説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】本発明は感光体ドラムに負荷トルクを与える際にフレームの側面方向に荷重がかからず、フレームの変形や撓み等は発生せず、色ずれ等のない良好な印刷が可能となるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジであって、静電潜像を形成する感光体ドラムと、感光体ドラムに固定された筒状の取付部を有するフランジと、フランジの取付部に摺動可能に圧入される負荷部材と、フランジを保持するためのフレームとを有し、フレームは感光体ドラムの軸方向で感光体ドラム側に突出するフック部を備え、負荷部材の一端部はフック部の規制面によって回転を規制されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジ及び当該プロセスカートリッジを用いて印刷を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用する複写機やレーザプリンタ、ファクシミリ等といった画像形成装置では、プロセスカートリッジが使用されている。ここで、プロセスカートリッジとは、帯電、現像又はクリーニングの各手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化したものである。
【0003】
このようなプロセスカートリッジについては種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、従来の画像形成装置に装備されているプロセスカートリッジでは、感光ドラムの速度ムラを抑制するためにトルク付与部材を用いて負荷トルクを与えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−180544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成のプロセスカートリッジでは、フレーム側面に大きな荷重がかかるため、フレーム強度が十分でないと変形や歪みが発生するという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の技術的な課題に鑑み、感光体ドラムに負荷トルクを与える際にフレームの側面方向に荷重がかからず、フレームの変形や撓み等は発生せず、色ずれ等のない良好な印刷が可能となり、更に感光体ドラムの軸方向のガタが発生しても、新たな部材を追加することなく、或いは負荷部材を脱落することなく確実に設置できるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述技術的な課題を解決するため、本発明の一態様に係るプロセスカートリッジは、画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジであって、静電潜像を形成する感光体ドラムと、前記感光体ドラムに固定された筒状の取付部を有するフランジと、前記フランジの前記取付部に摺動可能に圧入されるコイル形状の負荷部材と、前記フランジを保持するためのフレームと、を有し、前記フレームは前記感光体ドラムの軸方向で前記感光体ドラム側に突出する凸部を備え、前記負荷部材の一端部は前記凸部の規制面によって回転を規制されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、感光体ドラムに負荷トルクを与える際にフレームに荷重がかからず、フレームの変形や撓み等は発生せず、色ずれ等のない良好な印刷が可能となり、更に感光体ドラムの軸方向のガタが発生しても、新たな部材を追加することなく、或いは負荷部材を脱落することなく確実に設置できることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1におけるプロセスカートリッジの詳細な構成を示す図である。
【図3】図2におけるフランジの詳細な構成を示す図である。
【図4】図2における感光体ドラムにフランジを取り付け、該フランジに負荷部材を取り付けた様子を示す図である。
【図5】図2のプロセスカートリッジにおける感光体ドラムの支持構成を詳細に示す図である。
【図6】図2のプロセスカートリッジにおける感光体ドラムがフレームに固定された軸受によって回転可能に支持される前の様子を示す図である。
【図7】図2のプロセスカートリッジにおける感光体ドラムがフレームに固定された軸受によって回転可能に支持された後の様子を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るプロセスカートリッジにおける感光体ドラムの支持構成を詳細に示す図である。
【図9】図8のプロセスカートリッジにおける感光体ドラムがフレームに固定された軸受によって回転可能に支持された後の様子を示す図である。
【図10】図9におけるA方向矢視図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係るプロセスカートリッジにおける感光体ドラムの支持構成を詳細に示す図である。
