説明

プロトコル変換システム、コンテンツ送受信端末およびコンテンツ送受信制御方法

【課題】IPストレージの排他制御を行う仕組みを追加で備えることなく、IPストレージを媒体としたコンテンツ流通を可能とするコンテンツ送受信制御方法を提供する。
【解決手段】IMS網へのiSNSクライアント収容に際して、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換する機能(iSNSプロキシ)を設置するとともに、IMSコアとiSNSサーバ間のSIP−ASサーバに、iSNSサーバとIMSコア間のプロトコル変換を実現するゲートウェイ機能を配置する構成において、iSNSプロキシ(SIP−UE)機能のホームネットワーク側で、IPストレージに対して、コンテンツを送受信する端末(PC)にIPストレージに備わるiSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えることで、コンテンツ送受信時には、IPストレージ利用を不可として代理登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)ストレージとサーバ間の接続管理を行うためのプロトコルであるiSNSのクライアントとサーバ間の通信を、SIPプロトコルを中継プロトコルとする広帯域のIP−SAN管理網を利用するIPストレージに対するコンテンツ送受信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
単体、もしくは複数のハードディスクドライブの集合体、あるいは専用の制御部で複数のハードディスクドライブを制御するディスクアレイ装置等から構成されるストレージ装置が実用化されている。ストレージ装置とホスト装置(サーバ、PC)間を接続するインターフェース技術としては、ファイバチャネル(FC:Fiber Channel)、インフィニバンド(InfiniBand)、SCSI(Small Computer Systems Interface)などがある。SCSIインターフェースは、近距離間を経済的に接続する用途として優れ、既に広く普及している。当該インターフェースでは、クライアントに相当する機能をイニシエータ、サーバに相当する機能をターゲットと呼び、イニシエータとターゲット間でSCSIコマンド(CDB:Command Descriptor Block)を交換する。iSCSI(Internet SCSI)技術は、2004年にネットワークプロトコルであるTCP/IPの上位プロトコルとしてIETF(The Internet Engineering Task Force)でRFC3720によって標準化された(非特許文献1参照)。現在、iSCSI技術は、ギガビット以上の回線品質、特にデータセンター内、データセンター間や大規模LANシステム等の基幹回線で利用されている。iSCSI技術は、非特許文献1でTCPコネクションを複数利用する方法を規定しているが、オプション機能のため必ずしも実装されているわけではない。
【0003】
iSNS(Internet Storage Name Service)技術は、TCP/IPネットワーク上で、上記iSCSI、iFCP(Internet Fiber Channel Protocol)デバイスの検出、構成管理等の機能を提供するインターネット標準のストレージ専用のネームサービス(名前解決)規格であり、2005年9月にRFC4171として制定された(非特許文献2参照)。iSNSサーバは、管理デバイスに実装されたiSNSクライアント機能を通じて各デバイスのプロファイル情報、例えば、IPアドレスやRFC3721(非特許文献3参照)で定義されたiSCSI名を管理する他、iSNSサーバとiSNSクライアント間の相互死活管理、デバイス間のアクセス関係を定義するディスカバリドメインの管理、同一ドメイン内でのプロファイル共有等を実現する。特に、ドメイン内のプロファイル共有によってドメイン所属デバイスのIPアドレスリストを取得できることから、これをアクセスコントロールリスト(ACL)に適用して各デバイスからのアクセスに対して動的L3制御を行うことができる。
【0004】
IMS(IP Multimedia Subsystem)は、固定電話網や移動体通信網など、回路スイッチやパケットスイッチが異なっていた公衆通信サービスを、IP技術やインターネット電話で使われるプロトコルであるSIP(非特許文献4参照)で統合し、マルチメディアサービスを実現させる通信方式である。第3世代携帯電話規格の標準化団体であり、W−CDMA方式を策定した3GPP(3rd Generation Partnership Project)と、CDMA2000方式を策定した3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)によって標準化が行われている。
IMSは、3GPPリリース5(http://www.3gpp.org/specifications)で、NGN(New Generation Network)向けのSIPベースMultimedia Domainが加えられたことに起因する。このため、3GPPではIMSと呼ばれているが、3GPP2ではMMD(Multimedia Domain)と呼ばれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Internet Small Computer Systems Interface(iSCSI), RFC3720(Proposed Standard), Apr 2004. Updated by RFCs3980, 4850, 5048.
