説明

プロテアーゼを含有する貯蔵安定性液体洗剤または清浄剤

本発明の目的は、ホスホネート含有液体洗剤または清浄剤が有益なタンパク質分解活性を示し、さらに改善された貯蔵安定性を有するようにすることである。該目的は、配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の99位に、アミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)、あるいはアミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)、あるいはアミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含有するアミノ酸配列を含むプロテアーゼを用いることによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤および清浄剤の分野に関する。本発明は、特に、規定のプロテアーゼをホスホネートと共に含有する酵素含有洗浄(washing)剤および清浄(cleaning)剤に関し、さらに、かかる剤の使用およびかかる剤が使用される方法を提供する。本発明は、さらに、ホスホネートを含有する液体洗浄剤または清浄剤における規定のプロテアーゼの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スブチリシン(subtilisin)型のプロテアーゼの使用は、洗浄剤および清浄剤に好まれていた。先行技術において知られている洗浄剤または清浄剤において使用されるプロテアーゼは、微生物、例えば、バチルス(Bacillus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、ヒュミコラ(Humicola)属、またはシュードモナス(Pseudomonas)属に由来するか、および/または自体公知のバイオテクノロジー的方法を用いて、適当な微生物によって、例えば、バチルス属または糸状菌由来のトランスジェニック発現宿主によって産生される。
【0003】
ホスホネートは、近代の液体洗浄剤、特に、清浄剤に配合されている。それらは、例えば、沈澱を防ぐための錯化剤として、または漂白剤安定化剤として使用される。錯化剤として配合される場合、それらは例えば、軟水化に役立つ。それらは、溶液中のCa2+などのカチオンを包囲することができ、かくして、該カチオンの化学的作用を修飾することができる。カルシウムの場合、水の硬化を形成する特性が消失する。他のカチオンもまた錯化され得、かくして、化学的反応から保護され得る。それらはさらに、特に漂白剤において、腐食阻害剤として、または過酸化物の安定化剤として作用し得る。
【0004】
国際特許出願第WO 95/23221号は、洗浄剤または清浄剤における使用に適当なバチルス・レンタス(Bacillus lentus)DSM 5483由来のスブチリシン型のプロテアーゼまたはプロテアーゼ変種を開示する。これらのプロテアーゼは、また、アミノ酸置換R99E、A、SまたはGを含み得るものを包含する。さらに、該洗浄剤がホスホネート、特に、ポリホスホネートを含有し得ることが開示される。該洗浄剤は、固体であってもよく、または液体であってもよい。しかしながら、該公報は、かかるプロテーゼと共にホスホネートを必ず含有するいずれの特定の洗浄および/または清浄剤も開示しない。
【0005】
先行技術のプロテアーゼ含有液体洗浄剤および清浄剤の1つの欠点は、それらがしばしば、特に低温ではなく、例えば10℃〜50℃で、特に10℃〜40℃または20℃〜40℃で、満足のいくタンパク質分解活性を示さないこと、したがって、該洗浄剤または清浄剤が最適な清浄性能を示さないことである。先行技術のプロテアーゼ含有液体洗浄剤および清浄剤のさらなる欠点は、それらが不十分な貯蔵安定性を有し、したがって、ほんの短時間の後に相当な程度のタンパク質分解活性を喪失することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1の目的は、上記の欠点を克服し、特に上記のような温度で、有益なタンパク質分解活性を示し、さらに改善された貯蔵安定性を示す液体洗浄剤および清浄剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、または
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、または
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、および
(b)ホスホネート
を含む、液体洗剤または清浄剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
驚くべきことに、かかるプロテアーゼとホスホネートの組み合わせを含有する液体洗浄剤および清浄剤がプロテアーゼ感受性の汚れに関して有益な清浄性能を示し、さらに有利なことに貯蔵中安定であることが示された。本発明の剤の好ましい具体例は、10℃〜60℃の温度、好ましくは低温でも、例えば10℃〜50℃、10℃〜40℃または20℃〜40℃にて、少なくとも1つのプロテアーゼ感受性型の汚れに関して、有利な清浄性能を示す。したがって、本発明の剤は、織物および/または硬表面、例えば皿上の少なくとも1つの、好ましくは複数のプロテアーゼ感受性型の汚れの改善された除去を可能にする。したがって、上記の国際特許出願第WO 95/23221号について、本発明は、高性能の貯蔵安定な液体洗浄剤または液体清浄剤の達成を導く特に有益な選択に関する。
【0009】
本発明の目的のために、清浄性能は、プロテアーゼによる分解に感受性の1以上の型の汚れ、特に洗濯物の汚れまたは瀬戸物の汚れに関してライトニング(lightening)性能を意味すると理解される。かかる洗濯物の汚れの例は、特にさらに下記するような、綿上の血液−ミルク/インク、綿上の全卵/色素、綿上のチョコレート−ミルク/インク、ポリエステル/綿上の落花生油−色素/インク、綿上の草または綿上のココアである。かかる瀬戸物の汚れの例は、ミルク、ミンチ肉または卵黄である。本発明の目的のために、プロテアーゼを含む洗浄または清浄剤あるいは該剤によって形成された洗浄または清浄液および該プロテアーゼ自体の両方が各洗浄性能を示す。かくして、加水分解酵素の清浄性能は、該剤あるいは該剤によって形成された洗浄または清浄液の清浄性能に寄与する。清浄性能は、好ましくは、さらに下記のように決定される。
【0010】
洗浄または清浄液は、洗浄または清浄剤を含有する作業(working)溶液であると理解され、該溶液は、織物またはファブリック(洗浄液)あるいは硬表面(清浄液)に作用し、かくして、織物またはファブリックあるいは硬表面上に存在する汚れと接触する。洗浄または清浄液は、通常、洗浄または清浄プロセスが始まり、洗浄または清浄剤が例えば洗濯機、食器洗浄機または別の適当な容器中、水で希釈されるときに生じる。
【0011】
本発明の洗浄または清浄剤に含有される洗浄または清浄剤は、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)あるいはアミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)あるいはアミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含むアミノ酸配列を含む。より好ましくは、該アミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対し少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、非常に特に好ましくは99%同一である。配列番号1は、バチルス・レンタスDSM5483由来の成熟アルカリ性プロテアーゼの配列であり、国際特許出願第WO92/21760号(その開示は明白に引用される)に開示される。
【0012】
本発明によれば、ホスホネートを含有する液体洗浄または清浄剤へのかかるプロテアーゼの添加により、特に1〜5週、1〜4週、1.5〜3週、特に好ましくは2週間の貯蔵期間後、特にその貯蔵後の残留タンパク質分解活性に関して、特に貯蔵安定性の液体洗浄剤が得られる。
【0013】
本発明の洗浄または清浄剤に含有されるプロテアーゼは、タンパク質分解活性を示し、すなわち、ポリペプチドまたはタンパク質のペプチド結合を加水分解することができる。したがって、それは、ペプチド結合の加水分解を触媒し、かくしてペプチドまたはタンパク質を切断することができる酵素、特にスブチリシンである。
【0014】
本発明のさらなる具体例において、洗浄または清浄剤は、プロテアーゼがさらに、配列番号1の番号付けにおいて、下記のアミノ酸:
(a)3位にスレオニン(3T)、
(b)4位にイソロイシン(4I)、
(c)61位にアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
(d)154位にアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
(e)188位にプロリン(188P)、
(f)193位にメチオニン(193M)、
(g)199位にイソロイシン(199I)、
(h)211位にアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
(i)アミノ酸(a)〜(h)の組み合わせ
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0015】
したがって、プロテアーゼは、99位において示されるアミノ酸の1つの他に、上記アミノ酸の1以上を各位置に含む。これらのアミノ酸は、さらに有益な特性をもたらすことがあり、および/またはさらに既存の特性を増強しうる。特に、上記アミノ酸は、液体洗浄または清浄剤あるいは該洗浄または清浄剤によって形成された洗浄液中のプロテアーゼのタンパク質分解活性および/または安定性の増加をもたらす。かくして、ホスホネートを含有する液体洗浄または清浄剤へのかかるプロテアーゼの添加により、特に1〜5週、1〜4週、1.5〜3週、特に好ましくは2週間の貯蔵期間後、特にその貯蔵後の残留タンパク質分解活性に関して、特に貯蔵安定性の液体洗浄剤が同様に得られる。
【0016】
ここに、アミノ酸位置は、配列番号1において示されるようなバチルス・レンタス由来のプロテアーゼのアミノ酸配列を用いる、使用されるべきプロテアーゼのアミノ酸配列のアラインメントによって定義付けられる。先行技術におけるバチルス・レンタス由来のプロテアーゼは、プロテアーゼおよびアミノ酸変化を記述するために重要な参照分子を構成するので、アミノ酸位置割り当てにおいてバチルス・レンタス由来のプロテアーゼの番号付け(配列番号1)に言及することは有益である。さらに、該番号付けは、成熟タンパク質に基づく。該割り当ては、また、使用されるべきプロテアーゼのアミノ酸配列が、配列番号1にしたがうバチルス・レンタス由来のプロテアーゼよりも多数のアミノ酸残基を含む場合にも使用されるべきである。バチルス・レンタス由来のプロテアーゼのアミノ酸配列における示される位置に基づいて、本発明にしたがって使用されるべきプロテアーゼ中のアミノ酸位置は、アラインメントにおいて正確にこれらの位置に割り当てられるものである。
【0017】
したがって、99位を除けば、特に有益な位置は、配列番号1とのアラインメントにおいて、かくして配列番号1にしたがう番号付けにおいて割り当てられるべき3、4、61、154、188、193、199および211位である。下記のアミノ酸残基は、バチルス・レンタス由来のプロテアーゼの野生型分子における示される位置にある:S3、V4、G61、S154、A188、V193、V199、およびL211。アミノ酸3T、4I、61A、154D、154E、211D、211Gおよび211Eは、特に好ましく、但し、本発明にしたがって使用されるべきプロテアーゼ中の対応する位置は、これらの好ましいアミノ酸の1つによってまだ天然には採用されていない。3Tおよび4I置換は、例えば、該分子に対する安定化効果によって、該プロテアーゼの貯蔵安定性および清浄性能における改善をもたらし、かくして、該プロテアーゼを含有するホスホネート含有液体洗浄または清浄剤の改善された清浄性能をもたらす。
【0018】
各位置に提供される上記のアミノ酸のために、配列番号1が各位置に別のアミノ酸を含む場合、配列番号1からのさらなる配列のずれが生じうる。したがって、存在する配列番号1からの配列のずれの数に依存して、他の全てのアミノ酸に関して配列番号1と合致していたとしても、配列番号1において本発明にしたがって使用されるべきプロテアーゼが示しうる種々の最大同一性値が生じる。該因子は、個々のケースにおいて提案されるアミノ酸のあらゆる可能な組み合わせについて考慮されるべきであり、さらに、プロテアーゼのアミノ酸配列の長さにも依存する。例えば、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の配列変化で、最大同一性は、各々、269アミノ酸長のアミノ酸配列について、99.63%、99.26%、98.88%、98.51%、98.14%、97.77%、97.40%、97.03%または96.65%、275アミノ酸長のアミノ酸配列について、99.64%、99.27%、98.91%、98.55%、98.18%、97.82%、97.45%、97.09%または96.73%に達する。
【0019】