【図12】図11のプロセスカートリッジにおける感光体ドラムがフレームに固定された軸受によって回転可能に支持された後の様子を示す図である。
【図13】図12におけるB方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0011】
(第1の実施形態)
【0012】
図1には本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示し説明する。
【0013】
同図に示されるように、画像形成装置1は、CMYK、即ちシアン色(C:Cyan)、マゼンタ色(M:Magenta)、イエロー色(Y:Yellow)、及びブラック色(K:Key Plate)の各色に対応する画像情報に基づいて記録媒体4に印刷するプロセスカートリッジ2C、2M、2Y及び2Kを備えている。即ち、画像形成装置1内のプロセスカートリッジ2は、CMYKの各色に対応する画像情報を現像するプロセスカートリッジ2C、2M、2Y、及び2Kから成るが、これらは互いに略同一の構成であるため、以下の説明においては符号2を用いて総称し、その詳細は後に詳述する。
【0014】
この画像形成装置1は、更に給紙科カセット5を始点とし、後段のプロセスカートリッジ2C、2M、2Y、及び2KでCMYKの各色に対応する画像情報を印刷した記録媒体4が排出されるスタッカ19を終点とする略S字状の用紙搬送経路3を備えている。即ち、この画像形成装置1内の用紙搬送経路3は、記録媒体4を収納した給紙カセット5を始点とし、ホッピングローラ6、レジストローラ7、転写ベルト10、定着器15、排出ローラ18を経て、スタッカ19を終点とする経路から構成される。以下、図1を参照して、用紙搬送経路3に含まれる、これら各構成部材等について詳細に説明する。
【0015】
記録媒体4は、プロセスカートリッジ2によって形成されたトナー画像を形成させるための記録用紙である。例えば、紙等の記録用紙等がこれに相当するが、これには限定されない。給紙カセット5は、記録媒体4を複数枚収納が可能なケース部材で、画像形成装置1に対して着脱可能となっている。ホッピングローラ6は、給紙カセット5に収納された記録媒体4を1枚ずつ分離して用紙搬送路3に送り出すための部材である。即ち、ホッピングローラ6は、記録媒体4に圧接し、記録媒体4を1枚ずつ繰り出させる。レジストローラ7は、ホッピングローラ6によって分離された記録媒体4を斜行させず搬送するための搬送ローラとして機能する。そして、転写ベルト10は、記録媒体4を吸着させてプロセスカートリッジ2の下部を搬送させる無端状のベルトである。即ち、転写ベルト10は静電吸着された被転写媒体である記録媒体4をプロセスカートリッジ2の複数の画像転写位置に搬送する役割を担っている。
【0016】
LED(Light Emitting Diode)ヘッド23は、複数のLED素子、レンズアレイ、及びLED駆動素子等から構成される露光源である。このLEDヘッド23は、ここでは不図示の制御部より送られる画像情報に対応した光を後述する感光体ドラム21(図2で後述)の表面に照射して、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成する。即ち、感光体ドラム21は、上記光の照射により、静電荷が画像状に分布した状態となる。転写ローラ9は、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像、即ちトナー画像を記録媒体4に転写するための転写部材であり、感光体ドラム21の下方に転写ベルト10を挟むように回転自在に設けられている。即ち、転写ローラ9は、記録媒体4を介して感光体ドラム21に接触回転し、トナーと逆極性のバイアスを印加することで転写を行う役割を担う。
【0017】
定着器15は、定着ローラ16と加圧ローラ17による圧力、及びここでは不図示のハロゲンランプ等の熱源を用いて記録媒体4に転写されたトナー画像を定着させるユニットである。また、排出ローラ18は、定着器15によりトナー画像を定着された記録媒体4をスタッカ19に排出するローラである。そして、スタッカ19は、記録媒体4を積載する画像形成装置1の上部に設けられたスペースである。
【0018】
次に、図2乃至図7を参照して、CMYKの各色に対応する画像情報に基づいて記録媒体4にトナー画像を印刷するプロセスカートリッジ2について更に詳述する。
【0019】
図2はプロセスカートリッジ2の詳細な構成を示す図であり、図3はフランジ41の詳細な構成を示す図であり、図4は感光体ドラム21にフランジ41を取り付け、該フランジ41に負荷部材42を取り付けた様子を示す図であり、図5は感光体ドラム21の支持構成を詳細に示す図であり、図6は感光体ドラム21がフレーム50a,50bに固定された軸受45によって回転可能に支持される前の様子を示す図であり、図7は感光体ドラム21がフレーム50a,50bに固定された軸受45によって回転可能に支持されている様子を示す図である。
【0020】
