説明

プロスタミドの製造

【課題】プロスタミドの新規な製法を提供する。
【解決手段】下記工程より成るプロスタミドの製法。(a)式Iで示される第1中間体とDIBALとの反応により、式IIで示される第2中間体を生成し、(b)前記第2中間体と、Na(TMS)Nおよび(C(CHCONR[式中、RはC1−5アルキルまたは水素であり、Xはアニオンである。]との反応により、第3中間体を生成し、c)前記第3中間体と保護剤との反応により水酸基を保護した第4中間体を作り、(d)前記保護基を除去する反応により、プロスタミドを生成する。


[式中、Zは保護基であり、破線は二重結合の存在または不存在を表す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬化合物として(例えば緑内障の処置および/または上昇した眼圧の降下のために有用な医薬化合物として)有用であり得るプロスタミドの合成に関する。
【背景技術】
【0002】
Journal of Medicinal Chemistry, 1979, 第22巻, 第11号, 第1346頁以降、およびSchaafらの米国特許第3954741号を参照されたい。
Gandolfiらの米国特許第4195183号を参照されたい。
PCT特許WO01/55101A2を参照されたい。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、下記工程を含んで成るプロスタミドの製法を提供する:
(a)式I:
【化1】

[式中、Zは保護基であり、破線は二重結合の存在または不存在を表す。]
で示される第1中間体とDIBALとの反応により、式II:
【化2】

で示される第2中間体を生成し、
【0004】
(b)前記第2中間体と、Na(TMS)2Nおよび(C653+(CH26CONR2-[式中、RはC1-5アルキルまたは水素であり、X-はアニオンである。
]との反応により、式III:
【化3】

で示される第3中間体を生成し、
【0005】
(c)前記第3中間体と保護剤との反応により、式IV:
【化4】

で示される第4中間体を生成し、
【0006】
(d)前記保護基を除去する前記第4中間体の反応により、式V:
【化5】

で示されるプロスタミドを生成する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は好ましくは、下記工程を含んで成るプロスタミドの製法を提供する:
(a)式I:
【化6】

[式中、Zは保護基であり、破線は二重結合の存在または不存在を表す。]
で示される第1中間体とDIBALとの反応により、式II:
【化7】

で示される第2中間体を生成し、
【0008】
(b)前記第2中間体と、Na(TMS)2Nおよび(C653+(CH26CONR2-[式中、RはC1-5アルキルまたは水素であり、X-はアニオンである。
]との反応により、式III:
【化8】

で示される第3中間体を生成し、
【0009】
(c)前記第3中間体とTMSClとの反応により、式IV:
【化9】

で示される第4中間体を生成し、
【0010】
(d)前記保護基を除去する前記第4中間体の反応により、式V:
【化10】

で示されるプロスタミドを生成する。
【0011】
より好ましくは、Rの少なくとも1個が水素であり、他方がエチルである。
より好ましくは、ZがTMSである。
より好ましくは、工程(d)が、前記第4中間体をDMSOおよび水性LiClと順次反応させることを含んで成る。
【0012】
DIBALは水素化ジイソブチルアルミニウムである。
TMSはトリメチルシリルである。
【0013】
本発明の合成方法により、上方の側鎖の導入によって粗ビマトプロスト(bimatoprost)APIを生成する。まず、標準的な水素化ジイソプロピルアルミニウム条件下にラクトン部分を還元してラクトールとする。このラクトールを分離せずにその場で直接にヴィッティッヒ試薬で処理する。粗ビマトプロストは5,6−二重結合に関するシスおよびトランス異性体の混合物である。シス異性体が主要な生成物である。トランス異性体は粗ビマトプロスト規格において、各不純物に対する限度8%以下でもって制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程を含んで成るプロスタミドの製法:
(a)式I:
【化1】

[式中、Zは保護基であり、破線は二重結合の存在または不存在を表す。]
で示される第1中間体とDIBALとの反応により、式II:
【化2】

で示される第2中間体を生成し、
(b)前記第2中間体と、Na(TMS)2Nおよび(C653+(CH26CONR2-[式中、RはC1-5アルキルまたは水素であり、X-はアニオンである。
]との反応により、式III:
【化3】

で示される第3中間体を生成し、
(c)前記第3中間体と保護剤TMSClとの反応により、式IV:
【化4】

で示される第4中間体を生成し、
(d)前記保護基を除去する前記第4中間体の反応により、式V:
【化5】

で示されるプロスタミドを生成する。
【請求項2】
一方のRが水素であり、他方がエチルである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ZがTMSである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(d)が、前記第4中間体をDMSOおよび水性LiClと順次反応させることを含んで成る請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2013−82741(P2013−82741A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−6695(P2013−6695)
【出願日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【分割の表示】特願2003−572951(P2003−572951)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】