説明

プロヒビチン産生促進剤

【課題】 プロヒビチンの産生を促進する成分を見出し、種々の皮膚症状に応用することが可能なプロヒビチン産生促進剤、およびそれらのプロヒビチン産生促進剤を含有する皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】 ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤、およびそれらのプロヒビチン産生促進剤を含有する皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤、およびそれらのプロヒビチン産生促進剤を含有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、様々な有効成分の検索および配合検討がなされてきた。
【0003】
例えば、肌に対して機能的に働くタンパク質およびペプチドとして、真皮の主要な構成成分であるコラーゲンが挙げられる。コラーゲンは、保湿作用に優れた安全性の高い保湿剤として、また皮膚の老化防止、改善作用を有する抗老化剤として、皮膚外用剤や機能性経口組成物などに応用され、上市されている。かかるコラーゲンとしては、魚類に由来する海洋性コラーゲン(特許文献1参照)や、植物由来のコラーゲン類似タンパク質(特許文献2参照)などが知られている。また、その他の機能性タンパク質としては、蚕の繭から得られるセリシン(特許文献3参照)が挙げられる。セリシンは抗酸化作用、美白作用、および保湿作用をもつ界面活性剤(特許文献4参照)などとして知られている。
【0004】
プロヒビチンは、ミトコンドリア内膜に局在しているタンパク質である。プロヒビチン(プロヒビチン1)とプロヒビチン2が複合体を形成し、細胞周期の調節や、膜透過性のシグナル伝達、寿命のコントロールに関与していると示唆されている。その他、転写やアポトーシス、ミトコンドリアの呼吸活性、細胞の老化の調節に関与しているとも示唆されている。(非特許文献1参照)また、線虫ではプロヒビチン1の老化や初期発生への関与(非特許文献2参照)が報告されており、培養新生児心筋細胞においては、プロヒビチンを過剰発現させると、酸化ストレスによる傷害からミトコンドリアを保護する(非特許文献3参照)という報告がある。その他にも、ラット肝臓において、カロリー制限下における寿命延伸作用にプロヒビチンが関与している可能性(非特許文献4参照)や結腸において、プロヒビチンがTNF−α誘導によるNF−κBの核転座を阻害し、バリア障害を防ぐこと(非特許文献5参照)などが示唆されている。
【0005】
このように、プロヒビチンには種々の機能があることが示唆されており、その機能が明らかにされることが期待されている。しかしながら、プロヒビチンのヒト皮膚細胞における生理的作用および効果については、現状として詳細な検討はなされておらず、未だ不明な点は多い。そして、プロヒビチンを皮膚外用剤、特に化粧料などに用いた例は報告されていなかった。
【0006】
そこで、本発明者らは、プロヒビチンが皮膚に対して何らかの有利な作用を発揮しているのではないかとの仮説のもとに種々の検討を行った。これらの検討の結果、本発明者らは、プロヒビチンが皮膚において保湿作用、抗老化作用、光老化抑制作用および美白作用を発揮することを見出した。
【0007】
【特許文献1】特開2003−92997号公報
【特許文献2】特開平6−107517号公報
【特許文献3】特開平4−202435号公報
【特許文献4】特開平11−276876号公報
【非特許文献1】Kasashima K,et al. J Biol Chem. 2006 Nov 24;281(47):36401−10
【非特許文献2】Artal−Sanz M,et al. J Biol Chem. 2003 Aug 22;278(34):32091−9
【非特許文献3】Liu X,et al. Cell Stress Chaperones. 2009 May;14(3):311−9
【非特許文献4】Takahashi S,et al. Biochem Biophys Res Commun. 2011 Feb 18;405(3):462−7
【非特許文献5】Theiss A,et al. Mol Biol Cell. 2009 Oct;20(20):4412−23
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プロヒビチンが皮膚において保湿作用、抗老化作用、光老化抑制作用および美白作用を発揮することが明らかとなったことから、プロヒビチンの産生を促進する事により、保湿作用、抗老化作用、光老化抑制作用および美白作用による皮膚症状の予防や改善が可能であることが示された。これより、本発明者らはプロヒビチンの産生を促進する成分を見出し、さまざまな皮膚症状に応用することが可能なプロヒビチン産生促進剤を提供することを目的とし、種々の検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、天然由来の種々の成分に関して、プロヒビチンの産生促進作用についての検討を行った。その結果、ユーカリおよびウコンより得られる抽出物に優れたプロヒビチン産生促進作用を見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤、およびそれらのプロヒビチン産生促進剤を含有する皮膚外用剤に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を配合することにより、優れた効果を発揮するプロヒビチン産生促進剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の原料として用いられるユーカリ(Eucalyptus globulus)は、フトモモ科ユーカリ属の常緑高木である。オーストラリアの南東端部とタスマニア島に分布するが、耐寒性があり生育が早いので世界各地で造林・植林用に用いられる。葉からは精油が採取され、薬用、殺虫、香料などに用いられる。精油の主要成分はシネオールである。
【0013】
本発明の原料として用いられるウコン(Curcuma Longa)は、ショウガ科ウコン属の多年草である。熱帯アジア、アフリカ、オーストラリアなどに広く分布している。香辛料、染料、薬用などに用いられる。
【0014】
これらの植物を使用する際は、原体や乾燥物を用いてもよいが、各種溶媒を用いて抽出した抽出物を用いるのが好ましい。抽出には、植物の全草、茎、葉、花、種子、根、地下茎、果実、芽などのいずれの部位を用いても構わないが、有効性や簡便性の点からは、ユーカリは幼葉を、ウコンは根を用いるとよい。抽出の際は、生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。抽出は、抽出溶媒に浸漬するか、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
【0015】
