説明

プロセスカートリッジ

【課題】接点部材の裏側に、接点部材の移動を規制する規制部材を配置することが困難な場合においても、接点部材の移動を規制することが可能なプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】画像形成装置本体100Aの電気接点11より加圧を受ける接点部材27であって、本体電気接点11による加圧を受ける接点部としての第1の面27aと、本体電気接点11とは反対側に曲げた第2の面27bとを備えた接点部材27と、接点部材27を保持し、枠体の一部を形成する保持部材24と、第2の面27bの端部に設けられた被規制部27cと、保持部材24に設けられ、被規制部27cの移動を規制する規制部24fと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで電子写真画像形成装置(以下、「画像形成装置」という。)とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置の例としてはプリンタ(レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、複写機、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、およびこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
【背景技術】
【0003】
電子写真プロセスを用いたプリンタ等の画像形成装置は、像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」という。)を一様に帯電させ、感光体ドラムへの選択的な露光によって潜像を形成する。この潜像は、現像剤であるトナーで顕像化し、トナー像を記録媒体に転写する。更に、転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録媒体に定着させることで画像記録を行なう。
【0004】
このような画像形成装置は、トナー補給や各種プロセス手段のメンテナンスを伴う。このトナー補給作業やメンテナンスを容易にする手段として、感光体ドラム、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等を枠体内にまとめてプロセスカートリッジ化したものが実用化されている。
【0005】
このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをユーザ自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。従って、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0006】
また、近年、複数色の現像剤を用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が普及してきている。カラー画像形成装置としては、複数色のトナーを用いた画像形成動作のそれぞれに対応する感光体ドラムを、トナー像が転写される被転写体の表面移動方向に沿って一列に配置した、インライン方式の画像形成装置が知られている。インライン方式のカラー画像形成装置には、複数の感光ドラムが鉛直方向(重力方向)と交差する方向(例えば水平方向)に一列に配置されたものがある。インライン方式は、画像形成速度の高速化やマルチファンクションプリンタへの展開などの要望に対応し易いなどの点で好ましい画像形成方式である。
【0007】
プロセスカートリッジにおいて、一般的に現像手段を担う現像枠体は、現像手段である金属軸と導電性のゴム部材からなる現像ローラ、現像剤規制部材である現像ブレードが配置される。更に、側面に現像ローラを回転駆動させるギア列、現像ローラにバイアスを印加するための導通性部材が配置されている。導通性部材を有するプロセスカートリッジにおいては、回転駆動している前述の現像ローラに現像バイアス電圧(以下、「バイアス」という。)印加を安定して行うため、現像ローラの金属軸の周面や端面に導電性部材を所定の接点圧で接触させる構成が提案されている。例えば、参考文献1を参照されたい。
【0008】
また、一般的に、画像形成装置本体からプロセスカートリッジにバイアスを供給するために、プロセスカートリッジに接点部材を設け、接点部材が、装置本体に備えられた本体電気接点に接触し、バイアスが印加される。このとき、安定したバイアスを供給するために、接点部材は本体電気接点から所定の接点圧を受ける必要がある。そのため従来は、接点部材の裏側に、接点部材の移動を規制する規制部材を配置する構成があった。例えば、参考文献2を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−9020号公報
