説明

プロリルヒドロキシラーゼ阻害剤

本発明は、HIFプロリルヒドロキシラーゼのアンタゴニストであり、この酵素の阻害により利益を得る、貧血を一例とする疾患の治療に有用である式(I)の特定のピリミジンジオンN−置換グリシン誘導体に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害剤であり、そのため、この酵素の阻害から利益を得る、貧血を一例とする疾患の治療に有益な特定のヘテロ芳香族N−置換グリシン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
貧血は、赤血球の減少またはその異常がある場合に起こり、血中酸素濃度の低下を招く。貧血は、ガン患者、特に化学療法を受けている患者に起こることが多い。貧血は、高齢者、腎臓病患者、慢性疾患に関連する幅広い病態に見られることが多い。
【0003】
貧血の原因は、赤血球生成(赤血球の成熟)の防止につながる、エリスロポエチン(Epo)産生の減少であることが多い。Epo産生は、低酸素誘導因子(HIF)を制御するプロリルヒドロキシラーゼの阻害により増加させることができる。
【0004】
エリスロポエチン(Epo)産生を増加させる戦略の一つは、HIFの転写活性を安定化し、それにより転写活性を増加させることである。HIF−αサブユニット(HIF−1α、HIF−2α、およびHIF−3α)は、プロリルヒドロキシラーゼ(EGLN1、2、3)によるプロリン残基のヒドロキシル化と同時に正常酸素圧条件でプロテオソ−ムにより迅速に分解される。プロリンヒドロキシル化は、E3ユビキチンリガ−ゼの構成要素であるフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)タンパクとの相互作用を可能にする。これは、HIF−αのユビキチン化およびその後の分解につながる。低酸素条件下では、プロリルヒドロキシラーゼの阻害活性が抑制され、したがってHIF−αサブユニットが安定化され、Epoを含むHIF応答性遺伝子が転写される。このように、プロリルヒドロキシラーゼの阻害は、HIF−αのレベル増加およびEpo産生の増加をもたらす。
【0005】
本発明の化合物は、これらのヒドロキシラーゼを阻害し、Epo産生を増加させ、それにより貧血を治療する手段を提供する。虚血、脳卒中、および細胞保護も、これらの化合物の投与により利益を得る。
【発明の概要】
【0006】
第1に、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくはその溶媒和物に関する:
【0007】
【化1】

(上記式中、
は、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールであり、
は、−NRまたは−ORであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
は、Hまたはカチオン、またはC−C10アルキルであり、C−C10アルキルは、非置換であるかまたはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、
、R、R、R、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−NR、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRは上記定義のとおりであり、かつ、Rは、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、哺乳動物の療法、例えば貧血の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。この治療手段の一例は、式(I)の化合物を、エリスロポエチン(Epo)産生を増加させるに十分な量で、ニートまたは薬学的に許容可能な賦形剤と混合して、その必要のある患者に投与する工程を含んでなる、HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害によるEpoの産生の増加により起こされる、貧血を治療する方法である。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、もしくは類似物、および、1種以上の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、および賦形剤を含んでなる、医薬組成物が提供される。
【0010】
第4の態様によれば、HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害により治療可能な、貧血などのHIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害により媒介される疾病の治療に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
【発明の具体的説明】
【0011】
疑義を避けるため、特記されない限り、「置換された」という用語は、1つ以上の定義された基により置換されていることを意味する。いくつかの選択可能な基から複数の基を選択してよい場合、選択される基は同じでも異なっていてもよい。
【0012】
「独立に」という用語は、2つ以上の置換基がいくつかの可能な置換基から選択される場合、これらの置換基が同じでも異なっていてもよいことを表す。
【0013】
「有効量」は、例えば研究者または臨床医により求められている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する薬剤または医薬品の量を意味する。さらに、「治療上有効な量」という用語は、そのような量を受け取っていない対応する被験者に比べ、疾患、障害、もしくは副作用の向上した治療、治癒、予防もしくは回復または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす量を意味する。この用語は、その範囲の中に、正常な生理機能を高めるのに有効な量も含む。
【0014】
本明細書での「アルキル」という用語は、明記された数の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、例えば、本明細書での「C−Cアルキル」または「C−C10アルキル」という用語は、それぞれ少なくとも1つから最大4または10の炭素原子を有するアルキル基を意味する。本発明に有用なそのような分岐鎖または直鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、およびn−デシルがあり、最後の5つのノルマルアルカンの分岐している類似体があるが、これらに限定されない。
【0015】
「アルケニル」(または「アルケニレン」)という用語が使用される場合、明記された数の炭素原子および少なくとも1つから最大5つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を意味する。例には、エテニル(またはエテニレン)およびプロペニル(またはプロペニレン)がある。
【0016】
「アルキニル」(または「アルキニレン」)という用語が使用される場合、明記された数の炭素原子および少なくとも1つから最大5つの炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を意味する。例には、エチニル(またはエチニレン)およびプロピニル(またはプロピニレン)がある。
【0017】
「シクロアルキル」が使用される場合、明記された数の炭素原子を含む非芳香族の飽和環状炭化水素環を意味する。そのため、例えば、「C−Cシクロアルキル」という用語は、3から8つの炭素原子を有する非芳香族の環状炭化水素環を意味する。本発明に有用な典型的な「C−Cシクロアルキル」基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルがあるが、これらに限定されない。
【0018】
「C−Cシクロアルケニル」という用語は、明記された数の炭素原子および最大で3つの炭素−炭素二重結合を有する非芳香族の単環カルボキシシクリック(carboxycyclic)環を意味する。「シクロアルケニル」には、例示としてはシクロペンテニルおよびシクロヘキセニルがある。
【0019】
「C−Cヘテロシクロアルキル」が使用される場合、飽和または1以上の不飽和性を有する明記された数の環原子を含み、O、Sおよび/またはNから選択される1つ以上のヘテロ原子置換を含む非芳香族複素環を意味する。そのような環は、任意に1つ以上の他の「複素環(複数可)」またはシクロアルキル環(複数可)に縮合していてよい。「複素環」部の例には、アジリジン、チイラン、オキシラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、ピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、ピペラジン、2,4−ピペラジンジオン、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェンなどがあるがこれらに限定されない。
