説明

プロポリス抽出物の粉末状組成物及びその製造方法

【課題】アルコール又は超臨界二酸化炭素を用いて抽出したプロポリス抽出物を高含有し、且つ流動性の高い高温安定な粉末状の組成物の開発及びその組成物を用いたカプセル製剤、錠剤、顆粒製剤を提供すること。
【解決手段】パントテン酸を50%程度以下の割合でプロポリス抽出物、又はその起源植物の抽出物に添加した後に凍結乾燥させることにより得られたプロポリス抽出物粉末は、常温及び高温条件下で飴状の塊を形成しないため、安定的に保存できることを見い出した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬用、飲食用、化粧用、若しくは口腔用組成物として利用可能なプロポリス抽出物、又はその起源植物の抽出物を高含有した粉末状組成物及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロポリスとは、ミツバチが唾液をアレクリン(Baccharis dracunculifolia)などの植物の新芽、葉、実、及び樹液と混合して構築する物質である。(田澤茂実ら Natural Medicines 54(6):306‐313,2000:非特許文献1)。アルコール又はアルコール水溶液で抽出されたプロポリス抽出物は抗菌性や抗酸化作用に優れ、特に癌治療・予防に民間療法的に利用されてきた。
【0003】
プロポリスは産地によって含有する有効成分の種類や量に差があるが、共通してフラボノイド、テルペノイド及び桂皮酸などの脂溶性の有効成分を豊富に含有しているため(非特許文献1)、これらの成分を効率的に抽出する方法としてエタノールなどの食用アルコ−ル又はアルコールと水との混合液が最も広く利用されている。しかしながら、アルコールで抽出したプロポリス抽出物は液状であるため、ソフトカプセル錠剤、顆粒製剤、ハードカプセル製剤に加工することができない。プロポリス抽出物の含有率が70%以上に濃縮したアルコール抽出物(アルコール含有率は30%以下)はソフトカプセルには充填することができるが、カプセル内容量の50%程度までしか包含できない。
【0004】
食用アルコールで抽出されたプロポリス抽出物を熱風乾燥又は凍結乾燥することによりアルコールを蒸散させて固形物を得ることができるが、得られたプロポリス抽出物は粘着性が非常に高いため微細な粉末に加工することが難しい。アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒、超臨界状態の二酸化炭素、又は親水性及び親油性の両面を有する化合物(界面活性剤、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)を含む水を用いて抽出したプロポリス抽出物を熱風乾燥又は凍結乾燥した場合も同様に粉末化が困難である。
【0005】
これらの問題を解決する一つの方法として、食用アルコールで抽出されたプロポリス抽出物に賦形剤としてデキストリン又は食物繊維(特開平6−70705:特許文献1)を混合する方法がこれまで用いられてきた。しかしながら、この方法で得られる粉末のプロポリス抽出物の含有量は最大で50%程度であり、それ以上の濃度では25℃以上の高温下で堅く塊状に固化するという難点があった。
【0006】
高濃度の粉末状プロポリス抽出物を得る方法として、薄片状の澱粉加水分解物(特開平8−70797:特許文献2,特開2000−350557:特許文献3)、ラクトース(特開2000−350557:特許文献3)、又はサポニン(特開2001−10963:特許文献4)を、アルコールで抽出したプロポリス抽出物に混合して乾燥させる方法が報告されている。しかしながら、これらの方法でハードカプセルに充填可能な流動性のある粉末を得るためには、澱粉加水分解物又はサポニンを33.3重量%以上の濃度でプロポリス抽出物に添加しなければならない。澱粉加水分解物やサポニンが添加されたプロポリス抽出物組成物の粉末に関する特許に記載の実施例によれば、澱粉加水分解物添加の場合において組成物中のプロポリス抽出物の含有率は最大でも50重量%であり、サポニン添加の場合においては組成物中のプロポリス抽出物の含有率は最大でも66.7重量%である。よって、70重量%以上の含有率を有するプロポリス抽出物組成物の粉末はこれまでに報告されていない。
【0007】
糖質やサポニンが添加されたプロポリス抽出物組成物(プロポリス抽出物の含有率が50%以上の場合)は一時的に粉末化することができるが、それらを25℃以上で数ヶ月以上保存すれば粉末粒子が互いに付着し合い、不可逆的な堅い塊となるため、長期保存ができない。また、40℃の高温で保存した場合は短期間に粒子が互いに結合し、堅い飴状塊になるため、日本国内の5月から9月頃にまでの高温の時期においては保存ができない。通常、プロポリス抽出物を充填したハードカプセルや顆粒状の製剤が少なくとも1年間安定な物性品質を有するためには(賞味期限を1年と設定する場合)、その製剤が包装された状態で40℃の高温で2ヶ月以上保存できることが望ましい(荒木恵美子 日本食品低温保蔵学会誌22(4) 241-248, 1996:非特許文献2)。しかしながら、プロポリス抽出物の含有量が50重量%以上である組成物において、40℃の高温に対して安定性を有する粉末状プロポリス抽出物はこれまで報告されていない。よって、当然のことながら、充填された内容物の70%以上がプロポリス抽出物であり且つ40℃以上の高温耐性のハードカプセル製品は存在しなかった。
【0008】
また、薄片状の澱粉加水分解物又はラクトースを添加したプロポリス抽出物を用いて、錠剤(打錠製品)を作製したことが報告されている(特開2000−350557:特許文献3)。その錠剤に含まれるプロポリス抽出物の濃度は最大で15重量%である。十分な硬度を有する錠剤であるかどうかは不明である。よって、プロポリス抽出物の濃度が15%以上であり、且つ物理的衝撃に耐え得るような硬度3.5kg以上(製品として運搬及び使用時などに起こる衝撃に耐え得るために必要とされる硬度)の錠剤はこれまでに存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−70705
【特許文献2】特開平8−70797
【特許文献3】特開2000−350557
【特許文献4】特開2001−10963
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】田澤茂実ら Natural Medicines 54(6):306‐313,2000
