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プロテインキナーゼの阻害剤として有用なジアミノトリアゾール化合物
説明

プロテインキナーゼの阻害剤として有用なジアミノトリアゾール化合物

【課題】選択的なプロテインキナーゼの阻害剤である化合物を開発する必要がある。特に、JAKファミリーのキナーゼの阻害剤として有用な化合物を開発すること。
【解決手段】本発明は、プロテインキナーゼの阻害剤、特にJAK2およびJAK3の阻害剤に関係する。また、本発明は、本発明の化合物を含む薬学的組成物、それらの化合物を調製するためのプロセス、および様々な障害の治療においてそれらの組成物を使用するための方法も提供する。本発明の化合物およびその薬学的組成物は、様々な障害の治療または予防に有用であり、例えば、これらに限定するものではないが、アレルギーおよび喘息、移植片拒絶反応、慢性関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症などの自己免疫疾患、更には白血病およびリンパ腫などの充実性悪性疾患および血液悪性疾患を含む疾患の治療または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、Janusキナーゼ(JAK)の阻害剤として有用な化合物に関係する。また、本発明は、Aurora−2キナーゼ、Flt3キナーゼ、GSK−3キナーゼおよびKDRの阻害剤として有用な化合物にも関係する。更に、本発明は、この発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物、および様々な障害の治療においてそれらの組成物を使用する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Janusキナーゼ(JAK)は、JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2からなる一群のチロシンキナーゼである。JAKは、サイトカインシグナル伝達系において非常に重要な役割を果たしている。JAKファミリーに属するキナーゼの下流基質は、シグナル伝達物質および転写活性化剤(STAT)タンパク質を含む。JAK/STATシグナル伝達系は、アレルギー反応および喘息などの多くの異常な免疫応答、移植片拒絶反応、慢性関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症などの自己免疫疾患、更には白血病およびリンパ腫などの充実性悪性疾患および血液悪性疾患などの媒介にかかわり合っている。また、JAK2は骨髄増殖性障害にもかかわり合っており、この骨髄増殖性障害は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、骨髄線維症を伴う骨髄様化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病、好酸球増多症候群および全身性マスト細胞疾患を含む。
【0003】
特許文献1は、プロテインキナーゼのサブファミリーFlt3、FMS、c−Kit、PDGFR、JAK、AGCを含め、プロテインキナーゼCDK、GSK、Src、ROCK及び/又はSykの阻害剤として有用なジアミノトリアゾールを開示している。しかし、もっと選択的なプロテインキナーゼの阻害剤である化合物、例えばAurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3を阻害する阻害剤などの化合物を開発する必要がある。特に、JAKファミリーのキナーゼの阻害剤として有用な化合物を開発することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2004/046120号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
今や、本発明の化合物およびそれらの化合物の薬学的に受容可能な組成物は、プロテインキナーゼの阻害剤として有効であることが判明している。特定の実施態様においては、これらの化合物およびそれらの化合物の薬学的に受容可能な組成物は、GSK−3、JAK−2、JAK−3、Flt3、KDRまたはAurora−2プロテインキナーゼの阻害剤として有効である。好適な実施態様においては、これらの化合物および薬学的に受容可能な組成物は、JAK−2またはJAK−3の阻害剤である。これらの化合物は、一般式I:
【0006】
【化6】

を有しており、または一般式Iを有する化合物の薬学的に受容可能な誘導体であり、ここで、式中の可変記号は本明細書で定義されている通りである。
【0007】
これらの化合物およびそれらの化合物の薬学的組成物は、様々な障害の治療または予防に有用であり、例えば、これらに限定するものではないが、アレルギーおよび喘息、移植片拒絶反応、慢性関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症などの自己免疫疾患、更には白血病およびリンパ腫などの充実性悪性疾患および血液悪性疾患を含む疾患の治療または予防に有用である。また、本化合物およびそれらの化合物の薬学的組成物は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、骨髄線維症を伴う骨髄様化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病、好酸球増多症候群および全身性マスト細胞疾患(systematic mast cell disease)を含む骨髄増殖性障害の治療または予防にも有用である。
【0008】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I:
【化1】

の化合物、または該化合物の薬学的に受容可能な塩であって、式中:
AはNまたはCRであり;
はH、ハロゲンまたはC1−6アルキルであり;
は:
【化2】

から選択され;
は:
【化3】

から選択され;
Rの各出現は、水素、または場合によってJもしくはJ’で置換されたC1−6脂肪族基から独立して選択され;そして
R’は、水素、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換されたC1−8脂肪族、場合によって三つまでのJの出現で置換されたC6−10アリール、場合によって三つまでのJの出現で置換された5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換された3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される基から独立して選択され、あるいは、RおよびR’が一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成しており、ここで、各環は、場合により、かつ、独立して、三つまでのJの出現で置換されており;
各R’’の出現は、水素、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換されたC1−8脂肪族、場合によって三つまでのJの出現で置換されたC6−10アリール、場合によって三つまでのJの出現で置換された5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換された3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される基から独立して選択され、あるいは、RおよびR’’が一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成しており、ここで、各環は、場合により、かつ、独立して、三つまでのJの出現で置換されており;
各Jの出現は:ハロゲン;−R;−OR;−SR;1,2−メチレンジオキシ;1,2−エチレンジオキシ;場合によってRで置換されたフェニル(Ph);場合によってRで置換された−O(Ph);場合によってRで置換された−(CH1−2(Ph);場合によってRで置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(S)R;−NRC(O)N(R;−NRC(S)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(S)R;−C(S)OR、−C(O)N(R;−C(S)N(R;−C(=NH)−N(R、−OC(O)N(R;−OC(O)R;−C(O)N(OR)R;−C(NOR)R;−S(O);−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−N(OR)R;−C(=NH)−N(R;C(=NOR)R;(CH0−2NHC(O)R;−P(O);−PO(R;−OPO(R;または−P(O)(H)(OR);から独立して選択され;
ここで、それぞれ独立したRの出現は、水素、場合によって置換されたC1−6脂肪族、場合によって置換された5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロ環式環、場合によって置換されたフェニル(Ph);場合によって置換された−O(Ph);場合によって置換された−(CH1−2(Ph);場合によって置換された−CH=CH(Ph);から選択されるか、または、同じ置換基または異なる置換基での二つの独立したRの出現は、各R基が結合されている一つまたは複数の原子と共に一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環または3〜8員のシクロアルキル環を形成しており;
ここで、Rの脂肪族基に対する置換基は、場合によって置換されたヘテロアリール、場合によって置換された、ヘテロ環式基、NH、NH(C1−6脂肪族)、N(C1−6脂肪族)、ハロゲン、C1−6脂肪族、OH、O(C1−6脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−6脂肪族)、O(ハロC1−6脂肪族)またはハロ(C1−6脂肪族)であり、ここで、Rの該各C1−6脂肪族基は置換されておらず;
ここで、Rのフェニル、ヘテロアリールまたはヘテロ環式基に対する置換基は、C1−6脂肪族、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−6脂肪族)、ハロゲン、C1−6脂肪族、OH、O(C1−6脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−6脂肪族)、O(ハロC1−6脂肪族)またはハロ(C1−6脂肪族)であり、ここで、Rの該各C1−6脂肪族基は置換されておらず;
各J’の出現は、=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)または=NRから独立して選択され、ここで、各Rは水素または場合によって置換されたC1−6脂肪族から独立して選択され;ここで、Rの脂肪族基は、場合によってNH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)またはハロ(C1−4脂肪族)で置換されており、ここで、Rの該各C1−4脂肪族基は置換されていない、
式Iの化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩。
(項目2)

【化4】

から選択される、項目1記載の化合物。
(項目3)