【0020】
「アリール」は、6から14の炭素原子を有し、ヒュッケル則に従う少なくとも1つの芳香環を有する任意に置換された単環および多環炭素環式の非縮合または縮合した基を意味する。アリール基の例は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニルなどがある。
【0021】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環がヒュッケル則に従い、明記された数の環原子を有し、その環がN、O、および/またはSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、任意に置換された芳香族の単環または多環炭素環式縮合環系を意味する。「ヘテロアリール」の例には、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキソピリジル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、およびインダゾリルがある。
【0022】
「任意に」という用語は、その次に記載される事象(複数可)が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、起こる事象と起こらない事象の両方を含む。
【0023】
「溶媒和物」という用語は、溶質および溶媒により形成される、様々な化学量論の錯体を意味する。本発明の目的のためのそのような溶媒和物は、溶質の生物活性に干渉しないことがある。好適な溶媒の例には、水、メタノール、エタノール、および酢酸があるがこれらに限定されない。好ましくは、使用される溶媒は、薬学的に許容可能な溶媒である。薬学的に許容可能な好適な溶媒には、水、エタノール、および酢酸があるが限定されない。最も好ましくは、使用される溶媒は水である。
【0024】
本明細書において、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、被験化合物の望ましい生物活性を維持し、望ましくない毒物学的効果が最低限である塩を意味する。このような薬学的に許容可能な塩は、化合物の最終的な単離および精製の間にインサイチュで製造してよいが、それとは別に遊離の酸または遊離の塩基形態の精製された化合物をそれぞれ好適な塩基または酸と反応させても製造できる。
【0025】
特定の態様によれば、式(I)の化合物は、塩を形成するのに十分酸性な酸性の官能基を含むことがある。典型的な塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛塩などの薬学的に許容可能な金属塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、および亜鉛などの薬学的に許容可能な金属カチオンの炭酸塩および炭酸水素塩;メチルアミン、エチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびシクロヘキシルアミンなどの脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族ジアミン、およびヒドロキシアルキルアミンを含む薬学的に許容可能な有機第一級、第二級、および第三級アミンがある。
【0026】
特定の態様によれば、式(I)の化合物は塩基性の官能基を含むことがあり、好適な酸との処理により薬学的に許容可能な酸付加塩を形成することができる。好適な酸には、薬学的に許容可能な無機酸および薬学的に許容可能な有機酸がある。典型的な薬学的に許容可能な酸付加塩には、塩酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、硝酸メチル、硫酸塩、硫酸水素塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、フェニル酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、吉草酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、アクリル酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、p−アミノサリチル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ヘプタン酸塩、フタル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸、o−アセトキシ安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、マンデル酸塩、タンニン酸塩、ギ酸塩、ステアリン酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ピルビン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ラウリン酸、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、エストル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸(エシル酸塩)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベジル酸塩)、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、およびナフタレン−2−スルホン酸塩がある。
【0027】
特に興味のある化合物は、
が、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールであり、
が−OR11であり、
が、HまたはC−Cアルキルであり、
およびRが、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRが、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
が、HまたはカチオンまたはC−C10アルキルであり、C−C10アルキルは、非置換であるかまたはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、
、R、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−NR、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRが上記定義のとおりであり、かつ、Rが、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである。
【0028】
さらに興味のある化合物は、
が、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
が、−ORであり、
が、Hであり、
およびRが、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRが、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
が、Hまたはカチオンであり、
、R、R、RおよびRの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−NR、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRが上記定義のとおりであり、かつ、R12が、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールであるか、あるいは薬学的に許容可能なその塩である。
【0029】
式(I)の化合物を製造する方法も本発明の範囲内である。説明すると、式(I)の化合物を製造する方法は、
【化2】

(上記式中、R、R、R、RおよびRは、式(I)における上記定義と同様である)
式Aの化合物:
【化3】

(上記式中、R、RおよびRは、式(I)中のそれらの基と同様である)
を、エチル2−イソシアナトカルボキシラート、およびジ−イソプロピルエチルアミンのような適切な塩基とともに、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、通常の温度条件またはマイクロ波照射のいずれかの下で処理し、Rが−OEtである式(I)の化合物を形成することを含んでなるか、あるいは、
式(I)の化合物(式中、R、R、R、RおよびRは、式(I)ににおける上記定義と同様である)を製造する方法は、式Bの化合物:
【化4】

(上記式中、R、R、RおよびRは式(I)中のそれらの基と同様である)を、水酸化ナトリウムのようなアルカリとともに、含水エタノールのような適切な溶媒中で、室温のような適切な温度で処理し、Rが−OHである式(I)の化合物を形成することを含んでなる。
