説明

プロスタグランジンD2受容体のアンタゴニスト

本明細書には、PGD2受容体のアンタゴニストである化合物が記載される。また、本明細書に記載の化合物を含む医薬組成物、および呼吸器の、心臓血管の、または他のPGD2-依存またはPGD2-媒介の疾病または疾患を処置するために、単独で、または他の化合物と組み合わせて、このようなPGD2受容体のアンタゴニストを使用する方法も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年7月3日出願の米国仮特許出願第61/078,311号(発明の名称「プロスタグランジンD2受容体のヘテロアルキルアンタゴニスト」)の利益を主張するものであり、引用することによりその全体は本明細書に組み込まれる。
【0002】
化合物、そのような化合物の製造方法、そのような化合物を含む医薬組成物、およびプロスタグランジンD2に関連する疾患や障害、疾病を処置、予防または診断するために用いられる化合物の使用法について、本明細書は記述している。
【背景技術】
【0003】
プロスタグランジンは、多様な幅の活性を有し、疼痛および炎症においてよく認識された役割を有している。プロスタグランジンD2(PGD2)は、喘息、鼻炎、およびアトピー性皮膚炎などの疾患におけるアレルギー性炎症のみでなく局所的組織損傷にも反応して、マスト細胞、マクロファージおよびTh2リンパ球により生成される。PGD2は、トロンボキサン型プロスタノイド(TP)受容体、PGD2受容体(DP、同様にDP1としても知られている)、およびTh2細胞(CRTH2;同様にDP2としても知られている)上に発現する化学遊走物質受容体ホモログ分子を含む多くの受容体に結合する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書において、(a)アレルギー性及び非アレルギー性炎症を診断、予防、又は処置するための、(b)炎症に関連する有害な兆候及び症状を軽減するための、及び/又は、(c)免疫学、増殖の障害を制御するための、化合物、医薬組成物、方法が提供される。このような障害は、遺伝的な、医原性の、免疫学的な、感染性の、腫瘍学的な、毒性の、外科学的な、及び/又は、外傷性の原因の1以上から生じる。1つの態様において、本明細書に記載の方法、化合物、医薬組成物、及び薬物は、PGD受容体のアンタゴニストを含む。1つの態様において、本明細書に記載の方法、化合物、医薬組成物は、DPのアンタゴニストを含む。
【0005】
1つの態様において、式(I)の化合物、薬学的に許容可能なそれらの塩、薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ、及び、薬学的に許容可能なそれらの溶媒和物が本明細書中で提供され、これらは、DPのアンタゴニストであり、1以上のPGD依存の疾病又は疾患に苦しむ哺乳動物を処置するために用いられ、PGD依存性疾病又は疾患としては、喘息、鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、間質性肺線維症、関節炎、アレルギー、乾癬、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、癌、創傷治癒、エンドトキシンショック、疼痛、炎症疾病、好酸球性食道炎、好酸球性胃腸疾患(EGID)、特発性好酸球増多症候群、耳炎、気道狭窄、粘液分泌、鼻詰まり、微小血管透過性亢進及び好酸球動員、蕁麻疹、副鼻腔炎、血管浮腫、過感受性、慢性咳及びチャーグ・ストラウス症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0006】
1つの態様において、式(I)の構造を有する化合物、または薬学的に許容可能なそれらの塩、薬学的に許容可能なそれらの溶媒和物、若しくは薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグがあり;
【0007】
【化1】

【0008】
ここで、
RAは、HまたはC1-C6アルキルであり;
R4は、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ヘテロアルキルであり;
R6は、-NR13S(=O)2R12、-S(=O)2N(R12)(R13)、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、または-NR13C(=O)OR12であり;
R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換5員ヘテロアリール、置換または非置換6員ヘテロアリール、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)であり;
R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換ベンジル、置換または非置換6員ヘテロアリール、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)であり;
R13は、HまたはC1-C4アルキルであり;または
同じN原子に付いているR12およびR13は、それらの付いているN原子と共に、置換または非置換C2-C6ヘテロシクロアルキルを形成し;
xは、0、1、または2である。
【0009】
1つの態様において、本明細書には、表1に提示の式(I)の化合物、または薬学的に許容可能なそれらの塩、薬学的に活性なそれらの代謝物、薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグ、および薬学的に許容可能なそれらの溶媒和物が提示される。
【0010】
式(I)の化合物は、DP2のアンタゴニストである。
【0011】
1つの態様において、本明細書には、治療上有効な量の式(I)の化合物を含む医薬組成物が提示される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、賦形剤、希釈剤および担体から選択される、少なくとも1つの薬学的に許容可能な不活性成分を含む。
【0012】
特定の実施形態において、本明細書には、治療上有効な量の式(I)の化合物を、哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物においてPGD2-依存またはPGD2媒介の疾病または疾患を処置するための方法が提示される。
【0013】
別の態様において、式(I)の化合物は、炎症性疾患を処置または防止するするために使用される。炎症性疾患は、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症、間質性肺線維症、アロテーム性動脈硬化症、大動脈瘤、心筋梗塞、および脳卒中を含むが、これらに限定されない。
【0014】
特定の態様において、本明細書には、哺乳動物における喘息を処置するための方法が提供され、該方法は、必要とする哺乳動物に、本明細書中に提供される治療上有効な量の化合物を投与する工程を含む。
【0015】
別の態様において、式(I)の化合物は、免疫不全障害を処置または防止するために使用され、免疫不全障害は、内因性若しくは外因性の抗原に対するアレルギー、または、過剰若しくは不十分な反応を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、免疫調整不全によって特徴付けられる免疫不全障害は、炎症を伴わない。(the immunological disorder that is characterized by immune dysregulation that is not accompanied by inflammation)
【0016】
さらなる態様において、このような疾患または疾病は医原性であり、PGD2の増加もしくはPGD2の異常な局在性は、他の処置法、または医療処置若しくは外科的処置により誘発される。他の実施形態において、PGD2-依存又はGD2媒介の疾病もしくは疾患は、手術により引き起こされる。
【0017】
別の態様において、呼吸器疾患を処置するための方法は、少なくとも1の有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、呼吸器疾患は、喘息である。この態様のさらなる実施形態において、呼吸器疾患は、限定することではないが、喘息、成人呼吸窮迫症候群、アレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、急性の重症喘息、慢性喘息、臨床的喘息(clinical 喘息)、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、好中球性喘息(neutrophillic)、等炭酸ガス過呼吸(isocapnic hyperventilation)、幼児期に発症する喘息、成人期に発症する喘息、咳型喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、慢性気管支炎か肺気腫を含む慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症、間質性肺繊維症および/または気道炎症および嚢胞性繊維症および低酸素症を含む。
【0018】
別の態様において、本明細書に記載の化合物は、哺乳動物において鼻炎を処置するために使用される。この態様のさらなる実施形態において、本明細書に記載の化合物は、アレルギー性(外因性)鼻炎、非アレルギー性(内因性)鼻炎、慢性鼻炎、アレルゲン誘発性鼻炎、アスピリン感受性鼻炎、幼児期に発症する鼻炎、成人期に発症する鼻炎、職業性鼻炎、ステロイド抵抗性鼻炎、季節性鼻炎、通年性鼻炎、副鼻腔炎及び鼻ポリープ症(rhinopolyposis)を処置するために使用される。
【0019】
別の態様において、慢性閉塞性肺疾患を処置するため方法は、有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。この態様のさらなる実施形態において、慢性閉塞性肺疾患は、限定することではないが、慢性気管支炎及び/又は肺気腫、肺高血圧症、間質性肺線維症及び/又は気道炎症及び嚢胞性線維症を含む。
【0020】
別の態様において、哺乳動物における増加した粘膜の分泌物及び/又は浮腫を予防するための方法は、有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。
【0021】
別の態様において、好酸球及び/又は好塩基球及び/又は樹枝状細胞及び/又は好中球及び/又は単球もしくはTh2細胞の動員を予防するための方法は、有効な量の式(I)の化合物を、哺乳動物に投与する工程を含む。
【0022】
別の態様において、眼の炎症、結膜炎、網膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル、および乳頭結膜炎を処置または予防するための方法は、有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。
【0023】
別の態様において、式(I)の化合物は、疼痛の処置または予防のために使用される。
【0024】
別の態様において、好酸球の動員もしくは活性化に関する急性又は慢性障害を予防又は処置するための方法は、有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。
【0025】
別の態様において、皮膚の炎症反応を処置するための方法は、少なくとも1の有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。このような皮膚の炎症反応は、一例として、乾癬、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒き、水疱性障害、膠原病(collagenoses)、川崎病、シェーグレンラルソ症候群、創傷治癒、および瘢痕を含む。別の態様において、皮膚、関節又は他の組織もしくは臓器における乾癬病変を減少させるための方法は、有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与する工程を含む。別の態様において、皮膚、関節又は他の組織もしくは臓器における乾癬病変を減少させるための方法は、有効な量の式(I)の化合物を、少なくとも1回、哺乳動物に投与する工程を含む。
【0026】
さらなる態様において、内因性または外因性の抗原に対する免疫反応を調節するための方法が示される。さらなる態様において、食物(例えばピーナッツ)又は薬(例えば、ペニシリン、非ステロイド性抗炎症薬など)といった摂取した外因性物質に対する急性もしくは慢性アレルギー反応を処置する方法が提示される。
【0027】
別の態様において、少なくとも1のPGD2-関連タンパクの活性が疾患又は疾病の病状及び/又は症状の一因となる、哺乳動物における炎症性疾患又は疾病を処置する薬剤を製造する際に、式(I)の化合物が使用される。この態様の1つの実施形態において、PGD2経路タンパクは、DP2である。この態様の別の又はさらなる実施形態において、炎症性疾患又は疾病は、呼吸器疾患、循環器疾患又は増殖性疾患である。
【0028】
「循環器疾患または疾病」は、心臓又は血管、もしくはその両方に影響を及ぼす疾患を表す。疾患には、不整脈(心房性または心室性、もしくは両方);アテローム性動脈硬化及びその後遺症;狭心症;心臓性律動障害;心筋虚血;心筋梗塞;心臓性または血管性動脈瘤;血管炎、卒中;四肢、臓器、または組織の末梢閉塞性動脈症;脳、心臓、又は他の臓器、もしくは組織の虚血後の再灌流傷害;内毒素性、手術、又は外傷性ショック;高血圧、心臓弁膜症、心不全、異常血圧;ショック;血管収縮(偏頭痛に関連するものも含む);単一の臓器又は組織に限定される血管異常、血管炎症、血管不全が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
上述の任意の態様において、さらなる実施形態は、以下の通りである:(a)有効な量の化合物が哺乳動物に全身投与される、及び/又は(b)有効な量の化合物が哺乳動物に経口投与される;及び/又は(c)有効な量の化合物が哺乳動物に静脈内投与される;及び/又は(d)有効な量の化合物が吸入により投与される、及び/又は(e)有効な量の化合物が経鼻投与される;及び/又は(f)有効な量の化合物が哺乳動物に注射で投与される;及び/又は(g)有効な量の化合物が哺乳動物に局所的に(経皮的)に投与される;及び/又は(h)有効な量の化合物は点眼で投与される;及び/又は(i)有効な量の化合物は哺乳動物に直腸に投与される。
【0030】
上述の任意の態様において、さらなる実施形態は、有効な量の化合物の単独投与を含み、(i)化合物を1度投与する、(ii)化合物を、1日のスパンにわたって複数回、哺乳動物に投与する、化合物を、(iii)絶えず(continually)または(iv)連続的に(continuously)、投与する更なる実施形態を含む。
【0031】
上述の任意の態様において、有効な量の化合物の複数回投与を含むさらなる実施形態が提示され、以下のさらなる実施形態を含む。 (i)化合物が、1度投与される;(ii)化合物が、1日に2回投与される;(iii)化合物が、ある時間の間毎日投与され、その後、投与しない日が少なくとも1日あるサイクルで投与される;(iv)化合物が、ある時間の間毎日投与され、その後、投与される化合物の1日の量を減らす投与を含む日が少なくとも1日あるサイクルで投与される。
【0032】
PGD2依存の疾患または疾病の処置を含む上述の任意の態様において、さらなる実施形態は、式(I)の構造を有する化合物を投与することに加えて、少なくとも1つのさらなる薬剤を投与することを含む。
【0033】
炎症の予防又は処置に関する上述の任意の態様において、さらなる実施形態は、(a)哺乳動物において炎症をモニタすること;(b)哺乳動物において気管支収縮を測定すること;(c)哺乳動物において好酸球及び/又は好塩基球及び/又は樹枝状細胞及び/又は好中球および/または単球及び/又はリンパ球の動員を測定すること;(d)哺乳動物において粘膜の分泌物をモニタすること;(e)哺乳動物において粘膜浮腫を測定することを含む。
【0034】
本明細書に記載の、化合物、方法および組成物の他の目的、特徴と利点、は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、詳細な説明と特定の例は、特定の実施形態を示しているが、本開示の精神および範囲内での様々な変化および改変は、この詳細な説明から当該技術分野の当業者に明白となるので、単なる例示目的として与えられていることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本明細書に記載の化合物の用例
【図2】本明細書に記載の化合物の用例
【図3】本明細書に記載の化合物の用例
【図4】本明細書に記載の化合物の用例
【図5】本明細書に記載の化合物の用例
【図6】本明細書に記載の化合物の用例
【図7】本明細書に記載の化合物の用例
【図8】本明細書に記載の化合物の用例
【発明を実施するための形態】
【0036】
ブロスタグランジンD2(PGD2)は、シクロオキシゲナーゼ及びPGD2シンターゼによる、アラキドン酸の代謝に由来する酸性脂質である。PGD2は、喘息、鼻炎及びアトピー性皮膚炎などの疾患で観察されるアレルギー性炎症に反応してのみでなく、局部組織の損傷にも反応して、肥満細胞、マクロファージ及びTh2リンパ球により生成される。気管支気道に適用される外因性PGD2は、急性喘息の特徴である多くの反応を誘発する。
【0037】
DPの活性化は、Th2リンパ球、好酸球、および好塩基球の走化性及び活性化に関連付けられる。特に、PGDはDPと結合し、細胞内カルシウムレベルのG−依存の上昇、及び、環状AMPの減少を介して、その作用の多くを媒介する。Th2リンパ球において、IL4、IL5、及び、IL13のサイトカイン産生は、また、DPの活性化によって刺激される。これらのサイトカインは、ほんの一例として、免疫グロブリンEの生成、気道反応、粘膜の分泌、及び、好酸球の動員を含む多くの生物学的作用に関係してきた。
【0038】
脳および中枢神経系において、PGD2は、生成され、疼痛の感作や睡眠制御において機能すると考えられる。他の組織において、PGD2は、主に免疫グロブリンE(IgE)で活性化されたマスト細胞において生成され、それほどではないが、マクロファージ細胞、樹状細胞、Tヘルパー2(Th2)リンパ球および他の白血球において生成される。細胞において、PGD2は急速に代謝され、Δ12PGJ2、9α11βPGF2、13,14-ジヒドロ-15-ケト-PGD2、および15-デオキシ-Δ12,14PGD2を含む他の下流エフェクター(effectors)へと変換される。
【0039】
マスト細胞由来のPGD2は、アレルゲン負荷に応答して高濃度で生成される。前臨床の化学種(preclinical species)の研究は、PGD2がインビボ調製に適応され、または過剰産生が遺伝子操作により操作されると、以下の特徴が観察された:紅斑(発赤)や浮腫(膨疹)の増強を引き起こす血管拡張、好酸球とTh2リンパ球の動員、Th2サイトカイン生成の調節、気管支収縮。
【0040】
ヒトの皮膚へのPGD2の注入は、長期的な紅斑を生成し、ヒトの皮膚における硬結および白血球浸潤に関する他の介在物質の作用を促進し、且つネズミの皮膚における浮腫形成を増強することを明らかにした。他の血管拡張薬プロスタグランジンなどのこれらのPGD2の作用は、おそらく炎症傷害に対する血流上昇に起因し、それゆえ、主にDP1受容体によって媒介されるようである。このような所見は、DP1がPGD2の血管性作用を媒介することを明らかにするが、炎症に関連した細胞変化を促進するPGD2の能力はDP1の作用によるものではない。
【0041】
PGD2の前炎症促進性活性の多くは、DP2との相互作用を介したものである。DP2は、Gタンパク質共役型受容体であり、Th2リンパ球、好酸球、および好塩基球において一般的に高く発現される。DP2活性化は、Th2リンパ球と好酸球を直接活性化し、動員する機能を持つ。活性化Th2リンパ球は、IL4とIL5およびIL13を含む炎症性サイトカインを生成し、分泌する。DP2は、PGD2をDP1のような類似の親和性で結合させるにも関わらず、DP2はDP1と構造的な関連性はなく、異なるメカニズムでシグナルを送る、すなわち、DP2の作用は細胞内カルシウムレベルにおけるGi依存型上昇や環状AMPの細胞内レベルの減少によって媒介される。DP2活性化は、鼻粘膜、気管支気道、および皮膚などの組織におけるアレルギー負荷に反応した好酸球動員において重要である。PGD2あるいは選択的DP2アゴニストのいずれかの適用は、いずれも、肺や皮膚におけるアレルギー反応を悪化させ、増幅させる。DP2活性化は、アレルギー反応を媒介するのに重要な役目を持つように考えらる。DP2受容体のPGD2活性化のアンタゴニストの使用は、特に、喘息や鼻炎、皮膚炎などの、炎症性疾患または疾病の、呼吸器疾患または疾病の、アレルギー性疾患または疾病の、炎症性部分を処置するためのアプローチである。
【0042】
化合物
式(I)の化合物は、以下の構造を有し:
【0043】
【化2】