【特許文献2】特開2002−328584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述のように、接点部材が本体電気接点から接点圧を受けて、バイアスを印加する構成において、接点部材の裏側に、接点部材の移動を規制する規制部材を配置することが困難な場合がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、接点部材の裏側に、接点部材の移動を規制する規制部材を配置することが困難な場合においても、接点部材の移動を規制することが可能なプロセスカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は本発明に係るプロセスカートリッジにて達成される。要約すれば、本発明は、本体電気接点を有する画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記本体電気接点より加圧を受ける接点部材であって、前記本体電気接点による加圧を受ける前記接点部としての第1の面と、前記本体電気接点とは反対の反接点側に曲げた第2の面とを備えた接点部材と、
前記接点部材を保持する保持部材と、
前記第2の面の端部に設けられた被規制部と、
前記保持部材に設けられ、前記被規制部の移動を規制する規制部と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0013】
上記目的を達成するために、本出願に係る第2の発明は、前記第1の発明に記載の特徴を有するプロセスカートリッジであって、
前記接点部材は、前記第1の面と前記第2の面の境界である曲げ部が、前記規制部に接触しない切り欠き部を、前記第1の面の一部、及び前記第2の面の一部に有し、前記切り欠き部の前記第2の面側の端部を前記被規制部側に切り起こした切り起こし部を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、保持部材に規制部を設けたことで、接点部材の接点圧による移動を規制できる。従って、接点部材の移動を規制するための規制部材を配置しなくても、安定した接点圧を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジが適用される画像形成装置の一例の概略構成断面図である。
【図2】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の主断面図である。
【図3】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の分解斜視図である。
【図4】本発明に係るプロセスカートリッジにおけるクリーニングユニットの一実施例の斜視図である。
【図5】本発明に係るプロセスカートリッジにおける現像ユニットの一実施例の分解斜視図である。
【図6】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の部分断面図である。
【図7】本発明に係るプロセスカートリッジにおける保持部材ユニットの組付け方法の一実施例を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係るプロセスカートリッジにおける保持部材ユニットの組付け方法の他の実施例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。
【0017】
実施例1
[画像形成装置の全体的な概略構成]
図1は、本発明に係るプロセスカートリッジが適用されるカラー電子写真画像形成装置の一実施例の概略構成断面図である。本実施例にて、カラー電子写真画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録材(記録媒体)Sにカラー画像形成を行う。本実施例のカラー電子写真画像形成装置100は、プロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジPを画像形成装置本体100Aに着脱可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成する。
【0018】
以下の説明において、画像形成装置本体(以下、「装置本体」という。)100Aとは、プロセスカートリッジPを除いた装置構成部分である。
【0019】
装置本体100Aには、複数の、本実施例では第1〜第4の4つのプロセスカートリッジP(PY、PM、PC、PK)を水平方向に並べて配設してある。このように、複数のプロセスカートリッジ(以下、「カートリッジ」という。)Pを水平方向に配置することで、画像形成装置の高さを抑えることができる。各カートリッジPは、互いに同様の電子写真プロセス機構を有しており、現像剤(以下、「トナー」という。)Tの色や、トナーTの充填量が各々異なる。カートリッジPには装置本体100Aから回転駆動力が伝達される。また、カートリッジPには装置本体100Aからバイアス(帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧等)が供給される(不図示)。
【0020】
図2に示すように、本実施例の各カートリッジPは、像担持体としてのドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有している。更に、カートリッジPは、この感光体ドラム1に作用する電子写真プロセス手段としての帯電ローラ2及びクリーニングブレード6を備えた電子写真クリーニングユニット(以下、「クリーニングユニット」という。)13を有している。また、各カートリッジPは、感光体ドラム1上の静電潜像を現像するための、現像手段を備えた現像ユニット4を有している。クリーニングユニット13と現像ユニット4は、互いに回動可能に結合されている。カートリッジPのより具体的な構成については後で説明する。