【非特許文献2】荒木恵美子 日本食品低温保蔵学会誌 22(4) 241-248, 1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、アルコール又は超臨界二酸化炭素等を用いて抽出したプロポリス抽出物を高含有し、且つ流動性の高い高温安定な粉末状の組成物の開発及びその組成物を用いたカプセル製剤、錠剤、顆粒製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記の課題を解決するために、安全性が高く食品としての利用に問題の無いアミノ酸、その類似体、及びそれらが結合したペプチドの中から、アルコールで抽出したプロポリス抽出物へ配合・混合し、次いで乾燥・粉砕したときに、流動性の高い高温安定な粉末状の組成物を提供することができる化合物を探索した結果、ベタイン、β‐アラニン、クレアチン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルニチン、L‐カルノシン、L‐オルニチン、L‐テアニン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファン、L‐グルタミン酸、ポリ‐L‐アルギニンをそれぞれ50%程度以下の割合でプロポリス抽出物に添加した後に凍結乾燥させることにより得られたプロポリス抽出物粉末は、程度の差はあるものの、常温及び高温条件下で飴状の塊を形成しないため、安定的に保存できることを見い出した。さらに、これらのアミノ酸及びその類似体の構造を解析して、共通する母核構造を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、(1)パントテン酸を含有することを特徴とするプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物に関する。
【0014】
また本発明は、(2)パントテン酸を50重量%未満含有することを特徴とする上記(1)記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物に関する。
【0015】
また本発明は、(3)パントテン酸を30重量%未満含有することを特徴とする上記(2)記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物に関する。
【0016】
また本発明は、(4)プロポリスの起源植物抽出物が、アレクリン、ユーカリ、ポプラ、ナツメの抽出物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物に関する。
【0017】
また本発明は、(5)プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が、プロポリス又はプロポリス起源植物のエタノール抽出物、含水エタノール抽出物、超臨界二酸化炭素抽出物、超臨界エタノール抽出物、超臨界水抽出物であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物に関する。
【0018】
また本発明は、(6)上記(1)〜(5)のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物を含有することを特徴とする医薬用、飲食用、化粧用、又は口腔用組成物に関する。
【0019】
また本発明は、(7)上記(1)〜(6)のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物を含有するカプセル製剤、顆粒製剤又は錠剤に関する。
【0020】
また本発明は、(8)プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物に、パントテン酸、又はその溶液を混合・攪拌し、次いで乾燥させることを特徴とする粉末状組成物の製造方法に関する。
【0021】
また本発明は、(9)プロポリスの起源植物抽出物が、アレクリン、ユーカリ、ポプラ、ナツメの抽出物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(8)記載の粉末状組成物の製造方法や、(10)プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が、プロポリス又はプロポリス起源植物のエタノール抽出物、含水エタノール抽出物、超臨界二酸化炭素抽出物、超臨界エタノール抽出物、超臨界水抽出物であることを特徴とする上記(8)又は(9)記載の粉末状組成物の製造方法や、(11)凍結乾燥又は熱風乾燥により乾燥することを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか記載の粉末状組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、これまでに知られていなかったアミノ酸配合のプロポリス抽出物粉末を提供することにより、高温に安定であり、且つ50重量%以上の高濃度のプロポリス抽出物含有製剤を可能にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物としては、下記の式(I)〜(V)のいずれかで示される化合物(プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物を粉末化しうる化合物;以下「粉末化化合物」という場合がある。)、又はそれら化合物の1種以上が結合した重合体(プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物を粉末化しうる重合体;以下「粉末化重合体」という場合がある。)を含有するものであれば特に制限されず、式(I)〜(V)中、Rは、水素原子、置換若しくは非置換の低級アルカノイル基、アミジノ基、又はカルボキシル基に隣接したメチレン基と一緒になって環を形成してもよく、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、単結合又は2価の有機基を表し、Rは、イミダゾリル基、インドリル基又はN‐エチルカルバモイルメチル基を表す。ここで、低級アルカノイル基は、炭素数1〜6の、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ヘキサノイル基及びこれらの各異性体を表し、置換低級アルカノイルの置換基としては、同一又は異なって置換数1〜3のヒドロキシ基、アミノ基を示すことができ、2価の有機基としては、置換若しくは非置換のメチレン基、エチレン基又はアミド基を表し、置換メチレン基の置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基又はイミダゾリルメチル基を表す。式(I)〜(V)のいずれかで示される粉末化化合物を[表1]に例示する。
【0024】
R−NH−CH−CH−R−R−COOH (I)
R−NH−R−R−CH−CH−COOH (II)
R−NH−CH(CH−R−R)−COOH (III)
(CH−R−R−CH−COO(IV)
R−NH−C(NH)−N(CH)−CH−COOH (V)
【0025】
【表1】

