説明

プロスタグランジン活性を有する置換シクロペンタン

【課題】眼圧を低下させ、従って、緑内障を治療するのに有効な化合物を提供する。
【解決手段】下記式(I)を有する化合s物が本明細書に開示される。それに関連した治療法、薬剤、及び組成物も開示される。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年11月9日に出願の米国仮出願第60/986,849号及び2008年11月5日に出願の米国出願第12/265,062号に基づくものであり、これらの恩典を主張する。これらの明細書の記載は本願明細書に全体として含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、術後又はレーザ線維柱帯切除術後の眼高血圧発作、緑内障のような多くの様々な眼高血圧状態の治療に、また、術前の補助として有効である。
緑内障は、眼圧が高いことによって特徴づけられる眼の疾患である。病因に基づいて、緑内障は、原発性又は続発性として分類された。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性もしくは慢性の隅角閉塞である場合がある。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍又は水晶体の肥大化のような先行する眼疾患から生じる。
原発性緑内障の基礎にある原因は、まだ知られていない。高眼圧は、房水流出の閉塞による。慢性開放隅角緑内障において、前眼房とその解剖構造は正常に見えるが、房水の流出が妨げられている。急性或いは慢性の閉塞隅角緑内障において、前眼房は浅く、ろ過隅度は狭く、虹彩はシュレム管の入口で線維柱帯網を閉塞することになる。瞳孔散大により、虹彩根部が隅角に対して前方に押されることになり、瞳孔ブロックを生じるので、急性発作を引き起こすことがありえる。前眼房隅角が狭い眼は、様々な重症度の急性閉塞隅角緑内障発作に罹りやすくなる。
続発性緑内障は、後眼房から前眼房へ、その後、シュレム管への房水の流れが妨害されることによって引き起こされる。前部の炎症性疾患は、膨隆虹彩の完全な虹彩後癒着を引き起こすことによって水の散逸を阻止することになり、浸出液で排水路を塞ぐことがありえる。他の一般の原因は、眼内腫瘍、水晶体の肥大化、網膜中心静脈閉塞症、眼の外傷、手術方法、眼内出血である。
すべての種類を一緒に考慮すると、緑内障は、40歳を超えるすべての人の約2%で起こり、視力の急速な低下に進行する前に、長い間漸近的でありえる。手術が指示されない場合、従来は、局所性β-アドレナリン受容体拮抗薬が緑内障を治療するのに選択する薬剤であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ある種のエイコサノイド及びそれらの誘導体が、緑内障管理のための使用に現在市販されている。エイコサノイド及び誘導体は、プロスタグランジン及びそれらの誘導体のような非常に多くの生物学的に重要な化合物を含む。プロスタグランジンは、以下の構造式を有するプロスタン酸誘導体として記載することができる:
【0004】
【化1】

【0005】
プロスタン酸骨格の脂環式環に有する構造及び置換基によって、様々な種類のプロスタグランジンが既知である。包括的な種類のプロスタグランジンの後の数字の添え字によって示される側鎖の不飽和結合の数[例えばプロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]、及びα又はβで示される脂環式環についての置換基の配置[例えばプロスタグランジンF(PGF)]に基づいて更に分類される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
下記式を有する化合物が本明細書に開示される:
【0007】
【化2】