【0030】
式(I)の化合物は、結晶形態にも非結晶形態にも製造でき、結晶の場合、水和物などのように任意に溶媒和されていてもよい。本発明は、化学量論的な溶媒和物(例えば水和物)および種々の量の溶媒(例えば水)を含む化合物を、その範囲内に含む。
【0031】
本明細書に記載される化合物のいくつかは、1つ以上のキラル炭素を含むことがあり、他の場合には2つのエナンチオマーとして存在できることがある。以下に特許請求される化合物は、エナンチオマーの混合物ならびに精製されたエナンチオマーまたはエナンチオ濃縮された混合物を含む。式(I)により表される、または以下に特許請求される化合物の個々の異性体ならびにその全体的または部分的に平衡に達している混合物も本発明の範囲に含まれる。本発明は、特許請求される化合物の個々の異性体を、1つ以上のキラル中心が反転している異性体の混合物としても網羅する。また、特許請求された化合物の互変異性体および互変異性体の混合物も、先に開示された、または以下に特許請求される式(I)の化合物の範囲内に含まれることが理解される。
【0032】
異なる異性体が存在する場合、それらは従来の方法により互いに分離または分割でき、あるいは従来の合成法または立体特異的合成もしくは不斉合成により任意の異性体を得ることができる。
【0033】
療法に使用するために式(I)の化合物ならびに塩、溶媒和物などを、ニートの調合物として、すなわち追加のキャリアなしに投与してもよいが、キャリアまたは希釈剤と調合された活性成分を提示することがより通常の慣習である。したがって、本発明は、式(I)の化合物および塩、溶媒和物などならびに1種以上の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤を含む、医薬組成物をさらに提供する。式(I)の化合物および塩、溶媒和物などは先に記載されている。キャリア(複数可)、希釈剤(複数可)、または賦形剤(複数可)は、製剤の他の成分に影響を及ぼさず、その受容者に有害でないという点で許容できなくてはならない。本発明の他の様態によると、式(I)の化合物または塩、溶媒和物などを1種以上の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤と混合することを含む、医薬製剤の製造方法も提供される。
【0034】
当業者には認識されるであろうが、式(I)の化合物の特定の保護された誘導体は、最終的な脱保護段階の前に作られることもあり、それ自体薬理活性を持たないことがあるが、特定の場合には経口または非経口で投与され、その後体内で代謝されて薬理活性を持つ本発明の化合物を形成できることがある。したがって、そのような誘導体は「プロドラッグ」と記載されることがある。さらに、本発明の特定の化合物は、本発明の他の化合物のプロドラッグとして作用することがある。本発明の化合物の保護された誘導体およびプロドラッグは全て本発明の範囲内に含まれる。本発明の化合物の好適なプロドラッグの例は、Drugs of Today, Volume 19, Number 9, 1983, pp 499 - 538 and in Topics in Chemistry, Chapter 31, pp 306 - 316 and in “Design of Prodrugs” by H. Bundgaard, Elsevier 1985, Chapter 1(その文書内の開示は参照により本明細書に取り込まれる)に記載されている。当業者にはさらに認識されるであろうが、「プロモイエティ」(pro-moieties)として当業者に知られる特定の部分、例えばH. Bundgaard in “Design of Prodrugs”(その文書内の開示は参照により本明細書に取り込まれる)に記載される部分を、適切な官能基が本発明の化合物中に存在する場合に、そのような官能基上に配置してよい。本発明の化合物のための好ましいプロドラッグには、エステル、炭酸エステル、半エステル、リン酸エステル、ニトロエステル、硫酸エステル、スルホキシド、アミド、カルバミン酸エステル、アゾ化合物、ホスファミド、グリコシド、エーテル、アセタール、およびケタールがある。
【0035】
医薬組成物は、投薬単位(unit dose)あたり所定量の活性成分を含む投薬単位形態で提示されてもよい。そのような単位は、治療される病態、投与経路、ならびに患者の年齢、体重、および病態によって、例えば0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、より好ましくは5mgから100mgの式(I)の化合物を含んでよく、あるいは医薬組成物は、投薬単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位形態で提示されてよい。好ましい単位投与量組成物は、活性成分の本明細書で先に記載された一日量もしくは副用量(sub dose)またはそれを適当に分割したものを含むものである。さらに、そのような医薬組成物は、製剤分野に周知の方法のいずれにより製造してもよい。
【0036】
医薬組成物は、適切な投与経路、例えば、経口(口内または舌下を含む)、直腸、鼻内、局所(口内、舌下、または経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、または皮内)経路による投与用に適合させることができる。そのような組成物は、製剤分野に公知の任意の方法により、例えば式(I)の化合物をキャリア(複数可)または賦形剤(複数可)と結合させて製造できる。
【0037】
経口投与用に適合された医薬組成物は、カプセルもしくは錠剤などの個別の単位;粉体もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用フォームもしくはホイップ;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして呈することができる。
【0038】
カプセルは、先に記載のパウダー混合物を製造し、形成したゼラチン被覆に満たして作られる。コロイダルシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前にパウダー混合物に加えることができる。寒天、炭酸カルシウム、または炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えて、カプセルが摂取された時の医薬品の利用能を高めることもできる。
【0039】
さらに、望ましい場合または必要な場合、好適なバインダー、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤を、混合物に混合してもよい。好適なバインダーには、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβラクトースなどの天然の糖、コーン甘味料(corn sweeteners)、アラビアゴム、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどがある。これらの剤形に使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどがある。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどがあるがこれらに限定されない。錠剤は、例えば、パウダー混合物を製造し、粒状化またはスラッギング(slugging)し、滑沢剤および崩壊剤を加え、圧縮して錠剤にすることにより製剤される。パウダー混合物は、好適に粉砕された化合物を上述の希釈剤または基剤と混合し、任意にカルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどのバインダー、パラフィンなどの溶解遅延剤、第四級塩などの再吸収促進剤、および/またはベントナイト、カオリン、またはリン酸水素カルシウムなどの吸収剤と混合して製造される。ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油を添加して、錠剤成形ダイによりパウダー混合物を粒状化できる。次いで、なめらかになった混合物は、圧縮により錠剤にされる。本発明の化合物を自由流動性不活性キャリアと組み合わせて、粒状化またはスラッギング工程を経ずに直接圧縮して錠剤にすることもできる。シェラックのシール材からなる透明または不透明な保護コーティング、糖またはポリマー材料のコーティング、およびワックスのポリッシュコーティングを与えてもよい。このようなコーティングに染料を加え、異なる単位投与量を区別することができる。
【0040】
溶液、シロップ、およびエリキシルなどの経口流体は、ある量が所定量の式(I)の化合物を含むような単位投与量形態(dosage unit form)で製造できる。シロップは、好適に風味付けされた水溶液に化合物を溶解して製造されるが、エリキシルは非毒性アルコール性ビヒクルの使用により製造される。懸濁液は、化合物を非毒性ビヒクルに分散させて製剤される。エトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存料、ペパーミントオイルなどの香料または天然甘味料またはサッカリンもしくは他の合成甘味料などを加えてよい。
