説明

プロテアーゼインヒビターとして有用な4−ヒドロキシ−2−オキソ−ピラン誘導体の製法

【課題】HIVウイルスに感染したヒトを治療するのに有用なプロテアーゼインヒビターを調製するための新規な製法および新規な中間体の提供。
【解決手段】HIVウイルスに感染したヒトを治療するのに有用な阻害剤である、[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX):


(XIX)を調製するための新規な製法および新規な中間体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、HIVウイルスに感染したヒトを治療するのに有用なプロテアーゼインヒビターである[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX)を調製するための新規な製法および新規な中間体である。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の記載)
[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX)は、国際公開WO95/30670およびWO94/11361に記載されたプロセスによって製造できる。J. Med. Chem.、39(22)、4349(1996)は、ラセミ体形態以外の環状エステル(VI)を開示する。また、この文書は、環状エステル(VI)のプロテアーゼインヒビター(XIX)への転化を開示するが、異なる合成経路による。
J. Am. Chem. Soc.、111、3627(1997)は、アミノ化合物(XVIII)を開示する。
【0003】
Tetrahedron Letters、34(2)、277-280(1993) は、式(VI)および(CVI)のそれと類似する環へβ-ヒドロキシカルボニル化合物を転化する方法を開示する。先行技術のβ-ヒドロキシカルボニル化合物は、第2級アルコールであり、本発明のそれは第3級アルコールである。さらに、その工程は、本発明の第3級アルコール(IV)および(CIV)に対して実施可能でないTetrahedron Lettersの工程とは完全に異なる。
J. Med. Chem.、39(23)、4630-4642(1996)は、関連しない方法によって、本発明とは異なる出発物質からのラセミ体以外の式(VI)および(CVI)のそれと類似する化合物の製法を開示する。
国際公開WO95/14012は、ラセミ体形態以外の本発明の環状化合物(VI)、(XVII)および(XXV)に類似する環状化合物を特許請求している。本発明の製法は、光学的に純粋な形態のこれらの化合物を得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸(IV)およびその医薬上許容される塩を開示する。
また、(6R)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オンを開示する。
さらに、[3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[1-(3-ニトロフェニル)プロピル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVII)を開示する。
加えて、3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸(S)-メチルを開示する。
また、[3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[(Z)-1-(3-ニトロフェニル)プロペニル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オンを開示する。
【0005】
また、(1)式(CIV):
【0006】
【化1】

(CIV)
の塩と酸とを接触させて遊離酸を得、
(2)反応混合物から遊離酸を抽出し、
(3)該遊離酸と活性化剤とを接触させ、
(4)遊離酸/活性化剤の反応混合物と、マロン酸モノエステルおよび二価の金属とを接触させ、
(5)工程(4)の反応混合物と酸とを接触させ、
(6)C1−C4アルコール、THFまたはDMFの存在下、工程(5)の反応混合物と塩基とを接触させることを特徴とする、
式(CVI):
【0007】
【化2】

(CVI)
[式中、R1は:
1−C6アルキル、
シクロヘキシル、
フェニル、
-CH2-CH2-φR1-1、ここに、R1-1は、
-OH(およびその保護形態)、
-NH2(およびその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
ここに、R2は:
1−C6アルキル、
シクロヘキシル、
フェニル、
-CH2-CH2-φR2-1、ここに、R2-1は:
-OH(およびその保護形態)、
-NH2(およびその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
のヒドロキシラクトンの製法を開示する。
さらに、(1)式(CIV):
【0008】
【化3】

(CIV)


のアニオンまたはその遊離酸形態と活性化剤とを接触させ、
(2) 遊離酸/活性化剤の反応混合物と、マロン酸モノエステルおよび二価の金属とを接触させ、
(3)工程(4)の反応混合物と酸とを接触させ、
(4)C1−C4アルコール、THFまたはDMFの存在下、工程(5)の反応混合物と塩基とを接触させることを含むことを特徴とする、
式(CVI):
【0009】
【化4】

