説明

プロトコル・医用画像登録方法、医用画像提供方法、プロトコル利用方法、プロトコル・医用画像登録システム、および利用者端末

【課題】ネットワークを介して利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置のデータベースで効率的に一元管理する。
【解決手段】プロトコル管理サーバ装置と複数の利用者端末とをネットワークで接続し、前記利用者端末でプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が要求されたら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトコル・医用画像登録方法、医用画像提供方法、プロトコル利用方法、プロトコル・医用画像登録システム、医用画像提供システム、プロトコル利用システム、ベンダー端末、利用者端末、およびプロトコル管理サーバ装置に関する。さらに詳しくは、プロトコルおよび医用画像の組を一元管理できるようにしたプロトコル・医用画像登録方法、医用画像を利用者端末へ提供できるようにした医用画像提供方法、プロトコルを多数の利用者端末の共有資源として利用できるようにしたプロトコル利用方法、それらの方法を実施するシステム、それらのためのベンダー端末、利用者端末、およびプロトコル管理サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置やX線CT(Computed Tomography)装置などの高度の医用画像診断装置では、スキャン時に、プロトコル(protocol)と呼ばれる複雑な撮影条件を設定する必要がある。例えば、MRI装置の場合、プロトコルとして、FSE(Fast Spin Echo),GE(GradientEcho),EPI(Echo Planar Imaging),FRFSE(Fast Recovery Fast Spin Echo)などのパルスシーケンス種別や、T1(縦緩和時間),T2(横緩和時間),TR(繰り返し時間),TE(エコー時間)などの撮影パラメータを設定する。従来は、スキャンの都度、医師や技師がプロトコルを医用画像診断装置に手入力するか、又は可搬記憶媒体から読み出したプロトコルを医用画像診断装置に設定していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のプロトコル設定方法では、次の問題点がある。
(1)プロトコルを手入力したり,最新のプロトコルを格納した可搬記憶媒体を入手するのに手間と時間がかかる。
(2)スキャンの部位(例えば頭部,心臓,肺)や目的(例えば腫瘍判別か,形態異常発見か,灌流診断か)に適合したプロトコルを見つけ出すまでに時間がかかり、効率が悪い。
(3)せっかく利用価値の高いプロトコルを発案しても、それを別の医師や技師と共有することが難しい。
【0004】
そこで、本発明の第1の目的は、プロトコルおよび医用画像の組を一元管理できるようにしたプロトコル・医用画像登録方法およびシステムを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、プロトコルに対応した医用画像を利用者端末へ提供できるようにした医用画像提供方法およびシステムを提供することにある。さらに、本発明の第3の目的は、プロトコルを多数の利用者端末の共有資源として利用できるようにしたプロトコル利用方法およびシステムを提供することにある。さらにまた、本発明の第4の目的は、それらのためのベンダー端末、利用者端末、およびプロトコル管理サーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、ベンダーが管理するベンダー端末とプロトコル管理サーバ装置とを接続し、前記ベンダー端末でプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が要求されたら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法を提供する。上記第1の観点によるプロトコル・医用画像登録方法では、ベンダー端末から送られたプロトコルおよび医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置のデータベースで効率的に一元管理できるようになる。
【0006】
第2の観点では、本発明は、プロトコル管理サーバ装置と複数の利用者端末とをネットワークで接続し、前記利用者端末でプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が要求されたら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法を提供する。上記第2の観点によるプロトコル・医用画像登録方法では、ネットワークを介して利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置のデータベースで効率的に一元管理できるようになる。
【0007】
第3の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法において、前記データベースに新規登録または更新登録されたプロトコルの利用価値をベンダーまたは第三者が評価し、前記評価の結果に応じた報酬を前記登録を行った利用者端末の利用者へ支払うことを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法を提供する。上記第3の観点によるプロトコル・医用画像登録方法では、登録者(データベース登録を行った利用者端末の利用者)が、プロトコルの利用価値に見合った報酬を受け取れるので、利用価値の高いプロトコルの開発・登録意欲を増進できる。
【0008】
第4の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法において、前記医用画像は、MRI画像,X線CT画像,超音波画像,PET画像,X線画像,CR画像の少なくとも一つにかかる画像であることを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法を提供する。上記第4の観点によるプロトコル・医用画像登録方法では、臨床上の有用性が高い各種の医用画像(MRI画像,X線CT画像,超音波画像,PET画像,X線画像,CR画像)のプロトコルを登録できるようになる。
【0009】
第5の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法において、前記医用画像がMRI画像の場合、前記プロトコルは、パルスシーケンス種別と撮影パラメータの少なくとも一方であることを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法を提供する。上記第5の観点によるプロトコル・医用画像登録方法では、スキャン時間やMRI画像の特性に与える影響が大きいパルスシーケンス種別や撮影パラメータをプロトコルとして登録できるようになる。