核酸またはアミノ酸配列の同一性は、配列比較によって決定される。かかる比較は、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列において、互いに類似の配列を割り当てることによって行う。該配列比較は、好ましくは、先行技術Altschul, S.F., Gish, W., Miller, W., Myers, E.W. & Lipman, D.J. (1990)”Basic local alignment search tool.” J. Mol. Biol. 215:403−410、およびAltschul, Stephan F., Thomas L. Madden, Alejandro A. Schaffer, Jinghui Zhang, Hheng Zhang, Webb Miller,およびDavid J. Lipman (1997):”Gapped BLAST and PSI−BLAST: a new generation of protein database search programs”; Nucleic Acids Res., 25, S.3389−3402)において確立された従来使用されるBLASTアルゴリズムに基づいて行われ、原則として、核酸またはアミノ酸配列においてヌクレオチドまたはアミノ酸の互いに類似の配列を割り当てることによって行う。問題の位置の表による割り当て(tabular assignment)がアラインメントとして知られている。先行技術において利用可能なさらなるアルゴリズムは、FASTAアルゴリズムである。配列比較(アラインメント)、特に複数の配列比較は、通常、コンピューターソフトウェアを用いて作製される。しばしば、例えばClustalシリーズ(例えば、Chennaら、(2003): Multiple sequence alignment with the Clustal series of programs. Nucleic Acid Research 31, 3497−3500参照)、T−Coffee(例えば、Notredameら、(2000): T−Coffee: A novel method for multiple sequence alignment. J. Mol. Biol. 302, 205−217参照)またはこれらのプログラムもしくはアルゴリズムに基づくプログラムが使用される。しばしば、例えば、Clustal(例えば、Chennaら、(2003): Multiple sequence alignment with the Clustal series of programs. Nucleic Acid Research 31, 3497−3500参照)、T−Coffee(例えば、Notredameら、(2000): T−Coffee: A novel method for multiple sequence alignment. J. Mol. Biol. 302, 205−217参照)およびデータベース検索のためのBLASTまたはFASTA、またはこれらのプログラムもしくはアルゴリズムに基づくプログラムが使用される。本発明の目的のために、配列比較およびアラインメントは、好ましくは、コンピュータープログラムVector NTI(登録商標)Suite 10.3(Invitrogen Corporation, 1600 Faraday Avenue, Carlsbad, California, USA)を用いて、プレセットデフォルトパラメーターを用いて行われる。
【0020】
かかる比較は、比較した配列の類似性について記述することを可能とする。それは、通常、パーセント同一性、すなわち、配列または相互に対応する位置のアラインメントにおける同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の割合で示される。より広い用語「相同性」はまた、アミノ酸配列中に保存されるアミノ酸置換(かくして、それらは、一般に、タンパク質内で類似の化学的活性を及ぼすので、類似する化学的活性を有するアミノ酸)の考察を包含する。したがって、比較した配列の類似性は、また、パーセント相同性またはパーセント類似性で示されうる。同一性および/または相同性に関する記述は、ポリペプチドまたは遺伝子全体にわたってもよく、または個々のドメインのみにわたってもよい。したがって、種々の核酸またはアミノ酸配列の相同性または同一性ドメインは、配列中の合致によって定義付けられる。かかるドメインは、しばしば、同一の機能を示す。それらは、小さい場合もあり、2、3個のヌクレオチドまたはアミノ酸のみを含む場合もある。しばしば、かかる小さなドメインは、タンパク質の全体的な活性に必須の機能を発揮する。したがって、配列合致を個々の、所望により小さなドメインにのみ関連づけることは意味がある。しかしながら、別記しないかぎり、本願における同一性または相同性に関する記述は、各ケースにおいて示される核酸またはアミノ酸配列の全長に関する。
【0021】
本発明の該主題のさらなる具体例において、洗浄または清浄剤は、プロテアーゼが上記のように、配列番号1に示されるアミノ酸配列と同一であって、配列番号1にしたがうプロテアーゼから、保存的アミノ酸モノまたはポリ置換によって得られる、または得られうるアミノ酸配列を含むことを特徴とする。「保存的アミノ酸置換」なる語は、1のアミノ酸残基の別のアミノ酸残基での置換(交換)であって、該置換が置換されたアミノ酸の位置において極性または電荷の変化をもたらさない置換(交換)、例えば、非極性アミノ酸残基の別の非極性アミノ酸残基での置換を意味する。本発明の目的のために保存的アミノ酸置換は、例えば、G=A=S、I=V=L=M、D=E、N=Q、K=R、Y=F、S=T、G=A=I=V=L=M=Y=F=W=P=S=Tを含む。
【0022】
本発明のさらなる具体例において、本発明の洗浄または清浄剤は、さらに、その清浄性能が少なくとも、配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に示されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含むプロテアーゼを含有する洗浄または清浄剤の性能に対応することを特徴とし、該清浄性能は、洗浄液1リットルあたり4.0〜8.0グラムの添加割合での洗浄剤およびプロテアーゼを含有する洗浄系において決定され、比較されるべきプロテアーゼは同一の活性で使用され、清浄性能は、1以上の汚れの型 綿上の血液−ミルク/インク、綿上の全卵/色素(全卵/煤煙)、ポリエステル/綿上の落花生油−色素/インクおよび綿上の草に対して、特に1以上の下記の汚れの型:
綿上の血液−ミルク/インク:CFT(Center For Testmaterials) B.V. Vlaardingen, Netherlandsから入手可能なプロダクト番号C−05、
綿上の全卵/色素(全卵/煤煙):wfk Testgewebe GmbH; Brueggen−Bracht, Germanyから入手可能なプロダクト番号10N、またはCFT (Centre For Testmaterials) B.V. Vlaardingen, Netherlandsから入手可能なプロダクト番号C−S−37、
ポリエステル/綿上の落花生油−色素/インク:CFT (Center For Testmaterials) B.V. Vlaardingen, Netherlandsから入手可能なプロダクト番号PC−10、
綿上の草:Eidgenoessische Material− und Pruefanstalt (EMPA) Testmaterialien AG, St. Gallen, Switzerlandから入手可能なプロダクト番号164
に対して、洗浄した織物の白さの度合いを測定することによって決定され、該洗浄工程は、少なくとも30分、所望により60分間、20℃の温度で行い、水は、15.5〜16.5°dHの硬度(ドイツ硬度)を示す。
【0023】
洗浄系のための洗浄剤は、液体洗浄剤であり、好ましくは、表1に示される組成(全ての値は重量パーセントで示される)のものである。
【0024】
【表1】

【0025】
該液体洗浄剤の好ましい添加割合は、洗浄液1リットルあたり7.0〜7.5グラム、特に洗浄液1リットルあたり7.4グラムに達する。この点において、該液体洗浄剤の重量は、その重量に詳細に関連するように決定される。洗浄は、好ましくは、pH8〜pH10.5、好ましくはpH8〜pH9のpH値で行われる。
【0026】
白さの度合い、すなわち、汚れのライトニングは、清浄性能の測定値として、好ましくは、光学的測定法を用いて、好ましくは光度計により決定される。該目的に適当な1の装置は、例えば、Minolta CM508d分光光度計である。測定に使用される装置は、通常、白色標準、好ましくは供給される白色標準を用いて事前に較正される。
【0027】
同一の活性で各プロテアーゼを用いることによって、全タンパク質に対する活性物質の比率(比活性の値)が相違する可能性のある事象においても、各酵素特性、すなわち、例えば、特定の型の汚れに対する清浄性能の比較を確実にする。一般的な法則として、低い比活性は、より多くのタンパク質の添加によってバランスを取り得る。プロテアーゼ活性を決定する方法は、酵素技術の分野における当業者によく知られており、当業者によってルーチンに使用される。例えば、かかる方法は、Tenside [Surfactants], volume 7 (1970), pp. 125−132に開示される。プロテアーゼ活性は、好ましくは、PU(プロテアーゼ単位)で示される。適当なプロテアーゼ活性は、例えば、洗浄液1mlあたり2.25、5または10PU(プロテアーゼ単位)に達する。しかしながら、プロテアーゼ活性は0に等しくならない。
【0028】
多くのプロテアーゼおよび特にスブチリシンは、「プレタンパク質」として形成され、すなわち、プロペプチドおよびシグナルペプチドを伴う。シグナルペプチドの機能は、通常、それを産生する細胞から該細胞の周囲のペリプラズムまたは培地中へプロテアーゼを輸送することを確実にすることにあり、プロペプチドは、通常、プロテアーゼの正しいホールディングに必要である。シグナルペプチドおよびプロペプチドは、概して、プレタンパク質のN末端部分である。シグナルペプチドは、シグナルペプチドによってプロテアーゼの残りの部分から自然条件下で切断される。次いで、プロテアーゼの正しい最終的なプロペプチドに補助されるホールディングが起こる。次いで、プロテアーゼは、その活性形態にあり、それ自体、プロペプチドを切断する。いったんプロペプチドが切断されれば、次いで成熟プロテアーゼ、特にスブチリシンが、もともと存在するN末端アミノ酸を用いることなくその触媒活性を発揮する。一般に工業的応用のために、特に、本発明の目的のために、成熟プロテアーゼ、すなわち、その産生後にプロセッシングを受けた酵素は、プレタンパク質よりも好ましい。プロテアーゼは、さらに、ポリペプチド鎖の産生後、それを産生する細胞によって、例えば、糖分子の結合、ホルミル化、アミノ化などによって修飾されてもよい。かかる修飾は、翻訳後修飾であり、必須ではないが、プロテアーゼの機能に対して影響を発揮しうる。
【0029】
さらに、成熟プロテアーゼは、また、そのN末端および/またはC末端で切断されていてもよく、その結果、配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に対して末端切断型のプロテアーゼ、すなわち、フラグメントが本発明の洗浄または清浄剤中に存在する。この場合、同一性の全ての記述は、各フラグメントがアラインメント配列番号1において割り当てられるドメインに関する。しかしながら、各ケースにおいて、各フラグメントは、配列番号1とのアラインメントにおける99位に割り当てられた位置を包含し、該位置において対応するアミノ酸を有する。それは、また、有利なことに、さらに上記の位置の1以上を含有し、そこに1以上の対応するアミノ酸を含む。さらに、かかるフラグメントは、タンパク質分解的に活性である。この点に関してさらに好ましいフラグメントは、99位に関して、および所望により3位および/または4位および/または61位および/または154位および/または188位および/または193位および/または199位および/または211位に関して上記のアミノ酸を考慮して、少なくとも50または少なくとも60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、265、266、267または268個の隣接するアミノ酸位置の長さにわたって配列番号1または配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に合致するアミノ酸配列を含む。かかるフラグメントを含む本発明の液体洗浄または清浄剤の清浄性能は、特に好ましくは、少なくとも、上記のように決定された配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に示されるアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を含むプロテアーゼを含有する洗浄または清浄剤の清浄性能に対応する。
【0030】
さらに、本発明の剤に含有されるプロテアーゼは、時期尚早な不活性化から保護するために、担体物質上に吸着されていてもよく、および/またはカプセル被包物質中に埋め込まれていてもよい。洗浄液中、すなわち、使用条件下、次いでプロテアーゼは遊離され、そのタンパク質分解作用を発揮することができる。
【0031】
本発明は、また、
(a)a.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列を含むプロテアーゼ;
b.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に対して、少なくとも1つの位置において修飾されたアミノ酸配列を含むプロテアーゼであって、該修飾が配列番号1の番号付けにおいて、
i.3位のスレオニン(3T)、
ii.4位のイソロイシン(4I)、
iii.61位のアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
