説明

プロトン伝導性高分子組成物およびその製造方法

【課題】 従来のパーフルオロスルホン酸樹脂系材料と同等以上のプロトン伝導率を示すとともに、最高作動温度が約80〜120℃程度と高く、安価で高性能のプロトン伝導性高分子組成物およびその製法の提供。
【解決手段】 スルホン酸基を有する有機酸と前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂とを含むプロトン伝導性高分子組成物であって、前記スルホン酸基を有する有機酸が均一に前記樹脂中に分散して前記樹脂と化学的に結合した状態で膜状に形成されているプロトン伝導性高分子組成物により目的を達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン伝導性高分子組成物およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、固体高分子電解質型燃料電池の電解質膜などとして有用なプロトン伝導性高分子組成物およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プロトン伝導性電解質膜としては、パーフルオロスルホン酸樹脂(例えば、デュポン社製、商品名ナフィオン膜)を代表とするフッ素系イオン交換樹脂膜(例えば特許文献1参照)が用いられており、分子中にプロトン交換基を有しており、80℃、100%RHで0.1(S/cm)程度のプロトン伝導率を示し、プロトン伝導性電解質として機能する。
【特許文献1】特開2000−119420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のパーフルオロスルホン酸樹脂系材料からなるイオン交換樹脂膜は最高作動温度が約80℃程度と低く、また製造プロセスが複雑で非常に高価であるという問題があった。
本発明の第1の目的は、従来のパーフルオロスルホン酸樹脂系材料からなるイオン交換樹脂膜と同等以上のプロトン伝導率を示すとともに、最高作動温度が約80〜120℃程度と高く、安価で高性能のプロトン伝導性高分子組成物を提供することであり、
本発明の第2の目的は、簡単な製造プロセスによりそのような安価で高性能のプロトン伝導性高分子組成物を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための本発明の請求項1記載のプロトン伝導性高分子組成物は、スルホン酸基を有する有機酸と前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂とを含むプロトン伝導性高分子組成物であって、
前記スルホン酸基を有する有機酸が均一に前記樹脂中に分散して前記樹脂と化学的に結合した状態で膜状に形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
本発明の請求項2記載のプロトン伝導性高分子組成物は、請求項1記載のプロトン伝導性高分子組成物において、前記有機酸がベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、あるいは複数のスルホン酸基を有する有機酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項3記載のプロトン伝導性高分子組成物は、請求項1あるいは請求項2記載のプロトン伝導性高分子組成物において、前記樹脂がポリエーテルスルホン(PES)であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の請求項4は、下記の工程(1)〜(4)からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロトン伝導性高分子組成物の製造方法である。
(1)スルホン酸基を有する有機酸と、前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂を共通する溶媒にそれぞれ溶解した後、両者を混合して液状高分子組成物を形成する。
(2)前記高分子液状組成物中の前記溶媒を揮発させて粘度調整する。
(3)粘度調整した前記高分子液状組成物を基板上に適用して膜状に形成し、乾燥する。
(4)乾燥後、電子線照射を照射して、前記樹脂と前記有機酸を化学的に結合させる。
【0008】
本発明の請求項5は、請求項4記載の製造方法において、前記溶媒がN−メチル−1−ピロリドン(NMP)であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1記載のプロトン伝導性高分子組成物は、スルホン酸基を有する有機酸と前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂とを含むプロトン伝導性高分子組成物であって、
前記スルホン酸基を有する有機酸が均一に前記樹脂中に分散して前記樹脂と化学的に結合した状態で膜状に形成されていることを特徴とするものであり、
