説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 本発明は、使用前には帯電ローラを像担持体から所定の距離の離間を維持でき、使用時にはユーザの負担を増やさずに帯電ローラの離間状態を解除することができ、使用前にはユーザによる誤解除を防止することができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 離間作用部を持つ装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、帯電ローラを感光体ドラムから離間させた状態でプロセスカートリッジ枠体に係合可能な係止部と、前記枠体を貫通し、前記離間作用部が作用可能な被作用部を持つ離間保持部材を有し、前記枠体には前記離間保持部材と前記枠体の係合を解除する位置において前記被作用部より突出した突出防止部を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置及びこの画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録シートに画像を形成するものであり、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段の少なくとも何れか一つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱可能とする物である。
【背景技術】
【0004】
従来、電子写真画像形成装置には、複数のプロセスカートリッジを一列に並べたインライン型のカラー電子写真画像形成装置がある。プロセスカートリッジを構成する現像ローラを、感光体ドラムに対して接触状態で現像を行う接触現像方式がある。この方式では、画像形成中の現像ローラと感光体ドラムは所定の接触圧を保持するために、現像ローラが感光体ドラムに対して付勢された状態になっている。
【0005】
この方式の場合、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態で長時間使用されない場合に、現像ローラの弾性層が永久変形してしまうおそれがあり、これによって、現像時に画像のムラが発生するおそれがある。
【0006】
そこで、画像形成動作が行われていない場合には、感光体ドラムと現像ローラとを離隔させる機構を設けたプロセスカートリッジ及び画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
【0007】
一方、感光体ドラムを帯電する手段として、帯電ローラを感光体ドラムに当接構成が広く用いられる。このような接触帯電の場合、感光体ドラム表面に確実に接触させて設置する必要があるため、所定の接触圧をもって感光体ドラム表面に圧接している。その状態で長期間使用されない状態が続くと、帯電ローラの弾性層が永久変形し、帯電ローラ周期の濃度ムラが画像に発生する。
【0008】
そこで、プロセスカートリッジ出荷時において、帯電ローラと感光体ドラムとを離隔させる部材を挟み込んでおき、ユーザが使用時に挟み込み部材を取り除く方法等が提案されている(特許文献2)。
【0009】
あるいは、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着することで、それまで離隔されていた帯電ローラが当接する機構を設けたプロセスカートリッジ等が提案されている(特許文献3及び特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−172906号公報(第8頁〜第9頁、第13図)
【特許文献2】特開平5−188667号公報(第4頁〜第5頁、第1図)
【特許文献3】特開平6−273987号公報(第4頁、第13図、第14図)
【特許文献4】特開2000−181328号公報(第6頁〜第7頁、第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した発明を改良したプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。すなわち、本発明によれば、使用前には帯電ローラを像担持体から所定の距離の離間を維持でき、使用時にはユーザの負担を増やさずに帯電ローラの離間状態を解除することができる。
【0012】
また、使用前のユーザによる帯電ローラの離間状態の誤解除を防止することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は
離間作用部を備えた画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
感光体ドラムと、
前記感光体ドラムを帯電するために前記感光体ドラムに当接する帯電ローラと、
前記感光体ドラムを回転可能に保持し、前記帯電ローラを前記感光体ドラムに対し付勢する枠体と、
前記帯電ローラを前記感光体ドラムから離間させ、前記枠体に係止される係止部と、前記枠体を貫通した突起部であって、前記離間作用部が作用する被作用部を持つ離間保持部材と、
を有し
