説明

プロセスカートリッジ装置、及び画像形成装置

【課題】 除電針に印加する高圧ACバイアスのノイズ低減と、2次転写ローラ部、除電針、高圧生成部、高圧ハーネス部の交換時におけるサービス性向上と、裏紙通紙時に発生する除電針への除電ブラシの毛の付着防止、高圧ACバイアスを除電針に印加した際の過電流を防止する。
【解決手段】 トナー像を担持する像担持体3と、該像担持体上のトナー像を中間転写ベルト10上に1次転写する1次転写部7と、1次転写されたトナー像を搬送する中間転写ベルト10と、該中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部8と、トナー像を2次転写された記録紙を中間転写ベルトから分離する除電針22と、該除電針に高圧ACバイアスを印加するAC高圧生成部21と、を備えた画像形成装置において、2次転写部と、除電針と、AC高圧生成部とを一体化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は感光体上から1次転写されたトナー像を一旦保持してから記録紙上に2次転写するための中間転写ベルトを備えた電子写真式画像形成装置の改良に関し、特に2次転写部及びその周辺部品をユニット化して取扱い性等を向上したプロセスカートリッジ装置、及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中間転写ベルト方式を用いたタンデムカラー画像形成装置においては、色別にトナー像を担持する複数の像担持体(感光体)と、各像担持体上の各色トナー像を中間転写ベルト上に順次重ねて1次転写する1次転写部と、1次転写された重ねトナー像を搬送する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上の重ねトナー像を一括して記録紙に2次転写する2次転写部(2次転写ローラ)と、記録紙上に転写された重ねトナー像を定着させる定着部と、を備えている。記録紙は画像形成装置内に装備された給紙部から給紙される。
従来、中間転写ベルト上の重ねトナー像を記録紙上に転写する際に中間転写ベルトと記録紙との静電吸着力が強いために記録紙を容易に分離できない場合に備えて、2次転写部近傍には帯電を除去するための除電針が装備される。除電針に対しては高圧生成部から高圧ACバイアスを印加することにより、記録紙に対して放電を行って紙分離性を確保している(特許文献1〜3)。
上記従来技術にあっては、中間転写ベルト上のトナー像を記録紙上に2次転写する為の2次転写ローラ部と、2次転写された記録紙に放電を行う為の除電針と、除電針に高圧ACバイアスを印加する為の高圧生成部と、除電針と高圧生成部とのインターフェイスを確保するための高圧ハーネス部とが個別のユニットとしてタンデムカラー画像形成装置内にレイアウトされている。一方、高圧ACバイアスは、12kVpp max/周波数1kHz/正弦波、といった非常に大きなAC出力仕様であることから漏電流が発生しやすい。その為、前記各部品が別部品として個別にレイアウトされていると、高圧ハーネス部が長尺となり、高圧ハーネスから発生するノイズが無視できない程度に高まるといった問題がある。
また、高圧ACバイアスを生成する高圧生成部には過電流検出部を設けるが、ユーザー側に設置された画像形成装置において過電流が検出された場合には、何れかの部品に異常があることが予想されるため、サービスマンコールとなり、個々の部品を交換する必要が生じるが、各部品は個別に計4つのユニットに別れてレイアウトされている為、交換の作業性が非常に悪かった。
また、タンデムカラー画像形成装置内やオプションで設置されるフィニッシャーは、画像形成済みの記録紙を機外に排出する排紙部に、記録紙と接してその帯電を除去するための除電ブラシを配置しているため、一度排紙された記録紙には除電ブラシから脱落した毛が付着する可能性がある。その為、一度排紙された記録紙の白紙状態にある裏面を使用して画像形成をしようとすると、裏紙に付着した除電ブラシの毛が通紙時に除電針側に落ちて付着することがある。除電針には高圧ACバイアスが印加される為、除電針に除電ブラシの1部が付着すると、2次転写ローラを介して安全上危険な過電流が発生し、高圧生成部に設けている過電流検出部が作動してサービスマンコールとなる問題が発生する。
