説明

プロセス手段の支持固定構造及びこれを有する画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置

【課題】破損の恐れがなく、容易に分解できるプロセス手段の支持固定構造及びこれを有する画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置を提供する。
【解決手段】感光ドラム7を回転可能に支持する枠体11dと、帯電ローラ8を支持する軸受部材80aと、帯電ローラ8を感光ドラム7へ付勢する圧縮スプリング71と、圧縮スプリング71の付勢方向と平行に軸受部材80aをスライド可能に支持する支持固定部11fと、を有し、軸受部材80aは、帯電ローラ8を感光ドラム7に当接させる第1の位置と、帯電ローラ8を圧縮スプリング71の付勢力に抗して感光ドラム7から離間させる第2の位置と、を移動可能であり、支持固定部11fは、軸受部材80aが第1の位置にあるときに軸受部材80aの抜けを規制し、軸受部材80aが第2の位置にあるときに軸受部材80aが支持固定部11fから抜けて軸受部材80aが支持固定部11fから取り外し可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置およびこれに用いられるプロセスカートリッジ、現像装置であって、プロセス手段の支持固定構造を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、像担持体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを着脱可能に備えた画像形成装置において、現像剤が消費されたカートリッジは分解、部品交換され、再び商品化されている。このため、プロセスカートリッジに使用される部品には分解容易性が求められている。
【0003】
特許文献1に記載のプロセスカートリッジでは、プロセス手段(帯電ローラ)を回転可能に支持している軸受部材を、枠体に対して抜止めされた状態で支持している。そのため、軸受部材を枠体の抜止めした部分から取り外す際には、枠体(抜止めした部分)を弾性変形させて広げて、軸受部材を枠体から取り外す必要があった。
【0004】
特許文献2に記載のプロセスカートリッジでは、プロセス手段の部品を容易に分解する方法として、像担持体を保持する枠体に設けた分解困難な部品(帯電ローラ)を他の部品(クリーニングブレード)と一体的に枠体に組み付けている。これにより、分解困難な部品を他の部品と一体的に取り外すことができ、分解が容易となる。
【0005】
特許文献3に記載のプロセスカートリッジでは、プロセス手段の部品(帯電ローラ)を容易に分解する方法として、像担持体を保持する枠体の一部に、像担持体の径方向に長いガイド溝を設けている。ガイド溝は、帯電ローラの軸受けを兼ね、帯電ローラを回転自在に支持している。また、ガイド溝の一部に帯電ローラを組み付け、取り外すための着脱口を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−311934(図6)
【特許文献2】特開平8−146693(図5、図13)
【特許文献3】特開平7−319244(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、像担持体を外さないと帯電ローラを外せなかった。また、枠体(抜止とめした部分)を弾性変形させて広げて、軸受部材を枠体から取り外す必要があり、枠体(抜止とめした部分)が白化或いは破損するおそれがあった。また、帯電ローラの長手方向両端のローラ部と軸部の間の狭い空間に工具等を入れて、帯電ローラを外す必要があり、帯電ローラが損傷する恐れがあった。
【0008】
特許文献2では、特許文献1と同様に、像担持体を外さないと帯電ローラを外せなかった。 特許文献3では、ガイド溝の周囲の構造体が細いため、強度が弱く、破損する恐れがあった。また、画像形成時に帯電ローラを像担持体へ安定して加圧することが困難であった。
【0009】
そこで本発明は、上記従来技術を更に発展させ、破損の恐れがなく、容易に分解できるプロセス手段の支持固定構造及びこれを有する画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係るプロセス手段の支持固定構造、画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置の代表的な構成は、トナー像を担持する像担持体を回転可能に支持する枠体と、前記像担持体に作用するプロセス手段と、前記プロセス手段を支持する支持部材と、
