説明

プロポフォールを含有する医薬組成物

本発明は、有効成分であるプロポフォールを含有する新規医薬組成物を提供する。好ましくは、プロポフォールは少なくとも1つの半フッ素化アルカンに溶解している。好ましくは液体またはゲル様である組成物は、場合によりさらなる賦形剤を含有し得る。組成物は、カプセル中の充填物質として、口腔もしくは鼻腔スプレーとして、または肺投与用のエアロゾルとして使用され得る。それらはプロポフォールの経粘膜投与のために特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール、分子量178.27)は、強力な静脈内麻酔薬として知られる薬理学的に活性な化合物である。麻酔の誘導と維持の両方のために日常的に使用される。プロポフォールは、その迅速な効果の開始と比較的軽度の副作用を特徴とする。
【0002】
物理的には、プロポフォールは約19℃で融解する高度に親油性の化合物である。室温では、油の外観を有する。水または水性緩衝液へのその溶解度はごくわずかであり、そのことがプロポフォールを、特に静脈内投与用に、また他の経路に関しても、製剤が極めて難しい化合物にしている。この分子の唯一のイオン化可能な基はそのヒドロキシル基であるが、そのpKaが11であるため水溶性塩を形成するのには適さない。プロポフォールについてのオクタノール/水分配係数は、pH6〜8.5で6761:1である。
【0003】
プロポフォールは、あまり良好に耐容されない賦形剤である、可溶化剤Cremophor(登録商標)ELの実質的な量を含有する可溶化静脈内製剤として、イギリスの製薬会社ICI(現在のAstraZeneca)によって最初に開発された。市場への導入後間もなく、アナフィラキシー反応の報告が何例かあったために製剤は撤退されるに至った。数年後、AstraZenecaは、現在もまだ使用されているDiprivan(登録商標)の商標名でプロポフォールの新しい製剤を発売した。この製品は、分散相として1%プロポフォールと10%ダイズ油および乳化剤として1.2%精製卵レシチンを含有する水中油型エマルジョンである。コヒーレント水相は、2.25%グリセロールおよび少量のEDTAと水酸化ナトリウムを含む。近年、ジェネリックエマルジョン製剤も多くの国々で使用可能となった。
【0004】
プロポフォールは、全身麻酔の誘導と維持、機械換気されている成人のための鎮静、および処置中の鎮静を適応症とする。まだ実験段階である他の臨床用途は、てんかん重積持続症状の制御、頭痛、特に片頭痛の治療、不安の制御、および急性脳損傷における神経保護を含む。これらの用途は、例えば国際公開第00/54588 A1号において教示されるように、しばしばプロポフォールの催眠量以下の用量しか必要としない。
【0005】
麻酔において使用される他の化合物と比較して、プロポフォールは著明な安全性プロフィールを有する。その副作用は通常軽度で、容易に制御される。プロポフォールの単回用量の催眠作用は、典型的には数分以内に消失する。その健忘作用と共に迅速な発現と回復がこの化合物を鎮静および麻酔のために非常に一般的なものにしている。類似の薬剤と異なり、プロポフォールは悪心を誘発しないと思われる。
【0006】
典型的な有害作用の中には、誘導用量後の血圧低下および一過性の無呼吸がある。軽度のミオクローヌス運動も一般的に認められる。プロポフォールエマルジョンのもう1つの頻出する問題は、注射または注入の部位に局所痛を生じさせることであり、この理由から一部の患者はリドカインなどの局所麻酔薬で事前に処置される。エマルジョンの水相に溶解したプロポフォールの小さな画分がこの痛みの原因であると考えられる。まれであるがより深刻なのは、ジストニー、高脂血症、膵炎およびいわゆるプロポフォール注入症候群である。この潜在的に致死性の代謝障害は、カテコールアミンおよび/またはコルチコステロイドと併用した高用量プロポフォールの長期的注入後に重症患者において発生している。
【0007】
ごく最近、プロポフォールの他の静脈内製剤が臨床試験されるかまたは市場に導入された。例えば、5%ダイズ油と0.6%レシチン(Ampofol(登録商標))だけを含む1%プロポフォールエマルジョンが検討されている。この製剤は高脂血症および膵炎発症のより低い危険度に関連している可能性が高い。同時に、注射部位の疼痛はDiprivan(登録商標)よりもさらに一層著明であることが認められた。
【0008】
Propofol−Lipuro(登録商標)およびIDD−D(登録商標)プロポフォールなどの他の製剤は、エマルジョンの油性成分中の長鎖トリグリセリド(LCT)を置換するためのより高い割合の中鎖トリグリセリド(MCT)に基づく。MCTは、成人および小児患者の両方によってLCTより良好に耐容されると推測される。しかし、それらはまた、アセト酢酸、β−ヒドロキシ酪酸およびオクタン酸などの毒性化合物も放出し得る。
