は、(Yup−Yoffset)−Ydown=0の場合には、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直に配置されていると判断するように構成されている。
【0048】
次に、ユーザの指の垂直方向(Y方向)の傾きを取得する場合について、具体的に説明する。図10に示すように、ユーザの指が画像1aの表面の垂直方向(Y方向)に対して略鉛直(矢印Z1方向)に配置されている場合には、図11に示すように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出されるユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光と上方の領域により反射される赤外線のレーザ光との入射タイミングがずれるように構成されている。すなわち、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直に配置されている場合には、ユーザの指の上方の領域に対応するY方向の座標Yup−Yoffsetの値がユーザの指の下方の領域に対応するY方向の座標Ydownの値と同じ値となるので、(Yup−Yoffset)−Ydown=0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直(矢印Z1方向)に配置されていると制御部31により判断される。
【0049】
また、図12に示すように、ユーザの指が画像1aの表面に対して奥側(矢印Y2方向側)に傾いている場合には、図13に示すように、ユーザの指の上方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10bに対する入射タイミングは、ユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aに対する入射タイミングよりも遅くなる。この場合、赤外線検出器10bにより検出された入射タイミングからユーザの指が画像1aの表面に対して略鉛直に配置されている状態におけるYoffset値を減算することにより、ユーザの指の上方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10bに対する入射タイミングは、ユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aに対する入射タイミングよりも速くなる。すわなち、ユーザの指の上方の領域に対応するY方向の座標Yup−Yoffsetの値は、ユーザの指の下方の領域に対応するY方向の座標Ydownよりも小さい値となるので、(Yup−Yoffset)−Ydown<0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が奥側(矢印Y2方向側)に傾いていると制御部31により判断される。
【0050】
また、図14に示すように、ユーザの指が画像1aの表面に対して手前側(矢印Y1方向側)に傾いている場合には、図15に示すように、ユーザの指の上方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10bに対する入射タイミングは、ユーザの指の下方の領域により反射される赤外線のレーザ光の赤外線検出器10aに対する入射タイミングよりも遅くなる。この場合、ユーザの指の上方の領域に対応するY方向の座標Yup−Yoffsetの値は、ユーザの指の下方の領域に対応するY方向の座標Ydownよりも大きい値となるので、(Yup−Yoffset)−Ydown>0の場合であると制御部31により判断される。これにより、ユーザの指が手前側(矢印Y1方向側)に傾いていると制御部31により判断される。
【0051】
また、制御部31は、算出されたユーザの指の傾きに対応するように、テーブル1に投影された画像1aを制御するように構成されている。たとえば、制御部31は、ユーザの指により画像1aを所定の時間長押しすることにより、画像1aにポインタを表示させる。また、制御部31は、ユーザの指をテーブル1(画像1a)に対して水平方向または垂直方向に傾けた状態で所定の時間維持した場合に、ユーザの指が傾いている方向に画像1aの内容をスクロールさせる制御を行うように構成されている。また、制御部31は、画像1aにキーボードが表示されている場合には、ユーザの指によりキーボードのキーが選択された状態で、ユーザの指を所定の方向に傾けた後に、キーボードのキーを選択したときの角度に指の傾きを戻すことにより、キーの選択がキャンセルされるように制御するように構成されている。また、制御部31は、画像1aに表示されているアイコンなどをユーザの指により長押しすることにより、長押ししている部分の周りの領域にメニュー画面を表示させるとともに、ユーザの指を傾けることにより、メニュー画面の内容のうちユーザの指が傾いている方向の内容が選択決定されるように制御するように構成されている。上記のように、ユーザの指の水平方向および垂直方向の傾きを検出することにより、入力装置として機能するジョイスティックとしてユーザの指を使用することが可能なように構成されている。
【0052】
次に、図16を参照して、画像1aが投影されているテーブル1の表面に対するユーザの指(検出対象物)の傾きを算出する制御動作について説明する。
【0053】
まず、ステップS1において、赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aからそれぞれ照射される赤色、緑色、青色および赤外線のレーザ光がMEMSミラー69aにより走査されることにより、テーブル1およびスクリーン2にそれぞれ画像1aおよび2aが投影される。