【特許文献1】特開2002−278307公報
【特許文献2】特開2002−108144公報
【特許文献3】特開2002−287600公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、除電針に印加する高圧ACバイアスのノイズ低減と、2次転写ローラ部、除電針、高圧生成部、高圧ハーネス部の交換時におけるサービス性向上と、裏紙通紙時に発生する除電針への除電ブラシの毛の付着防止、高圧ACバイアスを除電針に印加した際の過電流を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に1次転写する1次転写部と、1次転写されたトナー像を搬送する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部と、トナー像を2次転写された記録紙を中間転写ベルトから分離する除電針と、該除電針に高圧ハーネスを介して高圧ACバイアスを印加するAC高圧生成部と、を備えた画像形成装置において、前記除電針と、前記AC高圧生成部とを一体化すると共に、前記除電針と前記AC高圧生成部との間の距離を短縮して前記高圧ハーネス長を短縮した構成を備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に1次転写する1次転写部と、1次転写されたトナー像を搬送する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部と、トナー像を2次転写された記録紙を中間転写ベルトから分離する除電針と、該除電針に高圧ハーネスを介して高圧ACバイアスを印加するAC高圧生成部と、を備えた画像形成装置において、前記2次転写部と、前記除電針と、前記AC高圧生成部とを一体化すると共に、前記除電針と前記AC高圧生成部との間の距離を短縮して前記高圧ハーネス長を短縮した構成を備えていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、又は2において、前記除電針を隠蔽自在に開閉する開閉ガイド板を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明に係る画像形成装置は、請求項3に記載のプロセスカートリッジ装置と、前記開閉ガイド板を開閉する開閉機構と、該開閉機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記2次転写部に搬送される前記記録紙の紙厚レベルを検出する紙厚レベル検出手段を更に備え、前記制御部は、前記紙厚レベル検出手段によって検出された紙厚レベルに基づいて、前記開閉機構による開閉動作と、前記除電針に印加するAC高圧出力のOFF/ONを夫々制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、少なくとも除電針と、AC高圧生成部とを一体化した構成を備えたので、高圧ACバイアスを除電針に印加する高圧ハーネス長を短縮することが可能となり、その結果高圧ハーネスから発生するノイズを低減することが可能となる。また、これらの複数部品を一つのユニットに組み込んだため、取扱性が高まり、市場での部品交換時のサービス性を向上できる。更に、開閉ガイド板により除電ブラシを隠蔽、露出できるようにしたので、記録紙として使用する裏紙に付着している除電ブラシの毛が除電針に落下、付着しないようにすることができる。また、紙除電において、紙厚レベルに応じてAC高圧出力をOFF/ON制御するようにしたので、紙分離性の悪い薄紙通紙時のみに、高圧ACバイアスを除電針に印加して紙除電ができる。更に、2次転写部をも、除電針とAC高圧生成部に一体化したので、上記効果が更に高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の1例としてのカラータンデム複写機の全体構成を示す概略図であり、図2はその要部拡大図である。このカラータンデム複写機は、露光された原稿面からの反射光を光電変換し信号処理を行うスキャナー部1と、スキャナー部1から得られた画像信号をレーザ光として感光体上に投影する書き込み部2と、書き込み部2からのレーザ出力のPM、PWM変調により表面に潜像を形成される感光体(像担持体)3と、を備える。また、感光体3の表面を一様に帯電させる帯電部4と、潜像を担持した各感光体3にC(シアン)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)の4色のトナーを夫々付着させて色別のトナー像を形成する現像部5と、クリーニング部6と、各感光体3に付着させた各色のトナー画像を中間転写ベルト10に順次重ねて転写させる1次転写部(転写ローラ)7と、重ねトナー像を担持して搬送する中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10上の重ねトナー像を一括して記録紙上に転写する2次転写部8と、を備える。