(CVI)
[式中、R1は:
1−C6アルキル、
シクロヘキシル、
フェニル、
-CH2-CH2-φR1-1、ここに、R1-1は、
-OH(およびその保護形態)、
-NH2(およびその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
ここに、R2は:
1−C6アルキル、
シクロヘキシル、
フェニル、
-CH2-CH2-φR2-1、ここに、R2-1は:
-OH(およびその保護形態)、
-NH2(およびその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
のヒドロキシラクトンの製法を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な記載)
本発明は、プロテアーゼインヒビターであることが知られており、HIVに感染したヒトを治療するのに有用である[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX)を調製するための新規な中間体での新規な製法である。
【0011】
反応図式Aは、該ケトン(I)の、対応するケト-エステル(II)、対応する酸(III)、対応する塩(IV)、対応するケト-アルコール(V)および最後に対応する環状エステル(VI)への変換を開示する(実施例1ないし4および好ましい方法、実施例18参照)。
反応図式Bは、4-クロロチオフェノール(VII)の、対応するクロロエーテル(VIII)、対応するビフェニル化合物(IX)への変換を開示する(実施例5および6も参照)。
反応図式Cは、ビフェニル化合物(IX)と該塩とを縮合して、エステルエーテル(X)を得、次いで、対応するアルコール(XI)および対応するアルデヒド(XII)へのエステルエーテル(X)の変換を開示する。また、光学的に純粋なニトロエステル(XIII)と該アルデヒド(XII)とをカップリングさせて、対応するニトロエーテル(XIV)を得ることを開示する(また、実施例7ないし10参照)。
【0012】
反応図式Dは、ニトロエーテル(XIV)の、対応するニトロケトン(XV)、対応するニトロアルコール(XVI)、対応するニトロ-α,β-不飽和エステル(XVII)、対応するアミノ化合物(XVIII)および対応するプロテアーゼインヒビター(XIX)への変換を開示する(実施例11ないし15参照)。
反応図式Eは、反応図式Cで用いられる光学的に純粋なニトロエステル(XIII)の調製を開示する。反応図式Eは、ラセミ1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XX)を光学的に分割して、対応する光学的に純粋な1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XXI)を得、次いで、対応するメチルスルホン酸塩(XXII)、対応するジエステル(XXIII)、対応するニトロ酸(XXIV)および対応する光学的に純粋なニトロエステル(XIII)へのその変換を開示する(調製例1〜5も参照)。
【0013】
反応図式Fは、対応するニトロ-α,β-不飽和エステル(XVII)への環状エステル(VI)の変換について別法の好ましい経路を開示する。該環状エステル(VI)は、それに付加されたm-ニトロフェニルを有して、6(R)-オレフィン(XXV)になり(実施例16参照)、それが適当な触媒で水素化されて還元化合物であるニトロ-α,β-不飽和エステル(XVII)を得る(実施例17参照)。次いで、該ニトロ-α,β-不飽和エステル(XVII)は、前記のごときプロテアーゼインヒビター(XIX)に変換される。
【0014】
反応図式Gは、式(CVI)の光学的に純粋なヒドロキシラクトンの製法を開示する。式(CIV)の塩の式(CVI)のヒドロキシラクトンへの変換についてのプロセスは、実施例1ないし4および18の通りである。出発物質(CI)のヒドロキシル基およびアミノ基は、当業者によく知られているように保護できる。これらの保護基は、続いてのプロセス工程において、当業者によく知られた手段によって種々の位置で除去でき、またはそれらを除去して所望の生成物を得るであろう生成物まで続行される。光学的に純粋な(CIV)を得る多数の方法があることは当業者には明らかである。光学的に純粋な(CIV)を得る実施例3の分割をどのように行うかは重要でない。本明細書中の発明は、光学的に純粋な(CIV)の光学的に純粋な(CVI)への転化である。
【0015】
酸(III)は、十分な強度の塩基と反応すると、塩基付加塩を形成する。医薬上許容される塩は、無機および有機塩基を共に含む。医薬上許容される塩は、より水溶性でより結晶性である化合物を生じるので、遊離酸以上に好ましい。好ましい医薬上許容される塩は、以下の塩基を含む。例えば、水酸化物、アンモニア、トロメタミン(THAM)、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、(1R,2S)-ノルエフェドリン、(1S,2R)-ノルエフェドリン、(R)-2-アミノ-2-フェニルエタノール、(S)-2-アミノ-2-フェニルエタノール、(R)-1-フェニルエチルアミンおよび(S)-1-フェニルエチルアミン。該塩は、(1R,2S)-ノルエフェドリン塩であることが好ましい。
【0016】
実施例15の化合物である[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX)(COMPOUND)は、HIVに感染したヒトを治療するのに有用であることが知られている。国際公開WO95/30670およびWO94/11361参照。このCOMPOUNDは、レトロウイルスプロテアーゼを阻害し、かくして、ウイルスの複製を阻害する。本発明の化合物は、ヒト・レトロウイルスプロテアーゼを阻害するのに有用である。該COMPOUNDは、後天性免疫不全症候群(AIDS)および/または関連疾患を生じるヒト免疫不全ウイルス(HIV-1株またはHIV-2株)またはヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-IまたはHTLV-II)のごときヒト・レトロウイルスに感染したヒト患者を治療するのに有用である。
【0017】
治療すべき患者は、(1)血清中に測定可能なウイルス抗原または抗体のいずれかの存在によって測定されるごときヒト・レトロウイルスの1以上の株に感染した個人、(2)HIVの場合に、(a)散在性ヒストプラズマ症(b)イソソライアシス(isopsoriasis)、(c)カリニ肺炎を含めた気管支および肺カンジダ症、(d)非ホジキンリンパ腫または(e) カポジ肉腫のごとき無症候性HIV感染または症候性AIDSのいずれかをし、かつ、60歳未満である個人;または末梢血中に500/mm3未満のCD4+リンパ球を有する個人であろう。治療は、患者において、常にこの発明による化合物の阻害レベルを維持することよりなるであろう。
【0018】
本発明のCOMPOUNDは、後天性免疫不全症候群(AIDS)および関連疾患を生じるヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者を治療するのに有用である。この適応症では、これらの化合物は、経口的、経鼻的、経皮的、皮下的および非経口的(筋肉内および静脈内を含む)経路によって、1日当り0.1mgないし100mg/kg体重の用量で投与できる。CCCを経口投与することが望ましい。
当業者ならば、該COMPOUNDを適当な医薬投与形態に製剤する方法を知っているであろう。投薬形態の例は、錠剤またはカプセル、または無菌液剤のごとき非経口製剤を含む。
【0019】
本発明の化合物は経口投与される場合、有効量は1日当り約0.1mgないし約100mg/kg体重である。有効量は1日当り約10mgないし約100mg/kg体重であるのが好ましい。有効量は1日当り約30mgないし約90mg/kg体重であるのがより好ましい。該CCCは、1日2ないし5回、より好ましくは、1日3回で投与されるのが好ましい。用量は約2,700mg/日ないし約4,500mg/日であることが好ましい。
固体または流体投薬形態のいずれも経口投与のために調製できる。該CCCが固体投薬形態、より好ましくは、カプセルとして与えられるのが好ましい。
【0020】
本発明の化合物は非経口的に投与されると、注射または静脈内注入によって与えることができる。有効量は、1日当り約0.1mgないし100mg/kg体重である。非経口的液剤は、適当な密閉可能なバイアルまたはアンプルに入れる前に、この発明の化合物は水溶性ビヒクルに溶かし、該溶液を濾過滅菌して調製される。非経口懸濁剤は、滅菌懸濁ビヒクルを用いた以外は実質的に同一な方法で調製し、本発明の化合物をビヒクルに懸濁する前に、エチレンオキシドまたは適当なガスで滅菌する。
投与の正確な経路、用量または投与回数は、当業者によって容易に決定され、治療を受けるべき患者の具体的な年齢、一般的身体状況および/または他の臨床的症状に依存する。
【0021】
(定義および約束)
以下の定義および説明は、明細書および特許請求の範囲の双方に含まれる全文書を通して用いられる用語についてである。
【0022】
(定義)
全ての温度は摂氏である。
「TLC」とは、薄層クロマトグラフィーをいう。
「HPLC」とは、高圧液体クロマトグラフィー;4.6×250mm Zorbax C-8カラム、移動相A = メタノール、移動相B = 酢酸でpH 4.0の水中6.5g t-ブチルアンモニウムヒドロキシド、20分間わたる65/35 A/Bないし70/30 A/Bの勾配、次いで5分間のイソクラティックの70/30 A/B、次いで20分間わたる90/10 A/B;流速は、1.0ml/分;254nmでのUV検出をいう。
「THF」とは、テトラヒドロフランをいう。
「DMF」とは、ジメチルホルムアミドをいう。
「MTBE」とは、メチル t-ブチルエーテルをいう。
「DMSO」とは、ジメチルスルホキシドをいう。
「セーライン」とは、飽和塩化ナトリウム水溶液をいう。
「クロマトグラフィー(カラムおよびフラッシュクロマトグラフィー)」とは、(支持体、溶離剤)として表される化合物の精製/分離をいう。適当な画分は、プールし濃縮して所望の化合物を得るということが理解されている。
「CMR」とは、C−13核磁気共鳴スペクトロスコピーをいい、化学シフトは、TMSから低磁場へのppm(δ)で報告される。
「NMR」とは、核(プロトン)磁気共鳴スペクトロスコピーをいい、化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場へのppm(δ)で報告される。
「MS」とは、m/e,m/z、質量/電荷単位をいう。
「[M+H]+」とは、親プラス水素原子の陽イオンをいう。「EI」とは、電子衝撃をいう。親プラス水素原子の陽イオンをいう。「CI」とは、化学的イオン化をいう。「FAB」とは、速電子衝撃をいう。
「エーテル」とは、ジエチルエーテルをいう。