【0008】
式中、RはHであるか、又はRは、1) C1-6アルキル又はフェニル、及び2) 0〜2つの-OH部分からなり;
Yは、-Cl、-F、-CN、又は-CF3であり;
Xは、1) 炭素原子4〜10個を有する直鎖アルキル又はアルケニル、及び2) 0〜3つの-OH部分からなる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これらの化合物は、眼圧を低下させるのに有効である。眼圧の低下は、原発性開放隅角緑内障の罹患を遅らせるか又は阻止すること、また、原発性開放隅角緑内障患者の視力低下を更に遅らせるか又は阻止することがわかっている。従って、これらの化合物は、緑内障を治療するのにも有効である。適切な剤形及び薬剤の異なる種類が当該技術において周知であり、本明細書に開示される化合物の送達に容易に適合させることができる。例えば、適切なpHに緩衝されている水溶液或いはエマルジョンに化合物を溶解或いは懸濁させ、哺乳動物の眼に局所投与させることができる(US7,091,231を参照のこと)。
【0010】
本明細書において“治療する”、“治療している”、又は“治療”は、疾患又は他望ましくない症状の診断、治癒、緩和、治療、又は予防のための化合物、組成物、治療的に活性な薬剤、又は医薬品の使用を意味する。
【0011】
特にことわらない限り、化合物についての記載は、示された構造又は化学名の化学物質の医薬的に許容され得る塩、プロドラッグ、互変異性体、代替固体形状物、非共有結合複合体、これらの組み合わせを含むように幅広く解釈されるべきである。
【0012】
医薬的に許容され得る塩は、動物又はヒトに対する投与に適切である親化合物の任意の塩である。医薬的に許容され得る塩は、また、酸、他の塩、又は酸又は塩に変換されるプロドラッグの投与の結果として生体内で形成することができる任意の塩を意味する。塩は、1つ以上の対応する対イオンに関連付けられた化合物、例えば共役酸又は塩基、の1つ以上のイオン型を含む。塩は、1つ以上の脱プロトン化酸性基(例えばカルボン酸)、1つ以上のプロトン化塩基性基(例えばアミン)、又はこれらの双方(例えば双性イオン)から形成するか又はこれを組み込み得る。
【0013】
プロドラッグは、投与後に治療的に活性な化合物に変換される化合物である。例えば、変換は、エステル基又は一部の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じる場合がある。プロドラッグ製剤は、当該技術において周知である。例えば、Richard B. Silverman, Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2d Ed., Elsevier Academic Press: Amsterdam, 2004, pp. 496-557の一章である“Prodrugs and Drug Delivery Systems”には、対象について更に詳細が示されている。特に、メチル、エチル、イソプロピル等を有するアルキルエステルが企図される。ヒドロキシル又はモルホリンのような極性基を含有するプロドラッグも企図される。このようなプロドラッグの例としては、部分-CO2(CH2)2OH、
【0014】
【化3】

【0015】
等を含有する化合物が挙げられる。
互変異性体は、互いに急速な平衡状態にある異性体である。例えば、互変異性体は、プロトン、水素原子、又は水素化物イオンの移動によって関連することがありえる。
立体化学が明確に且つ明瞭に示されない限り、構造は、あらゆる可能な立体異性体を双方純粋か或いは可能な任意の混合物で含むものである。
【0016】
代替固体形状物は、本明細書において説明する方法を実施することにより生じ得る形状物とは異なる固体形状物である。例えば、代替固形状物は、多形体物、種々の種類の非晶質固体形状物、ガラス状物等であり得る。
【0017】
非共有結合複合体は、化合物と追加の化学種との間の共有結合相互作用を含まない化合物と1つ以上の追加の化学種との間で形成することができる複合体である。これらは、化合物と追加の化学種との間に特定の比率を有しても有しなくてもよい。例としては、溶媒和物、水和物、電荷移動錯体等が挙げられてもよい。
【0018】
アルキルは、炭素と水素からなり且つ二重結合又は三重結合を含有しない部分である。
C1-6アルキルは、炭素原子1〜6個を有するアルキルである。
直鎖アルキルは、分枝又は環をもたないアルキルである。
アルケニルは、炭素と水素をからなり且つ少なくとも1つの二重結合を含有するが三重結合を含有しない部分である。
直鎖アルケニルは、分枝又は環をもたないアルケニルである。
【0019】
RはHであるか、又はRは、1) C1-6アルキル又はフェニル、及び2) 0〜2つの-OH部分からなる。
言い換えれば、RがHである場合、化合物は、以下の構造を有することになる。
【0020】
【化4】

【0021】
或いは、Rは、1) C1-6アルキル又はフェニル、及び2) 0〜2つの-OH部分からなる。
言い換えれば、Rの例としては、以下の基が挙げられる:
a. -CH3、-C2H5、-C3H7、-C4H9、-C5H11、-C6H13、環状-C3H6、環状-C4H8、環状-C5H10、又は環状-C6H12、ここで、“環状”は環の存在を示す;
b. -CH2-OH、-C2H4-OH、-C3H6-OH、-C4H8-OH、-C5H10-OH、-C6H12-OH、環状-C3H5-OH、環状-C4H7-OH、環状-C5H9-OH、又は環状-C6H11-OH、ここで、-OHは、ヒドロカルビル部分のいずれの位置にあってもよい;
c. -C2H3-(OH)2、-C3H5-(OH)2、-C4H7-(OH)2、-C5H9-(OH)2、又は-C6H11-(OH)2、環状-C3H4-(OH)2、環状-C4H6-(OH)2、環状-C5H8-(OH)2、又は環状-C6H10-(OH)2、ここで、-(OH)2は、2つの異なった-OH部分を示し、各-OHは、ヒドロカルビル部分のいずれの位置にあってもよい; 又は
d.
【0022】
【化5】