iv.154位のアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
v.188位のプロリン(188P)、
vi.193位のメチオニン(193M)、
vii.199位のイソロイシン(199I)、
viii.211位のアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
ix.アミノ酸(i)〜(viii)の組み合わせ
からなる群から選択されるプロテアーゼ、
(b)ホスホネート
を含む液体洗浄または清浄剤を提供する。
【0032】
これらのプロテアーゼは、本発明の液体洗浄または清浄剤中で非常に特に好ましく使用される。それらは、配列番号1に基づいて、配列番号1にしたがう番号付けにおいて、99位のアミノ酸アルギニンのアミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)あるいはアミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)あるいはアミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)による置換によって得られる。これらのアミノ酸配列は、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7および配列番号8として配列表に示される。さらに、99位に提供されるアミノ酸の他に、これらのプロテアーゼは、配列番号1とのアラインメントにおいて割り当てられるべき(かくして、配列番号1にしたがう番号付けにおいて)3、4、61、154、188、193、199および211位に1以上の上記のアミノ酸を含んでいてもよい。これらのプロテアーゼの場合、これらの位置について示されるアミノ酸は、さらなる有利な特性をもたらし、および/または既存の特性をさらに増強する。特に、それらは、液体洗浄または清浄剤あるいは該洗浄または清浄剤によって形成される洗浄液中におけるプロテアーゼのタンパク質分解活性および/または安定性の増加をもたらす。したがって、上記の説明の全ては、適用可能な限りにおいて、これらの特に好ましいプロテアーゼに適用する。
【0033】
ホスホネートは、ホスホン酸の塩および有機化合物、特に、エステルである。第1(M’HPOまたはHP(O)(OH)(OM’))および第2(M’HPOまたはHP(O)(OM’))ホスホネートが塩として存在し、M’は一価の金属を示す。これらの無機ホスホネートはまた、第1または第2亜リン酸塩としても知られる。無機ホスホネートは、例えば、ホスホン酸HP(O)(OH)、特に、亜リン酸の安定な互変形態を1当量(第1)または2当量(第2)の塩基、例えば、水酸化アルカリ金属と反応させることによって生じる。
【0034】
本発明の目的のために、リン−炭素結合を含む有機P−置換ホスホネートが好ましい(有機リン化合物)。それらの一般構造は、R1P(O)(OR2)であり、R1および/またはR2=アルキル、アリールまたはH、該アルキルまたはアリール残基は、さらに置換基を含むか、またはさらなる化学基を有することができる。有機P−置換ホスホネートは、例えば、Michaelis−Arbusov反応の結果として生じる。これらのホスホネートの多くは水溶性である。いくつかの産業上重要なホスホネートは、さらに、NR−(CH2)−PO(OH)(R=アルキル、アリール、またはH)型のアミノ基を有する。これらのアミノホスホネートのいくつかは、EDTA、NTAまたはDTPAなどの錯化剤と構造類似性を有し、類似の機能を有する。
【0035】
本発明の目的のために特に好ましいホスホネートは、特に、有機ホスホネート、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP、アミノ−トリス(メチレンホスホン酸)またはニトロロトリス(メチレンホスホン酸)(NTMP)としても知られる)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMPまたはDTPNT)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)としても知られる)および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBS−AM、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸または3−カルボキシ−3−ホスホノアジピン酸としても知られる)を包含し、それらは主に、そのアンモニウムまたはアルカリ金属塩の形態で使用される。特に好ましくは、特に本発明の洗浄剤の場合、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)ナトリウムであり、および/または特に本発明の食器洗浄剤、特に自動食器洗浄剤の場合、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)である。かかるホスホネートは、例えば、商品名Dequest2066およびDequest2010(各々、Thermphos製)のもとで入手可能である。
【0036】
本発明の好ましい具体例において、洗浄または清浄剤は、ホスホネートが0.01〜 4重量%の量で存在することを特徴とする。該洗浄または清浄剤中に含有されるホスホネートのさらに好ましい量は、0.01〜3重量%、0.01〜2.5重量%、0.02〜2.4重量%、0.02〜2重量%、0.03〜1.5重量%または0.05〜1重量%である。
【0037】
プロテアーゼは、本発明の洗浄または清浄剤中、活性タンパク質に対し、好ましくは1×10−8〜5重量%の量で存在する。更に好ましくは、プロテアーゼは、該剤中、0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、またより好ましくは0.05〜4重量%、特に好ましくは0.075〜3.5重量%の量で含有される。タンパク質濃度は、既知の方法、例えば、BCA法(ビシンコニン酸;2,2’−ビキノリル−4,4’−ジカルボン酸)またはビュレット法(A.G. Gornau, C.S. Bardawill und M.M. David, J. Biol. Chem., 177 (1948), pp. 751−766)の助けで決定されうる。
【0038】
本発明のさらなる具体例において、洗浄または清浄剤は、さらに、
i.アニオンおよび/またはポリアニオン物質、および/または
ii.カチオンおよび/またはポリカチオン物質、および/または
iii.ヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基を含む物質
から選択される成分を含むことを特徴とする。
【0039】
かかる物質の添加が、特に上記のようなプロテアーゼを含有する洗浄または清浄剤、特に液体洗浄または清浄剤の、比較的低温、特に10℃〜50℃、10℃〜40℃、10℃〜30℃および/または20℃〜40℃における清浄性能をさらに改善することが注目される。
【0040】
上記iの物質は、アニオンまたはポリアニオン物質であり、すなわち、これらの物質は、少なくとも1個、好ましくはいくつかの陰性電荷を有する。該物質は、好ましくは、少なくとも1個の陰性に荷電したモノマー、好ましくは複数の陰性に荷電したモノマーとのポリマーである。本発明によると、該ポリマーは、したがって、好ましくは、陰性に荷電したポリマーである。好ましくは、例えば、有機酸またはその塩のポリマーであり、特に、ポリアクリレートおよび/またはポリサッカリド酸および/またはポリアクリレートコポリマーおよび/またはポリサッカリドコポリマーである。この点において、さらに好ましい化合物は、ポリアクリル酸スルホネートまたはポリカルボキシレートおよびその塩、コポリマーまたは該コポリマーの塩である。
【0041】
特に好ましい物質の例は、Acusol 587D(ポリアクリル酸スルホネート;Rohm & Haas/Dow Chemical)、Acusol 445N(ポリカルボキシレートナトリウム塩;Rohm & Haas/Dow Chemical)、Acusol 590(ポリアクリレートコポリマー;Rohm & Haas/Dow Chemical)、Acusol 916(ポリアクリレートナトリウム塩;Rohm & Haas/Dow Chemical)、Sokalan CP42(修飾されたポリカルボキシレートナトリウム塩;BASF)、Sokalan PA 30CL(ポリカルボキシレートナトリウム塩;BASF)、Dequest P 9000(ポリマレイン酸;Thermphos)、アルギン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、ポリ−4−スチレンスルホン酸−コ−マレイン酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド−コ−アクリル酸ナトリウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリメチルビニルエーテル−alt−マレイン酸またはポリビニルスルホン酸ナトリウム塩である。
【0042】
上記iiに示される物質は、カチオンまたはポリカチオン物質であり、すなわち、これらの物質は、少なくとも1個、好ましくはいくつかの陽性電荷を有する。該物質は、好ましくは、少なくとも1個の陽性に荷電したモノマー、好ましくは複数の陽性に荷電したモノマーとのポリマーである。本発明によると、該ポリマーは、したがって、好ましくは、陽性に荷電したポリマーである。この点において好ましい化合物の例は、ポリアミンの塩、ポリエチレンイミンまたはそのコポリマー、ポリアリルアミンの塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム化合物の塩またはポリ(アクリルアミド−コ−ジアリルジメチルアンモニウム塩化合物)である。
【0043】
上記iiiに示される物質は、少なくとも1個のヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基、好ましくは、複数のヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基を含む物質である。この点において、好ましくは、例えば、ポリビニルアルコール、例えば、商品名Mowiol(Kremer Pigmente GmbH & Co. KG)のもとで入手可能なものである。
【0044】
この点、特定の物質が1以上の上記i〜iii群に属することが明示される。例えば、それは、1以上のヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基を含むアニオン性ポリマーであってもよい。次いで、かかる物質はi群およびiii群に属する。1以上のヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基を含むカチオン性ポリマーも同様に、ii群およびiii群に関連する。
【0045】
同様に、本発明の目的のために、i、iiまたはiii群として上記に示された物質の誘導体を使用することができる。本発明の目的のために、誘導体は、上記の物質の1つに基づいて、例えば、側鎖の変換によって、または別の化合物と該物質との共有結合によって、化学的に修飾された物質であると理解される。かかる化合物は、例えば、低分子化合物、例えば、脂質またはモノ−、オリゴ−もしくはポリサッカライドまたはアミンまたはアミン化合物であってもよい。さらに、該物質は、グリコシル化、加水分解、酸化、N−メチル化、N−ホルミル化またはN−アセチル化されていてもよく、またはメチル、ホルミル、エチル、アセチル、t−ブチル、アニシル、ベンジル、トリフルオロアセチル、N−ヒドロキシスクシンイミド、t−ブチルオキシカルボニル、ベンゾイル、4−メチルベンジル、チオアニジル、チオクレシル、ベンジルオキシメチル、4−ニトロフェニル、ベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンゾイル、2−ニトロフェニルスルフェニル、4−トルエンスルホニル、ペンタフルオロフェニル、ジフェニルメチル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4,5−トリクロロフェニル、2−ブロモベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、トリフェニルメチル、または2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルを含有していてもよい。誘導体は、同様に、該物質の高分子物質への共有または非共有結合、あるいは等しく、適当な高分子ケージ構造中における非共有性の抱合を意味すると理解される。他の高分子化合物、例えば、ポリエチレングリコールとのカップリング反応もまた行われうる。さらに好ましい化学修飾は、化学基−COOH、−OH、=NH、−NH、−SHないし−COOR、−OR、−NHR、−NR2、−NHR、−NR、−SRの1以上の修飾であり、
ここに、Rは、−CH=CH−R2、−C=C−R2、−C(R2)=CH、−C(R2)=C(R3)、−CH=NR2、−C(R2)=N−R3、置換または非置換の4−7C環系、置換または非置換の4−7窒素ヘテロ環、またはR1、R2またはR3から選択される置換基を有する1〜5個の二重または三重結合を有するCないしC鎖であり、
