説明

プロペラ玩具

【課題】 走行及び飛行を可能とし、走行速度を調整することができるとともに、着地時或いは走行終了時に直ちに停止することのできるプロペラ玩具を提供する。
【解決手段】 本発明のプロペラ玩具1は、機体10と、前輪11と、機体10の後部に枢着された連結部材5を介して取付けられた後輪12と、機体10上方へ突出するように取付けられロータ用駆動モータにより回転駆動されるロータシャフト30,40と、該ロータシャフト30,40に取付けられたロータ3,4と、機体10の底面から下方に突出した制動部材と、を備え、制動部材を走行面に接地させて、機体10が僅かに前傾とされた略水平姿勢とされた停止状態にあるときに、ロータ用駆動モータによりロータシャフト30,40を駆動させて、車輪を走行面に接地させた状態で機体10の後部を浮上させた前傾姿勢とさせて走行を開始し、ロータシャフト30,40を更に高速で駆動させることで離陸させて飛行するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ玩具であって、プロペラの推進力により走行面上での走行及び空中での飛行を可能とするプロペラ玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内或いは屋外で操縦を楽しむ遠隔操縦式のプロペラ玩具として、シングルロータ式或いはツインロータ式などの様々な型式のプロペラ玩具が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1の発明に係るプロペラ玩具は、二重反転式のヘリコプター玩具であって、重心位置がロータシャフトより前方に位置するように構成されているため、ロータ用駆動モータを駆動させることで、複雑な操作を要することなく簡単に機体に前進飛行をさせることができるものである。
【0004】
また、車輪を有する走行玩具として、車軸をモータにより駆動させて走行面上を走行させる種々の走行玩具も提案されている。
さらに、プロペラを回転させて飛行させる飛行玩具や、車輪を回転させて走行面上を走行させる走行玩具のみならず、プロペラの推進力により走行と飛行を可能とするプロペラ玩具も提案されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実登第3118984号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“SKYVEHICLE(スカイビークル)”、[online]、[平成21年7月23日検索]、インターネット<URL:http://www.ccp-jp.com/skyvehcle/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献1に記載のプロペラ玩具は、車輪を三つ備えており、僅かに前傾とされたロータシャフトを回転駆動させることでプロペラの推進力により走行面上を走行することができるも、ロータシャフトの傾き角が小さいため走行速度が遅いといった問題点があった。尚、ロータシャフトの傾き角を大きくとれば走行速度を速くすることもできるが、その場合、浮上に必要な揚力を得ることが困難となってしまう。
また、走行面に載置させて停止状態にあるプロペラ玩具は、車輪が遊動状態となっているため、外部から力が加われば動いてしまうものであり、例えば傾斜面等に展示することができるものではなかった。さらに、着地したとき或いは走行を終了したときにすぐに止まれる機構を有しているものでもない。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、走行及び飛行を可能とするプロペラ玩具であって、ロータシャフトの傾き角を変化させて走行速度を調整することができるとともに、着地後或いは走行終了後直ちに停止させることのできるプロペラ玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプロペラ玩具は、送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ玩具であって、機体と、該機体の前側に取付けられた前輪と、前記機体の後部に枢着された連結部材と、前記機体の後側に前記連結部材を介して取付けられた後輪と、駆動モータと、前記機体の上方へ突出するように取付けられ前記駆動モータにより回転駆動されるロータシャフトと、該ロータシャフトの回転中心軸と直交するように該ロータシャフトに取付けられたロータと、静止状態において走行面に接するように機体の底面から下方に突出した制動部材と、を含む前記機体に搭載された複数の部材と、を備え、前記ロータを含む前記機体に搭載された複数の部材と前記機体は、前記連結部材を介して少なくとも前記後輪に対し上下動可能に配置された浮遊部を形成し、前記ロータシャフトは、前記浮遊部の重心に対して後側に取付けられており、前記制動部材を走行面に接地させて、前記機体が僅かに前傾とされた略水平姿勢とされた停止状態にあるときに、前記駆動モータにより前記ロータシャフトを駆動させて、前記前輪及び後輪を走行面に接地させた状態で前記機体の後部を浮上させることで、接地していた前記制動部材を走行面から離隔させた前傾姿勢とさせて走行を開始し、前記駆動モータにより前記ロータシャフトを更に高速で駆動させることで離陸させて飛行するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプロペラ玩具は、前記機体の前部に枢着された連結部材を備え、前記前輪は、前記連結部材を介して取付けられて、前記浮遊部が前記連結部材を介して前記前輪に対して上下方向に可動可能に構成されており、前記プロペラ玩具が前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、前記駆動モータにより前記ロータシャフトを更に高速で駆動させることで、前記前輪及び後輪を走行面に接地させた状態で、前記機体の前部を浮上させて、前記機体が僅かに前傾とされた略水平姿勢とさせた後に、離陸させて飛行するように構成されている。
