説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 感光体ドラムに対する帯電部材の離間に要する労力又は駆動力を低減することができるプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 感光体ドラム1と、帯電ローラ2と、帯電ローラ2の両端を支持する軸受部材28と、軸受部材28で帯電ローラ2を感光体ドラム1へ付勢する加圧部材46と、感光体ドラム1及び帯電ローラ2を回転自在に支持する枠体27と、枠体27に帯電ローラ2の軸方向へ移動自在に保持されると共に帯電ローラ2の軸方向一端側に配置され、帯電ローラ2の軸端部2j1の対向位置に当接部39aを有する可動側ガイド部材39と、枠体27に固定されると共に帯電ローラ2の軸方向他端側に配置され、帯電ローラ2の軸端部2j2の対向位置に当接部41aを有する固定側ガイド部材41と、を備えるカートリッジ7を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ、及び、このプロセスカートリッジが組み込まれた画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、画像形成装置として例えば電子写真画像形成装置がある。電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものであり、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタなど)、ファクシミリ装置、及び、ワードプロセッサなどが含まれる。
【0003】
ここで、記録媒体とは、画像を形成される物であって、例えば、記録シート、OHPシート等である。
【0004】
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段の少なくとも何れか1つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。従って、少なくともプロセス手段としての現像手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものも含まれる。
【背景技術】
【0005】
従来、電子写真画像形成装置には、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラムという)の表面を一様に帯電させる帯電装置が設けられている。この帯電装置には、コロナ放電などを用いた非接触方式と、帯電ローラ等の帯電部材を用いた接触方式が一般的である。近年では、オゾン発生防止などを目的に後者の接触方式が一般的に用いられるようになってきている。その反面、接触方式の帯電装置では、帯電部材が感光体ドラムに対して長時間接触されたままの状態で放置されると、帯電部材のうちの感光体ドラムと接触する部分が永久変形を起こし、帯電能力に変化をきたし、濃度ムラ等の画像不良が生じる場合があった。そのために、帯電部材が感光体ドラムに対して長時間接触された状態のまま放置されない構成が望まれる。
【0006】
また、従来、電子写真画像形成装置には、感光体ドラム及び感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このようなプロセスカートリッジにも、前述の接触方式の帯電装置が用いられることがある。その反面、プロセスカートリッジの運搬時の振動等により、感光体ドラム及び帯電部材が摺擦し、帯電メモリとして履歴が残り、濃度ムラ等の画像不良が生じる場合があった。そのために、プロセスカートリッジの物流時に、帯電部材と感光体ドラムの接触圧が軽減される構成が望まれる。
【0007】
このようなプロセスカートリッジの感光体ドラムと帯電ローラの接離機構としては、特許文献1〜3に記載の構成が知られている。特許文献1には、感光体ドラム及び帯電部材の間で、特に画像が書き込まれる領域(画像形成領域)の外側の領域(非画像形成領域)にスペーサ部材が挟み込まれ、未使用時(特に運搬持)に両者が離間された状態に保持される構成が開示されている。特許文献2には、感光体ドラム及び転写ローラ(帯電部材の例ではないが)の間がソレノイドの駆動で接触及び離間される構成が開示されている。特許文献3には、帯電ローラの両端部に支持部材が設けられ、支持部材が手動で移動されると、感光体ドラムに対する帯電ローラの接触及び離間状態が調節される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−39169号公報
【特許文献2】特開平6−316349号公報
【特許文献3】特開2005−157063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び3に記載の構成では、電子写真画像形成装置の運搬前に人又は機械がスペーサ部材を差し込む労力又は駆動力が必要となる。また、特許文献2に記載の構成では、ソレノイドを駆動する駆動力が必要となる。こういった労力及び駆動力は低減されることが望まれる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑み、電子写真感光体ドラムに対する帯電部材の離間に要する労力又は駆動力を低減することができるプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体に当接して回転可能な回転ローラと、前記回転ローラの軸の両端を回転自在に支持する軸受部材と、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体と当接する方向へ付勢する付勢手段と、前記像担持体を回転自在に支持し、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体に対して当接及び離間させる当接離間方向へ移動自在に保持するカートリッジ枠体と、前記カートリッジ枠体に前記回転ローラの軸方向へ移動自在に保持されると共に前記回転ローラの軸方向の一端側に配置され、前記回転ローラの第1軸端部との対向位置に第1当接部を有する可動側ガイド部材と、前記カートリッジ枠体に固定されると共に前記回転ローラの軸方向の他端側に配置され、前記回転ローラの第2軸端部との対向位置に第2当接部を有する固定側ガイド部材と、を備え、前記第1当接部又は前記第1軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、且つ前記第2当接部又は前記第2軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の他の発明である画像形成装置は、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に着脱自在な画像形成装置であって、前記画像形成装置本体は、前記プロセスカートリッジを着脱する装着部を有し、前記プロセスカートリッジは、トナー像を担持可能な像担持体と、前記像担持体に当接して回転可能な回転ローラと、前記回転ローラの軸の両端を回転自在に支持する軸受部材と、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体の方向へ付勢する付勢手段と、前記像担持体を回転自在に支持し、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体に対して当接及び離間させる当接離間方向へ移動自在に保持するカートリッジ枠体と、前記カートリッジ枠体に前記回転ローラの軸方向へ移動自在に保持されると共に前記回転ローラの軸方向の一端側に配置され、前記回転ローラの第1軸端部との対向位置に第1当接部を有する可動側ガイド部材と、前記カートリッジ枠体に固定されると共に前記回転ローラの軸方向の他端側に配置され、前記回転ローラの第2軸端部との対向位置に第2当接部を有する固定側ガイド部材と、を備え、前記第1当接部又は前記第1軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、且つ前記第2当接部又は前記第2軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、帯電手段の一端側に設けた可動側ガイド部材が帯電手段の第1軸端部に作用すると、像担持体に対して帯電手段が離間する。したがって、一つの可動部材である可動側ガイド部材によって帯電手段の両方の軸端部である第1軸端部及び第2軸端部が移動する。その結果、電子写真感光体ドラムに対する帯電部材の離間に要する労力又は駆動力が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1に係るプロセスカートリッジを備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】カートリッジの断面図である。
【図3】装置本体のガイド構成及び位置決め構成を示す概略斜視図である。
【図4】カバー、装置本体及びカートリッジの配置関係を示す斜視図等である。
【図5】可動側ガイド部材、固定側ガイド部材、帯電ローラ、感光体ドラムの配置関係を示す側面図等である。
【図6】帯電ローラが感光体ドラムから離間した状態を示す側面図等である。
【図7】実施例2に係るプロセスカートリッジ及び装置本体が備える可動側ガイド部材、固定側ガイド部材、帯電ローラ、感光体ドラムの配置関係を示す側面図等である。