ここに、−R1は、H、−R、−NO、−CN、ハライド置換基、−N、−C1−8アルキル、−(CH)NCOR2、−C2−8アルケニル−COR2、−O(CH)NCOR2、−C(O)NR2R3、−P(O)(OR2)、アルキル−置換されたテトラゾール−5−イル、−(CH)nO(CH)n−アリール、−NR2R3、−(CH)n−OR2、−(CH)n−SR2、−N(R2)C(O)R3、−S(O)NR2R3、−N(R2)S(O))R3、−(CHR2)n−NR2R3、−C(O)R3、(CH)n−N(R3)C(O)R3、−N(R2)CR2R3、置換または非置換の(CH)n−シクロアルキル、置換または非置換の(CH)N−フェニル、または−環であり、ここに、nは1より大きい数字であり、
−R2は、H、ハライド置換基、アルキル、ハロアルキル、−(CH)N−フェニル、−(CH)1−3−ビフェニル、−(CH)1−4−Ph−N(SO−C1−2−アルキル)、−CO(CHR1)n−OR1、−(CHR1)n−複素環、−(CHR1)n−NH−CO−R1、−(CHR1)n−NH−SOR1、−(CHR1)n−Ph−N(SO−C1−2−アルキル)、−(CHR1)n−C(O)(CHR1)−NHR1、−(CHR1)n−C(S)(CHR1)−NHR1、−(CH)nO(CH)nCH、−CF、−C−Cアシル、−(CHR1)nOH、−(CHR1)nCOR1、−(CHR1)n−O−アルキル、−(CHR1)n−O−(CH)n−O−アルキル、−(CHR1)n−S−アルキル、−(CHR1)n−S(O)−アルキル、−(CHR1)n−S(O))−アルキル、−(CHR1)n−S(O)−NHR3、−(CHR3)n−N、−(CHR3)nNHR4、1〜5個の二重結合を有するCないしC鎖状アルケン鎖、1〜5個の三重結合を有するCないしC鎖状アルキン鎖、置換または非置換の−(CHR3)n複素環、置換または非置換の飽和または不飽和−(CHR3)nシクロアルキルであり、ここに、nは1より大きい数字であり、R1およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、
−R3は、H、−OH、−CN、置換アルキル、−CないしCアルケニル、置換または非置換のシクロアルキル、−N(R1)R2、4ないし7C原子の飽和または不飽和CないしC複素環または複素二環、4ないし7C原子の飽和または不飽和複素環または複素二環からなる−NR1、−NR2、−NR1R2であり、
−R4は、H、−(CH)nOH、−C(O)OR5、−C(O)SR5、−(CH)n−C(O)NR6R7、−O−C(O)−O−R6、アミノ酸またはペプチドであり、ここに、nは0〜4の数字であり、
−R5はHであり、
−R6は、−C(R7)−(CH)n−O−C(O)−R8、−(CH)n−C(R7)−O−C(O)R8、−(CH)n−C(R7)−O−C(O)−O−R8、または−C(R7)−(CH)n−O−C(O)−O−R8であり、ここに、nは、0〜4の数字であり、
−R7およびR8は、各ケースにおいて、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、複素環、置換複素環、アルキルアリール、置換アルキルアリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、またはCHCO−アルキルであり、ここに、R7およびR8は同一であっても異なっていてもよい。
【0046】
本発明によると、さらに、i、iiまたはiiiに属すると上記で示された物質および/またはその誘導体のあらゆる可能な組み合わせを使用することができる。
【0047】
本発明の液体洗浄または清浄剤は、そのまま、または水で希釈後に、織物および/または硬表面を清浄するために使用されうる。かかる希釈溶液は、剤:水の特定の重量比率でさらなる量の水中に該剤の部分を希釈することによって容易に調製することができ、所望により、該剤の水中での均一な分散を確実にするために該希釈物を振盪する。該希釈の可能な重量または容量比率は、1:0 剤:水〜1:10000または1:20000 剤:水であり、好ましくは、1:10〜1:2000 剤:水である。
【0048】
ここに、全ての液体またはフロワブル形態が液体洗浄または清浄剤として作用しうる。「フロワブル」なる語は、本願の目的の場合、注ぎ入れることができ、また、数万mPa・sまでの粘度を示しうる剤を意味する。粘度は、通常の標準的な方法(例えば、20rpmおよび20℃、スピンドル3にてBrookfield LVT−II粘度計)を用いて測定され得、好ましくは、5〜10000mPa・sの範囲である。好ましい剤は、10〜8000mPa・sの粘度を有し、120〜3000mPa・sの値が特に好ましい。したがって、本発明の目的のために、液体洗浄または清浄剤は、ゲルまたはペーストの形態を取ってもよく、均一な溶液または懸濁液として存在していてもよく、例えば、スプレー可能な形態または他の通常の形態として処方されてもよい。洗浄剤は、考えられる全ての型の洗浄剤を包含し、特に、織物、カーペットまたは天然繊維用の洗浄剤を包含する。それらは、手洗いおよび/または機械洗いに使用するために提供されうる。洗浄剤は、さらに、織物の手洗いまたは機械洗いのために実際の洗浄剤に添加さしてさらなる効果を達成する洗浄補助剤を包含する。清浄剤は、同様に記載される全ての形態において生じる全ての剤、例えば、硬表面を清浄および/または消毒するためのもの、手洗いおよび自動食器洗浄剤、カーペットクリーナー、研磨剤、ガラスクリーナー、WCリムブロック(rimblock)などを包含する。最終的に、織物の前処理および後処理剤は、一方で、例えば頑固な汚れを部分的に溶解するために、実際の洗浄前に洗濯物と接触させる剤であり、他方で、実際の洗浄工程の下流において、洗浄したものに、気持ちのよい手触り、折り目がないこと、または低静電気などのさらに望ましい特性を与える剤である。後者の剤は、特に、リンスコンディショナーを包含する。消毒剤は、例えば、ハンド消毒剤、表面用消毒剤および道具用消毒剤があり、同様に、上記の形態で生じうる。
【0049】
本発明のさらなる好ましい具体例において、洗浄または清浄剤は、少なくとも1つのさらなる成分、特に、界面活性剤、ビルダー(builder)、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、アルコール、酸、灰色化(graying)阻害剤、光学的光沢剤、発泡阻害剤、水溶性塩、増粘剤、揮発性アルカリおよび/または塩基、親水性化(hydrophilizing)剤およびその組み合わせからなる群から選択される1つを含むことを特徴とする。
【0050】
アニオン性、非イオン性、双極性イオン性および/または両性界面活性剤を界面活性剤として用いてもよい。応用の見地から、アニオン性および非イオン性界面活性剤の混合物が好ましい。液体洗浄または清浄剤液中の総界面活性剤含量は、液体洗浄または清浄剤全体に対して、好ましくは、60重量%未満、特に好ましくは45重量%未満である。
【0051】
適当な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸アミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、酸化アミン、アルキルポリグルコシドおよびその混合物を包含する。
【0052】
アルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、好ましくは8〜18個のC原子を有し、アルコール1molあたり平均1〜12molのエチレンオキシド(E)の、特に第1級アルコール(ここに、該アルコール残基は、通常、オキソアルコール残基中に存在するように、直鎖であってもよく、または好ましくは2位にメチル側鎖があるか、あるいは直鎖およびメチル側鎖残基を混合して含有していてもよい)が非イオン性界面活性剤として好ましく用いられる。しかしながら、特に、12〜18個のC原子を有する天然起源のアルコール、例えば、ココナツ、ヤシ、獣脂またはオレイルアルコールから調製された直鎖残基を有する、アルコール1molあたり平均2〜8EOのアルコールエトキシレートが好ましい。好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EO、4EOまたは7EOを有するC12−14アルコール、7EOを有するC9−11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13−15アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12−18アルコール、およびこれらの混合物、例えば、3EOを有するC12−14アルコールと7EOを有するC12−18アルコールの混合物を包含する。示されるエトキシル化度は、整数または分数であってもよい特定の生産物に対する統計学的平均である。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布(狭い範囲のエトキシレート、NRE)を有する。これらの非イオン性界面活性剤のほかに、12EOより高いEOを有する脂肪アルコールも使用されうる。これらの例は、14EO、25EO、30EOまたは40EOを有する獣脂肪アルコールである。EOおよびPO基を1分子中に一緒に含有する非イオン性界面活性剤もまた、本発明にしたがって使用されうる。(より高級な)分枝エトキシル化脂肪アルコールおよび非分枝エトキシル化脂肪アルコールの混合物、例えば、7EOを有するC16−18脂肪アルコールおよび7EOを有する2−プロピルヘプタノールの混合物もまた、さらに適当である。特に好ましくは、洗浄、清浄または後処理剤あるいは洗浄補助剤は、7EOを有するC12−18脂肪アルコールまたは7EOを有するC13−15オキソアルコールを非イオン性界面活性剤として含有する。
【0053】
洗浄または清浄剤中の非イオン性界面活性剤の含量は、各々、洗浄または清浄剤全体に対し、好ましくは、3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、特に7〜20重量%に達する。
【0054】
非イオン性界面活性剤のほかに、洗浄または清浄剤は、また、アニオン性界面活性剤を含有してもよい。スルホネート、サルフェート、石鹸、リン酸アルキル、アニオン性シリコン界面活性剤およびその混合物がアニオン性界面活性剤として好ましく使用される。
【0055】
本明細書中で好ましいと考えられるスルホネート型の界面活性剤は、C9−13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、すなわち、アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネートおよびジスルホネートの混合物であり、例えば、末端または内部二重結合を有するC12−18モノオレフィンから、三酸化硫黄ガスを用いるスルホン化、次いでスルホン化産物のアルカリ性または酸性加水分解によって得られる。C12−18アルカンスルホネートおよびα−スルホ脂肪酸のエステル(エステルのスルホネート)、例えば、水素添加ココナツ、パーム核または獣脂肪酸のα−スルホン化メチルエステルもまた、適当である。
【0056】
好ましい硫酸アルキル(アルケニル)は、アルカリ金属であり、特に、例えば、ココナツ脂肪アルコール、獣脂肪アルコール、ラウリル、ミリスチル、セチルまたはステアリルアルコールあるいはC10−C20オキソアルコールから調製された、C12−C18脂肪アルコールの硫酸セミエステルのナトリウム塩、およびこれらの鎖長の第2級アルコールのセミエステルである。硫酸C12−C16アルキルおよび硫酸C12−C15アルキルおよび硫酸C14−C15アルキルが、その洗浄特性から好ましい。硫酸2,3−アルキルもまた、アニオン性界面活性剤として適当である。
【0057】
1〜6molのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖または分枝鎖C7−21アルコールの硫酸モノエステル、例えば、平均3.5molのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝鎖C9−11アルコールまたは1〜4EOを有するC12−18脂肪アルコールもまた、適当である。
【0058】
石鹸もまた、アニオン性界面活性剤として好ましい。飽和および不飽和脂肪酸石鹸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素添加)エルカ酸およびベヘン酸の塩、特に、天然脂肪酸、例えば、ココナツ、パーム核、オリーブ油または獣脂肪酸由来の石鹸混合物が特に適当である。
【0059】
石鹸を包含するアニオン性界面活性剤は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはアンモニウム塩の形態で存在しうる。アニオン性界面活性剤は、好ましくは、ナトリウム塩の形態で存在しうる。アニオン性界面活性剤のさらに好ましい対イオンは、また、プロトン化形態のコリン、トリエチルアミンまたはメチルエチルアミンである。
【0060】
洗浄または清浄剤のアニオン性界面活性剤含量は、各々、洗浄または清浄剤全体に対して、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、非常に特に好ましくは10〜25重量%に達しうる。
【0061】
洗浄または清浄剤中に含有されうる可能なビルダー(builder)は、特に、ケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム(特に、ゼオライト)、カルボネート、有機ジ−およびポリカルボン酸の塩およびこれらの物質の混合物である。
【0062】
洗浄または清浄剤中に存在しうる有機ビルダーは、例えば、ナトリウム塩の形態で使用可能なポリカルボン酸、1以上の酸機能を有するカルボン酸を意味すると解釈されるポリカルボン酸である。これらは、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)ならびにその誘導体および混合物である。好ましい塩は、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸およびこれらの混合物の塩である。
