説明

プロスタノイドアゴニストとしての2ピロリドン誘導体

【課題】選択的EP4プロスタグランジンアゴニストであり、骨疾患の関連する疾病に有効な新規化合物、および該化合物を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】下式で表される化合物、および該化合物を含有する医薬組成物。


(式中、Qは、CH2又は酸素、Bは−CH2−など、Xは、酸素、イオウなど、Jは、−CH2−CH=CH−など、Aは、−CH2−CH2−など、Zは、CH2OHなど、R1は、−(CH2)pR7又は−(CH2)qOR8であり、ここでR7及びR8は、それぞれお互い独立してC1〜6アルキルなど、p及びqは、お互い独立して0〜5であり、R2は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニルなどであり、R3〜R6は、お互い独立して水素又はC1〜6アルキルである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−ピロリドン誘導体、関連する医薬組成物、選択的プロスタグランジンEP4アゴニストとしての使用方法、及びその調製方法に関する。
天然及び合成プロスタグランジン及びプロスタグランジン−様化合物に一般的である、プロスタグランジン又はプロスタノイド(PG)に関する文献に多くの参考資料があり、そしてそれらの化学構造又は立体化学形状におけるわずかな差異でさえ、それらの生物学的活性に対して深い効果を有するであろうことは良く知られている。
【0002】
プロスタグランジン又はプロスタノイド(PG)は、膜リン脂質に由来する生活性化合物のグループであり、そして20−炭素の必須脂肪酸から形成され、そしてシクロペンタン環を含む。それらは、文字により表されるいくつかの主要クラスに分類され、そしてシクロペンタン環への置換により区別される。前記主要クラスはさらに、それらの脂肪酸前駆体に影響を及ぼす下付き文字1,2又は3により再分される。
【0003】
プロスタグランジンEの特定種の例は、下記構造:
【化1】

を有するPGE2である。
【0004】
現在、PGE2の4種の異なった受容体サブタイプが知られており、そしてそれらは、EP1, EP2, EP3及びEP4により示される。
PGE2受容体に対する強い結合活性を有する化合物の使用は、免疫疾患(自己免疫疾患、器官移植、等)、喘息、異常骨形成、ニューロン細胞死、血栓症及び発作、肝障害、流産、男性及び女性の性機能不全、早産、炎症、例えばリウマチ様関節炎又は網膜神経障害、例えば縁内障の予防及び/又は処理を包含する。
【0005】
プロスタグランジン類及びそれらの結合される受容体は、例えばM. Abramovitz など.,The Utilization of Recombinant Prostanoid Receptors to Determine the Affinities and Selectivities of Prostaglandins and Related Analogs, Biochimica et Biophysica Acta 2000, 1483, 285-293により十分に記載されている。
【0006】
骨吸収におけるプロスタグランジンE受容体アゴニストの関与は、例えば、T. Suzawaなど., The Role of Prostaglandin E Receptor Subtypes in Bone Resorption: An Analysis Using Specific Agonists for the Respective EPs,Endocrinology 2000, 141, 1554-1559; K. Ono など., Important Role of EP4, a Subtype of Prostaglandin (PG) E Receptor, in Osteoclast-like Cell Formation from Mouse Bone Marrow Cells Induced by PGE2, J. of Endocrinology 1998, 158, R1-R5 ; M. Suda など., Prostaglandin E Receptor Subtypes in Mouse Osteoblastic Cell Line, Endocrinology 1996, 137, 1698-1705に記載されている。
【0007】
それらの選択的プロスタグランジンE受容体アゴニストはまた、胃損傷の処理のためにも有用である。例えば、H. Araki, など. The Roles of Prostaglandin E Receptor Subtypes in the Cytoprotective Action of Prostaglandin E2 in Rat Stomach, Aliment. PharmacoL Ther. 2000, 14 (Suppl. 1), 116-124; T. Kunikata, など,. E Type Prostaglandin Inhibits Indomethacin-Induced Small Intestinal Lesions Through EP3 and EP4 Receptors: A Study Using Rats and Knockout Mice, Gastroenterology 118, abstract #3787を参照のこと。
【0008】
プロスタグランジンE受容体アゴニストの他の使用は、例えばM. D. Breyer, など,Prostaglandin E Receptors and the Kidney, Am. J. Physio. 2000,279, F12-F23, and K. E. Purdy, et aL, EPl and EP4 Receptors Mediate Prostaglandin E2 Actions in the Microcirculation of Rat Kidney, Am.J. Physiol. 2000,279, F755-F764に記載されるように腎機能の改善;例えばB. Z. S. Paul, など, Distribution of Prostaglandin IP and EP Receptor Subtypes and Isoforms in Platelets and Human Umbilical Artery Smooth Muscle Cells, Br. J. Haematol. 1998, 102, 1204-1211に記載されるように、血小板凝集の阻害が有益である血栓症及び発作、
【0009】
並びに他の病状;例えばK. K. Meja, など. Characterization of prostanoid receptor (s) on human blood monocytes at which prostaglandin E2 inhibits lipopolysaccharide-induced tumor necrosis factor-alpha generation, Br. J. Pharmacol. 1997, 122, 149-157, 及び A. Eigler, など. Anti-inflammatory activities of cAMP-elevating agents: enhancement of IL-10 synthesis and concurrent suppression of TNF production, J. Leukoc. Biol. 1998,63, 101-107に記載されるように、TNF−α生成の阻害を通しての抗炎症効果;又は例えばM. Takamatsu, など. Localization of Prostaglandin E Receptor Subtypes in The Ciliary Body of Mouse Eye, Exp. Eye Res. 2000,70, 623-628, 及び D. F. Woodward, など, Molecular Characterization and Ocular Hypotensive Properties of the Prostanoid EP2 Receptor, J. OcuL. Pharmacol. Ther. 1995, 11, 447に記載されるように、縁内障のためである。
【0010】
選択的EP2及び/又はEP4受容体リガンドであるプロスタグランジンを用いることによっての不能症及び/又は勃起機能不全の処理は、Pharmacia & Upjohn ABに譲渡された国際出願公開番号WO99/02164号に開示されている。
プロスタグランジン類及びそれらの受容体に関する追加の情報は、Goodman eS Gillman's, The Pharmacological Basis of Therapeutics, ninth edition, McGraw-Hill, New York, 1996, Chapter 26, pages 601-616に記載される。
【0011】
PGE2に対応する8−アザ−11−デオキシ−プロスタグランジン類似体は、下記構造:
【化2】

を有する。
【0012】
C−8での炭素原子による窒素の置換は、得られるプロスタグランジンの三次元コンホメーションの変化を引き起こし、そして構造は生物学的活性に関連しているので、そのようなコンホメーションの変化がその生物学的活性に対して有意な効果を有するであろう。天然の側鎖を有する8−アザ−11−デオキシプロスタグランジンEは、文献に報告されている。例えば、Syntex USA, Inc. に譲渡されたBE841,165号を参照のこと。
【0013】
本発明の化合物は、得られる類似体のコンホメーションをさらに変える、ヘテロ原子を含む非天然のN−置換された側鎖を有する8−アザプロスタグランジン類似体である。それらの化合物は、それらのEP4受容体アゴニスト活性において選択性を有する。選択性の増強は、非選択性プロスタグランジンアゴニストの投与に続いて頻繁に観察される重度の副作用を緩和する。従って、本発明の化合物が所望される。
【0014】
本発明は、下記式I:
【化3】