従来のパーフルオロスルホン酸樹脂系材料からなるイオン交換樹脂膜と同等以上のプロトン伝導率を示すとともに、最高作動温度が約80〜120℃程度と高く、安価で耐久性に優れ信頼性が高いなど高性能であるという、顕著な効果を奏する。
【0010】
本発明の請求項2記載のプロトン伝導性高分子組成物は、請求項1記載のプロトン伝導性高分子組成物において、前記有機酸がベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、あるいは複数のスルホン酸基を有する有機酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものであり、
これらの有機酸を用いて容易に高性能のプロトン伝導性高分子組成物を得ることができる上、取り扱い易く、安価で入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
【0011】
本発明の請求項3記載のプロトン伝導性高分子組成物は、請求項1あるいは請求項2記載のプロトン伝導性高分子組成物において、前記樹脂がポリエーテルスルホン(PES)であることを特徴とするものであり、
耐熱性により優れた高性能のプロトン伝導性高分子組成物を得ることができる上、取り扱い易く入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
【0012】
本発明の請求項4は、前記の工程(1)〜(4)からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロトン伝導性高分子組成物の製造方法であり、例えばスルホン酸基を有する有機酸と、前記樹脂を共通する溶媒にそれぞれ溶解した後、両者を混合して均一化して液状高分子組成物を形成した後、高分子液状組成物中の前記溶媒を揮発させて基板上に塗布するなどして膜状に形成し易い粘度に調整し、そしてこの高分子液状組成物を基板上に塗布するなどして膜状に形成し、乾燥した後、電子線照射を照射して、前記樹脂と前記有機酸を化学的に結合させるという簡単な製造プロセスにより本発明の安価で高性能のプロトン伝導性高分子組成物を容易に製造できるという、顕著な効果を奏する。
【0013】
本発明の請求項5は、請求項4記載の製造方法において、前記溶媒がN−メチル−1−ピロリドン(NMP)であることを特徴とするものであり、
NMPはスルホン酸基を有する有機酸と、前記樹脂をいずれも溶解し易い上、取り扱い易く入手も容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明のプロトン伝導性高分子組成物の製造方法を詳細に説明する。
工程(1)において、スルホン酸基を有する有機酸と、前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂を共通する溶媒にそれぞれ溶解する。すなわち前記有機酸と前記樹脂を同じ溶媒を用いて別々に溶解できる溶媒が存在する場合に本発明の製造方法により本発明のプロトン伝導性高分子組成物を製造することができる。前記有機酸と前記樹脂を別々に十分に溶解してから、両者を混合して液状高分子組成物を形成する。溶解の濃度、温度、時間、装置などは前記有機酸と前記樹脂の種類や組み合わせなどにより異なる。
【0015】
工程(2)において、均一に溶解した液状高分子組成物を例えば真空乾燥機などを用いて前記有機酸が揮発して散逸しない温度、例えば80℃以下の温度で真空乾燥して前記高分子液状組成物中の前記溶媒を揮発させると、濃縮されて粘度が上昇するので、基板上に塗布するなどして適用して膜状に形成するのに適した粘度に調整することができる。そのような粘度になったところで前記溶媒の揮発を停止する。基板上に適用して膜状に形成する方法によっても最適な粘度が異なるが、前記方法でそれぞれに適切な粘度に調整する。
【0016】
工程(3)において、粘度調整した前記高分子液状組成物を基板上に適用して膜状に形成する。その後、オーブン乾燥あるいは真空乾燥するなどして膜中の前記溶媒を除去することにより、乾燥した状態のフィルム状の膜あるいはシート状の膜を得ることができる。真空度、温度、時間などは使用する溶媒などにより異なる。溶媒がNMPの場合、例えば、80〜120℃、1〜10時間、排気しながら乾燥する。しかしこの状態では前記樹脂のマトリックス中に前記有機酸や極微量残留する前記溶媒が前記樹脂と化学的な結合をしていないので、例えば放置すると極微量の前記有機酸や前記溶媒が前記樹脂から浸出する。
【0017】
そこで工程(4)において、工程(3)で得た乾燥した状態のフィルム状あるいはシート状の膜に例えば数百〜数千電子ボルトのエネルギーを有する電子線を照射することにより、前記スルホン酸基を有する有機酸が均一に前記樹脂中に分散して前記樹脂と前記スルホン酸基以外のサイトで化学的に結合した状態で膜状に形成された本発明のプロトン伝導性高分子組成物を得ることができる。得られた本発明のプロトン伝導性高分子組成物は、そのまま放置しても、あるいは水中に浸漬しても前記有機酸などが前記樹脂から浸出することがなく、安定で耐久性に優れ、前記有機酸と前記樹脂の種類や組み合わせなどにより異なるが、最高作動温度約80〜120℃程度と高くすることができる。