【0054】
次に、ステップS2において、1フレーム分のレーザ光の走査が終了した後に、ステップS3において、画像1aの投影領域内にユーザの指(検出対象物)が存在するか否かが判断される。ここで、赤外線検出器10aおよび10bにより赤外線のレーザ光が検出されない場合には、画像1aの投影領域内にユーザの指が存在しないと判断され、ステップS1に戻る。また、ステップS3において、ユーザの指により反射された赤外線のレーザ光が赤外線検出器10aおよび10bにより検出された場合には、画像1aの投影領域内にユーザの指が存在すると判断され、ステップS4に進む。
【0055】
また、ステップS4において、ユーザの指の水平方向および垂直方向の各々における上方の領域および下方の領域の座標が取得される。このとき、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの指により反射された赤外線のレーザ光を検出した時点での赤色LD61a、緑色LD62aおよび青色LD63aから照射される水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)のレーザ光の走査信号(HsyncおよびYsync)に基づいてユーザの指の水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)の座標が取得される。
【0056】
次に、ステップS5において、ユーザの指の上方の領域の座標と下方の領域の座標との差((Xup−Xdown)または(Yup−Ydown))が規定値(予め定められた値)以内であるか否かが判断される。具体的には、ステップS5において、ユーザの指の上方の領域の座標と下方の領域の座標との差が比較的大きい場合には、検出された検出対象物が1つの物体ではない(ユーザの指ではない)と判断された後に、ステップS1に戻る。また、ステップS5において、ユーザの指の上方の領域の座標と下方の領域の座標との差が規定値以内である場合には、検出された物体が1つの物体(ユーザの指)であると判断され、ステップS6に進む。その後、算出されたユーザの指の水平方向および垂直方向の各々の傾きに対応するように、テーブル1に投影された画像1aが制御される。
【0057】
次に、第1実施形態では、ステップS6において、ユーザの指の水平方向および垂直方向の各々における上方の領域および下方の領域の座標に基づいて、ユーザの指の画像1aが投影されたテーブル1の表面に対する水平方向および垂直方向の傾きが算出される。具体的には、ステップS6において、ユーザの指のX方向の傾きθ[度]は、θ=tan−1(h/((|Xup−Xdown|×Xdiv)))の式により算出されるとともに、ユーザの指のY方向の傾きθ[度]は、θ=tan−1(h/((|Yup−Yoffset−Ydown|×Ydiv)))の式により算出される。
【0058】
第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出された赤外線のレーザ光に基づいて、ユーザの指のテーブル1に対する傾きを取得することによって、ユーザの指のテーブル1の面内における座標に基づく画像1aに加えて、テーブル1の面内における座標以外のユーザの指の状態に基づく画像1aも制御することができる。これにより、テーブル1に投影された画像1a上においてユーザの指を画像1aの上方向(矢印Y2方向)または下方向(矢印Y1方向)に傾けることにより、ユーザの指の傾きに対応するように画像1aを上方向または下方向にスクロールさせることができる。その結果、ユーザの指の傾きに基づいて制御することが可能な画像の種類を増やすことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出されたレーザ光の入射タイミングに基づいて、ユーザの指の高さ方向の下方の領域および上方の領域の座標を取得するとともに、下方の領域および上方の領域の座標からユーザの指のテーブル1に対する傾きを取得する制御を行う制御部31を設けることによって、ユーザの指の高さ方向の下方の領域および上方の領域の座標を用いて容易にユーザの指の傾きを検出することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出されたレーザ光の入射タイミングに基づいて取得されたユーザの指の高さ方向の下方の領域および上方の領域の座標の差を検出するとともに、下方の領域および上方の領域の座標の差からユーザの指のテーブル1に対する傾きを取得することによって、ユーザの指の高さ方向の下方の領域および上方の領域の座標の差を用いて容易にユーザの指のテーブル1に対する傾きを検出することができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの指により反射された赤外線のレーザ光を検出した時点での赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aから照射される赤外線のレーザ光の走査信号に基づく座標をユーザの指の高さ方向(矢印Z1方向)の上方の領域および下方の領域の座標として取得することによって、ユーザの指のテーブル1の面内における座標のみを検出することが可能な場合と異なり、ユーザの指の高さ方向の上方の領域および下方の領域の座標を用いて容易にユーザの指のテーブル1の表面に対する傾きを検出することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出された赤外線のレーザ光の入射タイミングに基づいて、ユーザの指の上方の領域の位置情報およびユーザの指の下方の座標を検出するとともに、ユーザの指の上方の領域の座標および