説明

プロセスユニットおよび現像ユニット

【課題】感光体に対する現像ローラの押圧力を適正な値に保ちつつ、現像ユニットを感光体ユニットに強固に保持させることを目的とする。
【解決手段】プロセスユニットは、静電潜像が形成される感光体(感光ドラム61)を有する感光体ユニットと、感光体に接触して現像剤を供給する現像ローラ110と、当該現像ローラ110を回転可能に支持する現像フレーム120とを有し、感光体ユニットに着脱可能となる現像ユニット(現像カートリッジ100)と、現像ローラ110が感光体に圧接するように現像ユニットを押圧する第1押圧部材63と、第1押圧部材63による押圧力よりも小さい押圧力で、第1押圧部材63の押圧力に抗して現像ユニットを押圧する第2押圧部材200と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ユニットに着脱可能となる現像ユニットと、感光体ユニットおよび現像ユニットを備えるプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムを有する感光体ユニットと、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラを有する現像ユニットと、現像ローラが感光ドラムに圧接するように現像ユニットを押圧するコイルバネとを備えたプロセスユニットが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
具体的に、この技術では、感光体ユニットが上方に開口する箱状に形成されており、この箱状の感光体ユニットの一端に感光ドラムが設けられ、他端にコイルバネが設けられている。そのため、感光体ユニット内に現像ユニットを装着すると、コイルバネによって現像ローラが所定の押圧力で感光ドラムに圧接されるとともに、感光ドラムとコイルバネとの間で現像ユニットが保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−180987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した技術では、感光体ユニットに装着された現像ユニットに対して大きな力が加わった場合には、現像ユニットがぐらつくといった問題があった。この問題に対し、コイルバネの付勢力を強くすることで現像ユニットを感光体ユニットに強固に保持させることも考えられるが、この場合、感光ドラムに対する現像ローラの押圧力が高くなるので各ローラがスムーズに回転しなくなるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、感光ドラム(感光体)に対する現像ローラの押圧力を適正な値に保ちつつ、現像ユニットのぐらつきを抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係るプロセスユニットは、感光体を支持する感光体フレームと、前記感光体に接触する現像ローラを支持する現像フレームと、前記現像ローラが前記感光体に圧接するように押圧力を発生させる第1押圧部材と、前記第1押圧部材の押圧力に抗して前記第1押圧部材による押圧力よりも小さい押圧力を発生させる第2押圧部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る現像ユニットは、静電潜像が形成される感光体を有する感光体ユニットに着脱可能で、かつ、当該感光体ユニットに設けられる第1押圧部材によって前記感光体に向けて押圧される現像ユニットであって、前記感光体に接触して現像剤を供給する現像ローラと、前記現像ローラを回転可能に支持する現像フレームと、前記第1押圧部材によって押圧される被押圧部と、前記第1押圧部材による押圧力よりも小さい押圧力で、前記第1押圧部材の押圧力に抗して前記現像ユニットを押圧する第2押圧部材と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1押圧部材の押圧力を高めても、その押圧力を第2押圧部材の押圧力で相殺することができるので、感光体に対する現像ローラの押圧力を適正な値に保つことができる。また、第1押圧部材と第2押圧部材とで現像ユニット(現像フレームまたは現像ローラ)を強固に挟み込むことができるので、現像ユニットのぐらつきを抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、感光体に対する現像ローラの押圧力を適正な値に保ちつつ、現像ユニットのぐらつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カラープリンタの全体構成を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係るプロセスカートリッジの構造の詳細を示す斜視図である。
【図3】感光ドラム、現像カートリッジおよび第1押圧部材を示す側面図である。
【図4】第2押圧部材、軸受部材および現像ローラを示す分解斜視図である。