【非特許文献2】Internet Storage Name Service(iSNS), RFC4171(Proposed Standard), Sep 2005.
【非特許文献3】Internet Small Computer Systems Interface(iSCSI) Naming and Discovery, RFC3721(Proposed Standard), Apr 2004.
【非特許文献4】SIP: Session Initiation Protocol, RFC3261(Proposed Standard), June 2002. Updated by RFCs3265, 3853, 4320, 4916.
【非特許文献5】Session Initiation Protocol(SIP)-Specific Event Notification, RFC3265(Proposed Standard), June 2002.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
iSCSIを代表とするIPストレージの普及が進んだことから、IPストレージと当該ストレージに接続する機能(イニシエータ)を実装した機器が増えている。この結果、遠隔地にあるIPストレージとの接続など、広帯域網を想定した需要が増えると見込まれる。IPストレージの接続管理機能として、RFC4171で制定されたiSNSが存在する。しかし、iSNSは、LAN向けの技術であることから、SIPプレゼンス制御機能をiSNSの中継機能として適用するシステムが考えられる。当該システムに接続されるIPストレージを更に、コンテンツ流通の蓄積機能として拡張利用しようとすると、iSNSにはない、IPストレージへのセッション確立に対して排他制御を行う仕組みを追加で備える必要があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、IPストレージの排他制御を行う仕組みを追加で備えることなく、IPストレージを媒体としたコンテンツ流通を可能とするプロトコル変換システム、コンテンツ送受信端末およびコンテンツ送受信制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
IPストレージデバイスの普及に伴い、iSNSのクライアント機能を備えたPCやデバイスの数が増えている(Windows(登録商標) OSには標準でiSNSクライアント機能が用意されている)。しかし、iSNSはイニシエータとターゲット間の接続可否を制御する機能に限定され、接続可能なイニシエータ間の排他制御を行う機能を持たない。このため、IPストレージを介したコンテンツ送受を制御するためには新たに排他制御(状態管理)機能を備える必要がある。
【0009】
既存のiSNSクライアント機能を有するデバイスに状態管理(通知)機能を搭載することは、独自機器となることから経済性が低下する。このため、本発明では、当該デバイスに接続して、コンテンツを読み書きする外部機能に連動するiSNSプロキシ機能を配置する。当該プロキシ機能が対象デバイスの状態を代理登録することで排他制御を実行する。この結果、既存のiSNSクライアント機能を有するデバイスを介したコンテンツの流通が可能となる。
【0010】
本発明では、IMS網へのiSNSクライアント収容に際して、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換する機能(iSNSプロキシ)を設置するとともに、IMSコアとiSNSサーバ間のSIP−ASサーバに、iSNSサーバとIMSコア間のプロトコル変換を実現するゲートウェイ機能を配置する構成において、iSNSプロキシ(SIP−UE)機能のホームネットワーク側で、IPストレージに対して、コンテンツを送受信する端末にIPストレージに備わるiSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えることで、コンテンツ送受信時には、IPストレージ利用を不可として代理登録する。これにより、IPストレージへのアクセスについて排他制御を実現する。
【0011】
すなわち、本発明のプロトコル変換システムは、iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムであって、前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージへのイニシエータからの接続を、排他制御可能とする、iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えるコンテンツ送受信端末を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコンテンツ送受信端末は、iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムにおける前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージへのイニシエータからの接続を、排他制御可能とする、iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のコンテンツ送受信制御方法は、iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムにおけるコンテンツ送受信制御方法であって、iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えるコンテンツ送受信端末を有し、前記コンテンツ送受信端末の処理手順は、前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージの利用を不可として代理登録するステップと、前記IPストレージを利用不可としている間に、前記IPストレージに対して、コンテンツを送受信するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、IMS網へのiSNSクライアント収容に際して、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換する機能(iSNSプロキシ)を設置するとともに、IMSコアとiSNSサーバ間のSIP−ASサーバに、iSNSサーバとIMSコア間のプロトコル変換を実現するゲートウェイ機能を配置するシステムもとで利用するIPストレージの排他制御が可能となることから、IPストレージを媒体としたコンテンツ流通が可能となる。ローカルに存在するIPストレージをコンテンツの蓄積機能とすることから、流通するコンテンツのサイズ、総量はローカルに配置するIPストレージ容量に依存する。この結果、コンテンツ流通事業者が設置するコンテンツアップロード形設備のスペックに制限されることなく、大規模で大容量のコンテンツ流通システムを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】IMSネットワークに対して、SIP−ASサーバとしてのiSNSゲートウェイサーバを設置し、ホームネットワーク上に設置されたiSNSクライアント機能を有するイニシエータとターゲットが存在し、各々がiSNSプロキシ機能を介して、IMSネットワークに接続された構成を示す図である。
【図2】図1に示すネットワーク構成の下で、コンテンツ送受信端末(図中では破線内部、PCと記載)を追加した図である。
【図3】図2の処理のプロトコル処理シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図1から図3を参照して詳細に説明する。図1は、広域IPネットワークであるIMSネットワークにゲートウェイ装置を介して、2つのホームネットワークが接続された構成を示す。各ホームネットワーク内には、iSNSクライアント12を備えたiSCSIターゲット(ストレージ)14と、iSNSクライアント13を備えたiSCSIイニシエータ(PC、あるいはサーバ)15が存在する。また、iSNSクライアント12は、iSNSプロキシ17に接続され、iSNSクライアント13は、iSNSプロキシ18に接続されている。
【0017】
一方、IMSネットワークには、SIPアプリケーションサーバ(SIP−AS)の1種であるiSNSゲートウェイサーバ11が設置される。iSNSゲートウェイサーバ11は、ISC(IMS Service Control)インターフェースを介してIMSコア20に接続され、iSNSサーバ19とIMSコア20との間の通信を仲介する。
【0018】
IMSコア20は、CSCF(Call Session Control Function)サーバ21と、ホーム加入者サーバ(HSS:Home Subscriber Server)22とにより構成され、CSCFサーバ21は、SIPに基づくセッション制御を行うS−CSCF(Serving-CSCF)23と、問い合わせを受け付けるI−CSCF(Interrogating-CSCF)24と、ユーザ端末(UE)がアクセスするP−CSCF(Proxy-CSCF)25とにより構成されている。ホーム加入者サーバ(HSS)22は、iSNSプロキシ17、18の情報などを登録格納しているデータベースサーバである。ホーム加入者サーバ(HSS)22と、S−CSCF23およびP−CSCF25との間の情報の交換には、Diameterプロトコルが用いられる。
【0019】
本発明は、iSNSゲートウェイサーバ11とiSNSプロキシ17、18の機能により実現され、両者は、iSNSP(iSNSプロトコル)とSIPを中継するプロトコル変換機能を有する。
各機能ブロックに付記した記号IP−は、IPアドレスを意味し、IPアドレス下部の数字は、受信ポート番号を意味する。また、iSNSクライアント12、13、iSNSプロキシ17、18、およびiSNSゲートウェイサーバ11にはそれぞれ固有の名称(iSCSI name、SIP URI)が与えられる。
iSNSゲートウェイサーバ11には、XMLデータベース16が付属し、iSNSネームとSIP URI(Uniform Resource Identifier)のマッピング情報が保存される。なお、当該データベースは、IMSコア20のホーム加入者サーバ(HSS)22への統合も可能である。
【0020】
図2は、図1の構成よりIMSコア部分とUtインターフェースを省略し、iSNSプロキシとiSNSゲートウェイサーバ間の接続を簡略した図面に対して、本発明であるコンテンツ送受信端末(図中ではPCと記載、破線の内側)を追記した図面である。
