説明

プロスタサイクリン産生増加剤及び血流促進剤

【課題】新規なプロスタサイクリン産生増加剤、血流促進剤、血行障害の予防・改善剤、血行障害に起因する疾患の予防・改善剤、又は皮膚改善剤、並びそれらを含有する、飲食品、医薬品または化粧品などを提供すること。
【解決手段】エルダーベリー抽出物を有効成分とする、プロスタサイクリン産生増加剤、血流促進剤、血行障害の予防・改善剤、血行障害に起因する疾患の予防・改善剤、皮膚改善剤。エルダーベリー抽出物は、エルダーベーリーの果実を含水エタノール等の有機溶媒で抽出することにより得られる。上記剤は、飲食品、医薬品または化粧品に添加して使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エルダーベリー抽出物を有効成分とする、プロスタサイクリン産生増加剤、血流促進剤、血行障害の予防・改善剤、血行障害に起因する疾患の予防・改善剤または皮膚改善剤に関する。また、本発明は上記の剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
エルダーベリー(elder berry 学名:Sambucus nigra L.)は、ヨーロッパを原産とするスイカズラ科の植物であり、別名西洋ニワトコとしても知られている。エルダーベリーの各組織は、医療用途及び健康促進作用、例えば、発汗作用、利尿作用、抗炎症作用や抗ウイルス作用を有する(例えば非特許文献1参照)。
血行障害は、組織の壊死、高血圧、肩こり、冷え性、皮膚のくすみ、目の下のくま等の疾患や症状を引き起こす。また、老化に伴う色素沈着のある皮膚や、乾燥した皮膚では、毛細血管の循環が不良であるために細胞に栄養が届かず、老廃物が円滑に除去されない状態にある。体内の血流を改善することにより、血行障害に起因する種々の疾患や症状の予防・改善が可能となる。また、血流改善により、皮膚の状態を改善し、健康な状態に保つことができる。
【0003】
プロスタサイクリン(PGI)は、血小板凝集抑制作用及び血管平滑筋を弛緩させることによる血管拡張作用を有する。また、プロスタサイクリン誘導体は皮膚血流量低下を抑制するので、抹消血行障害治療に有用であることが知られている(例えば非特許文献2参照)。
体内の血流改善のためには、血管内皮細胞等におけるプロスタサイクリン産生を増加させることが有用である。プロスタサイクリン産生増加剤としては、ボタンボウフウ(Peucedanum japonicum)の抽出物が公知である(例えば特許文献1参照)。
各種の植物抽出物が血流改善作用を有することは公知である。カシス濃縮物(有効成分:アントシアニン)とアミノ酸および有機酸からなる群より少なくとも1種を含んでなる組成物は抹消血流改善、血管拡張作用により、血行障害である肩こりや冷え性などの症状を緩和する(例えば特許文献2参照)。レモングラス(Cymbopogon citratus)等の植物から抽出されるシトラールも血流改善効果を有する(例えば特許文献3参照)。また、松樹皮ポリフェノールにより血流が改善され、皮膚のくすみやくまが改善される(例えば非特許文献3,4,5参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−350432号公報
【特許文献2】特開2004−262878号公報
【特許文献3】特開2000−044467号公報
【非特許文献1】Alter Med Rev: Vol.10(No.1) Page.51-55(2005)
【非特許文献2】Jpn J Pharmacol: Vol.59 (No.1) Page.57-63 (1992.05)
【非特許文献3】New Food Industry 2005 Vol.47 No.1 3-14
【非特許文献4】New Food Industry 2005 Vol.47 No.1 15-21
【非特許文献5】New Food Industry 2005 Vol.47 No.1 22-28
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、主として新規なプロスタサイクリン産生増加剤、血流促進剤、血行障害の予防・改善剤、血行障害に起因する疾患の予防・改善剤または皮膚改善剤の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、エルダーベリー抽出物のプロスタサイクリン産生増加活性及び血流促進活性を見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下に係るものである。
