説明

プロセスの環境影響を決定するためのシステムおよび方法

【課題】製造プロセスおよび他の業務上の実践などのプロセスの環境影響を決定するための改善されたシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】プロセスの環境影響を決定するシステムは、a)算出システムであって、該算出システムは、少なくとも1つの中央処理ユニットと、不揮発性ストレージと、読出し専用メモリとを備えている、算出システムと、b)描画システムであって、該描画システムはディスプレイを備えている、描画システムとを備え、c)該算出システムは、環境性能データを受信する手段と、d)該環境性能データを複数の環境性能指標値に変換する手段と、e)該描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画する手段とをさらに備え、f)該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、g)該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、プロセスモニタリングに関する。より詳細には、本発明は、プロセスの環境影響を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
人間の活動に起因して、CO濃度は最近100年間で顕著に増加した。大気中のCO濃度は、地球温暖化指数(GWP)に直結し、環境的影響および社会的影響の両方を有する。
【0003】
環境問題に焦点を当てると、気候が変動し、特に、持続可能な製造プロセスという概念が将来において益々重要になることを意識する。主要な工業国は現在、環境問題に関する政策を見直しており、特に、米国政府によるこれらの事項に対する一新された位置付けに注目している。現在、以前にも増して、持続可能な製造プロセスという考えが密接に関連している。
【0004】
組織が持続可能な製造プロセスを追求するとき、経済的利益を増大すること、および環境影響を低減することの両方の要望がある。最も成功した会社は、ゆくゆくは、生産高および環境効率の両方を最適化する会社であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、要望されるものは、製造プロセスおよび他の業務上の実践などのプロセスの環境影響を決定するための改善されたシステムおよび方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、プロセスの環境影響を決定するシステムであって、
a)算出システムであって、算出システムは、少なくとも1つの中央処理ユニットと、不揮発性ストレージと、読出し専用メモリとを備える、算出システムと、
b)描画システムであって、描画システムはディスプレイを備える、描画システムと
を備え、
c)算出システムは、環境性能データを受信する手段と、
d)環境性能データを複数の環境性能指標値に変換する手段と、
e)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画する手段であって、図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備える、手段とをさらに備え、
f)図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、
システムが提供される。
【0007】
本発明の別の実施形態において、偶数辺の多角形は六角形である、システムが提供される。
【0008】
本発明の別の実施形態において、偶数辺の多角形は八角形またはより多角の多角形である、システムが提供される。
【0009】
本発明の別の実施形態において、複数の環境性能指標値は、
a)炭素フットプリントと、
b)電力消費と、
c)天然ガス消費と、
d)水フットプリントと、
e)再生可能な電力の比と、
f)生物分解性の材料の比と
を備える、システムが提供される。
【0010】
本発明の別の実施形態において、図形的プロセス指標の複数のセクタの各セクタは等しいサイズである、システムが提供される。
【0011】
本発明の別の実施形態において、複数のセクタの各セクタは、環境性能指標の重要度ランキングに基づいたサイズにされる、システムが提供される。
【0012】
本発明の別の実施形態において、データ入手サブシステムをさらに備えるシステムが提供される。
【0013】
本発明の別の実施形態において、水量メータをさらに備えるシステムが提供され、この水量メータは、水使用量をデータ入手サブシステムに報告するように構成および配置される。
【0014】
本発明の別の実施形態において、電気メータをさらに備えるシステムが提供され、この電気メータは、電気使用量をデータ入手サブシステムに報告するように構成および配置される。
【0015】
本発明の別の実施形態において、ガスメータをさらに備えるシステムが提供され、このガスメータは、天然ガス使用量をデータ入手サブシステムに報告するように構成および配置される。
【0016】
本発明の別の実施形態において、図形的プロセス指標はローカルのエコ効率を表わす、システムが提供される。
【0017】
本発明の別の実施形態において、図形的プロセス指標はグローバルのエコ効率を表わす、システムが提供される。
【0018】
本発明の別の実施形態において、図形的プロセス指標はプロジェクトのエコ効率を表わす、システムが提供される。
【0019】
本発明の別の実施形態において、プロセスの環境影響を決定する方法であって、
a)環境性能データを受信するステップと、
b)環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップと、
c)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップであって、図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備える、ステップとを包含し、
d)図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、
e)各セクタは影付きの構成部分を備え、影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、
方法が提供される。
【0020】