感光体3廻りの作像は、C(シアン)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、Bk(ブラック)の4色分を独立して動作させるタンデム方式により実施される。 また、給紙トレイを本体部11(片面機)と給紙バンク12に、手差し給紙台13を本体部に備える。また、搬送部から送られてきた記録紙に温度と圧力を加えて、トナー像を記録紙上に融着させるベルト定着ユニット14(定着ローラ14a、加圧ローラ14b))と、を備える。
【0007】
次に、図2に基づいてブラック、マゼンタ、シアン、イエロー4色分の作像をタンデムに行うカラー画像形成装置の構成、動作を説明する。4色の感光体3に潜像を形成し、該現像を現像手段により現像する4色の現像部5は、それぞれ4色分の画像形成ユニットUによって形成された画トナー像を各1次転写ローラ7によって中間転写ベルト上10に順次1次転写を行うことによって、中間転写ベルト10上に重ねトナー像を形成する。15は2次転写対抗ローラ、24は2次転写ローラであり、中間転写ベルト10上に形成された重ねトナー像を記録紙上に紙転写する2次転写機構を構成している。16は中間転写ベルト上の未転写トナーをクリーニングするユニットである。
1次転写のプロセスでは、1次転写ローラ7に−極性のトナー像と反極性である+極性のバイアスを印加することにより、感光体ドラム3上に画像形成されたトナー像を中間転写ベルト10の内側から引き寄せ中間転写ベルト10上に転写する。
2次転写機構のプロセスは、2次転写ローラ24、2次転写対抗ローラ15、中間転写ベルト10を用いた押し出しバイアス方式である。中間転写ベルト10上に転写された−極性のトナー像と同極性である−極性のバイアスを2次転写対抗ローラ15に印加することにより、中間転写ベルト10の内側からトナーを押し出して紙転写する。
符号20はプロセスカートリッジ装置であり、2次転写ローラ24と、2次転写対抗ローラ15、中間転写ベルト10及び2次転写ローラ24の協働によって紙転写された記録紙を中間転写ベルト10から分離し易くするために高圧AC放電を行う除電針22と、除電針22に高圧ACバイアスを印加する為の高圧生成部21と、除電針22と高圧生成部21とのインターフェイスを確保する高圧ハーネス23と、を一体化(ユニット化)した構成を有している。特に、少なくとも除電針22とAC高圧生成部21とを一体化すると共に、除電針とAC高圧生成部との間の距離を短縮して高圧ハーネス長を短縮した構成とすることにより、後述する特有の効果を発揮できる。
即ち、高圧ACバイアスは、12kVpp max/周波数1kHz/正弦波といった非常に大きなAC出力仕様であることから高圧ハーネス23から漏電流が発生しやすく、高圧ハーネス23からノイズが極度に発生するといった問題があるが、除電針22と高圧生成部21とを一体化したプロセスカートリッジ装置20を用いることにより、高圧生成部21と除電針22との距離を最短化することが可能となり、高圧ハーネス23から発生するノイズを低減できる。なお、必要に応じて2次転写ローラ24を含めた構成とすることにより、コンパクト化、取扱性の向上を更に図ることが可能となる。
また、高圧ACバイアスを生成する高圧生成部21に設置した過電流検出部が異常な過電流を検出した際にはサービスマンコールとなり、従来は、2次転写ローラ24と、除電針22と、高圧生成部21と、高圧ハーネス部23を個々に交換するといった作業性悪化の問題があったが、本実施形態では、プロセスカートリッジ装置20を用いることにより、前記画部品が一体化され、交換の作業性が非常に良くなる。
【0008】