【0011】
そして、本発明のプロペラ玩具は、前記ロータシャフトには、互いに逆方向に回転駆動される上部ロータと下部ロータが取付けられ、前記プロペラ玩具が走行状態或いは飛行状態にあるときに、前記駆動モータにより前記上部及び下部ロータを異なる速度で回転させることで左右に旋回するように構成されている。
【0012】
さらに、このプロペラ玩具は、前記機体と前記連結部材の枢着部において、前記車輪を下方に移動させる方向に付勢する弾性部材が装着されて、当該プロペラ玩具が着地したときに衝撃を吸収するように構成されていることもある。
【0013】
また、このプロペラ玩具は、前記後輪を前記前輪よりも大きく形成することが好適である。
【0014】
そして、前記前輪の前端は、当該プロペラ玩具の最先端に位置していることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、走行及び飛行を可能とするプロペラ玩具であって、後輪を連結部材を介して機体に取付けることにより、ロータシャフトを駆動させたときに前輪及び後輪を接地させた状態で機体後部を浮上させてロータシャフトの傾き角を変化させることができるため、ロータの回転速度を微調することで走行速度を調整することができるプロペラ玩具を提供することができる。また、制動部材を走行面に接地させることでプロペラ玩具を着地後或いは走行終了後直ちに停止させることができる。さらに、停止状態にあるプロペラ玩具のロータを瞬時に高速回転させることで、略水平姿勢にあるプロペラ玩具に大きな揚力を与えて、容易に離陸させることができる。また、停止時に制動部材を載置面に接地させておくことで、傾斜面などであっても容易に固定して展示することもできる。
【0016】
そして、前輪を連結部材を介して機体に取付けることで、プロペラ玩具が前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、ロータの回転速度を上げることで前輪及び後輪を接地させた状態で機体前部も浮上させて、機体が僅かに前傾とされた略水平姿勢に移行することができる。これにより、大きな揚力を瞬時に得ることができるため、走行状態にあるプロペラ玩具をスムーズに離陸させることができる。
【0017】
また、互いに逆方向に回転駆動可能な二枚のロータを設けることで、機体に加わる反動トルクを相殺して安定した直進走行及び直進飛行を可能とするとともに、回転速度の差異により走行中或いは飛行中に機体の方向を左右に変化させて旋回運動を可能とするプロペラ玩具を提供することができる。
【0018】
さらに、機体と連結部材の枢着部に弾性部材を装着することで、プロペラ玩具が着地したときの衝撃を吸収することができる。
【0019】
また、後輪を前輪よりも大きく形成することで、プロペラ玩具の外観を迫力のあるものにするとともに、前方を僅かに低くした前傾姿勢を容易に創ることができる。
【0020】
そして、前輪の前端をプロペラ玩具の最先端とすることで、垂直壁等の障害物にプロペラ玩具前端が接触したときに、前輪を回転させながら上昇して、障害物を乗り越えるというアクションをプロペラ玩具にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係るプロペラ玩具及び送信機の外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るプロペラ玩具の内部構造を示す側面模式図である。
【図3】本発明の実施例に係る送信機の正面図である。
【図4】本発明の実施例に係るプロペラ玩具の機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施例に係るプロペラ玩具の静止状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に係るプロペラ玩具の走行状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例に係るプロペラ玩具の飛行開始直前の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。プロペラ玩具1は、図1及び図2に示すように、送信機110からの操作信号によって遠隔操縦されるものである。このプロペラ玩具1は、機体10と、機体10の前側に取付けられた前輪11と、機体10の後側に取付けられた後輪12と、機体10の上方へ突出するように取付けられたロータシャフト30,40と、ロータシャフト30,40に取付けられた二枚のロータ3,4と、走行面と接するように機体10の後部底面から下方に突出した制動部材13と、を備えている。また、機体10の内部には、後部左右に二個のロータ用駆動モータ80(80U,80L)が搭載され、電池90や制御回路基板等も有している。
【0023】
前輪11及び後輪12は、夫々機体10の前部及び後部に枢着された連結部材5を介して機体10に取付けられている。前輪11は、その前端が当該プロペラ玩具1の最先端となるように配され、また、後輪12は、前輪11よりも大きく形成されて迫力のある外観を呈している。
【0024】
そして、ロータ用駆動モータ80、ロータシャフト30,40やロータ3,4、制動部材13、電池90や制御回路基板等の機体10に搭載される複数の部材及び機体10を含む部分(以下、「浮遊部」という。)は、車輪に対し連結部材5を介して上下動可能に配置されており、且つロータシャフト30,40が浮遊部の重心に対して僅かに後側となる位置に取付けられているので、プロペラが回転開始すると、図6に図示されるように前輪11の車軸を回動軸として機体10の後部が浮上し、比較的大きな前傾姿勢で前進走行をするので、早い走行スピードで走行させることができる。