【図5】第2押圧部材、軸受部材および現像ローラを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図6】感光ドラム、揺動部材および現像ローラの関係を示す説明図であり、揺動部材を感光ドラムから離したときの状態を示す図(a)と、揺動部材と現像ローラを感光ドラムに接触させたときの状態を示す図(b)である。
【図7】第2押圧部材のコイルバネの変形状態を示す斜視図であり、揺動部材を感光ドラムから離したときの状態を示す図(a)と、揺動部材と現像ローラを感光ドラムに接触させたときの状態を示す図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタ(画像形成装置)の全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
【0013】
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0014】
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
【0015】
給紙部20は、用紙Pを収容する給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙搬送装置22とを備えている。
【0016】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、プロセスユニット50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを備えている。
【0017】
スキャナユニット40は、装置本体10内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。そして、スキャナユニット40では、レーザビームが図の2点鎖線で示す経路を通って、プロセスユニット50の各感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射される。
【0018】
プロセスユニット50は、装置本体10の前面に配置されたフロントカバー11を開放することによって形成される開口部10Aを通して、装置本体10に着脱可能となっている。プロセスユニット50は、感光体ユニットの一例としてのドロワ60と、ドロワ60に着脱可能に設けられる現像ユニットの一例としての4つの現像カートリッジ100とを備えている。
【0019】
ドロワ60は、感光体の一例としての4つの感光ドラム61を備える他、図示しない公知の帯電器などを備えている。
【0020】
現像カートリッジ100には、感光ドラム61に接触して現像剤の一例としてのトナーを供給する現像ローラ110が回転可能に設けられるとともに、公知のトナー収容室、供給ローラなどが適宜設けられている。
【0021】
転写ユニット70は、給紙部20とプロセスユニット50の間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0022】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム61に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム61との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム61に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
【0023】
定着ユニット80は、プロセスユニット50および転写ユニット70の後側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
【0024】
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ110によって現像カートリッジ100内のトナーが感光ドラム61上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム61上にトナー像が担持される。
【0025】
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム61と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム61上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0026】
排紙部90は、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラ91を備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ91によって搬送され、装置本体10の外部に排出される。
【0027】
<プロセスユニット50の構造の詳細>
次に、プロセスユニット50を構成するドロワ60および現像カートリッジ100の構造を詳細に説明する。
【0028】
ドロワ60は、前後に並んで配列された4つの感光ドラム61を回転可能に支持する感光体フレーム62と、現像カートリッジ100を感光ドラム61に向けて付勢する第1押圧部材63とを備えている。