【0010】
第6の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法により登録された医用画像の表示が利用者端末で要求されたら画像要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記画像要求を受け取ったら前記データベースから前記医用画像を読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が前記医用画像を受け取ったらそれを画面上に表示することを特徴とする医用画像提供方法を提供する。上記第6の観点による医用画像提供方法では、利用者端末の画面上に、プロトコル管理サーバ装置から入手した医用画像を表示することが可能なので、該医用画像を得るのに用いたプロトコルの評価等を行えるようになる。
【0011】
第7の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法により登録されたプロトコルの利用が利用者端末で要求されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。上記第7の観点によるプロトコル利用方法では、利用者端末が、利用価値の高いプロトコルをプロトコル管理サーバ装置から入手し、煩雑な作業なしに医用画像診断装置に設定することが可能となる。
【0012】
第8の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル・医用画像登録方法により登録された医用画像を前記プロトコル管理サーバ装置から利用者端末へ送って該利用者端末の画面上に表示すると共に該利用者端末でプロトコルの利用が要求されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。上記第8の観点によるプロトコル利用方法では、利用者端末の画面上に、プロトコル管理サーバ装置から入手した医用画像を表示するので、プロトコル利用の要否を判断しやすい。そして、必要に応じて、利用価値の高いプロトコルをプロトコル管理サーバ装置から入手し、煩雑な作業なしに医用画像診断装置に設定することが可能となる。
【0013】
第9の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用方法において、前記プロトコルを受け取った利用者端末の利用者に対しプロトコルのダウンロード回数に応じた利用料を課金することを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。第9の観点によるプロトコル利用方法では、利用者にプロトコルのダウンロード回数に応じた利用料を支払わせることで、サービスコストに見合った料金をサービス提供者が回収することが出来る。
【0014】
第10の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用方法において、前記プロトコルを受け取った利用者端末の利用者に対しプロトコルの使用回数に応じた利用料を課金することを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。上記第10の観点によるプロトコル利用方法では、利用者にプロトコルの使用回数(スキャンの実行回数)に応じた利用料を支払わせることで、利用者が受けた便益に見合った料金をサービス提供者が回収することが出来る。
【0015】
第11の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用方法において、前記利用料に応じた報酬を該プロトコルの登録を行った利用者端末の利用者へ支払うことを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。上記第11の観点によるプロトコル利用方法では、登録者が、プロトコルの使用実績に見合った報酬を継続的に受け取れるようになる。
【0016】
第12の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用方法において、前記ネットワークを介して前記利用者端末へ送るプロトコルを、有効期間と使用回数の少なくとも一方の制限付きのプロトコルとしたことを特徴とするプロトコル利用方法を提供する。上記第12の観点によるプロトコル利用方法では、利用者端末へ有効期間や使用回数の制限付きのプロトコルを送るので、プロトコルの試用や一時的利用に好都合となる。
【0017】
第13の観点では、本発明は、ベンダーが管理するベンダー端末と,前記ベンダー端末に接続されたプロトコル管理サーバ装置とを具備してなり、前記ベンダー端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録システムを提供する。上記第13の観点によるプロトコル・医用画像登録システムでは、上記第1の観点によるプロトコル・医用画像登録方法を好適に実施できる。
【0018】
第14の観点では、本発明は、プロトコル管理サーバ装置と,複数の利用者端末と,前記プロトコル管理サーバ装置と前記利用者端末とを接続するネットワークとを具備してなり、前記利用者端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録システムを提供する。上記第14の観点によるプロトコル・医用画像登録システムでは、上記第2の観点によるプロトコル・医用画像登録方法を好適に実施できる。
【0019】
第15の観点では、本発明は、ベンダーが管理するベンダー端末と,前記ベンダー端末に接続されたプロトコル管理サーバ装置と,複数の利用者端末と,前記プロトコル管理サーバ装置と前記利用者端末とを接続するネットワークとを具備してなり、前記ベンダー端末または利用者端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末または利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録し、前記利用者端末は、操作者が前記医用画像の入手を指示したら画像要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記画像要求を受け取ったら前記データベースから前記医用画像を読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末は、前記医用画像を受け取ったらそれを画面上に表示することを特徴とする医用画像提供システムを提供する。上記第15の観点による医用画像提供システムでは、上記第6の観点による医用画像提供方法を好適に実施できる。
【0020】