【0041】
適切な場合には、経口投与用の投与量単位医薬組成物をマイクロカプセル化してよい。例えば、粒状材料をポリマー、ワックスなどで被覆するか、それらに埋め込んで、放出を延長または維持するように、製剤を製造することもできる。
【0042】
直腸投与用に適合された医薬組成物は、坐薬または浣腸剤として表すことができる。
【0043】
膣内投与用に適合された医薬組成物は、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として表すことができる。
【0044】
非経口投与用に適合された医薬組成物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および意図される受容者の血液と組成物を等張にする溶質を含むことのある水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含むことのある水性および非水性滅菌懸濁液がある。医薬組成物は、例えば密封したアンプルおよびバイアルなどの最小投薬単位容器または多用量容器に呈することができ、使用の直前に例えば注射用水などの滅菌液体キャリアを添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵してもよい。即席の注射液および懸濁液を、滅菌パウダー、顆粒、および錠剤から製造できる。
【0045】
先に詳細に言及された成分に加え、医薬組成物は、対象とする製剤の種類に関連して当分野に通常使用される他の薬剤を含んでよく、例えば経口投与に好適なものは着香料を含んでよい。
【0046】
本発明の化合物の治療上有効な量は、例えば意図される受容者の年齢および体重、治療を要する正確な病態およびその重度、製剤の性質、ならびに投与経路を含む多くの因子により決まるであろうが、最終的には薬を処方する担当医の裁量によるであろう。しかし、貧血治療のための式(I)の化合物の有効な量は、一般的に1日あたり0.1から100mg/受容者の体重kgの範囲、より一般的には1日あたり1から10mg/体重kgの範囲であろう。したがって、体重70kgの成人哺乳動物では、1日あたりの実際の量は通常70から700mgになるだろう。この量を1日あたり1回量で与えてもよいが、より一般的には総1日量が同じになるように1日あたりいくつか(例えば2、3、4、5、または6)の副用量で与えてもよい。塩または溶媒和物などの有効量は、式(I)の化合物自体の有効量の比率として決定できる。上述の他の病態の治療には類似の投与量が適切であろうことが想定される。
【0047】
定義
rt−室温
DMF−ジメチルホルムアミド
DMA−ジメチルアセトアミド
THF−テトラヒドロフラン
DBU−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
TFA−トリフルオロ酢酸
PyBOP−ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
【0048】
化学的背景
本発明の化合物は、標準的な化学を含む種々の方法により作ることができる。先に定義された変数はすべて、特記されない限り、引き続き先に定義された意味を持つ。例証となる一般的な合成方法を以下に述べ、次いで製造される本発明の具体的な化合物を実施例に示す。
【0049】
一般式(I)の化合物は、以下の合成スキームで部分的に示される有機合成の分野に公知の方法により製造できる。以下に記載のスキームの全てにおいて、必要な場合、化学の一般原則に従い、不安定または反応性の基の保護基が使用されることが理解される。保護基は有機合成の標準的な方法にしたがい操作される(T. W. Green and P. G. M. Wuts (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons)。このような基は、当業者には明らかな方法を利用して、化合物合成の便利な段階で除去される。方法の選択ならびに反応条件およびその実施順序は、式(I)の化合物の製造に一貫するものとする。当業者は、式(I)の化合物に立体中心が存在するかどうかを認識するだろう。したがって、本発明は、可能性のある立体異性体の両方を含み、ラセミ化合物だけでなく個々のエナンチオマーも含む。化合物が単一のエナンチオマーであることが望ましい場合、立体特異性合成または最終生成物もしくは任意の便利な中間体の分割により得られる。最終生成物、中間体、または出発材料の分割は、当分野に公知の任意の好適な方法により実施できる。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds by E. L. Eliel, S. H. Wilen, and L. N. Mander (Wiley-Interscience, 1994)を参照されたい。
【0050】
例示的な製造方法
適切に置換されたケトエステルおよびウレタンをPOCl3で処理し、置換されたオキサジンを与え、該置換オキサジンはたとえばNaHおよび適切な臭化物での処理により窒素の位置で置換されていた。NaHの存在下でマロン酸ジエチルと反応させ、次いで、グリシン酸ナトリウムと反応すると、本発明の化合物を提供した。
【0051】
スキーム1
【化5】

【0052】
a)POCl;b)R−X、NaH、DMF;c)マロン酸ジエチル、NaOH、DMF;d)グリシン酸ナトリウム、EtOH
【実施例】
【0053】
実施例1
【化6】

【0054】
N−{[4−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−2−オキソ−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
1a)4,5−ジメチル−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
ウレタン(9g、101mmol)および2−メチルアセト酢酸エチル(14.3ml、101mmol)のオキシ塩化リン(23.8ml、253mmol)中混合物を95℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷/水に注ぎ、一晩放置した。それから、反応混合物をEtOAc(2x50mL)で抽出した。有機物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残渣をEtOで処理し、ヘキサン/EtOAc1:1から回収、粉砕して固体を形成し、赤い粉末(2.03g、14.4mmol、収率14%)としてジオンを与えた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm11.31(br.s.、1H)、2.06(s、3H)、1.77(s、3H)
【0055】
1b)4−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−2−オキソ−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジンカルボン酸
水素化ナトリウム(128mg、3.19mmol)N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(2ml)の懸濁液に4,5−ジメチル−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(300mg、2.13mmol)を一部ずつ加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、それから臭化ベンジル(0.379mL、3.19mmol)で処理し、85−87℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物を氷上に注いだ。水溶液を酢酸エチル(2x100ml)で抽出し、有機層を合わせて塩水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発除去した。残渣をトルエン(3x)で共沸し、THFに溶解させ、NaH(341mg、8.52mmol)およびマロン酸ジエチル(0.647mL、4.26mmol)のTHF(3mL)中混合物に加えた。混合物を還流しながら2.5時間撹拌し、冷却し、希塩酸に注ぎ、一晩撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残渣をRP−HPLCで精製し、標題酸を黄色ガラス(70mg、0.26mmol、収率12%)として与えた。
H−NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δppm15.71(br.s.、1H)、13.96(br.s.、1H)、6.92−7.56(m、5H)、5.42(br.s.、2H)、2.37(s、3H)、2.11(s、3H).LCMS(ES)m/z274(MH).