下方の領域の座標からユーザの指のテーブル1に対する傾きを取得することによって、高さの異なる上方の領域および下方の領域の座標から容易にユーザの指のテーブル1に対する傾きを取得することができ、かつ、その取得したユーザの指の傾きに対応するようにテーブル1に投影された画像1aの表示内容を制御することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aから照射される水平方向のレーザ光の走査信号に基づいてユーザの指の水平方向における上方の領域および下方の領域の座標を検出するとともに、赤色LD61a、緑色LD62a、青色LD63aおよび赤外線LD64aから照射される垂直方向のレーザ光の走査信号に基づいてユーザの指の垂直方向における上方の領域および下方の領域の座標を検出することによって、ユーザの指の上方の領域および下方の領域の各々における水平方向および垂直方向の座標からユーザの指のテーブル1の表面に対する傾きを容易に取得することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、上記のように、ユーザの指の水平方向における下方の領域の座標と上方の領域の座標との差分の値に基づいて、ユーザの指のテーブル1の表面に対する水平方向の傾斜角度を取得する。これにより、ユーザの指の水平方向における下方の領域の座標と上方の領域の座標との差分の値がゼロの場合に、ユーザの指がテーブル1およびスクリーン2の表面に対して略鉛直に配置されていると制御部31により判別されるのに対して、ユーザの指の水平方向における下方の領域の座標と上方の領域の座標との差分の値がゼロ以外の場合には、ユーザの指がテーブル1の表面に対して水平方向(横方向)に傾いていると制御部31により判別することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、上記のように、ユーザの指が垂直方向に傾斜する場合であって、ユーザの指がテーブル1の表面に対して略鉛直に配置されている状況において、ユーザの指の下方の領域により反射されるレーザ光と上方の領域により反射されるレーザ光の赤外線検出器10aおよび10bに対する入射タイミングがずれる場合に、ユーザの指がテーブル1の表面に対して略鉛直に配置されている状態における赤外線検出器10aおよび10bにより検出された下方の領域により反射されるレーザ光と上方の領域により反射されるレーザ光との入射タイミングのずれ量の値をオフセット値(Yoffset)として設定するとともに、ユーザの指の垂直方向における下方の領域の座標と上方の領域の座標とオフセット値との差分の値に基づいてユーザの指のテーブル1の表面に対する垂直方向の傾斜角度を取得する。これにより、ユーザの指の垂直方向における上方の領域の座標からオフセット値と下方の領域の座標とを差分した値がゼロの場合に、ユーザの指がテーブル1の表面に対して略鉛直に配置されていると制御部31により判別されるのに対して、ユーザの指の垂直方向における上方の領域の座標からオフセット値と下方の領域の座標とを差分した値がゼロ以外の場合には、ユーザの指がテーブル1の表面に対して垂直方向(縦方向)に傾いていると制御部31により判別することができる。
【0066】
また、第1実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bにより検出された赤外線のレーザ光の入射タイミングに基づいて、ユーザの指の高さ方向の下方の領域および上方の領域の座標を検出するとともに、下方の領域および上方の領域の座標からユーザの指のテーブル1およびスクリーン2に対する傾きを取得することによって、赤色、緑色および青色のレーザ光によりユーザの指を検出する場合と異なり、テーブル1に黒色の画像が投影された場合にも、赤外線のレーザ光がユーザの指により反射されるので、容易にユーザの指の傾きを取得することができる。
【0067】
(第2実施形態)
次に、図17〜図19を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、ユーザの指(人差し指)の傾きを取得(算出)する場合について説明した上記第1実施形態とは異なり、ユーザの2本の指(人差し指および親指)を使用して画像の操作を行うマルチタッチについて説明する。なお、第2実施形態では、テーブル1に投影された画像1aをユーザの2本の指(人差し指および親指)により操作される場合に、ユーザの親指が人差し指の陰に隠れてしまうことによって親指を赤外線検出器10aおよび10bにより検出することが不可能な場合について説明する。
【0068】
図17および図18に示すように、赤外線検出器10aおよび10bは、ユーザの人差し指により反射された赤外線を検出することが可能なように構成されている。また、ユーザの親指は、人差し指の矢印Y1方向側に配置されていることにより、赤外線のレーザ光が照射されない位置に配置されていると仮定する。すなわち、ユーザの親指の座標および傾きは、直接的に検出されない状態となっている。
【0069】
ここで、第2実施形態では、ユーザが親指を支点(軸)として、人差し指を矢印Y1方向側(図17参照)から矢印Y2方向側(図18参照)に移動させた場合に、制御部31は、ユーザの人差し指の傾きの変化に基づいて、ユーザがマルチタッチを行っているか否かを判別するように構成されている。
【0070】