【0025】
次に、プロペラの回転速度を上げると上方に向かう力が強くなり、図7に図示するように浮遊部の前方が上昇してロータシャフト30,40の傾斜角が小さくなるので容易に離陸させることができる。このとき、ロータシャフト30,40や車輪を含むプロペラ玩具1全体の重心に対して僅かに後側となる位置にロータシャフト30,40を取付けることによって、飛行時にはプロペラ玩具1を僅かにロータシャフト30,40が前方に傾いた前傾姿勢とさせて前進飛行させることができる。
【0026】
ロータシャフト30,40は、互いに逆方向に回転駆動される同軸の上部ロータシャフト30と下部ロータシャフト40とから成る。この下部ロータシャフト40は、下部ロータ用駆動モータ80Lにより回転駆動される円筒状に形成される。また、上部ロータシャフト30は、下部ロータシャフト40の内部を貫通し、上部が大径、下部が小径に形成されて、上部ロータシャフト30の下部の小径軸部が下部ロータシャフト40に貫装されてその下端で上部ロータ用駆動モータ80Uにより回転駆動される。つまり、上部及び下部ロータシャフト30,40は、機体10に配設される二個のロータ用駆動モータ80(80U,80L)により、ギアを介して個別に回転駆動される。
【0027】
そして、上部及び下部ロータ3,4が、ロータシャフト30,40の回転中心軸と直交するように各々取付けられている。つまり、このプロペラ玩具1は、上部及び下部ロータ3,4が互いに逆方向に回転駆動される二重反転式のプロペラ玩具1である。
【0028】
また、制動部材13は、摩擦係数の高い樹脂等の材質からなり、停止状態のときに走行面と接地している。これにより、不意にプロペラ玩具1が動いてしまうことを防止できるため、プロペラ玩具1を傾斜面等の載置面に容易に固定して展示することができる。さらに、プロペラ玩具1を着地後或いは走行終了後に制動部材13を走行面に接触させることで直ちに停止させることもできる。
【0029】
そして、このプロペラ玩具1は、機体10と連結部材5の枢着部において、前輪11及び後輪12を下方に移動させる方向に付勢する弾性部材としてのねじりコイルばねが装着されている。このため、当該プロペラ玩具1が着地したときに衝撃を吸収することができる。
【0030】
以上のような構成とすることで、図5に示すように、プロペラ玩具1は、制動部材13を走行面に接地させて機体10が僅かに前傾とされた略水平姿勢とされた停止状態にあるときに、ロータ用駆動モータ80によりロータシャフト30,40を駆動させると、浮遊部の重心がロータシャフト30,40に対して僅かに前方に位置しているため、図6に示すように、前輪11及び後輪12を走行面に接地させた状態で機体10の後部を浮上させることができる。
【0031】
そして、プロペラ玩具1は、接地していた制動部材13を走行面から離隔させた前傾姿勢となるため、ロータ3,4の回転により発生する推進力により走行を開始することができる。
【0032】
また、プロペラ玩具1が前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、ロータ用駆動モータ80によりロータシャフト30,40を更に高速で駆動させると、図7に示すように、前輪11及び後輪12を走行面に接地させた状態で、機体10の前部も浮上させることができる。つまり、機体10を水平方向に戻すように傾けて、僅かに前傾とされた略水平姿勢へと移行させることで、大きな揚力を瞬時に得ることができるため、走行状態にあるプロペラ玩具1をスムーズに離陸させることができる。
【0033】
そして、このプロペラ玩具1は、二重反転式のロータ3,4を採用しているため、機体10に加わる反動トルクを相殺して安定した直進走行及び直進飛行をすることができる。また、プロペラ玩具1が走行状態或いは飛行状態にあるときに、ロータ用駆動モータ80により上部及び下部ロータ3,4を異なる速度で回転させることで左右に旋回することもできる。
【0034】
さらに、レーシングカートやバギーなどの車体を模した機体10とすることで、静止状態にあるロータ3,4を瞬間的に高速で回転させ、すぐに停止させることで、機体10にジャンプアクションを演出させることもできる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、本実施例におけるプロペラ玩具1及び送信機110の外観斜視図であり、図2は、本実施例におけるプロペラ玩具1の内部構造を示す側面模式図である。尚、本発明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、プロペラ玩具の進行方向を前方として見た方向に従うこととする。
【0036】
本発明に係るプロペラ玩具1は、図1に示すように、送信機110から機体10に内蔵される受信機に無線操作信号を送信することで、受信機が受信した信号に従って走行や飛行を行う遠隔操縦可能なプロペラ玩具1である。
【0037】
プロペラ玩具1の形状について図1及び図2を参照して説明する。このプロペラ玩具1は、例えば、成型加工された発泡スチロールやプラスチック等の軽量材料からなる。また、このプロペラ玩具1は、レーシングカートを模して形成された機体10を備え、この機体10の前側には1対の前輪11が取付けられ、機体10の後側には1対の後輪12が取付けられている。前輪11は、その前端が当該プロペラ玩具1の最先端となるように配され、また、後輪12は、前輪11よりも大きく形成されて迫力のある外観を呈している。尚、前輪11及び後輪12は、表面に摩擦係数の低い加工がなされており、遊動可能に車軸に軸装されている。そして、このプロペラ玩具1は、全長、全幅及び全高が100〜200mm程度の小型の玩具とされる。尚、プロペラ玩具1の大きさは、上記に限定されるものではない。
【0038】