前記枠体は前記被作用部より突出した突出防止部を設けたことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は
離間作用部を持つ画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジを有する画像形成装置において、
プロセスカートリッジには
感光体ドラムと
前記感光体ドラムを帯電するために前記感光体ドラムに当接する帯電ローラと
前記帯電ローラを前記感光体ドラムから離間させ、プロセスカートリッジの枠体に係止される係止部と、
前記枠体を貫通した突起部であって、前記離間作用部が作用する被作用部を有し前記枠体は前記被作用部より突出した突出防止部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、使用前には帯電ローラを感光体ドラムから所定の距離の離間を維持でき、使用時にはユーザの負担を増やさずに帯電ローラの離間状態を解除することができる。
【0016】
また、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着する前のユーザによる帯電ローラの離間状態の誤解除を防止することができる。
【0017】
また、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に同梱して出荷する際にも帯電ローラの解除が行われず、使用時に解除されるため、ユーザの操作なしでかつ使用前までの帯電ローラの離間を維持でき良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態におけるカートリッジの断面図である。
【図2】カラー電子写真画像形成装置の全体構成図である。
【図3】カートリッジの断面説明図である。
【図4】カートリッジの画像形成装置本体への装着前の状態を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における現像離間動作を説明する断面図である。
【図6】本発明の実施形態における現像当接動作を説明する断面図である。
【図7】本発明の実施形態における画像形成装置の現像離間部材を作用させる駆動負荷図である。
【図8】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジの傾斜断面図である
【図9】本発明の実施形態における帯電ローラ離間保持部材を示すプロセスカートリッジの部分断面斜視図である。
【図10】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジの部分断面図である。
【図11】本発明の実施形態における本体離間レバー機構部の部分断面斜視図である。
【図12】本発明の実施形態における画像形成装置の離間レバーを作用させる駆動負荷図である。
【図13】本発明の実施形態における駆動負荷のシーケンス図である。
【図14】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジの断面斜視図である
【図15】本発明の実施形態におけるプロセスカートリッジの断面斜視図である。
【図16】本発明の実施形態における画像形成装置及びプロセスカートリッジの部分断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施例1)
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るプロセスカートリッジ(以下「カートリッジ」という)及びカラー電子写真画像形成装置(以下「画像形成装置」という)の実施形態について、図を用いて説明する。
【0020】
(画像形成装置の全体構成)
まず画像形成装置の全体構成について、図2を用いて説明する。図2に示す画像形成装置100は、水平方向に対して傾斜して並設した4個のカートリッジの装着手段である装着部22(22a〜22d)(図4参照)を有する。そして、前記装着部22に装着されたカートリッジ7(7a〜7d)は、夫々1個の電子写真感光体ドラム1(1a〜1d)を備えている。
【0021】
前記電子写真感光体ドラム(以下、「感光体ドラム」という)1は、駆動部材(不図示)によって、同図中、時計回りに回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラムに作用する以下のプロセス手段が配置されている。即ち、転写後の感光体ドラム1表面に残った現像剤(以下、「トナー」という)を除去するクリーニング部材6(6a〜6d)、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電ローラ2(2a〜2d)が配置されている。及び、前記静電潜像をトナーを用いて現像する現像ユニット4(4a〜4d)が配置されている。また、画像情報に基づいてレーザビームを照射し、感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3、感光体ドラム1上の4色のトナー画像が一括して転写される中間転写ベルト5が配置されている。ここで、感光体ドラム1とクリーニング部材6、帯電ローラ2、現像ユニット4は一体的にカートリッジ化されカートリッジ7を構成している。このカートリッジ7は、使用者によって、画像形成装置100の装置本体100aに取り外し可能に装着される。
