説明

プロピレン系樹脂組成物およびフィルムへの応用

【課題】延伸フィルムに好適に使用されるプロピレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】プロピレン並びに、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンから得られる共重合体を、分解剤との接触によって狭分子量分布化したプロピレン系重合体であり、MFRが0.05〜20(g/10min)であり、 エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンに由来する骨格の含有量が0〜20重量%であるプロピレン系重合体(A) 100〜55重量部に対して、石油樹脂(B)を0〜45重量部含有するプロピレン系樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクフィルム分野において好適に用いられるプロピレン系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シュリンクフィルムにおいて熱収縮率は上げつつ自然収縮率は下げるという収縮バランスの改良が市場で求められている。従来、ポリプロピレンに石油樹脂などを混合することで樹脂組成物の延伸フィルムの熱収縮率は大きくなることや、石油樹脂の添加量を上げていくと収縮バランスが改良されることは知られている。しかし、改良はまだ不十分であるとともに、石油樹脂の添加量を上げるということはコストアップ要因になったり、またフィルム物性の低下を招いたりする問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明者らは、MFRや分子量分布が特定範囲にあるプロピレン系重合体を用いることによって、石油樹脂を添加しても上記の問題が解消された、延伸フィルムに好適に使用されるプロピレン系重合体が得られることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン並びに、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンから得られる共重合体であって、MFRが0.05〜20(g/10min)であり、 エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンに由来する骨格の含有量が0〜20重量%であるプロピレン系重合体(A) 100〜55重量部に対して、石油樹脂(B)を0〜45重量部含有するプロピレン系樹脂組成物である。
【0005】
本発明のプロピレン系樹脂組成物の好ましい形態は、前記のプロピレン系樹脂組成物が更に下記(i)または(ii)のいずれか一つ以上の要件を満たすプロピレン系樹脂組成物であり、特に好ましい形態は両要件(i)および(ii)を共に満たすプロピレン系樹脂組成物である。
(i) 前記プロピレン系重合体(A)が、分解剤との接触によって狭分子量分布化されていること。
(ii) プロピレン系重合体(A)の、高温GPCから得られたMz/Mnが20未満であり、かつMw/Mnが4.5未満であること。
【0006】
また本発明は、前記プロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸もしくは2軸に延伸してから成る延伸フィルム、前記プロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸に延伸してから成るシュリンクラベル用フィルム、前記プロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを2軸に延伸してから成るシュリンクフィルム、前記プロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸に延伸してから成る延伸フィルムであって、収縮バランスが90℃の熱収縮率が18%以上で、自然収縮率が6%以下となることを特徴とする延伸フィルムに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、MFRおよび分子量分布が最適化されたプロピレン系重合体(A)に石油樹脂を含有しているため、延伸フィルムやシュリンクフィルムの分野に応用した場合でも、熱収縮率を向上することができる。また、自然収縮率を低減できる、もしくは 熱収縮率が上がっても自然収縮率は大きくならないことから、収縮バランスが良くなり、常温での寸法安定性に優れるという特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン並びに、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンから得られる共重合体であって、MFRが0.05〜20(g/10min)であり、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンに由来する骨格の含有量が0〜20重量%であるプロピレン系重合体(A)100〜55重量部と、石油樹脂(B)0〜45重量部含有するプロピレン系樹脂組成物である。
【0009】
本発明のプロピレン系樹脂組成物の構成成分の一つであるプロピレン系重合体(A)は、プロピレン並びに、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンから得られる共重合体である。炭素数4以上のα-オレフィンとしては、炭素数4〜20のα-オレフィンが好適であり、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセなどが挙げられる。本発明において好ましく用いられるプロピレン系重合体(A)は、プロピレンおよびエチレンから得られる共重合体である。また、共重合部体中のエチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンに由来する骨格の量は0〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、更に好ましくは3〜6重量%である。
【0010】
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.05〜20(g/10min)、好ましくは1〜15(g/10min)、特に好ましくは2〜8(g/10min)である。
【0011】
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)は、上記要件に加えて、更に下記(i)または(ii)のいずれか一つ以上の要件を満たすプロピレン系樹脂組成物であり、特に好ましい形態は両要件(i)および(ii)を共に満たすプロピレン系樹脂組成物である。
【0012】
[要件(i)]
前記プロピレン系重合体(A)が、分解剤との接触によって狭分子量分布化されていることが望ましい。ここで用いられる分解剤としては、好ましくは有機過酸化物である。この有機過酸化物の具体例として、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレ−ト、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。他の分解剤としては、アゾ系、その他PPを分解できるのものであれば特に制限はない。
【0013】