【0026】
表1に示されるように、粉末化化合物として、ベタイン、β‐アラニン、クレアチン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルニチン、L‐カルノシン、L‐オルニチン、L‐テアニン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファン、L‐グルタミン酸を好適に例示することができる。
【0027】
また、本発明において、式(I)〜(V)のいずれかで示される化合物の1種以上が結合した重合体とは、式(I)〜(V)のいずれかで示される、同一又は異なる化合物の2個以上が酸アミド結合により重合した重合体を意味し、かかる粉末化重合体としては、例えば、L及び/又はD体のポリアルギニン、ポリリジン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリグルタミン酸を挙げることができるが、ポリ‐L‐アルギニンを好適に例示することができる。
【0028】
本発明のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物とは、プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物と、上記粉末化化合物や粉末化重合体とが混在している粉末状の組成物をいい、この粉末状組成物には、便宜上、粉砕することにより粉末になる前の固形物も含まれる。また、プロポリス抽出物やプロポリス起源植物抽出物の抽出溶媒としては、脂溶性成分を抽出できる溶媒であれば特に限定されないが、エタノールなどの食用アルコール、該食用アルコールと水との混合液、アセトン、ヘキサンなどの有機溶媒、親水性及び親油性の両面を有する化合物(界面活性剤、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)を含む水、あるいは超臨界状態の二酸化炭素、アルコール、水などを好適に例示することができ、中でも、脂溶性成分を効率的に抽出でき、且つ世界中で広く抽出溶媒として用いられているエタノール、含水エタノール、超臨界二酸化炭素が特に好ましい。
【0029】
本発明に用いられるプロポリスの産地はブラジル、中国、オーストラリア、ニュージーランド、北米などを挙げることができるが、特に限定されるものでなく、また、プロポリス起源植物としては、プロポリスの起源になる植物であれば特に制限されないが、アレクリン、ユーカリ、ポプラ、ナツメを好適に例示することができる。
【0030】
かかる本発明のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物には、上記粉末化化合物や粉末化重合体が50重量%未満、すなわちプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が50重量%以上含まれるものが好ましく、特に、上記粉末化化合物や粉末化重合体が30重量%未満、すなわちプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が70重量%以上含まれるものが好ましい。
【0031】
本発明のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物は、例えば、エタノール、含水エタノール、超臨界二酸化炭素(超臨界法)などで抽出した液状又はペースト状のプロポリス抽出物(好ましいプロポリス抽出物濃度は10〜50%)やプロポリス起源植物抽出物(好ましいプロポリス起源植物抽出物濃度は10〜50%)に、粉末状の上記粉末化化合物や粉末化重合体を直接添加して攪拌溶解又は分散させた後、凍結乾燥、熱風乾燥等の乾燥処理を施し、得られた固形物を粉砕することにより製造することができる。
【0032】
エタノールに溶解しにくい粉末化化合物や粉末化重合体を用いる場合は、エタノール濃度が50%以下の水溶液に上記粉末化化合物や粉末化重合体を予め溶解させ、その粉末化化合物や粉末化重合体の溶液を50〜70重量%のプロポリス抽出物に攪拌しながら少しずつ添加して混合させることができる。また、水に溶解しにくい粉末化化合物や粉末化重合体を用いる場合は、水分濃度が50%以下のアルコール水溶液又はエタノール、へキサン、アセトンなどの有機溶媒に上記粉末化化合物や粉末化重合体を予め溶解又は分散させ、その粉末化化合物や粉末化重合体の溶液を50〜70重量%のプロポリス抽出物に攪拌しながら少しずつ添加して混合させることができる。その後、凍結乾燥又は熱風乾燥させ、得られた固形物を粉砕し、粉末状のプロポリス抽出物組成物やプロポリス起源植物抽出物組成物を得ることができる。
