説明

プロバイオティック食品、その調製のためのプロセスおよび摂取量の管理

乾燥した活動性のプロバイオティック菌株における有益な量を含むプロバイオティック食品が提供される。該食品は、低い水分活性レベルを効率的に有する、十分に連続的な脂肪に基づく被覆剤をさらに含む。該食品は、望まれる最小限の量のプロバイオティックコロニー形成単位(CFUs)を使用または販売期間内において保証するための、使用または販売期間が書き記された、十分に防湿の包みの中に包装される。プロバイオティック食品を製造するための方法がさらに提供される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、35 USC 119(e)に基づく利益を、米国仮特許出願番号米国特許出願第60/743,117号明細書(2006年1月11日出願)、および米国仮特許出願第60/858,736号明細書(2006年11月13日出願)に基づいて主張するものであり、そのすべてを本願に引用して援用する。
【0002】
〔発明の分野〕
以下の開示内容は、活動性の有用な菌株の培養物を安定な形にて含むプロバイオティック食品に関するものである。
【0003】
〔発明の背景〕
プロバイオティクスとは、良好かつ健康な腸内細菌フローラを支える菌株である。用語「プロバイオティック」とは、文字通り「生きるため」を意味する。それらは、摂取されるかまたは医療補助として適用される、生きている微生物の菌株を含んでいる。エシェリキア(Escherichia)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属およびサッカロミセス(Saccharomyces)属(酵母菌)を含む他の種がプロバイオティクスとして認められているにもかかわらず、多くのプロバイオティック製品は、ラクトバシラス(Lactobacillus)属またはビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属における細菌を含んでいる。これらの菌株は、また、タンパク質、脂肪、カルシウムおよびリンにおける消化および吸収を高めることが報告されており、またこれらの菌株は、それら自身のラクターゼを生産するので、ラクトース過敏性を克服するのを助けることができる。
【0004】
現在のプロバイオティック製品の販売品としては、ヨーグルト、ケフィール、発酵乳飲料、およびカプセルを含んでいる。該販売品のいくつかは、有効とはなり得ない量のプロバイオティクスを有しており、また他は、過剰な服用量を含み得る。栄養補助食品としてプロバイオティクスを摂取するときには、最初は慎重にかつ少ない服用量にて摂取することが重要である。過剰摂取は、頭痛、下痢、または便秘などの副作用の原因となる、極度のドレナージシンドロームを引き起こし得る。
【0005】
プロバイオティック細菌は、発酵乳製品と関わる長い歴史を有している。ヨーグルトおよびケフィールは、牛乳を基として発酵されている。ヨーグルトおよびケフィールは、革製の袋に入れて持ち運ばれた新鮮な牛乳が時々発酵した後安定性を備え得ることを発見されたことに由来していると考えられている。ケフィールは、牛乳が、泡立つ飲料の形に発酵した結果であった。ケフィールを調製するための現在のプロセスには、多くの細菌、酵母および多糖類である、ケフィールグレインと呼ばれるものにより牛乳を発酵させることが含まれる。グレインには、サッカロミセス デルブルエッキ(Saccharomyces delbruecki)、サッカロミセス セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)、ラクトバシラス ケフィール(Lactobacillus kefir)およびストレプトコッカス(Streptococcus)属の一員が含まれることが見出されている。多糖類成分は、ケフィラン(kefiran)と呼ばれている。発酵プロセスは、約24時間を要し、その間に牛乳を高粘度で渋味のある飲料へと変化させる。ヨーグルトは、発酵したプディング様のよく知られている製品であり、先立つバッチに由来する菌株を用いて牛乳を発酵させることにより調製される。ケフィールおよびヨーグルトは、生きている菌株を含むため、どちらもプロバイオティクスである。非常に高い湿度において、かつ冷蔵を必要として生きているため、該菌株はヨーグルトおよびケフィール内に長く存続しない。
【0006】
店の中にある、および、家庭にて適切に保存されている製品が、生存可能な生物の数に関して望ましい活動性を有し得るといういくらかの保証を、消費者に提供するための能力が特に重要である。カプセル、および他の経口の栄養補助食品としての形が一般的に好まれるような食品では、一般的にはラベル上に細菌濃度を示さない。いくつかの栄養補助食品について、1カップあたり1億〜100億個の生存可能な生物濃度が主張される一方で、プロバイオティクスを有する乳製品には、1カップあたり約2億〜3億個が含まれていると考えられている。牛乳を基にした製品の1つである、乳飲料を培養したダノン(Dannon)社のダンアクティブ(DanActive)(ヨーロッパではアクティミル(Actimel))には、一食分あたり100億個の細菌が含まれていると言われている。コンシューマーラボ(consumerlab.com)は、行われた1つの研究から、プロバイオティック製品のうちの3分の1には、それらが主張する活動性の細菌量が含まれていないという結論を下した。牛乳を基にしたプロバイオティック食品よりも有効期間が長い製品、および長期間にわたって確実に安定である製品を手に入れることが望ましいであろう。
【0007】
技術的に安定性を提供することが試みられてきているが、それが有益になり得るように管理し続けることを確実にするために、安定なプロバイオティック構成要素と、好ましく使いやすい服用の形との組み合わせが要求される。しかしながら、進歩する必要が残されている。
【0008】
技術的に、食べるのに好ましいものというだけでなく、使いやすい形に提供されたときに、十分な期間にわたって、培養物の活性が望ましい程度に維持されるような、プロバイオティック食品が必要とされている。