具体的には、制御部31は、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの人差し指の画像1aの表面に対する傾斜角度の大きさが変化していることを検知した場合には、ユーザの人差し指の傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の垂直方向(Y方向)の移動距離ΔYと、ユーザの人差し指の座標の変化に基づいて取得したユーザの人差し指の垂直方向(Y方向)の移動距離ΔYとを取得するように構成されている。なお、ユーザの人差し指の傾斜角度θ(移動前)およびθ(移動後)の大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYは、ΔY=(h/tanθ)−(h/tanθ)=(h(tanθ−tanθ))/(tanθ×tanθ)の式により算出される。また、ユーザの人差し指の座標Y(移動前)およびY(移動後)の変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYは、ΔY=Ydiv(Y−Y)により算出される。
【0071】
また、制御部31は、ユーザの人差し指の傾斜角度θおよびθの大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYと、ユーザの人差し指の座標YおよびYの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYとの比較結果に基づいて、ユーザがマルチタッチを行っているか否かの判別を行うように構成されている。なお、制御部31は、ΔY−誤差≦ΔY≦ΔY+誤差(誤差は、所定の値)の式を満たす場合に、ユーザがマルチタッチを行っていると判別するように構成されている。すなわち、制御部31は、ユーザの人差し指の傾斜角度θおよびθの大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYと、ユーザの人差し指の座標YおよびYの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYとが略同じ大きさの場合に、ユーザがマルチタッチを行っていると判別するように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記した第1実施形態と同様である。
【0072】
次に、図19を参照して、ユーザがマルチタッチを行っているか否かを判別する制御動作について説明する。
【0073】
まず、ステップS11において、ユーザの人差し指の水平方向および垂直方向の各々における上方の領域および下方の領域の座標が検出される。そして、ステップS12において、検出された座標に基づいて、ユーザの人差し指の画像1aの表面に対する水平方向および垂直方向の傾きが算出される。
【0074】
次に、ステップS13において、算出されたユーザの人差し指の水平方向および垂直方向の各々における上方の領域および下方の領域の座標およびユーザの人差し指の傾きに関するデータがSD−RAM33に保存(記憶)される。次に、ステップS14において、SD−RAM33に所定のフレーム分の人差し指の上方の領域および下方の領域の各々の水平方向および垂直方向の座標および傾きに関するデータが保存(記憶)されたか否かが判断される。そして、ステップS14において、所定のフレーム分のユーザの人差し指の座標および傾きに関するデータが保存されていないと判断された場合には、ステップS11に戻る。また、ステップS14において、所定のフレーム分のユーザの人差し指の座標および傾きに関するデータが保存された場合には、ステップS15に進む。
【0075】
ここで、第2実施形態では、ステップS15において、ユーザの人差し指の垂直方向(Y方向)に対する傾きの変化が算出され、ステップS16において、算出されたユーザの人差し指の傾きの変化が所定の値よりも大きいか否かが判断される。ステップS16において、算出されたユーザの人差し指の傾きの変化が所定の値よりも小さい場合には、ユーザの人差し指が移動(動作)していないと判断され、ステップS1に戻る。また、ステップS16において、算出されたユーザの人差し指の傾きの変化が所定の値よりも大きいと判断された場合には、ユーザの人差し指が移動(動作)したと判断され、ステップS17に進む。
【0076】
また、第2実施形態では、ステップS17において、ユーザの人差し指の垂直方向(Y方向)に対する移動前の傾斜角度θおよび移動後の傾斜角度θの大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYが算出される。なお、移動距離ΔYは、ΔY=(h(tanθ−tanθ))/(tanθ×tanθ)の式により算出される。
【0077】
また、第2実施形態では、ステップS18において、ユーザの人差し指の垂直方向(Y方向)に対する移動前の下方の領域の座標Yおよび移動後の下方の領域の座標Yの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYが算出される。なお、移動距離ΔYは、ΔY=Ydiv(Y−Y)の式により算出される。
【0078】
その後、ステップS19において、算出された移動距離ΔYおよびΔYの値がΔY−誤差≦ΔY≦ΔY+誤差(誤差は、所定の値)の式を満たさない場合には、ユーザがマルチタッチ操作を行っていないと判断され、ステップS11に戻る。また、ステップS19において、算出された移動距離ΔYおよびΔYの値がΔY−誤差≦ΔY≦ΔY+誤差(誤差は、所定の値)の式を満たす場合には、ステップS20に進み、ユーザがマルチタッチ操作を行っていると判断される。その後、ユーザのマルチタッチ操作に対応するように画像1aの内容が制御部31により制御される。
【0079】