1.エルダーベリー抽出物を有効成分とする、プロスタサイクリン産生増加剤。
2.エルダーベリー抽出物を有効成分とする、血流促進剤。
3.エルダーベリー抽出物を有効成分とする、血行障害または血行障害に起因する疾患の予防・改善剤。
4.エルダーベリー抽出物を有効成分とする、皮膚改善剤。
5.エルダーベリー抽出物が、エルダーベリー果実を有機溶媒で抽出して得られたものである、上記1.〜4.のいずれかに記載の剤。
6.上記1.〜4.のいずれかに記載の剤を含有する、飲食品、医薬品または化粧品。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で使用される「エルダーベリー抽出物」は、プロスタサイクリン産生増加活性、血流促進活性または皮膚改善活性を有する限り、どのような方法で抽出されたものであっても良い。エルダーベリー抽出物とは、例えば、エルダーベリー果実を圧搾して得られる果汁、エルダーベリーの果実全体または果実の皮・種子等の適当な部分から任意の抽出法により得られる抽出物等である。また、エルダーベリー果実の破砕物や乾燥物、エルダーベリー果実をジャム状に煮詰めたもの等も、本発明のエルダーベリー抽出物として使用できる。
【0008】
抽出の出発材料であるエルダーベリーの植物体としては、果実等の部分を乾燥若しくはそれを粉砕したもの、または、生もしくは冷凍のもの等が使用できる。また、飲料製造等において発生する、エルダーベリー果実の圧搾して果汁を採取した後の残渣、すなわち搾汁粕を、抽出の出発材料としてもよい。
【0009】
抽出の好適な一例は、水または有機溶媒等の溶媒を用いて適当な条件下で抽出することである。抽出は、加温しながら行うことが好ましい。有機溶媒とは例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等の水溶性アルコール類、アセトン、酢酸等である。水溶性有機溶媒は単独で用いてもよいが、任意の比で水と混合して用いてもよい。毒性が低い、沸点が比較的低いため抽出後の除去が容易、入手容易等の理由から、水溶性有機溶媒としてはエタノールが好ましい。抽出効率を高く、不純物の割合を少なくするためには、エタノール:水の混合比は1:4〜4:1(v/v)が好ましい。
【0010】
エルダーベリー原料に対する溶媒の量は特に限定されないが、通常1〜100倍量(v/w)、好ましくは2〜10倍量である。必要により界面活性剤(例えばショ糖脂肪酸エステル等)や酸化防止剤(例えばアスコルビン酸等)などを加えてもよい。また不活ガス雰囲気下で抽出を行ってもよい。
【0011】
エルダーベリーの抽出に際しては、20〜100℃程度に加温しながら抽出を行うことが好ましい。抽出時間は、溶媒量、溶媒の種類、温度等の抽出条件に左右されるが、通常10分〜24時間であり、好ましくは30分〜4時間程度である。
【0012】
エルダーベリーを有機溶媒などで抽出して得られる粗抽出物は、適宜、濃縮及び/または乾燥して使用することができる。
【0013】
こうして調製される粗抽出物は、本発明の有効成分であるエルダーベリー抽出物として使用することができる。更に、粗抽出物を、セファデックス、ポリアミド、シリカゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフ、セルロース膜等を用いた膜分離、酢酸エチル−水等を用いた液液分離、酵母等の微生物の添加による不純物の分解など精製・分離・脱色操作を行うことにより、より高純度に有効成分を含有するエルダーベリー抽出物が得られる。実施例に示すように、エルダーベリー果実を50%エタノールで抽出して得られる抽出物をODSカラムに供した後、エタノール濃度80〜100%で溶出することにより、強いプロスタサイクリン産生増加活性を示すエルダーベリー抽出物が得られる。なお、本発明のエルダーベリー抽出物としては、市販品を使用することもできる。
【0014】
