説明

プロトンポンプ阻害剤、NSAID及び緩衝剤を含む剤形

【課題】アスピリンは治癒特性がよく知られている非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)であるが、長期間アスピリン治療を受ける必要のある多くの患者には胃腸出血を起こす副作用があり、患者が有害な副作用を経験することなくNSAIDの多くの公知の効果が得られる有用な製剤形の提供。
【解決手段】a)腸溶コーティングされていないプロトンポンプ阻害剤を含む顆粒、b)20分以内に胃液50mlのpHを7以上に上昇させる水不溶性緩衝剤、及びc)非ステロイド系抗炎症剤を含む顆粒を含み、腸溶コーティングを含まず、上記(a)及び(b)の顆粒を圧縮した形状で含む非腸溶コーティング錠剤形。該非ステロイド系抗炎症剤が、アスピリンであり、該プロトンポンプ阻害剤が、ランソプラゾールであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)に関し、特にプロトンポンプ阻害剤、緩衝剤及びNSAIDを含有する剤形に関する。
【背景技術】
【0002】
NSAIDは最も一般的に処方されている医薬品の1つである。NSAIDは関節リウマチ、骨関節炎、軽度乃至中程度の疼痛及び他の状態の宿主を治療するために通常使用されている。
【0003】
NSAIDは各種適応症に対して有効であるが、使用に関連する副作用のためにその有用性が特に長期間の場合に減じられている。NSAIDはシクロオキシゲナーゼ(COX)として公知の酵素を阻害することにより作用する。COX酵素はCOX−1及びCOX−2として公知の2つの形態を有している。COX−1は胃壁の保護を助ける物質を産生する酵素であり、COX−2は炎症プロセスに関与している。よって、NSAIDを服用すると、NSAIDは炎症を抑えるが、同時に胃壁の保護に部分的に関与する酵素を阻害する。その結果、NSAIDは胃潰瘍及び胃腸出血を伴う。
【0004】
アスピリンは治癒特性がよく知られているNSAIDである。アスピリンは疼痛に対して投与され、アスピリンが有効な心臓及び卒中患者に対しても通常投与されている。実際、研究によりアスピリンが卒中及び心臓発作のリスクを減ずることは立証されている。しかしながら、アスピリンは胃腸管に対する影響の点で他のNSAIDと差がない。よって、その効果は公知であるが、長期間アスピリン治療を受ける必要のある多くの患者は胃腸出血を起こす傾向のためにアスピリンを服用できない。そのため、患者は効果的治療を奪われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、患者が有害な副作用を経験することなくNSAIDの多くの公知の効果を得る手段が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、患者がNSAID投薬に伴う胃腸副作用を経験することなくNSAID治療の効果を得ることができる剤形、方法及び組成物を提供する。本発明で提供する組成物は、一般的にはプロトンポンプ阻害剤、緩衝剤及びNSAIDを含む非腸溶コーティング剤形からなる。この組成物は、NSAIDが処方される公知の状態に対してNSAID治療を要する患者に対して投与され得る。したがって、本発明は、一般に前記組成物を提供することを含む胃腸管をNSAIDの影響から保護する方法をも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上記したように、本発明の組成物は一般にPPI、緩衝剤及びNSAIDを含む。これらの成分を含有する剤形に腸溶コーティングを被せる必要がない。PPIに腸溶コーティングを被せる必要なくNSAID及びPPIが1つの剤形中に共存できることが知見された。PPIは酸性環境では周知のように不安定であり、胃において典型的に見られる環境を含めた酸性環境からPPIを保護するために通常腸溶コーティングを被せている。NSAIDは通常酸性であり、よってNSAIDと組み合わせたときPPIは非保護形態でも安定であった(または、十分に安定化され得るであろう)という知見は驚くことであった。
【0008】
その結果、本発明の剤形から多くの利益が得られる。例えば、PPIに腸溶コーティングを被せたり、保護腸溶コーティングの一体性を妨げないように腸溶コーティングPPIを他の成分と処方する必要がないので、製造コストがかなり抑えられる。更に、胃のpHをPPIが分解しないレベルに上昇させる緩衝剤の能力によりPPIは胃において保護される。腸溶コーティングがないので、PPIは自由に吸収される形態で腸に入る。典型的には、腸溶コーティングPPIは、腸溶コーティングをまず溶解させなければならないので腸で容易に利用できない。その結果、PPIの作用開始時間が遅れる。更に、緩衝剤は胃刺激を直ぐに軽減し、胃にNSAIDが単に存在するだけで時々生ずる局所刺激から胃を保護する。こうして、今回、NSAIDをこの有効化合物に通常伴う胃腸副作用が最小限な1回量剤形中に送達することができる。
【0009】
PPIは、水素−カリウムアデノシントリホスフェート酵素系を阻害する化合物である。この酵素系はプロトンポンプといういろいろな名前で呼ばれており、最終的に胃に酸を与えるプロトンポンプである。多くのPPIが市販されており、通常胃−食道逆流症(GERD)及び他の適応症に対して処方されている。PPI活性を有するならばいずれの化合物も本発明の組成物中に使用することができ、PPIの例にはランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール及びパントプラゾール、並びにそのプロドラッグ及びエナンチオマーが含まれる。