【0029】
感光体フレーム62は、上下に開口した矩形の筒状に形成されており、その左右側壁の下部で各感光ドラム61を支持している。また、感光体フレーム62の前壁には、前方に向けて突出する取手部62Aが設けられている。これにより、ユーザが取手部62Aを掴んで、ドロワ60を前方に引き出すことが可能となっている。
【0030】
図2および図3に示すように、第1押圧部材63は、現像ローラ110が感光ドラム61に圧接するように現像カートリッジ100を後斜め下方に押圧する部材であり、現像カートリッジ100の前斜め上側の角部付近の左右両側(現像ローラ110の軸方向における両端側、詳しくは軸方向における中央に対して対称となる位置)に1つずつ設けられている。これにより、現像カートリッジ100を左右においてバランスよく押圧することができるので、現像ローラ110の感光ドラム61に対する押圧力を左右方向で均一化することが可能となっている。
【0031】
そして、左右一対の第1押圧部材63は、前後に配列される各現像カートリッジ100に対応してそれぞれ一対ずつ設けられている。なお、各一対の第1押圧部材63は、すべて同じ構造で構成されるので、以下の説明では、1つの現像カートリッジ100に対応した一対の第1押圧部材63について説明する。また、一対の第1押圧部材63は、左右対称な構造となるため、以下の説明では、左右の一方のみを説明し、他方の説明は省略することとする。
【0032】
第1押圧部材63は、感光体フレーム62に揺動可能に支持されるロック部材631と、ロック部材631を感光ドラム61(現像カートリッジ100)に向けて付勢するトーションバネ632とを備えている。そして、トーションバネ632で付勢されたロック部材631が、現像カートリッジ100の現像フレーム120に形成された被押圧部の一例としての係合突起121を押圧することで、現像カートリッジ100が感光ドラム61に向けて押圧されるようになっている。
【0033】
これに対し、現像カートリッジ100の感光ドラム61側の端部には、感光ドラム61に接触し、第1押圧部材63による押圧力よりも小さい押圧力で、第1押圧部材63の押圧力に抗して現像カートリッジ100を押圧する第2押圧部材200が設けられている。これにより、第1押圧部材63の押圧力を高めても、その高めた分の押圧力を第2押圧部材200の押圧力で相殺することができるので、感光ドラム61に対する現像ローラ110の押圧力を適正な値に保つことが可能となっている。また、第1押圧部材63と第2押圧部材200とで現像カートリッジ100を強固に挟み込むことができるので、現像カートリッジ100をドロワ60に強固に保持させることが可能となっている。
左右両側に配置されている第1押圧部材63および第2押圧部材200の押圧力は、現像カートリッジ100の重心の位置によって調整され、左右で変えてもよい。
【0034】
なお、図示は省略するが、感光体フレーム62の左右両側壁には、現像カートリッジ100を、図3の位置(感光ドラム61と第1押圧部材63との間)まで案内するとともに、図3の姿勢で保持する公知のガイド溝やガイドリブなどが形成されている。そして、ガイド溝等で保持された現像カートリッジ100は、第1押圧部材63と感光ドラム61(第2押圧部材200)との間で挟み込まれることで、感光体フレーム62に強固に保持されるようになっている。
【0035】
そして、第2押圧部材200は、現像ローラ110の左右両端部(軸方向における両端部、詳しくは軸方向の中央に対して対称となる位置)に1つずつ設けられている。これにより、感光ドラム61に対する現像ローラ110の押圧力を軸方向においてバランスよく適正化することが可能となっている。
【0036】
そして、左右一対の第2押圧部材200は、各現像カートリッジ100にそれぞれ一対ずつ設けられている。なお、各一対の第2押圧部材200は、すべて同じ構造で構成されるので、以下の説明では、1つの現像カートリッジ100に設けられた一対の第2押圧部材200について説明する。また、左右一対の第2押圧部材200は、左右対称な構造となるため、以下の説明では、左右の一方のみを説明し、他方の説明は省略することとする。
【0037】
第2押圧部材200は、図4および図5に示すように、接触部材の一例としての揺動部材210と、付勢部材の一例としてのコイルバネ220とを備えている。
【0038】
揺動部材210は、下方に向かうにつれて広がる略扇形状に形成された本体部230と、感光ドラム61の外周面に接触する接触部240とを有している。
【0039】
本体部230には、その上部に円状の係合孔231が形成されるとともに、その下部に円弧状に延びる長孔232が形成されている。係合孔231には、後述する軸受部材300に設けられた回動軸310が入り込んで係合するようになっており、これにより、本体部230が回動軸310を中心にして揺動可能となっている。
【0040】
詳しくは、本体部230は、その下端部が第1押圧部材63の押圧方向に揺動可能(移動可能)となるように、回動軸310に回動可能に支持されている。言い換えると、本体部230は、軸受部材300を介して間接的に現像フレーム120に回動可能に支持されている。
【0041】
