説明

プロバイオティクスを含有する栄養補助食品

少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つと、を含む栄養補助食品。プロバイオティクス及び他の成分が、プロバイオティクス及びプロバイオティクスを含有する組成物の味の良さを向上させる、免疫系を強化することによりプロバイオティクスの有益な効果を増強させる、又はプロバイオティクスの有効期限を延ばすのに十分な量で栄養補助食品中に存在する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
[0001]本発明は、一般に栄養補助食品に関し、特にプロバイオティクスを含有する栄養補助食品に関する。
【0002】
[関連技術の説明]
[0002]腸管は、動物の健康及びウェルネスにおいて重要な役割を果たしている。この役割を果たすために、腸管は正常な条件下で、健康な胃腸微生物叢を構成する多様な微生物を含有している。微生物叢は動物に多くの利益を与え、例えば、胃腸管腔内壁を覆っている細胞を支える脂肪酸を産生し、ビタミンを合成し、食物の分解及び消化を助ける酵素を合成する。更に、微生物叢は宿主が病気を防御する際に免疫系を助ける。例えば、微生物叢は、胃腸管内で潜在的な病原体が付着及びコロニー形成するのを阻害すること、及びサイトカイン及び免疫グロブリンの産生を刺激することが知られている。
【0003】
[0003]残念ながら、微生物叢の正常なバランスが崩壊すると、胃腸管の日和見感染を引き起こすことがあり、下痢や脱水症などの更なる合併症を助長する可能性がある。正常な微生物叢バランスは、例えばストレス、高齢、旅行、汚染された食物又は水の摂取、抗生物質療法などの様々な手段によって崩壊し得る。このような望ましくない崩壊を予防又は治療する1つの方法は、プロバイオティクスを動物に予防的に投与することにより崩壊を予防すること、又はプロバイオティクスを動物に治療的に投与することにより、正常な微生物叢バランスを回復させ、崩壊により結果として生じた望ましくない合併症からの回復を促進することを含む。
【0004】
[0004]プロバイオティクス及びその動物の健康に対する利点は当業者によく知られている。プロバイオティクスは、摂取すると特定の病状の予防及び治療に有益な効果を有する生きた微生物である。プロバイオティクスはコロニー形成抵抗性として知られる現象によって生物学的効果を及ぼすと考えられている。プロバイオティクスは、消化管において常在嫌気性菌叢が有害な恐れのある細菌(大部分が好気性)の濃度を制限するプロセスを促進する。酵素を供給する、又は胃腸管内の酵素活性に影響を及ぼすなどの他の作用機序もまた、プロバイティクスに起因しているいくつかの他の機能によって説明され得る。プロバイオティクスは、腸機能を強化し、免疫系を刺激し、炎症を低減させ、胃腸管内の有害微生物の個体数を減少させることが知られている。
【0005】
[0005]プロバイオティクスは動物の健康を増進するのに一般に有用であるが、保存、取り扱い、及び動物への投与が困難であることが多い。プロバイオティクスは通常の環境条件下で不安定である場合があり、特別な取り扱い、例えば、冷却、凍結乾燥、又はプロバイオティクスの有効期限を延ばす他の手段を必要とする。同様に、プロバイオティクスは、プロバイオティクスを摂取する動物の口に合わないことが多い。多くの場合、他の化合物又は組成物を使用して味の良さを改変するか、又は向上させなければならない。更に、免疫系を補強すること、特に胃腸管において、プロバイオティクスと組み合わせて成分を使用することによりプロバイオティクス投与による最大の利益を得ることは有益であり得る。したがって、特に栄養補助食品の形態で、プロバイオティクス単独と比較して味の良さの向上した、免疫系を強化することによりプロバイオティクスの作用を増強させる成分を含有する、及び/又は組成物中に含まれない場合のプロバイオティクスと比較して有効期限の長いプロバイオティクスを含有する、新たな組成物が必要とされている。
【0006】
[発明の概要]
[0006]したがって本発明の目的は、プロバイオティクスを含有する栄養補助食品を提供することである。
【0007】
[0007]本発明の別の目的は、マイクロカプセル化されたプロバイオティクスを含有する栄養補助食品を提供することである。
【0008】
[0008]本発明の更なる目的は、プロバイオティクス単独と比較して味の良さの向上したプロバイオティクスを含有する栄養補助食品を提供することである。
【0009】
[0009]本発明の別の目的は、本発明の栄養補助食品を添加した場合、味の良さの向上した食品又は他の組成物を提供することである。
【0010】
[0010]本発明の別の目的は、プロバイオティクスと、免疫系を強化してプロバイオティクスの作用を増強させる他の成分とを含有する栄養補助食品を提供することである。
【0011】
[0011]本発明の別の目的は、栄養補助食品に含まれない場合のプロバイオティクスと比較して有効期限の長いプロバイオティクスを含有する栄養補助食品を提供することである。
【0012】
[0012]本発明の更なる目的は、本発明の栄養補助食品、食品組成物、化合物、及び用具の組み合わせ、特に胃腸の健康及び動物の健康又はウェルネスを増進するのに有用な組み合わせを収容する、キットの形態での製品を提供することである。
【0013】
[0013]これら及び他の目的の1つ又は複数は、プロバイオティクスと、栄養補助食品を含有する栄養補助食品組成物において味の良さを高め、免疫を強化し、及び/又はプロバイオティクスの有効期限を延ばす成分とを含有する新たな栄養補助食品を使用して達成される。一般に、栄養補助食品は少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つとを含む。栄養補助食品は、動物に有益な量のプロバイオティクスを投与するため、並びに味の良さを向上させるため、免疫系を強化するため、及び/又はプロバイオティクスの有効期限を延ばすために十分な量のプロバイオティクス及び他の成分を含有する。
【0014】
[0014]本発明の他の及び更なる目的、特徴、及び利点は当業者に容易に明らかとなるであろう。
【0015】
[発明の詳細な説明]
定義
[0015]「動物」という用語は、ヒト又は他の動物を意味し、プロバイオティクスの投与により利益を得ることができるトリ、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、ネズミ、ヒツジ、及びブタを含む。
【0016】
[0016]「栄養補助食品」という用語は、動物の通常食に加えて摂取されることを意図された製品を意味する。
【0017】
[0017]「プロバイオティクス」という用語は、宿主動物に健康の増進又は病気に対する抵抗性などの有益な効果を及ぼす任意の微生物を意味する。プロバイオティクスは以下の非限定的な特徴の1つ又は複数を示し得る:宿主に対する非病原性又は非毒性;生存細胞として、好ましくは大量に、存在している;消化管環境において生存、代謝、及び存続可能である(例えば、低いpH、並びに胃腸の酸及び分泌物に対する耐性);上皮細胞、特に胃腸管の上皮細胞への付着;病原性細菌に対する殺菌又は静菌活性又は効果;抗発癌作用;免疫調節作用、特に免疫強化;内因性微生物叢調節作用;尿生殖路の健康強化;創傷内又は周囲の消毒作用及び創傷治癒の強化;下痢の低減;アレルギー反応の低減;新生児壊死性腸炎の低減;炎症性腸疾患の低減;及び腸透過性の低減。