前記プロセス手段を前記像担持体へ付勢する付勢手段と、前記枠体に設けられ、前記付勢手段の付勢方向と平行に前記支持部材をスライド可能に支持する支持固定部と、を有し、前記支持部材は、前記プロセス手段を前記像担持体に当接させる第1の位置と、前記プロセス手段を前記付勢手段の付勢力に抗して前記像担持体から離間させる第2の位置と、を移動可能であり、前記支持固定部は、前記支持部材が前記第1の位置にあるときに前記支持部材の抜けを規制し、前記支持部材が前記第2の位置にあるときに前記支持部材が前記支持固定部から抜けて前記支持部材が前記支持固定部から取り外し可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像装置、プロセスカートリッジを破損することなく、容易に分解できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係る軸受部材の支持固定構成の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る電子写真画像形成装置の模式的断面図である。
【図3】第1実施形態に係るプロセスカートリッジの模式的断面図である。
【図4】第1実施形態に係るドラムユニットの組立および分解の斜視図である。
【図5】第1実施形態に係る軸受部材の支持固定構成の断面図である。
【図6】第2実施形態に係る軸受部材の支持固定構成の説明図である。
【図7】第2実施形態に係る軸受部材の支持固定構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
本発明に係るプロセス手段の支持固定構造、画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置の第1実施形態について、図を用いて説明する。図2は本実施形態の画像形成装置の構成図である。図3は本実施形態に係るプロセスカートリッジの構成図である。
【0014】
図2、図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置Aは、プロセスカートリッジBを着脱可能に有している。画像形成装置Aは、光学手段としての光学系1から画像情報に基づいた情報光を、帯電ローラ(プロセス手段)8により帯電したドラム形状の感光ドラム7へ照射し、感光ドラム7に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像ユニット(現像装置)10により現像剤(以下、トナーと称す)で現像されトナー像が形成される。
【0015】
一方、トナー像の形成と同期して、記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)2をカセット3aからピックアップローラ3b及びこれに圧接する圧接部材3cで一枚ずつ分離給送する。給送された記録媒体2は、プロセスカートリッジBの感光ドラム7と転写手段としての転写ローラ4とが対向する転写部Tに搬送される。転写部Tに搬送された記録媒体2は、電圧印加された転写ローラ4により感光ドラム7上に形成されたトナー像が転写され、定着装置5へと搬送される。定着装置5は、駆動ローラ5aとヒータ5bとを内蔵し、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を定着する。トナー像が定着された記録媒体2は、排出ローラ3dにより搬送され、反転搬送経路を通して排出部6へと排出される。記録媒体2に転写されずに、感光ドラム7に残った転写残トナーは、クリーニングブレード11aによって除去トナー収容部11cへ回収される。
【0016】
(プロセスカートリッジB)
図3に示すように、プロセスカートリッジBは、感光ドラム(像担持体)7と、少なくとも1つのプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段とは、像担持体に作用するものである。例えば、感光ドラム7を帯電させる帯電手段(帯電ローラ8)、感光ドラム7に形成された静電潜像を現像する現像手段(現像ユニット10)、感光ドラム7に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段(クリーニングブレード11a)がある。
【0017】
本実施形態に係るプロセスカートリッジBは、感光ドラム7を回転可能に支持し、クリーニングブレード11a及び帯電ローラ8が組み込まれた像担持体支持枠体11dと、現像ローラ10dを有する現像ユニット10を有している。
【0018】
(ドラムユニット11)
図4は本実施形態に係るドラムユニット11の組立および分解の模式的斜視図である。図4に示すように、ドラムユニット11は、感光ドラム7、帯電ローラ8、クリーニングブレード11a、像担持体支持枠体11dを有し、プロセスカートリッジBの一部を構成する。
【0019】
感光ドラム7は、一端に像担持体ギア50を有し、他端にフランジ51を有している。像担持体ギア50は、カップリング40、軸部52、駆動伝達ギア41が一体となって構成されている。カップリング40は、画像形成装置本体からプロセスカートリッジBへの駆動伝達手段である。駆動伝達ギア41は、現像ローラ10dに駆動伝達する。フランジ51は、支持穴53を有する。
【0020】