実施例に示す通り、エルダーベリー抽出物は、正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の系においてプロスタサイクリン産生増加作用を示す他、ラット下肢部における血流促進作用を示す。上記作用を利用することにより、エルダーベリー抽出物は、血行障害の予防・改善剤、血行障害に起因する疾患の予防・改善剤、または皮膚改善剤として使用できる。ここで、血行障害に起因する疾患とは、例えば組織の壊死、高血圧、肩こり、冷え性、皮膚のくすみ、目の下のくまを意味する。また、皮膚改善とは、プロスタサイクリン産生増加または血流促進に起因する、皮膚の諸症状(例えば、皮膚のくすみ、目の下のくま)の改善を意味する。
【0015】
本発明のエルダーベリー抽出物は、飲食品、医薬品または化粧品に添加して使用することができる。飲食品、医薬品または化粧品の種類、形態、及びその他の含有成分等に特に制約はなく、当業者に公知の任意の各種方法で容易に調製することができる。
【0016】
飲食品、医薬品または化粧品に有効成分として含まれるエルダーベリー抽出物の含有量は、本発明の作用、即ち、プロスタサイクリン産生増加、血流促進、血行障害の予防・改善、血行障害に起因する疾患の予防・改善、または皮膚改善が達成される限り特に制限はなく、適宜決めることができる。
なお、本発明の各種剤には、有効成分の作用に実質的な影響を及ぼさない限り、当業者に公知のその他の各種成分が含まれていても良い。
【0017】
〔本発明の飲食品〕
本発明の飲食品の形態としては、例えば、顆粒状、粒状、ペースト状、ゲル状、固形状、または、液体状に任意に成形することができる。これらには、食品中に含有することが認められている当業者に公知の各種物質、例えば、結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調整剤などを適宜含有させることができる。飲食品に対するエルダーベリー抽出物の添加量は特に限定されないが、例えば、体重約60Kgの成人一日当たり約10mg〜5g、好ましくは50mg〜2g程度摂取できる量とすればよい。
特に、特定保健用食品、機能性食品、または健康志向食品等として利用する場合には、本発明の有効成分を所定の作用が十分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
【0018】
〔本発明の医薬品〕
本発明の医薬品は、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形剤、または、注射剤などの液剤などいずれの形態にも公知の方法により適宜調製することができる。これらの医薬品には通常用いられる結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調整剤などを適宜使用してもよい。
本発明の医薬品は、経口的にあるいは非経口的に適宜に使用される。すなわち、経口、静脈、腹腔内の投与などによって所望の作用を表すものである。
医薬品における有効成分(エルダーベリー抽出物)の投与量は、その種類、その剤型、また患者の年令、体重、適応症状などによって適宜設定すればよい。例えば経口投与の場合は、体重約60Kgの成人に対し、一日1回または数回、一日当たり約10mg〜5g、好ましくは50mg〜2g程度投与すればよい。
【0019】
〔本発明の化粧品〕
本発明の化粧品も、例えば、液体状、ペースト状、または、ゲル状の任意の形態とすることができる。これらの中にも、化粧品中に含有することが認められている、当業者に公知の各種物質を適宜含有させることができる。化粧品に対するエルダーベリー抽出物の添加量は特に限定されないが、例えば、成人一日当たり約10mg〜5g、好ましくは50mg〜2g程度化粧品として使用される量とすればよい。
【0020】
以下、実施例に則して本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載によって制限されるものではない。
【実施例1】
【0021】
エルダーベリー抽出物の調製:
ヨーロッパ産エルダーベリー果実を凍結乾燥し、粉砕し、果実粉末を得た。この果実粉末10gを、100mlの50%エタノールを用いて、50℃で3時間抽出した。抽出液を濃縮後、凍結乾燥することによりエルダーベリー抽出物を得た。該抽出物に含まれる総ポリフェノール量は5.8%であった。
【実施例2】
【0022】
プロスタサイクリン産生量測定試験:
各種のベリー抽出物を試料として、プロスタサイクリン産生増加活性を測定した。
1.試料
・エルダーベリー抽出物 (実施例1に記載)
・クランベリー抽出物(キッコーマン社製「クランベリー抽出物」)