図3は本発明の他の実施形態に係るプロセスカートリッジ装置の構成を示す斜視図であり、除電針22を隠蔽自在に開閉する開閉ガイド板30を設けた構成が特徴的である。
即ち、2次転写ローラ24と、2次転写対抗ローラ15、中間転写ベルト10及び2次転写ローラの協働によって紙転写された記録紙を中間転写ベルトから分離し易くする為に高圧AC放電を行う除電針22と、除電針22に高圧ACバイアスを印加する為の高圧生成部21と、除電針22と高圧生成部21のインターフェイスを持つ高圧ハーネス部23とを一体化したプロセスカートリッジ装置20において、除電針22を外部から隠蔽させるように開閉する半円筒状ガイド板(開閉ガイド板30)を設けている。なお、2次転写ローラ24をプロセスカートリッジ装置20に含めることは必ずしも必須ではないが、関連部品であるためユニット化することのメリットは大きい。
上述のように、タンデムカラー画像形成装置内やオプションで設置されるフィニッシャーは、記録紙に帯電した電荷を除去するための除電ブラシを排紙部(排紙口)に配置している為、1度通紙された記録紙には除電ブラシの毛が付着する可能性がある。その為、1度通紙された記録紙を裏紙として使用すると、裏紙に付着した除電ブラシの毛が通紙時に除電針に落ちて付着することがある。除電針には前記高圧ACバイアスが印加される為、除電針に除電ブラシの1部が付着すると、2次転写ローラを介して危険な過電流が発生し、高圧生成部にて設けている過電流検出部が作動してサービスマンコールとなる問題が発生する。 そこで本実施形態では、除電針22による高圧AC放電が無くても中間転写ベルト10からの紙分離性を確保できる紙種においては、除電針の上方を図3で示した様な半円筒状ガイド板30により隠蔽可能に構成することにより、除電ブラシの毛が付着している裏紙を通紙しても、除電ブラシの毛が除電針22に落ちて付着することが無くなり、除電針に12kVpp max/周波数1kHz/正弦波といった非常に大きな高圧ACバイアスを印加しても、安全上危険な過電流が発生しなくなる。
また、ガイド板30の形状を半円筒状にすることにより、ガイド板上に落ちた除電ブラシの毛は最終的にガイド板の円弧面に沿って両端に落ちる為、ガイド板には除電ブラシの毛が残らない。その為、ガイド板の開閉動作により除電針に除電ブラシの毛が付着することはない。
【0009】
次に、図4は開閉ガイド板を開閉する開閉機構、及び制御部の説明図であり、この実施形態では、画像形成装置が、プロセスカートリッジ装置20と、開閉ガイド板30を開閉する開閉機構35と、開閉機構35を制御する制御部40と、を備えた構成が特徴的である。具体的には、CPU、ROM、RAMが内蔵された制御部40によって、半円筒状ガイド板30を開閉可能なソレノイド(開閉ソレノイド)、camから成る開閉機構35を開閉制御するように構成している。
制御部40は、ROMに格納されたプログラムやデータに従って演算機能等を実行するCPU、CPUが実行するためのプログラムやデータを格納したROM、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等を備えている。
開閉機構35は、ソレノイドを駆動源として半円筒状ガイド板をその回動軸を中心として開閉動作させるcamを備えている。ソレノイドは制御部からの指示によりOFF/ONすることが可能で、このOFF/ONにより半円筒状ガイド板30の開閉を行うことができる。除電針22に高圧ACを印加する場合は、制御部40からの指示によりソレノイドをONし、camを引っ張り、半円筒状のガイド板30を開ける。除電針22に高圧ACを印加しない場合は、制御部40からの指示によりソレノイドをOFFし、camを戻し、半円筒状のガイド板30を閉じて除電ブラシを隠蔽する。
【0010】
次に、図5は本発明の他の実施形態の説明図であり、この実施形態では、2次転写部8に搬送される記録紙の紙厚レベルを検出する紙厚レベル検出手段(紙種センサ)50を更に備え、制御部40は、紙厚レベル検出手段50によって検出された記録紙の紙厚(紙厚レベル)に基づいて、開閉機構35による開閉動作と、除電針22に印加するAC高圧出力のOFF/ONを夫々最適に制御するようにしている。紙種センサ50は、中間転写ベルト10との紙分離性が悪い薄紙の通紙時のみに除電針に高圧ACバイアスを印加しAC放電を行うことを可能ならしめる手段である。