第16の観点では、本発明は、ベンダーが管理するベンダー端末と,前記ベンダー端末に接続されたプロトコル管理サーバ装置と,複数の利用者端末と,前記プロトコル管理サーバ装置と前記利用者端末とを接続するネットワークとを具備してなり、前記ベンダー端末または利用者端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末または利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録し、前記利用者端末は、操作者からプロトコルの利用が指示されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末は、受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第16の観点によるプロトコル利用システムでは、上記第7の観点によるプロトコル利用方法を好適に実施できる。
【0021】
第17の観点では、本発明は、ベンダーが管理するベンダー端末と,前記ベンダー端末に接続されたプロトコル管理サーバ装置と,複数の利用者端末と,前記プロトコル管理サーバ装置と前記利用者端末とを接続するネットワークとを具備してなり、前記ベンダー端末または利用者端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末または利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録し、前記利用者端末は、操作者が前記医用画像の入手を指示したら画像要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記画像要求を受け取ったら前記データベースから前記医用画像を読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末は、前記医用画像を受け取ったらそれを画面上に表示すると共に操作者からプロトコルの利用が指示されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末は、受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第17の観点によるプロトコル利用システムでは、上記第8の観点によるプロトコル利用方法を好適に実施できる。
【0022】
第18の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記プロトコルを受け取った利用者端末に、プロトコルのダウンロード履歴または使用履歴を記録することを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第18の観点によるプロトコル利用システムでは、利用者端末に、プロトコルのダウンロード履歴や使用履歴を記録することで、事後にプロトコルの利用実績を解析しやすくなる。
【0023】
第19の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記ネットワークを介して各利用者端末に巡回的にアクセスして前記ダウンロード履歴または使用履歴を受け取ることを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第19の観点によるプロトコル利用システムでは、利用者端末が能動的にダウンロード履歴や使用履歴を送る必要がないので、利用者端末の負荷を増大させることなく、プロトコル管理サーバ装置にプロトコルの利用実績を集約できるようになる。
【0024】
第20の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記利用者端末は、前記ネットワークを介して前記ダウンロード履歴または使用履歴を前記プロトコル管理サーバ装置へ送ることを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第20の観点によるプロトコル利用システムでは、利用者端末が能動的にダウンロード履歴や使用履歴をプロトコル管理サーバ装置へ送るので、プロトコル管理サーバ装置の負荷を増大させることなく、プロトコル管理サーバ装置にプロトコルの利用実績を集約できるようになる。
【0025】
第21の観点では、本発明は、上記構成の^プロトコル利用システムにおいて、前記プロトコル管理サーバ装置を複数設け、前記利用者端末がそれぞれのプロトコル管理サーバ装置にアクセス可能としたことを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第21の観点によるプロトコル利用システムでは、利用者端末が複数のプロトコル管理サーバ装置にアクセス可能なので、ネットワーク障害やシステム障害などに対する強靱性を高め、信頼性を向上できる。また、ネットワーク負荷等に応じてアクセス対象のプロトコル管理サーバ装置を変更することで、登録時やダウンロード時の通信時間を短縮することが出来る。
【0026】
第22の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記利用者端末の設置場所の法制的条件に合致するように前記プロトコル管理サーバ装置からダウンロードするプロトコルを制限することを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第22の観点によるプロトコル利用システムでは、利用者端末の設置場所における法制的条件(例えば法規制や安全基準)に不適合なプロトコルがダウンロードされることを未然に防止することが出来る。
【0027】
第23の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記プロトコル管理サーバ装置は、プロトコルが新規登録されたか又は更新登録されたことを契機として、ネットワークを介して該登録を前記利用者端末へ通知することを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第23の観点によるプロトコル利用システムでは、新たなプロトコルが登録されたことを各利用者端末の利用者に周知し、最新のプロトコルの利用を促進することが出来る。
【0028】
第24の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記プロトコル管理サーバ装置は、プロトコルの利用に関して未契約の利用者端末からのダウンロード要求には応じ且つ登録要求には応じないことを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第24の観点によるプロトコル利用システムでは、プロトコル管理サーバ装置が、未契約の利用者端末からのダウンロード要求に応じるので、広範な利用者にプロトコルの利用サービスを提供できる。ただし、未契約の利用者端末からの登録要求(新規登録要求,更新登録要求)には応じないので、データベースの登録内容の信頼性を担保できる。
【0029】