【化5】

である、項目1記載の化合物。
(項目4)
AがNである、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目5)
AがCHである、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目6)
R’がC1−6脂肪族、フェニルまたは5〜8員のヘテロアリール基であり、ここで、R’が場合によって一個までのJの出現で置換されている、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目7)
R’がC1−6脂肪族基またはフェニルであり、ここで、R’が場合によって一個までのJの出現で置換されており、Jが−COOR、−OR、Rまたは−CFであり、RがC1−3脂肪族基である、項目6記載の化合物。
(項目8)
R’がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−CH−イソプロピル、ブチル、t−ブチル、−CH−t−ブチルまたはシクロヘキシルであり、R’が場合によって−COOR、−ORまたはRで置換されている、項目7記載の化合物。
(項目9)
Rが水素またはメチルである、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目10)
各R’’がC1−6脂肪族基、フェニルまたは5〜8員のヘテロ環式基から独立して選択され、各R’’が、場合によって、かつ、独立して、一個までのJの出現で置換されている、項目1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
(項目11)
各R’’がC1−6脂肪族基またはフェニルから独立して選択され、各R’’が、場合によって、かつ、独立して、一個までのJの出現で置換されており、各Jがハロゲン、−CF、−CN、−COOR、−CORまたは−ORから独立して選択され、各RがC1−3脂肪族基である、項目10記載の化合物。
(項目12)
上記R’’がメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−CH−イソプロピル、ブチル、t−ブチルまたは−CH−t−ブチルであり、各R’’が場合によって−CN、−COORまたは−ORで置換されている、項目11記載の化合物。
(項目13)
表1の化合物のうちの一つから選択される化合物。
(項目14)
項目1〜13のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に受容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物。
(項目15)
化学療法薬もしくは抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤もしくは免疫抑制剤、神経栄養因子、心臓血管疾患を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤、または免疫不全障害を治療するための薬剤から選択される付加的な治療薬をさらに含む、項目14記載の組成物。
(項目16)
前記治療薬が免疫調節剤または免疫抑制剤である、項目15記載の組成物。
(項目17)
生物学的サンプルにおけるJAK2またはJAK3キナーゼ活性を阻害する方法であって、該方法は、該生物学的サンプルと項目1〜13のいずれか一項に記載の化合物または該化合物の組成物とを接触させる工程を包含する、キナーゼ活性の阻害方法。
(項目18)
患者における、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、(AML、ルー・ゲーリグ病)、多発性硬化症(MS)、充実性悪性疾患、血液悪性疾患または骨髄増殖性障害から選択される疾患状態を治療する方法、または前記疾患状態の重症度を低減する方法であって、該方法は、該患者に項目1〜13のいずれか一項に記載の化合物または該化合物の組成物を投与する工程を包含する、疾患状態を治療する方法、または疾患状態の重症度を低減する方法。
(項目19)
前記患者に、化学療法薬もしくは抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤もしくは免疫抑制剤、または神経栄養因子から選択される付加的な治療薬を投与する更なる工程を包含し、ここで、該付加的な治療薬が、治療されている該疾患にとって適切である、項目18記載の方法。
(項目20)
前記疾患または障害が、アレルギー反応もしくはI型過敏反応、喘息、筋萎縮性側索硬化症(AML、ルー・ゲーリグ病)、多発性硬化症(MS)、移植片拒絶反応、移植片対宿主病、慢性関節リウマチ、白血病、リンパ腫、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、骨髄線維症を伴う骨髄様化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病、好酸球増多症候群、または全身性マスト細胞疾患である、項目18記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明の詳細な説明)
(定義および一般的な専門用語)
本明細書で使用する場合、別に示されていない限り、以下の定義が適用される。本発明の目的上、化学元素は、元素の周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics、第75版により特定されている。更に、有機化学の一般的な原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999;「March’s Advanced Organic Chemistry」、第5版、編集:Smith,M.B.およびMarch,J.、John Wiley & Sons、New York:2001;「Encyclopedia of Organic Transformations」;編集:Richard C. Larock、John Wiley & Sons、New York:1999;「Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis」編集:Leo A.Paquette、John Wiley & Sons New York:1995;T.W.Greene & P.G.M.Wutz、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons,Inc.(1999)(およびもっと初期の版)で説明されており、これをもって、これらの参考文献の内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0010】
本明細書で説明されている如く、本発明の化合物は、上で一般的に開述されているように、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種により例証されているように、場合によっては一つまたはそれ以上の置換基で置換されていてよい。「場合によって置換された」という語句は「置換型または非置換型の」という語句と互換可能に使用されることが認識されよう。「場合によって」という用語が前に有るか無いかにかかわらず、一般的に、「置換された」という用語は、ある与えられた構造における水素ラジカルが、特定されている置換基のラジカルで置換されていることを表す。別に示されていない限り、場合によって置換された基は、その基のそれぞれの置換可能な位置に置換基を有していてよく、また、ある与えられた構造における一つより多くの位置が、特定されている基から選択される一つより多くの置換基で置換されていてよい場合には、それらの置換基は、同じものであってよく、または位置毎に異なるものであってもよい。本発明により想定されている置換基の組み合わせは、好適には、安定した化合物または化学的にふさわしい化合物の形成をもたらすような組み合わせである。本明細書で使用する場合、「安定した」という用語は、それらの化合物の製造、検出、ならびに、好適には、それらの化合物の回収、精製、および本明細書で開示されている一つまたはそれ以上の目的での使用を可能に成す条件に掛けられたときに実質的に変質しない化合物を表す。幾つかの実施態様においては、安定した化合物または化学的にふさわしい化合物は、水分または他の化学的に反応性の条件の不在下において、少なくとも一週間、40℃またはそれ以下の温度で保持されたときに実質的に変質しない化合物である。
【0011】
本明細書で使用する場合、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、直鎖状(即ち、非分枝鎖状)もしくは分枝鎖状の、置換型もしくは非置換型の炭化水素鎖であって、完全に飽和している炭化水素鎖、または一つもしくはそれ以上の不飽和な単位を包含した炭化水素鎖、あるいは、完全に飽和しているか、または一つもしくはそれ以上の不飽和な単位を包含している単環式炭化水素もしくは二環式炭化水素であるが、但し芳香族ではなく(本明細書では、「炭素環」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも呼ばれる)、その分子の残りの部分に対する単一の付着ポイントを有する単環式もしくは二環式の炭化水素を意味する。別な具合に特定されていない限り、脂肪族基は1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。幾つかの実施態様においては、脂肪族基は1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。別の実施態様においては、脂肪族基は1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。尚も別の実施態様においては、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含み、更に別の実施態様では、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。幾つかの実施態様においては、「脂環式」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、完全に飽和しているか、または一つもしくはそれ以上の不飽和な単位を包含している単環式のC3−8炭化水素または二環式のC8−12炭化水素であるが、但し芳香族ではなく、その分子の残りの部分に対する単一の付着ポイントを有する単環式C3−8炭化水素または二環式C8−12炭化水素を表し、ここで、上述の二環式の環系におけるあらゆる個々の環は3〜7個の環員を有している。適切な脂肪族基は、これらに限定するものではないが、直鎖状もしくは分枝鎖状の、置換型もしくは非置換型のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、および前述の基の混成基、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどを含む。
【0012】
本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂肪族」という用語は、一個または二個の炭素原子が、独立して、酸素、イオウ、窒素、リンまたはケイ素のうちの一つまたはそれ以上で置換されている脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換型または非置換型、分枝鎖状または非分枝鎖状、環式または非環式であってよく、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロ環式」の基を含む。
【0013】
本明細書で使用する場合、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロ環式」という用語は、一つまたはそれ以上の環員が独立して選択されたヘテロ原子である、非芳香族の単環式、二環式または三環式の環系を意味する。幾つかの実施態様においては、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」または「ヘテロ環式」の基は、一つまたはそれ以上の環員が酸素、イオウ、窒素またはリンから独立して選択されるヘテロ原子である3個から14個までの環員を有しており、この系における各環は3個から7個までの環員を含んでいる。
【0014】
ヘテロ環式の環の例は、ベンゾイミダゾロン(例えば3−1H−ベンゾイミダゾル−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンゾイミダゾル−2−オン)、テトラヒドロフラニル(例えば2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル)、テトラヒドロチオフェニル(例えば2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル)、モルホリノ(例えば2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ)、チオモルホリノ(例えば2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ)、ピロリジニル(例えば1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、テトラヒドロピペラジニル(例えば1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル)、ピペリジニル(例えば1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピラゾリニル(例えば1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル)、チアゾリジニル(例えば2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル)、イミダゾリジニル(例えば1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル)、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアンおよびジヒドロ−イミダゾル−2−オン(1,3−ジヒドロ−イミダゾル−2−オン)を含む。
【0015】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、イオウ、窒素、リンまたはケイ素のうちの一つまたはそれ以上を意味する(窒素、イオウ、リンまたはケイ素のあらゆる酸化された形態;あらゆる塩基性窒素の第四級化された形態または;ヘテロ環式環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合など)、NH(ピロリジニルの場合など)もしくはNR(N−置換ピロリジニルの場合など)を含む)。
【0016】
本明細書で使用する場合、「不飽和型」という用語は、ある部分が一つまたはそれ以上の不飽和な単位を有していることを意味する。
【0017】
本明細書で使用する場合、「アルコキシ」または「チオアルキル」という用語は、酸素(「アルコキシ」)またはイオウ(「チオアルキル」)原子を通じて主炭素鎖に付着された、前に定義されている通りのアルキル基を表す。
【0018】
「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルコキシ」という用語は、場合によって一つまたはそれ以上のハロゲン原子で置換されていてよいアルキル、アルケニルまたはアルコキシを意味する。「ハロゲン」という用語はF、Cl、BrまたはIを意味する。
【0019】
単独で使用されるか、または「アラルキル」、「アラルコキシ(aralkoxy)」もしくは「アリールオキシアルキル」などの場合のようにもっと大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計で5個から14個までの環員を有する単環式、二環式および三環式の環系を表し、ここで、この系における少なくとも一つの環は芳香族であり、また、この系における各環は3個から7個までの環員を含んでいる。「アリール」という用語は「アリール環」という用語と互換可能に使用され得る。また、「アリール」という用語は以下で定められている通りのヘテロアリール環系も表す。
【0020】
単独で使用されるか、または「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」などの場合のようにもっと大きな部分の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、合計で5個から14個までの環員を有する単環式、二環式および三環式の環系を表し、ここで、この系における少なくとも一つの環は芳香族であり、また、この系における少なくとも一つの環は一つまたはそれ以上のヘテロ原子を含んでおり、そしてこの系における各環は3個から7個までの環員を含んでいる。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」という用語または「ヘテロ芳香族」という用語と互換可能に使用され得る。
【0021】
ヘテロアリール環の例は、フラニル(例えば2−フラニル、3−フラニル)、イミダゾリル(例えばN−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ベンゾイミダゾリル、イソオキサゾリル(例えば3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサゾリル(例えば2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、ピロリル(例えばN−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、ピリジル(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例えば2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば3−ピリダジニル)、チアゾリル(例えば2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、テトラゾリル(例えば5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、チエニル(例えば2−チエニル、3−チエニル)、ベンゾフリル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば2−インドリル)、ピラゾリル(例えば2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、オキサジアゾリル(例えば1,2,3−オキサジアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば1,2,5−オキサジアゾリル)、オキサジアゾリル(例えば1,2,4−オキサジアゾリル)、トリアゾリル(例えば1,2,3−トリアゾリル)、チアジアゾリル(例えば1,2,3−チアジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば1,3,4−チアジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば1,2,5−チアジアゾリル)、プリニル、ピラジニル、トリアジニル(例えば1,3,5−トリアジニル)、キノリニル(例えば2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)およびイソキノリニル(例えば1−イソキノリニル、3−イソキノリニルまたは4−イソキノリニル)を含む。
【0022】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含む)またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシなどを含む)基は、一つまたはそれ以上の置換基を含んでいてよい。アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素原子における適切な置換基は:ハロゲン;−R;−OR;−SR;1,2−メチレンジオキシ;1,2−エチレンジオキシ;場合によってRで置換されたフェニル(Ph);場合によってRで置換された−O(Ph);場合によってRで置換された−(CH1−2(Ph);場合によってRで置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(S)R;−NRC(O)N(R;−NRC(S)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(S)R;−C(O)N(R;−C(S)N(R;−C(=NH)−N(R、−OC(O)N(R;−OC(O)R;−C(O)N(OR)R;−C(NOR)R;−S(O);−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−N(OR)R;−C(=NH)−N(R;または−(CH0−2NHC(O)R;から選択され、ここで、それぞれ独立したRの出現は、水素、場合によって置換されたC1−6脂肪族基、置換されていない5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロ環式環、フェニル、−O(Ph)もしくは−CH(Ph)から選択されるか、または、上の定義にかかわらず、同じ置換基または異なる置換基での二つの独立したRの出現は、各R基が結合されている一つまたは複数の原子と共に一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環または3〜8員のシクロアルキル環を形成している。このRの脂肪族基における、場合による置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族基、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、ここで、Rにおける先述の各C1−4脂肪族基は置換されていない。
【0023】
脂肪族基もしくはヘテロ脂肪族基、または非芳香族のヘテロ環式環は、一つまたはそれ以上の置換基を含んでいてよい。脂肪族基もしくはヘテロ脂肪族基、または非芳香族のヘテロ環式環の飽和炭素における適切な置換基は、アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素に対して上でリストアップされている置換基から選択され、また、付加的に、以下の置換基を含む:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)または=NR[式中、各Rは水素または場合によって置換されたC1−6脂肪族基から独立して選択される]。Rの脂肪族基における、場合による置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族基、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、ここで、Rにおける先述の各C1−4脂肪族基は置換されていない。
【0024】
非芳香族ヘテロ環式環の窒素における、場合による置換基は、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(Rまたは−NRSOから選択される;ここで、Rは、水素、場合によって置換されたC1−6脂肪族基、場合によって置換されたフェニル、場合によって置換された−O(Ph)、場合によって置換された−CH(Ph)、場合によって置換された−(CH1−2(Ph);場合によって置換された−CH=CH(Ph);または酸素、窒素もしくはイオウから独立して選択される1個から4個までのヘテロ原子を有する、置換されていない5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロ環式環であり、または、上の定義にかかわらず、同じ置換基もしくは異なる置換基における二つの独立したRの出現は、各R基が結合されている一つもしくは複数の原子と共に一体となって、5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員のシクロアルキル環を形成している。Rの脂肪族基またはフェニル環における、場合による置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族基、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)またはハロ(C1−4脂肪族)から選択され、ここで、Rにおける先述の各C1−4脂肪族基は置換されていない。
【0025】
「アルキリデン鎖」という用語は、直鎖状または分枝鎖状の炭素鎖を表し、この炭素鎖は、完全に飽和していてよく、または一つもしくはそれ以上の不飽和な単位を有していてもよく、その分子の残りの部分に対する二つの付着ポイントを有している。
【0026】
上で詳述されているように、幾つかの実施態様においては、二つの独立したR(もしくはR、または本明細書で同様に定められているあらゆる他の可変記号)の出現は、それぞれの可変記号が結合されている一つもしくは複数の原子と共に一体となって、5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員のシクロアルキル環を形成している。二つの独立したR(もしくはR、または本明細書で同様に定められているあらゆる他の可変記号)の出現が、それぞれの可変記号が結合されている一つもしくは複数の原子と共に一体となったときに形成される、典型的な環は、これらに限定するものではないが、以下のケースを含む:a)二つの独立したR(もしくはR、または本明細書で同様に定められているあらゆる他の可変記号)の出現が、同じ原子に結合されており、その原子と共に一体となり、環、例えばN(Rを形成しているケースであって、例えば、Rの両出現が窒素原子と共に一体となり、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イルまたはモルホリン−4−イル基を形成しているケース;およびb)二つの独立したR(もしくはR、または本明細書で同様に定められているあらゆる他の可変記号)の出現が、異なる原子に結合されており、それらの両原子と共に一体となり、環を形成しているケースであって、例えば、フェニル基が二つのRの出現で置換される場合
【0027】
【化7】