【0022】
中間転写ベルト5は、駆動ローラ10、テンションローラ11に張架されている。また、各感光体ドラム1(1a〜1d)に対向して、中間転写ベルト5の内側に一次転写ローラ12(12a〜12d)が配設されている。そして、バイアス印加手段(不図示)により転写ベルト5に転写バイアスを印加する。
【0023】
感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム1が矢印Q方向に回転し、中間転写ベルト5が矢印R方向に回転し、さらに一次転写ローラ12に正極性のバイアスを印加することにより、順次、中間転写ベルト5上に一次転写される。そして、中間転写ベルト5に4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
【0024】
前記画像形成動作と同期して給送装置13及びレジストローラ対17等からなる搬送手段によって記録媒体であるシートSが搬送される。給送装置13は、シートSを収納する給送カセット24と、シートSを給送する給送ローラ8と、給送されたシートSを搬送する搬送ローラ対16とを有している。給送カセット24は、図1中の本体手前方向へ引き抜くことができる。給送カセット24に収納されたシートSは、給送ローラ8に圧接され、分離パッド9によって一枚ずつ分離され(摩擦片分離方式)搬送される。
【0025】
そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。二次転写部15において、二次転写ローラ18に正極性のバイアスを印加する。これにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト5上の4色のトナー像を二次転写する。
【0026】
定着手段である定着部14は、シートSに形成したトナー画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。定着ベルト14aは円筒形状であり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材(不図示)にガイドされている。そして、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとが所定の圧接力をもって定着ニップを形成している。
【0027】
そして、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間の定着ニップで加熱及び加圧される。そして、シートS上の未定着トナー画像がシートSに定着される。その後、トナー画像が定着されたシートSは、排出ローラ対19によって排出トレイ20に排出される。
【0028】
一方、トナー画像転写後に、感光体ドラム1表面に残ったトナーは、クリーニング部材6によって除去される。除去されたトナーは、感光体ユニット26(26a〜26d)内の除去トナー室に回収される。
【0029】
また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト5上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置23によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0030】
(カートリッジ)
次に本実施形態のカートリッジについて、図3を用いて説明する。図3はトナーtを収納したカートリッジ7の主断面である。尚、イエロー色のトナーtを収納したカートリッジ7a、マゼンタ色のトナーtを収納したカートリッジ7b、シアン色のトナーtを収納したカートリッジ7c、ブラック色のトナーtを収納したカートリッジ7dは同一構成である。
【0031】
カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電ローラ(帯電手段)2、及びクリーニング部材(クリーニング手段)6を備えた感光体ユニット26、及び、現像ローラ(現像手段)25を有する現像ユニット4に分かれている。
【0032】
前記感光体ユニット26のクリーニング枠体27には、感光体ドラム1が後述する軸受を介して回転自在に取り付けられている。そして感光体ユニット26に駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。さらに、クリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。クリーニング枠体27には帯電ローラ軸受28が、帯電ローラ2の中心と感光体ドラム1の中心を通る矢印D方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2の軸2jは軸受28に回転可能に取り付けられている。そして、軸受28は帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧された状態である。
【0033】