第25の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記医用画像診断装置は、MRI装置,X線CT装置,超音波診断装置,PET装置,X線撮影装置,CR装置の少なくとも一つであることを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第25の観点によるプロトコル利用システムでは、臨床上の有用性が高い各種の医用診断装置(MRI装置,X線CT装置,超音波診断装置,PET装置,X線撮影装置,CR装置)に、プロトコルを煩雑な作業なしに設定できるようになる。
【0030】
第26の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル利用システムにおいて、前記医用画像診断装置がMRI装置の場合、前記プロトコルは、パルスシーケンス種別と撮影パラメータの少なくとも一方であることを特徴とするプロトコル利用システムを提供する。上記第26の観点によるプロトコル利用システムでは、MRI装置に、パルスシーケンス種別や撮影パラメータなどのプロトコルを設定できるようになる。
【0031】
第27の観点では、本発明は、操作者からプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が指示されたらプロトコル管理サーバ装置へ新規登録要求または更新登録要求を送る登録要求送出手段と、登録すべきプロトコルおよび医用画像を前記プロトコル管理サーバ装置へ送る登録内容送出手段とを具備してなり、ベンダーにより管理されることを特徴とするベンダー端末を提供する。上記第27の観点によるベンダー端末では、プロトコルおよび医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置へ送り、データベースに登録させることが出来る。
【0032】
第28の観点では、本発明は、操作者からプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が指示されたらネットワークを介してプロトコル管理サーバ装置へ新規登録要求または更新登録要求を送る登録要求送出手段と、登録すべきプロトコルおよび医用画像を前記プロトコル管理サーバ装置へ送る登録内容送出手段とを具備したことを特徴とする利用者端末を提供する。上記第28の観点による利用者端末では、ネットワークを介してプロトコルおよび医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置へ送り、データベースに登録させることが出来る。
【0033】
第29の観点では、本発明は、操作者から医用画像の入手が指示されたらネットワークを介してプロトコル管理サーバ装置へ画像要求を送る画像要求送出手段と、前記プロトコル管理サーバ装置から医用画像を受け取ったらそれを画面上に表示する医用画像表示手段とを具備したことを特徴とする利用者端末を提供する。上記第29の観点による利用者端末では、プロトコル管理サーバ装置から、必要な医用画像を入手して画面上に表示することが可能となる。
【0034】
第30の観点では、本発明は、操作者からプロトコルの利用が指示されたらネットワークを介してプロトコルダウンロード要求をプロトコル管理サーバ装置へ送るプロトコルダウンロード要求送出手段と、前記プロトコル管理サーバ装置からプロトコルを受け取ったらそれを医用画像診断装置に設定するプロトコル設定手段とを具備したことを特徴とする利用者端末を提供する。上記第30の観点による利用者端末では、利用価値の高いプロトコルをプロトコル管理サーバ装置から入手し、煩雑な作業なしに医用画像診断装置に設定することが可能となる。
【0035】
第31の観点では、本発明は、ネットワークを介してプロトコル管理サーバ装置から受け取った医用画像を表示する医用画像表示手段と、操作者からプロトコルの利用が指示されたら前記プロトコル管理サーバ装置へプロトコルダウンロード要求を送るプロトコルダウンロード要求送出手段と、前記プロトコル管理サーバ装置からプロトコルを受け取ったらそれを医用画像診断装置に設定するプロトコル設定手段とを具備したことを特徴とする利用者端末を提供する。上記第31の観点による利用者端では、画面上に表示された医用画像を見て、プロトコル利用の要否を判断しやすい。そして、必要に応じて、利用価値の高いプロトコルをプロトコル管理サーバ装置から入手し、煩雑な作業なしに医用画像診断装置に設定することが可能となる。
【0036】
第32の観点では、本発明は、ベンダー端末または利用者端末から新規登録要求または更新登録要求を受け取ったらデータベースに前記ベンダー端末または前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録するデータベース登録手段を具備したことを特徴とするプロトコル管理サーバ装置を提供する。上記第32の観点によるプロトコル管理サーバ装置では、ベンダー端末または利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像の組をデータベースに登録して効率的に一元管理できるようになる。
【0037】
第33の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル管理サーバ装置において、利用者端末からネットワークを介して画像要求を受け取ったら前記データベースから医用画像を読み出して前記利用者端末へ送る医用画像送出手段を具備したことを特徴とするプロトコル管理サーバ装置を提供する。上記第33の観点によるプロトコル管理サーバ装置では、データベースから医用画像を読み出して利用者端末へ送り、該利用者端末の画面上に表示させることが可能となる。
【0038】
第34の観点では、本発明は、上記構成のプロトコル管理サーバ装置において、利用者端末からネットワークを介してプロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送るプロトコル送出手段を具備したことを特徴とするプロトコル管理サーバ装置を提供する。上記第34の観点によるプロトコル管理サーバ装置では、データベースからプロトコルを読み出して利用者端末へ送り、医用画像診断装置に設定させることが可能となる。
【発明の効果】
【0039】
本発明のプロトコル・医用画像登録方法およびシステムによれば、ベンダー端末や利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像の組を、プロトコル管理サーバ装置にデータベース登録して一元管理できるようになる。また、登録者に金銭的インセンティブ(incentive)を与えることで、利用価値の高いプロトコルや医用画像をプロトコル管理サーバ装置に集積しやすくなる。
【0040】
本発明の医用画像提供方法およびシステムによれば、利用者端末の画面上に、プロトコル管理サーバ装置から入手した医用画像を表示できるようになる。
【0041】