これら二つのRの出現が、それらのRが結合されている酸素原子と共に一体となり、縮合された6員の酸素含有環:
【0028】
【化8】

を形成しているケース。二つの独立したR(もしくはR、または本明細書で同様に定められているあらゆる他の可変記号)の出現が、各可変記号が結合されている一つもしくは複数の原子と共に一体となっているときには、様々な他の環の形成が可能であり、上で詳述されている例が限定的なものであることを意図したものではないことが認識されよう。
【0029】
別な具合に述べられていない限り、ここで描かれている種々の構造は、その構造のあらゆる異性体(例えば鏡像異性体、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体))の形態も含めるべく意図されており;例えば、各不斉中心に対するRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体を含む。従って、本化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性体、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または配座異性体)の混合物も本発明の範囲内である。また、別な具合に述べられていない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体の形態も本発明の範囲内である。更に、別な具合に述べられていない限り、ここで描かれている構造は、一つまたはそれ以上の同位体富化原子が存在している点においてのみ異なる化合物も含めるべく意図されている。例えば、水素がジュウテリウムまたはトリチウムで置換されている点を除き、本構造を有する化合物、または12C炭素が13Cもしくは14C炭素で置換されている点を除き、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば生物学的検定法における分析用のツールまたはプローブとして有用である。
【0030】
(本発明の化合物の説明)
本発明は、式I:
【0031】
【化9】

の化合物、またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、誘導体もしくはプロドラッグを提供し、ここで、上述の式中:
AはNまたはCRであり;
はH、ハロゲンまたはC1−6アルキルであり;
は:
【0032】
【化10】

【0033】
【化11】

から選択され;
は:
【0034】
【化12】

から選択され;
Rの各出現は、水素、または場合によってJもしくはJ’で置換されたC1−6脂肪族基から独立して選択され;そして
R’は、水素、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換されたC1−8脂肪族基、場合によって三つまでのJの出現で置換されたC6−10アリール、場合によって三つまでのJの出現で置換された5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換された3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される基から独立して選択され、あるいは、RおよびR’が一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成しており、ここで、各環は、場合により、かつ、独立して、三つまでのJの出現で置換されており;
各R’’の出現は、水素、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換されたC1−8脂肪族基、場合によって三つまでのJの出現で置換されたC6−10アリール、場合によって三つまでのJの出現で置換された5〜10個の環原子を有するヘテロアリール環、または場合によって三つまでのJもしくはJ’の出現で置換された3〜10個の環原子を有するヘテロシクリル環から選択される基から独立して選択され、あるいは、RおよびR’’が一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成しており、ここで、各環は、場合により、かつ、独立して、三つまでのJの出現で置換されており;
各Jの出現は:ハロゲン;−R;−OR;−SR;1,2−メチレンジオキシ;1,2−エチレンジオキシ;場合によってRで置換されたフェニル(Ph);場合によってRで置換された−O(Ph);場合によってRで置換された−(CH1−2(Ph);場合によってRで置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(S)R;−NRC(O)N(R;−NRC(S)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(S)R;−C(S)OR、−C(O)N(R;−C(S)N(R;−C(=NH)−N(R、−OC(O)N(R;−OC(O)R;−C(O)N(OR)R;−C(NOR)R;−S(O);−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−N(OR)R;−C(=NH)−N(R;C(=NOR)R;(CH0−2NHC(O)R;−P(O);−PO(R;−OPO(R;または−P(O)(H)(OR);から選択され;
ここで、それぞれ独立したRの出現は、水素、場合によって置換されたC1−6脂肪族基、場合によって置換された5〜6員のヘテロアリールもしくはヘテロ環式環、場合によって置換されたフェニル(Ph);場合によって置換された−O(Ph);場合によって置換された−(CH1−2(Ph);場合によって置換された−CH=CH(Ph);から選択されるか、または、同じ置換基または異なる置換基での二つの独立したRの出現は、各R基が結合されている一つまたは複数の原子と共に一体となって、窒素、酸素もしくはイオウから独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜8員のヘテロシクリル、アリールもしくはヘテロアリール環または3〜8員のシクロアルキル環を形成しており;
ここで、Rの脂肪族基に対する置換基は、場合によって置換されたヘテロアリール、場合によって置換された、ヘテロ環式基、NH、NH(C1−6脂肪族)、N(C1−6脂肪族)、ハロゲン、C1−6脂肪族基、OH、O(C1−6脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−6脂肪族)、O(ハロC1−6脂肪族)またはハロ(C1−6脂肪族)であり、ここで、Rのこれらの各C1−6脂肪族基は置換されておらず;
ここで、Rのフェニル、ヘテロアリールまたはヘテロ環式基に対する置換基は、C1−6脂肪族基、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−6脂肪族)、ハロゲン、C1−6脂肪族基、OH、O(C1−6脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−6脂肪族)、O(ハロC1−6脂肪族)またはハロ(C1−6脂肪族)であり、ここで、Rのこれらの各C1−6脂肪族基は置換されておらず;
各J’の出現は、=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)または=NRから独立して選択され、ここで、各Rは水素または場合によって置換されたC1−6脂肪族基から独立して選択され;またここで、Rの脂肪族基は、場合によってNH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族基、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)またはハロ(C1−4脂肪族)で置換されており、更にここで、Rの各C1−4脂肪族基は置換されていない。
【0035】
特定の実施態様においては、Rは:
【0036】
【化13】

から選択される。
【0037】
本発明の特定の実施態様においては、Rは:
【0038】
【化14】

である。
【0039】
特定の実施態様においては、AはNである。
【0040】
別の実施態様においては、AはCRである。更なる実施態様においては、AはCHである。
【0041】
幾つかの実施態様においては、R
【0042】
【化15】

から選択される。更なる実施態様においては、R’はC1−6脂肪族基、フェニルまたは5〜8員のヘテロアリール基であり、ここで、R’は場合によって一つまでのJの出現で置換されている。更なる実施態様においては、R’はC1−6脂肪族基またはフェニルであり、ここで、R’は場合によって一つまでのJの出現で置換されており、またここで、Jは−COOR、−OR、Rまたは−CFであり、更にここで、RはC1−3脂肪族基である。尚も更なる実施態様においては、R’はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−CH−イソプロピル、ブチル、t−ブチル、−CH−t−ブチルまたはシクロヘキシルであり、ここで、R’は場合によって−COOR、−ORまたはRで置換されている。特定の実施態様においては、Rは水素またはメチルである。
【0043】
幾つかの実施態様においては、R
【0044】
【化16】

から選択される。更なる実施態様においては、R’’はC1−6脂肪族基、フェニルまたは5〜8員のヘテロ環基から独立して選択され、ここで、R’’は場合によって一つまでのJの出現で置換されている。更なる実施態様においては、R’’はC1−6脂肪族基またはフェニルから独立して選択され、ここで、R’’は場合によって一つまでのJの出現で置換されており、またここで、Jはハロゲン、−CF、−CN、−COOR、−CORまたは−ORから選択され、更にここで、RはC1−3脂肪族基である。尚も更なる実施態様においては、R’’はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−CH−イソプロピル、ブチル、t−ブチルまたは−CH−t−ブチルであり、ここで、R’’は場合によって−CN、−COORまたは−ORで置換されている。特定の実施態様においては、Rは水素またはメチルである。
【0045】
の特定の実施態様が表1における本化合物で描かれている。
【0046】
幾つかの実施態様においては、Rは:
【0047】
【化17】

から選択される。更なる実施態様においては、R’’はC1−6脂肪族基、フェニルまたは5〜8員のヘテロ環基から独立して選択され、ここで、R’’は場合によって一つまでのJの出現で置換されている。更なる実施態様においては、R’’はC1−6脂肪族基またはフェニルから独立して選択され、ここで、R’’は場合によって一つまでのJの出現で置換されており、またここで、Jはハロゲン、−CF、−CN、−COOR、−CORまたは−ORから選択され、更にここで、RはC1−3脂肪族基である。尚も更なる実施態様においては、R’’はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、−CH−イソプロピル、ブチル、t−ブチルまたは−CH−t−ブチルであり、ここで、R’’は場合によって−CN、−COORまたは−ORで置換されている。特定の実施態様においては、Rは水素またはメチルである。
【0048】
の特定の実施態様が表1における本化合物で描かれている。
【0049】
式Iの化合物の代表的な例が表1に示されている。
【0050】
【化18】