【0063】
さらに、ポリマーポリカルボキシレートがビルダーとして適当である。これらは、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、例えば、相対分子量600〜750000g/molのものである。
【0064】
適当なポリマーは、特にポリアクリレートであり、好ましくは、分子量1000〜15000g/molを有するポリアクリレートである。その優秀な溶解性のために、該基由来の単鎖ポリアクリレートが次いで好ましく、これらは、モル質量1000〜10000g/mol、特に好ましくは1000〜5000g/molを有する。
【0065】
また、コポリマーポリカルボキシレート、特に、アクリル酸とメタクリル酸およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸のコポリマーも適当である。水溶性を改善するために、該ポリマーは、アリルスルホン酸、例えば、アリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸をモノマーとして含有していてもよい。
【0066】
しかしながら、好ましくは、可溶性ビルダー、例えば、クエン酸、または分子量1000〜5000g/molのアクリル酸ポリマーが、液体洗浄または清浄剤に好ましく使用される。
【0067】
かかる有機ビルダー物質は、所望により、40重量%まで、特に25重量%まで、好ましくは1重量%〜8重量%の量で存在していてもよい。上記の上限に近い量が糊状または液体の特に水含有性の剤に好ましく使用される。
【0068】
特に考えられうる本発明の剤における使用に適当なペルオキシ化合物は、有機性過酸または有機酸の過酸塩、例えば、フタルイミド過カプロン酸、過安息香酸またはジペルドデカン二酸の塩、過酸化水素および洗浄条件下で過酸化水素を放出する無機塩であり、後者は、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過ケイ酸塩および/または過硫酸塩、例えば、カロエート(caroate)を包含する。剤がペルオキシ化合物を含有する場合、これらは、好ましくは、50重量%まで、特に5重量%〜30重量%の量で存在する。少量の既知の漂白剤安定化剤、例えば、ホスホン酸塩、ホウ酸塩またはメタホウ酸塩およびメタケイ酸塩およびマグネシウム塩、例えば、硫酸マグネシウムを添加することが適当でありうる。
【0069】
使用されうる漂白活性化剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個のC原子、特に2〜4個のC原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、および/または置換されていてもよい過安息香酸を生じる化合物である。適当な物質は、記載の数のC原子を有するO−および/またはN−アシル基および/または置換されていてもよいベンゾイル基を有するものである。好ましくは、ポリアシル化アルキレンジアミンであり、特に、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に、1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコルリル(glycoluril)、特に、テトラアセチルグリコルリル(TAGU)、N−アシルイミド、特に、N−ノナノニルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特に、n−ノナノニルまたはイソノナノニルオキシベンゼンスルホネート(n−またはiso−NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランおよびエノールエステルならびにアセチル化ソルビトールおよびマンニトールおよび/またはその記載の混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトースおよびアセチル化された、N−アルキル化されていてもよいグルカミンおよびグルコノラクトン、および/またはN−アシル化ラクタム、例えば、N−ベンゾイルカプロラクタムである。親水性置換アシルアセタールおよびアシルラクタムも同様に好ましく使用される。従来の漂白活性化剤の組み合わせもまた使用されうる。かかる漂白活性化剤は、特に上記過酸化水素放出漂白剤の存在下で、従来の量範囲で、剤全体に対して、好ましくは0.5重量%〜10重量%、特に1重量%〜8重量%の量で存在していてもよいが、過カルボン酸が単独の漂白剤として用いられる場合は、好ましくは全体として存在しない。
【0070】
従来の漂白活性化剤のほかに、または代わりに、スルホンイミンおよび/または漂白促進性遷移金属塩または遷移金属錯体もまた、「漂白触媒」として存在していてもよい。
【0071】
本発明の洗浄または清浄剤は、液体であり、好ましくは主要触媒として水を含有する。さらに、非水性溶媒を洗浄または清浄剤に加えてもよい。適当な非水性溶媒は、記載の濃度範囲において水混和性であるかぎり、一価または多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルを包含する。溶媒は、好ましくは、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノエチルエーテル、メトキシトリグリコール、エトキシトリグリコール、ブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジ−n−オクチルエーテルおよびこれらの溶媒の混合物から選択される。しかしながら、洗浄または清浄剤は、非水性溶媒としてポリオールを含有するのが好ましい。ポリオールは、特に、グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよび/またはジプロピレングリコールを含みうる。特に好ましくは、洗浄または清浄剤は、ポリオールおよび一価アルコールの混合物を含有する。非水性溶媒は、洗浄または清浄剤中、0.5〜15重量%、好ましくは12重量%未満の量で使用されうる。
【0072】
残りの成分を混合することによって自動的に得られない所望のpH値を確立するために、該剤は、該系に相溶性であって、環境的に適合性の酸、特に、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸および/またはアジピン酸、ならびに無機酸、特に硫酸、または塩基、特に水酸化アンモニウムまたはアルカリ金属を含有していてもよい。かかるpH調節剤は、該剤中に、好ましくは20重量%以下、特に1.2重量%〜17重量%の量で存在する。
【0073】
灰色化阻害剤は、織物繊維から分解された汚れを液中に維持する働きを有する。主に有機性の水溶性コロイドが該目的に適当であり、例えば、デンプン、サイズ(size)、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのエーテルカルボン酸またはエーテルスルホン酸の塩あるいはセルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステルの塩が適当である。酸性基を含有する水溶性ポリアミドもまた、該目的に適当である。さらに、上記以外のデンプン誘導体、例えば、アルデヒドデンプンを用いてもよい。セルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよび混合エーテル、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースおよびその混合物は、例えば、該剤に対して0.1〜5重量%の量で好ましく使用される。
【0074】
織物洗浄剤は、例えば、ジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体またはそのアルカリ金属塩を光学的光沢剤として含有していてもよいが、好ましくは色物用洗浄製品として使用するために、光学的光沢剤を含有しない。適当な化合物は、例えば、4,4’−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン2,2’−ジスルホン酸、またはモルホリノ基の代わりに、ジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2−メトキシエチルアミノ基を有する類似の構造の化合物の塩である。さらに、置換されたジフェニルスチリル型の光沢剤、例えば、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)−ジフェニル、4,4’−ビス(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ジフェニル、または4−(4−クロロスチリル)−4’−(2−スルホスチリル)−ジフェニルのアルカリ金属塩が存在していてもよい。上記の光学的光沢剤の混合物もまた、使用されうる。
【0075】
特に機械洗浄法において使用するために、発泡阻害剤を該剤に加えることが有益でありうる。適当な発泡阻害剤は、例えば、高い割合でC18−C24脂肪酸を含む天然または合成起源の石鹸である。適当な非界面活性発泡阻害剤は、例えば、オルガノポリシロキサン、および超微粒の、シラン化(silanized)されていてもよいシリカとのその混合物、ならびにパラフィン、ワックス、微結晶性ワックスおよびシラン化シリカまたはビス−脂肪酸アルキレンジアミドとのその混合物である。異なる発泡阻害剤の混合物、例えば、シリコン、パラフィンまたはワックスの混合物もまた、有益に使用される。発泡阻害剤、特に、シリコンおよび/またはパラフィンを含有する発泡阻害剤は、好ましくは、水溶性または水分散性の顆粒担体物質に結合される。ここでは、パラフィンおよびビステアリルエチレンジアミドの混合物が特に好ましい。
【0076】
本発明の剤は、さらに、例えば粘度を調整するように働く1以上の水溶性塩を含有していてもよい。該塩は、無機および/または有機性であってもよい。使用されうる無機塩は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の、アルミニウムおよび/または遷移金属の無色水溶性ハロゲン化物、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩および/または酸化物を含む群から選択され、さらにアンモニウム塩が使用されうる。アルカリ金属のハロゲン化物および硫酸塩が特に好ましく、したがって、無機塩は好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムおよびその混合物を含む群から選択される。使用されうる有機塩の例は、カルボン酸の無色水溶性アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルミニウムおよび/または遷移金属塩である。該塩は、好ましくは、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩およびその混合物を含む群から選択される。
【0077】
増粘目的のために、本発明の剤は、1以上の増粘剤を含有していてもよい。増粘剤は、好ましくは、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガー−アガー(agar−agar)、ゼラチン、ペクチン、ローカストビーン粉およびその混合物を含む群から選択される。これらの化合物は、無機塩の存在下でも、有効な増粘剤である。キサンタンガムは、高い塩濃度下でも有効に増粘し、連続的相の巨視的分離を防ぐので、特に好ましい具体例において、洗浄または清浄剤は、増粘剤としてキサンタンガムを含有する。さらに、増粘剤は、連続的な低界面活性相を安定化し、巨視的相分離を防ぐ。
【0078】
別法として、またはさらに、(メタ)アクリル酸(コ)ポリマーを増粘剤として用いてもよい。適当なアクリルおよびメタクリル(コ)ポリマーは、例えば、ポリアルケニルポリエーテル、特に、シュークロース、ペンタエリトリトールまたはプロピレンのアリルエーテルと架橋した、アクリル酸の高分子量ホモポリマー(”The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association (CTFA)”の”International Dictionary of Cosmetic Ingredients”にしたがうINCI名称:カルボマー(Carbomer))(カルボキシビニルポリマーとしても知られる)を包含する。かかるポリアクリル酸は、特に商品名PolygelおよびCarbopolのもと、入手可能である。下記のアクリル酸コポリマー、例えば、(i)例えば、商品名Aculyn、AcusolまたはTegoポリマーのもとで入手可能な、アクリル酸、メタクリル酸、および好ましくはC1−4アルカノールと形成された、その単純エステルを含む群由来の2以上のモノマーからなるコポリマー(INCI アクリレートコポリマー);(ii)例えば、商品名Carbopolのもとで入手可能な、例えば、シュークロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルと架橋された、C10−30アルキルアクリレートと、アクリル酸、メタクリル酸および、好ましくはC1−4アルカノールと形成された、その単純エステルを含む群由来の1以上のモノマーとのコポリマー(INCI アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー)を包含する架橋高分子量アクリル酸コポリマーが適当である。さらに適当なポリマーは、Sokalan型の(メタ)アクリル酸(コ)ポリマーである。
