説明

プロセスユニットおよび画像形成装置

【課題】感光ドラムの素管を安定して支持することができ、素管を精度よく回転させることができるプロセスユニット、および、このプロセスユニットを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置される1対の内側板32間に、各色の感光ドラム12を一体的に保持するプロセスユニット9において、内側板32に相対回転不能に支持される軸受部材36を、感光ドラム12のドラム本体の左右方向端部より左右方向内側において、感光ドラム12のフランジ部材42に相対回転可能に嵌合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に装着されるプロセスユニット、および、このプロセスユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーに対応して並列配置される複数の感光体を備えるタンデム型カラープリンタが知られている。
【0003】
例えば、4つの感光ドラムを一体的に保持するドラムユニットを、本体ケーシングに対して着脱可能に備えるカラープリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このドラムユニットは、各感光ドラムと、各感光ドラムを左右方向(軸方向)両側から挟む1対の第1側板とを備えている。
【0005】
各感光ドラムの左右方向両端部には、フランジ部材が相対回転不能に嵌合されており、各感光ドラムは、フランジ部材に外嵌される軸受部材を介して、両第1側板のドラム保持孔に回転可能に保持されている。
【0006】
そして、各感光ドラムには、左側のフランジ部材の左端部から、本体ケーシングからの駆動力が入力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−210630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、上記した特許文献1では、フランジ部材は、左右方向内側端部において、感光ドラムのドラム本体に挿入されており、左右方向外側端部において、軸受部材を介して両第1側板のドラム保持孔に回転可能に保持されている。
【0009】
つまり、フランジ部材において、軸受部材に支持される左右方向外側端部と、ドラム本体に挿入される左右方向内側端部とが、左右方向に隔接している。
【0010】
そのため、例えば、感光ドラムのドラム本体が現像ローラなどに押圧されると、フランジ部材の左右方向内側端部が、左右方向外側端部に対して、現像ローラの感光ドラムに対する押圧方向下流側に撓み、ドラム本体の軸線がフランジ部材の軸線に対して押圧方向下流側にずれる場合がある。
【0011】
ドラム本体の軸線がフランジ部材の軸線に対してずれると、ドラム本体を精度良く回転させることが困難となる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、感光ドラムの素管を安定して支持することができ、素管を精度よく回転させることができるプロセスユニット、および、このプロセスユニットを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するため、第1の発明は、プロセスユニットであって、感光ドラムと、前記感光ドラムの軸線方向端部に対して対向配置される側板と、前記感光ドラムの前記軸線方向端部を相対回転可能に支持するとともに、前記側板に相対回転不能に支持される軸受部材とを備え、前記感光ドラムは、前記軸線方向に延びる素管と前記素管の前記軸線方向端部に相対回転不能に設けられる被嵌合部材とを備え、前記軸受部材は、前記素管の前記軸線方向端部より前記軸線方向内側において、前記被嵌合部材に相対回転可能に嵌合されていることを特徴としている。
【0014】
また、第2の発明は、画像形成装置であって、上記したプロセスユニットを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
第1の発明によれば、各軸受部材は、素管の軸線方向端部より軸線方向内側において、各被嵌合部材に相対回転可能に嵌合されている。
【0016】
そのため、例えば、感光ドラムが現像ローラなどに押圧されたときでも、各軸受部材の素管に嵌合されている部分により、素管の軸線方向両端部を安定して支持することができる。
【0017】
その結果、感光ドラムが現像ローラなどに押圧されたときでも、各被嵌合部材が撓むことを防止することができ、素管を精度よく回転させることができる。
【0018】
また、第2の発明によれば、上記したプロセスユニットを備えているため、感光ドラムの素管を精度よく回転させることができ、安定した画像形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットの前上側から見た斜視図である。
【図3】図1に示すプロセスユニットであって、外側板を取り外した状態の右側面図である。
【図4】図3に示すプロセスユニットのA−A断面図である。
【図5】図4に示す左右の軸受部材を示し、(a)は、右軸受部材の右側から見た斜視図であり、(b)は、左軸受部材の左側から見た斜視図である。
【図6】第2実施形態におけるプロセスユニット要部断面図を示す。
【図7】図6に示す右軸受部材の右側から見た斜視図である。
【図8】第3実施形態におけるプロセスユニットの要部断面図を示す。
【図9】図8に示す左右の軸受部材を示し、(a)は、右軸受部材の右側から見た斜視図であり、(b)は、左軸受部材の右側から見た斜視図である。