【0051】
【化19】

【0052】
【化20】

【0053】
【化21】

【0054】
【化22】

【0055】
【化23】

【0056】
【化24】

【0057】
【化25】

【0058】
【化26】

【0059】
【化27】

【0060】
【化28】

【0061】
【化29】

【0062】
【化30】

【0063】
【化31】

【0064】
【化32】

【0065】
【化33】

【0066】
【化34】

【0067】
【化35】

【0068】
【化36】

【0069】
【化37】

【0070】
【化38】

【0071】
【化39】

【0072】
【化40】

【0073】
【化41】

【0074】
【化42】

【0075】
【化43】

【0076】
【化44】

【0077】
【化45】

【0078】
【化46】

【0079】
【化47】

【0080】
【化48】

【0081】
【化49】

【0082】
【化50】

【0083】
【化51】

【0084】
【化52】

【0085】
【化53】

【0086】
【化54】

【0087】
【化55】

【0088】
【化56】

【0089】
【化57】

【0090】
【化58】

【0091】
【化59】

【0092】
【化60】

【0093】
【化61】

【0094】
【化62】

【0095】
【化63】

【0096】
【化64】

【0097】
【化65】

【0098】
【化66】

【0099】
【化67】

【0100】
【化68】

【0101】
【化69】

【0102】
【化70】

【0103】
【化71】

【0104】
【化72】

【0105】
【化73】

【0106】
【化74】

【0107】
【化75】

【0108】
【化76】

【0109】
【化77】

【0110】
【化78】

【0111】
【化79】

【0112】
【化80】

【0113】
【化81】

【0114】
【化82】

【0115】
【化83】

【0116】
【化84】

【0117】
【化85】

【0118】
【化86】

【0119】
【化87】

【0120】
【化88】

【0121】
【化89】

【0122】
【化90】

【0123】
【化91】

【0124】
【化92】

【0125】
【化93】

【0126】
【化94】

【0127】
【化95】

【0128】
【化96】

【0129】
【化97】

【0130】
【化98】

【0131】
【化99】

【0132】
【化100】

【0133】
【化101】

【0134】
【化102】

【0135】
【化103】

【0136】
【化104】

【0137】
【化105】

(一般的な合成方法)
本発明の化合物は、一般的に、当業者にとって既知の類似の化合物のための方法により、ならびに以下の一般的スキームおよび以下の調製実施例で示されている如き方法により調製することができる。本発明の化合物を調製するためのプロセスは、それらのスキームおよび実施例で説明されている。これらのスキームの可変記号は、本明細書において本化合物(例えば式I)に関して定義されている通りであり、または、それらの化合物を参照することにより容易に認識することができる。
【0138】
スキーム7は、ArおよびArが置換されているタイプの特定の例証的な化合物の合成方法を描いている。
【0139】
【化106】

一般的な条件:溶媒、塩基、適切なカップリング剤、例えば:A.DMF、DIEA、RCOCl;B.DMF、IEA、イソシアナート;C.DMF、DIEA、クロロホルマート;D.DMF、DIEA、1SO2R;E.iPrOH、ハロゲン化アルキル、加熱。
【0140】
スキーム7は、Arがアミン誘導体で置換されているタイプの本発明の化合物への経路を描いており、詳細には、ここでのRは(T)Arであり、Arはアミン誘導体で置換されている。スキーム7において、このアミン基は、アミン誘導体をもたらすべく、標準的なカップリング条件下で反応させられる。ここで描かれている合成方法は、他のアミン誘導体をもたらすべく改変できることを理解すべきである。更に、ここで描かれている条件以外のカップリング条件を利用することもできよう。そのような方法は当業者に広く知られている(例えば、GreeneまたはGreene & Wutzによる「Protective Groups in Organic Synthesis」;WO第01/81330号を参照のこと)。また、これらの条件は、典型的には、残りの置換基(例えば−NR)と適合するように(即ち、反応するように)選択されるべきであることも理解すべきである。
【0141】
スキーム1:ジアミノトリアゾール化合物への経路。
【0142】
【化107】