図2に示されるように、プロセスカートリッジ2は、CMYKのいずれかに対応する画像情報に基づく静電潜像を担持する感光体ドラム21と、この感光体ドラム21の表面に電荷を蓄えさせる帯電部材22と、現像剤であるトナー24と、トナー24を収容するトナーカートリッジ25と、トナー24を現像ローラ28へ供給するためのトナー供給ローラ27と、感光体ドラム21表面の静電潜像にトナー24を現像する現像ローラ28と、現像ローラ28上のトナー層を一定の厚さに規制する現像ブレード29と、感光体ドラム21に残留したトナー24を掻き落とすクリーニングブレード30と、を有する。詳細は後述するが、感光体ドラム21には、フランジ41が取り付けられており、該フランジ41には負荷部材42が取り付けられている。符号42a,42b,42cは、それぞれ第1のアーム部、第2のアーム部、先端部を意味している。尚、負荷部材には導電性の材料を用いることができ、フランジには導電性樹脂材料を用いることができる。
【0021】
以下、図3乃至図7を更に参照して、感光体ドラム21の支持構成を詳細に述べる。
【0022】
フランジ41は、導電性樹脂材料でできた円筒形状部材であって、図3に示されるように、感光体ドラム21に圧入、接着固定される固定部41aと、後述する負荷部材42を取り付ける取付部41bと、摺動可能に支持を受けるための支持部41cからなる。固定部41aの感光体ドラム21への接着には、導電性接着剤が用いられる。これにより、接着後のフランジ41と感光体ドラム21との間の電気的導通を確保している。
【0023】
また、図4に示されるように、感光体ドラム21は、アルミニウムからなる導電性基層に感光層を塗布された円筒形状をしたパイプ部材である。
【0024】
そして、図5に示されるように、感光体ドラム21の両端部には、装置本体から駆動を入力するための駆動カップリング40と、フランジ41が同軸に固定されている。駆動カップリング40とフランジ41は、フレーム50a,50bに固定された軸受45によって回転可能に支持されている。フレーム50a,50bは、感光体ドラム21の長手方向に対して垂直に設けられている。フック部50cは、フレーム50bの感光体ドラム21側の側面に突き出るように設けられた凸部で、負荷部材42の回転を規制するための規制面50dを備える。なお、規制面50dと、フレーム50bの感光体ドラム21側でこの回転の上流側の面がなす角度は略垂直となっている。即ち、凸部としてのフック部50cの規制面50dは、感光体ドラム21の回転方向に対して略垂直である。
【0025】
接触部43は、フランジ41の中心軸に設けられた凸形状部であり、感光体ドラム21の外側に向けて突出するように形成されている。コンタクト46は、導通用の銅板部材であり、第1の接触部46aを感光体ドラム21側に、第2の接触部46bをプロセスカートリッジ2の外側に露出するようにフレーム50bに固定されている。第1の接触部46aは接触部43と弾性的に常に接触しており、一方、第2の接触部46bはプロセスカートリッジ2が画像形成装置1に装着されると不図示の装置本体のFG(Flame Ground)端子と接触する構成となっている。従って、感光体ドラム21は、フランジ41の電気的抵抗を挟んで画像形成装置1のFG端子へと接地されていることとなる。
【0026】
負荷部材42は、感光体ドラム21が回転するときに負荷トルクを与えるためのステンレス製の負荷付与部材で、図4に示されるように、コイル形状をしており、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入されている。感光体ドラム21は、駆動カップリング40を介して不図示の装置本体に設けられた駆動源より回転力を得ており、この際にカップリング部のガタに起因する回転振動が発生し画像上の欠陥となることがあるが、負荷部材42を取り付けることで感光体ドラム21の振動を抑制している。
【0027】
負荷部材42とフランジ41との摺動幅は当該フランジ41の取付部41bの幅W(図3参照)よりも狭くなっているため、感光体ドラム21及びフレーム50bの側面への荷重はかからないようになっている。また、負荷部材42の両端部は、それぞれ巻き外径に対して接線方向に延ばしており、それぞれ第1のアーム部42a、第2のアーム部42bを形成する。フランジ41の取付部41bに取り付けたときの感光体ドラム21側に設けられた第1のアーム部42aは、先端部が取付部41bの側面に引っ掛からないようにするために、フレーム50b方向に折り曲げられている。また、負荷部材42の第2のアーム部42bの先端部は巻き方向と同じ方向に曲げられて先端部42cを形成する。負荷部材42は、感光体ドラム21の矢印s方向(図5参照)に回転して、その先端部42cがフック部50cの規制面50dに接触すると、そのコイル形状が広がる力が働く方向に巻かれている。
【0028】
以下、上記構成による動作を詳細に説明する。
【0029】