【0018】
本発明で使用する樹脂は熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもあるいはこれらの2種以上の混合物でもよく、例えば、耐熱性や機械的特性が高く、化学的安定性の高いエンジニアリングプラスチック、エンジニアリングプラスチックなどから選択されるものが好ましく使用できる。
具体的にはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、フッ素系樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチック・ポリスチレン(SPS)なを挙げることができる。
【0019】
本発明で使用するスルホン酸基を有する有機酸の具体例としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラスルホン酸あるいはこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0020】
本発明で使用するスルホン酸基を有する有機酸の配合量はその種類によるが、前記樹脂に対して10〜90質量%である。10質量%未満ではプロトン伝導率が劣る恐れがあり、90質量%を超えると耐熱性や機械的特性などが損なわれる恐れがある。
【0021】
本発明で使用する溶媒は本発明で使用する前記有機酸および前記樹脂をよく溶解できる溶媒であればよく、特に限定されるものではない。具体例としては、例えば、NMPがあるが、NMPは前記有機酸と、前記樹脂をいずれも溶解し易いので本発明において好ましく使用できる。
【0022】
本発明で使用する基板は本発明で使用する液状高分子組成物を塗布するなどして適用して膜状に形成でき、乾燥や電子線照射などに耐えられるものであれば有機物でも無機物でも、天然品でも合成品でも、あるいはこれらの2つ以上の混合物でもよく、形状や形態、大きさ、表面状態など特に限定されるものではない。具体例としては、例えば、SUS316製の板(表面仕上げは鏡面仕上げでも、粗仕上げでもよい)を挙げることができる。
【実施例】
【0023】
次に実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
PES(ポリエーテルスルホン、商品名:スミカエクセル、住友化学(株)製)をNMPに常温で5質量%となるように溶解した溶液を調製する。一方、ナフタレンスルホン酸をNMPに常温で5質量%となるように溶解した溶液を調製する。そして、両溶液を等量とって混合し攪拌することにより液状高分子組成物を作成した(液状高分子組成物中に溶解したPESとナフタレンスルホン酸の質量比は1:1である)。
【0024】
このようにして作成した液状高分子組成物の粘度は、NMPの粘度とあまり変わらなかったため、バーコーターなどによる塗布には適さない。そこで、真空乾燥機中で40℃、10時間乾燥させ、NMPをある程度除去することにより5000mPa・s前後の粘度を有する液状高分子組成物とした。
【0025】
この液状高分子組成物を親水性の基板であるアルミ箔表面にバーコーターにて塗布した。そしてオーブン中150℃、10時間乾燥して、厚さ約50μmのフィルムを得た。
【0026】
このフィルムに常温、空気中で電子線照射装置(岩崎電気株式会社製、型式LB4008)にて電子線を50Mrad照射した。得られたフィルムは、130℃程度に加熱してもナフタレンスルホン酸などがPES樹脂から浸出することがなく、水中に浸漬してもナフタレンスルホン酸などがPES樹脂から浸出することがなかった。
【0027】
(プロトン伝導率の測定)
図1は前記フィルムの両面に電極触媒層を形成した膜電極結合体の断面説明図である。
電子線を50Mrad照射して得られた前記フィルム1をプロトン伝導性固体高分子電解質膜としその両面に常法により電極触媒層2、3を接合・積層して膜電極結合体12が形成されている。
【0028】
図2は、この膜電極結合体12を装着した固体高分子型燃料電池の単セルの構成を示す分解断面図である。膜電極結合体12の電極触媒層2および電極触媒層3と対向して、それぞれカーボンペーパーにカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物を塗布した構造を持つ空気極側ガス拡散層4および燃料極側ガス拡散層5が配置される。これによりそれぞれ空気極6および燃料極7が構成される。そして、単セルに面して反応ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持して単セル11が構成される。
そして、測定条件40℃、相対湿度100%で、燃料極7に水素ガスを100sccm(Standard Cubic Centimeter、25℃、1気圧におけるガス流量、cm3 /sec)、空気極6に空気を300sccm流して、電気化学反応を生じさせることで直流電力を発生させた。そして交流インピーダンス法にて前記フィルム1の抵抗値を測定した。その結果、前記フィルム1の抵抗値は50mΩ、膜厚は50μm、電極面積は5cm2 であったので、プロトン伝導率は2×10-2S/cmであった。
