説明

プロテインキナーゼ阻害剤としての化合物および組成物

本発明は、新規化合物、該化合物を含む医薬組成物および異常なもしくは無制御なキナーゼ活性と関連する疾患または障害、特に、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBキナーゼの異常な活性を含む疾患または障害を処置するか、または予防するために該化合物を使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年5月11日に出願した米国仮特許出願第60/799,779号に基づく優先権の利益を主張する。この出願の全開示を、引用により、その全体をおよびあらゆる目的のために本明細書の一部とする。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、新規化合物、該化合物を含む医薬組成物および異常なもしくは無制御なキナーゼ活性と関連する疾患または障害、特に、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBキナーゼの異常な活性を含む疾患または障害を処置するか、または予防するために該化合物を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
プロテインキナーゼは、さまざまな細胞過程で中心的な役割を果たし、そして細胞機能にわたる制御を維持する大きなタンパク質ファミリーを示す。部分的、非限定的なこれらのキナーゼの一覧は、下記を含む:受容体チロシンキナーゼ、例えば、血小板由来増殖因子受容体キナーゼ(PDGF-R)、神経成長因子受容体、trkB、Met、および線維芽細胞成長因子受容体、FGFR3; 非受容体チロシンキナーゼ、例えば、Ablおよび融合キナーゼBCR-Abl、Lck、Csk、Fes、Bmxおよびc-src; ならびにセリン/スレオニンキナーゼ、例えば、b-RAF、c-RAF、sgk、MAPキナーゼ(例えば、MKK4、MKK6など)およびSAPK2α、SAPK2βおよびSAPK3。異常なキナーゼ活性は、良性および悪性増殖性障害ならびに免疫および神経系の不適当な活性化から生じる疾患を含む多くの疾患状態で観察される。
【0004】
本発明の新規化合物は、1個またはそれ以上のプロテインキナーゼの活性を阻害し、したがって、キナーゼ関連疾患の処置において有用であることが期待される。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
1つの局面では、本発明は、式I:
【化1】