【0079】
本発明の洗浄または清浄剤は、(メタ)アクリル酸(コ)ポリマーをさらなる増粘剤、好ましくはキサンタンガムと組み合わせて含有することが好ましい場合がある。洗浄または清浄剤は、各々、洗浄または清浄剤全体に対して、0.05〜1.5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の増粘剤を含有していてもよい。ここで、使用される増粘剤の量は、増粘剤の種類および所望の増粘の程度に依存する。
【0080】
さらに、対応する剤は、揮発性アルカリを含有しうる。アンモニアおよび/またはアルカノールアミンは、1分子あたり9個までのC原子を含有していてもよく、それ自体使用される。
【0081】
アルカノールアミンのなかでも、エタノールアミンが好ましく、これらのなかでも、次に、モノエタノールアミンが好ましい。アンモニアおよび/またはアルカノールアミンの含有量は、好ましくは、0.01〜2重量%に達し、アンモニアが特に好ましく使用される。さらに、少量の塩基もまた含まれうる。好ましい塩基は、水酸化および炭酸アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群、特に水酸化アルカリ金属の群由来であり、なかでも、水酸化カリウムおよび、とりわけ、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
【0082】
対応する剤は、また、親水性化剤を含有しうる。本発明の目的の場合、これは、表面を親水性化するための剤を意味する。二酸化ケイ素が好ましくはナノ粒子形態で存在するコロイド状シリカゾルは、親水性化に適当である。本発明の目的のためのコロイド状ナノ粒子シリカゾルは、粒子サイズ1〜100nmを有するアモルファス粒子状二酸化ケイ素SiOの安定な分散物である。ここに、粒子サイズは、3〜50nm、特に好ましくは4〜40nmである。本発明の目的のための使用に適当なシリカゾルの一例は、Akzo由来の商品名Bindzil30/360のもとに入手可能な粒子サイズ9nmのシリカゾルである。さらに適当なシリカゾルは、Bindzil15/500、30/220、40/200(Akzo)、Nyacol215、830、1430、2034DIおよびNyacolDP5820、DP5480、DP5540など(Nyacol Products)、Levasil100/30、100F/30、100S/30、200/30、200F/30、300F/30、VP 4038、VP 4055(H.C. Starck/Bayer)または実際、CAB−O−SPERSE PG 001、PG 002(CAB−O−SILの水性分散,Cabot)、Quartron PL−1、PL−3(FusoChemical Co.)、Koestrosol 0830、1030、1430(Chemiewerk Bad Koestritz)である。使用されるシリカゾルは、また、アルミン酸ナトリウム(アルミナ修飾シリカ)で処理された表面修飾シリカであってもよい。
【0083】
さらに、ある種のポリマーもまた、表面の親水性化に使用されうる。適当な親水性化ポリマーは、特に、両性ポリマー、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸およびMAPTAC、DADMACまたは別のポリマー化可能な第4級アンモニウム化合物から調製されたコポリマーである。さらに、AMPS(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)とのコポリマーもまた使用されうる。ポリエーテルシロキサン、すなわち、ポリメチルシロキサンとエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドセグメントとのコポリマーは、さらに適当なポリマーである。アクリルポリマー、マレイン酸コポリマーおよびPEG(ポリエチレングリコール)単位を有するポリウレタンも同様に使用可能である。適当なポリマーは、例えば、商品名Mirapol Surf−S 100、110、200、210、400、410、A 300、A 400(Rhodia)、Tegopren 5843(Goldschmidt)、Sokalan CP 9(BASF)またはPolyquart Ampho 149(Cognis)のもと、商業上入手可能である。
【0084】
選択されるべき該剤の成分ならびに本発明にしたがって適用される条件、例えば、温度、pH値、イオン強度、酸化還元比率または機械的影響は、適用する各分野について常法により最適化される。
【0085】
従来の溶媒を含有する溶液の形態の本発明の液体またはペースト状剤は、一般に、溶解されていない物質または溶液として自動混合機中に導入されうる成分を単純に混合することによって製造される。
【0086】
本発明の洗浄または清浄剤は、記載されるプロテアーゼだけを含有していてもよい。別法では、それらは、また、該剤の効力に都合のよい濃度において、さらなる加水分解酵素または他の酵素を含有しうる。かくして、本発明は、さらに、1以上のさらなる酵素(原則として、先行技術において該目的のために確立された全ての酵素が使用されうる)をさらに含む剤を提供する。好ましく使用されうるさらなる酵素は、本発明の剤において触媒活性を示しうる全ての酵素であり、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、タンナーゼ、キシラナーゼ、キサンタナーゼ、β−グルコシダーゼ、カラギナーゼ、ペルヒドロラーゼ、オキシダーゼ、オキシドレダクターゼ、またはリパーゼ、好ましくはその混合物である。これらの酵素は、原則として、天然起源であり、天然分子から出発し、改善された変種が洗浄および清浄剤中で使用するために入手可能であり、したがって、該変種が好ましく使用される。
【0087】
本発明の剤は、好ましくは、活性タンパク質に対し、全量で1×10−8〜5重量%の酵素を含有する。該酵素は、好ましくは、本発明の剤中、0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、まだより好ましくは0.05〜4重量%、特に好ましくは0.075〜3.5重量%の量で含有され、含まれる各酵素は、おそらく、記載の量比率で存在する。該酵素は、早期の不活性化から保護するために、担体物質上に吸着されていてもよく、および/またはカプセル物質中に埋め込まれていてもよい。タンパク質濃度は、既知の方法、例えば、BCA法(ビシンコニン酸;2,2’−ビキノリル−4,4’−ジカルボン酸)またはビュレット法(A.G. Gornau, C.S. Bardawill und M.M. David, J. Biol. Chem., 177 (1948), pp. 751−766)の助けによって決定されうる。
【0088】
特に好ましくは、該酵素は、特定の汚れまたは染みに対する活性に関して相乗効果を示す。すなわち、該剤組成中に含有される酵素は、互いの清浄性能を助ける。非常に特に好ましくは、かかる相乗作用は、特に、記載のプロテアーゼとアミラーゼおよび/またはマンナーゼおよび/またはリパーゼ間を包含する本発明のプロテアーゼと本発明の剤のさらなる酵素との間に存在する。相乗効果は、異なる酵素間だけでなく、1以上の酵素と本発明の剤のさらなる成分との間にも起こりうる。
【0089】
プロテアーゼのなかでも、スブチリシン型のものが好ましい。これらの例は、スブチリシンBPN’およびCarlsberg、プロテアーゼPB92、スブチリシン147および309、バチルス・レンタス由来のアルカリ性プロテアーゼ、スブチリシンDYおよび酵素テルミターゼ、プロテイナーゼK、およびプロテアーゼTW3およびTW7であり、それらは、スブチラーゼのなかに分類されるが、より狭く定義され他場合はスブチリシンのなかに分類されない。スブチリシンCarlsbergは、さらに開発された形態において、Novozymes A/S, Bagsvaerd, Denmarkから商品名Alcalaseのもとで入手可能である。スブチリシン147および309は、Novozymesによって、商品名EsperaseまたはSavinaseのもとで流通されている。商品名BLAPのもとで販売されるプロテアーゼ変種は、バチルス・レンタスDSM 5483由来のプロテアーゼから由来する。さらに使用可能なプロテアーゼは、例えば、商品名Durazym、Relase、Everlase、Nafizym、Natalase、KannaseおよびOvozymesのもとでNovozymesから入手可能な酵素、商品名Purafect、Purafect OxP、Purafect Prime、ExcellaseおよびProperaseのもとでGenencorから入手可能な酵素、商品名ProtosolのもとでAdvanced Biochemicals Ltd., Thane, Indiaから入手可能な酵素、商品名WuxiのもとでWuxi Snyder Bioproducts Ltd., Chinaから入手可能な酵素、商品名ProleatherおよびProtease PのもとでAmano Pharmaceuticals Ltd., Nagoya, Japanから入手可能な酵素、および商品名プロテイナーゼK−16のもとでKao Corp., Tokyo, Japanから入手可能な酵素である。バチルス・ジブソニイ(Bacillus gibsonii)およびバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)由来のプロテアーゼもまた、特に好ましく使用され、これらは、国際特許出願第WO2008/086916号および第WO2007/131656号に開示されている。
【0090】
本発明にしたがって処方可能なアミラーゼの例は、バチルス・リケミフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)またはバチルス・ステアロテルモフィルス(B. stearothermophilus)由来のα−アミラーゼ、および洗浄または清浄剤における使用のために向上されたそのさらなる開発品である。バチルス・リケニフォルミス由来の酵素は、Novozymesから、商品名Termamylのもとで、およびGenencorから、商品名PurastarSTのもとで入手可能である。該α−アミラーゼのさらなる開発品は、Novozymesから、商品名DuramylおよびTermamylultraのもとで、Genencorから、商品名PurastarOxAmのもとで、およびDaiwa Seiko Inc., Tokyo, Japanから、Keistaseとして入手可能である。バチルス・アミロリケファシエンス由来のα−アミラーゼは、Novozymesによって、商品名BANの下で流通されており、バチルス・ステアロテルモフィルス由来のα−アミラーゼ由来の変種は、商品名BSGおよびNovamylのもとで、同様にNovozymesによって流通されている。
【0091】
特に注目すべきは、さらに、該目的のために、バチルス種A 7−7(DSM 12368)由来のα−アミラーゼおよびバチルス・アガラドヘレンス(B.agaradherens)(DSM 9948)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)である。さらに、国際特許出願第WO03/002711(A2)号に定義されるα−アミラーゼの配列スペースに属するデンプン分解性酵素を使用してもよく、出願第WO03/054177 A2号に記載される。記載の分子の融合産物も同様に使用されうる。
【0092】
さらに、商品名FungamylのもとでNovozymesから入手可能なアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)およびアスペルギルス・オリザエ(A. oryzae)由来のα−アミラーゼのさらなる開発品もまた、適当である。使用されうるさらなる市販品は、例えば、Amylase−LTおよびStainzymeまたはStainzyme ultraまたはStainzyme plusであり、後者は同様にNovozymesから入手可能である。点変異によって得られうるこれらの酵素の変種もまた、本発明にしたがって使用されうる。
【0093】
特に、トリグリセリド切断活性のためだけでなく、適当な前駆体からin situで過酸を生産するために含まれる本発明にしたがって処方可能なリパーゼまたはクチナーゼの例は、ヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)(テルモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus))から入手可能またはさらに開発されたリパーゼであり、特に、アミノ酸置換D96Lを有するリパーゼである。それらは、例えば、Novozymesにより、商品名Lipolase、LipolaseUltra、LipoPrime、LipozymeおよびLipexのもとで流通されている。さらに、フサリウム・ソラニ・ピシ(Fusarium solani pisi)およびヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)から当初単離されたクチナーゼもまた、例えば、使用可能である。同様に使用可能なリパーゼは、Amanoから、商品名Lipase CE、Lipase P、Lipase B、またはLipase CES、Lipase AKG、Bacillus sp. Lipase、Lipase AP、Lipase M−APおよびLipase AMLのもとで入手可能である。例えば、使用されうるGenencor由来のリパーゼまたはクチナーゼは、その最初の酵素がもともと、シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)およびフサリウム・ソラニイ(Fusarium solanii)から単離されたものである。挙げられうるさらに重要な市販品は、もともとGist−Brocadesによって流通された調製物M1 LipaseおよびLipomax、およびMeito Sangyo KK, Japanによって商品名Lipase MY−30、Lipase OFおよびLipase PLのもとで流通された酵素であり、Genencor由来の製品Lumafastであってもよい。