【0056】
1c)N−{[4−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−2−オキソ−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
4−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−2−オキソ−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジンカルボン酸(70mg、0.26mmol)、グリシンエチルエステル塩酸塩(39mg、0.28mmol)、PyBOP(135mg、0.26mmol)、トリエチルアミン(0.043mL、0.31mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.054mL、0.31mmol)のCHCl(7mL)中混合物を室温で20時間撹拌した。それからCHClで希釈し、水、1NHCl、水、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残渣をTHF(2mL)および1MNaOH(2mL)に溶解させ、1.5時間還流した。溶媒を部分的に減圧化で蒸発させ、水を加え、溶液をEtOAcで抽出した。水溶液を1NHClを加えて酸性化した。沈殿物が形成され、濾過で回収し、水で洗浄し、乾燥し、標題化合物(26mg、0.079mmol、収率30%)を白色粉末として与えた
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm16.16(s、1H)、12.85(br.s.、1H)、10.54(t、J=5.56Hz、1H)、7.34(t、J=7.33Hz、2H)、7.22−7.29(m、1H)、7.12(d、J=7.07Hz、2H)、5.37(br.s.、2H)、4.07(d、J=5.56Hz、2H)、2.29(s、3H)、1.97(s、3H).LCMS(ES)m/z331(MH).
【0057】
実施例2
【化7】

【0058】
N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,5−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
2a)4−メチル−5−(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
ウレタン(5g、56mmol)および2−(フェニルメチル)アセト酢酸エチル(12ml、56mmol)のオキシ塩化リン(11ml、118mmol)中混合物を95℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷/水に注ぎ、一晩静置した。それから、反応混合物をEtOAc(2x50mL)で抽出した。有機物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去し、残渣をシリカゲル(CHCl2、溶出液)で濾過した。溶媒を除去し、残渣を温EtOで処理し、冷却し、濾過で回収し、EtOで洗浄し、乾燥し、標題ジオンをオフホワイト粉末(4.3g、20mmol、収率35%)として与えた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm11.45(s、1H)、7.06−7.36(m、5H)、3.61(s、2H)、1.98−2.20(m、3H).
【0059】
2b)4−メチル−3,5−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
4−メチル−5−(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(1.0mg、4.6mmol)を水素化ナトリウム(203mg、5.1mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(8ml)中懸濁液に加え、0℃に冷却した。反応混合物を室温で20分間撹拌し、それから臭化ベンジル(0.574ml、5.1mmol)で処理した。混合物を室温で18時間撹拌し、それから氷上に注いだ。沈殿物を回収し、水、次いでヘキサンで洗浄した。固体を回収し、乾燥し、標題ジオンを黄色粉末(990mg、3.22mmol、収率70%)として与えた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm7.12−7.47(m、10H)、5.11(s、2H)、3.72(s、2H)、2.15(s、3H)
【0060】
2c)N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,5−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
DBU(0.48ml、3.3mmol)をマロン酸ジエチル(0.24ml、1.6mmol)および4−メチル−3,5−ビス(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(450mg、1.5mmol)に加え、それから混合物を150℃で20分間マイクロ波照射した。それからグリシン(164mg、2.19mmol)を加え、混合物を155℃で25分間マイクロ波照射した。混合物を1NHClに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた.残渣をRP−HPLC(HO中30〜95%AcCN+0.1%TFA)で精製し、標題グリシンを黄色粉末(44mg、0.108mmol、収率7%)として与えた。
1HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm16.33(s、1H)、12.89(br.s.、1H)、10.52(t、J=5.68Hz、1H)、7.35(t、J=7.45Hz、2H)、7.26(t、J=7.33Hz、3H)、7.08−7.19(m、5H)、5.38(br.s.、2H)、4.08(d、J=5.56Hz、2H)、3.89(s、2H)、2.26(s、3H).LCMS(ES)m/z407(MH).