【0009】
〔発明の簡単な説明〕
プロバイオティック食品を使いやすい形にするという要求を満たすために、本開示内容は、単一の一食分であり、個々に分離したプロバイオティック食品を提供し、該食品は室温において実質的に固体である。一局面において、該食品は、乾燥した活動性のプロバイオティック菌の培養物を含んでおり、該培養物は、完全に包んでいる実質的に連続的な脂肪をベースとした被覆剤の中に分散されている;該被覆剤は、0.1から略0.5の間の水分活性を有している;該食品は、略0°Fから略50°Fの間の温度におかれており、使用または販売期間が載せられた防湿の包みの中に包装されている;かつ、該食品は、該使用または販売期間において、1グラム当たり少なくとも4億CFUsの培養物を含んでいる。
【0010】
プロバイオティック食品の変形例では、食品は、使用または販売期間において、1グラム当たり少なくとも6億CFUsの培養物を含んでいる。他の変形例では、食品は、使用または販売期間において、1グラム当たり少なくとも8億CFUsの培養物を含んでいる。さらに他の変形例では、食品は、使用または販売期間において、1グラム当たり少なくとも10億CFUsの培養物を含んでいる。
【0011】
一実施形態では、プロバイオティック食品において、コーティングしている脂肪をベースにした被覆剤は、略0.2から略0.4までの水分活性を有している。変形例では、食品は、略33°Fおよび略50°Fの間の温度におかれている。他の変形例では、食品は、略40°Fおよび略45°Fの間の温度におかれている。一実施形態では、プロバイオティック食品は、重さが略10から略45グラムまでの棒の形をとっている。他の変形例では、食品は、重さが略10から略25グラムまでの棒である。さらに他の変形例では、プロバイオティック食品は、チョコレートまたはチョコレートの代用品を含んでいる。他の変形例では、プロバイオティック食品は、カルシウムの栄養補助食品を含んでいる。さらに他の変形例では、食品は、ラクトース、タガトース、または食物繊維などのプレバイオティックを含んでいる。一変形例では、プレバイオティックは食物繊維のイヌリンである。一変形例では、プロバイオティック食品は、穀物全体、ナッツ、米のクリスプ、パフト・コムギ、ミレット、大豆、および乾燥果実のうちの1つ以上を圧縮したマトリクスを含み、脂肪に基づく被覆剤によってコーティングされた棒の形をとっている。さらに他の変形例では、プロバイオティック食品における培養物は、ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)、またはラクトバシラス カゼイ(Lactobacillus casei)の微生物を含んでいる。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
本開示内容は、安定化され生きている著しい量の菌の培養物を含んでいる、使いやすく包装されたプロバイオティック食品と、その製造する方法とを提供することにより、上述の目的を可能にし、かつ種々の利益を提供する。当該包装された食品により、プロバイオティックについて有益となり得る摂取量を管理し続けることが容易になるとともに、望まれるプロバイオティックの利点をその製品が提供しているという強い信頼感が消費者に提供される。
【0013】
(プロバイオティック菌株)
本明細書に開示される食品に欠かせないものは、適切なプロバイオティックの培養物である。該培養物には、ヒトにおいて、プロバイオティックとして有効な、非病原性の微生物が少なくとも1つ含まれ得る。好ましくは、該微生物は、例えば、乳酸菌(Lactobacilli)、ビフィドバクテリア(Bifidobacteria)、連鎖球菌(Streptococci)、ペディオコッシ(Pediococci)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、プロピオン酸菌および酢酸菌などを含む細菌を含んでよい。乳酸菌の中には、例えば、ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス ビフィズス(Lactobacillus bifidus)、ラクトバシラス ブレヴィス(Lactobacillus brevis)、ラクトバシラス ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバシラス デルブルッキ(Lactobacillus delbrucki)、ラクトバシラス カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシラス セロビオサス(Lactobacillus cellobiosus)、ラクトバシラス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバシラス ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバシラス ジャーメンタム(Lactobacillus germentum)、ラクトバシラス ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバシラス ジョンソンヒー(Lactobacillus johnsonhii)、ラクトバシラス ラクティス(Lactobacillus lactis)、ラクトバシラス レイキマニー(Lactobacillus leichimanii)、ラクトバシラス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス リューテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバシラス ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシラス サケ(Lactobacillus sake)、ラクトバシラス サリバロース(Lactobacillus salivaroes)、ラクトバシラス サーモフィラス(Lactobacillus thermophilus)、およびラクトバシラス キシロサス(Lactobacillus xylosus)などを含む。