プロセス環境下で複数のビジュアライゼーションを持つ図形エレメント
【課題】プロセスプラント環境に関する情報をユーザに対して表示する。
【解決手段】図形エレメントが、図形ディスプレイの部分として用いられ、プロセスプラント中で実行されて、プロセスプラント環境に関する、プロセスプラント内のデバイスの現在状態などの情報がユーザに対して表示される。図形エレメントはおのおのが実行可能なオブジェクトであって、フィールドデバイスのような関連のプロセスエンティティに拘束されるプロパティや変数を含み、複数のビジュアライゼーションを含むが、これはおのおのが、図形エレメントが図形ディスプレイの一部として実行されると、関連のプロセスエンティティをユーザインタフェース上でグラフで描写するために用いられる。この図形エレメントのビジュアライゼーションの内の任意のものを任意の特定の図形ディスプレイ中で用い、同じ図形ディスプレイが異なった時点で異なったビジュアライゼーションを用いたりする。
【解決手段】図形エレメントが、図形ディスプレイの部分として用いられ、プロセスプラント中で実行されて、プロセスプラント環境に関する、プロセスプラント内のデバイスの現在状態などの情報がユーザに対して表示される。図形エレメントはおのおのが実行可能なオブジェクトであって、フィールドデバイスのような関連のプロセスエンティティに拘束されるプロパティや変数を含み、複数のビジュアライゼーションを含むが、これはおのおのが、図形エレメントが図形ディスプレイの一部として実行されると、関連のプロセスエンティティをユーザインタフェース上でグラフで描写するために用いられる。この図形エレメントのビジュアライゼーションの内の任意のものを任意の特定の図形ディスプレイ中で用い、同じ図形ディスプレイが異なった時点で異なったビジュアライゼーションを用いたりする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2004年5月4日に提出され、その全体を参照してここに特別に組み込む「プロセス制御システムを表し、監視し、これと対話する図形ユーザインタフェース」という題名の米国暫定出願第60/567,980号の優先と恩典を目的とした通常の提出済み出願である。本出願はまた、2002年10月22日に提出され、2004年4月22日に米国公開第2004/0075689号として公開され、その全体を参照してここに特別にその全開示を組み込む「スマートプロセスモジュールとプロセスプラントにおけるオブジェクト」という題名の一部継続米国特許出願第10/278,469号である、2003年7月21日に提出され、2004年8月5日に米国公開第2004/0153804号として公開された「図形表示エレメントと、プロセスモジュールと、制御モジュールとのプロセスプラント中への統合」という題名の米国特許出願第10/625,481号に関連している。本出願はまた、2003年2月18日に提出され、2004年2月18日に提出され、2004年10月7日に米国公開第2004/0199925号として公開され、その全体を参照してその全開示をここに特別に組み込む「プロセスプラント構成システムにおけるモジュールクラスオブジェクト」という題名の米国特許出願第10/368,151号に関連している。本出願はまた、本出願と同じ日付に国際(PCT)出願として提出中であり、また、本出願がそれらの全体を参照してここに特別に組み込む以下の特許出願に関連している:「プロセス環境下での関連図形ディスプレイ」(弁理士事件整理番号第06005/41111号);「ユーザ構成可能アラームとプロセス制御システムを指向するアラーム」(弁理士事件整理番号第06005/41112号);「プロセスモジュールとエクスパートシステムとのプロセスプラントへの統合」(弁理士事件整理番号第06005/41113号);「統合環境下でのカスタマイズされたプロセス図形表示レイヤーを有するプロセスプラントユーザインタフェースシステム」(06005/41114);「プロセス環境下でのスクリプティングされた図形」(弁理士事件整理番号第06005/41115);「制御環境下でのプロセス構成中への図形統合」(弁理士事件整理番号第06005/41116号);「図形表示エレメントと、プロセスモジュールとをプロセスプラント中に構成するシステム」(弁理士事件整理番号第06005/41118号);「一体化されたプロセス制御システムインタフェースのための図形表示構成フレームワーク」(弁理士事件整理番号第06005/41124号);プロセスプラントユーザインタフェース中でのマークアップランゲージベースの動的プロセス図形」(弁理士事件整理番号第06005/41127号);「プロセス制御データを修正する方法と装置」(弁理士事件整理番号第06005/591622号と第20040/59−11622号);「プロセス制御データにアクセスする方法と装置」(弁理士事件整理番号第06005/591623号と第20040/59−11623号);「プロセス制御システムのための統合図形ランタイムインタフェース」(弁理士事件整理番号第06005/591628号と第20040/59−11628号);「プロセス制御システムのためのサービス指向アーキテクチャ」(弁理士事件整理番号第06005/591629号と第20040/59−11629号)。
【0002】
本発明は、一般的にはプロセスプラントに関し、より詳しくは、プラントの構成、制御、保守およびシミュレーションと関連するさまざまな活動において共通の図形表示エレメントの作成と使用を可能とするための、プロセス制御・シミュレーションシステムレベルにおける図形表示エディターと図形表示オブジェクトの統合と使用に関する。
【背景技術】
【0003】
化学的な石油プロセスまたは他のプロセスなどに使用される分散型プロセス制御システムには、一般的に、アナログ式、ディジタル式または組み合わされたアナログ式およびディジタル式のバスを介して1つ以上のフィールドデバイスに通信可能にカップリングされたプロセスコントローラを1つ以上含んでいる。例えばバルブ、バルブポジショナ、スイッチおよび送信機(例えば、温度、圧力、レベルおよび流量のセンサー)であったりするこのフィールドデバイスは、プロセス環境下に置かれて、バルブの開閉、プロセスパラメータの測定などのプロセス機能を実行する。FOUNDATION(登録商標)のFieldbusプロトコルのような公知のチノFielfbusプロトコルに適合するフィールドデバイスなどのスマートフィールドデバイスもまた計算機能やアラーム機能を実行するが、他の制御機能は一般には、コントローラ内で実施される。これまた一般的にはプラント環境下に置かれるこのプロセスコントローラは、フィールドデバイスによるプロセス測定値および/またはフィールドデバイスに関する他の情報を示す信号を受信して、コントローラアプリケーションを実行するが、このアプリケーションは、例えば、プロセス制御判定を下し、受信した情報に基づいて制御信号を生成し、HARTやFieldbusフィールドデバイスなどのフィールドデバイス中で実行中の制御モジュールや制御ブロックとの調整を付けるさまざまな制御モジュールを走行させる。この制御モジュールは、コントローラ中では、通信回線上でフィールドデバイスに対して制御信号を送って、プロセスの動作を制御する。
【0004】
フィールドデバイスやコントローラからの情報は、通常は、データハイウエイを介して、一般的には厳しいプラント環境と離れたコントロールルームや他のロケーションに置かれるオペレータワークステーション、パソコン、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中型データベースなどの1つ以上の他のハードウエアデバイスに対して利用可能とされる。このようなハードウエアデバイスはアプリケーションを実行し、このアプリケーションによって、例えば、オペレータは、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラやフィールドデバイス内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現状のビューイング、フィールドデバイスやコントローラが発生したアラームのビューイング、要員の訓練やプロセスソフトウエアの試験を目的としたプロセス動作のシミュレーション、構成データベースの保持と更新などのプロセスに対する機能を実行することが可能となる。
【0005】
例えば、Emerson Process Management社から販売されているDeltaV(登録商標)制御システムは、プロセスプラント内のさまざまな場所に置かれたさまざまなデバイスに記憶され、これによって実行される複数のアプリケーションを含んでいる。1つ以上のオペレータワークステーションに常駐する構成アプリケーションによって、ユーザは、プロセス制御モジュールを作成したり変更したり、また、データハイウエイを介して専用の分散型コントローラにこのようなプロセス制御モジュールをダウンロードしたりすることが可能である。一般的には、このような制御モジュールは通信可能に相互接続された機能ブロックによって成り立っており、このような機能ブロックは入力に基づいて制御スキーム内の機能を実行して、制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供するオブジェクト指向プログラムプロトコル中のオブジェクトである。構成アプリケーションによって、また、デザイナーはオペレータインタフェースを作成したり変更したりすることが可能となるが、このインタフェースはビューイングアプリケーションが用いて、データをオペレータに対して表示したり、オペレータが、プロセス制御ルーチン中で設定値などの設定を変更することを可能としたりする。専用のコントローラと、場合によっては、フィールドデバイスはおのおのが、コントローラアプリケーションを記憶して実行するが、このアプリケーションは、自身に対して割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを走行させて、実際の制御機能性を実施する。1つ以上のオペレータワークステション上で走行するビューイングアプリケーションは、データハイウエイを介してコントローラアプリケーションからデータを受信して、このデータを、プロセス制御システムデザイナーや、オペレータや、ユーザインタフェースを使用しているユーザに対して表示して、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、テクニシャンのビューなどの多くのさまざまなビューの内のいずれかを提供する。データヒストリアンアプリケーションは一般的には、データヒストリアンデバイスによって記憶されて実行されるが、このデバイスは、データハイウエイから提供されたデータの一部またはすべてを収集して記憶し、一方、構成データベースアプリケーションは、データハイウエイに接続された皿に別のコンピュータ上で走行して、現行のプロセス制御ルーチン構成およびそれと関連するデータを記憶する。代替例では、この構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーション上に置かれる。
【0006】
プロセス制御環境下で用いられる制御アプリケーションとサポートアプリケーションの数とタイプが増すに連れて、このようなアプリケーションをユーザが効果的に構成して使用できるようにさまざまな図形表示アプリケーションが提供されてきた。例えば、図形表示アプリケーションは、制御構成アプリケーションをサポートして、構成エンジニアが、プロセスプラント内の制御デバイスにダウンロードされる制御プログラムを図形として作成することができるようにするために用いられてきた。加えて、図形表示アプリケーションは、コントロールオペレータが、プロセスプラントやプロセスプラントのエリアの現行の機能具合をビューイングすることができるように、また、保守要員がプロセスプラント内のハードウエアデバイスの状態をビューイングできるように、また、プロセスプラントのシミュレーションができるようにするために用いられてきた。しかしながら、このような図形表示アプリケーションは、過去においては、自身が関連している特定のアプリケーションの一部としてまたはこれをサポートするために作成されてきており、したがって、一般的に、その用途は、作成の目的である特定プロセス機能に限られていた。例えば、コントロールオペレータや他のオペレータをサポートするために作成された図形プログラムを、保守や、構成や、シミュレーションなどの機能で用いることは不可能でないまでも困難である。
【0007】
特定的な例として、一部のプロセス制御構成アプリケーションは、現在のところ、機能ブロックテンプレートオブジェクトや、場合によっては、プロセスプラント用の制御戦略の作成に用いられる制御モジュールテンプレートオブジェクトなどのテンプレートオブジェクトのライブラリを含んでいる。テンプレートオブジェクトは、デフォルトプロパティ、これと関連する設定および方法を有しており、エンジニアは、図形構成アプリケションを用いると、このようなテンプレートオブジェクトを選択して、この選択されたテンプレートオブジェクトのコピーを原則として構成画面中に位置付けして、制御モジュールを開発することが可能である。テンプレートオブジェクトを選択して構成画面中に位置付けするプロセス中に、エンジニアはこれらのオブジェクトの入力と出力を相互接続して、そのパラメータ、名称、タグおよび他のプロパティを変更して、プロセスプラント内での特定の用途のために特定的の制御モジュールを作成する。このような制御モジュールを1つ以上作成すれば、エンジニアは、制御モジュールをインスタンス化して、それを、適切なコントローラもしくはコントローラおよびフィールドデバイスにダウンロードして、プロセスプラントの操業中に実行されるようにする。
【0008】
その後で、エンジニアは、別の図形表示作成アプリケーションを用いて、表示作成アプリケーション中でディスプレイオブジェクトを選択して構築することによってプロセスプラント内のオペレータや保守要員などのために1つ以上のディスプレイを作成する。このようなディスプレイは一般的には、1つ以上のワークステーション上でシステムワイドベースで実施されて、プラント内の制御システムや制御デバイスの動作状態を考慮しているオペレータや保守要員に対して事前構成されたディスプレイを提供する。このようなディスプレイは一般的には、プロセスプラント内のコントローラやデバイスが発生した警告を受信して表示する警告ディスプレイという形態や、プロセスプラント内のコントローラや他のデバイスの動作状態を示す制御ディスプレイという形態や、プロセスプラント内のデバイスの機能状態を示す保守ディスプレイという形態などをとる。しかしながら、このようなディスプレイは一般的には、プロセスプラント内のプロセス制御用のモジュールやデバイスから受信した情報やデータを周知の仕方で表示するように事前構成される。一部のシステムでは、物理的または論理的エレメントを表し、また、この物理的または論理的エレメントと通信可能に結びついて、この物理的または論理的エレメントに関するデータを受信する図形描写によってディスプレイを作成する。表示画面上の図形は、例えば、タンクが半分まで満たされていることを示すデータを受信したなどのあるイベントを受けるとそれに応答して変化して、流量センサーなどによって測定された流量を示したりする。しかしながら、構成、オペレータ制御、保守、シミュレーションなどの動作のために用いられる図形ディスプレイは、一般に、さまざまな図形エディターを用いて、互いに別個に作成される。さらにまた、このようなディスプレイの限られた図形機能は実施することが困難であり、また、どのような図形オブジェクトの一部としても実施されることはない。
【0009】
したがって、制御構成アプリケーションと類似して、ディスプレイ作成アプリケーションは、いずれかの所望の構成の画面上に置かれるタンク、バルブ、センサー、スライドバーのようなオペレータ制御ボタン、オン/オフスイッチなどのテンプレート図形表示アイテムを有しており、これで、オペレータディスプレイや、保守ディスプレイや、類似物を作成する。画面上に置かれると、個々の図形アイテムは、プロセスの内部作業の何らかの情報や表示をユーザに対して提供するような仕方で画面上で相互接続される。しかしながら、図形表示をアニメーション化するには、ディスプレイ作成者は、図形アイテムとプロセスプラント内の関連のデータソース間の通信リンクを指定することによって、図形アイテムのおのおのを、センサーが測定したデータやバルブ位置を示すデータなどのプロセスプラント内で生成されたデータに対して手動で結び付けなければならない。このプロセスは退屈で、時間がかかり、エラーを伴う。
【0010】
制御構成アプリケーション内の制御テンプレートオブジェクトと、ディスプレイ作成アプリケーション内の表示アイテムとは、コピーして用いてさまざまな多くの制御モジュールや図形ディスプレイを作成可能であるので便利であるとはいえ、プロセスプラント内のさまざまな装置に対して同じ制御モジュールと図形ディスプレイを多量に作成する必要がしばしばある。例えば、大型のプロセスプラントに対する多くの媒体は、同じ基本的な一般的制御モジュールとディスプレイを用いて制御してビューイングすることが可能な同じまたは類似の装置の多くのインスタンスを有している。しかしながら、このような多くの制御モジュールとディスプレイを作成する場合には、一般的な制御モジュールまたはディスプレイモジュールを作成して、次に、この一般的な制御モジュールまたはディスプレイモジュールを、それが応用可能なさまざまな装置のおのおのに対してコピーする。もちろん、コピーされたら、この新たな制御モジュールまたはディスプレイモジュールはおのおの、構成アプリケーション中で手動で変更して、それが取り付けられる特定の装置を指定して、次に、これらの制御モジュールとディスプレイモジュールの全てをインスタンス化してプロセス制御システムにダウンロードする。
【0011】
不運にも、上述した制御モジュールと表示アイテムはいかなる意味においてもモジュラ方式のものではない。したがって、制御モジュールと表示アイテムは、コピーされたら、適当な構成アプリケーションを用いて手動で個々に変更して、自身が関連するプラント内の装置を指定する。同じタイプの装置(すなわち、複製された装置)のコピーを多く有しているプラントでは、このプロセスは退屈で、時間がかかり、オペレータによるエラーを伴う。さらにまた、このようなさまざまな制御モジュールとディスプレイは、一旦プログラムされると、互いを意識することはない。したがって、一旦作成された制御モジュールを変更するには、エンジニアまたはオペレータが、複製されたさまざまな装置ごとにさまざまな制御モジュールのおのおのに対して同じ変更を手動で加えなければならないが、これまた、時間がかかり、退屈である。同じ問題が、プラント内でさまざまな集合の複製された装置に対して作成された図形ビューにも当てはまる。言い換えれば、一旦特定の制御モジュールまたは特定の図形ビューを(個々にまたはテンプレートオブジェクトからコピーして)作成し、次に、プラント内の特定の装置集合に結びつけると、この制御モジュールまたは図形ビューは、同じまたは類似した他の制御モジュールや図形ディスプレイをなんら自動的に意識することなく、システム内の別個のエンティティまたはオブジェクトとして存在することになる。その結果、特定のタイプの制御モジュールまたは図形ディスプレイのどれに対しても適用可能な変更は、これらのモジュールやディスプレイに対して個々に実施しなければならない。この問題は、制御ビューイング、保守ビューイング、シミュレーション機能の場合などのように、プラント内で同じ装置に対して、しかし、互いに異なった機能的状況で図形ビューを作成する場合にはさらにいっそう歴然とする。この場合、図形ビューは、互いに知ることも意識することもまったくなく別個に作成される。
【0012】
したがって、プロセスプラント内で実行されるさまざまな一般的活動に対して用いられるさまざまなアプリケーションと関連して図形ディスプレイが実行されるが、このような図形ディスプレイと関連の図形表示エディターは、一般的には、それをサポート目的で作成されたアプリケーションの機能レベルで付け足される。その結果、図形エディターは、それが存在する限りは、ユーザが、特定のアプリケーションによって必要とされる特定の機能性をサポートする図形を作成することを可能としていた。以前のプロセスプラントは、プロセスの構成とサポートという状況で実行中のさまざまなまたは複数の活動での図形的必要性によって用いることが可能なまたはこれをサポートすることが可能な図形表示エディターを提供することはなかった。したがって、例えば、制御構成動作をサポートまたは可能とするために用いられる図形表示エディターは、単に、ユーザが制御プログラムを作成することを可能としただけであって、オペレータディスプレイや保守ディスプレイの必要性や機能性をサポートするものではなかった。同様に、オペレータビューや保守ビューなどを作成するために用いられ、プラントの操業中にコントロールオペレータや保守テクニシャンに提供される図形表示エディターは、構成活動やシミュレーション活動などと関連する機能性をサポートしなかった。制御構成や、保守サポートや、コントロールオペレータサポートやシミュレーションサポートの機能レベルなどのプロセスプラントの個々の機能レベルで図形表示の必要性がサポートされる結果、このようなさまざまなエディターによって作成されたディスプレイの内のさまざまなディスプレイが、プラント内で同じコンポーネントをモデリングして描写することになってしまい、その結果、プロセスプラントでのさまざまなそれぞれの要員によって図形表示の動作が繰り返されることになる。この動作の繰り返しは、さまざまな用途に対して同じプロセスエレメントを描写するさまざまな図形ディスプレイを作成するのに必要とされる操作においてだけではなく、さまざまな表示アプリケーションで用いられる図形エレメントを自身が関連するプロセスプラント内の実際のハードウエアまたはソフトウエアのエレメントに結びつけるために必要とされる操作にも明らかに示されている。
【0013】
さまざまなプロセスプラント活動に対する図形サポートが事実の後を追って、しかも、実行中の実際の活動の一部として提供されてきたため、図形サポートは、共通の図形をプラント内でプラントのさまざまな機能レベルで作成して用いることを可能とするような仕方ではプラント環境下で統合されない。この図形の非統合性によって、さまざまな機能用に実際に作成された図形が、機能ごとにまたはアプリケーションごとに異なることになってしまい、これがまた、特定的な1つのタイプの図形ディスプレイは分かっていても、プラント内のさまざまな動作や機能と関連するさまざまなディスプレイをビューイングする必要がときたまあるユーザに対して混乱を引き起こしかねないことになる。同じように、上述したように、プラントのさまざまな互いに異なった機能レベルで図形表示サポートを提供すると、ディスプレイを作成する際と、ディスプレイ内のエレメントをプラント内の実際のハードウエアまたはソフトウエアのエレメントに適切に接続する際の双方の際に図形サポートが繰り返されることになる。
加えて、エラー検出およびその他のプログラミングは、さまざまなコントローラ上で走行している制御ループや、個々のデバイス内での問題を関連する状態、エラー、警告などを検出するには有用である。このようなエラー検出は、従来、プロセスプラントのさまざまな機能レベルで実行されてきたし、また、このようなさまざまな機能的動作用に作成された図形ディスプレイ上で表示されてきた。したがって、プロセス制御システムをプログラミングして、プロセスプラント内のさまざまな、そしてたぶんあちこちに配置されたデバイスからのデータを分析することによって検出しなければならないシステムレベルの状態やエラーを認識させることは困難であったし、オペレータや保守要員に対してこのようなシステムレベルの状態情報を示したり提示したりするように作成されたオペレータディスプレイ上でこのようなタイプのエラーを示すことはさらにもっと困難であった。また、ディスプレイ内のさまざまなエレメントの情報やデータのこのような交互に入れ替わるソースでオペレータディスプレイ内のオブジェクトをアニメートするのは難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
スマート図形エレメントは、プロセスプラント内のデバイスの現行の状態などの、プロセスプラント環境に関する情報をユーザに対して表示するためにプロセスプラント中で実行される1つ以上の図形ディスプレイの部分やコンポーネントとして用いられるためのものである。この図形エレメントはおのおのが、フィールドデバイスのような関連のプロセスエンティティのものであるプロパティや変数を含み、また、図形エレメントが図形ディスプレイの一部として実行されるときにユーザインタフェース上に関連のプロセスエンティティを図形として描写するためにおのおのが用いられる複数のビジュアライゼーションを含む実行可能なオブジェクトである。この図形エレメントビジュアライゼーションはその内のどれでもいずれの特定の図形ディスプレイで用いてもよく、また、同じ図形ディスプレイが、さまざまな時点でさまざまなビジュアライゼーションのどれを用いてもよい。ある図形エレメントと関連するさまざまなビジュアライゼーションによって、図形エレメントがより多目的なものとなるが、それは、同じ図形エレメントを、さまざまな図形のスタイルや規範を用いているさまざまなディスプレイ中で用いることが可能であるからである。このようなビジュアライゼーションによってまた、同じ図形エレメントを、大型表示画面や、標準のコンピュータ画面や、PDA、電話表示画面などの非常に小型の表示画面を有する表示デバイスなどのさまざまなタイプの表示デバイス用に設計されているディスプレイ中で用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】後出のプロセスプラント内でさまざまな機能と関連する表示ルーチンおよび他のアプリケーションを実施するオペレータワークステーションと、プラントのさまざまな機能エリアのおのおののための図形表示エレメントおよび図形ディスプレイを作成するために用いられるシステムレベルの図形サポートを提供するワークステーションとを含むプロセスプラント内に置かれている分散型プロセス制御ネットワークのブロック図である。
【図2】プロセスプラントを制御し、ビューイングし、シミュレーションするシステム内へのシステムレベルの図形サポートの統合を示す論理ブロック図である。
【図3】図形エレメントとディスプレイが作成される構成環境と図形エレメントとディスプレイが実行されるランタイム環境とを示す論理図である。
【図4】図形エレメントをポンプエレメントという形態で作成または編集することを可能とするために図形エディターによって生成された簡略化された表示画面の図である。
【図5】図形エレメントをリアクタという形態で生成している間に図形エディターによって生成されたさらなる表示画面の図である。
【図6】さまざまなビジュアライゼーションが図形エレメントと結びつくまたは関連する1つの仕方を示すブロック図である。
【図7】図形エレメントと関連する第1のプロパティのビューを示す画面表示のあるセクションの図である。
【図8】図形エレメントと関連する第2のプロパティのビューを示す画面表示のあるセクションの図である。
【図9】図形エレメントのプロパティと関連するアクションを示す表示画面のアクション/アニメーションセクションの図である。
【図10】可視のトリガーが図形エレメントのプロパティおよびビジュアライゼーションと統合される仕方を示すブロック図である。
【図11】図形エレメントのビジュアライゼーションのための変換アニメーションを提供するまたは定義するために用いられダイアログボックスを示す図である。
【図12】図形エレメントのビジュアライゼーションのための、カラーアニメーションを含むプロパティアニメーションを提供または定義するために用いられるダイアログボックスを示す図である。
【図13】図形エレメントがランタイム環境に対して解像度テーブルを介して結び付けられる概括的に仕方を示す図である。
【図14】プロセス環境下の互いに異なった複数データソースに結合した表示エレメントを描写するブロック図である。
【図15】複数の表示エレメントとコネクタから図形ディスプレイを生成している間に図形エディターが生成する表示画面の図である。
【図16】図形ディスプレイ内に置かれた図形エレメントと関連するさまざまな ビジュアライゼーションを示す図形ディスプレイを生成するための表示画面の図である。
【図17】相互接続されたさまざまな図形エレメントとコネクタから成る図形ディスプレイと関連する表示画面の図である。
【図18】図17のディスプレイ内のエレメントの制御パネルとフェースプレートを示す図17の図形ディスプレイを介してアクセスされる図形表示画面の集合の図である。
【図19】さまざまな表示エレメントから成る石灰釜を示しまた、プロセスプラント内の他のさまざまなアプリケーションとデータソースからデータを供給する図形ディスプレイの表示画面の図である。
【図20A】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20B】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20C】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20D】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20E】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図21A】図20A〜20Eに示す石灰釜を運転するために用いられる制御ルーチンと関連する表示画面の図である。
【図21B】図20A〜20Eに示す石灰釜を運転するために用いられる制御ルーチンと関連する表示画面の図である。
【図22】物理レベルや機能レベルを含むさまざまなレベルにおけるさまざまな図形ディスプレイ同士間の関連性を示すブロック図である。
【図23】構成システムと関連する図形構成階層を示す第1の構成画面を示す図である。
【図24】図形エレメントと図形ディスプレイが、構成システム内の他のエレメントに割り当てられるまたはこれと統合される1つの仕方を示す図形構成階層を示す第2の構成画面を示す図である。
【図25】プロセスプラント構成システム内で1つ以上の図形ディスプレイが割り当てられる仕方を要約するためにユーザに対して提供されるダイアログボックスの図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、プラント10のさまざまな機能エリアに対してシステムレベルの図形サポートが提供される例示のプロセスプラント10を示す。一般的なことであるが、プロセスプラント10は、おのおのが、例えば、Fieldbusインタフェースや、Profibusインタフェースや、HARTインタフェースや、標準の4〜20maインタフェースなどである入/出力(I/O)デバイスまたはカード18を介して1つ以上のフィールドデバイス14と16に接続されている1つ以上のコントローラ12を有する分散型プロセス制御システムを含んでいる。コントローラ12はまた、例えばイーサネット(登録商標)リンであるデータハイウエイ24を介して1つ以上のホストまたはオペレータのワークステーション20〜23にカップリングされている。データベース28はデータハイウエイ24に接続されて、プラント10内のコントローラおよびフィールドデバイスと関連するパラメータ、ステータスおよび他のデータを収集して記憶するデータヒストリアンとしておよび/またはプロセス制御システムの現行の構成を、それがコントローラ12とフィールドデバイス14および16にダウンロードされて記憶されるとプラント10内に記憶する構成データベースとして動作する。データベース28は、さらに、本書で説明するような仕方で作成された図形オブジェクトを記憶して、プロセスプラント10内で図形サポートを提供する。コントローラ12、I/Oカード18およびフィールドデバイス14と16は一般的には時たま厳しいプラント環境下に置かれるが、オペレータワークステーション20〜23およびデータベース28は通常、コントローラや保守の要員が入りやすいコントロールルームやより厳しくない環境下に置かれる。しかしながら、場合によっては、手持ち式デバイスを用いて、これらの機能を実施することがあるが、一般的にはこのような手持ち式デバイスはプラント中のさまざまな場所に持ち運ばれる。
【0017】
周知なように、例えばEmerson Process Management社から販売されているDeltaV(登録商標)コントローラであったりするコントローラ12はおのおのが、互いに異なった、そして互いに独立に実行されるいくつかの制御モジュールまたはブロック29を用いて制御戦略を実施するコントローラアプリケーションを記憶したり実行したりする。制御モジュール29はおのおのが機能ブロックと一般に呼ばれるものから作ることが可能であるが、この機能ブロックはそのおのおのが、全体的な制御ルーチンのサブルーチンであり、他の機能ブロックと(リンクと呼ばれる通信によって)共同して動作して、プロセスプラント10内の制御ループを実施する。公知なように、オブジェクト指向プログラミングプロトコルではオブジェクトである機能ブロックは、一般的には、送信機や、センサーや、他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連したものなどの入力機能と、PID、ファジー理論などを事項する制御ルーチンと関連したものなどの制御機能と、バルブなどの一部のデバイスの動作を制御する出力機能の内の1つを実行して、プロセスプラント10内で一部の物理機能を実行する。もちろん、ハイブリッド式および、モデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザなどの他のタイプの複雑な機能ブロックも存在する。FieldbusプロトコルやDeltaVシステムプロトコルは、オブジェクト指向プログラミングプロトコル中で設計され実施される制御モジュールと機能ブロックを用いるが、一方、制御モジュールは、例えば、シーケンシャル、ラダーロジックなどを含むいずれかの所望の制御プログラミングスキームを用いて設計可能であって、機能ブロックや他のいずれかの特定のプログラミング技法を用いて設計されて実施される形態に限られない。
【0018】
図1に示すプラント10で、コントローラ12に接続されているフィールドデバイス14と16は、標準の4〜20maのデバイスであったり、プロセッサとメモリを含むHART、Profibus、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusというフィールドデバイスなどのスマートフィールドデバイスであったり、他のいずれかの所望のタイプのデバイスであったりする。これらデバイスのあるもの、例えば、Fieldbusというフィールドデバイス(図1では参照番号16で示す)は、コントローラ12中で実施される制御戦略と関連する機能ブロックなどのモジュールやサブモジュールを記憶して実行する。図1ではFieldbusというフィールドデバイス16の内の互いに異なった2つのものの中に配置されている機能ブロック30は、公知なように、コントローラ12内の制御モジュール29の実行と関連して実行されて、プロセス制御を実施する。もちろん、フィールドデバイス14と16は、センサー、バルブ、ポジショナーなどどのタイプのデバイスでもよく、また、I/Oデバイス18は、HART、Fieldbus、Profibusなどのいずれかの所望の通信プロトコルやコントローラプロトコルに適合するどのタイプのI/Oデバイスでもよい。
【0019】
図1のプロセスプラント10では、ワークステーション20〜23は、プラント10内で同じまたは互いに異なった要員によって実行される互いに異なったさまざまな機能目的で用いられるさまざまなアプリケーションを含む。ワークステーション20〜23はおのおのが、さまざまなアプリケーション、プログラム、データ構造などを記憶するメモリ31と、メモリ31に記憶されているいずれかのアプリケーションを実行するために用いられるプロセッサ32とを含む。図1に示す例では、ワークステーション20は、構成ワークステーションとして設計されて、1つ以上の構成アプリケーション33を含むが、このアプリケーション33には、例えば、いずれかの認可済みの構成エンジニアによってアクセスされて制御ルーチンや制御モジュール29と30などのモジュールを作成してプランと10のさまざまなコントローラ12やデバイス16にダウンロードするための制御モジュール作成アプリケーション、オペレータインタフェースアプリケーションおよび他のデータ構造が含まれる。ワークステーション21は一般には、図1では制御デバイスビューイングワークステーションとして示されている、多くの表示アプリケーションを含み、これらのアプリケーションは、コントロールオペレータに対して、プロセスプラント10にさまざまなディスプレイを提供して、オペレータが、プロセスプラント10やそのさまざまなセクションで何が起こっているかをビューイングして制御することを可能とする。アプリケーション34は、制御機能を実行する際にコントロールオペレータを支援するために用いられる制御診断アプリケーションや、チューニングアプリケーションや、レポート生成アプリケーションや他のいずれかの制御サポートアプリケーションなどのサポートアプリケーション34aを含むことがある。同様に、ワークステーション22は保守ビューイングワークステーションとして図示されており、多くの保守アプリケーション35を含むが、これらの保守アプリケーション35は、さまざまな保守要員に用いられて、プラント10の保守必要性をビューイングしたり、さまざまなデバイス12、14、16の動作状態や作業状態をビューイングしたりするものである。もちろん、アプリケーション35には、プラント10内で保守要員が保守機能を実行するのを支援するために用いられる保守診断アプリケーション、校正アプリケーション、振動分析アプリケーション、レポート生成アプリケーションや他のいずれかの保守サポートアプリケーションなどのサポートアプリケーション35aを含むことがある。加えて、ワークステーション23はシミュレーションワークステーションとして示されているが、このシミュレーションワークステーションには、送信目的や、プラントの保守、制御などを支援するプランとモデリング目的を含む多くの何らかの目的のためのプラント10やプラント10のさまざまなセクションの操業をシミュレートするために用いられる多くのシミュレーションアプリケーション36が含まれる。一般的であるが、ワークステーション20〜23はおのおのが、表示画面37をキーボード、マウスなどの他の標準の周辺デバイスと共に含んでいる。
【0020】
もちろん、さまざまな構成や、制御や、保守や、シミュレーションのためのアプリケーション33〜36が図1ではこれら機能のうちの1つに専用のさまざまなワークステーションに置かれているところが示されているが、これらの機能や他のプラント機能と関連しているさまざまなアプリケーション33〜36は、プラント1の必要性と設定しだいで、プラント10内の同じまたは互いに異なったワークステーションやコンピュータ中に置いて実行してもよいことが理解されるであろう。したがって、例えば、1つ以上のシミュレーションアプリケーション36や制御アプリケーション33を同じワークステーション20〜23中で実行してもよいし、その一方で、別の個々のシミュレーションアプリケーション36や別の個々の制御アプリケーション33をワークステーション20〜23の内の互いに異なったもの同士の中で実行してもよい。
【0021】
過去においては、プラント10内のさまざまな機能エリアで用いられさまざまなアプリケーションの開発はかなり独立して実行されていた。したがって、構成アプリケーション33の開発は、シミュレーションアプリケーション36や、保守アプリケーション35や他のオペレータ制御アプリケーション34と統合して行われることはなかった。事実、多くの例で、プラントは、さまざまな企業やソフトウエア供給業者によって開発され、また、事実、プラント10内で他のソフトウエアとは独立して走行するように開発されたさまざまな機能エリア用のアプリケーションを含んでいた。プラント10のさまざまな機能エリアと関連するさまざまなアプリケーションのこの独立した開発と動作の結果、プラント要員は一般に、構成や、オペレータ制御や、保守や、シミュレーションのそれぞれの機能レベルで別個にプラントを構成したりセットアップしたりすることが要求された。特に、同じまたは互いに異なったプラント要員が一般に、さまざまなプログラムを用いて、新たなデータ構造と図形ディスプレイをおのおのの機能レベルで設定しなければならなかった。したがって、図1を参照すれば、さまざまなアプリケーション33〜36のおのおのが、一般的に含まれている構成や、制御や、保守や、シミュレーションの機能を実行したり、さまざまな図形表示エディターやデータベース構造を用いて、これらの構成や、制御や、保守や、シミュレーションの機能を実行する際にプラント要員を支援したりしてきた。多くの例で、このようなさまざまな図形表示エディターとデータベースは、さまざまな図形ディスプレイを作成して、プラント10の同じセクションやエリアまたはプラント10内の同じハードウエアを描写したりモデリングしたりするためと、さまざまなプラント要員が、構成や、オペレータ制御や、保守や、シミュレーションのなどの活動状況においてプロセスプラント内で何が起こっているかをビジュアライズして理解するのを支援するために用いられた。
【0022】
プラント10内のさまざまな機能のおのおのに対するアプリケーション33〜36と関連のディスプレイとは、一般的には、互いに対して独立に、時としては、別々に人たちによって、さらには別々の会社によって開発されて実施されたため、プロセスプラントのさまざまな機能エリアで作成または用いられる図形ディスプレイは、図形をビジュアライズさせるという観点から見ればいかなる首尾一貫したまたは分かりやすい仕方では統合されなかった。その結果、プラントの互いに異なったさまざまな機能レベルでの図形ディスプレイの作成と実行の独立性のため、図形ディスプレイが機能ごとに異なったものと見え、そのため、機能エリア全体にわたって図形ディスプレイの概観と雰囲気が一貫しないということになってしまった。加えて、この独立した作成操作のため、プラントのセクションやエリアは同じであるが機能の用途が違う場合に図形ディスプレイを作成する際に動作が繰り返されることになり、また、このようにして作成された図形ディスプレイをつなげる必要があり、また、コントローラ12やフィールドデバイス14,16などのプラント10内のさまざまなデバイスからデータを、プラント10の機能レベルで別個に受信する必要があった。このため、データベース構造を複製して、さまざまなディスプレイに対する共通のハードウエアエレメントを追跡する必要が生じた。したがって、例えば、過去においては、第1のアプリケーション(例えばアプリケーション35のうちの1つ)を用いて、保守目的のためプラント10のあるセクションを示す保守ディスプレイを作成し、一方、第2のアプリケーション(例えばアプリケーション34のうちの1つ)を用いて、制御目的のためプラント10の同じセクションを示すコントロールオペレータディスプレイを作成した。これら別々の表示エディターによって別個に作成されたディスプレイは外見や雰囲気がまったく異なり、そのため、ユーザにとっては保守ディスプレイとオペレータディスプレイ間で切り替えるのが困難であり、すぐ混乱するか、さもなければこれらディスプレイの双方での訓練が必要となる。同じように、双方のディスプレイを互いに異なったアプリケーション34と35で互いに独立に作成する際に動作が繰り返され、また、データベース構造を作成して、保守ディスプイとコントロールオペレータディスプレイをプラント10内の同じハードウエアエレメントに対して別個に結びつけたり接続したりして、時として同じまたは類似のデータをこれらのハードウエアエレメントから受信するため、動作がさらに拡大される。
【0023】
このような非効率性を軽減し、プラント10内により有用で理解しやすい図形を備えるため、図形サポートレイヤーをプロセスプラント10のシステムレベルで提供して、プラント10の構成、オペレータビューイング、保守ビューイング、シミュレーションおよび他の機能エリアを含むプラント10のさまざまな機能エリアのおのおのの図形ディスプレイとデータ構造の必要性をサポートする。このシステムのサポートレベル図2では、プラント操業レベル40、プラント機能レベル42、システムレベル44と図解されている。図2から理解されるように、プラント操業レベル40は、コントローラ12、フィールドデバイス14、16などを含むが、これらは、制御ルーチンやモジュール28と29、さらに、プラント10内の他のソフトウエアを走行させて、プラントのランタイム中にプラントの操業を実行する。プラント機能レベル42は、構成機能ブロック46、制御機能ブロック47、保守機能ブロック48およびシミュレーションブロック49を含むものとして描写されているが、エンジニアリング機能やビジネス機能などの他のまたは別の機能を提供してもよい。構成機能ブロック46は構成ルーチン33を実施するが、このルーチンは、プラント操業レベル40内のコンポーネントとインタフェースまたは通信して、制御戦略や制御モジュールをそれに対して提供する。制御機能ブロック47は制御ビューイングと他のアプリケーション34と34aを含むが、これらもまた、プラント操業レベル40内のさまざまな物理的および論理的コンポーネントと一般には直接的にインタフェースまたは通信して、オペレータがプラント10内で変更を実施して、制御ディスプレイ34を介してオペレータに情報を提供して、制御アプリケーション34aなどのためのデータを獲得する。保守機能ブロック48は、保守ルーチンとアプリケーション35および35aを含むが、これらは、プラント操業レベル40内の物理的および論理コンポーネントとインタフェースまたは通信して、保守手順を実施したり、保守データを収集したり、保守のデータや情報を保守要員に対して保守ディスプレイ35を介して提供して、診断アプリケーション35aなどを走行させる。同じように、シミュレーション機能ブロック49はシミュレーションルーチン36を含むが、このルーチンは、プラント10のシミュレーションを実行しまた、プラント操業レベル40内のコンポーネントと通信可能にカップリングされて、プラント10に関するデータを得る。
【0024】
図2に示すように、システムレベルサポートレイヤー44は、プラント機能レイヤー42内の機能ブロック46〜49のおのおのにつながってこれをサポートして、例えば、共通のデータベースと、さまざまな機能エリア46〜49で用いられるソフトウエアオブジェクト、図形エレメント、図形ディスプレイなどのディスプレイ構造などのディスプレイ構造との作成と保守を可能とする。より詳しくは、アプリケーション、データベース、図形サポートエレメントを含むシステムレベルサポートレイヤー44は、機能ブロック46〜49のおのおので実行される図形動作を一緒に統合したり、システムサポートレベル44で作成された共通のデータベース構造と図形エレメントを用いて開発したりする機能を可能とする。このシステムレベルサポートを提供するため、システムサポートレイヤー44は、図形エディター50と図形オブジェクトデータベース52を含む。図形エディター50は図形エレメント54と図形ディスプレイ56を作成するために用いられ、一方、図形オブジェクトデータベース52は、エディター52とブロック46〜49中のさまざまなアプリケーションとによってアクセス可能なメモリにエレメント54とディスプレイ56を記憶する。データベース52はまた、プラント操業レベル40内の個々のハードウエアとソフトウエアのエレメントに対して図形エレメント54を接続する他のオブジェクト58とデータ構造を記憶する。加えて、データベース52は、さらなる図形エレメントまたはディスプレイを作成するために用いられる図形エレメントや、表示テンプレートや、プリミティブを記憶する。図2から理解されるように、図形表示エレメント54、ディスプレイ56および他のデータベース構造58は、あらゆる機能ブロック46〜49によって用いられて、このような機能ブロックと関連する図形を作成して用いるようにする。
【0025】
一般的に言って、システムレベルサポートブロック44は、機能ブロック46〜49のすべてにおいて図1のプロセスプラント10中で用いられる図形を統合する仕方を提供し、これで、さまざまな状況下で同じプラント装置に対してさまざまな図形エレメントを繰り返し作成する必要性を軽減または解消し、また、機能エリア46〜49のおのおのでユーザがこのような機能エリアと関連する図形ビューで表示中の装置と関連するデータにつながることを容易とする。理解されるように、システムレベルサポートレイヤー44は、機能エリア46〜49のおのおのの複数のアプリケーションや、機能ブロック46〜49の内の互いに異なったエリアの互いに異なったアプリケーションに対して図形とデータベースをサポートすることができる。
【0026】
図1を参照すると、システムレベルサポートブロック44は、他のワークステーション20〜23のおのおのに接続される追加のワークステーションやユーザインタフェース60を用いて実施される。ワークステーション60は一般的に、図形エディター50とデータベース52を記憶し、また、所望に応じて他のエレメント54、56、58を記憶する。加えて、ワークステーション60は、データベース24を介したり、別個の有線または無線の通信接続(図1では点線で示す)を介したり、他の何らかの所望の仕方でワークステーション20〜23に通信可能に接続される。図1に示す構成では、ワークステーション60は、表示エディター50を記憶してこれを実行し、これによって、ユーザが、図形エレメントを作成したり、このようなエレメントを1つ以上の図形ディスプレイに分類したりすることを可能とするが、これらは双方とも本書では表示モジュールを呼ばれる。次に、このような表示モジュールは、データベース52に記憶されて、図2に示す機能ブロック46〜49の内のさまざまなブロックによってアクセスされて用いられるようにし、さまざまなワークステーション20〜23で実施されるようにする。解説しやすいように、システムレベルブロック44と機能レベルブロック46〜49の機能性を図1のさまざまなまたは別個のワークステーション20〜23上で実施されるものとして図示してあるが、これらさまざまなブロックのいずれかと関連するどのアプリケーションでもプロセスプラント10内のまたはこれと関連する同じもしくは互いに異なったワークステーションまたは他のコンピュータ上で実施することが可能であることが理解されよう。したがって、図形エディター50は、プラント10と関連する他のワークステーション20〜23のいずれでもまたは他のコンピュータのいずれにおいても記憶して実行され、したがって、スタンドアロン型または別個のコンピュータに存在する必要はない。
【0027】
以上解説したように、図2のシステムレベルレイヤー44は、システムレベルディスプレイとデータベースオブジェクトを実施するが、これらをさまざまな機能ブロック環境下で用いたり、また、より高いレベルでの表示能力を提供するために用いたりすることが可能である。一般的に言って、図2のシステムレベル44で作成された表示オブジェクトは図形エレメントや図形ディスプレイに分類することが可能である。図形エレメントは一般に、プリミティブまたは低レベルの表示オブジェクトであって、これは、バルブ、センサー、ポンプ、コントローラのようなハードウエアデバイスなどのプラント内の特定の物理的エンティティと関連している。図形ディスプレイは一般には、相互接続された図形エレメントから成っており、ユニットやエリアなどのプラント内のハードウエアのより複雑な集合を表してモデリングするために用いられ、さまざまなハードウエアユニット同士間の相互接続を含んでいる。加えて、図形ディスプレイには、プラントから、また、他のアプリケーション、例えば、ワークステーション20から23および60などで走行する診断アプリケーションやビジネスアプリケーションから提供されたグラフ、チャートおよび他のデータが含まれる。
【0028】
図3に、後出のエレメントやディスプレイが存在する2つの環境、特に、構成環境70とランタイム環境72の下での図形エレメントと図形ディスプレイの展開と使用を概略的に示す。一般的に言って、図形エレメント74(別個のエレメントオブジェクト76a、76bなどと描かれている)および図形ディスプレイ76(別個の表示オブジェクト76a、76bなどと描かれている)という形態を持つ表示オブジェクトは、例えば、表示エディター50を用いて構成環境70で作成される。オブジェクト74と76は、作成後、データベース52に記憶される。オブジェクト74と76はクラスオブジェクトとして作成されるが、これは本書では表示モジュールクラスオブジェクトと呼ばれて、プロセスプラント10内の特定のハードウエアまたは論理的なエレメントには拘束されたり結び付けられたりしていない一般的なオブジェクトである。しかしながら、クラスオブジェクトは、クラスオブジェクトと同じ基本的プロパティを有するが、プロセスプラント10内の特定のハードウエアに対して拘束されたり結び付けられたりしていないランタイム図形オブジェクトを作成するために用いることが可能である。しかしながら、一般的に言って、クラブオブジェクトは、自身からインスタンス化された子供オブジェクトに対して、このような子供オブジェクトがランタイム環境下でインスタンス化されても、結び付けられたままである。
【0029】
図3に示すように、図形エレメントオブジェクト74はおのおのが、さまざまな多くの環境化で有用な図形エレメントを作成する多くのコンポーネントを含んでいる。特に、おのおのの図形エレメント74は、1つ以上のビジュアライゼーション77と、任意の数のパラメータもしくはプロパティ78と、スクリプトやトリガーを用いて実施される任意の数のアクションまたはアニメーション79と、バインディング80を含んでいる。一般的に言って、おのおののビジュアライゼーション77は、図形エレメント74がランタイム環境72の下で実施されると、表示画面上に実際に表示される可視のプロパティやエレメントを定義する。一般的には、ビジュアライゼーションは、物理デバイスもしくは論理デバイスまたはデバイスのグループの表現を確定するが、ビジュアライゼーションは他のエンティティを表すことも可能である。ビジュアライゼーション77は、あるエンティティの図形描写の細目を定めるいずれかの所望の記述やプログラミングのパラダイムを用いてランタイム環境72で実施される。1つの実施形態では、ビジュアライゼーション77はPGXMLやAvalonコントロールを用いて実施されるが、これらのコントロールはMicrosoft(登録)から提供されるものであり、また、これらはオブジェクトベースの装置であるため、標準のWindows(登録商標)タイプのディスプレイで用意に実施可能であり、また、表示環境同士間で携帯可能である。この特徴を以下により詳細に説明するが、参照してここに組み込む「プロセスプラントユーザインタフェース中でのマークアップ言語ベースの動的プロセス図形(弁理士事件整理番号第06005/41127号)という題名の同時係属出願中で解説されている。
【0030】