【0044】
ここで、
RAは、HまたはC1-C6アルキルであり;
R4は、H、ハロゲン、-CN、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、C1-C4アルコキシ、またはC1-C4ヘテロアルキルであり;
R6は、-NR13S(=O)2R12、-S(=O)2N(R12)(R13)、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、または-NR13C(=O)OR12であり;
R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換5員ヘテロアリール、置換または非置換6員ヘテロアリール、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)であり;
R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換ベンジル、置換または非置換6員ヘテロアリール、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)であり;
R13は、HまたはC1-C4アルキルであり;または
同じN原子に付いているR12およびR13は、そのN原子と共に、置換または非置換 C2-C6ヘテロシクロアルキルを形成し;
xは、0、1、または2である。
【0045】
いずれかおよび全ての実施形態に関して、置換基は、記載した代替物の一部の中から選択され得る。
【0046】
例えば、いくつかの実施形態において、RAは、HまたはC1-C4アルキルである。他の実施形態において、RAは、H、-CH3、または-CH2CH3である。いくつかの実施形態において、RAは、Hである。
【0047】
いくつかの実施形態において、xは、0(スルフィド)である。いくつかの実施形態において、xは、1(スルホキシド)である。いくつかの実施形態において、x は、2(スルホン)である。
【0048】
いくつかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、またはC1-C4アルコキシである。いくつかの実施形態において、R4は、F、Cl、Br、-OH、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4フルオロアルコキシ、またはC1-C4アルコキシである。
【0049】
いくつかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換5員ヘテロアリール、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)である。
【0050】
いくつかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)である。
【0051】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)の構造を有する。
【0052】
【化3】

【0053】
いくつかの実施形態において、R4は、H、F、Cl、Br、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CHCH2、-CHF2、-CF3、-OCHF2、または-OCF3である。いくつかの実施形態において、R4は、F、Cl、Br、-OCH3、-CH3、-CH2CH3、-CHCH2、-CHF2、-CF3、-OCHF2、または-OCF3である。いくつかの実施形態において、R4は、-OCH3である。
【0054】
いくつかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキル、C1-C6ヘテロアルキル、C1-C6フルオロアルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ベンジル、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)である。
【0055】
いくつかの実施形態において、R13は、Hまたは-CH3である。いくつかの実施形態において、R13は、Hである。
【0056】
いくつかの実施形態において、R6は、-NR13S(=O)2R12、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、または-NR13C(=O)OR12である。いくつかの実施形態において、R6は、-N(R12)(R13)、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、-NR13C(=O)R12、または-NR13C(=O)OR12である。いくつかの実施形態において、R6は、-C(=O)N(R12)(R13)、-NHC(=O)N(R12)(R13)、または-NR13C(=O)R12である。いくつかの実施形態において、R6は、-C(=O)N(R12)(R13)、または-NR13C(=O)R12である。
【0057】
いくつかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、置換または非置換フェニル、または-C1-C4アルキル-(置換または非置換フェニル)である。いくつかの実施形態において、R11は、C2-C4アルキル、C2-C4ハロアルキル、置換または非置換フェニル、または-C1-C2アルキル-(置換または非置換フェニル)である。いくつかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキルまたは C1-C6ハロアルキルである。いくつかの実施形態において、R11は、C2-C4アルキルまたはC2-C4ハロアルキルである。いくつかの実施形態において、R11は、C1-C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R11は、C1-C4アルキルである。いくつかの実施形態において、R11は、C2-C6アルキルである。いくつかの実施形態において、R11は、C2-C4アルキルである。
【0058】
いくつかの実施形態において、R6は、-NR13C(=O)R12である。
【0059】
いくつかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、または置換または非置換ベンジルである。いくつかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R12は、C1-C6アルキルである。
【0060】
いくつかの実施形態において、R11は、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-C(CH3)3、-CH2CF3、置換または非置換フェニル、-C1-C2アルキル-(置換または非置換フェニル)である。いくつかの実施形態において、R11は、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-C(CH3)3、または-CH2CF3である。
【0061】
いくつかの実施形態において、R12は、-CH(CH3)3、-C(CH3)3、-CH2CH(CH3)2、-CH2C(CH3)3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換または非置換フェニル、または置換または非置換ベンジルである。いくつかの実施形態において、R12は、-CH(CH3)3、-C(CH3)3、-CH2CH(CH3)2、-CH2C(CH3)3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、または置換または非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、R12は、-C(CH3)3、または置換または非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、R12は、-C(CH3)3である。いくつかの実施形態において、R12は、 置換または非置換フェニルである。いくつかの実施形態において、R12は、置換されたフェニルであり、そのフェニルは、4位で置換されている。いくつかの実施形態において、R12は、置換または非置換フェニルであり、その置換されたフェニルは、ハロゲン、-OH、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-OCH3、-OCH2CH3、および-OCF3から選択される1または2つの基で置換される。
【0062】
いくつかの実施形態において、R6は、-NR13C(=O)R12であり、xは、0である。いくつかの実施形態において、式(I)または式(II)の化合物は、式(III)の構造を有する。
【0063】
【化4】

【0064】
いくつかの実施形態において、R11は、-CH2CH3、-CH(CH3)2、-C(CH3)3、または-CH2CF3であり;R12は、-CH(CH3)2、-C(CH3)3、-CH2CH(CH3)2、-CH2C(CH3)3、または置換または非置換フェニルであり;R13は、Hである。
【0065】
いくつかの実施形態において、R4は、F、Cl、-OCH3、-CF3、または-OCF3であり;R11は、-C(CH3)3であり;R12は、-C(CH3)3であり;R13は、Hである。
【0066】
いくつかの実施形態において、表1のR2およびR3は、R4と同じ定義(defintions)を有している。
【0067】
1つの態様において、R4は、表1で定義される通りである。1つの態様において、R5は、表1で定義される通りである。1つの態様において、R20は、表1で定義される通りである。1つの態様において、R11は、表1で定義される通りである。
【0068】
様々な変数に対する上記の基の任意の組み合わせは、本明細書において熟考される。明細書を通して、基およびそれらの置換基は、安定な部分と化合物を提供するように当業者によって選択される。
【0069】
1つの態様において、式(I)の化合物は、表1に記載されたものを含むが、これらに限定されない。
【0070】
【化5−1】