ビフィドバクテリアの中には、例えば、ビフィドバクテリウム アドレセンチス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム セレウス(Bifidobacterium cereus)、ビフィドバクテリウム インファンチス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、およびビフィドバクテリウム サーモフィラス(Bifidobacterium thermophilus)などを含む。連鎖球菌の中には、例えば、ストレプトコッカス ラクチス(Streptococcus lactis)、ストレプトコッカス クレモリス(Streptococcus cremoris)、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス(Streptococcus diacetylactis)、ストレプトコッカス サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、およびストレプトコッカス ファーシウム(Streptococcus faecium)などを含む。好ましくは、上述のあらゆる菌株のうち1つ以上の培養物が、当該の群の他の菌株またはほかのプロビオティックであって非病原性の微生物とともに用いられ得る。1つの好ましい形態は、オランダのDSM Food Specialtiesから手に入れられるプロバイオティック種の組み合わせ、例えばラクトバシラス アシドフィラスL10、ビフィドバクテリウム ラクチスB94、およびラクトバシラス カゼイL26などを含む。一実施形態において、用いられる微生物は、出願人としてDSM IP Assets B.V.の名前が挙げられ、そのすべてを本願に引用して援用する、国際公開第2006/048446 A1号パンフレットにおいて開示されている、ラクトバシラス アシドフィラス株および/またはラクトバシラス ヘルベティカス株を含む。
【0014】
培養物の貯蔵温度は、好ましくは略39°から略46°Fまでであるが、選択される菌株によって変更され得る。培養物は、望ましくは凍結乾燥により調製され、製造者の提言を受けて効率的に貯蔵され得る。市販のソースとしては、DSM、Dansico、Institut Rossell−Lallemandなどがある。
【0015】
本明細書に記載される、包装されたプロバイオティックの培養物の品目または製品は、好ましくは、有効期間の最後において、一食分あたり少なくとも略20億コロニー形成単位(CFUs)を含み得る。コロニー形成単位(CFU)は、生存可能な細菌の数の単位である。生死に関わらず全ての細胞を数える顕微鏡による直接のカウントとは異なり、CFUは生存可能な細胞を測定する。一形態において、サンプルは寒天プレートの表面上に広げられ、または注がれ、培養するために置かれ、その後形成されるコロニーの数が数えられる。コロニー形成単位は、あらゆる数の細胞を含み得るので、CFUは生存可能な細胞の数の正確な指標ではない。本明細書に用いられる「一食分」とは、特定の時間に習慣的に摂取されるような、食品の一人前、または一盛りについて指している。活動性が高いレベルでは、一食分あたり200億CFUまたはそれ以上になり得るので、ここで主に考慮することは、最も適切な服用の形、および風味への影響である。「個々に分離した一食分」は、他から離れた、または切り離された一食分である。通常、本開示内容におけるプロバイオティック製品は、有効期間の最後において1グラム当たり約4億CFUから1グラム当たり約10億CFUまでを含み得る。従って、好ましい製品は、約10から約25グラムまで(例えば約20グラム)の一食分あたり、約100億CFUを含み得る。
【0016】
記載されるプロバイオティック製品の好ましい形における利点は、消費時のヨーグルトに通常検出される、生きている活動性の菌の培養物の、約1から約20倍以上、好ましくは約2から約10倍以上を含み得ることである。このような量により、例えば、弱められた免疫システムを回復させることに使用することが考えられる。これらの割合は、新鮮なヨーグルトには、170グラムの一食分が製造される時には1グラム当たり少なくとも1億の生物が含まれ得るという基準に基づいているが、その活動性は通常、消費時には10倍(例えば、1グラム当たり1億から1000万までの生きている活動性の菌の培養物)かそこらだけ低下するため、消費における保証は、実用的ではないと判断されている(例えば、2004年1月27日付の、国立ヨーグルト協会(the National Yogurt Association)から食品医薬品庁(the Food and Drug Administration)への、牛乳およびクリーム製品、およびヨーグルト製品のための規則作成先行公示に対するコメント(Comments to the Advanced Notice of Proposed Rulemaking for Milk and Cream Products and Yogurt Products);低脂肪ヨーグルトおよび脱脂ヨーグルトのための規格を無効にするための、およびヨーグルトおよび培養された牛乳のための規格を修正するための請求(Petition to Revoke Standards for Lowfat Yogurt and Nonfat Yogurt and to Amend Standards for Yogurt and Cultured Milk)(ドック番号2000P−0685)(FDAウェブサイトにおけるワールドワイドウェブ上で入手可能)と表記されるレターを参照)。
【0017】
(脂肪に基づく被覆剤および人工香味料)