【図10】軸受部材の変形例を説明するための説明図であって、(a)は、延長部を有していない左軸受部材を示し、(b)は、鍔部が厚く形成された左軸受部材を示し、(c)は、鍔部の左側にリブが設けられた左軸受部材を示し、(d)は、鍔部の右側にリブが設けられた左軸受部材を示し、(e)は、内側板と一体的に形成された左軸受部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。カラープリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、本体ケーシング2の内部空間を開放するためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
【0021】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、本体ケーシング2内の底部において、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。
【0022】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、給紙トレイ6の前端部上側に配置される1対のレジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム12(後述)と搬送ベルト18(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、プロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム12(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム12(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側であって、転写ユニット10の上側に配置されており、ドラムユニット24および現像ユニット14を備えている。
【0023】
ドラムユニット24は、感光ドラム12と、スコロトロン型帯電器13と、クリーニング部材の一例としてのドラムクリーニングローラ25とを備えている。
【0024】
感光ドラム12は、左右に延びる略円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられ、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。
【0025】
スコロトロン型帯電器13は、各感光ドラム12に対応するように、感光ドラム12の後上側に、感光ドラム12と間隔を隔てて対向配置されている。
【0026】
ドラムクリーニングローラ25は、各感光ドラム12に対応するように、感光ドラム12の後下側に、感光ドラム12と対向して接触するように配置されている。
【0027】
現像ユニット14は、各感光ドラム12に対応するように、感光ドラム12の上側に配置されている。また、各現像ユニット14は、それぞれ、押圧部材および現像剤担持体の一例としての現像ローラ15を備えている。
【0028】
現像ローラ15は、現像ユニット14の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム12を前上側から押圧するように、感光ドラム12に対して前上側から対向し、接触されている。
【0029】
現像ユニット14には、現像ローラ15の上側の空間において、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像ユニット14内のトナーは、現像ローラ15の回転に伴って、現像ローラ15の表面に担持される。
【0030】
一方、感光ドラム12の表面は、感光ドラム12の回転に伴って、スコロトロン型帯電器13により一様に帯電された後、スキャナユニット8からのレーザービーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム12の表面に形成される。
【0031】
感光ドラム12がさらに回転すると、現像ローラ15の表面に担持されているトナーが、感光ドラム12の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム12の静電潜像は可視像化され、感光ドラム12の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット9の下側において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット10は、駆動ローラ16および従動ローラ17と、搬送ベルト18と、4つの転写ローラ19とを備えている。
【0032】
駆動ローラ16および従動ローラ17は、互いに前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0033】
搬送ベルト18は、各感光ドラム12に対して下側から対向され、その上側部分が各感光ドラム12と接触するように、駆動ローラ16および従動ローラ17の周りに掛け渡されている。また、搬送ベルト18は、駆動ローラ16の駆動により、各感光ドラム12と接触する搬送ベルト18の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0034】
各転写ローラ19は、搬送ベルト18の上側部分を挟んで各感光ドラム12に対向するように設けられている。
【0035】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト18によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム12と各転写ローラ19とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム12に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
【0036】