【0071】
【化5−2】

【0072】
【化5−3】

【0073】
【化5−4】

【0074】
【化5−5】

【0075】
化合物のさらなる形態
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、化合物の遊離塩基形態を、以下を含むがこれらに限定されない無機酸または有機酸と反応させることによって、薬学的に許容可能な塩として調製される:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタリン酸などのような無機酸、および酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グリコペプトン酸、4,4'-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、およびムコン酸のような有機酸。
【0076】
薬学的に許容可能な塩は、また、式(I)の化合物を、塩基と反応させることによって得られ、アンモニウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属の塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属の塩、ジシクロヘキシルアミンのような有機塩基の塩、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、およびアルギニンやリジンのようなアミノ酸を備えた塩類のような塩を形成する。
【0077】
他の実施形態において、式(I)の化合物は、化合物の遊離酸形態を、以下を含むがこれらに限定されない、薬学的に許容可能な無機または有機の塩基と反応させることによって、薬学的に許容可能な塩として調製される:エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタン、N-メチルグルカミンなどの有機の塩基、または水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのような無機の塩基。
【0078】
薬学的に許容可能な塩に対する言及は、その溶媒付加形態または結晶体、特に溶媒和物又は多形体を含む。溶媒和物は、化学量論量又は非化学量論量のいずれかの溶媒を含み、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いた結晶化の過程中に随意に形成される。溶媒が水の場合、水和物が形成され、そして、溶媒がアルコールの場合、アルコラートが形成される。式(I)の化合物の溶媒和物は、本明細書に記載の過程の間、都合よく調製又は形成される。ほんの一例ではあるが、式(I)の化合物の水和物は、有機溶媒を用いて、水性/有機の溶媒混合物からの再結晶により都合よく調製され、有機溶媒は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エタノール、又はメタノールなどを含むが、これらに限定されない。更に、本明細書中に提供される化合物は、溶媒和形態と同様、非溶媒和形態で存在することがある。一般的に、溶媒和形態は、本明細書中に提供される化合物と方法の目的のため、非溶媒和形態と同等であると考慮される。
【0079】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物はプロドラッグとして調製される。「プロドラッグ」は、インビボで親薬物へと変換される薬剤を表す。
【0080】
また別の実施形態において、式(I)の化合物は、1以上の立体中心を備えており、各々の中心は、R又はS配置のいずれかにおいて独立的に存在する。本明細書に提示の化合物は、ジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、同様にそれらの適切な混合物全てを含む。立体異性体は、必要に応じて、キラル・クロマトグラフィーカラムまたは立体選択的合成による立体異性の分離などの方法により得られる。
【0081】
本明細書に記載の方法および製剤は、式(I)の構造を有する化合物のN−オキシド(適切であれば)の使用、結晶形態(多形体としても知られている)の使用、又は薬学的に許容可能な塩、同様に、同じタイプの活性を有するこれら化合物の活性代謝物の使用を含む。いくつかの状況において、化合物は互変異性体として存在することもある。
【0082】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、互換異性体として存在する。全ての互換異性体は、本明細書に記載の分子式の範囲内であることが意図される。
【0083】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、同位体的に標識化されており、1以上の原子が、通常自然に見つかる原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を持つ原子により置換されるという事実が無ければ、この化合物は、本明細書に提示の様々な式及び構造において列挙されたものと同じである。いくつかの実施形態において、1以上のハロゲン原子が、重水素で置換される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物の代謝部位は、重水素で置換されている。いくつかの実施形態において、重水素での置換は、例えば、インビボでの半減期の増加、又は必要投与量の減少のような、より大きな代謝的安定性の結果生じる特定の治療上の利点を与える。
【0084】
定義
特に明記しない限り、明細書と請求項を含む、この出願に用いられる次のような用語は、下記のように定義される。明細書と添付の請求項で使用されているように、単数形「a」、「an」、および「the」は、その内容が明確に違ったように指示されない限り、複数の指示物を含むということに留意しなければならない。本出願において、「又は」、或いは「及び」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含んでいる(including)」の使用は、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含まれる(included)」といった他の形態と同じく、制限はない。
【0085】
「アルコキシ」は、(アルキル)O-を表し、この場合アルキルは本明細書に定義されている。
【0086】
「アルキル」は、脂肪族炭化水素基を表す。アルキルは、飽和されていたり、または不飽和であったりし得る。1つの態様において、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびネオ−ペンチルから選択される。
【0087】
「シクロアルキル」は、環を形成する原子(即ち、骨格原子)の各々が炭素原子である、単環式脂肪族の、非芳香族のラジカルを表す。シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを含む。
【0088】
「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハライド」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0089】
「フルオロアルキル」は、1以上の水素原子がフッ素原子により置換されたアルキルを表す。1つの態様において、フルオロアルキルは、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CH2CF3 および-CF2CF3から選択される。
【0090】
「フルオロアルコキシ」は、(フルオロアルキル)O-を表し、フルオロアルキルは、本明細書で定義されるとおりである。
【0091】
「ヘテロアルキル」は、1以上のアルキルの骨格原子が、炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、リン又はそれらの組み合わせから選択されるアルキル基を表す。1つの態様において、ヘテロアルキルは、アルキルの1つの骨格原子が、酸素、窒素、または硫黄であるアルキル基を表す。別の態様において、ヘテロアルキルは、アルキルの1つの骨格原子が酸素であるアルキル基を表す。
【0092】
「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を表す。ヘテロシクロアルキルは、5員環または6員環である。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、環に少なくも1つのN原子を含む。ヘテロシクロアルキルは、オキサゾジニノリル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、およびピペラジニルを含む。
【0093】
「5員ヘテロアリール」は、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、チエニル、 イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、およびフラザニルを含む。1つの実施形態において、ヘテロアリールは、0〜3個のN原子を含む。
【0094】
「6員ヘテロアリール」は、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルを含む。
【0095】
用語「随意に置換された」又は「置換された」は、言及された基が、ハロゲン、-OH、CN、C1-C4アルキル、C1-C4フルオロアルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4フルオロアルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N (C1-C4アルキル)2およびC1-C4ヘテロアルキルから個別かつ独立的に選択される1以上のさらなる基(複数)で置換されることがあるということを意味する。いくつかの場合、言及された置換された基は、1または2個の上記の基で置換されている。例えば、いくつかの実施形態において、言及された置換された基は、ハロゲン、-OH、-CN、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-OCH3、-OCH2CH3および-OCF3から選択された少なくとも1つの基で置換されている。
【0096】
本明細書開示の化合物の「代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される化合物の誘導体を表す。用語「活性代謝物」は、化合物が代謝される時に形成される化合物の生物学的に活性な誘導体を表す。
【0097】
「PGD依存の」は、PGDの不存在下では生じないが、または同じ程度では生じない疾病又は障害を表す。「PGD媒介の」は、PGDの不存在下で生じることもあるが、PGDの存在下にも生じることがある疾病又は障害を表す。
【0098】
「有効な量」又は「治療上有効な量」は、本明細書に用いられるように、処置される疾患又は疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される薬剤又は化合物の十分な量を表す。任意の個体の場合における、適切で効果的な量は、用量漸増試験などの技術を使用して定められ得る。
【0099】
用語「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、及び「処置(treatment)」は、疾患又は疾病の症状を軽減、寛解、又は改善すること、更なる症状を予防すること、症状の根底にある代謝の原因を改善または予防すること、疾患又は疾病を抑制すること、例えば疾患又は疾病の進行を停止させること、疾患又は疾病を緩和すること、疾患又は疾病を退行させること、疾患又は疾病により生じる状態を緩和すること、または予防的に及び/もしくは治療的に、のいずれかで疾患又は疾病を止めることを含む。
【0100】
用語「被験体」又は「患者」は、哺乳動物及び非哺乳動物を含む。1つの実施形態において、「被験体」又は「患者」は、哺乳動物である。1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0101】
医薬組成物/製剤
適切な投与経路は、経口投与、静脈内投与、直腸投与、エアロゾル投与、非経口投与、経眼投与、経肺投与、経粘膜投与、経皮投与、膣内投与、経耳投与、経鼻投与、筋肉注射、皮下注射および局所投与を含むが、これらに限定されない。更に、ほんの一例ではあるが、非経口送達は、くも膜下腔内、直接脳室内、腹腔内、リンパ内、及び鼻腔内注入だけでなく、筋肉内、皮下、静脈内、髄内注入も含む。
【0102】
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、全身様式よりもむしろ局所様式で投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、急速放出製剤の形態、徐放製剤の形態、または中間体放出製剤の形態で提供される。また他の実施形態において、本明細書に記載の化合物は局所的に投与される。
【0103】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、医薬組成物へと処方される。具体的な実施形態において、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用可能な調製物に処理することを促進する賦形剤及び助剤を含む、1以上の生理学的に許容可能な担体を用いて、従来の方式で処方される。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。薬学的に許容可能なあらゆる技術、担体、及び賦形剤は、本明細書に記載の医薬組成物を処方するのに適したものとして使用される。文献「Remington:THE Science and Practice of Pharmacy、 Nineteenth Ed (Easton、Pa.:Mack Publishing Company、1995)」、「Hoover、John E.、Remington‘s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania 1975」、「Liberman、H.A.and Lachman、L.、Eds.、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980」、および「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)」参照。
【0104】
医薬組成物とは、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘安定剤、および/または賦形剤のような他の化学成分と、式(I)の化合物との混合物のことを言う。特定の実施形態において、医薬組成物は、哺乳動物への化合物の投与を容易にする。
【0105】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、経口投与のために処方される。本明細書に記載の化合物は、ほんの一例であるが、錠剤、粉剤、丸薬、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤などを含む、経口の投与形態で処方される。
【0106】
1つの実施形態において、式(I)の化合物は、水溶液中に処方される。特定の実施形態において、その水溶液は、ほんの一例であるが、ハンクス溶液、リンガー溶液のような生理的に適合する緩衝液、または生理的食塩水の緩衝液から選択される。
【0107】
他の実施形態において、式(I)の化合物は、粘膜投与のために処方される。特定の実施形態において、粘膜用製剤は、浸透すべきバリアにとって適切である浸透剤を含む。
【0108】
本明細書に記載の化合物が、他の非経口投与のために処方されるさらに他の実施形態において、適切な製剤は、水溶性または非水溶性の溶液を含む。
【0109】
特定の実施形態において、経口使用の医薬調製物は、一もしくはそれより多い固体の賦形剤を、本明細書中に記載されている一もしくはそれより多い化合物と混合することによって得られ、必要に応じて、錠剤または丸薬を得るために、結果的に得られた混合物を任意に粉砕し、適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理することで得られる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖類;例えばトウモロコシでん粉、小麦でん粉、米でん粉、ジャガイモでん粉、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、微晶質性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物;またはポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)、またはリン酸塩カルシウムなどのその他のもの、のようなフィラー(添加剤)である。具体的な実施形態において、崩壊剤は任意に加えられる。崩壊剤は、ほんの一例ではあるが、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸、あるいはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩を含む。
【0110】
経口投与形態は、また、ゼラチンおよびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤で作られた柔らかい、密封されたカプセルのみでなく、ゼラチン製の押し込み型(push-fit)カプセルを含む。具体的な実施形態において、押し込み型カプセルは、1以上のフィラーとの混合物内に活性成分を含む。フィラーは、ほんの一例ではあるが、ラクトース、でん粉などの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および任意に安定剤を含む。他の実施形態において、軟カプセル剤は、適切な液体中に溶解または懸濁された一もしくはそれより多い活性な化合物を含む。適切な液体は、ほんの一例ではあるが、一もしくはそれより多い脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールを含む。更に、安定剤(stabilizer)は任意に加えられる。
【0111】
更なる他の実施形態において、式(I)の化合物は局所的に投与される。局所的に投与可能な化合物は、溶液、懸濁剤、ローション剤、ゲル剤、ペースト剤、薬用スティック、バーム、クリーム、または軟膏を含む。
【0112】
他の実施形態において、式(I)の化合物は、吸入投与のために処方される。吸入投与に適した様々な形態は、エアロゾル、ミスト、または粉末を含むが、これら限定されない。
【0113】
医薬組成物における活性成分は、遊離酸形態もしくは遊離塩基形態、または薬学的に許容可能な塩の形態である。更に、本明細書中に記載されている方法および医薬組成物は、同じタイプの活性を備えるこれらの化合物の活性代謝物だけでなく、N-オキシド、結晶型(多形体としても知られている)の使用を含む。本明細書中に記載されている化合物の全ての互変異性体は、本明細書提示の化合物の範囲内に含まれる。更に、本明細書中に記載されている化合物は、水やエタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を有する溶媒和形態のみでなく、非溶媒和形態も含む。本明細書提示の化合物の溶媒和形態はまた、本明細書で開示されるとみなされる。更に、医薬組成物は、保存剤、安定剤、湿潤剤、もしくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調整する塩、緩衝剤、および/または他の治療的に役に立つ物質などの、他の医薬品または治療剤、担体、アジュバントを任意に含む。
【0114】
特定の実施形態において、本明細書中に記載されている化合物を含む組成物は、予防的および/または治療的処置のために投与される。特定の治療上の用途では、組成物は、既に疾患や疾病で苦しむ患者に、その疾患または疾病の症状を治し、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。このような使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、患者の健康状態、体重および薬への反応性、ならびに処置を行う医師の判断に左右される。治療上有効な量は、用量漸増臨床試験などを含むが、これらに限定されない方法により任意に定められる。
【0115】
予防的用途において、本明細書に記載の化合物を含む組成物は、特定の疾患、障害または疾病にかかりやすい患者、そうでなければ、それらのリスクのある患者に投与される。このような使用において、正確な量は、患者の健康状態、体重などに依存する。
【0116】
このような量に相当する所与の薬剤の量は、特定の化合物、処置を必要とする哺乳動物の疾患状態およびその重症度、アイデンティティ(例えば体重)などの要因次第で変わるが、それにもかかわらず、例えば投与される特定の薬剤、投与経路、処置される疾病、および処置される哺乳動物を含む症例を取り囲む特定の環境に応じて定めることができる。一般的に、成人の処置に利用される投与量は、典型的に1日当たり0.02〜5000mg、1日当たり0.5〜1500mgまたは1日当たり1〜500mgの範囲内にある。1つの実施形態において、投与量は、単回用量で、または適切な間隔、例えば1日に2回、3回、4回、またはそれ以上の下位投与量として投与される分割用量で、提示される。
【0117】
1つの実施形態において、本明細書中に記載されている式(I)の化合物に適切な1日の投与量は、体重1kgにつき約0.01〜約10mg/kgまでである。特定の実施形態において、経口投与に適切な単位剤形は、約1〜500mgの活性成分を含む。他の実施形態において、毎日の投与量又は剤形中の活性成分の量は、本明細書が示す範囲よりも低い、または高い。
【0118】
特定の例において、少なくとも1つの式(I)の化合物を、別の治療薬と組み合わせて投与することが適切である。併用療法において、多数の治療剤(その1つは、本明細書中に記載されている化合物の1つである)は、あらゆる順で、または同時に、投与される。投与が同時である場合、多数の治療剤は、ほんの一例ではあるが、単一の統一形態で、または多数形態で(例えば、単一丸薬として、または2つの別個の丸薬として)提供される。
【0119】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、慢性的に投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、間欠的に投与される(例えば、化合物が投与されないか、または減らした量で投与される時間の期間を含む休薬期間)。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、(a)式(I)の化合物の毎日の投与を含む第1期間と、その後の(b)投与される式(I)の化合物の毎日の量の減量を含む第2期間、を含むサイクルで投与される。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、第2期間に投与されない。いくつかの実施形態において、投与量のみでなく第1と第2の期間の持続期間も、本明細書に記載の方法または当該技術分野で公知の方法を使用して決定される。
【0120】
実施例
これらの実施例は、説明目的のみで提供され、本明細書中に提供される特許請求の範囲を限定しない。
【0121】
実施例1:スルホン化合物の調製のための一般的な酸化手順
CH2Cl2 (2mL)中のスルフィド化合物(0.06mmol)に、3-クロロペル安息香酸(0.027g、0.12mmol)を加え、反応を室温で攪拌下において20分間行った。混合物を濃縮し、調整用HPLCで精製し、スルホン化合物を得た。
【0122】
実施例2:スルホキシド化合物の調製のための一般的な酸化手順
CH2Cl2(2mL)中のスルフィド化合物(0.06mmol)に、3-クロロペル安息香酸(0.014g、0.06mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で20分間行った。混合物を濃縮し、調整用HPLCで精製し、スルホキシド化合物を得た。
【0123】
実施例3:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物1)の合成
工程1:[3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
EtOH(100mL)中の3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル酢酸(5.0g、27.4mmol)に、硫酸(1mL)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。分析用tlcによって出発物質が全く見られなくなると、溶液を濃縮し、高真空下で乾燥させ、(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステルを得た。1,4-ジオキサン中の、(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル(1当量)、2-フルオロ-5-ニトロベンズアルデヒド (1当量)、および炭酸カリウム(2当量)の溶液を、70℃で一晩加熱した。混合物をEtOAcとH2Oとの間で分割し、1Nの水溶性HClでpH1まで酸化し、その後、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、そして濃縮し、残滓をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン勾配中のEtOAc)で精製し、表題の化合物を得た。
【0124】
工程2:[3-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
メタノール中の[3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル (1 当量)に、水素化ホウ素ナトリウム(1.2当量)を加え、反応を、室温で攪拌下で15分間行った。それから、その混合物を濃縮し、EtOAcとH2Oとの間で分割した。水層を分離し、EtOAcで抽出し、組み合わせた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、それから濃縮し、表題の化合物を得た。
【0125】
工程3:[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
DME中の [3-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル (15.14g、 41.9mmol) の溶液に、三臭化リン (5.92mL、 62.8mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で一晩行った。0℃まで冷却した後、混合物を飽和した水溶性NaHCO3でクエンチし、EtOAcで抽出した。組み合わせた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、それから濃縮して、表題の化合物を得た。
【0126】
工程4;{4-メトキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステル
0℃で、1,4-ジオキサン(40mL)中の [3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル (2.0g、 4.72mmol)と2,2,2-トリフルオロエタンチオール (0.46mL、 5.18mmol)に、水素化ナトリウム (鉱油中60%; 0.207g、 5.18mmol)を加え、反応を0℃で攪拌下で30分間行った。混合物を、EtOAcとH2Oとの間で分割した。水層を分離し、酸化させ、その後、EtOAcで抽出した。有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、濃縮して、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0127】
工程5:{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル
EtOH (30mL)中の{4-メトキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステル(1.46g、 3.18mmol)、塩化鉄(III)(0.026g、0.16mmol)、1,1-ジメチルヒドラジン(1.69mL、22.27mmol)およびDARCO (0.300g)の溶液を、65℃で一晩攪拌した。混合物を、EtOAcとH2Oとの間で分割し、EtOAcで3回抽出した。組み合せた有機層を、H2Oとブラインで洗浄し、それからMgSO4を介して一晩乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残滓をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン勾配中のEtOAc)で精製し、表題の化合物を得た。
【0128】
工程6:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル
CH2Cl2中の{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル(0.200g、 0.47mmol) とトリエチルアミン (0.08mL、 0.56mmol) に、4-クロロベンゾイルクロライド (0.07mL、 0.56mmol)を加え、 反応を室温で攪拌下で1時間行った。混合物を濃縮し、加水分解工程に直接使用した。
【0129】
工程7:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸
MeOHとH2O中の{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル(0.47mmol)に、1Nの水溶性の水酸化リチウムを加えた。反応を65℃で攪拌下で一晩行い、その後、酸化し、EtOAcで抽出した。組み合せた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残滓を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0130】
実施例3の手順の後に、{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを、以下と反応させた。
【0131】
−塩化ピバロイルと反応させ、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物2)にした。
【0132】
−イソシアン酸ベンジルと反応させ、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、 これを加水分解し、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物3)にした。
【0133】
−シクロプロパンカルボニルクロライドと反応させ、{3-[4-(シクロプロパンカルボニル-アミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[4-(シクロプロパンカルボニル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物14)にした。
【0134】
−イソブチリルクロライドと反応させ、{3-[4-イソブチリルアミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、 {3-[4-イソブチリルアミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物15)にした。
【0135】
−tert-ブチルアセチルクロライドと反応させ、{3-[4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物16)にした。
【0136】
−3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドと反応させ、{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(3-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(3-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物68)にした。
【0137】
−4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドと反応させ、{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物69)にした。
【0138】
−ニコチノイルクロライドヒドロクロライドと反応させ、{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物70)にした。
【0139】
−イソニコチノイルクロライドヒドロクロライドと反応させ、{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-4-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-4-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物71)にした。
【0140】
実施例4:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物4)の合成
実施例3、工程4に記載の手順の後、{3-[2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-4-ニトロ-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルと4-クロロベンゼンチオールから得た。その後、実施例3、工程5に従って、{3-[2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-4-ニトロ-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを還元して、{3-[4-アミノ-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルにした。そのアミンを、実施例3、工程6の手順に従って、4-クロロベンゾイルクロライドで処理し、{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。実施例3、工程7に記載の手順に従ったエステルの加水分解によって、その酸を得た。
【0141】
実施例3に記載の手順の後、{3-[4-アミノ-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを以下と反応させた。
【0142】
−塩化ピバロイルと反応させ、{3-[2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物5)にした。
【0143】
−イソシアン酸ベンジルと反応させ、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-(4-クロロ-フェニルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物6)にした。
【0144】
実施例5: {3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物7)の合成
工程1: [3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよび2-メチル-2-プロパンチオールを使用して、実施例3、工程4に記載の手順に従って調製した。
【0145】
工程2: [3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを使用して、実施例3、工程5に記載の手順に従って調製した。
【0146】
工程3:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよび塩化ピバロイルを使用して、実施例3、工程6に記載の手順に従って調製した。
【0147】
工程4:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸
以下の出発物質:3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを使用して、実施例3、工程7に記載の手順に従って調製した。
【0148】
実施例3に記載の手順に従って、3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを、以下と反応させた。
【0149】
−4-クロロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物8)にした。
【0150】
−イソシアン酸ベンジルと反応させ、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物13)にした。
【0151】
−シクロプロパンカルボニルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物35)にした。
【0152】
−イソブチリルクロライドと反応させ、[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノフェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物36)にした。
【0153】
−tert-ブチルアセチルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物37)にした。
【0154】
−ベンゾイルクロライドと反応させ、[3-(4-ベンゾイルアミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、[3-(4-ベンゾイルアミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物58)にした。
【0155】
−3-フルオロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物62)にした。
【0156】
−4-フルオロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物63)にした。
【0157】
−2-フルオロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物64)にした。
【0158】
−2,4-ジクロロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,4-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,4-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物65)にした。
【0159】
−3,5-ジクロロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物66)にした。
【0160】
−3,5-ジフルオロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジフルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジフルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物67)にした。
【0161】
−ダンシルクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-スルホニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル(粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した)を得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-スルホニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物72)にした。
【0162】
実施例6:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物9)の合成
[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.4g、0.94mmol)、2-プロパンチオール(0.11mL、 1.13mmol)、および水素化ナトリウム(鉱油中60%;0.05g、1.13mmol)を、1,4-ジオキサン中で混合し、室温で30分間攪拌した。その混合物をワークアップし(worked-up))、[3-(2-イソプロピルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、その後、これを、実施例3、工程5に記載のように、アミンまで還元し、[3-(4-アミノ-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得た。その後、アミンを、実施例3、工程6に従って塩化ピバロイルで処理して、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを、実施例3、工程7に記載の手順に従って加水分解し、その酸を得た。
【0163】
実施例7: {3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物10)の合成
{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸を使用して、実施例1に記載の手順に従って調製した。
【0164】
実施例8:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物11)の合成
{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸を使用して、実施例2に記載の手順に従って調製した。
【0165】
実施例9:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルホニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物 12)の合成
{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸を使用して、実施例1に記載の手順に従って調製した。
【0166】
実施例10:[3-(2-ベンジルスルファニルメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸の合成
工程1:[3-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル (0.75g、 4.8mmol)、 5-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド (1.0g、4.8mmol)および炭酸カリウム (1.0g、7.5mmol)を、 1,4-ジオキサン (30mL)中で混合し、100℃まで3日間加熱した。ワークアップの後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0−20%のEtOAc)によって精製し、表題の化合物を得た。
【0167】
工程2: [3-(4-クロロ-2-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
MeOH(30mL)中の[3-(4-クロロ-2-ホルミル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.9g、2.6mmol)に、水素化ホウ素ナトリウム(0.11g、2.9mmol)を加え、混合物を室温で10分間攪拌した。混合物をワークアップし、表題の化合物を得た。
【0168】
工程3:[3-(2-ブロモメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
DME中の[3-(4-クロロ-2-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル (0.9g、2.6mmol)に、三臭化リン(0.37mL、3.9mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で3時間行った。混合物をワークアップし、表題の化合物を得た。
【0169】
工程4:[3-(2-ベンジルスルファニルメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
1、4-ジオキサン (10mL)中の[3-(2-ブロモメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.15g、0.36mmol)およびベンジルメルカプタン(0.06mL、0.4mmol)に、水素化ナトリウム (鉱油中60%;0.05g、1.25mmol) を加え、反応を室温で攪拌下で1時間行った。ワークアップの後、粗製材料を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0170】
工程5:[3-(2-ベンジルスルファニルメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸
[3-(2-ベンジルスルファニルメチル-4-クロロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを、MeOHとH2O中で水酸化リチウムを用いて加水分解し、表題の化合物を得た。
【0171】
実施例11:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物17)の合成
工程1:[4-メトキシ-3-(4-ニトロ-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよびチオフェノールを使用して、実施例10、工程4に記載の手順に従って、調製した。
【0172】
工程2:[3-(4-アミノ-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
[4-メトキシ-3-(4-ニトロ-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.4g、0.9mmol)および塩化スズ(II)(0.6g、2.7mmol)を、EtOH(20mL)中で混合し、70℃で一晩攪拌した。CH2Cl2、H2O、および炭酸水素ナトリウムを加え、その混合物を、セライトを介してろ過した。有機層を分離し、濃縮し、表題の化合物を得た。
【0173】
工程3:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル
[3-(4-アミノ-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.4g、0.9mmol)およびトリエチルアミン(1mL)を、CH2Cl2 (10mL)中で混合した。4-クロロベンゾイルクロライド (0.29mL、2.3mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で20分間行った。混合物を濃縮し、表題の化合物を得、これを、加水分解工程で直接使用した。
【0174】
工程4:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸
{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸 エチルエステル(0.9mmol)に、水酸化リチウム (0.3g)、H2O (5mL)、およびMeOH(20mL)を加えた。反応を60℃で攪拌下で行い、その後ワークアップし、調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0175】
実施例12:{3-[2-ベンジルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物18)の合成
実施例10に関して記載されるように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよびベンジルメルカプタンを反応させ、[3-(2-ベンジルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、これを、[3-(4-アミノ-2-ベンジルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルまで還元し、その後、4-クロロベンゾイルクロライドで処理して、{3-[2-ベンジルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。このエステルを加水分解し、化合物18を得た。
【0176】
実施例13:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(5-メチル-[1,3,4]チアジアゾル2-イルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物19)の合成
実施例10に関して記載されたように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸 エチルエステルおよび5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2-チオールを反応させ、{4-メトキシ-3-[2-(5-メチル-[1,3,4]チアジアゾル2-イルスルファニルメチル)-4-ニトロ-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを形成し、これを、{3-[4-アミノ-2-(5-メチル-[1,3,4]チアジアゾル2-イルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルまで還元し、その後、4-クロロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(5-メチル-[1,3,4]チアジアゾル2-イルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを加水分解し、化合物19を得た。
【0177】
実施例14:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物20)の合成
[3-(2-イソプロピルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを、実施例11、工程2に記載の手順に従ってアミンまで還元した。そのアミンを、4-クロロベンゾイルクロライドと反応させ、{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを、実施例11、工程4に概説したように加水分解し、その酸を得た。
【0178】
実施例15:[3-(4-ブロモ-2-ブロモメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルの合成
工程1:(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル
EtOH(100mL)中の3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル酢酸(5.0g、23.8mmol)に、硫酸(1mL)を加え、反応を室温で攪拌下で一晩行った。出発物質が分析用tlcで全く見られなると、混合物を濃縮し、所望の生成物を得た。
【0179】
工程2: [3-(4-ブロモ-2-ホルミル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステル(2.0g、9.5mmol)、5-ブロモ-2-フルオロベンズアルデヒド(2.0g、9.5mmol)、および炭酸カリウム (2.0g、14.3mmol)を、1,4-ジオキサン中で混合し、90℃まで一晩加熱した。ワークアップの後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0−25%のEtOAc)で精製し、所望の生成物(1.8g)を得た。
【0180】
工程3:[3-(4-ブロモ-2-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(4-ブロモ-2-ホルミル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを使用して、実施例10、工程2に記載の手順に従って調製した。
【0181】
工程4:[3-(4-ブロモ-2-ブロモメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(4-ブロモ-2-ヒドロキシメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを使用して、実施例10、工程3に記載の手順に従って調製した。
【0182】
工程5: [3-(4-ブロモ-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
[3-(4-ブロモ-2-ブロモメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.4g、0.87mmol)および2-プロパンチオール(0.08g、1.0mmol)を、1、4-ジオキサン(20mL)中で混合した。水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.04g、1.0mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で20分間行った。その混合物をワークアップし、表題の化合物を得た。
【0183】
実施例16:{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物21)および{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物22)の合成
CH2Cl2(20mL)中の{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(0.17g、0.34mmol)に、3-クロロペル安息香酸(77%;0.076g、0.34mmol)を加え、反応を、室温で攪拌下で10分間行った。さらなる3-クロロペル安息香酸 (77%; 0.025g、0.11mmol)を加え、スルホン生成物の生成を増やし、その後、混合物を濃縮し、調整用HPLCで精製し、表題のスルホキシドとスルホンの化合物を得た。.
【0184】
実施例17:{3-[2-ベンゼンスルフィニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物 23)および{3-[2-ベンゼンスルホニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物 24)の合成
CH2Cl2 (3mL)中の{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(0.16mmol)に、3-クロロペル安息香酸(77%;0.036g、0.16mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で1時間行った。混合物を濃縮し、調整用HPLCで精製し、表題のスルホキシドとスルホンの化合物を得た。
【0185】
実施例18:[3-(4-エチルカルバモイル2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物25)の合成
工程1:[3-(4-ブロモ-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
1,4-ジオキサン中の[3-(4-ブロモ-2-ブロモメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよび2-プロパンチオールに、水素化ナトリウム(鉱油中60%)を加え、反応を室温で攪拌下で1時間行った。ワークアップの後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0−20%のEtOAc)で精製し、表題の化合物を得た。
【0186】
工程2:4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸メチルエステル
[3-(4-ブロモ-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.5g、1.1mmol)およびトリエチルアミン(0.5mL)を、DMF(10mL)およびMeOH(10mL)に溶解させ、N2を用いて10分間脱気した。[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.09g、0.11mmol)を加え、その後、一酸化炭素をその溶液中に10分間バブルした。一酸化炭素雰囲気下で(under a balloon of carbon monoxide)、反応を65℃で攪拌下で一晩行い、その後濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0187】
工程3: 4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸
4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸メチルエステル(0.5g、1.16mmol)およびソディウムメチルチオレート(0.16g、2.3mmol)をDMF(20mL)中で混合し、65℃で1時間攪拌した。酸性のワークアップの後、粗製材料を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0188】
工程4:[3-(4-エチルカルバモイル2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸 エチルエステル