【0015】
[式中、Qは、CH2又は酸素であり;
Bは-CH2-,-(CH2)2-,- (CH2)3-,-(CH2)4-,-(CH2)5-,-CH=CH-,-CH2-CH=CH-,-CH=CH-CH2-,又は-CH2-CH=CH-CH2-であり、但し、Bが-CH=CH-又は- CH=CH-CH2-である場合、Qは-CH2-であり;
Xは、-NR2-(ここでR2は水素、ハロゲン、(C1-C6)アルキル又は(C1-C6)アシルである)、-O-, -S-, -SO-, -SO2-又は単結合であり、但し、Xが単結合である場合、Qは酸素であり;
【0016】
Jは、-(CRbRc)n-(ここでnは1〜4の整数であり、そしてRb及びRcは両者とも水素であるか、又はRb及びRcの1つ又は両者は低級アルキルであり、そして残りは水素であるか、又はRb及びRcは、同じ原子に結合される場合、C2-C5-ポリメチレン基を形成する)、又は-CH2-CH=CH-であり;
Aは、-CH2-CH2-,-CH=CH-, 又は -C≡C-であり;
Zは、CH20H,-C(O)OR',-C(O)NR'R", -C(O)NSO2R',-P(Cl -C6)アルキル(0)(OR'), (-PO (OR')2、又はテトラゾール−5−イルであり、ここでR’及びR"はそれぞれお互い独立して、水素又は(C1-C6)アルキルであり;
【0017】
R1は、-(CH2)pR7又は-(CH2)qOR8であり、ここでR7及びR8は、それぞれお互い独立して、(C1-C6)アルキル、ハロ(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;
p及びqは、それぞれお互い独立して、0,1,2,3,4又は5であり;
R2は、水素、(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル又は(C2-C6)アルキニルであり;そして
R3, R4, R5及びR6は、それぞれお互い独立して、水素又は(C1-C6)アルキルである]で表される化合物;又は医薬的に許容できるその塩に関する。上記化合物は、溶媒化合物、プロドラッグ、単一異性体、又はその異性体のラセミ又は非ラセミ混合物を包含する。
【0018】
もう1つの観点においては、本発明は、治療的有効量の少なくとも1つの式Iの化合物、又はその医薬的に許容できる塩、又は溶媒化合物、プロドラッグ、単一異性体、又はその異性体のラセミ又は非ラセミ混合物、及び少なくとも1つの適切なキャリヤー、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
もう1つの観点においては、本発明は、治療的有効量の式Iの化合物又はその医薬的に許容できる塩を投与することを含んで成る、プロスタグランジンEP4受容体アゴニストの投与により処理できる哺乳類における疾病、特に骨疾患の処理方法を提供する。
もう1つの観点においては、本発明は、式Iの化合物の調製方法を提供する。
特にことわらない限り、本明細書及び特許請求の範囲に使用される次の用語は、下記に示される意味を有する。
【0019】
“アルコキシ”とは、基−OR(ここでRは本明細書において定義されるようなアルキルである)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及び同様のものを意味する。
“アルキル”とは、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和単価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の枝分れ鎖飽和単価炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル及び同様のものを意味する。
【0020】
“アルキレン”とは、1〜6個の炭素原子の直鎖飽和二価炭化水素基、又は3〜6個の炭素原子の枝分れ鎖飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン及び同様のものを意味する。
“アルキルチオ”とは、基−SR(ここで、Rは上記で定義されるようなアルキルである)、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、及び同様のものを意味する。
【0021】
“アリール”とは、1価の単環又は二環の芳香族炭化水素基を意味し、これらは、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、アミン、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、Y-任意に置換されたフェニル、Y-ヘテロアリール、Y-シクロアルキル、Y-ヘテロシクリル、-Y-OR’, -Y-NR’R", -Y-C(O)- R’, -Y-S(O)0-2-R’, -Y-N-SO2-R’, -Y-SO2-NR’R", -Y-N-C(O)-NR’R"から成る群から選択された、1又は複数の置換基、好ましくは1,2又は3個の置換基によりお互い独立して、任意に置換されていてもよく、ここで前記Yは結合又はC1-C3アルキレンであり、そしてR’及びR"は、それぞれ独立して、お互い水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、任意に置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルからである。
【0022】
“シクロアルキル”とは、3〜7個の炭素の飽和1価の環状炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロへキシル、4−メチル−シクロへキシル及び同様のものを言及する。
“ハロ”とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、好ましくはフルオロ及びクロロを意味する。
“ハロアルキル”とは、1又は複数の同じか又は異なったハロ原子により置換されたアルキル、例えば-CH2Cl, -CF3, -CH2CF3, -CH2CCl3及び同様のものを意味する。
【0023】
“ヘテロアリール”とは、N, O又はSから選択された1,2又は3個の環へテロ原子(残りの環原子はCである)を含む少なくとも1つの芳香族環を有する5〜12個の原子の1価の単環又は二環基を意味し、ここでヘテロアリール基の結合点は芳香族環上に存在するであろうことを理解すべきである。ヘテロアリール環は、任意に、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチレンジオキシ、Y-任意に置換されたフェニル、Y−シクロアルキル、Y-ヘテロシクリル、-Y-OR’, -Y-NR’R", -Y-C(O)- R’, -Y-O-C(O)- R’,-Y-S(O)0-2-R’, -Y-N-SO2-R’, -Y-SO2-NR’R", -Y-N-C(O)-N-R’R"から成る群から選択された、1又は複数の置換基、好ましくは1又は2個の置換基によりお互い独立して、置換されていてもよく、ここで前記Yは不在であるか又はC1-C3アルキレン基であり、そしてR’及びR"は、それぞれ独立して、お互い水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、任意に置換されたフェニル、シクロアルキル、ヘテロシクリルからである。
【0024】
より特定には、用語へテロアリールとは、ピリジル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズオキサゾリル、キノリル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリル又はベンゾチエニル、イミダゾ[1,2−a]−ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル及びそれらの誘導体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0025】
“ヘテロシクリル”とは、1又は2個の環原子がN, O又はS(O)0-2から選択されたヘテロ原子であり、残りの環原子がCである、3〜8個の環原子の飽和又は不飽和非芳香族環状基を意味し、ここで1又は2個のC原子は任意には、カルボニル基により置換されていてもよい。ヘテロシクリル環は、任意にアルキル、ハロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、Y-任意に置換されたフェニル、Y−ヘテロアリール、Y-シクロアルキル、-Y-OR’, -Y-NR’R", -Y-C(O)- R’, -Y-S(O)0-2-R’, -Y-N-SO2-R’, -Y-SO2-NR’R", -Y-N-C(O)-N-R’R"から成る群から選択された、1、2又は3個の置換基によりお互い独立して、置換されていてもよく、ここで前記Yは不在であるか又はC1-C3アルキレン基であり、そしてR’及びR"は、それぞれ独立して、お互い水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、任意に置換されたフェニル、ヘテロアリール又はシクロアルキルからである。
【0026】
より特定には、用語“ヘテロシクリル”とは、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジニル、N−メチルピロリジン−3−イル、3−ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1、1−ジオキシド、ピロリニル、イミダゾリニル、N−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル及びそれらの誘導体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0027】
“脱離基”は、合成有機化学において、求核試薬により置換され得る原子又は基に従来関連する意味を有し、そしてまた、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ及びヨード)、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4−ジニトリルフェノキシ)、メトキシ、N, O−ジメチルヒドロキシアミノ及び同様のものを包含する。
【0028】
“任意に置換されたフェニル”とは、1又は複数の置換基、好ましくはアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、アミノ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ及びアシルから成る群から選択された1又は2つの置換基により、お互い独立して、任意に置換されるフェニル環を意味する。
【0029】
“異性”とは、同一の分子式を有するが、しかしそれらの原子の結合の性質又は順序において、又はそれらの原子の空間的な配置において異なる化合物を意味する。それらの原子の空間的な配置において異なる異性体は、“立体異性体”と呼ばれる。お互い鏡像ではない立体異性体は、“ジアステレオマー”と呼ばれる。そして非重複性鏡像である立体異性体は、“鏡像異性体”、又は時々、光学異性体と呼ばれる。4個の非同一性の置換基に結合される炭素原子は、“キラル中心”と呼ばれる。
【0030】
“キラル異性体”とは、1つのキラル中心を有する化合物を意味する。それはまた、反対のキラリティーの2つの鏡像異性形を有し、そして個々の鏡像異性体として、又は鏡像異性体の混合物として存在することができる。等量の反対のキラリティーの個々の鏡像異性形を含む混合物は、“サラミ混合物”と呼ばれる。1つよりも多くのキラル中心を有する化合物は、Zn-1個の鏡像異性体対を有し、ここでnはキラル中心の数である。1つよりも多くのキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして又は“ジアステレオマー混合物”と呼ばれる、ジアステレオマーの混合物として存在することができる。
【0031】
1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対的形状(R又はS)により特徴づけられ得る。絶対的形状とは、キラル中心に結合される置換基の空間的配置を言及する。考慮下のキラル中心に結合される置換基は、Sequence Rule of Cahn, Ingold and Prelog. (Cahn など,Angew. Chem. Inter. Edit. 1966,5, 385; errata 511; Cahn など., Angew. Chem. 1966,78, 413; Cahn and Ingold, J. Chem. Soc. 1951 (London), 612; Cahn et al., Experientia 1956 12, 81 ; Cahn, J., Chem. Educ. 1964,41, 116)に従って順位付けされる。
【0032】
“幾何学的異性体”とは、二重結合の回りのヒンダード回転にそれらの存在を有するジアステレオマーを意味する。それらの形状は、接頭語ジス及びトランス、又はZ及びEによりそれらの名称において区別され、それらの、基がCahn−Ingold−Prelog規則に従って、分析における二重結合の同じか又は反対側に存在することを示す。
“アトロピック(atropic)異性体”とは、中心結合の回りの大きな基の回転の妨害により引き起こされる制限された回転にそれらの存在を有する異性化を意味する。
本発明の化合物は、立体異性体形で存在することができ、従ってそれらは、個々の立体異性体として又は混合物として生成され得る。
【0033】
“医薬的に許容できる賦形剤”とは、一般的に安全で、非毒性で且つ生物学的活性でない、医薬組成物の調製において有用である賦形剤を意味し、そして獣医使用及びヒト医薬使用のために許容できる賦形剤を包含する。“医薬的に許容できる賦形剤”とは、本明細書及び特許請求の範囲に使用される場合、1種及び1種以上のそのような賦形剤を包含する。
1つの化合物の“医薬的に許容できる塩”とは、医薬的に許容でき、そして親化合物の所望される薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩は次のものを包含する:
【0034】
(1)無機酸、例えば塩酸、臭酸、硫酸、硝酸、リン酸及び同様のものにより生成されるか;又は有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、琥珀酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、マンデリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、樟脳スルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトール酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸及び同様のものにより形成される酸付加塩;又は
【0035】
(2)親化合物に存在する酸プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又はアルミニウムイオンにより置換されるか;又は有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン及び同様のものと配位結合する場合に形成される塩。
医薬的に許容できる塩に関するすべての参照は、本明細書において定義されるように、同じ酸付加塩の溶媒付加形(溶媒化合物)又は結晶形(多形体)を包含することが理解されるべきである。
【0036】
“結晶形”(又は多形体)とは、化合物が、そのすべてが同じ要素の組成を有する、異なった結晶パッキング配置で結晶化できる結晶構造体を意味する。異なった結晶形は通常、異なったX−線回折パターン、赤外スペクトル、溶融点、密度、硬度、結晶形状、光学的及び電気的性質、安定性及び溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、貯蔵温度及び他の因子が1つの結晶形の支配を引き起こすことができる。
【0037】
“溶媒化合物”とは、理論量又は非理論量の溶媒を含む溶媒付加形を意味する。いくつかの化合物は、結晶固体状態において固定されたモル比の溶媒分子を閉じ込める傾向を有し、従って、溶媒化合物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒化合物は、水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒化合物はアルコール化合物である。水和物は、1又は複数の水の分子と、水がH2Oのようなその分子状態を保持する1つの物質との組み合わせにより形成され、そのような組み合わせは1又は複数の水和物を形成する。
【0038】
用語“プロ−ドラッグ”及び“プロドラッグ”は、本明細書においては交換可能的に使用され、そしてそのようなプロドラッグが哺乳類対象に投与される場合、インビボで、式Iの活性親薬剤を開放するいずれかの化合物を言及する。式Iの化合物のプロドラッグは、変性が親化合物を開放するために、インビボで分解され得るような手段で、式Iの化合物に存在する1又は複数の官能基を変性することによって調製される。プロドラッグは、式Iの化合物におけるヒドロキシ、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシ又はカルボニル基が、それぞれ、遊離ヒドロキシル、アミノ又はスルフヒドリル基を再生するためにインビボで分解され得るいずれかの基に結合される、式Iの化合物を包含する。
【0039】
プロドラッグの例は、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ジアルキルアミノアセテート、ホルメート、ホスフェート、スルフェート及びベンゾエート誘導体類)及びカルバメート(例えば、N, N−ジメチルアミノカルボニル)、カルボキシル官能基のエステルグループ(例えば、エチルエステル、モルホリノエタノールエステル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)N−Mannich塩基、Schiff塩基及びエナミノン、式Iの化合物におけるケトン及びアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタール及びエノールエステル、及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。Bundegaard, H. “Design of Prodrugs” p1-92, Elesevier, New York-Oxford (1985) を参照のこと。
【0040】
“保護基”とは、分子マスクにおける反応基に結合される場合、その反応性を低めるか、又は妨げる、原子団(基)を言及する。保護基の例は、T. W. Green and P. G. M. Futs, Protective Groups in Organic Chemistry, (Wiley, 3rd ed. 1999) 及び Harrison and Harrison など., Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996)に見出され得る。
【0041】
代表的なアミノ保護基は、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブトキシ(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(SES)、トリチル及び置換されたトリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)及び同様のものを包含する。代表的なヒドロキシ保護基は、ヒドロキシ基がアシル化されるか又はアルキル化されるそれらの基、例えばベンジル、及びトリチルエーテル、並びにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル及びアリルエーテルを包含する。
【0042】
疾病を“処理する”又は疾病の“処理”とは、(1)疾病を予防する、すなわち疾病に暴露されるか又はその疾病にかかりやすくされ得るが、しかし疾病を経験していないか又はその疾病の徴候を示していない哺乳類における疾病の臨床学的徴候の進行を引き起こさないこと;(2)疾病を阻害する、すなわち疾病又はその臨床学的徴候の進行を阻止するか遅めること;又は(3)疾病又はその臨床学的徴候の後退を引き起こすことを包含する。
【0043】
“治療的有効量”とは、疾病を処理するために哺乳類に投与される場合、疾病に対するそのような処理をもたらすのに十分である化合物の量を意味する。その“治療的有効量”は、化合物、疾病及びその重症性、及び処理される哺乳類の年齢、体重等に依存して変化するであろう。
【0044】
“プロスタグランジン類似体”とは、プロスタグランジンに構造的に類似する天然において存在しない化合物である。
“プロスタグランジン受容体”又は“プロスタノイド受容体”とは、結合される場合、細胞の機能を変更する、プロスタグランジンを結合する天然に存在するタンパク質である。プロスタグランジン受容体は、興奮剤又は弛緩剤として特徴づけられ得る。そのような受容体は、EP1, EP2, EP3, EP4, DP, EP, IP, TP1及びTP2を包含するが、但しそれらだけには限定されない。それらの受容体はさらに、Colemanなど, Pharmacological Reviews, 1994, Volume 6, No. 2, page 205-229により論じられる。
【0045】
本発明の化合物の名称及び番号付けは、下記に示される:
【化4】

【0046】
一般的に、本出願に使用される命名法は、AUTONOMTM v. 4.0, すなわちIUPAC分類命名法の生成のためのBeilstein Institute コンピューター化システムに基づく。
例えば、式I(式中、Qは-CH2-であり;Bは-(CH2)-であり;Xは-S-であり;Jは-(CH2)3-であり;Zは-COOHであり;R2, R3, R4, R5及びR6は水素であり;Aは-CH=CH-であり;そしてR1はn−ペンチルである)で表される化合物は、4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸である。
【0047】
Zが-C(O)OR’, CH2OH又はテトラゾール−5−イルである化合物が好ましく、ZがCOOHである化合物が特に好ましい。
Q及びBが一緒に-(CH2)n (ここでnは2〜5の整数である)を形成する化合物が特に好ましい。
Xが-O-又は-S-である化合物が好ましい。
Jが-(CH2)3-; -(CHRa)3 (ここでRaの1つが低級アルキルである);又は-CH2-CH=CH-である化合物が好ましい。
Aが-CH2-CH2-又はCH=CHである化合物が好ましい。
R2, R3, R4, R5及びR6が水素である化合物が好ましい。
【0048】
R2がアリール又はヘテロアリールである化合物が好ましく、そしてR7が、アルキル、トリフルオロメチル、ハロ、-Y-R9, 又は-Y-OR9により任意に置換されたフェニルであり、ここでYは結合であり、そしてR9は(C1-C6)アルキル、ハロ又は任意に置換されたフェニルである化合物が特に好ましい。
第1の態様においては、Q, B, X, J, Z, A, R2, R3, R4, R5及びR6は発明の要約に定義された通りであり、R1は-(CH2)R7であり、そしてR7がアルキル又は(C3-C8)シクロアルキルである。好ましくは、R7はメチルであり、そしてpは4である。
【0049】
第2の態様においては、Q, B, X, J, Z, A, R2, R3, R4, R5及びR6は発明の要約に定義された通りであり、R1は-(CH2)R7であり、そしてR7がアリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。好ましくは、R7は任意に置換されたフェニルであり、ここで少なくとも1つの置換基は、(C1-C6)アルキル、トリフルオロメチル、ハロ、-Y-R9, -YOR9及び-Y-(O)R9から選択され、ここでYは結合又は(C1-C3)アルキレン基であり、そしてR9は(C1-C6)アルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルである。より好ましくは、R7はアリール又はヘテロアリールであり、そしてpは0である。さらにより好ましくは、R7はアリール又はヘテロアリールであり、そしてpは1である。
【0050】
第3の態様においては、R1, R2, R3, R4, R5, R6, A, J及びZは、発明の要約に定義された通りであり、そしてQ−Bは一緒に、-(CH2)2-6であり、そしてXは-NH, -O-又は-S-である。好ましくは、Q−Bは一緒に、-CH2-CH2-である。より好ましくは、この態様においては、R1は-(CH2)pR7であり、ここでR7はアリール又はヘテロアリールである。
第4の態様においては、R1, R2, R3, R4, R5, R6, A, J及びZは、発明の要約に定義された通りであり、そしてQは酸素である。
第5の態様においては、R1, R2, R3, R4, R5, R6, A, Q, B, X及びZは、発明の要約に定義された通りであり、そしてJは-(CH2)3-又は-(CHRa)3であり、個々でRaは低級アルキルである。
【0051】
式Iの代表的な化合物は下記の通りである:
4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸;
{4−[(2R)−2−(1E−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸;
{4−[(2R)−2−(1E−3S−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸;
{4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸;
(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(5−トリフルオロメチル−フラン−2−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブチルスルファニル)−酢酸;
【0052】
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルフィニル}−酪酸;
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルホニル}−酪酸;
{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸;
{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸;
(4−{(R)−2−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
【0053】
(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(2’−メチル−ビフェニル−3−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
(4−{(R)−2−[(E)−3−(4’−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−3−ペンチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸;
4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−3−メチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸;
4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(3−フルオロ−フェノキシ)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸;
【0054】
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−3−メチル−酪酸;
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−メチル−酪酸;
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−4−メチル−酪酸;
(1−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}シクロプロピル)−酢酸;
5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酢酸;
【0055】
3−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−プロピオン酸;
5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−ペンタン酸;
4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−ブテニル酸;
4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(4’−クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸;
4−[2−((S)−2−{(S)−3−[3−(4’−クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸;
【0056】
4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸;
4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(4’−メトキシ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸;
6− [2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシ]−ヘキサン酸;及び
3−{3−[2−(3−ヒドロキシ−オクト−1−イニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−プロピルスルファニル}−プロピオン酸。
【0057】
式Iの化合物の構造体は、その構造体の光学的異性体、ジアステレオマー又は鏡像異性体、又は医薬的に許容できる塩、生物−加水分解性アミド、エステル又はイミドを包含する。好ましい立体化学は、天然に存在するPGE2の立体化学に類似する。
本発明の化合物は、溶媒化されていない形、及び溶媒化された形、例えば水和化された形で存在することができる。一般的に、溶媒化された形、例えば水和化された形は、溶媒化されていない形に等しく、そして本発明の範囲内に包含される。
式Iの化合物はさらに、医薬的に許容できる塩基付加塩を形成することができる。それらの形のすべては、本発明の範囲内である。
【0058】
本発明の化合物は、下記に示される反応スキームに示される方法により製造され得る。当業者は、それらのスキームに対する一定の修飾、例えば特定の反応条件と適合できない官能基のためへの保護基の使用を包含する一定の段階が本発明の範囲内にあることを理解するであろう。
それらの化合物の調製に使用される出発材料及び試薬は、市販されているか、又は当業者に知られている方法により調製される。それらのスキームは、本発明の化合物が合成され得るいくつかの方法の単なる例示であり、そしてそれらのスキームの種々の修飾が行われ得、そしてこの開示に属する当業者に提案されるであろう。
特にことわらない限り、本明細書に記載される反応は、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃、及び最も好ましくは室温、例えば約20℃の温度で、大気圧下で生じる。
【0059】
スキームA
スキームAは、Qが-CH2-である一般式Iの化合物の調製方法を概略する。
式aの化合物(スキームA)は、当業界において知られている。例えば、(R)-5-(ヒドロキシメチル)−2−ピロリジノン(ここで、R3, R4, R5及びR6は水素である)は、市販の製品であり、そしてその調製は、S. Saijoなど., Chem. Bull. 1980, 28, 1449-1458に記載されており;(R)−3,3−ジメチル−5−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリジノン(ここで、R3及びR4はメチルであり、そしてR5及びR6は水素である)は、Y. Nakagawa, など., Tetrahedron 1998, 54, 10295-10307に従って調製され得;そして4,4−ジメチル−5−(ヒドロキシメチル)−2−ピロリジノン(ここで、R3及びR4は水素であり、そしてR5及びR6はメチルである)は、R. L. Mackman, など., J. Chem. Soc., Perkin Trans., 1997, 2111-2122に従って調製され得る。
【0060】
【化5】