この機体10には、上方へ突出するようにロータシャフト30,40が取付けられている。そして、このロータシャフト30,40には、プロペラ玩具1のロータである上部及び下部ロータ3,4が装着されている。そして、機体10の内部には、後部左右に二個のロータ用駆動モータ80(80U,80L)が搭載され、電池90や制御回路基板等も有している。
【0039】
このロータシャフト30,40は、互いに逆方向に回転駆動される同軸とされた上部ロータシャフト30と下部ロータシャフト40とから成る。そして、この下部ロータシャフト40は、円筒状に形成されて、中央近傍に下部ロータ用ギア41を有している。この下部ロータ用ギア41は、下部ロータ用駆動モータ80Lのピニオンギア81Lと歯合されている。したがって、下部ロータ用駆動モータ80Lを駆動すれば、下部ロータシャフト40が回転駆動されることになる。
【0040】
また、上部ロータシャフト30は、下部ロータシャフト40の内部を貫通し、上部が大径、下部が小径に形成されている。そして、この上部ロータシャフト30は、下部の小径軸部が下部ロータシャフト40に貫装されて、その下端に配される上部ロータ用ギア31が上部ロータ用駆動モータ80Uのピニオンギア81Uと歯合されている。したがって、上部ロータ用駆動モータ80Uを駆動すれば、上部ロータシャフト30が回転駆動されることになる。つまり、上部及び下部ロータシャフト30,40は、機体10の後部左右に配設される二個のロータ用駆動モータ80(80U,80L)により、ギア31,41,81U,81Lを介して個別に回転駆動される。
【0041】
そして、このロータシャフト30,40の回転中心軸と直交するように、上部及び下部ロータ3,4が各々取付けられている。つまり、ロータ用駆動モータ80の回転動力がロータシャフト30,40を介して上部及び下部ロータ3,4に伝達される構成とされている。また、上部及び下部ロータ3,4のブレードは、夫々の回転方向に対して前上がりに傾斜するように形成されている。つまり、このプロペラ玩具1は、上部及び下部ロータ3,4が互いに逆方向に回転駆動される二重反転式のプロペラ玩具1である。これにより、各ロータ3,4を逆方向に回転させることで、機体10に加わる反動トルクを相殺することができる。また、一方の回転速度を上げる或いは下げるなどして各ロータ3,4の回転速度を調整することで、機体10に旋回運動をさせることもできる。
【0042】
また、ロータシャフト30,40は、該ロータシャフト30,40やロータ3,4、制動部材13、ロータ用駆動モータ80や電池90、制御回路基板等の機体10に搭載される複数の部材及び機体10を含む部分とされる浮遊部の重心の後方であって、且つ、車輪11,12を含むプロペラ玩具1全体の重心に対して僅かに後側となる位置に取付けられている。つまり、プロペラ玩具1全体の重心位置は、浮遊部の重心位置よりも後方に位置している。
【0043】
このように、浮遊部の重心に対して後側にロータシャフト30,40を配設することで、機体10に揚力が働いたときに後述する連結部材5に取付けられる前輪11と後輪12を走行面に接地させた状態で機体10の後部を浮上させることができる。また、プロペラ玩具1全体の重心に対して僅かに後側となる位置にロータシャフト30,40を配設することで、飛行時にプロペラ玩具1は、僅かにロータシャフト30,40が前方に傾いた前傾姿勢となって前進飛行をすることができる。
【0044】
尚、後輪12を前輪11よりも大きく形成することで、プロペラ玩具1全体の重心位置を浮遊部の重心位置に比べて後方として、よりロータシャフト30,40に近づけることができるため、上記したように、飛行時に僅かにロータシャフト30,40を傾けた前傾姿勢を容易に創って低速で安定した飛行をプロペラ玩具1に行わせることができる。
【0045】
スタビライザー7は、上部ロータシャフト30に軸着されて傾動可能とされる上部ロータ3の下方において、上部ロータシャフト30に軸着された丸棒形状の部材であり、上部ロータ3に対して、例えば30〜90度程度となるように装着されている。そして、このスタビライザー7は、両端部にウェイト76が装着されている。また、このスタビライザー7には、スタビライザー7と上部ロータ3とが連動するようにスタビライザーリンク78が取付けられている。
【0046】
即ち、スタビライザー7は、当該スタビライザー7を軸支する軸を中心として一定方向に傾動したとき、この傾斜に伴いスタビライザーリンク78を介して上部ロータ3が上部ロータ3を軸支する軸を中心にして連動して傾動し、上部ロータ3のブレード面が同じ方向に傾斜するようになっている。このため、機体10やロータシャフト30,40等が風等の外乱により揺動しても、このスタビライザー7が回転を維持し、上部ロータ3を水平に対して一定のピッチ角を保つようにするため、機体10を安定させて飛行させることができる。
【0047】
さらに、このプロペラ玩具1は、機体10の後部底面から下方に突出した制動部材13を備えている。この制動部材13は、摩擦係数の高い樹脂等の材質からなり、静止状態において走行面と接地している。これにより、プロペラ玩具1が走行面上で静止状態にあるときは、制動部材13は、走行面と接し走行面との間の摩擦力が走行面に平行な方向の力に抗するように働くため、外力が加わることにより不意にプロペラ玩具1が動いてしまうことがない。また、プロペラ玩具1を傾斜面等の載置面に容易に固定して展示することもできる。さらに、この制動部材13をブレーキとして利用することもできる。つまり、プロペラ玩具1が走行面を走行しているときに、遊戯者が走行停止操作をすれば、制動部材13を走行面に接触させることで直ちに機体10を停止させることができる。また、同様にプロペラ玩具1の飛行中に着陸操作をすれば、着地後に制動部材13を走行面に接触させることで直ちに機体10を停止させることができる。
【0048】