脂肪に基づく被覆剤の中にプロバイオティックの培養物をコーティングし、または封入することが、長期間の安定性を可能にすることは、本開示内容における利点である。「コーティングする」または「封入する」とは、プロバイオティック菌の培養物が内部に分散され、かつ脂肪をベースにした被覆剤によって完全に包まれることを意味する。「包まれる」とは、脂肪をベースにした被覆剤の中に完全に囲まれる、またはくるまれることを意味する。脂肪をベースにした被覆剤はまた、安定性または風味のための酸味の必要性なしで、チョコレートまたは合成の被覆剤の存在下においてこれらのヨーグルトに基づく微生物を使用すること、および培養物の性質を変えずに、酸味の香料を使用することの両方を可能にする。チョコレート様、ならびにチョコレートの外見および風味の模倣品である、チョコレートの代用品もまた用いられ得る。従って、培養物の安定性を変えずに、甘いものから酸っぱいものへ、またはその逆へと、製造において食品形態を変えることが出来る。低い水分活性(Aw)の脂肪に基づく被覆剤が乾燥した培養物を湿気から保護するため、長期間の安定性を有する美味な製品を作ることが可能である。製品が高安定化したことにより、消費時における望ましい活動性を確実にするために製造において過剰な菌株を提供する必要が非常に少なくなるので、製造コストを減らすことができることは、さらなる利点である。
【0018】
本開示内容におけるプロバイオティックの培養物の製品は、被覆するための脂肪と好ましくは甘味料とを含む、脂肪をベースにした被覆剤の連続的な部分を含み得る。食用の乳化剤もまた、ほかの材料と同様に、脂肪をベースにした被覆剤の中に存在し得る。
【0019】
例えばチョコレートおよびチョコレートの代用品などの、脂肪をベースにしたあらゆる好適な被覆剤を使用できる。通常、および好ましくは、用いられる被覆剤は室温において実質的に固体であってよく、その場合には該被覆剤は、噛むと壊れ、かつ口の中のまさに体温下において融解してもよい。本明細書において用いられる「室温」は、通常約75°Fといった、現代の食料品店内において通常みられる室内の温度を示している。上記被覆剤における脂肪および他の成分については、当業者により知られている。通常、被覆するための脂肪は、融点が約90°から約98°Fであり、かつ約50°Fにおいて少なくとも約50%の固形分を有していてもよい。用語「脂肪をベースにした被覆剤」とは、例えばチョコレート、およびいわゆる合成の被覆剤を含んでおり、通常、砂糖および/または強化甘味料などの甘味料と、例えばバタースコッチや、通常ココアリカーとして供給される粉末のココアおよび他の香料などの風味成分と、がその中に分散されている、十分に連続的な脂肪相により特徴付けられる。脂肪に基づく被覆剤は、脂肪に基づくマトリクスを含んでよく、かつ脂肪および水溶性の香料の両方を盛り込むために用いられ得る。好ましくは、被覆剤は、ココアバターまたはココアバターの代用品、および望ましい風味成分、からなる脂肪のマトリクス内に、サッカロースの形において糖質を含み得る。
【0020】
本開示内容の製品を調製する際に使用するのに適した、典型的なチョコレート様の菓子の組成は、脂肪、甘味料、香料および乳化剤を含み得る。典型的なチョコレート風味の脂肪をベースにした被覆剤に関しては、重量の約5%から約40%までは、(固有の脂肪を多少含んでいるチョコレートリカーまたはココアを包含する)チョコレート人工香味料を含んでよく、重量の約25%から約45%まで(例えば約30%から約35%まで)は脂肪成分を含んでよく、かつ重量の約0.001%から40%は甘味料および/または充填剤を含んでよい。
【0021】
脂肪成分は、ココアバター、被覆する脂肪として用いるために特に調製したパーム核油、または被覆剤を形成するのに有効なあらゆる他の脂肪または脂肪の混合物、であってもよい。脂肪は、部分的にまたは完全に、低カロリー脂肪、または例えばオレストラ(olestra)またはサラトリム(salatrim)など脂肪の代用品、の形であってもよい。個体脂指数(SFI)について、被覆する脂肪に関する好ましい例はココアバターであり、ココアバターのSFIは、98°F以下の融解温度を有する急勾配の曲線である。ココアバターは、性質において他の脂肪により交換され、かつ模倣されることが可能であり、また通常はそうされている。大豆油および綿実油が、例えばパーム油、パーム核油、ココナッツ油、シアバターノキの実の油、イリッペ油などのように、好適な性質として用意され得る。
【0022】
甘味料の中でも、栄養素である糖の甘味料が挙げられ、甘さの強度の異なるものが手に入れられる。本開示内容のプロバイオティック食品では、低湿度、低水分活性(Aw)の被覆剤を構成しさえすれば、いかなる特定の種類の甘味料にも限定されない。本明細書に記載される食品に有用な甘味料は、例えば被覆剤の技術に通常用いられるものであり、例えば、サッカロース、フルクトース、ラクトース、マルトース、グルコース、グルコース・シロップ固形物、転化糖、加水分解されたラクトース、ハチミツ、かえで糖、黒砂糖、糖蜜などを含む。高い強度の甘味料は、(認可されているところでは)アスパルテーム、シクラメート、サッカリン、アセサルフェーム−K(acesulfame-K)、スクラロース(sucralose)、ネオヘスペリジン ジヒドロカルコン(neohesperidin dihydrochalcone)、アリテーム(alitame)、ステビア組成物(stevia compositions)、グリチルリジン、タウマチンなど、およびそれらの混合物を含む。マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコールは、サッカロースなど、栄養素の糖の甘味料により代用され得る。もし、高い強度の甘味料が望まれるなら、ポリデキシトロース(polydextrose)などの低カロリーの充填剤が、より典型的な形態において砂糖の代わりに用いられるものと同様の量において用いられ得る。砂糖の代用品または甘味のある糖アルコールは、栄養になる炭水化物の甘味料における全てまたは一部と、部分的に置き換わることができる。糖アルコールは、例えば、本技術分野において通常用いられるあらゆる糖アルコールであり、またソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトール(lactitol)などを含む。本明細書に示される充填剤は、技術的に通常用いられるあらゆる充填剤であってよく、またポリデキストロース、セルロース、およびその誘導体、マルトデキストリン(maltodextrin)、アラビアゴムなどを含み得る。好ましい甘味料はサッカロースである。
【0023】
本プロバイオティック食品において利用される被覆剤に含まれることが好ましい他の成分は、食用の乳化剤である。本開示内容におけるプロバイオティック食品への使用が考えられ得る乳化剤は、本技術分野において通常用いられるあらゆる乳化剤であってよく、また以下に限定されないが、例えば大豆、ベニバナ、トウモロコシなどの植物源に由来するレシチン;フォスファチジルコリンまたはフォスファチジルエタノールアミンのどちらか、またはその両方が濃縮されている、分画されたレシチン;そのモノおよびジグリセリド;食用の脂肪または油の、モノおよびジグリセリドにおける、1ナトリウムリン酸塩の誘導体;脂肪酸におけるポリグリセリンのエステル系溶剤;DATEM(モノおよびジグリセリドにおけるジアセチル酒石酸のエステル系溶剤);PGPR(ポリグリセリンのポリリシノール酸塩);ポリソルベート60、65および80;ソルビタン モノステアレート;ソルビタン トリステアレート、カラスムギ抽出物;などを含んでいる。
【0024】
本明細書に記載される脂肪に基づく被覆剤は、貯蔵中の分解をできるだけ少なくするために、通常低いAwまたは水分活性を有する。本明細書に用いられる用語「水分活性」および記号「Aw」は、平衡相対湿度(ERH)を100で割ったものに相当するものを参照し、かつ規定される。ERHは、平衡状態であり、製品が環境に対して水分を吸収することも失うこともしていない状態である。ERHは、全ての材料、特に、自由水または結合水として存在し得る水分の含量が高いものの組成により影響される。自由水の量は、貯蔵中における活性の分解という望まれない結果を起こし得るため、製品の貯蔵能力に影響する。
【0025】
典型的には、ここに用いられる脂肪に基づく被覆剤は、約0.5以下、およびより好ましくは約0.1以下の水分活性(Aw)を有してもよい。好ましくは、低いAwを有する脂肪に基づく被覆剤を有するプロバイオティック食品は、1ヶ月から約12ヶ月またはそれ以上の間、推奨される条件のもとで貯蔵されてもよい。
【0026】
本明細書に開示されるプロバイオティックの培養物の製品は、基本的に乾燥しており、かつ微量な水分しか含まないことが好ましい。加工過程において十分な量の水分を使用することは、被覆している脂肪および製品の安定性には通常適さない。
【0027】
食品の被覆剤に普通に見出される他の任意の成分がさらに存在し得る。これらの任意の成分は、例えば、脱脂乳の固形物、脱脂ココア固形物、砂糖の代用品、天然および人工の香料(例えばバニリン、香辛料、コーヒー、エチル バニリン、塩、ブラウン ナット−ミート(brown nut-meats)、天然のバニラなど、またはそれらの組み合わせなど)、酸化防止剤(例えば、TBHQ(t−ブチルヒドロキノン)、トコフェロールなどの防腐剤など)、タンパク質などである。被覆するための香料の中でも、ココア、チョコレート香料、乾燥コーヒーパウダー、フリーズドライ(FD)のピーチパウダー、ピーチ香料、バニラ香料OS、アンナット抽出物、クエン酸、FDストロベリーパウダー、ストロベリー香料などが挙げられる。他の実施形態において、香料の適した構成は、バター風の香料、生クリーム香料、カラメル様香料、および新鮮さと関連する他の香料からなる群より選択された少なくとも1つの要素について、香りをつけるのに有効な量を含む構成である。上述の香料はそれらによる知覚とある程度重複するが、これらの風味効果のうちどれについても、ある香料が十分な量存在するかどうかの検査は、機器によって得られた適切なデータ(例えばガスクロマトグラフィーなど)と、香料の専門家による評価とに基づくことが最も好ましい。具体的には、バター風の香料として同定されたものは、ジアセチル アセトイン、アセトール、酪酸、ガンマ ウンデカラクトン、ガンマ ノナラクトン、デルタ デカラクトン、アセチル メチル カルビノール、脂肪分解されたバター脂、およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物である。バニラ香料の代表例は、バニラの実の抽出物、バニリン、エチル バニリン、マルトール、ジヒドロ クマリン、ヘリオトロピン、およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物である。クリーム様または生クリームの香り付けの例は、バニリン、エチル バニリン、メープル ラクトン、ジアセチル、酪酸、ガンマ ウンデカラクトン、ガンマ ノナラクトン、デルタ デカラクトン、アセチル メチル カルビノール、カプロン酸、脂肪分解されたバター脂、およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物である。カラメルの香り付けの例は、バニリン、エチル バニリン、ガンマ ウンデカラクトン、ジヒドロ クマリン、カラメル カラー(caramel color)、およびこれらの2つまたはそれ以上の混合物である。他の好ましい香料としては、例えばジメチルスルフィド、酪酸エチル、ベズアルデヒド(bezaldehydo)、ブチル ブチリル ラクテート(butyl butyryl lactate)、にくずく油、レモン油などの、他のどんな新鮮な香り(freshnessnotes)をも含み得る。
【0028】
一実施形態において、脂肪に基づく物質の中に封入またはコーティングする方法は、出願人としてDSM IP Assets B.V.の名前が挙げられ、そのすべてを本願に引用して援用する、国際公報第2006/018119 A1号パンフレットに記載されている。
【0029】
(含有物)