【0061】
初期段階として、化合物aにおけるヒドロキシル基は、当業界において知られており、そして上記に記載される方法により保護される。アセタールとしてのaにおけるヒドロキシルを保護する方法は、S. Saijoなど., Chem. Pharm. Bull. 1980, 28, 1449-1458により記載されている。他の保護基はシリルエーテルである。シリルエーテルは、いずれかのハロトリアルキルシラン、例えばクロロトリイソプロピルシラン、クロロジメチルフェニルシラン又はt−ブチルクロロメチルシランにより、不活性有機溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、又はN, N−ジメチルホルムアミド、及び弱塩基、例えばイミダゾール、トリエチルアミン又はピリジン下で調製され得る。
【0062】
O−保護された5−ヒドロキシメチル−2−ピロリジノンが極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリジノン又はN, N−ジメチルホルムアミドに溶解され、そして塩基、例えば水素化ナトリウム、カリウムヘキサメチルジシラジド又はカリウムtert−ブトキシドにより処理され、アニオンが生成され、そして一般式b(ここで、Lは脱離基、好ましくはハロゲンであり、そしてZは上記に定義されるようなエステル基である)のアルキル誘導体と反応せしめられる。アルコール溶媒、例えばメタノール、エタノール又は2−プロパノール、及び触媒量の酸、例えばトリフルオロ酢酸、パラ−トルエンスルホン酸又は塩酸における保護されたヒドロキシ基の保護解除は、化合物のCを生成する。
【0063】
化合物Cが、アルデヒドでの転移を阻止するであろう酸化試薬により酸化され、一般式構造体のdのアルデヒドが生成される。使用され得る酸化剤は、例えばジメチルスルホキシド−トリフルオロ酢酸無水物、次にトリエチルアミン;触媒性2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ基を有する次亜塩酸ナトリウム、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソオール−3(1H)−オン、触媒性テトラプロピルアンモニウムペルルテネートと共にN−メチルモルホリン−N−オキシド、又は不活性有機溶媒、例えば1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン又はベンゼン中、不活性支持体、例えばセライトTM の存在下でのピリジニウムクロロクロメートである。
【0064】
不活性エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン又はt−ブチルメチルエーテル中、塩基、例えば水素化ナトリウム、カリウム−t−ブトキシ、カリウムヘキサメチルジシラジド又は塩化リチウム及び第三アミンの存在下での化合物dと一般式R1-C(O)-CH2PO (OCH3)2のβ−ケトホスホネート(k, それらの調製についてはスキームCを参照のこと)との反応は、一般式eのケトンを生成する。
【0065】
段階4においては、溶媒、例えばジクロロメタン、トルエン、エタノール又はテトラヒドロフランにおけるケトンeと、水素化物、例えば硼水素化ナトリウムとの反応は、R2が水素である式fのアルコールのジアステレオマー混合物を生成する。1つのジアステレオマー、例えばS−ヒドロキシル異性体(R1がn−アルキルである)の選択的形成が所望される場合、R. Noyori, など., J. Am. Chem. Soc. 1984, 106, 6717-6725により記載されるような水素リチウムアルミニウム−エタノール−(S)−(−)−ビナフトールの理論的組み合わせが使用され得;
【0066】
又はR−ヒドロキシル異性体が所望される場合、E. J. Corey, など., Am. Chem. Soc. 1987, 109, 7925-7926により記載されるような理論量のボラン−ジメチルスルフィド、又はM. M. Midlandなど., J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 867-869により記載されるような理論量の(R)−3−ピナニル−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンと、触媒量の(R)−2−メチル−“CBS”−オキサボラリジンとの組み合わせが使用される。炭素上ラネーニッケル又はPdによる二重結合の触媒的水素化は、側鎖が飽和されている一般式fの化合物を生成する。
【0067】
他方では、段階5における化合物eと、一般式R2Mのハロゲン金属又はマグネシウム、より好ましくは一般式R2MgBrのグリニャール試薬との反応(ここで、Mは金属であり、そしてR2は上記に定義された通りである)は、化合物gを生成する。飽和側鎖を有する化合物が所望される場合、二重結合は、上記方法により還元され得る。
エステル基Zは、所望には、当業者に良く知られている方法を用いてこの加水分解により、例えばプロトン性又はエーテル溶媒含有水中、塩基、例えば水酸化リチウム、ナトリウム又はカリウム、又は酸、例えば硫酸又は塩酸の添加により、又はC. Luthy, など., J. Am. Chem soc. 1978, 100, 6211-6217により記載されるようなpH6.8での0.05Mの水性リン酸緩衝液中、タイプVIIリパーゼを用いることによって、-C(O)OHに加水分解される。
【0068】
ZがC(O)OR’以外である化合物を調製するためのアルキル誘導体bは、当業界において知られている方法により調製され得る。例えば、式bのアルキル誘導体が、W. S. Marshall, など., J. Med. Chem. 1987, 30, 682-689により記載されるように、反応せしめられ、そして続いて、テトラゾール−5−イルとしてZに転換され得る。
【0069】
本発明のもう1つの態様は、下記一般式II:
【化6】

【0070】
[式中、Q, B, X, J. R3, R4, R5及びR6は上記に定義される通りであり、ZはC(O)OR’であり、ここでR’は水素又は(C1-C6)アルキルであり;そしてR10は-CH2OH, -CHO, -CH=CH-C(O)R1である]で表される中間体化合物である。
式IIのこの化合物は、スキームAの中間化合物の一般式である。
【0071】
スキームB
スキームBは、式I(式中、Qは-CH2-であり、そしてBは-CH2-であり、R1はアリールであり、そしてR2はHである)で表される化合物の一般的調製方法を記載する。
【0072】
【化7】

【0073】
式eeの化合物は、N−アルキル化段階においてのハロゲン化アルキル、例えばβ−ブロモエタノールトリアルキルシリルエーテルの使用、及びオレフィン化段階においての化合物kのβ−ケトホスホネートの使用により、スキームAに従って調製される。一般式ffの化合物は、水素化物源、例えば[CuH (Ph3P)]6又は硼水素化リチウム又はカリウム(sec−ブチル)による処理、又は存在する金属表面、例えば酸化白金又は炭素上パラジウムを伴っての水素ガスへの暴露により、化合物eeにおける二重結合の初期還元により調製される。一般式ffのジアステレオマーアルコールは、溶媒、例えばジクロロメタン、トルエン、エタノール、又はテトラヒドロフラン中、水素化物、例えば硼水素化ナトリウムにより生成される。
【0074】
1つの15−ジアステレオマーの選択的形成が所望される場合、例えばR1がアリールであるR−ヒドロキシル異性体を調製することが所望される場合、R. Noyori, など., J. Am. Chem.. Soc. 1984, 106, 6717-6725により記載されるように水素化リチウムアルミニウム−エタノール−(R)−(−)−ビナフトールの理論的組合せが使用される。しかしながら、S−ヒドロキシ異性体を調製することが所望され得る場合、E. J. Coreg, など., J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 7925-7926により記載されるように理論的ボラン−ジメチルスルフィドと触媒量の(S)−2−メチル−“CBS”−オキサアザボーロリジンとの組合せ;又はM. M. Midlandなど., J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 867-869により記載されるように理論量の(S)−3−ピナニル−9−ボーラビシクロ[3.3.1]ノナンが使用される。
【0075】
前記に引用される標準条件、例えば水性メタノール中、水酸化ナトリウム、又はテトラヒドロフラン中、弗化テトラブチルアンモニウムによる化合物ffにおけるヒドロキシル基の保護解除が行われる。得られるジオールは、その対応するモノスルホネートを得るために、−25〜0℃で、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で塩化ベンゼンスルホニル又は塩化メタンスルホニルにより一次ヒドロキシル基で選択的に誘導され得る。
【0076】
次に、上記スルホネートは、XがSである化合物fffを生成するために、求核性リチウム又はカリウム−X−J−Z、例えば不活性エーテル性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又は1,2−ジメトキシエタン下でのγ−チオブチロラクトンによるカリウムメトキシドの処理により生成されるカリウムチオレートと反応せしめられる。エステル基Zは、所望により、前記方法を用いての加水分解により-C(O)OHに加水分解される。
【0077】
スキームC
スキームCは、R1がアリールである低級側鎖を導入するために、上記スキームAに使用される式kのホスホネートを調製するための一般的方法を記載する。
【0078】
【化8】

【0079】
Lが前記に定義されるような脱離基である、出発材料としての安息香酸誘導体は、市販されているか、又は当業者により合成され、そしてそれぞれh及びiの化合物に転換される。式Aの化合物の調製のための条件は、D. A. Evansなど., Tetrahedron Lett. 1998, 39, 2937に記載される。式kの化合物の調製方法は、A. M. Echavarren and J. K. Stille J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 5478-5486, N. Miyaura and A. Suzuki Chem. Rev. 1995,95, 2457-2483, 及び A. F.Littke など. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 4020-4028に記載される。化合物h及びiは、不活性エーテル溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はt−ブチルメチルエーテル中、塩基、例えば通常のブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドにより最初に処理される、ジアルキルメチルホスホネートへの暴露により化合物kに転換される。
【0080】
スキームD:
スキームDは、Qが-O-であり、そしてXが結合である式Iの化合物の一般的調製方法を記載する。
【0081】
【化9】