【0018】
[0018]「生存」という用語は、生きており、増殖又はコロニー形成可能であることを意味する。
【0019】
[0019]「室温」という用語は、約20℃〜約25℃を意味する。
【0020】
[0020]「高温」という用語は、暑い季節の保存及び流通中に発生する、30℃〜60℃の典型的な範囲を有する温度を意味する。
【0021】
[0021]「併せて」という用語は、栄養補助食品、食品組成物、下痢止め薬、又は本発明の他の化合物若しくは組成物が、(1)食品組成物中で一緒に、又は(2)同じ又は異なる頻度で別々に、同じ又は異なる投与経路を使用してほぼ同時又は定期的に、動物に投与されることを意味する。「定期的に」は、薬剤が、特定の薬剤に許容される投与計画通りに投与されること、及び食物が、特定の動物に適合するように日常的に動物に与えられることを意味する。「ほぼ同時に」は一般的に、食物及び薬剤が同時に、又は互いに約72時間以内に投与されることを意味する。「併せて」は特に、下痢止め薬が所定の期間投与され、栄養補助食品が無期限に投与される投与方式を包含する。
【0022】
[0022]「下痢止め薬」という用語は、下痢を予防又は治療するのに有用な任意の化合物、組成物、又は薬物を意味する。
【0023】
[0023]「単独パッケージ」という用語は、キットの構成要素が、1つ又は複数の容器中に又はその容器と、物理的に結び付いており、製造、流通、販売又は使用の単位とみなされることを意味する。容器は、これらに限定されるものではないが、袋、箱、瓶、シュリンク包装、ホチキス留めされた、若しくは別の方法で添付された構成要素、又はこれらの組み合わせを含む。単独パッケージは、製造、流通、販売又は使用の単位とみなされるように物理的に結び付けられた、個々の食品組成物の容器であってもよい。
【0024】
[0024]「事実上のパッケージ」という用語は、キットの構成要素が、使用者に他の構成要素を得る方法を指示する1つ又は複数の実際の又は事実上のキット構成要素の指示によって結び付いていること、例えば、袋の中に1つの構成要素と、使用者にウェブサイトへ行くこと、録音メッセージを聴くこと、視覚メッセージを見ること、又は世話人若しくはインストラクターに連絡してキットの使用方法についての指示を得ることを指示する指導と、を収容することを意味する。
【0025】
[0025]「動物の健康及びウェルネス」という用語は、病気や虚弱でないことだけでなく、身体的、精神的及び社会的に完全な幸福を意味する。
【0026】
[0026]本明細書中で表される全ての割合は、特に別途指示のない限り、乾燥物質基準の組成物の重量による。「乾燥物質基準」という用語は、組成物中の成分濃度が、組成物中の水分を除去した後に測定されることを意味する。本発明の組成物に関する全ての重量及び濃度は、全ての構成要素及び成分を混合した後の組成物の乾燥重量に基づく。
【0027】
[0027]全体にわたって使用される範囲は、その範囲内の各値及び全ての値を記載するために使用される。範囲内の任意の適切な値をその範囲の上限値又は下限値として選択することができる。
【0028】
[0028]本明細書に記載されている特定の方法論、手順、及び試薬は変わり得るので、本発明はそれらに限定されない。更に、本明細書中で使用される専門用語は特定の実施形態を記載するためだけのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という単数形は、文脈による別途明確な規定のない限り、複数形の照応を含む。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」という語は、限定的ではなく包含的に解釈されるべきである。
【0029】
[0029]別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての専門及び科学用語並びに任意の頭字語は、本発明の分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様な又は同等な、任意の組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料を、本発明の実施において使用することができるが、好ましい組成物、方法、製品、又は他の手段若しくは材料が本明細書に記載されている。
【0030】
[0030]本明細書中で引用又は参照されている全ての特許、特許出願、刊行物、及び他の参考文献は、法律が許す範囲で参照により本明細書中に組み込まれる。これらの参考文献の考察は、参考文献中でなされている主張を要約することのみを意図している。任意のこのような特許、特許出願、刊行物、若しくは参考文献、又はこれらの任意の部分が本発明の関連する先行技術であることを認めるものではなく、このような特許、特許出願、刊行物、及び他の参考文献の正確性及び適切性を疑う権利が明確に保持される。
発明
【0031】
[0031]一態様において、本発明は、少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つと、を含む栄養補助食品を提供する。様々な実施形態において、栄養補助食品は、少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムのうちの複数とを含有する。一実施形態において、栄養補助食品は、少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムとを含む。本発明は、プロバイオティクス及び上記の成分の様々な組み合わせが、プロバイオティクス及びプロバイオティクスを含有する組成物の味の良さを向上させ、免疫系を強化することによりプロバイオティクスの有益な効果を増強させ、及び/又はプロバイオティクスの有効期限を延ばすという発見に基づく。
【0032】