なお、感光ドラム12から用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム12の外周面上にトナーが残留する場合がある。その場合、この残留した廃トナーは、感光ドラム12の回転により、ドラムクリーニングローラ25と対向したときに、ドラムクリーニングローラ25に印加されるクリーニングバイアスによって、ドラムクリーニングローラ25の外周面に転写され、ドラムクリーニングローラ25に保持される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、搬送ベルト18の後上側に配置され、加熱ローラ20、および、加熱ローラ20に圧接される加圧ローラ21を備えている。
【0037】
転写ユニット10において用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ20と加圧ローラ21との間を通過するときに、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ22によって、図示しないUターンパスを通過するように搬送され、スキャナユニット8の上側に形成される排紙トレイ23上に排紙される。
2.ドラムユニットの詳細
図2および図3に示すように、ドラムユニット24は、枠体31と、各感光ドラム12と、4対の軸受部材36と、4つのドラムサブユニット30とを備えている。
(1)枠体
枠体31は、1対の側板の一例としての内側板32、1対の外側板33、フロントビーム34およびリヤビーム35を備えている。
【0038】
なお、以下の説明において、両内側板32の左右方向に言及する場合には、右側の内側板32を右内側板32Rとし、左側の内側板32を左内側板32Lとする。
【0039】
両内側板32は、図3に示すように、同一のプレス型を用いた金属板のプレス加工によって、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。また、両内側板32は、各感光ドラム12の左右方向両端部に対して、それぞれ対向配置されている。詳しくは、両内側板32は、左右方向に投影したときに各ドラム支持穴37(後述)がそれぞれ一致するように、各感光ドラム12を挟んで左右方向に互いに対向配置されている。
【0040】
両内側板32には、それぞれ、ドラム支持穴37と、上下1対の軸受係止部38と、ガイドリブ嵌合部39と、クリーニング電極露出穴28とが形成されている。
【0041】
ドラム支持穴37は、側面視略円形状に形成され、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ直列配置されている。
【0042】
両軸受係止部38は、ドラム支持穴37を上下方向に挟むように、内側板32の上端縁および下端縁に4対形成されている。
【0043】
上側の軸受係止部38は、ドラム支持穴37の上側において、内側板32の上端縁から下方へ向かって、ドラム支持穴37の上端縁の上側まで切り欠かれ、側面視略矩形状に形成されている。
【0044】
下側の軸受係止部38は、ドラム支持穴37の下側において、内側板32の下端縁から上方へ向かって、ドラム支持穴37の下端縁の下側まで切り欠かれ、側面視略矩形状に形成されている。
【0045】
ガイドリブ嵌合部39は、ドラム支持穴37の前上側において、内側板32の上端縁から下方へ向かって、内側板32の上下方向略中央まで切り欠かれ、側面視略V字形状に形成されている。
【0046】
クリーニング電極露出穴28は、ドラム支持穴37の後側において、内側板32を左右方向に貫通するように、側面視略矩形状に形成されている。
【0047】
両外側板33は、図2に示すように、上下方向において内側板32よりも幅広、かつ、前後方向において内側板32とほぼ同じ長さを有する側面視略矩形状に形成されている。両外側板33は、両内側板32に対して左右方向外側から接触されるように、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0048】
また、両外側板33には、それぞれ、現像ローラ15の左右方向端部を案内する前後1対のガイドリブ40が4対形成されている。
【0049】
1対のガイドリブ40は、上下方向に延び、外側板33の左右方向内面から左右方向内側へ突出する突条であり、前後方向に互いに間隔を隔てて配置されている。また、1対のガイドリブ40の下端部は、現像ローラ15の回転軸の直径よりもわずかに長い間隔を隔てて対向するとともに、後下側へ向かって延びており、内側板32のガイドリブ嵌合部39に上側から嵌合されている。
【0050】
フロントビーム34は、両内側板32の前端部間に架設されている。
【0051】
リヤビーム35は、両内側板32の後端部間に架設されている。
(2)感光ドラム
各感光ドラム12は、図4に示すように、素管の一例としての金属素管41と、1対の被嵌合部材の一例としてのフランジ部材42とを備えている。
【0052】
なお、以下の説明において、両フランジ部材42の左右方向に言及する場合には、右側のフランジ部材42を右フランジ部材42Rとし、左側のフランジ部材42を左フランジ部材42Lとする。
【0053】
金属素管41は、左右に延びる略円筒形状に形成されている。
【0054】
両フランジ部材42は、それぞれ、金属素管41の左右方向端部に相対回転不能に嵌合されている。両フランジ部材42は、それぞれ、金属素管41内に挿入されるドラム嵌合部43と、軸受部材36に支持される軸受嵌合部44とを備えている。
【0055】
ドラム嵌合部43は、金属素管41の内径と略同径の略円柱形状に形成されている。また、ドラム嵌合部43には、軸受部材36(後述)の筒部51(後述)の左右方向内側端部を受け入れる凹部45が形成されている。
【0056】
凹部45は、ドラム嵌合部43の左右方向外面から左右方向内側へ凹む凹溝として、ドラム嵌合部43と中心軸線を共有するように、軸受嵌合部44よりもわずかに大径な側面視略円環形状に形成されている。
【0057】
凹部45の溝幅(径方向長さ)は、軸受部材36(後述)の筒部51(後述)の筒壁の厚み(径方向長さ)よりも長く形成されている。