【0082】
式mの出発化合物は、当業界において知られている。例えば、R3, R4, R5及びR6が水素であるジメチル2−オキソグルタレートは、市販の製品である。緩塩基、例えばピリジン又は酢酸ナトリウムの存在下でのヒドロキシアミン、例えばO−ベンジルヒドロキシルアミンによるmの連続的処理、還元剤、例えばボラン−ピリジン複合体又は硼水素化ナトリウムトリアセトキシへの続く暴露は、保護基1(PG1)がベンジルである化合物n−を生成する。
【0083】
塩基、例えばイソ−プロピルマグネシウムブロミド又はカリウムtert−ブトキシドによる化合物nの処理、還元剤、例えば硼水素化ナトリウムによる続く処理は、側鎖エステルを転換し、ラクタムoを生成する。段階3においては、得られる化合物oのヒドロキシルが、たぶん、PG1がPG2の存在下で除去され得るよう、まず保護される。ラクタムpは、例えばPG1がベンジルであり、そしてPG2がt−ブチルジメチルシリルである場合、触媒、例えば炭酸上パラジウム又は酸化白金及び水素ガスを用いて生成される。
【0084】
N−ヒドロキシルラクタムpが極性溶媒、例えばテトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリジン又はN, N−ジメチルホルムアミドに溶解され、そして塩基、例えば水素化ナトリウム、カリウムヘキサメチルジシラジド、又はカリウムtert−ブトキシドにより処理され、アニオンが生成され、次にこれは、下記式:
【0085】
【化10】

【0086】
[式中、Lは脱離基、好ましくはハロゲンである]で表されるアルキル誘導体と反応せしめられ、続いて、例えばカリウム又はテトラブチルアンモニウムフロリドにより保護され、一般式ccの化合物が得られる。式ccの化合物は、上記スキームAに記載される方法に従って、一般式gの化合物に転換される。
【0087】
スキームE
スキームEは、Aが炭素−炭素三重結合である式Iの化合物の調製方法を記載する。
【0088】
【化11】

【0089】
一般的に、弱塩基、例えばナトリウムメトキシド、炭酸カリウム又はカリウムt−ブトキシドの存在下で、極性非プロトン性溶媒、例えばN−メチル−2−ピロリジノン、N, N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はアセトニトリルにおける一般式b(式中、L、B及びZは上記で定義された通りであり、そしてQは−CH2−である)で表されるアルキルハロゲン化物によるrのアルキル化は、式sの環状イミドを生成する。一般式tのアルコキシ−ラクタムは、J. C. Aubertなど., Tetrahedron 1975, 31, 1437-1441により記載されるように、酸、例えばクエン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、又は臭酸の存在下で、アルコール溶媒中、硼水酸化リチウム又はナトリウムによる化合物sの還元により調製される。
【0090】
典型的には、ルュイス酸、例えばハロゲン化マグネシウム、三ハロゲン化硼素、チタン(IV)塩、又は錫(IV)塩の不在下での化合物tと、一般式u(式中、PG3は保護基、例えばシリルエーテルであり、そしてMは金属である)で表される有機錫アルキル誘導体試薬との反応、続く保護解除は、化合物wを生成する。
Zが-C(O)OHである化合物wは、スキームAに記載のようにして加水分解によりエステルから調製され得る。
本発明はまた、少なくとも1つの適切なキャリヤー、希釈剤又は賦形剤と共に、治療的有効量の本発明の化合物を含んで成る医薬組成物にも関する。
本発明の化合物は、薬剤の調製、特に骨障害に関連する疾病のための薬剤及びより好ましくは、オステオポローシスの処理のための薬剤の調製に使用され得る。
【0091】
本発明の化合物は、選択的EP4プロスタグランジンアゴニストであり、そしてプロスタグランジンEP4受容体−介在性疾病に関連するいくつかの疾病状態、特に低い骨質及び骨組織の劣化、続く骨の脆さの上昇及び破損の過敏性の上昇により特徴づけられる骨障害に関連する疾病状態、特に骨質量、骨体積又は骨強度の有意な上昇を必要とするそれらの疾病状態を処理するために使用され得る。低い骨質量に関連する状態は、骨質量のレベルが年齢特異的正常値以下である状態を言及する。
【0092】
子供の特発性及び一次オステオポローシスも包含される。長期間の合併症、例えば脊椎の湾曲、身長障害の予防又は減衰、補綴手術、破折の治癒及び前立腺機能不全の予防が、オステオポローシスの処理に包含される。当業者は、用語、“骨質量”とは、骨の鉱物密度として時々言及される単位面積当たりの骨質量を実際に言及することを認識するであろう。本発明の8−アザ−11−デオキシプロスタグランジン類似体が骨障害の処理のために有用であることが発見された。
【0093】
それらの化合物のほかの使用は、アレルギー、歯槽膿瘍、アルツハイマー病、ALS、関節炎、喘息炎、アトピー、気管支炎、熱傷、癌腫、心臓血管疾患、クローン病; 慢性閉塞性呼吸器疾患、うっ血性心不全、歯肉炎、糸球体腎炎、肝炎、肝臓障害、急性肝炎、高血圧症、ハイパーサイトキネミア(hypercytokinemia)、免疫異常症、炎症性腸疾患、川崎病、肝不全、肝臓疾患; 肺の不全症、マクロファージ活性化症候群、多臓器不全、多発性硬化症、心筋虚血、腎臓炎、神経変性、神経性細胞死、移植臓器拒絶、歯周病、血小板凝集、肺障害、肺線維症; 肺気腫症、腎不全症、腎不全、腎臓病、呼吸疾患、敗血症、セプシス、ショック、睡眠と血小板凝集疾患、スティル病、全身系肉芽腫、血栓症、潰瘍性大腸炎、及び尿毒症症候群の予防及び/又は処理を包含し、又は骨形成プロモーターとしても有用である。
【0094】
式Iの化合物は、PGE2受容体のサブタイプであるEP4受容体を結合し、そしてそれに対して作用する。本発明の化合物の効果は、例10により詳細に記載されるように、プロスタノイド受容体サブタイプを発現する細胞を用いての結合アッセイにより測定され得る。意図された標的に対するそれらの化合物の競争結合活性は、例11に記載されるようにして測定され得る。本発明の化合物は、例12により詳細に記載されるように、Gunness-Hey and Hock, Metab, Bone Dis. 5, 177-181 (1984) の方法に従って、骨質密度に対するそれらの効果について評価され得る。
【0095】
一般的に、本発明の化合物は、類似する利用性を有する剤についての投与の許容されるいずれかの態様により、治療的有効量で投与されるであろう。本発明の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、種々の因子、例えば処理される疾病の重症度、対象の年齢及び相対的健康性、使用される化合物の能力、投与の経路及び形、及び他の因子に依存するであろう。
式Iの化合物の治療的有効量は、約0.0005−10mg/受容体のKg体重/日;好ましくは約0.001-1mg/kg/日であり得る。従って、70kgの個人への投与に関しては、その用量範囲は好ましくは、約0.1-70mg/日である。
【0096】
一般的に、本発明の化合物は、次の経路のいずれか1つにより、医薬組成物として投与されるであろう:経口、全身性(例えば、経皮、鼻腔内又は坐剤)、又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下)投与、好ましい投与態様は、苦痛の程度に従って調節され得る、便利な毎日の用量レジメを用いての経口である。組成物は、錠剤、ピル、カプセル、半固体、粉末持効性製剤、溶液、懸濁液、エリキシル、エアロゾル又はいずれか他の適切な組成物の形をとることができる。
【0097】
製剤の選択は、種々の因子、例えば薬剤投与の態様(例えば、経口投与に関しては、錠剤、ピル又はカプセルの形での投与が好ましい)、及び薬剤物質の生物利用能に依存する。最近、医薬製剤は、生物利用能が表面積を高めることによって、すなわち粒子サイズを低めることによって高められ得る原理に基づいて、不良な生物利用能を示す薬剤について特に開発されて来た。例えば、アメリカ特許第4,107,288号は、活性材料が高分子の架橋されたマトリックス上に支持されている、10〜1,000nmのサイズ粒子を有する医薬製剤を記載する。アメリカ特許第5,145,684号は、薬剤物質が、著しく高い生物利用能を示す医薬製剤を得るために、表面変性剤の存在下で超微粒子(400nmの平均粒子サイズ)に微粉砕され、そして次に、液体培地に分散される、医薬製剤の生成を記載する。
【0098】
本発明の組成物は、一般的に、少なくとも1つの医薬的に許容できる賦形剤と共に、式Iの化合物から成る。許容できる賦形剤は、非毒性であり、投与を助け、そして式Iの化合物の治療的有益性に悪影響を与えない。そのような賦形剤は、いずれかの固体、液体、半固体、又はエアロゾル組成物の場合、当業者に一般的に利用できる気体賦形剤であり得る。
【0099】
固体医薬賦形剤は、澱粉、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳及び同様のものを包含する。液体及び半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール及び種々の油、例えば石油、動物、植物又は合成起源のそれらの油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油、等から選択され得る。特に注射用溶液のための好ましい液体キャリヤーは、水、塩溶液、水性デキストロース及びグリコールを包含する。
【0100】
圧縮されたガスが、エアロゾル形で本発明の化合物を分散するために使用され得る。この目的のために適切な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素、等である。
他の適切な医薬賦形剤及びそれらの製剤は、Remington’s Pharmaceutical Science, E. W. Martin (Mack Publishing Company, 18th ed., 1990) に記載される。
製剤における化合物のレベルは、当業者により使用される十分な範囲内で変化することができる。典型的には、合計製剤に基づいて式Iの化合物約0.001-99.99wt%を含み、そして残りは1又は複数の適切な医薬賦形剤である。好ましくは、前記化合物は、約1−80wt%のレベルで存在する。式Iの化合物を含む代表的な医薬製剤は、例8に記載される。
【実施例】
【0101】
次の調製及び例は、当業者による本発明のより明白な理解及び実施を可能にするために与えられる。それらは、本発明の範囲を制限するものではなく、単なるその例示及び代表である。
【0102】
調製1[(4−クロロブチル)チオ]酢酸メチルエステル
【化12】

【0103】
アルゴン雰囲気下で−78℃でのテトラヒドロフラン(200ml)中、メチルチオグリコレート(10.0ml, 113mモル)の溶液を、n−ブチルリチウム(2.5Mのヘキサン溶液、45ml、113mモル)により滴下処理した。−78℃で1時間後、その曇った溶液を、1−ブロモ−4−クロロブタン(13.0ml, 113mモル)により急速に処理し、そして室温で一晩、暖めた。それを水及びヘキサン中に注ぎ、水酸化ナトリウムの冷水溶液(0.1M)、続いて飽和水性塩化アンモニウムにより洗浄し、そして有機層を、無水硫酸ナトリウム上で貯蔵した。揮発物を除去し、そして残留物を、クロマトグラフィーにより精製し、そして8:1のヘキサン:酢酸エチルにより溶出し、無色の液体として、[(4−クロロブチル)チオ]酢酸メチルエステル(10.7g、54.5mモル)を得た:EIMS m/z 198 (M+, 37Cl), 196 (M+, 35Cl)。
【0104】
調製2メチル4−[(2−クロロエチル)チオ]ブタノエート
【化13】

【0105】
4−メルカプト酪酸(3.85g, 20mモル)の0℃イソプロパノール(70ml)溶液を、20日間にわたって、4部分に分け(95%、合計1.56g, 65mモル)、水素化ナトリウムにより処理し、そして室温に暖めた。1−ブロモ−2−クロロエタン(11ml、128mモル)を急速に添加し、そしてその得られる懸濁液を激しく2日間、攪拌し、次に揮発物を除去し、そして残留物を5%水性酢酸と酢酸エチルとの間に分けた。組み合わされた有機抽出物を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で貯蔵した。
【0106】
抽出物を濾過し、そして揮発物を真空下で除去した。残留物を、メタノール(60ml)に溶解し、そしてアルゴン雰囲気下で0℃に冷却した。塩化チオニル(5ml、69mモル)を滴下し、そしてその溶液を室温で攪拌した。2〜3時間後、揮発物を除去し、トルエンを添加し、そして揮発物を再び除去した。クロマトグラフィー処理により、無色の油状物として、メチル4−[(2−クロロエチル)チオ]ブタノエート(2.93g、14mモル)を得た:MS(NH3)m/z 199 (M+1+, 37Cl), 197 (M+1+, 35 Cl)。
【0107】
調製3Z−4−クロロ−プト−2−エニルオキシ)−酢酸エチルエステル
【化14】

【0108】
窒素下で0℃での50mlのDMF中、水素化ナトリウム(1.17g、48mモル)の溶液に、エチルグリコレート(4.5ml, 48mモル)を添加し、そしてその反応を1時間、攪拌した。Z−1,4−ジクロロ−2−ブテン(7.6ml, 72mモル)をすばやく添加し、そしてその反応を室温にし、そして一晩、攪拌した。水中に注いだ後、混合物を、ジエチルエーテルにより抽出し、乾燥し、そして濃縮した。得られる生成物を、クロマトグラフィーにより精製し、粗油状物として、2.7gのZ−4−クロロ−プト−2−エニルオキシ)−酢酸エチルエステルを得た。
【0109】
調製4(4−ブロモ−ブトキシ)−酢酸エチルエステル
【化15】

【0110】
0℃で攪拌された、40mlのDMF中、水素化ナトリウムの溶液に、エチルグリコレート(5g、48mモル)をゆっくりと添加した。1時間後、1,4−ジブロモブタン(8.6ml、72mモル)を添加し、そしてその混合物をさらに2時間、攪拌した。反応を、さらに3時間、室温に暖めた。炭酸水素ナトリウム溶液を添加し、そして有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮し、そして残留物をクロマトグラフィーにより精製し、無色の油状物を得る。
【0111】
例1.4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸
【化16】

【0112】
段階1
メチル4−({2−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエート:
【化17】