「医薬上許容される」とは、薬理学的/毒性学的観点から患者に、および組成物、製剤、安定性、患者許容性およびバイオアべイラビリティに関する物理的および/または化学的観点から製薬化学者に許容される性質および/または物質をいう。
溶媒ペアが用いられる場合、用いられた溶媒比は、容積/容積(v/v)である。
溶媒中の固体の溶解度が用いられる場合、固体と溶媒の比は、重量/容積(wt/v)である。
「COMPOUND」とは、[R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホンアミド(XIX)ジエチルエーテルをいう。
「アルキル」とは、直鎖および分岐した鎖の異性体を共に含むC1−C4アルキルをいう。
「W1」とは、エチルおよびt-ブチルをいう。
【実施例】
【0023】
(実施例)
さらに技巧を凝らすことなく、当業者ならば、これまでの記載を用いて、十分に本発明を実施し得ると考えられる。以下の詳細な例は、各種の化合物の調製例を記載し、および/または本発明のさまざまなプロセスを行い、単に例示として構成されるべきものであり、いずれにしても前記の開示を限定するものではない。当業者ならば、反応物について、および反応条件および技術についての手順から適当な変形を即座に認識するであろう。
【0024】
調製例1 (S)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XXI)および(R)-1-
(3-ニトロフェニル)プロパノールアセテートへの転化による
(±)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XX)の分割
セライト支持されたPS−30リパーゼ(Amano、24g)およびイソプロペニルアセテート(22.00ml、0.20mol)をMTBE(240ml)中の(±)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XX、24.00g、0.13mol)に添加する。混合物を20-25°にて2日間撹拌する。この期間の終わりに、触媒を濾過によって除去し、触媒ケーキをエーテルで洗浄し、次いで減圧下濃縮して、アセテート-アルコール混合物を得る。シリカゲルクロマトグラフィーによって混合物を分離し、(R)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノールアセテート(13.03g)、[α]D= +68.7°(エタノール、c =1)および(S)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(10.7g)、[α]D=-33.0°(エタノール、c =1)を得る。
【0025】
調製例2 (S)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノールメシラート(XXII)
ジイソプロピルエチルアミン(1.07g、8.3mmol)を塩化メチレン(20ml)中の(S)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノール(XXI、調製例1、1g、5.5mmol)に添加する。混合物を-20°まで冷却し、メタンスルホニルクロリド(0.69g、6.02mmol)を添加する。反応液を-20°に10分間保持し、次いで0°に40分間保持する。反応液を塩化メチレンで希釈し、炭酸水素ナトリウム(5%)を添加し、相を分離する。塩化メチレンを蒸発させて、表題化合物を得る。[α]D=-79.9°(エタノール、c =1);TLC(シリカゲルGF、酢酸エチル/ヘキサン、20/80) Rf=0.19;NMR(CDCl3、TMS) 0.96-1.01、1.88-2.17、2.89、5.54-5.59、7.57-7.62、7.70-7.73および8.20-8.24δ。
【0026】
調製例3 1-[1-(3-ニトロフェニル)プロピル]マロン酸(S)-ジメチル
(XXIII)
ナトリウムエトキシド溶液(1.0M)を無水エタノール(55ml)に金属ナトリウム(1.27g、0.055mol)を溶かすことによって調製する。マロン酸ジエチル(8.84g、0.055mol)を0°にて上記溶液に添加する。(S)-1-(3-ニトロフェニル)プロパノールメシラート(XXII、調製例2、1.43g、5.5mmol)を-20°のマロン酸ナトリウムの上記の溶液(6.4ml、6.4mmol)に滴下する。20-25°にて2時間後、マロン酸ナトリウムのさらなるアリコート(5ml、5.0mmol)を反応液に添加し、次いで20-25°にて一晩撹拌する。反応液を濃縮し、酢酸エチルおよび塩酸(1N)間に分配させる。有機相は分離し、溶媒を除去して粗生成物を得る。それをクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル/ヘキサン、10/90)に付して、表題化合物を得る。[α]D= +19.4°(エタノール、c =1);TLC(シリカゲルGF、酢酸エチル/ヘキサン、20/80) Rf=0.48;NMR(CDCl3、TMS) 0.70-0.75、0.96-1.00、1.27-1.32、1.56-1.88、3.37-3.45、3.65-3.69、3.86-3.96、4.21-4.28、7.44-7.49、7.54-7.57および8.08-8.11δ。
【0027】
調製例4 (S)-3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸(XXIV)
1-[1-(3-ニトロフェニル)プロピル]マロン酸(S)-ジメチル(XXIII、調製例3、0.73g、2.26mmol)を塩酸(6N、10ml)で18時間還流する。反応液を冷却し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル相を水で洗浄し、分離し縮合して表題化合物を得る。 [α]D = 13.3°(メタノール、c =1);TLC(シリカゲルGF、酢酸/酢酸エチル/ヘキサン、2/20/80) Rf=0.46;NMR(CDCl3、TMS) 0.78-0.83、1.59-1.82、2.59-2.78、3.07-3.17、7.44 7.54および8.04-8.10δ。
【0028】
調製例5 (±)-3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸メチルエステル(XIII)
メタノール(250ml)中の(±)-3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸(XXIV、30.21g、135mmol)の溶液に濃硫酸(0.6ml)を添加する。得られた混合物を3時間加熱環流する。冷却に際して、混合物を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム(5%水溶液)間に分配する。水層を分離し、さらに酢酸エチルで2回戻し抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し濃縮して表題化合物を得る。TLC(シリカゲルGF) 酢酸/酢酸エチル/ヘキサン(2/20/80)についてRf=0.54、酢酸エチル/ヘキサン(20/80)についてRf=0.54;NMR(CDCl3、TMS) 0.80、1.56-1.83、2.55-2.75、3.05-3.2、3.57、7.4-7.55および8.03-8.12δ。
【0029】
調製例6 (S)-3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸メチルエステル(XIII)
調製例5の一般的な手順に従い、(S)-3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸(XXIV、調製例4)を出発する以外は重要でない変形を施し、表題化合物を得る。
【0030】
実施例1 エチル-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサノエート(II)
テトラヒドロフラン(240ml)中のジイソプロピルアミン(32.2ml、230mmol)の溶液にヘキサン(87.4ml、230mmol)中の2.63M n-ブチルリチウムを1時間にわたって添加する。次いで、酢酸エチル(21.4ml、220mmol)を添加し、反応混合物を−70°に冷却した間、1時間撹拌する。1-フェニル-3-ヘキサノン(I、35.2g、200mmol)を30分間にわたってゆっくり添加し、反応混合物を冷却して1時間撹拌する。混合物を塩化アンモニウム水溶液(100ml)でクエンチし、20-25°まで温める。次いで、混合物を塩酸(4M)で酸性化する。所望の生成物をメチル t-ブチルエーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して表題化合物を得る。TLC Rf = 0.71(酢酸エチル/ヘキサン、30/70);NMR(CDCl3) 7.28-7.12、4.13、3.60、2.73-2.63、2.50、1.83-1.77、1.58-1.53、1.41-1.36、1.24および0.93δ; CMR(CDCl3) 173.0、143.2、128.5、128.4、128.3、128.1、125.8、72.8、60.6、42.9、41.3、30.1、17.0、14.6および14.2δ;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 282(100)、264(63)、247(10)、194(13)、172(5)、159(5)。
【0031】
実施例2 3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸(III)
エチル-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサノエート(II、実施例1、200mmol)をメタノール(423ml)に溶解し、2M水酸化ナトリウム(150ml、300mmol)を添加する。反応混合物を20-25°にて一晩撹拌する。メタノールを除去し、残った水性混合物を塩酸(4M)で酸性化する。所望の生成物は、メチル t-ブチルエーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させる。生成物を濃縮して表題化合物を得る。TLC Rf = 0.10(酢酸エチル/ヘキサン、30/70);NMR(CDCl3) 7.43-7.13、2.77-2.62、2.06、1.87-1.76、1.63-1.57、1.45-1.31および0.93δ; CMR(CDCl3) 176.9、141.9、128.4、128.3、125.9、73.4、42.7、41.4、40.9、31.9、17.0および14.5δ;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 254(100)、236(28)、218(3)、194(3)、159(5)。
【0032】