・マルベリー抽出物(アイトワン社製「桑の実エキス」の50%エタノール抽出物)
・アロニア抽出物(AGROPHRM S.A.社製「ANTHOCYANINS POWDER from ARONIA MELANOCARPA」)
・ブラックカラント抽出物(Pacific Coast Fruit Products Ltd社製「冷凍果実(カナダ産)」の50%エタノール抽出物)
・アサイベリー抽出物(VDF社製「Acai pulp powder」の50%エタノール抽出物)
・ハスカップ抽出物(北海道のかりんとう屋社製「果実凍結乾燥品」の50%エタノール抽出物)
・ラズベリー抽出物(VDF社製「20% raspberry powder」の50%エタノール抽出物)
2.測定方法
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(TaKaRa社製)を24穴プレート(FALCON社製)に500μl(0.5×10cells/ml)ずつ播種し、微小血管内皮細胞培地(EGM−2)(5% FBS)にて37℃、5% COの条件でコンフルエントになるまで培養した。その後、各濃度の試料を加えた培地に交換し、更に18時間培養した。培養プレートを1,200rpmで10分間遠心し、培養細胞上清を回収した。その上清中のプロスタサイクリン濃度を、プロスタサイクリンの安定な代謝物である6-keto Prostaglandin F1αの濃度(pg/ml)として測定した。該代謝物の濃度が高いほど、血管内皮細胞のプロスタサイクリン産生が増加していること、すなわち試料のプロスタサイクリン産生増加活性が高いことを意味する。
なお、6-keto Prostaglandin F1αの測定は、6-keto Prostaglandin F1α EIA Kit(Cayman社製)を用いて行った。
3.測定結果
(1)各種ベリー類由来の試料のうち、エルダーベリー抽出物のみが、プロスタサイクリン産生増加活性を示した(図1)。図1の縦軸は6-keto Prostaglandin F1αの量を示す。LPSは、ポジティブコントロールとして使用したリポ多糖(lipopolysaccharide)を意味する。また、図1中の濃度は、実施例2において培地に添加した各試料の終濃度を意味する。
(2)エルダーベリー抽出物は、濃度依存的なプロスタサイクリン産生増加作用を示した(図2)。図2中の濃度は、2.において培地に添加したリポ多糖(lipopolysaccharide)及びエルダーベリー抽出物の終濃度を意味する。
(3)実施例1で調製したエルダーベリー抽出物をODSカラムに供し、エタノール濃度20,40,60,80及び100%で溶出した画分を得た。実施例1で調製したエルダーベリー抽出物及び各画分の終濃度が50μg/mlとなるように培地に添加し、プロスタサイクリン産生増加活性を測定した。その結果、エタノール80%溶出画分及びエタノール100%溶出画分が強い活性を示した(図3)。
なお、80%及び100%エタノール溶出画分にはポリフェノールが含まれていないことを確認した (表1)。
【0023】
【表1】

【0024】
本試験により、エルダーベリー抽出物がプロスタサイクリン産生増加作用を有することが示された。
【実施例3】
【0025】
血流促進試験:
以下の試験により、エルダーベリー抽出物の血流促進活性を確認した。
1.血流測定方法
HOS:HR-1へアレスマウス、6週齢(雄)に、エルダーベリー抽出物(実施例1に記載)を4%の割合で混ぜた餌(MF粉末)を7日間自由摂取させ、摂取前後の背中皮膚の血流量をレーザー血流画像化装置(インテグラル社製)により測定した。Control群(MF粉末摂取群)とエルダーベリー摂取群それぞれn=8で試験を行った。なお、レーザー血流画像化装置は、レーザー光が赤血球等の運動している粒子に当たった際に起こるドップラー効果(光の周波数の変化)による電流の変化を測定して、血流量を解析する装置である。
【0026】
2.測定結果
血流量の測定結果を図4に示す。図中、縦軸(V)の数値が大きい程、血流量が多いことを示す。
エルダーベリー群は、摂取後の血流量が摂取前に比べて有意に(p<0.01)増加した。また、エルダーベリー群とコントロール群の摂取後の血流量と比較すると、エルダーベリー群のほうが有意に(p<0.05)血流量が多かった。