[0032]プロバイオティクスは栄養補助食品中に、成分又は添加物として存在することができる。プロバイオティクスは原核生物、真核生物、又は古細菌であってよい。適したプロバイオティクスの例としては、Saccharomyces、Debaromyces、Candida、Pichia、Torulopsisなどの酵母、Aspergillus、Rhizopus、Mucor、Penicilliumなどの糸状菌、及びTorulopsis、及びBifidobacterium属、Bacteroides属、Clostridium属、Fusobacterium属、Melissococcus属、Propionibacterium属、Streptococcus属、Enterococcus属、Lactococcus属、Staphylococcus属、Peptostrepococcus属、Bacillus属、Pediococcus属、Micrococcus属、Leuconostoc属、Weissella属、Aerococcus属、Oenococcus属、Lactobacillus属などの細菌が挙げられる。好ましい実施形態において、プロバイオティクスは、Enterococcus、Streptococcus、Lactobacillus、Lactococcus、Bifidobacterium、又はSaccharomycesの任意の適した株又は亜種のうちの少なくとも1種を含む。Enterococcus属種は、これに限定されるものではないが、Enterococcus facecium、特にEnterococcus faecium SF68株(NCIMB 10415)を含み、加えて他のEnterococci Streptococcus属種は、これらに限定されるものではないが、Streptococcus faecium、Streptococcus thermophilus、及びStreptococcus salivarusを含む。Lactobacillus属種は、これらに限定されるものではないが、 Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus acidophilus NCC2628(CNCM 1−2453)、Lactobacillus acidophilus NCC2766、Lactobacillus acidophilus NCC2775、Lactobacillus brevis、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus casei、Lactobacillus casei Imunitas、Lactobacillus casei Shirota、Lactobacillus cellobiosus、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus johnsonii NCC2774、Lactobacillus johnsonii NCC2767、Lactobacillus johnsonii NCC2822、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus johnsonii LA1、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus reuteri NCC2823、Lactobacillus reuteri NCC2581(CNCM I−2448)、Lactobacillus reuteri NCC2592(CNCM I−2450)、Lactobacillus reuteri NCC2603(CNCM I−2451)、Lactobacillus reuteri NCC2613(CNCM I−2452)、Lactobacillus rhamnosus Lactobacillus rhamnosus NCC2583(CNCM I−2449)、Lactobacillus rhamnosus GG(ATCC53103;Lactobacillus rhamnosus又はLactobacillus casei ssp rhamnosus)、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus salivarius NCC2586、Lactobacillus paracasei ST11を含む。Lactococcus属種は、これらに限定されるものではないが、Lactococcus lactis及びLactococcus plantarumを含む。Bifidobacterium属種は、これらに限定されるものではないが、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium thermophilum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium pseudolongum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium lactis Bb−12を含む。Saccharomyces属種は、これに限定されるものではないが、Saccharomyces boulardii(cerevisiae)を含む。好ましい実施形態において、栄養補助食品はEnterococcus faecium(SF68)を含む。
【0033】
[0033]栄養補助食品は、プロバイオティクス及びプロバイオティクスを含有する組成物の味の良さを向上させ、免疫系を強化させることによりプロバイオティクスの有益な効果を増強させ、及び/又はプロバイオティクスの有効期限を延ばすのに適した量でプロバイオティクスを含む。一般に、栄養補助食品は約1%〜約99%のプロバイオティクス、好ましくは約1%〜約70%のプロバイオティクス、最も好ましくは約1%〜約50%のプロバイオティクスを含む。
【0034】
[0034]本発明において有用なアニマルダイジェストは、当業者に知られている任意のアニマルダイジェスト、例えば、清潔な及び腐敗していない動物組織の化学的及び/又は酵素加水分解によって生じる任意の材料であってよい。本発明において有用な乾燥ビール酵母は、当業者に知られている任意の乾燥ビール酵母、例えば、醸造業の副産物である乾燥した不活性物質であってよい。アニマルダイジェスト及び乾燥ビール酵母は、栄養補助食品及び栄養補助食品を含有する食品又は他の組成物の味の良さを向上させることが分かっている。栄養補助食品中に存在する場合、アニマルダイジェストは栄養補助食品の約10%〜約90%を構成し、乾燥ビール酵母は栄養補助食品の約1%〜約30%を構成する。
【0035】
[0035]ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムは当業者に知られている化合物である。これらの化合物は、免疫を強化し、本発明の栄養補助食品中のプロバイオティクスの作用を増強させることが分かっている。これらの化合物、アニマルダイジェスト、及び乾燥ビール酵母は全て、組み合わせると、これらが組成物中に存在しない場合のプロバイオティクスと比較して、プロバイオティクスの有効期限を延ばすことが分かっている。栄養補助食品中に存在する場合、栄養補助食品は、約0.1%〜約10%のビタミンC、約0.1%〜約10%のビタミンE、約0.01%〜約3%のβカロテン、約0.1%〜約5%の亜鉛タンパク化合物、約0.01%〜約3%のマンガンタンパク化合物、約0.01%〜約3%の硫酸第一鉄、約0.01%〜約1%の銅タンパク化合物、約0.01%〜約1%のヨウ化カルシウム、及び約0.001%〜約0.1%の亜セレン酸ナトリウムを含む。更なる実施形態において、栄養補助食品は約0.1%〜約2%のタウリンを更に含む。
【0036】