一般的に言って、パラメータとプロパティ78はビジュアライゼーションによって描かれているエンティティと関連する変数や静的なまたは変更可能真性のプロパティなどの他のプロパティを定義するものであるが、このようなプロパティは、エレメント74のクリエータによって定義可能である。同じように、アクションとアニメーション79は、ルーチンやプログラム(プロパティの値などに基づいてプロセスエンティティの状態を検出するプロパティを変換するスクリプトとして実施される)、ビジュアライゼーション77が表示画面上で描かれるとビジュアライゼーション77上でまたはこれを用いて実行される図形ビジュアライゼーションや動作を変更する何らかのルーチンを含むアニメーションルーチン、またはユーザに対してビジュアライゼーション77を用いたりこれを対話したりすることを可能とし、これによって、プロセスへの入力に対する変更などのプロセスの変更をもたらすルーチンを定義する。このようなアクションとアニメーションは、ビジュアライゼーション77に対してより面白くて理解しやすいまたは助けとなる図形プロパティを提供し、これで、ユーザはビジュアライゼーション77と対話可能となる。1つの場合では、このようなアクションとアニメーションは、色や回転角度の変更、サイズや縮尺やスキューなどの変更を含む、ビジュアライゼーションのさまざまなコンポーネントの、色、サイズ(例えば、高さと幅、ラインサイズ、フォントなど)、カラー塗りつぶしおよびアニメーションの変更という形態をとる。このようなアクションとアニメーションは、図形エレメント74に対して図形プロパティとユーザ対話プロパティを提供する。静的または固定したバインディングであったり、別名を用いるバインディングであったりするバインディング80は、パラメータやプロパティ78が、図形エレメント74がランタイム環境72でディスプレイの一部として実施されるときに、どのようにしてランタイム環境72内のデータ、タグまたは他のエンティティに拘束されるかを定義する。基本的には、おのおのの図形エレメント74に対するバインディング80は、図形エレメント74が、プラント環境下の他のどこかで定義されている1つ以上のエンティティまたはデータエレメントに対してどのように結び付けられるかを確立し、したがって、実際のランタイム環境72と図形エレメント74間のインタフェースを定義する。
【0031】
図3に示すように、図形表示オブジェク76はおのおのが、1つ以上の図形エレメント81、コネクタエレメント82、アクションとアニメーション83、プロパティ84およびバインディング85に対する引用やこれらのコピーなどの多くのコンポーネントを含んでいる。一般的に言って、図形ディスプレイ76は、パイプや、回線や、ベルトコンベヤなどを表すコネクタエレメント82と一緒に可視的に接続されているさまざまな図形エレメント81の相互作用を描くディスプレイであったりする。このようなコネクタオブジェクトが、米国公開第2004/0153804号に解説されている。図3の点線は、図形表示オブジェクト76aによる図形エレメント74の内の1つに対する参照を示している。図形エレメント74を参照する図形ディスプレイ76は、図形エレメント74のプロパティ、パラメータ、アクションおよびアニメーションなどのすべてを含んでいることが理解されよう。図形エレメント74に類似して、おのおのの図形ディスプレイ76は、例えば、ディスプレイや、ユーザインタフェースの対話や、データ操作などをアニメーション化する自身と関連するさらなるアクションまたはアニメーションを1つ以上含んでいる。同じように、おのおのの図形ディスプレイ76は、ディスプレイと関連する任意の数のプロパティを含んでおり、一般的には、このようなプロパティは、ディスプレイ内で描写されているユニット、エリアまたは他のエレメントグループのプロパティを定義する。もちろん、バインディング85は、図形ディスプレイ76がプラント環境のどこか他所で定義されている1つ以上のエンティティまたはデータエレメントどのようにして結び付けられるかを定義し、したがって、実際のランタイム環境72と図形ディスプレイ76間のインタフェースを定義する。
【0032】
図形エレメント74と図形ディスプレイ76は、一旦作成されると、例えば、図1のワークステーション20〜23の内のいずれかでランタイム環境72に拘束されてその下で実行される。特に、図形エレメント74または図形ディスプレイ76は、クラスオブジェクトとして作成されてデータベース52に記憶されたら、実際のランタイムオブジェクトとしてインスタンス化されて、ランタイム環境72で実行される。ブロック86に示すように、インスタンス化プロセスが、オブジェクト74と76に定義されているバインディングを塗りつぶすが、これは、プロセスプラントまたはプロセス制御システム内の適切な変数名、タグ、別名などを含む1つ以上の解像度テーブルを用いて、プロセスプラント内の実際のエンティティとプラント10内の表示デバイス上で走行する図形オブジェクト間に特定的な接続を提供することによって遂行される。バインディングプロセスの一部として、オブジェクト74と76は、解像度テーブルによって定義されるようにプロセスプラント内のデータソースに接続し、したがって、論理的にそして通信可能にプロセスプラント10に接続されるようにプラントにアクセスする。
【0033】
ブロック87に示すように、表示エレメント74または図形ディスプレイ76は、ほんの2〜3例を挙げると、構成ディスプレイ、コントロールオペレータディスプレイ、保守ディスプレイ、シミュレーションディスプレイを含む、ランタイム環境72内のさまざまな多くの機能の中でまたはその一部として実行可能である。加えて、表示オブジェクト74と76は、システムレベルの機能、例えば、推測制御機能もしくは推測保守機能、システムレベルエラー検出、診断などを含む、図2に示す機能レベルの内のさまざまなレベルからのデータを用いる機能を実行する際に用いられる。事実、ディスプレイ76は、一旦構成環境70で作成されてデータベース52に記憶されると、さまざまな多くの作業で用いられる。さらにまた、表示オブジェクト74と76は、ワークステーション90、ラップトップ型コンピュータ91、個人向け携帯型情報通信機器(PDA)のような手持ち式デバイス92、電話デバイスなどの任意の所望のディスプレイもしくはコンピュータハードウエア上で、または複数のモニターなどを有する大型画面ディスプレイなどの他のいずれかの特殊ディスプレイ93上で実行される。所望次第では、1つの図形ディスプレイ76をレイヤー化して、構成ビュー、オペレータビュー、保守ビュー、シミュレーションビューなどの1つ以上のビューを含むようにしてもよい。代替例では、別個の図形ディスプレイ76を、同じまたは類似の図形エレメント81を用いてこのような別個のビューを提供するように構成して、これらさまざまな機能用に作成されたディスプレイ全体にわたって首尾一貫した概観と雰囲気を提供するようにしている。
【0034】
ブロック95に示すように、ランタイム環境72に移植されるように、図形エレメント74または図形ディスプレイ76をコピーしたりインスタンス化したりして、ランタイムマシンにロードする。一般的に言って、表示オブジェクト74または76を、ランタイムマシン上でコールされたまたは実行されたときにだけランタイム環境72に拘束されるようにするのが望ましいが、これを本書ではランタイムバインディングと呼んでいる。すなわち、インスタンス化されたオブジェクトのおのおのに対する解像度テーブルは、表示オブジェクトが実際にランタイムコンピュータ中で走行中であったり実行中であったりする場合に、ランタイム環境に充填されたりこれに拘束されたりするだけである。この手順によって、そのビジュアライゼーション、コントロール、スクリプトなどを含む表示オブジェクトが、オブジェクトのビジュアライゼーションが実際に表示画面上で描写されているときにだけ、実行され、したがって処理パワーを用いることが保証される。したがって、表示オブジェクトは、自身がランタイムコンピュータ上で実際に走行中であるときにランタイム環境72に拘束されるだけであるのが望ましいが、これは、表示オブジェクト74と76は、このようなオブジェクトによって作成されたビジュアライゼーションをユーザがビューイングするという動作によって定義される仕方でランタイム環境72に対して間欠的に接続されることを意味する。特に、このようなオブジェクトは、ビューイングされることが要求される時点でランタイム環境72に拘束され、また、このようなオブジェクトがビジュアライゼーションを提供している画面をユーザが最小化したり閉じたりする場合など、ユーザによってビューイングされていない場合には拘束を解かれたり開放されたりする。
【0035】
したがって、表示オブジェクト74と76は、スタンドアロン環境、すなわち、構成環境70で作成されるオブジェクトであるが、プロセスプラント環境または、プロセスプラント環境下で走行中の、いずれかの制御環境、シミュレーション環境、保守環境または構成環境で定義された、例えば、オブジェクト、データ構造、アプリケーションなどを含むいずれかのアプリケーション内で定義されている他のオブジェクトやデータ構造と結び付けられたり接続されたりするものである。さらに、表示オブジェクト74と76は、一旦作成されると、解像度テーブルに定義されている直接的な参照や、変数や、タグを介して直接的に、または、別名や、変数やパラメータを用いることによって間接的に物理的または論理的プロセスエンティティに拘束されるが、これらは、表示オブジェクト74もしくは76がランタイム環境72内でダウンロードされるかインスタンス化されるときに、または、場合によっては、表示オブジェクト74または76がランタイム環境72内で実際に走行中であるときに決定される。
【0036】
図3の表示エディター50は、表示オブジェクト74と76を、さまざまな詳細レベルで作成し、これによって、表示オブジェクト74と76の使いやすさと汎用性を高めることが可能である。例えば、図形エレメント74を最初に作成して、よりプリミティブな物理的エンティティおよび論理的エンティティのプロパティと動作を定義し、次に、図形ディスプレイ76を1つ以上の図形エレメント74を相互接続することによって作成して、より複雑な物理的もしくは論理的エンティティまたは物理的もしくは論理的エンティティのグループを描写するより高レベルなまたはより複雑なディスプレイを作成する。もちろん、図形エレメント74と図形ディスプレイ76は双方共、互いに異なったさまざまなカテゴリで記憶されてアクセスされ、より高レベルの表示オブジェクトの作成をユーザにとってより単純なものとする。
【0037】
図4に、表示エディター50によって作成される例示の画面ディスプレイ100を示す。ポンプの図形エレメントを作成するプロセスで描写されている画面100は、メイン編集セクション102、エレメント階層セクション104、プロパティ定義セクション106およびビジュアライゼーションセクション108を含む。メイン編集セクション102は、ユーザまたはデザイナーが、図形エレメントのためのビジュアライゼーションを作成し、これで、この場合はビジュアライゼーション109で示されているポンプである図形エレメントの可視プロパティを定義する際の作業空間となるものである。一般的に言って、エレメント階層セクション104は、階層ビューやツリー構造を用いて、メイン編集セクション102内のビジュアライゼーション109と関連するコンポーネントとなるものである。図4の例では、階層セクション104、メイン編集セクション102で定義されているビジュアライゼーション109は、円(Circle1と名づける)プリミティブもしくはサブエレメントと、2つの矩形(Rect1およびRect2と名づける)を含んでいることを示している。図4には示されていないが、階層セクション104は、アニメーション、アクションおよび他の表示特徴、例えば、ビジュアライゼーション109に対して定義されたスクリプト、可視トリガーなどの表示を含む。
【0038】
プロパティ定義セクション106は、編集セクション102に示すビジュアライゼーション109と関連する図形エレメントに対して現在定義されている、真性のプロパティを含むプロパティのすべてを図示する。図4の例示の画面100は、ビジュアライゼーション109と関連するポンプがオンであるかオフであるかを定義するIsOnプロパティと、ビジュアライゼーション109と関連するポンプの速度を定義するSpeedプロパティの2つのプロパティを示す。ユーザやデザイナーは、プロパティ定義セクション106内の他の変数、プロパティなどの名称、タイプおよびバインディングを定義し、これによって、図形エレメントの他の側面を定義することによって、他のプロパティやパラメータを図形エレメントに追加することが可能である。図4のセクション106に示す2つのプロパティは、ブール変数と浮動小数点変数であるものとしてリストアップされている。しかしながら、他のタイプの変数をその代わりにまたはそれに加えて用いてもよい。したがって、例えば、セクション106で定義されたプロパティは、配列や、テーブルや、列挙されたリストや、他のタイプの変数もしくはデータ構造であったりする。
【0039】
所望次第で、画面100内で定義されている図形エレメントは自身と関連する複数のビジュアライゼーションを有する。これらビジュアライゼーションの内で互いに異なったものをビジュアライゼーションセクション108に描写するが、メイン編集セクション102に置かれるように個々に選択される。例えば、2つのビジュアライゼーション110Aと110Bを、図4のビジュアライゼーションセクション108に示すが、他のどの番号やタイプのビジュアライゼーションを、作成中の図形エレメントに対して定義してもよい。図形エレメント作成プロセス中、おのおののビジュアライゼーションは、セクション108中のビジュアライゼーションの表示のところで右クリックしたりダブルクリックしたり、ビジュアライゼーションの表示を編集画面102にドラッグアンドドロップしたりするなどして、メイン編集セクション102に置かれる。ビジュアライゼーションは、一旦メイン編集セクション102に置かれると、その表示プロパティを定義または再定義するように編集される。一般的に言って、これらのビジュアライゼーションの内の1つを、作成中の図形エレメントのデフォルトビジュアライゼーションとして設定または定義する。このデフォルト設定を、図4のビジュアライゼーション110Aの場合で示すようにデフォルトビジュアライゼーションを強調したり、ビジュアライゼーションセクション108中で点線で囲んだりなどの何らかの仕方または他のいずれかの仕方で示す。
【0040】
一般的に言って、エレメントエディター50で作成されたビジュアライゼーションは、定義された仕方で置かれたり一緒に分類されたりするさまざまな形状から成る1つ以上の複合体でできている。したがって、このようなビジュアライゼーションは、形状複合体と呼ばれる。例えば、形状複合体には、円、ライン、点、多角形、方形、矩形、三角形または他の単純な図形形状が含まれる。このように定義すると、互いに別個のアクションやアニメーションは、形状複合体を作り上げるさまざまな形状のおのおのに適用されたりこれと関連付けられたりする。もちろん、形状複合体には、エレメントのより精巧で芸術的な描写物が含まれる。形状複合体を定義したり構築したりするためには、ユーザやデザイナーは、任意の数のプリミティブ図形エレメントをメイン編集セクション102に追加して、これらプリミティブを、何らかの所望の仕方で一緒にする。形状複合体は、一旦作成されると、XAMLとしてランタイムで実施され、図形エレメントがランタイム環境化で用いられる場合にビジュアライゼーションとして画面またはディスプレイ上に表示される実際のオブジェクトに対するビジュアライゼーションを定義する。形状複合体を構築するこの形状またはプリミティブは、階層セクション104中で複合体階層として図示される。
【0041】
1つの図形エレメントに対して複数のビジュアライゼーションを作成することによって、さまざまなビジュアライゼーションをさまざまな状況でまたはさまざまな用途に対して用いることが可能となり、これで、共通のエレメントのさまざまなビジュアライゼーションを表示しながらも、プラント内でさまざまな目的のために作成されたディスプレイが同じ図形エレメントから作成される(すなわち、同じ図形クラスオブジェクトから作成される)。例えば、機能状況が異なれば、ビジュアライゼーション110A、110Bなどの内の互いに異なったものを用いるため、図形エレメントをコントロールオペレータのディスプレイの一部として用いる場合は第1のビジュアライゼーション110Aが用いられ、図形エレメントを保守ディスプレイの一部として用いる場合は第2のビジュアライゼーション110Bが用いられ、ポンプエレメントをシミュレーションディスプレイで用いる場合は第3のビジュアライゼーション(図示せず)が用いられる。他方、異なったタイプの表示デバイス上で表示する目的に対しては異なったビジュアライゼーションが用いることができる。例えば、図形エレメントの第1のビジュアライゼーションが一般的なコンピュータやワークステーションで用いられるのに適しており、一方、PDAや電話デバイスのような手持ち式デバイス上では異なったビジュアライゼーションを作成して用いると長所となり、他方、大型の画面ディスプレイやマルチ画面モニターに対してはさらに別のビジュアライゼーションが作成される。ある図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを、ビジュアライゼーションが表示されるディスプレイのサイズに基づいて調整されるため、一般的なコンピュータ画面などの大型画面に対してはそれに適している第1のビジュアライゼーションが作成され、PDAや無線電話デバイスのような手持ち式デバイスの表示画面などのかなり小型の画面に対してはそれに適した第2のビジュアライゼーションが作成されることが理解されるであろう。このように、ランタイムデバイスが異なれば、同じ図形エレメントに対する異なったビジュアライゼーションが用いられる。
【0042】
他方、図形エレメントの開発サイクルでさまざまな時点で図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションが追加される。例えば、製図や好ましいビジュアライゼーションの作成に適していない構成エンジニアは、最初に図形エレメント作成する際に、本来予備的で基本的である第1のプリミティブビジュアライゼーション(棒線画製図など)を生成して、このビジュアライゼーションをその時点での図形エレメントの一部として記憶する。その後の日または時点で、熟練したドラフターやアーティストが、より精巧で芸術的に好ましいビジュアライゼーションを作成して、この第2のビジュアライゼーションを図形エレメントに対して代替のビジュアライゼーションとして追加することが可能である。所望次第では、この時点で、第2のビジュアライゼーションをデフォルトビジュアライゼーションとして設定することが可能であり、また、この第2のビジュアライゼーションを、マスター図形エレメントやクラス図形エレメントからインスタンス化されているランタイム図形エレメントのすべてにわたって伝播させることが可能であるので、この第2のビジュアライゼーションは、ランタイムディスプレイ中に現れたりこのディスプレイ中で利用可能とされたりする。
【0043】
別の例では、同じ図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを提供して、ディスプレイのさまざまなテーマ、図形基準、規範またはスタイルをサポートする。周知のように、一般的には、業界が違えば、ポンプ、バルブ、センサーおよび他のプロセスプラントエンティティを描写するために用いられる図形規範や図形基準も異なる。したがって、石油業界やガス業界では、製薬業界とは異なった図形基準を用いる。エレメントエディター50を用いると、おのおのの図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを提供して、関規範やガス規範や製薬規範などの複数の図形の基準や規範をサポートすることが可能である。このようにして、作成された図形ディスプレイ中で同じ図形エレメントを用いて、ディスプレイ、例えば、さまざまな業界で受け入れ可能なまたは有用なディスプレイのさまざまな基準、規範またはテーマをサポートする。さらにまた、異なったビジュアライゼーションに対して芸術的スタイルなどの異なった図形スタイルを用いて、ユーザが、さまざまな幻術的タイプのディスプレイを作成することを可能とする。もちろん、同じ図形エレメントに対して複数のビジュアライゼーションを提供することの恩典の例はほんの少ししかなく、これら複数ビジュアライゼーションに対する他の用途も存在する。
【0044】
所望次第では、図形エレメントは、定義されたまたは自身と関連する図形動作を1つ以上有する。特に、デザイナーや作成者は、回転、線形変換、背景変更、色変更、サイズ変更、色勾配アニメーション、不透明度アニメーション、フォント特徴アニメーション、ビデオ、および、ビジュアライゼーションが画面上に表示されているときにおける図形エレメントのおのおののビジュアライゼーションに対するスタート/ストップ特徴、2次元もしくは3次元変更などのビデオ特徴などのアニメーションを定義する。この動的な動作を追加するために、ユーザは図形エレメントを選択して、ビジュアライゼーションに対してアニメーション(アニメーションルーチンとも呼ばれる)を追加することを選ぶ。この時点で、ユーザは選択されたアニメーションに関する構成情報を入力するか、または、例えば、ダイアログボックスや、表現エディターなどを用いて入力されたスクリプトを用いている所望の動作を定義する。このようなスクリプトは、定義されると、階層セクション104の階層に現れる。基本的には、スクリプトとは、ランタイムアクティビティ中に表示エレメントに対するビジュアライゼーションがビューイングされている場合に表示エレメントの一部として走行したり実行されたりするプログラムまたはルーチンである。必要ではないとはいえ、このような動作やスクリプトは、図形エレメントに対して定義されたプロパティやパラメータの内の1つ以上のものに結び付けられてそこで動作する。例えば、スクリプトは図形エレメントと関連付けられて、図形エレメントのプロパティセクション106中で定義されているプロパティの内の1つのプロパティの値に基づいて図形エレメントのビジュアライゼーション内の色を変更する。例えば、ポンプビジュアライゼーション109の色は、IsOnプロパティ(これはランタイム環境に拘束されている)が真であれば、すなわち、ポンプがオンされると、黄色から緑に変わる。別の例として、ポンプのSpeed(速度)プロパティの値を設定値と比較するスクリプトをポンプエレメントに対して定義して、このSpeedプロパティの値があるレベルを超えていれば、ビジュアライゼーション109内である種の図形アニメーションをもたらす。このアニメーションには、例えば、ポンプの赤色化、ポンプの回転、回転中のポンプの表示、ポンプビジュアライゼーションの脈動化や振動化などが含まれる。
【0045】
例えば、ビジュアライゼーションに対してアニメーションや他の動作を提供するためのビジュアライゼーションに対して定義されたスクリプトは、ビジュアライゼーションを形成している形状複合体内の個々の形状やプリミティブ上で、または、形状複合体内の複数の形状の上で動作するように設計される。スクリプトは、ランタイム環境下の実際の物理的エレメントに対して拘束されている真性のプロパティ上で動作したりこれを用いたりするため、実際のプラント操業に基づいて、または、図形エレメントと関連する実際のエンティティのプロパティを反映するプロセスプラントの他のエリアからのデータに基づいてビジュアライゼーションが変化することを可能とする。
【0046】
図形エレメントのタイプが異なれば、それで用いるのに適した図形も異なることが理解されるであろう。したがって、ある図形エレメントに対して提供される動作は、本書で提供する例には限られない。例えば、回転装置の図形エレメントは振動図形、運動、色変更などを提供するスクリプトを含むが、一方、センサーなどの装置の図形エレメントは、制限条件より上であるか下であるか、構成条件が必要あるかないかなどを描写するスクリプトを含む。もちろん、図形エレメントに対して何らかのプロパティを用いたり定義したりするが、このようなプロパティは、一般的には、表示されているエンティティのタイプに基づいている。また、さまざまなビジュアライゼーションのおのおのに対してさまざまなスクリプトを提供して、ビジュアライゼーションが異なれば異なった動作をそれに対して提供することが理解されるであろう。他方、図形エレメントと関連するビジュアライゼーションのおのおのに対する動作を提供するために用いられるスクリプトもある。
【0047】
加えて、スクリプトや他のルーチンは図形エレメントと関連付けられて、図形エレメントの、関連する物理的エンティティベースのパラメータの内の1つ以上のパラメータに関するある状況を検出する。このような状況には、エンティティと関連した、物理的状態や、通信ステータスなどのステータスや、デバイスステータスや、バルブステータスなどを含むエンティティの検出状態が含まれる。これらの検出された状況や状態は、スクリプトによって生成された状態や値に結び付けられたアニメーションまたは他のアクションもしくは動作を用いて図形に反映される。例えば、関連するポンプの加熱状況を検出するポンプ図形エレメントに対しては、このエレメントの1つ以上のパラメータ、すなわち、図4のプロパティセクション106中に定義されているまたは暴露されているパラメータの内の1つ以上のパラメータに基づいてスクリプトを提供する。別の例として、ある図形エレメントに対してスクリプトを提供して、ポンプの過度の振動や他の何らかの状況を検出する。加熱や過度の振動などのある状況が検出されると、図形エレメントと関連するアニメーションや他のアクションがこの状況で動作して、図形エレメントの内部または上で状況を図形で表示する。
【0048】
図5に、表示エディター50によって生成された別の例示の画面ディスプレイ112を示す。図4の画面100と類似して、画面ディスプレイ112は、メイン編集セクション114、パレットビュー116、階層ビュー118およびプロパティビュー120を含んでいる。リアクタエレメント122の第1のビジュアライゼーションが、メイン編集セクション114中に描写されている。階層ビュー118に示すように、エレメントのタイトルはReactor1であり、このエレメントは、Visual1(デフォルトのビジュアライゼーション)、Visual2およびVisual3という名前の3つのビジュアライゼーションを含んでいる。階層ビュー118中のVisualというヘッディングの下に示すように、第1のビジュアライゼーションは、矩形エレメントと楕円エレメントを含むCanvas背景から成っている。ビジュアライゼーションの現在定義されているプローパティ(この場合は名称)、高さおよび幅は、プロパティビュー120中にリストアップされている。ビジュアライゼーションが階層ビュー118中で選ばれると、ビジュアライゼーションと関連する子供のプリミティブまたはエレメントが編集ビュー114中に示され、また、現在選ばれているエレメントのプロパティがプロパティビュー120中に表示される。
【0049】
画面112中では、パレットビュー116は、ビジュアライゼーションを作成するために用いることが可能な多くの基本的エレメントを含んでいる。例えば、パレットビュー116は、ボタン、テキストボックス、スライダ、ノブなどの基本的UI(ユーザインタフェース)エレメントの集合と、基本的パネルの集合と、基本的形状の集合を含んでいる。定義されたパネルは、ユーザがカンバスエリアを基準とした座標によってエレメント明示的に位置付けすることが可能なエリアを定義するカンバスパネルと、ユーザがエレメントを、互いを基準として水平方向または垂直方向に配置することが可能なエリアを定義するドックパネルと、流れ方向が示されているフローパネルエリア内でその内容を分断したり、ラップしたり、そろえたりするために用いられるフローパネルを含んでいる。流れ方向は、例えば、頂部、右、左および底部のいずれかの組み合わせであって、例えば、左から右さらに頂部から底部へ、または右から左、頂部から底部へなどである。さらにまた、パレットビュー116中の基本的形状は、ISA(アメリカ計測学会)記号、送信機記号、バルブ記号、PI&Dダイアグラム記号もしくは他の制御記号などまたは他のいずれかの所望の形状を含むが、これらはすべて図形エレメントを構築するために用いることが可能である。
【0050】
もちろん、基本的制御エレメント、デバイスなどの他の基本的制御エレメントが、定義中の図形エレメントのビジュアライゼーションを作成する目的で用いられるように、パレットビュー116中のプリミティブとして提供されることもある。パレットビュー116はまた、ユーザが定義したカテゴリやエレメントのリストを提供するが、これらのカテゴリやエレメントは、ユーザがパレットビュー116から他のいずれかの有用な形状を編集ビュー114までドラッグすることを可能とするために作成されるものである。所望次第では、このようなユーザ定義されたカテゴリに対するアクセスはこのカテゴリを作成するユーザに限られ、また、このようなカテゴリとエレメントは、特定のユーザと関連するユーザ優先ファイルに記憶される。しかしながら、組み込まれたカテゴリとパレットのアイテムはデータベースに記憶されて、すべてのユーザに対してグローバルに利用可能とされる。いかなるイベントにおいても、パレットビュー116を用いて、図形エレメントを作り上げるために用いられるプリミティブエレメントのライブラリを表示したりこれにアクセスしたりするが、このようなライブラリは、所望次第で、ロックしたり、バージョン付けしたり、特定のユーザに制限したりなどすることが可能である。
【0051】
上記したように、図形エレメントのビジュアライゼーションはどれでも自身と関連するアニメーションおよび/またはアクションを有することが可能であり、このようなアニメーションまたはアクションは、画面112のアクション/アニメーションビュー123に示される。ビジュアライゼーションがアニメーションまたはアクションを含んでいる場合には、このようなアニメーションまたはアクションもまた、星印などの特殊な記号で階層中に示すことが可能である。ビジュアライゼーションまたはビジュアライゼーションのサブエレメントに足して定義されたどのアクションまたはアニメーションでも、階層ビュー118中で選ばれると、アクション/アニメーションビュー123中に示される。アクションまたはアニメーションは、ビュー123中のこのようなアクションまたはアニメーションを定義することによってまたはこのようなアクションまたはアニメーションを階層ビュー118に追加することによって作成して割り当てられる。ユーザがアクションまたはアニメーションを作成して編集することを希望する場合、エディター50はダイアログボックスまたは編集ボックスを提供して、このフィーチャを完全に指定したり定義したりすることを可能とする。もちろん、アクションまたはアニメーションは、スクリプト、可視トリガーまたは他のプログラムを用いて定義してもよい。
【0052】
画面112を使用中は、ユーザまたはデザイナーは、エレメントのビジュアライゼーションを、パレットビュー116中のさまざまなアイテムをドラッグアンドドロップしてまたは別様に選択し、これらのアイテムを編集ビュー114中に配置して、所望の ビジュアライゼーションを作成することによって作成する。1つ以上のツールバー124を用いて、新たなビジュアライゼーションもしくはアニメーションを追加したり、アニメーションを削除、除去、編集したり、例えば背景から前方へプリミティブやエレメントを配置したり、接続エレメントを提供して接続を示したり、この接続を、作成中のビジュアライゼーションに作り付けたり、さまざまなプリミティブを一緒に分類して互いに対する位置を保持するようにしたり、ラインやテキストなどのような静的なエレメントを追加したりするなどのいずれかの標準の編集機能を提供することが可能である。
【0053】
図6に示すように、図形エレメント130は複数のビジュアライゼーション132またはこれと関連する可視の表示を有するが、さまざまなビジュアライゼーション132が、さまざまな時点で、または、図形エレメント130が用いられているさまざまなディスプレイ中で用いられることが分かる。上で説明したように、ビジュアライゼーション132のどれもが、任意の数のプリミティブ134とアニメーションおよびアクション136から作られている。さらにまた、図形エレメント130は、ビジュアライゼーション132を変更したり、ビジュアライゼーション132と関連する可視トリガーを操作したりするためにアクションとアニメーション136中でまたはこれによって用いられる何らかの数のプロパティまたはパラメータ138を含む。さらにまた、ビジュアライゼーション132またはビジュアライゼーション132を構成する個々のプリミティブは、所定のイベント、例えば、マウス上イベント、マウスクリックイベントなどの所定のイベントに対して定義されているアクションを有する。このようなアクション(ルーチンとも呼ばれる)によって、イベント処理部を設定または定義して、図形エレメント130の動作をさらにカスタマイズしたり、ビジュアライゼーション132とユーザとの対話を可能としたりして、例えば、ランタイム環境内で変更をもたらすことが可能である。特に、ユーザは、ビジュアライゼーション132と、値または他の数値もしくは情報をその中に入力し、スライダバーなどのエレメントをこのビジュアライゼーション上で移動させ、または、他の動作によって、例えば、ビジュアライゼーション内のプロパティを変更することによって、対話する。このビジュアライゼーションプロパティの変更は、スクリプトを介してまたは直接的に、プロセスランタイム変数などのプロセス入力に結び付けられえ、その変数を変化させる。特に、ビジュアライゼーションプロパティは、プロセス入力に拘束されている図形エレメントに対して定義されているプロパティに接続される。このようにして、ユーザは、アクションやアニメーションルーチンを介してビジュアライゼーションと対話して、プロセスやシミュレーション環境などの他のランタイム環境に対して変更や入力をもたらす。
【0054】
所望次第では、ビジュアライゼーション132は図形エレメント130に対して、ユーザ指定によってまたはプログラム指定によって接続される。特に、図形エレメント130は、例えば、図形エレメントによって表されているエレメントの製造業者または、図形エレメントと関連するデバイスの状態などの図形エレメント130と関連する他のパラメータに基づいてビジュアライゼーションをプログラムで変更することを可能とする列挙プロパティを暴露する。
【0055】
上記したように、図5のプロパティビュー120は、階層ビュー118中の選択されたアイテムに対して定義された、したがって、メイン編集ビュー114に描写されているアイテムに対して定義されたプロパティとイベントを提供または示す。ユーザは、プロパティビュー120内のプロパティ、真性プロパティおよびイベントを、例えば、ツールバーボタンを用いてトグルする。図7に、この場合、IsOnプロパティとSpeedプロパティを含む真性プロパティが示されているプロパティビュー120Aを示す。この場合、プロパティビュー120Aは、このような変数とこのような変数に対する何らかのデフォルト設定とのデータタイプを示す。上記したように、ユーザは、このプロパティリストに追加したり、これから削除したりまたはこれを編集したりして列挙物、テーブル構造などを含むいずれかの所望のデータタイプを持ったプロパティを定義する。所望次第では、プロパティビュー120はまた、このようなプロパティに対して定義されたいずれかのランタイムバインディングを示すが、このようなバインディングは固定した変数やタグであったり、または、ランタイム時や図形エレメントのランタイムマシンに対するダウンロード時に書き込まれる別名を用いるタグであったりする。
【0056】
ある図形エレメントに対して定義されたプロパティの値は、アニメーション、アクションなどのトリガー条件として用いることが可能であり、このような動作は図形エレメントと関連する1つ以上のスクリプトによって定義される。例えば、モーターのOnプロパティが真である場合、このモーターの動作のアニメーションを図形ディスプレイ中でトリガーすることが可能である。さらにまた、プリミティブプロパティ、例えば、矩形という形態を持つプリミティブの矩形塗りつぶしプロパティを図形エレメントに拘束し、これで、図形エレメントプロパティの変更によってプリミティブプロパティを実効させるようにすることが可能である。同じように、ビジュアライゼーションに対する変更をプロパティに結びつけ、これによって、ビジュアライゼーションが変更されると、プロパティ値が変更されるようにする。
【0057】
所望次第では、エディター50は、ユーザが、1つ以上のトランスフォーマ機能を指定して、図形エレメントプロパティとアニメーションもしくはアクション間のボンディングをより好ましいものとすることを可能とする。例えば、ユーザは、TankLevelの図形エレメントプロパティ(タンク内の流体のレベルを定義する)をプリミティブプロパティ矩形塗りつぶしに対して拘束し、これによって、ビジュアライゼーションの一部として定義されたプリミティブに対する塗りつぶしの色でタンクレベルをグラフで示す。しかしながら、この場合、ユーザは、プロパティ(TankLevel)を列挙された集合または条件に変換するトランスフォーマ機能を定義するため、タンクレベルが第1のレベルと第2のレベルとの間にある場合、矩形塗りつぶしは緑に設定され、タンクレベルが第二のレベルと第三のレベルとの間にある場合、短形塗りつぶしは黄に設定され、タンクレベルが第3のレベルを超えると、矩形塗りつぶしは赤に設定される。このトランスフォーマ機能は、スクリプトとしてまたは図形エレメントで実行される他のいずれかのプログラムとして定義されまた、これを用いて、何らかの所望のプロパティ変換をもたらす、例えば、プロパティ値を長さや、フォント名や、局所化されたストリングや、持続時間や、回転角度や、色勾配や、透明性や、ブラマパタンなどに変化させる。同じように、変換ルーチンはユーザからの入力を、ビジュアライゼーションを介していずれかの所望のプロパティ値に変換する。
【0058】
別の例として、図形エレメントのプロパティまたはパラメータは、トランスフォーマ機能を用いて外部参照に拘束される。ここでは、エディター50が、ユーザが、図形エレメントがランタイム環境で用いられると自動的に適用される1つ以上のトランスフォーマ機能を指定して、ソース値(ランタイム変数)を目標(図形変数)に変換したりまたは逆に変換したりすることを可能とする。例えば、速度を数値として提供するデータソースに拘束される速度目標値は、「遅速」、「中速」および「高速」の内の1つをソース変数の値に基づいて示すストリングなどのストリングタイプの変数に変換可能である。このような変換機能はまた、単位を変換したり、他の変換を実施したりするために用いられる。いずれのイベントでも、このような変換機能は、スクリプトや他のプログラムとして実施され、また、アクションやアニメーションを提供したり、図形エレメントの表示プロパティに別様に影響したりする何らかの目的のために用いることが可能である。
【0059】
もちろん、いかなる所望のプロパティでも、プロセスコントロール内のさまざまな物理的エレメントに対して作成されたさまざまなタイプの図形エレメントに対して定義される。例えば、ポンプエレメントは、ポンプ状態(例えばオンかオフか)、圧力インプロパティ、圧力アウトプロパティ、フローインプロパティおよびフローアウトプリパティを含む。同じように、アクチュエータを用いて使用される調整バルブは、例えば、名称プロパティ、デンシティインプロパティ、デンシティアウトプロパティ、フローインプロパティおよびフローアウトプリパティ、圧力インプロパティ、圧力アウトプロパティ、温度インプロパティ、温度アウトプロパティ、バルブ位置プロパティ、バルブ開放プロパティ、バルブ閉鎖プロパティ(これは、バルブが完全に開いているか閉じているかを定義する)、セットポイント、プロセス値、および線形タイプ、迅速開放タイプ、等パーセンテージタイプなどのバルブタイプを含む。これは、もちろん、あらゆるものに当てはまることを意図するものではない。さらにまた、このようなプロパティのどれでも、図形エレメントのアニメーションやアクションに対して接続可能である。
【0060】
図8に、階層ビュー118(図5)内の選択されたエレメント(この場合、一般的にはReactor1エレメント)の図形エレメントプロパティと関連するアニメーションとバインディングをビューイングするために用いられる第2のプロパティビュー120Bを示す。図8のプロパティビュー120Bは、IsOnプロパティが図形エレメントのビジュアルのさまざまなコンポーネントにどのように関連するかを示す。特に、テーブルエントリ140で示すように、ビジュアライゼーションの背景に関連し、また、IsOnプロパティの値に基づいて動作する1つのアニメーションが存在する。テーブルエントリ142はIsOnプロパティ同士間のバインディングを示しており、IsOnプロパティをビジュアライゼーション内の背景エレメントまたはプリミティブに関連付けるアニメーション、スクリプトおよびトランスフォームにアクセスするために用いられる。この場合、ユーザは、テーブルエントリボックス140と142中のボタンを選択することによって更なる情報を得る。例えば、テーブルエントリ140中のボタンを選択することによって、ユーザは、ビジュアライゼーションの背景にIsOnパラメータの値に基づいて色を変更させるアニメーションにアクセスする。また、このようなアニメーションボタンをクリックすると、エディター50が、アニメーションの管理と構成を可能とするプロパティアニメーションダイアログボックスを開ける。さらにまた、ボックス142中のバインディングボタンをクリックすることによってバインディングを実行することが可能であるが、こうすると、エディター50がダイアログボックスを開けて、バインディングの作成、ビューイングおよび編集を可能とする。もちろん、類似の画面を、図形エレメントの他のプロパティに対して提供可能であり、プロパティ画面120Bに示すプロパティのリストは、階層ビュー118中の現在選択されているアイテムによって異なる。
【0061】
図5を参照すると、ビジュアライゼーションが階層ビュー118で選択されると、プロパティビュー120はビジュアライゼーションプロパティを表示するが、これには、例えば、名称や、ビジュアライゼーションの固有識別子となるI.D.や、記述や、このビジュアライゼーションが図形エレメントのデフォルトビジュアライゼーションとして設定されているかどうかがある。階層ビュー118またはプロパティビュー120はまた、ビジュアライゼーションがロックされているかどうか、すなわち、修正可能であるかどうかを示す。
【0062】
加えて、コネクタエレメントが階層セクション118から選ばれると、プロパティビュー120はこのコネクタエレメントのプロパティを示すが、これは、コネクタタイプの表示(例えば、流体ライン、電気ライン、ガスライン、円形もしくは方形のダクト、ベルトコンベヤなど)、接続はデバイスの中にあるか外にあるか(すなわち、図形エレメントによって表されるエンティティに対する材料の流れ方向)、必要とされるまたは許容される接続の最小数と最大数、接続の幅と高さ、頂部、左などの図形エレメントに対する接続の位置などを含む。
【0063】
プリミティブが階層ビュー118から選ばれると、プロパティビュー120はこのプリミティブのプロパティを表示するが、このプロパティには、例えば、I.D、カテゴリ記述、プリミティブが選択可能および/または可視であるかどうか、プリミティブの形状もしくは性質のサイズおよび長さまたは他の定義、プリミティブの背景色と塗りつぶしスペースなどが含まれる。もちろん、階層ビュー118中に他のいずれかの選ばれたアイテムがあれば、それによって、このアイテムのプロパティがプロパティビュー120中で表示されるが、このプロパティのタイプと性質は、選ばれたアイテムの性質によって異なる。
【0064】
所望次第では、イベントシートを提供して、階層ビュー118内の選択された階層アイテムのおのおのまたはすべてと関連するイベントを示す。このようなイベントシートには、図形エレメントに対するアクションをユーザが実行すると発生するイベント、例えば、「オンクリック」イベントと「オンマウスオーバーイベント」があるが、これらは、ユーザが図形エレメントやその一部のビジュアライゼーションをクリックすると何が発生するか、または、ユーザが、図形エレメントまたはその一部のビジュアライゼーション上にマウスカーソルを位置付けすると何が発生するかを定義する。このイベントシートの一部として、ユーザはスクリプトエディターにアクセスして、イベント(本書ではルーチンと定義される)が発生すると実行されるスクリプトを定義したりこれにアクセスしたりする。
【0065】
加えて、所望次第では、図形エレメントは自身と関連したカスタムイベントを有することが可能である。カスタムイベントとは、一般的には、何らかの外側または外部のイベントの結果として定義されるイベントまたは、図形エレメントのユーザがとったアクションの結果として外部アプリケーションまたはデータソースとの通信を必要とするイベントのことである。本質的には、図形エレメントは、図形エレメントのビジュアライゼーションに対してアクションの発生を信号通知するために図形エレメントから送られるメッセージである。図形エレメントを実施する包含アプリケーションまたはランタイムアプリケーションは、このようなイベントを、例えば、C#シンタックスを用いたり、または、いずれかの周知の仕方でイベント通知書に登録したりすることによって捕獲することが可能である。一例では、包含アプリケーションはポンプ加熱カスタムイベントに登録して、my−handler機能を提供するが、この機能は、トリガーがかかると、スクリプトや他のルーチンを走行させて、ユーザがイベントを取り扱えるようにする。このようなカスタムイベントは、図形エレメントがコントロールオペレータ画面の一部として実施される場合には特に有用である。この場合、図形エレメント自身は、例えば、ポンプ熱プロパティ(外部測定値に拘束されている)をセットポイントまたは他の制限値と比較することによってイベント状態を判定し、また、ユーザに対してイベントに関して通知して、アプリケーション、スクリプト、ダイアログなどを実施して、ユーザがイベント、この場合は加熱しているポンプを処理または取り扱えるようにすることによってエベント応答をトリガーする。このイベント処理プロセスを可能とするため、エレメントエディター50は、ユーザがイベントのアーギュメント、すなわち、何がイベントとして認識されているか、また、イベントが発生した結果何が起こるかを定義することを許容する。
【0066】
もちろん、所望次第で、図形エレメントは、Avaron制御クラスから継承した基準のイベントを提供することが可能である。周知なように、Avalonオブジェクトまたはコントロールは、ユーザインタフェース上でのベクトル図形の描写をサポートするMicrosoftのLonghornオペレーティングシステムのAvlonユーザインタフェースアーキテクチャのMicrosoftが定義した図形である。これらの基準イベントには、例えば、フェースプレートディスプレイまたはデバイス詳細ディスプレイのビューイングをクリックまたはダブルクリック(マウス)イベントに結びつけることが含まれる。例えば、図形エレメントのビジュアライゼーションの境界内でのマウスのクリックまたはダブルクリックを報告するイベントであるクリックまたはダブルクリックイベントは、ビジュアライゼーションによって表されるデバイスまたはエンティティのフェースプレートまたは詳細ディスプレイの表示をトリガーすることが可能であり、また、ユーザに対して表されているエンティティの状態、デザイン、製造業者などに関するより完全なまたは徹底した情報を提供する。もちろん、基準イベントを含む他のイベントが、キーが押されたことを報告するイベントであるキーのアップ/ダウンイベントや、マウス入力、マウスうろつき、マウス移動、マウスホイールなどを含むマウスイベントや、他の何らかのユーザ始動されたイベントに対して定義されることがある。
【0067】
したがって、所望次第では、図形エレメントは、図形エレメントのプロパティ内に変化が起こると、プリミティブイベントに対するイベントハンドラー中などスクリプト内や、トランスフォーマ機能内でトリガーされる。さらにまた、図形エレメントのプリミティブは、自身とのユーザ対話によって、例えば、マウスやキーボードを介してトリガーされることが可能なイベントを暴露する。このようなイベントは、形状レベルとプリミティブレベルにある図形エレメントとユーザが対話する際にオプションとなる。開発者は、例えばC#方法を用いてイベントハンドラーを指定することによって図形エレメント内でイベントを内部的に処理可能である。
【0068】
図5を参照すると、アクション/アニメーションビュー123は、編集ビュー114中に現在表示されているビジュアライゼーションに対して定義された変換アニメーションとプロパティアニメーションのリストを提供したり示したりする。例えば、ユーザは、ビュー123中のあるローをダブルクリックして、エディター50にダイアルボックスを提示させるが、このボックスは、トランスフォーマアニメーションダイアログボックスまたはプロパティアニメーションダイアログボックスであり、これによって、ユーザは選ばれたアニメーションを編集することが可能となる。一般的には、現在選択されているビジュアライゼーションのアニメーションだけが示されるが、Show−All144ボックスを選択すると、すべてのビジュアライゼーションのアニメーションとアクションを示すことが可能である。アニメーションに意味のある名前や記述、例えば、「アニメートレバー」や「回転モーター」などを備えると、アクション/アニメーションビュー123は、ビジュアライゼーションに対して定義されているアニメーション動作を見やすくし、これに対してアクセスされるようにする。図9に、IsOnプロパティに対して定義されたアクションを示す例示のアクション/アニメーションビュー123Aを示す。この場合、IsOnプロパティが「真」であれば、Visual1と呼ばれるビジュアライゼーションのRectangle1と呼ばれるプリミティブが「赤」の塗りつぶし値で塗りつぶしアクションを実施する。同じように、IsOnプロパティが「真」であれば、Visual1と呼ばれるビジュアライゼーションのEllipse1と呼ばれるプリミティブが、偽の値で可視化アクションを実施する(例えば、不可視となる)。もちろん、アクションとアニメーションはビジュアライゼーションのプリミティブが別個であれば別個に定義されるが、これらのアクションとアニメーションは、同じイベント、トリガーまたはプロパティの変更が発生すれば同時に動作し、また、アニメーションには、例えば、サイズや塗りつぶし色の増加などの単一動作、または、オフされるまで連続的に発生する繰り返し動作の実施が含まれる。
【0069】
図10に、可視のトリガー148が図形エレメント152のビジュアライゼーション150上で図形エレメント152の真性プロパティなどのプロパティに基づいて実施することが可能とされる仕方を示す。特に、図形エレメント152の1つ以上の真性プロパティは、可視トリガー148に対して定義された1つ以上のプロパティトリガー154(この内の3つを図10に示す)によって監視される。スクリプトを用いて実施されるおのおののプロパティトリガーは、ある図形エレメントのプロパティ値が点線155で示されるような値であるかどうか監視することが可能である。その後で、おのおののプロパティトリガーは、監視された図形エレメントプロパティ値が満足されたまたは指定の条件を待たす場合、ビジュアライゼーション150の1つ以上のプリミティブプロパティ値を、点線156で示すように設定することが可能である。したがって、例えば、プロパティトリガー154の内の1つは、1つ以上の図形エレメントプロパティを監視して、これらプロパティの内の1つ以上のプロパティの値が特定の範囲にあるかどうか判定する。この条件が満たされれば、プロパティトリガー154の内の1つが、アニメーションまたは他の可視スクリプトを、例えば、ビジュアライゼーション150のプリミティブまたは他のエレメント上で走行させて、可視トリガー148となる。もちろん、プロパティトリガー154の内の2つ以上が一緒に動作して、可視トリガー148の一部として複数の同時変化やアニメーションを提供するかまたは、プロパティトリガー154の内の互いに異なったものが、例えば、互いに異なった真性プロパティまたは同じ真性プロパティの互いに異なった値に基づいて独立に動作して、互いに異なったプロセス条件に応答して互いに異なった時点で可視トリガー148を互いに異なったように動作させる。このようにして、色変化やアニメーションなどを、図形エレメント152の真性プロパティの値に基づいてビジュアライゼーション150中に提供することが可能である。
【0070】
所望次第では、エディター50は、現在選択されているビジュアライゼーションに対するすべてのプロパティトリガーをリストアップする可視トリガーパネルを提供または表示する。このようなパネルを図9に示すが、図中、エレメントプロパティカラムは図形エレメントプロパティ名をリストアップし、第1の値のカラムは図形エレメントプロパティ値が注意されていることを示し、ターゲットカラムは変更されるビジュアライゼーションやプリミティブの識別子を提供し、経路カラムは変更中のプリミティブプロパティであり、第2の値のカラムは、注意されている図形エレメントプロパティ値が満足された場合に適用されるプリミティブプロパティである。もちろん、アニメーションと他のビジュアライゼーションの変更はこの構造を用いて提供される。
【0071】
図11に、ユーザが変換アニメーションを指定するのを支援するまたは可能とするために用いられる変換アニメーションダイアログボックス160を示す。図示するように、変換アニメーションダイアログボックス160は、アニメーション内の運動を定義するがその方向と距離をユーザが指定することを許容する移動セクション162と、アニメーションの回転方向と回転角度をユーザが指定することを許容する回転セクション164と、水平方向と垂直方向の双方でアニメーションの拡大縮小の度合いをユーザが指定し、また、アスペクト比をロックすべきであるかどうかを指定することを許容するスケールセクション166とを含んでいる。ダイアログボックス160はまた、水平方向と垂直方法の双方でアニメーション中に適用されるスキューをユーザが指定することを許容するスキューセクション168を含む。設定画面170は、ユーザが、アニメーションを継続されるべきであるかどうかを定義することと、他の移動や、回転や、拡大縮小や、スキューなどのアクションのおのおのを可能とさせることを許容する。さらにまた、プレビューボックス172はアニメーションのプレビューを示す。
【0072】
理解されるように、アニメーションとは、ある時間期間にわたって値が変化するオブジェクトである。プロパティアニメーションは、アニメーションをプリミティブプロパティと関連付けることによって達成される。プロパティアニメーションは、テキストの色を変化させるほどに、また、ラインアドのエレメントを点滅させるほどに微妙である。他方、プロパティアニメーションは、多線などのポイントをアニメートさせるなどより複雑である。もちろん、アニメーションの例はほんの少なく、色の追加や変更、プリミティブのサイズ(ポイントのサイズの幅や長さなど)の変更、プリミティブなどの移動、回転、スキューイング、拡大縮小を含むアニメーションもある。さらにまた、プリミティブレベルでとか全体ビジュアライゼーションの一部としてビジュアライゼーションのどのレベルでも提供可能なアニメーションもある。もちろん、複数のアニメーションを、どの特定のビジュアライゼーションやビジュアライゼーションのその特定のプリミティブに対しても提供したり適用したりすることが、所望であれば可能である。さらにまた、特定のビジュアライゼーションまたはビジュアライゼーションのプリミティブと関連する複数のアニメーションが、プロパティの値やマウスイベントなどのユーザが始動したトリガーイベントに基づいて同時にまたは別々の時点で動作することもある。
【0073】