【0113】
アルゴン雰囲気下で室温でのクロロホルム70ml中、(5R)−5−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−2−オン(Aldrich, 8,86g, 77m モル)の溶液に、エチルビニルエーテル(10.4ml、108mモル)及び触媒性無水トリフルオロ酢酸(0.2ml)を添加した。3時間の攪拌のあと、反応を、塩化メチレン(150ml)と炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)との間に分け、そして相を分離した。有機相を乾燥し(炭酸カリウム)、そして濾過した。炉液を、減圧下で蒸発し、14.7gの(5R)−5―(1−エトキシエトキシメチル)ピロリジン−2−オンを得た。
【0114】
アルゴン雰囲気下で0℃での無水ジメチルホルムアミド50ml中、(5R)−5―(1−エトキシエトキシメチル)ピロリジン−2−オン(3.31g、17.7mモル)の溶液に、ヨウ化カリウム(3.22g、19.4mモル)及び水素化ナトリウム(95%、0.44g、17.7mモル)を添加した。冷却浴を除き、そして反応を30分間、攪拌した。5mlの無水ジメチルホルムアミド中、4−[(2−クロロエチル)チオ]ブタノエート(3.46g, 177mモル)の溶液を添加し、その反応溶液を50℃に暖め、そして40分間、攪拌した。揮発物を、真空下での単純な蒸留により除去した。
【0115】
次に、酢酸エチル(150ml)及び塩化アンモニウム水溶液(50ml)を、粗残留物に添加した。2つの相間に分離した後、酢酸エチレン溶液を乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、そして減圧下で蒸発した。アルゴン雰囲気下で室温での70mlの無水メタノール中、保護されたエステル(17.7mモル)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(0.3g, 1.8mモル)を添加した。5時間の攪拌の後、炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、そして反応混合物を減圧下で蒸発した。エタノール(50ml)を添加し、そしてその溶液を再び蒸発した。得られる材料を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、黄褐色の油状物として、メチル4−({2−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエート(0.17g、質量分析、M+=275)。
【0116】
段階2
メチル4−({2−[(2R)−2−ホルミル−5−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエート:
【化18】

【0117】
アルゴン雰囲気下での塩化メチレン5ml中、無水ジメチルスルホキシド(0.21ml、2.7mモル)の溶液を、−70℃に冷却し、そして塩化メチレン1ml中、無水トリフルオロ酢酸(0.17ml、1.2mモル)を滴下した。反応を、温度を維持しながら、15分間、攪拌し、そして次に、塩化メチレン2ml中、4−({2−[(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−2−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエート(0.15g, 0.55mモル)を添加した。その溶液を攪拌し、そして−70℃で20分間、維持し、続いてトリエチルアミン(0.27ml, 1.9mモル)を添加した。反応を室温にし、30分間、攪拌し、そして次に、リン酸水溶液(2%, 50ml)及び塩化メチレン(25ml)の添加により冷却した。反応相を分離し、そして組み合わされた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして減圧下で蒸発し、メチル4−({2−[(2R)−2−ホルミル−5−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエートを得、これを次の段階に採取した。
【0118】
段階3
メチル4−[(2−{(5R)−2−オキソ−5−[(1E)−3−オキソオクト−1−エニル]ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−ブタノエート:
【化19】

【0119】
アルゴン雰囲気下で0℃での無水1,2−メトキシエタン3ml中、水素化ナトリウム(95%、14mg、0.58mモル)の溶液に、ジメチル2−オキソヘプチルホスホネート(ACROS, 0.13ml、0.61mモル)を添加した。冷却浴を除き、そして反応を2時間、攪拌した。この期間の後、その混合物を0℃に冷却し、そして無水1,2−ジメトキシエタン中、メチル4−({2−[(2R)−2−ホルミル−5−オキソピロリジン−1−イル]エチル}チオ)ブタノエート(0.55mモル)を添加した。
【0120】
反応を室温にし、2時間、攪拌し、そして次に、飽和塩化アンモニウムの水溶液により急冷した。酢酸エチル(50ml)を添加し、そしてその混合物を2つの相間に分離した。有機溶液を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、減圧下で蒸発し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し(SiO2, EtOAc/ヘキサン−1/1)、油状物として、メチル4−[(2−{(5R)−2−オキソ−5−[(1E)−3−オキソオクト−1−エニル]ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−ブタノエートを得た。この材料を次の段階に直接的に使用した。
【0121】
段階4
4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシオクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステル:
【化20】

【0122】
2mlの無水トルエン中、メチル4−[(2−{(5R)−2−オキソ−5−[(1E)−3−オキソオクト−1−エニル]ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]−ブタノエート(0.039g, 0.1mモル)の溶液を、(R)−2−メチル−CBS−オキシアザボーロリジン(トルエン中、1M、0.05ml、0.05mモル)及びボラン−メチルスルフィド複合体(10M, 0.01mM, 0.1mモル)の−30℃溶液に滴下した。反応を−30℃で7時間、攪拌し、そしてメタノール中、塩酸の溶液(2M、1〜2ml)を添加した。溶液を室温に暖め、そして溶媒を、減圧下で除去した。その粗残留物を、クロマトグラフィーを通して精製し、油状物として、4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシオクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステル(11mg)を得た。これを次の段階に直接的に使用した。
【0123】
段階5
4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシオクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸:
【化21】

【0124】
アルゴン雰囲気下で室温でのメタノール2ml中、4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシオクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステル(0.0011g, 0.03mモル)の溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(1M, 4〜5滴)を添加した。反応を4時間、攪拌し、減圧下で蒸発し、そして酸性になるまで、水性塩酸(1M)により処理した。残留物を水(10ml)により希釈し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機溶液を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、そして蒸発し、7.5mgの4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシオクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸を得た:1H NMR (300 MHz, CDCl3) 部分スペクトロ5.74 (dd, 1 H, J = 5.7, 15.6 Hz), 5.53 (dd, 1 H, J = 8. 2,15. 6 Hz), 4.11-4. 20 (明らかな qを有するm, 2 H, J = 6.0 Hz), 3.62-3. 81 (m with dd, 2 H, J = 2.4, 10.2 Hz), 3.08-3. 20 (m, 1 H); MS m/z (M+), 357。
【0125】
同様に、例1の方法に従って、但し、適切な試薬及び段階の置換が一般式Iの化合物をもたらす:
段階4におけるメチル[(4−クロロブチル)チオ]アセテート及び硼水素化ナトリウム還元によるメチル4−[(2−クロロエチル)チオ]ブタノエートの段階1置換は、{4−[(2R)−2−(1E−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸をもたらした、(2)ESMS:m/z (M+), 357。
段階1における[(4−クロロブチル)チオ]酢酸メチルエステルによる置換は、{4−[(2R)−2−(1E−3S−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸をもたらす、(3)ESMS:m/z (M+), 357。
【0126】
段階1における(4−ブロモ−ブチルオキシ)−酢酸エチルエステルによる置換は、{4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸をもたらす、(4)MS:m/z (M+), 341。
段階3における[2−(5−トリフルオロメチル−フラン−2−イル)−2−オキソ−エチル]ホスホン酸ジメチルエステル(例5に従って調製された)によるジメチル2−オキソヘプチルホスホネートの置換は、(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(5−トリフルオロメチル−フラン−2−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブチルスルファニル)−酢酸をもたらす、(5)MS:m/z (M+1) 422。
【0127】
4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステルは、3−クロロ過安息香酸の−20℃ジクロロメタン溶液への暴露及び段階5としての加水分解に基づいて、4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルホニル}−酪酸をもたらす、(6)MS:m/z (M+1) 374。
【0128】
4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステルは、EXONE(商標)の0℃水性メタノール懸濁液への暴露に基づいて、4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルホニル}−酪酸をもたらす、(7)MS:m/z (M+1) 390。
【0129】
例2.{(Z)−4−[(R)2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸
【化22】

【0130】
段階1
[(Z)−4−((R)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステル:
【化23】

【0131】
アルゴン雰囲気下で0℃での無水ジエチルホルムアミド(DMF)10ml中、(5R)−5−(1−エトキシエトキシメチル)ピロリジン−2−オン(2.5g, 13.4mモル)の溶液に、DMF40ml中、水素化ナトリウムの溶液(95%, 0.32g, 13.4mモル)を添加した。冷却浴を除き、そして反応を60分間、攪拌した。50mlのDMF中、ヨウ化カリウム(2.2g, 13.4mモル)及びZ−4−クロロ−ブト−2−エニルオキシ)−酢酸エチルエステル(2.7g, 21.3mモル)の溶液を添加し、そしてその反応溶液を室温にし、そして一晩、攪拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を添加し、そしてその溶液を抽出し、乾燥し(ブライン洗浄、無水硫酸ナトリウム)、そして減圧下で蒸発した。
【0132】
アルゴン雰囲気下で室温での無水メタノール20ml中、保護されたエステル(1.8g, 5.2mモル)の溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.1g、5.5mモル)を添加した。一晩の攪拌の後、炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を添加し、そしてその反応混合物を抽出し、乾燥し、濃縮し、そしてクロマトグラフィーにより精製し、[(Z)−4−((R)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステルを得る。
【0133】
段階2
[(Z)−4−((R)−2−ホルミル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステル:
【化24】

【0134】
窒素雰囲気下での塩化メチレン5ml中、無水ジメチルスルホキシド(0.45ml、5.7mモル)の溶液を、−78℃に冷却し、そして塩化メチレン2ml中、無水トリフルオロ酢酸(0.68ml、4.8mモル)を滴下した。反応を、温度を維持しながら、15分間、攪拌し、そして次に、塩化メチレン20ml中、[(Z)−4−((R)−2−ヒドロキシメチル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステル(0.62g, 2.3mモル)を添加した。
【0135】
その溶液を攪拌し、そして−70℃で20分間、維持し、続いてトリエチルアミン(0.27ml, 1.9mモル)を添加した。反応を攪拌し、そして−70℃で20分間、維持し、次に、トリエチルアミン(0.96ml、6.9mモル)を添加した。反応を室温にし、30分間、攪拌し、そして次に塩化アンモニウム水溶液の添加により冷却した。反応相を分離し、そして組み合わされた有機層を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、濃縮し、そしてクロマトグラフィーにより精製し、[(Z)−4−((R)−2−ホルミル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステルを得、これを次の段階に使用した。
【0136】
段階3
{(Z)−4−[(R)−2−オキソ−5−((E)−3−オキソ−オクト−1−エニル)−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステル:
【化25】

【0137】
窒素雰囲気下で0℃での無水1,2−メトキシエタン3ml中、水素化ナトリウム(95%、0.02g、0.78mモル)の溶液に、ジメチル2−オキソヘプチルホスホネート(0.17ml、0.78mモル)を添加し、そして反応を1時間、攪拌した。2mlの無水1,2−ジメトキシエタン中、[(Z)−4−((R)−2−ホルミル−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)ブト−2−エニルオキシ]−酢酸エチルエステル(0.21g、0.78mモル)を添加した。反応を室温にし、3時間、攪拌し、そして次に、飽和塩化アンモニウムの水溶液により急冷した。酢酸エチルによる抽出の後、有機溶液を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、蒸発し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製し、油状物として、{(Z)−4−[(R)−2−オキソ−5−((E)−3−オキソ−オクト−1−エニル)−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステルを得た。この材料を次の段階に直接的に使用した。
【0138】
段階4
{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステル:
【化26】

【0139】
15mlのエタノール中、{(Z)−4−[(R)−2−オキソ−5−((E)−3−オキソ−オクト−1−エニル)−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステルの溶液を、0℃で攪拌し、そして0.082gのNaBH4を添加した。反応を室温にし、そして7時間、攪拌し、続いてメタノール中、塩酸の溶液(2M、1〜2ml)を添加し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機相を乾燥し、濃縮し、クロマトグラフィーにより精製し、{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステルを得、そしてこれを次の段階に直接的に使用した。
【0140】
段階5
{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸:
【化27】

【0141】
窒素雰囲気下で室温での、メタノール5ml及びTHF5mlの混合物、{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸エチルエステル(0.22g、0.6mモル)の溶液に、水3ml中、水酸化リチウム(0.1g、2.4mモル)の水溶液を添加した。その反応を、45℃で一晩、攪拌し、室温に冷却し、そして酸性になるまで、水性塩酸(1M)により処理した。残留物を、水(10ml)により希釈し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機溶液を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、そして蒸発し、{(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸を得た;ESMS m/z M+, 339。
【0142】
例3.{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸
【化28】

【0143】
段階1
{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸メチルエステル:
【化29】

【0144】
10mlの無水トルエン中、例1におけるようにして調製された{4−[(R)−2−オキソ−5−((E)−3−オキソ−オクト−1−エニル)−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸メチルエステル(250mg, 0.71mモル)の溶液を、(R)−2−メチル−CBS−オキシアザボーロリジン(Aldrich、トルエン中、1M、0.35ml)及びボラン−メチルスルフィド複合体(10M, 0.07ml)の−26℃溶液に滴下した。反応を窒素かで、−26℃で7時間、攪拌し、そしてメタノール中、塩酸の溶液(2M、1〜2ml)を添加した。溶液を室温に暖め、そして溶媒を、減圧下で除去した。その粗残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーを通して精製し、油状物として、{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸メチルエステル(11mg)を得た。これを次の段階に直接的に使用した。
【0145】
段階2
{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸:
【化30】