即ち、図5は、ROMに格納されたプログラムやデータに従って演算機能等を実行するCPU、CPUが実行するためのプログラムやデータを格納したROM、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等を備えた制御部40と、画像形成装置内のレジスト部(レジストローラ近傍)に配置されて紙種/紙厚を検出できる紙種センサ部(紙厚レベル検出手段)50と、除電針22の半円筒状ガイド板30の開閉を行う開閉ソレノイド(開閉機構)55と、除電針22に高圧ACバイアスを印加する高圧AC生成部21とを用いて、紙種センサ部50で検出された紙厚情報に基づいて、開閉ソレノイド55をOFF/ONして、高圧AC生成部21のOFF/ONを行うことができる装置構成を示している。
更に、具体的には、紙種センサ50にて紙厚レベルをアナログ検出した値を制御部40にて記憶させ、開閉ソレノイド55のOFF/ONは制御部40からのTRG信号により制御される。高圧AC生成部21のOFF/ONは、制御部40からのPWM信号により制御される。又、高圧AC生成部21は危険な電圧を出力する為、高圧AC生成部にて過電流を検出した際には制御部40に過電流検出信号を送信する。
【0011】
図6は、PWMと高圧AC生成部で生成される高圧AC出力電圧との関係を示す図である。PWM DUTYに比例して高圧ACバイアスは大きくなり、最大でPWM DUTY100%時に12kVppの高圧ACが出力される仕様としている。
図7は、図5の装置を用いた画像形成装置におけるシーケンスを示すフローチャートである。画像形成装置の電源投入後に、まず開閉ソレノイド55をOFFし、除電針22の半円筒状ガイド板30を閉じる(S1、S2)。画像形成装置の待機時においてはこの状態を保つ構成とする。この待機状態からJOBが開始された場合、画像形成装置内のレジスト部に構成されている紙種センサ50にて紙厚レベルを検出する。紙厚が薄くないと検出された場合はJOBが開始されても開閉ソレノイド55はOFFされたままで、除電針22の半円筒状ガイド板30も閉じた状態とする。又、高圧AC生成部21はOFFされたままで、除電針22に高圧ACバイアスを印加されない状態とする(S3)。一方、紙厚が薄い(中間転写ベルトからの分離性が悪い紙である)と検出された場合は、JOB開始後に開閉ソレノイド55をONし、除電針を開閉するための半円筒状ガイド板30も開けた状態(非隠蔽状態)とする。又、高圧AC生成部21をONし、所定の高圧ACバイアスを出力させ、除電針22に高圧ACバイアスを印加させる状態とする(S5)。JOB終了後には、開閉ソレノイド55をOFFし、半円筒状ガイド板30を閉じる。又、高圧AC生成部をOFFして、除電針に高圧ACバイアスが印加されない状態とする(S6、S7)。
この装置構成を用いることにより、中間転写ベルト10との紙分離性が悪い薄紙通紙時のみに除電針22に高圧ACバイアスを印加しAC放電を行うことが可能となる。又、中間転写ベルトとの紙分離性が良い薄紙以外の紙の通紙時は、除電針に高圧ACバイアスを印加せず、除電針の半円筒状ガイド板を閉じることができる。
【0012】
以上のように本発明によれば、2次転写部と、除電針と、AC高圧生成部とを一体化したので、高圧ACバイアスを除電針に印加する高圧ハーネスの長さを短くすることが可能となり、そこから発生するノイズを低減でき、市場での部品交換時のサービス性が向上できる。
また、除電針を隠蔽自在に開閉する開閉ガイド板を設け、開閉ガイド板により除電ブラシを隠蔽、露出できるようにしたので、記録紙として使用する裏紙に付着している除電ブラシの毛が除電針に落下、付着しないようにすることができ、高圧ACバイアスを除電針に印加した際に除電ブラシの毛を原因とした過電流発生を防止できる。
また、開閉ガイド板を開閉する開閉機構と、該開閉機構を制御する制御部と、を備えたので、紙除電において、除電針への高圧ACバイアスの印加の必要の有無により、開閉ガイド板の開閉を制御できる。