【図8】帯電ローラ、可動側ガイド部材、ロック機構、当接離間制御部材の構成を示す拡大側面図等である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の実施例1に係るプロセスカートリッジを備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、電子写真画像形成プロセスを利用した画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置100は電子写真画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部が設けられる。画像形成部は、『像担持体』である電子写真感光体ドラム(以下、単に『感光体ドラム』という)1、『転写装置』である1次転写ローラ12等を含む。少なくとも感光体ドラム1については、カートリッジ7に含まれ、カートリッジ7として装置本体100Aに組み込まれる構成となっている。なお、感光体ドラム1、帯電ローラ2、現像ユニット4に関して複数のものを表現する場合には、前述又は以下の説明で、a、b、c、dの添え字を付記して表現する場合もある。また、クリーニング部材6、カートリッジ7、装着部22、現像ローラ25、感光体ユニット26、供給ローラ34に関して複数のものを表現する場合には、以下の説明で、a、b、c、dの添え字を付記して表現する場合もある。
【0017】
画像形成装置100は、水平方向に対して傾斜して並設した4個のカートリッジの装着手段である装着部22(22a〜22d)(図3及び図4(a)参照)を有する。図1に示されるように、装着部22に装着された『電子写真画像形成装置本体』である装置本体100Aに着脱自在な『プロセスカートリッジ』であるカートリッジ7(7a〜7d)は、夫々1個の『像担持体』である感光体ドラム1(1a〜1d)を備えている。トナー像を担持可能な感光体ドラム1は、駆動部材(不図示)によって、矢印Qの方向に回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラム1に作用する以下のプロセス手段が配置されている。即ち、転写後の感光体ドラム1の表面に残った現像剤(以下、「トナーt」という)を除去するクリーニング部材6(6a〜6d)が配置されている。次に、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段である帯電装置としての帯電ローラ2(2a〜2d)が配置されている。『帯電手段』である帯電ローラ2は、感光体ドラム1に当接して回転可能で感光体ドラム1を帯電する。次に、静電潜像をトナーtを用いて現像する現像ユニット4(4a〜4d)が配置されている。次に、感光体ドラム1上の4色のトナー画像が一括して転写される中間転写ベルト5が配置されている。感光体ユニット26a及び現像ユニット4aの下方には、スキャナユニット3が配置される。スキャナユニット3は、帯電ローラ2(2a〜2d)及び現像ローラ25aの間に位置する感光体ドラム1の表面に画像情報に基づくレーザビームを照射して感光体ドラム1に静電潜像を形成する。ここで、感光体ドラム1、クリーニング部材6、帯電ローラ2及び現像ユニット4は、一体的にカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。
【0018】
中間転写ベルト5は、駆動ローラ10、テンションローラ11及び2次転写対向ローラ51に張架されている。また、各感光体ドラム1(1a〜1d)に対向して、中間転写ベルト5の内側に1次転写ローラ12(12a〜12d)が配設されている。そして、バイアス印加手段(不図示)により中間転写ベルト5に転写バイアスを印加する。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム1が矢印Qの方向に回転し、中間転写ベルト5が矢印Rの方向に回転し、さらに1次転写ローラ12に正極性のバイアスを印加することにより、順次、中間転写ベルト5上に1次転写される。そして、中間転写ベルト5に4色のトナー像が重なった状態で2次転写部15まで搬送される。
【0019】
画像形成動作と同期して給送装置13及びレジストローラ対17等からなる搬送手段によって記録媒体であるシートSが搬送される。給送装置13は、シートSを収納する給送カセット24と、シートSを給送する給送ローラ8と、給送されたシートSを搬送する搬送ローラ対16とを有している。給送カセット24は、図1中の装置本体100Aの手前方向へ引き抜くことができる。給送カセット24に収納されたシートSは、給送ローラ8に圧接され、分離パッド9によって一枚ずつ分離されて(摩擦片分離方式)搬送される。そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって2次転写部15に搬送される。2次転写部15において、2次転写ローラ18に正極性のバイアスを印加する。これにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト5上の4色のトナー像を2次転写する。
【0020】
定着手段である定着部14は、シートSに形成したトナー画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。定着ベルト14aは円筒形状であり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材(不図示)にガイドされている。そして、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとが所定の圧接力をもって定着ニップを形成している。画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSは、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間の定着ニップで加熱及び加圧される。これにより、シートS上の未定着トナー画像がシートSに定着される。その後、トナー画像が定着されたシートSは、排出ローラ対19によって排出トレイ20に排出される。
【0021】
一方、トナー画像の転写後に、感光体ドラム1の表面に残ったトナーtは、クリーニング部材6によって除去される。除去されたトナーtは、感光体ユニット26(26a〜26d)内の除去トナー室27aに回収される(図2参照)。また、シートSへの2次転写後に中間転写ベルト5の表面に残ったトナーtは、転写ベルトクリーニング装置23によって除去される。除去されたトナーtは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0022】
図2は、カートリッジ7の断面図である。なお、イエロー色のトナーtを収納したカートリッジ7a、マゼンタ色のトナーtを収納したカートリッジ7b、シアン色のトナーtを収納したカートリッジ7c、ブラック色のトナーtを収納したカートリッジ7dは、同一の構成である。カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電ローラ(帯電手段)2及びクリーニング部材(クリーニング手段)6を備えた感光体ユニット26、並びに、現像ローラ(現像手段)25を有する現像ユニット4に分かれている。
【0023】
感光体ユニット26は、『カートリッジ枠体』であるクリーニング枠体(以下、枠体27という)を備える。枠体27は、感光体ドラム1を後述する軸受を介して回転自在に支持し、軸受部材28を介して帯電ローラ2を感光体ドラム1に対して当接及び離間させる当接離間方向へ移動自在に帯電ローラ2を保持する。そして感光体ユニット26に駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。さらに、クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。
【0024】
枠体27には、帯電ローラ軸受部材(以下、軸受部材28という)が、帯電ローラ2の中心と感光体ドラム1の中心を通る矢印Dの方向に移動可能に取り付けられている。この構成に関しては、詳しくは以下のようになっている。すなわち、軸受部材28は、帯電ローラ2の軸部2jの両端を回転自在に支持する。そして、軸受部材28は、『付勢手段』である帯電ローラ加圧部材(以下、加圧部材46という)により感光体ドラム1に向かって加圧された状態にあるので、加圧部材46は、軸受部材28を介して帯電ローラ2を感光体ドラム1の方向へ付勢する。
【0025】
現像ユニット4は、感光体ドラム1と接触して矢印Bの方向に回転する現像ローラ25と現像枠体31を有する。現像ローラ25は、現像枠体31の長手方向X(図2中の紙面の裏から表への方向、図5参照)の両側にそれぞれ取り付けられた軸受部材32(32R、32L)を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている。また、現像ローラ25の周上には、現像ローラ25に接触して矢印Cの方向に回転する供給ローラ34と現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35が配置されている。さらに、現像枠体31のトナー収容部31aには、収容されたトナーtを撹拌するとともに供給ローラ34へトナーtを搬送するためのトナー搬送部材36が設けられている。
【0026】
そして現像ユニット4は、軸受部材32R、32Lに設けられた、穴32Rb、32Lbに嵌合する軸37R、37Lを中心にして感光体ユニット26に回動自在に結合されている。現像ユニット4は、加圧バネ38により付勢されている。そのため、カートリッジ7の画像形成時においては、現像ユニット4は軸37を中心に矢印Aの方向に回転し、現像ローラ25が感光体ドラム1に当接している。
【0027】
図3は、装置本体100Aのガイド構成及び位置決め構成を示す概略斜視図である。図3に示されるように、装置本体100Aには、装着方向J1の奥側に側板82が配置され、引出方向J2の前側に側板92が配置されている。側板92には、カートリッジ7を取り外し自在に装着する装着部22が形成されている。装着部22は、カートリッジ7を通す孔である。カートリッジ7は装着部22を通して装置本体100Aに挿入される。
【0028】
また、側板82には、カートリッジ7を装着方向J1(進行方向)に対して垂直な方向に位置決めするための第1本体側位置決め部となる2ヶ所の突き当て部82a(82a1、82a2)が設けられている。
【0029】
さらに、側板92には、カートリッジ7が挿入される挿入穴92bが設けられている。そして、この挿入穴92bの上部にはカートリッジ7を装着方向J1に対して垂直な方向に位置決めするための第2本体側位置決め部となる2ヶ所の突き当て部92a(92a1、92a2)が設けられている。