【0146】
窒素雰囲気下で室温でのメタノール2ml及びTHF2ml中、{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸メチルエステル(0.14g, 0.4mモル)の溶液に、1mlの水中、水酸化リチウム(0.066g、1.6mモル)の水溶液を添加した。反応を45℃で一晩、攪拌し、室温に冷却し、そして酸性になるまで、水性塩酸(1M)により処理した。残留物を水(10ml)により希釈し、そして酢酸エチルにより抽出した。有機溶液を乾燥し(ブライン、硫酸ナトリウム)、そして蒸発し、そしてクロマトグラフィーにより精製し、28mgの{4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸を得た: ESMS m/z (M+), 341。
【0147】
同様に、例3の方法に従って、但し、適切な試薬及び段階の置換が一般式Iの化合物をもたらす:
段階1における{4−[(R)−2−オキソ−5−[(E)−3−オキソ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸エチルエステルによる置換は、(4−{(R)−2−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸をもたらす、MS:m/z (M+1) 430;
【0148】
{4−[(R)−2−オキソ−5−[(E)−3−(2’−メチル−ビフェニル−3−イル)−3−プロプ−1−エニル]−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸エチルエステルによる置換及び段階1における硼水素化ナトリウム−塩化セシウム(III)による(R)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジン/ボラン−ジメチルスルフィドの置換は、(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(2’−メチル−ビフェニル−3−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸をもたらす、MS:m/z (M+1) 438;
【0149】
段階1における{4−[(R)−2−オキソ−5−[(E)−3−(4’−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−オキソ−プロ−1−エニル]−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸エチルエーテルの置換は、(4−{(R)−2−[(E)−3−(4’−クロロビフェニル−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロペニル]−5−オキシピロリジン−1−イル}ブトキシ)−酢酸をもたらす、(12)MS:m/z (M+1) 459。
【0150】
例4.4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−3−ペンチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸
【化31】

【0151】
段階1
【化32】

【0152】
エノン(例1、段階3からの、1.52g)の−24℃テトラヒドロフラン(38ml)溶液を、n−ペンチルマグネシウムブロミド(1.8ml、Aldrichからの2Mのエーテル溶液)により処理した。1時間後、その混合物を、水性塩化アンモニウム中に注ぎ、そして酢酸エチルにより抽出した。乾燥及び濾過に続いて、所望するアルコール(780mg)を、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル中、5%メタノールにより溶出する)処理の後に得た。
【0153】
段階2
【化33】

【0154】
前記エステル(273mg)を、テトラヒドロフラン(6ml)及び水(1.2ml)に溶解し、そしてLiOH・H2O(126mg)により処理した。周囲温度で6時間の攪拌の後、その混合物を、水とエチルエーテルとの間に分けた。水性層を、氷酢酸により酸性化し、そして酢酸エチルにより抽出した。酢酸エチル抽出物を組合し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濾過した。標記酸(215mg)を、油状物として得た:MS:m/z (M+1) 428。
【0155】
同様に、例4の方法に従って、但し適切な試薬及び段階の置換は、一般式Iの化合物をもたらす。
段階1における臭化メチルマグネシウムによるn−ペンチルマグネシウムブロミドの置換は、4−{2−[(R)−((E)−3−ヒドロキシ−3−メチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸をもたらす、MS:m/z (M+1) 372。
【0156】
調製5{2−[3−(3−フルオロフェノキシ)−フェニル]−2−オキソ−エチル}スルホン酸ジメチルエステル
【化34】

【0157】
段階1
【化35】

【0158】
ジクロロメタン(220ml)中、メチル3−ヒドロキシ安息香酸(5.4g, 35.5mモル)、3−フルオロフェニルボロン酸(5.5g, 35.5mモル)、酢酸第二銅(7.1g, 35.5mモル)の懸濁液を、大気圧下で周囲温度で攪拌した。11日後、その混合物を、Celite(商標)を通して濾過し、そして揮発物を、濾液から除去した。所望するエステル(3.68g)を、シリカゲルカラム(5:1のヘキサン:酢酸エチル)から溶出し、そして次の段階のために採取した。
【0159】
段階2
【化36】

【0160】
ジメチルメチルホスホネート(4.0ml、37.5mモル)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液を、アルゴン下で−78℃に冷却し、そしてn−ブチルリチウム(15.0ml、2.5Mのヘキサン溶液、37.5mモル)により処理し、そして45分間、攪拌した。段階1から得られたエステル(4.62g、18.7mモル)を、テトラヒドロフラン(15ml)に溶解し、そして上記溶液に−78℃で添加し、そして得られる混合物を0℃で1時間、攪拌した。この時点で、黄色の溶液を、水性塩化アンモニウム(100ml)とエチルエーテル(200ml)との間に分けた。
【0161】
有機部分を新鮮な水(3×30ml)、次にブラインにより洗浄し、そして無水硫酸ナトリウム上で貯蔵した。濾過及び真空下での揮発物の除去に続いて、所望するβ−ケトホスホネート(5.8g)を、粘性の油状物として得た:1H NMR (300 MHz, CDCl3) S 7.78 (δτ, J= 0.6, 0.9, 7.8 Hz, 1 H), 7.63 (t, J = 2.1 Hz, 1 H), 7.48 (t, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.32-7. 26 (m, 2 H), 6.90-6. 78 (m, 2 H), 6.70 (dt, J = 2.4, 9.9 Hz, 1 H), 3.80 (d, J= 11.2 Hz, 6 H), 3.61 (d, J = 22.6 Hz, 2 H)。
【0162】
例5.4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(3−フルオロ−フェノキシ)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸
【化37】

【0163】
段階1
【化38】

【0164】
エノン(950mg、1.8mモル)の周囲温度酢酸エチル(70ml)溶液を、炭素上10%パラジウム(150mg)により処理し、そして水素ガスの周囲圧力下で激しく攪拌した。90分後、その懸濁液を、Celite(商標)を通して濾過し、そして揮発物を真空下での濾過により除去した。残留物(945mg)を無水トルエン(10ml)に溶解し、そして(S)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジン(0.20ml、Aldrichからの1Mトルエン溶液)、無水トルエン(20ml)及びボランジメチルスルフィド複合体(0.25ml、5Mのエチルエーテル溶液)の予備混合された0℃溶液に添加した。
【0165】
黄色の溶液を0℃で1.5時間、攪拌し、そして塩酸(1ml、2Mのメタノール溶液)により処理した。揮発物を回転蒸発器により除去し、そしてメタノール10mlを添加した。揮発物を再び除去し、トルエン20mlにより置換し、そして再び除去した。得られる白色のペーストを、シリカゲルクロマトグラフィーにゆだねた。所望するアルコール(620mg, 1.2mモル)を、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)中、2−プロパノール(2−4%)のグラジエンにより溶離した。
【0166】
段階2
【化39】

【0167】
シリルエーテル(620mg、1.2mモル)の周囲温度テトラヒドロフラン(5ml)溶液を、テトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(443mg、1.4mモル)により処理した。その溶液を2.5時間、攪拌し、ヘキサン10mlにより希釈し、そしてシリカのパッド上に負荷した。所望するジオール(380mg)を、酢酸エチル中、5−10%エタノールにより溶出し、そしてガラス状物として得た。ジオール(375mg)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解し、そしてアルゴン下で−20℃に冷却した。それを、連続的に、トリエチルアミン(0.17ml)及び塩化メタンスルホニル(0.08ml)により処理し、懸濁液を得た。
【0168】
別々の容器において、アルゴン下での無水エタノール(1ml)及び無水テトラヒドロフラン(5ml)の溶液を、カリウムt−ブトキシド(3.0ml、1Mのテトラヒドロフラン溶液、Aldrich)により処理し、そしてわずかに暖かな溶液を10分間、攪拌した。γ−チオブチロラクトン(0.21ml、2.5mモル、Aldrich)を、少しづつ添加し、そして周囲温度で5分間、攪拌し、そしてメシレートの懸濁液を、カリウムチオレート溶液にカニューラを通して添加した。その混合物を、周囲温度で1時間、攪拌し、そして次に、水性塩化アンモニウムと酢酸エチル(4×25ml)との間に分けた。組み合わされた有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で貯蔵し、そして揮発物を回転蒸発器上で除去した。所望するエステル(350mg)を、酢酸エチル:ヘキサン(4:1)によるシリカゲルクロマトグラフィー処理からの溶離に従って、油状物として得た:ESMS:m/z M+1, 490。
【0169】
段階3
【化40】

【0170】
エステル(350mg、0.72mモル)のメタノール(10ml)溶液を、水酸化ナトリウム(0.5ml、5M水溶液)により処理し、そして周囲温度で4〜5時間、攪拌した。揮発物を、窒素流下で除去し、そしてその混合物を、水とエーテルとの間に分けた。水性層を、塩酸(12Mの水溶液)により酸性にし、そして酢酸エチル(4×15ml)により抽出した。組合された有機抽出物を、無水硫酸ナトリウム上で貯蔵した。所望する酸(299mg)を、濾過及び揮発物の除去に従って、油状物として得た:1 H NMR (300 MHz, CDCl3, 部分スペクトル5 7.39-7. 20 (m, 2 H), 7.10 (d, J = 7. 8 Hz, 1 H), 7.03 (t, J = 1.2 Hz, 1 H), 6. 83-6. 76 (m, 2 H), 6.67 (dt, J = 2.4, 10.2 Hz, 1 H), 4.75 (dd, J = 6.7, 12.3 Hz, 1 H), 3. 78-3. 52 (m, 2 H), 2.46 (t, J = 6.9 Hz, 2 H); MS: m/z M+l, 476。
【0171】
同様に、例5の方法に従って、但し適切な試薬及び段階の置換により、一般式Iの化合物が得られる:
段階1における(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンによる置換は、触媒性水素化の排除及び(R)−2−メチル−CBS−オキサアザポーロリジンによる(S)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジンの置換、及び段階2におけるメチル4−メルカプト−3−メチルブチレートの続く使用を伴って、4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−3−メチル−酪酸をもたらす、(16)MS:m/z (M+1) 372;
【0172】
段階1における(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンの使用は、段階2におけるメチル4−メルカプト−2−メチルブチレートの使用を伴って、4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−メチル−酪酸をもたらす、(17)MS:m/z (M+1) 372;
【0173】
段階2における(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンの使用は、段階2におけるメチル4−メルカプト−2−メチルブチレートの使用を伴って、4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−メチル−酪酸をもたらす、(18)MS:m/z (M+1) 372;
【0174】
段階1における(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンの使用は、段階2におけるメチル4−メルカプト−2−ブテニレートの使用を伴って、2,4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−メチル−ブテニル酸をもたらす、(19)MS:m/z (M+1) 356;
【0175】
段階1における(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンは、段階2におけるメチル2−[1−(メルカプトメチル)シクロプロピル]アセテートの使用を伴って、(1−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}シクロプロピル)−酢酸をもたらす、(20)MS:m/z (M+1) 384;
【0176】
(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンは、段階2におけるメチルチオグリコレートの使用を伴って、5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酢酸をもたらす、(21)MS:m/z (M+1) 330;
【0177】
(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンは、段階2におけるメチル3−メルカプトプロピオネートの使用及び段階3におけるリパーゼ型の使用を伴って、3−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−プロピオン酸をもたらす、(22)MS:m/z (M+1) 344;
【0178】
(R)−5−{(E)−3−オキソ−オクト−1−エニル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンは、段階2におけるメチル5−メルカプトペンタノエートの使用を伴って、5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−ペンタン酸をもたらす、(23)MS:m/z (M+1) 372;
【0179】
段階1における(R)−5−{(E)−3−[3−(4’−クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−オキソ−プロピル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オンの使用は、4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(4’−クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸をもたらす、(24) MS:m/z (M+1) 491;
【0180】
段階1における(R)−5−{(E)−3−[3−(4’クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−オキソ−プロピル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オン及び(R)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジンの使用は、4−[2−((S)−2−{(S)−3−[3−(4’−クロロ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸をもたらす、(25)MS:m/z (M+1) 491;
【0181】
段階1における(R)−5−{(E)−3−[3−(2’, 4’−ジフルオロフェニル)−フェニル]−3−オキソ−プロピル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オン及び(S)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジンの使用は、4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(3−(2’,4’−ジフルオロフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸をもたらす、(26)MS:m/z (M+1) 478;
【0182】
段階1における(R)−5−{(E)−3−[3−(4’−メトキシ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−オキソ−プロピル}−1−(2−トリイソ−プロピルシリルオキシ−エチル)−ピロリジン−2−オン及び(S)−2−メチル−CBS−オキサアザボーロリジンの使用は、4−[2−((S)−2−{(R)−3−[3−(4’−メトキシ−2’−メチルフェニル)−フェニル]−3−ヒドロキシ−プロピル}−5−オキソ−ピロリジン−1−イル)−エチルスルファニル]−酪酸をもたらす、(27)MS:m/z (M+1) 486。
【0183】
例6.6− [2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシ]−ヘキサン酸
【化41】