感光ドラム7の一端側には軸受60がビス等の固定手段により像担持体支持枠体11dに結合されている。感光ドラム7の他端側では、金属性の位置決めピン61が像担持体支持枠体11dの位置決め部62を通って、支持穴53内に圧入されている。これにより、感光ドラム7は像担持体支持枠体11dに対して回転可能に支持される。
【0021】
(帯電ローラ8の支持固定構成)
図1は本実施形態に係る軸受部材の支持構成の斜視図である。図5は本実施形態に係る軸受部材の支持固定構成の断面図である。
【0022】
図1、図5に示すように、軸受部材(支持部材)80aは、帯電ローラ8の回転軸8aの両端を回転可能に支持している。帯電ローラ8は、軸受部材80aを介して、圧縮スプリング(付勢手段)71によって感光ドラム7方向に付勢される。圧縮スプリング71は、軸受部材80aに圧入やインサート成型により一体的に設けられる。軸受部材80aはフランジ80bを有し、像担持体支持枠体11dは長手方向両端に支持固定部11fを有している。フランジ80bを支持固定部11fに取り付けることで、軸受部材80aを像担持体支持枠体11dに取り付けている。
【0023】
フランジ80bは、帯電ローラ8を感光ドラム7へ付勢する付勢方向に直交する方向に突出している。フランジ80bは、小径円柱状の長手規制部80e、大径円盤状の抜け止め規制部80fから構成されている。抜け止め規制部80fは、長手規制部80eの先端に、長手規制部80eから張り出して設けられている。
【0024】
図1に示すように、支持固定部11fは、帯電ローラ8を感光ドラム7へ付勢する付勢方向に対し平行な面11eに形成された孔である。支持固定部11fは、小径長穴11f1の一端に大径穴11f2を組合わせた鍵穴形状となっている。
【0025】
図5に示すように、軸受部材80aは、第1の位置(図5(a)、図5(d)の位置)と、第2の位置(図5(b)、図5(e)の位置)とへ、小径長穴11f1をガイド溝として圧縮スプリング71の付勢方向にスライド可能(移動可能)に支持されている。第1の位置において、圧縮スプリング71の付勢力により帯電ローラ8が感光ドラム7に当接する。第2の位置において、圧縮スプリング71の付勢力に抗して帯電ローラ8が感光ドラム7から離間する。
【0026】
図5(d)、図5(e)に示すように、支持固定部11fとフランジ80bの大きさの関係は、長手規制部80eの径<小径長穴11f1の穴幅<抜け止め規制部80fの径<大径穴11f2の径となっている。これにより、図5(a)、図5(d)に示すように、抜け止め規制部80fが小径長穴11f1に有る場合は、抜け止め規制部80fが面11eに当接し、フランジ80bは支持固定部11fから抜けないようになっている。一方、図5(b)、図5(e)に示すように、抜け止め規制部80fが大径穴11f2に有る場合は、図5(c)に示すように、抜け止め規制部80fが面11eに接触せずに大径穴11f2を抜け、フランジ80bは支持固定部11fから取り外し可能な状態となる。フランジ80bは、帯電ローラ8の長手方向及び圧縮スプリング71の付勢方向と直交する方向(図5(c)の矢印X方向)に取り外される。
【0027】
上記構成において、圧縮スプリング71の付勢力に抗して軸受部材80aを押し上げて第2の位置に移動し、大径穴11f2から抜け止め規制部80fを抜くように、軸受部材80aを像担持体支持枠体11dから取り外す。これにより、感光ドラム7をドラムユニット11から外さなくとも、軸受部材80aと一緒に帯電ローラ8を容易に取り外すことができる。
【0028】
帯電ローラ8を組込む際には、帯電ローラ8を回転可能に支持した軸受部材80aを、図5(c)の位置から図5(b)の位置へスライド(移動)し、抜け止め規制部80fを大径穴11f2へ挿入する。
【0029】
この時、圧縮スプリング71の一端は軸受部材80aに一体的に設けられているが、圧縮スプリング71の他端は像担持体支持枠体11dの受面(圧縮スプリング71の付勢方向と垂直な面)11iを圧縮されながらスライドする。このため、圧縮スプリング71が倒れる恐れがある。そこで、圧縮スプリング71に当接して圧縮スプリング71の倒れを防止するために、軸受部材80aに、圧縮スプリング71の一端側近傍で、少なくとも軸受部材80aの組み込み方向(矢印Y方向)の上流側にリブ形状の壁80dを形成した。壁80dの高さは、第2の位置にある軸受部材80aから受面11iとの距離より低く設定した。圧縮スプリング71の倒れを防止する構成を設けることにより、圧縮スプリング71の組み付けを確実に行うことができる。
【0030】
なお、画像形成に際しては、帯電ローラ8が感光ドラム7の回転に従動回転し、このとき帯電ローラ8に電圧を印加することにより感光ドラム7の表面を均一に帯電させる。そのために、帯電ローラ8の長手方向両端に設けられた2つの軸受部材80aのうち少なくとも一方を導電性ポリアセタール樹脂等の導電性部材で構成する。これにより、画像形成装置本体から、導電性を有する圧縮スプリング71を経て回転軸8aに電圧が印加される。他端側の軸受部材80aにおいても、金属製の回転軸8aとの摺動性が良く、且つ耐摩耗性に優れているポリアセタール樹脂で構成してもよい。