CH2Cl2(10mL)とDMF (1滴)中の4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸(0.07g、0.17mmol) に、オキサリルクロライド(0.04mL、 0.5mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で30分間行った。乾燥状態まで濃縮した後、エチルアミン(THF中2M;0.25mL、0.5mmol)を加え、その後、CH2Cl2(10mL)および-ジイソプロピルエチルアミン(0.5mL)を加え、反応を、室温で攪拌下で15分間行った。混合物をワークアップし、表題の化合物を得た。
【0189】
工程5:[3-(4-エチルカルバモイル2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸
以下の出発物質:[3-(4-エチルカルバモイル2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルを使用して、実施例11、工程4に記載の手順に従って調製した。
【0190】
実施例19:{3-[4-(4-クロロ-ベンジルカルバモイル)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物26)の合成
実施例18、工程4に記載の手順の後で、{3-[4-(4-クロロ-ベンジルカルバモイル)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを、4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸および4-クロロベンジルアミンから得た。そのエステルを、実施例11、工程4に記載の手順に従って加水分解し、その酸を得た。
【0191】
実施例20:(3-{4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチルカルバモイル]-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(化合物27)の合成
実施例18、工程4に記載の手順の後で、3-{4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチルカルバモイル]-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステルを、4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-3-イソプロピルスルファニルメチル-安息香酸および4-フルオロフェンエチルアミン(fluorophenethylamine)から得た。そのエステルを、実施例11、工程4に記載の手順に従って加水分解して、その酸を得た。
【0192】
実施例21:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物 28)の合成
工程1:1-ベンジルオキシ-3-ブロモ-5-クロロ-ベンゼン
NMP (200mL)中の1-ブロモ-3-クロロ-5-フルオロベンゼン (25g、112mmol)およびベンジルアルコール (25mL、239mmol)に、水素化ナトリウム (鉱油中60%;10.5g、263mmol)を室温で加え、反応物を120℃まで10時間加熱した。混合物を10%の水溶性HClで酸化し、EtOAcで抽出し、表題の化合物を得た。
【0193】
工程2:2-(3-ベンジルオキシ-5-クロロ-フェニル)-マロン酸ジメチルエステル
0℃、N2下で、1,4-ジオキサン(300mL)中の1-ベンジルオキシ-3-ブロモ-5-クロロ-ベンゼン(31g、101.7mmol)、-ジメチルマロナート(25.7mL、223.8mmol)、および臭化銅(I) (32g、223.8mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%;9g、223.9mmol)を少しずつ加えた。10分後、反応物を100℃まで加熱し、6時間攪拌した。出発物質が残っていることが分析用LCMSで明らかになると、反応を、100℃で攪拌下で24時間行った。50%の水溶性NH4OH(1L)を加え、固体を粉砕し、混合物を、CH2Cl2 (総量3L)で3回抽出した。有機層をブラインで洗浄した後、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0194】
工程3:(3-ベンジルオキシ-5-クロロ-フェニル)-酢酸メチルエステル
DMSO:H2O (10:1;200mL)中の2-(3-ベンジルオキシ-5-クロロ-フェニル)-マロン酸ジメチルエステル(21g、60.2mmol)と塩化チリウム(3.06g、72.2mmol)の混合物を、150℃で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、H2O (500mL)を加え、混合物をEtOAc:ヘキサン (1:10;総量1.5L)で抽出し、表題の化合物を得た。
【0195】
工程4:(3-クロロ-5-ヒドロキシ-フェニル)-酢酸メチルエステル
0℃で、CH2Cl2(100mL)中の(3-ベンジルオキシ-5-クロロ-フェニル)-酢酸メチルエステル(8g、28mmol)に、三臭化ホウ素(CH2Cl2中1M;56mL、56mmol)を加えた。反応混合物を、室温まで30分間にわたって温め、2時間攪拌した。出発物質が分析用LCMSおよびtlcで全く見られなくなると、混合物を0℃まで冷却し、H2O(50mL)でクエンチした。容量を減らし、残滓をEtOAc(500mL)で希釈した。固体物質をろ過し、有機層を分離し、濃縮した。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0196】
工程5:[3-クロロ-5-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸メチルエステル
(3-クロロ-5-ヒドロキシ-フェニル)-酢酸メチルエステル (2.9g、14.5mmol)、2-フルオロ-5-ニトロベンズアルデヒド(2.7g、15.9mmol)、および炭酸カリウム (4.0g、28.9mmol)を、1,4-ジオキサン(20mL)中で混合し、100℃で一晩攪拌した。出発物質が分析用LCMSおよびtlcで全く見つけられなくなると、混合物をEtOAcと10%の水溶性HClでワークアップし、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0197】
工程6:[3-クロロ-5-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸メチルエステル
MeOH(30mL)中の[3-クロロ-5-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸メチルエステル(3.7g、10.6mmol)に、水素化ホウ素ナトリウム(0.52g、13.8mmol)を加え、反応を、室温で攪拌下で20分間行った。EtOAcとH2Oでワークアップした後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0198】
工程7:[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステル
DME (20mL)中の[3-クロロ-5-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸メチルエステル(2.4g、6.8mmol)の溶液に、三臭化リン(0.97mL、10.2mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で1時間行った。EtOAcとH2Oでワークアップした後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0199】
工程8: {3-クロロ-5-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル
1,4-ジオキサン(6mL)中の[3-(2-クロモメチル(cromomethyl)-4-ニトロ-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステル(0.5g、1.25mmol)と 2,2,2-トリフルオロエタンチオール(0.13mL、1.38mmol)に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.055g、1.38mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で一晩行った。EtOAcと10%の水溶性HClでワークアップした後、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0200】
工程9:{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸メチルエステル
{3-クロロ-5-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.07g、0.16mmol)、1,1-ジメチルヒドラジン(0.08mL、1.09mmol)、塩化鉄(III)(0.003g、0.02mmol)、およびDARCO (0.016g)を、EtOH中で混合し、65℃で30時間攪拌した。EtOAcと10%の水溶性HClでワークアップした後、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0201】
工程10:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル
CH2Cl2(2mL)中の{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.058g、0.14mmol)の溶液に、トリエチルアミン (0.04mL、0.28mmol)を加え、次いで塩化ピバロイル(0.02mL、0.17mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で10分間行った。CH2Cl2およびH2Oでワークアップした後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0202】
工程11:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸
THF:H2O:MeOH (2:1:2;2mL)中の{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル (0.038g、0.08mmol)に、1Nの水溶性水酸化リチウムを加え、混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を、10%の水溶性HClでpH5まで酸化し、EtOAcで抽出した。粗製材料を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0203】
実施例22:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルホニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物29)の合成
CH2Cl2 (5mL)中の{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(0.02g、0.04mmol) に、3-クロロペル安息香酸(77%; 0.046g、0.2mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で3時間行った。CH2Cl2およびH2Oでワークアップした後、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物を得た。
【0204】
実施例23:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物30)の合成
実施例21、工程8([3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステルと2-プロパンチオールから始める)、実施例21、工程9、および実施例21、工程10 (塩化ピバロイルを用いる)に記載の手順の後で、{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。実施例21、工程11に記載の手順に従って、そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0205】
実施例24:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物31)の合成
CH2Cl2 (3mL)中の{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.05g、0.29mmol)に、3-クロロペル安息香酸(77%;0.12g、1.45mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で1時間行った。EtOAcおよびブラインでワークアップした後、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。実施例21、工程11に記載の手順に従って、そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0206】
実施例25:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物32)の合成
NMP (20mL)中のベンジルアルコール(1.1g、10mmol)に、水素化ナトリウム (鉱油中60%;0.44g、11mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。その後、混合物を、3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(1g、4.5mmol)を含むバイアルに加え、反応を120℃で攪拌下で3時間行った。酸化のワークアップにより、表題の化合物である(3-ベンジルオキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸を得た。
【0207】
EtOH (30mL)中の(3-ベンジルオキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸 (1.5g、5.4mmol)に、硫酸 (1mL)を加え、混合物を室温で一晩攪拌した。出発物質が、分析用LCMSで全く見られなると、反応物をワークアップし、(3-ベンジルオキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸エチルエステルを得た。
【0208】
(3-ベンジルオキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸エチルエステル(1.7g、5.6mmol)を、EtOH (30mL)中に溶解し、N2で脱気した。5%のパラジウム炭素(1g)を加え、反応物をH2でパージし、その後、H2雰囲気下で50℃で一晩攪拌した。混合物をろ過し、濃縮し、(3-ヒドロキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸エチルエステルを得た。
【0209】
(3-ヒドロキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-酢酸エチルエステルおよび2-フルオロ-5-ニトロベンズアルデヒドを、実施例21、工程5に記載の手順に従って反応させ、[3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-トリフルオロメチル-フェニル]-酢酸エチルエステルを得た。
【0210】
[3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-トリフルオロメチル-フェニル]-酢酸エチルエステルを、実施例21、工程6に記載の手順に従って、[3-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-トリフルオロメチル-フェニル]-酢酸エチルエステルまで還元し、その後、実施例21、工程7に記載のように臭素付加し、その後、2,2,2-トリフルオロエタンチオールで処理して、3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのアミンを実施例21、工程9に記載のように還元し、その後実施例21、工程10のように塩化ピバロイルで処理し、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを、実施例21、工程11に記載のように加水分解し、その酸を得た。
【0211】
実施例26:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルホニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物 33)の合成
{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸エチルエステルを用いて、実施例24に記載の手順に従って調製した。
【0212】
実施例27:{3-[4-[(2,2-ジメチル-プロピオニル)-メチル-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物34)の合成
MeCN(3mL)中の{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(0.128g、0.26mmol)に、ヨードメタン(0.03mL、0.53mmol)を加え、その後、水素化ナトリウム(鉱油中60%;0.021g、0.53mmol)を加えた。反応を室温で攪拌下で行ったため、出発物質だけが分析用LCMSで見られたら、反応物を、60℃まで2時間加熱し、その後、室温で冷却し、N2下で2日間攪拌した。その混合物を、加水分解工程に直接使用した。MeCN中の{3-[4-[(2,2-ジメチル-プロピオニル)-メチル-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.26mmol)の溶液に、H2O、MeOHおよび水酸化リチウムを加え、反応物を65℃まで1時間加熱し、表題の化合物を得た。
【0213】
実施例28:{4-メトキシ-3-[4-(2-オキソ-オキサゾリジン-3-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物38)の合成
工程1:{3-[4-(2-クロロ-エトキシカルボニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルおよび2-クロロエチルクロロフォルマートを使用して、実施例3、工程6に記載の手順に従って調製した。
【0214】
工程2:{4-メトキシ-3-[4-(2-オキソ-オキサゾリジン-3-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸
EtOH (5mL)中の{3-[4-(2-クロロ-エトキシカルボニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル(0.100g、0.19mmol)に、ナトリウムエトキシド(EtOH中21重量%;4.61mL、0.37mmol)を加え、反応を65℃で攪拌下で一晩行った。混合物を、EtOAcとH2Oとの間で分割し、水層をEtOAcで抽出した。組み合せた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、濃縮し、残滓を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0215】
実施例29:[3-(4-tert-ブチルカルバモイル-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物39)の合成
工程1:[3-(4-ブロモ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
以下の出発物質:[3-(4-ブロモ-2-ブロモメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよび2-メチル-2-プロパンチオールを使用して、実施例15、工程5に記載の手順に従って調製した。
【0216】
工程2:3-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-安息香酸
[3-(4-ブロモ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル (2.0g、4.3mmol) およびトリエチルアミン (5.9mL、43mmol) を、H2O (5mL) およびDMF (50mL)中で混合し、一酸化炭素で20分間脱気した。[1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.35g、0.43mmol)を加え、反応物を80℃まで4時間加熱した。混合物を酸化し、EtOAcで抽出し、表題の化合物を得た。
【0217】
工程3:[3-(4-tert-ブチルカルバモイル-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル
3-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-安息香酸(0.2g、0.46mmol)、tert-ブチルアミン(0.15mL、13.9mmol)、1-エチル-3-(3’‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.11g、0.55mmol)、およびN-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.074g、0.55mmol)を、CH2Cl2 (8mL)中で混合し、混合物を一晩攪拌した。混合物を、濃縮し、調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0218】
工程4:[3-(4-tert-ブチルカルバモイル-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸
[3-(4-tert-ブチルカルバモイル-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸エチルエステル(0.46mmol)を、60℃で、MeOHとH2O中で、水酸化リチウムで20分間処理し、表題の化合物を得た。
【0219】
実施例29に概説する手順の後で、3-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-エトキシカルボニルメチル-2-メトキシ-フェノキシ)-安息香酸を、以下と反応させた。
【0220】
−2-アミノアセトフェノンヒドロクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-オキソ-2-フェニル-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-オキソ-2-フェニル-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物40)にした。
【0221】
−1-(4-フルオロフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミンと反応させ、(3-{2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルカルバモイル]-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、(3-{2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルカルバモイル]-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(化合物41)にした。
【0222】
−ピペリジンと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(ピペリジン-1-カルボニル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(ピペリジン-1-カルボニル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物42)にした。
【0223】
−5-アミノ-2-メトキシピリジンと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物43)にした。
【0224】
−2,2,2-トリフルオロエチルアミンヒドロクロライドと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2,2-トリフルオロ-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2,2-トリフルオロ-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物44)にした。
【0225】
−N-メチルイソプロピルアミンと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(イソプロピル-メチル-カルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(イソプロピル-メチル-カルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物45)にした。
【0226】
−ネオペンチルアミンと反応させ、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これを加水分解し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物46)にした。
【0227】
実施例30:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物47)の合成
[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステルおよび2-メチル-2-プロパンチオールを用いて、実施例21、工程8に記載の手順に従って、[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステルを調製し、これを、実施例21、工程9に記載のように、[3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-5-クロロ-フェニル]-酢酸メチルエステルに還元した。そのアミンを、実施例21、工程10に記載のように、塩化ピバロイルで処理し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。そのエステルを、実施例21、工程11に概説したように加水分解し、その酸を得た。
【0228】
実施例31:{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物48)の合成
{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸を用いて、実施例22に記載の手順に従って調製した。
【0229】
実施例32:{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物49)の合成
{4-メトキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸 エチルエステル (1.5g、3.6mmol)を、100℃で、酢酸 (1:1;20mL)中で、48%の臭化水素で一晩処理した。EtOAcとH2Oでワークアップした後、粗製材料を、調整用HPLCで精製し、{4-ヒドロキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸を得た。
【0230】
{4-ヒドロキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(3.6mmol)および塩化水素 (1,4-ジオキサン中4N)を、EtOH中で混合し、80℃で3時間攪拌した。乾燥状態まで濃縮した後、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{4-ヒドロキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0231】
{4-ヒドロキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.40g、0.92mmol)、クロロジフルオロ酢酸ナトリウム(0.282g、1.86mmol)、および炭酸カリウム (0.14g、1.02mmol)をDMF:H2O (8.5:1;4.6mL)中で混合し、N2で15分間脱気した。その後、反応を、100℃で攪拌下で4時間行った。EtOAcと1Nの水溶性HClでワークアップした後、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0232】