【0030】
図4(a)は、カバー21、装置本体100A及びカートリッジ7の配置関係を示す斜視図である。図4(a)に示されるように、装置本体100Aの手前側には開閉可能なカバー21が設けられている。ユーザがカバー21を開くと、水平方向に対して傾斜して並設した4個のカートリッジ7(7a〜7d)の装着部22(22a〜22d)が露出する。各装着部22の上側と下側には、第1本体ガイドである装着上ガイド80(80a〜80d)と、第2本体ガイドである装着下ガイド81(81a〜81d)がそれぞれ設けられている。装着上ガイド80と装着下ガイド81はカートリッジ7の装着方向J1に沿って装置本体100Aの手前側から奥側に延びた溝形状となっている(図3参照)。また、各装着部22の上側には、さらに第3本体ガイドである補助ガイド87(87a〜87d)が設けられている。補助ガイド87は装着部22の上側から下方に突出した突起形状となっている(図3参照)。
【0031】
図4(b)は、カートリッジ7の構成を示す斜視図である。図4(b)に示されるように、カートリッジ7は感光体ユニット26を有し、感光体ユニット26は、装置本体100Aに形成される装着上ガイド80に対応する位置で上方に向けて突出して装着上ガイド80にガイドされる上側被ガイド部29を有する。この上側被ガイド部29は、感光体ユニット26におけるカートリッジ7の装着方向J1の奥側(図4(b)中の斜め右下方向)に形成されており、装置本体100Aの装着上ガイド80の溝形状と係合する突起形状となっている。
【0032】
その一方で、感光体ユニット26は、装置本体100Aに形成される装着下ガイド81に対応する位置で下方に向けて突出し、装着下ガイド81にガイドされる下側被ガイド部30を有する。また、下側被ガイド部30は、感光体ユニット26におけるカートリッジ7の装着方向J1に沿って装着方向J1の手前側から奥側へ向かってカートリッジ7の底面に形成されており、装着下ガイド81の溝形状と係合する突起形状となっている。なお、手前側は図4(b)中の斜め左上方向をいい、奥側は図4(b)中の斜め右下方向をいう。
【0033】
その一方で、カートリッジ7は現像ユニット4を有し、現像ユニット4には、装置本体100Aに形成される補助ガイド87に対応する位置で側方に向けて突出して、補助ガイド87にガイドされる横側被ガイド部33が設けられている。この横側被ガイド部33は、現像ユニット4でカートリッジ7の装着方向J1に沿って延び、感光体ドラム1の軸線と直交する方向に突出している。つまり、横側被ガイド部33は、現像ユニット4の側壁から横方向に突出した突起形状となっている。さらに、横側被ガイド部33は、カートリッジ7の装着完了位置では補助ガイド87による移動規制が解除される長さに設定されている。このため、装着途中以外は横側被ガイド部33と補助ガイド87が接触しない。
【0034】
また、感光体ユニット26は感光体ドラム1を有する。この感光体ドラム1の両端の軸部(不図示)の各々は、枠体27に固定された軸受40、50で回転自在に保持されている。カートリッジ7が装置本体100Aの内部を進行する装着方向J1の奥側の軸受40(感光体ドラム1の軸方向一端側を支持する第1軸受部材)の上外側表面部には、第1被位置決め部40aが設けられている。
【0035】
また、カートリッジ7が装置本体100Aの内部を進行する装着方向J1の手前側の軸受50(感光体ドラム1の軸方向他端側を支持する第2軸受部材)について説明する。手前側の軸受50の上外側表面部には、進行方向に対して垂直な方向において、カートリッジ7の手前側を装置本体100Aに位置決めするための円弧形状の第2被位置決め部50aが設けられている。
【0036】
ユーザは、カートリッジ7を装置本体100Aの内部へ装着する際に、感光体ユニット26に設けられた上側被ガイド部29を、装置本体100Aの装着上ガイド80に係合させる。同様に、感光体ユニット26に設けられた下側被ガイド部30を、装置本体100Aの装着下ガイド81に係合させる。さらに、現像ユニット4に設けられた横側被ガイド部33を、装置本体100Aの補助ガイド87によって上方向と横方向の移動を規制させる。そして、カートリッジ7を装着方向J1の方向に押し込む。
【0037】
カートリッジ7が所定の位置まで挿入されると、カートリッジ7の奥側と手前側の第1被位置決め部40a及び第2被位置決め部50aの各々が装置本体100Aに位置決めされる。そして、カートリッジ7の装着が完了する。このカートリッジ7の装着完了状態においても、上側被ガイド部29及び下側被ガイド部30は夫々装着上ガイド80及び装着下ガイド81との係合状態は維持されたままである。これに対して第3被ガイド部である横側被ガイド部33は補助ガイド87とは接触しない状態にある。
【0038】
なお、カートリッジ7に駆動を入力した際に回転するのを規制するため、カートリッジ7の奥側には装着方向J1(カートリッジ進行方向)に突出する軸27b(図3参照)が、手前側にはU字状の穴27c(図3参照)がそれぞれ設けられている。そして、カートリッジ7の位置決めの際には、軸27bと穴27cも装置本体100Aの長穴82b(図3参照)と軸92c(図3参照)にそれぞれ係合する。これによって、ユーザは、カートリッジ7を装置本体100Aの内部に安定して進行させることができる。
【0039】
図5(a)は、可動側ガイド部材39、固定側ガイド部材41、帯電ローラ2、感光体ドラム1の配置関係を示す側面図である。図5(a)に示されるように、枠体27の長手方向Xの一端側には、枠体27によって長手方向Xに沿って移動可能に支持された可動側ガイド部材39が設けられている。枠体27の長手方向Xの他端側には、枠体27と一体で形成された固定側ガイド部材41が設けられている。
【0040】
すなわち、可動側ガイド部材39は、枠体27によって帯電ローラ2の軸方向(長手方向X)へ移動自在に保持される。この可動側ガイド部材39は、帯電ローラ2の軸方向の一端側に配置され、帯電ローラ2の『第1軸端部』である軸端部2j1との対向位置に、『第1当接部』である当接部39aを有する。この一方で、固定側ガイド部材41は、枠体27に形成されて固定される。この固定側ガイド部材41は、帯電ローラ2の軸方向の他端側に配置され、帯電ローラ2の『第2軸端部』である軸端部2j2との対向位置に『第2当接部』である当接部41aを有する。そして、可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の方向へ移動すると、軸端部2j2と当接部41aが接触すると共に軸端部2j1と当接部39aが接触する場合を想定する。この場合には、帯電ローラ2は、軸方向へ移動しながら加圧部材46(図5(b)及び図5(c)参照)の付勢力に抗して感光体ドラム1から離間する。
【0041】
可動側ガイド部材39は、当接部39a、規制部39b、被ガイド部39c及びロック部39dを備えている。これに対して、枠体27は、可動側ガイド部材39の被ガイド部39c及びロック部39dが係合するガイド部27d1、27d2を有する。そして、被ガイド部39cがガイド部27d1にガイドされ、ロック部39dがガイド部27d2にガイドされ、可動側ガイド部材39は枠体27の長手方向Xに移動可能に支持されている。
【0042】
当接部39aは、感光体ドラム1との間で所定寸法の隙間が設けられた状態で配置されている。この隙間が確保されるので、可動側ガイド部材39が移動しても、可動側ガイド部材39が感光体ドラム1に接触することがなく、感光体ドラム1の表面を傷つけることはなくなる。また、当接部39aは、帯電ローラ2の軸部2jの軸端部2j1との対向位置に配置されている。当接部39aは、長手方向Xに対して傾斜するクサビ形状で形成されている。当接部39aは、帯電ローラ2の方に向かうにつれて、感光体ドラム1へと近づく傾斜面で形成されている。この傾斜面は帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜している。そして、可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の方向へ移動した際には、当接部39aが軸端部2j1に軸方向で接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して離間する離間方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の方向とは逆方向へ移動した際には、軸端部2j1が当接部39aに軸方向で接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して接触する接触方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。
【0043】
ロック部39dは、長手方向Xに延びる『レバー部』であるレバー39d1と、レバー39d1の長手方向Xの途中に形成されて枠体27に係合する『係合部』である突起39d2、とを有する。この一方で、枠体27のガイド部27d2は、突起39d2に係合される『被係合部』である係止部27jを有する。そして、可動側ガイド部材39が移動して突起39d2が係止部27jを乗り越えた後に係合すると、可動側ガイド部材39の移動が規制されると共に、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した離間位置W(第二の位置)に保持される。
【0044】
規制部39bは、軸端部2j1の面と略平行な平面で形成されている。規制部39bは、可動側ガイド部材39が帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した後にロック部39dによって可動側ガイド部材39の移動が規制された場合に、軸端部2j1と対向する位置に配置される。帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した状態でカートリッジ7が物流による長手方向Xの振動や衝撃を受けた際に、規制部39bと軸端部2j1が接触することによって、帯電ローラ2が可動側ガイド部材39の方向へ移動するのを規制する。