スキーム2:ジアミノトリアゾール化合物の誘導体への経路。
【0143】
【化108】

スキーム3:ジアミノトリアゾール化合物への経路。
【0144】
【化109】

(a)N−シアノ−N’−アリール−O−フェニルイソ尿素、NMP、DIEA、MW、160〜220℃、6〜15分;(b)HNR、NMP、MW、220〜250℃、6〜15分;(c)6NのHCl、95℃;方法A:ClCOR(クロロホルマート)、DIEA、DMF;方法B:OCN−R(イソシアナート)、DIEA、DMF;方法C:RCOH(カルボン酸)、DCC、DCM、またはRCOCl(酸塩化物)、DIEAまたはピリジン、DMF
本発明の化合物への別な一般的経路がスキーム3に描かれている。スキーム3では特定の試薬が描かれているが、当業者であれば、ここで描かれている合成を実施するために他の工程および試薬も使用できることが認識されよう。以下のスキーム4および5は、この一般的スキームを更に詳しく描いている。
【0145】
上およびここで特定の例証的な実施態様が描かれ、説明されているが、本発明の化合物は、当業者が一般的に利用可能な方法により、適切な開始物質を用い、上で一般的に説明されている方法によって調製され得ることが認識されよう。
【0146】
(使用、調合および投与)
(薬学的に受容可能な組成物)
上で検討されているように、本発明はプロテインキナーゼの阻害剤である化合物を提供し、それ故、本化合物は、これらに限定するものではないが、アレルギー性疾患、増殖性疾患、自己免疫疾患、臓器移植と関連性のある状態、炎症性疾患、免疫学的に媒介された疾患、ウイルス性疾患または破壊性骨疾患(例えば骨吸収性障害など)を含む疾患、障害および状態の治療に有用である。従って、本発明の別の側面においては、薬学的に受容可能な組成物が提供され、ここで、これらの組成物は、本明細書で開述されている通りのいずれかの化合物を含み、場合によっては、薬学的に受容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルも含む。特定の実施態様においては、これらの組成物は、場合によって、更に一つまたはそれ以上付加的な治療薬も含む。
【0147】
また、本発明の特定の化合物は、治療のため、または適切な場合には、それらの化合物の薬学的に受容可能な誘導体として遊離型(free form)で存在し得ることも認識されよう。本発明によれば、薬学的に受容可能な誘導体は、これらに限定するものではないが、必要としている患者に投与したときに、直接的もしくは間接的に、本明細書において格別の開述が為されている化合物、またはそのような化合物の代謝産物もしくは残留物をもたらすことができる、薬学的に受容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、またはあらゆる他の付加化合物もしくは誘導体を含む。
【0148】
本明細書で使用する場合、「薬学的に受容可能な塩」という用語は、確固とした医学的判定(sound medical judgement)の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適しており、且つ、妥当な便益/リスク比に相応する塩を表す。「薬学的に受容可能な塩」は、受容者に投与したときに、直接的であるか間接的であるかにかかわらず、Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3を含めた興味対象のキナーゼを阻害する、本発明の化合物、またはその化合物の代謝産物もしくは残留物をもたらすことができる、本発明の化合物のあらゆる無毒の塩または本化合物のエステルの塩を意味する。特別な実施態様においては、本化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩は、JAK2またはJAK3を阻害する。
【0149】
薬学的に受容可能な塩は当技術分野において広く知られている。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences、1977、66、1〜19(参照により本明細書に組み入れられる)において、薬学的に受容可能な塩について記述している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導された塩を含む。薬学的に受容可能な無毒の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などを用いて形成されたアミノ基の塩、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などを用いて形成されたアミノ基の塩、または当技術分野において使用されている他の方法、例えばイオン交換法などを用いて形成されたアミノ基の塩を含む。
【0150】
他の薬学的に受容可能な塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンホールスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロヨージド塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリル酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。適切な塩基から誘導される塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1−4アルキル)塩を含む。
【0151】
また、本発明は、ここで開示されている化合物のあらゆる塩基性窒素含有基の第四級化も想定している。このような第四級化により、水溶性もしくは油溶性、または分散性の生成物を得ることができる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。薬学的に受容可能な更なる塩は、適切な場合、対イオン、例えば塩化物、ヒドロキシド、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硝酸、低級アルキルスルホン酸およびアリールスルホン酸などを用いて形成される、無毒のアンモニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオンおよびアミンカチオンを含む。
【0152】
上で開述されているように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能な担体、アジュバントまたはビヒクルを付加的に含み、これらの添加剤は、ここで使用する場合、所望される特定の剤形に合わせて、あらゆるおよびすべての溶媒、希釈剤もしくは他の液体ビヒクル、分散助剤もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版(E.W.Martin(Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1980))は、薬学的に受容可能な組成物の調合において使用される様々な担体、およびそれらの組成物を調製するための技術を開示している。従来の担体媒質が、例えば望ましくない生物学的影響をもたらしたり、または薬学的に受容可能な本組成物に含まれている一つもしくは複数の何らかの他の成分との有害な仕方における別な具合の相互作用を引き起こしたりすることなどにより、本発明の化合物と適合しない場合を除き、それらの担体媒質の使用は、本発明の範囲内に収まるべく想定されている。
【0153】
薬学的に受容可能な担体として機能することができる物質の幾つかの例は、これらに限定するものではないが、イオン交換体、アルミナ、アルミニウムステアラート、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミンなど、緩衝物質、例えばリン酸など、グリシン、ソルビン酸もしくはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、水、塩もしくは電解質、例えばプロタミン硫酸、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩など、コロイド状シリカ、マグネシウムトリシリカート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリラート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロースなど;デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなど;セルロースおよびセルロース誘導体、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなど;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ビヒクル、例えばココアバターおよび坐剤用ワックスなど;オイル、例えばラッカセイ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油およびダイズ油など;グリコール;例えばプロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなど;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなど;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなど;アルギン酸;発熱物質不含の水;等張食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝溶液を含み、更には、他の無毒な適合性滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、矯味・矯臭剤および香料、保存剤および酸化防止剤なども、調合者の判断により、本組成物中に存在していてよい。
【0154】
(本化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用)
更に別の側面においては、アレルギー性疾患、増殖性疾患、自己免疫疾患、臓器移植と関連性のある状態、炎症性疾患、免疫学的に媒介された疾患、ウイルス性疾患または破壊性骨疾患(例えば骨吸収性障害など)を治療するための方法、またはそれらの疾患の重症度を低減するための方法が提供され、その方法は、それらを必要としている被検者に対して有効量の本化合物または本化合物を含有する薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む。本発明の特定の実施態様においては、本化合物または薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、興味対象の疾患、障害または状態を治療するのに有効な量、またはそれらの疾患の重症度を低減するのに有効な量である。本化合物および組成物は、本発明の方法により、興味対象の疾患、障害もしくは状態の治療または重症度の低減にとって効果的なあらゆる量およびあらゆる投与経路を用いて投与されてよい。必要とされる正確な量は、被検者の種、年齢および一般的な状態、その感染症の重症度、特定の作用物質、および作用物質の投与様式などに依存して、被検者毎に様々に変わるであろう。本発明の化合物は、好適には、投与しやすく、且つ、投薬量の均一性を保ちやすい投薬単位形態で調合される。本明細書で使用する場合、「投薬単位形態」という表現は、治療されるべき患者にとって適切な作用物質の物理的に個別の単位を表す。しかし、本発明の化合物および組成物の一日の合計使用量は、理にかなった医学的判定の範囲内において、担当医師により決定されることが理解されよう。個々の患者または生物体に対する特定の有効な用量レベルは様々なファクターに依存し、それらのファクターは、治療されるべき障害およびその障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別および食生活;使用される特定の化合物の投与時間、投与経路および排出速度;治療の継続期間;用いられる特定の化合物と組み合わせて使用される薬剤または同時的に使用される薬剤、ならびに医療技術分野において広く知られているファクターなどを含む。本明細書で使用する場合、「患者」という用語は、動物、好適には哺乳動物、最も好適にはヒトを意味する。
【0155】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、治療される感染症の重症度に依存して、ヒトおよび他の動物に、例えば経口的に、経直腸的に、非経口的に、槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉末剤、軟膏剤または滴剤として)もしくは経頬的に投与することができ、または経口噴霧剤もしくは鼻腔用スプレーなどとして投与することができる。特定の実施態様においては、本発明の化合物は、望ましい治療効果を得るため、一日に一回またはそれ以上、一日当たり約0.01mg/kg(被検者の体重)から約50mg/kgまで、好適には約1mg/kgから約25mg/kgまでの投与量レベルで経口的または非経口的に投与されてよい。
【0156】
経口投与用の液体剤形は、これらに限定するものではないが、薬学的に受容可能な乳剤、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。本活性化合物に加え、これらの液体剤形は、当技術分野において一般的に使用されている不活性な希釈剤、例えば水もしくは他の溶媒など、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、カルボン酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびに前述のものの混合物なども含んでいてよい。不活性な希釈剤のほかに、本経口用組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、矯味・矯臭剤、ならびに香料なども含むことができる。
【0157】
注射用調製物、例えば注射可能な無菌の水性または油性懸濁剤が、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の技術により調合されてよい。また、無菌の注射用調製物は、非経口的に受容可能な無毒の希釈剤または溶媒中における無毒の注射可能な溶液、懸濁液または乳液、例えば1,3−ブタンジオール中における溶液などであってもよい。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には水、リンゲル溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。更に、無菌の不揮発性油も、通常、溶媒または懸濁化媒質として使用される。この目的で、合成のモノ−またはジグリセリドを含め、あらゆる無刺激性の不揮発性油を使用することができる。更に、注射可能な薬剤の調製では脂肪酸、例えばオレイン酸などが使用される。
【0158】
注射可能な調合物は、例えば細菌保持フィルターを通じて濾過することにより、または使用する前に滅菌水もしくは他の無菌の注射可能な媒質中に溶解もしくは分散させることができる無菌の固体組成物の形態を成した滅菌剤を組み入れることにより、滅菌することができる。
【0159】
本発明の化合物の効果を長く保ち続けるため、皮下注射または筋肉内注射からの本化合物の吸収を遅速化することが望ましいことが多い。これは、水溶性に乏しい結晶性物質または非晶質物質の液体懸濁液を使用することにより果たすことができる。このときの本化合物の吸収速度は、本化合物の溶解速度に依存し、従って、結晶のサイズおよび結晶の形態に依存するであろう。代替的に、非経口的に投与される化合物の形態の遅延吸収は、本化合物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることにより果たすこともできる。注射可能なデポー製剤は、生物分解性ポリマー、例えばポリラクチド−ポリグリコリドなどに包まれた本化合物のマイクロカプセル封入マトリックスを形成することにより製造される。本化合物および上述のポリマーの比、ならびに使用される特定のポリマーの性状に依存して、本化合物の放出速度を調節することができる。他の生物分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)を含む。また、注射可能なデポー製剤は、身体組織と適合性を有するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に本化合物を封入することによっても調製することができる。
【0160】
経直腸投与用または膣内投与用の組成物は好適には坐剤であり、これらの坐剤は、本発明の化合物を、環境温度では固体であるが、体温では液体であり、それ故、直腸または膣腔で溶けて本活性化合物を放出する、適切な非刺激性のビヒクルまたは担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックスなどと混合することにより調製することができる。
【0161】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。このような固体剤形においては、本活性化合物は、薬学的に受容可能な少なくとも一つの不活性なビヒクルもしくは担体、例えばナトリウムシトラートもしくはジカルシウムホスファートなど、及び/又はa)充填剤もしくは増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロールなど、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど、e)溶解遅延剤、例えばパラフィンなど、f)吸収加速剤、例えば第四級アンモニウム化合物など、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレイなど、およびi)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど、ならびに前述のものの混合物と混ぜ合わされる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形は緩衝剤も含んでいてよい。
【0162】
同様なタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖、更には高分子量ポリエチレングリコールなどのビヒクルを用いる軟質および硬質ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティングおよび薬剤調合技術分野において広く知られた他のコーティングなどを伴って調製されてよい。これらの固体剤形は場合によって乳白剤を含んでいてよく、また、腸管の特定の部分において、場合によっては遅延された仕方で、一つまたは複数の本活性成分のみを放出する組成物、またはそれらの活性成分を優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、高分子物質およびワックスを含む。同様なタイプの固体組成物も、ラクトースまたは乳糖、更には高分子量ポリエチレングリコールなどのビヒクルを用いる軟質および硬質ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用することができる。
【0163】
また、本活性化合物は、上で記されている如き一つまたはそれ以上のビヒクルを用いてマイクロカプセルに封入された形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、コーティングおよびシェル、例えば腸溶コーティング、放出制御用コーティングおよび薬剤調合技術分野において広く知られた他のコーティングなどを伴って調製されてよい。このような固体剤形においては、本活性化合物は、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えばスクロース、ラクトースまたはデンプンなどと混ぜ合わされてよい。また、このような剤形は、通常行われているように、不活性な希釈剤以外の付加的な物質、例えば錠剤化用滑沢剤および他の錠剤化用助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなども含んでいてよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形は緩衝剤も含んでいてよい。更に、これらの剤形は、場合によって乳白剤を含んでいてよく、また、腸管の特定の部分において、場合によっては遅延された仕方で、一つまたは複数の本活性成分のみを放出する組成物、またはそれらの活性成分を優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例は、高分子物質およびワックスを含む。
【0164】
本発明の化合物を局所投与または経皮的に投与するための剤形は、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤またはパッチ剤を含む。本活性成分は、無菌条件下において、薬学的に受容可能な担体および、要求される場合には、必要な保存剤または緩衝剤と混ぜ合わされる。眼科用調合物、点耳薬および点眼薬も本発明の範囲内に収まるべく想定されている。更に、本発明は、制御された仕方で身体への化合物の送給をもたらすという利点が付加された経皮的パッチ剤の使用も想定している。このような剤形は、本化合物を適切な媒質中に溶解または分散させることにより製造することができる。皮膚を横断する本化合物の流量を増加させるため、吸収促進剤も使用することができる。その速度は、速度制御膜を設けることにより、または本化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることにより調節することができる。
【0165】
上で一般的に説明されている如く、本発明の化合物はプロテインキナーゼの阻害剤として有用である。一つの実施態様においては、本発明の化合物および組成物は、Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3のうちの一つまたはそれ以上に対する阻害剤である。特定の好適な実施態様においては、これらの化合物は、JAK2およびJAK3の阻害剤として有効である。従って、どのような特定の理論によっても拘束されることを願うものではないが、本化合物および組成物は、Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3キナーゼを含む一つまたはそれ以上のプロテインキナーゼの活性化が疾患、状態または障害にかかわり合っている疾患、状態または障害を治療するのに特に有用であり、またはそのような疾患の重症度を低減するのに特に有用である。Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3キナーゼの活性化が特定の疾患、状態または障害にかかわり合っている場合、それらの疾患、状態または障害は、「Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2もしくはJAK3−媒介疾患」または病徴と呼ばれることもある。従って、別の側面においては、本発明は、Aurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3キナーゼを含む一つまたはそれ以上のプロテインキナーゼの活性化が病状にかかわり合っている疾患、状態または障害を治療するための方法、またはそのような疾患の重症度を低減させるための方法を提供する。
【0166】
プロテインキナーゼの阻害剤として本発明で利用される化合物の活性は、インビトロ、インビボまたは細胞系において検定することができる。インビトロアッセイは、例えば活性化されたAurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3のリン酸化活性またはATPアーゼ活性のいずれかの阻害を決定するアッセイを含む。代替的なインビトロアッセイは、プロテインキナーゼに結合する本阻害剤の能力を定量化するものである。阻害剤の結合は、結合する前に本阻害剤を放射性同位体で標識し、阻害剤/酵素、複合体を単離し、結合された放射能標識の量を決定することにより測定することができる。代替的に、阻害剤の結合は、競合実験を実施することにより決定することもでき、そこでは、新たな阻害剤が、例えば、既知の放射性リガンドに結合されたAurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3と共にインキュベートされる。
【0167】
本明細書で使用する場合、「測定可能に阻害する」という用語は、ある組成物およびキナーゼを含むサンプルとその組成物の不在下においてキナーゼを含む同等なサンプルとの間でのキナーゼ活性の測定可能な変化を意味する。
【0168】
本明細書で使用する場合、「FLT−3−媒介疾患」という用語は、FLT−3ファミリーのキナーゼがある役割を果たしていることが知られている何らかの疾患または他の有害な状態を意味する。そのような状態は、これらに限定するものではないが、造血障害、特に急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)および急性リンパ球性白血病(ALL)を含む。
【0169】
本明細書で使用する場合、「JAK−媒介疾患」という用語は、JAKファミリーのキナーゼ、特にJAK−3がある役割を果たしていることが知られている何らかの疾患または他の有害な状態を意味する。そのような状態は、これらに限定するものではないが、免疫応答、例えばアレルギー反応またはI型過敏反応、喘息など、自己免疫疾患、例えば移植片拒絶反応、移植片対宿主病、慢性関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症など、神経変性障害、例えば家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)など、更には充実性悪性疾患および血液悪性疾患、例えば白血病およびリンパ腫などを含む。JAK2がある役割を果たしている状態は、骨髄増殖性障害、例えば真性赤血球増加症、本態性血小板血症、慢性特発性骨髄線維症、骨髄線維症を伴う骨髄様化生、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、慢性好酸球性白血病、好酸球増多症候群および全身性マスト細胞疾患などを含む。
【0170】
本明細書で使用する場合、「AUR−媒介疾患」または「AUR−媒介状態」という用語は、AURプロテインキナーゼがある役割を果たしていることが知られている何らかの疾患または他の有害な状態を意味する。そのような状態は、これらに限定するものではないが、アレルギー性疾患、特に喘息を含む。
【0171】
また、本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物は組み合わせ療法において使用することもでき、即ち、本化合物および薬学的に受容可能な組成物は、一つもしくはそれ以上の他の望ましい治療薬または医療処置と同時的に、またはそのような治療薬もしくは医療処置の前に、またはそのような治療薬もしくは医療処置の後に投与されてよいことも認識されよう。組み合わせ療法において使用するための特定の治療法(治療薬または医療処置)の組み合わせは、所望の治療薬及び/又は医療処置の適合性、ならびに達成されるべき所望の治療効果を斟酌して行われるであろう。また、用いられる治療法は、同じ障害に対して望ましい効果をもたらすものであってよく(例えば、本発明の化合物が、同じ障害を治療するために使用される別の物質と同時的に投与されてよい)、またはそれらの治療法が異なる効果(例えば副作用の抑制)をもたらすものであってもよいことが認識されよう。ここで使用する場合、特定の疾患もしくは状態を治療または予防するために通常投与される付加的な治療薬は、「治療されるそれらの疾患または状態にとって適切である」ことが知られている治療薬である。
【0172】
例えば、増殖性疾患および癌を治療するため、化学療法剤または他の抗増殖剤を本発明の化合物と組み合わせることができる。既知の化学療法剤の例は、これらに限定するものではないが、を含む。例えば、本発明の独創的な抗癌剤と組み合わせて使用され得る他の治療法または抗癌剤は、手術、放射線療法(数例ではあるが(in but a few
example)幾つかの例を挙げれば、ガンマ線、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、陽子線療法、近接照射療法および全身性放射性同位体)、内分泌療法、生物学的反応修飾物質(幾つかの例を挙げれば、インターフェロン、インターロイキンおよび腫瘍壊死因子(TNF))、温熱および凍結療法、何らかの有害な影響を減衰させるための物質(例えば抗嘔吐薬)、ならびに認可されている他の化学療法薬を含み、これらの化学療法薬は、これらに限定するものではないが、アルキル化剤(メクロルエタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗薬(メトトレキサート)、プリン拮抗薬およびピリミジン拮抗薬(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラバイル(Cytarabile)、ジェムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンオレルビン、パクリタクセル)、ポドフィロトキシン(エトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ミトマイシン)、ニトロソ尿素(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、およびホルモン(タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミドおよびメゲストロール)、GleevecTM、アドリアマイシン、デキサメタゾンおよびシクロホスファミドを含む。最新の癌療法に関するもっと網羅的な検討についてはhttp://www.nci.nih.gov/、http://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htmにおけるFDA認可腫瘍学薬のリスト、およびThe Merck Manual、第17版、1999(これらの参考資料の内容全体は、これをもって、参照により本明細書に組み入れられる)を参照のこと。
【0173】
本発明の阻害剤も組み合わせて使用され得る物質の他の例は、これらに限定するものではないが:アルツハイマー病用の治療薬、例えばAricept(登録商標)およびExcelon(登録商標)など;パーキンソン病用の治療薬、例えばL−DOPA/カルビドパ、エンタカポン、ロピンロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキセフェンジル(trihexephendyl)およびアマンタジンなど;多発性硬化症(MS)を治療するための物質、例えばベータインターフェロン(例えばAvonex(登録商標)およびRebif(登録商標))、Copaxone(登録商標)およびミトキサントロンなど;喘息用の治療薬、例えばアルブテロールおよびSingulair(登録商標)など;統合失調症を治療するための物質、例えばジプレキサ、リスペルダル、セロクエルおよびハロペリドールなど;抗炎症剤、例えばコルチコステロイド、TNF遮断薬、IL−1 RA、アザチオプリン、シクロホスファミドおよびスルファサラジンなど;免疫調節薬および免疫抑制薬、例えばシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリンおよびスルファサラジンなど;神経栄養因子、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣薬、イオンチャンネル遮断薬、リルゾールおよび抗パーキンソン病薬など;心臓血管疾患を治療するための薬剤、例えばベータ遮断薬、ACE阻害剤、利尿薬、ニトラート、カルシウムチャンネル遮断薬およびスタチンなど;肝臓疾患を治療するための物質、例えばコルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロンおよび抗ウイルス薬など;血液疾患を治療するための物質、例えばコルチコステロイド、抗白血病薬および成長因子など;ならびに免疫不全疾患を治療するための物質、例えばガンマグロブリンなど;を含む。
【0174】
本発明の組成物中に存在する付加的な治療薬の量は、唯一の活性物質としてその治療薬を含む組成物において通常投与される量よりも多くはないであろう。好適には、本明細書において開示されている組成物中における付加的な治療薬の量は、治療学的に唯一の活性物質としてその物質を含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%までの範囲であろう。
【0175】
また、本発明の化合物またはそれらの化合物の薬学的に受容可能な組成物は、移植可能な医療装置、例えばプロテーゼ、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテルなどをコーティングするための組成物に組み入れることもできる。従って、本発明は、別の側面では、移植可能な装置をコーティングするための組成物を含み、その組成物は、上で、ならびにここのクラスおよびサブクラスにおいて一般的に開述されている通りの本発明の化合物、および上述の移植可能な装置をコーティングするのに適した担体を含む。更に別の側面においては、本発明は、上で、ならびにここのクラスおよびサブクラスにおいて一般的に開述されている通りの本発明の化合物と移植可能な装置をコーティングするのに適した担体とを含有する組成物でコーティングされた、移植可能な装置を含む。
【0176】
血管ステントは、例えば、再発狭窄症(損傷後における血管壁の再狭窄)を克服するために使用されている。しかし、ステントまたは他の移植可能な装置を使用している患者は、血栓形成または血小板活性化のリスクを負っている。これらの望ましくない影響は、キナーゼ阻害剤を含む薬学的に受容可能な組成物でその装置を予めコーティングすることにより防止または軽減することができる。適切なコーティング剤およびコーティングされた移植可能な装置の一般的な調製法が米国特許第6,099,562号;第5,886,026号;および第5,304,121号に記載されている。これらのコーティング剤は、典型的には、生体適合性を有する高分子物質、例えばヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレンビニルアセタートおよび前述のものの混合物などである。これらのコーティング剤は、その組成物に制御放出特性を付与するため、場合によって、フルオロシリコーン、ポリサッカリド、ポリエチレングリコール、リン脂質または前述のものの組み合わせからなる適切な上塗り塗料で更に被覆されてよい。
【0177】
本発明の別の側面は、生物学的なサンプルまたは患者におけるプロテインキナーゼ(例えばAurora02)活性を阻害することに関係し、その方法は、式Iの化合物または前述の化合物を含む組成物を患者に投与する工程、または上述の生物学的サンプルを前述の化合物もしくは組成物と接触させる工程を含む。本明細書で使用する場合、「生物学的なサンプル」という用語は、これらに限定するものではないが、細胞培養もしくは細胞培養の抽出物;哺乳動物から得られた生検材料もしくは生検材料の抽出物;および血液、唾液、尿、大便、精液、涙、または他の体液もしくは体液の抽出物;を含む。
【0178】
生物学的なサンプルにおけるAurora−2、Flt3、KDR、JAK2およびJAK3キナーゼ活性を含めたキナーゼ活性の阻害は、当業者に既知の様々な目的にとって有用である。そのような目的の例は、これらに限定するものではないが、輸血、臓器移植、生物学的試料の保存および生物学的検定を含む。
【実施例】
【0179】
一般式Iの化合物を、本明細書のスキームおよび実施例で開述されている一般的な手順により調製した。
【0180】
(実施例1. 4−クロロ−6−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)ピリミジン(1)の調製)
【0181】
【化110】