本発明のプロトコル利用方法およびシステムによれば、プロトコル管理サーバ装置にデータベース登録したプロトコルや医用画像を多数の利用者端末で共有することが出来る。また、プロトコルや医用画像の利用を有料サービスとすることで、収益力の高いビジネスモデルを構築することが出来る。
【0042】
本発明のベンダー端末、利用者端末、およびプロトコル管理サーバ装置は、上記各方法やシステムに好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図に示す実施の形態により本発明を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態にかかるプロトコル利用システム100を示すブロック図である。なお、このプロトコル利用システム100は、プロトコル・医用画像登録システムおよび医用画像提供システムとしての機能を兼ねている。このプロトコル利用システム100は、ベンダー(Vendor)が管理するベンダー端末2と、インターネット,LAN(Local Area Network),WAN(Wide Area Network)のようなネットワーク1と、そのネットワーク1に接続されたプロトコル管理サーバ装置10J,10Uおよび利用者端末20A,20B,20C,…とを具備して構成されている。なお、ネットワーク1の伝送媒体は、無線でもよいし、有線でもよい。プロトコル管理サーバ装置10Jは、例えば日本国内に設置されている。プロトコル管理サーバ装置10Uは、例えば米国内に設置されている。利用者端末20A,20B,20Cは、それぞれA病院,B病院,C病院内に設置されている。なお、ネットワーク1がインターネットの場合、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uの利用を契約していない端末である非加入者60もネットワーク1に接続している。また、セキュリティの観点から、SSL(Secure Socket Layer Protocol)等を利用するのが好ましい。
【0045】
プロトコル管理サーバ装置10Jは、ウェブサーバ11と、プロトコル・医用画像データベース12と、加入者情報データベース13とを具備して構成されている。なお、プロトコル管理サーバ装置10Uも同様の構成である。
【0046】
利用者端末20Aは、ネットワーク1と接続したネットワーク接続部21と、医用画像診断装置(例えばMRI装置,X線CT装置,超音波診断装置,PET装置,X線撮影装置,CR装置)30とを具備して構成されている。なお、利用者端末20B,20Cも同様の構成である。医用画像診断装置30は、ウェブブラウザ(Web Browser)32を有する医用画像診断装置本体31と、トラックボールやマウスなどのポインティングデバイス33と、各種の画像を表示する表示部34と、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブ35やMOD(Magneto-Optical disk)ドライブ36やハードディスク37などの記憶装置とを具備して構成されている。ウェブブラウザ32は、例えば、ネットスケープ・ナビゲータ(ネットスケープ・コミュニケーションズ社の登録商標)である。
【0047】
利用者端末20Aは、プロトコルおよび該プロトコルのスキャンで得た医用画像の組をプロトコル管理サーバ装置10J,10Uのプロトコル・医用画像データベース12に登録すること及び該登録内容を利用することを契約しており、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uの管理者から配布された記憶媒体(CD−ROM、MOなど)に記録された登録・利用加入者用プログラムまたはネットワーク1を介して配布された登録・利用加入者用プログラムを端末で実行することにより登録・利用加入者として機能しており、ネットワーク1を介してプロトコルおよび医用画像を登録すること及び利用することが可能である。
【0048】
利用者端末20Bは、プロトコルおよび医用画像をプロトコル管理サーバ装置10J,10Uのプロトコル・医用画像データベース12に登録することを契約しており、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uの管理者から配布された記憶媒体に記録された登録加入者用プログラムまたはネットワーク1を介して配布された登録加入者用プログラムを端末で実行することにより登録加入者として機能しており、ネットワーク1を介してプロトコルおよび医用画像を登録することが可能である。
【0049】
利用者端末20Cは、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uのプロトコル・医用画像データベース12に登録されたプロトコルおよび医用画像を利用することを契約しており、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uの管理者から配布された記憶媒体に記録された利用加入者用プログラムまたはネットワーク1を介して配布された利用加入者用プログラムを端末で実行することにより利用加入者として機能しており、ネットワーク1を介してプロトコルおよび医用画像を利用することが可能である。
【0050】
プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、加入者情報を保持している。この加入者情報の作成・更新は、次のように行なう。
(1)新規加入者は、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uの管理者と契約し、契約内容に応じたプログラムを記憶した記憶媒体を受け取る。または、ネットワーク1を介して前記プログラムをダウンロードする。
(2)新規加入者がプログラムをインストールし最初に起動した時に自動的にネットワーク1を介してプロトコル管理サーバ装置10J,10Uに加入者情報の更新を要求する。すると、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uでは、新規の加入者を加入者情報に加える。
(3)加入者の契約解除に基づいてプロトコル管理サーバ装置10J,10Uが該加入者を加入者情報から削除する。
【0051】
なお、前記管理者は、契約時に加入料を受け取ってもよい。また、加入者情報の保守更新などのサービスに対する管理料を、一定期間ごとに、又は、不定期に受け取ってもよい。さらに、前記プログラムの販売を行ってもよい。
【0052】
図2は、プロトコル・医用画像データベース12を示す構成図である。このプロトコル・医用画像データベース12には、プロトコル識別子ごとに、登録日,画像種別,部位,画像データ,評点,登録者,プロトコル(スキャン種別,撮影パラメータ)が格納されている。例えば、画像種別がMRIの場合、前記プロトコルとして、FSE,GE,EPI,FRFSEなどのパルスシーケンス種別と、T1,T2,TR,TEなどの撮影パラメータとが格納される。なお、各格納内容の登録処理については、図4,図5を参照して後で詳しく説明する。