[式中、
Aは、CR5aおよびNから選択され; ここで、R5aは、水素、C1-6アルキルおよびC3-8ヘテロシクロアルキル-C0-4アルキルからなる群から選択され; ここで、R5aの該ヘテロシクロアルキルは、C1-6アルキルで置換されていてもよく;
Bは、CR5bおよびNから選択され; ここで、R5bは、水素およびC1-6アルキルから選択され;
nは、1、2、3および4からなる群から選択され;
mは、0および1から選択され;
R1は、水素および-X1C(O)OR6から選択され;ここで、X1は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; そして、R6は、水素およびC1-6アルキルから選択され;
R2は、C1-6アルキル、C3-8ヘテロシクロアルキル-C0-4アルキル、C3-12シクロアルキル-C0-4アルキルおよび-X2NR7aR7bからなる群から選択され; ここで、X2は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; そして、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され; ここで、R2の任意のヘテロシクロアルキルは、C1-6アルキルで置換されていてもよく;
R3は、ハロ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選択され;
R4は、-OR9、-NR8aC(O)NR8bR9、-C(O)NR8bR9、-NR8aC(O)R9、-C(O)OR8aおよび-C(O)NR8aX3OR9からなる群から選択され; ここで、X3は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; R8aおよびR8bは、独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され; そして、R9は、C1-6アルキル、C6-10アリール-C0-4アルキル、C3-12シクロアルキルおよびC1-10ヘテロアリールからなる群から選択され; ここで、R9の任意のアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルは、独立して、ハロ-置換-C1-6アルキルおよびC1-6アルキルで置換されていてもよいC3-8ヘテロシクロアルキルから選択される1から3個の基で置換されていてもよく; または、R8bおよびR9は、R8bおよびR9が結合する窒素原子と共に、C1-6アルキルで置換されていてもよいC1-10ヘテロシクロアルキルを形成する]
で示される化合物およびN-オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物; ならびに、そのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。
【0006】
第2の局面では、本発明は、1個またはそれ以上の適当な賦形剤との混合物中に、式Iの化合物またはN-オキシド誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物; または、薬学的に許容されるその塩を含む、医薬組成物を提供する。
【0007】
第3の局面では、本発明は、キナーゼ活性、特に、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBのキナーゼ活性が、疾患の病状および/または症状を予防するか、阻害するか、または軽減し得る、動物で疾患を処置するための方法であって、動物に治療上有効量の式Iの化合物またはN-オキシド誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0008】
第4の局面では、本発明は、キナーゼ活性、特に、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBのキナーゼ活性が、疾患の病状および/または症状に関与する、動物で疾患を処置するための医薬の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
【0009】
第5の局面では、本発明は、式Iの化合物およびN-オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体およびその異性体の混合物、ならびに、薬学的に許容されるその塩を製造する方法を提供する。
【0010】
発明の詳細な説明
定義
ハロ-置換-アルキルおよびアルコキシのような基としての、および他の基の構造要素としての“アルキル”は、直鎖または分枝鎖であり得る。C1-4-アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ置換アルキルは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0011】
“アリール”は、6個から10個の環炭素原子を含む単環式もしくは縮合二環式芳香環集合を意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくは、フェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基に由来する二価の基を意味する。
【0012】
“ヘテロアリール”は、1個またはそれ以上の環メンバーがヘテロ原子である上記のアリールに関して定義する。例えば、ヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソル、イミダゾリル、ベンゾ-イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。
【0013】
“シクロアルキル”は、示した環原子の数を含む、飽和もしくは部分不飽和、単環式、縮合二環式もしくは架橋多環集合を意味する。例えば、C3-10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
【0014】
“ヘテロシクロアルキル”は、本明細書に記載したとおりのシクロアルキルであり、示された1個またはそれ以上の環炭素が-O-、-N=、-NR-、-C(O)-、-S-、-S(O)-または-S(O)2-からなる群から選択される部分で置換されたシクロアルキル(ここで、Rは、水素、C1-4アルキル、または窒素保護基である)を意味する。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用するC3-8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル-2−オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニルオン、1,4-ジオキサ-8-アザ−スピロ[4.5]デク-8−イルなどを含む。
【0015】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくは、クロロまたはフルオロを表すが、また、ブロモまたはヨードであり得る。
【0016】
“キナーゼパネル”は、Abl(ヒト)、Abl(T315I)、JAK2、JAK3、ALK、JNK1α1、ALK4、KDR、Aurora-A、Lck、Blk、MAPK1、Bmx、MAPKAP-K2、BRK、MEK1、CaMKII(ラット)、Met、CDK1/cyclinB、p70S6K、CHK2、PAK2、CK1、PDGFRα、CK2、PDK1、c-kit、Pim-2、c-RAF、PKA(h)、CSK、PKBα、cSrc、PKCα、DYRK2、Plk3、EGFR、ROCK-I、Fes、Ron、FGFR3、Ros、Flt3、SAPK2α、Fms、SGK、Fyn、SIK、GSK3β、Syk、IGF-1R、Tie-2、IKKβ、TrKB、IR、WNK3、IRAK4、ZAP-70、ITK、AMPK(ラット)、LIMK1、Rsk2、Axl、LKB1、SAPK2β、BrSK2、Lyn (h)、SAPK3、BTK、MAPKAP-K3、SAPK4、CaMKIV、MARK1、Snk、CDK2/cyclinA、MINK、SRPK1、CDK3/cyclinE、MKK4(m)、TAK1、CDK5/p25、MKK6(h)、TBK1、CDK6/cyclinD3、MLCK、TrkA、CDK7/cyclinH/MAT1、MRCKβ、TSSK1、CHK1、MSK1、Yes、CK1d、MST2、ZIPK、c-Kit (D816V)、MuSK、DAPK2、NEK2、DDR2、NEK6、DMPK、PAK4、DRAK1、PAR-1Bα、EphA1、PDGFRβ、EphA2、Pim-1、EphA5、PKBβ、EphB2、PKCβI、EphB4、PKCδ、FGFR1、PKCη、FGFR2、PKCθ、FGFR4、PKD2、Fgr、PKG1β、Flt1、PRK2、Hck、PYK2、HIPK2、Ret、IKKα、RIPK2、IRR、ROCK-II(ヒト)、JNK2α2、Rse、JNK3、Rsk1(h)、PI3 Kγ、PI3 KδおよびPI3-Kβを含むキナーゼの一覧表である。本発明の化合物は、キナーゼパネル(野生型および/またはその変異型)に対してスクリーニングし、少なくとも1個の該パネルメンバーの活性を阻害する。
【0017】
“BCR-Ablの突然変異型”は、野生型配列からの単一または複数のアミノ酸変化を意味する。BCR-ABLの突然変異は、タンパク質と阻害剤(例えば、Gleevecなど)間の重要な接触点を破壊することにより、より頻繁には、不活性状態から活性状態、すなわち、BCR-ABLとGleevecが結合できないコンフォメーションへの遷移を誘導することにより、作動する。臨床サンプルの解析から、耐性表現型と関連して見出される突然変異のレパートリーは、ゆっくりとではあるが時間をかけて容赦なく増加する。突然変異は、4つの主な領域のクラスターであるように思われる。突然変異の第1グループ(G250E、Q252R、Y253F/H、E255K/V)は、ATPのためのリン酸結合ループを形成するアミノ酸を含む(また、Pループとして既知である)。第2グループ(V289A、F311L、T315I、F317L)は、Gleevec結合サイトに見出すことができ、水素結合またはファンデルワールス相互作用により阻害剤と直接相互作用する。突然変異の第3グループ(M351T、E355G)は、触媒ドメイン近接のクラスターである。突然変異の第4グループ(H396R/P)は、活性ループに位置し、そのコンフォメーションは、キナーゼ活性/不活性を制御する分子スイッチである。CMLおよびALL患者で検出されるGleevec耐性と関連するBCR-ABL点突然変異は、M224V、L248V、G250E、G250R、Q252R、Q252H、Y253H、Y253F、E255K、E255V、D276G、T277A、V289A、F311L、T315I、T315N、F317L、M343T、M315T、E355G、F359V、F359A、V379I、F382L、L387M、L387F、H396P、H396R、A397P、S417Y、E459K、およびF486S(一文字コードで示したアミノ酸位置は、GenBank配列、受託番号AAB60394のそれらであり、ABL型1aに相当する; Martinelli et al., Haematologica/The Hematology Journal, 2005, April; 90-4)を含む。本発明に関して他に記載がなければ、Bcr-Ablは、該酵素の野生型および突然変異型を意味する。
【0018】
“処置する”、“処置している”および“処置”は、疾患および/またはその付随する症状を軽減するか、または低減する方法のことを言う。
【0019】
好ましい態様の記載
融合タンパク質BCR-Ablは、Abl原癌遺伝子とBcr遺伝子が融合する相互転座の結果である。BCR-Ablは、次いで、増殖活性の増加を介して、B細胞を形質転換できる。この増加は、アポトーシスへの感受性の減少を生じ、接着を変え、CML前駆細胞を誘導する。本発明は、キナーゼ関連疾患、特に、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBキナーゼ関連疾患の処置のための化合物、組成物および方法を提供する。例えば、白血病およびBCR-Ablに関連する他の増殖障害は、野生型および突然変異型Bcr-Ablの阻害をとおして処置し得る。
【0020】
1つの態様では、式Iの化合物を参照して、Aは、CR5aおよびNから選択され; ここで、R5aは、水素、メチル、モルホリノ-ブチルおよびメチル-ピペラジニル-プロピルからなる群から選択され; そしてBは、CR5bおよびNから選択され; ここで、R5bは、水素およびメチルから選択される。
【0021】
他の態様では、R1は、水素および-X1C(O)OR6から選択され; ここで、X1は、メチレンであり; そしてR6は、水素およびエチルから選択され; そしてR2は、メチル、エチル、モルホリノ-エチル、ジメチルアミノ-エチル、ピロリジニル-エチル、シクロプロピル、メチル-ピペリジニル、シクロプロピル-メチル、ジメチルアミノ-ブチル、ジエチルアミノ-エチル、ジメチルアミノ-プロピル、エチル-ピペラジニル-エチルおよびジエチルアミノ-プロピルからなる群から選択される。
【0022】
他の態様では、R4は、-NHC(O)R9、-OR9、-C(O)NHR9、-C(O)NHOR9、-C(O)OH、-C(O)N(CH3)2およびピロリジニル-カルボニルからなる群から選択され; ここで、R9は、ベンジル、フェニル、シクロプロピル、エチル、メトキシ-プロピルおよびベンゾチアゾリルからなる群から選択され; ここで、R9の任意のフェニルは、独立して、トリフルオロメチル、エチル-ピペラジニルおよびメチル-ピペラジニルからなる群から選択される1個から3個の置換基で置換されていてもよい。
【0023】
本発明の好ましい態様は、
N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
N-エトキシ-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-N-(3-メトキシ-プロピル)-ベンズアミド、
N-ベンゾチアゾル-2−イル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-N-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ベンズアミド、
7-(2,6-ジクロロ-フェニル)-9-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-安息香酸、
N-エチル-3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
3-メトキシ-N,N-ジメチル-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
N-エトキシ-3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
7-[3-メトキシ-5-(ピロリジン-1-カルボニル)-フェニル]-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-3-(4-メチル-ピペラジン-1−イル)-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
3-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
4-(4-エチル-ピペラジン-1−イルメチル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-3-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
7-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2-クロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2-クロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