通常は、公知のチタン系重合触媒、メタロセン触媒等の重合触媒によって製造されたプロピレン単独重合体、プロピレン系ブロック共重合体あるいはプロピレン系ランダム共重合体等のプロピレン系重合体(A’)を、前述の有機過酸化物の存在下に溶融混練することによって分解剤との接触が行われる。この溶融混練により、収縮バランスに優れ、また加工性に優れ、且つ分子量分布を任意に制御したプロピレン系重合体(A)が得られる。このような狭分子量分布化されたプロピレン系重合体(A)の分子量分布については[要件(ii)]として後述する。溶融混練を行うにあたり、プロピレン系重合体(A’)と有機過酸化物が混合されるが、その混合方法は特に制限されない。例えば、ブレンダー、ミキサー等の混合機を用いて機械的に混合する方法、有機過酸化物を適当な溶剤に溶解させてプロピレン系重合体(A’)に付着させ、該溶剤を乾燥することによって混合する方法等がある。
【0014】
溶融混練温度は、プロピレン系重合体(A’)の溶融温度以上でかつ分解剤の分解温度以上の温度が採用される。しかし、あまり加熱温度が高いとポリマーの熱劣化を招く。一般に該混練温度は、170〜300℃、特に、180〜250℃の範囲内に設定することが好ましい。
【0015】
[要件(ii)]
本発明に係わるプロピレン系重合体(A)の、高温GPCから得られたMz/Mnが20未満、好ましくは15未満であり、かつMw/Mnが4.5未満、好ましくは4未満であることが好ましい。
【0016】
本発明のプロピレン系樹脂組成物の他の構成成分である石油樹脂(B)としては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、水素化炭化水素等からなる炭化水素樹脂、またはテルペン系樹脂が任意に使用できる。石油樹脂(B)の使用量については、通常プロピレン系重合体(A)100〜55重量部に対して石油樹脂(B) 0〜45重量部である。なお、後述する延伸フィルムの自然収縮率を3%以下まで低減させる必要のある用途においては石油樹脂を添加しないことが好ましい。通常の延伸フィルムの用途においては、プロピレン系重合体(A) 90〜60重量部に対して、石油樹脂(B)を 10〜40重量部含有するプロピレン系樹脂組成物が好適に使用される。
【0017】
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて上記のようにして得られたプロピレン系重合体パウダーに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、造核剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、着色剤、無機質または有機質の充填剤、種々の合成樹脂等の各種添加剤を必要に応じて配合し、溶融混練してペレットとし、各種成形品の製造用に供する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、シュリンクフィルム用途に好適に使用される。
【0018】
また、本発明のプロピレン系樹脂組成物に、ポリエチレンまたはエラストマーを添加しても良い。ポリエチレンとしてはエチレン単独重合体でも良いし、エチレン・α−オレフィン共重合体があげられ、エチレンと、炭素数3〜10のα−オレフィンから選ばれた1種以上のαオレフィンとからなるランダム共重合体であっても良い。
【0019】
エラストマーとしては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体、 プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、 水素添加ブロック共重合体、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などがあげられる。
【0020】
一方、本発明のプロピレン系樹脂組成物に無機フィラーを添加しても良い。無機フィラーとしては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、けい酸塩類、炭酸塩類、ガラス繊維などが挙げられる。これらの中では、タルク、炭酸カルシウムが好ましく、特にタルクが好ましい。タルクの平均粒径は、1〜5μm、好ましくは1〜3μmの範囲内にあることが望ましい。フィラーは、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
【0021】
次に、本発明の延伸フィルムないしシュリンクフィルムの製造方法について説明する。フィルムは公知の共押出技術、延伸技術によって製造される。例えば、本発明のプロピレン系樹脂組成物を、Tダイからフラット状シートを押出し、冷却して引き取り、縦方向に1.0〜2.0倍ロール延伸し、横方向に3〜10倍テンター延伸し、幅方向に0〜12%弛緩させつつアニールし、次いで巻き取ることによって本発明のフィルムが得られる。延伸は上記のようなテンターによる1軸または二軸延伸以外に、丸ダイからチューブ状シートを押出しチューブ状で延伸してもよい、すなわちチューブラー法同時二軸延伸であっても良い。
【0022】
フィルムの構成は単層でも良いし、他樹脂との多層でも良い。他樹脂は例えばポリエチレン系樹脂であっても良い。
【0023】
本発明のプロピレン系樹脂組成物から得られる原反シートを1軸に延伸してから成る延伸フィルムは、収縮バランスが90℃の熱収縮率が18%以上で、自然収縮率が6%以下となることを特徴としている。
【0024】
次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明する。
本発明において使用した物性値の測定方法は次の通りである。
(1) メルトフローレート(MFR
ASTM D-1238の方法により230℃、荷重2.16kgで測定した。シリンダーには特に窒素は導入せず、直接ペレットをシリンダーに投入し溶融させた。
【0025】
(2) Mz/Mn, Mw/Mn
高温GPCを用いた。測定条件は以下の通りである。
・カラム TSKgel GMH6HT×2
TSKgel GMH6-HTL×2
・カラム温度 140℃
・移動相 o-ジクロロベンゼン(ODCB)
・流量 1.0mL/min
・試料濃度 30mg/20mL-ODCB
・注入量 500μL
・装置/メーカ alliance GPC2000 /Waters
・解析装置 MILLENNIUM
【0026】
また、本発明の実施例において用いたプロピレン系重合体(A)および石油樹脂(B)は以下の通りである。
プロピレン系重合体(A)
プロピレンエチレンランダム共重合体(a)
エチレン含量=4重量%
MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg)=2(g/10分)
密度(ASTM D1505)=0.90g/cm3
【0027】
石油樹脂(B)
荒川化学製の石油樹脂( アルコン P−140) (b)
【実施例1】
【0028】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を200ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは4.1g/10分であった。このプロピレン系重合体(a’)75部に対し前記石油樹脂(b)25部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。
得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは7.5 g/10分であった。
【0029】
[原反シートの作成]