150mlの無水アセトニトリル中における4,6−ジクロロピリミジン(14.9g、100.0mmol)の溶液に(2S,6R)−2,6−ジメチルピペラジン(22.8g、200.0mmol)を少量ずつ10分間にわたって加えた。水浴を用いてこの反応を室温に維持し、更に20分間攪拌した。この反応の過程で固体が溶液から沈殿した。濾過により固体を取り除いた。濾液を濃縮し、油状の物質を得た。この物質をEtOAc(300ml)中に溶解し、有機層を水(100ml×3)で洗った。その有機層をNaSO上で乾燥させた。溶媒を除去することにより、LC/MS(MS+1=227.1)で確認された所望の生成物として油状生成物が残った。この物質を計量したところ、22.1g(収率97.6%)であった。
【0182】
(実施例2. 1−((2S,6R)−4−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(2)の調製)
【0183】
【化111】

100mlのDCM中における4−クロロ−6−((3S,5R)−3,5−ジメチルピペラジン−1−イル)ピリミジン(「1」、10.29g、45.4mmol)およびDIEA(8.80g、68.1mmol、1.50当量)の溶液にアセチルクロリド(4.03ml、56.7mmol、1.25当量)を室温で少量ずつ10分間にわたって加えた。この反応を室温で更に30分間攪拌した。NaHCO3水溶液をこの反応に加え、有機層をNahCO3(100ml×2)で洗い、続いて飽和NaCl水溶液で洗った。得られた有機層をNaSO上で乾燥させた。溶媒を除去することにより黄色いオイルが残った。この油状物質をジエチルエーテル中において練和することにより白色の固体が得られた。その固体を濾過により収集し、再びジエチルエーテルで洗った。得られた固体を真空下で乾燥させ、計量したところ、11.95gであった。収率は98.2%である。LC/MS(M+1=269.1)。
【0184】
(実施例3. 「3」の調製)
【0185】
【化112】