エルダーベリー抽出物が血流促進活性、特に抹消血管における血流促進活性を有し、血流改善作用に基づく、血行障害の予防・改善、血行障害に起因する疾患の予防・改善、または皮膚改善のために利用可能であることが示された。
【実施例4】
【0027】
実施例1で使用した、乾燥粉末状のエルダーベリー抽出物は、以下のようにして、飲食品、医薬品または化粧品とすることができる。
<錠剤タイプの内服剤または機能性食品>
エルダーベリー抽出物50mg、乳糖80mg、結晶セルロース60mg、ショ脂肪酸エステル10mg、以上を1錠分として常法により錠剤化する。この錠剤は、内服用の医薬品または機能性食品として使用できる。
<乳化液剤タイプ内服剤または機能性食品>
エルダーベリー抽出物100mg、中鎖飽和脂肪酸トリグリセリド70mg、ビタミンE1mg、オレンジ油20mg、デカグリセリンモノステアレート30mg、グリセリン750mg、ブドウ糖10g、クエン酸1g、アスコルビン酸500mg、以上を水に加えて全量を100mlとし、常法により分散乳化処理して、乳化液剤とする。この液剤は、内服用の医薬品または機能性食品として使用できる。
<散剤及び顆粒剤タイプの内服剤または機能性食品>
エルダーベリー抽出物0.1g、トウモロコシデンプン1.1g、乳糖0.8g、以上を一包分とする散剤または顆粒剤を常法に従い調製する。この散剤または顆粒剤は、内服剤または機能性食品として使用できる。
<注射剤>
エルダーベリー抽出物2%、界面活性剤8%、生理食塩水90%、以上を重量比で含む混合液を加熱滅菌して注射剤とする。
<キャンディータイプ機能性食品>
エルダーベリー抽出物5g、砂糖43g、水飴42g、水5g、果汁2g、増粘剤2g、アスコルビン酸1g、香料0.1g、ビタミンE0.1gを常法に従い、5g/個のキャンディーとする。
<飲料タイプ機能性食品>
エルダーベリー抽出物15g、クランベリージュース(果汁100%)985gをミキサーにて混合して均一な飲料とする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の各種剤に有効成分として含まれるエルダーベリー抽出物は、プロスタサイクリン産生増加作用及び血流促進作用を示す。従って、それを使用することによって、血流改善、血行障害の予防・改善、血行障害に起因する疾患の予防・改善、または皮膚改善に対して優れた効果が期待される。また、この有効成分を含む各種剤、及び飲食品、医薬品または化粧品を安価に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】各種ベリー抽出物のプロスタサイクリン産生増加活性を示すグラフである。
【図2】エルダーベリー抽出物(elder berry extract)の各種濃度におけるプロスタサイクリン産生増加活性を示すグラフである。
【図3】エルダーベリー抽出物の分画物のプロスタサイクリン産生増加活性を示すグラフである。
【図4】コントロール摂取群及びエルダーベリー摂取群の血流量の変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エルダーベリー抽出物を有効成分とする、プロスタサイクリン産生増加剤。
【請求項2】
エルダーベリー抽出物を有効成分とする、血流促進剤。
【請求項3】
エルダーベリー抽出物を有効成分とする、血行障害または血行障害に起因する疾患の予防・改善剤。
【請求項4】
エルダーベリー抽出物を有効成分とする、皮膚改善剤。
【請求項5】
エルダーベリー抽出物が、エルダーベリー果実を有機溶媒で抽出して得られたものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剤。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の剤を含有する、飲食品、医薬品又は化粧品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−39445(P2007−39445A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180515(P2006−180515)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000004477)キッコーマン株式会社 (212)
【Fターム(参考)】