【0009】
プロポフォールのために提案されてきた非エマルジョン製剤は、薬剤物質がシクロデキストリンの助けを借りて可溶化形態で存在する水溶液を含む。シクロデキストリンは、ゲスト分子と包接錯体を形成できる水溶性環状オリゴ糖である。特に、それぞれヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンとのプロポフォール溶液が検討されてきた。しかし、これらの製剤の薬物動態がプロポフォールエマルジョンに匹敵するかどうかは確立されていない。さらに、高用量のシクロデキストリンはしばしば溶血作用および腎毒性に結びつく。
【0010】
米国特許第5,496,537号は、ハイドロフルオロカーボン噴射剤を含有するプロポフォールのエアロゾル製剤を述べている。しかし、噴射剤駆動製剤の吸入は、必要な呼吸操作を実施できないことがある小児または高齢患者にとって容易ではない。さらに、プロポフォールの肺耐容性は確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第00/54588 A1号
【特許文献2】米国特許第5,496,537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それゆえ、プロポフォール製剤のさらなる改善が必要である。例えば、高脂血症または溶血などの担体関連の毒性作用を引き起こさない製剤が求められている。さらに、使いやすく、柔軟性があって、疼痛を伴わない方法でのプロポフォールの投与を可能にする製剤および方法が必要である。
【0013】
それゆえ、現在公知の製剤の不都合な点の1またはそれ以上を有さないプロポフォール製剤を提供することが本発明の1つの目的である。もう1つの目的は、安全で、耐容性があり、患者に優しいやり方でプロポフォールを投与するための方法を提供することである。さらなる目的は、以下の説明および特許請求の範囲に基づいて明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
最初の態様では、本発明は、治療有効量のプロポフォールおよび半フッ素化アルカンを含有する医薬組成物を提供する。組成物は、典型的には液体製剤またはゲルである。好ましい実施形態では、プロポフォールは半フッ素化アルカンに溶解している。組成物中のプロポフォールの濃度は、1重量%またはそれ以上、例えば5重量%またはそれ以上であり得る。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、半フッ素化アルカンを基剤とするプロポフォール組成物の使用を提供する。特定の実施形態では、組成物は、口腔または鼻粘膜などに局所的に、または吸入によって投与される。臨床的には、それらは鎮静または麻酔を誘導するまたは維持するために使用され得る。さらなる治療用途は、片頭痛などの頭痛の予防または治療、化学療法誘発性悪心などの悪心の予防または治療、てんかん重積持続症状の制御、不安障害の制御、または急性脳損傷において神経保護を提供することを含む。
【0016】
さらなる態様では、本発明は、軟カプセル、口腔スプレー、経口ゲル、経口液体、鼻腔スプレー、または定量吸入器もしくはネブライザ溶液の形態の吸入エアロゾルなどのプロポフォール組成物を含有する医薬剤形、ならびに組成物を含む包装、容器またはキットを提供する。
【0017】
本発明のさらなる態様は以下の詳細な説明から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の最初の態様によれば、治療有効量のプロポフォールおよび半フッ素化アルカンを含有する医薬組成物が提供される。
【0019】
本明細書で使用される場合、医薬組成物は、少なくとも1つの医薬賦形剤と組み合わせて少なくとも1つの薬理学的有効成分または診断薬を含有する組成物である。
【0020】
プロポフォールは、薬理学的に活性な化合物、2,6−ジ(プロパン−2−イル)フェノール(CAS番号2078−54−8)、またはその塩、溶媒和物、錯体、コンジュゲートおよび誘導体のいずれかを意味する。好ましくは、本発明は、その遊離形態の非誘導体化プロポフォールに関して実施され、というのは、その形態がDiprivan(登録商標)などのプロポフォールの現在使用可能な薬剤においても存在するからである。
【0021】
治療有効量とは、所望の薬理学的効果を生じさせるために有用な用量、濃度または強度を指す。患者(例えば成人または小児、健常または疾病)および所望される効果の種類(例えば鎮静、麻酔または頭痛の制御のいずれか)に依存して、プロポフォールの治療有効量は実質的に異なり得る。
【0022】