[0036]栄養補助食品は、散剤、顆粒剤、ペレット剤又は任意の他の適切な送達形態などの様々な製剤として調製することができる。好ましい実施形態において、栄養補助食品製剤は生体高分子マトリクス内にマイクロカプセル化されたプロバイオティクスを含有する散剤である。栄養補助食品散剤は食品又は他の組成物に、特にドッグフード又はキャットフードなどのペットフードに、振りかける又は別の方法で添加する及び混合することができる。栄養補助食品散剤は、ペットなどの特定の動物が摂取するために特別に処方することができる。一実施形態において、栄養補助食品を少量で動物に投与することができるように、又は別の方法では、栄養補助食品を動物への投与前に希釈することができるように、栄養補助食品散剤は高濃度のプロバイオティクスを含む。当業者は、栄養補助食品単独で提供する、又は栄養補助食品をペットのごちそうの中に、上に、又は一緒に給餌するなど、他の投与経路を考案することができる。
【0037】
[0037]栄養補助食品は室温での長期保存用に処方することができ、又は代わりに、冷却、凍結乾燥、又は冷凍することができる。栄養補助食品は室温で保存され、室温で保存した場合、栄養補助食品中のプロバイオティクスが少なくとも22日間実質的に生存し続けることが好ましい。予測モデリングは、このようなプロバイオティクスが、最大60℃まで室温を超えることがある保存温度の断続的で短期的な急上昇にも関わらず、実質的に生存し続けることを示した。
【0038】
[0038]一般に、プロバイオティクスは、腸管微生物叢の健康維持のために、1日当たり約1〜約200億コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1日当たり約1000万〜約100億の生菌の量で動物に投与される。栄養補助食品は、より高濃度のプロバイオティクスを供給することもできるが、栄養補助食品1グラム当たり約10〜約1010コロニー形成単位(CFU)の範囲でプロバイオティクスを含有するように処方することができる。
【0039】
[0039]本発明の栄養補助食品は、無機化合物、ビタミン、塩、タンパク質、アミノ酸、繊維、香辛料、着色料及び保存料などの追加の物質を含むことができる。無機化合物の非限定的例として、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、鉄、塩素、ホウ素、銅、亜鉛、マグネシウム、マンガン、ヨウ素、セレンなど、及びこれらの種々の塩が挙げられる。ビタミンの非限定的例として、ビタミンA、種々のビタミンB、例えば、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなど、ビタミンD、及びビタミンKが挙げられる。栄養補助食品はまた、αカロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、βクリプトキサンチンなどのカロテノイドを含んでもよい。また、例えば、イヌリン、アミノ酸などの追加の成分も含まれてもよい。1つの特に好ましいアミノ酸はタウリンである。
【0040】
[0040]本発明の栄養補助食品はプレバイオティクスを更に含むことができる。プレバイオティクスは、微生物の増殖基質を提供することによって胃腸管の微生物叢組成を変化させる任意の物質を含む。プレバイオティクスは、これらに限定されるものではないが、天然及び合成オリゴ糖、水溶性繊維、難消化性デンプン、並びにガムを含む。オリゴ糖は直鎖又は分岐オリゴ糖であってよい。プレバイオティクスは、保存容器内又は動物の胃腸管内でのプロバイオティクスの生存を高める能力により特に選択することができる。プレバイオティクスはまた、動物内でプロバイオティクスの機能性を強化する、又はプロバイオティクスの利益を補完する能力により特に選択することができる。一般に、プレバイオティクスは、消化管内の健康な微生物叢に好ましい刺激を与える、及びこれらの「善玉」菌を増殖させるのに十分な量で投与される。典型的な量は、1食当たり約1〜約10グラム、又は動物の1日当たりの推奨食物繊維量の約5%〜約40%である。
【0041】
[0041]様々な実施形態において、本発明の栄養補助食品は、約15%〜約60%の粗タンパク質を更に含んでもよい。本発明の組成物は約40%〜約55%の粗タンパク質を含むことが好ましい。粗タンパク質材料は、大豆、トウモロコシ、米、綿実、落花生などの植物性タンパク質、又はカゼイン、アルブミン、食肉タンパク質などの動物性タンパク質を含んでもよい。本発明において有用な食肉タンパク質の非限定的例として、豚肉、子羊肉、馬肉、鶏肉、魚肉、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0042】
[0042]栄養補助食品は、約5%〜約40%の脂肪を更に含んでもよい。栄養補助食品は、約15%〜約22%の脂肪を含むことが好ましい。栄養補助食品は、炭水化物源を更に含んでもよい。栄養補助食品は、約15%〜約60%の炭水化物を含んでもよい。このような炭水化物の非限定的例として、米、トウモロコシ、サトウモロコシ、アルファルファ、大麦、大豆、キャノーラ、オート麦、小麦、及びこれらの混合物などの穀類又はその加工品が挙げられる。栄養補助食品はまた、乾燥ホエー、乳製品副産物などの他の材料も、任意選択で含んでもよい。
【0043】
[0043]栄養補助食品はまた、少なくとも1種の繊維源を更に含んでもよい。栄養補助食品は、約0.5%〜約5%の繊維を含んでもよい。当業者に知られるであろうように、種々の可溶性又は不溶性繊維を利用してもよい。繊維源は、ビートパルプ(テンサイ由来)、アラビアゴム、タルハガム、オオバコ、米ぬか、イナゴマメガム、柑橘パルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、マンナンオリゴフルクトース、大豆繊維、ルピナス由来の繊維、アラビノガラクタン、ガラクトオリゴ糖、アラビノキシラン、又はこれらの混合物であってよい。繊維源は、それらの多くが上記に掲載されている発酵性繊維であってよい。発酵性繊維は、ペットの免疫系に利益をもたらすことが以前に記載されている。腸内でプロバイオティクスの増殖を促進することができるプレバイオティクス組成物を提供する、当業者に知られている発酵性繊維又は他の組成物もまた、本発明により動物の免疫系、胃腸系、及び全体的な健康にもたらされる利益の強化を支援するために、組成物中に組み込むことができる。
【0044】
[0044]栄養補助食品を保存することができる時間の長さを向上させるために、栄養補助食品は、栄養補助食品の約2重量%〜約10重量%の全水分含量を有することが好ましい。全水分含量は、栄養補助食品の5重量%未満であることが好ましい。同様に、栄養補助食品は、0.20〜0.6の範囲の水分活性を有することが好ましい。水分活性は0.55未満であることが好ましい。
【0045】
[0045]栄養補助食品は、イヌ又はネコなどの特定の動物用に特別に処方することができる。同様に、栄養補助食品は、幼若の、成長した、又は高齢の動物用に特別に処方してもよい。一般に、特別な目的の製剤は、特定の動物、及び異なる発育段階若しくは年齢の、又は病状に関連した特定の栄養要求を有する特定の動物に適切なエネルギー及び栄養要求を満たす成分を含む。
【0046】