【0094】
洗浄または清浄剤は、さらに、意図される目的によって、純粋な酵素として、酵素調製物として、または個々の成分がその種々の性能に関して互いに有益に補足する混合物の形態で、セルラーゼを含有していてもよい。これらの性能は、特に、該剤の一次または二次的洗浄性能(再付着防止作用または灰色化阻害)に対する寄与、仕上がり(ファブリック作用)に対する寄与、および「ストーン・ウォッシュ」効果の提供に対する寄与さえも包含する。
【0095】
高いエンドグルカナーゼ(EG)含量を有する1の使用可能な真菌セルラーゼ調製物またはそのさらなる開発品は、Novozymesにより、商品名Celluzymeのもとで販売に供される。同様にNovozymesから入手可能な製品EndolaseおよびCarezymeは、ヒュミコラ・インソレンス(H.insolens)DSM 1800由来の50kD EGまたは43kD EGに基づく。該会社由来のさらに可能な市販品は、Cellusoft、RenozymeおよびCellucleanである。AB Enzymes, Finlandから、商品名EcostoneおよびBiotouchのもとで入手可能であるメラノカルプス(Melanocarpus)由来の20kD EGセルラーゼもまた、使用されうる。AB Enzymes由来のさらなる市販品は、EconaseおよびEcopulpである。さらに適当なセルラーゼは、バチルス種CBS 670.93およびCBS 669.93から入手可能であり、バチルス種CBS 670.93由来の1つは、Genencorから、商品名Puradaxのもとで入手可能である。Genencor由来のさらなる市販品
は、「Genencor detergent cellulase L」およびIndiAgeNeutraである。
【0096】
ヘミセルラーゼなる用語によって包含されるさらなる酵素は、さらに、特に問題となる汚れを除去するために使用されうる。これらは、例えば、マンナナーゼ、キサンタンリアーゼ、ペクチンリアーゼ(=ペクチナーゼ)、ペクチンエステラーゼ、ペクテートリアーゼ、キシログルカナーゼ(=キシラナーゼ)、プルラナーゼおよびβ−グルカナーゼを包含する。この点において適当なマンナナーゼは、例えば、商品名GamanaseおよびPektinex ARのもとでNovozymesから、商品名RohapecB1LのもとでAB Enzymesから、商品名PyrolaseのもとでDiversa Corp., San Diego, CA, USAから入手可能である。バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)から単離されたβ−グルカナーゼは、商品名CerefloのもとでNovozymesから入手可能である。本発明にしたがって特に好ましいヘミセルラーゼは、マンナナーゼであり、例えば、商品名Mannaway(R)のもとでNovozymesによって、またはPurabriteのもとでGenencorによって流通されている。
【0097】
漂白作用を増加させるために、本発明の剤は、また、オキシドレダクターゼ、例えば、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ(低H濃度でペルオキシダーゼとして反応する)、ペルオキシダーゼ、例えば、ハロ−、クロロ−、ブロモ−、リグニン、グルコースまたはマンガンペルオキシダーゼ、ジオキシゲナーゼまたはラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)を含有していてもよい。挙げられうる適当な市販品は、Novozymes由来のDenilite1および2であってもよい。例えば、酵素的過加水分解のために有益に使用されうる系について、出願WO 98/45398 A1、WO 2005/056782 A2およびWO 2004/058961 A1を参照のこと。オキシダーゼおよびペルヒドロラーゼを含む合わせた酵素的漂白系は、出願WO 2005/124012に記載される。また、該オキシドレダクターゼの活性を増強するために(増強剤)、または酸化酵素と汚れとの間の酸化還元電位における大きな差の事象において、電子流を確保するために(メディエーター)、有利には、化合物、好ましくは有機化合物、特に好ましくは該酵素と相互作用する芳香族化合物が添加される。
【0098】
本発明にしたがって使用される酵素は、もともと、微生物、例えば、バチルス属、ストレプトマイセス属、ヒュミコラ属またはシュードモナス属由来であり、および/または適当な微生物によって、自体公知のバイオテクノロジー法、例えば、バチルス属由来のトランスジェニック発現宿主によって、または糸状菌によって生産される。該酵素は、好ましくは、自体確立された方法、例えば、沈澱、沈降、濃縮、液体相の濾過、ミクロ濾過、限外濾過、化学的作用、脱臭またはこれらの工程の適当な組み合わせによって精製される。該酵素は、さらに、例えば発酵に由来する、付随の物質、または安定化剤と一緒に処方されてもよい。
【0099】
本発明はまた、織物または硬表面から汚れ、特にプロテアーゼ感受性の汚れを除去するための、すなわち、織物または硬表面を清浄するための、本発明の洗浄または清浄剤の使用を独立して提供する。
【0100】
これは、本発明の剤が、特に、含有されるプロテアーゼとホスホネートの組み合わせのおかげで、対応する汚れを織物または硬表面から除去するために有利に使用されうるためである。本発明の該態様の具体例は、例えば、織物または硬表面からの染みの手洗いによる手仕事での除去、または機械方法に関連する使用を包含する。
【0101】
本発明の洗浄または清浄剤に関して記載された全ての因子、態様および具体例は、また、本発明の該態様に適用可能である。したがって、この点において、対応する点における開示が明らかに参照され、それは、該開示がまた、本発明の上記の使用に適用されることを指摘している。
【0102】
本発明は、また、さらに、本発明の洗浄または清浄剤が方法の少なくとも1工程において使用される織物または硬表面を清浄するための方法を提供する。織物または硬表面を清浄するための方法は、したがって、少なくとも1つの方法工程において本発明の洗浄または清浄剤が使用されることを特徴とする。
【0103】
これらは、手仕事および機械を用いる方法の両方を包含し、例えば、使用量および曝露時間に関してより正確に調節可能なので、機械方法が好ましい。
【0104】
織物を清浄する方法は、一般に、2以上の方法工程において、清浄作用を有する種々の物質が清浄されるべき物質上に塗布され、曝露時間後、洗い去られることにおいて、または清浄されるべき物質がいくつかの他の方法で洗浄剤または該剤の溶液もしくは希釈液で処理されることにおいて区別される。同じことが、織物以外の全ての物質、特に硬表面を清浄する方法に当てはまる。いずれの考えられうる洗浄または清浄方法が、方法工程の少なくとも1つにおいて、本発明の洗浄または清浄剤の適用によって増強され得、次いで、本発明の具体例を構成する。
【0105】
本発明の洗浄または清浄剤のために記載された全ての因子、態様および具体例は、また、本発明の該態様に適用できる。したがって、この点において、対応する点における開示が明らかに参照され、それは、該開示がまた、本発明の上記の方法に適用されることを指摘している。
【0106】
1の好ましい具体例において、該方法は、ホスホネートが洗浄液中、0.00075〜0.05重量%の濃度で存在し、および/またはプロテアーゼが洗浄液中、0.0005〜0.03重量%の濃度で存在することを特徴とする。洗浄液中に存在するホスホネートのさらに好ましい濃度は、0.00075〜0.01125重量%、0.001〜0.035重量%、0.002〜0.01125重量%または0.00375〜0.0075重量%である。洗浄液中に存在するプロテアーゼのさらに好ましい濃度は、0.00075〜0.03重量%または0.00077〜0.028重量%である。
【0107】
さらに好ましい具体例において、該方法は、10℃〜60℃、10℃〜55℃、10℃〜50℃、10℃〜40℃または20℃〜40℃の温度で実施されることを特徴とする。
【0108】
本発明の剤において使用されるプロテアーゼは、上記の説明にしたがって、本発明の洗浄および清浄剤ならびに方法、特に洗浄および清浄方法において有益に使用されうる。かくして、それらは、対応する剤においてタンパク質分解活性を提供するために有益に使用されうる。
【0109】
したがって、本発明は、さらに、ホスホネートをさらに含む液体洗浄または清浄剤においてタンパク質分解活性を提供するための、
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)を含むアミノ酸配列を含み、または
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)を含むアミノ酸配列を含み、または
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含むアミノ酸配列を含む
プロテアーゼの使用を提供する。
【0110】
本発明のさらなる具体例において、該使用は、配列番号1にしたがう番号付けにおいて、プロテアーゼがさらに、下記のアミノ酸:
(a)3位にスレオニン(3T)、
(b)4位にイソロイシン(4I)、
(c)61位にアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
(d)154位にアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
(e)188位にプロリン(188P)、
(f)193位にメチオニン(193M)、
(g)199位にイソロイシン(199I)、
(h)211位にアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
(i)アミノ酸(a)〜(h)の組み合わせ
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0111】
本発明は、さらに、ホスホネートをさらに含む液体洗浄または清浄剤においてタンパク質分解活性を提供するための、
a.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列を含むプロテアーゼ;
b.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に対して、少なくとも1つの位置において修飾されたアミノ酸配列を含むプロテアーゼであって、該修飾が配列番号1の番号付けにおいて、
i.3位のスレオニン(3T)、
ii.4位のイソロイシン(4I)、
iii.61位のアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
iv.154位のアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
v.188位のプロリン(188P)、
vi.193位のメチオニン(193M)、
vii.199位のイソロイシン(199I)、
viii.211位のアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
ix.アミノ酸(i)〜(viii)の組み合わせ
からなる群から選択されるプロテアーゼ
からなる群から選択されるプロテアーゼの使用を提供する。
【0112】
本発明の洗浄または清浄剤に関して記載された全ての因子、態様および具体例は、また、記載される使用に適用可能である。したがって、この点において、対応する点における開示が明らかに参照され、それは、該開示がまた、本発明の上記の使用に適用されることを指摘している。
【実施例】
【0113】
分子生物学的手法は全て、例えば、Fritsch, SambrookおよびManiatis ”Molecular cloning: a laboratory manual”, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989によるマニュアルまたは比較関連研究において示されるような標準方法にしたがう。酵素およびキットは、各製造者によって示されるように使用された。
【0114】
実施例1
本発明の液体洗浄剤の清浄性能の決定
該実施例の場合、EMPA Testmaterialien AG(St. Gallen, Switzerland)、wfk Testgewebe GmbH(Brueggen−Bracht, Germany)またはCenter For Testmaterials(CFT, Vlaardingen, Netherlands)から入手された標準的汚れを有する織物を用いた。下記の汚れおよび織物を用いた。
A:綿上の草:Eidgenoessische Material− und Pruefanstalt(EMPA) Testmaterialien AG, St. Gallen, Switzerland由来のプロダクト番号164。
B:ポリエステル/綿上の落花生油−染料/インク:CFT(Center For Testmaterials) B.V. Vlaardingen, Netherlands由来のプロダクト番号PC−10。
C:wfk Testgewebe GmbH; Brueggen−Bracht, Germany由来の綿上の全卵/染料(全卵/煤煙):プロダクト番号10N。