半フッ素化アルカンは、その水素原子の一部がフッ素で置換されている直鎖状または分枝アルカンである。好ましい実施形態では、本発明で使用される半フッ素化アルカン(SFA)は、少なくとも1つの非フッ素化炭化水素部分と少なくとも1つの過フッ素化炭化水素部分から成る。特に有用なのは、一般式F(CF2)n(CH2)mHにしたがって、1つの過フッ素化炭化水素部分に結合した1つの非フッ素化炭化水素部分を有する、または一般式F(CF2)n(CH2)m(CF2)oFにしたがって、1つの非フッ素化炭化水素部分によって分けられた2つの過フッ素化炭化水素部分を有するSFAである。
【0023】
本明細書で使用される別の命名法では、2または3の部分を有する上記SFAをそれぞれRFRHおよびRFRHRF[式中、RFは過フッ素化炭化水素部分を表し、RHは非フッ素化部分を表す]と称する。あるいは、化合物は、それぞれFnHmおよびFnHmFo[式中、Fは過フッ素化炭化水素部分を意味し、Hは非フッ素化部分を意味し、ならびにn、mおよびoはそれぞれの部分の炭素原子の数である]と称され得る。例えば、F3H3は、ペルフルオロプロピルプロパンに関して使用される。さらに、このタイプの命名法は、通常、直鎖状部分を有する化合物に関して使用される。それゆえ、特に指示されない限り、F3H3は、2−ペルフルオロプロピルプロパン、1−ペルフルオロイソプロピルプロパンまたは2−ペルフルオロイソプロピルプロパンではなく、2−ペルフルオロプロピルプロパンを意味するとみなされるべきである。
【0024】
好ましくは、一般式F(CF2)n(CH2)mHおよびF(CF2)n(CH2)m(CF2)oFにしたがった半フッ素化アルカンは、3〜20個の炭素原子にわたる部分サイズを有し、すなわちn、mおよびoは、3〜20の範囲から独立して選択される。本発明に関連して有用なSFAはまた、資料の開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,262,126号、欧州特許出願第EP−A 965 334号、同第EP−A 965329号および同第EP−A 2110126号にも記載されている。
【0025】
さらなる実施形態では、半フッ素化アルカンは式RFRHにしたがった化合物であり、そのRFおよびRH部分は直鎖状であり、各々、しかし互いからは独立して、3〜20個の炭素原子を有する。別の特定の実施形態では、過フッ素化部分は直鎖状であり、4〜12個の炭素原子を含み、および/または非フッ素化部分は直鎖状であり、4〜8個の炭素原子を含む。好ましいSFAは、特に化合物F4H5、F4H6、F6H4、F6H6、F6H8およびF6H10を含む。本発明を実施するために現在最も好ましいのは、F4H5、F6H6およびF6H8である。
【0026】
場合により、組成物は2以上のSFAを含有し得る。例えば特定の密度または粘度などの特定の標的特性を達成するために、SFAを組み合わせることが有用であり得る。SFAの混合物を使用する場合は、混合物がF4H5、F4H6、F6H4、F6H6、F6H8およびF6H10の少なくとも1つ、特にF4H5、F6H6およびF6H8の1つを含むことがさらに好ましい。別の実施形態では、混合物は、F4H5、F4H6、F6H4、F6H6、F6H8およびF6H10から選択される少なくとも2つの成員、特にF4H5、F6H6およびF6H8から選択される少なくとも2つの成員を含む。
【0027】
液体SFAは、化学的および生理的に不活性であり、無色で安定である。それらの典型的な密度は1.1〜1.7g/cm3の範囲であり、表面張力は19mN/mという低いものであり得る。RFRH型のSFAは水に不溶性であるが、同時にいくぶん両親媒性であり、親油性の上昇は非フッ素化部分の大きさの増大と相関する。
【0028】
RFRH型の液体SFAは、眼科において商業的に、特に網膜を広げ、再適用するために、代用硝子体液として長期タンポナーデのために(H.Meinert et al.,European Journal of Ophthalmology,Vol.10(3),pp.189−197,2000)、および硝子体網膜手術後の残留シリコン油のための洗い出し液として使用されている。実験的に、それらは代用得血液としても使用されている(H.Meinert et al.,Biomaterials,Artificial Cells,and Immobilization Biotechnology,Vol.21(5),pp.583−95,1993)。これらの適用は、SFAを生理的に良好に耐容される化合物として確立した。
【0029】
他方で、SFAは、現在のところ承認された薬剤製品中の賦形剤としては使用されていない。
【0030】
今や、驚くべきことに、SFAが予想外に高い量のプロポフォールを溶解できるのみならず、生じる溶液が他の点に関しても非常に有利であることが発明者によって見出された。例えば、皮膚または粘膜に投与した場合、それらは優れた拡散挙動を示す。同時に、有機溶媒を皮膚または粘膜に適用した場合に一般的に認められる刺激を生じさせない。さらに、SFAはDiprivan(登録商標)などの既存製剤に対する脂質不含の代替物を提供するので、それらは担体媒介性高脂血症の問題を回避する。