図12に、ユーザに対して、アニメーションのプロパティを定義したり変更したりしてアニメーションを定義することを可能とさせるためにエディター50によって生成されるプロパティアニメーションダイアログボックス180を示す。ダイアログボックス180は、境界定義セクション182と、時刻表定義セクション184を含む。境界定義セクション182は、アニメーションの境界を提供または定義する。特に、「from」プロパティはアニメーションの開始値を定義し、「to」プロパティはアニメーションの終了値を定義する。時刻表定義セクション184は、アニメーションの持続時間、開始時間、終了時間を定義する。持続時間プロパティは、アニメーションが完了するのにかかる時間の長さを定義し、開始時間プロパティはアニメーションの開始時間に対する時間オフセットを定義し、終了時間プロパティは開始時間に対するアニメーションの終了時間を定義する。速度定義セクション186は、ユーザが、例えば、スライドバーを用いて速度、加速度および減速度を指定することを許容する。明らかなように、速度プロパティは、アニメーションの速度を定義し、加速度プロパティはアニメーションを時間が増すに連れて早く移動させ、減速度プロパティはアニメーションを時間が増すに連れて遅く移動させる。繰り返し定義セクション188は、アニメーションが、例えば、指定された回数だけ、または、指定されたカウント数の持続時間だけ、または、オフされるまで継続して繰り返すようにユーザが定義することを許容する。
【0074】
ダイアログボックス180を介してアクセスされるさらなるアニメーションダイアログボックス190は、境界定義セクション182を用いる場合にアニメーション中の境界として用いられるさまざまな色を指定するために用いられる。類似のダイアログボックスを用いて、ユーザが、アニメーションのプロパティとして他の非数値を選択することを可能とする。図示しないが、このダイアログボックスや他のダイアログボックスを用いたりして、他のアニメーションプロパティを選択したり、指定したりする。例えば、自動逆転プロパティを用いて、アニメーションが、順方向動作が完了したら逆に動作するかを示すブール値を定義するために用いられ、また、「by」プロパティは、アニメーションがその開始値を変更する合計の分量を定義するために用いられる。相対速度プロパティは、親アニメーション、すなわちビジュアライゼーションの親エレメントと関連するアニメーション、と比較してアニメーションに対して時間が経過する相対速度を定義するために用いられる。例えば、1という値は、アニメーションが親アニメーションと同じ速度で進行することを示し、2という値は、アニメーションがその親アニメーションの2倍の速度で進行することを示す。
【0075】
図示しないが、ダイアログボックスはまた、アニメーション内でのスタイル、サイズ、フォントおよび色またはそれらの変化などのアニメーションのフォントプロパティを設定するために用いられる。加えて、ストロークプロパティダイアログボックスは、ラインのエッジもしくはラインスタイル、厚さおよび色を設定したり、これらのプロパティを変更したりするために用いることが可能である。
【0076】
図形ダイアログボックスはまた、図形エレメントの他の特徴を編集するために用いられる。例えば、図形ダイアログボックスは、図形エレメントプロパティを図形エレメントに追加して、図形エレメントプロパティをランタイム環境に拘束することを含め、新しいプロセス図形を作成するために用いられる。このようなバインディングダイアログボックスはブラウザとなるが、このブラウザによって、ユーザは、制御システムや他のランタイム環境内で定義されているさまざまなタグや変数をブラウジングして、所望のタグや、変数や、名称などを突き止めて拘束する。同じように、他のダイアログボックスを用いて、ビジュアライゼーションを追加したり、可視トリガーを追加したり、図形エレメントやディスプレイをブラウジングしたり、イベントを追加したりする。
【0077】
したがって、理解されるように、図形エディター50は、図形エレメント真性プロパティの定義のサポート、図形のプリミティブもしくは形状の作製と操作と、動的動作、具体的には、変換アニメーション(回転、並進、拡大縮小、およびスキュー)およびプロパティアニメーション(長さアニメーション、色アニメーションなど)の追加と、動的動作の実行をトリガーする条件の定義を含む図形エレメントのビジュアライゼーションに対するサポートを提供する。さらにまた、図形エディター50は、データベースでの図形エレメントの記憶と検索に対するサポートを提供するが、これには、図形エレメントのxml blob中へのシリアライゼーションに対するサポートと、図形エレメントの図形エレメントライブラリへの分類化に対するサポートが含まれる。さらに、本システムは、図形エレメントをユーザが定義したカテゴリや集合に記憶し、このような図形エレメントのセキュリティをロックしたり提供したりし、図形エレメントをユーザが定義したカテゴリもしくは他の有用なカテゴリに記憶したり、図形エレメントのバージョニング付けをしたりする。
【0078】
いずれのイベントにおいて一旦作成されると、図形エレメントは図形エレメントデータベースに、それがプロセスプラントのランタイム環境内のプロセス変数や他のデータに拘束されないように記憶される。この記憶された図形エレメントは必ずしもどのディスプレイで使用されるというわけではなく、このエレメントが現在ランタイム環境にダウンロードされて、プロセスプラントやプロセス制御システム内の特定の実際のまたはシミュレートされた物理的エレメントに拘束されることが可能とするような用途にとって利用可能とされる。プロセス変数、セットポイント、現在速度などの図形エレメントの真性プロパティは、拘束される場合、ランタイム環境内のデータ参照に対して結び付けられて拘束される。
【0079】
図13に、プロセスプラントまたはプロセスプラント中で使用されるプロセス制御システム内の実際の物理的コンポーネントまたはエレメントに対して図形エレメントを結びつけたり拘束したりすることが可能な仕方を示す。特に、おのおのの図形エレメント192は、本質的にエレメントに対するビジュアライゼーションを定義するXAML194と、それに関連するスクリプト196、アニメーション198、トリガー200、アクション202およびイベント204を含む。図形エレメント192はまた、XAML194中で利用可能または開放されて暴露されるXAML194と関連するすべての参照をリストアップするまたは含む参照テーブル206を含む。参照テーブル206は、実質的には、図形エレメントのプロパティおよびパラメータと、スクリプト196、アニメーション198、トリガー200、アクション202およびイベント204によって用いられる他のいずれかの変数もしくは参照とから成るまたはこれらを含む。参照テーブル206内の変数またはエンティティは、変数、テーブル、他のプログラム中のテーブルエントリまたは、プロセス制御システム中のどこか他のところで定義された他のいずれかのタイプもしくは種類のデータを参照またはこれらに拘束されている。
【0080】
図13に示すように、解像度テーブル208を用いて、参照テーブル206内の参照または変数を実際のプロセス制御環境または他のランタイム環境に結びつける。一般的に言って、参照を直接的にまたはエイリアシングによって定義する解像度テーブル208は、図形エレメント192がランタイム環境内の特定のディスプレイで用いられるように実際には構成されていて、ランタイムマシンにダウンロードされる場合に図形エレメント192のために提供されたり作成されたりする。ディスプレイ内での図形エレメント192の動作前または動作中に、解像度テーブル208は、別名と他のパラメータを分解して、これらの分解されたデータ接続物を参照テーブル206に結び付けて、参照テーブル206内の変数とプロセス制御システムまたは他のランタイム環境内の実際のデータソースとの間を結びつける。
【0081】
ランタイム中にプロセス制御システム内で不必要な処理電力が使用されるのを防ぐために、図形エレメントと、この図形エレメントが用いられる図形ディスプレイとは、実際には表示されていないときやどの表示画面上でも用いられていないときにはランタイム環境に拘束されたままでいる必要はない。その代わり、解像度テーブル208は、図形エレメント192はランタイム環境内で走行中か表示されているときにだけ図形エレメント192の参照テーブル206に拘束される。
【0082】
おのおのの図形エレメントは参照テーブル206と解像度テーブル208を用いてプロセス制御システムまたはランタイム環境に拘束されるため、また、システムレベルで図形エレメントが作成され、コピーされて、ランタイム環境またはマシン中にロードされた後で拘束は発生するため、図形エレメント192は、さまざまな時点でさまざまな用途のためにさまざま間データソースに対して別個に拘束される。さらにまた、図形エレメント192は、制御活動や、保守活動や、モデリング活動や、シミュレーション活動や、構成活動などと関連するデータソースなどの図2のさまざまな機能エリア42内のデータソースを含む互いに異なった任意の数のソースを介して生成されるまたは利用可能とされるデータに拘束させることが可能である。
【0083】
例えば、図14に示すように、表示エレメント192は、大量のさまざまなタイプのデータソースで生成されたまたはこれらから入手可能なデータに対して結びつけること、または、これを表示したり処理したりするために用いることが可能である。このようなデータソースは、公知のDeltaV制御システムなどのコントローラプログラムのような制御環境データソース210と、公知のOPC接続インタフェースを介して他のシステムに接続するOPCデータソース212と、公知のAMSシステムのような保守データソース214と、公知のオベーション(Ovation)システムのような高レベルのもしくはビジネス用のシステム216と、競合制御アプリケーションのような競合システム218を用いるデータソースさえ含むことが可能である。このようにして、一緒に動作する意図がまったくなかった競合システムと関連するアプリケーションを含む多量のさまざまなタイプのアプリケーションから得られたまたはこれに発したデータの場合であっても、図形エレメント192は、システム内のどのアプリケーションからのデータを用いるシステムのどのレベルにおいても物理的エレメントのデータおよび/またはビジュアライゼーションを表示するために用いられる。したがって、図形エレメントと図形エレメントから作成された図形ディスプレイとはシステムレベルで作成されるため、これらを用いると、互いに異なったタイプのソフトウエアがプラント内の互いに異なったハードウエアとソフトウエアのコンポーネントにアクセスして実行中であっても、何らかの目的のためにプラント内で発生していることをビジュアライゼーションさせることが可能である。
【0084】
図形エレメントのモジュール的性質のため、公知のそして良好にサポートされたデバイス記述言語(DDL)で書かれたデバイス記述(DD)から図形エレメントを自動的または半自動的に作成することが可能である。特に、デバイスの製造業者は、一般的に、自分たちが製造するおのおののデバイスに対して、このデバイスに関連するパラメータ、デバイスとの通信方法、デバイスの限界値などをDDLで定義したDDを提供する。その結果、図形エレメント作成アプリケーションは、DDLでデバイスのDDを読み取って、そのデバイスのタイプとデバイスに関連した重要なパラメータ、デバイスとの通信方法、デバイスの限界値などを判断して、次に、これらのパラメータをそのデバイスに対する図形エレメントの真性のプロパティまたはパラメータとして定義することが可能である。このプログラムはまた、そのデバイスに対するビジュアライゼーションとして基本形状の複合体を選択または定義し、また、1つ以上の一般的なスクリプトを選択して、DDからの情報に基づいて、または、そのデバイスに対するDDによって定義されたデバイスタイプのデバイスの記憶されているテンプレートに基づいて、そのデバイスに対する基本的なアクションとアニメーションを提供するために用いる。所望次第では、このプロセス中に、プログラムはユーザに照会して、そのデバイスに関する情報を提供したり、どのアニメーション、ビジュアライゼーション、プリミティブなどを図形エレメントに対して用いるべきかについて選択したりする。
【0085】
より完全なまたはより明確な図形エレメントの場合、本プログラムは、センサー、バルブ、モーター、タンクなどのさまざまなタイプのデバイスに対するさまざまな一般的な図形テンプレートを記憶する。次に、プログラムは、用いるテンプレート図形エレメントを、デバイスのDDによって定義されたデバイスタイプに基づいて決定する。所望次第では、このテンプレートは図形エレメント中で用いられるさまざまなチョイスとオプションを提供するまたは有するが、このようなチョイスはデバイスのDD内の情報またはユーザ入力に基づいて決定される。したがって、例えば、テンプレートは、センサーなどのさまざまなサブタイプのデバイスと関連するさまざまな真性パラメータを提供し、また、プログラムは、図形エレメントに対して定義される真性パラメータをDD内の情報に基づいて決定する。
【0086】
さまざま初歩的なスクリプトがテンプレートの一部として提供されて、ビジュアライゼーションのための動作を提供するために用いられる。また、図形エレメントで用いられるスクリプトは、デバイスタイプなどのDD内の情報に基づいて、または、所望次第ではユーザに対する質問に基づいて自動的に選ばれる。加えて、スクリプト中で用いられるさまざまな制限や変数はDD内の情報から決定される。したがって、例えば、DDが、デバイスが回転装置であり、図形の色などが変わると速度などの回転図形のある側面がDD内に定義されているようなデバイスに関連する制限に基づくことを示していれば、回転図形を提供するようなスクリプトを選んで図形エレメント内で用いられたり提供されたりする。このような制限は、例えば、標準のまたは定格の動作速度や、定義された過剰速度や、過小速度や、制限速度であったりする。別の例として、デバイスがセンサーである場合、センサーの高低値を用いて、センサーの現在読み取り値と関連する図形や、センサーが壊れたかどうかを描写する図形などを提供する。
【0087】
このようにして、基本的な図形エレメントは、あるデバイスが、そのデバイスにタイプとそのデバイスのDD内で定義されているような周知のデバイス特長に基づいて図形エレメントのある基本的なスクリプト、図形アニメーション、ビジュアライゼーションおよび真性パラメータを定義することによってプロセスプラント内で取り付けられたり認識されたりしたときにそのデバイスのDDから自動的に作成される。この自動的な図形エレメントの作成によって、ユーザには新たに追加されたデバイスを図形中に自動的に、しかも、そのデバイスに対する編集のための図形があれば、あまり実行する必要なく統合する機能が与えられ、そのため、デバイスは、このようなデバイスのDDがシステム中にロードされると、少なくとも初歩的なレベルで、図形ディスプレイ中で自動的にサポートされる。言い換えれば、ユーザは、デバイスに対するDDをシステムに提供して次にプログラムを走行させてこのDDからデバイスのための図形エレメントを作成することによって、自動的にそのデバイスのDDから図形エレメントを自動的に作成する。その後で、この図形エレメントを1つ以上の図形ディスプレイで用いて、デバイスのビジュアライゼーションをモデリングしたり提供したりするが、これが、そのデバイスに対する図形エレメントを手動で作成する必要なく図形ディスプレイ内のデバイスをモデリングしたり図示したりする機能をユーザに提供する。
【0088】
上記したように、一旦図3の図形エレメント74が多く作成されると、図形エディター50を用いて、図3のディスプレイ76などの図形ディスプレイを1つ以上作成する。事実、所望次第では、表示エディター50は、多くの事前構成された図形エレメントを持ったユーザまたは購入者に提供されるが、これらの図形エレメントは自身と関連するさまざまなビジュアライゼーション、例えば、さまざまな業界や、さまざまな機能用途のためのビジュアライゼーションなどを有する。次に、図形エディター50は、ユーザが、カスタムエレメントを作成し、また、図形ディスプレイ76を作成または構築することを許容する。
【0089】
一般的に言って、ディスプレイ76を作成するには、ユーザは、図形エレメント74と他の可視のエレメントのライブラリから選択してそれを一緒にしてディスプレイを構築する。図形ディスプレイが完了後、結果得られるデータ構造またはオブジェクトを、構成データベースなどのデータベースに、1つの定義エンティティとして定義されているさまざまなエレメント、真性プロパティおよびビジュアライゼーションをすべて有する表示クラスオブジェクトとして記憶する。しかしながら、この表示クラスオブジェクトはプロセス変数に対しては拘束されず、また、必ずしもどのランタイムディスプレイで用いられるわけでもない。所望次第では、このクラスオブジェクトは、XMLエンティティとしてすべて記憶された一緒に連結されているビジュアライゼーション、スクリプトなどを有するXMLブロブとしてデータベース中に記憶される。その後で、個々の図形ディスプレイはこのクラスオブジェクトから作成され、これらの個々の図形ディスプレイは、オペレータのワークステーションや他のランタイム環境に割り当てられてダウンロードされる。
【0090】
ディスプレイをダウンロードすると、その中の図形エレメント定義体がAvalonコントロールに変換されて、アセンブリにコンパイルされて、目標マシン、すなわち、ランタイムマシン上に展開される。自身がAvalonエンティティであるこのディスプレイは、コンパイルされた制御アセンブリを参照するが、これに加えて、Avalonコントロールを制御または保守のランタイムアプリケーションのようなバックエンドデータソースに接続するデータアダプタとして動作するカスタムデータソースが作成される。このようにして、図形ディスプレイ(および、所望次第では、個々の図形エレメントも)1つの言語で作成されて編集されて、別の言語または形態(たとえBXMLブロブ)で記憶されて、第3の言語または形態(例えばさまざまな実行可能言語の内のいずれかで書かれたスクリプトに結び付けられたAvalonコントロール)で実行される。
【0091】
図15を参照すると、画面220が図形エディター50によって生成され、これで、ユーザは1つ以上の図形ディスプレイを作成できるようになっている。一般的に言って、図形ディスプレイはプラント内の物理的デバイスを表す相互接続されたエレメントから成っており、そのデバイスと関連する追加の情報を含むまたは表示する。図形ディスプレイ中の図形エレメントはそのおのおのが、プロセス変数、定数または他の外部値に等しい真性プロパティの集合を含み、また、上で説明したように、おのおのの図形エレメントはいくつかの可視表示物を有しているが、これら表示物には、動的な動作、例えば、色の変化やアニメーションが含まれる。加えて、図形ディスプレイは、テキスト、ボックス、ユーザダイナモなどの静的なエレメントを含むが、これらによって、ユーザは何らかの仕方で図形ディスプレイと、また、プロセスや他の情報をユーザに対して表示する変数ボックスなどと対話することが許容される。
【0092】
図形エレメント用の図5の編集画面112に類似して、図15の例示の図形表示エディター画面220は、その中で図形ディスプレイが構築されるメイン編集カンバス224と、テンプレート図形エレメント、プリミティブまたは他のライブラリエレメントが表示可能であり、それからこれらのさまざまなエレメントを選択してメイン編集カンバス224上にドラッグアンドドロップすることが可能なパレットセクション226とを含む。メイン編集カンバス224は、その中でユーザが対話してプリミティブであろうと複合体であろうと図形を作成して編集する略図ビューを提供し、また、ベクトル図形を編集してビューイングする特徴を提供する。エディター50によって、ユーザは、図形エレメントなどの図形オブジェクトを、編集カンバス224中に現在表示されている表示フレームの内部または外部にある境界スペース中のどこかに置く。したがって、メイン編集カンバス224は、現在作成中のディスプレイの一部分しか描写せず、また、ユーザは、そのビューをパン撮りして、ディスプレイの他の部分を表示し、さらにズームイン、ズームアウトして、ビューの倍率レベルを変更し、また、ビューを回転して、任意の時点でディスプレイ作業するのにもっとも便利な方位を得る。しかしながら、理解されるように、図形オブジェクトのすべての描画と操作はメイン編集カンバス224で完了される。描画を支援するには、ビューのX−Y位置をルーラ227から読み取ればよいが、倍率レベルを、ツールバー228上のドロップダウンリストに表示して、ズームポップアップなどのエントリを選択することによって変更してもよい。
【0093】
画面220または、階層ディスプレイもしくはメイン編集カンバス224内のエレメントのリストアップを描写する階層セクション230と、カンバス224中で作成中のディスプレイともしくはカンバス224内の強調されたエレメントと関連するプロパティやパラメータをリストアップするプロパティセクション232と、さまざまなパラメータや特徴がプロセス制御システムや他のいずれかのランタイム環境内のエレメントに拘束されている仕方を示すまたはリストアップする拘束セクション234とを含む。加えて、画面220は、メイン編集カンバス224中で作成中の図形ディスプレイと関連するさまざまなビューやレイヤーをリストアップするツールバー236を含む。より詳しくは、どの特定的なディスプレイでも、オペレータディスプレイ、保守ディスプレイ、シミュレーションディスプレイ、モデリングディスプレイ、エンジニアリングディスプレイ、ビジネスディスプレイなどのさまざまな状況下でさまざまな人によって用いられるさまざまなレイヤーやビューを有することがありえる。図15の例示の画面220では、ツールバー236は、一般的なコントロールオペレータのビューとなるOperationビュー(メイン編集カンバス102中に現在示されているビュー)、一般的な保守ビューもしくはエンジニアビューとなるエンジニアリング/保守ビュー、および作成中のディスプレイ中に描写されるプロセスプラントまたはその一部をシミュレートする際に用いられるシミュレーションビューとなるTrainingビューとして示す3つのビューまたはレベルを含む。図15のメイン編集カンバス224内では何もエレメントは選択されていないので、プロパティセクション232は、幅と高さ、作成者が提供した記述、名称、背景記述および作成者がディスプレイ用に記憶したがる他のいずれかの情報などのディスプレイの特徴と共に作成中のディスプレイの現在名を表示する。同様に、図15のメイン編集カンバス224には何も実際のエレメントは置かれていないため、階層セクション230は単にディスプレイの名称を示すだけであり、拘束セクション234には何も拘束物は示されない。
【0094】
ディスプレイの作成中、ユーザは、図形エレメントなどのエレメントを、例えば、パレットセクション226内で定義されているエレメントのカテゴリの集合の内の1つを介してそのエレメントにアクセスすることによってメイン編集カンバス224上に置く。図15の例では、パレットセクション226はさまざまなカテゴリのエレメントを示しているが、これらはメイン編集カンバス224中に置かれ、一緒に接続され、それによって、アクチュエータエレメント、計算・制御エレメント、処理エレメント、プロパティ・測定値、形状、ユーザインタフェースコントロールおよびユーザ定義エレメントを含む完全なディスプレイを作成する。もちろん、他のいずれかの種類とカテゴリまたはサブカテゴリの所定のエレメントをパレットビュー226中で提供したりアクセスしたりする。この例では、アクチュエータはバルブと他のアクチュエータエレメントを含み、一方、計算・制御エレメントは、コントローラの表示物、PID制御ループなどの制御ループや他のタイプの制御ループ、機能ブロック、制御モジュールなどの何らかの制御関連エレメントを含む。図15に図示されているような処理エレメントは、タンク、リアクタ、ミキサーまたは材料を何らかの仕方で処理する他のいずれかのタイプのデバイス、ユニットなどを含んでいる。プロパティと測定値には、プロパティや測定値やプロセス変数、アラームなどのランタイム環境内の他のデータを示すように設計されたボックスや表示エレメントを含む。形状はプリミティブや他の所定の形状であり、一方、UIコントロールは、ディスプレイ中に入力するためにディスプレイ上でユーザが操作するボタン、スライダ、ノブ、ツールボックスなどのさまざまなユーザインタフェース制御エレメントを含む。もちろん、ユーザ定義のエレメントは、他のいずれかの図形エレメントや図形エレメントから作られたより高いレベルのエレメントなどのいずれかの所定のエレメントを含む。1つの場合では、ユーザ定義のエレメントはプロセスユニット、プロセスプラントエリアまたは他のより高いレベルのプロセスエンティティを含む。上記したように、ユーザ定義のエレメントに対するアクセスはエディター50を用いているユーザのアイデンティティに基づいて制限されるかまたはグローバルにアクセス可能とされる。もちろん、他のいずれかのエレメント、形状などを何らかのヘッディングのもとにパレットセクション226内において、これらのエレメントを編成しておいてユーザが容易にアクセスできるようにすることが実現される。
【0095】
ユーザが混合用タンクなどのエレメントをメイン編集カンバス224中に置くと、このエレメントは、このエレメント用のデフォルトビジュアライゼーションを用いてカンバス224中に描写される。この場合、図形階層セクション230はこのエレメントを示し、また、図5に示す仕方と同じような仕方で、そのエレメントのサブエレメント、その図形エレメントと関連するこのようなビジュアライゼーション、アニメーション、プリミティブなどの階層を提供する。さらにまた、ランタイム環境に拘束されえるビジュアライゼーションまたはアニメーションを含むカンバス224中に図形エレメントが示されると、拘束物サブスクリプションセクション234が現在定義されている拘束物を示す。
【0096】
所望次第では、ユーザは、いずれかの所望の仕方で異なったビジュアライゼーションを選択することによってメイン編集カンバス224またはパレットセクション226中の図形エレメントのビジュアライゼーションを選択したり変更したりする。ユーザは、例えば、エレメントの上でマウスポインタを右クリックすることによってまたは階層セクション230内の異なったビジュアライゼーションを選択することによって、または他のいずれかの仕方でアクセスされるドロップダウンリストまたはボックスを用いてこのビジュアライゼーション選択機能を実行する。図16に、垂直タンクエレメント240がパレットセクション226からメイン編集カンバス224内に置かれているところが示されている画面220のメイン編集カンバス224とパレットセクション226の一部分を示す。この垂直タンクエレメント240は、パレットセクション226に描写されているテンプレートまたはクラスの垂直タンクエレメント241のコピーまたはインスタンス化物である。しかしながら、マウスポインタがビジュアライゼーション240上にあるときにマウスを右クリックすることによってアクセスされるスライドバー242中に示すビジュアライゼーション1〜8を含む垂直タンク240の追加のビジュアライゼーションは、演習カンバス224中で作成中のディスプレイ中にあるときに、ビジュアライゼーションとして選択して垂直タンクエレメント240用に用いることが可能である。パレットセクション226に示すように、類似のタイプのスライドバーディスプレイ243を、パレットセクション226中のテンプレートの垂直タンクエレメント241を右クリックすることによって得て、テンプレートタンクエレメント241の可能なビジュアライゼーションを得たりビューイングしたりする。スライドバー242中の異なったビジュアライゼーションを選択すると、カンバス224中で用いられているようなタンクエレメント240のビジュアライゼーションが変化し、一方、スライドバー243中の異なったビジュアライゼーションを選択すると、パレットセクション226に記憶されているようなテンプレートタンクエレメント241のデフォルト設定またはビジュアライゼーションが変化する。
【0097】
パレットセクション226から図形エレメントや他のエレメントを選択してディスプレイを作成することに加えて、ユーザはまた、図15に示すツールバー228からアイテム用いるまたは選択することによって、ライン、方形、矩形、円、五角形などのような形状、テキストなどの基本的描画ツールを得て、これらの単純な描画ツールやエレメントを用いて、ラインを描いたりディスプレイ内にテキストを追加したりする。加えて、ユーザは、ツールバー228中に示すツールバーコネクタエレメント245を用いて、カンバス224内のディスプレイに対してコネクタエレメントを追加する。コネクタエレメント245は、選ばれると、例えば、ドロップダウンメニュー、ダイアログボックスなどを用いてディスプレイ中で用いられるコネクタのリストをユーザに提供する。考えられるコネクタエレメントには、パイプ、ベルトコンベヤ、電気配線、流体フローライン、またはタンクや、ミキサーや、ポンプなどをバルブや、センサーなどの他のハードウエアエレメントに実際に接続する他のタイプのコネクタが含まれる。このようなコネクタエレメントと、コネクタエレメントをバルブタンク、ポンプなどの物理的デバイスのさまざまな表示物間にコネクタエレメントを提供する方法が、参照してここに特別に組み込む米国出願第2004/0153804号に詳述されている。コネクタエレメントによってまた、ユーザは、作成中のディスプレイ内のさまざまなエレメントを相互接続し、また、図形エレメントについて以下に説明するようにさまざまなエレメントに対して定義されているコネクタエレメントとはめ合わせることが可能である。例えば、パイプコネクタを用いて、パイプコネクタポイントを有するさまざまなエレメントを取り付け、一方、ダクトコネクタを用いて、ダクトコネクタポイント用に画定済みのエレメントを取り付けたりする。所望次第では、エディター50は、バルブやタンクなどのさまざまな図形エレメントをバルブやタンクの接続ポイントによって画定されている適切なタイプのコネクタと接続することをユーザに対して可能とするだけの接続ルールを実施する。もちろん、接続エレメントの概観は接続のタイプによって異なり、これで、接続エレメントで作成中のディスプレイに対してより良好な外見と雰囲気を与えるようにする。
【0098】
もちろん、ツールバー228は他のベクトル描画ツールと標準のコマンドや機能、例えば、一般的なFileオプション(新規、オープン、保存、保存名、クローズ、エグジットなど)、Editオプション(アンデュー、レデュー、カット、コピー、貼り付け、削除)、Findオプションなどを含んでいる。加えて、ツールバー228は、図形関連のコマンドを提供するメニューアイテムを含むが、このようなコマンドには、図形エレメントの真性プロパティを追加するために用いられるAddProperty機能、図形イベントを追加するために用いられるAddEvent機能、ユーザがビジュアライゼーションを追加することを可能とするAddビジュアライゼーション機能、ダイアログボックスを開いて、作成されるトリガーに関連する情報を入力することをユーザに対して可能とするAddVisualTrigger関数などがある。さらにまた、メニューには、Format機能(テキストや、ラインや、2次元と3次元画像用の設定関連のText、Line、Fillのプロパティなど)と、オブジェクトの分類もしくは分類解除、前方から後方に至るオブジェクトの順序の選択、水平と垂直の双方向でのオブジェクトの整合などを含むShape機能とがある。ツールバーメニュー228はまた、ユーザがアニメーションをオブジェクトに適用することを可能とする機能を提供するが、このようなアニメーションは、例えば、エレメントの幅や、色や、形状などをアニメーション化して、形状をスキューさせ、回転させ、拡大縮小させたり、エレメントを回転させたり斑点させたりすることによって、エレメントのプリミティブやオブジェクトの1つ以上のエレメントに対して適用される。もちろん、ユーザは、ディスプレイ内のおのおののエレメントと関連するアニメーションやアクションにアクセスして、これらのアニメーションやアクションを、適当なダイアログボックスや他のプログラムツールを用いて変更する。
【0099】
理解されるように、ユーザまたはデザイナーは、表示エディター50を用い、また、特に図15の画面220とインタフェースして、標準の2次元、さらには3次元の図形エレメントから成る図形ディスプレイを迅速にそして容易に作成するが、このディスプレイは、測定値や、アクチュエータや、プロセス装置を動的に示す。また、制御や計算と関連する静的エレメントとユーザダイナモがサポートされており、ディスプレイ中に提供される。加えて、ユーザは、レイヤーを定義して、例えば、少し異なったビューや周辺情報を持つ同じエレメントを用いてオペレータディスプレイや、保守ディスプレイや、シミュレーションディスプレイを作成することによって図形ディスプレイのさまざまなユーザのインタフェース要件に対処するようにする。
【0100】
図17に、図形エディター50を用いて作成される、コントロールオペレータディスプレイという形態を持つ例示の図形ディスプレイの表示画面300を示す。表示画面300は、この場合は流体フローラインであるコネクタエレメント316を介してバルブエレメント312と1つ以上のポンプエレメント314に対して接続されているリアクタエレメント310を含む。流体フローまたはストリームのエレメント318は、画面300が描写するプラントのセクションに出入りする材料のストリームを参照する。理解されるように、表示画面300内の図形は、さまざまな図形エレメントを選択して一緒に相互接続することによって作成され、したがって、表示画面300は、個々の図形エレメントに関して上述したような仕方で開発された高解像度の図形、アニメーション、アクション、可視トリガーなどを含む。もちろん、アニメーション、アクション、可視トリガー、流体フローエレメントなどを含み、追加の図形は、図形表示レベルで追加される。このようにして、アニメーションとユーザアクションは、図形ディスプレイ中に組み込まれる。例えば、この機能を用いて、プロセス装置用の静的図形コンポーネントを修正して、装置のステータス、例えばモーターがオンであったりトリップしたりすれば、バルブの動作状態や位置を示すようにする。加えて、アニメーションを用いて、装置と関連する動的データを表わす、例えば(重点技法を用いたりして)充填中のタンクのレベルを示したり、動きを示す表示の変化(アニメーション)を介してアジテータのステータスを示したりする。同じように、データ表示エレメント319を画面300中に置いて、プロセスデータやディスプレイ300の外部で開発されたがディスプレイ300中のコンポーネントの動作を関連する他のデータを示したりする。
【0101】
所望次第では、図形ディスプレイ300はまた、ダイナモまたはユーザインタフェースボタン320Aと320Bを含むが、これらによって、ユーザは、追加の情報を地震がビューイング可能なように、または、表示画面300との対話を介してランタイム環境に関するアクションを自身がとることが可能なようにディスプレイと対話することが可能となる。場合によっては、このような対話は、図形エレメントに関して上記したように可視トリガーやアクションによって実施される。例えば、ボタン320Aは冷却塔の構造に関する情報の更なるビューをユーザに提供し、一方、ボタン320Bはリアクタ310用のフェースプレートディスプレイを提供する。したがって、ディスプレイ300は、過去においては、例えば、In−Tools、Auto−Card、VisioなどのWindows(登録商標)メタファイル、ベクトル描画、JPEGおよびbitmap画像フォーマットからインポートされた3次元コンポーネントを用いてプロセスまたはプロセスの一部を構成する装置を図示するエレメントの集合を含み、これで、画面300はアニメーションを含んで、例えば、回転、サイズ処理、拡大縮小、スキュー付け、色変更などをエレメントレベルで実行して、より面白く現実的なアニメーション、したがって、より分かりやすいディスプレイを提供することが可能である。
【0102】
さらにまた、ノブや、ダイアルや、スライドバーや、ボタンなどの基本的ユーザインタフェースコンポーネントがディスプレイ300中に示されて、制御システムまたは他のランタイム環境内の情報やコントロールに対して動的にリンクされる。データビューエレメントまたはダイナモもまた、制御機能、アラーム、イベントなどでの測定値と関連するキーパラメータを提供または図示する。例えば、ダイナモを用いて、制御ループパラメータとエンジニアリングユニットに関連する情報を有するさらなる画面を表示し、また、ダイナモの次に表示されて、ダイナモによって表示された値に文脈を与える。制御ループと関連するプロセスアラームのステータスは、色変化、例えば、制御パラメータ値の背景色の変化によってダイナモに反映される。また、ディスプレイ中のクラッタを解消するため、ループが設計された通常動作モードにはないという事実を色変化によって示す。もちろん、このようなダイナモは何らかの基準に適合するようにされる。
【0103】
一例では、オペレータがユーザ対話コンポーネントまたはダイナモにアクセスすると、スクリプトまたは他のプログラムが、図18に例示されているフェースプレートディスプレイや制御パネルディスプレイなどの更なる画面やディスプレイを引き上げる。例えば、ユーザが画面300に示すボタン320Bなどのボタンにインタフェースすると、リアクタ310のフェースプレートがオペレータに提示され、すると、オペレータはこのフェースプレートを用いて、リアクタ310に関する詳細を修正したりビューイングしたりする。図18の例では、フェースプレート情報350は、ユーザが画面300中のボタン320Aによってアクセスするリアクタ310の制御ループ(FIG2_28/TC2−1という名称を持つ)と関連する。フェースプレート350の部分350Aを利用して、ユーザは、ボタン352(その動作はアクションルーチンによって定義されている)を使用するモードを(カスケードモードから、例えば、手動や自動モードに)変更したり、スライダディスプレイ354上の動作パラメータの現在値をビューイングしたり、矢印355を用いて制御ループと関連するセットポイントを変更したりする。加えて、ユーザは制限に関する情報と表示セクション350B中の制御ループのチューニングパラメータを受け取り、また、セクション356中のシミュレーション機能をイネーブルする。所望次第では、セクション350Bは、セクション350A上のボタン358の内の1つを選択することによってセクション350Aのビューから得られる。同じように、ユーザは、トレンドデータ、診断データなどの制御ループに関するさらに別の情報にアクセスしたり、他のボタン358によってループチューニングプログラムなどの制御プログラムや診断プログラムにアクセスして走行させたりする。したがって、他のいずれかのアクティビティ、画面およびアクションは、ユーザのアクションや画面300上で許容されたアクションに応答してディスプレイ300を介してアクセスされる。
【0104】
制御システムが類似の装置の定義に際して別名の使用をサポートする場合、動的表示コンポーネントもまた、表示画面300中で選択された装置に基づく動的参照をサポートするように設計される。このような場合、事前構成された別名と属性を表示オブジェクトの一部として通常は定義されるオブジェクトタグや図形属性の代わりに用いられる。この別名機能は、高度のフレキシビリティと再使用性をサポートするが、それは、類似の表示オブジェクトが互いに異なったI/Oポイントに接続して、互いに異なった図形属性、概観およびセキュリティを表すからである。このような機能によって、プラント内の複製されている互いに異なった装置に対して類似の表示オブジェクトや類似のディスプレイを再構築する必要性が消滅する。このようにして、同じ図形ディスプレイを用いて、プラント内の構造と用途が同じである互いに異なったハードウエアユニットをビューイングする。
【0105】
もちろん、図17の表示画面300は、画面300の頂部に示すツールバーに加えてまたはその代わりに水平(ディスプレイの下)と垂直(ディスプレイの右)の双方向のツールバーを含むツールバーをサポートするように設計される。所望次第では、デフォルトのツールバーを装備して、日時ディスプレイ、アラームやサイレンスアラームを認識するために必要なアラームディスプレイに直接アクセスすることによるアラームリストのビューイング、アラーム要約ディスプレイもしくはメニュー、メインメニューまたは他の標準のメニューもしくはディスプレイ、システムステータスディスプレイなどに対するナビゲーションをサポートしてもよい。
【0106】
図19に、改良型の図形ディスプレイと関連する表示画面400を示すが、すなわち、これは、より多くのエレメント、接続部、ユーザインタフェースアクション、ダイナモおよび他のデータ参照を有する。特に、画面400は、空気と他の燃焼燃料生成物が、ポンプ412、バルブ404および関連のコネクタエレメントを介して釜バレル乾燥機408の入力部406にポンプ送りまたは供給される石灰釜ユニットの動作を示す。同じように、タンク409中のプロセス材料は、石灰を、バレル乾燥機408を介して輸送するシートコンベヤデバイス410から供給される。もちろん、画面400に示すこれらエレメントと他のデバイスはおのおのが、上述したように個々に作成されて画面400内に置かれる図形エレメントである。バレル乾燥機408の入力406は、乾燥機408が動作中にアニメーションとして火または炎415を示すアニメーション化された図形エレメントを含み、これで、画面400の閲覧者に対して釜ユニットの動作を明瞭に示す。加えて、乾燥機408のさまざまなポイントにおける温度を、ダイナモや温度表示ボックス416で示し、また、所望次第では、これらさまざまなポイントでの温度を火のアニメーションの色や、乾燥機408や、他の仕方で示す。同じように、フードの圧力や、釜速度、空気全体、メタノール、入力部、一次と二次の空気入力部、オイルとガスの入力部などのような他のプロセスパラメータを、図19に示すようにパラメータボックスで、プロセス制御システム内の特定の参照物に結び付けられ、また、これから得られるボックス内の変数の値を用いて示す。もちろん、石灰釜ユニットの他の物理的コンポーネントを画面400に示す。
【0107】
しかしながら、他のさまざまな情報が、制御システムや制御システム内のデバイスからのデータを処理する他のアプリケーションなどのランタイム環境内の他のデータソースから得られる画面400上に提供される。このようなアプリケーションは、例えば、制御アプリケーション、保守アプリケーション、診断アプリケーション、ビジネスアプリケーションなどを含むことがある。例えば、時間に対するシステムの温度(度単位)を示すトレンドグラフ420が表示画面400の中心の上側に表示され、データヒストリアンまたはトレンドアプリケーションに結び付けられて、このデータを自動的にプロットする。同じように、釜の利益、エネルギ使用量、生産率などのさまざまなビジネスのアスペクトを追跡するビジネスアプリケーションによって提供される釜412の動作を要約するチャート422が、画面400の左上側に表示される。さらにまた、履歴的トレンド、ヘルプ情報、釜情報、制御上の制約、釜エネルギおよびそれ以外に情報などのユーザにとって有用な他の情報は、表示画面400の上部のユーザインタフェースボタン424を選択することによってアクセスされる。さらにまた、アラームバナー430や他のバナーが画面400の底部に提供されてアラームアプリケーションに結び付けられる。もちろん、表示画面400のこれらエレメントと特徴のすべてが、上記の表示エディター50の特徴を用いてディスプレイ中に提供されてプログラムされる。加えて、これらの特徴および他の特徴を、いずれかの所望の仕方で図形ディスプレイ中で組み合わせて、任意の所望のタイプのディスプレイを作成する。さらにまた、任意の所望のアニメーションと図形アクションを画面400に提供して、より有用なまたは分かりやすい可視情報をユーザに提供し、これで、ユーザが、画面400などからより直接的に他の関連情報をビューイングすることが可能とされる。
【0108】
したがって、図19に示すように、コントローラサブシステム、保守、制御、診断、チューニングおよびビジネスのアプリケーションという形態のアプリケーションによってアクセスされるプロセスエレメントを含む互いに異なったさまざまなデータソースからの情報や、データヒストリアンや他のいずれかのデータソースなどのデータベースからのヒストリカルデータもしくはトレンドデータは、表示画面400に表示される。さらにまた、他の情報やディスプレイは、このようなディスプレイに至るユーザリンクを介して表示画面400から直接にアクセスされる。このようにして、画面400が示す図形ディスプレイは、ユーザにとってより有用な仕方でより多くの情報を提供する。
【0109】
エディター50は図形エレメント、接続エレメントなどの通常の集合を用いていずれかの図形ディスプレイを作成するために用いられるため、表示エディター50を用いれば類似のまたは関連のディスプレイを容易に作成される。このようなディスプレイはプラントのハードウエアの同じ集合に関連してこれを示すが、制御オペレータ目的、シミュレーション目的、保守目的などのさまざまな目的のためにそのハードウエアのさまざまな情報を示す。この場合、共通のまたはベースとなるディスプレイに、プラントまたはプラントのあるセクションと関連するハードウエアエレメントを表示させ、さらに、そのベースディスプレイを用いて別のディスプレイを作成するが、さまざまなユーザまたはさまざまなタイプのユーザに対してさまざまな情報を提供する。
【0110】
例えば、図20A〜20Eに、同じ構成中で同じ基本的なハードウエアエレメントを示し、同じビジュアライゼーションを用いているが、さまざまな機能目的のために追加されたさまざまな情報を有する石灰釜ユニットに対して作成された、オペレータビュー、エンジニアビュー、マネージャビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む例示のディスプレイを示す。したがって、図20A〜20Eのディスプレイはおのおのが同じ外見と雰囲気を有するが、それは、これらが、同じ基本的図形エレメントを用いて同じ表示エディターによって作成されており、したがって、提示されている情報とそれがプラント内のハードウエアとどのように関連しているかを保持して理解しながらも、ナビゲートしやすいからである。
【0111】
特に、図20Aは、釜乾燥機508のコールドエンド506に対してポンプ504によって原材料を供給する石灰・泥供給源502(ストリームエレメントでもよい)を有する釜ユニットのオペレータビュー500を示す。コンベヤ510は処理済みの石灰を釜乾燥機508のホットエンド512から除去して石灰をタンク514に堆積する。生成物ラインまたはストリームライン516は、タンク514に存在する生成物(石灰)の分量を示す。同じように、燃料減ストリームインジケータ520からの燃料が、自身の色がバルブの動作を示すバルブ522を介して、釜乾燥機508のホットエンド512中に提供される。ファン524が空気を、ダクトコネクタエレメント526を介して釜乾燥機508のホットエンド512にポンプ送りして、そこで、燃料と混合される。火や炎528などのアニメーションを釜乾燥機508のホットエンド中で示して、釜乾燥機508の動作状態を示す。同じように、誘導ファン530は釜乾燥機508のコールドエンド506から空気を追加の配管532を介して引き込み、この空気を、スタックストリームエレメント534で示すようにスタックに送る。さらにまた、システムのさまざまな部分での温度、釜乾燥機508のバレルの速度、空気と燃料の流量などのさまざまなプロセスパラメータの値を示すさまざまな変数またはパラメータのボックスが図示される。理解されるように、このハードウエアとこれらの変数ボックスは図20A〜20E全体に渡って共通しており、これらのディスプレイが同じ概観と雰囲気を有するようにするディスプレイの基本的エレメントを提供する。
【0112】
しかしながら、図20A〜20Eの画面のおのおのは、プラント内のさまざまな機能に合うように調整された追加の情報、ユーザインタフェースボタンおよびアクションを含んでいる。例えば、図20Aの画面500は、オペレータビューであり、実験室のテストで測定され、推定され、提供された残留カーボネートをボックス540中に示し、釜の総エネルギと特定のエネルギをボックス542と最適動作にとって重要なモデル予測制御ルーチンによって提供される温度の過去と未来のトレンドを示すトレンドグラフ544とに示す。加えて、画面500は、さまざまなユーザインタフェースボタンやダイナモ548を提供するが、これらによって、ユーザは、制御ループ情報、エレメントのさらなる動作情報などの関連するアイテムに関する追加の情報をビューイングすることが可能である。
【0113】
図20Bの画面550はエンジニアリングビューを示すが、このビューは図20Aのそれに非常に類似しているが、点線552によって、制御にとって重要な測定ロケーションと信号経路を示しており、これによって、基本的制御システムとモデル予測制御システムがどのように協力して動作を最適化するかを示している。図20Cの画面560は管理ビューを提供するが、これは、釜ユニットの基本的動作を示しながらも、システムの個々のコンポーネントや制御ループ上で追加情報を得ることを可能とするユーザインタフェースボタンを提供しない。さらにまた、管理ビュー560は、過去の日や月の実験室での測定値から得られる総エネルギ、特定エネルギおよび残留カーボネート(未変換供給量)を示すチャート562を含む。この情報は、例えば、ビジネスコンピュータ上で実行されるビジネスアプリケーションから提供される。
【0114】
さらにまた、図20Dはシミュレーションビュー570を提供するが、このビューによって、シミュレータはシミュレートされたシステム内のパラメータを変更して、シミュレート結果をビューイングすることが可能となる。ビュー570を用いて、例えば、オペレータを訓練したり、さまざまな未来の動作モードを試験したりする。図20Dに示すように、シミュレータは、画面570上の1つ以上のユーザインタフェースボタンによってシミュレーションオペレータに提供される1つ以上のダイアログボックス570を介してパラメータを変更する。プロセスシミュレーションビュー570は訓練用にオフラインで用いたり、オンラインで用いて、将来の問題を示すのに有用でありえる追加の情報を提供したりする。プロセスシミュレーションは図形から生成可能であるが、それは、装置のタイプとその接続が、オペレータ図形の構成中のシミュレーション機能を有するスマートオブジェクトまたは図形エレメントを用いる結果、周知であるからである。このようなスマートオブジェクトは米国公開第2004/0153804号に詳述されている。
【0115】
同じように、図20Eは、釜ユニット内の装置の状態に関する情報を提供する管理ビュー580を示す。ビュー580中では、装置の健康状態の表示582と584を用いて装置の故障を示す。この場合、表示582と584(図20Eではそのすべてを表しているわけではない)は半円であり、塗りつぶし色は装置の現在監視されている健康状態を示すまたは指定している。ビュー580中では、表示584は最適な健康状態より劣る状態の装置を示している。もちろん、このような表示582と584は保守アプリケーションまたは診断アプリケーションから提供される。さらにまた、理解されるように、プロセス上の問題が検出されたら、保守のテクニシャンが画面580を用いて、推奨される手順を探って発見して、問題を修復することが可能である。例えば、フィルタが泥で詰まれば洗浄する必要があるが、これには、供給を停止して、釜をアイドリング状態にするが、これは、図20Aのオペレータビュー500から実行可能である。操作することによってまた、供給物の品質に関して、上流でのプロセス問題によって引き起こされえる砂利が多すぎるかという問題がチェックして分かる。したがって、この単純な例から分かるように、問題を検出して修復するなどのさまざまな機能同士間でのさまざまな相互作用は、同じ概観と雰囲気を有する、したがって、ナビゲートが容易なさまざまなビューをスイッチすることによって単純に実施される。もちろん、図20A〜20Eのさまざまな画面中の情報、所望次第では、ディスプレイ上でレイヤー化されて、画面のユーザに基づいて示されるだけである。また、エレメントやスマートオブジェクトごとに示される情報はユーザ次第でまたはユーザのアイデンティティ次第で変化する。
【0116】
さらにまた、追加のディスプレイを提供して、図20A〜20Eのディスプレイと関連付ける。このようなディスプレイは、例えば、図21Aや21Bのそれなどのような制御構成ディスプレイを含む。図21Aの制御ディスプレイ585は、どのようにして、さまざまな制御信号が図20A〜20Eに示す釜ユニットのさまざまなハードウエアエレメントとの間で送受されたりこれらからコントローラと、これらコントローラ制御エレメントに関連するタグや変数名に送られたりするかを示す。図21Bの制御ディスプレイ590は制御モジュールを図示して、図20A〜20Eの釜ユニットを制御する制御ルーチンを示している。それほど具体的には示されていないが、図21Aの制御ディスプレイ585は、画面20A〜20Eの同じエレメント(これらの画面はこれらのエレメントと関連する同じまたは互いに異なったビジュアライゼーションを持つ)を用いて作成されたり、異なったエレメントを用いたりする。同じように、図21Aと図21Bのディスプレイ585と590は表示エディター50を用いて作成されるため、このようなディスプレイは上記のグラフ機能とアニメーション機能が備えられる。さらにまた、制御ディスプレイ585と590は、例えば、オペレータビュー500から現行の制御セットアップに容易にアクセスすることをオペレータに許容するために自身に備えられたユーザインタフェースボタン548の内の1つによって図20Aのオペレータビュー500を介してアクセスされる。
【0117】
したがって、上記の説明から分かるように、さまざまな関連ディスプレイがエディター50によって作成され、また、このようなディスプレイが多くの仕方でレイヤー化される。特に、ディスプレイは上記のようにレイヤー化されて、関連のまたは類似のオペレータ、ビジネス、シミュレーション、保守、およびエンジニアリングのビューとなり、これらのビューが互いに容易にアクセス可能である。さらにまた、さまざまなディスプレイが、プラントの特定の階層や、論理的または物理的な構造を反映するような仕方でレイヤー化されたり一緒に接続されたりする。したがって、例えば、プラントのさまざまな物理的または地理的なエリアに対してディスプレイが作成される。このように、プラントの主要なエリアを示す1つのディスプレイが作成され、プラントのおのおののエリア内で、例えば、ユニットごとに基本的構造を示す追加のディスプレイが作成され、同時にまた、ユニットごとにディスプレイが作成される。方法としては、ユーザがディスプレイを探査して、プラントのより細かいセクションと関連するより詳細を得る。別の例として、プラントのさまざまなセクションや部分に対するディスプレイをユーザインタフェースボタンによって連結または一緒に取り付け、これで、オペレータが、さまざまなディスプレイを順方向と逆方向に容易にスクロールして、互いに異なっているが物理的には接続されているプラントのセクションやコンポーネントを論理的な仕方でビューイングできるようにする。
【0118】