75mlの無水THF中における1−((2S,6R)−4−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(「2」、9.61g、35.7mmol)の溶液にヒドラジン(5.72g、5.60ml、178.8mmol、5.0当量)を加えた。この反応の過程で固体が溶液から沈殿した。反応を攪拌し、夜通し還流させた。その後、反応を室温にまで冷却した。濾過により固体を収集し、冷たいメタノール(25ml×3)で洗うことにより、過剰なヒドラジンおよびヒドラジンのHCl塩を取り除いた。得られた固体を真空下において乾燥させ、計量したところ、8.95g(83.3%の収率)であった。LC/MS(M+1=265.2)。
【0186】
(実施例4. tert−ブチル4−((Z)−1−シアノ−2−フェニルイソウレイド)フェニルカルバマート(4)の調製)
【0187】
【化113】

130mlのイソプロパノール中におけるジフェニルシアノカルボンイミダート(11.04g、46.4mmol)の懸濁液にtert−ブチル4−アミノフェニルカルバマート(9.20g、44.2mmol)を加えた。その反応を室温で夜通し攪拌し、濾過により固体を収集した。得られた固体を真空下において乾燥させ、計量したところ、10.85g(69.7%の収率)であった。LC/MS(M+1=353.2)。
【0188】
(実施例5. 「5」の調製)
【0189】
【化114】

6mlのNMP中における「3」(3.17g、12.0mmol)およびtert−ブチル4−((Z)−1−シアノ−2−フェニルイソウレイド)フェニルカルバマート(「4」、3.52g、10.0mmol)の溶液に1mlのDIEAを加えた。この反応をマイクロ波反応チューブに入れて密封し、マイクロ波反応器内において180度で6分間加熱した。反応を室温にまで冷却し、エチルアセタートと水との間で分配した。有機層を水で二回洗い、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去することにより黄色い固体が残った。この固体をDCMで洗うことにより白色の固体が得られた。NMR:
【0190】
【化114−1】

LC/MS(M+1=523.3)。
【0191】
(実施例6. 1−((2S,6R)−4−(6−(3−(4−アミノフェニルアミノ)−5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(6)の調製)
【0192】
【化115】

15mlのDCM中における「6」(2.0g、3.83mmol)の溶液に5mlのTFAを加えた。この反応を室温で30分間以上攪拌した。HPLCがこの反応の完了を示した。溶媒を真空下において除去し、残った油状物質をDCMとNaHCO水溶液との間で分配した。有機層をNaHCO水溶液で数回洗い、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去することにより、1.56gの所望の生成物が得られた(収率は96.9%である)。
【0193】
(実施例7. カルバマートを形成するための一般的な方法。以下の例は、カルバマート形成するための典型的な実施例である。「I−76」の調製)
【0194】
【化116】

2mlのDMF中における1−((2S,6R)−4−(6−(3−(4−アミノフェニルアミノ)−5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(21mg、0.05mmol)の溶液にエチルクロロホルマート(6.5mg、0.06mmol、1.2当量)を加えた。また、この反応に一滴のDIEAも加えた。反応を室温で20分間攪拌した。その反応粗生成物をP−HPLCに注入することにより、TFA塩として18mgの所望の生成物が得られた。
【0195】
(実施例8. 尿素を形成するための一般的な方法)
以下の例は、尿素を形成するための典型的な実施例である:
【0196】
【化117】

2mlのDMF中における1−((2S,6R)−4−(6−(3−(4−アミノフェニルアミノ)−5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(21mg、0.05mmol)の溶液にイソシアナトエタン(4.2mg、0.06mmol、1.2当量)を加えた。また、この反応に一滴のDIEAも加えた。反応を室温で20分間攪拌した。その反応粗生成物をP−HPLCに注入することにより、TFA塩として17mgの所望の生成物が得られた。
【0197】
(実施例9. 「9」の調製)
【0198】
【化118】

6mlのNMP中における「3」(1.58g、12.0mmol)およびtert−ブチル4−(4−((Z)−1−シアノ−2−フェニルイソウレイド)フェニル)ピペラジン−1−カルボキシラート(2.10g、5.0mmol)の溶液に1mlのDIEAを加えた。この反応をマイクロ波反応チューブに入れて密封し、マイクロ波反応器内において180度で6分間加熱した。反応を室温にまで冷却し、エチルアセタートと水との間で分配した。有機層を水で二回洗い、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去することにより黄色い固体が残った。この固体をDCMで洗うことにより白色の固体が得られた。DMSO−d6中におけるNMR:
【0199】
【化118−1】

;LC/MS(M+1=592.3)。
【0200】
(実施例10. 1−((2S,6R)−4−(6−(3−(4−(ピペラジン−1−イル)フェニルアミノ)−5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ピリミジン−4−イル)−2,6−ジメチルピペラジン−1−イル)エタノン(10)の調製)
【0201】
【化119】

15mlのDCM中における「9」(1.0g、1.70mmol)の溶液に5mlのTFAを加えた。この反応を室温で30分間攪拌した。HPLCがこの反応の完了を示した。溶媒を真空下において除去し、残った油状物質をDCMとNaHCO3水溶液との間で分配した。有機層をNaHCO3水溶液で数回洗い、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去することにより、805mgの所望の生成物が得られた(収率は96.9%である)。
【0202】
(実施例11. 「I−113」の調製)
【0203】
【化120】

ここでは、上で開述されている通りのカルバマートを形成するための一般的な方法を利用して「I−113」を調製した。
【0204】
(実施例12. 「I−60」の調製)
【0205】
【化121】

ここでは、上で開述されている通りの尿素を形成するための一般的な方法を利用して「I−60」を調製した。
【0206】
(スキーム4:ジアミノトリアゾール化合物への経路)
【0207】
【化122】

(a)N−シアノ−N’−(4−アセトアミドフェニル)−O−フェニルイソ尿素、NMP、DIEA、MW、220℃;(b)i:cis−2,6−ジメチルピペラジン、NMP、MW、250℃、ii:AcO、塩基;(c)6N HCl、95℃;方法A:イソプロピルクロロホルマート、DIEA、DMF;方法B:イソプロピルイソシアナート、DIEA、DMF;方法C:イソ吉草酸、DCC、DCM。
【0208】
(スキーム5:ジアミノトリアゾール化合物への経路)
【0209】
【化123】

1−(2−クロロピリジン−4−イル)−ヒドラジン、NMP、MW、220℃;(b)cis−2,6−ジメチルピペラジン、NMP、MW、250℃。
【0210】
(実施例13.)
【0211】
【化124】

N−{4−[5−アミノ−1−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−1H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルアミノ]−フェニル}−アセトアミド。マイクロ波反応容器に1.34gの(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−ヒドラジン(7.48mmol、1.1当量)および2.00gのN−シアノ−N’−(4−アセトアミドフェニル)−O−フェニルイソ尿素(6.80mMol、1当量)を充填した。これらの固体を40mLのNMPおよび8mLのDIEA中に溶解した。この密封した容器をマイクロ波照射により220℃に6分間温めた。冷却した後、結果として得られた溶液を200mLの飽和重炭酸ナトリウム中に注いだ。沈殿物を収集し、3×100mLの水で洗った。共沸乾燥(3×50mLのアセトニトリル)の後、得られた暗い黄色の固体(2.0g、5.80mMol、85%の収率)をそれ以上精製することなく使用した。
【0212】
【化124−1】

LCMS:2.16分/343.95(M+H)。
【0213】
(実施例14. 「I−35」の調製)
【0214】
【化125】

N−(4−{1−[2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−4−イル]−5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルアミノ}−フェニル)−アセトアミド。5mLのNMP中における100mgのN−{4−[5−アミノ−1−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−1H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルアミノ]−フェニル}−アセトアミド(0.291mMol、1当量)の溶液に100mgのcis−2,6−ジメチルピペラジン(0.877mMol、3.0当量)を加えた。この攪拌溶液をマイクロ波照射により250℃に15分間加熱した。得られた反応混合物を、5mLのCHClおよび5mLのDMF中に注いだ後、再溶解することにより、真空下において濃縮した。この攪拌溶液に1mLのHunigの塩基および100μLの無水酢酸を連続的に加えた。25℃において3時間後、この反応混合物を濃縮することにより暗色のオイルがもたらされ、そのオイルをフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)で精製することにより、黄色い固体として15mgのN−(4−{1−[2−(4−アセチル−3,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−4−イル]−5−アミノ−1H−[1,2,4]トリアゾル−3−イルアミノ}−フェニル)−アセトアミド(0.0323mMol、11%の収率)が得られた。
【0215】
(実施例15. 「I−41」の調製)
【0216】
【化126】

化合物A:223.4mg(0.48mmol)の「I−7」を2.0mlの6N HCl中に溶解した。この反応混合物を95度に加熱した。1時間後、その反応混合物を室温にまで冷却した。減圧下においてすべての揮発性成分を除去した。最後の微量の水は、トルエンを用いる共蒸留により共沸的に除去された。その残分を夜通し高真空で汲み出した。収率:推定100%。
【0217】
【化126−1】

LC/MS:1.51分/422.2(M+H)。
【0218】
(実施例16. 「I−103」の調製)
【0219】
【化127】

方法A:「I−103」:46.0mg(0.10mmol)の「I−7」、80μl(0.46mmol)のDIEAおよび120μlのイソプロピルクロロホルマート1.0M溶液(0.12mmol)を1.0mlのDMF中に溶解した。この反応混合物を室温で夜通し攪拌した。得られた反応混合物を2.0mlのH2Oで希釈し、0.45μmのディスクを通じて濾過した。この後、結果として生じた溶液を分取HPLCシステム(2つのバッチにおいて)に注入し、5〜95%のアセトニトリル/水で溶出した。収率:8.8mg、約14%。
【0220】
(実施例17. 「I−107」の調製)
【0221】
【化128】

方法B:「I−107」:55.0mg(0.12mmol)の「I−7」、100μl(0.56mmol)のDIEAおよび12.3mg(0.14mmol)のイソプロピルイソシアナートを1.0mlのDMF中に溶解した。この反応混合物を室温で夜通し攪拌した。得られた反応混合物を2.0mlのH2Oで希釈し、0.45μmのディスクを通じて濾過した。この後、結果として生じた溶液を分取HPLCシステム(2つのバッチにおいて)に注入し、5%〜95%のアセトニトリル/水で溶出した。収率:35.3mg、約47%。
【0222】
(実施例18. 「I−111」の調製)
【0223】
【化129】