【0031】
SFAへのプロポフォールの溶解度は注目に値する。プロポフォールは、最も好ましいSFA、すなわちF4H5、F6H6およびF6H8を含む大部分のSFAと自由に混和することができ、その他では非常に高い溶解度を示す。960mg/mLまでのプロポフォール濃度を有するSFA溶液が可能であることが認められている。それゆえ、本発明はまた、プロポフォールの高度濃縮液体製剤を提供する。安全で好都合な服薬および投与を可能にするために、本発明の組成物は、通常約0.001重量%〜約90重量%の範囲内の強度(すなわちプロポフォールの濃度)を有するべきである。さらなる実施形態では、プロポフォール濃度は、それぞれ約0.01重量%〜約80重量%、または約0.1重量%〜約50重量%、または約1重量%〜約20重量%、または約2重量%〜約20重量%である。さらなる実施形態では、強度は、約1重量%またはそれ以上、例えば約2重量%、5重量%、10重量%、20重量%または25重量%である。
【0032】
プロポフォールに対する高い可溶化能、良好な拡散挙動、および、例えば粘膜への刺激の欠如の複合効果はまた、全身作用を得るためのプロポフォールの非注射投与を可能にする。例えば、本発明の組成物は、経粘膜(例えば口腔または舌下)投与のための濃縮溶液(例えば2〜20重量%)として設計され得る。組成物中の高い薬剤濃度は、粘膜バリアを介した血流への有効成分の取込みのために高い駆動力を提供する。同時に、優れた拡散特性は粘膜と製剤の密接な接触を確実にする。プロポフォールは小さな親油性分子であるので、これらの状況下で粘膜を介して迅速に吸収されることが期待できる。
【0033】
あるいは、組成物は従来の経口経路によって、すなわち経口摂取によって投与され得る。場合により、液体充填硬または軟カプセルがこのための剤形として使用できる。より柔軟な投薬レジメンのために、適切なガラスまたはプラスチック容器から配薬される単純な経口溶液も有用である。
【0034】
ほとんどの目的のために、プロポフォールに対するSFAの高い可溶化能を十分に利用し、組成物を完全な溶液として、すなわちその中に含まれるすべてのまたは基本的にすべての薬剤物質が溶解形態である溶液として設計することは有利である。
【0035】
好ましくは、組成物は液体形態またはゲルの形態である。本明細書で使用される場合、ゲルは、そのレオロジー特性によって定義される。医薬剤形として使用できるゲルは半固体である:前記ゲルは、低いせん断力の行使時には固体のように挙動するが、一定の力閾値、いわゆる「降伏点」を上回ると、粘性流体のように挙動する。所望部位および投与方法に依存して、例えば局所投与部位でより長い保持時間を達成するために、本発明の組成物を液体溶液としてではなくゲルとして設計することが有用であり得る。他方で、組成物を舌下カプセルのための充填物質として、口腔粘膜もしくは鼻腔スプレーとして、または吸入エアロゾルとして使用する場合は、液体形態が特に有利である。
【0036】
組成物をゲルに変換するために、適切なゲル形成賦形剤または賦形剤の混合物を添加し得る。そのような賦形剤は、固体SFAなどの、薬剤物質がその中に溶解される1または複数のSFAと混和性である固体物質であり得るか、またはSFA内にコロイド的に溶解し、半固体挙動を生じさせる会合分子の三次元ネットワークを形成する物質であり得る。無水系でゲル化能を有する賦形剤の例は、Aerosil(登録商標)200などのコロイド状二酸化ケイ素(フュームドシリカ)、特定のトリテルペン(例えばドイツ特許出願第DE 10 2004 030 044 A1号において教示される)、N−ステアロイル−L−アラニンメチルエステル、モノステアリン酸ソルビタン、およびエチルセルロースなどの親油性セルロース誘導体を含む。
【0037】
液体またはゲルの形態であるか否かにかかわらず、組成物は必要に応じてさらなる医薬賦形剤を含有し得る。例えば、組成物は、生理的に許容されるさらなる有機溶媒、例えばエタノール、アセトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、トリグリセリド油、HFA 134aおよび/またはHFA 227などのハイドロフルオロカーボン、液体モノまたはジグリセリド等を組み込み得る。いずれのSFAが選択されるかに依存して、そのような溶媒の溶解度が制限され得、それが、溶媒を組み込むことができる量を限定し得る。そのような溶媒の存在は、組成物の特性、例えば密度、粘度、表面張力または蒸気圧を変化させるために有用であり得る。また、この賦形剤が選択されたSFAに容易に溶解しない場合は、同じく組成物に必要とされる別の賦形剤をより良好に可溶化するために有用であり得る。
【0038】
