説明

プロピレン系樹脂組成物およびその用途

【課題】機械強度、透明性および耐白化性(延伸時・熱処理時)に特に優れるとともに、耐衝撃性、耐傷付き性、柔軟性、透明性、伸縮性、室温および高温でのゴム弾性にも優れるプロピレン系重合体組成物を提供すること。
【解決手段】本発明のプロピレン系重合体組成物(X3)は、特定のプロピレン系重合体(A3) 10〜98重量%と、以下の要件(b1)等をすべて満たす軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B3) 2〜90重量%とを含んでなる;(b1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にある。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A3)プロピレン由来の構成単位を90モル%以上含み、23℃のノルマルデカンに不溶であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体 10〜98重量%と、
(B3)以下の要件(b1)〜(b5)をすべて満たす軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体 2〜90重量%とを含んでなることを特徴とするプロピレン系重合体組成物(X3);
(b1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範囲にある。
(b2)示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が100℃未満または融点が観測されない。
(b3)プロピレン由来の構成単位を60〜75モル%、エチレン由来の構成単位を10〜14.5モル%、および炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10.5〜30モル%有する(ここで、プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位および炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計は100モル%である。)。
(b4)13C−NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm分率)が85〜97.5%。
(b5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された分子量分布(Mw/Mn)の値が1.0〜3.0の範囲にある。
【請求項2】
前記(A3)プロピレン系重合体の示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が110〜170℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物(X3)。
【請求項3】
さらに(C3)エチレン系重合体またはスチレン系重合体から選ばれ、ショアーA硬度が95以下および/またはショアーD硬度が60以下の範囲にある少なくとも1つ以上の重合体を含み、(A3)プロピレン系重合体と(B3)軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体との合計100重量部に対し、(C3)成分の合計が1重量部〜40重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系重合体組成物(X3)。
【請求項4】
前記(A3)プロピレン系重合体、前記(B3)軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体および下記プロピレン系重合体組成物(X3−1)についてそれぞれ測定した、パルスNMR(ソリッドエコー法、プロトン観測)による磁化強度の1000μsまでの横緩和による減衰強度が、t(観測時間)500〜1000(μs)のすべての範囲において以下の関係式3−1を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X3);
M(t)A×(1−fB)+M(t)B×fB−M(t)X-1≧0.02 …3−1
M(t)A:プロピレン系重合体組成物(X3)に用いたプロピレン系重合体(A3)を測定したときの時刻tにおける減衰強度
M(t)B:プロピレン系重合体組成物(X3)に用いた軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B3)を測定したときの時刻tにおける減衰強度
M(t)X-1:プロピレン系重合体組成物(X3)中に存在する重合体(A3)および共重合体(B3)の割合と同じ重量比となるように、プロピレン系重合体(X3)に用いたプロピレン系重合体(A3)を含むポリプロピレンと、プロピレン系重合体組成物(X3)に用いた軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B3)とを溶融混練して得られるプロピレン系重合体組成物(X3−1)を測定したときの時刻tにおける減衰強度
B:プロピレン系重合体組成物(X3)中に存在する軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B3)の、プロピレン系重合体(A3)および軟質プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B3)の合計に対する重量比(0.02≦fB≦0.90)
(ここで、t(観測時間)は500〜1000(μs)であり、M(t)A、M(t)BおよびM(t)X-1はそれぞれ0〜1に規格化(減衰強度の最大値を1とする)されている。)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X3)からなることを特徴とする成形体。
【請求項6】
前記成形体がフィルム、シート、ブロー成形体、射出成形体およびチューブのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の成形体。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X3)からなる層を少なくとも1層有することを特徴とするキャップライナー。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X3)からなる層を少なくとも1層有することを特徴とする食品包装用ラップフィルム。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロピレン系重合体組成物(X3)からなる層を少なくとも1層と、エチレン単独重合体またはエチレン単位を70モル%以上含有するエチレン共重合体からなる層を少なくとも1層とを有する積層体からなることを特徴とする請求項8に記載の食品包装用ラップフィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−229442(P2012−229442A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180933(P2012−180933)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2006−547878(P2006−547878)の分割
【原出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】