2-クロロ-N-エトキシ-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-シクロプロピル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(2-ジメチルアミノ-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[8-オキソ-9-(2-ピロリジン-1−イル-エチル)-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
2-クロロ-3-(9-シクロプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[9-(1-メチル-ピペリジン-4−イル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
2-クロロ-3-(9-シクロプロピルメチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(4-ジメチルアミノ-ブチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(2-ジエチルアミノ-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
9-シクロプロピル-7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
4-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-[9-エチル-2-(4-モルホリン-4−イル-ブチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-シクロプロピル-3-(9-シクロプロピル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-{9-エチル-2-[3-(4-メチル-ピペラジン-1−イル)-プロピル]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル}-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
N-cthyl-3-(1-エチル-2-オキソ-2,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-h][1,6]ナフチリジン-3−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-1-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
[7-(2-クロロ-3-エチルカルバモイル-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-3−イル]-酢酸エチルエステル
[7-(2-クロロ-3-エチルカルバモイル-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-3−イル]-酢酸
N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
N-エチル-3-メトキシ-5-[2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
9-シクロプロピル-7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-イミノ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
7-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-9-エチル-3H-イミダゾ[4,5-h][1,6]ナフチリジン-8(9H)−オンおよび
7-(3-ベンジルオキシ-2,6-ジクロロ-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
からなる群から選択される。
【0024】
本発明のさらなる好ましい化合物は、下記で実施例および表Iに詳述する。
【0025】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、キナーゼ活性を調節し、例えば、キナーゼが疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害を処置するために有用である。本明細書に記載した化合物および組成物により阻害され、本明細書に記載した方法がそれに対して有用であるキナーゼの例は、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBを含むが、これらに限定されない。
【0026】
Abelsonチロシンキナーゼ(すなわち、Abl、c-Abl)は、細胞周期の制御、遺伝毒性ストレスに対する細胞応答、およびインテグリンシグナルを介した細胞環境に関する情報の伝達に関与する。全体的に、Ablタンパク質は、さまざまな外部および内部起源からのシグナルを統合し、細胞周期およびアポトーシスに関する決定に影響を与える複雑な役割を果たすように思われる。Abelsonチロシンキナーゼは、亜型誘導体、例えば、無制御なチロシンキナーゼ活性を有するキメラ融合(癌タンパク質)BCR-Ablまたはv-Ablを含む。BCR-Ablは、95%の慢性骨髄性白血病(CML)および10%の急性リンパ性白血病の発症において重要である。STI-571(Gleevec)は、発癌性BCR-Ablチロシンキナーゼの阻害剤であり、慢性骨髄性白血病(CML)の処置のために使用される。しかしながら、CMLの急性転化段階の何人かの患者は、BCR-Ablキナーゼにおける突然変異のためにSTI-571に耐性である。22個以上の突然変異が、今日までに報告されおり、最も一般的なものは、G250E、E255V、T315I、F317LおよびM351Tである。
【0027】
本発明の化合物は、ablキナーゼ、とりわけ、v-ablキナーゼを阻害する。本発明の化合物はまた、野生型BCR-AblキナーゼおよびBCR-Ablキナーゼの突然変異を阻害し、したがって、Bcr-abl陽性癌および腫瘍疾患、例えば、白血病(とりわけ、慢性骨髄性白血病および急性リンパ芽球性白血病(そこでは、とりわけ、アポトーシスメカニズムによる作用が見られる)の処置のために適当であり、また、白血病幹細胞の亜集団および該細胞の除去(例えば、骨髄除去)後、インビトロでこれらの細胞の精製のための潜在性および癌細胞を除去した後の細胞の再植術(例えば、精製した骨髄細胞の再移植)における効果を示す。
【0028】
Ras-Raf-MEK-ERKシグナル伝達は、増殖シグナルに対する細胞応答を仲介する。Rasはヒト癌の〜15%で、発癌性形態に突然変異する。Rafファミリーは、セリン/スレオニンプロテインキナーゼに属し、それは、3つのメンバー、A-Raf、B-Rafおよびc-Raf(またはRaf-1)を含む。薬剤標的であるRafに関する焦点は、Rasの下流エフェクターとしてのRafの関係にその中心がある。しかしながら、最近の研究は、B-Rafが、活性化Rasアレルの必要なしに、ある腫瘍の形成において顕著な役割を果たし得ることを示す(Nature 417, 949 - 954 (01 Jul 2002)。特に、B-Raf突然変異は、悪性黒色腫において高率で検出される。
【0029】
黒色腫の既存の医療処置は、とりわけ、後期段階黒色腫のためのそれらの有効性が限定される。本発明の化合物はまた、b-Rafキナーゼを含む細胞過程を阻害し、ヒト癌、とりわけ、黒色腫のための処置の新規治療機会を提供する。
【0030】
本発明の化合物はまた、c-Raf キナーゼを含む細胞過程を阻害する。c-Rafは、ras癌遺伝子により活性化され、それは、ヒト癌の多くで突然変異している。したがって、c-Rafのキナーゼ活性の阻害は、ras仲介腫瘍成長を妨害する方法を提供し得る[Campbell, S. L., Oncogene, 17, 1395 (1998)]。
【0031】
PDGF(血小板由来増殖因子)は、非常に一般的に生じる増殖因子であり、それは、正常な増殖で、およびまたは、病的細胞増殖で、例えば、発癌および血管の平滑筋細胞の疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症および血栓症で見られる増殖で重要な役割を果たす。本発明の化合物は、PDGF受容体(PDGFR)活性を阻害し得て、したがって、腫瘍疾患、例えば、神経膠腫、肉腫、前立腺癌、ならびに大腸癌、乳癌、および卵巣癌の処置のために適当である。
【0032】
本発明の化合物は、例えば、小細胞肺癌における腫瘍阻害物質としてだけでなく、非悪性増殖性障害、例えば、アテローム性動脈硬化症、血栓症、乾癬、強皮症および線維症を処置するための、および幹細胞を保護するための、例えば、化学療法剤、例えば、5-フルオロウラシルの血液毒に対抗するための薬剤として、ならびに喘息で使用し得る。本発明の化合物は、とりわけ、PDGF受容体キナーゼの阻害に応答する疾患の処置のために使用され得る。
【0033】
本発明の化合物は、移植の結果として生じる障害、例えば、同種移植、とりわけ、組織拒絶反応、例えば、とりわけ、閉塞性細気管支炎(OB)、すなわち、同種肺移植の慢性拒絶反応の処置において有用な効果を示す。OBなしの患者とは対照的に、OBを有する患者は、しばしば、気管支肺胞洗浄液での高められたPDGF濃度を示す。
【0034】
本発明の化合物はまた、血管平滑筋細胞移動および増殖(そこでは、PDGFおよびPDGF-Rが、しばしば、役割を果たす)、例えば、再狭窄およびアテローム性動脈硬化症と関連する疾患において有効である。インビトロおよびインビボでの血管平滑筋細胞の増殖または移動に関するこれらの効果およびその結果は、本発明の化合物の投与により、またはインビボでの機械的障害後の血管内膜の肥厚におけるその効果を調べることにより証明し得る。
【0035】
ニューロトロフィン受容体のtrkファミリー(trkA、trkB、trkC)は、神経および非神経組織の生存、成長および分化を促進する。TrkBタンパク質は、小腸および大腸の神経内分泌型細胞、膵臓のα細胞、リンパ節および脾臓の単球およびマクロファージ、ならびに表皮の顆粒層で発現する(Shibayama and Koizumi, 1996)。TrkBタンパク質の発現は、ウィルムス腫瘍および神経芽腫の好ましくない進行と関連している。TkrBは、さらに、正常細胞ではなく、癌性前立腺細胞で発現する。trk受容体の下流のシグナル伝達は、Shc、活性化Ras、ERK-1およびERK-2遺伝子を介したMAPK活性化カスケード、ならびにPLCγ伝達経路を含む(Sugimoto et al., 2001)。
【0036】
キナーゼ、c-Srcは、多くの受容体の発癌性シグナルを伝える。例えば、腫瘍でのEGFRまたはHER2/neuの過剰発現は、c-srcの構成的活性化を生じ、それは、悪性細胞に特徴的であり、正常細胞には存在しない。一方で、c-srcの発現を欠いたマウスでは、大理石骨病表現型を示し、これは、破骨細胞機能におけるc-srcの重要な参加および関連する障害への考え得る関与を示す。
【0037】
Tecファミリーキナーゼ、Bmx、非受容体タンパク質-チロシンキナーゼは、乳腺上皮性癌細胞の増殖を制御する。
【0038】
線維芽細胞成長因子受容体3は、骨成長および軟骨細胞増殖の阻害に対する負の制御効果を及ぼすことが示された。致死性異形成症は、線維芽細胞増殖因子受容体3の異なる突然変異により生じ、1つの突然変異、TDII FGFR3は、転写因子Stat1を活性化する構成的チロシンキナーゼ活性を有し、細胞周期阻害物質の発現、増殖停止および異常な骨発達を生じる(Su et al., Nature, 1997, 386, 288-292)。FGFR3はまた、しばしば、多発性骨髄腫型癌で発現する。FGFR3活性の阻害剤は、リウマチ性関節炎(RA)、II型コラーゲン関節炎、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、乾癬、若年型糖尿病、シェーグレン疾患、甲状腺疾患、サルコイドーシス、自己免疫ブドウ膜炎、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、腹腔疾患および重症筋無力症を含むT細胞仲介炎症性または自己免疫疾患の処置において有用であるが、これらに限定されない。
【0039】
血清およびグルココルチコイド制御キナーゼ(SGK)の活性は、摂動イオンチャネル活性、特に、ナトリウムおよび/またはカリウムチャネルの活性と相関し、本発明の化合物は、高血圧を処置するのに有用である。
【0040】
Lin et al (1997) J. Clin. Invest. 100, 8: 2072-2078 and P. Lin (1998) PNAS 95, 8829-8834は、乳癌および黒色腫異種移植片モデルにおいて、アデノウイルス感染およびTie-2(Tek)の細胞外ドメイン注入の間に、腫瘍用増殖および血管新生の阻害ならびに肺転移の減少を示した。Tie2阻害剤は、血管新生が不適当に起こる状況で(すなわち、糖尿病性網膜症、慢性炎症、乾癬、カポジ肉腫、黄斑変性症による慢性血管新生、リウマチ性関節炎、小児血管腫および癌で)使用し得る。
【0041】
Lckは、T細胞シグナル伝達で役割を果たす。Lck遺伝子を欠いたマウスは、胸腺細胞を発達させる乏しい能力を有する。LckのT細胞シグナル伝達の正のアクチベーターとしての機能は、Lck阻害剤が、自己免疫疾患、例えば、リウマチ性関節炎を処置するのに有用であり得ることを示す。
【0042】
他のMAPKと共にJNKは、癌、トロンビン誘導血小板凝集、免疫不全障害、自己免疫疾患、細胞死、アレルギー、骨粗鬆症および心臓疾患に対する細胞応答を仲介する役割を果たすことに関与している。JNK経路の活性化に関連する治療標的は、慢性骨髄性白血病(CML)、リウマチ性関節炎、喘息、骨関節症、虚血、癌および神経変性疾患を含む。肝臓疾患または肝虚血の発現に関連するJNK活性化の重要性の結果、本発明の化合物はまた、さまざまな肝臓障害を処置するのに有用であり得る。心血管疾患、例えば、心筋梗塞またはうっ血性心不全におけるJNKの役割が、JNKがさまざまな形態の心臓負荷に対する肥大応答を仲介することが示されたので、報告されている。JNKカスケードはまた、IL-2プロモーターの活性化を含むT細胞活性化で役割を果たすことが証明された。したがって、JNKの阻害剤は、病的免疫応答を変えることで治療価値を有し得る。さまざまな癌でのJNK活性化の役割はまた、確立されており、癌でのJNK阻害剤の潜在的な使用を示している。例えば、構成的活性化JNKは、HTLV-1仲介腫瘍発生と関連している[Oncogene 13:135-42 (1996)]。JNKは、カポジ肉腫(KS)で役割を果たす。KS増殖に関与する他のサイトカイン、例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、IL-6およびTNFαの他の増殖性効果は、また、JNKが介在し得る。さらに、p210 BCR-ABL形質転換細胞でのc-jun遺伝子の制御は、JNKの活性と一致し、慢性骨髄性白血病(CML)の処置におけるJNK阻害剤の役割を示す[Blood 92:2450-60 (1998)]。
【0043】
ある異常増殖状態は、raf発現と関連すると考えられており、したがって、raf発現の阻害に応答すると考えられる。異常な高レベルのrafタンパク質の発現は、また、形質転換および異常な細胞増殖に関与する。これらの異常な増殖状態はまた、raf発現の阻害に応答すると考えられる。例えば、c-rafタンパク質の発現は、すべての肺癌腫細胞株の60%が異常に高いレベルのc-raf mRNAおよびタンパク質を発現することが報告されているので、異常な細胞増殖で役割を果たすと考えられている。異常な増殖性状態のさらなる例は、過増殖性障害、例えば、癌、腫瘍、過形成、肺線維症、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症および血管の平滑筋細胞増殖、例えば、狭窄または血管形成術後の再狭窄である。rafが一部である細胞シグナル伝達経路は、また、T細胞増殖(T細胞活性化および増殖)、例えば、組織移植片拒絶反応、エンドトキシンショック、および糸球体腎炎により特徴付けられる炎症性障害に関与している。