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1、3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界流体や亜臨界流体を用いてもよい。
【0016】
各植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもでき、これらの生理作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理やカラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。前記抽出物やその処理物および分画物は、各処理および分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。
【0017】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物は、優れたプロヒビチン産生促進作用を有し、プロヒビチン産生促進剤として利用することができる。
【0018】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤は、単独でも使用することができるが、プロヒビチン産生促進剤として医薬品、医薬部外品、飲食品、化粧品などの種々の組成物に配合することにより、プロヒビチン産生促進作用を有する組成物を得ることができる。
【0019】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤は、その形態およびその他成分の配合の有無等については、なんら制限されない。形態については、液状、ペースト状、ゲル状、固体状、粉末状等の任意の形態を、その用途等に応じて選択でき、その形態とするために必要なビヒクル(賦形剤)、溶剤、その他の一般的な添加剤(酸化防止剤、着色剤、分散剤等)を任意に含むことができる。
【0020】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤を配合する組成物は、任意の剤型をとることができる。組成物が皮膚化粧料、毛髪用化粧料、洗浄料等の場合には、ローションなどの可溶化系やカラミンローション等の分散系、クリームや乳液などの乳化系として提供することができる。さらに、噴射剤と共に充填するエアゾール形態、軟膏剤、パップ剤などの種々の剤型で提供することができる。
【0021】
具体的には、乳液、クリーム、ローション、化粧水、パック、美容液、洗浄料、メイクアップ化粧料等の各種化粧料;液剤、軟膏、粉末、顆粒、エアゾール剤、貼付剤、パップ剤等の様々な形態の化粧料、医薬部外品や外用医薬品などが例示できる。
【0022】
また、経口用医薬品等の場合には、ドリンク剤・点滴剤などの液剤、ガム・飴のような固形剤、カプセル、粉末、顆粒、錠剤などの一般的な剤型とすることができる。
【0023】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤を配合する組成物には、これらの他に、その用途と必要に応じて、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪用化粧料、洗浄料、および経口用医薬品等に通常配合される任意の成分、例えば水、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、ゲル化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、抗炎症剤、増粘剤、pH調整剤、キレート剤、薬剤(薬効成分)、香料、樹脂、防菌防かび剤、抗酸化剤、アルコール類等を適宜配合することができる。さらに、本発明の効果を損なわない範囲において、他の保湿剤、抗老化剤、美白剤、抗酸化剤および痩身剤あるいは各種植物/菌類またはその抽出物との併用も可能である。
【0024】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤の種々の組成物への配合量は、組成物の種類や目的等によって調整することができるが、効果や安定性などの点から、全量に対して、0.0001〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.001〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.01〜5.0質量%である。
【実施例】
【0025】
以下にプロヒビチン産生促進効果を評価するための試験方法についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
【0026】
[試料1]
ユーカリ抽出物として、商品名「ユーカリエキスET」(日油社製)を用いた。
【0027】
[試料2]
ウコン抽出物として、商品名「熱帯ウコンエキスBG」(日油社製)を用いた。
【0028】
上記試料を用いて、プロヒビチン産生促進効果の評価を行った。
【0029】
<cDNA合成>
正常ヒト表皮角化細胞NHEKを1ウェルあたり1.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはHumedia−KG2(クラボウ社製NHEK増殖培地)を用いた。24時間培養後、任意の濃度に調製した試料を添加したKG2培地に交換し、さらに24時間培養した。mRNAの抽出およびcDNA合成にはSuperScriptIII cells direct cDNA Synthesis System(Invitrogen社製キット)を使用した。
【0030】
<プロヒビチンmRNA発現量の測定>
前項のcDNA合成で得たcDNAをテンプレートとし、real−time PCR法によりプロヒビチンのmRNA発現量を測定した。評価機器としてApplied Biosystems 7900HT Fast リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems Japan社製)を用いた。試薬にはSYBR Premix Ex Taq II(タカラバイオ社製)を、プロヒビチンのセンス側プライマー 5’−GTTCTCGACCACGTAATGTGC−3’およびアンチセンス側プライマー 5’−AGCACACGCTCATCATAGTCC−3’もしくはGAPDHのセンス側プライマー 5’−CCACTCCTCCACCTTTGACG−3’およびアンチセンス側プライマー 5’−CACCCTGTTGCTGTAGCCAA−3’を用いた。プロヒビチンの測定値をGAPDHの測定値で補正し、エキス処理によるプロヒビチンの発現促進作用の評価結果を、評価エキス未処理の値をコントロールとして、相対値にて表1および表2に示す。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
表1および表2より明らかなように、ユーカリエキスおよびウコンエキスには、優れたプロヒビチン産生促進作用が認められた。
【0034】
