説明

プロトンポンプアンタゴニスト用の経口医薬調剤

本発明は、プロトンポンプアンタゴニスト用の新規の剤形に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔分散可能な(orodispersible)剤形の形のプロトンポンプアンタゴニスト用の経口医薬調剤に関する。
【0002】
従来の技術
不可逆的プロトンポンプインヒビター(H+/K+−ATPアーゼインヒビター、PPI類)、特にピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールは、例えばEP−A−0005129号、EP−A−0166287号、EP−A−0174726号及びEP−A−0268956号に記載されているように、そのH+/K+−ATPアーゼ阻害効果のため、増大する胃酸分泌により引き起こされる疾病の治療において重要である。不可逆的プロトンポンプインヒビターは、胃内の酸分泌を担う酵素のH+/K+−ATPアーゼに共有結合する、つまり不可逆に結合する物質である[例えばWurst他著のThe Yale Journal of Biology and Medicine 69,(1996),233−243に作用メカニズムの記載]。この群からの通常利用可能な有効成分の例は、
5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:オメプラゾール)、
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:パントプラゾール)、
2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:ランソプラゾール)及び
2−{[4−(3−メトキシプロピル)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル}−1H−ベンゾイミダゾール(INN:ラベプラゾール)である。
【0003】
前記したように、ほぼ共通の化学的基本構造(これはピリジニルメチルスルフィニルベンゾイミダゾール)を有するいわゆる不可逆的なプロトンプインヒビターの他に、いわゆる可逆的H+/K+−ATPアーゼインヒビターが存在し、これは異なる化学的基本構造を有し、かつすでに名前が挙げられているが、胃酸分泌を担う酵素と可逆的に結合し、つまりプロトンポンプアンタゴニスト又はAPA類(=アシッドポンプアンタゴニスト)と言われている[その作用メカニズムは例えばWurst他著のThe Yale Journal of Biology and Medicine 69(1996),233−243に記載]。可逆的なプロトンポンプインヒビターは刊行物DE−A3917232号、EP−A−0399267号、EP−A−0387821号、JP−A−3031280号、JP−A−2270873号、EP−A−0308917号、EP−A−0268989号、EP−A−0228006号、EP−A−0204285号、EP−A−0165545号、EP−A−0125756号、EP−A−0120589号、EP−A−0509974号、DE−A3622036号、EP−A−0537532号、EP−A−0535529号、JP−A−3284686号、JP−A−3284622号、US−A−4,833,149号、EP−A−0261912号、WO−A−9114677号、WO−A−9315055号、WO−A−9315071号、WO−A−9315056号、WO−A−9312090号、WO−A−9212969号、WO−A−9118887号、EP−A−0393926号、EP−A−0307078号、US−A−5,041,442号、EP−A−0266890号、WO−A−9414795号、EP−A−0264883号、EP−A−0033094号、EP−A−0259174号、EP−A−0330485号、WO−A−8900570号、EP−A−0368158号、WO−A−9117164号、WO−A−9206979号、WO−A−9312090号、WO−A−9308190号、WO−A−9418199号、DE−A3011490号、US−A−4,464,372号、EP−A−0068378号及びWO−A−9424130号の実施例に記載されている。
【0004】
EP0841904号B1は、ヘリコバクターが原因となる疾病を治療するための、抗微生物性の有効成分と組み合わせた、可逆的プロトンポンプインヒビター用の経口医薬組成物が記載されている。可逆的プロトンポンプインヒビターの少なくとも一部は、拡張型放出形である。
【0005】
WO−A−95/27714号は、外因的又は内因的に刺激された胃酸分泌を可逆的に阻害する置換された三環式イミダゾ[1,2−a]ピリジンに関する。第38頁には錠剤製剤の例が開示されている。
【0006】
WO−A−0245693号は、有効成分のための新規調剤を開示しており、前記有効成分は、脂肪アルコール、トリグリセリド、部分グリセリド及び脂肪酸エステルの群から選択される1種又はそれ以上の賦形剤を有する賦形剤マトリックス中に主に均一に分散されている。このマトリックスは、可逆的プロトンポンプインヒビター又はAPA類(アシッドポンプアンタゴニスト)として公知の種類の物質についての有効成分のために特に適していることが記載されている。これらの調剤を基礎とする急速に崩壊する錠剤が記載されている。
【0007】
発明の開示
プロトンポンプアンタゴニストを口腔分散可能な剤形の形で提供することによって、胃腸疾患の予防又は治療におけるプロトンポンプアンタゴニストの治療効果を改善することができる。特に、より迅速な作用の開始とより迅速な症状の軽減(疼痛の除去)が、胃腸疾患の治療において観察することができる。従って、本発明は、プロトンポンプアンタゴニスト(APA)用の経口剤形であって、有効量のプロトンポンプアンタゴニストと一緒に賦形剤を含有し、その剤形が口腔分散可能な剤形である剤形に関する。
【0008】
特に、該経口剤形は、有効成分(プロトンポンプアンタゴニスト)が塩基性賦形剤によって剤形中で安定化されている剤形である。
【0009】
本発明のもう一つの態様は、従って、有効量のプロトンポンプアンタゴニスト(APA)を賦形剤と一緒に含有する可逆的プロトンポンプインヒビター用の安定な経口剤形であって、前記プロトンポンプアンタゴニストは剤形中で1種又はそれ以上の塩基性賦形剤により安定化されており、かつ前記剤形は口腔分散可能な剤形である安定な経口剤形である。
【0010】
不可逆的プロトンポンプインヒビター(H+/K+−ATPアーゼインヒビター、PPI類)は、本発明の場合に、胃内の酸分泌を担う酵素のH+/K+−ATPアーゼに共有結合する、つまり不可逆に結合する物質である[例えばWurst他著のThe Yale Journal of Biology and Medicine 69,(1996),233−243に可能な作用メカニズムの記載]。これは、特に、EP−A−0005129号、EP−A−0166287号、EP−A−0174726号及びEP−A−0268956号に開示されているようなピリジン−2−イル−メチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールであると解釈される。挙げることができる例は、
5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:オメプラゾール)、
5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:パントプラゾール)、
2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール(INN:ランソプラゾール)及び
2−{[4−(3−メトキシプロピル)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル}−1H−ベンゾイミダゾール(INN:ラベプラゾール)である。
【0011】
プロトンポンプアンタゴニスト(本発明の場合には、プロトンポンプインヒビター又はAPA(アシッドポンプアンタゴニスト)とも言われる)は、本発明の目的で、胃酸分泌を担う酵素のH+/K+−ATPアーゼに可逆的に結合することができる作用物質である[このAPA類の作用の可能なメカニズムはWurst他著のThe Yale Journal of Biology and Medicine 69,3,1996,233−243に記載]。このプロトンポンプアンタゴニストの用語は、本発明の場合に、有効成分だけでなく、薬理学的に認容性の塩又は溶媒和物(特に水和物)などでもある。プロトンポンプアンタゴニストの例は、次の刊行物に言及されている:
EP33094号、EP204285号、EP228006号、EP233760号、EP259174号、EP266326号、EP266890号、EP270091号、EP307078号、EP308917号、EP330485号、US4728658号、US5362743号、WO9212969号、WO9414795号、WO9418199号、WO9429274号、WO9510518号、WO9527714号、WO9603405号、WO9604251号、WO9605177号、WO9703074号、WO9703076号、WO9747603号、WO9837080号、WO9842707号、WO9843968号、WO9854188号、WO9909029号、WO9928322号、WO9950237号、WO9951584号、WO9955705号、WO9955706号、WO0001696号、WO0010999号、WO0011000号、WO0017200号、WO0026217号、WO0029403号、WO0063211号、WO0077003号、WO0158901号、WO0172754号、WO0172755号、WO0172756号、WO0172757号、WO02034749号、WO02060440号、WO02060441号及びWO02060442号。
【0012】
それらのINN又はそのコード表記を用いて挙げることができるプロトンポンプアンタゴニストの例は、次の化合物である:AG−2000(EP233760号)、AU−461(WO9909029号)、BY112(WO9842707号)、ソラプラザン(soraprazan)(BY359)(WO0017200号)、CP−113411(US5362743号)、DBM−819(WO0001696号)、KR−60436(WO9909029号)、プマプラゾール(pumaprazole)(WO9418199号)、SKF−96067(EP259174号)、SKF−96356(EP307078号)、SKF−97574(EP330485号)、T−330(EP270091号)、T−776(EP270091号)、WY−27198(US4728658号)、YH−1885(WO9605177号)、YJA−20379−8(WO9703074号)、YM−19020(EP266890号)及び2,3−ジメチル−8−(2−エチル−6−メチルベンジルアミノ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(WO02060440号)。
【0013】
この関連で特に適しているのは、化合物AU−461、ソラプラザン(soraprazan)(BYK61359)、DBM−819、KR−60436、T−330、YH−1885、YJA−20379−8及び2,3−ジメチル−8−(2−エチル−6−メチルベンジルアミノ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミドである。
【0014】
本発明による特に重要なAPA類の群は、特許明細書WO9842707号、WO9854188号、WO0017200号、WO0026217号、WO0063211号、WO0172754号、WO0172755号、WO0172756号、WO0172757号、WO02034749号、WO03014120号、WO03016310号、WO03014123号、WO03068774号及びWO03091253号に記載及び請求されている。
【0015】
本発明との関連で挙げることができるAPA類の例は次の化合物である:
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−ヒドロキシメチル−7,8−ジヒドロキシ−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7,8−イソプロピリデンジオキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−2,3−ジメチル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8S,9S)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8S,9S)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−7−エトキシ−8−ヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−7−エトキシ−8−ヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8S,9S)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8S,9S)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−9−フェニル−7−(2−プロポキシ)−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−7,8−ジメトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシチオエチルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシチオエチルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メチルスルフィニルエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メチルスルフィニルエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(エチルチオ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(エチルチオ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−アセトキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−アセトキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−アセトキシ−7−メトキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−アセトキシ−7−エトキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−8−プロピオニルオキシ−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−メトキシカルボニルオキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−メトキシカルボニルオキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−7−メトキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−7−メトキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(4−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(3−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(3−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−メトキシ−2,3−ジメチル−8−(3−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−メトキシ−2,3−ジメチル−8−(2−ニトロベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(4−メトキシベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(4−メトキシベンゾイルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(N,N−ジメチルアミノメチルカルボニルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−8−(N,N−ジメチルアミノメチルカルボニルオキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−8−(N,N−ジエチルアミノカルボニルオキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−(2−メトキシエトキシ)−8−(N,N−ジエチルアミノカルボニルオキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−エチルアミノカルボニルオキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−2,3−ジメチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−2,3−ジメチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−8−[4−(メトキシカルボニル)−ベンゾイルオキシ]−2,3−ジメチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−8−[4−(メトキシカルボニル)−ベンゾイルオキシ]−2,3−ジメチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−7−メトキシ−8−メトキシアセチルオキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−(N,N−ジエチルアミノカルボニルオキシ)−2,3−ジメチル−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−(N,N−ジエチルアミノカルボニルオキシ)−2,3−ジメチル−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−メトキシ−8−メトキシカルボニルオキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−メトキシ−8−メトキシカルボニルオキシ−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ホルミルオキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ホルミルオキシ−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ベンゾイルオキシ−2,3−ジメチル−7−メトキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8S,9R)−2,3,8−トリメチル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8S,9R)−2,3−ジメチル−8−ベンジル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8S,9R)−2,3,8−トリメチル−7,8−0,0−イソプロピリデン−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8S,9R)−2,3,8−トリメチル−7−(2−メトキシエトキシ)−8−ヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8S,9R)−2,3,8−トリメチル−7−メトキシ−8−ヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3,7−トリメチル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3,7−トリメチル−7,8−[1,3]ジオキソロ−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(8S,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−メチリデン−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−2,3,7−トリメチル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3,7−トリメチル−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−7,8−ジヒドロキシ−7,9−ジフェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−7−(2′,2′−ジメチルビニル)−7,8−ジヒドロキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−7,8−0−イソプロピリデン−9−フェニル−7−ビニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−エトキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−エトキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシプロポキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシプロポキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−プロポキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−プロポキシ)−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−ブトキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−ブトキシ−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−エトキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−エトキシ−6−メトキシメチル−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
7,8−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル−9−(3−チエニル)−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
7−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−9−(3−チエニル)−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
9−(3−フリル)−7−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]−2,3−ジメチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−2−メチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−2−メチル−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−ブロモ−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−クロロ−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−ブロモ−7−ヒドロキシ−8−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−クロロ−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7R,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−2−メチル−9−フェニル−7H−8,9−ジヒドロピラノ[2,3−c]イミダゾ[1,2−a]ピリジン、
(7S,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−ヒドロキシメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3−ヒドロキシメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−ヒドロキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−3,9−ジフェニル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7,8−ジヒドロキシ−2−メトキシメチル−3−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メトキシメチル−3−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−2−メトキシメチル−3−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7S,8R,9R)−7−エトキシ−8−ヒドロキシ−2−メトキシメチル−3−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(7R,8R,9R)−7−エトキシ−8−ヒドロキシ−2−メトキシメチル−3−メチル−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン、