まず、不図示の電源が投入されると、画像形成装置1の不図示の制御部は、所定の初期動作を行い、画像形成装置1を待機状態におく。そして、上位装置としての不図示のホストコンピュータから画像形成装置1に印刷命令が送られると、ホッピングローラ6によって給紙カセット5からの記録媒体4が1枚ずつ繰り出される。そして、この繰り出された記録媒体4は、用紙搬送経路3を通って、レジストローラ7によって搬送され、転写ベルト10で静電吸着されて、プロセスカートリッジ2K、2Y、2M、2Cと転写ローラ9間へと送られることになる。
【0030】
これと同時に、各プロセスカートリッジ2K、2Y、2M、2Cでは、帯電ローラ22と供給ローラ27、現像ローラ28、現像ブレード29は、不図示の電源部より所定のマイナス電圧を受け、同じく不図示の駆動源により駆動を開始する。
【0031】
すると、感光体ドラム21は帯電ローラ22の作用により電荷を注入されて、表面は一様に所定のマイナス電位に帯電される。そして、LEDヘッド23によって印刷命令に対応した画像を表面に露光されると、露光された部分の電荷はフランジ41、コンタクト46を通じて感光体ドラム21の装置本体へと流出されて先の所定のマイナス電位よりも高い帯電状態となり、静電潜像が形成される。即ち、感光体ドラム21は、上記LEDヘッド23の光の照射により、静電荷が画像状に分布した状態となる。
【0032】
一方、供給ローラ27はトナー24を現像ローラ28へ供給するとともに、現像ブレード29は現像ローラ28上のトナーを適正な層厚に規制する。そして、規制された現像ローラ28上のトナーは感光体ドラム21上の静電潜像にトナー像を現像させる。
【0033】
このとき、装置1本体では、レジストローラ7によって搬送された記録媒体4は、静電気によって転写ベルト10に静電吸着され、転写ベルト10の走行に伴って各プロセスカートリッジ2K、2Y、2M、2Cへと搬送されると、感光体ドラム21に形成されたトナー像が転写ローラ9によって順次転写されてカラーのトナー画像が形成される。記録媒体4に転写できなかった感光体ドラム21上の残トナーについては、各プロセスカートリッジ2内のクリーニングブレード30によって掻き落とされる。
【0034】
こうしてカラーのトナー画像が形成された記録媒体4は、定着器15に送られ、不図示の熱源によって所定温度に加熱された定着ローラ16、加圧ローラ17によって加熱、加圧されてカラーのトナー像が定着されて記録媒体4上に画像が形成される。続いて、こうして画像が形成された印刷媒体4は、排出ローラ18によって更に搬送され、スタッカ19に排出されて、こうして一連の印刷動作を終了する。
【0035】
ここで、本実施形態に係る画像形成装置1による上記一連の印刷動作時の感光体ドラム21及び負荷部材42周辺の動作詳細を説明する。
【0036】
まず、感光体ドラム21が矢印s方向(図5参照)に回転を始めると、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入された負荷部材42は一体となって同方向(即ち矢印s方向)に回転しようとする。しかし、負荷部材42のフレーム50b側の端部に設けられた先端部42cが、該フレーム50bに配設されたフック部50cの規制面50dと突き当たるため、負荷部材42の回転はここで規制され、感光体ドラム21及びフランジ41のみが回転を続ける。この時、前述した通り、負荷部材42はフランジ41の取付部41bに圧入されているため、感光体ドラム21はこの負荷部材42の摩擦力による一定の負荷トルクを受けたまま回転を続ける。
【0037】
このとき、負荷部材42の先端部42cが突き当たるフック部50cの規制面50dは、感光体ドラム21の回転方向およびフレーム50bに対して略垂直であるため、負荷部材42によるフレーム50bへの側面方向の荷重は掛からない。
【0038】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、画像形成装置1に着脱自在なプロセスカートリッジ2であって、静電潜像を形成する感光体ドラム21と、感光体ドラム21に固定された筒状の取付部を有するフランジ41と、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入されるコイル形状の負荷部材42と、フランジ41を保持するためのフレーム50bとを有し、フレーム50bは感光体ドラム21の軸方向で感光体ドラム21側に突出する凸部としてのフック部50cを備え、負荷部材42の一端部は凸部としてのフック部50cの規制面50dによって回転を規制されることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0039】
ここで、負荷部材42のフランジ41との摺動幅は、フランジ41の取付部41bの幅よりも狭いこととしてよい。さらに、凸部としてのフック部50cの規制面50dは、感光体ドラム21の回転方向に対して略垂直であることとしてもよい。このほか、負荷部材42は導電性の材料であることを特徴としてよく、フランジ41には導電性樹脂材料を用いることを特徴としてよい。
【0040】
従って、本発明の第1の実施形態によれば、感光体ドラム21に負荷トルクを与える際にフレーム50bの側面方向には荷重がかからないため、フレーム50bの変形やたわみなどは発生せず、色ずれなどのない良好な印刷が可能となる。