【0044】
ストレス活性化プロテインキナーゼ(SAPK)は、シグナル伝達経路で最後から2番目の工程を表すプロテインキナーゼのファミリーであり、c-jun 転写因子の活性化および c-jun により制御される遺伝子の発現を生じる。特に、c-junは、遺伝毒性損傷により損傷を受けたDNAの修復に関与するタンパク質をコードする遺伝子の転写に関与する。したがって、細胞のSAPK活性を阻害する薬剤は、DNA修復を妨害し、DNA損傷を誘導するか、またはDNA合成を阻害する薬剤に対して細胞に感受性を与え、細胞増殖を阻害する細胞のアポトーシスを誘導する。
【0045】
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)は、さまざまな細胞外シグナルに応答して、転写因子、翻訳因子および他の標的分子を活性化する保存されたシグナル伝達経路のメンバーである。MAPKは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ(MKK)により、配列Thr-X-Tyrを有する二重リン酸化モチーフでのリン酸化により活性化される。高等真核生物では、MAPKシグナル伝達の生理学的役割は、増殖、腫瘍形成、発生および分化のような細胞イベントと相関している。したがって、これらの経路による(特に、MKK4およびMKK6による)シグナル伝達を制御する能力は、MAPKシグナル伝達、例えば、炎症性疾患、自己免疫疾患および癌と関連するヒト疾患の処置および予防治療の開発を生じ得る。
【0046】
ヒトリボソームS6プロテインキナーゼのファミリーは、少なくとも8個のメンバーからなる(RSK1、RSK2、RSK3、RSK4、MSK1、MSK2、p70S6Kおよびp70S6 Kb)。リボソームタンパク質S6プロテインキナーゼは、多面的な重要な機能を果たし、その中で、タンパク質合成の間、mRNAの翻訳の制御において重要な役割を果たす(Eur. J. Biochem 2000 November; 267(21): 6321-30, Exp Cell Res. Nov. 25, 1999; 253 (1):100-9, Mol Cell Endocrinol. May 25, 1999;151(1-2):65-77)。p70S6によるS6リボソームタンパク質のリン酸化は、また、細胞運動(Immunol. Cell Biol. 2000 August;78(4):447-51)および細胞成長(Prog. Nucleic Acid Res. Mol. Biol., 2000;65:101-27)の制御に関与しており、したがって、腫瘍転移、免疫応答および組織修復ならびに他の疾患状態において重要であり得る。
【0047】
SAPK(または、“jun N-末端キナーゼ”または“JNK”と呼ばれる)は、シグナル伝達経路で最後から2番目の工程を表すプロテインキナーゼのファミリーであり、c-jun 転写因子の活性化および c-jun により制御される遺伝子の発現を生じる。特に、c-junは、遺伝毒性損傷により損傷を受けたDNAの修復に関与するタンパク質をコードする遺伝子の転写に関与する。細胞のSAPK活性を阻害する薬剤は、DNA修復を妨害し、DNA損傷を誘導することにより作用するそれらの癌治療様式に対して細胞に感受性を与える。
【0048】
BTKは、自己免疫疾患および/または炎症性疾患、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、多発性脈管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、および喘息で役割を果たす。B細胞活性におけるBTKの役割のために、BTKの阻害剤は、B細胞仲介病原性活性、例えば、自己抗体産生の阻害剤として有用であり、B細胞リンパ腫および白血病の処置のために有用である。
【0049】
CHK2は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼのチェックポイントキナーゼファミリーのメンバーであり、DNA損傷、例えば、環境変異原および内在性活性酸素種により引き起こされる損傷の監視のために使用されるメカニズムに関与する。結果として、それは、腫瘍サプレッサーとして関与し、癌治療の標的である。
【0050】
CSKは、癌細胞、特に、大腸癌の転移能に影響を与える。
【0051】
Fesは、さまざまなサイトカインシグナル伝達、および骨髄性細胞の分化に関与する非受容体タンパク質チロシンキナーゼである。Fesはまた、顆粒球分化機構の重要な構成要素である。
【0052】
Flt3受容体チロシンキナーゼ活性は、白血病および骨髄異形成症候群に関与する。およそ25%のAMLでは、白血病細胞が、細胞表面上に自己リン酸化(p)FLT3チロシンキナーゼの構成的活性型を発現する。p-FLT3の活性は、白血病細胞に増殖および生存利点を与える。白血病細胞がp-FLT3キナーゼ活性を発現する急性白血病を患う患者は、全体的に不良な臨床結果を有する。p-FLT3キナーゼ活性の阻害は、白血病細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導する。
【0053】
IKKαおよびIKKβ(1 & 2)の阻害剤は、リウマチ性関節炎、移植拒絶反応、炎症性腸疾患、骨関節症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、多発性硬化症、卒中、全身性エリテマトーデス、アルツハイマー病、脳虚血、外傷性脳傷害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、くも膜下出血または脳および中枢神経系での炎症性メディエーターの過剰産生に関連する他の疾患もしくは障害を含む疾患のための治療剤である。
【0054】
Metは、主要なヒト癌の多くの細胞型と関連しており、発現は、しばしば、予後不良および転移と相関している。Metの阻害剤は、癌、例えば、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚もしくは眼内黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部の癌、胃癌、大腸癌、乳癌、婦人科の腫瘍(例えば、子宮肉腫、卵管癌腫、子宮内膜癌腫、頸部癌腫、膣癌腫または外陰癌腫)、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系腫瘍(例えば、甲状腺癌、副甲状腺癌または副腎癌)、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、慢性もしくは急性白血病、小児の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓もしくは輸尿管の癌(例えば、腎細胞癌、腎盂癌)、小児悪性腫瘍、中枢神経系の腫瘍(例えば、原発性CNSリンパ腫、脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫または下垂体腺腫)、血液癌、例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病など、バレット食道(プレ悪性症候群)新生物皮膚疾患、乾癬、菌状息肉症および良性前立腺肥大症、糖尿病関連疾患、例えば、糖尿病性網膜症、網膜虚血および網膜血管新生、肝硬変、心臓血管疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症、免疫学的疾患、例えば、自己免疫疾患および腎臓疾患を含む疾患のための治療剤である。好ましくは、疾患は、急性骨髄性白血病および結腸直腸癌のような癌である。
【0055】
Nima関連キナーゼ2(Nek2)は、有糸分裂の開始で最大活性を有する細胞周期制御プロテインキナーゼであり、中心体に局在する。機能的研究は、Nek2を中心体分離およびスピンドル形成の制御と関連づけた。Nek2タンパク質は、頸部、卵巣、前立腺、および、特に、乳房の腫瘍を含む、一連のヒト腫瘍に由来する細胞株で2倍から5倍に高められる。
【0056】
p70S6K仲介疾患または状態は、増殖性障害、例えば、癌および結節硬化症を含むが、これらに限定されない。
【0057】
上記にしたがって、本発明はさらに、処置を必要とする対象で上記の疾患または障害のいずれかを予防または処置する方法を提供し、該方法は、該対象に治療上有効量(下記“Administration and Pharmaceutical Compositions”を参照のこと)の式Iの化合物または薬学的に許容されるその塩を含む。上記使用のすべてのために、必要とされる用量は、投与形態、処置される特定の状態および望む効果に依存して変わる。
【0058】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、単一または1個またはそれ以上の治療剤との組合せで、当業者に既知の通常のおよび許容される様式のいずれかにより、治療上有効量で投与し得る。治療上有効量は、疾患の重篤度、年齢および対象の相対的な健康、使用する化合物の効力ならびに他の要因に依存して広く変わり得る。一般に、満足のいく結果は、約0.03から2.5mg/kg体重の1日投与量で、全身で得られるもので示される。より大きなほ乳類、例えば、ヒトでの示された1日投与量は、約0.5mgから約100mgの範囲内にあり、慣用的には、例えば、1日4回まで分割した投与で、または遅延形態で投与される。経口投与のための適当な単位用量形は、約1 mgから50 mgの有効成分を含む。
【0059】
本発明の化合物は、あらゆる慣用的な経路、特に、経腸的、例えば、経口で、例えば、錠剤もしくはカプセルの形態で、または非経腸的、例えば、注射可能な溶液もしくは懸濁液の形態で、局所的、例えば、ローション、ゲル、軟膏もしくはクリームの形態で、または経鼻もしくは坐薬形態で、医薬組成物として投与し得る。少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と組合せて、遊離形または薬学的に許容される塩形で本発明の化合物を含む医薬組成物は、混合、造粒または被覆法により、慣用的な方法で製造し得る。例えば、経口組成物は、a) 希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン; b) 滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール; また、錠剤のために、c) 結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン; 所望により、d) 崩壊剤、例えば、デンプン、糖、アルギン酸もしくはそのナトリウム塩、または起沸性混合物; および/または、e) 吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に有効成分を含む、錠剤もしくはゼラチンカプセルであり得る。注射可能組成物は、水性等張溶液または懸濁液であり得て、座薬は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造し得る。組成物は滅菌し得て、および/またはアジュバント、例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶液プロモーター、浸透圧および/または緩衝液を制御するための塩を含み得る。さらに、それらはまた、他の治療上有益な物質を含み得る。経皮適用のための適当な製剤は、担体と共に本発明の有効量の化合物を含む。担体は、宿主の皮膚を通過するのを助ける吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは、バッキングメンバー(backing member)、所望により、担体と共に化合物を含む貯蔵部、所望により、制御された、および前決定した速度で、長時間にわたり、化合物を宿主の皮膚へ送達するための速度制御壁の形態および、該デバイスを皮膚へ固定する手段を含むバンデージの形である。マトリックス経皮製剤はまた、使用し得る。局所、例えば、皮膚および眼への適用のための適当な製剤は、好ましくは、当業者に既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。そのようなものは、可溶化剤、安定化剤、等張化促進剤、緩衝液および防腐剤を含み得る。
【0060】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の治療剤と組み合わせて(医薬的組合せ剤)、治療上有効量で投与し得る。例えば、相乗効果は、他の免疫抑制剤または抗炎症性物質と共に、例えば、シクロスポリン、ラパマイシン、もしくはアスコマイシン、またはその免疫抑制剤類似体、例えば、シクロスポリンA(CsA)、シクロスポリンG、FK-506、ラパマイシン、または同等な化合物、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、ブレキナール(brequinar)、レフルノミド、ミゾルビン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、15-デオキシスペルグアリン、免疫抑制剤抗体、とりわけ、白血球受容体、例えば、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58もしくはそれらのリガンドのためのモノクローナル抗体、または他の免疫調節化合物、例えば、CTLA41gと組み合わせて使用したとき生じ得る。本発明の化合物を他の治療と組み合わせて投与するとき、共投与化合物の用量は、当然に、使用される共薬剤の型、使用される特定の薬剤、処置される状態などに依存して変わる。
【0061】
本発明はまた、医薬組成物、例えば、a) 本明細書に記載した遊離形または薬学的に許容される塩形での本発明の化合物である第1薬剤、およびb) 少なくとも1個の共薬剤を含むキットを提供する。キットは、その投与のための指示書を含み得る。
【0062】
本明細書で使用する“共投与”または“結合投与”などの用語は、選択した治療剤の単一の患者への投与を包含することを意味し、薬剤が必ずしも同じ投与経路で、または同時に投与されるとは限らない処置レジメンを含むことを意図する。
【0063】
本明細書で使用する“医薬組成物”なる用語は、2個以上の有効成分の混合または結合から生じる生成物を意味し、有効成分の固定化および非固定化組合せを含む。“固定化組合せ”なる用語は、有効成分、例えば、式Iの化合物および共薬剤を、単一存在もしくは用量の形態で、患者に同時に投与することを意味する。“非固定化組合せ”なる用語は、有効成分、例えば、式Iの化合物および共薬剤が、分離した存在で、特別な時間制限なしに、同時に、共に、または連続して患者に投与されることを意味し、ここで、そのような投与は、患者の身体に、治療上有効レベルの2個の化合物を提供する。後者はまた、カクテル療法、例えば、3個またはそれ以上の有効成分の投与に適用する。
【0064】
本発明の化合物を製造する方法
本発明はまた、本発明の化合物の製造法を含む。記載した反応で、それらの望まない反応への参加を避けるために、最終生成物で望まれる反応官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を保護することが必要であり得る。慣用的な保護基は、標準的な慣習にしたがって使用し得る(T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと)。
【0065】
式Iの化合物は、下記反応スキームI:
反応スキームI
【化2】