(8S)−2,3−ジメチル−8−フェニル−7,8−ジヒドロ−6H−9−オキサ−1,3a−ジアザシクロペンタ[a]ナフタレン−5−カルボン酸ジメチルアミド
8−[(1S,2S)−2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシ−1−インデニルオキシ)−6−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−2,3−ジメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン
6−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−4−(2,6−ジメチルベンジルアミノ)−1,2−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール、
及び前記化合物の調剤学的に適した塩。
【0016】
挙げることができる有利なプロトンポンプアンタゴニストの例は、化合物(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン(INN:ソラプラザン)である。
【0017】
前記プロトンポンプアンタゴニストは、この関連で、それ自体で又はその塩及び/又はその溶媒和物(例えば水和物)などの形で存在することができる。殆どの可逆的プロトンポンプインヒビターは塩基性化合物である。特に有利な塩は全ての酸付加塩である。薬学において慣用に使用される無機酸及び有機酸の薬理学的に認容性の塩を特に挙げることができる。それ自体で、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のような酸との水溶性及び水不溶性の酸付加塩が適しており、その際、前記の酸は塩調製において(一塩基酸又は多塩基酸のどちらであるかに依存して、かつどの塩が望ましいかに依存して)等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0018】
本発明の関連では、口腔分散可能な剤形は、口腔内に置いたときに、嚥下前に迅速に分散する剤形として解されるべきである。口腔内で崩壊した後に、錠剤成分が嚥下され、そして薬剤物質が胃腸管で吸収される。薬剤物質それ自身の特性と製剤に応じて、口腔粘膜を介した部分的又は完全な吸収が生じることがある。従って、本発明による剤形は、有効量のプロトンポンプアンタゴニスト(APA)と一緒に、該剤形の口腔摂取時に、口腔内での剤形の迅速な崩壊をもたらす賦形剤を含有し、かつ適宜、更なる賦形剤を含有する。有利には、該剤形は、有効成分の即時放出を示す。
【0019】
本発明による剤形は、EP−0841904号B1に記載される剤形に対して、拡張型放出を示さないが、有効成分の即時放出を示す。従って、本発明によれば、有効成分を即時放出する口腔崩壊性の剤形(即時放出固体経口剤形)が好ましい。該剤形は、有利には、水中での最大崩壊時間(37℃で)3分、2分又は1分を有する。(錠剤の崩壊時間は、有利には欧州薬局方第4版による薬局方単行本に開示される標準的な手順に従って測定することができる)。該剤形は、有利には、0.1Nの塩酸中15分後に60%を上回る又はそれと等しい、特に有利には、0.1Nの塩酸中15分後に75%を上回る又はそれと等しい、殊に有利には、0.1Nの塩酸中15分後に80%を上回る又はそれと等しい、更に殊に有利には、0.1Nの塩酸中15分後に85%を上回る又はそれと等しい有効成分の放出を有する。有利な一実施態様では、該剤形は、15分後に90%を上回る又はそれと等しい有効成分の放出、有利には30分後に95%を上回る又はそれと等しい有効成分の放出を有する(表示量)。
【0020】
本発明の一実施態様では、本発明による口腔分散可能な剤形は、欧州薬局方第4版の"口腔分散可能な錠剤(Orodispersible tablet)"における薬局方単行本による特性を示す剤形である。
【0021】
有利な一実施態様では、本発明による剤形は、37℃で水中で測定した崩壊時間が3分、2分又は1分以下であり、かつ0.1Nの塩酸中15分後に85%を上回る又はそれと等しい解離(有効成分の放出)を示す迅速に崩壊する剤形である。
【0022】
本発明による剤形は、胃酸分泌の増加により引き起こされる疾病の治療において、口腔崩壊、有効成分の迅速な放出及び最適な作用プロフィール(例えば作用の迅速な発現)とにより特徴付けられる。更に、塩基性賦形剤を含有する本発明による剤形において、プロトンポンプアンタゴニストの安定性の改善が観察される。口腔分散可能な剤形のためには、当該技術分野の様々な方法及び技術を利用することができる。当該技術分野では、即溶(fast melt)、迅速に崩壊する又は口腔崩壊性のような他の用語は、口腔分散可能なという用語と同義で使用される。本発明の関連で使用される口腔分散可能なという用語は、前記の用語を包含するか、あるいは前記の用語と交換可能であると解されるべきである。口腔分散可能な剤形は、幾つかの製造法によって製造することができる。口腔分散可能な剤形は、例えばUS5866163号、US5869098号、US5178878号、WO0009090号、WO0009095号、WO9846215号、US5607697号、US5178878号、WO9944580号、WO0285336号、WO0051568号、WO0027357号、FR2766089号、WO9301805号、US5762961号、US4946684号、WO0245571号、US5738875号、US5298261号、US5466464号、WO0292057号、WO0202083号、WO9947126号、WO9947124号、JP11033084号、WO9520380号、US5501861号、WO0006126号、JP2002145804号、WO0264119号、JP09048726号、JP02255797号、WO0047233号、JP2000119174号、JP02037727号、WO0164190号、JP2001253818号、WO9955311号、JP11012162号、WO9904758号、WO9747287号、JP09071523号、JP11199517号、JP2002138055号、JP2002128661号、US2002122822号、WO0255061号、WO0247607号、WO0189485号、WO0176565号、JP2001163770号、WO0112161号、WO0110418号、US6066337号、US6010719号、WO0057857号及びWO0119336号から公知である。
【0023】
例えば、口腔分散可能な錠剤は、粉末又は顆粒の圧縮によって製造することができる。通常は、即時溶解又は即時崩壊する賦形剤を使用して、快い口触り及び味覚がもたらされる。直接的な圧縮を基礎とする特定の製剤技術が開発され、そして例えば特許US5178878号、US6024981号、US6221392号及び文献(調節型放出ドラッグデリバリー技術(Modified−release drug delivery technology)、M.Rathbone、J.Hadgraft、M.Roberts編、2003年、Marcel Dekker)に記載されるようにCima Labs社によって商品化されている。OraSolv(商標)技術については、通常の打錠に使用されるより低い範囲の圧縮力を用いて水溶性賦形剤を圧縮することによって即時崩壊が達成される。その低い圧縮力により高い錠剤多孔性がもたらされ、それにより錠剤の崩壊速度と水溶性賦形剤の解離とが加速される。更に崩壊剤はその過程を促進し、その際、水溶性崩壊剤として発泡性の組合せ物が使用される。これらの柔くかつ脆い錠剤は、特別な包装系で包装する必要がある。
【0024】
それに対して、DuraSolv(商標)技術は、強いもけれども迅速に溶解する錠剤をもたらす。DuraSolv(商標)は、非直接的に微粒子形の圧縮可能な充填剤(例えば粉末化マンニトール)を用いる。これらの充填剤は、その解離速度を高める高い表面積を有する。吸い上げ剤(Wicking agent)(例えば架橋PVP)は、錠剤自体への入水を補助する。矯味された薬剤粒子を錠剤中に導入することができる。
【0025】