【0058】
軸受嵌合部44は、内側板32のドラム支持穴37の内径よりも小径な略円筒形状に形成され、ドラム嵌合部43と中心軸線を共有するようにドラム嵌合部43から左右方向外側へ突出されている。
【0059】
なお、右フランジ部材42Rの軸受嵌合部44は、右端部が開放される略円筒形状に形成されている。
【0060】
また、左フランジ部材42Lの軸受嵌合部44は、左端部が閉鎖される略円柱形状に形成されている。左フランジ部材42Lの軸受嵌合部44の左端部には、本体ケーシング2内のカップリング雄部材(図示せず)の嵌合突起(図示せず)が嵌合されるカップリング嵌合穴(図示せず)が形成されている。
(3)軸受部材
各軸受部材36は、両内側板32に相対回転不能に支持され、感光ドラム12の左右両端部を相対回転可能に支持している。
【0061】
なお、以下の説明において、両軸受部材36の左右方向に言及する場合には、右側の軸受部材36を右軸受部材36Rとし、左側の軸受部材36を左軸受部材36Lとする。
【0062】
軸受部材36は、図4および図5に示すように、筒部51と鍔部52とを一体的に備えている。
【0063】
筒部51は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。筒部51の外径は、内側板32のドラム支持穴37の内径よりわずかに小径である。また、筒部51の内径は、フランジ部材42の軸受嵌合部44より大径である。筒部51には、フランジ部材42の軸受嵌合部44が遊嵌される。
【0064】
なお、右軸受部材36Rの筒部51は、左端部が開放され、右端部が側壁により閉鎖された略円筒形状に形成されている。また、左軸受部材36Lの筒部51は、左右方向両端部が開放された略円筒形状に形成されている。
【0065】
鍔部52は、筒部51の左右方向外側端部(右軸受部材36Rの筒部51の右端部、左軸受部材36Lの筒部51の左端部)の外周面から径方向外側に突出する略円環形状に形成されている。また、鍔部52には、1対の係止部53と、延長部54とが設けられている。
【0066】
係止部53は、軸受部材36が内側板32に組み付けられたときに、鍔部52の上下方向両端部に1つずつ配置されるように、鍔部52の径方向両端部に1つずつ設けられ、略L字形に屈曲された平板形状に形成されている。詳しくは、両係止部53は、それぞれ、鍔部52の径方向両端縁から径方向外側に延び、その径方向外側端部において左右方向内側へ屈曲されている。
【0067】
延長部54は、鍔部52の径方向端部から径方向外側へ延びる側面視略台形状に形成され、軸受部材36が内側板32に組み付けられたときに、鍔部52の前上側端部から前上側へ向かって延びるように、配置されている。
【0068】
そして、軸受部材36は、筒部51がドラム支持穴37に挿通され、両係止部53が両軸受係止部38にそれぞれ係止されるように、左右方向外側から内側板32に取り付けられている。
【0069】
また、軸受部材36の筒部51には、フランジ部材42の軸受嵌合部44が、相対回転可能に内嵌されている。
(4)ドラムサブユニット
ドラムサブユニット30は、図2に示すように、両内側板32間において、フロントビーム34とリヤビーム35との間に、各感光ドラム12の後側に配置されるように、前後方向に互いに等間隔を隔てて4つ並列配置されている。
【0070】
各ドラムサブユニット30は、左右に延びる略三角柱形状に形成されている。各ドラムサブユニット30には、左右方向に沿って、スコロトロン型帯電器13およびドラムクリーニングローラ25が保持されている。
【0071】
また、各ドラムサブユニット30の右端部には、ドラムクリーニングローラ25に電気的に接続される電極の一例としてのクリーニング電極29が設けられている。
【0072】
クリーニング電極29は、屈曲された略平板形状に形成されており、内側板32のクリーニング電極露出穴28を介して、内側板32よりも左右方向外側へ露出されている。
(5)ドラムユニットの組み立て
次いで、図4および図5を参照して、ドラムユニット24の組み立てを説明する。
【0073】
ドラムユニット24を組み立てるには、まず、両内側板32間にドラムサブユニット30、フロントビーム34およびリヤビーム35を取り付ける。
【0074】
各ドラムサブユニット30を取り付けるには、各ドラムサブユニット30を、所定の位置において、両内側板32間に組み付け、ねじ止めなどの方法により、両内側板32に取り付ける。
【0075】
同時に、フロントビーム34を両内側板32間に組み付けるとともに、リヤビーム35を両内側板32間に組み付ける。
【0076】
次いで、ドラムユニット24を組み立てるには、各感光ドラム12を両内側板32間に支持する。
【0077】
感光ドラム12を内側板32に組み付けるには、フランジ部材42の軸受嵌合部44を内側板32のドラム支持穴37に左右方向内側から挿通した状態で、フランジ部材42に軸受部材36を取り付ける。
【0078】
フランジ部材42に軸受部材36を取り付けるには、まず、筒部51の左右方向内側端部がフランジ部材42の軸受嵌合部44の左右方向外側端部に対向されるように、軸受部材36を内側板32の左右方向外側に位置決めする。そして、軸受嵌合部44を軸受部材36の筒部51内に挿入するとともに、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部(右軸受部材36Rの筒部51の左端部、左軸受部材36Lの筒部51の右端部)をドラム嵌合部43の凹部45に嵌合させる。
【0079】
これにより、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部は、金属素管41の左右方向両端部よりも左右方向内側において、フランジ部材42の凹部45に相対回転可能に嵌合される。すなわち、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部は、凹部45に嵌合される凸部として機能する。