本発明の別の実施形態において、環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップは、計測された消費率を最大消費率で割り、それによって正規化された環境性能指標を算出することを包含する、方法が提供される。
【0021】
本発明の別の実施形態において、描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、
a)各環境性能指標について、複数の管轄区からの環境性能指標の順位の逆数の合計を算出することと、
b)各合計をすべての合計の総和で割り、それによって各環境性能指標についての重み係数を算出することと、
c)重み付けされていないセクタの面積に重み係数を掛け、それによって動的セクタの面積を計算することと、
d)描画システム上に動的セクタを描画することと
を包含する、方法が提供される。
【0022】
本発明の別の実施形態において、描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、セクタ内に影付き面積を描画することを包含し、影付き面積は環境性能指標の値に対応する、方法が提供される。
【0023】
本発明の別の実施形態において、
a)すべてのセクタの総和の面積を算出するステップと、
b)総和の影付き面積を算出するステップと、
c)総和の面積に対する総和の影付き面積の比を算出するステップと、
d)該比を1から引いて、小数の結果を算出するステップと、
e)小数の結果に百を掛け、それによってローカルのエコ効率値を算出するステップと
をさらに包含する方法が提供される。
【0024】
本発明の別の実施形態において、
a)複数のローカルのエコ効率値を算出するステップであって、各ローカルのエコ効率値は異なる生産拠点に対応し、各生産拠点は同一製品を生産する、ステップと、
b)複数のローカルのエコ効率値から1つのローカルのエコ効率値を選択し、選択されたローカルのエコ効率値を基準のローカルのエコ効率値として指定するステップと、
c)複数のローカルのエコ効率値のそれぞれと基準のローカルのエコ効率値との間の差異を算出することによって、各生産拠点についてのローカルのエコ効率デルタを算出するステップと
をさらに包含する方法が提供される。
【0025】
本発明の別の実施形態において、方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能な媒体であって、この方法は、
a)環境性能データを受信することと、
b)計測された消費率を最大消費率で割り、それによって複数の生の環境性能指標を算出することと、
c)生の環境性能指標のそれぞれに対する重み係数を算出することと、
d)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画することとを包含し、図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、
e)図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、
f)各セクタは影付きの構成部分を備え、影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、
コンピュータ読取り可能な媒体が提供される。
【0026】
本発明の別の実施形態において、コンピュータ読取り可能な媒体が提供され、ここで、描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するためのコンピュータ実行可能な命令は、
a)重み付けされていないセクタ面積に環境性能指標に対応した重み係数を掛けることによって、複数の環境性能指標のそれぞれについての動的セクタ面積を算出し、
b)影付き面積であって、影付き面積は該環境性能指標の値に対応する、影付き面積をセクタ内に描画する
ための命令を備える。
【0027】
以上により、本発明は、以下の手段を提供する。
【0028】
(項目1)
プロセスの環境影響を決定するシステムであって、
a)算出システムであって、該算出システムは、少なくとも1つの中央処理ユニットと、不揮発性ストレージと、読出し専用メモリとを備えている、算出システムと、
b)描画システムであって、該描画システムはディスプレイを備えている、描画システムと
を備え、
c)該算出システムは、環境性能データを受信する手段と、
d)該環境性能データを複数の環境性能指標値に変換する手段と、
e)該描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画する手段と
をさらに備え、
f)該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、
g)該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、システム。
【0029】
(項目2)
上記偶数辺の多角形は六角形である、項目1に記載のシステム。
【0030】
(項目3)
上記偶数辺の多角形は八角形またはより多角の多角形である、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0031】
(項目4)
上記複数の環境性能指標値は、
a)炭素フットプリントと、
b)電力消費と、
c)天然ガス消費と、
d)水フットプリントと、
e)再生可能な電力の比と、
f)生物分解性の材料の比と
を備えている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0032】
(項目5)
上記図形的プロセス指標の上記複数のセクタの各セクタは等しいサイズである、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0033】
(項目6)
上記複数のセクタの各セクタは、環境性能指標の重要度ランキングに基づいたサイズにされる、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0034】
(項目7)
データ入手サブシステムをさらに備えている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0035】
(項目8)
水量メータをさらに備え、該水量メータは、水使用量を上記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0036】
(項目9)
電気メータをさらに備え、該電気メータは、電気使用量を上記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0037】