[0046]一実施形態において、栄養補助食品はイヌ用に処方される。この処方は、約1%〜約90%のアニマルダイジェスト、約1%〜約30%の乾燥ビール酵母、約0.1%〜約10%のビタミンC、約0.1%〜約10%のビタミンE、約0.01%〜約3%のβカロテン、約0.1%〜約5%の亜鉛タンパク化合物、約0.01%〜約3%のマンガンタンパク化合物、約0.01%〜約3%の硫酸第一鉄、約0.01%〜約1%の銅タンパク化合物、約0.01%〜約1%のヨウ化カルシウム、及び約0.001%〜約0.1%の亜セレン酸ナトリウムを含む。更なる実施形態において、栄養補助食品は約0.1%〜約2%のタウリン、及び約1%〜約50%のプロバイオティクスを更に含む。栄養補助食品は、約0.01%〜約2%の塩化ナトリウムを更に含んでもよい。
【0047】
[0047]別の実施形態において、栄養補助食品はネコ用に処方される。この処方は、約0%〜約80%のアニマルダイジェスト、約0%〜約30%の乾燥ビール酵母、約0%〜約10%のビタミンC、約0%〜約10%のビタミンE、約0%〜約3%のβカロテン、約0%〜約5%の亜鉛タンパク化合物、約0%〜約2%のタウリン、約0%〜約3%のマンガンタンパク化合物、約0%〜約3%の硫酸第一鉄、約0%〜約1%の銅タンパク化合物、約0%〜約0.1%のヨウ化カルシウム、及び約0%〜約0.01%の亜セレン酸ナトリウム、及び約1%〜約50%のプロバイオティクスを含む。栄養補助食品は、約0.01%〜約2%の塩化ナトリウムを更に含んでもよい。
【0048】
[0048]一実施形態において、プロバイオティクスはマイクロカプセル化される。プロバイオティクスは、特に保存中に、プロバイオティクスの生存能力を向上させ、又は持続させるために、生体適合性マイクロカプセル内にマイクロカプセル化することができる。マイクロカプセルは、温度変動、酸素、水分、光などの有害な環境条件からプロバイオティクスを保護するための障壁として機能する。マイクロカプセルは、活性物質、例えば、生体適合性のシェル又はコーティングで囲まれたプロバイオティクスのコアを含む。生体適合性マイクロカプセルの調製に適した材料及びカプセル化方法は、当技術分野において知られており、例えば、それぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Yanの米国特許第6974592号明細書、Curtisらの第6969530号明細書、Shaferらの第6887493号明細書、及びOparaの第6303355号明細書、並びにUbbinkらの米国特許出願第10/507359号明細書、Simmonsらの第10/656386号明細書を参照されたい。マイクロカプセルは、動物への投与後にプロバイオティクスを放出制御するために調製することができる。好ましい実施形態において、本発明のマイクロカプセルは、直径が約0.1mm〜約1.0mmまでの範囲である。一実施形態において、プロバイオティクスは、シェラックで被覆された生体高分子マトリクスでマイクロカプセル化される。
【0049】
[0049]当業者は、所定の栄養補助食品製剤に加えるべきプロバイオティクスの適切な量を決定することができる。考慮され得る要因は、異なる動物による、特定タイプの組成物の平均摂取量、栄養補助食品を摂取しようとする動物が、特定の健康、ウェルネス、又は栄養要求を有しているかどうか、又は特定の疾患又は障害に罹患しているかどうか、動物の年齢、性別、大きさ、又は品種、及び栄養補助食品組成物が調製される製造条件を含む。栄養補助食品に添加されるべきプロバイオティクスの濃度は、動物のエネルギー及び栄養要求に基づいて算出することができる。
【0050】
[0050]栄養補助食品中のプロバイオティクス、特にマイクロカプセル化されたプロバイオティクスは、栄養補助食品が50℃以下の温度で11日間、60℃以下の温度で2日間、又は65℃以下の温度で20時間保存された場合、実質的に生存し続ける。
【0051】
[0051]更なる態様において、本発明はプロバイオティクスを含む栄養補助食品を動物に投与するのに適したキットを提供する。キットは、単独パッケージ中の別個の容器中に、又は当該キット構成要素にとって適当な場合、事実上のパッケージ中の別個の容器中に、少なくとも1種のプロバイオティクスと、(1)動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分、(2)1種又は複数種のプレバイオティクス、(3)1種又は複数種の下痢止め薬、(4)特にプロバイオティクスを動物へ投与するのに有用な食品組成物を製造するための、栄養補助食品と他のキット構成要素の組み合わせ方法についての指示、及び(5)特に動物の利益のために、胃腸の健康を維持又は改善するための、及び動物が摂取しやすいように栄養補助食品を食品成分と混合するための、本発明の栄養補助食品と他の構成要素の使用方法についての指示、のうちの少なくとも1つとを含む。
【0052】
[0052]キットが事実上のパッケージを含む場合、キットは、1つ又は複数の物質的キット構成要素と組み合わせた、事実上の環境における指示に限定される。キットは、有益な量のプロバイオティクスを動物へ提供するために、一般に、胃腸の健康を維持又は改善し、及び動物の健康及びウェルネスを増進するために十分な量で栄養補助食品及び他の構成要素を収容する。典型的に、栄養補助食品及び他の適したキット構成要素(例えば、食品組成物)は、動物が摂取する直前に混合される。キットは、任意の様々な組み合わせ及び/又は混合物としてキット構成要素を収容してよい。一実施形態において、キットは、1種又は複数種の栄養補助食品を収容するパケット及び動物が摂取するための食品容器を収容する。キットは、栄養補助食品と成分を混合するための用具、又は混合物を収容するための用具(例えば、フードボウル)などの追加の品目を収容してもよい。別の実施形態において、栄養補助食品は、動物の良好な健康を増進するビタミン、ミネラルなどの追加の栄養サプリメントと混合される。
【0053】
[0053]指示は、使用者、飼い主、獣医、ペットフード製造業者などに、栄養補助食品の使用が、参照された利益、例えば、下痢の治療若しくは予防、腸の健康改善、又は動物の胃腸管内の健康な微生物叢バランスの改善若しくは維持を提供することができることを指導及び/又は通知することができる。指示はまた、使用者に、動物のフード又は水に栄養補助食品を添加又は混合する方法を指導することもできる。
【0054】
[0054]本発明のプロバイオティクス及び他の成分用に使用するのに適した容器は、例えば、缶、広口瓶、瓶、振出口付きの瓶、ミル、バイアル、シリンジ、チューブ、ポーチ、サシェ、バッグ、又はホルダーを含む。容器は、これらに限定されるものではないが、ガラス、プラスチック、ポリマー、金属、合金、金属若しくは合金箔、ゴム、ボール紙又は紙を含む種々の材料から形成することができる。容器はまた、シーラントを含むこともでき、シーラントは樹脂又はポリマーなどの当技術分野に適した任意の材料から形成することができる。好ましい実施形態において、容器は水分バリア及び/又は酸素バリア層を含み、室温で保存された場合、及び室温を超えて短期的に温度が急上昇した場合に、プロバイオティクスの生存能力を更に向上させる、サシェなどの金属又は合金箔製ポーチである。