ここで、軸受部材300は、現像ローラ110の回転軸111を回転可能に支持するものであり、現像フレーム120(図3参照)に固定されている。言い換えると、現像ローラ110や本体部230は、軸受部材300を介して現像フレーム120に支持されている。
【0042】
長孔232は、現像ローラ110の回転軸111が挿通される孔であり、図6(a),(b)に示すように、回転軸111の直径と略同じ幅で形成されることで、回転軸111に接触するようになっている。そして、この長孔232は、本体部230の揺動方向に沿って延びるように、軸受部材300の回動軸310を中心とする円弧状に形成されている。これにより、揺動部材210が揺動する際に、長孔232の内面が現像ローラ110の回転軸111で常に支持されるので、揺動部材210を安定して揺動させることが可能となっている。
【0043】
また、長孔232の接触部240とは反対側の端部は、長孔232よりも幅狭のスリット233によって外部に開放されるようになっている。これにより、現像ローラ110の回転軸111に対して径方向から揺動部材210を取り付けることが可能となり、現像ローラ110の組み付け後に揺動部材210を組み付けることができるため、組み付けが容易となる。
【0044】
接触部240は、本体部230の感光ドラム61側の端縁から左右方向内側に向けて突出するように形成されており、本体部230の揺動に伴って第1押圧部材63の押圧方向に移動可能となっている。接触部240は、感光ドラム61に押圧された状態の現像ローラ110の外周面形状に略合致する形状に形成されている。そのため、現像ローラ110および接触部240から感光ドラム61に対して加わる圧力を軸方向で一定にすることができるので、感光ドラム61をスムーズに回転させることが可能となっている。
【0045】
図7(a),(b)に示すように、コイルバネ220は、揺動部材210の接触部240と軸受部材300に形成された平面状の接地面320との間に、自然長の状態もしくは自然長から縮められた状態で配置されている。言い換えると、コイルバネ220は、その一端が揺動部材210に支持され、他端が軸受部材300を介して現像フレーム120に支持されているので、揺動部材210と現像フレーム120との間に設けられている。なお、コイルバネ220は、接触部240および接地面320の一方に固定されていればよい。
【0046】
そして、コイルバネ220は、現像カートリッジ100をドロワ60に装着する前の状態(図7(a)の状態)よりも、装着した状態(図7(b)の状態)において接触部240と接地面320との間で縮められることで、現像カートリッジ100を第1押圧部材63の押圧力に抗して付勢するようになっている。ここで、図7においては、コイルバネ220を簡略的に図示しており、コイルバネ220を示す複数の線の間隔を変えることで伸縮を表現している。
【0047】
また、コイルバネ220は、現像カートリッジ100をドロワ60から取り外した状態(ドロワ60に組み付ける前の状態、より具体的には接触部240を感光ドラム61から離した状態)においては、接触部240を装着時の位置よりも感光ドラム61側に移動させた位置で保持するようになっている。これにより、図6(a)に示すように、現像カートリッジ100をドロワ60から取り外した状態においては、接触部240が現像ローラ110よりも感光ドラム61側(径方向外側)に突出するようになっている。
【0048】
これにより、現像カートリッジ100をドロワ60から取り外した状態において接触部が現像ローラと面一となる形態に比べ、接触部240のストロークを大きくすることができるので、コイルバネ220の変形量を大きくすることができ、第2押圧部材200から発生する押圧力を安定させることが可能となっている。
【0049】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
第1押圧部材63の押圧力の増加分を第2押圧部材200の押圧力で相殺することで、感光ドラム61に対する現像ローラ110の押圧力を適正な値に保つことができる。また、第1押圧部材63と第2押圧部材200とで現像カートリッジ100を強固に挟み込むことで、現像カートリッジ100のぐらつきを抑えることができる。
【0050】
第2押圧部材200を揺動部材210とコイルバネ220とで構成したので、例えば第2押圧部材をバネだけで構成する形態に比べ、感光ドラム61に接触する揺動部材210の形状を自由に決めることができる。これにより、本実施形態のように、揺動部材210の接触部240の形状を現像ローラ110の外周面形状と略同じ形状にすることができるので、感光ドラム61をスムーズに回転させることができる。
【0051】
コイルバネ220を揺動部材210と軸受部材300との間に配置したので、コイルバネを現像ローラの回転軸に接触させる形態に比べ、現像ローラ110の回転軸111との摺接によるコイルバネ220の磨耗を抑えることができる。
【0052】
現像カートリッジ100をドロワ60から外した状態において、接触部240が現像ローラ110よりも感光ドラム61側に突出するので、接触部240のストロークを大きくすることができ、第2押圧部材200から発生する押圧力を安定させることができる。