そして、機体10に取付けられる前輪11及び後輪12は、夫々機体10の前部及び後部に枢着された前方連結部材5a及び後方連結部材5bを介して機体10に取付けられている。具体的には、連結部材5は、機体10側の一端部近傍に枢着され、連結部材5の他端部には車軸が装着される。つまり、浮遊部は、前輪11及び後輪12に対し対応する前方連結部材5a及び後方連結部材5bを介してそれぞれ上下動可能に配置されている。そして、この連結部材5には、枢着部から更に機体10側内方に延在する係止バー20が形成されている。この係止バー20は、連結部材5側に突出するように機体10に固定される上側係止片21及び下側係止片22と係合することで、連結部材5の回動範囲を制限する。
【0049】
そして、連結部材5と機体10の枢着部には、前輪11及び後輪12を下方に移動させる方向に付勢する弾性部材としてのねじりコイルばね(図示せず)が巻着されている。つまり、このプロペラ玩具1は、走行面に載置されている状態にあっては、図示するように、機体10が弾性部材の弾性力に抗して自重により沈み込んだ状態となり、下側係止片22と係止バー20が係合することにより、連結部材5が略水平の状態となる。尚、このとき、上述したように制動部材13は、走行面と接触している。
【0050】
そして、機体10がロータ3,4の回転により浮上した場合は、前輪11及び後輪12が弾性部材の弾性力及び前輪11及び後輪12の自重により、枢着部の軸を回転中心として下方に回動する。
【0051】
また、プロペラ玩具1の着陸時において、機体10が下方に沈み込むと、弾性部材がクッションの機能を果たして、衝撃を吸収することができる。
【0052】
そして、このプロペラ玩具1は、送信機110からの操作信号に基づいてロータ用駆動モータ80を動作制御する制御部を有する受信機や、各部へ電力を供給する電池90等を機体10に内蔵している。これにより、プロペラ玩具1は、無線送信機110からの遠隔操作信号に応答した受信機の制御部が所定の制御信号を生成してロータ用駆動モータ80(80U,80L)を駆動させることにより、走行、ジャンプ、上昇、下降、旋回、前進を行う。
【0053】
尚、この制御部は、受信機の一部として形成する場合に限定することなく、受信機とは別に設けることも可能であるが、受信機と一体として形成することで、小型でシンプルなプロペラ玩具1の構成とすることができる。
【0054】
次に、本実施例の送信機110及び受信機100について図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施例における送信機110の正面図であり、図4は、本実施例におけるプロペラ玩具1の機能ブロック図である。
送信機110は、プロペラ玩具1を遠隔操作する遊戯者が把持して、機体10内の受信機100に操作信号を送信するものである。
【0055】
また、送信機110は、ロータ3,4の回転速度を制御するための操作部であるアクセルレバー120、旋回レバー124及びトリム調整ダイヤル122、並びに、操作信号を発信するアンテナ116を備えている。そして、送信機110は、遊戯者の操作に応じて所定の信号を生成する制御部112と、この制御部112から送出される符号化された信号を変調する送信回路111と、増幅器118と、図示しない電源等を内蔵している。
【0056】
アンテナ(赤外線発振部)116は、中空で略直方体形状の本体ケースの上面に装着されている。そして、アクセルレバー120及び旋回レバー124は、本体ケースの正面に配設され、旋回レバー124の近傍にはトリム調整ダイヤル122が配設されている。尚、送信機110の正面には電源スイッチや、インジケータ等も配設されている。
【0057】
アクセルレバー120は、上下に傾動可能とされ、上述したロータ3,4を回転駆動させる二個の上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)を均等に制御して、同一の回転速度で上部ロータ3及び下部ロータ4を回転させる。このアクセルレバー120は、上方に傾動させることで各モータ80の回転速度を上げ、下方に傾動させることで各モータ80の回転速度を下げることができる。さらに、このアクセルレバー120は、下端位置まで傾動させることで各モータ80の駆動を停止させることができる。つまり、アクセルレバー120は、走行やジャンプ、上昇、下降及び前進飛行をプロペラ玩具1に指示するための操作部である。
【0058】
旋回レバー124は、左右に傾動可能とされ、上部ロータ3と下部ロータ4の回転速度に差をつけるように上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)を制御して、プロペラ玩具1を旋回させる。この旋回レバー124は、左側或いは右側に傾動させることによってプロペラ玩具1に左或いは右に機体10の向きを変化させて旋回運動をさせることができる。つまり、旋回レバー124は、旋回走行及び旋回飛行を指示するための操作部である。
【0059】
トリム調整ダイヤル122は、上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)の夫々に供給する電力を制御することにより上部ロータ3と下部ロータ4の回転速度を等しくして、前進走行或いは前進飛行操作時にプロペラ玩具1を安定して直進させるための操作部である。
【0060】
尚、ロータ3,4の回転速度は、送信機110のアクセルレバー120や旋回レバー124、トリム調整ダイヤル122における可変抵抗によって線形的に制御されるものである。
【0061】
そして、受信機100は、図4に示すように、送信機110から発信される無線信号を、アンテナ106を介して受信し復調する受信回路101と、復調された信号を復号してロータ用駆動モータ80を駆動するための制御信号を生成する制御部102と、図示しない電源等を備える。尚、周波数を遊戯者によって変更できるように、送信機110及び受信機100の送信回路111及び受信回路101の受動素子を着脱自在の水晶振動子とすることが好適である。