【0055】
[0055]容器は、水分バリア及び/又は酸素バリアを含み、長期の保存にわたってプロバイオティクスの生存能力を更に向上させることができる。水分バリア及び酸素バリアは、医薬及び食品業界において知られている。本発明における使用に適したバリアは、Vadharの米国特許第6716499号明細書、Shahの第6524720号明細書、Bonnerらの第5792530号明細書、Bianchiniらの第5512338号明細書、Bettleらの第4977004号明細書に記載されている。このようなバリアに加えて、又はその代わりに、容器は脱酸素剤及び/又は乾燥剤/吸湿性化合物を含んでもよい。適した脱酸素剤及び乾燥剤は当技術分野で、例えば、Yanらの米国特許第6746622号明細書、Ebnerらの第6387461号明細書、Ebnerらの第6228284号明細書(脱酸素剤)、Hekalの第6130263号明細書(乾燥剤)で知られている。
【0056】
[0056]容器上の又は容器と結び付いたラベルは、栄養補助食品のための有用な指示を示すことができる。キットはまた、本明細書に記載の別のサプリメント成分又は薬剤を有する追加の容器を任意選択で含んでもよい。製品又はキットは、イヌやネコなどのペットにおいて、様々な状態を治療するため、又は健康及び/又はウェルネスを全面的に支援するための栄養補助食品の使用に関する指示を含むことができる。いくつかの実施形態において、複数の容器がカートンとして一緒に包装される。例えば、限定するためではないが、カートンは、1週間分の栄養補助食品に相当する7個の容器、又は1か月分の栄養補助食品に相当する30個の容器などを含むことができる。容器は、栄養補助食品の単回投与量(すなわち単回使用)、又は栄養補助食品の複数回投与量を保持することができる。容器はまた、ペットフード容器と共に、例えば、ドッグフード又はキャットフードの缶と共に、又は乾燥ドッグ若しくはキャットフード、又はごちそうなどの他の栄養補助食品と共に、包装することもできる。
【0057】
[0057]別の態様において、本発明は、動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分及び本発明の栄養補助食品を含む食品組成物を提供する。栄養補助食品は、この成分と混合して食品組成物を製造することができ、又はこの成分に添加して食品組成物を製造することができる。一実施形態において、栄養補助食品は、通常は散布又は噴霧によって食品組成物上に添加される。好ましい実施形態において、成分はドッグ又はキャットフードなどの栄養学的に完全なペットフードを形成し、好ましくは、栄養補助食品はフード上に添加される。典型的に、ドッグ又はキャットフードは適した容器中に入れられ、栄養補助食品はフード上に添加され、例えばフード上に散布される。
【0058】
[0058]別の態様において、本発明は、動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分及び本発明の栄養補助食品を含む食品組成物を動物へ投与することを含む、プロバイオティクスの動物への投与方法を提供する。
【0059】
[0059]別の態様において、本発明は、動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分及び本発明の栄養補助食品を混合すること、又は本発明の栄養補助食品を食品組成物上に添加することを含む、プロバイオティクスを含有する食品組成物の製造方法を提供する。更なる態様において、本発明はこの方法を使用して製造される食品組成物を提供する。
【0060】
[0060]別の態様において、本発明は、健康又はウェルネスを増進する量の本発明の栄養補助食品を動物に投与することを含む、動物の健康又はウェルネスを増進する方法を提供する。一実施形態において、栄養補助食品は下痢止め薬と併せて投与される。
【0061】
[0061]別の態様において、本発明は、胃腸の健康を増進する量の本発明の栄養補助食品を動物に投与することを含む、動物の胃腸の健康を増進する方法を提供する。一実施形態において、栄養補助食品は下痢止め薬と併せて投与される。
【0062】
[0062]これらの方法のために、栄養補助食品は任意の適した方法を使用して投与することができるが、栄養補助食品を食品組成物、好ましくは栄養学的に完全な食品組成物と混合すること、又は栄養補助食品をその上に添加することによって投与されることが好ましい。
【0063】
[0063]健康及びウェルネスを増進するために、又は胃腸の健康を増進するために、プロバイオティクスは、1日当たり約1〜約200億コロニー形成単位(CFU)、好ましくは1日当たり約1000万〜約100億個の生菌の量で本発明の栄養補助食品によって動物に投与される。
【0064】
[0064]別の態様において、本発明は、(1)特に胃腸の健康を維持又は改善するための、プロバイオティクスを動物に投与するための栄養補助食品の使用、(2)栄養補助食品と本発明の他の構成要素(食品組成物)との混合、(3)単独での又は本発明の他の構成要素と組み合わせての、栄養補助食品の動物への投与、(4)特に、例えば、下痢の予防及び治療、又は便質の改善のためなど、胃腸の健康を維持又は改善するための、又は動物の健康又はウェルネスを増進するための、プロバイオティクスを動物へ投与するための本発明のキットの使用、のうちの1つ又は複数についての情報又は指示を伝達する手段を提供する。手段は、情報又は指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、音声提示、又は画像表示を含む。ある実施形態において、伝達手段は、このような情報又は指示を含有する、表示されるウェブサイト、画像表示キオスク、パンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、チラシ、公共アナウンス、録音テープ、ビデオテープ、DVD、CD−ROM、コンピュータが読み取り可能なチップ、コンピュータが読み取り可能なカード、コンピュータが読み取り可能なディスク、コンピュータメモリ、又はこれらの組み合わせである。有用な情報は、(1)栄養補助食品及び/又は他の構成要素を混合及び投与する方法及び技術、及び(2)本発明及びその使用について疑問があれば動物又はその世話人が使用するための連絡先情報、のうちの1つ又は複数を含む。有用な指示は、混合量、並びに投与量及び頻度を含む。伝達手段は、本発明の使用についての利益を指示するために、及び本発明を動物に投与するために認められた方法を伝達するために、有用である。
【0065】
[実施例]
[0065]本発明は以下の実施例によって更に説明され得るが、これらの実施例は例示のためにのみ含まれ、別途特に示されない限り本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるであろう。
【0066】
実施例1
プロバイオティクス散剤ブレンドプロセス