組成物が、口腔内、鼻腔または肺エアロゾルなどのエアロゾル化形態で投与されることを意図される場合は、HFA 134aおよび/またはHFA 227などの噴射剤を組み込むことが有用であり得る。
【0039】
意図される特定の用途に依存して、多少の水を組み込むために親水性有機溶媒を添加することが望ましい場合とそうでない場合があり得る。好ましい実施形態の1つでは、本発明の組成物は基本的に水を含まない。
【0040】
場合により、組成物は界面活性剤を含有し得る。界面活性剤の組込みは、口腔または鼻粘膜の粘液などの水性液体と製剤の相互作用を高めるために有用であり得、特に湿った体表において、組成物の拡散をさらに改善し得る。場合により、2以上の界面活性剤を使用し得る。適切な界面活性剤は、意図される投与経路を考慮して生理的に許容される非イオン、陰イオン、陽イオンおよび双性イオン界面活性剤から選択され得る。潜在的に有用な界面活性剤の例は、天然および精製レシチン、半合成リン脂質、ポロキサマー、ペグ化グリセリド、Cremophor(登録商標)EL、Cremophor(登録商標)RH 40、Cremophor(登録商標)RH 60、d−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、Solutol(登録商標)HS 15、モノオレイン酸ソルビタン、Labrafil(登録商標)M−1944CS、Labrafil(登録商標)M−2125CS、Labrasol(登録商標)、Gellucire(登録商標)44/14、Softigen(登録商標)767、ならびにPEG 300、400または1750のモノおよびジ脂肪酸エステルを含む。
【0041】
さらに、組成物は、例えば製剤中の賦形剤の1つが酸化的分解を受けやすい場合、場合により共力剤と組み合わせて、抗酸化剤を組み込み得る。潜在的に適切な抗酸化剤および共力剤の例は、ビタミンE−TPGSなどのビタミンEまたはビタミンE誘導体、リコペンおよびその誘導体、没食子酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール、ならびにブチルヒドロキシトルエンを含む。
【0042】
必要に応じて添加し得るさらなる医薬賦形剤は、着色剤、香味料、矯味剤、甘味料、生体接着剤、粘度調整剤、安定剤、防腐剤等を含む。適切な脂溶性香味料の例は、ペパーミント油およびユーカリ油などの精油、ショウノウおよびメントールを含む。有用な防腐剤の例は、ソルビン酸、メチル、プロピル、ブチルおよびベンジルパラベン、安息香酸、ベンジルアルコール、クロロブタノール、フェノール、フェノキシエタノール、クロロクレゾールおよびメタクレゾールを含む。好ましい実施形態では、組成物は、しかし、高脂血症のような脂質関連毒性を回避するためにトリグリセリドまたはリン脂質などの脂質を実質的に含まない。
【0043】
他方で、現在公知のプロポフォール製剤と異なり、本発明の組成物は、好ましくは無水製剤であるので、しばしば防腐剤の組込みを必要としない。したがって、本発明のさらなる実施形態は、プロポフォールおよび少なくとも1つのSFAを含有する無水の防腐剤不含組成物である。防腐剤はしばしば過敏症などの副作用の危険性に結びつくので、微生物汚染を生じにくい防腐剤不含組成物を提供できることは本発明の大きな利点である。
【0044】
さらなる特定の実施形態では、本発明の組成物は無菌である。無菌は、製剤を適切な一次包装手段に充填した後滅菌することによって、例えば加圧滅菌またはガンマ線滅菌によって達成され得る。あるいは、組成物を滅菌ろ過し、次にガラスまたはプラスチックバイアルのような滅菌一次包装に無菌的に充填して、密封し得る。
【0045】
さらなる態様では、本発明はまた、本明細書で述べる組成物を含有する剤形を対象とする。剤形は、投与に適した医薬組成物または薬剤製品の種類と理解される。例えば、組成物を含有し得る興味深い剤形は、軟ゼラチンカプセル、口腔(内)スプレー、口腔(内)液体、口腔(内)ゲル、鼻腔スプレー、定量吸入器、ネブライザ溶液、点耳液、直腸浣腸剤等である。
【0046】
好ましい種類の軟ゼラチンカプセルは、経口または口腔内投与用に設計される。大部分の従来のカプセル製剤と同様に、単に嚥下されるために使用され得る。口腔内投与に関しては、カプセルの外皮は、かむことによって容易に破壊されるように適合され得、そのため液体またはゲル様組成物が口腔内に放出される。プロポフォールの特性および組成物中でのその高濃度のために、薬剤は口腔粘膜、例えば舌下、歯肉または頬粘膜を介して血流中に吸収され得る。口腔内投与用の液体または半固体充填物を有する軟ゼラチンカプセルの特定の利点は、固体剤形の典型的な利点(正確な投薬、取扱いおよび投与の便利さ、高い安定性ならびに長い貯蔵寿命)を、バイオアベイラビリティを制限する初回通過効果の可能性を伴わずに、薬理学的効果の迅速な発現をもたらす口腔粘膜吸収の能力と結びつけることである。