【0021】
図1にて、第1のカートリッジPYは、現像枠体18内にイエロー(Y)のトナーTを収容しており、感光体ドラム1の面にY色のトナー像を形成する。同様に、第2のカートリッジPMは、現像枠体18内にマゼンタ(M)のトナーTを収容し、第3のカートリッジPCは、現像枠体18内にシアン(C)のトナーTを収容し、第4のカートリッジPKは、現像枠体18内にブラック(K)のトナーTを収容しており、それぞれ感光体ドラム1の面に各色のトナー像を形成する。
【0022】
カートリッジP(PY、PM、PC、PK)の下方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが配設されている。このレーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Lを出力する。そして、レーザ光Lは、感光体ドラム1の面を走査露光する。
【0023】
カートリッジP(PY、PM、PC、PK)の上方には、一次転写部材としての中間転写ベルトユニット12が配設されている。この中間転写ベルトユニット12には、可撓性を有するエンドレスの転写ベルト5と、この転写ベルト5を張設して回動させる駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53を有する。各カートリッジPの感光体ドラム1は、その上面が転写ベルト5に接しており、その接触部N1が一次転写部である。転写ベルト5の内側には、感光体ドラム1に対向させて一次転写ローラ8を配設している。また、二次転写対向ローラ52に対向する位置には二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。転写ベルト5と二次転写ローラ9の接触部N2が二次転写部である。
【0024】
レーザスキャナユニットLBの下方には、給送ユニット31が配設されている。この給送ユニット31は、記録媒体Sを積載して収容したトレイ32、給送ローラ群33、等を有する。
【0025】
装置本体100A内の上方には、定着ユニット10が配設されている。装置本体100の上面100aは排出トレイとしている。
【0026】
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次の通りである。
【0027】
第1〜第4の各カートリッジP(PY、PM、PC、PK)の感光体ドラム1が矢印Aの方向に所定の速度で回転駆動される。転写ベルト5も矢印Bの方向(感光体ドラム回転に順方向)に感光体ドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニットLBも駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジPにおいて帯電ローラ2が感光体ドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニットLBは、各感光体ドラム1の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Lで走査露光する。これにより、各感光体ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、矢印Dの方向に所定の速度で回転駆動される現像ローラ17により現像される。
【0028】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYの感光体ドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成される。そして、そのトナー像が転写ベルト5上に一次転写される。
【0029】
同様に、第2のカートリッジPM、第3のカートリッジPC、第4のカートリッジPKのトナー像が転写ベルト5上に重畳され、4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。
【0030】
各カートリッジPにおいて、一次転写後に感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーは、クリーニングブレード6により除去される。
【0031】
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで二次転写ローラ9と転写ベルト5との当接部である二次転写ニップ部N2に導入される。これにより、記録媒体Sが該ニップ部N2を搬送されていく過程で、転写ベルト5上の4色重畳のトナー像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
【0032】
記録媒体Sは、転写ベルト5の面から分離されて定着ユニット10へ導入される。そして、定着ニップ部で加熱、加圧される。これにより、各色トナー像の記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは、定着ユニット10を出て、フルカラー画像形成物として装置本体の上面100aに排出される。