【0080】
このとき、筒部51の内周面は、フランジ部材42の軸受嵌合部44の外周面に対してわずかに間隔を隔てて対向されている。つまり、フランジ部材42は、ドラム嵌合部43において、軸受部材36に相対回転可能に支持されている。
【0081】
そして、軸受部材36の延長部54が前上側へ向かうように、軸受部材36の両係止部53を、内側板32の両軸受係止部38に係止する。すると、軸受部材36が内側板32に対して相対回転不能に取り付けられ、感光ドラム12の内側板32への組み付けが完了する。
【0082】
このとき、軸受部材36は、筒部51の左右方向内側端部において、内側板32に支持されている。すなわち、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部は、内側板32に支持される被支持部として機能する。また、軸受部材36の鍔部52の左右方向内面は、右内側板32Rの左右方向外面に当接されている。
【0083】
そして、すべての感光ドラム12を両内側板32に組み付けた後、両外側板33を、両内側板32を挟むように、両内側板32に対して左右方向外側から組み付け、フロントビーム34およびリヤビーム35と、外側板33とをねじ止めする。
【0084】
これにより、ドラムユニット24の組み立てが完了する。
3.軸受部材の作用
次いで、図4を参照して、軸受部材36の作用について説明する。
【0085】
感光ドラム12が現像ローラ15によって後下側へ押圧されると(図4白抜き矢印参照)、右軸受部材36Rの筒部51の左端部が後下側へ撓むとともに、左軸受部材36Lの筒部51の右端部が後下側へ撓む。
【0086】
このとき、感光ドラム12は、両軸受部材36の撓みにより、金属素管41の軸線と、両フランジ部材42の軸線とが一致した状態で、後下側へわずかに平行移動される。
【0087】
つまり、感光ドラム12が現像ローラ15などに押圧されたときに、金属素管41の軸線と、両フランジ部材42の軸線とがずれることが抑制されている。
【0088】
また、このとき、両軸受部材36は、筒部51が撓むことにより発生する応力によって、その前上側端部が左右方向内側へ引っ張られ、その後下側端部が左右方向外側へ押し出されるように撓む。
【0089】
しかし、両軸受部材36は、延長部54が左右方向内側への応力を受けることにより、その撓みが低減されている。すなわち、両軸受部材36の鍔部52は、延長部54が形成されている分、前上側端部において補強されている。
【0090】
そして、両軸受部材36の撓みが低減されると、感光ドラム12の後下側への移動が低減される。
4.作用効果
(1)このプロセスユニット9によれば、図4に示すように、各軸受部材36は、金属素管41の左右方向両端部より左右方向内側において、各フランジ部材42に相対回転可能に嵌合されている。
【0091】
そのため、例えば、感光ドラム12が現像ローラ15などに押圧されたときでも、両軸受部材36が撓むことにより、金属素管41の軸線と、両フランジ部材42の軸線とのずれを抑制しながら、両軸受部材36のドラム嵌合部43によって、金属素管41の左右方向両端部を安定して支持することができる。
【0092】
その結果、感光ドラム12が現像ローラ15などに押圧されたときでも、各フランジ部材42が撓むことを防止することができ、金属素管41を精度よく回転させることができる。
(2)このプロセスユニット9によれば、図4に示すように、両軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部は、両フランジ部材42のドラム嵌合部43に形成される凹部45に嵌合されている。
【0093】
そのため、確実に、各軸受部材36を、金属素管41の左右方向両端部より左右方向内側において、各フランジ部材42に嵌合させることができる。
(3)このプロセスユニット9によれば、図3に示すように、軸受部材36の鍔部52は、現像ローラ15の押圧方向(前上側から後下側へ向かう方向)に沿う前上側端部において補強されている。
【0094】
そのため、現像ローラ15の押圧方向において、軸受部材36の撓みを低減することができ、感光ドラム12の移動を低減することができる。
(4)このプロセスユニット9によれば、図3に示すように、軸受部材36は、鍔部52から前上側へ延びる延長部54を備えている。
【0095】
そのため、延長部54が形成されている分、鍔部52の前上側端部を補強することができる。
【0096】
その結果、鍔部52を前上側へ延長するという簡易な構成で、軸受部材36の撓みを低減することができる。
(5)このプロセスユニット9によれば、図1に示すように、感光ドラム12は、現像ローラ15により押圧される。
【0097】
そのため、現像ローラ15の感光ドラム12に対する押圧方向において、感光ドラム12の移動を低減することができる。
(6)このプロセスユニット9によれば、図3に示すように、右軸受部材36Rの鍔部52の後側において、ドラムクリーニングローラ25にクリーニングバイアスを印加するクリーニング電極29を備えている。
【0098】
そのため、クリーニング電極29を効率よく配置できながら、現像ローラ15の押圧方向において、軸受部材36の撓みを低減することができ、感光ドラム12の移動を低減することができる。
(7)このプロセスユニット9によれば、図2に示すように、各感光ドラム12は、前後方向に並列配置されるように、両内側板32に一体的に支持されている。
【0099】
そのため、各感光ドラム12において、各フランジ部材42が撓むことを防止することができ、金属素管41を精度よく回転させることができる。
(8)このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、上記したプロセスユニット9を備えているため、感光ドラム12の金属素管41を精度よく回転させることができ、安定した画像形成を実現することができる。