【0023】
各炭素原子が4つの結合を有する(二重結合は、結合を形成する各炭素に対して2つの結合として計数し、三重結合は、結合を形成する各炭素に対して3つの結合として計数する)とすれば、炭素と水素のいかなる配置も可能であり、水素は単結合によって単独で1つの炭素原子に常に結合している。2つの-OH部分が同じ炭素原子に結合しなければ、各-OHは、炭素原子に結合している。従って、これらの基の多くは、実際には種々の異性体を示すものである。例えば、-C3H7、-C4H9、-C5H11、及び-C6H13の各々は、1つを超える異性体を示すものである。同様に、存在する各-OHに対して、結合される炭素原子によっては追加の数の異性体が導入される。
【0024】
Yは、-Cl、-F、-CN、又は-CF3である。
一実施態様において、Yは、-Clである。
他の実施態様において、Yは、-Fである。
他の実施態様において、Yは、-CNである。
他の一実施例において、Yは、-CF3である。
【0025】
Xは、1) 炭素原子4〜10個を有する直鎖アルキル又はアルケニル、及び2) 0〜3つの-OH部分からなる。
言い換えれば、Xの例としては、以下が挙げられる:
e. -(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-(CH2)8CH3、-(CH2)9CH3;
f. 二重結合を含有する-C4H8、-C5H10、-C6H12、-C7H14、-C8H16、-C8H18、又は-C10H20の直鎖異性体;
g. 水素の代わりに任意の炭素原子に結合されている1つの-OHを含有する上記a又はb;
h. 2つの-OH部分を含有する上記a又はb、各々が水素の代わりに任意の炭素に結合されている;
i. 3つの-OH部分を含有する上記a又はb、各々が水素の代わりに任意の炭素に結合されている;
但し、或る炭素原子について-OHは1つ以下である。
【0026】
一実施態様において、Xは、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、-(CH2)7CH3、-(CH2)8CH3、又は-(CH2)9CH3である。
他の一実施態様において、Xは、-CH=CH(CH2)n-Z (ここで、nは、3、4、5、6、7又は8であり、Zは、-H又は-OHである)である。
他の実施態様において、Xは、-(CH2)p-OH (ここで、pは、4、5、6、7、又は8である)である。
他の実施態様において、Xは、-(CH2)qCH=CH2 (ここで、qは、4、5、6、7、又は8である)である。
他の実施態様において、Xは、シス-CH=CHCHOH(CH2)rCH3 (ここで、rは、0、1、2、3、4、5、又は6である)である。
一実施態様において、Xは、1) 炭素原子4〜10個を有する直鎖アルキル又はアルケニル、及び2) 0〜1つの-OH部分からなる。
他の実施態様は、下記式を有する化合物である:
【0027】
【化6】

【0028】
式中、点線は、結合の有無を示し、
波線は、シス又はトランス配置を示し;
R1は、-H、又は-OHであり;
R2は、-CH2CH3、-CH2CH2OH、又は-CH=CH2であり;
tは、0、1、2、3、4、又は5である。
他の実施態様は、下記式を有する化合物である:
【0029】
【化7】

【0030】
他の実施態様は、下記式を有する化合物である:
【0031】
【化8】

【0032】
他の実施態様は、下記式を有する化合物である:
【0033】
【化9】

【0034】
以下は、有効な化合物の例である。
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.1、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘキシル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.2、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプチル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.3、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2オクチルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.4、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ノニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.5、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.6、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ペンタ-1-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.7、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプタ-1-エニル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.8、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-デカ-1-エニル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.9、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシオクチル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.10、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(7-ヒドロキシヘプチル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.11、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクタ-7-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.12、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(7-ヒドロキシヘプタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.13、表1)
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ノナ-1-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(No.14、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(R)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.15/16、表1)
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(No.15/16、表1)
エチル2-(2-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクチルシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール-4-カルボキシレート(6-7、No.17、表1)
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-オクタ-3-エニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(7-4、No.18、表1)
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-デシル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(No.19、表1)
以下の実施例は、本発明を具体的に説明するだけのものであり、決して本発明を制限するものとして解釈されるべきでない。
【実施例】
【0035】
合成法
本明細書に開示される化合物を調製する多くの方法があるが、以下の例示的な手順を用いるか又は適合させることによって有効な化合物を得ることができる。
【0036】
【化10】