【0033】
[カートリッジの全体的な構成]
本実施例において、第1から第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、上述したように、同様の電子写真プロセス機構を有し、収容されているトナーの色やトナーの充填量が各々異なるものである。
【0034】
図3に示すように、カートリッジP(PY、PM、PC、PK)は、感光体ドラム1の回転軸線Xの方向を長手方向とする横長の組立体である。カートリッジPは、クリーニングユニット13と、現像ユニット4とを有する。
【0035】
図2に示すように、クリーニングユニット13は、クリーニング枠体14に、感光体ドラム1と、帯電ローラ2と、クリーニングブレード6を有している。
【0036】
感光体ドラム1は、図4に示すように、クリーニング枠体14の長手方向両側部に取り付けられた、ドラム軸受部材26(26R、26L)によって回転自在に支持されている。感光体ドラム1に、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達され、感光体ドラム1は、図1、図2において矢印A方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ2は感光体ドラム1に接触し従動回転する接触帯電方式の帯電部材である。また、クリーニング枠体14には、図2、図4に示すように、帯電ローラ支持部材15(15R、15L)が取り付けられている。
【0037】
ここで、帯電ローラ支持部材15(15R、15L)は、図2、図4に示すように、帯電ローラ2の回転中心と感光体ドラム1の回転中心とを通る線に沿って、図示矢印C方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2の回転軸2aは、帯電ローラ支持部材15(15R、15L)に回転可能に取り付けられている。そして、帯電ローラ支持部材15(15R、15L)は、加圧手段としての加圧部材16(16R、16L)により感光体ドラム1に向かって加圧される。
【0038】
図2に示すように、クリーニングブレード6は、弾性ゴムブレード(以下、「ゴムブレード」という。)6aと支持板金6bから構成されている。ゴムブレード6aの先端部6cは感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向に当接させて配設してある。クリーニングブレード6は、感光体ドラム1に残留したトナーを除去する役目をする。このクリーニングブレード6により感光体ドラム1の周面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内の除去トナー回収部14aに収容される。
【0039】
一方、現像ユニット4は、図2、図3、図5を参照すると、現像ユニット4内の各種要素を支持する枠体としての現像枠体18を有する。現像ユニット4には、感光体ドラム1と接触して図2に示す矢印D方向(反時計方向)に回転する現像ローラ17が設けられている。現像ローラ17は、金属軸17aと、導電性を有するゴム部17bにより形成される。本実施例では、現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部(接触部)において互いの表面が同方向(本実施例では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。図3、図5に示すように、現像ローラ17は、その回転軸方向の両端部において、現像側板19(19R、19L)を介して、回転可能に現像枠体18に支持されている。ここで、現像側板19(19R、19L)は、現像枠体18の両側部にそれぞれ取り付けられている。
【0040】
尚、本実施例では、現像ローラ17は、感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
【0041】
また、現像ユニット4には、図2に示す矢印E方向(反時計方向)に回転する現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ(以下、「供給ローラ」という。)20が配置されている。ここで、供給ローラ20は、現像ローラ17の周面上に接触する。本実施例では、供給ローラ20と現像ローラ17とは、対向部(接触部)において互いの表面が逆方向に移動するようにそれぞれ回転する。供給ローラ20は、現像ローラ17上にトナーを供給すると共に、現像に供されずに現像ローラ17上に残留したトナーを現像ローラ17上から剥ぎ取る作用をなす。また、現像ユニット4には、供給ローラ20によって現像ローラ17上に供給されたトナーの層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード21が配置されている。ここで、現像ブレード21は現像ローラ17の周面上に接触する。
【0042】
図2を参照すると、現像枠体18内に形成された現像剤収納室としてのトナー収納室18aには、現像剤として非磁性一成分現像剤、即ち、トナーTが収納されている。又、トナー収納室18a内には、現像枠体18に回転自在に支持されたトナー搬送部材22が設けられている。トナー搬送部材22は、トナー収納室18a内に収納されたトナーを撹拌すると共に、上記現像ローラ17や供給ローラ20が設けられた現像室18bへとトナーを搬送する。