[式中、
n、m、A、B、R1、R2、R3およびR4は、本発明の要約で定義したとおりである]
の手順により製造し得る。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、ジオキサン、エタノール、CH3CN、DMF、2-ブタノールなど)、および適当な塩基(例えば、NaOEt、KtOBu、Cs2CO3、ピペリジンなど)の存在下、式2の化合物を式3の化合物と反応させることにより合成し得る。反応は、約100℃から約160℃の温度範囲で進み、約24時間後、完成し得る。粗生成物を、さらに、約100℃から130℃の温度範囲で、無水酢酸の存在下で反応させ、その後、約90℃から約130℃の温度範囲で、6N HClで処理し、約24時間後、完成し得る。
【0066】
式Iの化合物は、下記反応スキームII:
反応スキームII
【化3】

[式中、
n、m、A、B、R1、R2、R3およびR4は、本発明の要約で定義したとおりである]
の手順により製造し得る。式Iの化合物は、適当な溶媒(例えば、ジオキサン、エタノール、CH3CN、DMF、2-ブタノールなど)、および適当な塩基(例えば、NaOEt、KtOBu、Cs2CO3、ピペリジンなど)の存在下、式2の化合物を式4の化合物と反応させることにより合成し得る。反応は、約100℃から約160℃の温度範囲で進み、約24時間後、完成し得る。
【0067】
式Iの化合物の合成の詳細な実施例は、下記の実施例に見出し得る。
【0068】
本発明の化合物を製造する追加の方法
本発明の化合物は、本発明の化合物の遊離塩基形を薬学的に許容される無機もしくは有機酸と反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として製造し得る。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、本発明の化合物の遊離酸形を薬学的に許容される無機もしくは有機塩基と反応させることにより製造し得る。
【0069】
あるいは、本発明の化合物の塩形は、出発物質または中間体の塩を用いて製造し得る。
【0070】
本発明の化合物の遊離酸もしくは遊離塩基形は、各々、相当する塩基付加塩または酸付加塩から製造し得る。例えば、酸付加塩形での本発明の化合物は、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、相当する遊離塩基に変換し得る。塩基付加塩形での本発明の化合物は、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、相当する遊離酸に変換し得る。
【0071】
非酸化形態での本発明の化合物は、0℃から80℃で、適当な不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、還元剤(例えば、硫黄、硫黄ジオキシド、トリフェニルホスフィン、ホウ化水素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化物など)で処理することにより、本発明の化合物のN-オキシドから製造し得る。
【0072】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造し得る(例えば、さらなる詳細のために、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグは、本発明の非誘導体化化合物を、適当なカルバミル化剤(例えば、1,1-アシルオキシアルキルカルボノクロリデート、パラ-ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造し得る。
【0073】
本発明の化合物の保護誘導体は、当業者に既知の方法により製造し得る。保護基の作製およびそれらの除去に適用可能な技術の詳細な説明は、T. W. Greene, “Protectings in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見出し得る。
【0074】
本発明の化合物は、好適には、本発明の工程の間に、溶媒和物(例えば、水和物)として製造または形成し得る。本発明の化合物の水和物は、好適には、有機溶媒、例えば、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを用いて、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により製造し得る。
【0075】
本発明の化合物は、該化合物のラセミ混合物を光学的に活性化な分割剤と反応させ、一対のジアステレオマー化合物を形成し、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、それらの個々の立体異性体を製造し得る。エナンチオマーの溶解(resolution)は、本発明の化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を用いて行い得るが、解離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは、異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性など)を有し、これらの非類似性を利用して、容易に分離し得る。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより、または、好ましくは、溶解性の差異に基づく分離/溶解技術により、分離し得る。光学的に純粋なエナンチオマーを、次いで、ラセミ化を生じないあらゆる実用的な方法により、分割剤と共に回収する。それらのラセミ混合物からの立体異性体化合物の溶解に適用可能な技術のより詳細な説明は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見出し得る。
【0076】
要約すると、式Iの化合物は、ある工程により製造し得て、それは、下記を含む:
(a) 反応スキームI & IIの工程; ならびに
(b) 所望により、本発明の化合物を薬学的に許容される塩に変換すること;
(c) 所望により、本発明の化合物の塩形を非塩形に変換すること;
(d) 所望により、本発明の化合物の非酸化型を薬学的に許容されるN-オキシドに変換すること;
(e) 所望により、本発明の化合物のN-オキシド型をその非酸化型に変換すること;
(f) 所望により、本発明の化合物の個々の異性体を異性体の混合物から溶解させること;
(g) 所望により、本発明の非誘導体化合物を薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体に変換すること;および
(h) 所望により、本発明の化合物のプロドラッグ誘導体をその非誘導体型に変換すること。
【0077】
出発物質の製造を特に記載していない場合には、化合物は、既知であるか、または当業者に既知の方法と同様に、または本明細書の実施例で開示したとおり、製造し得る。
【0078】
当業者は、上記の変換が、本発明の化合物の製造法の単なる典型例であり、他の既知の方法を同様に使用し得るものと理解する。
【実施例】
【0079】
実施例
本発明をさらに、本発明に記載の式Iの化合物の製造を説明する下記の実施例により、非限定的に例示する。
スキーム1
【化4】