現像ユニット4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転する現像ローラ25と現像枠体31を有する。現像ローラ25は、現像枠体31の長手方向の両側にそれぞれ取り付けられた軸受部材32(32R,32L)を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている。また、現像ローラ25の周上には、現像ローラ25に接触して矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34と現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35が配置されている。さらに現像枠体31のトナー収容部31aには、収容されたトナーを撹拌するとともに前記トナー供給ローラ34へトナーを搬送するためのトナー搬送部材36が設けられている。
【0034】
そして現像ユニット4は、軸受部材32R,32Lに設けられた、穴32Rb,32Lbに嵌合する軸37(37R,37L)を中心にして感光体ユニット26に回動自在に結合されている。現像ユニット4は、加圧バネ38により付勢されている。そのため、カートリッジ7の画像形成時においては、現像ユニット4は軸37を中心に矢印A方向に回転し、現像ローラ25が感光体ドラム1に当接している。
【0035】
(カートリッジの画像形成装置本体への装着構成)
次に本実施形態のカートリッジ7を装置本体内へ取り外し可能に装着する装着構成について図4を用いて説明する。
【0036】
図4は、カートリッジの装置本体100aへの装着前の状態を説明する斜視図である。なお、本実施形態では、カートリッジ7の本体100aへの装着は、感光体ドラム1の軸線方向と平行な方向である矢印F方向、すなわち図2において手前側から奥側にカートリッジ7を挿入する構成となっている。これによりカートリッジ7を本体100aに着脱可能にしている。
【0037】
図4において、本体100aの手前側には開閉可能な前カバー21が設けられている。前カバー21を開くと水平方向に対して傾斜して並設した4個のカートリッジ7(7a〜7d)の装着部22(22a〜22d)が露出する。各装着部22の上側と下側には、本体100aの手前側から奥側に延びている第一本体側ガイドである装着上ガイド80(80a〜80d)と、第二本体側ガイドである装着下ガイド81(81a〜81d)がそれぞれ設けられている。そして、カートリッジ7の感光体ユニット26に設けられた被ガイド部(第一カートリッジ側被ガイド部)29を、本体100aの装着上ガイド80に係合させ、図中矢印F方向に押し込む。同様に、感光体ユニット26に設けられた被ガイド部(第二カートリッジ側被ガイド部)30を、本体100aの装着下ガイド81に係合させ、図中矢印F方向に押し込む。
【0038】
なお、前記第一の被ガイド部29はカートリッジ7の先端側の上方に配置されている。そして、前記第二の被ガイド部30はカートリッジ7の先端側から後端側へ向かって、カートリッジ7の底面に配置されている。
【0039】
被ガイド29と被ガイド30は、感光体ドラム1の軸線と直交する方向において、感光体ドラム1に対して同じ側に配置されている。これによって、カートリッジ7を本体100a内に安定して進行させる事ができる。
【0040】
(プロセスカートリッジの現像離間構成)
次に本発明を実施したプロセスカートリッジ7における感光体ドラム1と現像ローラ25の離間機構について図5を用いて説明する。
【0041】
図5において、画像形成装置100(不図示)にはプロセスカートリッジ7の長手方向の所定位置に現像離間部材82が配置されている。現像離間部材82は本体駆動(不図示)により矢印N方向に移動する。プロセスカートリッジ7の現像ユニット4は、現像枠体31の力受け部31bが矢印N方向に移動する現像離間部材82から力を受ける。そして、現像ローラ25は感光体ドラム1から離間する離間位置に移動される。また、図6に示すように現像離間部材82が矢印Sの方向に移動し力受け部31bから離れると、加圧バネ38と引張りバネ(不図示)の付勢力により現像ユニット4が現像前軸受32R、現像奥軸受32Lの穴32Rb、32Lbを中心にして矢印T方向に回動する。そして、現像ユニット4が接触位置に移動し、現像ローラ25と感光体ドラム1は接触する。この現像離間構成によって、画像形成時以外は、現像離間部材82が力受け部31bを押圧保持することで、現像ユニット4を図5の離間位置に保持する。それによって、現像ローラ25の変形による画像品質への影響を抑える効果を得ている。
【0042】
ここで、図7に現像ローラ25の当接離間状態と現像離間部材82を駆動させる本体駆動負荷図を示す。現像ローラ25と感光体ドラム1が離間している状態では、現像離間部材82は力受け部31bを押圧した状態を保持するための駆動負荷P1が必要となる。画像形成動作の開始に伴い、現像ローラ25が当接するため現像離間部材82が矢印S方向へ移動し、力受け部31bを押さえるための駆動負荷は低下していく。そして、現像離間部材82と力受け部31bが離れる際には現像離間部材82に必要な駆動負荷はP2となる。
【0043】
次に帯電ローラ2の離間構成を説明する。
【0044】
(帯電ローラの離間保持部材)