実施例3 (R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸、
(1R,2S)-ノルエフェドリン塩(IV)
3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸(III、実施例2、2.83g、メチル t-ブチルエーテルに調製して11.97mmol)をアセトニトリル(15ml)に溶解する。(1R,2S)-ノルエフェドリン(910mg、5.99mmol、0.5当量)を添加し、混合物を20-25°にて一晩撹拌する。約1時間後、生成物は沈澱しはじめる。翌朝、スラリーを濾過前に0°にて1時間冷却して、ヒドロキシ酸塩を集めた。ケーキをアセトニトリル(9ml冷却)で洗浄し、減圧下、熱乾燥して、所望の生成物を得た。
この物質(約1.5g)をアセトニトリル(21ml)でスラリーにし、30分間70°まで加熱する。生成物が沈澱するように、得られた溶液を徐々に20-25°まで冷却する。20-25°にて2時間後、真空濾過によって収集し、アセトニトリル(21ml)で洗浄し、減圧下、20-25°にて乾燥する。
再度、この物質をアセトニトリル(21ml)でスラリーにし、30分間70°まで加熱する。生成物が沈澱するように、得られた溶液を徐々に室温20-25°まで冷却する。20-25°にて2時間後、真空濾過によって収集し、アセトニトリル(21ml)で洗浄し、減圧下、20-25°にて乾燥して表題化合物を得る。mp= 113-117°;NMR(メタノール) 7.41-7.08、5.18、4.98、3.15、2.65-2.60、2.34、1.79-1.73、1.56-1.52、1.43-1.37、1.06および0.92δ; CMR(メタノール) 181.4、144.6、142.2、130.2-129.3、127.6、127.1、74.5、73.9、54.0、46.4、43.6、43.4、31.9、31.9、18.6、15.7および12.9δ;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 388(25)、303(15)、254(30)、236(7)、152(100);[α]25D = 16(C=1.0、メタノール)。
【0033】
実施例4 (6R)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)
エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(VI)
(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸、(1R,2S)-ノルエフェドリン塩(IV、実施例3、81g、209mmol)を酢酸エチル(810ml) 中に塩をスラリーにし、塩酸(1M、810ml)を添加することによって遊離酸である(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸に転化する。
該遊離酸を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を集め、油まで濃縮する。次いで、該遊離酸をテトラヒドロフラン(490ml)に再溶解し、溶液を-10°まで冷却する。カルボニル-ジイミダゾール(37.3g、230mmol)を添加し、反応混合物を2時間にわたって冷却して撹拌する。マロン酸モノエチルマグネシウム塩(65.9g、230mmol)を添加し、反応混合物を一晩撹拌しつつ徐々に20-25°まで温める。反応液を塩酸(1M、490ml)でクエンチし、有機層を収集する。有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、294mlまで濃縮し、それは5-ヒドロキシ-7-フェニル-5-プロピルヘプタン酸(R)-エチル(V)を含有している。水酸化ナトリウムの溶液(0.5M、460ml、230mmol)を濃縮溶液に添加し、得られた濁った混合物を20-25°にて一晩撹拌した。メチル t-ブチルエーテルを添加し、水層を集めた。水層を塩酸(4M)で酸性化し、生成物は、メチル t-ブチルエーテルで抽出する。メチル t-ブチルエーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して表題化合物を得る。TLC Rf = 0.22(酢酸エチル/ヘキサン、50/50);NMR(CDCl3) 7.29-7.13、3.39、2.70、2.71-2.62、1.98-1.93、1.74-1.66、1.45-1.34および0.93δ; CMR(CDCl3) 176.89、167.5、140.4、128.6、128.4、128.2、128.2、126.3、83.2、60.1、47.1、44.3、40.7、40.4、29.6、16.8および14.5δ;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 278(100)、254(15)、236(15)、217(5)、195(5)、159(3)。
【0034】
実施例5 4-フェニルフェノキシ)(4-クロロチオフェノキシ)メタン(VIII)
22°のトルエン(243ml)中のパラホルムアルデヒド(36.24g、1.21mol、1.58当量)のスラリーに臭化水素酸水溶液(48.5wt%、652ml、5.86mol、7.68当量)に添加し、18°まで吸熱させる。得られた2相溶液を40°まで温め、トルエン(116ml)中の4-クロロチオフェノール(VII、138.81g、0.960mol、1.26当量)の溶液を40-43°を維持しつつ、1/2時間にわたって添加し、トルエン(50ml)ですすぐ。次いで、混合物を50°まで温め、1時間撹拌する。混合物を10°まで冷却し、相を分離し、水相をトルエン(250ml)で洗浄する。合わせた有機相を氷水(500ml)、ヘキサン(350ml)で処理し、その相を分離する。次いで、水相をトルエン(200ml)で洗浄し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して、粗ブロモメチルチオ-4-クロロベンゼン(268.01g)を得る。NMR 7.43、7.34、4.79δ; CMR 134.37、132.05、131.78、129.46、37.32δ; HRMS(EI+) C76BrClSとして 計算値 = 235.9063、測定値 = 235.9063。
-10°のDMF(400ml)中の4-フェニルフェノール(129.91g、0.763mol、1.00当量)の溶液に、5°未満を維持しつつ、THF中のカリウム t-ブトキシド(20 wt%、429.40g、0.765mol、1.00当量)に続いて、THF(50ml)を添加する。混合物を557gの正味重量まで濃縮し、DMF(33ml)に続いて、22°ないし70°の上記調製された粗ブロモメチルチオ-4-クロロベンゼンを添加し、自由に発熱させる。粗ブロモメチルチオ-4-クロロベンゼンをDMF(50ml)ですすぎ、得られたスラリーを80°にて1/2時間撹拌する。混合物を22°まで冷却し、ヘキサン(400ml)に続いて水(500ml)を添加する。沈澱物を真空濾過によって収集し、水(1500ml)およびメタノール(300ml)で洗浄し、窒素流で乾燥して、固体(251.25g)を得る。その固体を塩化メチレン(1 l)に溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥し、塩化メチレン(200ml)で洗浄する。次いで定容濃縮(1300−1800ml)は、合計1.35 lのメタノールを添加し1344gの正味重量で終わるように行う。得られた沈澱物を真空濾過によって、20-25°で収集し、メタノール(1 l)で洗浄し、減圧下65°で乾燥して、表題化合物を得る。mp= 99-101°;TLC(Rf=0.64、酢酸エチル/ヘキサン、1/9);HPLC(rt) = 9.67分;NMR(CDCl3) 7.55-6.99および5.44δ; CMR(CDCl3) 155.99、140.52、135.28、133.48、132.06、129.18、128.75、128.24、126.90、126.80、116.34、73.15δ;MS(CI、NH3)m/z(相対強度) 346(1.7)、344(3.5)、328(3.8)、326(8.1)、201(11)、200(100)。
【0035】
実施例6 1-クロロメトキシ-4-フェニルベンゼン(IX)
21°の塩化メチレン(750ml)中の(4-フェニルフェノキシ)(4-クロロチオフェノキシ)メタン(VIII、(実施例5、176.45g、539.9mmol)の混合物に、8分間にわたって<23°を維持しつつ、塩化メチレン(150ml)中の塩化スルフリル(73.32g、543.2mmol、1.01当量)溶液を添加する。その混合物を20°にて11分間撹拌し、次いで3°まで冷却する。塩化メチレン(100ml)中のシクロヘキサン(60.7ml、599mmol、1.11当量)の混合物を3-5°にて10分間にわたって添加し、19°まで温め10分間撹拌する。混合物を600mlの総容量まで濃縮し、ヘキサン(500ml)を添加する。得られたスラリーを500mlまで濃縮し、ペンタン(1.3 l)を添加する。スラリーを−50°まで冷却し、沈殿物を真空濾過によって収集し、−30°のペンタン(700ml)で洗浄し、乾燥して固体(115.28g)を得る。固体の一部(110.34g)を塩化メチレン(200ml)に溶解する。ヘキサン(1 l)を添加し、混合物は949gまで濃縮する。ヘキサン(200ml)を添加し、混合物を589gまで濃縮する。ヘキサン(500ml)を添加し、スラリーを−30°まで冷却し、真空濾過によって収集された沈澱物をヘキサン(300ml)で洗浄し、乾燥して表題化合物を得る。mp67-70°;TLC Rf = 0.68(酢酸エチル/ヘキサン、8/92);HPLC rt = 6.45分;NMR 7.80-7.13および5.89δ;CMR(CDCl3) 155.03、140.34、136.49、128.78、128.35、127.10、126.88、116.39および77.16δ;HRMS(EI+) C1311ClOとして 計算値 = 218.0498、測定値 = 218.0493。
【0036】
実施例7 (R)-(4-フェニルフェノキシ)メチル-3-(2-フェニルエチル)-
3-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]ヘキサノエート(X)