【0047】
あるいは、組成物が口腔内液体またはスプレーなどの他の口腔内剤形で投与される場合、そのような実施形態の利点は、柔軟な投薬スキームを適用するのが特に容易であることである。例えば、所望の薬理学的効果(例えば鎮静、麻酔または片頭痛の制御のいずれか)、患者の種類(疾病または健常、成人または小児)を考慮に入れるために用量を容易に調整し得る。さらに、口腔粘膜取込みのための口腔内液体またはスプレーの投与は、患者において所望効果が認められるまで連続的な用量を投与する、効果までの投与量(dosing−to−effect)型の治療を可能にする。
【0048】
さらなる実施形態では、組成物は鼻腔投与のために使用される。この用途によれば、組成物は、鼻腔スプレーとしてまたは液滴径分布および流体力学が鼻粘膜への高い度合のエアロゾル沈着を達成するのに適した噴霧エアロゾルの形態で提供され得る。鼻粘膜から、血流への小さな親油性分子の吸収が可能であり、本発明の組成物は薬剤物質を高濃度で、しかも良好に耐容される担体中に含有するので、この投与経路を可能にするのに極めて適する。さらに、本発明の組成物は、直径約0.1〜10μmの液滴を生成する、アトマイザヘッドを備えた従来の鼻腔スプレーボトルを使用して容易に噴霧化することができることが認められた。
【0049】
実際に、組成物を、アトマイザを備えたスプレーボトルとして包装し、提供することによる実施形態は、口腔内投与と鼻腔投与の両方に使用できるという付加的な利点を有する。
【0050】
上述したように、組成物はまた、例えば定量吸入器またはネブライザを使用して、吸入によって肺に投与し得る。SFAは高度に生体適合性であり、吸入された場合でも生理的に不活性であるので、これが可能である。
【0051】
好ましくは、本発明によって提供される組成物および剤形は、プロポフォールを服用することから恩恵を得られるすべての患者のための薬剤として使用される。特に、麻酔または鎮静の誘導または維持、片頭痛などの頭痛の予防または治療、化学療法誘発性悪心などの悪心の予防または治療、脳外傷または損傷における中枢神経組織の保護(神経保護)、および不安の制御のための医学的用途が特に有益であると提案される。
【0052】
さらに、組成物および剤形はまた、家畜およびペット動物の両方のための動物薬としても使用し得る。特に、麻酔および鎮静を開始および/または維持するためならびに不安を制御するための使用が提案される。
【0053】
以下の実施例は本発明を説明するものである;しかし、これらは本発明の範囲を限定すると理解されるべきではない。
実施例
【実施例1】
【0054】
無菌条件下に、プロポフォール1mg(5.6×10^(−3)mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)100mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例2】
【0055】
無菌条件下に、プロポフォール1mg(5.6×10^(−3)mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例3】
【0056】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例4】
【0057】
無菌条件下に、プロポフォール1g(5.6mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例5】
【0058】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)を撹拌下でペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例6】
【0059】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)を撹拌下でペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)0.5mLおよびペルフルオロブチルペンタン(F4H5)0.5mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例7】
【0060】
無菌条件下に、プロポフォール1g(5.6mmol)を撹拌下でペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例8】
【0061】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)およびα−トコフェロール2mg(4.6×10^(−3)mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例9】