(項目10)
ガスメータをさらに備え、該ガスメータは、天然ガス使用量を上記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0038】
(項目11)
上記図形的プロセス指標は、ローカルのエコ効率を表わす、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0039】
(項目12)
上記図形的プロセス指標は、グローバルのエコ効率を表わす、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0040】
(項目13)
上記図形的プロセス指標は、プロジェクトのエコ効率を表わす、上記項目のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【0041】
(項目14)
プロセスの環境影響を決定する方法であって、
a)環境性能データを受信するステップと、
b)該環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップと、
c)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップであって、該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、ステップと
を包含する、方法。
【0042】
(項目15)
上記環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップは、計測された消費率を最大消費率で割り、それによって正規化された環境性能指標を算出することを包含する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0043】
(項目16)
上記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、
a)各環境性能指標について、複数の管轄区からの上記環境性能指標の順位の逆数の合計を算出することと、
b)各合計をすべての合計の総和で割り、それによって各環境性能指標についての重み係数を算出することと、
c)重み付けされていないセクタの面積に該重み係数を掛け、それによって動的セクタの面積を計算することと、
d)該描画システム上に該動的セクタを描画すること
とを包含する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0044】
(項目17)
上記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、上記セクタ内に影付き面積を描画することを包含し、該影付き面積は、上記環境性能指標の値に対応する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0045】
(項目18)
a)すべてのセクタの総和の面積を算出するステップと、
b)総和の影付き面積を算出するステップと、
c)総和の面積に対する総和の影付き面積の比を算出するステップと、
d)該比を1から引いて、小数の結果を算出するステップと、
e)該小数の結果に百を掛け、それによってローカルのエコ効率値を算出するステップと
をさらに包含する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0046】
(項目19)
a)複数のローカルのエコ効率値を算出するステップであって、各ローカルのエコ効率値は異なる生産拠点に対応し、各生産拠点は同一分類の製品を生産する、ステップと、
b)該複数のローカルのエコ効率値から1つのローカルのエコ効率値を選択し、該選択されたローカルのエコ効率値を基準のローカルのエコ効率値として指定するステップと、
c)該複数のローカルのエコ効率値のそれぞれと該基準のローカルのエコ効率値との間の差異を算出することによって、各生産拠点についてのローカルのエコ効率デルタを算出するステップと
をさらに包含する、上記項目のうちのいずれか1項に記載の方法。
【0047】
(項目20)
方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能な媒体であって、該方法は、
a)環境性能データを受信することと、
b)計測された消費率を最大消費率で割り、それによって複数の生の環境性能指標を算出することと、
c)生の環境性能指標のそれぞれに対する重み係数を算出することと、
d)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画することと
を包含し、該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、コンピュータ読取り可能な媒体。
【0048】
(項目21)
上記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するための上記コンピュータ実行可能な命令は、
a)重み付けされていないセクタ面積に環境性能指標に対応した重み係数を掛けることによって、複数の環境性能指標のそれぞれについての動的セクタ面積を算出し、
b)影付き面積であって、該影付き面積は該環境性能指標の値に対応する、影付き面積を該セクタ内に描画する
命令を備えている、上記項目のうちのいずれか1項に記載のコンピュータ読取り可能な媒体。
【0049】
(摘要)
プロセスの環境影響を決定するためのシステムおよび方法が開示され、このシステムおよび方法において、資源は別個の環境性能指標(「EPI」)へ分類される。EPIのうちのいくつかは、完成品生産高(FPV)毎に使用された資源の量に基づいて導かれる値EPIであり、FPVは、プロセスによって生産された製品の量を表わす。他のEPIは百分率EPIであり、百分率EPIは、効率の尺度を表わし、使用された総和の資源の百分率として、使用された再生可能な資源の量から導かれる。EPIの図形的表現は、特定のプロセスまたはプロセスのグループの環境への優しさの迅速な視覚的解釈を可能にし、および、2つの異なるプロセス間の視覚的な比較を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本発明の構造、動作、および利点は、添付の図面に関連付けられた以下の記載の考察によって、さらに明白になろう。図面は例示的であって、限定的ではないことが意図されている。
【0051】