[0066]イヌ及びネコ用のプロバイオティクス粉末製剤を、リボンミキサー、V型ミキサー、又は二連撹拌パドルミキサーを含む標準的な乾燥混合機を使用して製造した。混合時間は使用した混合機によって様々であった。最大混合時間は10分であった。プロバイオティクス組成物の成分を混合機に加える順番は重要ではなかった。混合した散剤は、PVC製の覆いで保護されたバルクバックの中へ、又はPVCで内側を覆ったバッグの中へ、直ちに包装した。ネコ用に調製された製剤を表1に記載し、イヌ用に調製された製剤を表2に記載する。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
実施例2
プロバイオティクス散剤包装
[0067]約1.15±0.1グラムの混合したプロバイオティクス散剤を、Cloud Packaging Solutions(Des Plains,II)製の特殊な包装装置を使用して、個々の単回使用容器中に包装した。容器は、表3で概説しているように構築した。容器の大きさは3インチ×2インチであった。容器は、紙、低密度ポリエチレン、箔及びDupont Surlyn(登録商標)を含む。WVTR及びOTRは表3に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
実施例3
散剤組成物におけるプロバイオティクス安定性
[0068]栄養補助食品は、代表的なプロバイオティクス微生物としてEnterococcus faecium(SF68)を利用するプロバイオティクス散剤組成物を含み、生体高分子マトリクス中にマイクロカプセル化された。カプセル化された組成物は、5種類の異なる温度で最大96時間保存された。温度は、25℃、33℃、45℃、55℃、及び65℃であった。表4に示すように、0時間からの様々な時点で、保存された各組成物からサンプルを採取し、Enterococcus faeciumの生存能力を分析した。生存能力測定の結果を表4にまとめる。
【0072】
[0069]栄養補助食品散剤における測定データ及びSF68に適合したアレニウスモデル。このデータは、4種類の温度(25℃、33℃、45℃、55℃及び65℃)における短期保存中のEnterococcus faeciumの測定及び予測平均対数(菌数)を示す。本発明者らが使用したアレニウスモデルは、係数a=9.3348、b=−73214.6及びk=−914.7の、Y=a+(b*時間)*(e(−k/温度))である。
【0073】
【表4】

【0074】
[0070]カプセル化組成物中のプロバイオティクス微生物の生存能力を、高温で長期の条件下においても評価した。E.faecium SF68を利用したマイクロカプセル化プロバイオティクス組成物を実施例2に記載した容器中に包装し、45℃、50℃、55℃及び60℃で11日間保存した。実験は4連で行った。コロニー形成単位の対数で測定した結果は表5に示す。50℃以下の温度で7日間の保存期間にわたって、著しい生存能力の低下は観察されなかった。
【0075】
【表5】

【0076】
[0071]表4及び5に示した結果はlog cfu/g栄養補助食品で示す。
【0077】
[0072]栄養補助食品散剤における測定データ及びSF68に適合したアレニウスモデル。このデータは、4種類の温度(45℃、50℃、55℃及び60℃)における長期保存中のEnterococcus faeciumの測定及び予測平均対数(菌数)を示す。本発明者らが使用したアレニウスモデルは、係数a=9.2249、b=−3.0488及びk=−1187.4の、Y=a+(b*日数)*(e(−k/温度))である。
【0078】
実施例4
イヌ及びネコにおけるプロバイオティクス散剤組成物の受容
[0073]プロバイオティクス散剤組成物を、イヌ用及びネコ用に特別に処方した。動物の押出成形乾燥飼料の上に1.0グラムの組成物を局所的に散布することによって、又は押出成形乾燥飼料と1.0グラムの組成物を均質に混合することによって、組成物を投与した。
【0079】
[0074]20匹のイヌの3つのグループを、数日間連続して評価した。第1日目に、グループ1について、対照と比較した局所的に添加したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定し、グループ2について、対照と比較した均質に混合したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定し、グループ3について、均質に混合したプロバイオティクス組成物と比較した局所的に添加したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定した。第2日目に、食餌の位置を逆にした。各グループ内で、イヌに給餌する前に、給餌手順に概説したように、添加なしの(対照)、添加ありの、それぞれ700グラムの食餌を含有する2つの可能なフードの選択肢を、給餌時にイヌに与えた。摂食時間の前に各フードボウルの重量を計測した。食べるために20分間を動物に与えた。20分間の摂食時間の後に各フードボウル(対照及び添加あり)の重量を計測することによって、嗜好を決定した。
【0080】
[0075]27匹のネコの3つのグループを、数日間連続して評価した。第1日目に、グループ1について、対照と比較した局所的に添加したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定し、グループ2について、対照と比較した均質に混合したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定し、グループ3について、均質に混合したプロバイオティクス組成物と比較した局所的に添加したプロバイオティクス組成物への嗜好を測定した。第2日目に、食餌の位置を逆にした。各グループ内で、ネコに給餌する前に、給餌手順に概説したように、添加なしの(対照)、添加ありの、それぞれ約100グラムの食餌を含有する2つの可能なフードの選択肢を給餌時にネコに与えた。摂食時間の前に各フードボウルの重量を計測した。食べるために18時間を動物に与えた。自動秤上の各食餌の重量の減少を記録することによって、嗜好を決定した。
【0081】
[0076]要約すると、(食餌に散布された又は混合された)プロバイオティクス調製物を含有する食餌は、ネコに有意に好まれ、又はイヌにとって同等又は有意に好まれるものであった。
【0082】
[0077]本明細書において、本発明の典型的な好ましい実施形態が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは限定のためではなく一般的及び説明的な意味においてのみ使用され、本発明の範囲は特許請求の範囲に記載されている。明らかに、上述の教示に照らして、本発明の多くの変更形態及び変形形態が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明が、特に記載されたものと別の方法で実施され得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムのうちの少なくとも1つとを含む栄養補助食品。
【請求項2】