【0043】
図3、図4に示すように、クリーニングユニット13に設けられた穴部14(14Rb、14Lb)と、現像側板19(19R、19L)に設けられた穴部19a(19Ra、19La)に結合軸23(23R、23L)が嵌合される。そして、現像ユニット4は、この結合軸23(23R、23L)を中心にして、クリーニングユニット13に回動可能に結合されている。画像形成時には、現像ユニット4は、加圧手段としての現像ユニット加圧バネ25(25R、25L)により加圧されて、結合軸23を中心に図2に示す矢印F方向に回動する。これによって、現像ローラ17が感光体ドラム1に当接する。
【0044】
画像形成装置内の電源(不図示)から現像ローラ17に所定のバイアスが印加される。これにより、現像ローラ17に搬送されたトナーは、現像ローラ17と感光体ドラム1の接触部である現像部において、感光体ドラム1表面に形成されている静電潜像に付着して潜像を現像する。
【0045】
[発明の主要部の説明]
次に、本発明のプロセスカートリッジPにおける、現像ユニット4に備えられる現像ローラ17にバイアス印加を行う手段、及び接点構成について詳しく説明する。
【0046】
図3、図5を参照すると、本実施例では、現像側板19(19R、19L)の中の一方の側板19Rに、現像側板19Rと同様の外形状とされる外周壁24aと、外周壁24aの一側に設けられた側壁24bとにて構成された保持部材24が取付けられる。保持部材24は、電気的に絶縁材料にて作製され、好ましくはプラスチックにて一体に作製される。保持部材24は、外周壁24aの端面を現像側板19Rの側面に当接することにより、或いは、一部嵌合することにより、現像側板19Rに取付けられる。更に、ねじ止め、或いは、溶着などが併用され、現像側板19Rに固定される。
【0047】
図6に示すように、保持部材24(図3、図5をも参照)には、給電部材29、付勢部材30、接点部材27が取り付けられている。本実施例において、給電部材29は導電性を有する樹脂部材、付勢部材30は金属製の線材からなる圧縮バネ、接点部材27は銅合金の金属板により形成されている。また、接点部材27は保持部材24の形成面に沿った形状をしている。この点は、後で更に説明する。
【0048】
プロセスカートリッジPに備えられる接点部材27が、装置本体100Aに備えられる本体電気接点11と接触し、所定の加圧力を受けてバイアスが印加される。印加されたバイアスは、付勢部材30と給電部材29を介して、現像ローラ17に供給される。なお、付勢部材30は、現像ローラ17を回転軸方向に付勢し、かつ回転駆動する現像ローラ17に安定したバイアス印加を行うために必要な加圧力を有する。給電部材29は、付勢部材30の付勢力により、現像ローラ17を押圧しながら、現像ローラ17の回転駆動により、現像ローラ17の金属軸17aと摺動する。
【0049】
ここで、接点部材27は、安定したバイアスを現像ローラ17へ供給するために、本体電気接点11より安定した接点圧を受けなければならない。そのため、接点部材27の本体電気接点11による接点圧を支持する必要がある。
【0050】
そこで、接点部材27は、図6及び図7に示すように、接点部材27の一部27aは、上述のように、保持部材24に形成された開口部24dに位置しており、本体電気接点11と接触する接点部27hを有する面を第1の面27aである。
【0051】
接点部材27は、第1の面27aから、本体電気接点11とは反対側、即ち、反接点側へと曲げられ、接点部材27に曲げ部27d、27eが形成される。
【0052】
これにより、接点部材27に、曲げ部27dの曲げによって形成される第2の面27bと、曲げ部27eによって形成される第3の面27fが形成される。更に、接点部材27は曲げ部27gによって第4の面27hが形成される。
【0053】
接点部材27の第2の面27bは、保持部材24に形成された保持壁24cに沿って位置しており、第2の面27bの端部を被規制部27cとする。また、第3の面27fは、開口部24dから保持部材24の内方へと延在し、次いで、第4の面27hは、保持部材24の側壁24bの内面に沿って位置している。
【0054】
更に、接点部材27の第4の面27hに穴部27i(図7参照)を設ける。穴部27iは、保持部材24の側壁内面に立設した突出部24eに嵌合される。
【0055】
このとき、接点部材27における付勢部材30との接触部で、付勢部材30の押圧力と保持部材24の反力が釣り合い、接点部材27は保持部材24に保持される。また、本体電気接点11による接点圧が接点部材27に働くと、被規制部27cが、保持壁24cに設けた規制部24fと接触し、本体電気接点11による接点圧方向における被規制部27cの移動が規制される。
【0056】
次に、接点部材27、付勢部材30、給電部材29の保持部材24への組み付け方法について説明する。
【0057】
図7に示すように、第1の面27a、及び第2の面27bが規制部24fを避けながら、穴部27iが保持部材24に設けた突出部24eに嵌合され、接点部材27が保持部材24に位置決めされる。続いて、付勢部材30を保持部材24の突出部24eに組み付け、その上から給電部材29を組み付ける。これにより、図5のように、接点部材27、付勢部材30、給電部材29、保持部材24が一体となった保持部材ユニット7が組み上がる。更に、保持部材ユニット7を現像枠体18に組み付けることで、給電部材29が現像ローラ17の金属軸17aに接触し、導通経路が完成する。