第2実施形態では、上記のように、赤外線検出器10aおよび10bがユーザの人差し指のテーブル1の表面に対する傾斜角度の大きさが変化していることを検知した場合には、ユーザの人差し指のテーブル1の表面に対する傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYと、ユーザの指の座標の変化に基づいて取得したユーザの指の移動距離ΔYとを比較して、比較結果に基づいて、テーブル1に投影される画像1aが2本のユーザの指(人差し指および親指)により操作されているか否かを判別する。これにより、テーブル1に投影された画像1aを2本のユーザの指(ユーザの人差し指および親指)により操作される場合に、ユーザの人差し指が赤外線検出器10aおよび10bにより検出可能である一方、ユーザの親指がユーザの人差し指の陰に隠れてしまうことによって赤外線検出器10aおよび10bにより検出することが不可能な場合にも、ユーザの人差し指のテーブル1の表面に対する傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得したユーザの人差し指の移動距離ΔYと、ユーザの指の座標の変化に基づいて取得したユーザの指の移動距離ΔYとの比較に基づいて、テーブル1に投影される画像1aが2本のユーザの指(ユーザの人差し指および親指)により操作されているか否かを推測することができる。
【0080】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記した第1実施形態と同様である。
【0081】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0082】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、2つの赤外線検出器10aおよび10bを用いてユーザの指により反射した赤外線のレーザ光を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つ以上の赤外線検出器を用いてユーザの指の3か所以上の領域により反射した赤外線のレーザ光を検出してもよい。また、ユーザの指の2つ以上の領域により反射された赤外線のレーザ光を検出可能な検出部であれば、1つの検出部により検出するように構成してもよい。
【0083】
また、上記第1および第2実施形態では、ユーザの指により反射された赤外線のレーザ光(非可視光のレーザ光)を検出することにより、ユーザの指の座標を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ユーザの指により反射された赤色、緑色および青色のレーザ光(可視光のレーザ光)を検出することにより、ユーザの指の座標を取得してもよい。
【0084】
また、上記第1および第2実施形態では、画像1a(投影領域)におけるユーザの指の座標に基づいてユーザの指の傾きが算出される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、座標以外の位置情報に基づいてユーザの指の傾きを算出してもよい。
【0085】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明のレーザ光照射部の一例として、赤色LD、緑色LD、青色LDおよび赤外線LDを用いたが、本発明はこれに限られない。たとえば、レーザ光を照射することが可能であれば、赤色LD、緑色LD、青色LDおよび赤外線LD以外のレーザ光照射部でも適用可能である。
【0086】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の検出対象物の一例として、ユーザの指を使用する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、投影領域に投影された画像を操作することが可能であるとともに、検出対象物の位置情報を検出する検出用のレーザ光を反射することが可能であれば、ユーザの指以外に専用のタッチペンなどでも適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 テーブル(投影領域)
1a 画像
10a 赤外線検出器(第1検出器)(検出部)
10b 赤外線検出器(第2検出器)(検出部)
31 制御部
61a 赤色LD(レーザ光照射部)
62a 緑色LD(レーザ光照射部)
63a 青色LD(レーザ光照射部)
64a 赤外線LD(レーザ光照射部)
69a MEMSミラー(投影部)
100 プロジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記レーザ光照射部から照射される前記レーザ光を走査させることにより、任意の投影領域に画像を投影する投影部と、
前記レーザ光照射部から照射される前記レーザ光のうち前記検出対象物により反射された前記レーザ光を検出する検出部とを備え、
前記検出部により検出された前記レーザ光に基づいて、前記検出対象物の前記投影領域に対する傾きを取得するように構成されている、プロジェクタ。
【請求項2】