【0184】
段階1
【化42】

【0185】
ジメチル2−(O−ベンジルオキシアミノ)グルタレート(4.7g, 16.7mモル、C. Fugantiなど., J. Org. Chem., 49, 543-546に記載される方法を用いて、ジメチル2−オキソグルタレートから調製される)を、無水テトラヒドロフラン(170ml)に溶解し、そして氷浴において冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(2Mのテトラヒドロフラン溶液8.35ml)をゆっくりと添加した。反応を、暖めながら、室温で16時間、攪拌した。反応を、飽和塩化アンモニウム溶液及び水の添加により急冷し、そして酢酸エチルにより分けた。層を分離し、そして水性層を酢酸エチルによりもう1度、抽出した。組み合わされた有機層を、ブラインにより洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。
【0186】
濾過及び濃縮の後、残留物を、30%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲル(230−400メッシュ)上でクロマトグラフィー処理した。生成物画分を集め、白色固形物として2.85gのエチル1−ベンジルオキシ−5−ピロリジノン−2−カルボキシレートを得た。この方法は、分子間アミド化について、これまでに記載されている:J. M. Williamsなど., Tet, Lett., 36 (31), 5461-5464。M. Millerなど., J. Org. Chem., 47, 4928-4933に記載されるようなエチル1−ベンジルオキシ5−ピロリジノン−2−カルボキシレートの選択的還元により、1−ベンジルオキシ−5−ヒドロキシメチル−2−ピロリジノンを得た、MS;m/z 222 (M+1); mp 121-123℃。
【0187】
段階2
【化43】

【0188】
1−ベンジルオキシラクタム(1.1g, 4.97mモル)を、無水DMS(12ml)に溶解し、そして氷浴において冷却した。イミダゾール(0.37g, 5.5mモル)及び次にtert−ブチルジメチルシリルクロリド(0.97g, 6.46mモル)を添加した。氷浴をのぞき、そして反応を室温で2.5時間、攪拌した。酢酸エチル及び水を添加し、そして層を分離した。有機層を、0.5MのHClにより2度、水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液により洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、25%〜35%の酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲル(230−400メッシュ)上でクロマトグラフィー処理した。
【0189】
生成物画分の濃度は、1.54gの油状物を生成した。その油状物を、20%テトラヒドロフラン/エタノール(20ml)に溶解し、1.9gの炭素上10%Pdを添加し、そして反応を水素雰囲気(1atm)下で2時間、攪拌した。反応を窒素によりパージし、Celiteを通して濾過し、そして濃縮し、1.1gの所望するヒドロキシメートラクタムを得た:MS m/z 246 (M+H)(さらに精製しないで使用される)。
【0190】
段階3
【化44】

【0191】
ヨウ化カリウム(粉砕された、0.89g, 1.2mモル)及び水素化ナトリウム(鉱油における60%分散液、0.2g, 1.1mモル)を、無水DMF(11ml)に添加した。その混合物を氷浴において冷却し、そしてDMF中、6mlのDMF中、ヒドロキシメートラクタム(1.1g, 4.47mモル)の溶液を、滴下した。反応を、10分間攪拌し、そして5mlのDMF中、エチル6−ブロモヘキサノネート(Aldrich, 0.95ml, 1.2mモル)の溶液をゆっくり添加した。氷浴を除き、そして反応を50℃の浴に16時間、置いた。飽和塩化アンモニウム溶液、水及び酢酸エチルを添加し、そして有機層を分離した。水性層を、酢酸エチルによりもう1度、抽出し、そして組み合わされた有機層を水及びブライン溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮した。残留物を、40%酢酸エチル/ヘキサンを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、透明な油状物としてエチルエステル1.45gを得た:MS:m/z 385 (M+1)。
【0192】
段階4
【化45】

【0193】
18mlの無水テトラヒドロフラン中、シリルエーテル(1.4g, 1.44mモル)の氷冷却溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1MのTHF溶液9.3ml)を添加した。反応を10分間、攪拌し、氷浴を除き、そして反応を2時間、室温で攪拌した。反応を氷浴において冷却し、そして酢酸エチル、塩化アンモニウム溶液及び水を添加した。層を分離し、そして水性層を酢酸エチルによりもう1度、抽出した。組合された有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発し、そして残留物を、3%メタノール/ジクロロメタンを用いて、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理し、透明な油状物としてヒドロキシメチル化合物(970mg)を得た:MS:m/z 274 (H+)。
【0194】
段階5
【化46】

【0195】
個々のジアステレオマーを、例3、段階1に記載のようなエノン還元段階を用いて分離した(R−2−メチルCBS試薬及び次に、シリカゲルクロマトグラフィーを用いる)。より極性の12−ジアステレオマー:6−[2−((3S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシ]−ヘキサン;白色固体、MS:m/z 340 (M-1), mp 87.9-89.4℃。 C18H31NO5についての計算値:C, 63.32%, H, 9.15%, N, 4.10%; 実測値:C, 63.08%, H, 9.11%, N, 4.25%。
より低い極性の12−エピマー:6−[2−((3S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシ]−ヘキサン酸:白色のロウ質固形物:MS:m/z 340 (M-1), mp54.7-60℃。
【0196】
例7.3−{3−[2−(3−ヒドロキシ−オクト−1−イニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−プロピルスルファニル}−プロピオン酸
【化47】

【0197】
段階1及び2
【化48】

【0198】
炭酸カリウム(5.9g)、スクシンイミド(3.7g)、テトラブチルアンモニウムヨージド(500mg)及びメチル7−クロロ−4−チアヘプタノエート(6.7g)のジメチルホルムアミド(100ml)懸濁液を、周囲温度で44時間、攪拌した。その混合物を、水(400ml)とエーテル:ヘキサン(1:1)(4×100ml)との間に分け、そして硫酸ナトリウム上で乾燥した。回転蒸発器による揮発物の除去に続いて、粗混合物を、シリカゲルクロマトグラフィーにゆだねた。所望する生成物(4.7g)を、油状物として、ヘキサン:酢酸エチル(3:2)により溶出した。スクシンイミド(4.4g, 17mモル)を、メタノール(100ml)に溶解し、そしてアルゴン下で−5℃に冷却した。
【0199】
硼水素化ナトリウム(911mg, 24mモル)を、少しづつ添加し、そして塩酸(2M、メタノール)を、3時間にわたって添加し、この結果、内部温度は+5℃を超えなかった。追加の硼水素化ナトリウム(275mg、7.2mモル)を添加し、そして攪拌を合計4時間、続け、そしてpHを、HCl/MeOHにより3〜5に調節した。揮発物を混合物から除去し、そして残留物を、トリメチルオルトホルメート(15ml)及びp−トルエンスルホン酸水和物(700mg)により処理し、そして約18時間、室温で攪拌した。揮発物を、回転蒸発器により除去し、そして残留物を、シリカゲルクロマトグラフィーにゆだねた。所望する5−メトキシラクタム(1.14g)を、3:1のヘキサン:アセトンにより溶出した:ESMS:m/z M+(OMeの損失を伴う)、245。
【0200】
段階3,4及び5
【化49】

【0201】
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−1−オクチン(4.0g, 16.7mモル)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を、−78℃に冷却し、そしてn−ブチルリチウム(7.4ml、Aldrichからの2.5Mヘキサン溶液)により処理し、そして0℃に暖めた。30分後、その溶液を、−78℃に再び冷却し、そしてトリ−n−ブチル錫塩化物(4.8ml, Aldrich)により処理した。冷却浴を除き、そして黄色の溶液を周囲温度で2時間、攪拌した。混合物を、水性塩化アンモニウムとヘキサン(3×100ml)との間に分け、そして硫酸ナトリウム上で貯蔵した。
【0202】
所望するスタナン(8.06g, 15.2mモル)を、回転蒸発器による及び真空下での(2mmHg, rt, 2時間)揮発物の除去に従って得た。5−メトキシラクタム(670mg)及びスタンナン(3.2g)を無水ジクロロメタン(10ml)に溶解し、そしてアルゴン下で0℃に冷却した。三弗化硼素エーテル(1.2ml, 9.6mモル)を、2回に分けて添加し、そして得られる懸濁液を周囲温度で攪拌した。18時間後、混合物を、pH4の緩衝液とジクロロメタン(2×50ml)との間に分け、次に硫酸ナトリウム上で貯蔵した。所望するアルキン(77mg)を、3:2のヘキサン:酢酸エチルにより溶出することによりシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。
【0203】
段階6及び7
【化50】

【0204】
シリルエーテル(77mg)を、周囲温度でテトラヒドロフラン(5ml)及び酢酸(0.03ml)に溶解し、そしてテトラブチルアンモニウムフルオリド(0.24ml、1MのTHF溶液、Aldrich)により処理し、そして16時間、攪拌した。その溶液をヘキサン(10ml)により希釈し、そしてシリカのパッド上に負荷した。3:1の酢酸エチル:ヘキサンにより溶出されたアルコール(40mg)を、10mMのリン酸緩衝液(pH6.5)10mlに、周囲温度で懸濁した。
【0205】
その懸濁液を、リパーゼタイプVII(C. Rugosa, Sigmaからの500mg)により処理し、そして4〜5時間、激しく攪拌した。その混合物を、酢酸エチル(15ml)及び酢酸(0.5ml)により希釈し、そしてCelite上に負荷した。フィルターケークを、酢酸エチル(40ml)により洗浄した。炉液からの揮発物の除去に続いて、標記酸を油状物として得た(5.9mg):1H NMR (300 MHz, CDCl3,部分スペクトル) 5 4.44-4. 37 (m, 1 H), 2. 81 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.65 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), MS: m/z (M+l) 356。
【0206】
例8
次のものは、式Iの化合物を含む代表的な医薬製剤である。
錠剤配合物
次の成分を、十分に混合し、そして単一の刻み目を付けられた錠剤に圧縮する。
成分 錠剤当たりの量(mg)
本発明の化合物 400
コーンスターチ 50
クロスカーメロースナトリウム 25
ラクトース 120
ステアリン酸マグネシウム 5
【0207】
カプセル配合物
次の成分を十分に混合し、そしてハードシェルゼラチンカプセル中に充填する。
成分 カプセル当たりの量(mg)
本発明の化合物 200
噴霧乾燥されたラクトース 148
ステアリン酸マグネシウム 2
【0208】
懸濁配合物
次の成分を混合し、経口投与のための懸濁液を形成する。
成分 量
本発明の化合物 1.0g
フマル酸 0.5g
塩化ナトリウム 2.0g
メチルパラベン 0.15g
プロピルパラベン 0.05g
粒状糖 25.5g
ソルビトール(70%溶液) 12.85g
Veegum K (Vanderbilt Co.) 1.0g
風味剤 0.035ml
着色剤 0.5mg
蒸留水 100mlへの十分な量
【0209】
注射用配合物
次の成分を混合し、注射用配合物を形成する。
成分 量
本発明の化合物 0.4mg
酢酸ナトリウム緩衝溶液、0.4M 2.0ml
HCl(1N)又はNaOH(1N) 適切なpHのための十分な量
水(蒸留された、無菌) 20mlへの十分な量
【0210】
例9ルシフェラーゼアッセイによるEP4(又はEP2)受容体の機能的活性
安定してトランスフェクトされたEP4−ルシフェラーゼクローンの生成:
十分な長さのコード配列に対応するプロスタノイド受容体EP4 cDNAを、哺乳類発現ベクター pcDNA3.1(+)/Zeo (Invitrogen) の適切な部位中にサブクローン化した。さらに、cAMP応答性要素(CRE)及びルシフェラーゼ遺伝子を含む配列を、pXP1ベクターにクローン化した。EP4R含有pcDNA及びCRE−ルシフェラーゼ含有pXP1によるCHO細胞の同時トランスフェクションを、10%熱不活性化されたウシ胎児血清(Gibeo)により補充されたF−12培地において、Fugene(Roche Molecular)により5:1のDNA比で行った。トランスフェクションの3日後、培養物を、ゼオシン含有の新鮮な培地により置換した。培養物を、安定したクローンが生成されるまで、1ヶ月間、維持した。
【0211】
cAMP依存性ルシフェラーゼ遺伝子アッセイ:
受容体へのその結合に対するEP4アゴニストリガンドの機能的活性を、細胞内cAMPの生成により測定した。cAMPのレベルを、EP4−ルシフェラーゼクローンにおけるレポーター遺伝子、すなわちルシフェラーゼの翻訳により間接的に測定した。EP4−ルシフェラーゼクローンの細胞を、40,000細胞/ウェルの密度で、96−ウェルプレート(Packard)において、10%FBS(Gibco, BRL)及び25mMのHepesを含むF12(Gibco, BRL)培地200μlにおいてサブクローン化した。37℃、5%CO2、95%空気下での一晩の培養の後、培養培地を次の朝に除いた。
【0212】
細胞を、100μlのハンクス緩衝液により2度、洗浄し、そして0.1%BSAを含むF12培地90μlを再び供給した。37℃、5%CO2、96%空気下、1.5〜3時間の培養物のプレインキュベーションの後、10倍の所望する濃度での興味ある化合物10μlを、培養物に添加し、そして37℃でのインキュベーションをさらに3時間、続けた。十分なアゴニスト対象としての0.1μMのPGE2が、EP4受容体を通して介在されるルシフェラーゼの最大刺激を決定するために、個々のアッセイに通常包含された。
インキュベーションの最後で、培養培地を除去し、そして乾燥まで吸い取った。次に、プレートは、ルシフェラーゼについてのアッセイのために用意できた。
【0213】
ルシフェラーゼ活性の定量化:
Packardから購入されたアッセイキット、Lucliteを用いて、ルシフェラーゼ活性を定量化した。インキュベーションの最後の30分前、Luclite基質及び基質緩衝液(Packard)を、室温に平衡化した。基質を、基質緩衝液に溶解し、そして逆さにすることによって混合した。次に、1mMのMgCl2及び1mMのCaCl2を含む、等体積のダルベッコリン酸緩衝溶液(DPBS, Gibco BRL)を、次の段階において使用するために、再構成された基質溶液と共に混合した。その混合された溶液100μlを、96ウェルプレートの個々のウェルに添加した。プレートを、プレートシェーカー上で3分間、300rpmで振盪した。プレートカバーを除去し、そしてシンチレーションカウンターにおける計数のために、プレートシーラー(Packard)により置換した。化合物のEC50を、KaleidaGraphの4パラメーター曲線適合プログラムにより決定した。
【0214】
例10rEP1, rEP2, rEP3及びrEP4受容体に対する[3H]PGE2の競争結合アッセイ
細胞培養物及びトランスフェクション:
EP3を発現する安定してトランスフェクトされた細胞を、10%熱不活性化されたウシ胎児血清(GIBCO)により補充されたF−12培地(GIBCO)において増殖し、そしてペレット化した。十分な長さのコード配列に対応するプロスタノイド受容体EP2又はEP4 cDNAを、哺乳類発現ベクターpcDNA3.1(+)/Zeo(Invitrogen)の適切な部位中にサブクローン化した。
【0215】
トランスフェクション−規模の量のベクターを、Qiagen Endo-Free Plasmid Maxi Kitを用いて調製し、そして製造業者の説明書(Roche)に従って、FuGene 6 (Roche Molecular) を用いて、COS-7細胞中にトランスフェクトした。COS−7細胞を、10%熱不活性化された、保証されたウシ胎児血清(GIBCO)及びゲンタマイシン(GIBCO)により補充されたDMEM (GIBCO) において増殖し、そしてトランスフェクションの72時間後、収穫した。細胞を、遠心分離によりペレット化し、PBS(GIBCO)により洗浄し、再ペレット化し、次に、ドライアイス/エタノールにおいてフラッシュ−凍結するか、又は膜調製のために直接的に使用した。
【0216】
膜調製:
膜調製のためのすべての方法を、4℃で行った。プロスタノイド受容体−トランスフェクトされたCOX−7細胞又は安定してトランスフェクトされたCHO細胞を、Palytronホモジナイザー(Brinkman)を用いて、アッセイ緩衝液(下記レセピーを参照のこと)において均質化し、そして48,000×gで30分間、遠心分離した。ペレットをアッセイ緩衝液に再懸濁し、そしてBranson音波処理機を用いての音波処理により再懸濁した。タンパク質濃度を、BioRad DC Protein Assayを用いて、その製造業者の説明書に従って決定し、そして−80℃で貯蔵した。
【0217】
プロスタノイド受容体結合アッセイ:
EP2, EP3及びEP4の競争親和性結合アッセイのための方法は、M. Abramovitz など, "The utilization of recombinant prostanoid receptors to determine the affinities and selectivities of prostaglandins and related analogs"Biochimica et Biophysica Acta 1483 (2000) 285-293に記載されるそれらの方法から誘導された。結合アッセイを、次のアッセイ緩衝液において、0.2mlの最終インキュベーション体積で行った:20mMのHEPES, 1mMのEDTA及び10mMのMgCl2(pH7.4)(EP3)、又は10mMのMES, 10mMのMnCl2、及び1mMのEDTA(NaOHによりpH6.0)(EP2及びEP4)及び放射性リガンド{2.25nM (EP3) 又は2.5nM (EP2) [3H]-PGE2(200Ci/mモル、NEN)}。
【0218】
反応を、膜タンパク質の添加により開始した(EP3に関しては、約50μg/反応、EP2及びEP4に関しては、100μg/反応)。ジメチルスルホキシド(Sigma)濃度を、すべてのインキュベーションにおいて、1%(v/v)で一定に維持し、そして化合物を、100μM〜0.3nMの最終濃度でアッセイした。非特異的結合を、10μMの非放射性PGE2(Cayman Chemical)の存在下で決定した。インキュベーションを、30℃で60分間(EP3)、又は23℃で45分間(EP2及びEP4)、行った。インキュベーションを、Filtermate 196 96-ウェル半自動細胞収穫機(Packard)を用いて、4℃で、96−ウェルUnifilter GF/B(Packard)(EP2に関しては、10mMのMES、0.01%BSA、pH6.0において予備湿潤された)を通しての急速な濾過により停止した。
【0219】
フィルターを、3〜4mlの洗浄緩衝液(EP3に関しては、20mMのHEPES、pH7.4、EP2及びEP4に関しては、10mMのMES、0.01%のBSA、pH 6.0)により洗浄し、室温で少なくとも1時間、乾燥し、そして個々のフィルターに結合される残留放射能を、Packard topCount Microplate Scintillation Counter を用いて、37.5μlのMicroscint20(Packard)の添加によりシンチレーション計数により決定した。結合統計学をPrism v3.0ソフトウェア(Grapha Pad)を用いて決定した。
【0220】
【表1】