続いて、プロヒビチン産生促進剤を配合した皮膚外用剤の処方例を示すが、本発明のプロヒビチン産生促進剤を配合する組成物は、これらに限定されるものではない。なお
、各処方例に配合したプロヒビチン産生促進剤には、試料1および2を用いた。
【0035】
[実施例1]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)カルボキシビニルポリマー 0.15
(10)精製水 100とする残部
(11)アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
(12)プロヒビチン産生促進剤 2.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。冷却後40℃にて、(11)と(12)を順次加え、均一に混合する。
【0036】
[実施例2]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 100とする残部
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(9)プロヒビチン産生促進剤 1.0
製法:(1)に(2)および(3)を溶解する。さらに(4)〜(8)を順次添加した後、十分に攪拌し、(9)を加え、均一に混合する。
【0037】
[実施例3]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(10)精製水 100とする残部
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
(12)プロヒビチン産生促進剤 5.0
製法:(1)〜(6)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(7)〜(10)の水相成分を80℃にて加熱溶解する。これに前記油相成分を攪拌しながら加え、ホモジナイザーにより均一に乳化する。(11)を添加して攪拌後、冷却し40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0038】
[実施例4]美容液
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(8)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステリル−2−オクチルドデシル) 2.0
(9)硬化パーム油 2.0
(10)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(11)ベヘニルアルコール 0.75
(12)ミツロウ 1.0
(13)ホホバ油 1.0
(14)1,3−ブチレングリコール 10.0
(15)L−アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
(16)プロヒビチン産生促進剤 3.0
製法:(1)〜(6)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(14)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。次いで、上記水相成分に油相成分を添加して予備乳化を行った後、ホモミキサーにて均一に乳化する。冷却後50℃にて(15)を、40℃にて(16)を加え、均一に混合する。
【0039】
[実施例5]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー 0.5(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)エタノール 10.0
(5)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(6)香料 0.1
(7)プロヒビチン産生促進剤 0.5
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
製法:(1)を(2)に加え、均一に攪拌した後、(3)を加える。均一に攪拌した後、(4)に予め溶解した(5)を加える。均一に攪拌した後、予め混合しておいた(6)〜(8)を加え、均一に攪拌混合する。
【0040】
[実施例6]クレンジング料
(1)スクワラン 81.0(質量%)
(2)イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 15.0
(3)プロヒビチン産生促進剤 4.0
製法:(1)と(2)を均一に溶解する。これに、(3)を加え、均一に混合する。
【0041】
[実施例7]洗顔フォーム
(1)ステアリン酸 16.0(質量%)
(2)ミリスチン酸 16.0
(3)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(4)グリセリン 25.0
(5)水酸化ナトリウム 7.5
(6)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0
(7)精製水 100とする残部
(8)プロヒビチン産生促進剤 0.1
製法:(1)〜(4)の油相成分を80℃にて加熱溶解する。一方(5)〜(7)の水相成分を80℃にて加熱溶解し、油相成分と均一に混合攪拌する。冷却後40℃にて(8)を加え、均一に混合する。
【0042】
[実施例8]メイクアップベースクリーム
(1)スクワラン 10.2(質量%)
(2)セタノール 2.0
(3)グリセリントリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.5
(4)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(5)プロピレングリコール 11.0
(6)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(7)精製水 100とする残部
(8)酸化チタン 1.0
(9)ベンガラ 0.1
(10)黄酸化鉄 0.4
(11)香料 0.1
(12)プロヒビチン産生促進剤 3.0
製法:(1)〜(4)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(5)〜(7)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(8)〜(10)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散させる。この水相成分に前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0043】
[実施例9]乳液状ファンデーション
(1)メチルポリシロキサン 2.0(質量%)
(2)スクワラン 5.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0
(4)セタノール 1.0
(5)ポリオキシエチレン(20E.O.)
ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 0.7
(7)1,3−ブチレングリコール 8.0
(8)キサンタンガム 0.1
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)精製水 100とする残部
(11)酸化チタン 9.0
(12)タルク 7.4
(13)ベンガラ 0.5
(14)黄酸化鉄 1.1
(15)黒酸化鉄 0.1
(16)香料 0.1
(17)プロヒビチン産生促進剤 0.5
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解する。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合し、75℃にて加熱溶解し、これに(11)〜(15)の顔料を加え、ホモミキサーにて均一に分散する。油相成分を加え、乳化を行う。冷却後40℃にて(16)と(17)の成分を順次加え、均一に混合する。
【0044】
[実施例10]油中水型エモリエントクリーム
(1)流動パラフィン 34.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)ワセリン 5.0
(4)ジグリセリンオレイン酸エステル 5.0
(5)塩化ナトリウム 1.3
(6)塩化カリウム 0.1
(7)プロピレングリコール 3.0
(8)1,3−ブチレングリコール 5.0
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)プロヒビチン産生促進剤 3.0
(11)精製水 100とする残部
(12)香料 0.1
製法:(5)と(6)を(11)の一部に溶解して50℃とし、50℃に加熱した(4)に攪拌しながら徐々に加える。これを混合した後、70℃にて加熱溶解した(1)〜(3)に均一に分散する。これに(7)〜(10)を(11)の残部に70℃にて加熱溶解したものを攪拌しながら加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(12)を加え、均一に混合する。
【0045】
[実施例11]パック
(1)精製水 100とする残部(質量%)
(2)ポリビニルアルコール 12.0
(3)エタノール 17.0
(4)グリセリン 9.0
(5)ポリエチレングリコール(平均分子量1000) 2.0
(6)プロヒビチン産生促進剤 1.0
(7)香料 0.1
製法:(2)と(3)を混合し、80℃に加温した後、80℃に加温した(1)に溶解する。均一に溶解した後、(4)と(5)を加え、攪拌しながら冷却する。40℃にて(6)と(7)を加え、均一に混合する。
【0046】
[実施例12]入浴剤
(1)香料 0.3(質量%)
(2)プロヒビチン産生促進剤 3.0
(3)炭酸水素ナトリウム 50.0
(4)硫酸ナトリウム 46.7
製法:(1)〜(4)を均一に混合する。
【0047】
[実施例13]ヘアーワックス
(1)ステアリン酸 3.0(質量%)
(2)マイクロクリスタリンワックス 2.0
(3)セチルアルコール 3.0
(4)高重合メチルポリシロキサン 2.0
(5)メチルポリシロキサン 5.0
(6)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)1,3−ブチレングリコール 7.5
(9)アルギニン 0.7
(10)精製水 100とする残部
(11)プロヒビチン産生促進剤 2.0
(12)香料 0.1
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、75℃にて加熱溶解後する。一方、(7)〜(10)の水相成分を75℃にて加熱溶解し、前記油相成分を加え、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃にて(11)と(12)の成分を加え、均一に混合する。
【0048】
[実施例14]ヘアートニック
(1)エタノール 50.0(質量%)
(2)精製水 100とする残部
(3)プロヒビチン産生促進剤 3.0
(4)香料 0.1
製法:(1)〜(4)の成分を混合、均一化する。
【0049】
実施例1〜実施例14に示した皮膚外用剤は、プロヒビチン産生促進作用を有する組成物であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーカリおよび/またはウコンの抽出物を含有することを特徴とするプロヒビチン産生促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載のプロヒビチン産生促進剤を含有する皮膚外用剤。

【公開番号】特開2013−79208(P2013−79208A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219730(P2011−219730)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】