説明

プロセッサをRFIDタグに結合するためのデバイスおよび方法

【課題】プロセッサを無線周波数識別(RFID)タグに結合するためのデバイスおよび方法を提供する。
【解決手段】プロセッサを、RFIDタグのための新しい用途を生成するRFIDタグと結合するためのデバイスおよび方法。このデバイスは、メモリを含むRFIDタグと、RFIDタグに結合しているアンテナと、アンテナと並列にRFIDタグに結合しているプロセッサとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセッサを無線周波数識別(RFID)タグに結合するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数識別(RFID)タグが、品目を識別する際に役に立つことは周知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プロセッサをRFIDタグに結合するためのデバイスおよび方法を提供することにより、他の用途にRFIDタグを適用することは望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、プロセッサを無線周波数識別(RFID)タグに結合するためのデバイスおよび方法を提供する。
【0005】
このデバイスは、メモリを含むRFIDタグと、RFIDタグに結合しているアンテナと、アンテナと並列にRFIDタグに結合しているプロセッサとを含む。
【0006】
この方法は、RFIDタグとワイヤで接続しているプロセッサにより、RFIDタグに第1の被変調信号を送信するステップと、プロセッサにより検出器を通してRFIDタグから第2の被変調信号の変調を受信するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示としてのデバイスを示すブロック図である。
【図2】デバイスのRFIDタグとプロセッサ間の例示としての通信インタフェースを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照すると、例示としてのデバイス10は、無線周波数識別(RFID)タグ12と、アンテナ14と、プロセッサ16とを含む。
【0009】
RFIDタグ12は、メモリ20と、通信回路22とを含む。例示としてのRFIDタグ12は、標準EPCglobal Generation 2プロトコルによりUHF帯で無線通信する標準EPCglobal Generation 2無線非接触RFIDタグを含むことができる。
【0010】
メモリ20は、情報を格納する。
【0011】
通信回路22は、RFIDタグ・リーダ・ライタ30を介して、コンピュータ32との間で情報を送受信することができる。通信回路22は、プロセッサ16との間で直接情報を送受信することができる。
【0012】
通信回路22は、RFIDリーダ・ライタ信号およびプロセッサ信号からエネルギーの供給を受ける。通信回路22は、RFIDタグ12に電力を供給するためにこのエネルギーを使用する。
【0013】
本発明の重要な機能は、RFIDタグ12へのデュアル通信インタフェースである。1つのインタフェースは、RFIDタグ12が通常設計される通常のインタフェースであるアンテナ14である。他のインタフェースは、プロセッサ16への有線インタフェースである。
【0014】
アンテナ14は、RFIDタグ・リーダ・ライタ30から無線で情報を送受信する。
【0015】
プロセッサ16は、RFIDタグ12と通信し、標準EPCglobal Generation 2プロトコルにより、メモリ20との間で情報の読み出しまたは書き込みを行う。
【0016】
ある例示としての実施態様においては、プロセッサ16は、搬送信号としての働きをするクロック信号を発生する。テキサス・インスツルメンツ社のRFIDタグのあるタイプの場合には、クロック周波数は約3MHzの低いクロック周波数を使用している。プロセッサ16は、クロック信号をオン/オフすることによりクロック信号を変調する。
【0017】
プロセッサ16とRFIDタグ12の間のこのタイプの通信の場合には、デバイス10は、検出器36を含むことができる。検出器36は、RFIDタグ12が生成する低周波搬送信号上の変調を検出する。
【0018】
プロセッサ16は、通信回路22とアンテナ14の間の接続部と結合している。別の方法としては、通信回路22は、二組の接続部を有することができる。第1の組はアンテナ14のためのものであり、第2の組はプロセッサ16のためのものである。
【0019】
プロセッサ16は、自身のウェークアップ回路を含むことができ、そのためプロセッサ16は、所定の時間にRFIDタグ12から情報を読み出すことができる。
【0020】
プロセッサ16は、他の条件の下でRFIDタグ12から情報を読み出すことができる。例えば、RFIDタグ・リーダ・ライタ30によりRFIDタグ12が作動した場合、またはRFIDタグ12が他の方法でオンになった場合に、情報を読み出すようにプロセッサ16に信号を送ることができる。
【0021】
プロセッサ16は、RFIDタグ12に情報を格納することができる。例えば、プロセッサ16を、とりわけ、温度センサ、光レベル・センサ、圧力センサ、作動回数センサのような1つまたは複数のセンサに結合することもできるし、また、後でのRFIDタグ・リーダ・ライタ30による問い合わせおよびコンピュータ32による使用のために、センサ・データをRFIDタグ12に格納することもできる。
【0022】
プロセッサ16は、また、RFIDタグ12内の情報を読み出すこともできる。例えば、コンピュータ32は、RFIDタグ・リーダ・ライタ30を介して、メモリ20内に格納するデータを送信することができる。プロセッサ16は、次のスケジュールしたまたは他の方法で開始したウェークアップ・サイクル中に、メモリ20に問い合わせる。プロセッサ16は、任意の数の制御機能に対してデータを使用することができる。
【0023】
プロセッサ16は、RFIDタグ12内の追加情報に対する肯定応答または要求のようなプロトコル関連の情報を読み出し、または格納することができる。
【0024】