【0031】
本実施形態では、プロセス手段の一例として帯電ローラ8の着脱について説明したが、本発明は他のプロセス手段(現像ローラ10d、クリーニングブレード11a等)の着脱にも適用できる。
【0032】
[第2実施形態]
次に本発明に係るプロセス手段の支持固定構造、画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置の第2実施形態について図を用いて説明する。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図6は本実施形態に係る軸受部材80aの支持固定構成を示す図である。図6に示すように、本実施形態の画像形成装置A、プロセスカートリッジB、現像ユニット(現像装置)10は、上記第1実施形態の支持固定部11fに変えて支持固定部11gを設けたものである。
【0034】
支持固定部11gは、一対のガイド部11g1、一対の枠体長手規制部11g2、切り欠き部11g3を有している。一対のガイド部11g1、枠体長手規制部11g2は、フランジ80bを圧縮スプリング71の付勢方向にスライド可能にガイドする。
【0035】
一対の枠体長手規制部11g2は像担持体支持枠体11dから突出して形成されており、帯電ローラ8の長手方向において抜け止め規制部80fを挟み込んでいる。一対のガイド部11g1は、それぞれ一対の枠体長手規制部11g2の先端から帯電ローラ8の長手方向に突出して形成されており、帯電ローラ8の長手方向において長手規制部80eを挟み込んでいる。これにより、軸受部材80aは、帯電ローラ8の長手方向への移動を規制されている。
【0036】
一対のガイド部11g1の間隔<抜け止め規制部80fの径となっており、軸受部材80aが図6(a)に示す第1の位置にあるとき、抜け止め規制部80fがガイド部11g1に接触し、軸受部材80aの抜け方向への移動が規制されている。
【0037】
切り欠き部11g3は、一対のガイド部11g1の一部を切り欠いたものであり、抜け止め規制部80fが通過できる大きさになっている。これにより、軸受部材80aが図6(b)に示す第2の位置にあるとき、抜け止め規制部80fがガイド部11g1に接触せずに切り欠き部11g3を抜け、フランジ80bは支持固定部11gから取り外し可能な状態となる。フランジ80bは、帯電ローラ8の長手方向及び圧縮スプリング71の付勢方向と直交する方向(図6(b)の矢印X方向)に取り外される。
【0038】
上記構成において、圧縮スプリング71の付勢力に抗して軸受部材80aを押し上げて第2の位置に移動し、切り欠き部11g3から抜け止め規制部80fを抜くように、軸受部材80aを像担持体支持枠体11dから取り外す。これにより、感光ドラム7をドラムユニット11から外さなくとも、軸受部材80aと一緒に帯電ローラ8を容易に取り外すことができる。
【0039】
[第3実施形態]
次に本発明に係るプロセス手段の支持固定構造、画像形成装置、プロセスカートリッジ、現像装置の第3実施形態について図を用いて説明する。上記第一実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図7は本実施形態に係る軸受部材80aの支持固定構成を示す図である。図7に示すように、本実施形態の画像形成装置A、プロセスカートリッジB、現像ユニット(現像装置)10は、上記第2実施形態の支持固定部11g、長手規制部80e、抜け止め規制部80fに変えて、支持固定部11h、抜け止め規制部80g、長手規制部80hを設けたものである。
【0041】
上記第2実施形態では、像担持体支持枠体11d側のガイド部11g1、枠体長手規制部11g2が軸受部材80aの抜け止め規制部80fを囲う構成とした。本実施形態では、軸受部材80a側の長手規制部80h、抜け止め規制部80gで、像担持体支持枠体11d側の支持固定部11h(ガイド部11h1、枠体長手規制部11h2)を囲う構成とする。ガイド部11h1、枠体長手規制部11h2は、フランジ80bを圧縮スプリング71の付勢方向にスライド可能にガイドする。
【0042】
枠体長手規制部11h2は、像担持体支持枠体11dから突出して設けられており、枠体長手規制部11h2の先端にフランジ状のガイド部11h1が設けられている。長手規制部80hがガイド部11h1を挟み、抜け止め規制部80gが枠体長手規制部11h2を挟み込んでいる。これにより、軸受部材80aは、帯電ローラ8の長手方向への移動を規制されている。
【0043】
抜け止め規制部80gの間隔<ガイド部11h1の径となっており、軸受部材80aが図7(a)に示す第1の位置にあるとき、抜け止め規制部80gがガイド部11h1に接触し、軸受部材80aの抜け方向への移動が規制されている。
【0044】