【0053】
図3は、加入者情報データベース13を示す構成図である。この加入者情報データベース13は、加入者ごとに、プロトコル識別子に対応するプロトコルのダウンロード資格の有無が格納されている。図示の例では、“P001”に対応するダウンロード資格を、A病院およびC病院は有しているが、B病院は有していない。
【0054】
図4は、ベンダー端末2からプロトコル・医用画像データベース12にプロトコルおよび医用画像を登録する処理を示すフロー図である。左側のフローは、ベンダー端末2のフローである。右側のフローは、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uのフローである。
【0055】
ステップv1では、ベンダー端末2は、操作者からプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が指示されたら、ネットワーク1を介して、プロトコル管理サーバ装置10J,10U(どちらか一方でも,両方でもよい)に対し、プロトコルおよび医用画像の組の新規登録要求または更新登録要求を送信する。
【0056】
ステップs1では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、前記登録要求を受信する。ステップs2では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、前記登録要求の正当性をチェックし、正当でなければステップs3へ進み、正当であればステップs4へ進む。この正当性のチェックは、ネットワークアドレスや電話番号のチェック、パスワードのチェック、IDカードのチェックなど、公知の通信回線接続用の正当性チェック方法を用いる。ステップs3では、通信回線を切断する。ステップs4では、ネットワーク1を介して、ベンダー端末2に対し、新規登録または更新登録の準備完了通知を送信する。
【0057】
ステップv2では、ベンダー端末2は、前記完了通知を受信する。ステップv3では、ネットワーク1を介して、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uに対し、プロトコルおよび医用画像を送信する。
【0058】
ステップs5では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、前記プロトコルおよび医用画像を受信する。ステップs6では、前記プロトコルのフォーマットや重複等をチェックする。すなわち、前記プロトコルの内容が仕様を満足するか否かや、既に完全同一のプロトコルが登録済みか否か等をチェックする。
【0059】
ステップs7では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、登録承認しないならばステップs8へ進み、登録承認するならばステップs9へ進む。例えば、上記ステップs6で仕様上のエラーや完全同一のプロトコルが発見された場合には、登録承認しない。ステップs8では、通信回線を切断する。
【0060】
ステップs9では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、ベンダーや第三者(例えば医師や技師)などの評価者から入力された評点を受け付ける。なお、評価者は、医用画像の画質や、スキャン時間や、電磁波や放射線の曝射量や、臨床上の有用性などを総合的に判断して、前記プロトコルの利用価値を反映した評点を決める。
【0061】
ステップs10では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、プロトコル・医用画像データベース12(図2参照)にプロトコルおよび医用画像の画像データを新規登録または更新登録する。また、登録日,画像種別,部位,評点,登録者を登録する(これらの情報は、必要に応じて、利用者端末20Aから送られるデータに含める)。ステップs11では、ネットワーク1を介して、ベンダー端末2に対し、新規登録または更新登録の完了通知を送信する。
【0062】
ステップv4では、ベンダー端末2は、前記完了通知を受信する。
【0063】
図5は、登録加入者として機能する利用者端末(20Aを想定する)からプロトコル・医用画像データベース12にプロトコルおよび医用画像を登録する処理を示すフロー図である。左側のフローは、利用者端末20Aのフローである。右側のフローは、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uのフローである。
【0064】
ステップu1〜u4は、図4のステップv1〜v4と同様の処理である。ステップs1’〜s11’は、図4のs1〜s11と同様の処理である。ただし、各ステップで、ベンダー端末2を、利用者端末20Aと読み替えるものとする。
【0065】
ステップss12では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、登録者(利用者端末20Aの利用者)に評点に応じた報酬を支払う処理を行う。例えば、ネットワーク1を介して前記利用者の預金口座に入金する振込処理を行う。ステップss13では、ネットワーク1を介して、利用者端末20Aに対し、報酬支払い通知(例えば支払日や支払い金額)を送信する。
【0066】
ステップu5では、利用者端末20Aは、前記報酬支払い通知を受信する。そして、表示部34上に報酬支払いのメッセージを表示する。
【0067】
図6は、利用加入者として機能する利用者端末(20Aを想定する)がプロトコル・医用画像データベース12に登録されたプロトコルおよび医用画像を利用する処理を示すフロー図である。左側のフローは、利用者端末20Aのフローである。右側のフローは、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uのフローである。
【0068】
ステップuu1では、利用者端末20Aは、医用画像診断装置31のウェブブラウザ32を起動し、ネットワーク1を介してウェブサーバ11にアクセスし、表示部34上にダウンロード用ウェブページG1を表示する。図7に示すように、ダウンロード用ウェブページG1には、例えば、登録日,部位,医用画像のサムネイル(thumbnail),評点,登録者,プロトコルの一覧と,ダウンロードボタンと,条件検索ボタンと,取消ボタンとが表示される。
【0069】
ステップuu2では、利用者端末20Aは、ダウンロード用ウェブページG1上でサムネイルがクリックされたらステップuu3へ進み、そうでなければステップuu6へ進む。ステップuu3では、ネットワーク1を介して、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uに対し、サムネイルに対応する医用画像要求を送信する。
【0070】