【0053】
揺動部材210が揺動する際には、長孔232の内面が現像ローラ110の回転軸111で常に支持されるので、揺動部材210を安定して揺動させることができる。
【0054】
揺動部材210(接触部材)を現像カートリッジ100に対して回動可能に設けたので、接触部材を直線方向にスライドする構成(接触部材をガイドするガイド面が小さく、接触部材がスライド中に傾いてガイド面に引っ掛かり易い構造)に比べ、揺動部材210を滑らかに動作させることができる。
【0055】
第2押圧部材200が現像ローラ110の軸方向における両端部に設けられているので、感光ドラム61に対する現像ローラ110の押圧力を軸方向においてバランスよく適正化することができる。
【0056】
第1押圧部材63は、感光体フレーム62の左右両側(現像ローラ110の軸方向両側)に設けられているので、軸方向における現像ローラ110の押圧力の偏りを防止することができる。
【0057】
左右対称に配置された左右一対の第1押圧部材63および左右一対の第2押圧部材200の4箇所で現像カートリッジ100を押圧しているので、現像カートリッジ100をバランス良く押圧することができる。
【0058】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、感光体ユニットの一例として複数の感光ドラム61をまとめて支持するとともに複数の現像カートリッジ100が着脱可能となる1つのドロワ60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、感光体ユニットは、1つの感光ドラムのみを有するとともに、1つの現像ユニットのみが着脱可能となる1つのドラムカートリッジであってもよい。
【0059】
前記実施形態では、現像ユニットの一例として現像ローラ110とトナー収容室とを一体に備える現像カートリッジ100を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、トナー収容室を有するトナーカートリッジと、現像ローラを有する現像器とが別々に構成される場合には、現像ユニットは現像器であってもよい。
【0060】
前記実施形態では、感光体ユニットに対して現像ユニットを着脱可能としたが、本発明はこれに限定されず、ドライバーなどの道具を用いなければ感光体ユニットに対して現像ユニットを外せない構造に本発明を適用してもよい。
【0061】
前記実施形態では、感光体の一例として感光ドラム61を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体であってもよい。
【0062】
前記実施形態では、第1押圧部材や第2押圧部材を2部品で構成したが、本発明はこれに限定されず、例えばコイルバネや板バネのみで構成してもよい。また、第1押圧部材を前記実施形態とは逆に現像ユニットに設けてもよいし、第2押圧部材を前記実施形態とは逆に感光体ユニットに設けてもよい。
【0063】
前記実施形態では、第1押圧部材を現像ローラの軸方向両端側に1つずつ設けたが、本発明はこれに限定されず、例えば軸方向中央部に1つだけ設けてもよいし、軸方向にバランスよく(軸方向中央に対して対称となるように)3つ以上設けてもよい。また、第2押圧部材の位置・数も、前記実施形態に限定されず、例えば軸方向の一端側に1つだけ設けてもよいし、軸方向の両端側に2つずつ設けてもよい。
【0064】
前記実施形態では、接触部材の一例として揺動可能な揺動部材210を例示したが、本発明はこれに限定されず、接触部材は、例えば直線的に移動可能なスライド部材などであってもよい。また、前記実施形態では、接触部材を軸受部材で支持したが、本発明はこれに限定されず、例えば現像フレームで直接支持してもよい。
【0065】
前記実施形態では、付勢部材の一例としてコイルバネ220を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばトーションバネや板バネなどであってもよい。また、前記実施形態では、付勢部材を接触部材と軸受部材(現像フレーム)との間に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば接触部材と現像ローラ(回転軸)との間に配置してもよい。
【0066】
前記実施形態では、揺動部材210に現像ローラ110の軸方向に貫通する円弧状の長孔232を設け、この長孔232に現像ローラ110の回転軸111を通したが、本発明はこれに限定されず、例えば揺動部材210に軸方向に貫通しない円弧状(前記実施形態の長孔232と同形状)の溝を設け、この溝に現像ローラの回転軸の端部を係合させてもよい。この場合であっても、現像ローラの回転軸で常に溝が支持されるので、揺動部材210を安定して揺動させることができる。
【符号の説明】
【0067】
50 プロセスユニット
60 ドロワ
61 感光ドラム
62 感光体フレーム
63 第1押圧部材
100 現像カートリッジ
110 現像ローラ
120 現像フレーム
200 第2押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を支持する感光体フレームと、