【0037】
スキーム1: 1,4-付加法(表1のNo.2、4及び12を調製するために用いられる)。
5-{3-[(1R,2R,3R)-3-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-2-オクチル-5-オキソシクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(1-3)。エーテル(3.4mL)中の1-ヨードオクタン(310mL、1.7ミリモル)の-78°C溶液にtert-ブチルリチウム(2mL、3.4ミリモル、1.7M/ペンタン)を添加した。この反応物を30分間撹拌し、次に2-チエニルCuCNLi溶液(6mL、1.92ミリモル、0.32M/THF、US7,091,231に以前に記載されたように調製される)を添加した。この反応物を0°Cで10分間撹拌し、次に-78°Cに再冷却した。このときに、エーテル(1.4mL)中のエノン溶液2(510mg、1.29ミリモル、US20060205800に以前に記載されたように調製される)をカニューレによって滴下し、0.6mLのエーテルですすいだ。得られた混合物を-78°Cで30分間、0°Cで40分間、室温で30分間撹拌した。この反応物をNH4Cl飽和溶液(15mL)の添加によって急冷させ、得られた混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル(0%→40%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(558mg、85%)を得た。
【0038】
1-8(以下に記載される手順)を除いて、スキーム1の化合物の残りを以前に記載されたように調製した(US7,091,231、US20060205800、これらの全内容の記載が本明細書に含まれるものとする)。
【0039】
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクチルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸2-ヒドロキシエチルエステル(1-8)。CH2Cl2中のエチルクロロホーメートの溶液(0.5mLの8μL/mL溶液、0.042ミリモル)を1-7(14mg、0.035ミリモル)に添加した。トリエチルアミン(40μL、0.29ミリモル)を添加し、1時間後、エチレングリコール(100μL、1.79ミリモル)を添加した。この反応物を3日間撹拌し、次に1M HCl(4mL)を添加した。得られた混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、合わせたCH2Cl2溶液を食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル(0%→15%メタノール/CH2Cl2)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、1-7(8mg、57%)とともに標記化合物(5mg、32%)を得た。
【0040】
【化11】

【0041】
スキーム2:(No.6、10、11、13のウィッティヒ合成において用いられるホスホニウム塩)。
2-(7-ブロモヘプチルオキシ)テトラヒドロピラン(2-2、n = 7)。ジヒドロピラン(1mL、11.0ミリモル)とピリジニウムp-トルエンスルホネート(148mg、0.59ミリモル)をCH2Cl2(22mL)中の7-ブロモ-1-ヘプタノール(1.1g、5.64ミリモル)の溶液に添加した。一晩撹拌した後、この溶液を1M HCl(20mL)、NaHCO3飽和溶液(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄した。この溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル(0%→50%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(1.8g、>100%)を得た。
【0042】
トリフェニル(7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘプチル)ホスホニウムブロマイド(2-3、n = 7)。2-2(1.8g、<5.64ミリモル)とPh3P(1.715g、6.54ミリモル)の混合物を120°Cで一晩加熱した。この混合物を室温に冷却しておき、シリカゲル(0%→30%メタノール/CH2Cl2)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(1.174g、2.17ミリモル、7-ブロモ-1-ヘプタノールから38%)を得た。
【0043】
【化12】