5.第2実施形態
上記した第1実施形態では、両軸受部材36を内側板32に対して左右方向外側から組み付けたが、第2実施形態では、図6に示すように、右軸受部材36Rを右内側板32Rに対して左側から組み付け、左軸受部材36Lを左内側板32Lに対して左側から組み付ける。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0100】
第2実施形態では、右軸受部材36Rは、図6および図7に示すように、鍔部52において、1対の係止部71と、延長部72とを備えている。
【0101】
係止部71は、右軸受部材36Rが右内側板32Rに組み付けられたときに、鍔部52の上下方向両端部に1つずつ配置されるように、鍔部52の径方向両端部に1つずつ設けられ、略L字形に屈曲された略平板形状に形成されている。詳しくは、両係止部71は、それぞれ、鍔部52の径方向両端縁から径方向外側に延び、その径方向外側端部において右側へ屈曲され、その右端部が下側へ突出する鉤状に形成されている。
【0102】
延長部54は、鍔部52の径方向端部から径方向外側へ延びる側面視略台形状に形成され、軸受部材36が内側板32に組み付けられたときに、鍔部52の後下側端部から後下側へ向かって延びるように、配置されている。
【0103】
第2実施形態において、感光ドラム12を両内側板32間に支持するには、まず、感光ドラム12を右内側板32Rに組み付ける。
【0104】
感光ドラム12を右内側板32Rに組み付けるには、まず、感光ドラム12の右フランジ部材42Rに右軸受部材36Rを取り付ける。
【0105】
右フランジ部材42Rに右軸受部材36Rを取り付けるには、筒部51の左端部が右フランジ部材42R軸受嵌合部44の右端部に対向されるように、右軸受部材36Rを右フランジ部材42Rの右側に位置決めする。そして、右フランジ部材42Rの軸受嵌合部44を右軸受部材36Rの筒部51内に挿入するとともに、右軸受部材36Rの筒部51の右端部を右フランジ部材42Rの凹部45に嵌合させる。
【0106】
これにより、右軸受部材36Rの筒部51の右端部は、金属素管41の右端部よりも左側において、右フランジ部材42Rの凹部45に相対回転可能に嵌合される。すなわち、右軸受部材36Rの筒部51の右端部は、凹部45に嵌合される凸部として機能する。
【0107】
このとき、筒部51の内周面は、右フランジ部材42Rの軸受嵌合部44の外周面に対してわずかに間隔を隔てて対向されている。つまり、右フランジ部材42Rは、ドラム嵌合部43において、右軸受部材36Rに相対回転可能に支持されている。
【0108】
そして、右軸受部材36Rの筒部51の右端部が、ドラム支持穴37の左側に配置されるように、感光ドラム12を右内側板32Rの左側に位置決めし、右軸受部材36Rの筒部51をドラム支持穴37内に挿入するように、感光ドラム12を右内側板32Rに対して左側から取り付ける。
【0109】
同時に、右軸受部材36Rの延長部72が後下側へ向かうように、右軸受部材36Rの両係止部71を、右内側板32Rの両軸受係止部38に係止する。すると、右軸受部材36Rが右内側板32Rに対して相対回転不能に取り付けられ、感光ドラム12の右内側板32Rへの組み付けが完了する。
【0110】
このとき、右軸受部材36Rは、筒部51の右端部において、右内側板32Rに支持されている。すなわち、右軸受部材36Rの筒部51の右端部は、右内側板32Rに支持される被支持部として機能する。右軸受部材36Rの鍔部52の右面は、右内側板32Rの左面に当接されている。
【0111】
次いで、上記した第1実施形態と同様にして、感光ドラム12を左内側板32Lに組み付けると、両内側板32間に感光ドラム12が支持される。
【0112】
第2実施形態によれば、右軸受部材36Rには、右内側板32Rの左面(左右方向内側)に当接される鍔部52の後下側端部において、後下側へ延びる延長部72が形成されている。
【0113】
そのため、右軸受部材36Rは、延長部72が左右方向外側への応力を受けることにより、その撓みが低減されている。
【0114】
これにより、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
6.第3実施形態
上記した第1実施形態では、両軸受部材36に、鍔部52から前上側へ向かって延びる延長部54を設けたが、第3実施形態では、図9に示すように、両軸受部材36に、内側板32に対して左右方向外側から当接される外側鍔部81と、内側板32に対して左右方向内側から当接される内側鍔部82とを設ける。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
第3実施形態では、図9に示すように、軸受部材36は、鍔部の一例としての外側鍔部81と、鍔部の一例としての内側鍔部82とを備えている。
【0116】
外側鍔部81は、筒部51の左右方向外側端部の外周面から径方向外側に突出するように、一端部が切欠かれた部分円環形状に形成されている。また、外側鍔部81には、上流側延長部の一例としての外側延長部83が設けられている。
【0117】
外側延長部83は、外側鍔部81の他端部から他方側へ向かって延びる側面視略台形状に形成されている。
【0118】
内側鍔部82は、左右方向に投影したときに、外側鍔部81の切欠部分に重なるように配置され、外側鍔部81よりも左右方向内側において、筒部51の左右方向外側端部の外周面から径方向外側に突出するように、側面視略矩形状に形成されている。
【0119】
また、内側鍔部82は、筒部51の径方向に投影したときに、外側鍔部81に対して、内側板32の厚み(左右方向長さ)とほぼ同じ(わずかに長い)長さの間隔を隔てるように設けられている。
【0120】
また、筒部51の径方向において、内側鍔部82の長さは、外側鍔部81の長さ(外側延長部83が設けられている部分を除く)よりも長く形成されている。内側鍔部82の径方向外側端部は、下流側延長部として機能する。