【0062】
したがって、アクセルレバー120を操作してロータ3,4の回転速度を上げる操作指令を送信すれば、ロータ用駆動モータ80を駆動させて上部及び下部ロータ3,4を所定の速度で回転させることができる。ロータ3,4を所定速度で回転させることで走行面に載置されたプロペラ玩具1を走行させ、更に回転速度を上げることで離陸させて上昇させることができる。また、プロペラ玩具1が走行状態或いは飛行状態にあるときに、旋回レバー124を操作して旋回操作指令を送信することで上部及び下部ロータ3,4の回転速度が僅かに異なるように上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)を駆動制御することができる。上部及び下部ロータ3,4の回転速度差に起因するトルクを機体10に加えることで、プロペラ玩具1に左或いは右方向に機首の向きを変えるように旋回運動を行わせることができる。
【0063】
そして、アクセルレバー120を操作してロータ3,4の回転速度を下げる操作指令を送信すれば、上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)を減速駆動させて、走行状態にあるプロペラ玩具1を減速させ、飛行状態にあるプロペラ玩具1を下降させることができる。さらに、アクセルレバー120を下端位置まで傾動させるように操作することで、上部及び下部ロータ用駆動モータ80U,80L(80)を停止させて、走行状態にあるプロペラ玩具1を停止させ、飛行状態にあるプロペラ玩具1を走行面に着地させることができる。
【0064】
さらに、アクセルレバー120を瞬時に上方へ傾動させた後、下方に傾動させる操作をすることで、プロペラ玩具1にジャンプアクションを演出させることもできる。
【0065】
以下、このプロペラ玩具1の走行及び飛行手順と動作について図5乃至図7を参照して説明する。
先ず、機体10の側面に設けられた電源スイッチをオンするとともに、図5に示すように、当該プロペラ玩具1を走行面に載置する。このとき、プロペラ玩具1は、制動部材13を走行面に接地させて機体10が僅かに前傾となる略水平姿勢とされた停止状態となっている。次に、送信機110の電源スイッチをオンし、アクセルレバー120を所定位置まで上方に傾動させる操作をすると、ロータ用駆動モータ80によりロータシャフト30,40が駆動し、ロータ3,4が回転して揚力が発生する。揚力が発生すると、浮遊部の重心がロータシャフト30,40に対して前方に位置しており、後輪12が後方連結部材5bを介して機体10に接続されているため、図6に示すように、前輪11及び後輪12を走行面に接地させた状態で、前輪11の車軸を回動軸として機体10の後部が浮上することになる。そして、プロペラ玩具1は、接地していた制動部材13を走行面から離隔させた前傾姿勢となるため、ロータ3,4の回転により発生する推進力により走行を開始する。また、このとき、プロペラ玩具1はロータシャフト30,40が比較的大きな傾斜角となる前傾姿勢で前進走行をするので、早い走行スピードで走行させることができる。
【0066】
尚、機体10の後部が浮上したとき、後方連結部材5bの係止バー20が上側係止片21と係合して、機体10の後部の浮上高さを制限している。
【0067】
そして、プロペラ玩具1が比較的大きな前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、アクセルレバー120を更に上方の所定位置まで傾動させる操作をすると、ロータ3,4の回転速度が上がって、より大きな揚力が発生する。揚力が上がると、図7に示すように、前輪11及び後輪12を走行面に接地させた状態で、機体10の前部も浮上する。つまり、プロペラ玩具1は、この上方への浮遊力により機体10が水平方向に戻るように(即ち、ロータシャフト30,40の傾斜角が小さくなる姿勢に移行するように)前部が浮き上がり、僅かに前傾とされた略水平姿勢へと移行する。
【0068】
尚、機体10の前部が浮上したとき、前方連結部材5aの係止バー20が上側係止片21と係合して、機体10の前部の浮上高さを制限している。
【0069】
また、プロペラ玩具1が前傾姿勢(図6参照)或いは略水平姿勢(図7参照)とされた走行状態にあるときに、旋回レバー124を操作すれば、二個のロータ用駆動モータ80の回転速度に差が生じるように当該モータ80を駆動して、機体10を左右に旋回させる旋回力が発生する。ここで、走行面と接地する車輪表面に対して摩擦係数の低い加工がなされているため、車輪は走行面上をスライドする。つまり、旋回力が発生すると、プロペラ玩具1は、左右方向に機首を変化させつつ推進力により旋回方向に走行する。
【0070】
そして、プロペラ玩具1が略水平姿勢とされた走行状態にあるときに、アクセルレバー120を更に上方に傾動させる操作をすると、ロータ3,4の回転速度が上がる。このとき、機体10が略水平姿勢とされているため、プロペラ玩具1には大きな揚力が瞬時に発生することとなる。
【0071】
つまり、プロペラ玩具1が走行面に載置された停止状態にあるときに、アクセルレバー120を徐々に上方に傾動操作すれば、プロペラ玩具1は走行を開始し、ロータシャフト30,40が比較的大きな傾斜角とされた前傾姿勢となって加速された後にロータシャフト30,40の傾斜角が小さくなった略水平姿勢となってスムーズに離陸をして、飛行することができる。そして、飛行状態にあるプロペラ玩具1は、ロータシャフト30,40がプロペラ玩具1全体の重心に対して僅かに後側となる位置に取付けられているため、僅かにロータシャフト30,40が前方に傾いた前傾姿勢となって前進することとなる。また、飛行状態にあるプロペラ玩具1は、スタビライザー7により機体10が安定した姿勢に保たれる。
【0072】