【0044】
スキーム3: ウィッティヒ合成(No.1、3、5、6、7、8、9、10、11、13、14、19[表1]を調製するために用いられる)。
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ノナ-1-エニル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(3-2、R =(CH2)6CH3)。オクチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(454mg、1.0ミリモル、Alfa Aesar)を減圧下で3日間乾燥した(0.4ミリバール)。乾燥した塩を3mLのTHFに溶解し、tert-BuOK溶液(900μL、0.9ミリモル、1M/THF)を添加した。得られた赤-橙色溶液を45分間撹拌し、次に1mLのTHF中のアルデヒド3-1(111mg、0.27ミリモル、2007年7月3日に出願の米国仮特許出願第60/947,904号)の溶液をカニューレによって添加し、1mLのTHFですすいだ。この反応物を1.5時間撹拌し、次に5mLのNH4Cl飽和溶液の添加によって急冷させた。この混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル(0%→50%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、101mg(74%)の標記化合物を得た。
【0045】
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプチル-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(3-3、R =-(CH2)4CH3)。Pd/C(17mg、10%)をメタノール(2mL)中の3-2(R =(CH2)4CH3、20mg、0.04ミリモル)の溶液に添加した。この反応物を1気圧H2(バルーン)下に置き、5時間後、セライトでろ過し、蒸発させた。この反応物は不完全であるので、反応状態(17mgのPd/C及び2mLのメタノール)に、再び供した。一晩に撹拌した後、この混合物をセライトでろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲル(0%→50%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(25mg、>100%)を得た。
【0046】
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプチル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(3-4、R =-(CH2)4CH3)。PPT(8mg、0.032ミリモル)を3-3(R = -(CH2)4CH3、25mg、0.051ミリモル)のメタノール(1mL)溶液に添加した。この溶液を40°Cで一晩撹拌し、次に蒸発させた。残留物をシリカゲル(0%→50%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(18mg、87%)を得た。
【0047】
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプチル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸(3-5、R =−(CH2)4CH3)。以前に記載されたLiOH手順を用いた(US20060205800)。
【0048】
【化13】

【0049】
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-((E)-3-オキソオクタ-1-エニル)-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(4-3)。2.2mLのTHF中のホスホネート4-2(40μL、0.19ミリモル)の溶液を1.6mLのTHF中のNaH(9mg、0.23ミリモル、60%/油)の氷冷混合物にカニューレによって添加した。この混合物を室温に温めておき、1時間後、0°Cに再冷却した。このときに、0.6mLのTHF中のアルデヒド3-1(80mg、0.19ミリモル)の溶液をカニューレによって添加し、0.6mLのTHFをすすいだ。この反応物を室温に温めておき、一晩撹拌した後、10mLの飽和NH4Cl溶液の添加によって急冷させた。得られた混合物を酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル溶液を乾燥 (Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル(0%→100%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(59mg、60%)を得た。
【0050】
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-((E)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)-3-(テトラヒドロピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(4-4)。NaBH4(9.2mg、0.24ミリモル)をメタノール(1mL)中のケトン4-3(59mg、0.12ミリモル)の溶液に添加した。この反応物を室温で2時間撹拌し、次に5mLの1M HClの添加によって急冷させた。得られた混合物をCH2Cl2で抽出し、合わせたCH2Cl2溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。シリカゲル(酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、標記化合物(48mg、80%)を得た。
【0051】
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル及び5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(R)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(4-5)。スキーム3に記載されたPPT/メタノール手順を用いた。粗生成物をシリカゲル(0%→100%酢酸エチル/ヘキサン)によるフラッシュクロマトグラフィで精製して、個々のジアステレオマー:(高い方のRf、17mg、41%)と(低い方のRf、17mg、41%)を得た。
【0052】
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸及び5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(R)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸(4-6)。個々のジアステレオマーを以前に記載されたLiOH手順(US20060205800)を用いて対応する酸(高い方のRfジアステレオマーが61%、低い方のRfジアステレオマーが81%)に加水分解した。
【0053】
【化14】

【0054】
(3aR,4R,5R,6aS)-5-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-4-(オクタ-1-エニル)ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-1(5-2)。n-ヘプチルホスホニウムブロマイド(3.185g、7.22ミリモル)を減圧下で3日間乾燥し、次に乾燥THF(22mL)に溶解した。カリウムtert-ブトキシド(7.2mL、7.2ミリモル、1M/THF)を添加し、得られた赤-橙色溶液を室温で45分間撹拌した。7mLのTHF中の(3aR,4R,5R,6aS)-5-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-オキソヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-4-カルバルデヒド(5-1、502mg、1.78ミリモル、Cayman)の溶液をカニューレによって添加し、3mLのTHFですすいだ。1.5時間後、この反応物をNH4Cl飽和溶液の添加によって急冷させた。得られた混合物を酢酸エチル(3×)で抽出し、合わせた酢酸エチル溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(595mg、91%)を得た。
【0055】
(3aR,4R,5R,6aS)-5-ヒドロキシ-4-オクチルヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-1(5-3)。メタノール(80mL)中の5-2(595mg、1.62ミリモル)と5% Pd/C(556mg、0.17ミリモル)の混合物を1気圧H2圧(バルーン)下で一晩撹拌した。次にこの混合物をセライトによってろ過し、ろ液を蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(396mg、96%)を得た。
【0056】
(3aR,4R,5R,6aS)-4-オクチル-5-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)ヘキサヒドロ-2H-シクロペンタ[b]フラン-2-1(5-4)。ジヒドロピラン(60μL、0.66ミリモル)とPPT(11mg、0.045ミリモル)をジクロロメタン(1.2mL)中の5-3(81mg、0.32ミリモル)の溶液に添加した。一晩撹拌した後、この反応物を、1M HCl、NaHCO3飽和溶液及び食塩水で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(100mg、93%)を得た。
【0057】
【化15】