まず、帯電ローラ2の離間を行う離間保持部材70について図8を用いて説明する。図8はカートリッジの一端部の傾斜断面図である。
【0045】
なお、本実施形態では便宜的に帯電ローラ2の本体装着方向下流側の一端部を説明するが、帯電ローラ2の両端部において同様の構成を用いても良い。
【0046】
図8に示すように離間保持部材70は連結部70aの一端に軸保持部70bを有し、他端に係止部70cと突起部70dを有している。
クリーニング枠体27は係止部70cと当接する保持部であるフック部50と、フック部50の根元部に貫通部27fが設けてある。
【0047】
軸保持部70bは帯電ローラ2の芯金2aを保持する。
係止部70cは離間保持部材70の両端部に同一の凸形状で形成されており、フック部50と係合可能である。
突起部70dはクリーニング枠体27の貫通部27fから枠体外部へ突出しており、その先端には本体の離間作用手段(詳細は後述)と当接可能な被作用部70eを有している。
【0048】
離間保持部材70は帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間させた状態で保持する第1の位置と、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接した状態となる第2の位置と、に移動可能である。
【0049】
フック部50は、第1の位置にある離間保持部材70を保持する。本体の離間作用手段は離間保持部材70のフック部50からの保持を解除し、離間保持部材70を第2の位置に移動させる。即ち、第1の位置ではフック部50と係止部27cが係合している状態であり、第2の位置では係合していない状態である。
【0050】
(帯電ローラの離間保持構成)
次に帯電ローラ2の離間保持の構成について図1、図9を用いて説明する。図1は帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間している状態のプロセスカートリッジの断面図、図9は離間保持部材70、フック部50の部分斜視図である。
【0051】
図9に示すように、フック部50は、保持面50a、掛り部50bを有している。
保持面50aは、離間保持部材70を保持する面である。掛り部50bは、フック部50に凸形状で形成されており、係止部70cを引掛けて離間保持部材70を保持する。
【0052】
フック部50は、プロセスカートリッジ7の長手方向に間隔Vで2箇所に配置されている。離間保持部材70は、間隔Vの2つのフック部50の間を移動可能である。離間保持部材70を離間方向D(図1)に引張り、帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間させる。この状態で係止部70cをフック部50に引掛けて係合させることにより(第1の位置)、帯電ローラ2を感光体ドラム1に対して離間した離間状態に保持する。
【0053】
(帯電ローラの離間解除構成)
次に帯電ローラ2の離間解除構成について図1、図8〜図10を用いて説明する。図10は離間保持部材70の後端部の部分断面図である。
【0054】
図1に示すように画像形成装置にはプロセスカートリッジ7の長手方向の所定位置に離間作用手段である離間レバー72が配置されている。
【0055】
離間レバー72は先端に離間作用部72aを有しており、本体駆動(不図示)により矢印J方向に移動可能である。離間作用部72aは離間レバー72の移動に伴い、クリーニング枠体27の貫通部27fを貫通して設けられた離間保持部材70の被作用部70eと当接する(図10a)。当接した離間作用部72aがさらに矢印J方向に移動することにより離間保持部材70の被作用部70eを押圧する。これにより、離間保持部材70の係止部70cがフック部50に設けられた掛り部50bに沿って矢印K方向へ移動する。そして、係止部70cが掛り部50bを乗り越えると、フック部50と係止部70cの係合は解除される(図10b)。係合を解除された状態で離間保持部材70および帯電ローラ2は加圧バネ(不図示)の付勢力により当接方向に移動する。そして、帯電ローラ2は、感光体ドラム1と所定の圧で接触する。このとき、離間保持部材70は第2の位置にある(図8)。
【0056】
(画像形成装置の離間レバー機構)
ここで前述の本体の離間作用手段である離間レバー機構71の構成について図5、図10及び図11を用いて詳細に説明する。図11は画像形成装置100のカートリッジ装着方向下流側である装置奥側に配置された離間レバー機構71の部分斜視図である。
【0057】
図11に示すように画像形成装置本体100の奥側には離間レバー72、軸73、駆動カム74からなる離間解除手段である離間レバー機構71を有する。駆動カム74は奥側側板105に設けられたカム軸105aに回転可能に支持されている。駆動カム74は前述の現像ローラ25の当接、離間を行う現像離間部材82(図5参照)と同一の本体駆動(不図示)により図中矢印H方向に回動可能である。
【0058】