【0121】
第3実施形態において、感光ドラム12を両内側板32間に支持するには、感光ドラム12の両フランジ部材42の軸受嵌合部44を、両内側板32のドラム支持穴37にそれぞれ挿通した状態で、両フランジ部材42の軸受嵌合部44に、それぞれ軸受部材36を取り付ける。
【0122】
フランジ部材42の軸受嵌合部44に軸受部材36を取り付けるには、まず、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部が、フランジ部材42の軸受嵌合部44の左右方向外側端部に対向されるように、軸受部材36を内側板32の左右方向外側に位置決めする。そして、フランジ部材42の軸受嵌合部44を軸受部材36の筒部51内に挿入するとともに、軸受部材36の筒部51の左右方向内側端部をフランジ部材42の凹部45内に嵌合させる。
【0123】
なお、このとき、フランジ部材42の内側鍔部82を、内側板32に形成される図示しない切欠部を左右方向外側から左右方向内側へ通過させて、内側板32の左右方向内側へ配置させる。
【0124】
そして、外側延長部83が前上側へ向かい、内側鍔部82が後下側へ向かうように、軸受部材36を回転させる。これにより、感光ドラム12の内側板32への組み付けが完了される。
【0125】
なお、軸受部材36は、図示しないストッパにより、外側延長部83が前上側へ向かい、内側鍔部82が後下側へ向かうように固定される。
【0126】
このとき、軸受部材36の外側鍔部81の左右方向内面は、内側板32の左右方向外面に当接され、軸受部材36の内側鍔部82の左右方向外面は、内側板32の左右方向内面に当接されている。
【0127】
このようにして、両内側板32間に感光ドラム12が支持される。
【0128】
第3実施形態によれば、両軸受部材36には、内側板32の左右方向外側に当接される外側鍔部81の前上側端部から前上側へ延びる外側延長部83が設けられるとともに、内側板32の左右方向内側に当接される内側鍔部82が後下側へ延びるように形成されている。
【0129】
そのため、軸受部材36は、外側延長部83が左右方向内側への応力を受けるとともに、内側鍔部82が左右方向外側への応力を受けることにより、その撓みがより低減されている。
【0130】
その結果、現像ローラ15の押圧方向において、軸受部材36の撓みをより低減することができ、感光ドラム12の移動をより低減することができる。
【0131】
また、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
7.他の変形例
図10を参照して、軸受部材36の変形例について説明する。なお、図10において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
(1)上記した第1実施形態では、軸受部材36の鍔部52に延長部54を設けたが、例えば、図10(a)に示すように、延長部54を設けなくてもよい。
【0132】
この変形例においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(2)また、上記した第1実施形態では、軸受部材36の鍔部52に延長部54を設けて鍔部52を補強したが、鍔部52を補強する構成は、特に限定されない。例えば、図10(b)に示すように、鍔部52を筒部51よりも厚く形成することもできる。また、例えば、図10(c)に示すように、鍔部52の左右方向外側面と、筒部51の外周面とにわたる突条の一例としてのリブ91を設けることもできる。また、例えば、図10(d)に示すように、鍔部52の左右方向内側面と、筒部51の外周面とにわたるリブ91を設けることもできる。
【0133】
リブ91は、筒部51の径方向に沿って延び、筒部51の周方向に沿って互いに間隔を隔てて複数設けられている。
【0134】
なお、鍔部52の左右方向内側にリブ91を設ける場合には、軸受部材36を内側板32に組み付けたときには、リブ91は、内側板32に形成される図示しない嵌合溝に嵌合される。
【0135】
これらの変形例においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(3)また、上記した第1実施形態では、内側板32と軸受部材36とを別に形成したが、例えば、図10(e)に示すように、内側板32と、軸受部材の一例としての筒部92とを一体的に形成することもできる。
【0136】
詳しくは、筒部92は、内側板32のドラム支持穴37の左右方向内側周縁部から左右方向内側へ延びる略円筒形状に形成されている。
【0137】
筒部92の内径は、内側板32のドラム支持穴37の内径と同径である。筒部92には、フランジ部材42の軸受嵌合部44が遊嵌される。
【0138】
この変形例において、感光ドラム12を内側板32に組み付けるには、筒部92の左右方向内側端部(右内側板32Rの筒部92の左端部、左内側板32Lの筒部92の右端部)がフランジ部材42の軸受嵌合部44の左右方向外側端部に対向されるように、感光ドラム12を内側板32の左右方向内側に位置決めする。そして、軸受嵌合部44を内側板32の筒部92内に挿入するとともに、内側板32の筒部92の左右方向内側端部をドラム嵌合部43の凹部45に嵌合させる。
【0139】
これにより、内側板32の筒部92の左右方向内側端部は、金属素管41の左右方向両端部よりも左右方向内側において、フランジ部材42の凹部45に相対回転可能に嵌合される。すなわち、内側板32の筒部92の左右方向内側端部は、凹部45に嵌合される凸部として機能する。
【0140】
この変形例においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0141】
また、この変形例によれば、筒部92が内側板32に一体的に形成されているので、感光ドラム12の内側板32に対する位置決め精度をより向上させることができる。