以下の記載に付随する図面において、参照番号および符号(ラベル、本文記述)の両方が要素を識別するのに使用され得る。符号が提供される場合、それらは単に読者に対する支援として意図されており、如何様においても限定的に解釈されるべきではない。
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従ったシステムのブロックダイヤグラムを示す。
【図2】図2は、図形的プロセス指標の一実施形態を示す。
【図3】図3は、図形的プロセス指標の代替の実施形態を示す。
【図4】図4は、図形的プロセス指標の別の代替の実施形態を示す。
【図5】図5は、複数の図形的プロセス指標を表示しているコンピュータ画面を示す。
【図6】図6は、本発明の代替の実施形態に従ったシステムのブロックダイヤグラムを示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に従った方法を実行するためのプロセスステップを示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態によって生成される数値報告の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
(詳細な説明)
本発明の実施形態は、プロセスの環境影響を決定するためのシステムおよび方法を提供する。例えば、製造プロセスは複数の資源を使用する。本発明の実施形態は、これらの資源を別個の環境性能指標(EPI)へ分類する。いくつかのEPIは、完成品生産高(FPV)毎に使用された資源の量に基づいて導かれる値EPIであり、FPVは、プロセスによって生産された製品の量を表わす。他のEPIは、使用された総和の資源の百分率として、使用された再生可能な資源の量から導かれる百分率EPIである。EPIの例示のリストが以下に提供される。
【0053】
【表1】

CFP(炭素フットプリント)は、特定製品の実現(通常は原料の抽出から)に関連付けられたCOの量を表わす。EPC(電力消費)は、プロセスによって作製された製品の単位当たりの、そのプロセスによって使用された電気の量を表わす。NGC(天然ガス消費)は、プロセスによって作製された製品の単位当たりの、そのプロセスによって使用された天然ガスの量を表わす。WFP(水フットプリント)は、プロセスによって作製された製品の単位当たりの、そのプロセスによって使用された水の量を表わす。RPR(再生可能な電力の率)は、例えば、風、水力発電、太陽などの再生可能な供給源に由来して使用された電力(購買および自己生産の両方)の百分率を表わす。BMR(生体材料率)は、プロセスにおいて使用された生物分解性材料の百分率を表わす。CFP、EPC,NGCおよびWFPは、それらがFPVに基づいた値を有するので、値EPIとして参照される。RPRおよびBMRは、それらが特定の資源の総和の使用量の百分率に基づいているので、百分率EPIとして参照される。
【0054】
上述のEPIのグループは限定的であるように意図されておらず、本発明の範囲および目的から逸脱することなく、他のEPIがあり得る。本発明の実施形態は、見かけ上まったく異なるEPIのデータを図形的な形式へ変換し、図形的な形式は、生産拠点でのプロセスの環境影響を素早く査定するために、使用者によって一瞥され得る。さらには、本発明の実施形態はまた、類似のプロセスを介して同一分類の製品を作製する複数の工場など、生産拠点のグループの査定を提供し、また、同一分類の製品を作製するための2つ以上の異なる製品またはプロセスを比較する、製品エコ効率の査定を提供する。
【0055】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の一実施形態に従ったシステム100のブロックダイヤグラムを示す。集成されたデータ102、および/またはデータ入手サブシステム104からのデータは、算出システム106に入力される。集成されたデータ102、およびデータ入手サブシステム104からのデータは、様々なEPIを含む。算出システム106は、EPIを新規の図形的出力に変換し、この図形的出力は、生産拠点またはプロセスの環境効率(エコ効率)を査定するための簡便かつ効率的な手法を使用者に提供する。
【0056】
BMRなどのいくつかのEPIは、集成されたデータ102に含まれ得る。水使用量などのパラメータはリアルタイムに計測可能であるので、WFPなどの他のEPIは、データ入手サブシステム104から供給され得る。一実施形態において、すべてのEPIは集成されたデータ102に含まれ、しかるに、データ入手サブシステム104はその実施形態において要求されない。
【0057】
EPC、NGC、WFP、BMRなどのEPIは、リアルタイムに計測可能なデータを使用して計算され得る。電力、天然ガス、再生可能な材料、および水の消費のデータは、しばしば生産拠点でリアルタイムに計測可能であり、しかるに、データ入手サブシステム104によって入手され得る。実際に、CFPおよびRPRなどの他のEPIは、好ましくはハンドブックなどの科学文献からのデータに基づいて計算され、集成されたデータ102の部分として含まれる。集成されたデータの例は、ポリプロリレンのkg当たりの生産に対する排出、または、イタリアにおける発電に対する再生可能な供給源の百分率などの事項を含み得る。
【0058】
各値EPIを計算した後、EPIkの各値は下記のように正規化される。
【0059】
【数1】

は特定のEPIの実際値である。Rは実行されている解析のタイプに基づいて選択される。例えば、製造プラントまたは加工プラントを考慮する場合、特定の期間におけるすべてのプラントの指数の平均値、合計値、または最大値である。このようにして、空間と時間の両方において、異なるプラントを比較することが可能である。他方、2つの異なるプロジェクトを比較する場合、基準として、各影響の分類についての指数の最悪値を考慮する。N項の値を1.0以下に制限するには、Rは、考えられ得る最高のSよりも常に大きいように選択されるべきである。
【0060】
項の値を1.0以下に制限するために、Rは、考えられ得る最高のSよりも常に大きくあるべきである。明らかに、2つの異なるプロジェクトを比較する場合、このことは問題ではない。その代わり、プラントの1つまたはグループを研究している場合、S>Rという最悪の状況にあり得、そのエコ効率を負にさせ得る。この場合、ツールはエコ効率に対して自動的に零値をセットする。
【0061】
したがって、Rkは、特定のEPIについての理論上または実際上の最大値である。
【0062】
Nk項が計算された後、値効率Veは、下記の、
Ve=100−100×N
のように計算される。
【0063】
このステップは百分率EPI(例えば、RPRおよびBMR)には必要でない。なぜならば、それらは本質的に既に百分率の形式にあるからである。百分率EPIについてのVeを算出するために使用される、
Ve=100×S
とする第2の形式の式がある。
【0064】
値効率および百分率EPIのそれぞれは、偶数辺の多角形からなる図形的進捗指標において図形的に表わされる。多角形はセグメントに分割され、各セグメントは特定のEPIを表わす。好ましい一実施形態において、この多角形は、描画システム108を介してコンピュータ画面上に描画される。描画システム108は、多角形を描画するためにディスプレイとグラフィクスプロセッサとを備え得る。
【0065】
図2は、図形的プロセス指標200の一実施形態を示す。図形的プロセス指標(GPI)200は六角形であり、この六角形は、等しいサイズにされたセグメント(総じて202として参照され、図2において202A〜202Fとして示される)に分割されている。これは固定セクタGPIとして参照される。各セクタ202は、無地面積204と影付き面積206とを有する(204A〜204F、および206A〜206Fとして示される)。影付き面積206は、所与のEPIについてのVeを表わす。影付き面積206によって占有されたセクタ202の百分率は、所与のEPIについてのVeと同一の値である。したがって、図2に示されるGPIのようなGPIを描画することによって、EPIデータは、人間によって素早く簡便に解釈される形式へ変換される。影付き面積206が大きいほど、プロセスがより効率的であることを指示する。理想的な場合において、GPIは完全に影が付けられ、各EPIが100%の効率で動作していることを指示する。実際の場合において、影付き面積206を最大化することが所望される。
【0066】
図2の例において、下記の、
− セクタ202Aは、CFP(炭素フットプリント)を表わし、
− セクタ202Bは、EPC(電力消費)を表わし、
− セクタ202Cは、NGC(天然ガス消費)を表わし、
− セクタ202Dは、WFP(水フットプリント)を表わし、
− セクタ202Eは、RPR(再生可能な電力の率)を表わし、
− セクタ202Fは、BMR(生体材料率)を表わす、
関係を考慮する。
【0067】
ここでGPI200を参照すると、影付き面積206Dが殆ど全体のセクタ202Dを占有しているので、プロセスは、水フットプリントに関して大変効率的であることが素早く推察され得る。反対に、影付き面積206Cはセクタ202Cの優位を占有しておらず、セクタ内にかなりの影付きでない面積204Cがあるので、天然ガス消費において、かなりの改善の余地があることが推察され得る。かなりの影付きでない面積204を有するセクタ202は、潜在的な改善面積を表わす。GPI200は、影付き面積206に対して多様な塗り潰しパターンを示しているが、図形的パターンの代わりに、または図形的パターンに追加して色を使用することもまた意図され、本発明の範囲内にあることに留意する。
【0068】
図3は、図形的プロセス指標300の代替の実施形態を示す。これは動的セクタGPIとして参照される。この実施形態において、各セクタのサイズ(総じて302として参照され、図3において302A〜302Fとして示される)は、対応するEPIの計算された重み係数に基づいて変化し得る。重み係数は、特定のEPIの重要度を反映し、社会的、政治的、および倫理的な値の選定などの主観的要因に基づき得る。例えば、水が不足している地理的地域において、水が豊富な地理的地域と比べて、WFP(水フットプリント)はより大きな重み係数(より高い重要度)を有し得る。重み係数が幾分主観的であるならば、本発明の実施形態は、より客観的に重み係数を選択するために下記の式を使用する。
【0069】
【数2】

上記の式において、Wは分類kに対する重み係数である(ここでkは、WFP、NGC、その他などのEPI分類から選択される)。ランキングは、例えばG20国家など、グローバルの管轄区からのデータに基づく。rankingi,kは、分類kについての国家iの世界位置を表わす。複数の管轄区からの環境性能指標の順位の逆数の合計を算出した後、各合計をすべての合計の総和で割ることによって、各EPIに対する重み係数が計算される。
【0070】
例えば、一社が3つの異なる生産拠点(米国、中国、イタリア)を有する場合の3カ国を考察し、特定のEPI(例えば、CO排出に関連したCFP)を考察する。利用可能かつ世界的に認知されたデータを使用すると、「1人当たりのCO排出」との表明に従った国家の世界位置を知ることが可能であり、
1人当たりのCO2排出:
中国−第3位
米国−第4位
イタリア−第10位
となる。
【0071】
この場合において、重み係数の式の分子(Wi)の算出は、下記の、
Wi(CFP)=1/3+1/4+1/10=0.68
となる。
【0072】
このステップは、各EPIについて繰り返され(例示の目的のため、この場合において、CFP、NGC、およびEPCの3つのEPIのみが考察される)、
1人当たりの電力消費:
中国−第7位
米国−第2位
イタリア−第5位
Wi(EPC)=1/7+1/2+1/5=0.84
1人当たりの天然ガス消費:
中国−第11位
米国−第6位
イタリア−第3位
Wi(NGC)=1/11+1/6+1/3=0.59
となる。
【0073】
その後、これらのEPIについてのWkは、下記の、
Wk(CFP)=0.68/(0.68+0.84+0.59)=0.32
Wk(EPC)=0.84/(0.68+0.84+0.59)=0.40
Wk(NGC)=0.59/(0.68+0.84+0.59)=0.28
となる。
【0074】
特定のEPIについて十分なランキングデータが利用可能でない場合、他のEPIデータの平均ランキングが使用され得る。
【0075】
その後、上記の計算されたWk値は、動的セクタGPIを描画するために、下記の、
Wk(CFP)=0.32/0.40=0.8
Wk(EPC)=0.40/0.40=1
Wk(NGC)=0.28/0.40=0.7
のように正規化される(最大のWkが単位値となる)。
【0076】
この場合において、EPCを表わすGPI動的セクタが最も大きく、NGCを表わすセクタが最も小さく、最も大きいセクタの0.7のサイズで描画される。動的セクタのサイズは、重み付けされていない(フルサイズの)セクタの面積に重み係数を掛けることによって導かれる。上記の例において3つのEPIのみが算出されたが、大抵の場合、環境効率を査定するために6つの前記のEPIが使用される。