得られたプロピレン系樹脂組成物ペレットを、プレス機を用い230℃で加熱プレスすることで0.4mm厚のシートを得た。
【0030】
[延伸方法]
上記原反シートを85×85mmにカットしブルックナー社KAROIV二軸延伸機を用いて延伸フィルムを作成した。延伸は90℃、30秒予熱後、6m/分で5倍一軸延伸を行った。このようにして得られたフィルムの厚みは80μであった。
【0031】
[試験方法]
上記延伸フィルムをスリットして得られた試験片を所定温度の温水に10秒浸漬し、この熱処理前後のフィルムの寸法から熱収縮率を求めた。
【0032】
また上記と同じ試験片を40℃のオーブンに5日間入れ、この熱処理前後のフィルムの寸法から自然収縮率を求めた。
【0033】
結果を表1にまとめた。
【実施例2】
【0034】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を500ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは6.5g/10分であった。このプロピレン系重合体(a’)75部に対し前記石油樹脂(b)25部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。
【0035】
得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは12.1 g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【0036】
〔比較例1〕
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)75重量部に対し石油樹脂(b)25重量部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは5.6 g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。実施例1と同様な試験を行った結果を表1に併記した。
【実施例3】
【0037】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を200ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは4.1g/10分であった。このプロピレン系重合体(a’)70部に対し前記石油樹脂(b)30部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。
【0038】
得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは9.5 g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【実施例4】
【0039】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を500ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは6.5g/10分であった。このプロピレン系重合体(a’)70部に対し前記石油樹脂(b)30部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。
【0040】
得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは14.3 g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【0041】
〔比較例2〕
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)70重量部に対し石油樹脂(b)30重量部を神戸製鋼所KTX二軸混練機を用いて樹脂温度230℃で練りこんだ。得られたプロピレン系樹脂組成物のMFRは7.1 g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【実施例5】
【0042】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を200ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは4.1g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【実施例6】
【0043】
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)にパーヘキサ25B-40(日本油脂(株)製)を500ppmブレンドして樹脂温度230℃で、神戸製鋼所KTX二軸混練機で造粒した。このようにして得られたプロピレン系重合体(a’)のMFRは6.5g/10分であった。このプロピレン系樹脂組成物を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【0044】
〔比較例3〕
[混練方法]
前記のプロピレンエチレンランダム共重合体(a)を用いて、実施例1記載の方法と同様に原反シート作成および延伸を行いフィルムを得た。結果を表1にまとめた。
【0045】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン並びに、エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンから得られる共重合体であって、MFRが0.05〜20(g/10min)であり、 エチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれる一種以上のオレフィンに由来する骨格の含有量が0〜20重量%であるプロピレン系重合体(A) 100〜55重量部に対して、石油樹脂(B)を0〜45重量部含有するプロピレン系樹脂組成物。
【請求項2】
プロピレン系重合体(A)が、分解剤との接触によって狭分子量分布化されていることを特徴とする請求項1記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項3】
プロピレン系重合体(A)の、高温GPCから得られたMz/Mnが20未満であり、かつMw/Mnが4.5未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸もしくは2軸に延伸してから成る延伸フィルム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸に延伸してから成るシュリンクラベル用フィルム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを2軸に延伸してから成るシュリンクフィルム。
【請求項7】
請求項項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物から得られた原反シートを1軸に延伸してから成る延伸フィルムであって、収縮バランスが90℃の熱収縮率が18%以上で、自然収縮率が6%以下となることを特徴とする延伸フィルム。

【公開番号】特開2006−16597(P2006−16597A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−77483(P2005−77483)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】