【0033】
また、本発明のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物を含有する医薬用、飲食用、化粧用、口腔用の組成物として、プロポリス抽出物を高濃度に充填したハードカプセル製剤、ペースト状製剤、顆粒製剤、錠剤を提供することができる。医薬用、化粧用、口腔用の組成物として用いる場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。また、飲食用として用いる場合は、そのままカプセルや錠剤として食することもできるが、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜へ配合して使用することもできる。
【0034】
以下に、本発明を実施例や比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例等に限定されるものではない。実施例においては、脂溶性成分を効率的に抽出でき、且つ世界中で広く行われている抽出溶媒であるエタノール又は超臨界二酸化炭素により抽出したプロポリス抽出物の粉末化法について説明する。さらに、そのプロポリス抽出物粉末を充填したカプセル製剤及び錠剤の製法についても説明する。
【0035】
[比較例1]
(澱粉加水分解物含有のプロポリス抽出物組成物の安定性試験結果)
澱粉加水分解物が添加されたプロポリス抽出物組成物を特開平8−70797号公報(特許文献1)の実施例を参考に作製した。エタノールで抽出した後に濃縮した60重量%濃度のブラジル産プロポリス抽出物約8.3kgと澱粉加水分解物(松谷化学工業(株)製の商品名パインフロー)5.0kgとを混合し、熱風乾燥機にて50℃で24時間乾燥した。冷却後、粉砕して得られた粉末をメッシュ30で分別採取し、50重量%濃度の粉末状プロポリス抽出物を得た。この抽出物の回収率は、分別採取でのロスが多く、非常に低かった。
【0036】
同様の作業手順にて、澱粉加水分解物の含有率が30重量%のプロポリス抽出物を熱風乾燥又は凍結乾燥(−20℃で48時間)により得た。なお、比較対照として、60重量%濃度のブラジル産プロポリス抽出物をそのまま熱風乾燥又は凍結乾燥して固形状のプロポリス抽出物を得た。
【0037】
澱粉加水分解物を30重量%含有するプロポリス抽出物は製造過程において乾燥温度に関わらず、粘着性があったため流動性のある粉末を得ることができなかった。よって、安定性試験を行う段階には至らなかった(表2参照)。
【0038】
そこで、50重量%濃度の粉末状プロポリス抽出物についてのみ、安定性試験及び加速試験を実施した。まず、抽出物10gに乾燥剤1gを入れてビニル袋に密閉包装した。安定性試験についてはそれらの検体を気温20℃、湿度60%(RH)の恒温層内で2ヶ月間処理、加速試験については気温40℃、湿度75%(RH)で2ヶ月間それぞれ行った。その後に粉末の状態を目視し、その形状と流動性を以下のとおりAからEの5段階で評価した。その結果を[表2]に示す。
A: 粒子は互いに付着せず、粉末状であった。
B: 粒子が部分的に互いに付着してやわらかい塊を形成したが、ほぐせば元の粉末状にもどった。
C: 粒子が部分的に互いに付着して塊を形成したが、粉砕すれば再粉末化できた。
D: 粒子が互いに強固に付着した飴状の塊を形成した。
E: 製造過程において乾燥直後にすでに粘着性があり、物理的粉砕による粉末化ができなかったため、安定性試験を実施しなかった。
【0039】
澱粉加水分解物を50重量%含有するプロポリス抽出物粉末を25℃で2月間保存した結果、粉末粒子が互いに付着し合い、不可逆的な堅い塊となった。また、40℃の高温で保存した場合は1ヶ月以内に粒子が互いに結合し、堅い飴状塊になった。以上の結果から、これらの澱粉加水分解物を30〜50重量%含有するプロポリス抽出物粉末は、日本国内において5月から9月頃までの高温の時期に変質する可能性が高く、ハードカプセルや顆粒などの製剤に利用できないと考えられる。
【0040】
【表2】