【0062】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)およびα−トコフェロール30mg(7×10^(−2)mmol)を撹拌下でペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例10】
【0063】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)およびショウノウ10mg(6.6×10^(−2)mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例11】
【0064】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)およびエタノール100mg(2.2mmol)を撹拌下でペルフルオロブチルペンタン(F4H5)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例12】
【0065】
無菌条件下に、プロポフォール100mg(0.56mmol)およびエタノール100mg(2.2mmol)を撹拌下でペルフルオロヘキシルヘキサン(F6H6)1mLに添加し、透明な溶液を形成する。さらに15分間撹拌した後、溶液を滅菌ろ過し、滅菌褐色ガラスバイアルに充填して、その後バイアルを密封する。
【実施例13】
【0066】
実施例1と同様にして、400mg/gの名目プロポフォール含量を有するプロポフォールの2つの溶液を調製した。溶媒として、最初の溶液はペルフルオロブチルペンタン(F4H5)を含み、2番目の溶液はペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)を含んだ。さらなる成分は使用しなかった。それらの安定性を試験するために、それぞれの溶液の試料バイアルをそれぞれ25℃/60%相対湿度、30℃/65%相対湿度、および40℃/75%相対湿度で保存した。1か月間および3か月間の保存後、試料を欧州薬局方2.2.2にしたがってGC/MSによって分析した。結果として、すべての試料中のプロポフォール含量は十分に名目値の95%以上であり、また溶液の調製直後に測定した実際の含量の95%をはるかに上回り、製剤の良好な安定性を示した。表1は結果を詳細に示す。示されているパーセンテージは名目プロポフォール含量に対してである。
【0067】
【表1】

【実施例14】
【0068】
実施例13と同様にして、300mg/gの名目プロポフォール含量を有するプロポフォールの2つの溶液を、ペルフルオロブチルペンタン(F4H5)またはペルフルオロヘキシルオクタン(F6H8)を二者択一的に唯一の賦形剤として使用して調製した。各々の製剤について、プロポフォール100mg/kg体重に相当する量を3匹の麻酔したWistarラットに口腔投与した。詳細には、体重348±24gのWistarラット(n=3;各々の群について)を無作為に実験群に割り当てた。動物を前酸素化し、ケタミン(Ketanest(登録商標)10%、Pfizer,Karlsruhe,Germany)およびキシラジン(Rompun(登録商標)、BayerVital,Leverkusen,Germany)で麻酔した。血管カテーテル(Portex、Smiths medical,Kent,UK)を大腿動脈および静脈に設置した。麻酔した動物を背臥位に置き、前頸部を切開して、気管開口形成術を実施した。試験化合物の胃または腸変位を回避するため、続いて近位食道の結紮を行った。動脈カテーテルを標準圧力変換器に接続することによって動脈血圧を観測した。心拍数を心電図(ECG)によって観測した。直腸プローブを使用して体温を継続的に観測し、電気加温パッドを用いて平熱を維持した。実験の完了までケタミンおよびキシラジンの持続静脈内注入で麻酔を維持した。動脈圧およびECGを観測し、検定した特殊なマルチチャネルオンラインレコーダー(MedIS,Medical Device Integration System,Hochschule Mannheim,Germany)によって取得した。動物を、FiO2 0.5、1回換気量6ml/kg、呼吸終末陽圧3cm H2Oおよび呼吸数70〜80/分で圧コントロールモード(IPPV)を使用して、Fabian Plus(登録商標)新生児人工呼吸器(Acutronic Medical Systems AG,Hirzel,Switzerland)で換気した。
【0069】
基線血液試料(0.2μl)を、試験化合物の口腔設置の前に収集した(基線値)。F4H5およびF6H8を基剤とするプロポフォール製剤を、実験用ピペットを使用して動物の頬側嚢にボーラスとして投与した。各々の動物は100mg/kg体重のそれぞれの溶液を摂取した。平均すると、すべての動物が34±2mgのプロポフォールを摂取した。試験化合物の口腔適用の5、10、15、30、60、90および120分後に血液試料(0.2μl)を収集した。試料を遠心分離し、分析まで−20℃で保存した。質量分析(MS)および高速液体クロマトグラフィ(HPLC)でプロポフォール濃度の定量を実施した。