【0080】
実施例1
N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化5】

1. 4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化6】

-78℃に冷却して、THF (60 mL)中、4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(3.21 g, 21 mmol)の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中、1.6 M、13.8 mL、22 mmol)をゆっくり加える。30分間撹拌後、TIPSOTf(5.77 mL、21.4 mmol)を加える。混合物を室温まで上昇させ、水でクエンチする。混合物を、ヘキサン(200 mL)と塩水間に分離する。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮する。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサンで溶出)により精製し、表題化合物を得る。 1H NMR 600 MHz (アセトン-d6) δ 8.19 (d, 1H, J = 5.4 Hz), 7.57 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 7.18 (d, 1H, J = 5.4 Hz), 6.69 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 1.92 (sept, 3H, J = 7.2 Hz ), 1.12 (d, 18H, J = 7.2 Hz); MS m/z 309.2 (M + 1)。
【0081】
2. 4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドおよび4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化7】

-78℃に冷却して、THF (8 mL)中、4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(0.90 g、2.91 mmol)の溶液に、sec-BuLi(ヘキサン中、1.4 M、4.16 mL、5.82 mmol)をゆっくり加える。45分間撹拌後、DMF(0.68 mL、8.74 mmol)を-78℃で加える。混合物を1時間撹拌し、エーテル溶液中、HCL(1M、8.73 mL、8.73 mmol)でクエンチする。混合物を室温まで温める。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウムで、pH 8まで塩基性化し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、表題化合物の混合物を得て、それを、さらなる精製なしに、次の反応のために使用する: MS m/z 337.2 (M + 1)。
【0082】
3. 4-エチルアミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化8】

メトキシエタノール(4 mL)中、4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド(1 g、2.97 mmol)、エチルアミン(水中、70 wt. % 溶液、8mL、100 mmol)の混合物を、密閉チューブで120℃に加熱する。一晩後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮する。残渣をHCl溶液(1N、20 mL)に溶解させ、50℃で加熱する。1.5 時間撹拌後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、pH = 8まで塩基性化する。固体をろ過により収集し、水、次いで、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、固体として表題化合物を得る。 1H NMR 600 MHz (DMSO-d6) δ 11.82 (s, 1H), 9.75 (s, 1H), 9.30 (t, 1 H, J = 4.8 Hz), 8.19 (s, 1 H), 7.19 (t,1 H, J = 3.6 Hz), 6.72 (m, 1H), 3.73-3.69 (m, 2H), 1.30 (t, 3H, J = 7.2 Hz); MS m/z 190.2 (M + 1)。
【0083】
4. 3-(9-エチル-8-イミノ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-安息香酸エチルエステル
【化9】

4-エチルアミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド(1 g、5.3 mmol)および3-シアノメチル-5-メトキシ-安息香酸エチルエステル(1.3 g、5.8 mmol)を、エタノール(4 mL)に溶解させ、ピペリジン(2 mL、21.2 mmol)を室温で加える。反応混合物を、120℃で加熱し、24時間撹拌する。反応混合物を、次いで、濃縮し、乾燥させ、粗生成物を得る。粗生成物は、さらなる精製なしに、次の反応のために使用する。MS m/z 391.1 (M + 1)。
【0084】
5. 3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-安息香酸
【化10】

無水酢酸(0.123 mL、1.3 mmol)に、密閉チューブ中、(3-(9-エチル-8-イミノ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-安息香酸エチルエステル(100 mg、0.26 mmol)を加え、120℃で2.5時間加熱する。無水酢酸を蒸発させ、6N HCl(3 mL)を加え、混合物を、再び、105℃で1時間加熱する。反応混合物を室温に戻し、氷冷水を注ぐ。酸を結晶化し、ろ過する。それを水で洗浄し、乾燥させ、望む生成物を得る。MS m/z 364.2 (M + 1)。
【0085】
6. N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化11】

3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-安息香酸(31 mg、0.085 mmol)を、3 ml DMF中、DIEA(444 μL、0.255 mmol)およびHATU(48.4 mg、0.126 mmol)と、室温で混合する。反応混合物を、室温で30分間撹拌する。エチルアミン(THF 中、2M、637 μL、0.127 mmol)を反応混合物に加える。室温で2時間撹拌後、反応混合物を濃縮し、Prep-HPLCで精製し、TFA塩として褐色固体を得る。
【0086】
スキーム2
【化12】

【0087】
実施例2
3-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド
【化13】

1. 4-メチルアミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化14】

メトキシエタノール (10 mL)中、4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド (5.9 g, 17.5 mmol)、メチルアミン (40 wt. %水溶液、40 mL)の混合物を、密閉チューブ中、120℃で加熱する。一晩後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮する。残渣をHCl 溶液 (1N, 20 mL)に溶解し、50℃で加熱する。1.5 時間間撹拌後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、pH = 8まで塩基性化する。固体をろ過により収集し、水、次いで、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、固体として表題化合物を得る。MS m/z 176.2 (M + 1)。
【0088】
2. 7-ベンジル-4-メチルアミノ-7H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化15】

DMF中、4-メチルアミノ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド(0.5 g、2.86 mmol)の溶液に、Na2CO3 (900 mg、8.6 mmol)および臭化ベンジル(0.5 ml、4.3 mmol)を加える。反応物を、室温で12時間撹拌する。反応混合物を、100 ml 水および100 ml 酢酸エチルで分離し、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を合わせて、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチル中、5% メタノールで抽出し、黄色固体として、表題化合物を得る。1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 9.70 (s, 1H), 9.20 (q, 1H, J = 5.2 Hz), 8.59 (s, 1H), 7.46 (m, 2H), 7.35 (m, 3H), 7.28 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 7.22 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 5.65 (s, 2H), 3.31 (d, 2H, J = 2.4 Hz)。MS m/z 266.2 (M + 1)。
【0089】
3. 4-ベンジル-9-メチル-7-(2-メチル-5-ニトロ-フェニル)-4,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
【化16】

5 ml 無水DMF中、7-ベンジル-4-メチルアミノ-7H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド(400 mg、1.5 mmol)、(2-メチル-5-ニトロ-フェニル)-酢酸メチルエステル(350 mg、1.67 mmol)および炭酸セシウム(1.1 g、3 mmol)の混合物を、120℃で30分間加熱する。反応混合物を室温まで冷却する。反応混合物を、水および酢酸エチルに分離し、酢酸エチルで3回抽出する。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中、40%から100% 酢酸エチルで溶出し、淡黄色固体として表題化合物を得る。MS m/z 426.2 (M + 1)。
【0090】
4. 7-(5-アミノ-2-メチル-フェニル)-9-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
【化17】

20 mlエタノール中、4-ベンジル-9-メチル-7-(2-メチル-5-ニトロ-フェニル)-4,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン(590 mg、1.4 mmol)および200 mg Pd(OH)2を、水素雰囲気下、室温で12時間、撹拌する。反応混合物を、celiteパッドを通過させる。ろ液を濃縮し、真空下で乾燥させ、固体として表題化合物を得る。MS m/z 305.2 (M + 1)。
【0091】
5. 3-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド
【化18】

0.5 mmol DMF中、7-(5-アミノ-2-メチル-フェニル)-9-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン(22 mg、0.07 mmol)、3-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-5-トリフルオロメチル-安息香酸(24 mg、0.08 mmol)、HATU(30 mg、0.08 mmol)およびDIEA(27 mg、0.21 mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌する。溶媒を、回転蒸発により除去する。粗生成物を、逆相HPLCにより精製し、白色固体として表題化合物を得る。1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 12.19(s, 1H), 10.32(s, 1H), 9.71(s, 1H), 8.54(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.72(s, 1H), 7.66(m, 2H), 7.58(s, 1H), 7.50(t, 1H, J=2.8 Hz),7.45(s, 1H), 7.23(d, 1H, J=8.4), 7.04(s, 1H), 4.06(m, 2H), 3.99(s, 3H), 3.55(b, 2H), 3.15(m, 2H), 3.06(m, 4H), 2.09(s, 3H), 1.20(t, 3H, J=7.2)。MS m/z 589.2 (M + 1)。
【0092】
スキーム3
【化19】

【0093】
実施例3
N-エチル-3-(1-エチル-2-オキソ-2,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-h][1,6]ナフチリジン-3−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化20】

1. 2-{[1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピロール-2−イルアミノ]-メチレン}-マロン酸ジエチルエステル
【化21】

アクリロニトリル(7.5 g、141 mmol)をTHF(75 mL)に溶解し、0℃に冷却し、ヒドラジンモノ水和物(7.41g、148 mmol)を同じ温度で加える。反応混合物を室温に戻し、2時間撹拌する。p-アニスアルデヒド(20.1 g、148 mmol)を、滴下で加え、室温で10時間撹拌する。上記反応混合物を、次いで、濃縮し、赤色油状物を生じる。上記油状物に、80 mL n-BuOH中、n-BuONaを、0℃で、滴下で加え、室温に戻す。反応混合物を、120℃で3.5時間加熱する。冷却後、それを、300 mLの冷水に注ぎ、2 X 200 mLのEt2Oで抽出する。エーテル層を収集し、3 X 100 mLの1N HClで洗浄する。合わせた酸層を収集し、50 % NaOHで中和する。混合物を、再び、200 mLのEt2Oで抽出し、水で洗浄する。それを、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、赤色油状物として1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾール-2−イルアミンを得る。MS m/z 204.1 (M + 1)。1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾール-2−イルアミン(1 g、5.0 mmol)およびジエチルエトキシメチレンマロネート(1 mL、5.0 mmol)の混合物を、120℃で5時間、加熱する。それを冷却し、次いで、望む化合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離する。MS m/z 374.2 (M + 1)。
【0094】
2. 4-クロロ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステル
【化22】

2-{[1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピロール-2−イルアミノ]-メチレン}-マロン酸 ジエチル エステル (1.5 g, 4.0 mmol)を、200℃で45分間、MWで照射する。20 mLのEt2Oを加え、環化化合物4-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステルを、白色結晶として結晶化する。1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 12.10 (s, 1H), 10.32(s, 1H), 8.81 (s, 1H), 8.31(s, 1H), 7.21 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 6.86 (d, 1H, J = 8.8), 4.39 (m, 2H), 4.26 (m, 2H), 3.72 (s, 3H), 1.35 (t, 3H, J = 7.2 Hz)。MS m/z 328.2 (M + 1)。上記化合物を、密閉チューブ中、80℃で10時間、POCl3 (2 mL)で加熱する。反応混合物を冷却し、10 mLの氷に注ぐ。現れた固体を、次いで、ろ過により収集し、2X5 mLの水で洗浄し、白色固体として表題化合物を得る。MS m/z 346.2 (M + 1)。
【0095】
3. 4-エチルアミノ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化23】