【0045】
次に、固定側ガイド部材41は、当接部41a及び規制部41bを有し、可動側ガイド部材39と同様に、感光体ドラム1との間で所定寸法の隙間が設けられた状態で配置されている。この隙間が確保されることで、固定側ガイド部材41は、感光体ドラム1に接触することがなく、感光体ドラム1の表面を傷つけることはなくなる。
【0046】
当接部41aは、帯電ローラ2の軸部2jの軸端部2j2との対向位置に配置されている。当接部41aは、長手方向Xに対して傾斜するクサビ形状で形成されている。当接部41aは、帯電ローラ2の方に向かうにつれて、感光体ドラム1へと近づく傾斜面で形成されている。この傾斜面は帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜している。そして、可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の方向へ移動した際には、軸端部2j2が当接部41aに接触しつつ右斜め下方向に移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して離間する離間方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の方向とは反対方向へ移動した際には、軸端部2j2が当接部41aに接触しつつ左斜め上方向に移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して接触する接触方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。
【0047】
規制部41bは、軸端部2j2の面と略平行な平面で形成されている。可動側ガイド部材39が帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した後にロック部39dによって可動側ガイド部材39の移動が規制された場合に、軸端部2j2と対向する位置に配置される。帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態でカートリッジが物流による長手方向Xの振動や衝撃を受けた際に、規制部41bと軸端部2j2が接触することによって、帯電ローラ2が固定側ガイド部材41の方向へ移動するのを規制する。
【0048】
図5(b)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接した状態を示す側面図である。図5(b)に示されるように、帯電ローラ2と感光体ドラム1が当接する画像形成可能な状態では、帯電ローラ2は、軸受部材28a、28bを介して加圧部材46a、46bにより感光体ドラム1に対して所定圧で当接している。この状態から、可動側ガイド部材39が、ガイド部27d1、及び、ガイド部27d2の係止部27jに沿って帯電ローラ2に近づく矢印Fの方向へ移動する。そして、当接部39aが軸端部2j1を矢印Fの方向に押圧しつつ下方に押圧し、軸端部2j1が次第に右斜め下方に誘導される。同時に、軸端部2j2が当接部41aを矢印Fの方向に押圧しつつ下方に押圧しながら、軸端部2j2が次第に右斜め下方に誘導される。その結果、帯電ローラ2が右斜め下方へと移動する。
【0049】
このことから、軸端部2j1は、加圧部材46aの付勢力に抗しつつ、当接部39aのクサビ形状に沿って感光体ドラム1と離間する方向に移動することになる。同時に、軸端部2j2は、加圧部材46bの付勢力に抗しつつ、当接部41aのクサビ形状に沿って感光体ドラム1と離間する方向に移動することになる。この過程で、可動側ガイド部材39の突起39d2が枠体27の係止部27jに接触しつつ乗り越え始め、レバー39d1が撓む。
【0050】
図5(c)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態を示す側面図である。図5(c)に示されるように、可動側ガイド部材39が所定量で移動して、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した離間位置Wでは、当接部39aが軸端部2j1と接触した接触状態に保持され、規制部39bが軸端部2j1と対向する。また、このときに、当接部41aが軸端部2j2と接触した接触状態に保持され、規制部41bが軸端部2j2と対向する。
【0051】
一方、可動側ガイド部材39のレバー39d1は撓んだ状態から開放されて、突起39d2は枠体27の係止部27jと係合する。帯電ローラ2には、軸受部材28a、28bを介して加圧部材46a、46bによって、感光体ドラム1と当接する当接方向へ向かう付勢力が作用している。そのために、軸端部2j1が当接部39aのクサビ形状の先端に向かって移動しようとし、また、軸端部2j2が当接部41aのクサビ形状の先端に向かって移動しようとする。このため、可動側ガイド部材39には当接部39aのクサビ形状によって矢印Gの方向の力が作用する。しかし、突起39d2が係止部27jに係合しているため、可動側ガイド部材39が矢印Gの方向に移動することが規制され、帯電ローラ2は感光体ドラム1から離間した離間位置Wに保持される。
【0052】
このように、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接した当接位置Vから枠体27の長手方向Xに沿って移動する。そうすると、可動側ガイド部材39が固定側ガイド部材41に接近することにより、帯電ローラ2が枠体27の長手方向Xに沿って移動しながら感光体ドラム1から離間する。そして、可動側ガイド部材39の突起39d2が枠体27の係止部27jと係合することで、可動側ガイド部材39の移動が規制されて帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した離間位置Wに保持される。また、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した離間位置Wに保持されるとき、軸端部2j1及び規制部39bが対向し、軸端部2j2及び規制部41bが対向しているので、物流時の振動や衝撃等で帯電ローラ2が軸方向に力を受けても帯電ローラ2は移動しない。
【0053】
図6(a)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態を示す側面図である。図6(a)に示されるように、装置本体100Aの奥側の側板82には、カートリッジ7の装着部22の方向へ突出して形成されてレバー39d1に接触してレバー39d1を揺動させる『レバー揺動部』であるロック解除部83が設けられている。装着部22に関しては図3及び図4(a)を参照されたい。ロック解除部83は斜面部83aと退避部83bを有している。退避部83bは、帯電ローラ2の軸と直交する方向では、斜面部83aよりも退避した形状で形成されている。可動側ガイド部材39の移動が規制された状態でカートリッジ7が装置本体100Aに装着されると、枠体27の凹部27f及びレバー39d1の間にロック解除部83の斜面部83aが入り込むようになっている。このために、ロック解除部83がレバー39d1を揺動させて突起39d2及び係止部27jの係合状態を解除する。そして、帯電ローラ2は、軸方向へ移動しながら、加圧部材46a、46bの付勢力によって感光体ドラム1に当接した当接位置Vに保持される。
【0054】
カートリッジ7が装置本体100Aに装着される前では、可動側ガイド部材39及び固定側ガイド部材41は軸端部2j1、2j2を感光体ドラム1に接近しないように支えている。そして、帯電ローラ2は、加圧部材46a、46bの付勢力に抗して、軸受部材28a、28bを介して感光体ドラム1から離間した非画像形成状態にある。また、可動側ガイド部材39の突起39d2が枠体27の係止部27jと係合している。従って、可動側ガイド部材39の移動が規制されているので、帯電ローラ2は感光体ドラム1から離間した離間位置Wに保持される。この状態で、カートリッジ7の被ガイド部であるカートリッジ被ガイド部(上側被ガイド部29、下側被ガイド部30、横側被ガイド部33)が装置本体100Aの各ガイド部材(装着上ガイド80、装着下ガイド81、補助ガイド87)でガイドされながら動作する。すなわち、カートリッジ7が装着方向J1の方向に進入させられる。
【0055】
図6(b)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1へと接近する過程を示す側面図である。図6(b)に示されるように、レバー39d1が斜面部83aを受け入れる位置までカートリッジ7が進入すると、レバー39d1は、ロック解除部83と接触し、ロック解除部83の斜面部83aの形状に沿って矢印Kの方向へ撓んでいく。レバー39d1の撓み量が大きくなって突起39d2と係止部27jとの係合がなくなると、加圧部材46a、46bの付勢力によって、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接する方向へ移動する。このときに、帯電ローラ2の軸端部2j2が当接部41aのクサビ形状に沿って移動する。また、帯電ローラ2の軸端部2j1が当接部39aのクサビ形状を押圧し、可動側ガイド部材39が枠体27の長手方向Xに沿って移動すると共に軸端部2j1が当接部39aのクサビ形状に沿って移動する。その結果、帯電ローラ2は枠体27の長手方向Xに沿って移動しながら感光体ドラム1に当接する方向へと移動する。
【0056】
図6(c)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接した状態を示す側面図である。図6(c)に示されるように、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接する当接位置Vまで移動すると、帯電ローラ2及び可動側ガイド部材39の移動が完了する。その際、レバー39d1と斜面部83aとの接触は解除されており、レバー39d1の端部は退避部83bと対向しており、可動側ガイド部材39とロック解除部83は接触しない。