【0077】
再び図3を参照し、セクタ302FはEPCを表わし、セクタ302AはWFPを表わすと仮定する。GPI300から、セクタ302A(WFPを表わす)はセクタ302F(EPCを表わす)よりもかなり小さいので、この特定の例について、EPC(電力消費)はWFP(水フットプリント)よりも重要性が大きいことが素早く推察され得る。
【0078】
プロセスの特定の実例(例えば、特定の製造プラント)の環境効率は、ローカルのエコ効率(LEE)として参照される。LEEは、セクタの総和の面積(302A〜302F)内における無地の面積(304A〜304F)の百分率を算出することによって算出される。影付き面積は総和の面積で割られ、小数の結果を得る。その後、小数の結果は、1から引かれ、LEEを算出するために100が掛けられる。数学的に、これは、下記のように表わされる。
【0079】
【数3】

図4は、図形的プロセス指標400の別の代替の実施形態を示す。このGPIは、固定セクタ8辺多角形(八角形)である。2つの追加のEPIが使用される場合、EPIデータを図形的表現に変換するために、図4中の400として示されるようなGPIが使用され得る。このGPIは8つのセクタを有する(402A〜402H)。動的セクタ8辺多角形(示されていない)を使用することもまた意図されている。他のEPIは、土地利用、廃水量、および固形廃棄物量などの要因を含み得るが、これらに限定されない。
【0080】
前記のLEEは、例えば、タイヤを製造する特定のプラントなど、プロセスの特定の実例の環境効率(エコ効率)を定量化する。ここで、同一製品(この場合はタイヤ)を生産している複数の地理的に異なるプラントの場合を考察する。この製品の製造がグローバルレベルでどのくらい環境に優しいかを計測することが望ましい。同一製品を生産するX個のプラントの広範囲なセットを評価するグローバルのエコ効率(GEE)値が算出される。GEEについての一般的な式は下記のようになる。
【0081】
【数4】

GEEは、EPIについてのグローバルのエコ効率を表わす。Nk,iは、所与のプラントでの所与のEPIについての正規化された値である。FPVは、完成品生産高、つまりプラントiでのプロセスからの生産高である。タイヤの例において、FPVは、例えば、タイヤの数、またはタイヤ製品の重量などによって、タイヤの生産高で計測され得る。
【0082】
例えば、3つの分離したプラントで生産される製品に対して、CFPについてのGEEを算出することが所望され、このとき、式は下記のようになる。
【0083】
【数5】

その後、各EPI(例えば、CFP、WFP、NGC、EPC、BMR、およびRPR)についてのGEE値が図形的プロセス指標で表わされ、それによって、製品のグローバルのエコ効率を表わすGEEが素早く確認され得る。
【0084】
GEEは、同一製品を生産することの複数の実例を比較するために使用される。しかしながら、2つの異なる製品(プロジェクト)の環境影響を比較することが時々望ましい。2つの異なるプロジェクトを比較するために、プロジェクトエコ効率(PEE)が使用される。環境効率を(R係数の選択に依存して)絶対的に記述するGEEおよびLEEと異なり、PEEは、相対的に2つの代替QとRとの間の比較を可能にする。PEE計算を表わす図形的プロセス指標についての所与のセクタについての影付き面積は、下記のように算出される。
【0085】
【数6】

Q,kshadedは、分類kについての代替Qの影付き面積を表わす。Aはフルサイズのセクタの全体の面積である。Wは、分類k(例えば、EPC、WFP、その他)に対する重み係数である。Ik,Qは、代替Qについての分類kの指数である。Ik,Rは、代替Rについての分類kの指数であり、Ik,R>Ik,Qである。
【0086】
複数の生産拠点で生産される製品について、各生産拠点についてのLEE値を算出し、生産拠点のうちの1つを基準拠点として選択し、それから、基準LEEと特定の生産拠点のLEEとの間の差異を算出することによって、基準拠点に対して残りの生産拠点を比較することが可能である。考察される生産拠点と基準生産拠点との間のLEEデルタ(ΔLEE)は、同一製品を作製している複数の生産施設を比較するための方法論を提供する。このタイプの解析に対して、各R係数に1をセットすることにより、特定のRを選択するステップを回避することが可能である。各LEEの算出に対してR=1により、様々な生産拠点が相互に素早く簡便に比較され得る。
【0087】
唯一のEPIが関心である場合のプロジェクトに対して、関心のEPIのWを1に等しいようにセットし、すべての他のWを零に等しいようにセットすることが可能である。例えば、電力消費の影響を調査することのみが所望される場合ならば、WEPC=1、かつ、他のWを零に等しいようにセットすることが可能である。審査されている分類に対して同一のW係数が使用される限り、2つ以上のプロジェクトが比較され得る。
【0088】
図5は、描画システム(図1の108)の部分として、複数のGPIを表示しているコンピュータディスプレイ500を示す。GPI 502A、502B、および502Cは、同一製品を作製している3つの地理的位置におけるプラントについてのローカルのエコ効率(LEE)を示す。GPI504は、その製品についてのグローバルのエコ効率(GEE)を示す。GPI506は、2つの異なる製品についてのPEEを示す。このようにして、会社の役員および政府機関などの利害関係者は、製造プロセスなどのプロセスの環境影響を素早く簡便に査定し得る。
【0089】
図6は、本発明の代替の実施形態に従ったシステム600のブロックダイヤグラムを示す。この実施形態において、データ入手システム604は、水量メータ622、電気メータ624、および天然ガスメータ626からリアルタイムにデータを受信する。このようにして、これらのEPIについての図形的表現がほぼリアルタイムに更新され得る。他のEPIデータは、集成されたデータ602の部分としてシステム600に入力され得る。これは、例えば、BMRおよびCFPなどのパラメータを含み得る。算出システム606は好ましくは、少なくとも1つの中央処理ユニット(CPU)607と不揮発性ストレージ609とを備え、不揮発性ストレージ609は、読出し専用メモリ(ROM)および/またはディスクストレージ(示されていない)を備え得る。不揮発性ストレージ609は、表示パラメータ(座標、色、その他など)を算出するためのコンピュータ読取り可能な命令を含み、データを描画システム608に伝達する。コンピュータ読取り可能な命令の実行から生じる計算の結果を格納するために、ランダムアクセスメモリ611が使用され得る。描画システム608は、グラフィクス処理ユニット634とディスプレイ636とを備え得る。ディスプレイ638は、例えば、LCD、プラズマ、またはプロジェクタなど、任意の適合した技術のものであり得る。