ステップss1では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、前記医用画像要求を受信する。ステップss2では、サムネイルの基となった医用画像をプロトコル・医用画像データベース12から読み出し、ネットワーク1を介して、利用者端末20Aへ送信する。
【0071】
ステップuu4では、利用者端末20Aは、前記医用画像を受信する。ステップuu5では、利用者端末20Aは、表示部34上に前記医用画像を表示する。利用者は、医用画像を参考にして、プロトコル利用の要否を判断できる。
【0072】
ステップuu6では、利用者端末20Aは、ダウンロード用ウェブページG1上でダウウンロードボタンがクリックされたらステップuu7へ進み、そうでなければ上記ステップuu2に戻る。ステップuu7では、ネットワーク1を介して、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uに対し、指定されたプロトコルのダウンロード要求を送信する。
【0073】
ステップss3では、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、前記プロトコルダウンロード要求を受信する。ステップss4では、利用者端末20Aの利用者またはその決裁機関に対してプロトコルの利用料を請求し、課金に成功したらステップss6へ進み、そうでなければステップss5へ進む。例えば、利用者端末20Aの表示部34上に、図示せぬ料金請求画面を表示して利用料を請求し、預金口座からの振込やクレジットカードや支払い代行サービスで支払う操作を利用者が行ったなら、課金に成功したと判定する。ステップss5では、通信回線を切断する。ステップss6では、登録者(プロトコルを登録した利用者端末20の利用者)に前記ダウウンロードの対価としての報酬を支払う処理を行う。なお、報酬は、利用料と同額でもよいし、利用料から手数料を差し引いた金額でもよい。ステップss7では、ネットワーク1を介して、利用者端末20Aに対し、指定されたプロトコルを送信する。
【0074】
ステップuu8では、利用者端末20Aは、前記プロトコルを受信する。ステップuu9では、利用者端末20Aは、受信したプロトコルを医用画像診断装置30に設定する。これにより、該プロトコルによるスキャンを直ちに実行できるようになる。
【0075】
なお、図6のフローでは説明を省略したが、ダウンロード用ウェブページG1(図7参照)上で条件検索ボタンをクリックし、部位や,目的や,評点(例えば80点以上)や,長所(例えば高コントラスト)や,スキャン時間(例えば30秒以下)などの条件を指定すると、該条件で絞り込んだプロトコルのみがダウンロードの選択肢として表示される。
【0076】
以上のプロトコル利用システム100によれば、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uのプロトコル・医用画像データベース12に、ネットワーク1を介して、ベンダー端末2または利用者端末20から送られたプロトコルおよび医用画像の組を登録するので、多種のプロトコルおよび医用画像を効率的に一元管理できる。また、プロトコル・医用画像データベース12に登録されたプロトコルおよび医用画像を複数の利用者端末20で共有できるようになる。
【0077】
−他の実施形態−上記プロトコル利用システム100の構成を、次のように変更してもよい。
(1)図6のステップss4では、利用者端末20にプロトコルをダウンロードする度に、プロトコルの利用者に利用料を課金したが、これに代えて又は加えて、該プロトコルを使用(スキャンを実行)する度に、利用料を課金してもよい。
【0078】
(2)利用者端末20にプロトコルのダウンロード履歴または使用履歴を記録しておき、これら履歴を基にして、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uが課金処理を行ってもよい。例えば、プロトコル管理サーバ装置10J,10Uが、定期的(例えば1ヶ月ごと)または不定期的(例えば管理者の指示日)に、ネットワーク1を介して各利用者端末20に巡回的にアクセスして前記履歴を受け取る。または、利用者端末20が、ネットワーク1を介して、前記履歴をプロトコル管理サーバ装置10J,10Uへ送信する。
【0079】
(3)利用者端末20へ送信するプロトコルを、有効期間や,使用回数などの制限付きのプロトコルとしてもよい。この場合には、評価等のための試用やプロトコルの一時的利用のニーズにも好適に対応できるようになる。
【0080】
(4)利用者端末20へ送信するプロトコルを該利用者端末20の設置場所の法制的条件に合致するように制限することで、法制的条件に不適合なプロトコルがうっかりダウンロードされることを未然に防止してもよい。例えば、利用者端末20がアクセス可能なプロトコル管理サーバ装置10を同じ法制的条件が適用される地域内(一般に同一国内)に設置されたものに限定し、各プロトコル管理サーバ装置10には当該地域の法制的条件に合致したプロトコルのみを登録する。または、各プロトコル管理サーバ装置10の加入者情報データベース13(図3参照)において、加入者が利用する利用者端末20の設置場所の法制的条件に合致しないプロトコルのダウンロード資格を強制的に「なし」に設定する。
【0081】
(5)プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、プロトコルが新規登録されたか又は更新登録されたら、ネットワーク1を介して、該登録を各利用者端末20へ通知してもよい。この場合には、各利用者端末20の利用者に新たなプロトコルがダウンロード可能となったことを即座に周知させることが出来る。
【0082】
(6)プロトコル管理サーバ装置10J,10Uは、非加入者(未契約の利用者端末)60からのダウンロード要求にも応じてもよい。この場合には、より広範な利用者(顧客)にプロトコルの利用サービスを提供できる。ただし、プロトコル・医用画像データベース12の登録内容の信頼性を担保するため、非加入者60からの登録要求には応じない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態にかかるプロトコル利用システムを示すブロック図である。
【図2】プロトコル・医用画像データベースを示す構成図である。
【図3】顧客情報データベースを示す構成図である。
【図4】プロトコル・医用画像データベースにプロトコルおよび医用画像を登録する処理を示すフロー図である。
【図5】プロトコル・医用画像データベースにプロトコルおよび医用画像を登録する処理を示す別のフロー図である。
【図6】プロトコル・医用画像データベースに登録されたプロトコルおよび医用画像を利用する処理を示すフロー図である。
【図7】ダウンロード用ウェブページを示す説明図である。
【符号の説明】
【0084】
100 プロトコル利用システム
1 ネットワーク
2 ベンダー端末
10J,10U プロトコル管理サーバ装置
11 ウェブサーバ
12 プロトコル・医用画像データベース
13 加入者情報データベース