【0221】
例11骨質量密度アッセイ
本発明の化合物を、卵巣摘出されたラットにおける骨質量に対するそれらの効果について評価した。
成長したSprague−Dawley又はWistar Hanover雌ラットを、擬似手術するか、又はCharles Riverにより卵巣摘出した。受領に基づいて、ラットを対で、環境調節された部屋に収容し、そして少なくとも1週間、環境順応せしめた。動物を対で飼育した。
10%EtOH/塩溶液、又は20mMのリン酸緩衝液における試験化合物を、手術後20日で開始し、5週間、1日1度、皮下投与した。
【0222】
処理の前及び処理の最後で、ラットを、骨鉱物密度(BMD)を測定するために、Hologic QDR-4500 Bone Densitometer上で、High Resolution Software Packageを用いて走査した。次に、走査を、次に示されるように、興味ある領域を用いて分析した:完全な大腿骨、近位大腿骨、遠位大腿骨骨幹端、近位脛骨、近位脛骨幹端、L2-L4椎骨、L5椎骨。
【0223】
骨質量に対する卵巣摘出の効果の検査のために、ビークルグループの擬似体及びOVXを、スチューデントt−試験を用いて比較した。OVXグループを、一方通行の分散分析(ANOA)により比較し、続いて、Fisher’s LSDにより、全体的な効果が統計学的に有意である場合、ビークルに対する個々の処理グループを比較した。データは、上記分析の前、ランク付けされ、そして対応する非パラメトリック分析を行った(ウィルコクソン順位和検定又はKruskal−Wallis)。
卵巣摘出は、主に海綿質からの実質的な合計の骨損失を誘発した。合計のBMDは、擬似手術された対照よりも5〜20%低かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】

[式中、Qは、CH又は酸素であり;
Bは−CH−,−(CH−,−(CH−,−(CH−,−(CH−,−CH=CH−,−CH−CH=CH−,−CH=CH−CH−,又は−CH−CH=CH−CH−であり、但し、Bが−CH=CH−又は−CH=CH−CH−である場合、Qは−CH−であり;
Xは、−NR−(ここでRは水素、ハロゲン、(C−C)アルキル又は(C−C)アシルである)、−O−,−S−,−SO−,−SO−又は単結合であり、但し、Xが単結合である場合、Qは酸素であり;
Jは、−(CR−(ここでnは1〜4の整数であり、そしてR及びRは両者とも水素であるか、又はR及びRの1つ又は両者は低級アルキルであり、そして残りは水素であるか、又はR及びRは、同じ原子に結合される場合、C−C−ポリメチレン基を形成する)、又は−CH−CH=CH−であり;
Aは、−CH−CH−,又は−CH=CH−,又は−C≡C−であり;
Zは、CHOH,−C(O)OR’,−C(O)NR’R”,−C(O)NSOR’,−P(C−C)アルキル(O)(OR’),(−PO(OR’)、又はテトラゾール−5−イルであり、ここでR’及びR”はそれぞれお互い独立して、水素又は(C−C)アルキルであり;
は、−(CH又は−(CHORであり、ここでR及びRは、それぞれお互い独立して、(C−C)アルキル、ハロ(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールであり;
p及びqは、それぞれお互い独立して、0,1,2,3,4又は5であり;
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル又は(C−C)アルキニルであり;そして
,R,R及びRは、それぞれお互い独立して、水素又は(C−C)アルキルである。]
で表される化合物;又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物、単一異性体、又は異性体類のラセミ又は非ラセミ混合物、及び少なくとも1つの適切なキャリヤー希釈剤又は賦形剤を含んで成る医薬組成物。
【請求項2】
Qが−CH−であり;
Bが−CH−であり;
Xが、−S−であり;
Jが、−(CR−(ここでnは3であり、そしてR及びRは両者とも水素であり;
Aが、−CH−CH−,又は−CH=CH−であり;
Zが、−C(O)OR’であり、ここでR’は、水素又は(C−C)アルキルであり;
が、−(CHであり、ここでRは、任意にアルキル、トリフルオロメチル、ハロ、−Y−R,または−Y−ORから成る群から選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニルであり、ここでYは結合であり、そしてRは(C−C)アルキル、ハロ又は任意に置換されていてもよいフェニルであり;
pが、0,又は1であり;
が、水素であり;
,R,R及びRが、それぞれお互い独立して、水素である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
式Iで表される化合物が選択的EPプロスタグランジンアゴニストである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
骨疾患に関連する疾病の処理剤である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
下記式I:
【化2】

[式中、すべての記号は請求項1に記載される通りである。
ただし、
Bが−CH−であり;
Xが、−S−であり;
Jが、−(CR−(ここでnは3であり、そしてR及びRは両者とも水素であり;
Aが、−CH−CH−,又は−CH=CH−であり;
Zが、−C(O)OR’であり、ここでR’は、水素又は(C−C)アルキルであり;
が、−(CHであり、ここでRは、任意にアルキル、トリフルオロメチル、ハロ、−Y−R,または−Y−ORから成る群から選択される1又は2個の置換基により置換されていてもよいフェニルであり、ここでYは結合であり、そしてRは(C−C)アルキル、ハロ又は任意に置換されていてもよいフェニルであり;
pが、0,又は1であり;
が、水素であり;かつ
,R,R及びRが、それぞれお互い独立して、水素であるとき、Qは酸素である。]
で表される化合物;又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物、単一異性体、又は異性体類のラセミ又は非ラセミ混合物。
【請求項6】
Qが、CHであり;
Bが−CH−であり;
Xが、−S−であり;
Jが、−(CR−(ここでnは3であり、そしてR及びRは両者とも水素であり;
Aが、−CH−CH−,又は−CH=CH−であり;
Zが、−C(O)OR’であり、ここでR’は、水素又は(C−C)アルキルであり;
が、−(CHであり、ここでRは、(C−C)アルキルであり;
pが、0,又は1であり;
が、水素であり;
,R,R及びRが、それぞれお互い独立して、水素である、請求項5記載の化合物;又は医薬的に許容できるその塩又は溶媒化合物、単一異性体、又は異性体類のラセミ又は非ラセミ混合物。
【請求項7】
a)4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸メチルエステル;
b)4−[(2−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}エチル)チオ]ブタン酸;
c){4−[(2R)−2−(1E−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸;
d){4−[(2R)−2−(1E−3S−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]ブチルスルファニル}酢酸;
e){4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸;
f)(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(5−トリフルオロメチル−フラン−2−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブチルスルファニル)−酢酸;
g)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルフィニル}−酪酸;
h)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エタンスルホニル}−酪酸;
i){(Z)−4−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブト−2−エニルオキシ}−酢酸;
j){4−[(R)−2−((E)−(S)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−ブトキシ}−酢酸;
k)(4−{(R)−2−[(S)−(E)−3−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ブト−1−エニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
l)(4−{(R)−2−[(E)−3−ヒドロキシ−3−(2’−メチル−ビフェニル−3−イル)−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
m)(4−{(R)−2−[(E)−3−(4’−クロロ−ビフェニル−3−イル)−3−ヒドロキシ−プロペニル]−5−オキソ−ピロリジン−1−イル}−ブトキシ)−酢酸;
n)4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−3−ペンチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸;
o)4−{2−[(R)−2−((E)−3−ヒドロキシ−3−メチル−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酪酸;
u)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−4−メチル−酪酸;
v)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−3−メチル−酪酸;
w)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−メチル−酪酸;
x)4−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−2−ブテニル酸;
y)(1−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニルメチル}シクロプロピル)−酢酸;
z)5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−酢酸;
aa)3−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−プロピオン酸;
bb)5−{2−[(R)−2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−エチルスルファニル}−ペンタン酸;
cc)6−[2−((S)−(E)−3−ヒドロキシ−オクト−1−エニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イルオキシ]−ヘキサン酸;及び
dd)3−{3−[2−(3−ヒドロキシ−オクト−1−イニル)−5−オキソ−ピロリジン−1−イル]−プロピルスルファニル}−プロピオン酸;
から成る群から選択される請求項5記載の化合物。

【公開番号】特開2008−303222(P2008−303222A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155799(P2008−155799)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【分割の表示】特願2003−513549(P2003−513549)の分割
【原出願日】平成14年7月11日(2002.7.11)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】