前記感光体に接触する現像ローラを支持する現像フレームと、
前記現像ローラが前記感光体に圧接するように押圧力を発生させる第1押圧部材と、
前記第1押圧部材の押圧力に抗して前記第1押圧部材による押圧力よりも小さい押圧力を発生させる第2押圧部材と、を備えることを特徴とするプロセスユニット。
【請求項2】
前記第2押圧部材は、
前記感光体の外周面に接触し、かつ、前記第1押圧部材の押圧方向に移動可能となるように前記現像フレームに支持される接触部材と、
前記接触部材と前記現像ローラまたは前記現像フレームとの間に配置され、前記現像ローラを前記第1押圧部材の押圧力に抗して付勢する付勢部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記現像フレームには、前記現像ローラの回転軸を回転可能に支持する軸受部材が設けられ、
前記付勢部材は、前記接触部材と前記軸受部材との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記接触部材は、前記現像フレームが前記感光体フレームに組み付けられる前の状態において、前記現像ローラよりも径方向外側に突出していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記接触部材は、前記現像ローラの回転軸が係合する孔または溝を有し、
前記孔または前記溝が、前記現像ローラの回転軸に接触するとともに、前記接触部材の移動方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記接触部材は、前記現像フレームに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記第2押圧部材は、前記現像ローラの軸方向における両端部に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記第1押圧部材は、前記感光体フレームの前記現像ローラの軸方向における両端側に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のプロセスユニット。
【請求項9】
静電潜像が形成される感光体を有する感光体ユニットに着脱可能で、かつ、当該感光体ユニットに設けられる第1押圧部材によって前記感光体に向けて押圧される現像ユニットであって、
前記感光体に接触して現像剤を供給する現像ローラと、
前記現像ローラを回転可能に支持する現像フレームと、
前記第1押圧部材によって押圧される被押圧部と、
前記第1押圧部材による押圧力よりも小さい押圧力で、前記第1押圧部材の押圧力に抗して前記現像ユニットを押圧する第2押圧部材と、を備えることを特徴とする現像ユニット。
【請求項10】
前記第2押圧部材は、
前記感光体の外周面に接触し、かつ、前記第1押圧部材の押圧方向に移動可能となるように前記現像ユニットに支持される接触部材と、
前記接触部材と前記現像ユニットとの間に配置され、前記現像ユニットを前記第1押圧部材の押圧力に抗して付勢する付勢部材とを備えることを特徴とする請求項9に記載の現像ユニット。
【請求項11】
前記現像フレームには、前記現像ローラの回転軸を回転可能に支持する軸受部材が設けられ、
前記付勢部材は、前記接触部材と前記軸受部材との間に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の現像ユニット。
【請求項12】
前記接触部材は、前記現像ユニットが前記感光体ユニットから外された状態において、前記現像ローラよりも径方向外側に突出していることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の現像ユニット。
【請求項13】
前記接触部材は、前記現像ローラの回転軸が係合する孔または溝を有し、
前記孔または前記溝が、前記現像ローラの回転軸に接触するとともに、前記接触部材の移動方向に沿って延びるように形成されていることを特徴とする請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項14】
前記接触部材は、前記現像ユニットに回動可能に設けられていることを特徴とする請求項10〜請求項13のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項15】
前記第2押圧部材は、前記現像ローラの軸方向における両端部に設けられていることを特徴とする請求項9〜請求項14のいずれか1項に記載の現像ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92806(P2013−92806A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−29255(P2013−29255)
【出願日】平成25年2月18日(2013.2.18)
【分割の表示】特願2010−288711(P2010−288711)の分割
【原出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】