【0041】
[比較例2]
(サポニン含有のプロポリス抽出物組成物の安定性試験結果)
特開2001−10963号公報(特許文献2)の実施例を参考にして、抽出人参サポニンが添加されたブラジル産プロポリス抽出物組成物を熱風乾燥(50℃で24時間)し、66.7重量%のプロポリス抽出物粉末を作製した。しかしながら、粘性が高く、粉砕することができなかった。一方、乾燥方法を凍結乾燥に変更して同様に66.7重量%のプロポリス抽出物を作製し、すり鉢を用いて粉砕した。比較例1に従って安定性試験及び加速試験を行った結果を[表3]に示す。その結果、安定性試験及び加速試験とも評価Dの状態であった。よって、これらは実用化できる品質ではないことが明らかとなった。
【0042】
【表3】

【実施例1】
【0043】
(ブラジル産プロポリス抽出物組成物の安定性試験結果)
99.5重量%エタノールで抽出したブラジル産プロポリス抽出液をエバポレーターで70重量%濃度に濃縮して粘性の高いプロポリス抽出物濃縮液を得た。次に、各種アミノ酸類(タウリン、ベタイン、L‐アラニン、β‐アラニン、クレアチン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルニチン、L‐カルノシン、L‐テアニン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファン、L‐アスパラギン酸、L‐グルタミン酸、L‐アスパラギン、L‐グルタミン、L‐チロシン、L‐バリン、L‐ロイシン、L‐イソロイシン、L‐メチオニン、L‐フェニルアラニン、L‐グリシン、L‐セリン、L‐トレオニン、L‐システイン)4.8gをそれぞれ50重量%エタノール水溶液12gに溶解又は混合分散させた。70重量%濃度のプロポリス抽出物16gに各種アミノ酸を溶解させたエタノール水溶液を攪拌しながら少しずつ加え、12時間攪拌し、プロポリス抽出物とアミノ酸が均一に混合されたエタノール水溶液を得た。これを−20℃で凍結乾燥させ得られた固形物を粉砕し、メッシュ30で選別採取した。得られたプロポリス抽出物の含有率は70重量%で、添加物の含有率は30重量%となった。これらの検体について、安定性試験及び加速試験及び検体の評価を比較例1に従って行った。その結果を[表4]に示す。
【0044】
【表4】

【0045】
安定性試験の結果、β‐アラニン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルニチン、L‐カルノシン、L‐テアニン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファン、L‐アスパラギン酸、L‐グルタミン酸、L‐アスパラギン、L‐グルタミンを含有するプロポリス抽出物粉末においてある程度の流動性のある粉末状態を維持していた。しかしながら、加速試験においては、その多くが相対的により堅く固化し、飴状化したものもあった。ハードカプセル製剤に充填する場合に外観上大きな問題とならない品質を維持するためには、加速試験の結果がC以上でなくてはならない。よって、β‐アラニン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルノシン、L‐テアニン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファンの添加はプロポリス抽出物の粉末化に有効な方法と言える。その中でも、L‐カルノシン、パントテン酸、L‐アルギニンは加速試験の前後で色、形状、流動性がほとんど全く変化せず、極めて良好な保存状態であった。
【実施例2】
【0046】
(中国産プロポリス抽出物粉末の安定性試験結果)
99.5重量%エタノールで抽出した中国産プロポリス抽出物液から調整した70重量%濃度の高粘性プロポリス抽出液を得た。実施例3と同様にして、アミノ酸及びその類似体と配合した70重量%濃度の粉末状プロポリス抽出物(添加物の含有率は30重量%)を用いて、安定性試験及び加速試験を実施し、比較例1に従って検体の流動性を評価した。その結果を[表5]に示す。
【0047】
【表5】