【0041】
(第2の実施形態)
【0042】
第2の実施形態に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、第1の実施形態と比べたときに、プロセスカートリッジ2における感光体ドラム21の支持構成のみが異なるため、この点のみを図8乃至図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一構成に関しては同一符号を用いて、重複した説明は省略する。
【0043】
図8は感光体ドラム21の支持構成を詳細に示す図であり、図9は感光体ドラム21がフレーム50a,51bに固定された軸受45によって回転可能に支持された様子を示す図であり、図10は図9のA方向矢視図である。
【0044】
図8に示されるように、感光体ドラム21の端部に固定された駆動カップリング40とフランジ41は、フレーム50a,51bに固定された軸受45によって摺動可能に支持されている。フック部51cは、フレーム51bの感光体ドラム21側の側面に突き出るように設けられた凸形状部であり、負荷部材42の回転を規制するための規制面51dを備えている。なお、規制面51dはフレーム51bの感光体ドラム21側の側面で、この回転の上流側の面となす角度は略垂直となっている。即ち、凸部としてのフック部51cの規制面51dは、感光体ドラム21の回転方向に対して略垂直である。
【0045】
また、フランジ41の取付部(41b)には、導電性グリスが塗布されており、負荷部材42との電気的接続の補助を行っている。
【0046】
コンタクト47は導通用の銅板部材であり、第1の接触部47aを感光体ドラム21側に、第2の接触部47bをプロセスカートリッジ2の外側(図10参照)に露出するようにフレーム51bに固定されている。第1の接触部47aは、フック部51cの規制面51dに沿って設置されている。従って、コンタクト47の第1の接触部47aは、フレーム51bの感光体ドラム21側の側面で、この回転の上流側の面となす角度は略垂直となっている。即ち、凸部としてのフック部51cの接触面に外部に露出して接続可能なコンタクト47が設けられている。
【0047】
以下、第2の実施形態に係る画像形成装置は、前述した第1の実施形態と比して感光体ドラム21及び負荷部材42周辺の動作のみが異なるため、この点のみ説明する。
【0048】
まず、感光体ドラム21が矢印s方向(図8参照)に回転を始めると、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入された負荷部材42は一体となって同方向(即ち、矢印s方向)に回転しようとする。しかし、負荷部材42の先端部42cが規制面51dに沿って設けられた接触部47aと突き当たるため、負荷部材42の回転はここで規制され、感光体ドラム21及びフランジ41のみが回転を続ける。この時、負荷部材42の先端部42cには、取付部41bと負荷部材42との摩擦力による力が発生するため、これがコンタクト47への接触力となり、負荷部材42とコンタクト47間の電気的接続は確実に行われる。
【0049】
また、負荷部材42は、フランジ41の取付部41bに圧入されている上、取付部41bに塗布された導電性グリスの補助作用も受けて電気的抵抗は損なわれないので、蓄えられた電荷は静電潜像を形成するときに確実に装置本体に流出させることができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、画像形成装置1に着脱自在なプロセスカートリッジ2であって、静電潜像を形成する感光体ドラム21と、感光体ドラム21に固定された筒状の取付部を有するフランジ41と、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入されるコイル形状の負荷部材42と、フランジ41を保持するためのもので、感光体ドラム21の軸方向で感光体ドラム21側に突出する凸部としてのフック部51cを備えたフレーム51bと、凸部としてのフック部51cの規制面51dに接続される第1の接触面47aと、外部に露出して接続可能な第2の接触面47bを有するコンタクト47とを備え、負荷部材42の一端部はコンタクト47の第1の接触面47aによって回転を規制され、更に第1の接触面47aを介してコンタクト47への電気的接続が行われることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0051】
従って、本発明の第2の実施形態によれば、感光体ドラム21の軸方向のガタが発生しても、新たな部材を追加することなく、感光体ドラム21のFG(フレーム・グラウンド)への電気的接続は確実に行うことができる。
【0052】
(第3の実施形態)
【0053】
第3の実施形態に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、第2の実施形態と比べたときに、プロセスカートリッジ2における感光体ドラム21の支持構成のみが異なるため、この点のみ図11乃至図13を参照して説明する。なお、第2の実施形態と同一構成について同一符号を用いて、重複した説明は省略する。