【0057】
そして、突起39d2及び係止部27jの係合が解除されるから、加圧部材46bの付勢力によって軸端部2j2が当接部41aのクサビ形状に沿って移動し、帯電ローラ2が枠体27の長手方向Xに沿って移動する。また、帯電ローラ2の移動と連動して可動側ガイド部材39が移動する。可動側ガイド部材39は、帯電ローラ2の移動量、及び、軸端部2j1が加圧部材46aの付勢力によって当接部39aのクサビ形状に沿って移動する移動量を足し合わせた移動量で枠体27の長手方向Xに沿って移動する。そして、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接すると帯電ローラ2及び可動側ガイド部材39の長手方向Xへの移動は完了となる。
【0058】
以上説明したように、帯電ローラ2の一端側に可動側ガイド部材39が設けられ、可動側ガイド部材39が帯電ローラ2の軸方向に移動して帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接離間する構成とした。このことで、帯電ローラ2の他端側は新たな機構が必要なく簡単な構成となる。なお、実施例1では、可動側ガイド部材39と固定側ガイド部材41により、帯電ローラ2と感光体ドラム1を完全に離間させているが、帯電ローラ2と感光体ドラム1の間の圧力を解除するために、帯電ローラ2を離間方向へ少しだけ移動させる構成としても良い。つまり、帯電ローラ2と感光体ドラム1とが当接する位置(第一の位置)よりも帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する方向に帯電ローラ2が移動したような位置(第二の位置)とを取ることが可能なようにしてもよい。例えば、画像形成を行わない非画像形成時に、可動側ガイド部材39を帯電ローラ2と近づく側に移動して帯電ローラ2と感光体ドラム1の間の圧力が解除された状態にしておいても良い。また、画像形成時(現像時)は、可動側ガイド部材39を帯電ローラ2から離れる側に移動し帯電ローラ2が機能を発揮できる当接状態に移動させられるように、可動側ガイド部材39によって当接離間方向の相対位置を決定する構成であれば良い。この場合には、帯電ローラ2と感光体ドラム1が完全に離間するかどうかは関係ない。
【0059】
実施例1では、可動側ガイド部材39にロック部39dを設けて、装置本体100Aの外部において、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態を保てるように構成している。また、装置本体100Aにロック解除部83を設けて、カートリッジ7の装着動作に連動してロックを解除するので、カートリッジ7の使用前にユーザが帯電ローラ2の離間部材等を取り去る必要がない。従って、カートリッジ7の交換時にユーザの負担が軽減する。
【実施例2】
【0060】
図7(a)は、実施例2に係るプロセスカートリッジ及び装置本体が備える可動側ガイド部材139、固定側ガイド部材141、帯電ローラ2、感光体ドラム1の配置関係を示す側面図である。実施例2の構成のうち実施例1のと同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の構成が実施例1の構成と異なる点は、可動側ガイド部材139の構成、及び、可動側ガイド部材139を駆動する機構の構成が、実施例1のものと異なる点である。すなわち、実施例2の構成では、特に、可動側ガイド部材139、ロック機構140の構成に特徴がある。なお、固定側ガイド部材141は、固定側ガイド部材41と同様の構成である。
【0061】
図7(a)に示されるように、クリーニング枠体である枠体127の長手方向Xの一端側には、可動側ガイド部材139が設けられている。可動側ガイド部材139は、『カートリッジ枠体』である枠体127によって長手方向Xに沿って移動可能に支持されている。可動側ガイド部材139は、当接部139a、規制部139b、被ガイド部139c1、139c2及び被押圧部139eを有する。可動側ガイド部材139は、被ガイド部139c1がガイド部127d1によって、また、被ガイド部139c2がガイド部127d2によって、枠体127の長手方向Xに沿って矢印Eの方向に移動可能に支持されている。なお、枠体127の長手方向Xの他端側には、枠体127と一体で形成された固定側ガイド部材141が設けられている。
【0062】
当接部139aは、感光体ドラム1との間で所定寸法の隙間が設けられた状態で配置されている。この隙間が確保されるので、可動側ガイド部材139が移動しても、可動側ガイド部材139は、感光体ドラム1に接触することがなく、感光体ドラム1の表面を傷つけることがなくなる。当接部139aは、帯電ローラ2の軸部2jの軸端部2j1との対向位置に配置されている。当接部139aは、長手方向Xに対して傾斜するクサビ形状で形成されている。当接部139aは、帯電ローラ2の方に向かうにつれて、感光体ドラム1へと近づく傾斜面で形成されている。この傾斜面は帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜している。そして、可動側ガイド部材139が帯電ローラ2の方向へ移動した際には、当接部139aが軸端部2j1に軸方向で接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して離間する離間方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。可動側ガイド部材139が帯電ローラ2の方向とは逆方向へ移動した際には、軸端部2j1が当接部139aに軸方向で接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して接触する接触方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。
【0063】
『移動機構』であるロック機構140は、『カートリッジ枠体』である枠体127に取り付けられ、可動側ガイド部材139を帯電ローラ2の軸線方向に移動自在としている。以下に詳細な構成を説明する。ロック機構140は、可動側ガイド部材139の規制部139bの外側に配置されている。ロック機構140は、枠体127に支持された支軸140cと、支軸140cを中心に一体的に回転自在な『カム部』であるカム140b及び『レバー部』であるレバー140aを有する。支軸140cは、不図示のクリーニング枠体(枠体127)の支持穴によって回動可能に支持されている。カム140b及びレバー140aは支軸140cから外方に延びており、カム140b及びレバー140aの間は所定の角度を有している。そして、レバー140aが回転されてカム140bが可動側ガイド部材139を押圧すると、可動側ガイド部材139の移動が規制されると共に、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した離間位置Wに保持されるようになっている。
【0064】
カム140bは、第1縁部140b1及び第2縁部140b2を有する(図7(b)及び図7(c)参照)。ロック機構140が反時計回りに回動すると、第1縁部140b1が可動側ガイド部材139の被押圧部139eに接触して(図7(a)及び図7(b)参照)、可動側ガイド部材139を矢印Eの方向に移動し、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する。そして、帯電ローラ2が感光体ドラム1から完全に離間した状態では、第2縁部140b2が可動側ガイド部材139の被押圧部139eに接触する(図7(c)参照)。そして、可動側ガイド部材139の長手方向Xへの移動を規制して、帯電ローラ2及び感光体ドラム1の間の離間状態が保持される。
【0065】
規制部139bは、軸端部2j1の面と略平行な平面で形成されている。可動側ガイド部材139が帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した後にロック機構140によって可動側ガイド部材139の移動が規制された状態で規制部139bと軸端部2j1とが対向する位置に設けられている。帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した状態でカートリッジ7が物流による長手方向Xの振動や衝撃を受けた際に、規制部139bと軸端部2j1が接触することによって、帯電ローラ2が可動側ガイド部材139の方向へ移動するのを規制する。
【0066】
次に、固定側ガイド部材141は、当接部141a及び規制部141bを有し、可動側ガイド部材139と同様に、感光体ドラム1との間で所定寸法の隙間が設けられた状態で配置されている。この隙間が確保されることで、固定側ガイド部材141は、感光体ドラム1に接触することがなく、感光体ドラム1の表面を傷つけることはなくなる。また、当接部141aは、帯電ローラ2の軸部2jの軸端部2j2との対向位置に配置されている。当接部141aは、長手方向Xに対して傾斜するクサビ形状で形成されている。当接部139aは、帯電ローラ2の方に向かうにつれて、感光体ドラム1へと近づく傾斜面で形成されている。この傾斜面は帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜している。そして、可動側ガイド部材139が帯電ローラ2の方向へ移動した際には、軸端部2j2が当接部141aに接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して離間する離間方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。可動側ガイド部材139が帯電ローラ2の方向とは反対方向へ移動した際には、軸端部2j2が当接部141aに接触しつつ移動(スライド)する。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して接離する接離方向(帯電ローラ2の軸方向と直交する方向)に移動する。