離間レバー72は離間作用部72a、駆動作用部72b、回転軸部72cとを有している。離間作用部72aは、図10に示すように離間保持部材70の被作用部70eと当接可能である。本体駆動により駆動カム74が矢印H方向に回転し、離間レバー72の駆動作用部72bと当接する。そして、離間レバー72は駆動作用部72bに当接する駆動カム74により、軸73を中心として矢印J方向に回動する。カートリッジ装着時においては、離間レバー72は帯電ローラ2を離間した状態で保持し第1の位置にいる離間保持部材70と干渉しない初期位置Q1に配置されている。そして、画像形成時に本体駆動により矢印J方向に解除位置Q2まで回動する。離間レバー72のQ1からQ2への回動により離間作用部72aが離間保持部材70の被作用部70eを押圧し、フック部50と係止部70cの係合を解除する。係合を解除された離間保持部材70は第2の位置に移動する。このとき帯電ローラ2は感光体ドラム1と接触した状態である。
【0059】
ここで、図12に帯電ローラ2の当接離間状態と本体駆動負荷図を示す。帯電ローラ2と感光体ドラム1が離間している状態では、離間レバー72は初期位置にいるため離間保持部材70と接触していない。このとき駆動負荷はP3である。そして、本体駆動により離間レバー72が矢印J方向に回動し離間保持部材70の被作用部72eに作用し始めると係止部70cとフック部27eの係合を解除するため、必要な駆動力は増加する。そして、突起部72cがフック部50の掛り部50aを乗り越える際にはP4の駆動負荷が必要となる。
【0060】
本実施例における現像ローラ25の当接離間を行う現像離間部材82と帯電ローラ2の離間を解除する離間レバー72の駆動シーケンスについて図13を用いて説明する。前述のように現像離間部材82と離間レバー72は同一の本体駆動により行われている。図13に示すように、画像形成装置本体内に装着されたプロセスカートリッジ7は、現像ローラ25、帯電ローラ2共に感光体ドラム1に対して離間状態にある。使用時には、最初に現像離間部材82に駆動を作用させて現像ローラ25を離間状態から当接状態にする。その後、離間レバー72に駆動を作用させて帯電ローラ2を当接させる。このように現像ローラ25を当接状態にしてから帯電ローラ2の離間を解除することで、現像ローラ25の離間を保持するための負荷P1と、帯電ローラ2の離間を解除するための負荷P4と、を分散させることができる。即ち、本体駆動負荷の低減を図ることが可能となる。
【0061】
(突出防止部構成)
次に本実施例の特徴的構成である突出防止部75の構成について図10及び図14を用いて説明する。図14はプロセスカートリッジの部分斜視図である。
【0062】
前述のように帯電ローラ2が感光体ドラム1と離間した状態、即ち、離間保持部材70が第1の位置にあるとき、突起部70dはクリーニング枠体27外部へ突出している。クリーニング枠体27には図10、図14に示すような離間保持部材70の突起部70dの周囲にリブ状に突出防止部75を設けている。突出防止部75は突起部70d先端の被作用部70eを突出させない高さまで設けられている。このように、突出防止部75を被作用部70eを突出させない高さまで設けることでユーザが誤って被作用部70eを押してしまうことを防止できる。よって、離間保持部材70の係止部70cとクリーニング枠体27のフック部50との係合の解除を防止でき、帯電ローラ2が感光体ドラム1と当接状態にすることを防止することが可能となる。
【0063】
ここで、ユーザによる誤解除を防止するための突出防止部75の突出高さLは、少なくとも離間保持部材70の係止部70cが、フック部50に設けられた掛り部50bを乗り越える際の被作用部70eの枠体からの飛び出し量Mより大きくすることが必要である。
【0064】
上述した構成において、使用前には帯電ローラ2を感光体ドラム1から所定の距離の離間を維持でき、使用時にはユーザの負担を増やさずに帯電ローラ2の離間状態を解除することができる。また、使用前にユーザによる帯電ローラ2の離間状態の誤解除を防止することが可能となる。
【0065】
(実施例2)
次に本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置の第2実施形態について図15、図16を用いて説明する。図15は本実施形態に係る突出防止部の概略斜視図、図16(a)は本実施形態に係るカートリッジの本体装着断面図、図16(b)はカートリッジの本体装着時における離間レバー部の概略斜視図である。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
図15に示すようにクリーニング枠体270は装着方向奥側に開放部76aを持つ突出防止部76を設けている。
【0067】
前述のようにカートリッジ装着時において、離間レバー72は帯電ローラ2を離間した状態で保持し、第1の位置にいる離間保持部材70と干渉しないよう退避した初期位置に配置されている。ここで、突出防止部76に開放部76aを設けることで、カートリッジ装着時における離間レバー72の初期位置の退避量が少なくても突出防止部76と干渉せずに装着することが可能となる。つまり、離間レバー72の移動量を少なくすることが可能となり、駆動カム78の設計自由度を向上させることや、画像形成装置100の小型化が可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1(1a〜1d) 感光体ドラム