【0054】
図11は感光体ドラム21の支持構成を詳細に示す図であり、図12は感光体ドラム21がフレーム50a,52bに固定された軸受45によって回転可能に支持された様子を示す図であり、図13は図12のB方向矢視図である。
【0055】
感光体ドラム21の端部に固定された駆動カップリング40とフランジ41は、フレーム50a,52bに固定された軸受45によって摺動可能に支持されている。また、フレーム50a,52bは感光体ドラム21に対して垂直に設けられている。
【0056】
フック部52cはフレーム52bに設けられた凸形状部で、負荷部材42の回転を規制するための規制面52dを備える。なお、規制面52dはフレーム52bの感光体ドラム21側の側面で、この回転の上流側の面となす角度は略垂直にとなっている。即ち、凸部としてのフック部52cの規制面52dは、感光体ドラム21の回転方向に対して略垂直である。
【0057】
コンタクト48は導通用の銅板部材であり、第1の接触部48aを感光体ドラム21側に、第2の接触部48bをプロセスカートリッジ2の外側に露出するようにフレーム52bに固定されている。なお、コンタクト48の第1の接触部48aは、規制面52dに沿って設置されている。従って、コンタクト48の第1の接触部48aは、感光体ドラム21側の側面で、この回転の上流側の面となす角度θ(図11参照)は鋭角となす。すなわち、凸部としてのフック部52cの規制面52dとフレーム52bのフック部52cを形成する面との成す角度は鋭角である。この実施形態では、凸部としてのフック部52cの規制面52dとフレーム52bのフック部52cを形成する面との2面に外部に露出して接続可能なコンタクト48が設けられていることになる。
【0058】
以下、前述した第1、第2の実施形態とは、感光体ドラム21および負荷部材42周辺の動作のみ異なるため、この点のみを説明する。
【0059】
まず、感光体ドラム21が矢印s方向(図11参照)に回転を始めると、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入された負荷部材42は該感光体ドラム21と一体となって同方向に回転しようとする。しかし、負荷部材42の先端部42cがフック部52cの規制面52dに沿って設けられたコンタクト48の接触部48aと突き当たるため、負荷部材42の回転はここで規制され、感光体ドラム21及びフランジ41のみが回転を続ける。この時、負荷部材42の先端部42cには、フランジ41の取付部41bと負荷部材42との摩擦力による力が発生するため、これがコンタクト47への接触力となり、負荷部材42とコンタクト48間の電気的接続は確実に行われる。
【0060】
また、負荷部材42の先端部42cは、コンタクト48の接触部48aと接触すると感光体ドラム21の軸方向外側に力が掛かってフック部52cから外れにくくなり、さらにコンタクト48のフレーム52bの側面側の面48cとも接触するため負荷部材42とコンタクト48との電気的接続はより確実なものとなる。
【0061】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態によれば、画像形成装置1に着脱自在なプロセスカートリッジ2であって、静電潜像を形成する感光体ドラム21と、感光体ドラム21に固定された筒状の取付部を有するフランジ41と、フランジ41の取付部41bに摺動可能に圧入されるコイル形状の負荷部材42と、フランジ41を保持するためのもので、感光体ドラム21の軸方向で感光体ドラム21側に突出する凸部としてのフック部51cを備えたフレーム51bと、凸部としてのフック部51cの規制面51dに接続される第1の接触面47aと、前記フレームの側面側の面48cと、外部に露出して接続可能な第2の接触面47bを有するコンタクト47とを備え、負荷部材42の一端部はコンタクト47の第1の接触面47a及び前記フレーム51bの側面側の面48cによって回転を規制され、更に第1の接触面47a及び前記フレーム51bの側面側の面48cを介してコンタクト47への電気的接続が行われることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
【0062】
従って、本発明の第3の実施形態によれば、感光体ドラム21の軸方向のガタが発生しても、負荷部42材は脱落することなく確実に設置できるとともに、感光体ドラム21のFG(フレーム・グラウンド)への電気的接続は確実に行うことができる。
【0063】
以上、本発明の第1乃至第3の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。例えば、本実施形態は、着脱可能な印刷プロセスカートリッジをもつ複写機、プリンタ、ファクシミリ等に適用されることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 用紙搬送経路
4 記録媒体
5 給紙カセット