【0048】
添加物を全く配合していない70重量%濃度の中国産プロポリス抽出液を凍結乾燥させたところ、固形物が得られ、粉砕することができた。安定性試験後の状態もCレベルであり、ブラジル産プロポリスよりも粉末化しやすい傾向が見られた。また、アミノ酸又はその類似体の添加により例外なく粉末の流動性が向上し、安定性試験後にも顕著な改善傾向が見られた。しかしながら、加速試験後においてはCランク以上の流動性が得られた検体はベタイン、β‐アラニン、クレアチン、γ‐アミノ酪酸、L‐カルニチン、L‐カルノシン、L‐テアニン、L‐オルニチン、パントテン酸、L‐アルギニン、L‐リジン、L‐ヒスチジン、L‐プロリン、L‐トリプトファン、L‐グルタミン酸を添加したプロポリス抽出物であった。その中でも、L‐カルノシン、パントテン酸、L‐アルギニンは加速試験の前後で色、形状、流動性がほとんど全く変化せず、極めて良好な保存状態であり、ブラジル産プロポリスの結果と高い共通性があった。
【0049】
一方、ベタイン、クレアチン、L‐カルニチン、L‐オルニチン、L‐グルタミン酸の添加の影響はブラジル産プロポリスの場合とは異なり、中国産プロポリスにおいて高温耐性粉末の製造に効果的であった。
【0050】
表4及び表5において、プロポリス抽出物の粉末化に有効なアミノ酸及びその類似体の構造を解析した結果、共通する母核構造を発見した。その最小単位となる化合物はβ‐アラニン(NH-CH-CH-COOH)であり、アミノ基(NH-)とカルボキシル基(-COOH)の間にエチレン基を有する。カルボキシル基が-SOHになったタウリンは効果が小さいことから、カルボキシル基が不可欠であることが示唆される。また、L‐アルギニン及びL‐リジンは効果があるのに対し、L‐メチオニン、L‐グルタミンで効果がないことから、アミノ基も必須であると考えられる。ただし、L‐アラニンは効果がなくβ‐アラニンで効果があることから、アミノ基はカルボキシル基が結合しているα位の炭素以外の炭素に結合した状態でなければ効果がないことと思われる。この推測は、L‐トリプトファンやヒスチジンにおいて効果があることからも支持される。以上のことから総合的に判断すると、以下の式(I)又は(II)に示されるある種のアミノ酸及びその類似体に効果があると考えられる。
【0051】
R−NH−CH−CH−R−R−COOH (I)
R−NH−R−R−CH−CH−COOH (II)
R−NH−CH(CH−R−R)−COOH (III)
【0052】
ベタイン及びL‐カルニチンはブラジル産プロポリスの加速試験においてあまり効果がなかったが、中国産では効果が得られたことから、中国産プロポリスの粉末化においては添加物のアミノ基の水素原子がメチル基に代替されても有効であると考えられる。よって、以下の式(IV)で示される化合物は中国産プロポリス抽出物の粉末化に効果的であろうと考えた。
(CH−R−R−CH−COO(IV)
また、クレアチンが有効であったことから、式(V)で示される化合物は中国産プロポリス抽出物の粉末化に効果的であろうと考えた。
R−NH−C(NH)−N(CH)−CH−COOH (V)
【実施例3】
【0053】
(L‐アルギニン含有のプロポリス抽出物粉末の安定性試験結果)
アルギニンの含有率が10、20、30、40、50重量%の粉末状プロポリス抽出物を実施例1と同様の製法で作製し、安定性試験及び加速試験を行った。検体の流動性の評価は実施例1に従った。その結果、ブラジル産プロポリス抽出物においては80重量%のプロポリス抽出物の含有率、中国産プロポリス抽出物の場合は90重量%プロポリス抽出物の含有率の粉末が得られた。アルギニンの含有量を30重量%以上に増やしても流動性にほとんど影響を与えなかった。
【0054】
【表6】

【実施例4】
【0055】
(L‐アルギニン含有のプロポリス抽出物組成物のハードカプセルへの充填試験)
実施例3の製造方法をスケールアップした方法に従って得られたアルギニン30重量%含有の粉末状ブラジル産プロポリス抽出物10.2kgにショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)から購入)0.3kgを均一に混合した後、1号のゼラチンハードカプセル(カプスゲル・ジャパン(株)製)を設置した粉末充填機(イタリアのMG2社製の機種名G37/N)に流し込み、以下の処方設定[表7]でカプセル充填を行った。
【0056】
【表7】