【0058】
(1S,2R,3R,4R)-2-(2-ヒドロキシエチル)-3-オクチル-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)シクロペンタノール(6-1)。LiAlH4(1.5mL、1.5ミリモル、1M/THF)の溶液をTHF(5mL)中の5-4(453mg、1.34ミリモル)の0°C溶液に滴下した。3時間後、H2O(5mL)、続いてジクロロメタンと15% NaOH(10mL)を滴下した。この反応物を室温に温めておき、更に30分間撹拌した。得られた混合物をジクロロメタン(3×)で抽出し、合わせたジクロロメタン溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(447mg、97%)を得た。
【0059】
2-((1R,2R,3R,5S)-5-(メチルスルホニルオキシ)-2-オクチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル)エチルメタンスルホネート(6-2)。MsCl(0.60mL、7.72ミリモル)をジクロロメタン(5mL)中の6-1(447mg、1.31ミリモル)とEt3N(1.3mL、9.33ミリモル)の氷冷溶液に添加した。この反応物を室温に温めておき、3時間後、NaHCO3飽和溶液を添加した。得られた混合物をジクロロメタン(3×)で抽出し、合わせたジクロロメタン溶液は乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(IscoによるCombiflash装置)、標記化合物(326mg、50%)を得た。
【0060】
S-2-((1R,2R,3R,5S)-5-(メチルスルホニルオキシ)-2-オクチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル)エチルエタンチオエート(6-3)。KSAc(115mg、1.01ミリモル)を8mLのDMF中の6-2(326mg、0.65ミリモル)の溶液に添加した。この反応物を一晩撹拌し、次に20mLのH2Oを添加した。得られた混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル溶液をH2O(3×60mL)と食塩水(50mL)で洗浄した。次にこの溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(IscoによるCombiflash装置)、標記化合物(183mg、58%)を得た。
【0061】
エチル2-(2-((1R,2R,3R,5S)-5-(メチルスルホニルオキシ)-2-オクチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル)エチルチオ)チアゾール-4-カルボキシレート(6-4)。PBu3(20μL、0.08ミリモル)、エチル2-ブロモチアゾール-4-カルボキシレート(6-5、119mg、0.50ミリモル)及びK2CO3(107mg、0.77ミリモル)を1.6mLのエタノール中の6-3(183mg、0.38ミリモル)の溶液に添加した。この混合物を40°Cで一晩撹拌し、次に20mLのH2Oを添加した。得られた混合物を酢酸エチル(30mL)で抽出し、この酢酸エチル溶液を食塩水(20mL)で洗浄した。次にこの溶液を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(IscoによるCombiflash装置)、標記化合物(41mg、18%)を得た。
【0062】
エチル2-(2-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-オクチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)シクロペンチル)エチルチオ)チアゾール-4-カルボキシレート(6-6)。1mLのトルエン中の6-4(41mg、0.069ミリモル)とテトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド(200mg、0.72ミリモル)の混合物を55°Cで一晩撹拌した。この混合物を室温に冷却しておき、セライトによってろ過し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液を蒸発させ、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(24mg、65%)を得た。
【0063】
エチル2-(2-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクチルシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール-4-カルボキシレート(6-7)。化合物3-4に記載された手順と同様の手順を用い、24mgの6-6から出発し、6-7を得た(13mg、67%)。
【0064】
2-(2-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクチルシクロペンチル)エチルチオ)チアゾール-4-カルボン酸(6-8)。以前に記載されたLiOH手順(US7,091,231)を用い、13mgの6-7から出発し、6-8(13mg、100%)を得た。
【0065】
【化16】