6 ホッピングローラ
7 レジストローラ
9 転写ローラ
10 転写ベルト
15 定着器
16 定着ローラ
17 加圧ローラ
18 排出ローラ
19 スタッカ
21 感光体ドラム
22 帯電部材
24 トナー
25 トナーカートリッジ
27 トナー供給ローラ
28 現像ローラ
29 現像ブレード
30 クリーニングブレード
40 駆動カップリング
41 フランジ
41a 固定部
41b 取付部
41c 支持部
42 負荷部材
42a 第1のアーム部
42b 第2のアーム部
42c 先端部
43 接触部
45 軸受
46 コンタクト
46a 第1の接触部
46b 第2の接触部
47 コンタクト
47a 第1の接触部
47b 第2の接触部
48 コンタクト
48a 第1の接触部
48b 第2の接触部
50a フレーム
50b フレーム
50c フック部
50d 規制面
51b フレーム
51c フック部
51d 規制面
52b フレーム
52c フック部
52d 規制面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジであって、
静電潜像を形成する感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに固定された筒状の取付部を有するフランジと、
前記フランジの前記取付部に摺動可能に圧入される負荷部材と、
前記フランジを保持するためのフレームと、を有し、
前記フレームは前記感光体ドラムの軸方向で前記感光体ドラム側に突出する凸部を備え、
前記負荷部材の一端部は前記凸部の規制面によって回転を規制されること
を特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記負荷部材の前記フランジとの摺動幅は、前記フランジの取付部の幅よりも狭いこと
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記凸部の規制面は、前記感光体ドラムの回転方向に対して略垂直であること
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記負荷部材は導電性の材料であること
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記フランジは導電性樹脂材料を用いていること
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記凸部の接触面には外部に露出して接続可能なコンタクトを設けたこと
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記凸部の規制面と前記フレームの前記凸部を形成する面との成す角度は鋭角であること
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記凸部の規制面と前記フレームの前記凸部を形成する面との2面に外部に露出して接続可能なコンタクトを備えたこと
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記負荷部材はコイル形状であること
を特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
画像形成装置に着脱自在なプロセスカートリッジであって、
静電潜像を形成する感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに固定された筒状の取付部を有するフランジと、
前記フランジの前記取付部に摺動可能に圧入されるコイル形状の負荷部材と、
前記フランジを保持するためのもので、前記感光体ドラムの軸方向で前記感光体ドラム側に突出する凸部を備えたフレームと、
前記凸部の規制面に接続される第1の接触面と、外部に露出して接続可能な第2の接触面を有するコンタクトと、を備え、
前記負荷部材の一端部は前記第1の接触面によって回転を規制され、更に第1の接触面を介して前記コンタクトへの電気的接続が行われること
を特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記コンタクトは、前記フレームの側面側の面を更に有し、
前記負荷部材の一端部は前記コンタクトの前記第1の接触面及び前記フレームの側面側の面によって回転を規制され、更に第1の接触面及び前記フレームの側面側の面を介して前記コンタクトへの電気的接続が行われること
を特徴とする請求項10に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを用いた画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2013−73138(P2013−73138A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213753(P2011−213753)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】