20-25°の水(185ml)およびMTBE(185ml)中の(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸(-)ノルエフェドリン塩(IV、実施例4、25.04g、64.62mmol)のスラリーに、塩酸水溶液(37.5 wt%、7.51g、77.24mmol、1.20当量)に添加し、pHを8.04ないし1.30に調整する。相を分離し、水相をMTBE(185ml)で洗浄する。次いで、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮する。次いで、その濃縮物にトルエン(77ml)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(96ml、551mmol、8.53当量)および1-クロロメトキシ-4-フェニルベンゼン(IX、実施例6、71.88g、328.68mmol、5.09当量)を添加する。次いで、混合物を110°まで温め、110-117°にて5時間撹拌する。混合物を65°まで冷却し、メタノール(800ml)を添加する。得られたスラリーを−30°まで冷却し、真空濾過によって生成物を収集し、メタノール(200ml)で洗浄し乾燥して、粗生成物を得る。分析用試料は、クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に続いて結晶化して表題化合物を得る。mp= 104.0−105.5°;TLC Rf = 0.50(15% 酢酸エチル/ヘキサン);HPLC rt = 13.8分;NMR(CDCl3) 7.51-7.04、5.78、5.32、2.75、2.64-2.58、2.03-1.97、1.78-1.72、1.41-1.28および0.86δ;CMR(CDCl3) 169.38、157.14、156.14、142.04、140.71、140.41、135.85、134.56、128.75、128.68、128.35、128.29、128.09、126.97、126.81、126.73、125.78、116.13、87.34、85.20、80.40、41.19、38.80、38.61、29.73、16.74、14.35δ;MS(CI、NH3)m/z(相対強度) 620(1.7)、619(7.8)、618(19)、418(13)、266(100);[α]25D =-4(C= 1.0、塩化メチレン)。
【0037】
実施例8 (R)-3-(2-フェニルエチル)-3-[(4-フェニルフェノキシ)
メトキシ]ヘキサノール(XI)
トルエン(500ml)中の粗(R)-(4-フェニルフェノキシ)メチル-3-(2-フェニルエチル)-3-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]ヘキサノエート(X、実施例7、56.5 wt%、49.32g、46.38mmol)のスラリーに、−20°を維持しつつ、トルエン(1.52M、85ml、129.2mmol、2.79当量)中のジイソブチルアンモニウムヒドリドの溶液を添加する。混合物を1°までゆっくり2.5時間温め、次いで1/2時間撹拌する。アセトン(8.0ml、108.5mmol、2.34当量)を添加し、28°までの制御された発熱温度で、混合物を水(433ml)中のクエン酸一水和物(136g、647.2mmol、14.0当量)の18°の溶液にカニューレ挿入し、トルエン(100ml)ですすぐ。混合物を20-25°にて1.5時間撹拌し、真空濾過によって不溶物を取り去り、トルエンで洗浄する。濾液中で相を分離し、水相をトルエン(2×300ml)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、水酸化ナトリウム水溶液(0.5M、2×500ml)で洗浄する。有機相を137gの正味重量まで濃縮し、メタノール(250ml)を添加する。得られたスラリーは濃縮し、メタノール(250ml)を添加する。混合物を再び濃縮し、メタノール(250ml)を添加する。スラリーを−60°まで冷却し、不溶物を濾過によって除去する。濾液を60gの正味重量に濃縮し、ヘキサン(500ml)を添加し、混合物を22gの正味重量まで濃縮する。ヘキサン(500ml)を添加し、混合物を40gの正味重量まで再び濃縮する。塩化メチレン(25ml)に続いて−55°まで冷却したヘキサン(500ml)およびペンタン(250ml)をゆっくり添加する。生成物を真空濾過によって収集し、ペンタン(200ml)で洗浄し、窒素流で乾燥して、所望の生成物を得る。分析用試料は、クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)に続いて、結晶化(塩化メチレン/ヘキサン)によって得て、表題化合物を得る。mp= 49−53°;TLC Rf = 0.14(15% 酢酸エチル/ヘキサン);HPLC rt = 9.18分;NMR(CDCl3) 7.56-7.07、5.36、3.76-3.74、2.63-2.58、1.94-1.88、1.70-1.65、1.38-1.30、0.93δ;CMR(CDCl3) 157.05、142.25、140.73、134.68、128.70、128.42、128.29、128.21、126.76、125.85、116.07、87.05、81.85、58.89、38.77、38.60、38.23、29.90、17.04、14.62δ;MS(CI、NH3)m/z(相対強度) 423(2.3)、422(9.9)、252(100);[α]25D = 6(C=1.0、塩化メチレン)。
【0038】
実施例9 (R)-3-(2-フェニルエチル)-3-[(4-フェニルフェノキシ)
メトキシ]ヘキサナール(XII)
0°の塩化メチレン(47ml)中の粗(R)-3-(2-フェニルエチル)-3-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]ヘキサノール(XI、実施例8、91.1 wt%、15.40g、34.68mmol)の混合物に、水(20.5ml)中の臭化カリウム(0.4057g、3.409mmol、0.098当量)および炭酸水素ナトリウム(1.557g、18.53mmol、0.53当量)の溶液、続いて4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ遊離基(0.3060g、1.776mmol、0.051当量)を添加する。次いで、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(13.4 wt%/Vol、26.6ml、47.88mmol、1.38当量) は、シリンジポンプによって1-5°を維持しつつ1時間にわたって添加する。次いで、水(14ml)のチオ硫酸ナトリウム五水和物(0.5182g、2.088mmol、0.0602当量)溶液を添加する。相を0°で分離し、水相を2×50mlの塩化メチレンで洗浄する。有機相を直ちにマグネソール(magnesol)(50.25g)を通して濾過し、塩化メチレン(400ml)ですすぐ。抽出物を油(30g)まで濃縮し、ヘキサン(500ml)を添加する。混合物を250g正味重量まで濃縮し、ヘキサン(100ml)を添加する。混合物を186gの正味重量まで濃縮し、ペンタン(300ml)を添加する。得られたスラリーを−50°まで冷却し、所望の生成物を真空濾過によって収集し、−50°のペンタン(100ml)で洗浄し乾燥して、分析的に純粋な固体を得、表題化合物を得る。mp= 47.0-48.5°;TLC Rf = 0.41(酢酸エチル/ヘキサン、10/90);HPLC rt = 10.95分;NMR(CDCl3) 9.79、7.53、7.40、7.26、7.20-7.08、5.40、2.67、2.65-2.56、1.99、1.76、1.38、0.93δ; CMR(CDCl3) 201.83、156.90、141.69、140.68、134.82、128.72、128.47、128.29、128.24、126.77、125.99、116.03、87.19、80.36、50.14、39.21、39.14、29.74、16.86、14.45δ;MS(CI、NH3)m/z(相対強度) 420(3.5)、220(100);[α]25D = 14(C=1.0、塩化メチレン)。
【0039】
実施例10 (3S),(7R) 4-カルボメトキシ-3-(3-ニトロフェニル)-7-
(2-フェニルエチル)-7-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]
デカン-5-オール(C-4およびC-5にてジアステレオマーの
混合物)(XIV)
−80°のTHF(55ml)の(S)-3(3-ニトロフェニル)ペンタン酸メチルエステルとも知られる3-(3-ニトロフェニル)ペンタン酸(S)-メチル(XIII、調製例6、3.78g、15.932mmol)の混合物に、−80°ないし−85°に維持しつつ、7分間にわたってTHF中のヘキサメチルジシラジドナトリウム(0.935M、17.5ml、16.36mmol、1.027当量)の溶液を添加する。次いで、得られた混合物を−74°まで温め、−74ないし−76°にて18分間撹拌する。混合物を−90°まで冷却し、THF中の(R)-3-(2-フェニルエチル)-3-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]ヘキサナール(XII、実施例9、6.50g、16.147mmol、1.013当量)の溶液を−85ないし−90°に維持しつつ、10分間にわたって添加し、THF(20ml)ですすぐ。次いで、−71°まで温め、飽和塩化アンモニウム水溶液、続いて水(90ml)およびMTBE(90ml)を添加し、混合物を20-25°まで温める。相を分離し、水相をMTBE(90ml)で洗浄する。抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、油まで濃縮する。分析用試料をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって得て、表題化合物を得る。TLC Rf = 0.16、0.24(酢酸エチル/ヘキサン、10/90);HPLC rt = 12.52、12.68、12.97分;MS(エレクトロスプレー、酢酸ナトリウム)m/z(相対強度) 662.5(100)。
【0040】
実施例11 (3S),(7R) 4-カルボメトキシ-3-(3-ニトロフェニル)-7-
(2-フェニルエチル)-7-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]
デカン-5-オン(C−4でのジアステレオマーの混合物)