このようなタイプのディスプレイレイヤー化を図22の図に詳細に示す。特に、一般的または全体的なプラント概観ディスプレイ600が、プラント全体の基本的または高レベルの構造を示すディスプレイを提供するが、プラントの特定のまたはその一部に関するさらなる詳細は示していない。ディスプレイ600から、ユーザは、プラントのいずれか特定のセクションやエリアを(インタフェースボタンを用いて)選択または探査して、プラントのエリアAの1つ以上のディスプレイ602またはエリアBの1つ以上のディスプレイ604をプルアップする。図22に示すように、エリアAはn個の互いに別個のディスプレイと関連しており、これらはすべて互いに直列に論理的に接続されて、プラントのそのエリアまたはエリアAと関連する他のいずれかの論理的構造中のプロセスフローを反映する。602a、602b,…,602nとラベル付けられた602a、602a、602a、エリアAのこのn個のディスプレイは、ユーザが次から次へとディスプレイをスクロールすることが可能なページを前方または後方にめくるタイプのアクションを用いてアクセスされる。この仕方では、ユーザは、ディスプレイを1つのエリアAのセクションから別のエリアAのセクションへとオペレータに分かるような仕方で容易にスクロールすることが可能である。さらにまた、図21に示すように、オペレータは、所定の情報または他の表示情報をディスプレイ602aから602nの内の互いに別個のディスプレイから得る。このようにして、オペレータは、エリアAのディスプレイ602aをビューイングすると、ディスプレイ602a中のキーパラメータの所定のトレンドを描写するさらなるディスプレイ610を得ることが可能である。同じように、ディスプレイ602bをビューイングすると、オペレータは、開始または終了手順の情報を有するリストまたは文書612にアクセス可能である。もちろん、ユーザは順方向と逆方向でディスプレイ602a、602bなどをスクロール可能である。
【0119】
同じように、m個のディスプレイ604aから604mを含むように図示されているエリアBをビューイングすると、ユーザはディスプレイ内で順方向と逆方向の(次と後方)ボタンを用いて同じ詳細レベルでディスプレイ間をスクロールし、これで、オペレータや他のユーザがプロセスの表示されているセクションの上流側または下流側で情報を含むディスプレイにアクセスすることが可能なようにする。加えて、ダイナモや他のユーザインタフェースボタンを提供して、別のディスプレイをアクセスして、現在のディスプレイ内のエレメントと関連する他の情報を得られるようにする。このようなツールを用いることによって、概観ディスプレイを用いておのおののプロセスエリア中でキーディスプレイにそれからアクセスする表示階層を作成することが可能である。
【0120】
加えて、図20A〜20Eに示すように、ディスプレイをレイヤー化して、プラントの同じセクションまたはその一部に対して多くのディスプレイが存在するが、オペレータアクション、保守アクション、シミュレーションアクション、ビジネスアクション、エンジニアリングアクションなどのさまざまな機能目的のために用いられるようにする。このような互いに別個の機能ディスプレイを、ディスプレイ602a、602bなどの下方でレイヤー化されているものとして図22に示されているが、所望次第では互いにアクセスされる。したがって、オペレータまたはユーザがディスプレイ602aをビューイングしている場合、アクセスが許容されていれば、ユーザは保守ビューや、シミュレーションビューや、ビジネスビューなどのプラントのそのセクションに対する他の機能ディスプレイをスイッチしたりアクセスしたりする。もちろん、同じ基本的表示エレメントを用いてこのようにして保守ビューや、オペレータビューや、シミュレーションビューなどをレイヤー化すると、これらビュー間を容易にスイッチングでき、また、プラント内のさまざまな機能に関してプラント内で発生していることをよりよく理解できるようにする。
【0121】
このことを他の機能性に対して実施するには、図形ディスプレイを、その図形ディスプレイに対する意図された役割(または機能)の表示を含むように作成する。このような役割は、例えば、フェースプレート表示、詳細表示、一次制御表示、略式表示、保守表示、ビジネス表示、シミュレーション表示または他のいずれかのユーザ定義の役割を含む。この役割は図形ディスプレイに一部であり、図形ディスプレイが制御モジュールまたはハードウエアデバイスに割り当てられている場合に用いられて、ランタイム中にそのディスプレイの使用とアクセスを定義する。図形ディスプレイに割り当てられた役割の表示を用いて、構成システムまたはプラントのどこのそして何のセクションに特定のディスプレイが割り当てられるかを示す。加えて、この役割情報を用いて、特定のユーザがどのディスプレイにアクセスするかをユーザが実行中のジョブに基づいて判断する。例えば、制御オペレータは、シミュレーションディスプレイまたはビジネスディスプレイとして定義されている図形ディスプレイをビューイングすることもアクセスすることも不可能である。
【0122】
上記の図形表示機能はまた、重要な装置のステータスを容易に監視可能とするように、特殊なディスプレイを作成するために用いられる。このようなタイプのディスプレイの一部の例には、プロセスのシャットダウン、信号監視、バーナー管理、煤煙換気扇動作および安全システムステータスに関するファーストアウト(first out)表示が含まれる。もちろん、関連するディスプレイを構造化してその情報を要約することは可能であり、装置の移動にはアニメーションが伴う場合には、例えば煤煙換気扇を効果的に用いて、オペレータがシステムの動作に迅速にアクセスしたり理解したりできるようにする。加えて、ほとんどの制御システムが持っている計算機能を用いて、操業の経費や効率などのオンライン計算を実施するが、このタイプの情報は容易にオペレータの図形ディスプレイに組み込み、これで、オペレータがこの情報を用いて、プロセス動作を改善できるようにする。また、さまざまな技法を用いて、サブシステム情報を制御システムに統合し、これで、標準の図形とダイナモを用いてオペレータディスプレイを作成して、より高レベルのディスプレイからサブシステム情報にアクセス可能となるようにする。場合よっては、マトリックス値を3次元でプロットして、情報(例えばシート計量情報)を示す。
【0123】
加えて、図形エレメントとディスプレイはMicrosoft Avalonコントロールによって提供されるようなベクトル図形を用いて実施して、フレキシビリティと速度を提供すると利点があることに注意すべきである。ベクトル図形を用いると、スケーラブル図形を用いて、作成中のディスプレイを拡大縮小したりサイズ処理したりして、特定の表示マシンに合わせたり、拡大縮小を用いるアニメーションを提供したりすることを可能とする機能が提供される。
【0124】
一般的に言って、また、おのおのの図形ディスプレイの作成という題名の同時係属出願に詳述されているように、それに含まれている図形表示エレメントは、第1の宣言フォーマットで記載されているそれぞれのテキスト記述に記録される。おのおのの記述中のスクリプトコマンドは、描写される図形が複雑にもかかわらず、ディスプレイを定義する効率的で、メモリ集約的でないメカニズムを提供する。この宣言的フォーマットと、したがって、スクリプトコマンドとは、多くのさまざまなマークアップ言語の内のいずれか1つに基づく。より詳しくは、XMLに基づくマークアップ言語に基づいて、おのおののディスプレイと表示エレメントに対する描写定義(XMLブロブとも呼ばれる)を記述し、このXMLブロブを用いて、このようなディスプレイとエレメントを、プロセスランタイム環境にダウンロードする前に構成ライブラリやデータベースに記憶する。アニメーションなどの進歩した図形をサポートするために、マークアップ言語もまた、このような図形をベクトル図形スキームにしたがって定義する。
【0125】
上記したように、また、参照してここに組み込む「プロセスユーザインタフェース中のマークアップ言語ベースの動的プロセス図形」という題名の同時係属出願により詳しく記載するように、プロセス図形の動的性質は、プロセスプラントの現在値をオンラインまたはシミュレーション状態が変化するにつれて反映するように設計される。この目的のため、プロセス図形を、このような変化を反映するデータのソースにリンクさせる。おのおののXMLベースの記述はしたがって、このデータにしたがって修正されるそれぞれの動的図形パラメータ(例えば、タンク内部の変化する色)に対するデータソースロケーションを一般的に識別する1つ以上のデータソース参照物を含む。このデータソースロケーションもまた、エディターを介して構成中に後で指定されるようにオープン状態に置かれ、したがって、スクリプトは別名または代替物を識別して、後で指定されるデータソースまたは経路情報を参照する。プロセス図形ディスプレイのデータソース情報と他の特徴(例えば、イベント処理などの動作)はXMLベースの記述によって指定されるため、XMLベース言語はPGXMLまたはプロセス図形XMLと呼ばれる。
【0126】
プロセス図形ディスプレイとその構成エレメントの定義に向けての構成とデザインの業務が終了すると、構成エンジニアまたは他のユーザが、オペレータワークステーションや他のユーザ表示デバイスにプロセス図形をダウンロードする準備のためにPGXML記述を処理するようにする。一般的に言って、図形ディスプレイと表示エレメントのおのおののPGXML記述は処理されて、(i)用いられる図形描写エンジンとコンパティブルであるベクトル図形フォーマットでスクリプトを生成し、(ii)データソース参照物とディスプレイの他のいずれかの非図形機能性(例えば動作)を指定する命令を有するコードを生成する。スクリプトのベクトル図形フォーマットはまた、宣言的な言語すなわちXMLベース言語である。Microsoft Avalonユーザインタフェースアーキテクチャを利用している実施形態では、ベクトル図形スクリプトはMicrosoft XAMLに記載される。オープンソースフォーマット、SVG(スケーラブルベクトル図形)を利用する実施形態もある。このコードはC#や他のいずれかの適切なプログラム言語で記述される。
【0127】
一部の実施形態では、ベクトル図形スクリプトと関連するコードとは、次に、組み合わされて、オペレータワークステーションや他のユーザ表示デバイスに対して実行可能なコマンドを記述するファイルにコンパイルされる。この目的のため、それぞれの動的リンクライブラリ(DLL)ファイルをプロセス図形ディスプレイと図形表示エレメントごとに作成する。いずれのイベントでも、ベクトル図形スクリプトと関連のコードとのこのようなコンパイル処理は、ダウンロード動作に先立って実行されて、ネットワークデータ送信要件を最小化する。
【0128】
図形エレメントと図形ディスプレイは、一旦作成されると、一般的オブジェクトまたはテンプレートオブジェクトとして構成データベース中に記憶され、また、ランタイム環境で用いられる前にクラスベースのまたは非クラスベースのオブジェクトまたはエレメントとして記憶される。一般的に言って、本書に記載する図形エレメントと図形ディスプレイは、ここに参照して組み込む米国公開第2004/0199925号に記載するように、表示モジュールという形態のモジュールである。クラスモジュール(オブジェクト)は、プロセスプラントやプロセス制御システム中のいかなる特定のハードウエアやデバイスにも拘束されたり結び付けられたりすることはないが、プロセスプラントやプロセス制御システムに拘束されている他のオブジェクトがこれに基づいてインスタンス化されるようなオブジェクトである。一般的に言って、プロセスプラントと、特に、プロセスプラントのランタイム環境を構成するには、図1の構成ワークステーション20に示す構成アプリケーション33の内の1つなどの構成エンジンを用いて、図形オブジェクト(図形エレメントと図形ディスプレイを含む)を、制御モジュールのような論理的エンティティ、装置モジュール(例えばユニットモジュール)、プロセスモジュールなどやオペレータワークステーションや他の表示デバイスなどの物理的エンティティを含むプロセスプラント内の他の倫理的エンティティおよび物理的エンティティと関連付ける。場合によっては、図形オブジェクトはクラスオブジェクトであり、装置モジュールクラスオブジェクトや制御モジュールクラスオブジェクトのような他のクラスオブジェクトと関連付けられ、また、図形オブジェクトは、個別のオブジェクトであり、プロセスプラント内の装置に拘束され、例えば、コントローラ、ワークステーションまたは他のプロセスプラント内の装置にダウンロードされているオブジェクトなどのインスタンス化されたオブジェクトと関連付けられる。
【0129】
したがって、上に定義された図形エレメントと図形ディスプレイは、米国公開第2004/0199925号に記載するように、プロセスプラント構成システム内で構成されてプロセスプラントランタイム環境内のハードウエアにダウンロードされ、これで、他のクラスオブジェクトがライブラリ内に記憶されて内部で構成され、次に、プロセス制御システムのさまざまなセクションやサブセクションにダウンロードされるのと同じようにされる。特に、図1のデータベース28などの構成データベース内のデータに基づいて動作する構成エンジンは、図23と24に示すような構成データベース階層を用いて、ユーザが、プロセスプラントの構成をビューイングして変更できるようにする。図23の構成階層画面700に、制御システム702(DeltaV制御システムとラベル付けされている)用の構成データベースがライブラリセクション704、システム構成セクション706および探索結果セクション708を含んでいる様子を示す。
【0130】
ライブラリセクション704は、ランタイム環境に割り当てられてもいないしダウンロードされてもしないが、テンプレートまたは一般的および非拘束オブジェクトとして記憶されているクラスオブジェクトと他のオブジェクトの定義体を含む。図23に示すように、ライブラリセクション704は制御モジュールセクション710と、デバイスセクション712と、プロセスモジュールセクション714と、オペレータインタフェースセクション716、さらに、バッチセクションと安全性計測済みシステムセクション(数字で示されていない)を含んでいる。
【0131】
制御モジュールセクション710は拡張されないが、構成データベースのこのセクションは、一般に、プロセスプラント内のさまざまなコントローラや他の制御デバイスで用いられるプロセスプラント用に作成された制御モジュールテンプレートと制御モジュールクラスオブジェクトなどのさまざまな制御モジュールを含む。さらにまた、デバイスセクション712は、実際のデバイスと、バルブ、センサー、コントローラ、ワークステーションなどのプロセスプラント内で用いられるタイプのデバイスの表示および、プロセスプラント内のさまざまなデバイスやハードウエアと関連する論理的エレメントを定義するデバイスクラスオブジェクト、装置クラスオブジェクトなどの表示を含むデバイスオブジェクトの表示を含んでいる。さらにまた、プロセスモジュールセクション714は、プロセスプラント用に作成されたさまざまなプロセスモジュールを含むが、これにはさらに、このようなプロセスモジュールに対して定義されるプロセスモジュールテンプレートや、プロセスブロック定義体が含まれる。このようなプロセスモジュールは、米国公開第20004/0199925号に詳述されており、したがって、ここではさらに説明することはない。
【0132】
しかしながら、図23に示すように、構成階層700のオペレータインタフェースセクション716は、上記の図形オブジェクトと関連する情報を記憶する。特に、図形セクション720は、さまざまな複合プロセス図形定義体、図形クラスオブジェクトおよび図形テンプレートを含むが、これらは、システム用に作成されたさまざまな図形エレメントと図形ディスプレイを定義するものである。複合プロセス図形定義体セクションは一般的に、システム用に作成された図形エレメントを含み、プロセス図形クラスセクションは、クラスオブジェクトのような上記のように作成された図形ディスプレイを含み、一方、プロセス図形テンプレートは非クラス化ベースの図形ディスプレイと他のテンプレートオブジェクトを含むことに注意すべきである。構成データベースのこのセクションに記憶される図形オブジェクトは一般に、他のオブジェクトを作成するために用いられる非拘束のオブジェクトであり、これを構成プロセス中で用いて、図形エレメントと図形ディスプレイがプロセスプラント内のさまざまなハードウエアやソフトウエアに拘束される仕方を定義する。さらにまた、オペレータインタフェースセクション716の下にあるLayoutセクション722は、オペレータインタフェースのさまざまなレイアウトを定義し、一方、Rolesセクション724は、オペレータインタフェース上で実施されるさまざまな役割と、さまざまな図形ディスプレイやエレメントによって遂行される役割とを定義する。
【0133】
したがって、構成階層700で示されるような構成データベースは、図形エレメントと図形ディスプレイを含む図形オブジェクトを、一般的なテンプレートとして、特定のプロセスエンティティに拘束されてはいないが、特定のプロセスエンティティに拘束されるエレメントやディスプレイを定義するために用いられるクラスオブジェクトまたは特定のもしくは個別のエレメントもしくはディスプレイとして記憶するセクションを含む。一般的に言って、構成エンジニアまたは他のユーザは、階層700を用いて、プロセスプラントが、以下に詳述するような仕方で図形表示機能を含むように構成する。
【0134】
図24に、システム構成の一部としてプロセスプラントのさまざまな論知的および物理的なエンティティとプロセス図形エレメントおよび図形ディスプレイがどのように関連付けられるかを示すようにシステム構成セクション706が拡大されている階層画面730を示す。特に、システム構成セクション706下にあるプロセス図形セクション734は、ランタイム環境で使用されるようにプロセスプラントにダウンロードされるように一般的に定義されているさまざまな図形ディスプレイを定義する。一般的に言って、例えば、フェースプレートディスプレイや、動作ディスプレイや、詳細ディスプレイや、保守ディスプレイや、シミュレーションディスプレイなどを含むプロセス図形セクション734内の図形ディスプレイとエレメントは、プロセス図形セクション734がシステム構成全体に適用されるに連れて、プロセスプラント内のおのおのの表示ユニット(例えば、おのおののワークステーションや他の表示デバイス)にダウンロードされる。しかしながら、図形エレメントとディスプレイは、制御戦略セクション736と物理的ネットワークセクション740を含むシステム構成の特定のセクションを関連していり、これによって、このような図形エレメントとディスプレイが利用可能とされる表示デバイスが限られる。
【0135】
一般的に言って、制御戦略セクション736は、プロセスプラントのさまざまな物理的、論理的セクションに割り当てられるさまざまな制御ルーチンやこれに関連して実施される戦略を定義する。さまざまな図形ディスプレイ(これまた、フェースプレートディスプレイや、制御ディスプレイや、保守ディスプレイなど)の何らかのタイプのディスプレイ)が、例えば、エリア(Area_A742やArea_B44などと命名されているエリアなど)や、制御モジュールセクション746などのエリアと関連する制御モジュールや、プロセスモジュール748などのエリアに割り当てられたプロセスモジュールに対して割り当てられる。したがって、図24に示すように、表示セクション750は、プラントのArea_Aに対してそこで用いられすべてのディスプレイを定義するArea_Aセクション742と関連している。分解されてはいないが、フォルダー750下のディスプレイは、図22のさまざまなディスプレイ602a〜602nなどのArea_A中のハードウエアのさまざまな集合や、図22のディスプレイ610と612などのこれらのディスプレイからアクセス可能なさまざまなサブディスプレイとを含んでいる。ディスプレイに対して定義される役割は、このようなディスプレイが互いにアクセス可能となったり、表示デバイスを用いているオペレータに対してアクセス可能となったりする仕方を示す。したがって、図22に関連して説明したように、yユーザはセクション750中のディスプレイをスクロールして、プラントのArea_Aのさまざまな部分をビューイングしたり、より高いレベルのディスプレイではあまり詳細に示されないより高いレベルのディスプレイの特定の部分のより詳細なディスプレイを含むいずれかの特定のエリアに関する更なる詳細をビューイングしたりする。
【0136】
さらにまた、ディスプレイは、制御モジュールセクション746下のディスプレイアイコン752で示すようにArea_Aセクション742内の特定の制御モジュールに割り当てられる。この場合、ディスプレイ752は制御モジュールループ(LOOPと命名されている)と関連付けられており、具体的には、その特定の制御ループと関連する制御オペレータディスプレイである。また、ディスプレイによって定義された役割は、制御ディスプレイの一部としてオペレータステーション内でのその役割を示す。さらにまた、Area_Bセクション744に関連して示すように、ディスプレイ754は一般にそのエリアと関連しており、一方、ディスプレイ756は、あるエリアに割り当てられた特定のプロセスモジュールと関連している。この場合、ディスプレイアイコン756はPMOD2という名前のプロセスモジュールと関連しているが、このモジュールは、Area_B中の装置と関連するプロセスモジュールである。PMOD2は、例えば、ユニットモジュールもしくは装置モジュールまたは、他のいずれかのタイプのプロセスモジュールである。
【0137】
したがって、制御戦略セクション736の下に一般に示されているように、ディスプレイは特定の制御戦略や制御定義体と関連するが、それは、このような制御定義体が構成システム内で作成されるからである。図24の例に示すように、ディスプレイは、エリアセクション742と744などのようにエリアごとに定義されたり、制御モジュール750のように制御モジュールごとに定義されたり、表示セクション756で示すようにプロセスモジュールごとに定義される制御定義体と関連付けされる。加えて、所望次第では、装置アイテムが役割と関連付けられるが、これによって、このような役割と関連するディスプレイを、装置エレメントから動的にアクセス可能となる。このような装置役割とディスプレイはプロセス図形セクション734に記憶される。
【0138】
加えて、ディスプレイはまた、オペレータワークステーションや他の表示デバイスを含む、プロセスプラント内の実際のハードウエアエレメントに割り当てられたりこれと関連付けられたりする。したがって、物理的ネットワークセクション740の下に示すように、特定のディスプレイが、ディスプレイを有する特定のオペレータワークステーションや他のランタイムマシンに割り当てられる。図24の特定的な例では、物理的ネットワークセクション740は、構成ステーションであるCTLR1やProPlusステーションという名前のコントローラやオペレータステーション762という名前のオペレータワークステーションなどの関連のハードウエアを有する制御ネットワーク760を含む。プラント内の特定のワークステーションやユーザインタフェースを定義したりこれと関連したりするオペレータステーション762は、アラームとイベント機能、オペレータアクティビティ、連続ヒストリアン機能およびこれらと関連したシミュレーションアクティビティを含むが、保守アクティビティやビジネスアクティビティなどの他のアクティビティや機能をいずれかの特定のユーザインタフェースと関連させて実行させることが可能である。このようにして、特定のユーザインタフェースがプロセスプラント内の役割に割り当てられ、また、表示デバイスに記憶されるまたはダウンロードされるこれらの役割に対するディスプレイを有する。
【0139】
図24に示すように、ディスプレイ764と766は、オペレータ機能またはアクティビティ、さらに、ワークステーション762によって実行されるシミュレーション機能またはアクティビティに対して割り当てられる。図24には示されていないが、ディスプレイは他の表示デバイス、例えば、このような表示デバイス上で実施される、プロセスプラント内の他のノードと関連しているデバイスに割り当てられる。さらにまた、オペレータワークステーションや他のランタイム表示マシン内の特定の機能に対するディスプレイの割り当てによって、オペレータ機能、シミュレーション機能、保守機能などの、このようなディスプレイがランタイム環境内で実行する役割や機能が決定される。もちろん、このようなさまざまな機能は、構成システムで設定されたように仕方で、同じ表示デバイス上でまたは互いに異なった表示デバイス上で実行される。また、構成階層730はディスプレイがオペレータワークステーションに割り当てられる様子を示しているが、ディスプレイは、PDAのような手持ち式コンピュータ表示デバイス、電話デバイス、ビジネスワークステーションまたは他のいずれかの所望のタイプの表示デバイスを含む他のタイプの表示デバイスに割り当てることが可能である。
【0140】
構成エンジンによって、構成エンジニアなどのユーザは、構成階層を用いて、プロセス図形ディスプレイがプロセスプラント内に拘束されてダインロードされる仕方を定義して管理することが可能である。一般的に言って、構成エンジニアなどのユーザは、ユーザが他のオブジェクトに関連して可能であると同じ仕方で、構成システム内で表示オブジェクトを作成、削除、改名、割り当て、ダウンロードすることが可能である。より詳しくは、構成エンジンによって、図形ディスプレイを、これらのディスプレイをどこで(どのデバイスに対して)割り当てて実行させるか、および、これらのディスプレイをランタイム中に拘束すべき相手のプロセスエンティティ(論理的および物理的エンティティ)を定義することによって、プロセスプラントの構成中に統合することが可能である。所望次第では、図23と24のそれらの構成階層画面を用いて、必要とされるダウンロードを示したり、ディスプレイ上でバージョン制御を実施したりする。
【0141】
構成は構成システム内の複数のレベルで発生しえる。第一に、構成エンジニアは最初に、表示クラスオブジェクトをライブラリセクション704中のモジュールクラスオブジェクトと関連付けるが、これによって、特定の表示クラスオブジェクトを、装置モジュールクラスオブジェクトや、エリアモジュールクラスオブジェクトなどの特定のモジュールクラスオブジェクトに対して拘束する。その後で、モジュールクラスオブジェクトがインスタンス化されてプロセスプラントの特定の部分に割り当てられると(一方、構成されると)、このインスタンス化されたモジュールオブジェクトと関連する表示オブジェクト(例えば、図形ディスプレイ)が、モジュールオブジェクトと一緒に同じハードウエアに拘束され、したがって、プラント内の適切なハードウエアに対して図形ディスプレイを割り当てたり、この図形表示オブジェクトを適当なハードウエアにダウンロードしたりするためにさらなる努力を実行する必要はない。そうする代わりに、この場合、図形表示オブジェクトは、それが拘束されるモジュールオブジェクトの構成にしたがう。さらにまた、表示クラスオブジェクトが上記したようにモジュールクラスオブジェクトに関連付けられると、モジュールクラスオブジェクトに対して変更がなされると、自動的に、このような変更が、関連する表示クラスオブジェクト内の同じエレメントに対して伝播し、すると、このような変更は、実際にインスタンス化された図形ディスプレイに対して伝播する。一例では、図形ディスプレイがLoopと呼ばれる制御モジュールを含むミキサー(装置クラスオブジェクト)を包含していて、この制御モジュールが選択されて改名されると、構成システムは自動的に、図形ディスプレイ内のLoopへの参照物を新しい名前に変更し、これによって、図形表示の拘束が新しい名前で更新されることを保証する。しかしながら、実際に新たに変更されたディスプレイはそれでも、ランタイムシステムが変化するためにはランタイムマシンにダウンロードする必要がある。所望次第では、ダウンロードが必要であることを示す表示を、図形ディスプレイアイコンの内の適当なアイコンの隣に青色の三角形を置くなどすることによって、構成階層に記憶されたままディスプレイの隣に置いてもよい。
【0142】
他方、図形ディスプレイを別個にまたは直接的に、プロセスプラントまたは構成システム内のさまざまなコンポーネントに対して割り当てる。特に、図24に示すように、個々の図形ディスプレイを、システム構成セクションの下のプロセス図形セクション734中に置く。このようなディスプレイは、例えば、ライブラリセクション702で選択して、セクション734にドラッグアンドドロップすることによって、このセクション中に置く。もちろん、図形ディスプレイを階層730の特定のセクションに移動させる他の仕方を用いてもよい。いかなるイベントにおいても、セクション734中の図形ディスプレイは、例えば、フェースプレートディスプレイや他のクラスベースのもしくは非クラスベースのディスプレイを含んでおり、また、一般的に、プラント内または、システム構成セクション706のプラントまたは担当範囲にあるプラントセクション内のすべてのワークステーションに対してダウンロードされる資格がある。
【0143】
しかしながら、ユーザは、ディスプレイをプロセス図形セクション34から外部に出して特定のサブセクション中に移動させて、このようなディスプレイにアクセスするプロセス制御システム内のワークステーション(または他の表示デバイス)のアイデンティティを制御し、したがって、このようなディスプレイを使用可能なデバイスのアイデンティティを制御することが可能である。特定のディスプレイを論理的または物理的なプラントセクションに割り当てるため、ユーザは、例えば、図形ディスプレイを選んで、その図形ディスプレイを構成階層730の特定のセクションにドラッグアンドドロップし、これで、図形ディスプレイと、このディスプレイが関連付けられる論理的または物理的エンティティ間の関連性を定義する。ディスプレイ用の解像度テーブルに、この構成ステップが発生する時点で、ディスプレイがドロップされたり関連付けられたりする攻勢のセクションに基づいて自動的に記入する。
【0144】
例えば、図形ディスプレイをライブラリセクション702からドラッグしてプロセス図形セクション706に移動させて、ディスプレイをランタイム環境に関連付ける。また、例えば、プロセス図形セクション734中の図形ディスプレイを、Area_A ディスプレイセクション750(このディスプレイをArea_Aエンティティと機能性に対して固有のものとするが、一般的にはそのArea_A表示デバイス上でも利用可能とする)や、Area_B ディスプレイセクション754などの他のセクション中に移動させる。同じように、図形ディスプレイを、LOOPという名前の制御モジュールに(表示フォルダ752に示されているように)関連付けるが、これによって、これらのディスプレイは、この論理的エンティティに対して固有のもの隣、この制御ループ機能を実行する、または、この機能と関連しているものとして定義されるマシン上でしか利用可能とならない。加えて、ディスプレイを、オペレータステーション762内のオペレータ機能またはオペレータステーション762内のシミュレーション機能770によって定義されているような特定の表示デバイスや表示デバイスの機能サブセクションに割り当てる。具体的には詳細に示されていないが、ユーザはまた、図形ディスプレイをエリア、セル、ユニット、装置モジュール、さらに、さまざまな制御セクションに対して割り当てて、図形ディスプレイがプロセスプラントと関連付けられるまたはその内部で用いられる仕方を定義する。
【0145】
図形ディスプレイが、Area_AやArea_Bのような、エリア定義によって定義されたエンティティのような制御戦略などの論理エンティティに割り当てられると、図形ディスプレイは、このような論理エンティティが割り当てられる物理的インタフェース(例えばワークステーション)に割り当てられる。同様に、ディスプレイがユニット、セルまたは装置モジュールに割り当てられると、そのディスプレイはワークステーションまたは、そのユニット、セルまたは装置が割り当てられる他のインタフェースデバイスに割り当てられる。
【0146】
あるモジュールが複数の図形ディスプレイを含んでいる場合、そのモジュールは、図形ディスプレイが作成されたときにこのディスプレイに割り当てられる役割表示によって定義されるように、これらのディスプレイの役割を定義したり、おのおののディスプレイが果たす役割を定義したりする。何らかの表示デバイス内のこのような図形ディスプレイに対するアクセスは次に、ディスプレイと関連付けられるかディスプレイに対して定義される役割によって制限される。さらにまた、図形ディスプレイがあるエリアやモジュールに割り当てられると、この図形ディスプレイに対する参照物は、それが属するエリアまたはモジュールのディスプレイフォルダ中に図形ディスプレイとして現れる。一旦図形ディスプレイがあるエリアまたはモジュールに割り当てられると、このエリアまたはモジュールが所有するディスプレイ参照物、したがってこのディスプレイは、このエリアまたはモジュールのいかなる割り当てや移動中でもこのエリアまたはモジュールの後を追う。他方、あるエリアやモジュールがワークステーションに割り当てられると、そのエリアやモジュールに属すディスプレイは自走的にそのワークステーションのオペレータサブシステムや機能に対して、ディスプレイの役割によって定義されているように割り当てられる。もちろん、個々の図形ディスプレイは、構成階層の物理的ネットワークセクション740内のインタフェースデバイスまたはそのサブシステム内にまたはその下に直接的に置くことによって、直接的に表示デバイスのオペレータサブシステムに割り当てられる。
【0147】
したがって、理解されるように、図形ディスプレイは、個々のノード、制御エリア、制御モジュール、プロセスモジュールまたは他の論理的制御エンティティ、さらに、個々の表示デバイスやそのサブシステムに対して、構成画面730内のこれらのエンティティのおのおのにドラッグアンドドロップすることによって、割り当てられる。もちろん、所望次第で、同じ図形ディスプレイを複数のステーションに割り当てて、(ダウンロードされたり単に割り当てられたりした)おのおののディスプレイのステータスを、階層730内のさまざまなフォルダ中のおのおののディスプレイ名に対して提供されているアイコンによって示してもよい。所望次第では、他のアイコンを階層730で用いて、図形ディスプレイがいつメモリ中にロックされるか、またはデスク上の仮想メモリに維持可能であるかなどを示すことも可能である。
【0148】
一般的に言って、図形ディスプレイは、表示内容(例えば、ディスプレイが表示画面上に目に見えるように現れる仕方を定義するXAMLスクリプト)、ローカルテーブルおよび他のディスプレイに対する参照物である参照物、さらに、制御パラメータなどのランタイムパラメータに対する参照物、ランタイム別名(その一部はランタイムで拘束する)、ローカルテーブル参照物およびグローバルテーブル参照物からなっている。一般的に言って、構成エンジンは図形エレメント(XAML)の図形部分を参照物とは別個に取り扱って、図形ディスプレイの取り扱いと使用法をより容易なものとする。特に、構成システムは図形ディスプレイを、動的別名を構成階層中で実行された割り当てに基づいて用いない参照物に記入することによって構成プロセスの最中に拘束する。したがって、例えば、ユーザが図形ディスプレイをプロセス図形セクション734または構成階層730のライブラリセクション704から特定のエリアまたは制御モジュールにドラッグすると、拘束が図形中で自動的に実行されて、図形ディスプレイ中の参照物をそのエリアやモジュールと関連する特定のエレメントに拘束する。このようにして、ダウンロード拘束は、ユーザが実行している構成に基づいて自動的に実行され、これで、ユーザがこのような拘束を指定するために手動で実行しなければならない作業の分量が減る。
【0149】
さらにまた、構成ステップでまだ解消されていない拘束があれば、構成エンジンがユーザに照会して、拘束や参照物を変更したりするなどの拘束を解消するための情報を提供する。さらにまた、所望次第では、MicrosoftExcel(登録)のようなスプレッドシートプログラムなどのバルク編集ツールを用いて、構成エンジニアが、解像度または拘束のパラメータを構成プロセス中に記入したり定義したりするのを支援する。いずれのイベントでも、このような構成ステップが図13に関して説明した解像度テーブル208に記入するが、これによって、図形ディスプレイをランタイム環境中で用いることが可能となる。このようにして、ユーザは、米国公開第2004/0199925号に記載のプロセスモジュールに関してユーザが実行するのとほぼ同じように図形ディスプレイ(および図形エレメント)を拘束したりダウンロードしたりすることが可能となる。
【0150】
もちろん、ユーザまたは構成エンジニアは、図形ディスプレイをクリックしてそれを階層730から除去することによって、または、別様にダイアログボックスを契合してこの図形ディスプレイを割り当て解除させることによって、図形ディスプレイを割り当て解除する。さらにまた、ユーザは、特定の図形ディスプレイまたは図形ディスプレイの集合が割り当てられる仕方をビューイングするが、このような情報は、例えば図25に示すダイアログボックス800によって提供される。図25のダイアログボックス800は、ディスプレイ1とディスプレイ2の2つのディスプレイのおのおのがプロセスプラント内で構成される仕方を示す。特に、ダイアログボックス800は、これらディスプレイのおのおのが用いられる場所(例えば、ディスプレイ1はArea_Aと呼ばれるプラントエリア中とMod1と呼ばれる制御モジュール中で用いられる)、それが割り当てられる物理的ステーション(例えばディスプレイ1はOpe1と呼ばれるオペレータステーションに割り当てられる)およびディスプレイが果たす役割(例えばディスプレイ 1はその用途のおのおのにおいて一次ディスプレイである)を示す。
【0151】
ディスプレイの役割はまた、任意の所望の仕方で変更可能であり、また、その役割を用いて、図形ディスプレイが割り当て可能な構成システムの部分または誰が図形ディスプレイを使用可能であるか、すなわち何の機能のために使用可能であるかを示すことが可能であることが理解されよう。図形ディスプレイを用いて、所望次第では複数の役割を果たすこともある。もちろん、上に述べたように、ユーザがエリアまたは、何らかの種類のモジュールをワークステーションや他の表示デバイスに割り当てると、そのエリアやモジュールと関連する何らかのディスプレイもまたそのワークステーションに割り当てられて、そのエリアやモジュールに対する図形サポートがそのワークステーション上で提供されることを保証するようにする。また、図形ディスプレイがワークステーションや他の表示デバイスに割り当てられると、この図形ディスプレイは、ワークステーションのサブシステムに対してその図形ディスプレイの役割、例えば、図形ディスプレイがシミュレーションディスプレイであるか、オペレータディスプレイであるかなどに基づいて割り当てられる。加えて、ユーザは図形ディスプレイを、ワークステーションの特定のサブシステム上や他の表示デバイスにドラッグアンドドロップして、役割が間違って割り当てられたら、構成システムはダイアログボックスを提示して、間違った割り当てがなされていることをユーザに対して支援したり、または、ユーザが図形ディスプレイの役割を変更したりするのを許容する。
【0152】
適切なまたは所望の割り当てを図23と24の構成エンジンと構成階層730を用いて実行したら、ユーザオペレータは図形ディスプレイの実際のダウンロードを実行し、これで、図形ディスプレイは、構成システムに定義されている目的と役割に対して構成階層730中に定義されているように、適切なオペレータワークステーションに対して実際にダウンロードされる。ダウンロードの最中、ディスプレイ中のバインディングは、エリア、ループ、制御モジュール、プロセスモジュールなど、さらに、ワークステーションや他の表示デバイスに対する割り当てに基づいて解消される。
【0153】
所望次第では、構成階層(図23に示す)の探索結果セクション708によって、ユーザは、プロセスプラントや構成システムの全体にわたって図形ディスプレイ中で用いられる任意の個々の図形ディスプレイや図形エレメントを探索することが可能である。特に、構成エンジンは探索エンジンを含むが、これは、ユーザによって契合されると、特定の図形ディスプレイや図形エレメントを探索して、この探索の結果を探索結果セクションセクション708に記憶して、いずれか特定の図形エレメントまたは図形ディスプレイのユーザの関連なリストをユーザに対して提供する。このような探索は有用であり、これで、変更中のユーザは、どの図形ディスプレイが変更する必要があるかまたはどのダウンロードがこのような変更を実施するために発生する必要があるかをビューイングすることが可能である。
【0154】
本書に記載するどのソフトウエアでも、実施されると、磁気ディスク、レーザディスクもしくは他の記憶媒体などのいずれかのコンピュータ可読メモリや、コンピュータやプロセッサなどのRAMやROM中に記憶される。同じように、このソフトウエアは、いずれかの周知のまたは所望の伝達方法を用いてプロセスプラントやオペレータワークステーションに対して、例えば、コンピュータ可読ディスクや他の輸送可能コンピュータ記憶メカニズム上でまたは電話回線、インターネット、World Wide Web、他のいずれかのローカルエリアネットワークやワイドエリアネットワークなどを介して伝達される(この伝達は、このようなソフトウエアを輸送可能記憶媒体を介して提供するのと同じまたは交換可能であるとみなされる)。さらに、このソフトウエアは変調や暗号化なしで直接に提供されたり、通信チャネル上で送信される前に適切な変調搬送波および/暗号化技法を用いて変調および/または暗号化されたりする。
【0155】
本発明を特定の例を参照して説明したが、これらは単に解説目的であり、穂名はつけ意を制限する意図はなく、本発明の精神と範囲から逸脱することなく解除の実施形態に対して変更、追加または削除がなされることが当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2004年5月4日に提出され、その全体を参照してここに特別に組み込む「プロセス制御システムを表し、監視し、これと対話する図形ユーザインタフェース」という題名の米国暫定出願第60/567,980号の優先と恩典を目的とした通常の提出済み出願である。本出願はまた、2002年10月22日に提出され、2004年4月22日に米国公開第2004/0075689号として公開され、その全体を参照してここに特別にその全開示を組み込む「スマートプロセスモジュールとプロセスプラントにおけるオブジェクト」という題名の一部継続米国特許出願第10/278,469号である、2003年7月21日に提出され、2004年8月5日に米国公開第2004/0153804号として公開された「図形表示エレメントと、プロセスモジュールと、制御モジュールとのプロセスプラント中への統合」という題名の米国特許出願第10/625,481号に関連している。本出願はまた、2003年2月18日に提出され、2004年2月18日に提出され、2004年10月7日に米国公開第2004/0199925号として公開され、その全体を参照してその全開示をここに特別に組み込む「プロセスプラント構成システムにおけるモジュールクラスオブジェクト」という題名の米国特許出願第10/368,151号に関連している。本出願はまた、本出願と同じ日付に国際(PCT)出願として提出中であり、また、本出願がそれらの全体を参照してここに特別に組み込む以下の特許出願に関連している:「プロセス環境下での関連図形ディスプレイ」(弁理士事件整理番号第06005/41111号);「ユーザ構成可能アラームとプロセス制御システムを指向するアラーム」(弁理士事件整理番号第06005/41112号);「プロセスモジュールとエクスパートシステムとのプロセスプラントへの統合」(弁理士事件整理番号第06005/41113号);「統合環境下でのカスタマイズされたプロセス図形表示レイヤーを有するプロセスプラントユーザインタフェースシステム」(06005/41114);「プロセス環境下でのスクリプティングされた図形」(弁理士事件整理番号第06005/41115);「制御環境下でのプロセス構成中への図形統合」(弁理士事件整理番号第06005/41116号);「図形表示エレメントと、プロセスモジュールとをプロセスプラント中に構成するシステム」(弁理士事件整理番号第06005/41118号);「一体化されたプロセス制御システムインタフェースのための図形表示構成フレームワーク」(弁理士事件整理番号第06005/41124号);プロセスプラントユーザインタフェース中でのマークアップランゲージベースの動的プロセス図形」(弁理士事件整理番号第06005/41127号);「プロセス制御データを修正する方法と装置」(弁理士事件整理番号第06005/591622号と第20040/59−11622号);「プロセス制御データにアクセスする方法と装置」(弁理士事件整理番号第06005/591623号と第20040/59−11623号);「プロセス制御システムのための統合図形ランタイムインタフェース」(弁理士事件整理番号第06005/591628号と第20040/59−11628号);「プロセス制御システムのためのサービス指向アーキテクチャ」(弁理士事件整理番号第06005/591629号と第20040/59−11629号)。
【0002】
本発明は、一般的にはプロセスプラントに関し、より詳しくは、プラントの構成、制御、保守およびシミュレーションと関連するさまざまな活動において共通の図形表示エレメントの作成と使用を可能とするための、プロセス制御・シミュレーションシステムレベルにおける図形表示エディターと図形表示オブジェクトの統合と使用に関する。
【背景技術】
【0003】
化学的な石油プロセスまたは他のプロセスなどに使用される分散型プロセス制御システムには、一般的に、アナログ式、ディジタル式または組み合わされたアナログ式およびディジタル式のバスを介して1つ以上のフィールドデバイスに通信可能にカップリングされたプロセスコントローラを1つ以上含んでいる。例えばバルブ、バルブポジショナ、スイッチおよび送信機(例えば、温度、圧力、レベルおよび流量のセンサー)であったりするこのフィールドデバイスは、プロセス環境下に置かれて、バルブの開閉、プロセスパラメータの測定などのプロセス機能を実行する。FOUNDATION(登録商標)のFieldbusプロトコルのような公知のチノFielfbusプロトコルに適合するフィールドデバイスなどのスマートフィールドデバイスもまた計算機能やアラーム機能を実行するが、他の制御機能は一般には、コントローラ内で実施される。これまた一般的にはプラント環境下に置かれるこのプロセスコントローラは、フィールドデバイスによるプロセス測定値および/またはフィールドデバイスに関する他の情報を示す信号を受信して、コントローラアプリケーションを実行するが、このアプリケーションは、例えば、プロセス制御判定を下し、受信した情報に基づいて制御信号を生成し、HARTやFieldbusフィールドデバイスなどのフィールドデバイス中で実行中の制御モジュールや制御ブロックとの調整を付けるさまざまな制御モジュールを走行させる。この制御モジュールは、コントローラ中では、通信回線上でフィールドデバイスに対して制御信号を送って、プロセスの動作を制御する。
【0004】
フィールドデバイスやコントローラからの情報は、通常は、データハイウエイを介して、一般的には厳しいプラント環境と離れたコントロールルームや他のロケーションに置かれるオペレータワークステーション、パソコン、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中型データベースなどの1つ以上の他のハードウエアデバイスに対して利用可能とされる。このようなハードウエアデバイスはアプリケーションを実行し、このアプリケーションによって、例えば、オペレータは、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラやフィールドデバイス内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現状のビューイング、フィールドデバイスやコントローラが発生したアラームのビューイング、要員の訓練やプロセスソフトウエアの試験を目的としたプロセス動作のシミュレーション、構成データベースの保持と更新などのプロセスに対する機能を実行することが可能となる。
【0005】
例えば、Emerson Process Management社から販売されているDeltaV(登録商標)制御システムは、プロセスプラント内のさまざまな場所に置かれたさまざまなデバイスに記憶され、これによって実行される複数のアプリケーションを含んでいる。1つ以上のオペレータワークステーションに常駐する構成アプリケーションによって、ユーザは、プロセス制御モジュールを作成したり変更したり、また、データハイウエイを介して専用の分散型コントローラにこのようなプロセス制御モジュールをダウンロードしたりすることが可能である。一般的には、このような制御モジュールは通信可能に相互接続された機能ブロックによって成り立っており、このような機能ブロックは入力に基づいて制御スキーム内の機能を実行して、制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供するオブジェクト指向プログラムプロトコル中のオブジェクトである。構成アプリケーションによって、また、デザイナーはオペレータインタフェースを作成したり変更したりすることが可能となるが、このインタフェースはビューイングアプリケーションが用いて、データをオペレータに対して表示したり、オペレータが、プロセス制御ルーチン中で設定値などの設定を変更することを可能としたりする。専用のコントローラと、場合によっては、フィールドデバイスはおのおのが、コントローラアプリケーションを記憶して実行するが、このアプリケーションは、自身に対して割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを走行させて、実際の制御機能性を実施する。1つ以上のオペレータワークステション上で走行するビューイングアプリケーションは、データハイウエイを介してコントローラアプリケーションからデータを受信して、このデータを、プロセス制御システムデザイナーや、オペレータや、ユーザインタフェースを使用しているユーザに対して表示して、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、テクニシャンのビューなどの多くのさまざまなビューの内のいずれかを提供する。データヒストリアンアプリケーションは一般的には、データヒストリアンデバイスによって記憶されて実行されるが、このデバイスは、データハイウエイから提供されたデータの一部またはすべてを収集して記憶し、一方、構成データベースアプリケーションは、データハイウエイに接続された皿に別のコンピュータ上で走行して、現行のプロセス制御ルーチン構成およびそれと関連するデータを記憶する。代替例では、この構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーション上に置かれる。
【0006】
プロセス制御環境下で用いられる制御アプリケーションとサポートアプリケーションの数とタイプが増すに連れて、このようなアプリケーションをユーザが効果的に構成して使用できるようにさまざまな図形表示アプリケーションが提供されてきた。例えば、図形表示アプリケーションは、制御構成アプリケーションをサポートして、構成エンジニアが、プロセスプラント内の制御デバイスにダウンロードされる制御プログラムを図形として作成することができるようにするために用いられてきた。加えて、図形表示アプリケーションは、コントロールオペレータが、プロセスプラントやプロセスプラントのエリアの現行の機能具合をビューイングすることができるように、また、保守要員がプロセスプラント内のハードウエアデバイスの状態をビューイングできるように、また、プロセスプラントのシミュレーションができるようにするために用いられてきた。しかしながら、このような図形表示アプリケーションは、過去においては、自身が関連している特定のアプリケーションの一部としてまたはこれをサポートするために作成されてきており、したがって、一般的に、その用途は、作成の目的である特定プロセス機能に限られていた。例えば、コントロールオペレータや他のオペレータをサポートするために作成された図形プログラムを、保守や、構成や、シミュレーションなどの機能で用いることは不可能でないまでも困難である。
【0007】
特定的な例として、一部のプロセス制御構成アプリケーションは、現在のところ、機能ブロックテンプレートオブジェクトや、場合によっては、プロセスプラント用の制御戦略の作成に用いられる制御モジュールテンプレートオブジェクトなどのテンプレートオブジェクトのライブラリを含んでいる。テンプレートオブジェクトは、デフォルトプロパティ、これと関連する設定および方法を有しており、エンジニアは、図形構成アプリケションを用いると、このようなテンプレートオブジェクトを選択して、この選択されたテンプレートオブジェクトのコピーを原則として構成画面中に位置付けして、制御モジュールを開発することが可能である。テンプレートオブジェクトを選択して構成画面中に位置付けするプロセス中に、エンジニアはこれらのオブジェクトの入力と出力を相互接続して、そのパラメータ、名称、タグおよび他のプロパティを変更して、プロセスプラント内での特定の用途のために特定的の制御モジュールを作成する。このような制御モジュールを1つ以上作成すれば、エンジニアは、制御モジュールをインスタンス化して、それを、適切なコントローラもしくはコントローラおよびフィールドデバイスにダウンロードして、プロセスプラントの操業中に実行されるようにする。
【0008】
その後で、エンジニアは、別の図形表示作成アプリケーションを用いて、表示作成アプリケーション中でディスプレイオブジェクトを選択して構築することによってプロセスプラント内のオペレータや保守要員などのために1つ以上のディスプレイを作成する。このようなディスプレイは一般的には、1つ以上のワークステーション上でシステムワイドベースで実施されて、プラント内の制御システムや制御デバイスの動作状態を考慮しているオペレータや保守要員に対して事前構成されたディスプレイを提供する。このようなディスプレイは一般的には、プロセスプラント内のコントローラやデバイスが発生した警告を受信して表示する警告ディスプレイという形態や、プロセスプラント内のコントローラや他のデバイスの動作状態を示す制御ディスプレイという形態や、プロセスプラント内のデバイスの機能状態を示す保守ディスプレイという形態などをとる。しかしながら、このようなディスプレイは一般的には、プロセスプラント内のプロセス制御用のモジュールやデバイスから受信した情報やデータを周知の仕方で表示するように事前構成される。一部のシステムでは、物理的または論理的エレメントを表し、また、この物理的または論理的エレメントと通信可能に結びついて、この物理的または論理的エレメントに関するデータを受信する図形描写によってディスプレイを作成する。表示画面上の図形は、例えば、タンクが半分まで満たされていることを示すデータを受信したなどのあるイベントを受けるとそれに応答して変化して、流量センサーなどによって測定された流量を示したりする。しかしながら、構成、オペレータ制御、保守、シミュレーションなどの動作のために用いられる図形ディスプレイは、一般に、さまざまな図形エディターを用いて、互いに別個に作成される。さらにまた、このようなディスプレイの限られた図形機能は実施することが困難であり、また、どのような図形オブジェクトの一部としても実施されることはない。
【0009】