本明細書に記載されるプロバイオティック食品は、含有物をさらに含んでよく、含有物は、好ましくは、所定のテクスチャーおよび/または風味を加えるために脂肪に基づく被覆剤に取り込まれる、好適な食品の乾燥した断片として存在する。好適な含有物の材料は、食品形態の中に導入される被覆剤部分の均質な組成を「妨害する」ことができる。これらの材料は、被覆剤またはプロバイオティックに関する限りでは、基本的に不活性である。以下「含有物」という、このような材料の例は、例えば膨らんだカラスムギ、小麦または米、カリカリにした米などの、膨張した穀物;押し出し機で膨張させた、例えば小麦、大豆、他の穀物などにおける練り粉の断片;例えばトウモロコシ、小麦、米、糠、カラスムギなどにおける穀物のフレーク;オートミールまたは押しオート麦;例えばペカン、ヘーゼルナッツ、ウォールナット、ピーナッツまたは他の種類のナッツなどの、刻んだナッツまたはナッツの断片;レーズン、または、例えばリンゴ、バナナ、ブルーベリー、クランベリー、カランツ、ナツメヤシ、マンゴー、オレンジ、パイナップル、ラズベリー、ストロベリーまたはスルタナなどにおける他の乾燥果実または果実の断片;ココナッツ;ハードまたはソフトキャンディーの一片;対照的な風味またはテクスチャーの、他の小さい一片;などが挙げられる。
【0030】
(栄養補助食品)
好ましくは、本発明に係るプロバイオティック食品は、プロバイオティックの培養物に加えて、有意な摂取量のカルシウムを含み得る。好ましくは、プロバイオティック食品は、例えばカルシウムに関するDV(「デイリーバリュー」)の少なくとも約20%(200mg)などというように、DVの少なくとも約10%のカルシウムを含み得る。用語「デイリーバリュー」(「DV」)は、米国食品医薬品庁により用いられ、かつポーラ・カーツウェイル(Paula Kurtzweil)により「Daily Values Encourage Healthy Diet」と題された回覧物(www.fda.gov/fdac/special/foodlabel/dvs.html)において明らかにされている意義として示される。当該回覧物は、DRVs(1日に推奨される量)が百分率DVを算出するための基となることを明らかにしている。以前には全く基準が存在していなかった栄養素について、DRVsが定められている。エネルギー産生性の栄養素(脂肪、炭水化物、タンパク質および繊維)は、1日当たりに消費されるカロリー数に基づく。表示する目的で、百分率DVを算出するための参照として、2,000カロリーが規定された。従って、日課の一部としてカルシウム栄養補助食品を摂取していた消費者は、カルシウムを供給するだけでなく、味が非常によく、かつプロバイオティクスの優れた安定な供給源である、本発明に係るプロバイオティック食品を、カルシウムを含んでいる栄養補助食品の代わりとすることが容易であることに気づくであろう。摂取されるカルシウムにおけるあらゆる典型的な原料が用いられ得るが、例えば乳酸カルシウム、カゼインカルシウムなど、乳製品原料からのものを用いることが好ましい。これらの原料に加えて、例えば殻からなどの、より典型的な炭酸カルシウムなどがさらに用いられ得る。他の実施形態において、当業者には周知である他の栄養補助食品を含み得る。
【0031】
(プレバイオティクス)
本明細書に開示されるプロバイオティック食品は、多数のプレバイオティクスを含み得る。プレバイオティクスは、腸に寄生する特定の細菌の成長を促進する、通常宿主の胃において分解されない物質である。記載される食品に含まれ得るプレバイオティクスは、例えばラクトースまたはタガトースなどの砂糖、および食物繊維である。当業者において知られる他のプレバイオティクスをさらに含み得る。
【0032】
本発明に係るプロバイオティック食品では、繊維を他の製品中のプロバイオティックの培養物と混ぜるときに通常行われるように、食物繊維をプレバイオティックとして用いて有利に食品形態化することができ、かつ安定性を大きく減少させることなしにこれを成し遂げることができる。従って、繊維は、プロバイオティクスの安定性を損なうことなく、製品における健康に良い性質に貢献する。その結果、健康な腸内細菌フローラを促進させる、より役に立つ製品となる。繊維は、好適な原料から供給されることができ、種々の野菜および果物の原料に由来するものを含み、精製した野菜の繊維(例えばチコリー植物の根から抽出したイヌリンなど);ジュースを絞る際におけるまたは他の食品調製工程における、副産物として主に入手できる、種々の果物の果肉および野菜の果肉(例えばリンゴの果肉、柑橘類の果肉、マンゴーの果肉、ブドウの果肉、クランベリーの果肉、およびビートの果肉など);および果物および野菜のピューレ(例えば新鮮な、および/または凍結された果物および野菜から調製されたピューレなど)を含んでいる。
【0033】
(製造)
本明細書に記載されるプロバイオティック食品は、味がよいのでそれらの消費を促し、使いやすくかつ安定な形にて、生きている生物および好ましくは他の栄養素を有意な濃度において有する、スナックまたは食事の導入物を提供することができる。それらは簡単に調製され得るが、製品の安定性のためのプロセスは非常に重要である。好ましい一形態では、該プロセスとして、好適な、しかし処理を遅滞させるかまたは非効率にさせるほど高すぎない温度において、被覆剤の脂肪を融解させることを必要とする。例えば、パーム核油は、約110から約130°F(例えば、約120°F)において完全に融解する。この融解した脂肪には、色素、香料などだけでなく、例えば繊維およびカルシウム補助食品などの栄養素を加えることができる。脂肪の混合物および加えられる材料は、均質になるまで混合されることが好ましい。混合した後、混合物をプロバイオティック菌株に完全に適合する温度まである程度冷却し、脂肪により完全に被覆されるようにプロバイオティック菌株を十分に混合する。この作業に続いて、もしあれば含有物を加えた後、混ぜる。最終的な混合物は、その後、食事量の制限のために要求される成形に備えられる。
【0034】