そして、プロペラ玩具1が飛行状態にあるときに、遊戯者が送信機110のアクセルレバー120を操作して、ロータ3,4を所定の回転速度にすることで、ロータ3,4によって得られる揚力と、機体10に加わる重力とを釣り合わせて当該プロペラ玩具1に水平飛行を行わせることができ、更に回転速度を低下させることで、機体10を降下させ、着地させることもできる。
【0073】
また、プロペラ玩具1が飛行状態にあるときに、上部及び下部ロータ3,4を異なる速度で回転させるように、旋回レバー124を操作することで、上部ロータ3と下部ロータ4との回転速度を僅かに異なる速度に変化させて、当該プロペラ玩具1に機首の向きを変更させることができる。したがって、プロペラ玩具1が、前進飛行状態にあるときに当該旋回操作指令を受ければ、このプロペラ玩具1は前進飛行中に機首の向きが変更されて旋回飛行を行うこととなる。
【0074】
さらに、このプロペラ玩具1が走行状態にあるときに、アクセルレバー120を素早く上方に傾動させ、すぐに下方に戻す操作を実行することで、プロペラ玩具1にジャンプアクションを演出させることもできる。
【0075】
また、このプロペラ玩具1が停止状態にあるときに、アクセルレバー120を素早く上方に傾動させれば、前傾姿勢となる前に、略水平状態にあるロータ3,4から浮上に必要な揚力を得て機体10を離陸させて直ちに飛行姿勢へ移行させることもできる。
【0076】
そして、プロペラ玩具1が走行面を走行しているときに、走行停止操作をすれば、浮力を失った機体10が自重により沈み込んで制動部材13が走行面に接触するため、機体10は直ちに停止することになる。また、同様にプロペラ玩具1の飛行中に着陸操作をすれば、着地後に制動部材13が走行面に接触するため、機体10は直ちに停止することになる。
【0077】
このように、本発明のプロペラ玩具1は、後輪12を後方連結部材5bを介して機体10に取付けることにより、ロータシャフト30,40を駆動させたときに前輪11及び後輪12を接地させた状態で機体10の後部を浮上させてロータシャフト30,40の傾き角を変化させることができるため、ロータ3,4の回転速度を微調することで走行速度を調整することができる。また、制動部材13を走行面に接地させることでプロペラ玩具1を着地後或いは走行終了後直ちに停止させることができる。さらに、停止状態にあるプロペラ玩具1のロータ3,4を瞬時に高速回転させることで、略水平姿勢にあるプロペラ玩具1に大きな揚力を与えて、容易に離陸させることができる。また、停止時に制動部材13を載置面に接地させておくことで、傾斜面などであっても容易に固定してプロペラ玩具1を展示することができる。
【0078】
そして、前輪11を前方連結部材5aを介して機体10に取付けることで、プロペラ玩具1が前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、ロータ3,4の回転速度を上げることで前輪11及び後輪12を接地させた状態で機体10の前部も浮上させて、機体10が僅かに前傾とされた略水平姿勢に移行することができる。これにより、大きな揚力を瞬時に得ることができるため、走行状態にあるプロペラ玩具1をスムーズに離陸させることができる。
【0079】
また、互いに逆方向に回転駆動可能な二枚のロータ3,4を設けることで、機体10に加わる反動トルクを相殺して安定した直進走行及び直進飛行を可能とするとともに、回転速度の差異により走行中或いは飛行中での旋回運動を可能とするプロペラ玩具1を提供することができる。
【0080】
さらに、機体10と連結部材5の枢着部に弾性部材を装着することで、プロペラ玩具1が着地したときの衝撃を吸収することができる。
【0081】
また、後輪12を前輪11よりも大きく形成することで、プロペラ玩具1の外観を迫力のあるものにするとともに、前方を僅かに低くした前傾姿勢を容易に創ることができる。
【0082】
そして、前輪11の前端をプロペラ玩具1の最先端とすることで、垂直壁等の障害物にプロペラ玩具1前端が接触したときに、前輪11を回転させながら上昇して、障害物を乗り越えるというアクションをプロペラ玩具1にさせることができる。
【0083】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、プロペラ玩具1の連結部材5は前輪11及び後輪12の夫々に取付ける場合に限定されることもなく、後輪12にのみ取付けることとしてもよい。この場合、徐々にロータ3,4の回転速度を上げることで、高速で走行面を走行することができ、また、停止状態にあるプロペラ玩具1のロータ3,4を瞬時に高速回転させることで、略水平姿勢にあるプロペラ玩具1に大きな揚力を与えて、容易に離陸させることもできる。
【0084】
そして、送信機110と受信機100を有線により繋ぐことにより操縦可能としてもよい。また、プロペラ玩具1は、レーシングカーを模した機体10とする場合に限らず、バギーなどの種々の自動車や、飛行機、ヘリコプターなどを模して機体10を形成してもよい。さらに、ロータ3,4も同軸反転式のツインロータタイプに限らず、機体10の前後に各々ロータを備えるタンデムロータタイプや、単一のロータとこのロータの反力を打ち消すテールロータを備えたシングルロータ式を採用してもよい。そして、車輪も四輪に限定することなく、前輪11又は後輪12を一輪とした三輪バイク又は三輪自動車のようなプロペラ玩具1としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 プロペラ玩具
3 上部ロータ 4 下部ロータ
5 連結部材 5a 前方連結部材
5b 後方連結部材 7 スタビライザー
10 機体 11 前輪
12 後輪 13 制動部材
20 係止バー
21 上側係止片 22 下側係止片
30 上部ロータシャフト 31 上部ロータ用ギア
40 下部ロータシャフト 41 下部ロータ用ギア
76 ウェイト 78 スタビライザーリンク
80 ロータ用駆動モータ