以下、処理動作を説明する。なお、SIP UE(User Equipment)機能を有するiSNSプロキシは、IMSネットワーク(IMSコア)に対して、SIP UEとしてのデバイス登録を完了しているものとする。
例えば、IPアドレスIP−gtを有するiSNSプロキシは、
SIP URI: SIP URI−t
IP address: IP−gt
Port number: 5060(TCP/UDP)
としてIMSコア(HSS)に登録済みであるとする。また、SIP UEは、iSNSゲートウェイサーバのSIP URIであるSIP URI−gw(SIP URIについては、非特許文献4に規定されたフォーマットが存在するが、本発明の本質とは異なるため省略形式で記載する。)を既知とする。
【0021】
[処理s1(処理s22)]
iSNSクライアント12(処理s22ではiSNSプロキシクライアント26)は、iSNSプロキシ17(IPアドレス:IP−Pt)をiSNSサーバとして設定し、iSNSプロキシ17との間で確立したTCPコネクションを通して、以下の情報を持ったiSNSプロトコル(非特許文献2参照)のデバイス登録要求DevAttrRegを発行する。なお、iSCSIイニシエータ15、iSCSIターゲット14ともにTCPポート番号は、デフォルトの3260を使用するものとする。
Src:(tag=32) iSCSI name−t
Key: <none present>
Oper Attrs:
tag1: NULL
tag2: iSCSI
tag16: IP−ht
tag17: 3260
tag32: iSCSI name−t
tag33: target
tag34: disk 2
上記のとおり、iSNSクライアント12(処理s22ではiSNSプロキシクライアント26)は、iSNSネームとしてiSCSI name−iを有する。iSCSI nameは、非特許文献3で規定されたフォーマットが存在するが、本発明の本質ではないため省略形式で記載する。登録するIPアドレス(tag16)は、ホームネットワークで使用するローカルアドレスである。
【0022】
[処理s2]
DevAttrRegを受信したiSNSプロキシ17は、自らに付与された固有のSIP URIであるSIP URI−tを用いて、iSNSゲートウェイサーバ11のUtインターフェースに対して、XCAP(XML Configuration Access Protocol)のPUT操作で、以下の情報を登録する(正確なxmlフォーマットでなく、包含されるべきtagと値のリストで記載する)。
From: sip:“SIP URI−t”
To: sip:“SIP URI−gw”
<SIP URI> SIP URI−t
<tag1> NULL
<tag2> iSCSI
<tag16> IP−ht
<tag17> 3260
<tag32> iSCSI name−t
<tag33> target
<tag34> disk 2
すなわち、処理s1で発行されたDevAttrRegのタグ付き情報とSIP URIの組情報として登録を行う。
【0023】
[処理s3]
iSNSプロキシ(SIP UE)17から処理s2の情報を受け取ったiSNSゲートウェイサーバ11は、当該情報をXMLデータベース16に登録し、SIP URIをキーとしたtag付き情報の検索と、iSCSI nameをキーとしたSIP URIの検索を可能とする。XMLデータベース16への情報登録の後、iSNSプロキシ17に対して登録完了のSIP信号である200 OKを発行する。
【0024】
[処理s4(処理s23)]
処理s3の200 OK受信後、iSNSゲートウェイサーバ(SIP URI−gw)11に対して、以下の情報を持つSIP PUBLISH信号(SIP Presenceの登録「利用可能(open)」)をPIDF形式で発行する。
From: sip:“SIP URI−t”
To: sip:“SIP URI−gw”
<status> open
<contact> sip:“SIP URI−t”
【0025】
[処理s5(処理s24)]
SIP PUBLISH信号を受信したiSNSゲートウェイサーバ11は、contactに記載されたSIP URIをキーとして、XMLデータベース16からiSCSI nameを含むtag付き情報を検索する。検索結果から処理s1のDevAttrRegを再構成し、iSNSサーバ19に対して発行する。
【0026】
[処理s6(処理s25)]
iSNSサーバ19は、iSNSサーバ19からはiSNSクライアントに見えるiSNSゲートウェイサーバ(SIP−AS)11の発行したデバイス登録要求DevAttrRegに基づき、iSCSI name−iの登録(利用可能)を行い、iSNSゲートウェイサーバ11に対して、以下の応答(登録完了)信号DevAttrRegRepを発行する。ここで、iSNSサーバ19の固有の識別IDは、isns:0001とする。
SUCCESS
Key:(tag=1)isns:0001
Oper Attrs:
tag1: isns:0001
tag2: iSCSI
tag16: IP−ht
tag17: 3260
tag32: iSCSI name−t
tag33: target
tag34: disk 2
【0027】