例えば糖菓の棒およびスナック棒における製造についての手段など、食品科学において当業者に知られる標準的な製造手段が用いられ得る。特に、Bernard Minifie, CHOCOLATE, COCOA, AND CONFECTIONERY : Science And Technology (Springer 3rd ed., 1989)(1970)における手段は、そのすべてが本願に引用され援用される。
【0035】
(包装および使用)
本発明に係るプロバイオティック食品を供給するための好ましい形態は、約20グラムにおける単一の一食分の棒であり、好ましくは、例えば金属化した多層のポリマーフィルムなど、十分な防湿のフィルムのような、湿気が通り抜けられない包みの中に包装される形態である。フィルムは、湿気または水蒸気の転送速度が0.0グラム/(メートルx日)であることが好ましい。コールドシールされるフローラップなど、本技術分野において知られている良好な防湿壁を備える標準的なフィルム素材を用いることができる。
【0036】
本明細書に記載されるプロバイオティック食品は、記載されるように包装および貯蔵される際、有効期間の最後において、1グラム当たり約4億CFU、より好ましくは1グラム当たり6億CFU、さらにより好ましくは1グラム当たり8億CFU、および最も好ましくは1グラム当たり約10億CFUを含み得る。
【0037】
有効期間の最後において望ましいCFU量を保証するために、プロバイオティック食品は、好ましくは製造時に1グラム当たり約5億CFU、より好ましくは1グラム当たり8億CFU、さらにより好ましくは1グラム当たり1.0CFU、および最も好ましくは1グラム当たり約12億CFUとともに作製される。貯蔵中に培養物をある程度失うことを見越して、このようにしている。
【0038】
CFUsにて測定されるような生きている培養物の損失を約20%以下、またはさらに好ましくは10%以下にすることにより、少なくとも1ヶ月、好ましくは少なくとも3ヶ月、好ましくは少なくとも9ヶ月、およびさらに好ましくは少なくとも12ヶ月の間、冷蔵温度にて培養物の安定性を保証するために、包装および食物の水分活性を選択することが好ましい。比較のために、新鮮なヨーグルトは通常、冷蔵される有効期間が45日である。本明細書に用いられる「冷蔵温度」または「冷蔵貯蔵」は、現代の食料品店の冷蔵貯蔵における温度にて貯蔵することであり、例えば約0°Fから約50°Fまでであり、より好ましくは約33°Fから約50°Fである。
【0039】
好ましい実施形態では、「使用」または「販売」期間は、個々の包装上に書き記される。「使用」期間は、通常、最終消費者に関する期間を意味し、それに基づいて製品が消費されるべきである。「使用」期間は、通常有効期間の最後を示す。「販売」期間は、通常、最終小売人に関する期間を意味し、それに基づいて製品が販売されるべきである;通常、製品は「販売」期間の数日後に消費され得る。当然ながら、「使用」または「販売期間」のような同じ情報を伝達する他の言葉、例えば「最良」、「賞味」、「最も好ましい賞味」または「消費」期間をもまた用い得る。本明細書に記載されるプロバイオティック食品の前後関係においては、「使用」または「販売」期間は、生きている培養物(CFUs)の望まれる最低限の水準が保証される期間を示す。
【0040】
本明細書におけるプロバイオティック食品は、健康な腸内細菌フローラを促進するために、例えば、少なくとも週に2回、好ましくは週当たり5回、およびより好ましくは毎日の基礎としてなど、規則正しく計画的に消費されることにより、利用されることが好ましい。
【0041】
(実施例)
以下の例は、本明細書に記載されるプロバイオティック製品、およびその製造方法をさらに例証しかつ説明するために提供され、いかなる点にも限定していない。特に示されない限り、全ての部分および割合は、特定の基準点にて組成における重量に基づいている。
【0042】
<実施例1>
以下の食品形態および手順により調製された、棒当たり260億CFUの混合培養物を含む、チョコレート風味の糖菓の棒。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

手順
1.被覆剤を120°Fに融解する。
2.95°F〜110°Fに冷却した後、プロバイオティック培養物を加える。
3.チョコレート被覆剤をこねる。
4.米のクリスプを混ぜ合わせる。
5.鋳型の中に入れた後、65°Fに冷却する。
6.鋳型から取り出した後、包装する。
【0045】
<実施例2>
以下の食品形態および手順により調製された、棒当たり260億CFUの混合培養物を含む、ブルーベリー風味の糖菓の棒。
【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

手順
1.被覆剤を120°Fに融解する。
2.95°F〜110°Fに冷却した後、ブルーベリー香料およびプロバイオティック菌株を加える。
3.チョコレート被覆剤をこねる。
4.米のクリスプおよびフリーズドライのブルーベリーを混ぜ合わせる。
5.鋳型の中に入れた後、65°Fに冷却する。
6.鋳型から取り出した後、包装する。
【0048】
<実施例3>
以下の食品形態および手順により調製された、棒当たり140億CFUの混合培養物を含む、糖菓の被覆剤を上に乗せたストロベリー風味のグラノーラ棒。
【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

手順
シロップ:
1.シロップの液体材料と乾燥させたサトウキビジュースとを混ぜ合わせた後、120°Fに加熱する。
2.ヨーグルトパウダー、乳漿タンパク質、イヌリンおよび炭酸カルシウムをシロップに混ぜた後、滑らかなスラリーになるまで混ぜる。
プロバイオティックを有する白色被覆剤:
1.複合ヨーグルト被覆剤を95°F〜110°Fに融解する。
2.プロバイオティック培養物を加えた後、十分に混ぜ合わせる。
グラノーラ棒:
1.全てのグラノーラ材料を混ぜ合わせる。
2.加熱したシロップをグラノーラ材料に加えた後、均一に覆われるまで混ぜる。