プロバイオティクスが原核生物プロバイオティクス、真核生物プロバイオティクス、又は古細菌プロバイオティクスを含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項3】
プロバイオティクスがEnterococcus、Streptococcus、Lactobacillus、Lactococcus、Bifidobacterium、又はSaccharomycesの任意の適した株又は亜種の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項4】
プロバイオティクスがEnterococcus faecium(SF68)を含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項5】
タウリンを更に含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項6】
プレバイオティクスを更に含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項7】
下痢止め薬を更に含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項8】
プロバイオティクスがマイクロカプセル化された、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項9】
マイクロカプセルがシェラックで被覆された生体高分子マトリクスを含む、請求項8に記載の栄養補助食品。
【請求項10】
ペット用に処方された、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項11】
ペットがイヌ又はネコである、請求項10に記載の栄養補助食品。
【請求項12】
少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムとを含む、請求項1に記載の栄養補助食品。
【請求項13】
プロバイオティクスがEnterococcus faecium(SF68)を含む、請求項12に記載の栄養補助食品。
【請求項14】
少なくとも1種のプロバイオティクスと、アニマルダイジェスト、乾燥ビール酵母、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛タンパク化合物、マンガンタンパク化合物、硫酸第一鉄、銅タンパク化合物、ヨウ化カルシウム、及び亜セレン酸ナトリウムとを含む、請求項8に記載の栄養補助食品。
【請求項15】
プロバイオティクスがEnterococcus faecium(SF68)を含む、請求項14に記載の栄養補助食品。
【請求項16】
単独パッケージ中の別個の容器中に、又は当該キット構成要素にとって適当な場合、事実上のパッケージ中の別個の容器中に、少なくとも1種のプロバイオティクスと、(1)動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分、(2)1種又は複数種のプレバイオティクス、(3)1種又は複数種の下痢止め薬、(4)栄養補助食品と他のキット構成要素の組み合わせ方法についての指示、及び(5)栄養補助食品と他のキット構成要素の使用方法についての指示、のうちの少なくとも1つとを含む、プロバイオティクスを動物へ投与するのに適したキット。
【請求項17】
動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分と、請求項1に記載の栄養補助食品とを含む、食品組成物。
【請求項18】
前記成分が栄養学的に完全なペットフードを形成する、請求項17に記載の食品組成物。
【請求項19】
栄養補助食品が前記成分と混合された、請求項17に記載の食品組成物。
【請求項20】
栄養補助食品が前記成分に添加された、請求項17に記載の食品組成物。
【請求項21】
動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分と、請求項1に記載の栄養補助食品とを含む食品組成物を動物へ投与するステップを含む、プロバイオティクスの動物への投与方法。
【請求項22】
動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分と請求項1に記載の栄養補助食品を混合するステップ、又は請求項1に記載の栄養補助食品を食品組成物上に添加するステップを含む、プロバイオティクスを含有する食品組成物の製造方法。
【請求項23】
健康又はウェルネスを増進する量の請求項1に記載の栄養補助食品を動物に投与するステップを含む、動物の健康又はウェルネスを増進する方法。
【請求項24】
栄養補助食品を、動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分を含む食品組成物と混合するか、又は栄養補助食品を該食品組成物上に添加することによって、栄養補助食品を投与する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
栄養補助食品を1種又は複数種の下痢止め薬と併せて投与する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
胃腸の健康を増進する量の請求項1に記載の栄養補助食品を動物に投与するステップを含む、動物の胃腸の健康を増進する方法。
【請求項27】
栄養補助食品を、動物が摂取するのに適した1種又は複数種の成分を含む食品組成物と混合するか、又は栄養補助食品を該食品組成物上に添加することによって、栄養補助食品を投与する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
栄養補助食品を1種又は複数種の下痢止め薬と併せて投与する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
以下の(1)〜(4)の1つ又は複数についての情報又は指示を伝達する手段:(1)プロバイオティクスを動物に投与するための栄養補助食品の使用、(2)栄養補助食品と本発明の他の構成要素との混合、(3)単独での又は本発明の他の構成要素と組み合わせての、栄養補助食品の動物への投与、(4)前記情報又は指示を含有する文書、デジタル記憶媒体、光学記憶媒体、音声提示、又は画像表示を含む、プロバイオティクスを動物へ投与するための本発明のキットの使用。
【請求項30】
表示されるウェブサイト、パンフレット、製品ラベル、パッケージ挿入物、広告、又は画像表示からなる群より選択される、請求項29に記載の手段。

【公表番号】特表2009−531448(P2009−531448A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503012(P2009−503012)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/007817
【国際公開番号】WO2007/126990
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】