【0057】
製造されたカプセルのうち、10個を無作為に抜き取り、重量測定を行った結果、誤差の平均は+4mgで、最大誤差は+11mgであった[表8]。また、2000個を目視検査した結果、充填が不十分あるいは内容物が変色又は固化しているカプセルは全く検出されなかった。
【0058】
【表8】

【実施例5】
【0059】
(L‐アルギニン含有のプロポリス抽出物組成物のハードカプセルの加速試験)
実施例6で試作したL‐アルギニン含有のプロポリス抽出物組成物のハードカプセル90粒及び1gの乾燥剤をプラスチック容器に入れ、密閉した。40℃で湿度75%RHの恒温層に4ヶ月間保存した。加速試験前と試験後にそれぞれハードカプセルの内容物を取り出し、日本健康栄養食品協会の手引きに従ってp‐クマル酸の含有量を測定した。その結果を[表9]に示す。試験前と比較して、加速処理後のp‐クマル酸はほとんど分解せず、その残存率は95.3重量%であった。又はドカプセルの内容物の流動性が加速試験後においても十分に維持されていた。比較例1に従って加速試験後の内容物の流動性を評価した結果はAレベルであった。
【0060】
【表9】

【実施例6】
【0061】
(L‐アルギニン含有のプロポリス抽出物組成物を含有する錠剤の生産)
実施例3で得られたL‐アルギニンを30重量%含有するブラジル産プロポリス抽出物粉末を打錠機((株)菊水製作所製の機種名LIB2 0836SS2JZ)を用いて直径8mmの円形の錠剤を作製した。得られた錠剤の硬度を硬度計((株)藤原製作所製の機種名KHT‐20N)を用いて測定した。その結果、硬度は4.5kg(3検体を測定し、その標準偏差は0.10kg)であった。この堅さは、錠剤をガラス容器に充填したり、あるいはPTP包装しても型崩れしない程度の十分な硬度であった。
【実施例7】
【0062】
(L‐トリプトファン含有のプロポリス抽出物組成物の安定性試験結果)
トリプトファンの含有率が30重量%の粉末状プロポリス抽出物は加速試験後にはCランクの状態に変質することから、相対的な効果は低かった(実施例3,4参照)。そこでL‐トリプトファンの含有量を増加させ、40、50重量%の粉末状プロポリス抽出物を実施例3と同様の製法で作製し、安定性試験及び加速試験を行った。その結果、ブラジル産プロポリス抽出物及び中国産プロポリス抽出物の両方において、L‐トリプトファンの含有量依存的に粉末状プロポリス抽出物の流動性が向上した(表10参照)。50重量%の粉末状プロポリス抽出物においては加速試験後においてBレベルの流動性が得られた。
【0063】
【表10】

【実施例8】
【0064】
(超臨界二酸化炭素により得られたプロポリス抽出物とL‐アルギニンの混合組成物の安定性試験結果)
実施例1と同様の方法により、超臨界二酸化炭素により得られたプロポリス抽出物にL‐アルギニンを添加し、L‐アルギニン含有量が30、40、50重量%になるように調整した。具体的作業手順には次のとおりである。まず、L‐アルギニン4.8g、6.4g、11.2gをそれぞれ50重量%エタノール水溶液12gに溶解又は混合分散させた。超臨界二酸化炭素により得られたブラジル産及び中国産プロポリス抽出物11.2gにL‐アルギニンを溶解させたエタノール水溶液を少しずつ加え、12時間攪拌し、プロポリス抽出物とL‐アルギニンが均一に混合されたエタノール水溶液を得た。これを−20℃で凍結乾燥させ得られた固形物を粉砕し、メッシュ30で選別採取した。かくしてL‐アルギニン含有量が30、40、50重量%の粉末状プロポリス抽出物を得た。これらの検体について、安定性試験及び加速試験及び検体の評価を比較例1に従って行った。その結果を[表11]に示す。
【0065】
その結果、ブラジル産プロポリス抽出物及び中国産プロポリス抽出物の両方において、L‐アルギニンの含有量が30重量%以上であれば、安定試験後においても高い流動性の粉末状プロポリス抽出物が得られた。30重量%の粉末状ブラジル産プロポリス抽出物粉末においては加速試験後にやや流動性が下がるものの、L‐アルギニンの含有量が40重量%以上のプロポリス抽出物は極めて流動性が高く高温下でも安定であることが明らかとなった。
【0066】
【表11】