【0067】
規制部141bは、軸端部2j2の面と略平行な平面で形成され、可動側ガイド部材139が帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した後にロック機構140で可動側ガイド部材139の移動が規制された場合には、軸端部2j2と対向する位置に配置されている。帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した状態でカートリッジ7が物流による長手方向Xの振動や衝撃を受けた際に、規制部141bと軸端部2j2が接触することによって、帯電ローラ2が固定側ガイド部材141の方向へ移動するのを規制する。
【0068】
図7(b)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接した状態を示す側面図である。図7(b)に示されるように、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接する画像形成可能な状態においては、帯電ローラ2は、軸受部材28a、28bを介して加圧部材46a、46bにより感光体ドラム1に対して所定圧で当接している。この状態から、ロック機構140が矢印Lの方向に回動されると、カム140bの第1縁部140b1が被押圧部139eを押圧する。そして、可動側ガイド部材139が、ガイド部127d1、127d2に沿って帯電ローラ2に近づく矢印Fの方向へ移動する。そして、当接部139aが軸端部2j1を矢印Fの方向に押圧しつつ下方に押圧し、次第に右斜め下方に移動する。同時に、軸端部2j2が当接部141aを矢印Fの方向に押圧しつつ下方に押圧しながら、次第に右斜め下方に移動する。その結果、帯電ローラ2が右斜め下方へと移動する。
【0069】
さらに、ロック機構140を回動して可動側ガイド部材139を移動する。そうすると、帯電ローラ2が矢印Fの方向へ移動するのと連動して当接部139aのクサビ形状に沿って軸端部2j1が加圧部材46aの付勢力に抗して帯電ローラ2の一端側を感光体ドラム1と離間する方向に移動する。また、同様に当接部141aのクサビ形状に沿って軸端部2j2が加圧部材46bの付勢力に抗して、帯電ローラ2の他端側を感光体ドラム1と離間する方向に移動する。
【0070】
図7(c)は、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態を示す側面図である。図7(c)に示されるように、可動側ガイド部材139が所定量移動して帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する離間位置Wにおいては、当接部139aが軸端部2j1と接触した接触状態を保持しつつ、規制部139bが軸端部2j1と対向する。また、同様に当接部141aが軸端部2j2と接触した接触状態を保持しつつ、規制部141bが軸端部2j2と対向する。
【0071】
帯電ローラ2は軸受部材28a、28bを介して加圧部材46a、46bにより、軸端部2j1及び軸端部2j2が当接部139a及び当接部141aのクサビ形状に沿って帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接方向へ付勢力が作用している。このため、可動側ガイド部材139には当接部139aのクサビ形状により矢印Gの方向の力が作用するので、被押圧部139eを介してカム140bにも矢印Gの方向の力が作用する。しかし、力の向きがロック機構140の回転中心に向かう方向なのでロック機構140は回動しないため、可動側ガイド部材139の移動が規制され、帯電ローラ2は感光体ドラム1から離間した状態が保たれる。
【0072】
上述の帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接した状態から、ロック機構140が回動して可動側ガイド部材139を枠体127の長手方向Xに沿って移動する。そうすると、可動側ガイド部材139と固定側ガイド部材141により帯電ローラ2が枠体127の長手方向Xに沿って移動しながら感光体ドラム1から離間する。
【0073】
そして、可動側ガイド部材139を介してロック機構140のカム140bに加圧部材46の付勢力が働いても、ロック機構140には回転方向の力が発生しない。従って、ロック機構140によって可動側ガイド部材139は移動規制されており、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態が保たれる。
【0074】
また、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態では軸端部2j1と規制部139bが対向し、また、軸端部2j2と規制部141bが対向しているので、物流時の振動や衝撃等で帯電ローラ2が軸方向に力を受けても帯電ローラ2が移動しない。このように、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接した状態でカートリッジ7が装置本体100Aから取り出されると、レバー140aが装置本体100Aに接触してレバー140aを回動する。そして、帯電ローラ2は、軸方向へ移動しながら、加圧部材46の付勢力に抗して感光体ドラム1から離間する離間位置Wに保持される。次に、帯電ローラ2を感光体ドラム1に当接させる動作について説明する。
【0075】
図7(c)に示されるように、可動側ガイド部材139及び固定側ガイド部材141によって、帯電ローラ2が軸受部材28a、28bを介して加圧部材46a、46bの付勢力に抗して感光体ドラム1から離間した非画像形成状態にある。また、ロック機構140によって可動側ガイド部材139の移動が規制されているので、帯電ローラ2は感光体ドラム1から離間した状態が保持される。この状態から、ロック機構140が矢印Mの方向に回動すると、カム140bによる被押圧部139eの押圧が解除され始める。その際、可動側ガイド部材139がガイド部127d1、127d2に沿って矢印Gの方向へ移動するのに伴って加圧部材46a、46bの付勢力によって軸端部2j1が当接部139aのクサビ形状に沿って移動する。また、軸端部2j2が当接部141aのクサビ形状に沿って移動する。その結果、帯電ローラ2は枠体127の長手方向Xに沿って移動しながら感光体ドラム1の側へ移動する。
【0076】
ロック機構140を図7(b)に示す位置まで回動すると、カム140bの第2縁部140b2による被押圧部139eの押圧は完全に解除されると共に、可動側ガイド部材139と帯電ローラ2の枠体127の長手方向Xに沿った移動は完了している。その際、帯電ローラ2は、加圧部材46a、46bの付勢力によって感光体ドラム1と所定圧にて当接している。
【0077】
この様に、可動側ガイド部材139の移動が規制された状態でカートリッジ7が装置本体100Aに装着されると、装置本体100Aがレバー140aに接触してカム140bの第2縁部140b2が可動側ガイド部材139の被押圧部139eへの押圧を解除する。そして、帯電ローラ2は、軸方向へ移動しながら、加圧部材46の付勢力によって感光体ドラム1に当接する当接位置Vに保持される。
【0078】
図8は、帯電ローラ2、可動側ガイド部材139、ロック機構140、当接離間制御部材142の構成を示す拡大側面図であり、図8(a)、図8(b)、図8(c)からなる。この図8(a)(b)(c)を参照しつつ、カートリッジ7の着脱に連動してロック機構140が回動する構成に関して説明する。図8(a)に示されるように、装着部22の奥側には、当接離間制御部材142が装着上ガイド80と一体で形成されている。当接離間制御部材142には、装着側ガイド部142a1及び取出側ガイド部142a2で形成される溝142aが設けられている。一方、枠体127(図中二点鎖線にて示す)には円弧状の開口127gが形成されており、ロック機構140のレバー140aが枠体127の開口127gから突出している。これより、カートリッジ7が装着される動作を説明する。
【0079】
図8(a)に示されるように、カートリッジ7は、上側被ガイド部29を装着上ガイド80に係合した状態で、矢印N方向へ移動させられて装置本体100Aの内部に進入させられる。ここで、帯電ローラ2の一端は可動側ガイド部材139に接触し、帯電ローラ2の他端は不図示の固定側ガイド部材141(図7参照)に接触し、帯電ローラ2は感光体ドラム1から離間している。更にカートリッジ7が装置本体100Aに装着されていくと、ロック機構140のレバー140aが溝142aに係合する。
【0080】
図8(b)に示されるように、レバー140aが、カートリッジ7の移動量に応じて装着側ガイド部142a1に沿ってガイドされ、矢印Pの方向に回転する。レバー140aが矢印Pの方向に回転すると、先に述べたようにロック機構140による可動側ガイド部材139の押圧は解除されていくので、カートリッジ7の移動量に応じて帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接する側に移動していく。
【0081】
図8(c)に示されるように、カートリッジ7が装置本体100Aに対する装着が完了した状態では、レバー140aの回転は終了し、帯電ローラ2が感光体ドラム1と所定圧で当接した状態となる。カートリッジ7が装置本体100Aから取り出される場合には、これとは逆の順序で動作する。逆の順序を次に説明する。
【0082】
図8(c)に示されるように、カートリッジ7は、上側被ガイド部29が装着上ガイド80に係合された状態で、矢印Qの方向へ移動されて、装置本体100Aから取り出されていく。この状態では、帯電ローラ2は感光体ドラム1と当接している。
【0083】