口腔分散可能な剤形を製造するためのもう一つの方法は、例えばUS5631023号、US5738875号及び他のRP Scherer社に対する特許及び文献(調節型放出ドラッグデリバリー技術(Modified−release drug delivery technology)、M.Rathbone、J.Hadgraft、M.Roberts編、2003年、Marcel Dekker)に記載されるような凍結乾燥(RP Scherer社により開発されたZydis技術)によるものである。この方法は、水溶性構造形成剤の水溶液中に有効成分を溶解又は懸濁することを必要とする。次いで、得られた混合物を、事前形成された積層フィルムのブリスターポケットに注入して、凍結乾燥させる。2種の最も一般的に使用される構造的賦形剤は、ゼラチンとマンニトールであるが、有効成分の特性に応じて他の好適な構造形成剤を使用することができる(例えばデンプン類、ガム類など)。
【0026】
本発明の関連における剤形は、任意の好適な口腔分散可能な剤形を指し、有利には錠剤のような経口固体剤形、凍結乾燥(フリーズドライ)された調製物と薄膜形の調製物とを基礎とする剤形を指す。
【0027】
本発明の場合に適当であり、かつプロトンポンプアンタゴニストの安定化のために本発明による剤形中で使用できる塩基性賦形剤は、塩基性に反応しかつ薬理学的に認容性でありかつ前記剤形中でプロトンポンプアンタゴニストを安定化することができる物質である。これは、特に、弱酸の薬理学的に認容性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は土類金属塩、薬理学的に適当なアルカリ土類及び土類金属の水酸化物又は酸化物及び薬理学的に認容性の塩基性緩衝剤系の群から選択された化合物である。挙げることができる例は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ヒドロタルサイト(合成)、水酸化アルミニウムマグネシウム、及び水酸化カルシウム、アミノ酸の塩基性塩、水酸化ナトリウム、トリヒドロキシメチルアミノメタン、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸三ナトリウム又はこれらの混合物である。
【0028】
本発明の場合に、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウムと水酸化ナトリウムとを配合した緩衝剤系が有利である。
【0029】
口腔分散可能な錠剤が粉末又は顆粒の圧縮によって製造される場合に、塩基性賦形剤は、有効成分と、適宜、他の賦形剤又は担体と微細に分散された形で有利に完全に混合されるため、塩基性賦形剤と有効成分との間に著しい(直接的)接触が生じる。さらに、塩基性緩衝剤系で含浸された賦形剤造粒物を使用することもできる。
【0030】
前記塩基性賦形剤は、有利に、所望の賦形剤との有効成分の混合物100mgが精製水50ml中に溶解する場合にpH7以上の塩基性度、有利にpH8〜pH11.5の塩基性度、特に有利にpH8〜pH11.0、更に特に有利にpH8.5〜10.5の塩基性度が達成される量で添加される。塩基性賦形剤の種類に応じて、従って、その含有量は例えば0.1〜30質量%(仕上がった投与形に対する質量%)であることができる。有利な実施態様の場合には、塩基性賦形剤の含有量は、20質量%より低く、特に有利に15質量%より低く、ことに10質量%より低い(仕上がった投与形に対する質量%)。
【0031】
剤形に応じて、塩基性賦形剤の他に、更に好適な賦形剤、例えば口腔中で剤形の即時崩壊をもたらす賦形剤が存在してよい。挙げられる賦形剤の更なる例は、充填剤、担体、崩壊剤、結合剤、発泡系、滑沢剤、着色剤、甘味料、矯味剤、pH調節剤及び界面活性物質である。
【0032】
一実施態様では、本発明による剤形は錠剤である。従って、本発明の更なる対象は、プロトンポンプアンタゴニスト(APA)用の経口剤形であって、有効量のプロトンポンプアンタゴニストと一緒に賦形剤を含有し、その剤形が口腔分散可能な錠剤である剤形である。本発明の更なる対象は、プロトンポンプアンタゴニスト(APA)用の経口剤形であって、有効量のプロトンポンプアンタゴニストと一緒に賦形剤を含有し、その剤形が口腔分散可能な錠剤であり、かつプロトンポンプアンタゴニストが、1種又はそれ以上の塩基性賦形剤によって剤形中で安定化されている剤形である。
【0033】
本発明による錠剤に関連して、使用される更なる賦形剤は、例えば口腔内で剤形の即時崩壊をもたらす賦形剤である。これは、有利に、充填剤又は担体の群から選択される1種又はそれ以上の物質である。更に、崩壊剤、結合剤、発泡系、滑沢剤、着色剤、甘味料、矯味剤、pH調節剤及び界面活性物質の群からなる1種又はそれ以上の賦形剤が存在することができる。
【0034】
本発明による錠剤に関連して好適な充填剤又は担体は、特に充填剤、例えばケイ酸カルシウム(Rxipients(登録商標))、糖アルコール、例えばマンニトール(例えばMerck社(ドイツ在)のPerlitol(登録商標)又はParteck(登録商標))、ソルビトール(例えばKarion(登録商標))、キシリトール、エリスリトール(例えばCerestar社(ベルギー在)のErythritol DC)又はマルチトール、デンプン、例えばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン及びコムギデンプン、微結晶セルロース、糖類、例えばグルコース、ラクトース、レブロース、スクロース及びデキストロース、共加工された(co−processed)充填剤、例えばPharmaburst(登録商標)(SPI Pharma社製(米国))、Stariac(商標)(Meggle社製(ドイツ在))である。
【0035】
本発明による錠剤中の充填剤の含有量(仕上がった剤形に対する質量パーセント)は、有利に1〜99質量%である。充填剤の含有量は、有利に30〜95質量%、及びこの含有量は特に有利に60〜90質量%である。
【0036】
適宜、崩壊剤を添加してよい。本発明による適当な崩壊剤は、特に不溶性ポリビニルピロリドン(不溶性PVP、クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、崩壊機能を満たすことができるデンプン(例えばStarch 1500)である。
【0037】
本発明による口腔分散可能な錠剤中の崩壊剤の含有量(本発明による錠剤に対する質量パーセント)は、通常では0.5〜30質量%であってよい。この崩壊剤の含有量は、有利に1〜15質量%である。この崩壊剤の含有量は、特に有利に1〜5質量%である。
【0038】
挙げることができる適当な滑沢剤は、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、タルク及びコロイダルシリカ(Aerosil)である。
【0039】
本発明による口腔分散可能な錠剤中の滑沢剤の含有量(仕上がった剤形に対する質量パーセント)は、通常では0.1〜5質量%である。この滑沢剤の含有量は、有利に0.2〜3質量%である。この崩壊剤の含有量は、特に有利に0.5〜2質量%である。
【0040】
本発明による有利な結合剤は、ポリビニルピロリドン(PVP、Polyvidon(登録商標)K25, Polyvidon(登録商標)K90)又はPVPとポリ酢酸ビニルとの混合物(例えば、Kollidon(登録商標)64)、ゼラチン、コーンスターチペースト、予備膨潤させたデンプン(Starch(登録商標)1500, Uni−Pure(登録商標)WG220)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又はヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)である。
【0041】
結合剤の含有量(本発明による錠剤に対する質量パーセント)は、10質量%までであることができ、かつ有利に5質量%までであることができる。
【0042】
挙げることができる適当な表面活性物質は、ラウリル硫酸ナトリウム、又はTween(登録商標)20、 Tween(登録商標)60又はTween(登録商標)である。
【0043】
本発明による錠剤は、特に有利に少なくとも1種の塩基性賦形剤、充填剤又は担体、滑沢剤、甘味料及び矯味剤の混合物を含有する。
【0044】
所望の場合に、1種又はそれ以上の矯味剤及び甘味料が本発明による剤形中に存在することもできる。これは、この場合、例えば味覚の改善を達成することができる。このような物質は通常の量で添加される。
【0045】
光感受性のプロトンポンプアンタゴニストの場合には、錠剤コアの製造過程で着色剤を含めて、固体剤形を着色してよい。挙げることができる着色剤は、例えば酸化鉄、インジゴカルミンE132又は二酸化チタンである。これらは、有効成分を有する混合物中で直接加工して、着色された剤形を得ることができる。
【0046】