したがって、制御構成アプリケーションと類似して、ディスプレイ作成アプリケーションは、いずれかの所望の構成の画面上に置かれるタンク、バルブ、センサー、スライドバーのようなオペレータ制御ボタン、オン/オフスイッチなどのテンプレート図形表示アイテムを有しており、これで、オペレータディスプレイや、保守ディスプレイや、類似物を作成する。画面上に置かれると、個々の図形アイテムは、プロセスの内部作業の何らかの情報や表示をユーザに対して提供するような仕方で画面上で相互接続される。しかしながら、図形表示をアニメーション化するには、ディスプレイ作成者は、図形アイテムとプロセスプラント内の関連のデータソース間の通信リンクを指定することによって、図形アイテムのおのおのを、センサーが測定したデータやバルブ位置を示すデータなどのプロセスプラント内で生成されたデータに対して手動で結び付けなければならない。このプロセスは退屈で、時間がかかり、エラーを伴う。
【0010】
制御構成アプリケーション内の制御テンプレートオブジェクトと、ディスプレイ作成アプリケーション内の表示アイテムとは、コピーして用いてさまざまな多くの制御モジュールや図形ディスプレイを作成可能であるので便利であるとはいえ、プロセスプラント内のさまざまな装置に対して同じ制御モジュールと図形ディスプレイを多量に作成する必要がしばしばある。例えば、大型のプロセスプラントに対する多くの媒体は、同じ基本的な一般的制御モジュールとディスプレイを用いて制御してビューイングすることが可能な同じまたは類似の装置の多くのインスタンスを有している。しかしながら、このような多くの制御モジュールとディスプレイを作成する場合には、一般的な制御モジュールまたはディスプレイモジュールを作成して、次に、この一般的な制御モジュールまたはディスプレイモジュールを、それが応用可能なさまざまな装置のおのおのに対してコピーする。もちろん、コピーされたら、この新たな制御モジュールまたはディスプレイモジュールはおのおの、構成アプリケーション中で手動で変更して、それが取り付けられる特定の装置を指定して、次に、これらの制御モジュールとディスプレイモジュールの全てをインスタンス化してプロセス制御システムにダウンロードする。
【0011】
不運にも、上述した制御モジュールと表示アイテムはいかなる意味においてもモジュラ方式のものではない。したがって、制御モジュールと表示アイテムは、コピーされたら、適当な構成アプリケーションを用いて手動で個々に変更して、自身が関連するプラント内の装置を指定する。同じタイプの装置(すなわち、複製された装置)のコピーを多く有しているプラントでは、このプロセスは退屈で、時間がかかり、オペレータによるエラーを伴う。さらにまた、このようなさまざまな制御モジュールとディスプレイは、一旦プログラムされると、互いを意識することはない。したがって、一旦作成された制御モジュールを変更するには、エンジニアまたはオペレータが、複製されたさまざまな装置ごとにさまざまな制御モジュールのおのおのに対して同じ変更を手動で加えなければならないが、これまた、時間がかかり、退屈である。同じ問題が、プラント内でさまざまな集合の複製された装置に対して作成された図形ビューにも当てはまる。言い換えれば、一旦特定の制御モジュールまたは特定の図形ビューを(個々にまたはテンプレートオブジェクトからコピーして)作成し、次に、プラント内の特定の装置集合に結びつけると、この制御モジュールまたは図形ビューは、同じまたは類似した他の制御モジュールや図形ディスプレイをなんら自動的に意識することなく、システム内の別個のエンティティまたはオブジェクトとして存在することになる。その結果、特定のタイプの制御モジュールまたは図形ディスプレイのどれに対しても適用可能な変更は、これらのモジュールやディスプレイに対して個々に実施しなければならない。この問題は、制御ビューイング、保守ビューイング、シミュレーション機能の場合などのように、プラント内で同じ装置に対して、しかし、互いに異なった機能的状況で図形ビューを作成する場合にはさらにいっそう歴然とする。この場合、図形ビューは、互いに知ることも意識することもまったくなく別個に作成される。
【0012】
したがって、プロセスプラント内で実行されるさまざまな一般的活動に対して用いられるさまざまなアプリケーションと関連して図形ディスプレイが実行されるが、このような図形ディスプレイと関連の図形表示エディターは、一般的には、それをサポート目的で作成されたアプリケーションの機能レベルで付け足される。その結果、図形エディターは、それが存在する限りは、ユーザが、特定のアプリケーションによって必要とされる特定の機能性をサポートする図形を作成することを可能としていた。以前のプロセスプラントは、プロセスの構成とサポートという状況で実行中のさまざまなまたは複数の活動での図形的必要性によって用いることが可能なまたはこれをサポートすることが可能な図形表示エディターを提供することはなかった。したがって、例えば、制御構成動作をサポートまたは可能とするために用いられる図形表示エディターは、単に、ユーザが制御プログラムを作成することを可能としただけであって、オペレータディスプレイや保守ディスプレイの必要性や機能性をサポートするものではなかった。同様に、オペレータビューや保守ビューなどを作成するために用いられ、プラントの操業中にコントロールオペレータや保守テクニシャンに提供される図形表示エディターは、構成活動やシミュレーション活動などと関連する機能性をサポートしなかった。制御構成や、保守サポートや、コントロールオペレータサポートやシミュレーションサポートの機能レベルなどのプロセスプラントの個々の機能レベルで図形表示の必要性がサポートされる結果、このようなさまざまなエディターによって作成されたディスプレイの内のさまざまなディスプレイが、プラント内で同じコンポーネントをモデリングして描写することになってしまい、その結果、プロセスプラントでのさまざまなそれぞれの要員によって図形表示の動作が繰り返されることになる。この動作の繰り返しは、さまざまな用途に対して同じプロセスエレメントを描写するさまざまな図形ディスプレイを作成するのに必要とされる操作においてだけではなく、さまざまな表示アプリケーションで用いられる図形エレメントを自身が関連するプロセスプラント内の実際のハードウエアまたはソフトウエアのエレメントに結びつけるために必要とされる操作にも明らかに示されている。
【0013】
さまざまなプロセスプラント活動に対する図形サポートが事実の後を追って、しかも、実行中の実際の活動の一部として提供されてきたため、図形サポートは、共通の図形をプラント内でプラントのさまざまな機能レベルで作成して用いることを可能とするような仕方ではプラント環境下で統合されない。この図形の非統合性によって、さまざまな機能用に実際に作成された図形が、機能ごとにまたはアプリケーションごとに異なることになってしまい、これがまた、特定的な1つのタイプの図形ディスプレイは分かっていても、プラント内のさまざまな動作や機能と関連するさまざまなディスプレイをビューイングする必要がときたまあるユーザに対して混乱を引き起こしかねないことになる。同じように、上述したように、プラントのさまざまな互いに異なった機能レベルで図形表示サポートを提供すると、ディスプレイを作成する際と、ディスプレイ内のエレメントをプラント内の実際のハードウエアまたはソフトウエアのエレメントに適切に接続する際の双方の際に図形サポートが繰り返されることになる。
加えて、エラー検出およびその他のプログラミングは、さまざまなコントローラ上で走行している制御ループや、個々のデバイス内での問題を関連する状態、エラー、警告などを検出するには有用である。このようなエラー検出は、従来、プロセスプラントのさまざまな機能レベルで実行されてきたし、また、このようなさまざまな機能的動作用に作成された図形ディスプレイ上で表示されてきた。したがって、プロセス制御システムをプログラミングして、プロセスプラント内のさまざまな、そしてたぶんあちこちに配置されたデバイスからのデータを分析することによって検出しなければならないシステムレベルの状態やエラーを認識させることは困難であったし、オペレータや保守要員に対してこのようなシステムレベルの状態情報を示したり提示したりするように作成されたオペレータディスプレイ上でこのようなタイプのエラーを示すことはさらにもっと困難であった。また、ディスプレイ内のさまざまなエレメントの情報やデータのこのような交互に入れ替わるソースでオペレータディスプレイ内のオブジェクトをアニメートするのは難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
スマート図形エレメントは、プロセスプラント内のデバイスの現行の状態などの、プロセスプラント環境に関する情報をユーザに対して表示するためにプロセスプラント中で実行される1つ以上の図形ディスプレイの部分やコンポーネントとして用いられるためのものである。この図形エレメントはおのおのが、フィールドデバイスのような関連のプロセスエンティティのものであるプロパティや変数を含み、また、図形エレメントが図形ディスプレイの一部として実行されるときにユーザインタフェース上に関連のプロセスエンティティを図形として描写するためにおのおのが用いられる複数のビジュアライゼーションを含む実行可能なオブジェクトである。この図形エレメントビジュアライゼーションはその内のどれでもいずれの特定の図形ディスプレイで用いてもよく、また、同じ図形ディスプレイが、さまざまな時点でさまざまなビジュアライゼーションのどれを用いてもよい。ある図形エレメントと関連するさまざまなビジュアライゼーションによって、図形エレメントがより多目的なものとなるが、それは、同じ図形エレメントを、さまざまな図形のスタイルや規範を用いているさまざまなディスプレイ中で用いることが可能であるからである。このようなビジュアライゼーションによってまた、同じ図形エレメントを、大型表示画面や、標準のコンピュータ画面や、PDA、電話表示画面などの非常に小型の表示画面を有する表示デバイスなどのさまざまなタイプの表示デバイス用に設計されているディスプレイ中で用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】後出のプロセスプラント内でさまざまな機能と関連する表示ルーチンおよび他のアプリケーションを実施するオペレータワークステーションと、プラントのさまざまな機能エリアのおのおののための図形表示エレメントおよび図形ディスプレイを作成するために用いられるシステムレベルの図形サポートを提供するワークステーションとを含むプロセスプラント内に置かれている分散型プロセス制御ネットワークのブロック図である。
【図2】プロセスプラントを制御し、ビューイングし、シミュレーションするシステム内へのシステムレベルの図形サポートの統合を示す論理ブロック図である。
【図3】図形エレメントとディスプレイが作成される構成環境と図形エレメントとディスプレイが実行されるランタイム環境とを示す論理図である。
【図4】図形エレメントをポンプエレメントという形態で作成または編集することを可能とするために図形エディターによって生成された簡略化された表示画面の図である。
【図5】図形エレメントをリアクタという形態で生成している間に図形エディターによって生成されたさらなる表示画面の図である。
【図6】さまざまなビジュアライゼーションが図形エレメントと結びつくまたは関連する1つの仕方を示すブロック図である。
【図7】図形エレメントと関連する第1のプロパティのビューを示す画面表示のあるセクションの図である。
【図8】図形エレメントと関連する第2のプロパティのビューを示す画面表示のあるセクションの図である。
【図9】図形エレメントのプロパティと関連するアクションを示す表示画面のアクション/アニメーションセクションの図である。
【図10】可視のトリガーが図形エレメントのプロパティおよびビジュアライゼーションと統合される仕方を示すブロック図である。
【図11】図形エレメントのビジュアライゼーションのための変換アニメーションを提供するまたは定義するために用いられダイアログボックスを示す図である。
【図12】図形エレメントのビジュアライゼーションのための、カラーアニメーションを含むプロパティアニメーションを提供または定義するために用いられるダイアログボックスを示す図である。
【図13】図形エレメントがランタイム環境に対して解像度テーブルを介して結び付けられる概括的に仕方を示す図である。
【図14】プロセス環境下の互いに異なった複数データソースに結合した表示エレメントを描写するブロック図である。
【図15】複数の表示エレメントとコネクタから図形ディスプレイを生成している間に図形エディターが生成する表示画面の図である。
【図16】図形ディスプレイ内に置かれた図形エレメントと関連するさまざまな ビジュアライゼーションを示す図形ディスプレイを生成するための表示画面の図である。
【図17】相互接続されたさまざまな図形エレメントとコネクタから成る図形ディスプレイと関連する表示画面の図である。
【図18】図17のディスプレイ内のエレメントの制御パネルとフェースプレートを示す図17の図形ディスプレイを介してアクセスされる図形表示画面の集合の図である。
【図19】さまざまな表示エレメントから成る石灰釜を示しまた、プロセスプラント内の他のさまざまなアプリケーションとデータソースからデータを供給する図形ディスプレイの表示画面の図である。
【図20A】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20B】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20C】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20D】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図20E】オペレータビュー、エンジニアリングビュー、ビジネスビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む、同じ外見と雰囲気を有する石灰釜のさまざまなビューを示す図形表示画面の図である。
【図21A】図20A〜20Eに示す石灰釜を運転するために用いられる制御ルーチンと関連する表示画面の図である。
【図21B】図20A〜20Eに示す石灰釜を運転するために用いられる制御ルーチンと関連する表示画面の図である。
【図22】物理レベルや機能レベルを含むさまざまなレベルにおけるさまざまな図形ディスプレイ同士間の関連性を示すブロック図である。
【図23】構成システムと関連する図形構成階層を示す第1の構成画面を示す図である。
【図24】図形エレメントと図形ディスプレイが、構成システム内の他のエレメントに割り当てられるまたはこれと統合される1つの仕方を示す図形構成階層を示す第2の構成画面を示す図である。
【図25】プロセスプラント構成システム内で1つ以上の図形ディスプレイが割り当てられる仕方を要約するためにユーザに対して提供されるダイアログボックスの図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に、プラント10のさまざまな機能エリアに対してシステムレベルの図形サポートが提供される例示のプロセスプラント10を示す。一般的なことであるが、プロセスプラント10は、おのおのが、例えば、Fieldbusインタフェースや、Profibusインタフェースや、HARTインタフェースや、標準の4〜20maインタフェースなどである入/出力(I/O)デバイスまたはカード18を介して1つ以上のフィールドデバイス14と16に接続されている1つ以上のコントローラ12を有する分散型プロセス制御システムを含んでいる。コントローラ12はまた、例えばイーサネット(登録商標)リンであるデータハイウエイ24を介して1つ以上のホストまたはオペレータのワークステーション20〜23にカップリングされている。データベース28はデータハイウエイ24に接続されて、プラント10内のコントローラおよびフィールドデバイスと関連するパラメータ、ステータスおよび他のデータを収集して記憶するデータヒストリアンとしておよび/またはプロセス制御システムの現行の構成を、それがコントローラ12とフィールドデバイス14および16にダウンロードされて記憶されるとプラント10内に記憶する構成データベースとして動作する。データベース28は、さらに、本書で説明するような仕方で作成された図形オブジェクトを記憶して、プロセスプラント10内で図形サポートを提供する。コントローラ12、I/Oカード18およびフィールドデバイス14と16は一般的には時たま厳しいプラント環境下に置かれるが、オペレータワークステーション20〜23およびデータベース28は通常、コントローラや保守の要員が入りやすいコントロールルームやより厳しくない環境下に置かれる。しかしながら、場合によっては、手持ち式デバイスを用いて、これらの機能を実施することがあるが、一般的にはこのような手持ち式デバイスはプラント中のさまざまな場所に持ち運ばれる。
【0017】
周知なように、例えばEmerson Process Management社から販売されているDeltaV(登録商標)コントローラであったりするコントローラ12はおのおのが、互いに異なった、そして互いに独立に実行されるいくつかの制御モジュールまたはブロック29を用いて制御戦略を実施するコントローラアプリケーションを記憶したり実行したりする。制御モジュール29はおのおのが機能ブロックと一般に呼ばれるものから作ることが可能であるが、この機能ブロックはそのおのおのが、全体的な制御ルーチンのサブルーチンであり、他の機能ブロックと(リンクと呼ばれる通信によって)共同して動作して、プロセスプラント10内の制御ループを実施する。公知なように、オブジェクト指向プログラミングプロトコルではオブジェクトである機能ブロックは、一般的には、送信機や、センサーや、他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連したものなどの入力機能と、PID、ファジー理論などを事項する制御ルーチンと関連したものなどの制御機能と、バルブなどの一部のデバイスの動作を制御する出力機能の内の1つを実行して、プロセスプラント10内で一部の物理機能を実行する。もちろん、ハイブリッド式および、モデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザなどの他のタイプの複雑な機能ブロックも存在する。FieldbusプロトコルやDeltaVシステムプロトコルは、オブジェクト指向プログラミングプロトコル中で設計され実施される制御モジュールと機能ブロックを用いるが、一方、制御モジュールは、例えば、シーケンシャル、ラダーロジックなどを含むいずれかの所望の制御プログラミングスキームを用いて設計可能であって、機能ブロックや他のいずれかの特定のプログラミング技法を用いて設計されて実施される形態に限られない。
【0018】
図1に示すプラント10で、コントローラ12に接続されているフィールドデバイス14と16は、標準の4〜20maのデバイスであったり、プロセッサとメモリを含むHART、Profibus、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusというフィールドデバイスなどのスマートフィールドデバイスであったり、他のいずれかの所望のタイプのデバイスであったりする。これらデバイスのあるもの、例えば、Fieldbusというフィールドデバイス(図1では参照番号16で示す)は、コントローラ12中で実施される制御戦略と関連する機能ブロックなどのモジュールやサブモジュールを記憶して実行する。図1ではFieldbusというフィールドデバイス16の内の互いに異なった2つのものの中に配置されている機能ブロック30は、公知なように、コントローラ12内の制御モジュール29の実行と関連して実行されて、プロセス制御を実施する。もちろん、フィールドデバイス14と16は、センサー、バルブ、ポジショナーなどどのタイプのデバイスでもよく、また、I/Oデバイス18は、HART、Fieldbus、Profibusなどのいずれかの所望の通信プロトコルやコントローラプロトコルに適合するどのタイプのI/Oデバイスでもよい。
【0019】
図1のプロセスプラント10では、ワークステーション20〜23は、プラント10内で同じまたは互いに異なった要員によって実行される互いに異なったさまざまな機能目的で用いられるさまざまなアプリケーションを含む。ワークステーション20〜23はおのおのが、さまざまなアプリケーション、プログラム、データ構造などを記憶するメモリ31と、メモリ31に記憶されているいずれかのアプリケーションを実行するために用いられるプロセッサ32とを含む。図1に示す例では、ワークステーション20は、構成ワークステーションとして設計されて、1つ以上の構成アプリケーション33を含むが、このアプリケーション33には、例えば、いずれかの認可済みの構成エンジニアによってアクセスされて制御ルーチンや制御モジュール29と30などのモジュールを作成してプランと10のさまざまなコントローラ12やデバイス16にダウンロードするための制御モジュール作成アプリケーション、オペレータインタフェースアプリケーションおよび他のデータ構造が含まれる。ワークステーション21は一般には、図1では制御デバイスビューイングワークステーションとして示されている、多くの表示アプリケーションを含み、これらのアプリケーションは、コントロールオペレータに対して、プロセスプラント10にさまざまなディスプレイを提供して、オペレータが、プロセスプラント10やそのさまざまなセクションで何が起こっているかをビューイングして制御することを可能とする。アプリケーション34は、制御機能を実行する際にコントロールオペレータを支援するために用いられる制御診断アプリケーションや、チューニングアプリケーションや、レポート生成アプリケーションや他のいずれかの制御サポートアプリケーションなどのサポートアプリケーション34aを含むことがある。同様に、ワークステーション22は保守ビューイングワークステーションとして図示されており、多くの保守アプリケーション35を含むが、これらの保守アプリケーション35は、さまざまな保守要員に用いられて、プラント10の保守必要性をビューイングしたり、さまざまなデバイス12、14、16の動作状態や作業状態をビューイングしたりするものである。もちろん、アプリケーション35には、プラント10内で保守要員が保守機能を実行するのを支援するために用いられる保守診断アプリケーション、校正アプリケーション、振動分析アプリケーション、レポート生成アプリケーションや他のいずれかの保守サポートアプリケーションなどのサポートアプリケーション35aを含むことがある。加えて、ワークステーション23はシミュレーションワークステーションとして示されているが、このシミュレーションワークステーションには、送信目的や、プラントの保守、制御などを支援するプランとモデリング目的を含む多くの何らかの目的のためのプラント10やプラント10のさまざまなセクションの操業をシミュレートするために用いられる多くのシミュレーションアプリケーション36が含まれる。一般的であるが、ワークステーション20〜23はおのおのが、表示画面37をキーボード、マウスなどの他の標準の周辺デバイスと共に含んでいる。
【0020】
もちろん、さまざまな構成や、制御や、保守や、シミュレーションのためのアプリケーション33〜36が図1ではこれら機能のうちの1つに専用のさまざまなワークステーションに置かれているところが示されているが、これらの機能や他のプラント機能と関連しているさまざまなアプリケーション33〜36は、プラント1の必要性と設定しだいで、プラント10内の同じまたは互いに異なったワークステーションやコンピュータ中に置いて実行してもよいことが理解されるであろう。したがって、例えば、1つ以上のシミュレーションアプリケーション36や制御アプリケーション33を同じワークステーション20〜23中で実行してもよいし、その一方で、別の個々のシミュレーションアプリケーション36や別の個々の制御アプリケーション33をワークステーション20〜23の内の互いに異なったもの同士の中で実行してもよい。
【0021】
過去においては、プラント10内のさまざまな機能エリアで用いられさまざまなアプリケーションの開発はかなり独立して実行されていた。したがって、構成アプリケーション33の開発は、シミュレーションアプリケーション36や、保守アプリケーション35や他のオペレータ制御アプリケーション34と統合して行われることはなかった。事実、多くの例で、プラントは、さまざまな企業やソフトウエア供給業者によって開発され、また、事実、プラント10内で他のソフトウエアとは独立して走行するように開発されたさまざまな機能エリア用のアプリケーションを含んでいた。プラント10のさまざまな機能エリアと関連するさまざまなアプリケーションのこの独立した開発と動作の結果、プラント要員は一般に、構成や、オペレータ制御や、保守や、シミュレーションのそれぞれの機能レベルで別個にプラントを構成したりセットアップしたりすることが要求された。特に、同じまたは互いに異なったプラント要員が一般に、さまざまなプログラムを用いて、新たなデータ構造と図形ディスプレイをおのおのの機能レベルで設定しなければならなかった。したがって、図1を参照すれば、さまざまなアプリケーション33〜36のおのおのが、一般的に含まれている構成や、制御や、保守や、シミュレーションの機能を実行したり、さまざまな図形表示エディターやデータベース構造を用いて、これらの構成や、制御や、保守や、シミュレーションの機能を実行する際にプラント要員を支援したりしてきた。多くの例で、このようなさまざまな図形表示エディターとデータベースは、さまざまな図形ディスプレイを作成して、プラント10の同じセクションやエリアまたはプラント10内の同じハードウエアを描写したりモデリングしたりするためと、さまざまなプラント要員が、構成や、オペレータ制御や、保守や、シミュレーションのなどの活動状況においてプロセスプラント内で何が起こっているかをビジュアライズして理解するのを支援するために用いられた。
【0022】
プラント10内のさまざまな機能のおのおのに対するアプリケーション33〜36と関連のディスプレイとは、一般的には、互いに対して独立に、時としては、別々に人たちによって、さらには別々の会社によって開発されて実施されたため、プロセスプラントのさまざまな機能エリアで作成または用いられる図形ディスプレイは、図形をビジュアライズさせるという観点から見ればいかなる首尾一貫したまたは分かりやすい仕方では統合されなかった。その結果、プラントの互いに異なったさまざまな機能レベルでの図形ディスプレイの作成と実行の独立性のため、図形ディスプレイが機能ごとに異なったものと見え、そのため、機能エリア全体にわたって図形ディスプレイの概観と雰囲気が一貫しないということになってしまった。加えて、この独立した作成操作のため、プラントのセクションやエリアは同じであるが機能の用途が違う場合に図形ディスプレイを作成する際に動作が繰り返されることになり、また、このようにして作成された図形ディスプレイをつなげる必要があり、また、コントローラ12やフィールドデバイス14,16などのプラント10内のさまざまなデバイスからデータを、プラント10の機能レベルで別個に受信する必要があった。このため、データベース構造を複製して、さまざまなディスプレイに対する共通のハードウエアエレメントを追跡する必要が生じた。したがって、例えば、過去においては、第1のアプリケーション(例えばアプリケーション35のうちの1つ)を用いて、保守目的のためプラント10のあるセクションを示す保守ディスプレイを作成し、一方、第2のアプリケーション(例えばアプリケーション34のうちの1つ)を用いて、制御目的のためプラント10の同じセクションを示すコントロールオペレータディスプレイを作成した。これら別々の表示エディターによって別個に作成されたディスプレイは外見や雰囲気がまったく異なり、そのため、ユーザにとっては保守ディスプレイとオペレータディスプレイ間で切り替えるのが困難であり、すぐ混乱するか、さもなければこれらディスプレイの双方での訓練が必要となる。同じように、双方のディスプレイを互いに異なったアプリケーション34と35で互いに独立に作成する際に動作が繰り返され、また、データベース構造を作成して、保守ディスプイとコントロールオペレータディスプレイをプラント10内の同じハードウエアエレメントに対して別個に結びつけたり接続したりして、時として同じまたは類似のデータをこれらのハードウエアエレメントから受信するため、動作がさらに拡大される。
【0023】
このような非効率性を軽減し、プラント10内により有用で理解しやすい図形を備えるため、図形サポートレイヤーをプロセスプラント10のシステムレベルで提供して、プラント10の構成、オペレータビューイング、保守ビューイング、シミュレーションおよび他の機能エリアを含むプラント10のさまざまな機能エリアのおのおのの図形ディスプレイとデータ構造の必要性をサポートする。このシステムのサポートレベル図2では、プラント操業レベル40、プラント機能レベル42、システムレベル44と図解されている。図2から理解されるように、プラント操業レベル40は、コントローラ12、フィールドデバイス14、16などを含むが、これらは、制御ルーチンやモジュール28と29、さらに、プラント10内の他のソフトウエアを走行させて、プラントのランタイム中にプラントの操業を実行する。プラント機能レベル42は、構成機能ブロック46、制御機能ブロック47、保守機能ブロック48およびシミュレーションブロック49を含むものとして描写されているが、エンジニアリング機能やビジネス機能などの他のまたは別の機能を提供してもよい。構成機能ブロック46は構成ルーチン33を実施するが、このルーチンは、プラント操業レベル40内のコンポーネントとインタフェースまたは通信して、制御戦略や制御モジュールをそれに対して提供する。制御機能ブロック47は制御ビューイングと他のアプリケーション34と34aを含むが、これらもまた、プラント操業レベル40内のさまざまな物理的および論理的コンポーネントと一般には直接的にインタフェースまたは通信して、オペレータがプラント10内で変更を実施して、制御ディスプレイ34を介してオペレータに情報を提供して、制御アプリケーション34aなどのためのデータを獲得する。保守機能ブロック48は、保守ルーチンとアプリケーション35および35aを含むが、これらは、プラント操業レベル40内の物理的および論理コンポーネントとインタフェースまたは通信して、保守手順を実施したり、保守データを収集したり、保守のデータや情報を保守要員に対して保守ディスプレイ35を介して提供して、診断アプリケーション35aなどを走行させる。同じように、シミュレーション機能ブロック49はシミュレーションルーチン36を含むが、このルーチンは、プラント10のシミュレーションを実行しまた、プラント操業レベル40内のコンポーネントと通信可能にカップリングされて、プラント10に関するデータを得る。
【0024】
図2に示すように、システムレベルサポートレイヤー44は、プラント機能レイヤー42内の機能ブロック46〜49のおのおのにつながってこれをサポートして、例えば、共通のデータベースと、さまざまな機能エリア46〜49で用いられるソフトウエアオブジェクト、図形エレメント、図形ディスプレイなどのディスプレイ構造などのディスプレイ構造との作成と保守を可能とする。より詳しくは、アプリケーション、データベース、図形サポートエレメントを含むシステムレベルサポートレイヤー44は、機能ブロック46〜49のおのおので実行される図形動作を一緒に統合したり、システムサポートレベル44で作成された共通のデータベース構造と図形エレメントを用いて開発したりする機能を可能とする。このシステムレベルサポートを提供するため、システムサポートレイヤー44は、図形エディター50と図形オブジェクトデータベース52を含む。図形エディター50は図形エレメント54と図形ディスプレイ56を作成するために用いられ、一方、図形オブジェクトデータベース52は、エディター52とブロック46〜49中のさまざまなアプリケーションとによってアクセス可能なメモリにエレメント54とディスプレイ56を記憶する。データベース52はまた、プラント操業レベル40内の個々のハードウエアとソフトウエアのエレメントに対して図形エレメント54を接続する他のオブジェクト58とデータ構造を記憶する。加えて、データベース52は、さらなる図形エレメントまたはディスプレイを作成するために用いられる図形エレメントや、表示テンプレートや、プリミティブを記憶する。図2から理解されるように、図形表示エレメント54、ディスプレイ56および他のデータベース構造58は、あらゆる機能ブロック46〜49によって用いられて、このような機能ブロックと関連する図形を作成して用いるようにする。
【0025】
一般的に言って、システムレベルサポートブロック44は、機能ブロック46〜49のすべてにおいて図1のプロセスプラント10中で用いられる図形を統合する仕方を提供し、これで、さまざまな状況下で同じプラント装置に対してさまざまな図形エレメントを繰り返し作成する必要性を軽減または解消し、また、機能エリア46〜49のおのおのでユーザがこのような機能エリアと関連する図形ビューで表示中の装置と関連するデータにつながることを容易とする。理解されるように、システムレベルサポートレイヤー44は、機能エリア46〜49のおのおのの複数のアプリケーションや、機能ブロック46〜49の内の互いに異なったエリアの互いに異なったアプリケーションに対して図形とデータベースをサポートすることができる。
【0026】
図1を参照すると、システムレベルサポートブロック44は、他のワークステーション20〜23のおのおのに接続される追加のワークステーションやユーザインタフェース60を用いて実施される。ワークステーション60は一般的に、図形エディター50とデータベース52を記憶し、また、所望に応じて他のエレメント54、56、58を記憶する。加えて、ワークステーション60は、データベース24を介したり、別個の有線または無線の通信接続(図1では点線で示す)を介したり、他の何らかの所望の仕方でワークステーション20〜23に通信可能に接続される。図1に示す構成では、ワークステーション60は、表示エディター50を記憶してこれを実行し、これによって、ユーザが、図形エレメントを作成したり、このようなエレメントを1つ以上の図形ディスプレイに分類したりすることを可能とするが、これらは双方とも本書では表示モジュールを呼ばれる。次に、このような表示モジュールは、データベース52に記憶されて、図2に示す機能ブロック46〜49の内のさまざまなブロックによってアクセスされて用いられるようにし、さまざまなワークステーション20〜23で実施されるようにする。解説しやすいように、システムレベルブロック44と機能レベルブロック46〜49の機能性を図1のさまざまなまたは別個のワークステーション20〜23上で実施されるものとして図示してあるが、これらさまざまなブロックのいずれかと関連するどのアプリケーションでもプロセスプラント10内のまたはこれと関連する同じもしくは互いに異なったワークステーションまたは他のコンピュータ上で実施することが可能であることが理解されよう。したがって、図形エディター50は、プラント10と関連する他のワークステーション20〜23のいずれでもまたは他のコンピュータのいずれにおいても記憶して実行され、したがって、スタンドアロン型または別個のコンピュータに存在する必要はない。
【0027】
以上解説したように、図2のシステムレベルレイヤー44は、システムレベルディスプレイとデータベースオブジェクトを実施するが、これらをさまざまな機能ブロック環境下で用いたり、また、より高いレベルでの表示能力を提供するために用いたりすることが可能である。一般的に言って、図2のシステムレベル44で作成された表示オブジェクトは図形エレメントや図形ディスプレイに分類することが可能である。図形エレメントは一般に、プリミティブまたは低レベルの表示オブジェクトであって、これは、バルブ、センサー、ポンプ、コントローラのようなハードウエアデバイスなどのプラント内の特定の物理的エンティティと関連している。図形ディスプレイは一般には、相互接続された図形エレメントから成っており、ユニットやエリアなどのプラント内のハードウエアのより複雑な集合を表してモデリングするために用いられ、さまざまなハードウエアユニット同士間の相互接続を含んでいる。加えて、図形ディスプレイには、プラントから、また、他のアプリケーション、例えば、ワークステーション20から23および60などで走行する診断アプリケーションやビジネスアプリケーションから提供されたグラフ、チャートおよび他のデータが含まれる。
【0028】
図3に、後出のエレメントやディスプレイが存在する2つの環境、特に、構成環境70とランタイム環境72の下での図形エレメントと図形ディスプレイの展開と使用を概略的に示す。一般的に言って、図形エレメント74(別個のエレメントオブジェクト76a、76bなどと描かれている)および図形ディスプレイ76(別個の表示オブジェクト76a、76bなどと描かれている)という形態を持つ表示オブジェクトは、例えば、表示エディター50を用いて構成環境70で作成される。オブジェクト74と76は、作成後、データベース52に記憶される。オブジェクト74と76はクラスオブジェクトとして作成されるが、これは本書では表示モジュールクラスオブジェクトと呼ばれて、プロセスプラント10内の特定のハードウエアまたは論理的なエレメントには拘束されたり結び付けられたりしていない一般的なオブジェクトである。しかしながら、クラスオブジェクトは、クラスオブジェクトと同じ基本的プロパティを有するが、プロセスプラント10内の特定のハードウエアに対して拘束されたり結び付けられたりしていないランタイム図形オブジェクトを作成するために用いることが可能である。しかしながら、一般的に言って、クラブオブジェクトは、自身からインスタンス化された子供オブジェクトに対して、このような子供オブジェクトがランタイム環境下でインスタンス化されても、結び付けられたままである。
【0029】
図3に示すように、図形エレメントオブジェクト74はおのおのが、さまざまな多くの環境化で有用な図形エレメントを作成する多くのコンポーネントを含んでいる。特に、おのおのの図形エレメント74は、1つ以上のビジュアライゼーション77と、任意の数のパラメータもしくはプロパティ78と、スクリプトやトリガーを用いて実施される任意の数のアクションまたはアニメーション79と、バインディング80を含んでいる。一般的に言って、おのおののビジュアライゼーション77は、図形エレメント74がランタイム環境72の下で実施されると、表示画面上に実際に表示される可視のプロパティやエレメントを定義する。一般的には、ビジュアライゼーションは、物理デバイスもしくは論理デバイスまたはデバイスのグループの表現を確定するが、ビジュアライゼーションは他のエンティティを表すことも可能である。ビジュアライゼーション77は、あるエンティティの図形描写の細目を定めるいずれかの所望の記述やプログラミングのパラダイムを用いてランタイム環境72で実施される。1つの実施形態では、ビジュアライゼーション77はPGXMLやAvalonコントロールを用いて実施されるが、これらのコントロールはMicrosoft(登録)から提供されるものであり、また、これらはオブジェクトベースの装置であるため、標準のWindows(登録商標)タイプのディスプレイで用意に実施可能であり、また、表示環境同士間で携帯可能である。この特徴を以下により詳細に説明するが、参照してここに組み込む「プロセスプラントユーザインタフェース中でのマークアップ言語ベースの動的プロセス図形(弁理士事件整理番号第06005/41127号)という題名の同時係属出願中で解説されている。
【0030】
一般的に言って、パラメータとプロパティ78はビジュアライゼーションによって描かれているエンティティと関連する変数や静的なまたは変更可能真性のプロパティなどの他のプロパティを定義するものであるが、このようなプロパティは、エレメント74のクリエータによって定義可能である。同じように、アクションとアニメーション79は、ルーチンやプログラム(プロパティの値などに基づいてプロセスエンティティの状態を検出するプロパティを変換するスクリプトとして実施される)、ビジュアライゼーション77が表示画面上で描かれるとビジュアライゼーション77上でまたはこれを用いて実行される図形ビジュアライゼーションや動作を変更する何らかのルーチンを含むアニメーションルーチン、またはユーザに対してビジュアライゼーション77を用いたりこれを対話したりすることを可能とし、これによって、プロセスへの入力に対する変更などのプロセスの変更をもたらすルーチンを定義する。このようなアクションとアニメーションは、ビジュアライゼーション77に対してより面白くて理解しやすいまたは助けとなる図形プロパティを提供し、これで、ユーザはビジュアライゼーション77と対話可能となる。1つの場合では、このようなアクションとアニメーションは、色や回転角度の変更、サイズや縮尺やスキューなどの変更を含む、ビジュアライゼーションのさまざまなコンポーネントの、色、サイズ(例えば、高さと幅、ラインサイズ、フォントなど)、カラー塗りつぶしおよびアニメーションの変更という形態をとる。このようなアクションとアニメーションは、図形エレメント74に対して図形プロパティとユーザ対話プロパティを提供する。静的または固定したバインディングであったり、別名を用いるバインディングであったりするバインディング80は、パラメータやプロパティ78が、図形エレメント74がランタイム環境72でディスプレイの一部として実施されるときに、どのようにしてランタイム環境72内のデータ、タグまたは他のエンティティに拘束されるかを定義する。基本的には、おのおのの図形エレメント74に対するバインディング80は、図形エレメント74が、プラント環境下の他のどこかで定義されている1つ以上のエンティティまたはデータエレメントに対してどのように結び付けられるかを確立し、したがって、実際のランタイム環境72と図形エレメント74間のインタフェースを定義する。
【0031】
図3に示すように、図形表示オブジェク76はおのおのが、1つ以上の図形エレメント81、コネクタエレメント82、アクションとアニメーション83、プロパティ84およびバインディング85に対する引用やこれらのコピーなどの多くのコンポーネントを含んでいる。一般的に言って、図形ディスプレイ76は、パイプや、回線や、ベルトコンベヤなどを表すコネクタエレメント82と一緒に可視的に接続されているさまざまな図形エレメント81の相互作用を描くディスプレイであったりする。このようなコネクタオブジェクトが、米国公開第2004/0153804号に解説されている。図3の点線は、図形表示オブジェクト76aによる図形エレメント74の内の1つに対する参照を示している。図形エレメント74を参照する図形ディスプレイ76は、図形エレメント74のプロパティ、パラメータ、アクションおよびアニメーションなどのすべてを含んでいることが理解されよう。図形エレメント74に類似して、おのおのの図形ディスプレイ76は、例えば、ディスプレイや、ユーザインタフェースの対話や、データ操作などをアニメーション化する自身と関連するさらなるアクションまたはアニメーションを1つ以上含んでいる。同じように、おのおのの図形ディスプレイ76は、ディスプレイと関連する任意の数のプロパティを含んでおり、一般的には、このようなプロパティは、ディスプレイ内で描写されているユニット、エリアまたは他のエレメントグループのプロパティを定義する。もちろん、バインディング85は、図形ディスプレイ76がプラント環境のどこか他所で定義されている1つ以上のエンティティまたはデータエレメントどのようにして結び付けられるかを定義し、したがって、実際のランタイム環境72と図形ディスプレイ76間のインタフェースを定義する。
【0032】
図形エレメント74と図形ディスプレイ76は、一旦作成されると、例えば、図1のワークステーション20〜23の内のいずれかでランタイム環境72に拘束されてその下で実行される。特に、図形エレメント74または図形ディスプレイ76は、クラスオブジェクトとして作成されてデータベース52に記憶されたら、実際のランタイムオブジェクトとしてインスタンス化されて、ランタイム環境72で実行される。ブロック86に示すように、インスタンス化プロセスが、オブジェクト74と76に定義されているバインディングを塗りつぶすが、これは、プロセスプラントまたはプロセス制御システム内の適切な変数名、タグ、別名などを含む1つ以上の解像度テーブルを用いて、プロセスプラント内の実際のエンティティとプラント10内の表示デバイス上で走行する図形オブジェクト間に特定的な接続を提供することによって遂行される。バインディングプロセスの一部として、オブジェクト74と76は、解像度テーブルによって定義されるようにプロセスプラント内のデータソースに接続し、したがって、論理的にそして通信可能にプロセスプラント10に接続されるようにプラントにアクセスする。
【0033】
ブロック87に示すように、表示エレメント74または図形ディスプレイ76は、ほんの2〜3例を挙げると、構成ディスプレイ、コントロールオペレータディスプレイ、保守ディスプレイ、シミュレーションディスプレイを含む、ランタイム環境72内のさまざまな多くの機能の中でまたはその一部として実行可能である。加えて、表示オブジェクト74と76は、システムレベルの機能、例えば、推測制御機能もしくは推測保守機能、システムレベルエラー検出、診断などを含む、図2に示す機能レベルの内のさまざまなレベルからのデータを用いる機能を実行する際に用いられる。事実、ディスプレイ76は、一旦構成環境70で作成されてデータベース52に記憶されると、さまざまな多くの作業で用いられる。さらにまた、表示オブジェクト74と76は、ワークステーション90、ラップトップ型コンピュータ91、個人向け携帯型情報通信機器(PDA)のような手持ち式デバイス92、電話デバイスなどの任意の所望のディスプレイもしくはコンピュータハードウエア上で、または複数のモニターなどを有する大型画面ディスプレイなどの他のいずれかの特殊ディスプレイ93上で実行される。所望次第では、1つの図形ディスプレイ76をレイヤー化して、構成ビュー、オペレータビュー、保守ビュー、シミュレーションビューなどの1つ以上のビューを含むようにしてもよい。代替例では、別個の図形ディスプレイ76を、同じまたは類似の図形エレメント81を用いてこのような別個のビューを提供するように構成して、これらさまざまな機能用に作成されたディスプレイ全体にわたって首尾一貫した概観と雰囲気を提供するようにしている。
【0034】
ブロック95に示すように、ランタイム環境72に移植されるように、図形エレメント74または図形ディスプレイ76をコピーしたりインスタンス化したりして、ランタイムマシンにロードする。一般的に言って、表示オブジェクト74または76を、ランタイムマシン上でコールされたまたは実行されたときにだけランタイム環境72に拘束されるようにするのが望ましいが、これを本書ではランタイムバインディングと呼んでいる。すなわち、インスタンス化されたオブジェクトのおのおのに対する解像度テーブルは、表示オブジェクトが実際にランタイムコンピュータ中で走行中であったり実行中であったりする場合に、ランタイム環境に充填されたりこれに拘束されたりするだけである。この手順によって、そのビジュアライゼーション、コントロール、スクリプトなどを含む表示オブジェクトが、オブジェクトのビジュアライゼーションが実際に表示画面上で描写されているときにだけ、実行され、したがって処理パワーを用いることが保証される。したがって、表示オブジェクトは、自身がランタイムコンピュータ上で実際に走行中であるときにランタイム環境72に拘束されるだけであるのが望ましいが、これは、表示オブジェクト74と76は、このようなオブジェクトによって作成されたビジュアライゼーションをユーザがビューイングするという動作によって定義される仕方でランタイム環境72に対して間欠的に接続されることを意味する。特に、このようなオブジェクトは、ビューイングされることが要求される時点でランタイム環境72に拘束され、また、このようなオブジェクトがビジュアライゼーションを提供している画面をユーザが最小化したり閉じたりする場合など、ユーザによってビューイングされていない場合には拘束を解かれたり開放されたりする。
【0035】
したがって、表示オブジェクト74と76は、スタンドアロン環境、すなわち、構成環境70で作成されるオブジェクトであるが、プロセスプラント環境または、プロセスプラント環境下で走行中の、いずれかの制御環境、シミュレーション環境、保守環境または構成環境で定義された、例えば、オブジェクト、データ構造、アプリケーションなどを含むいずれかのアプリケーション内で定義されている他のオブジェクトやデータ構造と結び付けられたり接続されたりするものである。さらに、表示オブジェクト74と76は、一旦作成されると、解像度テーブルに定義されている直接的な参照や、変数や、タグを介して直接的に、または、別名や、変数やパラメータを用いることによって間接的に物理的または論理的プロセスエンティティに拘束されるが、これらは、表示オブジェクト74もしくは76がランタイム環境72内でダウンロードされるかインスタンス化されるときに、または、場合によっては、表示オブジェクト74または76がランタイム環境72内で実際に走行中であるときに決定される。
【0036】
図3の表示エディター50は、表示オブジェクト74と76を、さまざまな詳細レベルで作成し、これによって、表示オブジェクト74と76の使いやすさと汎用性を高めることが可能である。例えば、図形エレメント74を最初に作成して、よりプリミティブな物理的エンティティおよび論理的エンティティのプロパティと動作を定義し、次に、図形ディスプレイ76を1つ以上の図形エレメント74を相互接続することによって作成して、より複雑な物理的もしくは論理的エンティティまたは物理的もしくは論理的エンティティのグループを描写するより高レベルなまたはより複雑なディスプレイを作成する。もちろん、図形エレメント74と図形ディスプレイ76は双方共、互いに異なったさまざまなカテゴリで記憶されてアクセスされ、より高レベルの表示オブジェクトの作成をユーザにとってより単純なものとする。
【0037】
図4に、表示エディター50によって作成される例示の画面ディスプレイ100を示す。ポンプの図形エレメントを作成するプロセスで描写されている画面100は、メイン編集セクション102、エレメント階層セクション104、プロパティ定義セクション106およびビジュアライゼーションセクション108を含む。メイン編集セクション102は、ユーザまたはデザイナーが、図形エレメントのためのビジュアライゼーションを作成し、これで、この場合はビジュアライゼーション109で示されているポンプである図形エレメントの可視プロパティを定義する際の作業空間となるものである。一般的に言って、エレメント階層セクション104は、階層ビューやツリー構造を用いて、メイン編集セクション102内のビジュアライゼーション109と関連するコンポーネントとなるものである。図4の例では、階層セクション104、メイン編集セクション102で定義されているビジュアライゼーション109は、円(Circle1と名づける)プリミティブもしくはサブエレメントと、2つの矩形(Rect1およびRect2と名づける)を含んでいることを示している。図4には示されていないが、階層セクション104は、アニメーション、アクションおよび他の表示特徴、例えば、ビジュアライゼーション109に対して定義されたスクリプト、可視トリガーなどの表示を含む。
【0038】
プロパティ定義セクション106は、編集セクション102に示すビジュアライゼーション109と関連する図形エレメントに対して現在定義されている、真性のプロパティを含むプロパティのすべてを図示する。図4の例示の画面100は、ビジュアライゼーション109と関連するポンプがオンであるかオフであるかを定義するIsOnプロパティと、ビジュアライゼーション109と関連するポンプの速度を定義するSpeedプロパティの2つのプロパティを示す。ユーザやデザイナーは、プロパティ定義セクション106内の他の変数、プロパティなどの名称、タイプおよびバインディングを定義し、これによって、図形エレメントの他の側面を定義することによって、他のプロパティやパラメータを図形エレメントに追加することが可能である。図4のセクション106に示す2つのプロパティは、ブール変数と浮動小数点変数であるものとしてリストアップされている。しかしながら、他のタイプの変数をその代わりにまたはそれに加えて用いてもよい。したがって、例えば、セクション106で定義されたプロパティは、配列や、テーブルや、列挙されたリストや、他のタイプの変数もしくはデータ構造であったりする。
【0039】
所望次第で、画面100内で定義されている図形エレメントは自身と関連する複数のビジュアライゼーションを有する。これらビジュアライゼーションの内で互いに異なったものをビジュアライゼーションセクション108に描写するが、メイン編集セクション102に置かれるように個々に選択される。例えば、2つのビジュアライゼーション110Aと110Bを、図4のビジュアライゼーションセクション108に示すが、他のどの番号やタイプのビジュアライゼーションを、作成中の図形エレメントに対して定義してもよい。図形エレメント作成プロセス中、おのおののビジュアライゼーションは、セクション108中のビジュアライゼーションの表示のところで右クリックしたりダブルクリックしたり、ビジュアライゼーションの表示を編集画面102にドラッグアンドドロップしたりするなどして、メイン編集セクション102に置かれる。ビジュアライゼーションは、一旦メイン編集セクション102に置かれると、その表示プロパティを定義または再定義するように編集される。一般的に言って、これらのビジュアライゼーションの内の1つを、作成中の図形エレメントのデフォルトビジュアライゼーションとして設定または定義する。このデフォルト設定を、図4のビジュアライゼーション110Aの場合で示すようにデフォルトビジュアライゼーションを強調したり、ビジュアライゼーションセクション108中で点線で囲んだりなどの何らかの仕方または他のいずれかの仕方で示す。
【0040】
一般的に言って、エレメントエディター50で作成されたビジュアライゼーションは、定義された仕方で置かれたり一緒に分類されたりするさまざまな形状から成る1つ以上の複合体でできている。したがって、このようなビジュアライゼーションは、形状複合体と呼ばれる。例えば、形状複合体には、円、ライン、点、多角形、方形、矩形、三角形または他の単純な図形形状が含まれる。このように定義すると、互いに別個のアクションやアニメーションは、形状複合体を作り上げるさまざまな形状のおのおのに適用されたりこれと関連付けられたりする。もちろん、形状複合体には、エレメントのより精巧で芸術的な描写物が含まれる。形状複合体を定義したり構築したりするためには、ユーザやデザイナーは、任意の数のプリミティブ図形エレメントをメイン編集セクション102に追加して、これらプリミティブを、何らかの所望の仕方で一緒にする。形状複合体は、一旦作成されると、XAMLとしてランタイムで実施され、図形エレメントがランタイム環境化で用いられる場合にビジュアライゼーションとして画面またはディスプレイ上に表示される実際のオブジェクトに対するビジュアライゼーションを定義する。形状複合体を構築するこの形状またはプリミティブは、階層セクション104中で複合体階層として図示される。
【0041】