【0010】
NSAIDは上記した通りであり、公知でもある。NSAID、或いはNSAIDのエナンチオマーまたはプロドラッグが本発明の組成物中に使用され得る。NSAIDの例にはジクロフェナク、ミソプロストール、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナメート、メフェナム、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サラサラート、スリンダク、トルメチン及びアスピリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明の組成物は緩衝剤をも含む。本明細書中、「緩衝剤」は溶解乃至分散している環境のpHを上昇させる化合物または化合物の組合せを意味する。緩衝剤は、通常溶解性に基づいて2カテゴリーに分類され得る。両カテゴリーの緩衝剤を本発明の組成物中に別々にまたは組合せて使用することができる。“水溶性緩衝剤”は通常水中に少なくとも1g/100ml、好ましくは少なくとも1g/75ml、より好ましくは少なくとも1g/30mlの溶解度を有する。水溶性緩衝剤の例にはメグルミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素三カリウム、酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリセロリン酸カルシウム、及び好ましくはトロメタミン、酸化マグネシウムまたは前記化合物の組合せが含まれるが、これらに限定されない。“水不溶性緩衝剤”は通常水中に1g/1,000ml未満、好ましくは1g/5,000ml未満、より好ましくは1g/10,000ml未満の溶解度を有する。水不溶性緩衝剤の例には水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、酸化マグネシウム、トリケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム及び前記化合物の組合せが含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
PPI、NSAID及び緩衝剤は通常治療有効量で使用される。本明細書中、「治療有効量」は内科治療に適用され得る適当な損益比で問題の疾患を治療するのに必要な、例えばPPI、NSAID及び緩衝剤、または組成物の十分な量を意味する。他の医薬品の場合のように、本発明の医薬組成物の1日総用量は適切な医学的判断の範囲内で患者の担当医により決定されるであろうと理解される。特定患者に対する具体的な治療有効量は、治療対象の疾患及び前記疾患の重篤度;使用する特定化合物の活性;使用する特定組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態、性別及び食事;使用する特定化合物の投与時間、投与ルート及び排泄率;治療期間;使用する特定化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;及び医学界の当業者に公知の他の要因を含めた諸要因に依存する。例えば、まず所望治療効果を得るのに必要な量よりも少ない量の化合物を投与した後、所望効果が得られるまで用量を漸増させることも当業者の範囲内である。
【0013】
本発明の組成物は、各患者の臨床状態、投与の部位及び方法、投与スケジュール及び医者に公知の他の要因を考慮して、適切な医学的プラクティスに従って投与される。
【0014】
患者に対して1回または複数回にわけて投与される化合物の典型的な医薬的に有効な1日量は、通常約0.1〜約200mg/kg体重、好ましくは約0.25〜約100mg/kg体重である。
【0015】
緩衝剤に関して、緩衝剤は組成物において医薬として機能するが、酸不安定性PPIを保護するのに十分に胃のpHを上昇させるようにも機能する。従って、緩衝剤が(下記する)模擬胃液50mlのpHを20分以内に、より好ましくは15分以内、最も好ましくは10分以内に7以上に上昇させ得ることが好ましい。更に、緩衝剤が(下記する)模擬胃状態において模擬胃液のpHを30分間で3以上に、好ましくは60分間で3以上に、より好ましくは90分間で3以上に維持できることが好ましい。上記するために可溶性緩衝剤と不溶性緩衝剤の組合せを使用することが好ましい。
【0016】
模擬胃液(SGF)は通常、7.0mlの塩酸(HCl)及び溶液を1000mlとするのに十分な量の水中に2.0gの塩化ナトリウム及び3.2gのタンパク質1mgあたり800〜2500単位の活性を有する(ブタ胃粘膜由来の)精製ペプシンを溶解させることにより作成される。SGF溶液は通常3未満のpHを有する。SGFのpHが3未満でない場合には、当業界で公知のように溶液のpHを追加のHClを用いて1.5〜2.0の好ましいpH範囲に調節することができる。“模擬胃状態”は、ビーカーのような容器に100mlのSGFを入れ、本明細書に記載されている組成物または緩衝剤のような追加成分を初期SGFに添加するように追加SGF(通常、10〜35mlの新鮮SGF)を容器に添加することにより作成し得る。