80U 上部ロータ用駆動モータ 80L 下部ロータ用駆動モータ
81U ピニオンギア 81L ピニオンギア
90 電池
100 受信機
101 受信回路 102 制御部
106 アンテナ
110 送信機 111 送信回路
112 制御部 116 アンテナ
118 増幅器
120 アクセルレバー 122 トリム調整ダイヤル
124 旋回レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ玩具であって、
機体と、
該機体の前側に取付けられた前輪と、前記機体の後部に枢着された連結部材と、前記機体の後側に前記連結部材を介して取付けられた後輪と、
駆動モータと、前記機体の上方へ突出するように取付けられ前記駆動モータにより回転駆動されるロータシャフトと、該ロータシャフトの回転中心軸と直交するように該ロータシャフトに取付けられたロータと、静止状態において走行面に接するように機体の底面から下方に突出した制動部材と、を含む前記機体に搭載された複数の部材と、
を備え、
前記ロータを含む前記機体に搭載された複数の部材と前記機体は、前記連結部材を介して少なくとも前記後輪に対し上下動可能に配置された浮遊部を形成し、
前記ロータシャフトは、前記浮遊部の重心に対して後側に取付けられており、
前記制動部材を走行面に接地させて、前記機体が僅かに前傾とされた略水平姿勢とされた停止状態にあるときに、前記駆動モータにより前記ロータシャフトを駆動させて、前記前輪及び後輪を走行面に接地させた状態で前記機体の後部を浮上させることで、接地していた前記制動部材を走行面から離隔させた前傾姿勢とさせて走行を開始し、
前記駆動モータにより前記ロータシャフトを更に高速で駆動させることで離陸させて飛行するように構成されていることを特徴とするプロペラ玩具。
【請求項2】
前記機体の前部に枢着された連結部材を備え、前記前輪は、前記連結部材を介して取付けられて、前記浮遊部が前記連結部材を介して前記前輪に対して上下方向に可動可能に構成されており、
前記プロペラ玩具が前傾姿勢とされた走行状態にあるときに、前記駆動モータにより前記ロータシャフトを更に高速で駆動させることで、前記前輪及び後輪を走行面に接地させた状態で、前記機体の前部を浮上させて、前記機体が僅かに前傾とされた略水平姿勢とさせた後に、離陸させて飛行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラ玩具。
【請求項3】
前記ロータシャフトには、互いに逆方向に回転駆動される上部ロータと下部ロータが取付けられ、
前記プロペラ玩具が走行状態或いは飛行状態にあるときに、前記駆動モータにより前記上部及び下部ロータを異なる速度で回転させることで左右に旋回するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロペラ玩具。
【請求項4】
前記機体と前記連結部材の枢着部において、前記車輪を下方に移動させる方向に付勢する弾性部材が装着されて、当該プロペラ玩具が着地したときに衝撃を吸収するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のプロペラ玩具。
【請求項5】
前記後輪を前記前輪よりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のプロペラ玩具。
【請求項6】
前記前輪の前端が当該プロペラ玩具の最先端に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のプロペラ玩具。
【請求項7】
送信機からの操作信号によって遠隔操縦されるプロペラ玩具であって、
機体と、
駆動モータと、前記駆動モータにより回転駆動されるロータシャフトと、前記ロータシャフトを介して回転動力が伝達されるロータと、前記機体の底面から下方に突出して設けられた制動部材と、を含む前記機体に搭載された複数の部材と、
前記機体の前側に取付けられた1対の前輪と、前記機体の後側に取付けられた1対の後輪と、
前記機体の前側と前記前輪の車軸との間に前記機体の前側と前記前輪のそれぞれに対し回動可能に取付けられた前方連結部材と、前記機体の後側と前記後輪の車軸との間に前記機体の後側と前記後輪のそれぞれに対し回動可能に取付けられた後方連結部材と、
を少なくも備え、
前記機体及び前記機体に搭載された複数の部材は、前記前輪及び前記後輪に対し対応する連結部材を介してそれぞれ上下動可能に配置された浮遊部を構成し、
前記ロータシャフトは、前記浮遊部の重心に対し僅かに後側となる位置であって且つ前記浮遊部と前記前後輪を含むプロペラ玩具全体の重心に対し僅かに後側となる位置に配置されてなり、
前記プロペラ玩具が走行面上で静止状態にあるときは、前記制動部材は、走行面と接し走行面との間の摩擦力が走行面に平行な方向の力に抗するように働き、
前記ロータの回転が始動すると前記浮遊部の後部が前記前輪の車軸を回動軸として上昇して前記制動部材が走行面から離れ、前記ロータシャフトが比較的大きな傾斜角になる前傾姿勢に移行して前進走行し、
前記ロータの回転速度を上げると、大きくなった上方への浮遊力によって前記浮遊部の前部が上昇して、前記ロータシャフトの傾斜角が前記前進走行時における傾斜角より小さくなる姿勢に移行してプロペラ玩具の全体が走行面から離れて空中に浮上し、比較的小さい傾斜角の前傾姿勢で前進飛行する
ように構成されてなることを特徴とするプロペラ玩具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−41747(P2011−41747A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193166(P2009−193166)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【Fターム(参考)】