{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを、実施例21、工程9に記載のように、{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ジフルオロメトキシ-フェニル}-酢酸メチルエステルまで還元し、これを、実施例21、工程10に記載のように塩化ピバロイルで処理し、{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。実施例21、工程11に記載のように、そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0233】
実施例33:{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルホニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物50)の合成
{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸を用いて、実施例22に記載の手順に従って調製した。
【0234】
実施例34:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メチル-フェニル}-酢酸(化合物 51)の合成
DMF (10mL)中の{4-ヒドロキシ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸 メチルエステル(0.50g、1.16mmol)に、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルフォンイミド) (0.455g、1.27mmol)および炭酸セシウム(0.755g、2.32mmol)を加え、反応を室温で攪拌下で2時間行った。EtOAc およびH2Oによるワークアップの後、粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0235】
{3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-フェニル}-酢酸メチルエステル (0.20g、0.35mmol)、トリメチルボロキシン(0.07mL、0.53mmol)、炭酸カリウム (0.123g、0.89mmol)、および テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) (0.041g、0.035mmol) を、DME:H2O (2:1;4mL)中で混合し、N2 で 8分間脱気した。反応を、90℃で攪拌下で2時間行い、その後、EtOAcと10%の水溶性HClでワークアップした。残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{4-メチル-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0236】
実施例21に関して記載された手順の後で、{4-メチル-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを、{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メチル-フェニル}-酢酸メチルエステルまで還元し、その後、塩化ピバロイルで処理し、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メチル-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0237】
実施例35: {4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物 52)の合成
0℃でNMP(50mL)中の4-クロロ-3-フルオロフェニル酢酸(5g、26.5mmol)およびベンジルアルコー(5.5mL、53.0mmol)に、水素化ナトリウム (鉱油中60%;2.3g、58.3mmol)を加え、その後反応物を120℃まで加熱し、一晩攪拌した。混合物を、pH4まで酸化し、EtOAcで抽出し、(3-ベンジルオキシ-4-クロロ-フェニル)-酢酸を得た。
【0238】
EtOH(100mL)中で(3-ベンジルオキシ-4-クロロ-フェニル)-酢酸(8g)を、塩化水素 (1,4-ジオキサン中4N;6mL)で80℃で3時間処理した。乾燥状態まで濃縮した後、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し,(3-ベンジルオキシ-4-クロロ-フェニル)-酢酸エチルエステルを得た。
【0239】
(3-ベンジルオキシ-4-クロロ-フェニル)-酢酸エチルエステルを、実施例21、工程4に概説したように処理し、(4-クロロ-3-ヒドロキシ-フェニル)-酢酸エチルエステルを得た。
【0240】
(4-クロロ-3-ヒドロキシ-フェニル)-酢酸エチルエステルを、実施例21、工程5に概説したように、2-フルオロ-5-ニトロベンズアルデヒドと反応させ、[4-クロロ-3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステルを得た。
【0241】
[4-クロロ-3-(2-ホルミル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステルを、実施例21、工程6に記載のように、[4-クロロ-3-(2-ヒドロキシメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステルまで還元し、その後、実施例21、工程7に概説したように、臭素付加し、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得た。
【0242】
実施例21、工程8に記載のように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルを、2-プロパンチオールで処理し、[4-クロロ-3-(2-イソプロピルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、これを、実施例21、工程9に記載のように、[3-(4-アミノ-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルまで還元した。そのアミンを、実施例21、工程10に記載のように塩化ピバロイルで処理し、{4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを、実施例21、工程11に記載のように加水分解し、その酸を得た。
【0243】
実施例36:{4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物53)の合成
実施例21に関して記載されたように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸 エチルエステルと2,2,2-トリフルオロエタンチオールを反応させ、{4-クロロ-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得、これをアミンまで還元し、その後、塩化ピバロイルで処理し、{4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0244】
実施例37:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物54)の合成
実施例21に関して記載されたように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-トリフルオロメチル-フェニル]-酢酸エチルエステルと2-プロパンチオールを反応させ、[3-(2-イソプロピルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-5-トリフルオロメチル-フェニル]-酢酸エチルエステルを得た。アミンまで還元し、その後、そのアミンを塩化ピバロイルで処理し、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0245】
実施例38:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ビニル-フェニル}-酢酸(化合物 55)および{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-エチル-フェニル}-酢酸(化合物56)の合成
{3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-トリフルオロメタンスルホニルオキシ-フェニル}-酢酸 メチルエステル(0.920g、1.63mmol)、(トリメチルシリル)アセチレン(0.34mL、2.45mmol)、-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) (0.1155、0.16mmol)、およびヨウ化銅(I)(0.031g、0.16mmol)を、トリエチルアミン(8mL)中で混合し、5分間脱気した。反応物を8時間加熱し、その後、CH2Cl2およびH2Oでワークアップした。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-トリメチルシラニルエチニル-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0246】
THF (3mL)中の{3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-トリメチルシラニルエチニル-フェニル}-酢酸 メチルエステル (0.410g、0.8mmol)に、テトラブチルアンモニウムフルオライド(THF中1M;1.2mL、1.2mmol)を加え、反応を、室温で攪拌下で30分間行った。出発物質が分析用tlcで全く見られなくなると、混合物をEtOAcとH2Oでワークアップし、残滓をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、{4-エチニル-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステルを得た。
【0247】
{4-エチニル-3-[4-ニトロ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸メチルエステル(0.170g、0.39mmol)を、パール装置を用いて、EtOH中で50psi H2下で10%のパラジウム炭素で一晩水素付加した。混合物を、セライトを介してろ過し、ろ液を濃縮して、1:1の{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ビニル-フェニル}-酢酸メチルエステルと{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-エチル-フェニル}-酢酸メチルエステルの混合物を得た。
【0248】
実施例21に記載の手順の後で、{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ビニル-フェニル}-酢酸メチルエステルおよび{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-エチル-フェニル}-酢酸メチルエステルを、1:1の{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ビニル-フェニル}-酢酸メチルエステルと{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-エチル-フェニル}-酢酸メチルエステルの混合物を塩化ピバロイルと反応させることによって得た。その2つのアミドを、クロマトフラフィーで分離した。そのエステルを加水分解して、その酸を得た。
【0249】
実施例39:{4-メトキシ-3-[4-(2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物 57)の合成
{3-[4-アミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステルおよび2-クロロエチルイソシアネートを、実施例3、工程6に関して記載されたように反応させた。粗製材料を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
【0250】
ナトリウムエトキシド (20%wt/v;2.27mL、0.187mmol)を、EtOH (5mL)中の{3-[4-[3-(2-クロロ-エチル)-ウレイド]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸エチルエステル(0.050g、0.094mmol)の溶液に加えた。反応を、65℃で攪拌下で一晩行い、その後、EtOAcとH2Oとの間で分割した。水層を、EtOAcで抽出し、組み合せた有機層を、MgSO4を介して乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残滓を調整用HPLCで精製し、化合物57を得た。
【0251】
実施例40:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物59)の合成
実施例21に関して記載されたように、[3-(2-ブロモメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルと2-メチル-2-プロパンチオールを反応させ、[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-ニトロ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルを得、これを [3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルまで還元した。そのアミンを、トリメチルアセチルクロライドで処理し、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸エチルエステルを得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0252】
実施例41:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物60)の合成
実施例21に関して記載した手順の後で、{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸エチルエステルを、[3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルおよび4-クロロベンゾイルクロライドから得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0253】
実施例42:[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸(化合物61)の合成
実施例21に関して記載した手順の後で、[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルを、[3-(4-アミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸エチルエステルと塩化イソブチリルから得た。そのエステルを加水分解し、その酸を得た。
【0254】
実施例43:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物73)の合成
{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸と3-クロロペル安息香酸(1当量)を用いて、実施例2に記載の手順に従って調製した。
【0255】
実施例44:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルホニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物74)の合成
{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸と3-クロロペル安息香酸(2当量)を用いて、実施例1に記載の手順に従って調製した。
【0256】
実施例45:{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-ヒドロキシ-フェニル}-酢酸(化合物75)の合成
CH2Cl2中の{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸 (0.953g、2.07mmol)を0℃まで冷却した。三臭化ホウ素(CH2Cl2中1M;6.21mL)を加え、反応を、室温で攪拌下で2時間行った。反応物をクエンチし、水性ワークアップの後、粗製材料を調整用HPLCで精製し、表題の化合物を得た。
【0257】
実施例46:{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-ヒドロキシ-フェニル}-酢酸(化合物76)の合成
{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-ヒドロキシ-フェニル}-酢酸と3-クロロペル安息香酸(1当量)を用いて、実施例2に記載の手順に従って調製した。
【0258】
実施例47:(2R,3R,4R,5S,6S)-6-(2-{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-アセトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸(化合物77)の合成
{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(0.200g、0.44mmol)、(2R,3R,4R,5S,6R)-3,4,5,6-テトラヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸ベンジルエステル(0.200g、0.7mmol;文献「Tetrahedron 2007、63、7596」に記載の手順に従って調製した)、HATU (0.266g、0.7mmol)、およびN-メチルモルホリン(0.1mL、0.7mmol)を、MeCN中で混合し、反応を室温で攪拌下で一晩行った。混合物を濃縮し、残滓を調整用HPLCで精製し、(2R,3R,4R,5S,6S)-6-(2-{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノアキシ]-4-メトキシ-フェニル}-セトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸ベンジルエステルを得、続いてこれを水素化パラジウム炭素で処理し、H2雰囲気下で一晩攪拌した。粗製材料を、調整用HPLCで精製し、(2R,3R,4R,5S,6S)-6-(2-{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-アセトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-2-カルボン酸を得た。
【0259】
化合物の質量分析データ(M+H)を、表1に示す。
【0260】
実施例48:CRTH2アッセイ
実施例48a:DP/CRTH2結合アッセイ
化合物がヒトDP受容体に結合する能力を、[H]PGDを使用して、放射リガンド結合アッセイで評価する。組換ヒトDPを安定的に発現するHEK293細胞を、1mMのDTTを含む10mMのHepes、7.4中に再懸濁し、溶解し、そして75,000xgで遠心分離し、細胞膜をペレット状にする。細胞膜を、1mMのDTT及び10%のグリセロールを含む10mMのHepes 7.4中に再懸濁し、およそ5mgタンパク質/mLにする。細胞膜(2-10μgタンパク質/ウェル)を、アッセイバッファー(50mMのHepes、10mMのMnCl、1mMのEDTA、プラス又はマイナス0.2%のヒト血清アルブミン、pH 7.4)中の1nMの[H]PGD及び試験化合物を用いて、96ウェルプレート中で、室温で60分間インキュベートする。その反応を、ワットマンGF/Cガラス繊維フィルタプレートを介した迅速なろ過によって終了させる。フィルタプレートを、採取する前に、室温で30分間0.33%のポリエチレンイミンで前もって浸し、それから洗浄バッファー(50mMのHepes、0.5MのNaCl pH7.4)中で洗浄する。採取後、フィルタプレートを、1mLの冷却洗浄バッファーで3回洗浄し、それから乾燥する。その後、シンチラント(Scintillant)をプレートに加え、フィルタ上で保持された放射活性をPackard TopCount(Parkin Elmer)上で決定する。特異的結合を、10μMのPGDの存在下で、非特異的結合を引いて、合計の放射性結合として決定する。IC50を、薬滴定曲線のGraphpad prism分析を使用して決定した。試験された化合物は、このアッセイで、20マイクロモルより小さいIC50を有した。
【0261】
実施例48b:GTPγS結合アッセイ
DPへのGTPの結合を抑制する化合物の能力を、細胞膜GTPγSアッセイで評価する。組換ヒトCRTH2受容体を安定的に発現するCHO細胞を、1mMのDTTを含む10mMのHepes 7.4中に再懸濁し、溶解し、そして75,000xgで遠心分離し、細胞膜をペレット状にする。細胞膜を、1mMのDTT及び10%のグリセロールを含む10mMのHepes 7.4中に再懸濁する。細胞膜(ウェル当たり〜12.5μg)を、アッセイバッファー(50mMのHepes、pH7.4、100mMのNaCl、5mMのMgCl及び0.2%のヒト血清アルブミン)中に0.05nMの[35S]-GTPγS、80nMのPGD、5μMのGDP、及び試験化合物を用いて、96ウェルプレート中で、30℃で60分間インキュベートする。その反応を、ワットマンGF/Cガラス繊維フィルタプレートを介した迅速なろ過によって終了させる。フィルタプレートを、1mLの冷却アッセイバッファーで3回洗浄し、乾燥させる。その後、シンチラント(Scintillant)をプレートに加え、フィルタ上で保持された放射活性をPackard TopCount(Parkin Elmer)上で決定する。特異的結合を、リガンド(80nMのPGD)不存在下の非特異的結合を引いて、合計の放射性結合として決定する。IC50を、薬滴定曲線のGraphpad prism分析を使用して決定した。
【0262】
例48c:全血液好酸球形状変形アッセイ
血液を同意するヒトボランティアから採取し、EDTAバキュテナー・チューブ中に取り出し、血液を採取してから1時間以内に使用する。98μlの一定分量の血液を、1.2mLのポリプロピレン・チューブ中で2μlの試験化合物(50%DMSO中で)と混合する。血液を、15分間37℃でボルテックスしてインキュベートする。PBS中の1μMのPGD5μlを、最終濃度50nMとするために加え、チューブを短時間ボルテックスする。反応を37℃で正確に5分間インキュベートし、次いで、氷上にチューブを置き、1:4で希釈した氷冷Cytofix(BD Biosciences)250μlを直ちに添加することにより、反応を終了させる。反応物を、12×75mMのポリスチレン丸底チューブに移し、3mLの塩化アンモニウム溶解溶液(150mMのNHCl、10mMのKHCO、0.1mMのEDTAジナトリウム塩)を加えて、室温で15分間インキュベーションすることにより、赤血球細胞を溶解させる。細胞を4℃で5分間、1300rpmで遠心することによりペレット状にし、3mLの氷冷PBSで一度洗浄する。細胞を1:4で希釈した氷冷Cytofix(BD Biosciences)0.2mLに再懸濁し、2時間以内にFACSCalibur(BD Biosciences)上で解析する。好酸球を、FL2チャネル中の自己蛍光に基づいてゲート制御し、500の好酸球上の形態変化を前方散乱及び側面散乱分析によって評価した。PGDにより誘発された形態の特定の変化を、PGD存在下とPGD不存在下での高前方散乱好酸球のパーセンテージの違いとして計算した。IC50を薬滴定曲線のGraphpad Prism(登録商標)分析を使用して決定した。
【0263】
実施例48d:DP結合アッセイ
ヒトDP受容体に結合する化合物の能力を、DPの選択的合成リガンド[H]BWA868Cを使用して、放射リガンド細胞膜結合アッセイによって評価した。パックされたヒト血小板(Biological Specialty Corporation)を、Hepes/HBSSバッファー(ハンク平衡塩類溶液(HBSS)中の10mMのHepes、1mMのDTT)の6倍の容量中に再懸濁し、溶解し、75,000xgで遠心分離し、細胞膜をペレット状にする。細胞膜は、およそ12mgのタンパク質/mLとなるようにHepes/HBSSバッファー中に再懸濁した。細胞膜(20μg、タンパク質/ウェル)を、アッセイバッファー(50mMのHepes、10mMのMnCl、1mMのEDTA、プラス又はマイナス0.2%のヒト血清アルブミン、pH7.4)中の2nMの[H]BWA868C及び試験化合物を用いて、96ウェルプレート中で、室温で60分間インキュベートする。反応を、ワットマンGF/Cガラス繊維フィルタプレートを介した迅速なろ過によって終了させる。フィルタプレートを、採取する前に、室温で30分間0.33%のポリエチレンイミンで前もって浸し、それから洗浄バッファー(50mMのHepes、0.5MのNaCl pH7.4)中で洗浄した。採取後、フィルタプレートを、1mLの冷却した洗浄バッファーで3回洗浄し、それから乾燥させる。その後、シンチラント(Scintillant)をプレートに加え、フィルタ上で保持された放射活性を、Packard TopCount(Parkin Elmer)上で決定する。特異的結合を、10μMのBW A868C存在下の非特異的結合を引いて、合計の放射性結合として決定する。IC50を、薬滴定曲線のGraphpad prism分析を使用して決定した。
【0264】
実施例49:マウスのアレルギー性鼻炎モデル
アレルゲン誘発性のくしゃみ及び鼻をこすることを抑制する化合物の能力は、アレルギー性鼻炎のマウスモデルを使用して評価される。方法は、Nakaya, M., et al. の論文(2006、Noninvasive system for evaluating allergen-induced nasal hypersensitivity in murine allergic rhinitis. Laboratory Investigation, 86:917-926)に詳述される方法から採用された。メスのBALB/cマウス(20-25g)に、0日目と14日目に、体積0.2mlのミョウバンと複合された2μgのオボアルブミン(OVA)の腹腔内注射(i.p.)によって、免疫性を与える。7日後(21日目)に、マウスに、OVAの10mg/mLの溶液20μgで鼻腔内に負荷する。負荷期間は21日目から25日目まに毎日行う。マウス(5-7/群)を、化合物又はビヒクルのどちらかを受けるように無作為に指定し、各OVA負荷の1−2時間前に経口の経管栄養によって処置する。くしゃみと鼻をこすることの回数を、8分間、独立したブラインド観察によってカウントし、その後すぐに21日目、23日目、及び25日目のOVA負荷を行う。アレルゲン誘発性のくしゃみ及び鼻をこすることの著しい増大は、5日間の負荷期間に亘って発生する。選択化合物によるこの効果の阻害を、Graphpad prismを用いて統計的に決定する。
【0265】
例50:モルモットのIV-DKPGD2に誘導された末梢血白血球の流入
インビボでの白血球遊走を阻害する化合物の能力を、13,14-ジヒドロ-15-ケト-プロスタグランジンD(DK-PGD2)の静脈注射を用いて評価した。方法は、Shichijo et al.,2003の論文(Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 307:518-525)で詳述される方法から採用された。オスのハートレイ系モルモットに、0日目に、imject Alumにおける100μg/mL溶液を1mL腹腔内(IP)注射することによって、オボアルブミン(OVA)を用いて免疫性を与えた。その後、それらを14日目から21日目の間にDK-PGD2手順で使用した。被験体を、ビヒクル(0.5% メチルセルロース、4mL/kg、経口(PO))又は試験化合物の3から4の投与量のうち1つのいずれかを受けるように、無作為に指定した。投与から2時間又は18時間後に、哺乳動物にケタミンを用いて麻酔をかけ、DK-PGD2(1mg/kg、IV)を用いて負荷した。IV投与から30時間後、細胞分析のために、血液を辺縁耳静脈を介してEDTAチューブへ収集した。10μlの血液を190μlの水に溶解し、次いでPBS中でさらに20倍に希釈した。10μlの一部を、同じ部分のトリパンブルーを用いて混合し、血球計数器にかけた。細胞を、LabPro光学顕微鏡を用いて40倍の倍率で可視化し、合計をカウントし記録した。細胞を、血液1mLにつき細胞の総量x10として表す。選択化合物によるこの効果の阻害を、Graphpad prismを用いて統計的に決定する。
【0266】
表2で試験された化合物は、CRTH2結合アッセイにおいて40μM未満のIC50を有する。
【0267】
【化6−1】