本発明による錠剤である剤形は、当業者に公知の方法、特にプロトンポンプと賦形剤との混合により製造される。この関連で、有効成分を塩基性賦形剤と混合するのが有利である。直接圧縮された錠剤の場合に、該口腔分散可能な錠剤は、有利に賦形剤を有効成分と乾式混合することにより製造される。所望の場合には、有効成分は充填剤又は担持剤の一部と予備混合することができる。通常のミキサー、例えば強制ミキサー又は自由落下式ミキサーは、混合操作のために使用することができる。このように得られた調製物を、次いで好適な錠剤成形プレスにおいて圧縮力をかけて圧縮することができる。所望の場合に、予備圧縮を行うこともできる。着色された剤形の場合に、着色剤は乾式で混合することが好ましい。
【0047】
本発明の有利な実施態様では、該剤形は、プロトンポンプアンタゴニストとして(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン(INN ソラプラザン)又はその薬理学的に認容性の塩及び/又は水和物を含有し、かつ塩基性賦形剤として炭酸ナトリウムを含有する錠剤である。有利には、該剤形は、37℃で水中で測定された崩壊時間が3分、2分又は1分以下であり、かつ0.1Nの塩酸中15分後に85%を上回る又はそれと等しい解離(有効成分の放出)を示す。
【0048】
本発明によるもう一つの態様では、該口腔分散可能な剤形は、凍結乾燥(フリーズドライ)された調製物を基礎とする剤形である。本発明による凍結乾燥された調製物に関連して、使用される更なる賦形剤は、例えば前記の塩基性賦形剤並びに口腔内で剤形の即時崩壊をもたらす賦形剤である。挙げることができる例は、特に水溶性の構造形成剤である。一般的に使用される構造的賦形剤は、ゼラチンとマンニトールであるが、有効成分の特性に応じて他の好適な構造形成剤を使用することができる(例えばデンプン類、ガム類など)。矯味剤と甘味料を添加して、味覚の改善をすることができる。
【0049】
本発明による剤形は、当業者に公知のプロセス、特にプロトンポンプと賦形剤との混合により製造される。前記の関連では、有効成分と塩基性賦形剤とを、塩基性賦形剤と一緒にプロトンポンプアンタゴニストを賦形剤の水溶液中に懸濁又は溶解させることによって完全に混合してからフリーズドライすることが好ましい。
【0050】
凍結乾燥された調製物を基礎とする剤形の場合に、該剤形は、有利には有効成分を賦形剤の水溶液中に溶解又は懸濁して、該溶液又は懸濁液をブリスターポケット中に充填し、該溶液又は懸濁液を凍結させ、昇華により氷を取り除き、そしてブリスターポケットを密封することによって製造される。
【0051】
口腔分散可能な剤形について重要な問題点は嗜好性なので、矯味が必要となることがある。不快な味覚を有するプロトンポンプアンタゴニストの場合に、有効成分の矯味は、嗜好性製剤を保証するのに適切な技術、例えば流動床コーティング、マイクロカプセル化、埋封又は噴霧凝固によって実現される。この場合に、有効成分を含有する被覆された粒子、例えばペレット、顆粒及び結晶を、本発明による剤形の製造に使用することができる。粒子被覆は、ペレットの場合には、例えば塩基性化された有効成分調製物を開始ペレット又は押出機/球状化装置処理により製造されたペレット上に噴霧することによって達成することができる。
【0052】
以下の調製物の例は本発明を詳細に説明するものであり、それを制限するものではない。
【0053】
実施例
実施例1
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.00mg
b)炭酸ナトリウム 5.10mg
c)マンニトール 133.84mg
d)Rxcipients 23.90mg
e)微結晶セルロース 35.85mg
f)クロスポビドン 2.39mg
g)グリコール酸デンプンナトリウム 2.39mg
h)コロイド状二酸化ケイ素 2.39mg
i)サッカロース 4.78mg
j)矯味剤 7.16mg
k)ステアリン酸マグネシウム 1.20mg
239.00mg
a)を強制ミキサー中でe)と予備混合する。この混合物を強制ミキサー中でb)、c)、d)、f)、g)、h)、i)及びj)と混合する。引き続きk)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0054】
実施例2
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.00mg
b)炭酸ナトリウム 5.10mg
c)マンニトール 154.99mg
d)Rxcipients 60.99mg
f)クロスポビドン 6.78mg
g)アスパルテーム 0.75mg
h)矯味剤 0.50mg
i)ステアリルフマル酸ナトリウム 1.89mg
251.00mg
a)〜h)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きi)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0055】
実施例3
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.00mg
b)炭酸ナトリウム 5.10mg
c)微結晶セルロース 155.62mg
d)Rxcipients 67.77mg
e)アスパルテーム 0.75mg
f)矯味剤 0.50mg
g)ステアリン酸マグネシウム 1.26mg
251.00mg
a)をc)の一部と予備混合し、強制ミキサー中で混合する。この混合物を強制ミキサー中でb)、c)の残り、d)、e)及びf)と混合する。引き続きg)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0056】
実施例4
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.000mg
b)炭酸ナトリウム 5.100mg
c)Pharmaburst B2(商標) 219.900mg
d)アスパルテーム 0.375mg
e)アセスルファムカリウム 0.375mg
f)矯味剤 0.500mg
g)ステアリン酸マグネシウム 3.750mg
250.000mg
a)〜f)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きg)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0057】
実施例5
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.000mg
b)炭酸ナトリウム 5.100mg
c)Starlac(商標) 222.400mg
d)アスパルテーム 0.375mg
e)アセスルファムカリウム 0.375mg
f)矯味剤 0.500mg
g)ステアリン酸マグネシウム 1.250mg
250.000mg
a)〜f)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きg)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0058】
実施例6
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.000mg
b)炭酸ナトリウム 5.100mg
c)クロスカルメロースナトリウム 10.00mg
d)造粒マンニトール 209.900mg
(例えばMannogem granular(商標)、Partek(商標))
e)アスパルテーム 0.375mg
f)アセスルファムカリウム 0.375mg
g)矯味剤 0.500mg
h)ステアリン酸マグネシウム 3.750mg
250.000mg
a)〜g)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きh)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0059】
実施例7
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.000mg
b)炭酸ナトリウム 5.100mg
c)クロスカルメロースナトリウム 10.00mg
d)Erythritol DC(商標) 209.900mg
e)アスパルテーム 0.375mg
f)アセスルファムカリウム 0.375mg
g)矯味剤 0.500mg
h)ステアリン酸マグネシウム 3.750mg
250.000mg
a)〜g)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きh)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0060】
実施例8
直接圧縮された錠剤:
a)ソラプラザン 20.000mg