1つの図形エレメントに対して複数のビジュアライゼーションを作成することによって、さまざまなビジュアライゼーションをさまざまな状況でまたはさまざまな用途に対して用いることが可能となり、これで、共通のエレメントのさまざまなビジュアライゼーションを表示しながらも、プラント内でさまざまな目的のために作成されたディスプレイが同じ図形エレメントから作成される(すなわち、同じ図形クラスオブジェクトから作成される)。例えば、機能状況が異なれば、ビジュアライゼーション110A、110Bなどの内の互いに異なったものを用いるため、図形エレメントをコントロールオペレータのディスプレイの一部として用いる場合は第1のビジュアライゼーション110Aが用いられ、図形エレメントを保守ディスプレイの一部として用いる場合は第2のビジュアライゼーション110Bが用いられ、ポンプエレメントをシミュレーションディスプレイで用いる場合は第3のビジュアライゼーション(図示せず)が用いられる。他方、異なったタイプの表示デバイス上で表示する目的に対しては異なったビジュアライゼーションが用いることができる。例えば、図形エレメントの第1のビジュアライゼーションが一般的なコンピュータやワークステーションで用いられるのに適しており、一方、PDAや電話デバイスのような手持ち式デバイス上では異なったビジュアライゼーションを作成して用いると長所となり、他方、大型の画面ディスプレイやマルチ画面モニターに対してはさらに別のビジュアライゼーションが作成される。ある図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを、ビジュアライゼーションが表示されるディスプレイのサイズに基づいて調整されるため、一般的なコンピュータ画面などの大型画面に対してはそれに適している第1のビジュアライゼーションが作成され、PDAや無線電話デバイスのような手持ち式デバイスの表示画面などのかなり小型の画面に対してはそれに適した第2のビジュアライゼーションが作成されることが理解されるであろう。このように、ランタイムデバイスが異なれば、同じ図形エレメントに対する異なったビジュアライゼーションが用いられる。
【0042】
他方、図形エレメントの開発サイクルでさまざまな時点で図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションが追加される。例えば、製図や好ましいビジュアライゼーションの作成に適していない構成エンジニアは、最初に図形エレメント作成する際に、本来予備的で基本的である第1のプリミティブビジュアライゼーション(棒線画製図など)を生成して、このビジュアライゼーションをその時点での図形エレメントの一部として記憶する。その後の日または時点で、熟練したドラフターやアーティストが、より精巧で芸術的に好ましいビジュアライゼーションを作成して、この第2のビジュアライゼーションを図形エレメントに対して代替のビジュアライゼーションとして追加することが可能である。所望次第では、この時点で、第2のビジュアライゼーションをデフォルトビジュアライゼーションとして設定することが可能であり、また、この第2のビジュアライゼーションを、マスター図形エレメントやクラス図形エレメントからインスタンス化されているランタイム図形エレメントのすべてにわたって伝播させることが可能であるので、この第2のビジュアライゼーションは、ランタイムディスプレイ中に現れたりこのディスプレイ中で利用可能とされたりする。
【0043】
別の例では、同じ図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを提供して、ディスプレイのさまざまなテーマ、図形基準、規範またはスタイルをサポートする。周知のように、一般的には、業界が違えば、ポンプ、バルブ、センサーおよび他のプロセスプラントエンティティを描写するために用いられる図形規範や図形基準も異なる。したがって、石油業界やガス業界では、製薬業界とは異なった図形基準を用いる。エレメントエディター50を用いると、おのおのの図形エレメントに対してさまざまなビジュアライゼーションを提供して、関規範やガス規範や製薬規範などの複数の図形の基準や規範をサポートすることが可能である。このようにして、作成された図形ディスプレイ中で同じ図形エレメントを用いて、ディスプレイ、例えば、さまざまな業界で受け入れ可能なまたは有用なディスプレイのさまざまな基準、規範またはテーマをサポートする。さらにまた、異なったビジュアライゼーションに対して芸術的スタイルなどの異なった図形スタイルを用いて、ユーザが、さまざまな幻術的タイプのディスプレイを作成することを可能とする。もちろん、同じ図形エレメントに対して複数のビジュアライゼーションを提供することの恩典の例はほんの少ししかなく、これら複数ビジュアライゼーションに対する他の用途も存在する。
【0044】
所望次第では、図形エレメントは、定義されたまたは自身と関連する図形動作を1つ以上有する。特に、デザイナーや作成者は、回転、線形変換、背景変更、色変更、サイズ変更、色勾配アニメーション、不透明度アニメーション、フォント特徴アニメーション、ビデオ、および、ビジュアライゼーションが画面上に表示されているときにおける図形エレメントのおのおののビジュアライゼーションに対するスタート/ストップ特徴、2次元もしくは3次元変更などのビデオ特徴などのアニメーションを定義する。この動的な動作を追加するために、ユーザは図形エレメントを選択して、ビジュアライゼーションに対してアニメーション(アニメーションルーチンとも呼ばれる)を追加することを選ぶ。この時点で、ユーザは選択されたアニメーションに関する構成情報を入力するか、または、例えば、ダイアログボックスや、表現エディターなどを用いて入力されたスクリプトを用いている所望の動作を定義する。このようなスクリプトは、定義されると、階層セクション104の階層に現れる。基本的には、スクリプトとは、ランタイムアクティビティ中に表示エレメントに対するビジュアライゼーションがビューイングされている場合に表示エレメントの一部として走行したり実行されたりするプログラムまたはルーチンである。必要ではないとはいえ、このような動作やスクリプトは、図形エレメントに対して定義されたプロパティやパラメータの内の1つ以上のものに結び付けられてそこで動作する。例えば、スクリプトは図形エレメントと関連付けられて、図形エレメントのプロパティセクション106中で定義されているプロパティの内の1つのプロパティの値に基づいて図形エレメントのビジュアライゼーション内の色を変更する。例えば、ポンプビジュアライゼーション109の色は、IsOnプロパティ(これはランタイム環境に拘束されている)が真であれば、すなわち、ポンプがオンされると、黄色から緑に変わる。別の例として、ポンプのSpeed(速度)プロパティの値を設定値と比較するスクリプトをポンプエレメントに対して定義して、このSpeedプロパティの値があるレベルを超えていれば、ビジュアライゼーション109内である種の図形アニメーションをもたらす。このアニメーションには、例えば、ポンプの赤色化、ポンプの回転、回転中のポンプの表示、ポンプビジュアライゼーションの脈動化や振動化などが含まれる。
【0045】
例えば、ビジュアライゼーションに対してアニメーションや他の動作を提供するためのビジュアライゼーションに対して定義されたスクリプトは、ビジュアライゼーションを形成している形状複合体内の個々の形状やプリミティブ上で、または、形状複合体内の複数の形状の上で動作するように設計される。スクリプトは、ランタイム環境下の実際の物理的エレメントに対して拘束されている真性のプロパティ上で動作したりこれを用いたりするため、実際のプラント操業に基づいて、または、図形エレメントと関連する実際のエンティティのプロパティを反映するプロセスプラントの他のエリアからのデータに基づいてビジュアライゼーションが変化することを可能とする。
【0046】
図形エレメントのタイプが異なれば、それで用いるのに適した図形も異なることが理解されるであろう。したがって、ある図形エレメントに対して提供される動作は、本書で提供する例には限られない。例えば、回転装置の図形エレメントは振動図形、運動、色変更などを提供するスクリプトを含むが、一方、センサーなどの装置の図形エレメントは、制限条件より上であるか下であるか、構成条件が必要あるかないかなどを描写するスクリプトを含む。もちろん、図形エレメントに対して何らかのプロパティを用いたり定義したりするが、このようなプロパティは、一般的には、表示されているエンティティのタイプに基づいている。また、さまざまなビジュアライゼーションのおのおのに対してさまざまなスクリプトを提供して、ビジュアライゼーションが異なれば異なった動作をそれに対して提供することが理解されるであろう。他方、図形エレメントと関連するビジュアライゼーションのおのおのに対する動作を提供するために用いられるスクリプトもある。
【0047】
加えて、スクリプトや他のルーチンは図形エレメントと関連付けられて、図形エレメントの、関連する物理的エンティティベースのパラメータの内の1つ以上のパラメータに関するある状況を検出する。このような状況には、エンティティと関連した、物理的状態や、通信ステータスなどのステータスや、デバイスステータスや、バルブステータスなどを含むエンティティの検出状態が含まれる。これらの検出された状況や状態は、スクリプトによって生成された状態や値に結び付けられたアニメーションまたは他のアクションもしくは動作を用いて図形に反映される。例えば、関連するポンプの加熱状況を検出するポンプ図形エレメントに対しては、このエレメントの1つ以上のパラメータ、すなわち、図4のプロパティセクション106中に定義されているまたは暴露されているパラメータの内の1つ以上のパラメータに基づいてスクリプトを提供する。別の例として、ある図形エレメントに対してスクリプトを提供して、ポンプの過度の振動や他の何らかの状況を検出する。加熱や過度の振動などのある状況が検出されると、図形エレメントと関連するアニメーションや他のアクションがこの状況で動作して、図形エレメントの内部または上で状況を図形で表示する。
【0048】
図5に、表示エディター50によって生成された別の例示の画面ディスプレイ112を示す。図4の画面100と類似して、画面ディスプレイ112は、メイン編集セクション114、パレットビュー116、階層ビュー118およびプロパティビュー120を含んでいる。リアクタエレメント122の第1のビジュアライゼーションが、メイン編集セクション114中に描写されている。階層ビュー118に示すように、エレメントのタイトルはReactor1であり、このエレメントは、Visual1(デフォルトのビジュアライゼーション)、Visual2およびVisual3という名前の3つのビジュアライゼーションを含んでいる。階層ビュー118中のVisualというヘッディングの下に示すように、第1のビジュアライゼーションは、矩形エレメントと楕円エレメントを含むCanvas背景から成っている。ビジュアライゼーションの現在定義されているプローパティ(この場合は名称)、高さおよび幅は、プロパティビュー120中にリストアップされている。ビジュアライゼーションが階層ビュー118中で選ばれると、ビジュアライゼーションと関連する子供のプリミティブまたはエレメントが編集ビュー114中に示され、また、現在選ばれているエレメントのプロパティがプロパティビュー120中に表示される。
【0049】
画面112中では、パレットビュー116は、ビジュアライゼーションを作成するために用いることが可能な多くの基本的エレメントを含んでいる。例えば、パレットビュー116は、ボタン、テキストボックス、スライダ、ノブなどの基本的UI(ユーザインタフェース)エレメントの集合と、基本的パネルの集合と、基本的形状の集合を含んでいる。定義されたパネルは、ユーザがカンバスエリアを基準とした座標によってエレメント明示的に位置付けすることが可能なエリアを定義するカンバスパネルと、ユーザがエレメントを、互いを基準として水平方向または垂直方向に配置することが可能なエリアを定義するドックパネルと、流れ方向が示されているフローパネルエリア内でその内容を分断したり、ラップしたり、そろえたりするために用いられるフローパネルを含んでいる。流れ方向は、例えば、頂部、右、左および底部のいずれかの組み合わせであって、例えば、左から右さらに頂部から底部へ、または右から左、頂部から底部へなどである。さらにまた、パレットビュー116中の基本的形状は、ISA(アメリカ計測学会)記号、送信機記号、バルブ記号、PI&Dダイアグラム記号もしくは他の制御記号などまたは他のいずれかの所望の形状を含むが、これらはすべて図形エレメントを構築するために用いることが可能である。
【0050】
もちろん、基本的制御エレメント、デバイスなどの他の基本的制御エレメントが、定義中の図形エレメントのビジュアライゼーションを作成する目的で用いられるように、パレットビュー116中のプリミティブとして提供されることもある。パレットビュー116はまた、ユーザが定義したカテゴリやエレメントのリストを提供するが、これらのカテゴリやエレメントは、ユーザがパレットビュー116から他のいずれかの有用な形状を編集ビュー114までドラッグすることを可能とするために作成されるものである。所望次第では、このようなユーザ定義されたカテゴリに対するアクセスはこのカテゴリを作成するユーザに限られ、また、このようなカテゴリとエレメントは、特定のユーザと関連するユーザ優先ファイルに記憶される。しかしながら、組み込まれたカテゴリとパレットのアイテムはデータベースに記憶されて、すべてのユーザに対してグローバルに利用可能とされる。いかなるイベントにおいても、パレットビュー116を用いて、図形エレメントを作り上げるために用いられるプリミティブエレメントのライブラリを表示したりこれにアクセスしたりするが、このようなライブラリは、所望次第で、ロックしたり、バージョン付けしたり、特定のユーザに制限したりなどすることが可能である。
【0051】
上記したように、図形エレメントのビジュアライゼーションはどれでも自身と関連するアニメーションおよび/またはアクションを有することが可能であり、このようなアニメーションまたはアクションは、画面112のアクション/アニメーションビュー123に示される。ビジュアライゼーションがアニメーションまたはアクションを含んでいる場合には、このようなアニメーションまたはアクションもまた、星印などの特殊な記号で階層中に示すことが可能である。ビジュアライゼーションまたはビジュアライゼーションのサブエレメントに足して定義されたどのアクションまたはアニメーションでも、階層ビュー118中で選ばれると、アクション/アニメーションビュー123中に示される。アクションまたはアニメーションは、ビュー123中のこのようなアクションまたはアニメーションを定義することによってまたはこのようなアクションまたはアニメーションを階層ビュー118に追加することによって作成して割り当てられる。ユーザがアクションまたはアニメーションを作成して編集することを希望する場合、エディター50はダイアログボックスまたは編集ボックスを提供して、このフィーチャを完全に指定したり定義したりすることを可能とする。もちろん、アクションまたはアニメーションは、スクリプト、可視トリガーまたは他のプログラムを用いて定義してもよい。
【0052】
画面112を使用中は、ユーザまたはデザイナーは、エレメントのビジュアライゼーションを、パレットビュー116中のさまざまなアイテムをドラッグアンドドロップしてまたは別様に選択し、これらのアイテムを編集ビュー114中に配置して、所望の ビジュアライゼーションを作成することによって作成する。1つ以上のツールバー124を用いて、新たなビジュアライゼーションもしくはアニメーションを追加したり、アニメーションを削除、除去、編集したり、例えば背景から前方へプリミティブやエレメントを配置したり、接続エレメントを提供して接続を示したり、この接続を、作成中のビジュアライゼーションに作り付けたり、さまざまなプリミティブを一緒に分類して互いに対する位置を保持するようにしたり、ラインやテキストなどのような静的なエレメントを追加したりするなどのいずれかの標準の編集機能を提供することが可能である。
【0053】
図6に示すように、図形エレメント130は複数のビジュアライゼーション132またはこれと関連する可視の表示を有するが、さまざまなビジュアライゼーション132が、さまざまな時点で、または、図形エレメント130が用いられているさまざまなディスプレイ中で用いられることが分かる。上で説明したように、ビジュアライゼーション132のどれもが、任意の数のプリミティブ134とアニメーションおよびアクション136から作られている。さらにまた、図形エレメント130は、ビジュアライゼーション132を変更したり、ビジュアライゼーション132と関連する可視トリガーを操作したりするためにアクションとアニメーション136中でまたはこれによって用いられる何らかの数のプロパティまたはパラメータ138を含む。さらにまた、ビジュアライゼーション132またはビジュアライゼーション132を構成する個々のプリミティブは、所定のイベント、例えば、マウス上イベント、マウスクリックイベントなどの所定のイベントに対して定義されているアクションを有する。このようなアクション(ルーチンとも呼ばれる)によって、イベント処理部を設定または定義して、図形エレメント130の動作をさらにカスタマイズしたり、ビジュアライゼーション132とユーザとの対話を可能としたりして、例えば、ランタイム環境内で変更をもたらすことが可能である。特に、ユーザは、ビジュアライゼーション132と、値または他の数値もしくは情報をその中に入力し、スライダバーなどのエレメントをこのビジュアライゼーション上で移動させ、または、他の動作によって、例えば、ビジュアライゼーション内のプロパティを変更することによって、対話する。このビジュアライゼーションプロパティの変更は、スクリプトを介してまたは直接的に、プロセスランタイム変数などのプロセス入力に結び付けられえ、その変数を変化させる。特に、ビジュアライゼーションプロパティは、プロセス入力に拘束されている図形エレメントに対して定義されているプロパティに接続される。このようにして、ユーザは、アクションやアニメーションルーチンを介してビジュアライゼーションと対話して、プロセスやシミュレーション環境などの他のランタイム環境に対して変更や入力をもたらす。
【0054】
所望次第では、ビジュアライゼーション132は図形エレメント130に対して、ユーザ指定によってまたはプログラム指定によって接続される。特に、図形エレメント130は、例えば、図形エレメントによって表されているエレメントの製造業者または、図形エレメントと関連するデバイスの状態などの図形エレメント130と関連する他のパラメータに基づいてビジュアライゼーションをプログラムで変更することを可能とする列挙プロパティを暴露する。
【0055】
上記したように、図5のプロパティビュー120は、階層ビュー118中の選択されたアイテムに対して定義された、したがって、メイン編集ビュー114に描写されているアイテムに対して定義されたプロパティとイベントを提供または示す。ユーザは、プロパティビュー120内のプロパティ、真性プロパティおよびイベントを、例えば、ツールバーボタンを用いてトグルする。図7に、この場合、IsOnプロパティとSpeedプロパティを含む真性プロパティが示されているプロパティビュー120Aを示す。この場合、プロパティビュー120Aは、このような変数とこのような変数に対する何らかのデフォルト設定とのデータタイプを示す。上記したように、ユーザは、このプロパティリストに追加したり、これから削除したりまたはこれを編集したりして列挙物、テーブル構造などを含むいずれかの所望のデータタイプを持ったプロパティを定義する。所望次第では、プロパティビュー120はまた、このようなプロパティに対して定義されたいずれかのランタイムバインディングを示すが、このようなバインディングは固定した変数やタグであったり、または、ランタイム時や図形エレメントのランタイムマシンに対するダウンロード時に書き込まれる別名を用いるタグであったりする。
【0056】
ある図形エレメントに対して定義されたプロパティの値は、アニメーション、アクションなどのトリガー条件として用いることが可能であり、このような動作は図形エレメントと関連する1つ以上のスクリプトによって定義される。例えば、モーターのOnプロパティが真である場合、このモーターの動作のアニメーションを図形ディスプレイ中でトリガーすることが可能である。さらにまた、プリミティブプロパティ、例えば、矩形という形態を持つプリミティブの矩形塗りつぶしプロパティを図形エレメントに拘束し、これで、図形エレメントプロパティの変更によってプリミティブプロパティを実効させるようにすることが可能である。同じように、ビジュアライゼーションに対する変更をプロパティに結びつけ、これによって、ビジュアライゼーションが変更されると、プロパティ値が変更されるようにする。
【0057】
所望次第では、エディター50は、ユーザが、1つ以上のトランスフォーマ機能を指定して、図形エレメントプロパティとアニメーションもしくはアクション間のボンディングをより好ましいものとすることを可能とする。例えば、ユーザは、TankLevelの図形エレメントプロパティ(タンク内の流体のレベルを定義する)をプリミティブプロパティ矩形塗りつぶしに対して拘束し、これによって、ビジュアライゼーションの一部として定義されたプリミティブに対する塗りつぶしの色でタンクレベルをグラフで示す。しかしながら、この場合、ユーザは、プロパティ(TankLevel)を列挙された集合または条件に変換するトランスフォーマ機能を定義するため、タンクレベルが第1のレベルと第2のレベルとの間にある場合、矩形塗りつぶしは緑に設定され、タンクレベルが第二のレベルと第三のレベルとの間にある場合、短形塗りつぶしは黄に設定され、タンクレベルが第3のレベルを超えると、矩形塗りつぶしは赤に設定される。このトランスフォーマ機能は、スクリプトとしてまたは図形エレメントで実行される他のいずれかのプログラムとして定義されまた、これを用いて、何らかの所望のプロパティ変換をもたらす、例えば、プロパティ値を長さや、フォント名や、局所化されたストリングや、持続時間や、回転角度や、色勾配や、透明性や、ブラマパタンなどに変化させる。同じように、変換ルーチンはユーザからの入力を、ビジュアライゼーションを介していずれかの所望のプロパティ値に変換する。
【0058】
別の例として、図形エレメントのプロパティまたはパラメータは、トランスフォーマ機能を用いて外部参照に拘束される。ここでは、エディター50が、ユーザが、図形エレメントがランタイム環境で用いられると自動的に適用される1つ以上のトランスフォーマ機能を指定して、ソース値(ランタイム変数)を目標(図形変数)に変換したりまたは逆に変換したりすることを可能とする。例えば、速度を数値として提供するデータソースに拘束される速度目標値は、「遅速」、「中速」および「高速」の内の1つをソース変数の値に基づいて示すストリングなどのストリングタイプの変数に変換可能である。このような変換機能はまた、単位を変換したり、他の変換を実施したりするために用いられる。いずれのイベントでも、このような変換機能は、スクリプトや他のプログラムとして実施され、また、アクションやアニメーションを提供したり、図形エレメントの表示プロパティに別様に影響したりする何らかの目的のために用いることが可能である。
【0059】
もちろん、いかなる所望のプロパティでも、プロセスコントロール内のさまざまな物理的エレメントに対して作成されたさまざまなタイプの図形エレメントに対して定義される。例えば、ポンプエレメントは、ポンプ状態(例えばオンかオフか)、圧力インプロパティ、圧力アウトプロパティ、フローインプロパティおよびフローアウトプリパティを含む。同じように、アクチュエータを用いて使用される調整バルブは、例えば、名称プロパティ、デンシティインプロパティ、デンシティアウトプロパティ、フローインプロパティおよびフローアウトプリパティ、圧力インプロパティ、圧力アウトプロパティ、温度インプロパティ、温度アウトプロパティ、バルブ位置プロパティ、バルブ開放プロパティ、バルブ閉鎖プロパティ(これは、バルブが完全に開いているか閉じているかを定義する)、セットポイント、プロセス値、および線形タイプ、迅速開放タイプ、等パーセンテージタイプなどのバルブタイプを含む。これは、もちろん、あらゆるものに当てはまることを意図するものではない。さらにまた、このようなプロパティのどれでも、図形エレメントのアニメーションやアクションに対して接続可能である。
【0060】
図8に、階層ビュー118(図5)内の選択されたエレメント(この場合、一般的にはReactor1エレメント)の図形エレメントプロパティと関連するアニメーションとバインディングをビューイングするために用いられる第2のプロパティビュー120Bを示す。図8のプロパティビュー120Bは、IsOnプロパティが図形エレメントのビジュアルのさまざまなコンポーネントにどのように関連するかを示す。特に、テーブルエントリ140で示すように、ビジュアライゼーションの背景に関連し、また、IsOnプロパティの値に基づいて動作する1つのアニメーションが存在する。テーブルエントリ142はIsOnプロパティ同士間のバインディングを示しており、IsOnプロパティをビジュアライゼーション内の背景エレメントまたはプリミティブに関連付けるアニメーション、スクリプトおよびトランスフォームにアクセスするために用いられる。この場合、ユーザは、テーブルエントリボックス140と142中のボタンを選択することによって更なる情報を得る。例えば、テーブルエントリ140中のボタンを選択することによって、ユーザは、ビジュアライゼーションの背景にIsOnパラメータの値に基づいて色を変更させるアニメーションにアクセスする。また、このようなアニメーションボタンをクリックすると、エディター50が、アニメーションの管理と構成を可能とするプロパティアニメーションダイアログボックスを開ける。さらにまた、ボックス142中のバインディングボタンをクリックすることによってバインディングを実行することが可能であるが、こうすると、エディター50がダイアログボックスを開けて、バインディングの作成、ビューイングおよび編集を可能とする。もちろん、類似の画面を、図形エレメントの他のプロパティに対して提供可能であり、プロパティ画面120Bに示すプロパティのリストは、階層ビュー118中の現在選択されているアイテムによって異なる。
【0061】
図5を参照すると、ビジュアライゼーションが階層ビュー118で選択されると、プロパティビュー120はビジュアライゼーションプロパティを表示するが、これには、例えば、名称や、ビジュアライゼーションの固有識別子となるI.D.や、記述や、このビジュアライゼーションが図形エレメントのデフォルトビジュアライゼーションとして設定されているかどうかがある。階層ビュー118またはプロパティビュー120はまた、ビジュアライゼーションがロックされているかどうか、すなわち、修正可能であるかどうかを示す。
【0062】
加えて、コネクタエレメントが階層セクション118から選ばれると、プロパティビュー120はこのコネクタエレメントのプロパティを示すが、これは、コネクタタイプの表示(例えば、流体ライン、電気ライン、ガスライン、円形もしくは方形のダクト、ベルトコンベヤなど)、接続はデバイスの中にあるか外にあるか(すなわち、図形エレメントによって表されるエンティティに対する材料の流れ方向)、必要とされるまたは許容される接続の最小数と最大数、接続の幅と高さ、頂部、左などの図形エレメントに対する接続の位置などを含む。
【0063】
プリミティブが階層ビュー118から選ばれると、プロパティビュー120はこのプリミティブのプロパティを表示するが、このプロパティには、例えば、I.D、カテゴリ記述、プリミティブが選択可能および/または可視であるかどうか、プリミティブの形状もしくは性質のサイズおよび長さまたは他の定義、プリミティブの背景色と塗りつぶしスペースなどが含まれる。もちろん、階層ビュー118中に他のいずれかの選ばれたアイテムがあれば、それによって、このアイテムのプロパティがプロパティビュー120中で表示されるが、このプロパティのタイプと性質は、選ばれたアイテムの性質によって異なる。
【0064】
所望次第では、イベントシートを提供して、階層ビュー118内の選択された階層アイテムのおのおのまたはすべてと関連するイベントを示す。このようなイベントシートには、図形エレメントに対するアクションをユーザが実行すると発生するイベント、例えば、「オンクリック」イベントと「オンマウスオーバーイベント」があるが、これらは、ユーザが図形エレメントやその一部のビジュアライゼーションをクリックすると何が発生するか、または、ユーザが、図形エレメントまたはその一部のビジュアライゼーション上にマウスカーソルを位置付けすると何が発生するかを定義する。このイベントシートの一部として、ユーザはスクリプトエディターにアクセスして、イベント(本書ではルーチンと定義される)が発生すると実行されるスクリプトを定義したりこれにアクセスしたりする。
【0065】
加えて、所望次第では、図形エレメントは自身と関連したカスタムイベントを有することが可能である。カスタムイベントとは、一般的には、何らかの外側または外部のイベントの結果として定義されるイベントまたは、図形エレメントのユーザがとったアクションの結果として外部アプリケーションまたはデータソースとの通信を必要とするイベントのことである。本質的には、図形エレメントは、図形エレメントのビジュアライゼーションに対してアクションの発生を信号通知するために図形エレメントから送られるメッセージである。図形エレメントを実施する包含アプリケーションまたはランタイムアプリケーションは、このようなイベントを、例えば、C#シンタックスを用いたり、または、いずれかの周知の仕方でイベント通知書に登録したりすることによって捕獲することが可能である。一例では、包含アプリケーションはポンプ加熱カスタムイベントに登録して、my−handler機能を提供するが、この機能は、トリガーがかかると、スクリプトや他のルーチンを走行させて、ユーザがイベントを取り扱えるようにする。このようなカスタムイベントは、図形エレメントがコントロールオペレータ画面の一部として実施される場合には特に有用である。この場合、図形エレメント自身は、例えば、ポンプ熱プロパティ(外部測定値に拘束されている)をセットポイントまたは他の制限値と比較することによってイベント状態を判定し、また、ユーザに対してイベントに関して通知して、アプリケーション、スクリプト、ダイアログなどを実施して、ユーザがイベント、この場合は加熱しているポンプを処理または取り扱えるようにすることによってエベント応答をトリガーする。このイベント処理プロセスを可能とするため、エレメントエディター50は、ユーザがイベントのアーギュメント、すなわち、何がイベントとして認識されているか、また、イベントが発生した結果何が起こるかを定義することを許容する。
【0066】
もちろん、所望次第で、図形エレメントは、Avaron制御クラスから継承した基準のイベントを提供することが可能である。周知なように、Avalonオブジェクトまたはコントロールは、ユーザインタフェース上でのベクトル図形の描写をサポートするMicrosoftのLonghornオペレーティングシステムのAvlonユーザインタフェースアーキテクチャのMicrosoftが定義した図形である。これらの基準イベントには、例えば、フェースプレートディスプレイまたはデバイス詳細ディスプレイのビューイングをクリックまたはダブルクリック(マウス)イベントに結びつけることが含まれる。例えば、図形エレメントのビジュアライゼーションの境界内でのマウスのクリックまたはダブルクリックを報告するイベントであるクリックまたはダブルクリックイベントは、ビジュアライゼーションによって表されるデバイスまたはエンティティのフェースプレートまたは詳細ディスプレイの表示をトリガーすることが可能であり、また、ユーザに対して表されているエンティティの状態、デザイン、製造業者などに関するより完全なまたは徹底した情報を提供する。もちろん、基準イベントを含む他のイベントが、キーが押されたことを報告するイベントであるキーのアップ/ダウンイベントや、マウス入力、マウスうろつき、マウス移動、マウスホイールなどを含むマウスイベントや、他の何らかのユーザ始動されたイベントに対して定義されることがある。
【0067】
したがって、所望次第では、図形エレメントは、図形エレメントのプロパティ内に変化が起こると、プリミティブイベントに対するイベントハンドラー中などスクリプト内や、トランスフォーマ機能内でトリガーされる。さらにまた、図形エレメントのプリミティブは、自身とのユーザ対話によって、例えば、マウスやキーボードを介してトリガーされることが可能なイベントを暴露する。このようなイベントは、形状レベルとプリミティブレベルにある図形エレメントとユーザが対話する際にオプションとなる。開発者は、例えばC#方法を用いてイベントハンドラーを指定することによって図形エレメント内でイベントを内部的に処理可能である。
【0068】
図5を参照すると、アクション/アニメーションビュー123は、編集ビュー114中に現在表示されているビジュアライゼーションに対して定義された変換アニメーションとプロパティアニメーションのリストを提供したり示したりする。例えば、ユーザは、ビュー123中のあるローをダブルクリックして、エディター50にダイアルボックスを提示させるが、このボックスは、トランスフォーマアニメーションダイアログボックスまたはプロパティアニメーションダイアログボックスであり、これによって、ユーザは選ばれたアニメーションを編集することが可能となる。一般的には、現在選択されているビジュアライゼーションのアニメーションだけが示されるが、Show−All144ボックスを選択すると、すべてのビジュアライゼーションのアニメーションとアクションを示すことが可能である。アニメーションに意味のある名前や記述、例えば、「アニメートレバー」や「回転モーター」などを備えると、アクション/アニメーションビュー123は、ビジュアライゼーションに対して定義されているアニメーション動作を見やすくし、これに対してアクセスされるようにする。図9に、IsOnプロパティに対して定義されたアクションを示す例示のアクション/アニメーションビュー123Aを示す。この場合、IsOnプロパティが「真」であれば、Visual1と呼ばれるビジュアライゼーションのRectangle1と呼ばれるプリミティブが「赤」の塗りつぶし値で塗りつぶしアクションを実施する。同じように、IsOnプロパティが「真」であれば、Visual1と呼ばれるビジュアライゼーションのEllipse1と呼ばれるプリミティブが、偽の値で可視化アクションを実施する(例えば、不可視となる)。もちろん、アクションとアニメーションはビジュアライゼーションのプリミティブが別個であれば別個に定義されるが、これらのアクションとアニメーションは、同じイベント、トリガーまたはプロパティの変更が発生すれば同時に動作し、また、アニメーションには、例えば、サイズや塗りつぶし色の増加などの単一動作、または、オフされるまで連続的に発生する繰り返し動作の実施が含まれる。
【0069】
図10に、可視のトリガー148が図形エレメント152のビジュアライゼーション150上で図形エレメント152の真性プロパティなどのプロパティに基づいて実施することが可能とされる仕方を示す。特に、図形エレメント152の1つ以上の真性プロパティは、可視トリガー148に対して定義された1つ以上のプロパティトリガー154(この内の3つを図10に示す)によって監視される。スクリプトを用いて実施されるおのおののプロパティトリガーは、ある図形エレメントのプロパティ値が点線155で示されるような値であるかどうか監視することが可能である。その後で、おのおののプロパティトリガーは、監視された図形エレメントプロパティ値が満足されたまたは指定の条件を待たす場合、ビジュアライゼーション150の1つ以上のプリミティブプロパティ値を、点線156で示すように設定することが可能である。したがって、例えば、プロパティトリガー154の内の1つは、1つ以上の図形エレメントプロパティを監視して、これらプロパティの内の1つ以上のプロパティの値が特定の範囲にあるかどうか判定する。この条件が満たされれば、プロパティトリガー154の内の1つが、アニメーションまたは他の可視スクリプトを、例えば、ビジュアライゼーション150のプリミティブまたは他のエレメント上で走行させて、可視トリガー148となる。もちろん、プロパティトリガー154の内の2つ以上が一緒に動作して、可視トリガー148の一部として複数の同時変化やアニメーションを提供するかまたは、プロパティトリガー154の内の互いに異なったものが、例えば、互いに異なった真性プロパティまたは同じ真性プロパティの互いに異なった値に基づいて独立に動作して、互いに異なったプロセス条件に応答して互いに異なった時点で可視トリガー148を互いに異なったように動作させる。このようにして、色変化やアニメーションなどを、図形エレメント152の真性プロパティの値に基づいてビジュアライゼーション150中に提供することが可能である。
【0070】
所望次第では、エディター50は、現在選択されているビジュアライゼーションに対するすべてのプロパティトリガーをリストアップする可視トリガーパネルを提供または表示する。このようなパネルを図9に示すが、図中、エレメントプロパティカラムは図形エレメントプロパティ名をリストアップし、第1の値のカラムは図形エレメントプロパティ値が注意されていることを示し、ターゲットカラムは変更されるビジュアライゼーションやプリミティブの識別子を提供し、経路カラムは変更中のプリミティブプロパティであり、第2の値のカラムは、注意されている図形エレメントプロパティ値が満足された場合に適用されるプリミティブプロパティである。もちろん、アニメーションと他のビジュアライゼーションの変更はこの構造を用いて提供される。
【0071】
図11に、ユーザが変換アニメーションを指定するのを支援するまたは可能とするために用いられる変換アニメーションダイアログボックス160を示す。図示するように、変換アニメーションダイアログボックス160は、アニメーション内の運動を定義するがその方向と距離をユーザが指定することを許容する移動セクション162と、アニメーションの回転方向と回転角度をユーザが指定することを許容する回転セクション164と、水平方向と垂直方向の双方でアニメーションの拡大縮小の度合いをユーザが指定し、また、アスペクト比をロックすべきであるかどうかを指定することを許容するスケールセクション166とを含んでいる。ダイアログボックス160はまた、水平方向と垂直方法の双方でアニメーション中に適用されるスキューをユーザが指定することを許容するスキューセクション168を含む。設定画面170は、ユーザが、アニメーションを継続されるべきであるかどうかを定義することと、他の移動や、回転や、拡大縮小や、スキューなどのアクションのおのおのを可能とさせることを許容する。さらにまた、プレビューボックス172はアニメーションのプレビューを示す。
【0072】
理解されるように、アニメーションとは、ある時間期間にわたって値が変化するオブジェクトである。プロパティアニメーションは、アニメーションをプリミティブプロパティと関連付けることによって達成される。プロパティアニメーションは、テキストの色を変化させるほどに、また、ラインアドのエレメントを点滅させるほどに微妙である。他方、プロパティアニメーションは、多線などのポイントをアニメートさせるなどより複雑である。もちろん、アニメーションの例はほんの少なく、色の追加や変更、プリミティブのサイズ(ポイントのサイズの幅や長さなど)の変更、プリミティブなどの移動、回転、スキューイング、拡大縮小を含むアニメーションもある。さらにまた、プリミティブレベルでとか全体ビジュアライゼーションの一部としてビジュアライゼーションのどのレベルでも提供可能なアニメーションもある。もちろん、複数のアニメーションを、どの特定のビジュアライゼーションやビジュアライゼーションのその特定のプリミティブに対しても提供したり適用したりすることが、所望であれば可能である。さらにまた、特定のビジュアライゼーションまたはビジュアライゼーションのプリミティブと関連する複数のアニメーションが、プロパティの値やマウスイベントなどのユーザが始動したトリガーイベントに基づいて同時にまたは別々の時点で動作することもある。
【0073】
図12に、ユーザに対して、アニメーションのプロパティを定義したり変更したりしてアニメーションを定義することを可能とさせるためにエディター50によって生成されるプロパティアニメーションダイアログボックス180を示す。ダイアログボックス180は、境界定義セクション182と、時刻表定義セクション184を含む。境界定義セクション182は、アニメーションの境界を提供または定義する。特に、「from」プロパティはアニメーションの開始値を定義し、「to」プロパティはアニメーションの終了値を定義する。時刻表定義セクション184は、アニメーションの持続時間、開始時間、終了時間を定義する。持続時間プロパティは、アニメーションが完了するのにかかる時間の長さを定義し、開始時間プロパティはアニメーションの開始時間に対する時間オフセットを定義し、終了時間プロパティは開始時間に対するアニメーションの終了時間を定義する。速度定義セクション186は、ユーザが、例えば、スライドバーを用いて速度、加速度および減速度を指定することを許容する。明らかなように、速度プロパティは、アニメーションの速度を定義し、加速度プロパティはアニメーションを時間が増すに連れて早く移動させ、減速度プロパティはアニメーションを時間が増すに連れて遅く移動させる。繰り返し定義セクション188は、アニメーションが、例えば、指定された回数だけ、または、指定されたカウント数の持続時間だけ、または、オフされるまで継続して繰り返すようにユーザが定義することを許容する。
【0074】
ダイアログボックス180を介してアクセスされるさらなるアニメーションダイアログボックス190は、境界定義セクション182を用いる場合にアニメーション中の境界として用いられるさまざまな色を指定するために用いられる。類似のダイアログボックスを用いて、ユーザが、アニメーションのプロパティとして他の非数値を選択することを可能とする。図示しないが、このダイアログボックスや他のダイアログボックスを用いたりして、他のアニメーションプロパティを選択したり、指定したりする。例えば、自動逆転プロパティを用いて、アニメーションが、順方向動作が完了したら逆に動作するかを示すブール値を定義するために用いられ、また、「by」プロパティは、アニメーションがその開始値を変更する合計の分量を定義するために用いられる。相対速度プロパティは、親アニメーション、すなわちビジュアライゼーションの親エレメントと関連するアニメーション、と比較してアニメーションに対して時間が経過する相対速度を定義するために用いられる。例えば、1という値は、アニメーションが親アニメーションと同じ速度で進行することを示し、2という値は、アニメーションがその親アニメーションの2倍の速度で進行することを示す。
【0075】
図示しないが、ダイアログボックスはまた、アニメーション内でのスタイル、サイズ、フォントおよび色またはそれらの変化などのアニメーションのフォントプロパティを設定するために用いられる。加えて、ストロークプロパティダイアログボックスは、ラインのエッジもしくはラインスタイル、厚さおよび色を設定したり、これらのプロパティを変更したりするために用いることが可能である。
【0076】
図形ダイアログボックスはまた、図形エレメントの他の特徴を編集するために用いられる。例えば、図形ダイアログボックスは、図形エレメントプロパティを図形エレメントに追加して、図形エレメントプロパティをランタイム環境に拘束することを含め、新しいプロセス図形を作成するために用いられる。このようなバインディングダイアログボックスはブラウザとなるが、このブラウザによって、ユーザは、制御システムや他のランタイム環境内で定義されているさまざまなタグや変数をブラウジングして、所望のタグや、変数や、名称などを突き止めて拘束する。同じように、他のダイアログボックスを用いて、ビジュアライゼーションを追加したり、可視トリガーを追加したり、図形エレメントやディスプレイをブラウジングしたり、イベントを追加したりする。
【0077】
したがって、理解されるように、図形エディター50は、図形エレメント真性プロパティの定義のサポート、図形のプリミティブもしくは形状の作製と操作と、動的動作、具体的には、変換アニメーション(回転、並進、拡大縮小、およびスキュー)およびプロパティアニメーション(長さアニメーション、色アニメーションなど)の追加と、動的動作の実行をトリガーする条件の定義を含む図形エレメントのビジュアライゼーションに対するサポートを提供する。さらにまた、図形エディター50は、データベースでの図形エレメントの記憶と検索に対するサポートを提供するが、これには、図形エレメントのxml blob中へのシリアライゼーションに対するサポートと、図形エレメントの図形エレメントライブラリへの分類化に対するサポートが含まれる。さらに、本システムは、図形エレメントをユーザが定義したカテゴリや集合に記憶し、このような図形エレメントのセキュリティをロックしたり提供したりし、図形エレメントをユーザが定義したカテゴリもしくは他の有用なカテゴリに記憶したり、図形エレメントのバージョニング付けをしたりする。
【0078】
いずれのイベントにおいて一旦作成されると、図形エレメントは図形エレメントデータベースに、それがプロセスプラントのランタイム環境内のプロセス変数や他のデータに拘束されないように記憶される。この記憶された図形エレメントは必ずしもどのディスプレイで使用されるというわけではなく、このエレメントが現在ランタイム環境にダウンロードされて、プロセスプラントやプロセス制御システム内の特定の実際のまたはシミュレートされた物理的エレメントに拘束されることが可能とするような用途にとって利用可能とされる。プロセス変数、セットポイント、現在速度などの図形エレメントの真性プロパティは、拘束される場合、ランタイム環境内のデータ参照に対して結び付けられて拘束される。
【0079】
図13に、プロセスプラントまたはプロセスプラント中で使用されるプロセス制御システム内の実際の物理的コンポーネントまたはエレメントに対して図形エレメントを結びつけたり拘束したりすることが可能な仕方を示す。特に、おのおのの図形エレメント192は、本質的にエレメントに対するビジュアライゼーションを定義するXAML194と、それに関連するスクリプト196、アニメーション198、トリガー200、アクション202およびイベント204を含む。図形エレメント192はまた、XAML194中で利用可能または開放されて暴露されるXAML194と関連するすべての参照をリストアップするまたは含む参照テーブル206を含む。参照テーブル206は、実質的には、図形エレメントのプロパティおよびパラメータと、スクリプト196、アニメーション198、トリガー200、アクション202およびイベント204によって用いられる他のいずれかの変数もしくは参照とから成るまたはこれらを含む。参照テーブル206内の変数またはエンティティは、変数、テーブル、他のプログラム中のテーブルエントリまたは、プロセス制御システム中のどこか他のところで定義された他のいずれかのタイプもしくは種類のデータを参照またはこれらに拘束されている。
【0080】
図13に示すように、解像度テーブル208を用いて、参照テーブル206内の参照または変数を実際のプロセス制御環境または他のランタイム環境に結びつける。一般的に言って、参照を直接的にまたはエイリアシングによって定義する解像度テーブル208は、図形エレメント192がランタイム環境内の特定のディスプレイで用いられるように実際には構成されていて、ランタイムマシンにダウンロードされる場合に図形エレメント192のために提供されたり作成されたりする。ディスプレイ内での図形エレメント192の動作前または動作中に、解像度テーブル208は、別名と他のパラメータを分解して、これらの分解されたデータ接続物を参照テーブル206に結び付けて、参照テーブル206内の変数とプロセス制御システムまたは他のランタイム環境内の実際のデータソースとの間を結びつける。
【0081】
ランタイム中にプロセス制御システム内で不必要な処理電力が使用されるのを防ぐために、図形エレメントと、この図形エレメントが用いられる図形ディスプレイとは、実際には表示されていないときやどの表示画面上でも用いられていないときにはランタイム環境に拘束されたままでいる必要はない。その代わり、解像度テーブル208は、図形エレメント192はランタイム環境内で走行中か表示されているときにだけ図形エレメント192の参照テーブル206に拘束される。
【0082】
おのおのの図形エレメントは参照テーブル206と解像度テーブル208を用いてプロセス制御システムまたはランタイム環境に拘束されるため、また、システムレベルで図形エレメントが作成され、コピーされて、ランタイム環境またはマシン中にロードされた後で拘束は発生するため、図形エレメント192は、さまざまな時点でさまざまな用途のためにさまざま間データソースに対して別個に拘束される。さらにまた、図形エレメント192は、制御活動や、保守活動や、モデリング活動や、シミュレーション活動や、構成活動などと関連するデータソースなどの図2のさまざまな機能エリア42内のデータソースを含む互いに異なった任意の数のソースを介して生成されるまたは利用可能とされるデータに拘束させることが可能である。
【0083】
例えば、図14に示すように、表示エレメント192は、大量のさまざまなタイプのデータソースで生成されたまたはこれらから入手可能なデータに対して結びつけること、または、これを表示したり処理したりするために用いることが可能である。このようなデータソースは、公知のDeltaV制御システムなどのコントローラプログラムのような制御環境データソース210と、公知のOPC接続インタフェースを介して他のシステムに接続するOPCデータソース212と、公知のAMSシステムのような保守データソース214と、公知のオベーション(Ovation)システムのような高レベルのもしくはビジネス用のシステム216と、競合制御アプリケーションのような競合システム218を用いるデータソースさえ含むことが可能である。このようにして、一緒に動作する意図がまったくなかった競合システムと関連するアプリケーションを含む多量のさまざまなタイプのアプリケーションから得られたまたはこれに発したデータの場合であっても、図形エレメント192は、システム内のどのアプリケーションからのデータを用いるシステムのどのレベルにおいても物理的エレメントのデータおよび/またはビジュアライゼーションを表示するために用いられる。したがって、図形エレメントと図形エレメントから作成された図形ディスプレイとはシステムレベルで作成されるため、これらを用いると、互いに異なったタイプのソフトウエアがプラント内の互いに異なったハードウエアとソフトウエアのコンポーネントにアクセスして実行中であっても、何らかの目的のためにプラント内で発生していることをビジュアライゼーションさせることが可能である。
【0084】
図形エレメントのモジュール的性質のため、公知のそして良好にサポートされたデバイス記述言語(DDL)で書かれたデバイス記述(DD)から図形エレメントを自動的または半自動的に作成することが可能である。特に、デバイスの製造業者は、一般的に、自分たちが製造するおのおののデバイスに対して、このデバイスに関連するパラメータ、デバイスとの通信方法、デバイスの限界値などをDDLで定義したDDを提供する。その結果、図形エレメント作成アプリケーションは、DDLでデバイスのDDを読み取って、そのデバイスのタイプとデバイスに関連した重要なパラメータ、デバイスとの通信方法、デバイスの限界値などを判断して、次に、これらのパラメータをそのデバイスに対する図形エレメントの真性のプロパティまたはパラメータとして定義することが可能である。このプログラムはまた、そのデバイスに対するビジュアライゼーションとして基本形状の複合体を選択または定義し、また、1つ以上の一般的なスクリプトを選択して、DDからの情報に基づいて、または、そのデバイスに対するDDによって定義されたデバイスタイプのデバイスの記憶されているテンプレートに基づいて、そのデバイスに対する基本的なアクションとアニメーションを提供するために用いる。所望次第では、このプロセス中に、プログラムはユーザに照会して、そのデバイスに関する情報を提供したり、どのアニメーション、ビジュアライゼーション、プリミティブなどを図形エレメントに対して用いるべきかについて選択したりする。
【0085】
より完全なまたはより明確な図形エレメントの場合、本プログラムは、センサー、バルブ、モーター、タンクなどのさまざまなタイプのデバイスに対するさまざまな一般的な図形テンプレートを記憶する。次に、プログラムは、用いるテンプレート図形エレメントを、デバイスのDDによって定義されたデバイスタイプに基づいて決定する。所望次第では、このテンプレートは図形エレメント中で用いられるさまざまなチョイスとオプションを提供するまたは有するが、このようなチョイスはデバイスのDD内の情報またはユーザ入力に基づいて決定される。したがって、例えば、テンプレートは、センサーなどのさまざまなサブタイプのデバイスと関連するさまざまな真性パラメータを提供し、また、プログラムは、図形エレメントに対して定義される真性パラメータをDD内の情報に基づいて決定する。
【0086】
さまざま初歩的なスクリプトがテンプレートの一部として提供されて、ビジュアライゼーションのための動作を提供するために用いられる。また、図形エレメントで用いられるスクリプトは、デバイスタイプなどのDD内の情報に基づいて、または、所望次第ではユーザに対する質問に基づいて自動的に選ばれる。加えて、スクリプト中で用いられるさまざまな制限や変数はDD内の情報から決定される。したがって、例えば、DDが、デバイスが回転装置であり、図形の色などが変わると速度などの回転図形のある側面がDD内に定義されているようなデバイスに関連する制限に基づくことを示していれば、回転図形を提供するようなスクリプトを選んで図形エレメント内で用いられたり提供されたりする。このような制限は、例えば、標準のまたは定格の動作速度や、定義された過剰速度や、過小速度や、制限速度であったりする。別の例として、デバイスがセンサーである場合、センサーの高低値を用いて、センサーの現在読み取り値と関連する図形や、センサーが壊れたかどうかを描写する図形などを提供する。
【0087】
このようにして、基本的な図形エレメントは、あるデバイスが、そのデバイスにタイプとそのデバイスのDD内で定義されているような周知のデバイス特長に基づいて図形エレメントのある基本的なスクリプト、図形アニメーション、ビジュアライゼーションおよび真性パラメータを定義することによってプロセスプラント内で取り付けられたり認識されたりしたときにそのデバイスのDDから自動的に作成される。この自動的な図形エレメントの作成によって、ユーザには新たに追加されたデバイスを図形中に自動的に、しかも、そのデバイスに対する編集のための図形があれば、あまり実行する必要なく統合する機能が与えられ、そのため、デバイスは、このようなデバイスのDDがシステム中にロードされると、少なくとも初歩的なレベルで、図形ディスプレイ中で自動的にサポートされる。言い換えれば、ユーザは、デバイスに対するDDをシステムに提供して次にプログラムを走行させてこのDDからデバイスのための図形エレメントを作成することによって、自動的にそのデバイスのDDから図形エレメントを自動的に作成する。その後で、この図形エレメントを1つ以上の図形ディスプレイで用いて、デバイスのビジュアライゼーションをモデリングしたり提供したりするが、これが、そのデバイスに対する図形エレメントを手動で作成する必要なく図形ディスプレイ内のデバイスをモデリングしたり図示したりする機能をユーザに提供する。
【0088】