【0090】
算出システム606はデータ通信ネットワーク650に接続され、これによって、660および662として参照される、システム600に類似の他拠点での他のシステムと通信することを可能にする。このようにして、地理的に分散した拠点が環境データを共有し得る。例えば、図5に示されるように、ブラジル、中国、およびイタリアからのデータが描画システム608によって表示される。一実施形態において、データ通信ネットワークはインターネットを含む。別の実施形態において、通信ネットワークとして専用WANが使用される。
【0091】
図7は、本発明の一実施形態に従った方法を実行するためのプロセスステップを示すフローチャート700である。プロセスステップ772において、データ入手サブシステム(図1の104)を介して、または集成されたデータ(図1の102)を介して、そのいずれかによってEPIデータが収集される。プロセスステップ774において、各EPIの重要度がランク付けされる。このステップは、動的セクタGPIが使用される場合にセクタサイズを決定するために使用される。固定セクタGPIが使用される場合、プロセスステップ774はオプションである。プロセスステップ776において、本開示において前記で開示されたランキングの式に基づいて、セクタサイズが算出される。固定セクタGPIが使用される場合、プロセスステップ776はスキップされ得る。プロセスステップ778において、各セクタの影付き面積が算出される。プロセスステップ780において、対応するGPIが描画される。プロセスステップ782において、報告が生成される。この報告は、複数のプラントについてのLEEを表わすGPIチャートと、1つ以上の製品についてのGEEと、2つ以上の製品またはプロセスを比較するためのPEEとを含み得るが、これらに限定されない。図5に示される図形的な形式に追加して、数値データもまた報告内に提示され得る。数値データは、各EPIについての生の値および/または正規化された値を含み得る。さらには、時間経過に伴った各EPIの数値は、表形式で、または、表計算プログラムにインポートされてグラフ化され得るようにCSV(コンマ区切りの値)などの共通データ形式で提示され得る。
【0092】
図8は、本発明の一実施形態によって生成される数値報告800の例を示す。報告800は3つの列を備える。列882は、様々なEPI(CFP、EPC、NGC、WFP、RPR、BMR)を示す。列884は、所与の年について算出された各EPIの正規化された値を示す。列886は、異なる年について算出された各EPIの正規化された値を示す。このようにして、各個別のEPIの傾向が簡便に審査および解析され得る。
【0093】
本発明は、特定の好ましい一実施形態または複数の実施形態に対して示され記載されてきたが、本明細書および添付の図面の読解によって、特定の等価な変更および改変が当業者に生じるであろう。特に、上述の構成部分(アセンブリ、デバイス、回路、その他)によって実行される様々な機能に関して、このような構成部分を記載するために使用された用語(「手段」に対する参照を含む)は、別途指示されない限り、記載された構成部分の特定された機能(つまり、それが機能的に等価)を実行する任意の構成部分に対応することが意図され、このことは、本明細書において図示された本発明の例示的な実施形態において機能を実行する開示の構造に対して、たとえ構造的に等価ではなくても同様である。さらに、本発明の特定の特徴がいくつかの実施形態のうちの唯一に関して開示され得たとき、このような特徴は、任意の所与または特定の出願にとって望ましく、かつ有利であり得るように、他の実施形態の1つ以上の特徴と結合され得る。
【符号の説明】
【0094】
100、600 システム
102、602 集成されたデータ
104 データ入手サブシステム
106、606 算出システム
108、608 描画システム
200、300、400、502A、502B、502C、504、506 図形的プロセス指標(GPI)
202、302、402 セクタ
500 コンピュータディスプレイ
604 データ入手システム
622 水量メータ
624 電気メータ
626 天然ガスメータ
607 中央処理ユニット(CPU)
609 不揮発性ストレージ
611 ランダムアクセスメモリ
634 グラフィクス処理ユニット
636 ディスプレイ
650 データ通信ネットワーク
660、662 他のシステム
700 フローチャート
772、774、776、778、780、782 プロセスステップ
800 報告
882、884、886 列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスの環境影響を決定するシステムであって、
a)算出システムであって、該算出システムは、少なくとも1つの中央処理ユニットと、不揮発性ストレージと、読出し専用メモリとを備えている、算出システムと、
b)描画システムであって、該描画システムはディスプレイを備えている、描画システムと
を備え、
c)該算出システムは、環境性能データを受信する手段と、
d)該環境性能データを複数の環境性能指標値に変換する手段と、
e)該描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画する手段と
をさらに備え、
f)該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、
g)該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、システム。
【請求項2】
前記偶数辺の多角形は六角形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記偶数辺の多角形は八角形またはより多角の多角形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の環境性能指標値は、
a)炭素フットプリントと、
b)電力消費と、
c)天然ガス消費と、
d)水フットプリントと、
e)再生可能な電力の比と、
f)生物分解性の材料の比と