【0058】
以上説明したように、本体電気接点11による接点圧が接点部材27に働いても、保持部材24に設けた規制部24fによって接点部材27の移動が規制される。そのため、接点部27hの裏側に接点部材27の移動を規制する規制部材を配置しなくても、安定した接点圧を受けることができる。
【0059】
つまり、本発明によれば、接点部材が本体電気接点から接点圧を受けて、バイアスを印加する構成において、接点部材の裏側に、接点部材の移動を規制する規制部材を配置することが困難な場合においても、接点部材の移動を規制することが可能である。即ち、本発明によれば、保持部材に規制部を設けたことで、接点部材の接点圧による移動を規制できるので、接点部材の移動を規制するための規制部材を配置しなくても、安定した接点圧を受けることができる。
【0060】
実施例2
次に、図8を参照して本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1のものと同一、又は、それに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、実施例1の接点部材27と同様の構成とされる接点部材27Aが使用される。同じ構成及び作用をなす部分には同じ参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0061】
図8を参照すると、本実施例では、接点部材27Aに切り欠き部28e、及びガイド部(切り起こし部)28fを設けている点で、実施例1の接点部材27と異なる。
【0062】
本実施例においても、実施例1と同様に、接点部材27Aに被規制部27cを設けている。接点部材27A、付勢部材30、給電部材29の保持部材24への組み付け方法について説明する。
【0063】
図8に示すように、接点部材27Aを保持部材24に、図中の矢印方向へ組み付ける。ここで、切り欠き部28eは、組み付け時に、第1の面27aと第2の面27bの境界である曲げ部27dが規制部24fと接触しないように、第1の面27aの一部と第2の面27bの一部を切り欠いて形成される。ガイド部28fは、切り欠き部28eの第2の面27bの側の端部を被規制部27cの側に切り起こして形成される。このとき、接点部材27Aの切り欠き部28eが保持部材24の規制部24fを通過し、ガイド部28fと規制部24fの斜面どうしが当接しながら組み付けられ、被規制部27cが規制部24fを乗り越える。また、接点部材27Aに設けた穴部27iが、保持部材に設けた突出部24eに嵌合され、接点部材27Aが保持部材24に位置決めされる。つづいて、付勢部材30を保持部材24の突出部24eに組み付け、その上から給電部材29を組み付けることで、給電部材29が現像ローラ17の金属軸17aに接触し、導通経路が完成する。
【0064】
以上説明したように、接点部材27Aに切り欠き部28e、及びガイド部28fを設けたことにより、図8に示すように接点部材27Aを一方向(図中の矢印方向)に容易に組み付けられて、組立性が向上する。
【符号の説明】
【0065】
1 感光体ドラム(電子写真感光体)
4 現像ユニット(現像装置)
7 保持部材ユニット
11 本体電気接点
13 クリーニングユニット
14 クリーニング枠体
18 現像枠体
19 現像側板
24 保持部材
24e 突出部
24f 規制部
27、27A 接点部材
27a 第1の面
27b 第2の面
27c 被規制部
27i 穴部
27h 接点部
28e 切り欠き部
28f ガイド部
29 給電部材
30 付勢部材
P プロセスカートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体電気接点を有する画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
前記本体電気接点より加圧を受ける接点部材であって、前記本体電気接点による加圧を受ける接点部としての第1の面と、前記本体電気接点とは反対側に曲げた第2の面とを備えた接点部材と、
前記接点部材を保持する保持部材と、
前記第2の面の端部に設けられた被規制部と、
前記保持部材に設けられ、前記被規制部の移動を規制する規制部と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記接点部材は、前記第1の面と前記第2の面の境界である曲げ部が、前記規制部に接触しない切り欠き部を、前記第1の面の一部、及び前記第2の面の一部に有し、前記切り欠き部の前記第2の面の側の端部を前記被規制部の側に切り起こした切り起こし部を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61574(P2013−61574A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201208(P2011−201208)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】