図8(b)に示されるように、カートリッジ7が装置本体100Aから取り出されていくと、ロック機構140のレバー140aが溝142aと係合する。レバー140aは、カートリッジ7の移動量に応じて取出側ガイド部142a2に沿ってガイドされて矢印Rの方向に回転する。レバー140aが矢印Rの方向に回転すると、先に述べたようにロック機構140により可動側ガイド部材139が押圧されていくので、カートリッジ7の移動量に応じて帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する側に移動していく。
【0084】
図8(a)に示されるように、さらにカートリッジ7が装置本体100Aから取り出されていくと、レバー140aの回転が終了して、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態となる。
【0085】
実施例2では、装置本体100Aに溝142aが設けられて、カートリッジ7の装着動作と連動して帯電ローラ2を感光体ドラム1に当接させる。また、カートリッジ7の取り出し動作と連動して帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間すると共に、装置本体100Aの外では帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間した状態を保てるように構成している。従って、カートリッジ7の使用前にユーザが帯電ローラ2の離間部材を取り去る必要がないので、カートリッジ7の交換時にユーザの負担が軽減する。また、カートリッジ7の使用後にユーザが帯電ローラ2に離間部材を取り付ける必要がないので、使用後の帯電ローラ2の表面に永久変形を生じることがないため、安価な材料を使用しても回収した帯電ローラ2を再利用する際、回収品の良品率が向上する。
【0086】
また、実施例2では、装置本体100Aのガイド部に当接離間制御部材142を設ける。このことで、ユーザがカートリッジ7を装着する動作に連動して、帯電ローラ2を感光体ドラム1に当接させる。また、カートリッジ7を取り出す動作に連動して、帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間させる。しかし、装置本体100Aに当接離間制御部材142を設けず、ユーザ自身がカートリッジ7の使用前にレバー140aを回動して帯電ローラ2を感光体ドラム1に当接させても良い。また、ユーザ自身がカートリッジ7の使用後にレバー140aを回動して帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間するようにしても良い。そして、帯電ローラ2と感光体ドラム1の接離間状態をユーザ自身によって操作する構成としても良い。
【0087】
更に、実施例2では、帯電ローラ2が感光体ドラム1に対して離間した離間位置で、縁部140b2が90°回転して被押圧部139eに接触した状態となっていて、ロック機構140は矢印Lの方向にも矢印Mの方向にも回転しないようになっていた(図8参照)。しかし、この実施例に限定されなくても良い。すなわち、図8のような場合に、ロック機構140は、矢印Lの方向に90°以上(例えば100°等)回転して停止した後も、更に矢印Lの方向に回転できる構成であっても良い。こうした構成では、ロック機構140が帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間できる角度を超えて回転する分には、感光体ドラム1に対する帯電ローラ2の離間状態が維持される。
【0088】
なお、実施例2においても、実施例1で説明したのと同様に、帯電ローラ2と感光体ドラム1を完全に離間させず、帯電ローラ2と感光体ドラム1の間の圧力を解除するために、帯電ローラ2を離間方向へ少しだけ移動させる構成としても良い。つまり、帯電ローラ2と感光体ドラム1とが当接する位置(第一の位置)よりも帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する方向に帯電ローラ2が移動したような位置(第二の位置)とを取ることが可能なようにしてもよい。
【0089】
実施例1及び2のカートリッジ及び画像形成装置によれば、帯電ローラ2の一端側に設けた可動側ガイド部材39、139が帯電ローラ2の軸端部2j1に作用すると、感光体ドラム1に対して帯電ローラ2が当接離間する。したがって、一つの可動部材である可動側ガイド部材39、139で帯電ローラ2の両方の軸端部2j1、2j2が移動する。そして、カートリッジ7が装置本体100Aから引出される場合に、取出し動作に連動して帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間する方向に移動し、感光体ドラム1及び帯電ローラ2の間が当接状態から離間状態に移行する。また、カートリッジ7が装置本体100Aに装着される場合に、装着動作に連動して帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接する方向に移動し、感光体ドラム1及び帯電ローラ2の間が離間状態から当接状態に移行する。その結果、感光体ドラム1に対する帯電ローラ2の離間に要する労力又は駆動力が低減する。別の表現をすると、装置本体100Aの大型化を招来することなく、簡単な構成で、ユーザの負担を増やさずに帯電ローラ2が感光体ドラム1から当接離間方向に移動することができる。
【0090】
また、カートリッジ7の物流時(未使用状態、特に運搬時)には、突起39d2と係止部27jや、第2縁部140b2と被押圧部139eが可動側ガイド部材39、139の移動を規制して、感光体ドラム1に対する帯電ローラ2の離間状態が保持される。したがって、安価な材料の帯電ローラ2であっても、表面に永久変形が生じることがない。その結果、濃度ムラ等の画像不良は防止される。
【0091】
さらに、可動側ガイド部材39、139が感光体ドラム1に接触しないで感光体ドラム1及び帯電ローラ2の間を当接離間させる。その結果、感光体ドラム1が損傷することなく、複雑な回路及び機構が設けられなくても帯電ローラ2の当接離間をすることができる。
【0092】
また、装置本体100Aにロック解除部83又は当接離間制御部材142が設けられるので、カートリッジ7が装置本体100Aに装着されると、カートリッジ7及び画像形成装置100の機構により帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接する当接位置に配置される。
【0093】
なお、実施例1及び2では、当接部39a及び当接部41aは、帯電ローラ2の方に向かうにつれて、感光体ドラム1へと近づく傾斜面で形成されていたが、この実施例に限定されなくても良い。例えば、軸端部2j1及び軸端部2j2の方にテーパ(傾斜面)が形成され、当接部39aが軸端部2j1に当接する平面、当接部41aが軸端部2j2に当接する平面で形成される構成であっても良い。この場合に、当接部39a及び当接部41aは、テーパにのみ接触する大きさに設定されると良い。また、その他にも、当接部39a及び軸端部2j2にテーパ(傾斜面)を形成する構成にしてもよい。又は、当接部41a及び軸端部2j1にテーパ(傾斜面)を形成する構成にしてもよい。
【0094】
即ち、第1当接部又は第1軸端部の少なくとも一方に帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成される構成にする。そして、且つ第2当接部又は第2軸端部の少なくとも一方に帯電ローラ2の軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成される構成にする。そして、可動側ガイド部材39を帯電ローラ2の軸方向に移動させた時に、前述したテーパにより帯電ローラ2が、軸方向へ移動しながら付勢手段の付勢力に抗して離間位置に移動するようになっていればよい。さらに、これらの場合に、「傾斜面」は、全て平らに形成された傾斜面でも良いし、又は、1もしくは複数の段差を有する傾斜面等であっても良い。
【0095】
なお、上記実施例1,2では電子写真画像形成装置の例で説明した。画像形成装置の画像形成方式は実施例の電子写真画像形成方式に限れるものではない。像担持体として静電記録誘電体を用いる静電記録方式、像担持体として磁気記録磁性体を用いる磁気記録方式などであってもよい。
【0096】
また、上記実施例1,2では感光体ドラム1に接触する回転ローラとして帯電ローラ2の例で説明したがこれに限られるものではない。例えば、現像ローラ25を、感光体ドラム1と当接する位置と感光体ドラム1から離間する位置に移動させる機構に用いてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)(回転ローラ)
2j 軸部
2j1 軸端部(第1軸端部)
2j2 軸端部(第2軸端部)
7 カートリッジ(プロセスカートリッジ)
27 枠体(カートリッジ枠体)
39 可動側ガイド部材
39a 当接部(第1当接部)
41 固定側ガイド部材
41a 当接部(第2当接部)
46a、46b・・・加圧部材(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、
トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体に当接して回転可能な回転ローラと、
前記回転ローラの軸の両端を回転自在に支持する軸受部材と、
前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体と当接する方向へ付勢する付勢手段と、
前記像担持体を回転自在に支持し、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体に対して当接及び離間させる当接離間方向へ移動自在に保持するカートリッジ枠体と、
前記カートリッジ枠体に前記回転ローラの軸方向へ移動自在に保持されると共に前記回転ローラの軸方向の一端側に配置され、前記回転ローラの第1軸端部との対向位置に第1当接部を有する可動側ガイド部材と、
前記カートリッジ枠体に固定されると共に前記回転ローラの軸方向の他端側に配置され、前記回転ローラの第2軸端部との対向位置に第2当接部を有する固定側ガイド部材と、を備え、