【実施例9】
【0067】
(L‐アルギニン含有のプロポリス起源植物の抽出物組成物の安定性試験結果)
ブラジル産プロポリスに起源植物の一つであるアレクリン(Baccharis dracunculifolia)又は中国産プロポリスに起源植物の一つであるポプラ(Populus lassiocarpa)の新芽の乾燥物5gを粉砕した後、15gの80重量%のエタノール水溶液と混合し、3日間室温で攪拌した。その混合物を絞り、フィルターろ過(6μmメッシュ)して得られた上清をそれぞれアレクリンおよびポプラ抽出物(1番絞り)とした。さらに、その絞り残渣にエタノールを加え、同様に抽出した(2番絞り)。最終的に、これらの抽出物を混合し、試験用のアレクリンおよびポプラ抽出物とした。これを減圧下で濃縮し、22重量%の液状プロポリス起源植物抽出物を得た。その抽出物5.6gに0.5gのL‐アルギニンを直接加え、25℃で12時間攪拌した後、実施例1に従って凍結乾燥し、メッシュ30で選別採取してプロポリス起源植物抽出物の粉末を得た。それらを検体として安定性試験及び加速試験を行い、比較例1に従って検体の流動性を評価した。その結果を[表12]に示す。プロポリス起源植物抽出物の粉末化に対しても、アルギニンは高い効果を有していることが明らかとなった。他方、アルギニン無添加(対照)は、安定性試験及び加速試験において良好な結果が得られなかった。
【0068】
【表12】

【実施例10】
【0069】
(ポリ‐L‐アルギニン含有のプロポリス抽出物組成物の安定性試験結果)
50重量%のエタノール水溶液50mgにポリ‐L‐アルギニン塩酸塩10mg(和光純薬製)を加え、溶解させた。そこに99.5重量%エタノールで抽出したブラジル産プロポリス抽出液(プロポリス抽出物の固形分濃度が20重量%)を116.5mg添加し、12時間シェイカーで振動させた。実施例3に従って、−20℃で凍結乾燥させて得られた固形物をすり鉢で粉砕した。かくしてポリ‐L‐アルギニン含有量が30重量%の粉末状プロポリス抽出物を得た。この検体について、安定性試験及び加速試験及び検体の評価を比較例1に従って行った。その結果(表13参照)、ポリアルギニンを添加したプロポリス抽出物の粉末は高温下においても高い流動性を維持していた。
【0070】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パントテン酸を含有することを特徴とするプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物。
【請求項2】
パントテン酸を50重量%未満含有することを特徴とする請求項1記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物。
【請求項3】
パントテン酸を30重量%未満含有することを特徴とする請求項2記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物。
【請求項4】
プロポリスの起源植物抽出物が、アレクリン、ユーカリ、ポプラ、ナツメの抽出物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物。
【請求項5】
プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が、プロポリス又はプロポリス起源植物のエタノール抽出物、含水エタノール抽出物、超臨界二酸化炭素抽出物、超臨界エタノール抽出物、超臨界水抽出物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物を含有することを特徴とする医薬用、飲食用、化粧用、又は口腔用組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか記載のプロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物の粉末状組成物を含有するカプセル製剤、顆粒製剤又は錠剤。
【請求項8】
プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物に、パントテン酸、又はその溶液を混合・攪拌し、次いで乾燥させることを特徴とする粉末状組成物の製造方法。
【請求項9】
プロポリスの起源植物抽出物が、アレクリン、ユーカリ、ポプラ、ナツメの抽出物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8記載の粉末状組成物の製造方法。
【請求項10】
プロポリス抽出物又はプロポリス起源植物抽出物が、プロポリス又はプロポリス起源植物のエタノール抽出物、含水エタノール抽出物、超臨界二酸化炭素抽出物、超臨界エタノール抽出物、超臨界水抽出物であることを特徴とする請求項8又は9記載の粉末状組成物の製造方法。
【請求項11】
凍結乾燥又は熱風乾燥により乾燥することを特徴とする請求項8〜10のいずれか記載の粉末状組成物の製造方法。

【公開番号】特開2012−62321(P2012−62321A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271671(P2011−271671)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2005−178559(P2005−178559)の分割
【原出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(592207809)森川健康堂株式会社 (14)
【Fターム(参考)】