[処理s7(処理s26)]
処理s6のDevAttrRegRepを受信したiSNSゲートウェイサーバ11は、tag32のiSCSI nameを検索キーとして、XMLデータベース16からSIP URIを検索し、当該SIP URIに対して、処理s4への応答信号としての200 OKを発行する。
【0028】
[処理s8(処理s27)]
iSNSプロキシ17は、処理s7の200 OKを受けて、処理s6のDevAttrRegRepを再構成する。当該信号は、処理s1で確立したTCPコネクションを通して、iSNSクライアント12(処理s27ではiSNSプロキシクライアント26)に発行される。
【0029】
<排他制御のためのストレージ登録削除処理>
[処理s9]
コンテンツ送受信端末(PC)内のiSNSプロキシクライアント(iSNSプロキシとは別)26は、iSNSプロキシ17をiSNSサーバとして設定し、iSNSプロキシ17との間で確立したTCPコネクションを通して、以下の情報を持ったデバイス削除要求DevDeRegを発行する。
Src:(tag=32)iSCSI name−t
Key: <none present>
Oper Attrs:
tag1: NULL
tag2: iSCSI
tag16: IP−ht
tag17: 3260
tag32: iSCSI name−t
tag33: target
tag34: disk 2
【0030】
[処理s10]
iSNSプロキシ17は、iSNSゲートウェイサーバ(SIP URI−gw)11に対して、以下の情報を持つSIP PUBLISH信号(SIP Presenceの登録「利用不可(close)」)をPIDF形式で発行する。
From: sip:“SIP URI−t”
To: sip:“SIP URI−gw”
<status> close
<contact> sip:“SIP URI−t”
【0031】
[処理s11]
SIP PUBLISH信号を受信したiSNSゲートウェイサーバ11は、contactに記載されたSIP URIをキーとして、XMLデータベース16からiSCSI nameを含むtag付き情報を検索する。検索結果から処理s9のDevDeRegを再構成し、iSNSサーバ19に対して発行する。
【0032】
[処理s12]
iSNSサーバ19は、iSNSサーバ19からはiSNSクライアントに見えるiSNSゲートウェイサーバ(SIP−AS)11の発行したデバイス削除要求DevDeRegに基づき、iSCSI name−tの削除(利用不可)を行い、iSNSゲートウェイサーバ11に対して、以下の応答(削除完了)信号DevDeRegRepを発行する。
SUCCESS
Key:(tag=1)isns:0001
Oper Attrs:
tag1: isns:0001
tag2: iSCSI
tag16: IP−ht
tag17: 3260
tag32: iSCSI name−t
tag33: target
tag34: disk 2
【0033】
[処理s13]
処理s12のDevDeRegRepを受信したiSNSゲートウェイサーバ11は、tag32のiSCSI nameを検索キーとして、XMLデータベース16からSIP URIを検索し、当該SIP URIに対して、処理s10への応答信号としての200 OKを発行する。
【0034】
[処理s14]
iSNSプロキシ17は、処理s13の200 OKを受けて、処理s12のDevDeRegRepを再構成する。当該信号は処理s9で確立したTCPコネクションを通して、iSNSプロキシクライアント26に発行される。
【0035】
<端末からのコンテンツ転送、メタ情報登録処理>
[処理s15]
コンテンツ送受信端末(PC)は、以下の情報を用いて、iSCSIターゲット(ストレージ)14と接続を行う。
<iSCSI name> iSCSI name−t
<IP address> IP−ht
<Port number> 3260
【0036】
[処理s16]
iSCSI接続によってコンテンツ送受信端末に接続されたストレージを既知のファイルシステムによりマウントし、OSのコピーコマンド等を用いて、当該ストレージにコンテンツを転送する。
【0037】
[処理s17]
XDMSクライアント27は、iSNSプロキシ17に対して、XCAPのPUT操作で、以下の、iSCSIターゲット(ストレージ)14に登録したコンテンツのメタ情報の登録依頼をする(正確なxmlフォーマットでなく、包含されるべき情報名と値のリストで記載する)。
<FileSystem> FAT32
<Path> /home/guest/video
<Extension> mpg4
<FileName> skitour001
<Date> 20100210
<Sec> 3600
【0038】
[処理s18]
iSNSプロキシ17は、自らに付与された固有のSIP URIであるSIP URL−tを付加して、iSNSゲートウェイサーバ11に対して、以下の情報を登録する。
From: sip:“SIP URI−t”
To: sip:“SIP URI−gw”
<SIP URI> SIP URI−t
<FileSystem> FAT32
<Path> /home/guest/video$
<Extension> mpg4
<FileName> skitour001