【0029】
(実施例2)
PESの代わりにラダー構造を有する有機・無機ハイブリッドポリマー(Glass Resin 950F、米国、Techne Glas社製)をNMPに常温で5質量%となるように溶解した溶液を調製する。一方、ナフタレンスルホン酸をNMPに常温で5質量%となるように溶解した溶液を調製する。そして両溶液を等量とって混合し攪拌することにより液状高分子組成物を作成した(液状高分子組成物中に溶解した有機・無機ハイブリッドポリマーとナフタレンスルホン酸の質量比は1:1である)。
【0030】
このようにして作成した液状高分子組成物をPTFE製容器に入れて空気中で200℃、5時間乾燥させることにより、PTFE製容器の底部に厚さ0.5mm程度のシートを得た。
【0031】
このシートに常温、空気中で電子線照射装置(岩崎電気株式会社製、型式LB4008)にて電子線を50Mrad照射した。得られたシートは、130℃程度に加熱してもナフタレンスルホン酸などが有機・無機ハイブリッドポリマー樹脂から浸出することがなく、水中に浸漬してもナフタレンスルホン酸などが有機・無機ハイブリッドポリマー樹脂から浸出することがなかった。
電子線を50Mrad照射して得られた前記シートに水分を含ませて抵抗測定装置を用いて抵抗を測定したところ1MΩ前後の初期抵抗値を示し、徐々に抵抗値が上昇していき、プロトン伝導性を有することが認められた。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のプロトン伝導性高分子組成物は、従来のパーフルオロスルホン酸樹脂系材料からなるイオン交換樹脂膜と同等以上のプロトン伝導率を示すとともに、最高作動温度が約80〜120℃程度と高く、安価で耐久性に優れ信頼性が高いなど高性能であり、本発明の製造方法により容易に製造できるという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値は甚だ大きい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のプロトン伝導性高分子組成物のフィルムの両面に電極触媒層を形成した膜電極結合体の断面説明図である。
【図2】図1に示した膜電極結合体を装着した固体高分子型燃料電池の単セルの構成を示す分解断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 本発明のプロトン伝導性高分子組成物のフィルム
2、3 電極触媒層
4 空気極側ガス拡散層
5 燃料極側ガス拡散層
6 空気極
7 燃料極
8 ガス流路
9 冷却水流路
10 セパレータ
11 単セル
12 膜電極結合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホン酸基を有する有機酸と前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂とを含むプロトン伝導性高分子組成物であって、
前記スルホン酸基を有する有機酸が均一に前記樹脂中に分散して前記樹脂と化学的に結合した状態で膜状に形成されていることを特徴とするプロトン伝導性高分子組成物。
【請求項2】
前記有機酸がベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、あるいは複数のスルホン酸基を有する有機酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載のプロトン伝導性高分子組成物。
【請求項3】
前記樹脂がポリエーテルスルホン(PES)であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のプロトン伝導性高分子組成物。
【請求項4】
下記の工程(1)〜(4)からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロトン伝導性高分子組成物の製造方法。
(1)スルホン酸基を有する有機酸と、前記スルホン酸基と反応する官能基を有していない樹脂を共通する溶媒にそれぞれ溶解した後、両者を混合して液状高分子組成物を形成する。
(2)前記高分子液状組成物中の前記溶媒を揮発させて粘度調整する。
(3)粘度調整した前記高分子液状組成物を基板上に適用して膜状に形成し、乾燥する。
(4)乾燥後、電子線照射を照射して、前記樹脂と前記有機酸を化学的に結合させる。
【請求項5】
前記溶媒がN−メチル−1−ピロリドン(NMP)であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−131800(P2006−131800A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323742(P2004−323742)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】