塩化メチレン(530ml)中の(3S),(7R) 4-カルボメトキシ-3-(3-ニトロフェニル)-7-(2-フェニルエチル)-7-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]デカン-5-オール(XIV、実施例10、11.12g、79.0 wt%、13.73mmol)を、11°未満を維持しつつ、クロロクロム酸ピリジニウム(16.099g、74.685mmol、5.44当量)、酢酸ナトリウム(6.984g、85.14mmol、6.20当量)およびフロリジル(5.181g)の粉砕混合物に添加する。混合物を21°まで温め、20−25°にて20分間撹拌する。得られたスラリーをマグネソール(47.7g)を通して濾過し、塩化メチレン(375ml)ですすぐ。濾液を油まで濃縮する。表題化合物の分析用試料をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ ヘキサン)によって得る:TLC Rf = 0.34(酢酸エチル/ヘキサン、10/90);HPLC rt = 13.02、13.23分;NMR(CDCl3) 8.05-8.01、7.607.00、5.37、5.21、4.03、3.94、3.75、3.58-3.43、3.39、2.96、2.78-1.37、1.20、0.91、0.71-0.61δ;CMR(CDCl3) 200.89、200.60、168.29、167.81、157.10、157.05、148.38、148.30、143.58、143.32、141.99、141.93、140.73、140.69、135.29、135.01、134.78、129.38、129.23、128.75、128.45、128.36、128.23、126.77、125.91、125.80、122.96、122.80、122.04、122.00、116.16、87.14、86.92、80.93、80.44、66.34、65.92、52.79、52.35、49.02、48.62、46.28、46.20、38.70、38.51、38.43、37.99、30.10、29.52、26.92、26.71、16.64、16.39、14.39、14.16、11.81、11.58;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 656(2.8)、655(6.1)、136(100)。
【0041】
実施例12 (3S),(7R) 4-カルボメトキシ-7-ヒドロキシ-3-(3-ニトロ
フェニル)-7-(2-フェニルエチル)-デカン-5-オン(C−4での
ジアステレオマーの混合物)(XVI)
23°のTHF(20ml)の(3S),(7R) 4-カルボメトキシ-3-(3-ニトロフェニル)-7-(2-フェニルエチル)7-[(4-フェニルフェノキシ)メトキシ]デカン-5-オン(XV、実施例11、9.14g、83.7 wt%、11.995mmol)の混合物に、メタノール(0.524M、20ml、10.48mmol、0.87当量)中の硫酸の溶液を添加する。混合物を23°にて22時間静置させ、次いで水(50ml)の炭酸水素ナトリウム(3.52g、41.90mmol、3.49当量)の溶液、続いてMTBE(50ml)を添加する。相を分離し、水相をMTBE(30ml)で洗浄する。合わせた有機相を5°の水酸化ナトリウム水溶液(0.5M、2×50ml)で、次いで水(2×10ml)で洗浄し、次いで塩化アンモニウム水溶液(15ml)および水(35ml)の混合物で2回洗浄する。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥し、油まで濃縮する。表題化合物の分析用試料をクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって得る:TLC Rf = 0.39(酢酸エチル/ヘキサン、25/75);HPLC rt = 8.15、8.50分;NMR(CDCl3) 8.15-7.85、7.48-7.01、3.99、3.92、3.78、3.50-3.39、3.38、3.32-1.21、0.82および0.74-0.67δ; CMR(CDCl3) 205.20、204.99、168.00、167.46、148.38、143.10、142.04、141.97、135.23、134.99、129.47、129.33、128.46、128.41、128.28、128.18、125.85、122.82、122.58、122.17、73.83、73.49、66.63、66.36、52.92、52.50、50.79、50.60、46.25、46.17、41.57、41.01、40.83、30.03、29.60、26.95、17.05、16.90、14.55、14.43、11.74および11.47δ。
【0042】
実施例13 [3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[1-(3-
ニトロフェニル)プロピル]-6-[1-(2-フェニルlエチル]-6-
プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVII)
4°のメタノール(35ml)中の水酸化ナトリウム(1M、11.4ml、11.4mmol、1.89当量)の水溶液を、<5°を維持しつつ、粗(3S),(7R) 4-カルボメトキシ-7-ヒドロキシ-3-(3-ニトロフェニル)-7-(2-フェニルエチル)-デカン-5-オン(C−4でのジアステレオマーの混合物)(XVI、実施例12、73.3 wt%、3.740g、6.018mmol)に添加し、メタノール(45ml)ですすぐ。混合物を激しく撹拌して、大部分の粗油を溶解し、0-5°にて67時間穏やかに撹拌させる。混合物を−50°に冷却し、ヘキサン(90ml)を添加する。相を<5°で分離し、有機相を<5°にてメタノール(50ml)および水(7ml)の混合液で洗浄する。合わせた水相のpHを<5°にて酢酸(1.52g、25.31mmol、4.21当量)を用いて12.55ないし6.24に調整する。水相を濃縮し、塩化メチレン(2×40ml)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得る。粗生成物の試料(0.401g)にエーテル(1.0ml)を添加する。得られたスラリーを−30°に冷却し、沈澱物を真空濾過によって収集し、冷エーテルで洗浄し、窒素流によって乾燥させて表題化合物を得る。TLC Rf = 0.49(酢酸エチル/ヘキサン、1/1);HPLC rt = 6.93分;NMR(CDCl3/CD3OD、1/1) 8.08、7.80、7.56、7.22、7.07-6.88、3.98、3.33-3.30、2.50-2.37、1.92-1.70、1.58-1.50、1.22-1.14、0.76および0.72δ; CMR(CDCl3/CD3OD、1/1) 169.05、166.66、148.66、147.79、141.99、135.30、129.21、129.02、128.70、126.55、123.51、121.23、105.13、81.39、42.58、40.39、40.09、36.76、30.38、24.95、17.44、14.54および13.04δ。
【0043】
実施例14 [3α(R),6(R)]3-[1-(3-アミノフェニル)プロピル]-5,6-
ジヒドロ-4-ヒドロキシ6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-
プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVIII)
THF(50ml)中の[3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[1-(3-ニトロフェニル)プロピル]6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVII、実施例13、0.6993g、1.651mmol)の溶液に、炭素上パラジウム(5%、50%水湿(water wet)、0.2574g、0.06048mmol、0.0366当量)を添加し、混合物をパール撹拌器で50psiにて21時間水素化する。セライト(2.07g)を添加し、触媒を真空濾過によって取り出し、THFですすぐ。濾液を濃縮して表題化合物を得る。TLC Rf = 0.45(酢酸エチル/ヘキサン、1/1);HPLC rt = 5.18分。
【0044】
実施例15 [R-(R*,R*)]-N-[3-[1-[5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-
2-オキソ-6-(2-フェニルエチル)-6-プロピル-2H-ピラン-3-
イル]プロピル]フェニル]-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジン
スルホンアミド(XIX)
塩化メチレン(3.10ml)中の[3α(R),6R]3-[1-(3-アミノフェニル)プロピル]-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVIII、実施例14、粗0.555g、表題化合物XIXに基づき1.378mmol)、DMSO(0.100ml、1.409mmol、1.02当量)およびピリジン(0.56ml、6.92mmol、5.02当量)の混合物に、上記調製された塩化メチレン中の5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホニルクロリドの粗混合物(5.23ml、チオールに基づき 〜2.3mmol、〜1.7当量)を-25ないし-30°にて2時間にわたって添加し、1.4面積%が残存する[3α(R),6R]3-[1-(3-アミノフェニル)プロピル]-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVIII、実施例14)のHPLC終点まで5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジンスルホニルクロリドで滴定される。塩酸水溶液(1M、6.2ml、6.2mmol、4.50当量)および酢酸エチル(5.2ml)を添加し、相を分離する。水相を塩化メチレン(10ml)で洗浄し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。この濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン(10/90)で充填されたシリカゲルカラム(9.76gシリカゲル)に負荷し、生成物をヘキサン混合物中の以下の酢酸エチルで溶出させた(50ml 10%、100ml 20%、100ml 30%および50ml 40%)。溶出物を合わせ、酢酸エチルチェース(chase)を用いて油まで濃縮する。酢酸エチル(5.2ml)を添加し、生成物をヘプタン(15ml)のゆっくりした添加によって沈澱させる。得られたスラリーを-30°に冷却し、沈澱物を真空濾過によって収集し、酢酸エチル(1ml)およびヘプタン(4ml)の−30°の混合液で洗浄し、窒素流で乾燥させて、表題化合物を得る。mp= 86-89°;TLC Rf = 0.66(酢酸エチル/ヘキサン、50/50);NMR(CD3OD) 8.94、8.19、8.02、7.25-6.97、3.93、2.68-2.52、2.15-2.09、1.96-1.64、1.33、0.88および0.83δ; CMR(CD3OD) 169.9、167.0、161.6、148.1、147.6、142.8、137.7、137.0、130.1、129.5、129.3、127.0、126.1、124.2、122.6、120.3、106.2、81.9、43.6、40.5、40.5、37.4、30.9、25.8、17.9、14.7および13.3δ;MS(CI、アンモニア)m/z(相対強度) 621(1.7)、620(5.4)、604(1.1)、603(3.4)、411(12)、394(12)、148(100);IR(mull) 1596、1413、1359、1326、1177、1149、1074および720cm-1(引用と同一の固体状態形態)