また、紙厚レベル検出手段によって検出された紙厚レベルに基づいて、開閉機構による開閉動作と、除電針に印加するAC高圧出力のOFF/ONを夫々制御するようにしたので、除電針に印加するAC高圧出力のOFF/ONを夫々制御する紙分離性の悪い薄紙通紙時のみに、高圧ACバイアスを除電針に印加して紙除電ができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例としてのカラータンデム複写機の全体構成を示す概略図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】本発明の他の実施形態に係るプロセスカートリッジ装置の構成を示す斜視図。
【図4】開閉ガイド板を開閉する開閉機構、及び制御部の説明図。
【図5】紙厚情報に基づいて開閉ソレノイドをOFF/ONして、高圧AC生成部のOFF/ONを行うことができる装置構成を示すブロック図。
【図6】PWMと高圧AC生成部で生成される高圧AC出力電圧との関係を示す図。
【図7】図5の装置を用いた画像形成装置におけるシーケンスを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0014】
1…スキャナー部、3…感光体(像担持体)、4…帯電部、5…現像部、7…1次転写部、8…2次転写部、10…中間転写ベルト、11…トレイ本体部、12…給紙バンク、13…手差し給紙台、14…ベルト定着ユニット、14a…定着ローラ、14b…加圧ローラ、15…2次転写対抗ローラ、15、…次転写対抗ローラ、20…プロセスカートリッジ装置、21…AC高圧生成部、22…除電針、23…高圧ハーネス、24…2次転写ローラ、30…開閉ガイド板、35…開閉機構、40…制御部、50…紙厚レベル検出手段(紙種センサ)、55…開閉ソレノイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に1次転写する1次転写部と、1次転写されたトナー像を搬送する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部と、トナー像を2次転写された記録紙を中間転写ベルトから分離する除電針と、該除電針に高圧ハーネスを介して高圧ACバイアスを印加するAC高圧生成部と、を備えた画像形成装置において、
前記除電針と、前記AC高圧生成部とを一体化すると共に、前記除電針と前記AC高圧生成部との間の距離を短縮して前記高圧ハーネス長を短縮した構成を備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ装置。
【請求項2】
トナー像を担持する像担持体と、該像担持体上のトナー像を中間転写ベルト上に1次転写する1次転写部と、1次転写されたトナー像を搬送する中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上のトナー像を記録紙に転写する2次転写部と、トナー像を2次転写された記録紙を中間転写ベルトから分離する除電針と、該除電針に高圧ハーネスを介して高圧ACバイアスを印加するAC高圧生成部と、を備えた画像形成装置において、
前記2次転写部と、前記除電針と、前記AC高圧生成部とを一体化すると共に、前記除電針と前記AC高圧生成部との間の距離を短縮して前記高圧ハーネス長を短縮した構成を備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ装置。
【請求項3】
前記除電針を隠蔽自在に開閉する開閉ガイド板を設けたことを特徴とする請求項1、又は2に記載のプロセスカートリッジ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセスカートリッジ装置と、前記開閉ガイド板を開閉する開閉機構と、該開閉機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記2次転写部に搬送される前記記録紙の紙厚レベルを検出する紙厚レベル検出手段を更に備え、前記制御部は、前記紙厚レベル検出手段によって検出された紙厚レベルに基づいて、前記開閉機構による開閉動作と、前記除電針に印加するAC高圧出力のOFF/ONを夫々制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−79314(P2007−79314A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269237(P2005−269237)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】