<Date> 20100210
<Sec> 3600
【0039】
[処理s19]
iSNSプロキシ17から処理s18の情報を受け取ったiSNSゲートウェイサーバ11は、当該情報をXMLデータベース16に登録する。登録後、iSNSプロキシ17に対して登録完了のSIP信号である200 OKを発行する。
【0040】
[処理s20]
200 OKを受信したiSNSプロキシ17は、XDMSクライアント27に対して、200 OKを発行し、メタ情報の登録が完了したことを通知する。
【0041】
[処理s21]
コンテンツ送受信端末は、iSCSIターゲット(ストレージ)14の解放を行う。
【0042】
この後、処理s22〜s27により、iSCSIイニシエータ(コンテンツ送受信端末)のiSNSサーバ19への再登録を行う。
【0043】
図3は、図2の処理に対応したコマンドシーケンスを示す図である。図3のs1〜s27は、図2のs1〜s27と一致している。なお、処理s22〜s27は、処理s1、s4〜s8(再登録のため処理s2、s3は省略可能)と同じである。
【符号の説明】
【0044】
11 iSNSゲートウェイサーバ
12,13 iSNSクライアFント
14 iSCSIターゲット
15 iSCSIイニシエータ
16 XMLデータベース
17,18 iSNSプロキシ
19 iSNSサーバ
20 IMSコア
21 CSCFサーバ
22 ホーム加入者サーバ
23 S−CSCF
24 I−CSCF
25 P−CSCF
26 iSNSプロキシクライアント
27 XDMSクライアント
s1 iSNSプロトコルによるデバイス属性登録要求
s2 XML文書の登録(PUT)
s3 s2に対する応答(成功)信号
s4 SIPプロトコルによる属性登録要求
s5 iSNSプロトコルによるデバイス属性登録要求
s6 s5に対する応答(登録成功)信号
s7 s4に対する応答(登録成功)信号
s8 s1に対する応答(登録成功)信号
s9 端末内のiSNSプロキシクライアントによるデバイス属性削除要求
s10 SIP PUBLISH信号によるBUSY(利用不可)通知
s11 iSNS−GWによるデバイス属性削除要求
s12 デバイス属性の削除完了応答
s13 s10に対する応答(BUSY登録完了)
s14 s9に対する応答(デバイス属性削除完了)
s15 iSCSIストレージへのiSCSIセッション確立
s16 iSCSIストレージへのコンテンツ送信(転送)
s17 ストレージマウントとコンテンツメタ情報転送
s18 s17の信号のリレー
s19 s17の信号への応答(登録完了)
s20 s19の信号のリレー
s21 端末とiSCSIストレージ間のiSCSIセッション解放
s22 s1に対応するデバイス属性(再)登録要求
s23 s4に対応するAVAILABLE(利用可能)通知
s24 s5に対応するデバイス属性(再)登録要求
s25 s6に対応するデバイス属性の登録完了応答
s26 s7に対応する応答(AVAILABLE登録完了)
s27 s8に対応する応答((再)登録完了)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムであって、
前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージへのイニシエータからの接続を、排他制御可能とする、iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えるコンテンツ送受信端末を有することを特徴とするプロトコル変換システム。
【請求項2】
iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムにおける前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージへのイニシエータからの接続を、排他制御可能とする、iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えることを特徴とするコンテンツ送受信端末。
【請求項3】
iSNSクライアント端末とSIPサーバとの間に配置され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換するプロトコル変換装置と、前記SIPサーバに接続され、iSNSプロトコルとSIPプロトコルを相互に変換し、iSNSサーバにアクセス可能なゲートウェイサーバとを備えたプロトコル変換システムにおけるコンテンツ送受信制御方法であって、
iSNSクライアント機能のプロキシ機能を備えるコンテンツ送受信端末を有し、
前記コンテンツ送受信端末の処理手順は、
前記プロトコル変換装置を介してiSNSクライアント機能によりiSNS登録可能なIPストレージの利用を不可として代理登録するステップと、
前記IPストレージを利用不可としている間に、前記IPストレージに対して、コンテンツを送受信するステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ送受信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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