【0268】
【化6−2】

【0269】
【化6−3】

【0270】
【化6−4】

【0271】
実施例51:ヒトでの臨床試験
研究1:エクスビボのPGD2−誘発性血中好酸球形態変化への式(I)の化合物の効果を評価する臨床試験
健常者ボランティアにおける、この二重盲検法の、無作為に選ばれた、プラセボを対照とする、式(I)の化合物の単回の漸増用量試験において、エクスビボのPGD2−誘発性血中好酸球形態変化の阻害は、DP2受容体拮抗作用の生化学的機構の証拠を示すために決定される。投与量レベル毎8被験体(6活性、2プラセボ)を使用する。投与前の血液を採取し、実施例48で上記されるように基準の形態変化を決定するためにもPGD2で負荷する。血液中の薬剤濃度の薬物動態分析のため、およびPGD2負荷及び好酸球形態変化測定の両方のために、投薬後の様々な時間で血液を採取する。受容体遮断の程度を、薬物の血中濃度と好酸球形態変化の阻害率との間の関係から決定する。
【0272】
研究2:アレルゲン誘発性の鼻症状並びに炎症性及びアレルギーのバイオマーカへの式(I)の化合物の効果を評価する臨床試験
アレルギー性鼻炎を有する個人における、この二重盲検法の、無作為に選ばれた、式(I)の化合物のプラセボ対照試験において、鼻の症状及びアレルギーのバイオマーカの阻害を、適切なアレルゲンで鼻負荷をした後に決定する。15被験体(10活性、5プラセボ)を使用する。被験体に、プラセボか、又は上記のエクスビボのPGD2−誘発性血中好酸球形態変化の薬物動態試験における完全なDP2受容体遮断をもたらす量の式(I)の化合物かのいずれかで、7日間投薬する。7日目に、被験体は、鼻のアレルゲン負荷(投薬後2時間)を受け、初期のアレルギー性反応(0.25−1.0時間)及び後期のアレルギー性反応(4−24時間)を、プラセボに対する処置の基準値(baseline)からの増加として評価する。炎症性細胞の分化における変化に加えて、Th2サイトカイン及び他の炎症性マーカーをプラセボに対する処置の基準値からの増加として決定する。
【0273】
式(I)の化合物アッセイ
式(I)の化合物の血漿濃度を、1ng/mL−1の検出限界でガスクロマトグラフィーによって決定する(Ritter W. Determination of BAY u 3405,a novel thromboxane antagonist,in plasma and urine by HPLC and GC.In:Reid E,Wilson ID,eds.Bioanalytical Approaches for Drugs,Including Anti-asthmatics and Metabolites.Methodological Surveys in Biochemistry and Analysis,1992;22:211-216)。
【0274】
研究3:Vienna Challenge Chamber研究
研究設計:研究では、8日間経口で投与された式(I)の化合物の、無作為に選択された、二重盲検、プラセボ対照の、二方向交差評価を行う。2つの処置の期間の間には、1週間のスクリーニング期間と、3週間のウォッシュアウト期間がある。
【0275】
研究薬物の最後の投与後に、1週間の追跡調査がある。第1の処置として研究薬物を受け取り、第2の処置としてプラセボを受け取った患者群は、グループAと設計し、一方、第1の処置としてプラセボを受け取り、第2の処置として研究薬物を受け取った患者群は、グループBと設計する。
【0276】
処置計画と方法:被験体は、完全なスクリーニング評価を受け、アレルゲンに対するベースライン応答が決定される。このスクリーニング評価は、投与の開始前1週間なされる。
【0277】
被験体は、研究の各処置期間の第1日目に、式(I)の化合物またはプラセボで投与を開始する。有害事象、鼻の症状の総合成績、併用の薬物療法を記録する。
【0278】
被験体は、6時間のアレルゲン負荷のために、各処理期間の第2日目に医療機関に報告しに戻る。以下の測定がなされる。
【0279】
−負荷の開始後0から6時間までの15分毎の、各症状を0から3までの前負荷のカテゴリースケールで評価した、鼻の症状の総合成績(TNSS)(閉塞症, 鼻漏、掻痒、くしゃみ)。
【0280】
−負荷の開始後0から6時間までの15分毎の、各症状を0から3までの前負荷のカテゴリースケールで評価した、目の症状の成績(ウォータリーアイ、かゆみ目、赤目)。
【0281】
−負荷の開始後0から6時間までの15分毎の、各症状を0から3までの前負荷のカテゴリースケールで評価した、他の症状(咳、喉のかゆみ、耳のかゆみ)。
【0282】
被験体は、6時間のアレルゲン負荷のために、各処理期間の第8日目に医療機関に報告しに戻り、第2日目に行った測定を繰り返す。
【0283】
最終の追跡訪問は、処置期間2で、試験物質の最後の投与後に1回行われる。
【0284】
実施例52a:非経口の組成物
注射による投与に適した非経口の医薬組成物を調製するために、式(I)の化合物の水溶性塩100mgを、DMSO中に溶解し、10mLの0.9%生理食塩水と混合する。混合物は、注射による投与に適した投与量単位の形態で組み込まれる。
【0285】
実施例52b:経口の組成物
経口送達用の医薬組成物を調製するために、式(I)の化合物100mgを、750mgのスターチと混合する。混合物は、経口投与に適する、例えば硬ゼラチンカプセルのような経口投与量単位で組み込まれる。
【0286】
実施例52c:舌下(硬ロゼンジ)組成物
硬ロゼンジのような口腔送達用の医薬組成物を調製するために、1.6mLのライトコーンシロップ、2.4mLの蒸留水及び0.42mLのミント抽出物と混ぜ合わされた420mgの粉砂糖と式(I)の化合物100mgを混合する。混合物を、穏やかに混ぜ合わせ、頬側投与に適したロゼンジを形成するために型に注ぐ。
【0287】
実施例52d:高速崩壊舌下錠
高速崩壊舌下錠を、48.5重量%の式(I)の化合物、44.5重量%の結晶セルロース(KG-802)、5重量%の低置換ヒドロキシプロピルセルロース (50 μm)、および2重量% のステアリン酸マグネシウムを混合することによって調製する。錠剤は、直接圧縮によって調製する(AAPS PharmSciTech. 2006;7(2):E41)。圧縮された錠剤の総重量は、150mgに維持される。製剤は、3次元マニュアルミキサー (lnversina(登録商標)、Bioengineering AG、Switzerland)を用いて、その量の式(I)の化合物を、結晶セルロース (MCC)の総量および低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)の3分の2の量と4.5分間混合することによって調製される。ステアリン酸マグネシウム (MS)の全てとL-HPCの残りの3分の1を、混合の終りの30秒前に加える。
【0288】
実施例52e:吸入組成物
吸入送達用の医薬組成物を調製するために、20mgの式(I)の化合物を、50mgの無水クエン酸及び100mLの0.9%塩化ナトリウム水溶液と混合する。混合物は、吸入投与に適した、例えば噴霧器のような吸入送達ユニットに組み込まれる。
【0289】
実施例52f:直腸ゲル組成物
直腸送達用の医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)の化合物を、2.5gのメチルセルロース(1500mPa)、100mgのメチルパラベン、5gのグリセリン及び100mLの精製水と混合する。結果的に生じたゲル混合物は、その後、直腸投与に適した、例えばシリンジのような直腸送達ユニットに組み込まれる。
【0290】
実施例52g:局所ゲル組成物
局所ゲル組成物を調製するために、100mgの式(I)の化合物を、1.75gのヒドロキシプロピルセルロース、10mLのプロピレングリコール、10mLのミリスチン酸イソプロピル、及び100mLの精製アルコールUSPと混合する。結果的に生じたゲル混合物は、その後、局所投与に適した、例えばチューブのような容器に組み込まれる。
【0291】
実施例52h:点眼溶液組成物
点眼溶液医薬組成物を調製するために、100mgの式(I)の化合物を、100mLの精製水中で0.9gのNaClと混合し、0.2ミクロンフィルターを用いてろ過する。結果的に生じた点眼溶液は、その後、点眼投与に適した、例えば点眼容器のような点眼送達ユニットに組み込まれる。
【0292】
実施例i:鼻腔用スプレー溶液
鼻腔用スプレー医薬溶液を調製するために、10gの式(I)の化合物を、0.05Mのリン酸バッファー溶液(pH4.4)30mLと混合する。溶液を、各々の適用に対して100μlの噴霧を送達するよう設計される鼻の投与装置に配される。
【0293】
本明細書中に記載される例及び実施形態は、例示を目的とするためのみであり、当業者に提示される様々な改良又は変更が、本出願の精神および範囲内に含まれると共に、添付の特許請求の範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造を有する化合物、または薬学的に許容可能なそれらの塩、薬学的に許容可能なそれらの溶媒和物、若しくは薬学的に許容可能なそれらのプロドラッグであって、
【化1】