b)炭酸ナトリウム 5.100mg
c)架橋PVP(吸い上げ剤として) 15.000mg
d)粉末状マンニトール
(非直接的な圧縮充填剤として) 152.900mg
e)アスパルテーム 0.375mg
f)アセスルファムカリウム 0.375mg
g)矯味剤 0.500mg
h)コロイド状二酸化ケイ素 0.750mg
i)ステアリン酸マグネシウム 5.000mg
200.000mg
a)〜h)を、強制ミキサー中で混合する。引き続きi)を自由落下式ミキサー中で混合する。この錠剤化混合物を、適当な錠剤成形プレス装置中で圧縮して錠剤にする。
【0061】
実施例9
矯味されたペレットを用いた錠剤製剤
1. 1.2gのHPMC(5cp)と0.15gのラウリル硫酸ナトリウムを、46.35gの精製水中に溶解させる。0.800gのソラプラザンと0.200gの炭酸ナトリウムを、撹拌しながら懸濁させる。該懸濁液を、微結晶セルロースから構成されるペレット28.5g、例えばCellets(商標)、Cellspheres(商標)上にウルスター管(Wurster tube)を用いて噴霧する。ペレットの粒度は、約200μmである。
【0062】
2. 第二の方法工程で、被覆懸濁液を、1.で製造された薬剤含有ペレット上に噴霧して、ソラプラザンの矯味をする。1.51gのドデシル硫酸ナトリウムを、125.87gの水中に撹拌しながら溶解させる。5分間撹拌した後に、15.08gのEudragit EPOを懸濁させる。更に10分後に、2.26gのステアリン酸を添加し、そして該懸濁液を少なくとも5時間にわたり撹拌する。1.で製造されたペレット25gを、ウルスター管を用いて流動化させる。37.5gの造粒懸濁液を、該ペレットに噴霧する。
【0063】
得られたペレットを、前記の例で概説したように直接圧縮によって圧縮して、錠剤にすることができる。この場合に、該粉末混合物に炭酸ナトリウムを添加する必要がないのは、これがペレット中に既に含まれているからである。
【0064】
実施例10
凍結乾燥により製造された口腔分散可能な剤形
a)ソラプラザン 0.800g
b)炭酸ナトリウム 0.204g
c)ゼラチン 2.345g
d)マンニトール 1.759g
e)アスパルテーム 0.300g
f)矯味剤 0.150g
g)精製水 54.500g
ゼラチンを水に添加し、そして混合しながら約40℃に加熱する。ゼラチン溶液を、マンニトールと炭酸ナトリウムとソラプラザンとの混合物に添加し、そして均質に懸濁されるまで撹拌する。該混合物を真空下で冷却し、そしてアスパルテームと矯味剤を添加する。該懸濁液を、ブリスターポケット中に配量し、凍結させ、そしてフリーズドライして、最終的な剤形を得る。
【0065】
安定性試験
塩基性賦形剤を含むか又は含まない多様な賦形剤と一緒のソラプラザンの粉砕物を製造し、50℃で貯蔵し、不純物を分析した。次の結果が得られた:
【表1】

【0066】
産業上利用可能性
プロトンポンプアンタゴニスト及びその塩は、産業上利用性がある有用な薬理特性を有している。これらは、特に胃酸分泌の著しい阻害を示し、かつ温血動物、特にヒトにおいて優れた胃腸保護作用を示す。この関連で、本発明による化合物は、作用の高い選択性、作用の有利な持続、殊に良好な腸内活性、重篤な副作用の不在及び広い治療範囲を特徴とする。
【0067】
"胃腸保護"とは、この関連で、胃腸疾患、特に胃腸炎疾患及び胃腸障害(例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、胃酸過多又は薬物に関連する消化不良、胸焼け及び酸性のおくび、重症の逆流性食道炎の予防及び治療、逆流性食道炎及び十二指腸潰瘍の再発の予防、逆流性食道炎、ゾリンガー−エリソン症候群、アモキシシリン及びクラリスロマイシンと組み合わせた又はクラリスロマイシン及びメトロニダゾールと組み合わせた又はアモキシシリン及びメトロニダゾールと組み合わせた病原性ヘリコバクター・ピロリの除去、重症の逆流性食道炎の再発の予防のための長期治療を意味する。非ステロイド性抗炎症剤によって誘発された潰瘍及び胃十二指腸びらんであって、例えば微生物(例えばヘリコバクター・ピロリ)、細菌毒素、薬物(例えば一定の抗炎症剤及び抗リウマチ剤)、化学物質(エタノール)、胃酸又はストレス状況によって引き起こされることがあるものが予防及び治療される。
【0068】
この特性のため、プロトンポンプアンタゴニスト及び/又はその薬理学的に認容性の塩を含有する本発明による剤形は、特に胃及び/又は腸の疾患の治療及び/又は予防のための医薬品及び獣医学的医薬品に使用するのに特に適している。
【0069】
従って、本発明は、更に、前記の疾患の治療及び/又は予防に使用するための本発明による剤形に関する。
【0070】
本発明は、前記疾患の治療及び/又は予防のたの本発明による剤形の使用も含む。本発明による剤形は、この場合に、そのままで(例えば患者による直接的な経口摂取)使用してよく、又は使用前に水中に溶解又は分散させてよい。好適な分散剤又は溶剤中に分散させた後に得られる液剤又は分散液剤を次いで患者は摂取しうる。これは、例えば固体剤形の摂取に問題を抱える患者に好ましいことがある。更なる可能性は、かかる液剤又は懸濁液剤をチューブ(例えば鼻チューブ、胃チューブ)によって投与することである。これは、特に本発明による剤形を集中治療を受ける患者、嚥下が困難な患者、寝たきり患者及び小児に投与するにあたって好ましい。
【0071】
本発明によるこの剤形は、多様な組合せ又は固定された組合せにおいて、他の医薬と組み合わせることができる。有効成分としてプロトンポンプアンタゴニストを有する本発明の剤形との関連で挙げる価値のある組合せは、抗生物質有効成分との組合せ及びNSAID類(非ステロイド系抗炎症剤)との組合せである。特に、ヘリコバクター・ピロリ菌(H.pylori)のコントロールのために使用されるような抗菌剤との組合せを挙げることができる。組合せの挙げることのできる他の例は次のものである:精神安定剤(例えばベンゾジアゼピンの群から、例えばジアゼパム)、鎮痙剤(例えばビエタミベリン又はカミロフィン)、抗コリン作用薬(例えばオキシフェンシクリミン又はフェンカルバミド)、局所麻酔薬(例えば、テトラカイン又はプロカイン)、場合により、酵素、ビタミン又はアミノ酸。本発明による化合物と、酸分泌を阻害する薬剤、例えば制酸剤、H2ブロッカー(例えばシメチジン、ランチジン)、H+/K+−ATPアーゼ阻害剤(例えばオメプラゾール、パントプラゾール)又は更にいわゆる末梢抗コリン作用薬(例えば、ピレンゼピン、テレンゼピン)及びガストリンアンタゴニストとの組合せは、この関連において、加成的又は超加成的な意味で、主効果を高め及び/又は副作用を排除又は低減させる目的で、特に際だっている。
【0072】
好適な抗微生物性の有効成分(ヘリコバクター・ピロリに対して有効)は、EP−A−0282131号に記載されている。ヘリコバクター・ピロリ菌をコントロールするために適した抗菌剤の挙げることができる例は、例えばビスマス塩[次クエン酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス、アンモニウムビスマス(III)クエン酸二水酸化カリウム、酸化硝酸ビスマス、トリス(テトラオキソジアルミン酸)二ビスマス]、特にβ−ラクタム抗生物質、例えばペニシリン(例えばベンジルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、プロピシリン、アジドシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、オキサシリン、アモキシシリン、バカンピシリン、アンピシリン、メズロシリン、ピペラシリン、アズロシリン)、セファロスポリンス(例えば、セファドロキシル、セファクロル、セファレキシン、セフィキシム、セフロキシム、セフェタメト、セファドロキシル、セフチブテン、セフポドキシム、セホテタン、セファゾリン、セホペラゾン、セフチゾキシム、セホタキシム、セフタジジム、セファマンドール、セフェピム、セホキシチン、セホジジム、セフスロジン、セフトリアキソン、セホチアム又はセフメノキシム)、又は他のβ−ラクタム抗生物質(例えばアズトレオナム、ロラカルベフ又はメロペネム)、酵素インヒビター類、例えばスルバクタム;テトラサイクリン類、例えばテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ミノシクリン又はドキシシクリン;アミノグリコシド類、例えばトブラマイシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、パロモマイシン又はスペクチノマイシン;アンフェニコール、例えばクロラムフェニコール又はチアンフェニコール;リンコマイシン及びマクロライド抗生物質、例えばクリンダマイシン、リンコマイシン、エリスロマイシン、クラリトロマイシン、スピラマイシン、ロキシトロマイシン又はアジトロマイシン;ポリペプチド抗生物質、例えばコリスチン、ポリミキシン B、テイコプラニン又はバンコマイシン;ジャイレースインヒビター類、例えばノルフロキサシン、シノキサシン、シプロフロキサシン、ピペミド酸、エノキサシン、ナリジクス酸、ペフロキサシン、フレロキサシン又はオフロキサシン;ニトロイミダゾール類、例えばメトロニダゾール;又は他の抗生物質、例えばホスホマイシン又はフシジン酸である。可逆的プロトンポンプインヒビターを、複数の抗菌有効成分の組合せと一緒に投与すること、例えばビスマス塩及び/又はテトラサイクリンとメトロニダゾールとの組合せ、又はアモキシシリン又はクラリスロマイシンとメトロニダゾール及びアモキシシリンとクラリスロマイシンとの組合せと一緒に投与することは、この関連で特に言及に値する。