【0066】
(E)-オクタ-3-エン-1-オール(7-2)。LiAlH4(13.5mL、13.5ミリモル、1M/THF)をTHF(48mL)中の(E)-オクタ-3-エン酸(7-1、1.86g、13.1ミリモル)の氷冷溶液に添加した。この反応物を室温に温めておき、2時間後、氷浴中で冷却し、50mLのH2Oを徐々に添加した。NaOH(3M、50mL)とH2O(50mL)を添加し、得られた混合物をジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、次に乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(1.283g、76%)を得た。
【0067】
(E)-1-ヨードオクタ-3-エン(7-3)。CH2Cl2(38mL)中のPh3P(3.205g、12.2ミリモル)、イミダゾール(1.221g、17.9ミリモル)及びI2(3.024g、11.9ミリモル)の混合物を、室温で撹拌した。15分後、CH2Cl2(4.8mL)中の7-2(1.283g、10.0ミリモル)の溶液をカニューレによって添加し、4mLのCH2Cl2ですすいだ。3時間後、この混合物を塩基性アルミナによってろ過し、10%酢酸エチル/ヘキサンで洗浄した。ろ液を蒸発させ、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィで精製して(Isco Combiflash装置)、標記化合物(2.323g、98%)を得た。
【0068】
5-(3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-オクタ-3-エニル)シクロペンチル)プロピル)チオフェン-2-カルボン酸(7-4)。スキーム1の1-7に記載されるように標記化合物を調製した。
【0069】
インビトロ実施例
2006年10月26日に出願の米国特許出願第11/553,143号には、以下表1のインビトロデータを得るために用いられる方法が記載されており、この明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
【0070】
【表1】

【0071】

【0072】

【0073】
インビボ実施例
米国特許第7,091,231号には、表2に示されるインビボs試験結果を得るために用いられる方法が記載され、この明細書の記載は本願明細書に含まれるものとする。
【0074】
【表2】

【0075】

【0076】
本発明をこれらの個々の実施例に関して記載してきたが、他の修正及び変更が本発明の真意から逸脱することなく可能であることは理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式を有する化合物:
【化1】


式中、RはHであるか、又はRは、1) C1-6アルキル又はフェニル、及び2) 0〜2つの-OH部分からなり;
Yは、-Cl、-F、-CN、又は-CF3であり;
Xは、1) 炭素原子4〜10個を有する直鎖アルキル又はアルケニル、及び2) 0〜3つの-OH部分からなる。
【請求項2】
Xが、1) 炭素原子4〜10個を有する直鎖アルキル又はアルケニル、及び2) 0〜1つの-OH部分からなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
下記式を有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】


式中、点線は、結合の有無を示し、
波線は、シス又はトランス配置を示し;
R1は、-H、又は-OHであり;
R2は、-CH2CH3、-CH2CH2OH、又は-CH=CH2であり;
tは、0、1、2、3、4、又は5である。
【請求項4】
下記式を有する、請求項3に記載の化合物:
【化3】

【請求項5】
下記式を有する、請求項3に記載の化合物:
【化4】

【請求項6】
以下より選ばれる請求項3に記載の化合物:
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘキシル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプチル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクチルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ノニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ペンタ-1-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-ヘプタ-1-エニル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-2-デカ-1-エニル-3-ヒドロキシシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(8-ヒドロキシオクチル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸;
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(7-ヒドロキシヘプチル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-オクタ-7-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-(7-ヒドロキシヘプタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸;
5-[3-((1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-ノナ-1-エニルシクロペンチル)プロピル]チオフェン-2-カルボン酸;
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(R)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸; 及び
5-{3-[(1R,2R,3R,5R)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-((E)-(S)-3-ヒドロキシオクタ-1-エニル)シクロペンチル]プロピル}チオフェン-2-カルボン酸。
【請求項7】
下記式を有する、請求項3に記載の化合物:
【化5】

【請求項8】
請求項1に記載の化合物をそれを必要としている哺乳動物に投与することを含む眼圧を低下させる方法。
【請求項9】
緑内障の治療用薬剤の製造のための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物及び眼科的に許容され得る賦形剤を含む眼科的に許容され得る液体。

【公表番号】特表2011−503089(P2011−503089A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533210(P2010−533210)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082469
【国際公開番号】WO2009/061811
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】