【0017】
組成物中の水溶性緩衝剤及び水不溶性緩衝剤の量及び比は、通常組成物中のPPIの量に依存せず、PPIを分解から保護するのに十分なpHに直ぐに上昇し、維持するように広範囲で変更され得る。使用する緩衝剤の正確な量は当業者の選択事項であり、SGF及び模擬胃状態を用いて実験的に決定され得る。例えば、所望効果を得るために異なる量の模擬胃液及び状態において中和剤の量及び比率を変更して試験し得る。最も好ましくは、組成物中の水溶性緩衝剤の量は50〜1000mg、好ましくは100〜600mg、より好ましくは300〜500mgである。組成物中の水不溶性緩衝剤の量は通常100〜1000mg、好ましくは250〜750mg、より好ましくは250〜600mgである。
【0018】
勿論、PPI、NSAID、緩衝剤及び組成物中に使用される他の賦形剤を含めた組成物中の成分はいずれも医薬的に許容され得なければならない。本明細書中、「医薬的に許容され得る」は適切な医学的判断の範囲で過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を呈することなくヒト及び下級動物の組織と接触させて使用するのに適しており且つ適当な損益比で釣り合っている部分及び化合物を含む。
【0019】
本発明の組成物は他の公知の医薬的に許容され得る成分、例えば担体、希釈剤、賦形剤、充填剤等をも含み得る。本発明の組成物は固体剤形または液体剤形で投与され得る。本発明の経口投与用固体剤形は通常下記実施例の錠剤と同様にして製造される。また、本発明の経口投与用液体剤形は医薬的に許容され得るエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤及びエリキシル剤であり得る。液体剤形は、活性化合物に加えて当業界で慣用されている不活性希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤及び乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及び/またはゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びその混合物)を含み得る。
【0020】
本発明の経口組成物は、不活性希釈剤の他に助剤、例えば湿潤剤、乳化懸濁剤、甘味剤、フレーバー及び/またはパフュームを含み得る。
【0021】
本発明の組成物は、顆粒及び/または粉末形態の酸不安定性及び/または酸安定性医薬化合物を用いて製造され得る。或いは、顆粒または粉末の代わりに超微粉酸不安定性医薬組成物を使用してもよい。顆粒に比して直径がより小さい粒子を生成するために微粒子化を使用する。本発明の酸不安定性医薬組成物の溶解速度は通常他の要因の中で組成物粒子の表面積に直接比例するので、粒度が小さくなると露出表面の量が大きくなり、よって溶解速度も速くなる。
【0022】
微粒子化により露出表面積が大きくなると微粒子化の効果を無効にする恐れがある粒子凝集が生じたり、また微粒子化は費用のかかる製造ステップであるが、プロトンポンプ阻害剤を微粒子化すると比較的水不溶性の薬物(例えば、オメプラゾール)の溶解速度が速くなるという効果が生ずる。
【0023】
本発明の組成物は、医薬化合物が適応される殆どすべての生理学的及び/または心理的疾患の治療のために使用され得る。好ましくは、本発明の組成物は、NSAIDが通常適応される疾患、例えばアンギナ、大動脈・肺動脈シャント閉塞、結腸直腸癌、食道癌、結腸癌、冠動脈疾患、痴呆、月経困難症、心筋梗塞、関節リウマチ、骨関節炎、疼痛、頭痛、偏頭痛、卒中、血小板血症、術後血栓塞栓症、虚血、滑液嚢炎、認識低下、発熱、痛風、筋骨格疾患、心膜炎及び軟部組織損傷の治療を要するヒト患者に対して投与される。
【0024】
特に好ましい実施態様では、組成物中に使用されるNSAIDは25〜150mg、より好ましくは50〜100mgのアスピリンである。PPIは5〜100mg、より好ましくは10〜35mgのランソプラゾールである。この実施態様は、通常アスピリンが処方される公知の心疾患、卒中または他の炎症状態に対して特に適している。
【0025】
NSAID治療の不利な作用から胃腸管を保護する方法も提供する。特に、この方法はPPI及び緩衝剤をも含む1つの非腸溶コーティング剤形でNSAIDを投与することを含む。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
PPI/NSAIDの薬物適合性
各種NSAIDをランソプラゾールまたはランソプラゾール及び緩衝剤と組み合わせて成分の適合性を調べた。混合物を室温及び40℃/75%の相対湿度下に置いた。サンプルを最初に、上記した貯蔵条件で2週間後に試験した。結果を所与成分の理論量の%として下表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
表1中のデータが示すように、成分の相当の大部分はたとえ高温高湿条件でも2週間の貯蔵後に回収された。
【0029】
(実施例2)
顆粒剤及び錠剤中の物質適合性
本実施例では、PPI及び各種NSAIDの顆粒を作成し、顆粒形態での各物質の相互適合性を調べた。下表2に示す成分を含有する顆粒を作成した。
【0030】
【表2】