【0045】
実施例16 [3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[(Z)-1-
(3-ニトロフェニル)プロペニル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-
6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XXV、主成分)および[3α
(R),6R]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[(E)-1-(3-
ニトロフェニル)プロペニル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-
プロピル-2H-ピラン-2-オン(XXV、副成分)
(6R)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(VI、実施例4、50.0g、187mmol)をm−ニトロプロピオフェノン(33.5g、187.2mmol)および375mlのTHFと合わせる。ピリジン( 31.0ml、374mmol)を添加し、得られた混合物を撹拌し、−5°未満に冷却する。80mlのトルエンに四塩化チタン(31ml、280mmol) を添加することによって溶液を調製し、この溶液は反応温度を10°未満に維持する制御手段において混合物に添加する。トルエン(15ml)を用いて、四塩化チタン溶液の全てですすぎ、この付加の終わりに、反応混合物を35-45°に温め、この範囲内で約16時間維持する。反応混合物を0°に冷却し、水(200ml)を単回で添加する。この混合物を全ての固体が溶解するまで撹拌する。混合物を少なくとも15°まで温め、次いで、水(250ml)および酢酸エチル(500ml)を用いて分液漏斗に移し、混合物を希釈する。水相を分離し、取り出し、酢酸エチル(150ml)で抽出し、廃棄する。第一有機層を塩酸(1N、2×150ml)、水(150ml)および飽和炭酸水素ナトリウム(150ml)で順次洗浄する。各洗浄液を処分に先立って酢酸エチル(150ml)抽出で抽出する。この点にて、第一有機層および抽出物を合わせて、減圧下濃縮して濃縮物を得る。次いで、該濃縮物を塩化メチレン(350ml)に溶解する。この溶液を合計500mlの1N水酸化ナトリウム(4×50ml、次いで3×100ml)で抽出する。合わせた水性抽出物を合計500mlの塩化メチレン (4×50ml、次いで3×100ml)で洗浄し、次いで塩酸(3N、150ml)で処理する。酸性化混合物を塩化メチレン(400ml、次いで6×100ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(200ml)、次いでセーライン(200ml)で洗浄する。無水硫酸ナトリウムでさらに乾燥した後、混合物をマグネソールのパッドを通して濾過し、次いで減圧下濃縮して、表題化合物の混合物を得る。TLC (Z)-異性体ではRf = 0.18 、(E)-異性体では0.28 (酢酸エチル/ヘキサン、1/1);CMR(CDCl3) 166.93、166.53、148.27、142.53、142.39、140.96、132.23、132.12、131.82、131.74、129.87、129.12、128.55、128.14、126.16、121.67、120.56、101.09、81.77、39.78、35.23、29.73、16.91、15.75、15.69および14.23δ;MS(CI + NH3)m/z(相対強度) 439(100)、422(18)、409(9)、392(9)、278(9)、194(10)、136(9)。
【0046】
実施例17 [3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[1-(3-
ニトロフェニル)プロピル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-
プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVII)
[3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[(Z)-1-(3-ニトロフェニル)プロペニル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XXV、実施例16、4.24g、10mmol)および[(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)-1,2-ビス-(2R,5R)-ジメチルホスホラノ)ベンゼン]テトラフルオロボレート(6.0mg、0.01mmol)を不活性雰囲気中で合わせ、20mlの脱酸素化メタノールに溶解する。雰囲気を80psig以上の圧力の水素で置換し、反応物を55°に温め、24時間撹拌する。この期間の終わりに、反応物を20-25°に冷却し、水素を不活性雰囲気で置換する。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をメタノール/水混合液(3/1)で結晶化させて、表題化合物を得る。TLC Rf=0.49(酢酸エチル/ヘキサン、1/1);HPLC rt = 6.93分;NMR(CDCl3/CD3OD、1/1) 8.08、7.80、7.56、7.22、7.07-6.88、3.98、3.33-3.30、2.50-2.37、1.92-1.70、1.58-1.50、1.22-1.14、0.76および0.72δ; CMR(CDCl3/CD3OD、1/1) 169.05、166.66、148.66、147.79、141.99、135.30、129.21、129.02、128.70、126.55、123.51、121.23、105.13、81.39、42.58、40.39、40.09、36.76、30.38、24.95、17.44、14.54および13.04δ。
【0047】
実施例18 (6R)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)
エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(CVI)
(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸,(1R,2S)-ノルエフェドリン塩(CIV,180g;486ミリモル)を塩化メチレン(1100ml)中の塩をスラリーにし、塩酸(2M、720ml)を添加することによって、(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸に転化する。その遊離酸を塩化メチレンで抽出し、混合物を塩化メチレン(合計700ml)の増量付加での雰囲気蒸留によって共沸乾燥させる。遊離酸混合物(350ml)を塩化メチレン(80ml)およびピリジン(210ml)中のカルボニル-ジイミダゾール(90.5g、558ミリモル)のスラリーに-10ないし0°で添加する。混合物を0°に温め、1時間撹拌する。
マロン酸モノエチルエステルマグネシウム塩のスラリーは、塩化マグネシウム(72g、756ミリモル)のスラリーに、マロン酸モノエチルエステルカリウム(144g、350mlのアセトン中846ミリモル)のアセトンスラリーを添加することによって調製し、それは塩化メチレン(100ml)中の塩化マグネシウムのスラリーにアセトン(250ml)をゆっくり添加することによって調製される。マロン酸塩の調製は、350mlの容積への雰囲気蒸留によって完了する。
カルボニル-ジイミダゾール活性剤からの(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサノイルイミダゾール混合物を10-20°にてマロン酸エチルマグネシウムスラリーに添加する。その混合物を20-25°に温め、約16時間撹拌する。反応物を塩酸(5N、850ml)の添加でクエンチする。塩化メチレン(125ml)を添加し、相を分離する。有機相を含めた生成物を塩酸(1N、400ml)、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液(500ml)で洗浄する。有機相を真空下、約200mlまで濃縮し、メタノール(700ml)を添加し、150mlの最終容積まで真空濃縮を続ける。5-ヒドロキシ-3-オキソ-5-(2-フェニルエチル)-オクタン酸(R)-エチルのメタノール溶液に、15-20°の水酸化カリウム(85%の59.5g;200mlのメタノールに溶解した902ミリモル)のメタノール溶液を添加する。混合物を20°にて16時間撹拌する。水(350ml)を添加し、水層を含む生成物をメチル t-ブチルエーテル(350ml、各洗浄)で2回洗浄する。水相を塩酸(6M、220ml)で酸性化し、生成物をトルエン(550ml)で抽出する。トルエン混合物を水(150ml)で洗浄し、減圧下、200mlまで濃縮する。生成物を分岐したオクタンの添加によって結晶化する(2回の約400mlは、添加の間に結晶化を生じさせることができる)。冷却に際して、生成物を真空濾過によって単離し、分岐したオクタンで洗浄し、20-25°にて乾燥して、表題化合物を得る。
【0048】
実施例19 5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-(4-置換)フェニル)
エチル]-6-イソプロピル-2H-ピラン-2-オン (CVI)
実施例1ないし4の一般的な手順に従い、4-ヒドロキシ-、4-アミノ-、4-モノアルキルアミノまたは4-ジアルキルアミノ-フェニル-2-メチル-3-ペンタノン(CI)で出発する以外は重要でない変形を施し、表題化合物を得る。
【0049】
実施例20 (6S)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)
エチル]-6-フェニル-2H-ピラン-2-オン(CVI)
実施例1ないし4の一般的な手順に従い、1,3-ジフェニル-1-プロパノン(CI)で出発する以外は重要でない変形を施し、表題化合物を得る。
【0050】
実施例21 t-ブチル-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサノエート
(II)
実施例1の一般的な手順に従い、酢酸エチルの代わりにt-ブチルアセテートで出発する以外は重要でない変形を施し、表題化合物を得る。t-ブチルアセテートを用いることが好ましい。
【0051】
【化5】