式中、
RAは、HまたはC1‐C6アルキルであり;
R4は、H、ハロゲン、‐CN、‐OH、C1‐C4アルキル、C1‐C4フルオロアルキル、C1‐C4フルオロアルコキシ、C1‐C4アルコキシ、またはC1‐C4ヘテロアルキルであり;
R6は、‐NR13S(=O)2R12、‐S(=O)2N(R12)(R13)、‐N(R12)(R13)、‐C(=O)N(R12)(R13)、‐NHC(=O)N(R12)(R13)、‐NR13C(=O)R12、または‐NR13C(=O)OR12であり;
R11は、C1‐C6アルキル、C1‐C6ハロアルキル、C1‐C6ヘテロアルキル、C3‐C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換5員ヘテロアリール、置換または非置換6員ヘテロアリール、または‐C1‐C4アルキル‐(置換または非置換フェニル)であり;
R12は、C1‐C6アルキル、C1‐C6ヘテロアルキル、C1‐C6フルオロアルキル、C3‐C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ナフチル、置換または非置換ベンジル、置換または非置換6員ヘテロアリール、または‐C1‐C4アルキル‐(置換または非置換フェニル)であり;
R13は、HまたはC1‐C4アルキルであり;または
同じN原子に付いているR12およびR13は、前記N原子と共に、置換または非置換C2‐C6ヘテロシクロアルキルを形成し;
xは、0、1、または2であることを特徴とする化合物。
【請求項2】
RAは、H、‐CH3、または‐CH2CH3であり;
R4は、H、F、Cl、Br、‐OH、C1‐C4アルキル、C1‐C4フルオロアルキル、C1‐C4フルオロアルコキシ、またはC1‐C4アルコキシであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R11は、C1‐C6アルキル、C1‐C6ハロアルキル、C3‐C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、または‐C1‐C4アルキル‐(置換または非置換フェニル)であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記式(I)の化合物が、式(II)の構造を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の化合物。
【化2】

【請求項5】
R4は、H、F、Cl、Br、‐OCH3、‐CH3、‐CH2CH3、‐CHCH2、‐CHF2、‐CF3、‐OCHF2、または‐OCF3であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
R12は、C1‐C6アルキル、C1‐C6ヘテロアルキル、C1‐C6フルオロアルキル、C3‐C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、置換または非置換ベンジル、または‐C1‐C4アルキル‐(置換または非置換フェニル)であり;
R13は、Hまたは-CH3であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
R6は、‐NR13S(=O)2R12、‐N(R12)(R13)、‐C(=O)N(R12)(R13)、‐NHC(=O)N(R12)(R13)、‐NR13C(=O)R12、または‐NR13C(=O)OR12であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
R11は、C1‐C6アルキル、C1‐C6ハロアルキル、置換または非置換フェニル、または‐C1‐C4アルキル‐(置換または非置換フェニル)であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項9】
R4は、F、Cl、Br、‐OCH3、‐CH3、‐CH2CH3、‐CHCH2、‐CHF2、‐CF3、‐OCHF2、または‐OCF3であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項10】
R6は、‐NR13C(=O)R12であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項11】
R12は、C1‐C6アルキル、C3‐C6シクロアルキル、置換または非置換フェニル、または置換または非置換ベンジルであることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項12】
R11は、-CH2CH3、‐CH(CH3)2、‐C(CH3)3、‐CH2CF3、置換または非置換フェニル、‐C1‐C2アルキル‐(置換または非置換フェニル)であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項13】
R12は、-CH(CH3)3、‐C(CH3)3、‐CH2CH(CH3)2、‐CH2C(CH3)3、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換または非置換フェニル、または置換または非置換ベンジルであることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項14】
前記式(I)または式(II)の化合物が、式(III)の構造を有することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1つに記載の化合物。
【化3】

【請求項15】
R11は、-CH2CH3、‐CH(CH3)2、‐C(CH3)3、または‐CH2CF3であり;
R12は、-CH(CH3)2、‐C(CH3)3、‐CH2CH(CH3)2、‐CH2C(CH3)3、または置換または非置換フェニルであり;
R13は、Hであることを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R4は、F、Cl、‐OCH3、‐CF3、または‐OCF3であり;
R11は、‐C(CH3)3であり;
R12は、‐C(CH3)3であり;
R13 は、Hであることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
以下から選択される化合物であって、
{3‐[4‐(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐2‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチルスルファニルメチル)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物1);{3‐[4‐(2,2‐ジメチル‐プロピオニルアミノ)‐2‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチルスルファニルメチル)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物2);{3‐[4‐(3‐ベンジル‐ウレイド)‐2‐(2,2,2‐トリフルオロ‐エチルスルファニルメチル)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物3);{3‐[4‐(4‐クロロ‐ベンゾイルアミノ)‐2‐(4‐クロロ‐フェニルスルファニルメチル)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物4);{3‐[2‐(4‐クロロ‐フェニルスルファニルメチル)‐4‐(2,2‐ジメチル‐プロピオニルアミノ)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物5);{3‐[4‐(3‐ベンジル‐ウレイド)‐2‐(4‐クロロ‐フェニルスルファニルメチル)‐フェノキシ]‐4‐メトキシ‐フェニル}‐酢酸(化合物6);{3‐[2‐tert‐ブチルスルファニルメチル‐4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物7);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物8);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物9);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフォニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物10);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物11);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルフォニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物12);{3-[4-(3-ベンジル-ウレイド)-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物13);{3-[4-(シクロプロパンカルボニル-アミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物14);{3-[4-イソブチリルアミノ-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物15);{3-[4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物16);{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-フェニルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物17);{3-[2-ベンジルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物18);{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(5-メチル-[1,3,4]チアジアゾル-2-イルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物19);{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物20);{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物21);{3-[4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフォニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物22);{3-[2-ベンゼンスルフィニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物23);{3-[2-ベンゼンスルフォニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物24);[3-(4-エチルカルバモイル-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物25);{3-[4-(4-クロロ-ベンジルカルバモイル)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物26);(3-{4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチルカルバモイル]-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(化合物27);{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物28);{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルフォニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物29);{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物30);{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(プロパン-2-スルフォニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物31);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物32);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルフォニルメチル)-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物33);{3-[4-[(2,2-ジメチル-プロピオニル)-メチル-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物34);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(シクロプロパンカルボニル-アミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物35);[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノ-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物36);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物37); {4-メトキシ-3-[4-(2-オキソ-オキサゾリジン-3-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物38);[3-(4-tert-ブチルカルバモイル-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物39);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-オキソ-2-フェニル-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物40);(3-{2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-[2-(4-フルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルカルバモイル]-フェノキシ}-4-メトキシ-フェニル)-酢酸(化合物41);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(ピペリジン-1-カルボニル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物42);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(6-メトキシ-ピリジン-3-イルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物43);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2,2-トリフルオロ-エチルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物44);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(イソプロピル-メチル-カルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物45);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピルカルバモイル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物46);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-5-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物47);{3-クロロ-5-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフォニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物48);{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物49);{4-ジフルオロメトキシ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(トリフルオロ-エタンスルフォニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物50);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-メチル-フェニル}-酢酸(化合物51);{4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物52);{4-クロロ-3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物53);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-イソプロピルスルファニルメチル-フェノキシ]-5-トリフルオロメチル-フェニル}-酢酸(化合物54);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-ビニル-フェニル}-酢酸(化合物55);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-4-エチル-フェニル}-酢酸(化合物56);{4-メトキシ-3-[4-(2-オキソ-イミダゾリジン-1-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物57);[3-(4-ベンゾイルアミノ-2-tert-ブチルスルファニルメチル-フェノキシ)-4-メトキシ-フェニル]-酢酸(化合物58);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物59);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-クロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-クロロ-フェニル}-酢酸(化合物60);[3-(2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-イソブチリルアミノ-フェノキシ)-4-クロロ-フェニル]-酢酸(化合物61);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物62);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(4-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物63);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2-フルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物64);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,4-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物65);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジクロロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物66);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(3,5-ジフルオロ-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物67);{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(3-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物68);{4-メトキシ-3-[2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-4-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイルアミノ)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物69);{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物70);{4-メトキシ-3-[4-[(ピリジン-4-カルボニル)-アミノ]-2-(2,2,2-トリフルオロ-エチルスルファニルメチル)-フェノキシ]-フェニル}-酢酸(化合物71);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-スルフォニルアミノ)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物72);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物73);{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフォニルメチル)-フェノキシ]-4-メトキシ-フェニル}-酢酸(化合物74);{3-[2-tert-ブチルスルファニルメチル-4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-フェノキシ]-4-ヒドロキシ-フェニル}-酢酸(化合物75);および{3-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-2-(2-メチル-プロパン-2-スルフィニルメチル)-フェノキシ]-4-ヒドロキシ-フェニル}-酢酸(化合物76)から選択されることを特徴とする、化合物。
【請求項18】
治療上有効な量の請求項1乃至17のいずれか1つに記載の化合物、または薬学的に許容可能なそれらの塩、および、薬学的に許容可能な希釈剤、 薬学的に許容可能な賦形剤、および薬学的に許容可能な担体から選択される、少なくとも1つの薬学的に許容可能な不活性成分を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬組成物は、静脈注射、経口投与、吸入、経鼻投与、局所的投与、経眼投与あるいは経耳投与のために処方されることを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、吸入剤、鼻内噴霧溶剤、坐薬、懸濁剤、ゲル剤、コロイド剤、分散剤、懸濁剤、溶剤、エマルション、軟膏、ローション剤、点眼剤あるいは点耳剤であることを特徴とする、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項21】
プロスタグランジンD2によって媒介された疾患または疾病を処置する際に使用するための、請求項1乃至17のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
哺乳動物において、気管支疾患若しくは疾病、アレルギー性疾患若しくは疾病、または炎症性疾患若しくは疾病を処置する際に使用するための、請求項1乃至17のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
哺乳動物において喘息を処置する際に使用するための、請求項1乃至17のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
哺乳動物において慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置する際に使用するための、請求項1乃至17のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
哺乳動物においてアレルギー性鼻炎を処置する際に使用するための、請求項1乃至17のいずれかに記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−526930(P2011−526930A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516892(P2011−516892)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/049621
【国際公開番号】WO2010/003120
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(510209672)アミラ ファーマシューティカルズ,インク. (17)
【Fターム(参考)】