上記したように、一旦図3の図形エレメント74が多く作成されると、図形エディター50を用いて、図3のディスプレイ76などの図形ディスプレイを1つ以上作成する。事実、所望次第では、表示エディター50は、多くの事前構成された図形エレメントを持ったユーザまたは購入者に提供されるが、これらの図形エレメントは自身と関連するさまざまなビジュアライゼーション、例えば、さまざまな業界や、さまざまな機能用途のためのビジュアライゼーションなどを有する。次に、図形エディター50は、ユーザが、カスタムエレメントを作成し、また、図形ディスプレイ76を作成または構築することを許容する。
【0089】
一般的に言って、ディスプレイ76を作成するには、ユーザは、図形エレメント74と他の可視のエレメントのライブラリから選択してそれを一緒にしてディスプレイを構築する。図形ディスプレイが完了後、結果得られるデータ構造またはオブジェクトを、構成データベースなどのデータベースに、1つの定義エンティティとして定義されているさまざまなエレメント、真性プロパティおよびビジュアライゼーションをすべて有する表示クラスオブジェクトとして記憶する。しかしながら、この表示クラスオブジェクトはプロセス変数に対しては拘束されず、また、必ずしもどのランタイムディスプレイで用いられるわけでもない。所望次第では、このクラスオブジェクトは、XMLエンティティとしてすべて記憶された一緒に連結されているビジュアライゼーション、スクリプトなどを有するXMLブロブとしてデータベース中に記憶される。その後で、個々の図形ディスプレイはこのクラスオブジェクトから作成され、これらの個々の図形ディスプレイは、オペレータのワークステーションや他のランタイム環境に割り当てられてダウンロードされる。
【0090】
ディスプレイをダウンロードすると、その中の図形エレメント定義体がAvalonコントロールに変換されて、アセンブリにコンパイルされて、目標マシン、すなわち、ランタイムマシン上に展開される。自身がAvalonエンティティであるこのディスプレイは、コンパイルされた制御アセンブリを参照するが、これに加えて、Avalonコントロールを制御または保守のランタイムアプリケーションのようなバックエンドデータソースに接続するデータアダプタとして動作するカスタムデータソースが作成される。このようにして、図形ディスプレイ(および、所望次第では、個々の図形エレメントも)1つの言語で作成されて編集されて、別の言語または形態(たとえBXMLブロブ)で記憶されて、第3の言語または形態(例えばさまざまな実行可能言語の内のいずれかで書かれたスクリプトに結び付けられたAvalonコントロール)で実行される。
【0091】
図15を参照すると、画面220が図形エディター50によって生成され、これで、ユーザは1つ以上の図形ディスプレイを作成できるようになっている。一般的に言って、図形ディスプレイはプラント内の物理的デバイスを表す相互接続されたエレメントから成っており、そのデバイスと関連する追加の情報を含むまたは表示する。図形ディスプレイ中の図形エレメントはそのおのおのが、プロセス変数、定数または他の外部値に等しい真性プロパティの集合を含み、また、上で説明したように、おのおのの図形エレメントはいくつかの可視表示物を有しているが、これら表示物には、動的な動作、例えば、色の変化やアニメーションが含まれる。加えて、図形ディスプレイは、テキスト、ボックス、ユーザダイナモなどの静的なエレメントを含むが、これらによって、ユーザは何らかの仕方で図形ディスプレイと、また、プロセスや他の情報をユーザに対して表示する変数ボックスなどと対話することが許容される。
【0092】
図形エレメント用の図5の編集画面112に類似して、図15の例示の図形表示エディター画面220は、その中で図形ディスプレイが構築されるメイン編集カンバス224と、テンプレート図形エレメント、プリミティブまたは他のライブラリエレメントが表示可能であり、それからこれらのさまざまなエレメントを選択してメイン編集カンバス224上にドラッグアンドドロップすることが可能なパレットセクション226とを含む。メイン編集カンバス224は、その中でユーザが対話してプリミティブであろうと複合体であろうと図形を作成して編集する略図ビューを提供し、また、ベクトル図形を編集してビューイングする特徴を提供する。エディター50によって、ユーザは、図形エレメントなどの図形オブジェクトを、編集カンバス224中に現在表示されている表示フレームの内部または外部にある境界スペース中のどこかに置く。したがって、メイン編集カンバス224は、現在作成中のディスプレイの一部分しか描写せず、また、ユーザは、そのビューをパン撮りして、ディスプレイの他の部分を表示し、さらにズームイン、ズームアウトして、ビューの倍率レベルを変更し、また、ビューを回転して、任意の時点でディスプレイ作業するのにもっとも便利な方位を得る。しかしながら、理解されるように、図形オブジェクトのすべての描画と操作はメイン編集カンバス224で完了される。描画を支援するには、ビューのX−Y位置をルーラ227から読み取ればよいが、倍率レベルを、ツールバー228上のドロップダウンリストに表示して、ズームポップアップなどのエントリを選択することによって変更してもよい。
【0093】
画面220または、階層ディスプレイもしくはメイン編集カンバス224内のエレメントのリストアップを描写する階層セクション230と、カンバス224中で作成中のディスプレイともしくはカンバス224内の強調されたエレメントと関連するプロパティやパラメータをリストアップするプロパティセクション232と、さまざまなパラメータや特徴がプロセス制御システムや他のいずれかのランタイム環境内のエレメントに拘束されている仕方を示すまたはリストアップする拘束セクション234とを含む。加えて、画面220は、メイン編集カンバス224中で作成中の図形ディスプレイと関連するさまざまなビューやレイヤーをリストアップするツールバー236を含む。より詳しくは、どの特定的なディスプレイでも、オペレータディスプレイ、保守ディスプレイ、シミュレーションディスプレイ、モデリングディスプレイ、エンジニアリングディスプレイ、ビジネスディスプレイなどのさまざまな状況下でさまざまな人によって用いられるさまざまなレイヤーやビューを有することがありえる。図15の例示の画面220では、ツールバー236は、一般的なコントロールオペレータのビューとなるOperationビュー(メイン編集カンバス102中に現在示されているビュー)、一般的な保守ビューもしくはエンジニアビューとなるエンジニアリング/保守ビュー、および作成中のディスプレイ中に描写されるプロセスプラントまたはその一部をシミュレートする際に用いられるシミュレーションビューとなるTrainingビューとして示す3つのビューまたはレベルを含む。図15のメイン編集カンバス224内では何もエレメントは選択されていないので、プロパティセクション232は、幅と高さ、作成者が提供した記述、名称、背景記述および作成者がディスプレイ用に記憶したがる他のいずれかの情報などのディスプレイの特徴と共に作成中のディスプレイの現在名を表示する。同様に、図15のメイン編集カンバス224には何も実際のエレメントは置かれていないため、階層セクション230は単にディスプレイの名称を示すだけであり、拘束セクション234には何も拘束物は示されない。
【0094】
ディスプレイの作成中、ユーザは、図形エレメントなどのエレメントを、例えば、パレットセクション226内で定義されているエレメントのカテゴリの集合の内の1つを介してそのエレメントにアクセスすることによってメイン編集カンバス224上に置く。図15の例では、パレットセクション226はさまざまなカテゴリのエレメントを示しているが、これらはメイン編集カンバス224中に置かれ、一緒に接続され、それによって、アクチュエータエレメント、計算・制御エレメント、処理エレメント、プロパティ・測定値、形状、ユーザインタフェースコントロールおよびユーザ定義エレメントを含む完全なディスプレイを作成する。もちろん、他のいずれかの種類とカテゴリまたはサブカテゴリの所定のエレメントをパレットビュー226中で提供したりアクセスしたりする。この例では、アクチュエータはバルブと他のアクチュエータエレメントを含み、一方、計算・制御エレメントは、コントローラの表示物、PID制御ループなどの制御ループや他のタイプの制御ループ、機能ブロック、制御モジュールなどの何らかの制御関連エレメントを含む。図15に図示されているような処理エレメントは、タンク、リアクタ、ミキサーまたは材料を何らかの仕方で処理する他のいずれかのタイプのデバイス、ユニットなどを含んでいる。プロパティと測定値には、プロパティや測定値やプロセス変数、アラームなどのランタイム環境内の他のデータを示すように設計されたボックスや表示エレメントを含む。形状はプリミティブや他の所定の形状であり、一方、UIコントロールは、ディスプレイ中に入力するためにディスプレイ上でユーザが操作するボタン、スライダ、ノブ、ツールボックスなどのさまざまなユーザインタフェース制御エレメントを含む。もちろん、ユーザ定義のエレメントは、他のいずれかの図形エレメントや図形エレメントから作られたより高いレベルのエレメントなどのいずれかの所定のエレメントを含む。1つの場合では、ユーザ定義のエレメントはプロセスユニット、プロセスプラントエリアまたは他のより高いレベルのプロセスエンティティを含む。上記したように、ユーザ定義のエレメントに対するアクセスはエディター50を用いているユーザのアイデンティティに基づいて制限されるかまたはグローバルにアクセス可能とされる。もちろん、他のいずれかのエレメント、形状などを何らかのヘッディングのもとにパレットセクション226内において、これらのエレメントを編成しておいてユーザが容易にアクセスできるようにすることが実現される。
【0095】
ユーザが混合用タンクなどのエレメントをメイン編集カンバス224中に置くと、このエレメントは、このエレメント用のデフォルトビジュアライゼーションを用いてカンバス224中に描写される。この場合、図形階層セクション230はこのエレメントを示し、また、図5に示す仕方と同じような仕方で、そのエレメントのサブエレメント、その図形エレメントと関連するこのようなビジュアライゼーション、アニメーション、プリミティブなどの階層を提供する。さらにまた、ランタイム環境に拘束されえるビジュアライゼーションまたはアニメーションを含むカンバス224中に図形エレメントが示されると、拘束物サブスクリプションセクション234が現在定義されている拘束物を示す。
【0096】
所望次第では、ユーザは、いずれかの所望の仕方で異なったビジュアライゼーションを選択することによってメイン編集カンバス224またはパレットセクション226中の図形エレメントのビジュアライゼーションを選択したり変更したりする。ユーザは、例えば、エレメントの上でマウスポインタを右クリックすることによってまたは階層セクション230内の異なったビジュアライゼーションを選択することによって、または他のいずれかの仕方でアクセスされるドロップダウンリストまたはボックスを用いてこのビジュアライゼーション選択機能を実行する。図16に、垂直タンクエレメント240がパレットセクション226からメイン編集カンバス224内に置かれているところが示されている画面220のメイン編集カンバス224とパレットセクション226の一部分を示す。この垂直タンクエレメント240は、パレットセクション226に描写されているテンプレートまたはクラスの垂直タンクエレメント241のコピーまたはインスタンス化物である。しかしながら、マウスポインタがビジュアライゼーション240上にあるときにマウスを右クリックすることによってアクセスされるスライドバー242中に示すビジュアライゼーション1〜8を含む垂直タンク240の追加のビジュアライゼーションは、演習カンバス224中で作成中のディスプレイ中にあるときに、ビジュアライゼーションとして選択して垂直タンクエレメント240用に用いることが可能である。パレットセクション226に示すように、類似のタイプのスライドバーディスプレイ243を、パレットセクション226中のテンプレートの垂直タンクエレメント241を右クリックすることによって得て、テンプレートタンクエレメント241の可能なビジュアライゼーションを得たりビューイングしたりする。スライドバー242中の異なったビジュアライゼーションを選択すると、カンバス224中で用いられているようなタンクエレメント240のビジュアライゼーションが変化し、一方、スライドバー243中の異なったビジュアライゼーションを選択すると、パレットセクション226に記憶されているようなテンプレートタンクエレメント241のデフォルト設定またはビジュアライゼーションが変化する。
【0097】
パレットセクション226から図形エレメントや他のエレメントを選択してディスプレイを作成することに加えて、ユーザはまた、図15に示すツールバー228からアイテム用いるまたは選択することによって、ライン、方形、矩形、円、五角形などのような形状、テキストなどの基本的描画ツールを得て、これらの単純な描画ツールやエレメントを用いて、ラインを描いたりディスプレイ内にテキストを追加したりする。加えて、ユーザは、ツールバー228中に示すツールバーコネクタエレメント245を用いて、カンバス224内のディスプレイに対してコネクタエレメントを追加する。コネクタエレメント245は、選ばれると、例えば、ドロップダウンメニュー、ダイアログボックスなどを用いてディスプレイ中で用いられるコネクタのリストをユーザに提供する。考えられるコネクタエレメントには、パイプ、ベルトコンベヤ、電気配線、流体フローライン、またはタンクや、ミキサーや、ポンプなどをバルブや、センサーなどの他のハードウエアエレメントに実際に接続する他のタイプのコネクタが含まれる。このようなコネクタエレメントと、コネクタエレメントをバルブタンク、ポンプなどの物理的デバイスのさまざまな表示物間にコネクタエレメントを提供する方法が、参照してここに特別に組み込む米国出願第2004/0153804号に詳述されている。コネクタエレメントによってまた、ユーザは、作成中のディスプレイ内のさまざまなエレメントを相互接続し、また、図形エレメントについて以下に説明するようにさまざまなエレメントに対して定義されているコネクタエレメントとはめ合わせることが可能である。例えば、パイプコネクタを用いて、パイプコネクタポイントを有するさまざまなエレメントを取り付け、一方、ダクトコネクタを用いて、ダクトコネクタポイント用に画定済みのエレメントを取り付けたりする。所望次第では、エディター50は、バルブやタンクなどのさまざまな図形エレメントをバルブやタンクの接続ポイントによって画定されている適切なタイプのコネクタと接続することをユーザに対して可能とするだけの接続ルールを実施する。もちろん、接続エレメントの概観は接続のタイプによって異なり、これで、接続エレメントで作成中のディスプレイに対してより良好な外見と雰囲気を与えるようにする。
【0098】
もちろん、ツールバー228は他のベクトル描画ツールと標準のコマンドや機能、例えば、一般的なFileオプション(新規、オープン、保存、保存名、クローズ、エグジットなど)、Editオプション(アンデュー、レデュー、カット、コピー、貼り付け、削除)、Findオプションなどを含んでいる。加えて、ツールバー228は、図形関連のコマンドを提供するメニューアイテムを含むが、このようなコマンドには、図形エレメントの真性プロパティを追加するために用いられるAddProperty機能、図形イベントを追加するために用いられるAddEvent機能、ユーザがビジュアライゼーションを追加することを可能とするAddビジュアライゼーション機能、ダイアログボックスを開いて、作成されるトリガーに関連する情報を入力することをユーザに対して可能とするAddVisualTrigger関数などがある。さらにまた、メニューには、Format機能(テキストや、ラインや、2次元と3次元画像用の設定関連のText、Line、Fillのプロパティなど)と、オブジェクトの分類もしくは分類解除、前方から後方に至るオブジェクトの順序の選択、水平と垂直の双方向でのオブジェクトの整合などを含むShape機能とがある。ツールバーメニュー228はまた、ユーザがアニメーションをオブジェクトに適用することを可能とする機能を提供するが、このようなアニメーションは、例えば、エレメントの幅や、色や、形状などをアニメーション化して、形状をスキューさせ、回転させ、拡大縮小させたり、エレメントを回転させたり斑点させたりすることによって、エレメントのプリミティブやオブジェクトの1つ以上のエレメントに対して適用される。もちろん、ユーザは、ディスプレイ内のおのおののエレメントと関連するアニメーションやアクションにアクセスして、これらのアニメーションやアクションを、適当なダイアログボックスや他のプログラムツールを用いて変更する。
【0099】
理解されるように、ユーザまたはデザイナーは、表示エディター50を用い、また、特に図15の画面220とインタフェースして、標準の2次元、さらには3次元の図形エレメントから成る図形ディスプレイを迅速にそして容易に作成するが、このディスプレイは、測定値や、アクチュエータや、プロセス装置を動的に示す。また、制御や計算と関連する静的エレメントとユーザダイナモがサポートされており、ディスプレイ中に提供される。加えて、ユーザは、レイヤーを定義して、例えば、少し異なったビューや周辺情報を持つ同じエレメントを用いてオペレータディスプレイや、保守ディスプレイや、シミュレーションディスプレイを作成することによって図形ディスプレイのさまざまなユーザのインタフェース要件に対処するようにする。
【0100】
図17に、図形エディター50を用いて作成される、コントロールオペレータディスプレイという形態を持つ例示の図形ディスプレイの表示画面300を示す。表示画面300は、この場合は流体フローラインであるコネクタエレメント316を介してバルブエレメント312と1つ以上のポンプエレメント314に対して接続されているリアクタエレメント310を含む。流体フローまたはストリームのエレメント318は、画面300が描写するプラントのセクションに出入りする材料のストリームを参照する。理解されるように、表示画面300内の図形は、さまざまな図形エレメントを選択して一緒に相互接続することによって作成され、したがって、表示画面300は、個々の図形エレメントに関して上述したような仕方で開発された高解像度の図形、アニメーション、アクション、可視トリガーなどを含む。もちろん、アニメーション、アクション、可視トリガー、流体フローエレメントなどを含み、追加の図形は、図形表示レベルで追加される。このようにして、アニメーションとユーザアクションは、図形ディスプレイ中に組み込まれる。例えば、この機能を用いて、プロセス装置用の静的図形コンポーネントを修正して、装置のステータス、例えばモーターがオンであったりトリップしたりすれば、バルブの動作状態や位置を示すようにする。加えて、アニメーションを用いて、装置と関連する動的データを表わす、例えば(重点技法を用いたりして)充填中のタンクのレベルを示したり、動きを示す表示の変化(アニメーション)を介してアジテータのステータスを示したりする。同じように、データ表示エレメント319を画面300中に置いて、プロセスデータやディスプレイ300の外部で開発されたがディスプレイ300中のコンポーネントの動作を関連する他のデータを示したりする。
【0101】
所望次第では、図形ディスプレイ300はまた、ダイナモまたはユーザインタフェースボタン320Aと320Bを含むが、これらによって、ユーザは、追加の情報を地震がビューイング可能なように、または、表示画面300との対話を介してランタイム環境に関するアクションを自身がとることが可能なようにディスプレイと対話することが可能となる。場合によっては、このような対話は、図形エレメントに関して上記したように可視トリガーやアクションによって実施される。例えば、ボタン320Aは冷却塔の構造に関する情報の更なるビューをユーザに提供し、一方、ボタン320Bはリアクタ310用のフェースプレートディスプレイを提供する。したがって、ディスプレイ300は、過去においては、例えば、In−Tools、Auto−Card、VisioなどのWindows(登録商標)メタファイル、ベクトル描画、JPEGおよびbitmap画像フォーマットからインポートされた3次元コンポーネントを用いてプロセスまたはプロセスの一部を構成する装置を図示するエレメントの集合を含み、これで、画面300はアニメーションを含んで、例えば、回転、サイズ処理、拡大縮小、スキュー付け、色変更などをエレメントレベルで実行して、より面白く現実的なアニメーション、したがって、より分かりやすいディスプレイを提供することが可能である。
【0102】
さらにまた、ノブや、ダイアルや、スライドバーや、ボタンなどの基本的ユーザインタフェースコンポーネントがディスプレイ300中に示されて、制御システムまたは他のランタイム環境内の情報やコントロールに対して動的にリンクされる。データビューエレメントまたはダイナモもまた、制御機能、アラーム、イベントなどでの測定値と関連するキーパラメータを提供または図示する。例えば、ダイナモを用いて、制御ループパラメータとエンジニアリングユニットに関連する情報を有するさらなる画面を表示し、また、ダイナモの次に表示されて、ダイナモによって表示された値に文脈を与える。制御ループと関連するプロセスアラームのステータスは、色変化、例えば、制御パラメータ値の背景色の変化によってダイナモに反映される。また、ディスプレイ中のクラッタを解消するため、ループが設計された通常動作モードにはないという事実を色変化によって示す。もちろん、このようなダイナモは何らかの基準に適合するようにされる。
【0103】
一例では、オペレータがユーザ対話コンポーネントまたはダイナモにアクセスすると、スクリプトまたは他のプログラムが、図18に例示されているフェースプレートディスプレイや制御パネルディスプレイなどの更なる画面やディスプレイを引き上げる。例えば、ユーザが画面300に示すボタン320Bなどのボタンにインタフェースすると、リアクタ310のフェースプレートがオペレータに提示され、すると、オペレータはこのフェースプレートを用いて、リアクタ310に関する詳細を修正したりビューイングしたりする。図18の例では、フェースプレート情報350は、ユーザが画面300中のボタン320Aによってアクセスするリアクタ310の制御ループ(FIG2_28/TC2−1という名称を持つ)と関連する。フェースプレート350の部分350Aを利用して、ユーザは、ボタン352(その動作はアクションルーチンによって定義されている)を使用するモードを(カスケードモードから、例えば、手動や自動モードに)変更したり、スライダディスプレイ354上の動作パラメータの現在値をビューイングしたり、矢印355を用いて制御ループと関連するセットポイントを変更したりする。加えて、ユーザは制限に関する情報と表示セクション350B中の制御ループのチューニングパラメータを受け取り、また、セクション356中のシミュレーション機能をイネーブルする。所望次第では、セクション350Bは、セクション350A上のボタン358の内の1つを選択することによってセクション350Aのビューから得られる。同じように、ユーザは、トレンドデータ、診断データなどの制御ループに関するさらに別の情報にアクセスしたり、他のボタン358によってループチューニングプログラムなどの制御プログラムや診断プログラムにアクセスして走行させたりする。したがって、他のいずれかのアクティビティ、画面およびアクションは、ユーザのアクションや画面300上で許容されたアクションに応答してディスプレイ300を介してアクセスされる。
【0104】
制御システムが類似の装置の定義に際して別名の使用をサポートする場合、動的表示コンポーネントもまた、表示画面300中で選択された装置に基づく動的参照をサポートするように設計される。このような場合、事前構成された別名と属性を表示オブジェクトの一部として通常は定義されるオブジェクトタグや図形属性の代わりに用いられる。この別名機能は、高度のフレキシビリティと再使用性をサポートするが、それは、類似の表示オブジェクトが互いに異なったI/Oポイントに接続して、互いに異なった図形属性、概観およびセキュリティを表すからである。このような機能によって、プラント内の複製されている互いに異なった装置に対して類似の表示オブジェクトや類似のディスプレイを再構築する必要性が消滅する。このようにして、同じ図形ディスプレイを用いて、プラント内の構造と用途が同じである互いに異なったハードウエアユニットをビューイングする。
【0105】
もちろん、図17の表示画面300は、画面300の頂部に示すツールバーに加えてまたはその代わりに水平(ディスプレイの下)と垂直(ディスプレイの右)の双方向のツールバーを含むツールバーをサポートするように設計される。所望次第では、デフォルトのツールバーを装備して、日時ディスプレイ、アラームやサイレンスアラームを認識するために必要なアラームディスプレイに直接アクセスすることによるアラームリストのビューイング、アラーム要約ディスプレイもしくはメニュー、メインメニューまたは他の標準のメニューもしくはディスプレイ、システムステータスディスプレイなどに対するナビゲーションをサポートしてもよい。
【0106】
図19に、改良型の図形ディスプレイと関連する表示画面400を示すが、すなわち、これは、より多くのエレメント、接続部、ユーザインタフェースアクション、ダイナモおよび他のデータ参照を有する。特に、画面400は、空気と他の燃焼燃料生成物が、ポンプ412、バルブ404および関連のコネクタエレメントを介して釜バレル乾燥機408の入力部406にポンプ送りまたは供給される石灰釜ユニットの動作を示す。同じように、タンク409中のプロセス材料は、石灰を、バレル乾燥機408を介して輸送するシートコンベヤデバイス410から供給される。もちろん、画面400に示すこれらエレメントと他のデバイスはおのおのが、上述したように個々に作成されて画面400内に置かれる図形エレメントである。バレル乾燥機408の入力406は、乾燥機408が動作中にアニメーションとして火または炎415を示すアニメーション化された図形エレメントを含み、これで、画面400の閲覧者に対して釜ユニットの動作を明瞭に示す。加えて、乾燥機408のさまざまなポイントにおける温度を、ダイナモや温度表示ボックス416で示し、また、所望次第では、これらさまざまなポイントでの温度を火のアニメーションの色や、乾燥機408や、他の仕方で示す。同じように、フードの圧力や、釜速度、空気全体、メタノール、入力部、一次と二次の空気入力部、オイルとガスの入力部などのような他のプロセスパラメータを、図19に示すようにパラメータボックスで、プロセス制御システム内の特定の参照物に結び付けられ、また、これから得られるボックス内の変数の値を用いて示す。もちろん、石灰釜ユニットの他の物理的コンポーネントを画面400に示す。
【0107】
しかしながら、他のさまざまな情報が、制御システムや制御システム内のデバイスからのデータを処理する他のアプリケーションなどのランタイム環境内の他のデータソースから得られる画面400上に提供される。このようなアプリケーションは、例えば、制御アプリケーション、保守アプリケーション、診断アプリケーション、ビジネスアプリケーションなどを含むことがある。例えば、時間に対するシステムの温度(度単位)を示すトレンドグラフ420が表示画面400の中心の上側に表示され、データヒストリアンまたはトレンドアプリケーションに結び付けられて、このデータを自動的にプロットする。同じように、釜の利益、エネルギ使用量、生産率などのさまざまなビジネスのアスペクトを追跡するビジネスアプリケーションによって提供される釜412の動作を要約するチャート422が、画面400の左上側に表示される。さらにまた、履歴的トレンド、ヘルプ情報、釜情報、制御上の制約、釜エネルギおよびそれ以外に情報などのユーザにとって有用な他の情報は、表示画面400の上部のユーザインタフェースボタン424を選択することによってアクセスされる。さらにまた、アラームバナー430や他のバナーが画面400の底部に提供されてアラームアプリケーションに結び付けられる。もちろん、表示画面400のこれらエレメントと特徴のすべてが、上記の表示エディター50の特徴を用いてディスプレイ中に提供されてプログラムされる。加えて、これらの特徴および他の特徴を、いずれかの所望の仕方で図形ディスプレイ中で組み合わせて、任意の所望のタイプのディスプレイを作成する。さらにまた、任意の所望のアニメーションと図形アクションを画面400に提供して、より有用なまたは分かりやすい可視情報をユーザに提供し、これで、ユーザが、画面400などからより直接的に他の関連情報をビューイングすることが可能とされる。
【0108】
したがって、図19に示すように、コントローラサブシステム、保守、制御、診断、チューニングおよびビジネスのアプリケーションという形態のアプリケーションによってアクセスされるプロセスエレメントを含む互いに異なったさまざまなデータソースからの情報や、データヒストリアンや他のいずれかのデータソースなどのデータベースからのヒストリカルデータもしくはトレンドデータは、表示画面400に表示される。さらにまた、他の情報やディスプレイは、このようなディスプレイに至るユーザリンクを介して表示画面400から直接にアクセスされる。このようにして、画面400が示す図形ディスプレイは、ユーザにとってより有用な仕方でより多くの情報を提供する。
【0109】
エディター50は図形エレメント、接続エレメントなどの通常の集合を用いていずれかの図形ディスプレイを作成するために用いられるため、表示エディター50を用いれば類似のまたは関連のディスプレイを容易に作成される。このようなディスプレイはプラントのハードウエアの同じ集合に関連してこれを示すが、制御オペレータ目的、シミュレーション目的、保守目的などのさまざまな目的のためにそのハードウエアのさまざまな情報を示す。この場合、共通のまたはベースとなるディスプレイに、プラントまたはプラントのあるセクションと関連するハードウエアエレメントを表示させ、さらに、そのベースディスプレイを用いて別のディスプレイを作成するが、さまざまなユーザまたはさまざまなタイプのユーザに対してさまざまな情報を提供する。
【0110】
例えば、図20A〜20Eに、同じ構成中で同じ基本的なハードウエアエレメントを示し、同じビジュアライゼーションを用いているが、さまざまな機能目的のために追加されたさまざまな情報を有する石灰釜ユニットに対して作成された、オペレータビュー、エンジニアビュー、マネージャビュー、シミュレーションビューおよび保守ビューを含む例示のディスプレイを示す。したがって、図20A〜20Eのディスプレイはおのおのが同じ外見と雰囲気を有するが、それは、これらが、同じ基本的図形エレメントを用いて同じ表示エディターによって作成されており、したがって、提示されている情報とそれがプラント内のハードウエアとどのように関連しているかを保持して理解しながらも、ナビゲートしやすいからである。
【0111】
特に、図20Aは、釜乾燥機508のコールドエンド506に対してポンプ504によって原材料を供給する石灰・泥供給源502(ストリームエレメントでもよい)を有する釜ユニットのオペレータビュー500を示す。コンベヤ510は処理済みの石灰を釜乾燥機508のホットエンド512から除去して石灰をタンク514に堆積する。生成物ラインまたはストリームライン516は、タンク514に存在する生成物(石灰)の分量を示す。同じように、燃料減ストリームインジケータ520からの燃料が、自身の色がバルブの動作を示すバルブ522を介して、釜乾燥機508のホットエンド512中に提供される。ファン524が空気を、ダクトコネクタエレメント526を介して釜乾燥機508のホットエンド512にポンプ送りして、そこで、燃料と混合される。火や炎528などのアニメーションを釜乾燥機508のホットエンド中で示して、釜乾燥機508の動作状態を示す。同じように、誘導ファン530は釜乾燥機508のコールドエンド506から空気を追加の配管532を介して引き込み、この空気を、スタックストリームエレメント534で示すようにスタックに送る。さらにまた、システムのさまざまな部分での温度、釜乾燥機508のバレルの速度、空気と燃料の流量などのさまざまなプロセスパラメータの値を示すさまざまな変数またはパラメータのボックスが図示される。理解されるように、このハードウエアとこれらの変数ボックスは図20A〜20E全体に渡って共通しており、これらのディスプレイが同じ概観と雰囲気を有するようにするディスプレイの基本的エレメントを提供する。
【0112】
しかしながら、図20A〜20Eの画面のおのおのは、プラント内のさまざまな機能に合うように調整された追加の情報、ユーザインタフェースボタンおよびアクションを含んでいる。例えば、図20Aの画面500は、オペレータビューであり、実験室のテストで測定され、推定され、提供された残留カーボネートをボックス540中に示し、釜の総エネルギと特定のエネルギをボックス542と最適動作にとって重要なモデル予測制御ルーチンによって提供される温度の過去と未来のトレンドを示すトレンドグラフ544とに示す。加えて、画面500は、さまざまなユーザインタフェースボタンやダイナモ548を提供するが、これらによって、ユーザは、制御ループ情報、エレメントのさらなる動作情報などの関連するアイテムに関する追加の情報をビューイングすることが可能である。
【0113】
図20Bの画面550はエンジニアリングビューを示すが、このビューは図20Aのそれに非常に類似しているが、点線552によって、制御にとって重要な測定ロケーションと信号経路を示しており、これによって、基本的制御システムとモデル予測制御システムがどのように協力して動作を最適化するかを示している。図20Cの画面560は管理ビューを提供するが、これは、釜ユニットの基本的動作を示しながらも、システムの個々のコンポーネントや制御ループ上で追加情報を得ることを可能とするユーザインタフェースボタンを提供しない。さらにまた、管理ビュー560は、過去の日や月の実験室での測定値から得られる総エネルギ、特定エネルギおよび残留カーボネート(未変換供給量)を示すチャート562を含む。この情報は、例えば、ビジネスコンピュータ上で実行されるビジネスアプリケーションから提供される。
【0114】
さらにまた、図20Dはシミュレーションビュー570を提供するが、このビューによって、シミュレータはシミュレートされたシステム内のパラメータを変更して、シミュレート結果をビューイングすることが可能となる。ビュー570を用いて、例えば、オペレータを訓練したり、さまざまな未来の動作モードを試験したりする。図20Dに示すように、シミュレータは、画面570上の1つ以上のユーザインタフェースボタンによってシミュレーションオペレータに提供される1つ以上のダイアログボックス570を介してパラメータを変更する。プロセスシミュレーションビュー570は訓練用にオフラインで用いたり、オンラインで用いて、将来の問題を示すのに有用でありえる追加の情報を提供したりする。プロセスシミュレーションは図形から生成可能であるが、それは、装置のタイプとその接続が、オペレータ図形の構成中のシミュレーション機能を有するスマートオブジェクトまたは図形エレメントを用いる結果、周知であるからである。このようなスマートオブジェクトは米国公開第2004/0153804号に詳述されている。
【0115】
同じように、図20Eは、釜ユニット内の装置の状態に関する情報を提供する管理ビュー580を示す。ビュー580中では、装置の健康状態の表示582と584を用いて装置の故障を示す。この場合、表示582と584(図20Eではそのすべてを表しているわけではない)は半円であり、塗りつぶし色は装置の現在監視されている健康状態を示すまたは指定している。ビュー580中では、表示584は最適な健康状態より劣る状態の装置を示している。もちろん、このような表示582と584は保守アプリケーションまたは診断アプリケーションから提供される。さらにまた、理解されるように、プロセス上の問題が検出されたら、保守のテクニシャンが画面580を用いて、推奨される手順を探って発見して、問題を修復することが可能である。例えば、フィルタが泥で詰まれば洗浄する必要があるが、これには、供給を停止して、釜をアイドリング状態にするが、これは、図20Aのオペレータビュー500から実行可能である。操作することによってまた、供給物の品質に関して、上流でのプロセス問題によって引き起こされえる砂利が多すぎるかという問題がチェックして分かる。したがって、この単純な例から分かるように、問題を検出して修復するなどのさまざまな機能同士間でのさまざまな相互作用は、同じ概観と雰囲気を有する、したがって、ナビゲートが容易なさまざまなビューをスイッチすることによって単純に実施される。もちろん、図20A〜20Eのさまざまな画面中の情報、所望次第では、ディスプレイ上でレイヤー化されて、画面のユーザに基づいて示されるだけである。また、エレメントやスマートオブジェクトごとに示される情報はユーザ次第でまたはユーザのアイデンティティ次第で変化する。
【0116】
さらにまた、追加のディスプレイを提供して、図20A〜20Eのディスプレイと関連付ける。このようなディスプレイは、例えば、図21Aや21Bのそれなどのような制御構成ディスプレイを含む。図21Aの制御ディスプレイ585は、どのようにして、さまざまな制御信号が図20A〜20Eに示す釜ユニットのさまざまなハードウエアエレメントとの間で送受されたりこれらからコントローラと、これらコントローラ制御エレメントに関連するタグや変数名に送られたりするかを示す。図21Bの制御ディスプレイ590は制御モジュールを図示して、図20A〜20Eの釜ユニットを制御する制御ルーチンを示している。それほど具体的には示されていないが、図21Aの制御ディスプレイ585は、画面20A〜20Eの同じエレメント(これらの画面はこれらのエレメントと関連する同じまたは互いに異なったビジュアライゼーションを持つ)を用いて作成されたり、異なったエレメントを用いたりする。同じように、図21Aと図21Bのディスプレイ585と590は表示エディター50を用いて作成されるため、このようなディスプレイは上記のグラフ機能とアニメーション機能が備えられる。さらにまた、制御ディスプレイ585と590は、例えば、オペレータビュー500から現行の制御セットアップに容易にアクセスすることをオペレータに許容するために自身に備えられたユーザインタフェースボタン548の内の1つによって図20Aのオペレータビュー500を介してアクセスされる。
【0117】
したがって、上記の説明から分かるように、さまざまな関連ディスプレイがエディター50によって作成され、また、このようなディスプレイが多くの仕方でレイヤー化される。特に、ディスプレイは上記のようにレイヤー化されて、関連のまたは類似のオペレータ、ビジネス、シミュレーション、保守、およびエンジニアリングのビューとなり、これらのビューが互いに容易にアクセス可能である。さらにまた、さまざまなディスプレイが、プラントの特定の階層や、論理的または物理的な構造を反映するような仕方でレイヤー化されたり一緒に接続されたりする。したがって、例えば、プラントのさまざまな物理的または地理的なエリアに対してディスプレイが作成される。このように、プラントの主要なエリアを示す1つのディスプレイが作成され、プラントのおのおののエリア内で、例えば、ユニットごとに基本的構造を示す追加のディスプレイが作成され、同時にまた、ユニットごとにディスプレイが作成される。方法としては、ユーザがディスプレイを探査して、プラントのより細かいセクションと関連するより詳細を得る。別の例として、プラントのさまざまなセクションや部分に対するディスプレイをユーザインタフェースボタンによって連結または一緒に取り付け、これで、オペレータが、さまざまなディスプレイを順方向と逆方向に容易にスクロールして、互いに異なっているが物理的には接続されているプラントのセクションやコンポーネントを論理的な仕方でビューイングできるようにする。
【0118】
このようなタイプのディスプレイレイヤー化を図22の図に詳細に示す。特に、一般的または全体的なプラント概観ディスプレイ600が、プラント全体の基本的または高レベルの構造を示すディスプレイを提供するが、プラントの特定のまたはその一部に関するさらなる詳細は示していない。ディスプレイ600から、ユーザは、プラントのいずれか特定のセクションやエリアを(インタフェースボタンを用いて)選択または探査して、プラントのエリアAの1つ以上のディスプレイ602またはエリアBの1つ以上のディスプレイ604をプルアップする。図22に示すように、エリアAはn個の互いに別個のディスプレイと関連しており、これらはすべて互いに直列に論理的に接続されて、プラントのそのエリアまたはエリアAと関連する他のいずれかの論理的構造中のプロセスフローを反映する。602a、602b,…,602nとラベル付けられた602a、602a、602a、エリアAのこのn個のディスプレイは、ユーザが次から次へとディスプレイをスクロールすることが可能なページを前方または後方にめくるタイプのアクションを用いてアクセスされる。この仕方では、ユーザは、ディスプレイを1つのエリアAのセクションから別のエリアAのセクションへとオペレータに分かるような仕方で容易にスクロールすることが可能である。さらにまた、図21に示すように、オペレータは、所定の情報または他の表示情報をディスプレイ602aから602nの内の互いに別個のディスプレイから得る。このようにして、オペレータは、エリアAのディスプレイ602aをビューイングすると、ディスプレイ602a中のキーパラメータの所定のトレンドを描写するさらなるディスプレイ610を得ることが可能である。同じように、ディスプレイ602bをビューイングすると、オペレータは、開始または終了手順の情報を有するリストまたは文書612にアクセス可能である。もちろん、ユーザは順方向と逆方向でディスプレイ602a、602bなどをスクロール可能である。
【0119】
同じように、m個のディスプレイ604aから604mを含むように図示されているエリアBをビューイングすると、ユーザはディスプレイ内で順方向と逆方向の(次と後方)ボタンを用いて同じ詳細レベルでディスプレイ間をスクロールし、これで、オペレータや他のユーザがプロセスの表示されているセクションの上流側または下流側で情報を含むディスプレイにアクセスすることが可能なようにする。加えて、ダイナモや他のユーザインタフェースボタンを提供して、別のディスプレイをアクセスして、現在のディスプレイ内のエレメントと関連する他の情報を得られるようにする。このようなツールを用いることによって、概観ディスプレイを用いておのおののプロセスエリア中でキーディスプレイにそれからアクセスする表示階層を作成することが可能である。
【0120】
加えて、図20A〜20Eに示すように、ディスプレイをレイヤー化して、プラントの同じセクションまたはその一部に対して多くのディスプレイが存在するが、オペレータアクション、保守アクション、シミュレーションアクション、ビジネスアクション、エンジニアリングアクションなどのさまざまな機能目的のために用いられるようにする。このような互いに別個の機能ディスプレイを、ディスプレイ602a、602bなどの下方でレイヤー化されているものとして図22に示されているが、所望次第では互いにアクセスされる。したがって、オペレータまたはユーザがディスプレイ602aをビューイングしている場合、アクセスが許容されていれば、ユーザは保守ビューや、シミュレーションビューや、ビジネスビューなどのプラントのそのセクションに対する他の機能ディスプレイをスイッチしたりアクセスしたりする。もちろん、同じ基本的表示エレメントを用いてこのようにして保守ビューや、オペレータビューや、シミュレーションビューなどをレイヤー化すると、これらビュー間を容易にスイッチングでき、また、プラント内のさまざまな機能に関してプラント内で発生していることをよりよく理解できるようにする。
【0121】
このことを他の機能性に対して実施するには、図形ディスプレイを、その図形ディスプレイに対する意図された役割(または機能)の表示を含むように作成する。このような役割は、例えば、フェースプレート表示、詳細表示、一次制御表示、略式表示、保守表示、ビジネス表示、シミュレーション表示または他のいずれかのユーザ定義の役割を含む。この役割は図形ディスプレイに一部であり、図形ディスプレイが制御モジュールまたはハードウエアデバイスに割り当てられている場合に用いられて、ランタイム中にそのディスプレイの使用とアクセスを定義する。図形ディスプレイに割り当てられた役割の表示を用いて、構成システムまたはプラントのどこのそして何のセクションに特定のディスプレイが割り当てられるかを示す。加えて、この役割情報を用いて、特定のユーザがどのディスプレイにアクセスするかをユーザが実行中のジョブに基づいて判断する。例えば、制御オペレータは、シミュレーションディスプレイまたはビジネスディスプレイとして定義されている図形ディスプレイをビューイングすることもアクセスすることも不可能である。
【0122】
上記の図形表示機能はまた、重要な装置のステータスを容易に監視可能とするように、特殊なディスプレイを作成するために用いられる。このようなタイプのディスプレイの一部の例には、プロセスのシャットダウン、信号監視、バーナー管理、煤煙換気扇動作および安全システムステータスに関するファーストアウト(first out)表示が含まれる。もちろん、関連するディスプレイを構造化してその情報を要約することは可能であり、装置の移動にはアニメーションが伴う場合には、例えば煤煙換気扇を効果的に用いて、オペレータがシステムの動作に迅速にアクセスしたり理解したりできるようにする。加えて、ほとんどの制御システムが持っている計算機能を用いて、操業の経費や効率などのオンライン計算を実施するが、このタイプの情報は容易にオペレータの図形ディスプレイに組み込み、これで、オペレータがこの情報を用いて、プロセス動作を改善できるようにする。また、さまざまな技法を用いて、サブシステム情報を制御システムに統合し、これで、標準の図形とダイナモを用いてオペレータディスプレイを作成して、より高レベルのディスプレイからサブシステム情報にアクセス可能となるようにする。場合よっては、マトリックス値を3次元でプロットして、情報(例えばシート計量情報)を示す。
【0123】
加えて、図形エレメントとディスプレイはMicrosoft Avalonコントロールによって提供されるようなベクトル図形を用いて実施して、フレキシビリティと速度を提供すると利点があることに注意すべきである。ベクトル図形を用いると、スケーラブル図形を用いて、作成中のディスプレイを拡大縮小したりサイズ処理したりして、特定の表示マシンに合わせたり、拡大縮小を用いるアニメーションを提供したりすることを可能とする機能が提供される。
【0124】
一般的に言って、また、おのおのの図形ディスプレイの作成という題名の同時係属出願に詳述されているように、それに含まれている図形表示エレメントは、第1の宣言フォーマットで記載されているそれぞれのテキスト記述に記録される。おのおのの記述中のスクリプトコマンドは、描写される図形が複雑にもかかわらず、ディスプレイを定義する効率的で、メモリ集約的でないメカニズムを提供する。この宣言的フォーマットと、したがって、スクリプトコマンドとは、多くのさまざまなマークアップ言語の内のいずれか1つに基づく。より詳しくは、XMLに基づくマークアップ言語に基づいて、おのおののディスプレイと表示エレメントに対する描写定義(XMLブロブとも呼ばれる)を記述し、このXMLブロブを用いて、このようなディスプレイとエレメントを、プロセスランタイム環境にダウンロードする前に構成ライブラリやデータベースに記憶する。アニメーションなどの進歩した図形をサポートするために、マークアップ言語もまた、このような図形をベクトル図形スキームにしたがって定義する。
【0125】
上記したように、また、参照してここに組み込む「プロセスユーザインタフェース中のマークアップ言語ベースの動的プロセス図形」という題名の同時係属出願により詳しく記載するように、プロセス図形の動的性質は、プロセスプラントの現在値をオンラインまたはシミュレーション状態が変化するにつれて反映するように設計される。この目的のため、プロセス図形を、このような変化を反映するデータのソースにリンクさせる。おのおののXMLベースの記述はしたがって、このデータにしたがって修正されるそれぞれの動的図形パラメータ(例えば、タンク内部の変化する色)に対するデータソースロケーションを一般的に識別する1つ以上のデータソース参照物を含む。このデータソースロケーションもまた、エディターを介して構成中に後で指定されるようにオープン状態に置かれ、したがって、スクリプトは別名または代替物を識別して、後で指定されるデータソースまたは経路情報を参照する。プロセス図形ディスプレイのデータソース情報と他の特徴(例えば、イベント処理などの動作)はXMLベースの記述によって指定されるため、XMLベース言語はPGXMLまたはプロセス図形XMLと呼ばれる。
【0126】
プロセス図形ディスプレイとその構成エレメントの定義に向けての構成とデザインの業務が終了すると、構成エンジニアまたは他のユーザが、オペレータワークステーションや他のユーザ表示デバイスにプロセス図形をダウンロードする準備のためにPGXML記述を処理するようにする。一般的に言って、図形ディスプレイと表示エレメントのおのおののPGXML記述は処理されて、(i)用いられる図形描写エンジンとコンパティブルであるベクトル図形フォーマットでスクリプトを生成し、(ii)データソース参照物とディスプレイの他のいずれかの非図形機能性(例えば動作)を指定する命令を有するコードを生成する。スクリプトのベクトル図形フォーマットはまた、宣言的な言語すなわちXMLベース言語である。Microsoft Avalonユーザインタフェースアーキテクチャを利用している実施形態では、ベクトル図形スクリプトはMicrosoft XAMLに記載される。オープンソースフォーマット、SVG(スケーラブルベクトル図形)を利用する実施形態もある。このコードはC#や他のいずれかの適切なプログラム言語で記述される。
【0127】
一部の実施形態では、ベクトル図形スクリプトと関連するコードとは、次に、組み合わされて、オペレータワークステーションや他のユーザ表示デバイスに対して実行可能なコマンドを記述するファイルにコンパイルされる。この目的のため、それぞれの動的リンクライブラリ(DLL)ファイルをプロセス図形ディスプレイと図形表示エレメントごとに作成する。いずれのイベントでも、ベクトル図形スクリプトと関連のコードとのこのようなコンパイル処理は、ダウンロード動作に先立って実行されて、ネットワークデータ送信要件を最小化する。
【0128】
図形エレメントと図形ディスプレイは、一旦作成されると、一般的オブジェクトまたはテンプレートオブジェクトとして構成データベース中に記憶され、また、ランタイム環境で用いられる前にクラスベースのまたは非クラスベースのオブジェクトまたはエレメントとして記憶される。一般的に言って、本書に記載する図形エレメントと図形ディスプレイは、ここに参照して組み込む米国公開第2004/0199925号に記載するように、表示モジュールという形態のモジュールである。クラスモジュール(オブジェクト)は、プロセスプラントやプロセス制御システム中のいかなる特定のハードウエアやデバイスにも拘束されたり結び付けられたりすることはないが、プロセスプラントやプロセス制御システムに拘束されている他のオブジェクトがこれに基づいてインスタンス化されるようなオブジェクトである。一般的に言って、プロセスプラントと、特に、プロセスプラントのランタイム環境を構成するには、図1の構成ワークステーション20に示す構成アプリケーション33の内の1つなどの構成エンジンを用いて、図形オブジェクト(図形エレメントと図形ディスプレイを含む)を、制御モジュールのような論理的エンティティ、装置モジュール(例えばユニットモジュール)、プロセスモジュールなどやオペレータワークステーションや他の表示デバイスなどの物理的エンティティを含むプロセスプラント内の他の倫理的エンティティおよび物理的エンティティと関連付ける。場合によっては、図形オブジェクトはクラスオブジェクトであり、装置モジュールクラスオブジェクトや制御モジュールクラスオブジェクトのような他のクラスオブジェクトと関連付けられ、また、図形オブジェクトは、個別のオブジェクトであり、プロセスプラント内の装置に拘束され、例えば、コントローラ、ワークステーションまたは他のプロセスプラント内の装置にダウンロードされているオブジェクトなどのインスタンス化されたオブジェクトと関連付けられる。
【0129】
したがって、上に定義された図形エレメントと図形ディスプレイは、米国公開第2004/0199925号に記載するように、プロセスプラント構成システム内で構成されてプロセスプラントランタイム環境内のハードウエアにダウンロードされ、これで、他のクラスオブジェクトがライブラリ内に記憶されて内部で構成され、次に、プロセス制御システムのさまざまなセクションやサブセクションにダウンロードされるのと同じようにされる。特に、図1のデータベース28などの構成データベース内のデータに基づいて動作する構成エンジンは、図23と24に示すような構成データベース階層を用いて、ユーザが、プロセスプラントの構成をビューイングして変更できるようにする。図23の構成階層画面700に、制御システム702(DeltaV制御システムとラベル付けされている)用の構成データベースがライブラリセクション704、システム構成セクション706および探索結果セクション708を含んでいる様子を示す。
【0130】
ライブラリセクション704は、ランタイム環境に割り当てられてもいないしダウンロードされてもしないが、テンプレートまたは一般的および非拘束オブジェクトとして記憶されているクラスオブジェクトと他のオブジェクトの定義体を含む。図23に示すように、ライブラリセクション704は制御モジュールセクション710と、デバイスセクション712と、プロセスモジュールセクション714と、オペレータインタフェースセクション716、さらに、バッチセクションと安全性計測済みシステムセクション(数字で示されていない)を含んでいる。
【0131】
制御モジュールセクション710は拡張されないが、構成データベースのこのセクションは、一般に、プロセスプラント内のさまざまなコントローラや他の制御デバイスで用いられるプロセスプラント用に作成された制御モジュールテンプレートと制御モジュールクラスオブジェクトなどのさまざまな制御モジュールを含む。さらにまた、デバイスセクション712は、実際のデバイスと、バルブ、センサー、コントローラ、ワークステーションなどのプロセスプラント内で用いられるタイプのデバイスの表示および、プロセスプラント内のさまざまなデバイスやハードウエアと関連する論理的エレメントを定義するデバイスクラスオブジェクト、装置クラスオブジェクトなどの表示を含むデバイスオブジェクトの表示を含んでいる。さらにまた、プロセスモジュールセクション714は、プロセスプラント用に作成されたさまざまなプロセスモジュールを含むが、これにはさらに、このようなプロセスモジュールに対して定義されるプロセスモジュールテンプレートや、プロセスブロック定義体が含まれる。このようなプロセスモジュールは、米国公開第20004/0199925号に詳述されており、したがって、ここではさらに説明することはない。
【0132】