前記検出部により検出された前記レーザ光の入射タイミングに基づいて、前記検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報を取得するとともに、前記複数領域の位置情報から前記検出対象物の前記投影領域に対する傾きを取得する制御を行う制御部をさらに備える、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記制御部は、前記検出部により検出された前記レーザ光の入射タイミングに基づいて取得された前記検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報の差を検出するとともに、前記複数領域の位置情報の差から前記検出対象物の前記投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記制御部は、前記検出部が前記検出対象物により反射された前記レーザ光を検出した時点での前記レーザ光照射部から照射される前記レーザ光の走査信号に基づく座標を前記検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報として取得する制御を行うように構成されている、請求項2または3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記検出部は、前記検出対象物の第1領域により反射された前記レーザ光を検出する第1検出器と、前記投影領域からの高さが前記第1領域よりも高い第2領域により反射された前記レーザ光を検出する第2検出器とを含み、
前記制御部は、前記第1検出器により検出された前記レーザ光の入射タイミングおよび前記第2検出器により検出された前記レーザ光の入射タイミングに基づいて、前記第1領域の位置情報および前記第2領域の位置情報を検出するとともに、前記第1領域の位置情報および前記第2領域の位置情報から前記検出対象物の前記投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記投影部は、前記投影領域の面内において横方向である水平方向および縦方向である垂直方向に連続的に交互に前記レーザ光を走査するように構成され、
前記制御部は、前記レーザ光照射部から照射される前記水平方向の前記レーザ光の走査信号に基づいて前記検出対象物の前記水平方向における前記第1領域および前記第2領域の位置情報を検出するとともに、前記レーザ光照射部から照射される前記垂直方向の前記レーザ光の走査信号に基づいて前記検出対象物の前記垂直方向における前記第1領域および前記第2領域の位置情報を検出する制御を行うように構成されている、請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記検出部は、前記検出対象物が前記水平方向に傾斜する場合には、前記検出対象物が前記投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状態において、前記検出対象物の前記第1領域により反射される前記レーザ光と前記第2領域により反射される前記レーザ光との入射タイミングが略一致するように検出するように構成され、
前記制御部は、前記検出対象物の前記水平方向における前記第1領域の位置情報と前記第2領域の位置情報との差分の値に基づいて、前記検出対象物の前記投影領域の表面に対する水平方向の傾斜角度を取得する制御を行うように構成されている、請求項6に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記制御部は、前記検出対象物が前記垂直方向に傾斜する場合であって、前記検出対象物が前記投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状況において、前記検出対象物の前記第1領域により反射される前記レーザ光および前記第2領域により反射される前記レーザ光の前記検出部に対する入射タイミングがずれる場合に、前記検出対象物が前記投影領域の表面に対して略鉛直に配置されている状態における前記検出部により検出された前記第1領域により反射される前記レーザ光と前記第2領域により反射される前記レーザ光との入射タイミングのずれ量の値をオフセット値として設定するとともに、前記検出対象物の前記垂直方向における前記第1領域の位置情報と前記第2領域の位置情報と前記オフセット値との差分の値に基づいて前記検出対象物の前記投影領域の表面に対する前記垂直方向の傾斜角度を取得する制御を行うように構成されている、請求項6または7に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記制御部は、前記検出部が前記検出対象物の前記投影領域の表面に対する傾斜角度の大きさが変化していることを検知した場合には、前記検出対象物の前記投影領域の表面に対する傾斜角度の大きさの変化に基づいて取得した前記検出対象物の移動距離と、前記検出対象物の位置情報の変化に基づいて取得した前記検出対象物の移動距離とを比較して、比較結果に基づいて、前記投影領域に投影される画像が複数の前記検出対象物により操作されているか否かを判別する制御を行うように構成されている、請求項2〜8のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記レーザ光照射部は、前記投影領域に任意の画像を投影する可視光のレーザ光を照射するレーザ光照射部と、画像に寄与しない非可視光のレーザ光を照射するレーザ光照射部とを含み、
前記検出部は、前記レーザ光照射部から照射される前記レーザ光のうち前記検出対象物により反射された前記非可視光のレーザ光を検出可能に構成され、
前記制御部は、前記検出部により検出された前記非可視光のレーザ光の入射タイミングに基づいて、前記検出対象物の高さ方向の複数領域の位置情報を検出するとともに、前記複数領域の位置情報から前記検出対象物の前記投影領域に対する傾きを取得する制御を行うように構成されている、請求項2〜9のいずれか1項に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−65061(P2013−65061A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201736(P2011−201736)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】