【0052】
【化6】

【0053】
【化7】

【0054】
【化8】

【0055】
【化9】

【0056】
【化10】

【0057】
【化11】

【0058】
【化12】

【0059】
【化13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(6R)-5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン。
【請求項2】
[3α(R),6(R)]5,6-ジヒドロ-4-ヒドロキシ-3-[1-(3-ニトロフェニル)プロピル]-6-[1-(2-フェニル)エチル]-6-プロピル-2H-ピラン-2-オン(XVII)。
【請求項3】
(1)式(CIV):
【化1】

(CIV)
の塩と、酸とを接触させて、遊離酸を生成し、
(2)反応混合物から該遊離酸を抽出し、
(3)該遊離酸と活性化剤とを接触させ、
(4)遊離酸/活性化剤の反応混合物とマロン酸モノエステルおよび二価の金属とを接触させ、
(5)工程(4)の反応混合物と酸とを接触させ、
(6)C1−C4アルコール、THFまたはDMFの存在下、工程(5)の反応混合物と塩基とを接触させることを含む、
式(CVI):
【化2】

(CVI)
[式中、R1は:
-CH2-CH2-φR1-1、ここにR1-1は、
-NH2(またはその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
2は:
1−C6アルキル、
-CH2-CH2-φR2-1、ここに、R2-1は、
-OH(またはその保護形態)、
-NH2(またはその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2である]
のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項4】
(1)式(CIV):
【化3】

(CIV)
のアニオンまたはその(CIV)の塩形態から調製した遊離酸形態と、活性化剤とを接触させ、
(2)遊離酸/活性化剤の反応混合物とマロン酸モノエステルおよび二価の金属とを接触させ、
(3)工程(2)の反応混合物と酸とを接触させ、
(4)C1−C4アルコール、THFまたはDMFの存在下、工程(3)の反応混合物と塩基とを接触させることを含む、
式(CVI):
【化4】

(CVI)
[式中、R1は:
1−C6アルキル、
-CH2-CH2-φR1-1、ここにR1-1は、
-NH2(またはその保護形態),
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2
2は:
フェニルエチル、
1−C6アルキル、
-CH2-CH2-φR2-1、ここに、R2-1は、
-NH2(またはその保護形態)、
-H、
-NH-CO-CH3
-N(-CO-CH3)2である]
のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項5】
工程(1)の酸が、無機酸または有機酸である請求項3記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項6】
該酸が、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウムよりなる群から選択される請求項5記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項7】
該遊離酸の抽出が無極性有機溶媒で行われる請求項4記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項8】
該無極性有機溶媒が、塩化メチレン、トルエン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル tert-ブチルエーテル、エチルエーテルおよびヘキサンよりなる群から選択される請求項7記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項9】
活性化剤がカルボニル-ジイミダゾールである請求項3または4に記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項10】
工程(3)のプロセスが塩基の存在下で行われる請求項3に記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項11】
該塩基が、ピリジン、4-N,N-ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、2,6-ルチジン、トリエチルアミン、トリブチルアミンおよびコリジンよりなる群から選択される請求項10記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項12】
該マロン酸モノエステルが、ReがC1−C4アルキルまたはフェニルであるKO-CO-CH2-CO-O-Reよりなる群から選択される請求項3または4に記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項13】
該マロン酸モノエステルが、C1またはC2エステルである請求項12記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項14】
該二価の金属がMg+2、Ca+2およびZn+2よりなる群から選択される請求項3または4に記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項15】
該二価の金属がMg+2である請求項14記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項16】
工程(5)の酸が、無機酸または有機酸よりなる群から選択される請求項3記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項17】
該酸が、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウムよりなる群から選択される請求項6記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項18】
工程(6)の塩基が、有機塩基および無機塩基よりなる群から選択される請求項3記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項19】
該塩基が、水酸化物、C1−C4アルコキシドおよび炭酸塩よりなる群から選択される請求項18記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項20】
過剰なマロン酸モノエステルが、工程(6)に先立って抽出によって除去される請求項3記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項21】
該マロン酸モノエステルが、水酸化物、第三級アミン塩基、炭酸塩および炭酸水素塩よりなる群から選択される塩基での抽出によって除去される請求項20記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項22】
がフェニルエチルであり、Rがn-プロピルであって、工程(1)の塩が(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸,(1R,2S)-ノルエフェドリン塩である請求項3記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。
【請求項23】
がフェニルエチルであり、Rがn-プロピルであって、式(CIV)のアニオンまたは遊離酸形態が(R)-3-ヒドロキシ-3-(2-フェニルエチル)ヘキサン酸,(1R,2S)-ノルエフェドリン塩から調製される請求項4記載の式(CVI)のヒドロキシラクトンの製法。

【公開番号】特開2010−90157(P2010−90157A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280318(P2009−280318)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【分割の表示】特願2000−510727(P2000−510727)の分割
【原出願日】平成10年9月3日(1998.9.3)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】