4-クロロ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステル(500 mg、1.45 mmol)を、15 mLの無水THFに溶解し、-78℃まで冷却する。LAH THF 溶液(3.6 mL、1M THF 溶液、3.6 mmol)を、同じ温度でゆっくりと加える。3時間撹拌後、反応混合物を室温まで戻し、さらに4時間撹拌し続ける。反応混合物を0℃に冷却し、1 mLのMeOH:EtOAc(1:1)を、LAHを破壊するために加える。それを、次いで、celiteプラグを通過させ、酢酸エチル(2X50 mL)で洗浄する。真空下で溶媒を除去後、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、白色固体として得る。MS m/z 304.1(M + 1)。
【0096】
上記アルコールを、次いで、20 mLのDCMに溶解させ、MnO2(1.2、13.2 mmol)を加える。反応混合物を、室温で2時間撹拌する。反応混合物を、celiteプラグを通過させ、酢酸エチルで洗浄する。合わせたろ液を濃縮し、生成物を、カラムクロマトグラフィーで精製する。MS m/z 302.1 (M + 1)。
【0097】
4-クロロ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルバルデヒド (350 mg, 1.16 mmol)、エチル アミン (70 wt. %水溶液、2 mL, 25 mmol)の混合物を、密閉チューブ中、120℃で加熱する。一晩後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮する。残渣をHCl 溶液(1N、4 mL)に溶解し、50℃で加熱する。1.5 時間撹拌後、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で、pH = 8まで塩基性化する。固体をろ過により収集し、水、次いで、ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、固体として表題化合物を得る。MS m/z 311.2 (M + 1)。
【0098】
4. N-エチル-3-(1-エチル-2-オキソ-2,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-h][1,6]ナフチリジン-3−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化24】

表題化合物は、スキーム1に記載したものと同じ手順を使用することにより、4-エチルアミノ-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-カルバルデヒドから合成する。1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) δ 8.89 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 8.37 (s, 1 H), 7.80 (s,1 H), 7.41 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.92 (s, 1H), 4.63 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 4.25 (d, 1H, J = 4.0 Hz), 3.86 (s, 3H), 3.82 - 3.72 (m, 1H), 1.45 (t, 3H, J = 6.8 Hz), 1.12(t, 3H, J = 6.8 Hz); MS m/z 392.2 (M + 1)。
【0099】
スキーム4
【化25】

【0100】
実施例4
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
【化26】

1. 1-ベンゼンスルホニル-4-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化27】

DMF (100 mL)中、Cs2CO3(36.1 g、110.8 mmol)のスラリーに、10.00 g(55.4 mmol)の出発アルデヒドを加え、15分間撹拌する。ベンゼンスルホニル クロライド(14.1 mL、111 mmol)を滴下で加え、室温で2時間撹拌する。反応混合物を水(800 mL)で希釈し、灰白色沈殿をろ過し、水で洗浄し、真空オーブンで60℃で乾燥させ、望む生成物を得る。
【0101】
2. 1-ベンゼンスルホニル-4-クロロ-5-[1,3]ジオキソラン-2−イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化28】

トルエン(250 mL)中、アルデヒド(8.88 g、27.7 mmol)、エチレングリコール(2.00 mL、35.8 mmol)、およびTsOH・H2O(200 mg)の混合物を、ディーンスタークトラップで一晩還流する。反応混合物をNaHCO3の溶液で洗浄し、濃縮し、シリカゲルのプラグを通して精製する(溶離剤ヘキサン-EtOAc 2:1)。
【0102】
3. 1-ベンゼンスルホニル-4-クロロ-5-[1,3]ジオキソラン-2−イル-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化29】

n-ブチルリチウム(ヘキサン中、2.5 M)(48.8 mL、122 mmol)を、窒素下、-78℃で、無水THF(200 mL)中、ジイソプロピルアミン(18.97 ml、134 mmol)の溶液に滴下で加え、30分間撹拌する。次いで、100 mLの無水THF中、ジオキソラン(8.90 g、24.4 mmol)の溶液を、ゆっくりと加え、-25℃で30分間撹拌する。生じた褐色溶液にヨードメタン(10.66 mL、171 mmol)を加え、-25℃で2時間撹拌する。NaHCO3(10 mL)の濃縮溶液を加え、反応混合物を室温まで温める。濃縮し、水を加え、CH2Cl2で抽出し、乾燥させる(Na2SO4)。シリカゲルカラムにより精製する(ヘキサン中、20-30% EtOAc)。
【0103】
4. 4-クロロ-5-[1,3]ジオキソラン-2−イル-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン
【化30】

メタノール(450 mL)中、ジオキソラン(5.26 g、13.9 mmol)および水(150mL)中、K2CO3の溶液を、還流で2時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、沈殿をろ過し、水で洗浄し、真空オーブンで、50℃で乾燥させる。
【0104】
5. 4-クロロ-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化31】

THF (240 mL)中、ジオキソラン(4.36 g、18.3 mmol)の溶液に、水(85 mL)中、濃HCl(15 mL)を加え、50℃で2時間撹拌する。THFを蒸発させ、NaHCO3の濃溶液を、pH 9-10まで加える。白色結晶をろ過により収集し、真空オーブンで、50℃で乾燥させ、望む生成物を得る。
【0105】
6. 4-クロロ-1-メトキシメチル-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化32】

アルデヒド(3.53 g、18.1 mmol)を、DMF (60 mL)中、新鮮な挽いたCs2CO3のスラリー(12.06 g、36.3 mmol)に加えて、室温で15分間撹拌する。MOMCl(2.75 mL、36.3 mmol)をゆっくりと加え、室温で3時間撹拌する。水(600 mL)を加え、氷で冷却し、灰白色結晶をろ過し、水で洗浄する。真空で、50℃で乾燥させる。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 10.53 (s, 1H, CHO), 8.75 (s, 1H, H-6), 6.51 (s, 1H, H-3), 5.67 (s, 2H, CH2), 3.29 (s, 3H, OMe), 2.55 (s, 3H, Me)。
【0106】
7. 1-メトキシメチル-2-メチル-4-(2-モルホリン-4−イル-エチルアミノ)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド.
【化33】

アルデヒド(476 mg、2 mmole)をフラスコに加え、1 mlの2-モルホリン-4−イル-エチルアミンと混合する。混合物を、110℃で2時間加熱し、室温まで冷却する。過剰のアミンを、高真空下で、蒸留する。残渣を、10 ml 1N HCl 溶液で処理し、50℃で2時間加熱する。反応混合物を、K2CO3でPH 11まで中和し、クロロホルムおよびメタノール(20:1)で2回(2x 20 mL)、抽出する。有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。濃縮およびシリカゲルでの精製(クロロホルム/メタノール= 20:1)により、望む生成物を得る。MS m/z 333.2 (M + 1)。
【0107】
8. 7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
【化34】

アルデヒド(330 mg、1 mmole)、(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-アセトニトリル(750 mg、〜3 mmole)、KtOBu(500 mg)および3 mLのジオキサンの混合物を、マイクロ波反応バイアルに入れる。それを、3時間脱気し、窒素を再充填する。混合物を、170℃で3000秒、マイクロ波で加熱する。それを、室温まで冷却し、クロロホルム/メタノール(20:1)で2回(2x15 mL)抽出する。抽出物を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させる。
【0108】
溶媒の除去後、残渣を、無水酢酸で、110℃で2時間処理する。溶媒を除去し、残渣を6 HCl(3 mL)で処理し、100℃で5時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、固体 K2CO3 tで、PH 11まで中和し、室温で30分間撹拌する。それを、クロロホルムおよびメタノール(20:1)で抽出し、抽出物を合わせて、Na2SO4で乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を、シリカゲルカラム(クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン = 50:1:0.2)で精製し、望む生成物を得る。MS m/z 517.1 (M + 1)。
【0109】
スキーム5
【化35】

【0110】
実施例5
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-1-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化36】

【0111】
1. 4-クロロ-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化37】

1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンの代わりに3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン (Synthesis, 1996, 877)を用いること以外、実施例1、工程1-2の手順にしたがい、4-クロロ-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドを白色固体として得る: 1H NMR 400 MHz (CD3OD) δ 10.40 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.18 (s, 1 H); MS m/z 195.0 (M + 1)。
【0112】
2. 4-クロロ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化38】

4-クロロ-2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドの代わりに4-クロロ-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドを用いること以外、実施例4、工程6の手順にしたがい、4-クロロ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドを、白色固体として得る: 1H NMR 400 MHz (CD3OD) δ 10.49 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 7.10 (s, 1 H), 5.52 (s, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.49 (s, 3H); MS m/z 239.0 (M + 1)。
【0113】
3. 4-エチルアミノ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド
【化39】

4-クロロ-1-トリイソプロピルシラニル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドの代わりに4-クロロ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドを用いること以外、実施例1、工程3の手順にしたがい、4-エチルアミノ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒドを白色固体として得る。MS m/z 248.1 (M + 1)。
【0114】
4. 2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-1-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
【化40】

4-エチルアミノ-1-メトキシメチル-3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-カルバルデヒド(10.9 mg、0.044 mmole)、2-クロロ-3-シアノメチル-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、無水EtOH(0.2 ml)およびナトリウムエトキシド(EtOH中、21%、0.4 mL)の混合物を、油浴で、120℃で4時間、加熱する。反応溶液を室温まで冷却し、飽和K2CO3でクエンチする。混合物を、クロロホルム/メタノール(20:1)で2回(2x15 mL)抽出する。抽出物を塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させる。溶媒の除去後、残渣を、120℃で1時間、無水酢酸で処理する。溶媒を除去し、残渣をHCl(6N、1 mL)で処理し、100℃で2時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、固体K2CO3でPH 11まで中和し、室温で30分間撹拌する。それを、クロロホルムおよびメタノール(20:1)で抽出し、抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル: ヘキサン = 4:1)で精製し、望む生成物を得る。MS m/z 439.1 (M + 1)。
【0115】
実施例6
[7-(2-クロロ-3-エチルカルバモイル-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-3−イル]-酢酸エチルエステル
【化41】

2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド (7.6 mg, 0.018 mmol)、クロロ-酢酸エチルエステル (2.2 mg, 0.018 mmol)、炭酸カリウム (0.89 mg, 0.0064 mmol)およびアセトン (0.5 mL)の混合物を、60℃まで2時間加熱する。溶媒を除去し、水を加える。混合物を、クロロホルムおよびメタノール(20:1)で抽出し、抽出物を合わせて、MgSO4で乾燥させる。溶媒の除去後、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル: ヘキサン = 4:1)で精製し、望む生成物を得る。MS m/z 511.1 (M + 1)。2.5 mgの生成物を、室温で1時間、THF中、LiOH.H2O、MeOHおよびH2Oで加水分解し、望む酸生成物を得る。MS m/z 483.1 (M + 1)。
【0116】
適当な出発物質を用いて、上記実施例で記載した手順を繰り返すことにより、表1で同定した下記の式Iの化合物を得る。
【0117】
表1
【表1】