2(2a〜2d) 帯電ローラ
2e ゴム部材
2j 軸部
3 スキャナユニット
4(4a〜4d) 現像ユニット
5 中間転写ベルト
6(6a〜6d) クリーニング部材
7(7a〜7d) カートリッジ
8 給送ローラ
9 分離パッド
10 駆動ローラ
11 テンションローラ
12(12a〜12d) 一次転写ローラ
13 給送装置
14 定着部
14a 定着ベルト
14b 加圧ローラ
15 二次転写部
16 搬送ローラ
17 レジストローラ
18 二次転写ローラ
19 排出ローラ
20 排出トレイ
21 前カバー
22(22a〜22d) 装着部
23 転写ベルトクリーニング装置
24 給送カセット
25(25a〜25d) 現像ローラ
26(26a〜26d) 感光体ユニット
27、270 クリーニング枠体
27a 除去トナー室
27c U字状の穴
27f 貫通部
28 帯電ローラ軸受
29 被ガイド部(第一カートリッジ側被ガイド部)
30 被ガイド部(第二カートリッジ側被ガイド部)
31 現像枠体
31a トナー収容部
31b 力受け部
32(32R,32L) 軸受部材
32Rb,32Lb 穴
34(34a〜34d) トナー供給ローラ
35 現像ブレード
36 トナー搬送部材
37(37R,37L) 軸
38 加圧バネ
46 帯電ローラ加圧部材
50 フック部
50a 保持面
50b 掛り部
70 離間保持部材
70a 連結部
70b 軸保持部
70c 係止部
70d 突起部
70e 被作用部
71 離間レバー機構
72 離間レバー
72a 離間作用部
72b 駆動作用部
72c 軸穴
73 軸
74、78 駆動カム
75、76 突出防止部
76a 開放部
80(80a〜80d) 装着上ガイド
81(81a〜81d) 装着下ガイド
82 現像離間部材
100 画像形成装置
100a 装置本体
105 奥側板
S シート
t トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離間作用部を備えた画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
感光体ドラムと、
前記感光体ドラムを帯電するために前記感光体ドラムに付勢されて当接する帯電ローラと、
前記感光体ドラム及び前記帯電ローラを保持する枠体と、
前記枠体に移動可能に設けられた、前記帯電ローラと係止する離間保持部であって、前記帯電ローラを前記感光体ドラムから離間させた状態にするために前記枠体と係止する係止部と、前記離間作用部が作用することによって前記枠体と前記係止部との係合を解除するための被作用部を有する、前記枠体を貫通した突起部と、を有する離間保持部材と、
を有し、
前記枠体は、前記被作用部よりも突出した突出防止部を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記突出防止部は、前記プロセスカートリッジの前記画像形成装置への装着方向下流側に対して開放されている形状となっていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記プロセスカートリッジは、前記画像形成装置の本体に前記感光体ドラムの軸線方向に着脱することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記離間保持部材は、前記帯電ローラの一端部のみに作用するように設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
(a)離間作用部と、
(b)前記画像形成装置の装置本体に取り外し可能に装着されたプロセスカートリッジであって、
感光体ドラムと、
前記感光体ドラムを帯電するために前記感光体ドラムに付勢されて当接する帯電ローラと、
前記感光体ドラム及び前記帯電ローラを保持する枠体と、
前記枠体に移動可能に設けられた、前記帯電ローラと係止する離間保持部であって、前記帯電ローラを前記感光体ドラムから離間させた状態にするために前記枠体と係止する係止部と、前記離間作用部が作用することによって前記枠体と前記係止部との係合を解除するための被作用部を有する、前記枠体を貫通した突起部と、を有する離間保持部材と、
を有し、
前記枠体は、前記被作用部よりも突出した突出防止部を有するプロセスカートリッジと、
(c)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記離間作用部の前記被作用部への作用が前記画像形成装置からの駆動力によって行われることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−20274(P2013−20274A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234865(P2012−234865)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2008−138039(P2008−138039)の分割
【原出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】