プロセッサ16は、特殊な目的のソフトウェア、または特殊な目的のソフトウェアの実行により得られたデータを格納するために、RFIDタグ12により特殊な目的のソフトウェア・プログラムを実行することができる。
【0025】
デバイス10は、追加的に、フィルタ40と、ユーザ・インタフェース42と、電源44とを含むことができる。
【0026】
プロセッサ16が、アンテナ14をロードし、RFIDタグ・リーダ・ライタ30とRFIDタグ12との間のRF通信に悪影響を与えるのを防止するために、フィルタ40は、RF信号からプロセッサ16を隔離する。フィルタ40は、誘導性または容量性フィルタまたはこれらの組合せを含むことができる。
【0027】
オプションとしてのユーザ・インタフェース42を使用すれば、ユーザは、プロセッサ16と容易に対話を行うことができる。ユーザ・インタフェース42は、ディスプレイ、入力デバイスまたはこれらの組合せを含むことができる。
【0028】
電源44は、プロセッサ16およびユーザ・インタフェース42に電力を供給する。電源44は、バッテリーを含むことができる。
【0029】
上記のこれらの用途の他に、デバイス10を多くの他の用途に使用することができる。例えば、デバイス10を、電子機器の窃盗を防止するロックとして使用することもできる。RFIDタグ・リーダ・ライタ30は、作動コマンドを送信することによりデバイス10をロックすることができる。RFIDタグ12は、作動コマンドを受信する。プロセッサ16は、作動コマンドに応じてウェークアップし、ユーザ・インタフェース42を通して適切なキー入力がないのに機器が作動するのを防止する。
【0030】
別の方法としては、プロセッサ16は、RFIDタグ12内に格納している情報を読み出して、デバイス10またはデバイス10を装備しているものを作動するか否かを判定することができる。例えば、デバイス10は、DVDプレーヤ内に埋め込むこともできるし、情報は、デバイス10にDVD映画を再生するためにDVDプレーヤを作動するか否かを表示することができる。第1のウェークアップの後で、プロセッサ16は、RFIDタグ12の状態をチェックし、デバイス10が合法的に購入され、初期化されたものであると判定する。プロセッサ16は、デバイス10に電力を供給する。
【0031】
もう1つの例の場合には、デバイス10を、単方向または双方向通信のために使用することができる。例えば、RFIDタグ12は、メッセージを格納するためのメールボックスとして機能することができる。RFIDタグ・リーダ・ライタ30およびプロセッサ16は、メールボックスからメッセージを読み出したり、メールボックスにメッセージを書き込んだりする。
【0032】
もう1つの例の場合には、デバイス10を、電子棚ディスプレイまたは棚ロケータ・デバイスとして使用することができる。プロセッサ16は、RFIDタグ12から価格または他の情報を読み出す。プロセッサ16は、RFIDタグ12からユーザ・インタフェース42上に価格情報を表示するために、コマンドを読み出したり、または貯蔵ビンまたは他の位置でのデバイス10が棚上で関連する品目の位置の発見を容易にするために、LEDまたは他の表示手段の点滅を開始することができる。
【0033】
例えば、コンピュータ32は、キオスクを含むことができ、ユーザ・インタフェース42は、発光ダイオード(LED)を含むことができる。顧客は、キオスクで衣類のようなあるタイプおよび/またはサイズの品目を選択する。次に、キオスクは、点滅を開始するために、顧客が選択した物品に関連するRFIDタグ12をプログラムする。プロセッサ16は、次のウェークアップ時間中にRFIDタグ12に問い合わせ、RFIDタグ12が作動していることを検出し、顧客が物品のリストを通して分類を行わなくても物品を十分識別することができるある時間の間のLEDの点滅を開始する。
【0034】
図2を参照すると、検出器36は、コンデンサC2およびC3と、インダクタL1およびL2と、抵抗R2、R3およびR4と、トランジスタT1とを含むことができる。
【0035】
コンデンサC2は、直流成分がRFIDタグ12のパッドP5に流入するのを阻止する。コンデンサC2は、100pFの値を有することができる。
【0036】
抵抗R2およびR4は、トランジスタT1に対する適切な直流バイアスを確立する。プロセッサ16は、パッドP4から抵抗R2およびR4に直流電圧を供給する。抵抗R2およびR4は、10kΩの値を有することができる。
【0037】
トランジスタT1、抵抗R3およびコンデンサC3は、一緒にRFIDタグ12のパッドP5からの信号を復調し、復調した信号をプロセッサ16のパッドP3に供給する。コンデンサC3は、入力信号の立ち上がり縁部上に電荷を蓄積し、信号が低下した時にその電荷を抵抗R3を通してゆっくりと放電する。抵抗R3は、1kΩの値を有することができる。コンデンサC3は、100pFの値を有することができる。トランジスタT1は、2N3904トランジスタを含むことができる。
【0038】
例示としてのフィルタ40は、インダクタL1およびL2と、コンデンサC1と、抵抗R1とを含むことができる。インダクタL1およびL2は、100nHの値を有することができる。コンデンサC1は、470pFの値を有することができる。抵抗R1は、499Ωの値を有することができる。
【0039】
フィルタ40は、RFIDタグ12のパッドP5からの高周波信号を阻止するが、プロセッサ16のパッドP1からの低い周波数の信号(例えば、16MHz)は、RFIDタグ12のパッドP5へ通過することができる。
【0040】
今までいくつかの実施形態を特に参照しながら説明してきたが、添付の特許請求の精神および範囲から逸脱することなしに、種々の変更および修正を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリを含むRFIDタグと、
前記RFIDタグに結合しているアンテナと、