【0031】
各顆粒中の各薬物の力価(mg/g)をHPLCにより測定した。効力データを下表3に示す。
【0032】
【表3】

【0033】
顆粒A、C及びD、並びに薬物ナプロキセン及びピロキシカムを秤量し、別々にシンチレーション容器に入れ、室温(RT)及び40℃/75〜85%の相対湿度(過酷条件)で保存した。室温条件で19日及び33日後、高温条件で2週間及び4週間後に顆粒A、C及びD並びにナプロキセン及びピロキシカムをランソプラゾール及びNSAIDの力価について試験した。各種条件下での適合性評価の結果(mg/gで表す)を下表4に示す。
【0034】
【表4】

【0035】
(実施例3)
PPI、NSAID及び緩衝剤を含む錠剤及びその溶解
実施例2の顆粒Aを実施例2の顆粒E、FまたはGと一緒に用いて錠剤を作成した。30mgのランソプラゾールに加えて81mgのアスピリン、250mgのナプロキセンまたは20mgのピロキシカムを含有する錠剤が得られるように顆粒を秤量した。各種顆粒を混合した後成分を錠剤に圧縮した。顆粒を1/4または1/2トンの圧力で錠剤に圧縮して、溶解時に成分を迅速に遊離するであろう錠剤を形成した。
【0036】
以下の試薬及び条件を用いて溶解実験を実施した。容器にステンレス鋼製カニューレを付けた5ml使い捨てシリンジを用いてサンプリングし、0.45μmPTFEまたはPVDFのシリンジフィルター(Gelman Acrodisc)を介して濾過した後HPLC分析にかけた。75rpmで回転する2本のパドルを備えたVan Kel VK700混合装置を用いて溶解を促進させた。各溶解容器の内容物を表5に示す。
【0037】
【表5】

【0038】
5、15、30、45及び60分後にビーカーからサンプルを採取し、濾過した後HPLC分析にかけた。時間に対する全NSAIDまたはPPI(ランソプラゾール)の%を下表6に示す。
【0039】
【表6】

【0040】
表6に示すように、各錠剤中の各種成分の大部分が溶解時に回収された。
【0041】
当業者が自明のように、本明細書に記載されている実施態様に関して本明細書に開示されている組成物及び方法に対して本発明の趣旨を逸脱することなく各種修飾を加え得ることができる。本発明を好ましい実施態様に関して説明してきたが、本発明は多数の再配列、修飾及び改変に適応され、前記した再配列、修飾及び改変はいずれも請求の範囲内に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)プロトンポンプ阻害剤、b)緩衝剤及びc)非ステロイド系抗炎症剤を含む非腸溶コーティング剤形。
【請求項2】
緩衝剤が水溶性緩衝剤、水不溶性緩衝剤、及び水溶性緩衝剤と水不溶性緩衝剤の組合せからなる群から選択される請求の範囲第1項に記載の剤形。
【請求項3】
非ステロイド系抗炎症剤がアスピリンである請求の範囲第1項に記載の剤形。
【請求項4】
プロトンポンプ阻害剤がランソプラゾールである請求の範囲第3項に記載の剤形。
【請求項5】
アスピリンを50〜100mgの量含む請求の範囲第4項に記載の剤形。
【請求項6】
アンギナ、大動脈・肺動脈シャント閉塞、結腸直腸癌、食道癌、結腸癌、冠動脈疾患、痴呆、月経困難症、心筋梗塞、関節リウマチ、骨関節炎、疼痛、頭痛、偏頭痛、卒中、血小板血症、術後血栓塞栓症、虚血、滑液嚢炎、認識低下、発熱、痛風、筋骨格疾患、軟部組織損傷及び心膜炎からなる群から選択される状態を1つ以上有する患者に対して緩衝剤、プロトンポンプ阻害剤及び非ステロイド系抗炎症剤を含む非腸溶コーティング剤形を投与することを含む前記状態の治療方法。
【請求項7】
NSAIDをPPI及び緩衝剤と組合わせて投与することを含み、NSAID、PPI及び緩衛剤は1つの非腸溶コーティング剤形である、胃腸管をNSAID治療から保護する方法。

【公開番号】特開2012−107021(P2012−107021A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1163(P2012−1163)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2004−565359(P2004−565359)の分割
【原出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【出願人】(509022185)タケダ ファーマシューティカルズ ユー.エス.エー. インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】