【0070】
結果として、血行力学的観測により、製剤が良好に耐容されることの証拠が提供された。心拍数および動脈血圧の変化は認められなかった。
【0071】
プロポフォールの全身取込みは、F4H5に基づく製剤の場合は10分後におよびF6H8に基づく製剤の場合は15分後に100ng/ml以上に上昇した平均血漿レベルによって示された。試料採取時間内に、334ng/mlの最大血漿レベルがF4H5に基づく製剤によって120分後に、およびF6H8に基づく製剤の場合は259ng/mlの最大血漿レベルが60分後に認められた。しかし、少なくともF4H5に基づく製剤に関しては、実験の終了時にまだ実際の最大血漿レベルには達していないと思われた。すべての試料採取時間についての濃度を表2に示す。一般的に言えば、そのようなプロポフォール濃度は、プロポフォールを使用した全身麻酔において典型的に認められる濃度よりもわずかに低いが、それでもなお、例えば集中治療の状況では、鎮静のために有効であると考えられる。
【0072】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のプロポフォールおよび半フッ素化アルカンを含有する医薬組成物。
【請求項2】
半フッ素化アルカンが、式:
RFRH
または式:
RFRHRF
[式中、RFは、20個またはそれ以下の炭素原子を有する過フッ素化炭化水素部分であり、および
RHは、3〜20個の炭素原子を有する非フッ素化炭化水素部分である]
の化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
半フッ素化アルカンが、式:
RFRH
[式中、RFは、3〜10個の炭素原子を有する直鎖状過フッ素化炭化水素部分であり、および
RHは、3〜10個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である]
の化合物である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
半フッ素化アルカンが、F4H5、F6H6およびF6H8から選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
プロポフォールの濃度が約1重量%またはそれ以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
含有される基本的にすべてのプロポフォールが溶融形態である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
液体またはゲルの形態である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
トリグリセリドまたはリン脂質などの脂質を実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物を含有する医薬剤形。
【請求項10】
軟カプセルまたは口腔スプレー、鼻腔スプレー、吸入エアロゾル、経口ゲルおよび経口液体から選択される、請求項9に記載の剤形。
【請求項11】
容器およびその中に請求項1〜8に記載の組成物を含み、容器が組成物を噴霧化するための手段を含む医薬キット。
【請求項12】
請求項1〜8に記載の組成物または請求項9もしくは10に記載の剤形の薬剤としての使用。
【請求項13】
薬剤が経口、口腔粘膜または経鼻投与用である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
薬剤が、麻酔、鎮静を誘導するため、脳損傷における神経保護のため、または片頭痛もしくは悪心の治療のためである、請求項12または13に記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜8に記載の組成物または請求項9もしくは10に記載の剤形の動物薬としての使用。

【公表番号】特表2013−511496(P2013−511496A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539355(P2012−539355)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067938
【国際公開番号】WO2011/061332
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512086242)ノバリック ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】