【0061】
実施例3
【化8】

【0062】
N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
3a)4−メチル−5−(フェニル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
ウレタン(2.2g、24.2mmol)および2−フェニルアセト酢酸エチル(5.0g、24.2mmol)のオキシ塩化リン(5ml、53.6mmol)中混合物を95℃で1時間45分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷/水に注ぎ、一晩静置した。固体が形成され、回収し、水で洗浄し、空気乾燥し、EtOで洗浄し標題ジオン(3.74g、18.4mmol、収率76%)を与えた。洗浄された固体は次の工程に用いた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm11.66(s、1H)、7.31−7.46(m、3H)、7.21−7.31(m、2H)、1.98(s、3H)
【0063】
3b)4−メチル−5−フェニル−3−(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
4−メチル−5−フェニル−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(1.0mg、4.9mmol)を水素化ナトリウム(216mg、5.4mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(8ml)中懸濁液に少しずつ加え0℃まで冷却した。反応混合物を室温で20分間撹拌し、それから臭化ベンジル(0.643ml、5.4mmol)で処理した。混合物を室温で18時間撹拌した、それから氷上/水に注いた。沈殿物を濾過により回収し、水次いでヘキサンで洗浄し、乾燥し、標題ジオンをオフホワイト粉末(1.24g、4.22mmol、収率86%)として与えた。この物質はさらに精製することなく次の工程に用いた。
1HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm7.22−7.51(m、10H)、5.15(s、2H)、2.03(s、3H).
【0064】
3c)エチル4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジンカルボキシラート
水素化ナトリウム(164mg、4.09mmol)をDMAに懸濁し、混合物を0℃に冷却した。マロン酸ジエチル(0.621ml、4.09mmol)を滴下して加え、10分間撹拌し続け、それから4−メチル−5−フェニル−3−(フェニルメチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(1.0mg、3.41mmol)を加えた。反応混合物を120℃で3.5時間撹拌し、それから70℃に冷却し、3.0mLAcOHで処理した。10分間撹拌後、室温まで冷却し、沈殿物を回収し、水およびヘキサンで洗浄した。残渣をCHClに溶解させ、NaHCOの飽和水溶液、水および塩水で洗浄し、それからNaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残渣を真空で乾燥し、EtOから粉砕し、標題エステルを淡い桃色粉末(685mg、1.88mmol、収率55%)として与えた。
1HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm13.29(s、1H)、7.32−7.46(m、5H)、7.21−7.30(m、3H)、7.16(d、J=7.33Hz、2H)、5.32(br.s.、2H)、4.32(q、J=7.07Hz、2H)、2.06(s、3H)、1.29(t、3H).LCMS(ES)m/z364(MH).
【0065】
3d)N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
グリシン酸ナトリウム(320mg、3.3mmol)を4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジンカルボン酸エチル(680mg、1.65mmol)のメトキシエタノール(7ml)溶液に加えた。.混合物を還流しながら1.5時間撹拌し、冷却し、それからHOに注ぎ、EtOAcで抽出した。水層を6NHCl(pH=2)を加えて酸性化した。固体を回収し、HOで洗浄し、乾燥した。さらに固体を濾液から回収し、H−NMR約3%不純物を含む標題グリシン計525mgを与えた。それから240mgの生成物をEtOAc/ヘキサン2.5:1から再結晶化し、標題化合物(154mg)を白色結晶として与えた。
1HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm16.03(s、1H)、12.85(s、1H)、10.49(t、J=5.56Hz、1H)、7.32−7.46(m、5H)、7.21−7.31(m、3H)、7.18(d、J=7.33Hz、2H)、5.40(br.s.、2H)、4.07(d、J=5.81Hz、2H)、2.11(s、3H).LCMS(ES)m/z393(MH).
【0066】
実施例4
【化9】

【0067】
N−{[1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
4a)4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
ウレタン(2g、22.45mmol)およびイソプロピルアセト酢酸エチル(4.02ml、22.45mmol)のオキシ塩化リン(5ml、53.6mmol)中混合物を95℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷/水に注ぎ、一晩静置した。それから、反応混合物をEtOAc(2x50mL)で抽出した。有機物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発し、4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(2.95g、17.44mmol、収率78%)を与えた。
H−NMR(400MHz、CHLOROFORM−d)dppm10.02(br.s.、1H)、2.85(spt、J=7.03Hz、1H)、2.20(s、3H)、1.25(d、J=7.07Hz、6H)
【0068】
4b)3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン
4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(750mg、4.43mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(7ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(266mg、6.65mmol)を一部ずつ加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、0℃に冷却し、4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−フルオロベンゼン(1188mg、4.43mmol)を少しずつ加えた。混合物を室温で18時間撹拌し、それから氷上に注いだ。水溶液を酢酸エチル(2x100ml)で抽出した。有機層を合わせて、水(100ml)および塩水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、粗油状物を与えた。反応物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(0−60%酢酸エチルinヘキサン)で精製し、toprovide標題ジオン(3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオンを油状物(190mg、0.507mmol、収率11.43%)として与えた。
1HNMR(400MHz、CHLOROFORM−d)δppm7.28−7.35(m、2H)、7.12(t、J=8.21Hz、1H)、5.09(s、2H)、2.90(spt、J=7.03Hz、1H)、2.21(s、3H)、1.27(d、6H).LCMS(ES)m/z356(MH).