20A,20B,20C 利用者端末
21 ネットワーク接続部
30 医用画像診断装置
31 医用画像診断装置本体
32 ウェブブラウザ
33 ポインティングデバイス
34 表示部
35 CD−ROMドライブ
36 MOドライブ
37 ハードディスク
60 非加入者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトコル管理サーバ装置と複数の利用者端末とをネットワークで接続し、前記利用者端末でプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が要求されたら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法。
【請求項2】
請求項1に記載のプロトコル・医用画像登録方法において、前記データベースに新規登録または更新登録されたプロトコルの利用価値をベンダーまたは第三者が評価し、前記評価の結果に応じた報酬を前記登録を行った利用者端末の利用者へ支払うことを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプロトコル・医用画像登録方法において、前記医用画像は、MRI画像,X線CT画像,超音波画像,PET画像,X線画像,CR画像の少なくとも一つにかかる画像であることを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法。
【請求項4】
請求項3に記載のプロトコル・医用画像登録方法において、前記医用画像がMRI画像の場合、前記プロトコルは、パルスシーケンス種別と撮影パラメータの少なくとも一方であることを特徴とするプロトコル・医用画像登録方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロトコル・医用画像登録方法により登録された医用画像の表示が利用者端末で要求されたら画像要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記画像要求を受け取ったら前記データベースから前記医用画像を読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が前記医用画像を受け取ったらそれを画面上に表示することを特徴とする医用画像提供方法。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロトコル・医用画像登録方法により登録されたプロトコルの利用が利用者端末で要求されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロトコル・医用画像登録方法により登録された医用画像を前記プロトコル管理サーバ装置から利用者端末へ送って該利用者端末の画面上に表示すると共に該利用者端末でプロトコルの利用が要求されたらプロトコルダウンロード要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置が前記プロトコルダウンロード要求を受け取ったら前記データベースからプロトコルを読み出して前記利用者端末へ送り、前記利用者端末が受け取ったプロトコルを医用画像診断装置に設定することを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のプロトコル利用方法において、前記プロトコルを受け取った利用者端末の利用者に対しプロトコルのダウンロード回数に応じた利用料を課金することを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8のいずれかに記載のプロトコル利用方法において、前記プロトコルを受け取った利用者端末の利用者に対しプロトコルの使用回数に応じた利用料を課金することを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のプロトコル利用方法において、前記利用料に応じた報酬を該プロトコルの登録を行った利用者端末の利用者へ支払うことを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10のいずれかに記載のプロトコル利用方法において、前記ネットワークを介して前記利用者端末へ送るプロトコルを、有効期間と使用回数の少なくとも一方の制限付きのプロトコルとしたことを特徴とするプロトコル利用方法。
【請求項12】
プロトコル管理サーバ装置と,複数の利用者端末と,前記プロトコル管理サーバ装置と前記利用者端末とを接続するネットワークとを具備してなり、前記利用者端末は、操作者がプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録を指示したら新規登録要求または更新登録要求を前記プロトコル管理サーバ装置へ送り、前記プロトコル管理サーバ装置は、前記登録要求を受け取ったらデータベースに前記利用者端末から送られたプロトコルおよび医用画像を新規登録するか又は更新登録することを特徴とするプロトコル・医用画像登録システム。
【請求項13】
操作者からプロトコルおよび該プロトコルに対応する医用画像の新規登録または更新登録が指示されたらネットワークを介してプロトコル管理サーバ装置へ新規登録要求または更新登録要求を送る登録要求送出手段と、登録すべきプロトコルおよび医用画像を前記プロトコル管理サーバ装置へ送る登録内容送出手段とを具備したことを特徴とする利用者端末。
【請求項14】
操作者からプロトコルの利用が指示されたらネットワークを介してプロトコルダウンロード要求をプロトコル管理サーバ装置へ送るプロトコルダウンロード要求送出手段と、前記プロトコル管理サーバ装置からプロトコルを受け取ったらそれを医用画像診断装置に設定するプロトコル設定手段とを具備したことを特徴とする利用者端末。
【請求項15】
ネットワークを介してプロトコル管理サーバ装置から受け取った医用画像を表示する医用画像表示手段と、操作者からプロトコルの利用が指示されたら前記プロトコル管理サーバ装置へプロトコルダウンロード要求を送るプロトコルダウンロード要求送出手段と、前記プロトコル管理サーバ装置からプロトコルを受け取ったらそれを医用画像診断装置に設定するプロトコル設定手段とを具備したことを特徴とする利用者端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−175507(P2007−175507A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6574(P2007−6574)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【分割の表示】特願2001−224433(P2001−224433)の分割
【原出願日】平成13年7月25日(2001.7.25)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】