説明

プロピレン系多層シートおよびそれを用いた加圧処理用包装袋

【課題】柔軟性、透明性、耐衝撃性、耐熱性、ヒートシール特性、クリーン性に優れ、且つ、多層成形時の外観不良や厚み変動等が発生しにくく成形性に富み、又、薄肉化してもシート基材強度低下抑制効果に優れる多層シートおよび加圧処理用包装袋の提供。
【解決手段】外層、中間層および内層の順で少なくとも3層からなる多層シートであり、中間層に、メタロセン系触媒で逐次重合して得られた特定のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(G1)および(G2)からなるプロピレン系樹脂組成物(A)、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)およびプロピレン系樹脂(C)を含有した樹脂組成物(X)、外層に特定のプロピレン系樹脂組成物(Y)、内層に特定のプロピレン系樹脂組成物(Z)からなる多層シート、それから得られる加圧処理用包装袋による。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
外層、中間層および内層の順で少なくとも3層からなる多層シートであり、各層が下記の条件を満たすことを特徴とするプロピレン系多層シート。
[中間層]
中間層を構成するプロピレン系樹脂組成物(X)が、下記条件(A−i)〜(A−iii)を満たすプロピレン系樹脂組成物(A)45〜89wt%、下記条件(B−i)〜(B−ii)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(B)10〜30wt%および下記条件(C−i)〜(C−ii)を満たすプロピレン系樹脂(C)1〜25wt%を含有する。
・プロピレン系樹脂組成物(A)
(A−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度Tm(A1)が125〜135℃、エチレン含有量E(A1)が1.5〜3.0wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A1)を50〜60wt%、第2工程でエチレン含有量E(A2)が8〜14wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(A2)を50〜40wt%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体であること
(A−ii)メルトフローレート(MFR(A):230℃、2.16kg)が4〜10g/10分の範囲であること
(A−iii)固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表すtanδ曲線のピークが0℃以下に単一のピークを示すこと
・エチレン−α−オレフィン共重合体(B):
(B−i)密度が0.860〜0.900g/cmの範囲であること
(B−ii)メルトフローレート(MFR(B):190℃、2.16kg)が1.5〜10g/10分の範囲であること
・プロピレン系樹脂(C)
(C−i)融解ピーク温度Tm(C)が150〜165℃の範囲であること
(C−ii)メルトフローレート(MFR(C):230℃、2.16kg)が2〜15g/10分の範囲であること
[外層]
外層を構成するプロピレン系樹脂組成物(Y)は、下記条件(D−i)〜(D−ii)を満たすプロピレン系樹脂(D)を含有する。
・プロピレン系樹脂(D)
(D−i)融解ピーク温度Tm(D)が135〜165℃の範囲であること
(D−ii)メルトフローレート(MFR(D):230℃、2.16kg)が4〜15g/10分の範囲であること
[内層]
内層を構成するプロピレン系樹脂組成物(Z)は、メルトフローレート(MFR(Z):230℃、2.16kg)が2〜10g/10分の範囲である、プロピレン系樹脂組成物(Z1)もしくはプロピレン系樹脂組成物(Z2)のいずれかを含有する。
・プロピレン系樹脂組成物(Z1)
プロピレン系樹脂組成物(Z1)は、下記条件(E−i)〜(E−ii)を満たすプロピレン−エチレンランダム共重合体(E)85〜99wt%と、下記条件(F−i)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(F)1〜15wt%を含有する。
・・プロピレン−エチレンランダム共重合体(E)
(E−i)温度昇温溶離分別法(TREF)で測定した40℃以下の可溶分(S40)が7.5wt%以下であること
(E−ii)融解ピーク温度Tm(E)が130〜145℃の範囲であること
エチレン−α−オレフィン共重合体(F)
・・エチレン−α−オレフィン共重合体(F)
(F−i)密度が0.860〜0.900g/cmの範囲であること
・プロピレン系樹脂組成物(Z2)
プロピレン系樹脂組成物(Z2)は、下記条件(G−i)〜(G−ii)を満たすプロピレン系樹脂組成物(G)45〜89wt%、下記条件(H−i)を満たすエチレン−α−オレフィン共重合体(H)10〜30wt%および下記条件(I−i)を満たすプロピレン系樹脂(I)1〜25wt%を含有する。
・・プロピレン系樹脂組成物(G)
(G−i)メタロセン系触媒を用いて、第1工程でDSC測定における融解ピーク温度Tm(G1)が125〜135℃、エチレン含有量E(G1)が1.5〜3.0wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(G1)を50〜60wt%、第2工程でエチレン含有量E(G2)が8〜14wt%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(G2)を50〜40wt%逐次重合することで得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体であること
(G−ii)固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、−60〜20℃の範囲において観測されるガラス転移を表すtanδ曲線のピークが0℃以下に単一のピークを示すこと
・・エチレン−α−オレフィン共重合体(H)
(H−i)密度が0.860〜0.900g/cmの範囲であること
・・プロピレン系樹脂(I)
(I−i)融解ピーク温度Tm(I)が150〜165℃の範囲であること
【請求項2】
請求項1に記載のプロピレン系多層シートを用いることを特徴とする加熱処理用包装体。
【請求項3】
加熱処理用包装体が輸液バックであることを特徴とする請求項2に記載の加熱処理用包装体。

【公開番号】特開2011−68116(P2011−68116A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26364(P2010−26364)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(596133485)日本ポリプロ株式会社 (577)
【Fターム(参考)】