3.厚板を形作るために、グラノーラおよびシロップの混合物を押しつける。
4.固化した後、32グラムの棒、およびプロバイオティクスを有する白色被覆剤8グラムによる下部の層に切断する。
5.包装する。
【0054】
上述の記載は、本明細書に示される開示内容を利用するための方法を、技術的に通常の能力を有する者に教えるためのものである。熟練した職人が上記記載を読むことで明らかとなり得る、明白な改良および変更のすべてを詳しく述べるものではない。しかしながら、このようなあらゆる明白な改良および変更は、本特許請求の範囲の中に含まれるものである。本特許請求の範囲は、明確に正反対のことを文脈が示していない限り、そこで意図される目的を満たすために有効であるあらゆる手順において必要とされる構成要素およびステップを包含するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々に分離したプロバイオティック食品であって、
実質的に連続的な、脂肪をベースとする被覆剤によって、完全に包まれている乾燥したプロバイオティックの培養物を、内部に分散して含んでおり、
上記脂肪をベースとする被覆剤の水分活性は略0.1から略0.5までであり、かつ、上記プロバイオティック食品は、略0°Fおよび略50°Fの間の温度におかれて、実質的に防湿の包みの中に包装されており、
上記実質的に防湿の包みには、使用または販売期間が載せられており、
上記培養物は、上記使用または販売期間において、上記食品の1グラム当たり少なくとも略4億コロニー形成単位(CFUs)の量にて生きている培養菌を含んでおり、およびに、
上記プロバイオティック食品は、室温において実質的に固体であることを特徴とする個々に分離したプロバイオティック食品。
【請求項2】
上記培養物は、上記使用または販売期間において、上記食品の1グラム当たり少なくとも略6億CFUsの量にて生きている菌株を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項3】
上記培養物は、上記使用または販売期間において、上記食品の1グラム当たり少なくとも略8億CFUsの量にて生きている菌株を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項4】
上記培養物は、上記使用または販売期間において、上記食品の1グラム当たり少なくとも略10億CFUsの量にて生きている菌株を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項5】
上記被覆剤の上記水分活性は略0.2から略0.4までであることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項6】
上記温度は略33°Fから略50°Fの間であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項7】
上記温度は略40°Fから略45°Fの間であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項8】
上記食品は、重さが略10から略45グラムまでの棒の形であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項9】
上記食品は、重さが略10から略25グラムまでの棒の形であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項10】
上記脂肪をベースとする被覆剤は、チョコレートまたはチョコレートの代用品を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項11】
カルシウムの栄養補助食品をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項12】
プレバイオティックをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項13】
上記プレバイオティックは、ラクトース、タガトースおよび食物繊維からなる群より選択されることを特徴とする請求項11に記載の食品。
【請求項14】
上記プレバイオティックは食物繊維であることを特徴とする請求項13に記載の食品。
【請求項15】
上記食物繊維はイヌリンであることを特徴とする請求項14に記載の食品。
【請求項16】
穀物全体、ナッツ、米のクリスプ、パフト・コムギ、ミレット、大豆、および乾燥果実からなる群より選択される含有物を圧縮したマトリクスをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項17】
乾燥した活動性の上記培養物は、ラクトバシラス アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ビフィドバクテリウム ラクチス(Bifidobacterium lactis)、およびラクトバシラス カゼイ(Lactobacillus casei)からなる群より選択される微生物を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の食品。

【公表番号】特表2009−523027(P2009−523027A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550370(P2008−550370)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/000590
【国際公開番号】WO2007/081981
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508208513)
【氏名又は名称原語表記】ATTUNE FOODS
【住所又は居所原語表記】535 Pacific Avenue,3rd Floor,San Francisco,California 94133,United States of America
【Fターム(参考)】