【0118】
【表2】

【0119】
【表3】

【0120】
【表4】

【0121】
【表5】

【0122】
【表6】

【0123】
【表7】

【0124】
【表8】

【0125】
【表9】

【0126】
【表10】

【0127】
【表11】

【0128】
【表12】

【0129】
【表13】

【0130】
【表14】

【0131】
アッセイ
本発明の化合物は、親32D細胞と比較して、選択的に、BCR-Ablを発現する32D細胞(32D p210)の細胞増殖を阻害する能力を測定するために、アッセイされる。これらのBCR-Abl形質転換細胞の増殖を選択的に阻害する化合物は、野生型もしくは突然変異型のBcr ablを発現するBa/F3細胞での抗増殖性活性に関して試験される。さらに、化合物は、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBキナーゼを阻害するそれらの能力を測定するためにアッセイされる。
【0132】
細胞BCR-Abl依存性増殖の阻害(ハイスループット法)
使用するマウス細胞株は、BCR-Abl cDNAで形質転換した32D造血前駆細胞株(32D p210)である。これらの細胞を、ペニシリン50 μg/mL、ストレプトマイシン50 μg/mLおよびL-グルタミン200 mMを補充したRPMI/10% ウシ胎児血清(RPMI/FCS)で維持する。非形質転換32D細胞を、IL3の起源として15%のWEHIコンディション培地の添加で、同様に維持する。
【0133】
50 μlの32Dもしくは32D p210細胞懸濁液を、384ウェルマイクロプレート(黒色)に、ウェルあたり5000細胞の濃度でプレートする。50nlの試験化合物(DMSOストック溶液中、1 mM)を、各ウェルに加える(STI571は、ポジティブコントロールとして含まれる)。細胞を、37℃、5% CO2で72時間、インキュベートする。10 μlの60% Alamar Blue 溶液(Tek diagnostics)を各ウェルに加え、細胞を、さらに24時間、インキュベートする。蛍光強度(530 nmで励起、580 nmで放出)を、Acquest(商標)システム(Molecular Devices)を用いて定量する。
【0134】
細胞BCR-Abl依存性増殖の阻害
32D p210細胞を、96ウェルTCプレートに、ウェルあたり15,000細胞の濃度でプレートする。50 μLの2倍連続希釈の試験化合物(Cmaxは、40 μMである)を、各ウェルに加える(STI571は、ポジティブコントロールとして含まれる)。37 ℃、5% CO2で48時間、細胞をインキュベートした後、15 μLのMTT(Promega)を各ウェルに加え、細胞を、さらに5時間、インキュベートする。570nmでの光学密度を分光光度法で定量し、50% 阻害のために必要とされる化合物の濃度であるIC50値を、用量応答曲線から決定する。
【0135】
細胞周期分布における効果
32Dおよび32D p210細胞を、6ウェルTCプレートに、5 mlの培地中、ウェルあたり2.5x106細胞でプレートし、1または10 μMの試験化合物を加える(STI571は、コントロールとして含まれる)。細胞を、次いで、37℃、5% CO2で、24または48時間、インキュベートする。2 mlの細胞懸濁液をPBSで洗浄し、70% EtOHで1時間固定し、PBS/EDTA/RNase Aで30分間処理する。プロピジウムアイオダイド(Cf= 10 μg/ml)を加え、蛍光強度を、FACScalibur商標システム(BD Biosciences)のフローサイトメトリーにより定量する。本発明の試験化合物は、32D p210細胞でのアポトーシス効果を証明し、32D親細胞では、アポトーシスを誘導しない。
【0136】
細胞BCR-Abl自己リン酸化における効果
BCR-Abl自己リン酸化を、c-abl特異的捕捉抗体および抗ホスホチロシン抗体を用いた捕捉Elisaで定量する。32D p210細胞を、96ウェルTCプレートに、50 μLの培地中、ウェルあたり2x105細胞でプレートする。50 μLの二倍連続希釈試験化合物(Cmax は、10 μMである)を、各ウェルに加える(STI571は、ポジティブコントロールとして含まれる)。細胞を、37℃、5% CO2で90分、インキュベートする。細胞を、次いで、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含む150 μLの溶解バッファー(50 mM Tris HCl、pH 7.4、150 mM NaCl、5 mM EDTA、1 mM EGTAおよび1% NP 40)を用いて、氷上で1時間、処理する。50 μLの細胞ライセートを、先に、抗abl特異的抗体で被覆し、ブロッキングした96ウェルオプティプレート(optiplates)に加える。プレートを、4℃で4時間、インキュベートする。TBS Tween 20バッファーで洗浄後、50 μLのアルカリホスファターゼ結合抗ホスホチロシン抗体を加え、プレートをさらに、4℃で一晩、インキュベートする。TBS Tween 20バッファーで洗浄後、90 μLの発光基質を加え、発光を、Acquest商標システム(Molecular Devices)を用いて定量する。BCR-Abl発現細胞の増殖を阻害する本発明の試験化合物は、細胞BCR-Abl自己リン酸化を、用量依存的な方法で阻害する。
【0137】
Bcr-ablの突然変異型を発現する細胞の増殖における効果
本発明の化合物を、BCR-Ablの野生型またはSTI571に対する耐性もしくは減少した感受性を与える突然変異型(G250E、E255V、T315I、F317L、M351T)を発現するBa/F3細胞におけるそれらの抗増殖効果に関して試験する。突然変異BCR-Abl発現細胞および非形質転換細胞におけるこれらの化合物の抗増殖効果を、上記したとおり、10、3.3、1.1および0.37 μMで試験した(IL3を欠いた培地で)。非形質転換細胞における毒性を欠いた化合物のIC50値は、上記のとおり取得した用量応答曲線から決定した。
【0138】
FGFR3(酵素アッセイ)
精製したFGFR3(Upstate)を用いたキナーゼ活性アッセイを、キナーゼバッファー(30 mM Tris-HCl pH7.5、15 mM MgCl2、4.5 mM MnCl2、15 μM Na3VO4および50 μg/mL BSA)中、0.25 μg/mLの酵素、および基質(5 μg/mLのビオチン-ポリ-EY(Glu、Tyr)(CIS-US, Inc.)および3μM ATP)を含む、10 μLの最終容量で行う。下記の2つの溶液を製造し:5 μlの第1溶液は、キナーゼバッファー中、FGFR3酵素を含み、最初に、384形式ProxiPlate(登録商標)(Perkin-Elmer)で調製し、その後、50 nLのDMSOに溶解した化合物を添加し、次いで、5 μlの第2溶液は、基質(ポリ-EY)およびキナーゼバッファー中、ATPを含み、各ウェルに加えた。反応物を、室温で1時間インキュベートし、30 mM Tris-HCl pH7.5、0.5 M KF、50 mM ETDA、0.2 mg/mL BSA、15 μg/mL ストレプトアビジン-XL665(CIS-US, Inc.)および150 ng/mLクリプタート結合抗ホスホチロシン抗体(CIS-US, Inc.)を含む、10 μLのHTRF検出混合物を添加することにより停止させる。ストレプトアビジン-ビオチン相互作用を可能にする室温で1時間のインキュベーション後、時間分解蛍光シグナルを、Analyst GT (Molecular Devices Corp.)で読み取る。IC50値を、12個の濃度で、各化合物の阻害割合の直線回帰解析により計算する(50 μMから0.28 nMの1:3希釈)。このアッセイでは、本発明の化合物は、10 nMから2 μMの範囲のIC50を有する。
【0139】
FGFR3(細胞アッセイ)
本発明の化合物を、FGFR3細胞キナーゼ活性に依存した形質転換Ba/F3-TEL-FGFR3細胞増殖を阻害する能力に関して試験する。Ba/F3-TEL-FGFR3を、培養培地として、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI 1640を用いて、懸濁液中、800,000細胞/mLまで培養する。細胞を、50 μL培養培地中、5000細胞/ウェルで、384ウェル形式プレートに調製する。本発明の化合物を溶解させ、ジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈する。12回(Twelve points)1:3連続希釈を、DMSOで行い、典型的には、10 mMから0.05 μMの範囲の濃度勾配を作製する。細胞に、50 nLの希釈化合物を加え、細胞培養インキュベーターで48時間インキュベートする。増殖細胞により作り出される還元環境をモニターするために使用し得るAlamarBlue(登録商標)(TREK Diagnostic Systems)を、最終濃度10%で細胞に加える。37℃の細胞インキュベーターで、さらにインキュベーションの4時間後、還元された(reduced)AlamarBlue(登録商標)からの蛍光シグナル(530 nmで励起、580 nmで放出)を、Analyst GT(Molecular Devices Corp.)で定量する。IC50値を、12個の濃度での、各化合物の阻害割合の直線回帰解析により計算する。
【0140】
FLT3およびPDGFRβ(細胞アッセイ)
FLT3およびPDGFRβの細胞活性における本発明の化合物の効果は、Ba/F3-TEL-FGFR3の代わりに、各々、Ba/F3-FLT3-ITDおよびBa/F3-Tel-PDGFRβを使用すること以外は、FGFR3細胞活性に関して上記したものと同じ方法を用いて行う。
【0141】
b-Raf - 酵素アッセイ
本発明の化合物を、b-Rafの活性を阻害する能力に関して試験する。アッセイは、黒色の壁面および透明な底を有する384ウェルMaxiSorpプレート(NUNC)で行う。基質IκBαをDPBSで希釈し(1:750)、15μlを各ウェルに加える。プレートを、4℃で一晩インキュベートし、EMBLAプレート洗浄機を用いて、TBST(25 mM Tris、pH 8.0、150 mM NaClおよび0.05% Tween-20)で3回洗浄する。プレートを、Superblock(15μl/ウェル)を用いて、室温で3時間、ブロッキングし、TBSTで3回洗浄し、乾燥させる(軽打乾燥)。20μM ATP(10μl)を含むアッセイバッファーを各ウェルに加え、その後、100nlまたは500nlの化合物を加える。B-Rafをアッセイバッファーで希釈し(25μl中、1μl)、10μlの希釈したb-Rafを、各ウェルに加える(0.4μg/ウェル)。プレートを、室温で2.5時間、インキュベートする。キナーゼ反応を、TBSTで6回プレートを洗浄することにより停止させる。ホスホ-IκBα (Ser32/36)抗体を、Superblock(1:10,000)で希釈し、15μlを、各ウェルに加える。プレートを、4℃で一晩インキュベートし、TBSTで6回洗浄する。AP結合ヤギ抗マウスIgGを、Superblock(1: 1,500)で希釈し、15μlを、各ウェルに加える。プレートを、室温で1時間、インキュベートし、TBSTで6回洗浄する。15μlの蛍光Attophos AP基質(Promega)を各ウェルに加え、プレートを、室温で15分間、インキュベートする。プレートを、Fluorescence Intensity Program(励起455 nm、放出580 nm)を用いて、AcquestまたはAnalyst GTで読み取る。
【0142】
b-Raf - 細胞アッセイ
本発明の化合物を、MEKのリン酸化を阻害する能力に関して、A375細胞で試験する。A375細胞株(ATCC)は、ヒト黒色腫患者に由来し、それは、B-Raf遺伝子のV599E突然変異を有する。リン酸化MEKのレベルは、B-Rafの突然変異により高められる。準コンフルエントからコンフルエントなA375細胞を、無血清培地中、37℃で2時間、化合物と共にインキュベートする。細胞を、次いで、冷PBSで1回洗浄し、1% Triton X100を含む溶解バッファーで溶解する。遠心分離後、上清をSDS-PAGEにかけ、次いで、ニトロセルロース膜に移す。メンブレンを、次いで、抗ホスホMEK抗体(ser217/221)(Cell Signaling)を用いたウエスタンブロッテイングにかける。リン酸化MEKの量を、ニトロセルロース膜上のホスホ-MEKバンドの濃度によりモニターする。
【0143】
Upstate Kinase Profiler(商標)-放射-酵素フィルター結合アッセイ
本発明の化合物を、キナーゼパネルの個々のメンバーを阻害する能力に関して評価する。化合物を、この一般的なプロトコールにしたがい、10 μMの最終濃度で、2回試験する。キナーゼバッファー組成物および基質は、“Upstate Kinase Profiler商標”パネルに含まれる異なるキナーゼのために変わることに留意すべきである。キナーゼバッファー(2.5μL、所望により、10x - MnCl2含有)、活性化キナーゼ(0.001-0.01 ユニット; 2.5μL)、キナーゼバッファー中、特異的もしくはポリ(Glu4-Tyr)ペプチド(5-500μMまたは.01mg/ml)およびキナーゼバッファー(50μM; 5μL)を、氷上、エッペンドルフで混合する。Mg/ATP混合物(10μL; 67.5(または、33.75)mM MgCl2、450(または、225)μM ATPおよび1 μCi/μl [γ-32P]-ATP(3000Ci/mmol))を加え、反応物を、約30℃で約10分間、インキュベートする。反応混合物を、2cm x 2cm P81(正に荷電したペプチド基質のためのホスホセルロース)またはWhatman No. 1(Poly(Glu4-Tyr)ペプチド基質のための)ペーパースクエア(paper square)にスポットする(20μL)。アッセイスクエアを、0.75%リン酸で、各5分間、4回洗浄し、アセトンで5分間、1回洗浄する。アッセイスクエアを、シンチレーションバイアルに移し、5 mlのシンチレーションカクテルを加え、ペプチド基質への32P組み込み(cpm)を、Beckmanシンチレーションカウンターで定量する。阻害割合を、各々の反応のために計算する。
【0144】
遊離形または薬学的に許容される塩形での式Iの化合物は、例えば、本明細書に記載したインビトロ試験により示したとおりの、有用な薬理学的特性を示す。例えば、式Iの化合物は、好ましくは、野生型BCR-AblならびにG250E、E255V、T315I、F317LおよびM351T BCR-Abl突然変異に関して、1 x 10-10から1 x 10-5 Mの範囲で、好ましくは、500nM、250nM、100nMおよび50nM未満のIC50を示す。好ましくは10μMの濃度での式Iの化合物は、好ましくは、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2および/またはTrkBキナーゼに対して、50%以上、好ましくは、約70%以上の阻害割合を示す。
【0145】
本明細書に記載した実施例および態様は、例示的な目的のためのみであり、それを考慮したさまざまな修飾または変化は、当業者により提案され得て、本出願の精神および範囲内、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。本明細書に引用したすべての公開、特許、および特許出願は、あらゆる目的のために、引用により本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
Aは、CR5aおよびNから選択され; ここで、R5aは、水素、C1-6アルキルおよびC3-8ヘテロシクロアルキル-C0-4アルキルからなる群から選択され; ここで、R5aの該ヘテロシクロアルキルは、C1-6アルキルで置換されていてもよく;
Bは、CR5bおよびNから選択され; ここで、R5bは、水素およびC1-6アルキルから選択され;
nは、1、2、3および4からなる群から選択され;
mは、0および1から選択され;
R1は、水素および-X1C(O)OR6から選択され;ここで、X1は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; そして、R6は、水素およびC1-6アルキルから選択され;
R2は、C1-6アルキル、C3-8ヘテロシクロアルキル-C0-4アルキル、C3-12シクロアルキル-C0-4アルキルおよび-X2NR7aR7bからなる群から選択され; ここで、X2は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; そして、R7aおよびR7bは、独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され; ここで、R2の任意のヘテロシクロアルキルは、C1-6アルキルで置換されていてもよく;
R3は、ハロ、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから選択され;
R4は、-OR9、-NR8aC(O)NR8bR9、-C(O)NR8bR9、-NR8aC(O)R9、-C(O)OR8aおよび-C(O)NR8aX3OR9からなる群から選択され; ここで、X3は、単結合およびC1-6アルキレンから選択され; R8aおよびR8bは、独立して、水素およびC1-6アルキルから選択され; そして、R9は、C1-6アルキル、C6-10アリール-C0-4アルキル、C3-12シクロアルキルおよびC1-10ヘテロアリールからなる群から選択され; ここで、R9の任意のアリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルは、独立して、ハロ-置換-C1-6アルキルおよびC1-6アルキルで置換されていてもよいC3-8ヘテロシクロアルキルから選択される1から3個の基で置換されていてもよく; または、R8bおよびR9は、R8bおよびR9が結合する窒素原子と共に、C1-6アルキルで置換されていてもよいC1-10ヘテロシクロアルキルを形成する]
で示される化合物およびその薬学的な塩。
【請求項2】
Aが、CR5およびNから選択され; ここで、R5aは、水素、メチル、モルホリノ-ブチルおよびメチル-ピペラジニル-プロピルからなる群から選択され; そして、
Bが、CR5bおよびNから選択され; ここで、R5bは、水素およびメチルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1が、水素および-X1C(O)OR6から選択され; ここで、X1は、メチレンであり; そして、R6は、水素およびエチルから選択され; そして、
R2が、メチル、エチル、モルホリノ-エチル、ジメチルアミノ-エチル、ピロリジニル-エチル、シクロプロピル、メチル-ピペリジニル、シクロプロピル-メチル、ジメチルアミノ-ブチル、ジエチルアミノ-エチル、ジメチルアミノ-プロピル、エチル-ピペラジニル-エチルおよびジエチルアミノ-プロピルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R4が、-NHC(O)R9、-OR9、-C(O)NHR9、-C(O)NHOR9、-C(O)OH、-C(O)N(CH3)2およびピロリジニル-カルボニルからなる群から選択され; ここで、R9は、ベンジル、フェニル、シクロプロピル、エチル、メトキシ-プロピルおよびベンゾチアゾリルからなる群から選択され; ここで、R9の任意のフェニルは、独立して、トリフルオロメチル、エチル-ピペラジニルおよびメチル-ピペラジニルから選択される1から3個の基で置換されていてもよい、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
N-エトキシ-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
N-シクロプロピル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-N-(3-メトキシ-プロピル)-ベンズアミド、
N-ベンゾチアゾル-2−イル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-N-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-ベンズアミド、
7-(2,6-ジクロロ-フェニル)-9-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-安息香酸、
N-エチル-3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
3-メトキシ-N,N-ジメチル-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
N-エトキシ-3-メトキシ-5-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
7-[3-メトキシ-5-(ピロリジン-1-カルボニル)-フェニル]-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-3-(4-メチル-ピペラジン-1−イル)-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
3-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-5-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
4-(4-エチル-ピペラジン-1−イルメチル)-N-[4-メチル-3-(9-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-フェニル]-3-トリフルオロメチル-ベンズアミド、
7-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2-クロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2-クロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
2-クロロ-N-エトキシ-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-シクロプロピル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(2-ジメチルアミノ-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[8-オキソ-9-(2-ピロリジン-1−イル-エチル)-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
2-クロロ-3-(9-シクロプロピル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[9-(1-メチル-ピペリジン-4−イル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
2-クロロ-3-(9-シクロプロピルメチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(4-ジメチルアミノ-ブチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(2-ジエチルアミノ-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(3-ジメチルアミノ-プロピル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
9-シクロプロピル-7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
4-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-[9-エチル-2-(4-モルホリン-4−イル-ブチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-シクロプロピル-3-(9-シクロプロピル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-{9-エチル-2-[3-(4-メチル-ピペラジン-1−イル)-プロピル]-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル}-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-3-[9-(3-ジエチルアミノ-プロピル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-N-エチル-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-5-メトキシ-3-[9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド、
N-cthyl-3-(1-エチル-2-オキソ-2,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-h][1,6]ナフチリジン-3−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
2-クロロ-N-エチル-3-(9-エチル-1-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド、
[7-(2-クロロ-3-エチルカルバモイル-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-3−イル]-酢酸エチルエステル
[7-(2-クロロ-3-エチルカルバモイル-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-3−イル]-酢酸
N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
N-エチル-3-メトキシ-5-[2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル]-ベンズアミド
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-9-(2-モルホリン-4−イル-エチル)-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
9-シクロプロピル-7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-2-メチル-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシ-フェニル)-9-[2-(4-エチル-ピペラジン-1−イル)-エチル]-3,9-ジヒドロ-1,3,4,9-テトラアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-8-イミノ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
2,4-ジクロロ-N-エチル-3-(9-エチル-2-メチル-8-オキソ-8,9-ジヒドロ-3H-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-7−イル)-5-メトキシ-ベンズアミド
7-(2,6-ジクロロ-3-ヒドロキシ-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オン
7-(2,6-ジクロロ-3,5-ジメトキシフェニル)-9-エチル-3H-イミダゾ[4,5-h][1,6]ナフチリジン-8(9H)−オンおよび
7-(3-ベンジルオキシ-2,6-ジクロロ-5-メトキシ-フェニル)-9-エチル-2-メチル-3,9-ジヒドロ-3,4,9-トリアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン-8−オンからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
薬学的に許容される賦形剤と共に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項7】
キナーゼ活性の阻害が、疾患の病状および/または症状を予防するか、阻止するか、または軽減し得る、動物で疾患を処置するための方法であって、動物に治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項8】
キナーゼが、Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Abl、Bcr-Abl、Bcr-Abl(T315I)、ALK、BLK、BMX、BRK、C-kit、c-RAF、CSK、c-SRC、EGFR、Fes、FGFR3、Flt3、Fms、Fyn、IGF-1R、IR、JAK(2)、JAK(3)、KDR、Lck、NLK、p70S6K、PDGFRα、Ros、SAPK2α、SGK、SIK、Syk、Tie2およびTrkBのキナーゼ活性が、疾患の病状および/または症状に関与する、動物での疾患を処置するための医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−536959(P2009−536959A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510191(P2009−510191)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/068819
【国際公開番号】WO2007/134259
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】