支持固定部11hは切り欠き部11h3を有している。切り欠き部11h3は、ガイド部11h1の一部(圧縮スプリング71の付勢方向の所定の位置)を切り欠いたものであり、抜け止め規制部80gがガイド部11h1と干渉しないようになっている。これにより、軸受部材80aが図7(b)に示す第2の位置にあるとき、抜け止め規制部80gがガイド部11h1に接触せずに切り欠き部11h3を抜け、フランジ80bは支持固定部11hから取り外し可能な状態となる。フランジ80bは、帯電ローラ8の長手方向及び圧縮スプリング71の付勢方向と直交する方向(図7(b)の矢印X方向)に取り外される。
【0045】
上記構成において、圧縮スプリング71の付勢力に抗して軸受部材80aを押し上げて第2の位置に移動し、切り欠き部11h3から抜け止め規制部80gを抜くように、軸受部材80aを像担持体支持枠体11dから取り外す。これにより、感光ドラム7をドラムユニット11から外さなくとも、軸受部材80aと一緒に帯電ローラ8を容易に取り外すことができる。
【符号の説明】
【0046】
A …画像形成装置
B …プロセスカートリッジ
7 …感光ドラム(像担持体)
8 …帯電ローラ(帯電手段、プロセス手段)
8a …回転軸
10 …現像ユニット
11 …ドラムユニット
11d …像担持体支持枠体
11e …面
11f、11g …支持固定部
11f1 …小径長穴
11f2 …大径穴
11g1、11h1 …ガイド部
11g2、11h2 …枠体長手規制部
11g3、11h3 …切り欠き部
11i …受面
71 …圧縮スプリング(付勢手段)
80a …軸受部材(支持部材)
80b …フランジ
80d …壁
80e、80h …長手規制部
80f、80g …抜け止め規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持する像担持体を回転可能に支持する枠体と、
前記像担持体に作用するプロセス手段と、
前記プロセス手段を支持する支持部材と、
前記プロセス手段を前記像担持体へ付勢する付勢手段と、
前記枠体に設けられ、前記付勢手段の付勢方向と平行に前記支持部材をスライド可能に支持する支持固定部と、を有し、
前記支持部材は、前記プロセス手段を前記像担持体に当接させる第1の位置と、前記プロセス手段を前記付勢手段の付勢力に抗して前記像担持体から離間させる第2の位置と、を移動可能であり、
前記支持固定部は、前記支持部材が前記第1の位置にあるときに前記支持部材の抜けを規制し、前記支持部材が前記第2の位置にあるときに前記支持部材が前記支持固定部から抜けて前記支持部材が前記支持固定部から取り外し可能とすることを特徴とするプロセス手段の支持固定構造。
【請求項2】
前記支持部材は、前記付勢手段の付勢方向と直交する方向に突出したフランジを有し、
前記フランジは、小径円柱状の長手規制部、大径円盤状の抜け止め規制部を有し、
前記支持固定部は、小径長穴の一端に大径穴を組合わせた鍵穴形状となっており、
前記長手規制部は、前記小径長穴内をスライド移動可能となっており、
前記長手規制部の径<前記小径長穴の穴幅<前記抜け止め規制部の径<前記大径穴の径の関係となっており、
前記支持部材が前記第1の位置にあるときに、前記抜け止め規制部が前記小径長穴から抜けないことで、前記支持部材の抜けを規制し、
前記支持部材が前記第2の位置にあるときに、前記抜け止め規制部が前記大径穴から抜けることで、前記支持部材が前記支持固定部から抜けて前記支持部材が前記支持固定部から取り外し可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のプロセス手段の支持固定構造。
【請求項3】
前記付勢手段の一端は前記支持部材に一体的に設けられており、
前記支持部材は、前記支持部材を前記支持固定部に組み込む方向において、前記付勢手段の上流側に前記付勢手段の倒れを防止する壁を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセス手段の固定構造。
【請求項4】
前記プロセス手段は前記像担持体を帯電させる帯電手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセス手段の固定構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセス手段の固定構造、を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセス手段の固定構造、を有することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
像担持体と、
前記像担持体に形成された静電潜像をトナーを用いてトナー像として現像する請求項6に記載の現像装置と、
前記現像装置により形成されたトナー像をシートに転写する転写手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−103578(P2012−103578A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253548(P2010−253548)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】