前記第1当接部又は前記第1軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、且つ前記第2当接部又は前記第2軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記回転ローラは、前記像担持体と当接する第一の位置と、前記第一の位置よりも前記像担持体から離間する方向に前記回転ローラが移動した第二の位置とを取ることが可能であり、
前記可動側ガイド部材が前記回転ローラの方向へ移動することで、前記第1軸端部が前記第1当接部に接触して移動し、前記第2軸端部が第2当接部に接触して移動し、前記回転ローラは、軸方向へ移動しながら前記付勢手段の付勢力に抗して前記第一の位置から前記第二の位置に移動することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記可動側ガイド部材は、前記カートリッジ枠体に係合する係合部が形成されたレバー部を有し、
前記カートリッジ枠体は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記可動側ガイド部材が移動して前記係合部が前記被係合部に係合すると、前記可動側ガイド部材の移動が規制されると共に、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されることを特徴とした請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記画像形成装置本体は、前記レバー部に接触して前記レバー部を揺動させるレバー揺動部を有し、
前記可動側ガイド部材の移動が規制された状態で前記プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着されると、前記レバー揺動部が前記レバー部を揺動させて前記係合部及び前記被係合部の係合状態を解除し、前記回転ローラは前記第一の位置に保持されることを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
カートリッジ枠体に取り付けられ、前記可動側ガイド部材を前記回転ローラの軸線方向に移動自在な移動機構を備え、
前記移動機構は、前記カートリッジ枠体に支持された支軸と、前記支軸を中心に一体的に回転自在なカム部及びレバー部を有し、
前記レバー部が回転されて前記カム部が前記可動側ガイド部材を押圧すると、前記可動側ガイド部材の移動が規制されると共に、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されること特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記可動側ガイド部材の移動が規制された状態で前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着されると、前記画像形成装置本体が前記レバー部に接触して前記カム部が前記可動側ガイド部材への押圧を解除し、前記回転ローラは、前記第一の位置に保持されることを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記回転ローラが前記像担持体と当接した状態で前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体から取り出されると、前記レバー部が前記画像形成装置本体に接触して前記レバー部を回動し、前記レバー部の回転により前記カム部が前記可動側ガイド部材を押圧して前記可動側ガイド部材の移動が規制され、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記回転ローラは、前記像担持体を帯電するための帯電ローラであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記回転ローラは、前記像担持体にトナー像を形成するための現像ローラであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
プロセスカートリッジが画像形成装置本体に着脱自在な画像形成装置であって、
前記画像形成装置本体は、前記プロセスカートリッジを着脱する装着部を有し、
前記プロセスカートリッジは、
トナー像を担持可能な像担持体と、
前記像担持体に当接して回転可能な回転ローラと、
前記回転ローラの軸の両端を回転自在に支持する軸受部材と、
前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体の方向へ付勢する付勢手段と、
前記像担持体を回転自在に支持し、前記軸受部材を介して前記回転ローラを前記像担持体に対して当接及び離間させる当接離間方向へ移動自在に保持するカートリッジ枠体と、
前記カートリッジ枠体に前記回転ローラの軸方向へ移動自在に保持されると共に前記回転ローラの軸方向の一端側に配置され、前記回転ローラの第1軸端部との対向位置に第1当接部を有する可動側ガイド部材と、
前記カートリッジ枠体に固定されると共に前記回転ローラの軸方向の他端側に配置され、前記回転ローラの第2軸端部との対向位置に第2当接部を有する固定側ガイド部材と、を備え、
前記第1当接部又は前記第1軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成され、且つ前記第2当接部又は前記第2軸端部の少なくとも一方に前記回転ローラの軸方向に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記回転ローラは、前記像担持体と当接する第一の位置と、前記第一の位置よりも前記像担持体から離間する方向に前記回転ローラが移動した第二の位置とを取ることが可能であり、
前記可動側ガイド部材が前記回転ローラの方向へ移動することで、前記第1軸端部が前記第1当接部に接触して移動し、前記第2軸端部が第2当接部に接触して移動し、前記回転ローラは、軸方向へ移動しながら前記付勢手段の付勢力に抗して前記第一の位置から前記第二の位置に移動することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記可動側ガイド部材は、前記カートリッジ枠体に係合する係合部が形成されたレバー部を有し、
前記カートリッジ枠体は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記可動側ガイド部材が移動して前記係合部が前記被係合部に係合すると、前記可動側ガイド部材の移動が規制されると共に、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されることを特徴とした請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記画像形成装置本体は、前記レバー部に接触して前記レバー部を揺動させるレバー揺動部を有し、
前記可動側ガイド部材の移動が規制された状態で前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着されると、前記レバー揺動部が前記レバー部を揺動させて前記係合部及び前記被係合部の係合状態を解除し、前記回転ローラは前記第一の位置に保持されることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
カートリッジ枠体に取り付けられ、前記可動側ガイド部材を前記回転ローラの軸線方向に移動自在な移動機構を備え、
前記移動機構は、前記カートリッジ枠体に支持された支軸と、前記支軸を中心に一体的に回転自在なカム部及びレバー部を有し、
前記レバー部が回転されて前記カム部が前記可動側ガイド部材を押圧すると、前記可動側ガイド部材の移動が規制されると共に、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されること特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記画像形成装置本体は、前記回転ローラを前記像担持体に当接及び離間させる当接離間制御部材を有し、
前記可動側ガイド部材の移動が規制された状態で前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体に装着されると、前記当接離間制御部材が前記レバー部に接触して前記カム部が前記可動側ガイド部材への押圧を解除し、前記回転ローラは、前記第一の位置に保持されることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成装置本体は、前記回転ローラを前記像担持体に当接及び離間させる当接離間制御部材を有し、
前記回転ローラが前記像担持体と当接した状態で前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置本体から取り出されると、前記レバー部が前記当接離間制御部材に接触して前記レバー部を回動し、前記レバー部の回転により前記カム部が前記可動側ガイド部材を押圧して前記可動側ガイド部材の移動が規制され、前記回転ローラは前記第二の位置に保持されることを特徴とする請求項14または請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記回転ローラは、前記像担持体を帯電するための帯電ローラであることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記回転ローラは、前記像担持体にトナー像を形成するための現像ローラであることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−215607(P2011−215607A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46024(P2011−46024)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】