【0069】
4c)N−{[1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
水素化ナトリウム(37.1mg、0.926mmol)をDMAに懸濁し、混合物を0℃に冷却した。マロン酸ジエチル(0.105ml、0.695mmol)を滴下して加え、10分間撹拌し続けた。それから3−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(165mg、0.463mmol)の3.5mLDMF溶液を加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌し、それから60℃に冷却し、1.5mLAcOHで処理した。10分間撹拌後、室温まで冷却し、HOに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を1NHCl、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。残渣をエタノール(2.5ml)に溶解させた。グリシン酸ナトリウム(227mg、2.316mmol)を加え、混合物を145℃で20分間、BiotageInitiator(登録商標)マイクロ波合成器中で撹拌した。混合物をHOに注ぎ、1NHCl(pH=2)を加えて酸性化した。固体を回収し、HOおよびヘキサンで洗浄し、RP−HPLC(ギルソン、10分.勾配、HO中20〜95%AcCN+0.1%TFA)で精製した。N−{[1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシンを白色粉末(19.8mg、0.041mmol、収率8.92%)として得た。
1HNMR(400MHz、DMSO−d)δppm16.41(s、1H)、12.84(br.s.、1H)、10.46(t、J=5.56Hz、1H)、7.61(dd、J=9.85、1.77Hz、1H)、7.38(dd、J=8.08、1.52Hz、1H)、6.78(t、J=8.21Hz、1H)、5.31(s、2H)、4.04(d、J=5.56Hz、2H)、3.12−3.31(m、1H)、2.34(s、3H)、1.27(d、J=7.07Hz、6H).LCMS(ES)m/z456(MH).
【0070】
実施例5
【化10】

【0071】
N−{[1−[(2−クロロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
4−メチル−5−(1−メチルエチル)−2H−1,3−オキサジン−2,6(3H)−ジオン(770mg、4.55mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(7ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(273mg、6.83mmol)を一部ずつ加えた。反応混合物を室温で5分間撹拌し、0℃まで冷却し、2−クロロベンジル臭化物(0.886ml、6.83mmol)を加えた。混合物を室温で18時間撹拌し、氷上に注いだ。水溶液を酢酸エチル(2x100ml)で抽出し、有機層を合わせて塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させ、シリカ(ヘキサン中0−70%EtOAc)で粗油状物とした。溶媒を蒸発後、残渣を3.5mLDMFで溶解させ、ジエチルマロン酸(0.694ml、4.55mmol)および水素化ナトリウム(109mg、4.55mmol)の冷却した2mLDMF中懸濁液に加えた。反応混合物を120℃で3時間撹拌した。それから60℃に冷却し、1.5mLAcOHで処理した。10分間撹拌後、室温まで冷却し、HOに注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を1NHCl、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル(ヘキサン中2X:0−60%EtOAc、次いでヘキサン中0−30%EtOAc)で精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、エタノール(2.5ml)に溶解させた。グリシン酸ナトリウム(450mg、4.59mmol)を加え、混合物を140℃で25分間、BiotageInitiator(登録商標)マイクロ波合成器中で撹拌した。混合物をHOに注ぎ、1NHCl(pH=2)を加えて酸性化した。固体を回収し、HOおよびヘキサンで洗浄し、RP−HPLC(10分.勾配、HO中25〜95%AcCNin+0.1%TFA)で精製した。残渣を水に溶解し、濾過により回収し、N−{[1−[(2−クロロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシンを白色粉末(43.5mg、0.109mmol、収率2.384%)として与えた。
H−NMR(400MHz、DMSO−d)δppm16.42(s、1H)、12.84(s、1H)、10.47(t、J=5.56Hz、1H)、7.48−7.58(m、1H)、7.24−7.37(m、2H)、6.61−6.72(m、1H)、5.35(s、2H)、4.04(d、J=5.56Hz、2H)、3.23(sept、J=7.00Hz、1H)、2.31(s、3H)、1.29(d、J=7.07Hz、6H).LCMS(ES)m/z393(MH).
【0072】
生物学的背景
以下の参考文献は、標的酵素HIFプロリルヒドロキシラーゼ、ならびに小分子によるその阻害を測定する方法および材料に関しての情報を述べる。
M. Hirsila, P. Koivunen, V. Gunzler, K. I. Kivirikko, and J. Myllyharju “Characterization of the Human Prolyl 4-Hydroxylases That Modify the Hypoxia-inducible Factor” J. Biol. Chem., 2003, 278, 30772-30780.
C. Willam, L. G. Nicholls, P. J. Ratcliffe, C. W. Pugh, P. H. Maxwell “The prolyl hydroxylase enzymes that act as oxygen sensors regulating destruction of hypoxia-inducible factor α” Advan. Enzyme Regul., 2004, 44, 75-92
M. S. Wiesener, J. S. Jurgensen, C. Rosenberger, C. K. Scholze, J. H. Horstrup, C. Warnecke, S. Mandriota, I. Bechmann, U. A. Frei, C. W. Pugh, P. J. Ratcliffe, S. Bachmann, P. H. Maxwell, and K.-U. Eckardt “Widespread hypoxia-inducible expression of HIF-2 in distinct cell populations of different organs” FASEB J., 2003, 17, 271-273.
S. J. Klaus, C. J. Molineaux, T. B. Neff, V. Guenzler-Pukall, I. Lansetmo Parobok, T. W. Seeley, R. C. Stephenson “Use of hypoxia-inducible factorα(HIFα) stabilizers for enhancing erythropoiesis” PCT Int. Appl. (2004), WO 2004108121 A1
C. Warnecke, Z. Zaborowska, J. Kurreck, V. A. Erdmann, U. Frei, M. Wiesener, and K.-U. Eckardt “Differentiating the functional role of hypoxia-inducible factor (HIF)-1αand HIF-2α(EPAS-1) by the use of RNA interference: erythropoietin is a HIF-2αtarget gene in Hep3B and Kelly cells” FASEB J., 2004, 18, 1462-1464.
【0073】
EGLN3の発現には以下を参照されたい:
R. K. Bruick and S. L. McKnight “A Conserved Family of Prolyl-4-Hydroxylases That Modify HIF” Science, 2001, 294, 1337-1340.