(4)また、上記した第1実施形態では、感光ドラム12の左右方向両端部を、それぞれ、軸受部材36を介して内側板32に支持させたが、例えば、右内側板32Rに、ドラム支持穴37を形成しないで、右内側板32Rの左面から左側へ突出形成されるシャフトを設け、そのシャフトに、感光ドラム12の右端部を回転可能に支持させることもできる。なお、感光ドラム12の左端部は、上記した第1実施形態と同様に、左軸受部材36Lを介して左内側板32Lに支持される。
【0142】
また、例えば、左内側板32Lにシャフトを設け、そのシャフトに、感光ドラム12の左端部を回転可能に支持させることもできる。この場合、感光ドラム12の右端部は、右軸受部材36Rを介して右内側板32Rに支持される。
【0143】
これらの変形例においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0144】
1 カラープリンタ
9 プロセスユニット
12 感光ドラム
15 現像ローラ
25 ドラムクリーニングローラ
29 クリーニング電極
32 内側板
36 軸受部材
41 ドラム本体
42 フランジ部材
45 凹部
52 鍔部
54 延長部
72 延長部
81 外側鍔部
82 内側鍔部
83 外側延長部
91 リブ
92 筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの軸線方向端部に対して対向配置される側板と、
前記感光ドラムの前記軸線方向端部を相対回転可能に支持するとともに、前記側板に相対回転不能に支持される軸受部材と
を備え、
前記感光ドラムは、
前記軸線方向に延びる素管と
前記素管の前記軸線方向端部に相対回転不能に設けられる被嵌合部材と
を備え、
前記軸受部材は、前記素管の前記軸線方向端部より前記軸線方向内側において、前記被嵌合部材に相対回転可能に嵌合されていることを特徴とする、プロセスユニット。
【請求項2】
前記被嵌合部材には、前記被嵌合部材の前記軸線方向外側端部から前記軸線方向内側へ向かって凹む凹部が形成されており、
前記軸受部材は、
前記側板に支持される被支持部と、
前記被支持部から前記軸線方向内側へ突出し、前記凹部に嵌合される凸部と
を備え、
前記凸部は、前記素管の前記軸線方向端部より前記軸線方向内側において、前記凹部に嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記感光ドラムを押圧する押圧部材を備え、
前記軸受部材は、前記側板と当接するように、前記被支持部から前記被支持部の前記径方向外側へ向かって延びる鍔部を備え、
前記鍔部は、少なくとも前記押圧部材の押圧方向に沿う部分において補強されていることを特徴とする、請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記軸受部材は、前記鍔部から前記押圧方向に沿って延びる延長部を備えていることを特徴とする、請求項3に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記軸受部材は、
前記鍔部の前記押圧方向上流側半分部分から前記押圧方向上流側へ向かって延びる上流側延長部と、
前記鍔部の前記押圧方向下流側半分部分から前記押圧方向下流側へ向かって延びる下流側延長部と
を備え、
前記上流側延長部は、前記軸線方向外側から前記側板に当接され、
前記下流側延長部は、前記軸線方向内側から前記側板に当接されていることを特徴とする、請求項4に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記鍔部は、少なくとも前記押圧方向に沿う部分において、前記凸部よりも厚く形成されていることを特徴とする、請求項3ないし5のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記軸受部材は、前記鍔部と前記被支持部とにわたる突条を備えていることを特徴とする、請求項3ないし6のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記感光ドラムに供給される現像剤を担持する現像剤担持体であることを特徴とする、請求項3ないし7のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項9】
前記感光ドラムを挟むように前記押圧部材の反対側から前記感光ドラムに接触され、所定のバイアスが印加されることにより前記感光ドラムの表面をクリーニングするクリーニング部材を備え、
前記鍔部の前記押圧方向下流側において、前記クリーニング部材に前記バイアスを印加するために電気的に接続される電極を備えていることを特徴とする、請求項3ないし8のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項10】
前記軸受部材は、前記側板に一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項11】
前記側板は、前記感光ドラムの前記軸線方向両端部にそれぞれ対向配置され、
前記感光ドラムは、複数設けられており、前記軸線方向と直交する方向に並列配置されるように、両前記側板に一体的に支持されていることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一項に記載のプロセスユニットを備えることを特徴とする、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−177778(P2012−177778A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40212(P2011−40212)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】