方法C:「I−111」:31.2mg(0.30mmol)のイソ吉草酸を850μlのCH2Cl2中に溶解した。150μl(0.15mmol)のCH2Cl2中におけるDCCの1.0M溶液を加えた。室温で15分間攪拌した後、その溶液を55.6mg(0.121mmol)の「I−7」上へ濾過した。濾過された物質を2.0mlのDMFで充分に洗った。結果として生じた反応混合物を室温で夜通し攪拌した。得られた反応混合物を2.0mlのH2Oで希釈し、0.45μmのディスクを通じて濾過した。この後、結果として生じた溶液を分取HPLCシステム(2つのバッチにおいて)に注入し、10%〜90%のアセトニトリル/水で溶出した。収率:23.6mg、約40%。
【0224】
(実施例19. 「I−111」の調製)
【0225】
【化130】

(8):5.25g(13.3mmol)の(7)、3.78g(17.5mmol)の(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−ヒドラジンおよび13.3ml(74.7mmol)のDIEAを26.6mlのNMP中に懸濁させた。この反応混合物にキャップをし、マイクロ波照射により220℃に加熱した。6分後、反応混合物を室温にまで冷却した。この後、その反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液に注いだ。この水性相をEtOAcで希釈し、それらの層を分離した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。この粗製物質を6インチのシリカゲルでのクロマトグラフィーに掛け、5〜9%のMeOH/CH2Cl2で溶出した。尚も僅かに粗製のこの物質をEtOAc/ヘキサンから再結晶化させた。収率:1.38g、約23%。
【0226】
(実施例20. 「I−113」の調製)
【0227】
【化131】

I−55:603.6mg(1.36mmol)の(9)および622.5mg(5.5mmol)の2,6−ジメチルピペラジンをNMP中に懸濁させた。この反応をマイクロ波照射により250度に温めた。15分後、その反応混合物を室温にまで冷却した。130μl(1.6mmol)のピリジンを加え、続いて、1.3ml(13.8mmol)の無水酢酸を加えた。30分後、その反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液にゆっくりと加えた。得られた生成物をEtOAcで抽出し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。この粗製物質を6インチのシリカゲルでのクロマトグラフィーに掛け、5〜9%のMeOH/CHClで溶出した。収率:108mg、約14%。
【0228】
(実施例21. 種々の化合物のNMRおよび質量分析)
本発明の特定の化合物に対する分析データは、以下の如くにして収集され、記録された:プロトンNMRデータは、Bruker AMX 500装置および適切な溶媒を用いて収集された。LC/MS法は、適切な勾配を用いる1.0ml/分の流量でのHypersil BDS C18、5ミクロン、2.1×50mmカラムを使用した。質量分析計のサンプルは、エレクトロスプレーイオン化を用いて単一MSモードで運転されるMicroMass ZQまたはQuattro II質量分析計で分析された。サンプルは、フローインジェクション(FIA)またはクロマトグラフィーを用いて質量分析計に導入された。質量分析計によるすべての分析での移動相はアセトニトリル−水混合物(幾つかのケースにおいてはTFA)で構成された。以下の表2は、本発明の特定の化合物に対する例証的なLC質量スペクトルデータ(LC/MS)、保持時間(RT)およびH−NMRデータを示しており、ここで、表2の化合物番号は表1に示されている化合物に対応している(空欄は試験を実施しなかったことを示している)。
【0229】
表2
【0230】
【化132】

【0231】
【化133】

【0232】
【化134】

【0233】
【化135】

【0234】
【化136】

【0235】
【化137】

【0236】
【化138】

【0237】
【化139】

【0238】
【化140】

【0239】
【化141】

【0240】
【化142】

(実施例22. FLT−3の阻害):
放射分析法によるフィルター結合アッセイを用いて、種々の化合物がFLT−3活性を阻害する能力をスクリーニングした。このアッセイは、基質ポリ(Glu,Tyr)4:1(pE4Y)への33Pの取り込みをモニタリングするものである。反応は、100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、1mMのDTT、0.01%のBSAおよび2.5%のDMSOを含有する溶液中で実施された。このアッセイにおける最終的な基質濃度は、90μMのATPおよび0.5mg/mLのpE4Y(両方ともSigma Chemicals,St Louis,MOから入手)であった。化合物の最終濃度は、一般的に、0.01μMから5μMまでの間である。典型的には、12ポイントの滴定を、10mMのDMSO原液から試験化合物の段階希釈液を調製することにより実施した。反応は室温で実施された。溶液1は、100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、1mg/mlのpE4Yおよび180μMのATP(それぞれの反応で、0.3μCiの[γ−33P]ATPを含有)を含んでいる。溶液2は、100mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl、25mMのNaCl、2mMのDTT、0.02%のBSAおよび3nMのFLT−3を含んでいる。このアッセイは、それぞれ50μLの溶液1および2.5mLの試験化合物を混合することにより、96ウェルプレートで実行された。反応は、溶液2を用いて開始された。室温における20分間のインキュベーション後、反応は0.4mMのATPを含有する50μLの20%TCAを用いて停止された。この後、すべての反応体積をフィルタープレートに移し、TOMTEC(Hamden,CT)から入手可能なHarvester9600により5%のTCAで洗った。pE4yに取り込まれた33Pの量は、Packard TopCount Microplate Scintillation Counter(Meriden,CT)により分析された。データは、IC50またはKを得るべく、Prismソフトウェアを用いて適合化された。
【0241】
表1の化合物を含め、本発明の多くの化合物がFLT−3を阻害した。
【0242】
(実施例23:AUR−2の阻害):
種々の化合物が、標準的な結合酵素アッセイ(Foxら(1998)Protein Sci 7、2249)を用いて、Aurora−2を阻害する能力について以下の仕方でスクリーニングされる。0.1MのHEPES 7.5、10mMのMgCl、1mMのDTT、25mMのNaCl、2.5mMのホスホエノールピルビン酸、300mMのNADH、30mg/mlのピルビン酸キナーゼ、10mg/mlの乳酸デヒドロゲナーゼ、40mMのATPおよび800μMのペプチド(LRRASLG、American Peptide,Sunnyvale,CA)を含有するアッセイ用のストック緩衝溶液に、最終濃度が30μMになるまで、本発明の化合物のDMSO溶液を加える。結果として生じた混合物を30℃で10分間インキュベートする。反応は、このアッセイにおける最終濃度が70nMになるように10μLのAurora−2ストック溶液を加えることによって開始された。反応速度は、BioRad Ultramarkプレート読み取り装置(Hercules,CA)を用い、30℃において、5分間の読み取り時間にわたって340nmでの吸光度をモニタリングすることにより得られる。K値は、阻害剤濃度の関数として、その速度データから決定される。
【0243】
表1の化合物を含め、本発明の多くの化合物は、50nM未満のKでAUR−2を阻害した。
【0244】
(実施例24:KDRの阻害)
標準的な結合酵素アッセイ(Foxら、Protein Sci.、(1998)7、2249)を用いて、KDRを阻害する能力について種々の化合物をスクリーニングした。アッセイは、200mMのHEPES 7.5、10mMのMgCl2、25mMのNaCl、1mMのDTTおよび1.5%のDMSOの混合物中において実施された。このアッセイにおける最終的な基質濃度は300μMのATP(Sigma Chemicals)および10μMのポリE4Y(Sigma)であった。アッセイは、37℃および30nMのKDRにおいて実施された。結合酵素系の成分の最終濃度は、2.5mMのホスホエノールピルビン酸、200μMのNADH、30μg/MLのピルビン酸キナーゼおよび10μg/mlの乳酸デヒドロゲナーゼであった。アッセイ用のストック緩衝溶液は、ATPおよび興味対象の試験化合物を除き、上でリストアップされているすべての試薬を含めて調製された。177μlのストック溶液を96ウェルのプレートに入れ、その後、試験化合物を含有する3μlの2mM DMSO原液を加えた(最終的な化合物の濃度、30μM)。このプレートを37℃で約10分間プレインキュベートし、20μlのATP(最終濃度、300μM)を加えることにより反応を開始させた。反応速度は、37℃において、5分間の読み取り時間にわたり、Molecular Devicesプレート読み取り装置(Sunnyvale,CA)を用いて得られた。試験化合物を伴わずにアッセイ用の混合物およびDMSOを含有した標準ウェルと比べて50%より大きい阻害率を示した化合物に対しては、IC50値を決定すべく滴定を行い、IC50値を決定した。
【0245】
表1の化合物を含め、本発明の幾つかの化合物は、50nM未満のKでKDRを阻害した。
【0246】
(実施例25. JAK3阻害アッセイ)
以下に示されているアッセイを用いて、JAKを阻害する能力について種々の化合物をスクリーニングした。反応は、100mMのHEPES(pH7.4)、1mMのDTT、10mMのMgCl、25mMのNaClおよび0.01%のBSAを含有するキナーゼ緩衝液中において実施された。
【0247】
このアッセイにおける基質濃度は、5μMのATP(200uCi/μモルATP)および1μMのポリ(Glu)Tyrであった。反応は、25℃および1nMのJAK3において実施された。
【0248】
96ウェルポリカ−ボネートプレートの各ウェルに、2μMのポリ(Glu)Tyrおよび10μMのATPを含有する50μlのキナーゼ緩衝液と共に、1.5μlのJAK3阻害剤候補物質を加えた。この後、これらを混合し、2nMのJAK3酵素を含有する50μlのキナーゼ緩衝液を加えて反応を開始させた。室温(25℃)において20分後、0.4mMのATPも含有する50μlの20%トリクロロ酢酸(TCA)を用いて反応を停止させた。この後、TomTek Cell Harvesterを用いて、各ウェルの全内容物を96ウェルガラス繊維フィルタープレートに移した。洗浄後、60μlのシンチレーション流体を加え、Perkin Elmer TopCountで33Pの取り込みを検出した。
【0249】
(実施例26. JAK2阻害アッセイ)
これらのアッセイは、JAK−2酵素を使用し、ポリ(Glu)Tyrの最終濃度が15μMであり、ATPの最終濃度が12μMであった点を除き、実施例25において上で説明されている通りに行われた。
【0250】
表3は、例証的化合物でのJAK2およびJAK3阻害データ(Ki)を示している。表3の化合物番号は、表1に示されている化合物番号と対応している。表3において、「A」は、指示されている酵素に対して、Kiが0.05μM未満であることを表しており、「B」はKiが0.05μMから0.5μMまでの間であることを表している。
【0251】
【化143】

【0252】
【化144】

本発明の数多くの実施態様について説明してきたが、本発明の化合物および方法を利用する他の実施態様を提供すべくこれらの実施例を変え得ることは明らかである。それ故、本発明の範囲は、上で例証のために示されている特定の実施態様によってではなく、添付の特許請求項により定められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明

【公開番号】特開2013−82756(P2013−82756A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−24247(P2013−24247)
【出願日】平成25年2月12日(2013.2.12)
【分割の表示】特願2008−222676(P2008−222676)の分割
【原出願日】平成17年9月19日(2005.9.19)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】