【0073】
本発明によるこの剤形中の有効成分の用量は、使用されたプロトンポンプアンタゴニストの種類に著しく依存する。WO−A−9418199号の実施例に開示されたようなプロトンポンプアンタゴニストの典型的な用量は、場合により、複数の1回量の形で、約0.01〜約20、有利に約0.05〜5、特に0.1〜1.5mg/体重kgの1日量であると見なされる。化合物ソラプラザンの場合には、本発明による剤形の例は、2、2.5、5、10、15、20又は40mgの用量でプロトンポンプアンタゴニストを含有する。
【0074】
強調することができる抗菌有効成分は、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、リファンピシン、アンピシリン、メジオシリン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ミノシクリン、ドキシシクリン、イミペネム、メロペネム、セファレキシン、セフロキシム アキセチル、セフポドキシム プロキセチル、セファクロル、セファドロキシル、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン及びペフロキサシンである。
【0075】
特に有利に強調できる抗菌有効成分は、クラリスロマイシン及びアモキシシリンである。
【0076】
本発明の目的での組み合わせた投与とは、固定された組合せ、及び特に自由な組合せを意味し、すなわち、プロトンポンプアンタゴニストと抗菌有効成分とは、一つの投与単位中に存在するか、又は別個の投与単位中に存在するプロトンポンプアンタゴニストと抗菌有効成分とを直接連続して又は比較的大きな時間的間隔を開けて投与され、その際比較的大きな時間的感覚とは24時間を越えない期間を意味する。別個の投与単位として使用するために、有利に共通のパッケージの形で提供される。例えば、二つの投与単位は、一緒にブリスターの形でパッケージングされ、この投与単位は、二つの投与単位の相対的配置に関して、通常の方法で表示及び/又は着色がなされているため、二つの投与単位の個々の成分(投与計画)は患者にとって明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロトンポンプアンタゴニスト(APA)用の経口剤形であって、有効量のプロトンポンプアンタゴニストと一緒に賦形剤を含有し、その剤形が口腔分散可能な剤形である剤形。
【請求項2】
請求項1記載のプロトンポンプアンタゴニスト(APA)用の経口剤形であって、有効量のプロトンポンプアンタゴニストと一緒に賦形剤を含有し、プロトンポンプアンタゴニストが、1種又はそれ以上の塩基性賦形剤によって剤形中で安定化されている剤形。
【請求項3】
請求項1又は2記載の剤形であって、付加的に、剤形の経口摂取時に口腔内で剤形の即時崩壊をもたらす賦形剤と、適宜、更なる賦形剤とが存在する剤形。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項記載の剤形であって、その剤形が錠剤である剤形。
【請求項5】
請求項4記載の剤形であって、塩基性賦形剤が微細に分散した形で存在しかつプロトンポンプアンタゴニストと完全に混合されている剤形。
【請求項6】
請求項1から3までのいずれか1項記載の剤形であって、それが凍結乾燥された調製物である剤形。
【請求項7】
請求項1記載の剤形であって、それが有効成分を即時放出する即時崩壊性の剤形(即時放出固体経口剤形)である剤形。
【請求項8】
請求項7記載の剤形であって、それが0.1Nの塩酸中15分後に85%を上回る又はそれと等しい有効成分の放出を示す剤形。
【請求項9】
請求項4記載の剤形であって、充填剤及び担体の群から選択される1種又はそれ以上の物質が、錠剤の即時崩壊をもたらす賦形剤として存在する剤形。
【請求項10】
請求項9記載の剤形であって、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤及び界面活性物質の群から選択される1種又はそれ以上の更なる賦形剤が存在する剤形。
【請求項11】
請求項6記載の剤形であって、賦形剤として、1種又はそれ以上の水溶性の構造形成剤が存在する剤形。
【請求項12】
請求項11記載の剤形であって、ゼラチン、マンニトール及びキサンタンガムの群から選択される少なくとも1種の賦形剤が存在する剤形。
【請求項13】
請求項2記載の剤形であって、塩基性賦形剤が、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ヒドロタルサイト(合成)、水酸化アルミニウムマグネシウム、及び水酸化カルシウム、アミノ酸の塩基性塩、水酸化ナトリウム、トリヒドロキシメチルアミノメタン、クエン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びリン酸三ナトリウム又はこれらの混合物の群から選択されることを特徴とする剤形。
【請求項14】
請求項13記載の剤形であって、炭酸ナトリウムを含むことを特徴とする剤形。
【請求項15】
請求項13記載の剤形であって、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウムと水酸化ナトリウムとから構成された緩衝剤系を含むことを特徴とする剤形。
【請求項16】
請求項1記載の剤であって、AU−461、ソラプラザン(BYK61359)、DBM−819、KR−60436、T−330、YH−1885、YJA−20379−8及び2,3−ジメチル−8−(2−エチル−6−メチルベンジルアミノ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミドの群から選択される化合物が、可逆的プロトンポンプインヒビターとして存在することを特徴とする剤形。
【請求項17】
請求項16記載の剤形であって、(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン(INN ソラプラザン)又はその薬理学的に認容性の塩及び/又はその水和物が、プロトンポンプアンタゴニストとして存在することを特徴とする剤形。
【請求項18】
請求項4記載の剤形であって、プロトンポンプアンタゴニストとして(7R,8R,9R)−2,3−ジメチル−8−ヒドロキシ−7−(2−メトキシエトキシ)−9−フェニル−7,8,9,10−テトラヒドロイミダゾ[1,2−h][1,7]ナフチリジン(INN ソラプラザン)又はその薬理学的に認容性の塩及び/又はその水和物を含有し、かつ塩基性賦形剤として炭酸ナトリウムを含有する剤形。
【請求項19】
請求項4記載の剤形の製造方法において、有効成分と塩基性賦形剤とを完全に混合する工程を含む方法。
【請求項20】
請求項4記載の剤形の製造方法において、プロトンポンプアンタゴニストと賦形剤とを混合する工程及び該混合物を好適な錠剤成形プレス上で圧縮力をかけて圧縮する工程を含む方法。
【請求項21】
請求項6記載の剤形の製造方法において、プロトンポンプアンタゴニストを賦形剤の水溶液中に溶解又は懸濁する工程、該溶液又は懸濁液をブリスターポケット中に充填する工程、該溶液又は懸濁液を凍結させる工程、昇華により氷を取り除く工程及びブリスターポケットを密封する工程を含む方法。
【請求項22】
請求項1記載の剤形の製造方法において、プロトンポンプアンタゴニストを、ペレット、顆粒又は結晶の群から選択される被覆された粒子の形で提供する工程を含む方法。

【公表番号】特表2008−515786(P2008−515786A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534032(P2007−534032)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054953
【国際公開番号】WO2006/037763
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】