D:CFT(Center For Testmaterials) B.V. Vlaardingen, Netherlandsから入手可能な綿上の血液−ミルク/インク:プロダクト番号C−05。
【0115】
該試験材料を用いて、種々の洗浄剤をその清浄性能について調べた。該目的のために、該処方は、40℃または20℃にて60分間洗浄された。添加率は、洗浄液1リットル当たり洗浄剤7.4グラムであった。硬度が約16°dH(ドイツ硬度)の主要水(main water)を用いて洗浄を行った。上記表1に示される洗浄剤ベース処方を洗浄剤として用いた。
【0116】
該洗浄剤ベース処方は、種々の一連の試験のために、同一活性にて、下記のプロテアーゼ、すなわち、配列番号2のアミノ酸配列を含むプロテアーゼ(処方1)、WO 95/23221にしたがうバチルス・レンタス由来のプロテアーゼの性能増強変種F49(処方2)および国際公開特許出願WO03/057713の図2または配列番号3に開示されるプロテアーゼ(処方3)と組み合わされた(最終濃度5PU/ml)。
【0117】
洗浄後、洗浄された織物の白さの度合いを測定した。測定は、Minolta CM508d分光光度計(illuminant D65, 10°)を用いて実施した。該装置は、供給された白さ標準を用いて予め較正された。得られた結果は、プロテアーゼを含有する洗浄剤を用いる洗浄工程と、プロテアーゼを含有しない洗浄剤を用いて実施されたパラレルな対照洗浄操作との間の差次的な反射値である。結果を下記の表2に示し、該結果により、各場合における含有される酵素の、使用される剤の清浄性能への寄与に関して、直接的な結論が引き出される。
【表2】

【0118】
本発明の洗浄剤が非常に良好な清浄性能を示すことが明らかであり、実際に、ほとんどの種類の汚れに対して、処方2および3の洗浄剤よりも良好な清浄性能を示す。
【0119】
実施例2
本発明の液体自動食器洗浄剤の清浄性能の決定
硬い滑らかな表面を有する容器に、標準化された方法において、各汚れを供し、従来の市販の家庭用食器洗浄機を用いて40℃および50℃で洗浄した。各洗浄サイクルは、液体またはゲル形態の従来の市販の2.4重量%ホスホネート(HEDP)を含有する自動食器洗浄剤30mlを用いて行った。洗浄は、硬度が約21° dH(ドイツ硬度)である主要水を用いて行った。使用されたプロテアーゼは、Savinase ultra 16L(Novozymes,処方1)および配列番号2のアミノ酸配列を含む本発明のプロテアーゼ(処方2)であった。該プロテアーゼは、酵素タンパク質に対して同一の重量で使用された(清浄剤30mlあたり、0.68g Savinase ultra 16Lまたは同一重量の本発明のプロテアーゼの酵素タンパク質)。
【0120】
洗浄後、汚れの除去は、重量測定によって(卵黄)または視覚によって(さらに、表3の汚れ)決定された。重量測定による決定は、汚れた容器の重量と洗浄した容器(卵黄を除去した)の重量との間の差を決定することによって行い、該差は、下記の式にしたがって、もともと塗られた卵黄の量に関連する:%清浄性能=(除去された卵黄mg/塗られた卵黄mg)×100。視覚的決定は、経験のある査定者がパーセンテージスケールに対して、汚れ除去を視覚的にランク付けすることによって行われた。結果を下記の表3に示し、該結果により、各場合における含有される酵素の、使用される剤の清浄性能への寄与に関して、直接的な結論が引き出される。
【表3】

【0121】
本発明の液体自動食器洗浄剤が非常に良好な清浄性能を示すことは明らかであり、実際、特に卵黄の汚れに対して、処方1の食器洗浄剤よりも明確に良好である。
【0122】
実施例3
本発明の液体洗浄剤の貯蔵安定性の決定
実施例1の処方1および2の洗浄剤を貯蔵安定性について試験した。この目的を達成するために、該洗浄剤を各ケースにおいて、30℃で記載の期間保管し、基質からのクロモフォアパラ−ニトロアニリン(PNA)の遊離に基づいて、各々の残留タンパク質分解活性を決定した。該基質は、suc−L−Ala−L−Ala−L−Pro−L−Phe−p−ニトロアニリド(suc−AAPF−pNA)である。プロテアーゼは、基質を分解し、pNAを遊離する。PNAの遊離は、410nmの吸光度の増加をもたらし、その時間プロフィールは、酵素活性の測定値である(Del Marら、1979参照)。該測定は、25℃の温度にて、pH8.6および波長410nmにて行われた。測定時間は、測定間隔20秒〜60秒にて5分であった。得られた残留活性値を下記の表4に示す。
【表4】

【0123】
処方2の洗浄剤と比べて、本発明の洗浄剤が明確に改善された貯蔵安定性を示すことは明らかである。本発明の洗浄剤は、1週間後に151%高い、2週間後に211%高いタンパク質分解活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、または
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、または
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位にアミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含むアミノ酸配列を含むプロテアーゼ、および
(b)ホスホネート
を含む、液体洗剤または清浄剤。
【請求項2】
配列番号1の番号付けにおいて、プロテアーゼがさらに、下記のアミノ酸:
(a)3位にスレオニン(3T)、
(b)4位にイソロイシン(4I)、
(c)61位にアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
(d)154位にアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
(e)188位にプロリン(188P)、
(f)193位にメチオニン(193M)、
(g)199位にイソロイシン(199I)、
(h)211位にアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
(i)アミノ酸(a)〜(h)の組み合わせ
のうち少なくとも1つを含む、請求項1記載の洗剤または清浄剤。
【請求項3】
(b)a.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列を含むプロテアーゼ;
b.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に対して、少なくとも1つの位置において修飾されたアミノ酸配列を含むプロテアーゼであって、該修飾が配列番号1の番号付けにおいて、
i.3位のスレオニン(3T)、
ii.4位のイソロイシン(4I)、
iii.61位のアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
iv.154位のアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
v.188位のプロリン(188P)、
vi.193位のメチオニン(193M)、
vii.199位のイソロイシン(199I)、
viii.211位のアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
ix.アミノ酸(i)〜(viii)の組み合わせ
からなる群から選択される、プロテアーゼ、
(c)ホスホネート
を含む、液体洗剤または清浄剤。
【請求項4】
ホスホネートが、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMPまたはDTPNT)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBS−AM)およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤。
【請求項5】
活性タンパク質に対して、ホスホネートが0.01〜4重量%の量で存在し、および/またはプロテアーゼが1×10−8〜5重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤。
【請求項6】
さらに、
i.アニオンおよび/またはポリアニオン物質、および/または
ii.カチオンおよび/またはポリカチオン物質、および/または
iii.ヒドロキシルおよび/またはポリヒドロキシル基を含む物質
から選択される成分を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤。
【請求項7】
少なくとも1つのさらなる成分、特に、界面活性剤、ビルダー、ペルオキシ化合物、漂白活性化剤、アルコール、酸、灰色化阻害剤、光学的光沢剤、発泡阻害剤、水溶性塩、増粘剤、揮発性アルカリおよび/または塩基、親水性化剤およびその組み合わせからなる群から選択される1つを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤。
【請求項8】
少なくとも1つのさらなる酵素、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、タンナーゼ、キシラーゼ、キサンタナーゼ、β−グルコシダーゼ、カラギナーゼ、ペルヒドロラーゼ、オキシダーゼ、オキシドレダクターゼまたはリパーゼ、好ましくはその混合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤。
【請求項9】
織物または硬表面からプロテアーゼ感受性の汚れを除去するための、請求項1〜8のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤の使用。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項記載の洗剤または清浄剤を少なくとも1方法工程において使用する、織物または硬表面を清浄する方法。
【請求項11】
ホスホネートが洗浄液中、0.00075〜0.05重量%の濃度で存在し、および/またはプロテアーゼが洗浄液中、0.0005〜0.03重量%の濃度で存在する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
10℃〜60℃の温度で実施される、請求項10または請求項11記載の方法。
【請求項13】
ホスホネートをさらに含む液体洗浄剤または清浄剤においてタンパク質分解活性を提供するための、
(a1)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸グルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)を含むアミノ酸配列を含み、または
(a2)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸アスパラギン(N)またはグルタミン(Q)を含むアミノ酸配列を含み、または
(a3)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一であって、配列番号1の番号付けにおいて99位に、アミノ酸アラニン(A)またはグリシン(G)またはセリン(S)を含むアミノ酸配列を含む
プロテアーゼの使用。
【請求項14】
配列番号1の番号付けにおいて、プロテアーゼがさらに、下記のアミノ酸:
(a)3位にスレオニン(3T)、
(b)4位にイソロイシン(4I)、
(c)61位にアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
(d)154位にアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
(e)188位にプロリン(188P)、
(f)193位にメチオニン(193M)、
(g)199位にイソロイシン(199I)、
(h)211位にアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
(i)アミノ酸(a)〜(h)の組み合わせ
のうち少なくとも1つを含む、請求項13記載の使用。
【請求項15】
ホスホネートをさらに含む液体洗浄剤または清浄剤においてタンパク質分解活性を提供するための、
a.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8のアミノ酸配列を含むプロテアーゼ;
b.配列番号2または配列番号3または配列番号4または配列番号5または配列番号6または配列番号7または配列番号8に対して、少なくとも1つの位置において修飾されたアミノ酸配列を含むプロテアーゼであって、該修飾が配列番号1の番号付けにおいて、
i.3位のスレオニン(3T)、
ii.4位のイソロイシン(4I)、
iii.61位のアラニン、スレオニンまたはアルギニン(61A、61Tまたは61R)、
iv.154位のアスパラギン酸またはグルタミン酸(154Dまたは154E)、
v.188位のプロリン(188P)、
vi.193位のメチオニン(193M)、
vii.199位のイソロイシン(199I)、
viii.211位のアスパラギン酸、グルタミン酸またはグリシン(211D、211Eまたは211G)、
ix.アミノ酸(i)〜(viii)の組み合わせ
からなる群から選択されるプロテアーゼ
からなる群から選択されるプロテアーゼの使用。

【公表番号】特表2013−504676(P2013−504676A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529258(P2012−529258)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/063556
【国際公開番号】WO2011/032988
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】