前記アンテナと並列に前記RFIDタグに結合しているプロセッサと、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記RFIDタグが、前記アンテナと前記メモリの間に結合している通信回路を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記RFIDタグと前記プロセッサの間に検出器をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記RFIDタグと前記プロセッサの間にフィルタをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記メモリからデータを読み出す、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記データが、RFIDタグ・ライタにより前記メモリ内に格納していたデータである、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記メモリ内にデータを格納する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プロセッサが、RFIDタグ・リーダによる後での問い合わせのために前記データを格納する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロセッサに結合しているセンサをさらに備え、前記プロセッサが、RFIDタグ・リーダによる後での問い合わせのために、前記メモリ内に前記センサからのデータを格納する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記プロセッサに結合しているユーザ・インタフェースをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ユーザ・インタフェースが、ディスプレイを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ユーザ・インタフェースが、入力デバイスを備える、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサに結合している電源をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記プロセッサが前記メモリから受信するデータに基づいて他のデバイスを制御する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記プロセッサが前記メモリから受信するデータに基づいて他のデバイスを作動するために、電源から電力を供給する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記メモリが、前記プロセッサと、RFIDタグ・リーダ・ライタによりメッセージを読み出したり書き込んだりするコンピュータとの間の前記メッセージを格納するためのメールボックスとして機能する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
メモリ、通信回路およびアンテナ端末を含み、前記通信回路が、第1の搬送周波数を有する第1の被変調信号を生成するRFIDタグと、
前記アンテナ端末に結合しているアンテナと、
前記第1の被変調信号の変調を検出するための検出器と、前記第1の被変調信号を阻止するためのフィルタとを含む前記アンテナ端末に結合している回路と、
前記アンテナを通してRFIDタグ・リーダ・ライタによる後での検索のために、前記メモリに第1のデータを送信し、前記メモリから前記RFIDタグ・リーダ・ライタからの第2のデータを受信するためのプロセッサであって、前記プロセッサが、前記第1のデータを受信するために前記検出器に結合しているデータ入力端末と、前記第2のデータを送信するために前記フィルタに結合するためのデータ出力端末とを含み、前記プロセッサが、前記第1の搬送周波数より低い第2の搬送周波数を有し、前記フィルタを通して前記RFIDタグに前記第2のデータと一緒に通過することができる、前記データ出力端末から第2の被変調信号を生成するプロセッサと、
を備えるデバイス。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記第2の搬送信号のためのクロック信号を生成し、前記クロック信号をオン/オフすることにより前記クロック信号を変調することにより、前記第2の被変調信号を生成する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
RFIDタグと通信するための方法であって、
前記RFIDタグとワイヤで接続しているプロセッサにより、前記RFIDタグに第1の被変調信号を送信するステップと、
前記プロセッサにより検出器を通して、前記RFIDタグから第2の被変調信号の変調を受信するステップと、
を含む方法。
【請求項20】
前記第1の被変調信号の第1の搬送周波数が、前記第2の被変調信号の第2の搬送周波数より低い、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記送信ステップが、前記第2の被変調信号を阻止するフィルタを通して、前記第1の被変調信号を送信するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の被変調信号が、前記RFIDタグに結合しているアンテナを通して、RFIDタグ・リーダ・ライタによる後での検索のために、前記メモリ内に格納している第1のデータを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の被変調信号が、前記プロセッサによる後での検索のために、前記RFIDタグに結合しているアンテナを通して、RFIDタグ・リーダ・ライタにより前記メモリ内に格納している第2のデータを含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−118051(P2010−118051A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241232(P2009−241232)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(391007161)エヌ・シー・アール・コーポレイション (85)
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
【Fターム(参考)】