を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記図形的プロセス指標の前記複数のセクタの各セクタは等しいサイズである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のセクタの各セクタは、環境性能指標の重要度ランキングに基づいたサイズにされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
データ入手サブシステムをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
水量メータをさらに備え、該水量メータは、水使用量を前記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
電気メータをさらに備え、該電気メータは、電気使用量を前記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
ガスメータをさらに備え、該ガスメータは、天然ガス使用量を前記データ入手サブシステムに報告するように構成および配置される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記図形的プロセス指標は、ローカルのエコ効率を表わす、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記図形的プロセス指標は、グローバルのエコ効率を表わす、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記図形的プロセス指標は、プロジェクトのエコ効率を表わす、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
プロセスの環境影響を決定する方法であって、
a)環境性能データを受信するステップと、
b)該環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップと、
c)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップであって、該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、ステップと
を包含する、方法。
【請求項15】
前記環境性能データを複数の環境性能指標値に変換するステップは、計測された消費率を最大消費率で割り、それによって正規化された環境性能指標を算出することを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、
a)各環境性能指標について、複数の管轄区からの前記環境性能指標の順位の逆数の合計を算出することと、
b)各合計をすべての合計の総和で割り、それによって各環境性能指標についての重み係数を算出することと、
c)重み付けされていないセクタの面積に該重み係数を掛け、それによって動的セクタの面積を計算することと、
d)該描画システム上に該動的セクタを描画すること
とを包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するステップは、前記セクタ内に影付き面積を描画することを包含し、該影付き面積は、前記環境性能指標の値に対応する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
a)すべてのセクタの総和の面積を算出するステップと、
b)総和の影付き面積を算出するステップと、
c)総和の面積に対する総和の影付き面積の比を算出するステップと、
d)該比を1から引いて、小数の結果を算出するステップと、
e)該小数の結果に百を掛け、それによってローカルのエコ効率値を算出するステップと
をさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
a)複数のローカルのエコ効率値を算出するステップであって、各ローカルのエコ効率値は異なる生産拠点に対応し、各生産拠点は同一分類の製品を生産する、ステップと、
b)該複数のローカルのエコ効率値から1つのローカルのエコ効率値を選択し、該選択されたローカルのエコ効率値を基準のローカルのエコ効率値として指定するステップと、
c)該複数のローカルのエコ効率値のそれぞれと該基準のローカルのエコ効率値との間の差異を算出することによって、各生産拠点についてのローカルのエコ効率デルタを算出するステップと
をさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
方法を実行するためのコンピュータ実行可能な命令を有するコンピュータ読取り可能な媒体であって、該方法は、
a)環境性能データを受信することと、
b)計測された消費率を最大消費率で割り、それによって複数の生の環境性能指標を算出することと、
c)生の環境性能指標のそれぞれに対する重み係数を算出することと、
d)描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画することと
を包含し、該図形的プロセス指標は偶数辺の多角形を備え、該図形的プロセス指標は複数のセクタに分割され、各セクタは影付きの構成部分を備え、該影付きの構成部分は一環境性能指標の値に対応する、コンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項21】
前記描画システム上に対応する図形的プロセス指標を描画するための前記コンピュータ実行可能な命令は、
a)重み付けされていないセクタ面積に環境性能指標に対応した重み係数を掛けることによって、複数の環境性能指標のそれぞれについての動的セクタ面積を算出し、
b)影付き面積であって、該影付き面積は該環境性能指標の値に対応する、影付き面積を該セクタ内に描画する
命令を備えている、請求項20に記載のコンピュータ読取り可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−129119(P2011−129119A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278671(P2010−278671)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(507274744)トレデガー フィルム プロダクツ コーポレイション (10)
【Fターム(参考)】