しかしながら、図23に示すように、構成階層700のオペレータインタフェースセクション716は、上記の図形オブジェクトと関連する情報を記憶する。特に、図形セクション720は、さまざまな複合プロセス図形定義体、図形クラスオブジェクトおよび図形テンプレートを含むが、これらは、システム用に作成されたさまざまな図形エレメントと図形ディスプレイを定義するものである。複合プロセス図形定義体セクションは一般的に、システム用に作成された図形エレメントを含み、プロセス図形クラスセクションは、クラスオブジェクトのような上記のように作成された図形ディスプレイを含み、一方、プロセス図形テンプレートは非クラス化ベースの図形ディスプレイと他のテンプレートオブジェクトを含むことに注意すべきである。構成データベースのこのセクションに記憶される図形オブジェクトは一般に、他のオブジェクトを作成するために用いられる非拘束のオブジェクトであり、これを構成プロセス中で用いて、図形エレメントと図形ディスプレイがプロセスプラント内のさまざまなハードウエアやソフトウエアに拘束される仕方を定義する。さらにまた、オペレータインタフェースセクション716の下にあるLayoutセクション722は、オペレータインタフェースのさまざまなレイアウトを定義し、一方、Rolesセクション724は、オペレータインタフェース上で実施されるさまざまな役割と、さまざまな図形ディスプレイやエレメントによって遂行される役割とを定義する。
【0133】
したがって、構成階層700で示されるような構成データベースは、図形エレメントと図形ディスプレイを含む図形オブジェクトを、一般的なテンプレートとして、特定のプロセスエンティティに拘束されてはいないが、特定のプロセスエンティティに拘束されるエレメントやディスプレイを定義するために用いられるクラスオブジェクトまたは特定のもしくは個別のエレメントもしくはディスプレイとして記憶するセクションを含む。一般的に言って、構成エンジニアまたは他のユーザは、階層700を用いて、プロセスプラントが、以下に詳述するような仕方で図形表示機能を含むように構成する。
【0134】
図24に、システム構成の一部としてプロセスプラントのさまざまな論知的および物理的なエンティティとプロセス図形エレメントおよび図形ディスプレイがどのように関連付けられるかを示すようにシステム構成セクション706が拡大されている階層画面730を示す。特に、システム構成セクション706下にあるプロセス図形セクション734は、ランタイム環境で使用されるようにプロセスプラントにダウンロードされるように一般的に定義されているさまざまな図形ディスプレイを定義する。一般的に言って、例えば、フェースプレートディスプレイや、動作ディスプレイや、詳細ディスプレイや、保守ディスプレイや、シミュレーションディスプレイなどを含むプロセス図形セクション734内の図形ディスプレイとエレメントは、プロセス図形セクション734がシステム構成全体に適用されるに連れて、プロセスプラント内のおのおのの表示ユニット(例えば、おのおののワークステーションや他の表示デバイス)にダウンロードされる。しかしながら、図形エレメントとディスプレイは、制御戦略セクション736と物理的ネットワークセクション740を含むシステム構成の特定のセクションを関連していり、これによって、このような図形エレメントとディスプレイが利用可能とされる表示デバイスが限られる。
【0135】
一般的に言って、制御戦略セクション736は、プロセスプラントのさまざまな物理的、論理的セクションに割り当てられるさまざまな制御ルーチンやこれに関連して実施される戦略を定義する。さまざまな図形ディスプレイ(これまた、フェースプレートディスプレイや、制御ディスプレイや、保守ディスプレイなど)の何らかのタイプのディスプレイ)が、例えば、エリア(Area_A742やArea_B44などと命名されているエリアなど)や、制御モジュールセクション746などのエリアと関連する制御モジュールや、プロセスモジュール748などのエリアに割り当てられたプロセスモジュールに対して割り当てられる。したがって、図24に示すように、表示セクション750は、プラントのArea_Aに対してそこで用いられすべてのディスプレイを定義するArea_Aセクション742と関連している。分解されてはいないが、フォルダー750下のディスプレイは、図22のさまざまなディスプレイ602a〜602nなどのArea_A中のハードウエアのさまざまな集合や、図22のディスプレイ610と612などのこれらのディスプレイからアクセス可能なさまざまなサブディスプレイとを含んでいる。ディスプレイに対して定義される役割は、このようなディスプレイが互いにアクセス可能となったり、表示デバイスを用いているオペレータに対してアクセス可能となったりする仕方を示す。したがって、図22に関連して説明したように、yユーザはセクション750中のディスプレイをスクロールして、プラントのArea_Aのさまざまな部分をビューイングしたり、より高いレベルのディスプレイではあまり詳細に示されないより高いレベルのディスプレイの特定の部分のより詳細なディスプレイを含むいずれかの特定のエリアに関する更なる詳細をビューイングしたりする。
【0136】
さらにまた、ディスプレイは、制御モジュールセクション746下のディスプレイアイコン752で示すようにArea_Aセクション742内の特定の制御モジュールに割り当てられる。この場合、ディスプレイ752は制御モジュールループ(LOOPと命名されている)と関連付けられており、具体的には、その特定の制御ループと関連する制御オペレータディスプレイである。また、ディスプレイによって定義された役割は、制御ディスプレイの一部としてオペレータステーション内でのその役割を示す。さらにまた、Area_Bセクション744に関連して示すように、ディスプレイ754は一般にそのエリアと関連しており、一方、ディスプレイ756は、あるエリアに割り当てられた特定のプロセスモジュールと関連している。この場合、ディスプレイアイコン756はPMOD2という名前のプロセスモジュールと関連しているが、このモジュールは、Area_B中の装置と関連するプロセスモジュールである。PMOD2は、例えば、ユニットモジュールもしくは装置モジュールまたは、他のいずれかのタイプのプロセスモジュールである。
【0137】
したがって、制御戦略セクション736の下に一般に示されているように、ディスプレイは特定の制御戦略や制御定義体と関連するが、それは、このような制御定義体が構成システム内で作成されるからである。図24の例に示すように、ディスプレイは、エリアセクション742と744などのようにエリアごとに定義されたり、制御モジュール750のように制御モジュールごとに定義されたり、表示セクション756で示すようにプロセスモジュールごとに定義される制御定義体と関連付けされる。加えて、所望次第では、装置アイテムが役割と関連付けられるが、これによって、このような役割と関連するディスプレイを、装置エレメントから動的にアクセス可能となる。このような装置役割とディスプレイはプロセス図形セクション734に記憶される。
【0138】
加えて、ディスプレイはまた、オペレータワークステーションや他の表示デバイスを含む、プロセスプラント内の実際のハードウエアエレメントに割り当てられたりこれと関連付けられたりする。したがって、物理的ネットワークセクション740の下に示すように、特定のディスプレイが、ディスプレイを有する特定のオペレータワークステーションや他のランタイムマシンに割り当てられる。図24の特定的な例では、物理的ネットワークセクション740は、構成ステーションであるCTLR1やProPlusステーションという名前のコントローラやオペレータステーション762という名前のオペレータワークステーションなどの関連のハードウエアを有する制御ネットワーク760を含む。プラント内の特定のワークステーションやユーザインタフェースを定義したりこれと関連したりするオペレータステーション762は、アラームとイベント機能、オペレータアクティビティ、連続ヒストリアン機能およびこれらと関連したシミュレーションアクティビティを含むが、保守アクティビティやビジネスアクティビティなどの他のアクティビティや機能をいずれかの特定のユーザインタフェースと関連させて実行させることが可能である。このようにして、特定のユーザインタフェースがプロセスプラント内の役割に割り当てられ、また、表示デバイスに記憶されるまたはダウンロードされるこれらの役割に対するディスプレイを有する。
【0139】
図24に示すように、ディスプレイ764と766は、オペレータ機能またはアクティビティ、さらに、ワークステーション762によって実行されるシミュレーション機能またはアクティビティに対して割り当てられる。図24には示されていないが、ディスプレイは他の表示デバイス、例えば、このような表示デバイス上で実施される、プロセスプラント内の他のノードと関連しているデバイスに割り当てられる。さらにまた、オペレータワークステーションや他のランタイム表示マシン内の特定の機能に対するディスプレイの割り当てによって、オペレータ機能、シミュレーション機能、保守機能などの、このようなディスプレイがランタイム環境内で実行する役割や機能が決定される。もちろん、このようなさまざまな機能は、構成システムで設定されたように仕方で、同じ表示デバイス上でまたは互いに異なった表示デバイス上で実行される。また、構成階層730はディスプレイがオペレータワークステーションに割り当てられる様子を示しているが、ディスプレイは、PDAのような手持ち式コンピュータ表示デバイス、電話デバイス、ビジネスワークステーションまたは他のいずれかの所望のタイプの表示デバイスを含む他のタイプの表示デバイスに割り当てることが可能である。
【0140】
構成エンジンによって、構成エンジニアなどのユーザは、構成階層を用いて、プロセス図形ディスプレイがプロセスプラント内に拘束されてダインロードされる仕方を定義して管理することが可能である。一般的に言って、構成エンジニアなどのユーザは、ユーザが他のオブジェクトに関連して可能であると同じ仕方で、構成システム内で表示オブジェクトを作成、削除、改名、割り当て、ダウンロードすることが可能である。より詳しくは、構成エンジンによって、図形ディスプレイを、これらのディスプレイをどこで(どのデバイスに対して)割り当てて実行させるか、および、これらのディスプレイをランタイム中に拘束すべき相手のプロセスエンティティ(論理的および物理的エンティティ)を定義することによって、プロセスプラントの構成中に統合することが可能である。所望次第では、図23と24のそれらの構成階層画面を用いて、必要とされるダウンロードを示したり、ディスプレイ上でバージョン制御を実施したりする。
【0141】
構成は構成システム内の複数のレベルで発生しえる。第一に、構成エンジニアは最初に、表示クラスオブジェクトをライブラリセクション704中のモジュールクラスオブジェクトと関連付けるが、これによって、特定の表示クラスオブジェクトを、装置モジュールクラスオブジェクトや、エリアモジュールクラスオブジェクトなどの特定のモジュールクラスオブジェクトに対して拘束する。その後で、モジュールクラスオブジェクトがインスタンス化されてプロセスプラントの特定の部分に割り当てられると(一方、構成されると)、このインスタンス化されたモジュールオブジェクトと関連する表示オブジェクト(例えば、図形ディスプレイ)が、モジュールオブジェクトと一緒に同じハードウエアに拘束され、したがって、プラント内の適切なハードウエアに対して図形ディスプレイを割り当てたり、この図形表示オブジェクトを適当なハードウエアにダウンロードしたりするためにさらなる努力を実行する必要はない。そうする代わりに、この場合、図形表示オブジェクトは、それが拘束されるモジュールオブジェクトの構成にしたがう。さらにまた、表示クラスオブジェクトが上記したようにモジュールクラスオブジェクトに関連付けられると、モジュールクラスオブジェクトに対して変更がなされると、自動的に、このような変更が、関連する表示クラスオブジェクト内の同じエレメントに対して伝播し、すると、このような変更は、実際にインスタンス化された図形ディスプレイに対して伝播する。一例では、図形ディスプレイがLoopと呼ばれる制御モジュールを含むミキサー(装置クラスオブジェクト)を包含していて、この制御モジュールが選択されて改名されると、構成システムは自動的に、図形ディスプレイ内のLoopへの参照物を新しい名前に変更し、これによって、図形表示の拘束が新しい名前で更新されることを保証する。しかしながら、実際に新たに変更されたディスプレイはそれでも、ランタイムシステムが変化するためにはランタイムマシンにダウンロードする必要がある。所望次第では、ダウンロードが必要であることを示す表示を、図形ディスプレイアイコンの内の適当なアイコンの隣に青色の三角形を置くなどすることによって、構成階層に記憶されたままディスプレイの隣に置いてもよい。
【0142】
他方、図形ディスプレイを別個にまたは直接的に、プロセスプラントまたは構成システム内のさまざまなコンポーネントに対して割り当てる。特に、図24に示すように、個々の図形ディスプレイを、システム構成セクションの下のプロセス図形セクション734中に置く。このようなディスプレイは、例えば、ライブラリセクション702で選択して、セクション734にドラッグアンドドロップすることによって、このセクション中に置く。もちろん、図形ディスプレイを階層730の特定のセクションに移動させる他の仕方を用いてもよい。いかなるイベントにおいても、セクション734中の図形ディスプレイは、例えば、フェースプレートディスプレイや他のクラスベースのもしくは非クラスベースのディスプレイを含んでおり、また、一般的に、プラント内または、システム構成セクション706のプラントまたは担当範囲にあるプラントセクション内のすべてのワークステーションに対してダウンロードされる資格がある。
【0143】
しかしながら、ユーザは、ディスプレイをプロセス図形セクション34から外部に出して特定のサブセクション中に移動させて、このようなディスプレイにアクセスするプロセス制御システム内のワークステーション(または他の表示デバイス)のアイデンティティを制御し、したがって、このようなディスプレイを使用可能なデバイスのアイデンティティを制御することが可能である。特定のディスプレイを論理的または物理的なプラントセクションに割り当てるため、ユーザは、例えば、図形ディスプレイを選んで、その図形ディスプレイを構成階層730の特定のセクションにドラッグアンドドロップし、これで、図形ディスプレイと、このディスプレイが関連付けられる論理的または物理的エンティティ間の関連性を定義する。ディスプレイ用の解像度テーブルに、この構成ステップが発生する時点で、ディスプレイがドロップされたり関連付けられたりする攻勢のセクションに基づいて自動的に記入する。
【0144】
例えば、図形ディスプレイをライブラリセクション702からドラッグしてプロセス図形セクション706に移動させて、ディスプレイをランタイム環境に関連付ける。また、例えば、プロセス図形セクション734中の図形ディスプレイを、Area_A ディスプレイセクション750(このディスプレイをArea_Aエンティティと機能性に対して固有のものとするが、一般的にはそのArea_A表示デバイス上でも利用可能とする)や、Area_B ディスプレイセクション754などの他のセクション中に移動させる。同じように、図形ディスプレイを、LOOPという名前の制御モジュールに(表示フォルダ752に示されているように)関連付けるが、これによって、これらのディスプレイは、この論理的エンティティに対して固有のもの隣、この制御ループ機能を実行する、または、この機能と関連しているものとして定義されるマシン上でしか利用可能とならない。加えて、ディスプレイを、オペレータステーション762内のオペレータ機能またはオペレータステーション762内のシミュレーション機能770によって定義されているような特定の表示デバイスや表示デバイスの機能サブセクションに割り当てる。具体的には詳細に示されていないが、ユーザはまた、図形ディスプレイをエリア、セル、ユニット、装置モジュール、さらに、さまざまな制御セクションに対して割り当てて、図形ディスプレイがプロセスプラントと関連付けられるまたはその内部で用いられる仕方を定義する。
【0145】
図形ディスプレイが、Area_AやArea_Bのような、エリア定義によって定義されたエンティティのような制御戦略などの論理エンティティに割り当てられると、図形ディスプレイは、このような論理エンティティが割り当てられる物理的インタフェース(例えばワークステーション)に割り当てられる。同様に、ディスプレイがユニット、セルまたは装置モジュールに割り当てられると、そのディスプレイはワークステーションまたは、そのユニット、セルまたは装置が割り当てられる他のインタフェースデバイスに割り当てられる。
【0146】
あるモジュールが複数の図形ディスプレイを含んでいる場合、そのモジュールは、図形ディスプレイが作成されたときにこのディスプレイに割り当てられる役割表示によって定義されるように、これらのディスプレイの役割を定義したり、おのおののディスプレイが果たす役割を定義したりする。何らかの表示デバイス内のこのような図形ディスプレイに対するアクセスは次に、ディスプレイと関連付けられるかディスプレイに対して定義される役割によって制限される。さらにまた、図形ディスプレイがあるエリアやモジュールに割り当てられると、この図形ディスプレイに対する参照物は、それが属するエリアまたはモジュールのディスプレイフォルダ中に図形ディスプレイとして現れる。一旦図形ディスプレイがあるエリアまたはモジュールに割り当てられると、このエリアまたはモジュールが所有するディスプレイ参照物、したがってこのディスプレイは、このエリアまたはモジュールのいかなる割り当てや移動中でもこのエリアまたはモジュールの後を追う。他方、あるエリアやモジュールがワークステーションに割り当てられると、そのエリアやモジュールに属すディスプレイは自走的にそのワークステーションのオペレータサブシステムや機能に対して、ディスプレイの役割によって定義されているように割り当てられる。もちろん、個々の図形ディスプレイは、構成階層の物理的ネットワークセクション740内のインタフェースデバイスまたはそのサブシステム内にまたはその下に直接的に置くことによって、直接的に表示デバイスのオペレータサブシステムに割り当てられる。
【0147】
したがって、理解されるように、図形ディスプレイは、個々のノード、制御エリア、制御モジュール、プロセスモジュールまたは他の論理的制御エンティティ、さらに、個々の表示デバイスやそのサブシステムに対して、構成画面730内のこれらのエンティティのおのおのにドラッグアンドドロップすることによって、割り当てられる。もちろん、所望次第で、同じ図形ディスプレイを複数のステーションに割り当てて、(ダウンロードされたり単に割り当てられたりした)おのおののディスプレイのステータスを、階層730内のさまざまなフォルダ中のおのおののディスプレイ名に対して提供されているアイコンによって示してもよい。所望次第では、他のアイコンを階層730で用いて、図形ディスプレイがいつメモリ中にロックされるか、またはデスク上の仮想メモリに維持可能であるかなどを示すことも可能である。
【0148】
一般的に言って、図形ディスプレイは、表示内容(例えば、ディスプレイが表示画面上に目に見えるように現れる仕方を定義するXAMLスクリプト)、ローカルテーブルおよび他のディスプレイに対する参照物である参照物、さらに、制御パラメータなどのランタイムパラメータに対する参照物、ランタイム別名(その一部はランタイムで拘束する)、ローカルテーブル参照物およびグローバルテーブル参照物からなっている。一般的に言って、構成エンジンは図形エレメント(XAML)の図形部分を参照物とは別個に取り扱って、図形ディスプレイの取り扱いと使用法をより容易なものとする。特に、構成システムは図形ディスプレイを、動的別名を構成階層中で実行された割り当てに基づいて用いない参照物に記入することによって構成プロセスの最中に拘束する。したがって、例えば、ユーザが図形ディスプレイをプロセス図形セクション734または構成階層730のライブラリセクション704から特定のエリアまたは制御モジュールにドラッグすると、拘束が図形中で自動的に実行されて、図形ディスプレイ中の参照物をそのエリアやモジュールと関連する特定のエレメントに拘束する。このようにして、ダウンロード拘束は、ユーザが実行している構成に基づいて自動的に実行され、これで、ユーザがこのような拘束を指定するために手動で実行しなければならない作業の分量が減る。
【0149】
さらにまた、構成ステップでまだ解消されていない拘束があれば、構成エンジンがユーザに照会して、拘束や参照物を変更したりするなどの拘束を解消するための情報を提供する。さらにまた、所望次第では、MicrosoftExcel(登録)のようなスプレッドシートプログラムなどのバルク編集ツールを用いて、構成エンジニアが、解像度または拘束のパラメータを構成プロセス中に記入したり定義したりするのを支援する。いずれのイベントでも、このような構成ステップが図13に関して説明した解像度テーブル208に記入するが、これによって、図形ディスプレイをランタイム環境中で用いることが可能となる。このようにして、ユーザは、米国公開第2004/0199925号に記載のプロセスモジュールに関してユーザが実行するのとほぼ同じように図形ディスプレイ(および図形エレメント)を拘束したりダウンロードしたりすることが可能となる。
【0150】
もちろん、ユーザまたは構成エンジニアは、図形ディスプレイをクリックしてそれを階層730から除去することによって、または、別様にダイアログボックスを契合してこの図形ディスプレイを割り当て解除させることによって、図形ディスプレイを割り当て解除する。さらにまた、ユーザは、特定の図形ディスプレイまたは図形ディスプレイの集合が割り当てられる仕方をビューイングするが、このような情報は、例えば図25に示すダイアログボックス800によって提供される。図25のダイアログボックス800は、ディスプレイ1とディスプレイ2の2つのディスプレイのおのおのがプロセスプラント内で構成される仕方を示す。特に、ダイアログボックス800は、これらディスプレイのおのおのが用いられる場所(例えば、ディスプレイ1はArea_Aと呼ばれるプラントエリア中とMod1と呼ばれる制御モジュール中で用いられる)、それが割り当てられる物理的ステーション(例えばディスプレイ1はOpe1と呼ばれるオペレータステーションに割り当てられる)およびディスプレイが果たす役割(例えばディスプレイ 1はその用途のおのおのにおいて一次ディスプレイである)を示す。
【0151】
ディスプレイの役割はまた、任意の所望の仕方で変更可能であり、また、その役割を用いて、図形ディスプレイが割り当て可能な構成システムの部分または誰が図形ディスプレイを使用可能であるか、すなわち何の機能のために使用可能であるかを示すことが可能であることが理解されよう。図形ディスプレイを用いて、所望次第では複数の役割を果たすこともある。もちろん、上に述べたように、ユーザがエリアまたは、何らかの種類のモジュールをワークステーションや他の表示デバイスに割り当てると、そのエリアやモジュールと関連する何らかのディスプレイもまたそのワークステーションに割り当てられて、そのエリアやモジュールに対する図形サポートがそのワークステーション上で提供されることを保証するようにする。また、図形ディスプレイがワークステーションや他の表示デバイスに割り当てられると、この図形ディスプレイは、ワークステーションのサブシステムに対してその図形ディスプレイの役割、例えば、図形ディスプレイがシミュレーションディスプレイであるか、オペレータディスプレイであるかなどに基づいて割り当てられる。加えて、ユーザは図形ディスプレイを、ワークステーションの特定のサブシステム上や他の表示デバイスにドラッグアンドドロップして、役割が間違って割り当てられたら、構成システムはダイアログボックスを提示して、間違った割り当てがなされていることをユーザに対して支援したり、または、ユーザが図形ディスプレイの役割を変更したりするのを許容する。
【0152】
適切なまたは所望の割り当てを図23と24の構成エンジンと構成階層730を用いて実行したら、ユーザオペレータは図形ディスプレイの実際のダウンロードを実行し、これで、図形ディスプレイは、構成システムに定義されている目的と役割に対して構成階層730中に定義されているように、適切なオペレータワークステーションに対して実際にダウンロードされる。ダウンロードの最中、ディスプレイ中のバインディングは、エリア、ループ、制御モジュール、プロセスモジュールなど、さらに、ワークステーションや他の表示デバイスに対する割り当てに基づいて解消される。
【0153】
所望次第では、構成階層(図23に示す)の探索結果セクション708によって、ユーザは、プロセスプラントや構成システムの全体にわたって図形ディスプレイ中で用いられる任意の個々の図形ディスプレイや図形エレメントを探索することが可能である。特に、構成エンジンは探索エンジンを含むが、これは、ユーザによって契合されると、特定の図形ディスプレイや図形エレメントを探索して、この探索の結果を探索結果セクションセクション708に記憶して、いずれか特定の図形エレメントまたは図形ディスプレイのユーザの関連なリストをユーザに対して提供する。このような探索は有用であり、これで、変更中のユーザは、どの図形ディスプレイが変更する必要があるかまたはどのダウンロードがこのような変更を実施するために発生する必要があるかをビューイングすることが可能である。
【0154】
本書に記載するどのソフトウエアでも、実施されると、磁気ディスク、レーザディスクもしくは他の記憶媒体などのいずれかのコンピュータ可読メモリや、コンピュータやプロセッサなどのRAMやROM中に記憶される。同じように、このソフトウエアは、いずれかの周知のまたは所望の伝達方法を用いてプロセスプラントやオペレータワークステーションに対して、例えば、コンピュータ可読ディスクや他の輸送可能コンピュータ記憶メカニズム上でまたは電話回線、インターネット、World Wide Web、他のいずれかのローカルエリアネットワークやワイドエリアネットワークなどを介して伝達される(この伝達は、このようなソフトウエアを輸送可能記憶媒体を介して提供するのと同じまたは交換可能であるとみなされる)。さらに、このソフトウエアは変調や暗号化なしで直接に提供されたり、通信チャネル上で送信される前に適切な変調搬送波および/暗号化技法を用いて変調および/または暗号化されたりする。
【0155】
本発明を特定の例を参照して説明したが、これらは単に解説目的であり、穂名はつけ意を制限する意図はなく、本発明の精神と範囲から逸脱することなく解除の実施形態に対して変更、追加または削除がなされることが当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラントと関連するプロセスエンティティを表示デバイスによってユーザに対して目に見えるように描写するために用いられるコンピュータシステムであり、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部であり、
前記コンピュータシステムがコンピュータ可読メモリを含み、
前記コンピュータ可読メモリには、プロセッサにより実行される表示プログラムが記憶され、
前記コンピュータシステムが、
前記プロセスエンティティと関連するプロパティの値を記憶するプロパティメモリと、
前記プロセスエンティティの各々前記ユーザが見ることのできる表現である複数の可視表現であって、前記表示プログラムが前記プロセッサ上で実行されると、前記複数の可視表現の内の1つが、表示デバイス上で前記プロセスエンティティの図形表示物として表示される、前記複数の可視表現と、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記表示プログラムが実行されるときに、前記表示デバイス上で表示される前記複数の可視表現の内の1つが選択可能である、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コンピュータシステムが、前記複数の可視表現の内の1つをデフォルトの可視表現として定義する表示をさらに含む、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現が、第1の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が第2のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現がプロセスプラント内の第1の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現がプロセスプラント内の第2の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記表示プログラムが、前記表示プログラムが実行された後で前記表示デバイス中で用いる可視表現を変更することができる、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムが、互いに異なった人々によって作成された前記複数の可視表現の内の互いに異なった可視表現を記憶することができ、これによって、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が、前記複数の可視表現の内の第1の可視表現とは別の人物によって作成される、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記表示プログラムが、前記プロパティメモリに記憶されているプロパティの値に基づいて前記複数の可視表現の内の1つをアニメーション化するアニメーションルーチンをさらに含む、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記複数の可視表現の内の1つが、ユーザが、前記複数の可視表現の内の前記1つと対話することを可能とする、前記請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記機能が、ランタイム環境内の値に変更を指定することを含む、前記請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記ランタイム環境が制御ルーチンを含む、前記請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記アニメーションルーチンが、前記プロセスエンティティと関連する条件を検出して、この検出された条件を前記複数の可視表現の内の前記1つによって示す、前記請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記アニメーションルーチンが、プロセスエンティティと関連する状態を検出して、この状態を前記複数の可視表現の内の前記1つによって示す、前記請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
プロセスプラント内の1つ以上のエンティティの動作を表す図形ディスプレイを作成するために前記プロセスプラント中で用いられる図形ディスプレイエディターであり、前記図形ディスプレイエディターが、
図形プログラムのライブラリであり、前記ライブラリは、前記プロセスプラント内のプロセスエンティティの互いに異なりかつユーザが見ることのできる表現である複数の可視表現を含み、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部である、前記ライブラリと、
前記図形プログラムのライブラリからの1つ以上の図形プログラムの指示を編集カンバス上に置くことによって実行可能図形ディスプレイを定義して、前記可視表現が表示デバイス上で図形ディスプレイの実行中にユーザに対して表示されることを可能とする図形ベースのエディターカンバスルーチンであり、前記図形ベースのエディターカンバスルーチンが、前記ユーザに対して、前記図形プログラムの内の前記1つの指示が前記編集カンバス上に置かれると、前記図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記複数の異なった可視表現同士間で選ぶことを可能とする、前記図形ベースのエディターカンバスと、
を備える、図形ディスプレイエディター。
【請求項16】
前記ライブラリは、前記図形プログラムの内の前記1つと関連するプロパティをユーザが定義することを可能とするプロパティ定義カンバスルーチンと、プロパティと前記プロセスプラント内のランタイム環境との間のバインディングをユーザが指定することを可能とするバインディング定義ルーチンとをさらに備える、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項17】
前記ライブラリは、プロパティに基づいて動作する実行可能ルーチンをユーザに対して定義することを可能とするスクリプト定義ルーチンをさらに含む、前記請求項16に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項18】
前記スクリプト定義ルーチンが、前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つをアニメーション化するアニメーションルーチンと関連して動作する、前記請求項17に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項19】
前記ライブラリは、前記図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つをアニメーション化するアニメーションルーチンをユーザに対して定義することを可能とするように適用されるアニメーション定義ルーチンをさらに含む、前記請求項18に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項20】
前記アニメーションルーチンが、前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つに対して、スキュー、回転、並進およびサイズ変更の内の少なくとも1つを適用する、前記請求項19に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項21】
前記スクリプト定義ルーチンが、前記プロセスエンティティと関連する条件を検出し、かつ、前記検出された条件を変更して前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つに示すルーチンとして前記実行可能ルーチンを定義することを可能とする、前記請求項18に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項22】
前記図形プログラムの内の前記1つが、前記図形プログラムが実行されると用いられるデフォルト可視表現として前記互いに異なった複数の可視表現の内の1つを定義するプログラムを含む、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項23】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1の図形基準または規範にしたがってプロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがってプロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項24】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のスタイルにしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2の可視表現が第2のスタイルにしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項25】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2のものが第2のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項26】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現がプロセスプラント内の第1の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2のものがプロセスプラント内の第2の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項27】
前記グラフベースのエディターカンバスルーチンが、互いに異なった時点で前記図形プログラムの内の前記1つに対する前記互いに異なった複数の可視表現の内の互いに異なったものを記憶することを可能とする、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項28】
プロセスプラント内の1つ以上のプロセスエンティティ同士間の相互接続を表すために前記プロセスプラント中で用いられる図形ディスプレイであり、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理的デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部であり
前記図形ディスプレイが、
複数の図形プログラムであり、前記図形プログラムのおのおのが、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に表示画面上にプロセスエンティティのユーザが見ることのできる表現である可視表現を表示する、前記複数の図形プログラムと、
前記プロセスエンティティの内の少なくとも一つと関連するプロパティの値を記憶するプロパティメモリと、
を備え、前記複数の図形プログラムの内の1つが、プロセスエンティティの2つ以上の前記可視表現と、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に表示画面上に前記2つ以上の可視表現の内のどれを表示するかについての表示とを含む、図形ディスプレイ。
【請求項29】
前記プロパティメモリを前記プロセスプラント内のランタイム環境に拘束して、前記プロパティと関連するデータを受信するバインディングを記憶するように適用されるバインディングメモリをさらに含む、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項30】
前記複数の図形プログラムには、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に前記複数の図形プログラムの内の前記1つの前記2つ以上の可視表現の内の少なくとも1つを変更するルーチンがさらに含まれる、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項31】
前記ルーチンが、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に前記複数の図形プログラムの内の前記1つの前記2つ以上の可視表現の内の前記1つをアニメーション化するアニメーションルーチンを含む、前記請求項30に記載の図形ディスプレイ。
【請求項32】
前記2つ以上の可視表現の内のどれを表示するかについての表現をユーザが変更可能である、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項33】
前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第1の可視表現が、第1の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項34】
前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第1の可視表現が、第1のタイプの表示デバイス上で表示されるのに適した仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第2の可視表現が第2のタイプの表示デバイス上で表示されるのに適した仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項35】
前記図形プログラムが、互いに異なった時点で前記2つ以上の可視表現の内の互いに異なった可視表現にアクセスできる、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項1】
プロセスプラントと関連するプロセスエンティティを表示デバイスによってユーザに対して目に見えるように描写するために用いられるコンピュータシステムであり、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部であり、
前記コンピュータシステムがコンピュータ可読メモリを含み、
前記コンピュータ可読メモリには、プロセッサにより実行される表示プログラムが記憶され、
前記コンピュータシステムが、
前記プロセスエンティティと関連するプロパティの値を記憶するプロパティメモリと、
前記プロセスエンティティの各々前記ユーザが見ることのできる表現である複数の可視表現であって、前記表示プログラムが前記プロセッサ上で実行されると、前記複数の可視表現の内の1つが、表示デバイス上で前記プロセスエンティティの図形表示物として表示される、前記複数の可視表現と、
を含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記表示プログラムが実行されるときに、前記表示デバイス上で表示される前記複数の可視表現の内の1つが選択可能である、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コンピュータシステムが、前記複数の可視表現の内の1つをデフォルトの可視表現として定義する表示をさらに含む、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現が、第1の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が第2のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記複数の可視表現の内の第1の可視表現がプロセスプラント内の第1の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現がプロセスプラント内の第2の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記表示プログラムが、前記表示プログラムが実行された後で前記表示デバイス中で用いる可視表現を変更することができる、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記コンピュータシステムが、互いに異なった人々によって作成された前記複数の可視表現の内の互いに異なった可視表現を記憶することができ、これによって、前記複数の可視表現の内の第2の可視表現が、前記複数の可視表現の内の第1の可視表現とは別の人物によって作成される、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記表示プログラムが、前記プロパティメモリに記憶されているプロパティの値に基づいて前記複数の可視表現の内の1つをアニメーション化するアニメーションルーチンをさらに含む、前記請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記複数の可視表現の内の1つが、ユーザが、前記複数の可視表現の内の前記1つと対話することを可能とする、前記請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記機能が、ランタイム環境内の値に変更を指定することを含む、前記請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記ランタイム環境が制御ルーチンを含む、前記請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記アニメーションルーチンが、前記プロセスエンティティと関連する条件を検出して、この検出された条件を前記複数の可視表現の内の前記1つによって示す、前記請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記アニメーションルーチンが、プロセスエンティティと関連する状態を検出して、この状態を前記複数の可視表現の内の前記1つによって示す、前記請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
プロセスプラント内の1つ以上のエンティティの動作を表す図形ディスプレイを作成するために前記プロセスプラント中で用いられる図形ディスプレイエディターであり、前記図形ディスプレイエディターが、
図形プログラムのライブラリであり、前記ライブラリは、前記プロセスプラント内のプロセスエンティティの互いに異なりかつユーザが見ることのできる表現である複数の可視表現を含み、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部である、前記ライブラリと、
前記図形プログラムのライブラリからの1つ以上の図形プログラムの指示を編集カンバス上に置くことによって実行可能図形ディスプレイを定義して、前記可視表現が表示デバイス上で図形ディスプレイの実行中にユーザに対して表示されることを可能とする図形ベースのエディターカンバスルーチンであり、前記図形ベースのエディターカンバスルーチンが、前記ユーザに対して、前記図形プログラムの内の前記1つの指示が前記編集カンバス上に置かれると、前記図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記複数の異なった可視表現同士間で選ぶことを可能とする、前記図形ベースのエディターカンバスと、
を備える、図形ディスプレイエディター。
【請求項16】
前記ライブラリは、前記図形プログラムの内の前記1つと関連するプロパティをユーザが定義することを可能とするプロパティ定義カンバスルーチンと、プロパティと前記プロセスプラント内のランタイム環境との間のバインディングをユーザが指定することを可能とするバインディング定義ルーチンとをさらに備える、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項17】
前記ライブラリは、プロパティに基づいて動作する実行可能ルーチンをユーザに対して定義することを可能とするスクリプト定義ルーチンをさらに含む、前記請求項16に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項18】
前記スクリプト定義ルーチンが、前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つをアニメーション化するアニメーションルーチンと関連して動作する、前記請求項17に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項19】
前記ライブラリは、前記図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つをアニメーション化するアニメーションルーチンをユーザに対して定義することを可能とするように適用されるアニメーション定義ルーチンをさらに含む、前記請求項18に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項20】
前記アニメーションルーチンが、前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つに対して、スキュー、回転、並進およびサイズ変更の内の少なくとも1つを適用する、前記請求項19に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項21】
前記スクリプト定義ルーチンが、前記プロセスエンティティと関連する条件を検出し、かつ、前記検出された条件を変更して前記互いに異なった複数の可視表現の内の前記選ばれた1つに示すルーチンとして前記実行可能ルーチンを定義することを可能とする、前記請求項18に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項22】
前記図形プログラムの内の前記1つが、前記図形プログラムが実行されると用いられるデフォルト可視表現として前記互いに異なった複数の可視表現の内の1つを定義するプログラムを含む、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項23】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1の図形基準または規範にしたがってプロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがってプロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項24】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のスタイルにしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2の可視表現が第2のスタイルにしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項25】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現が第1のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2のものが第2のタイプの表示デバイス上で表示されるように設計された仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項26】
前記互いに異なった複数の可視表現の内の第1の可視表現がプロセスプラント内の第1の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記互いに異なった複数の可視表現の内の第2のものがプロセスプラント内の第2の機能と関連する仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項27】
前記グラフベースのエディターカンバスルーチンが、互いに異なった時点で前記図形プログラムの内の前記1つに対する前記互いに異なった複数の可視表現の内の互いに異なったものを記憶することを可能とする、前記請求項15に記載の図形ディスプレイエディター。
【請求項28】
プロセスプラント内の1つ以上のプロセスエンティティ同士間の相互接続を表すために前記プロセスプラント中で用いられる図形ディスプレイであり、当該プロセスエンティティは、物理デバイス及び論理的デバイスの少なくとも1つであり、前記論理デバイスは、プロセス制御を実行する機能ブロックであり、前記物理デバイスは、前記プロセスプラント内に配置されたセンサー又は前記プロセスプラント内に配置された装置の一部であり
前記図形ディスプレイが、
複数の図形プログラムであり、前記図形プログラムのおのおのが、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に表示画面上にプロセスエンティティのユーザが見ることのできる表現である可視表現を表示する、前記複数の図形プログラムと、
前記プロセスエンティティの内の少なくとも一つと関連するプロパティの値を記憶するプロパティメモリと、
を備え、前記複数の図形プログラムの内の1つが、プロセスエンティティの2つ以上の前記可視表現と、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に表示画面上に前記2つ以上の可視表現の内のどれを表示するかについての表示とを含む、図形ディスプレイ。
【請求項29】
前記プロパティメモリを前記プロセスプラント内のランタイム環境に拘束して、前記プロパティと関連するデータを受信するバインディングを記憶するように適用されるバインディングメモリをさらに含む、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項30】
前記複数の図形プログラムには、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に前記複数の図形プログラムの内の前記1つの前記2つ以上の可視表現の内の少なくとも1つを変更するルーチンがさらに含まれる、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項31】
前記ルーチンが、前記図形ディスプレイによる表示の実行中に前記複数の図形プログラムの内の前記1つの前記2つ以上の可視表現の内の前記1つをアニメーション化するアニメーションルーチンを含む、前記請求項30に記載の図形ディスプレイ。
【請求項32】
前記2つ以上の可視表現の内のどれを表示するかについての表現をユーザが変更可能である、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項33】
前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第1の可視表現が、第1の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第2の可視表現が、第2の図形基準または規範にしたがって前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項34】
前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第1の可視表現が、第1のタイプの表示デバイス上で表示されるのに適した仕方で前記プロセスエンティティを描写し、前記複数の図形プログラムの内の前記1つに含まれる前記2つ以上の可視表現の内の第2の可視表現が第2のタイプの表示デバイス上で表示されるのに適した仕方で前記プロセスエンティティを描写する、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【請求項35】
前記図形プログラムが、互いに異なった時点で前記2つ以上の可視表現の内の互いに異なった可視表現にアクセスできる、前記請求項28に記載の図形ディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図20D】
【図20E】
【図21A】
【図21B】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−168964(P2012−168964A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−86181(P2012−86181)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2007−511517(P2007−511517)の分割
【原出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2007−511517(P2007−511517)の分割
【原出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【出願人】(506266023)フィッシャー−ローズマウント・システムズ・インコーポレーテッド (37)
【氏名又は名称原語表記】Fisher−Rosemount Systems, Inc.
【Fターム(参考)】
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