【0074】
HIF2α-CODDの発現には以下を参照されたい:
a) P. Jaakkola, D. R. Mole, Y.-M. Tian, M. I. Wilson, J. Gielbert, S. J. Gaskell, A. von Kriegsheim, H. F. Hebestreit, M. Mukherji, C. J. Schofield, P. H. Maxwell, C. W. Pugh, P, J. Ratcliffe “Targeting of HIF-α to the von Hippel-Lindau Ubiquitylation Complex by O2-Regulated Prolyl Hydroxylation” Science, 2001, 292, 468-472.
b) M. Ivan, K. Kondo, H. Yang, W. Kim, J. Valiando, M. Ohh, A. Salic, J. M. Asara, W. S. Lane, W. G. Kaelin Jr. “HIFαTargeted for VHL-Mediated Destruction by Proline Hydroxylation: Implications for O2 Sensing” Science, 2001, 292, 464-468.
【0075】
VHL、エロンギンbおよびエロンギンcの発現には以下を参照されたい:
A. Pause, S. Lee, R. A. Worrell, D. Y. T. Chen, W. H. Burgess, W. M. Linehan, R. D. Klausner “The von Hippel-Lindau tumor-suppressor gene product forms a stable complex with human CUL-2, a member of the Cdc53 family of proteins” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997, 94, 2156-2161.
【0076】
生物アッセイ
EGLN3アッセイ
材料
His−MBP−EGLN3(6HisMBPAttB1EGLN3(1−239))を大腸菌に発現させ、アミラーゼアフィニティーカラムから精製した。ビオチン−VBC[6HisSumoCysVHL(2−213)、6HisSumoElonginB(1−118)、および6HisSumoElonginC(1−112)]ならびにHis−GB1−HIF2α−CODD(6HisGB1tevHIF2A(467−572))は大腸菌から発現した。
【0077】
方法
Cy5標識HIF2αCODDおよびビオチン標識VBC複合体を使用し、EGLN3阻害を測定した。Cy5CODD基質のEGLN3ヒドロキシル化は、ビオチン−VBCにより認識される。ユーロピウム/ストレプトアビジン(Eu/SA)キレートを添加すると、生成物中のEuとCy5の接近を引き起こすので、エネルギー遷移による検出が可能である。Eu発光に対するCy5の比率(LANCE比)は、Cy5発光のみより変動が著しく小さいので、この正規化パラメータは究極の読み取り値である。
【0078】
次いで、50nLの阻害剤DMSO溶液(またはDMSO対照)を、384ウェル低量CorningNBSプレートにスタンプし、次いで、2.5μLの酵素[50mL緩衝液(50mMのHEPES/50mMのKCl)+1mLの10mg/mLのBSA緩衝溶液+6.25μLの10mg/mLのFeCl水溶液+100μLの200mMアスコルビン酸水溶液+15.63μLのEGLN3]または対照[50mL緩衝液+1mLの10mg/mLのBSA緩衝溶液+6.25μLの10mg/mLのFeCl水溶液+100μLの200mMアスコルビン酸水溶液]を加えた。3分間インキュベートした後、2.5μLの基質[50mL緩衝液+68.6μLビオチン−VBC+70.4μLのEu(710μg/mLストック)+91.6μLのCy5CODD+50μLの20mMの2−オキソグルタル酸水溶液+0.3mMのCHAPS]を加え、30分間インキュベートした。イメージングのためにプレートをPerkinElmer Viewluxに取り付けた。用量反応実験では、正規化データは、ABASE/XC50により、方程式y=a+(b−a)/(1+(10^x/10^c)^d)(前式において、aは最低%活性であり、bは最大%活性であり、cはpIC50であり、dはヒル勾配である)を用いてフィットさせた。
【0079】
例示された化合物のEGLN3アッセイでのIC50は、およそ50〜300ナノモルの範囲である。この範囲は、この最初の出願の提出時点で蓄積されたデータを表す。後の試験では、試薬の変動、条件、および本明細書で先に述べた方法から用いられた方法の変動によるIC50データの変動を示すことがある。そのため、この範囲は、絶対的な数の組ではなく、例示として見なすべきである。
【0080】
ELISA法を利用するHep3Bセルラインにより産生されるEpoタンパクの測定
アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から得たHep3B細胞を、2×10細胞/ウェルで、96ウェルプレートのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)+10%FBSに播種する。細胞を、37℃/5%CO/90%湿度(標準的な細胞培養インキュベーション条件)でインキュベートする。一晩付着の後、培地を除き、血清のない被験化合物含有DMEMまたはDMSO陰性対照に替える。48時間のインキュベーションの後、細胞培養培地を集め、ELISAによりアッセイして、Epoタンパクを定量する。
【0081】
例示された化合物のHep3BのELISAアッセイにおけるEC50は、先に概説された試薬を利用し概説された条件下で、およそ10〜25マイクロモルであった。この範囲は、この最初の出願の提出時点で蓄積されたデータを表す。後の試験では、試薬の変動、条件、および本明細書で先に述べた方法からの利用された方法(複数可)の変動によるEC50データの変動を示すことがある。そのため、この範囲は、絶対的な数の組ではなく、例示として見なすべきである。
【0082】
これらの化合物は、先に定義された療法に有用であると考えられ、許容される治療レジメンに従い使用される場合に許容できない効果も不都合な効果も持たないと考えられる。
【0083】
上記の実施例およびアッセイは本発明を説明するために示され、本発明を限定するものではない。発明者らに留保されているものは、請求項を参照して決定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物:
【化1】

(上記式中、
は、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールであり、
は、NRまたは−ORであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
は、HまたはカチオンまたはC−C10アルキルであり、C−C10アルキルは、非置換であるかまたはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、
、R、R、R、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−NR、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRは上記定義のとおりであり、かつ、Rは、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである)。
【請求項2】
は、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、−ORであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、HまたはカチオンまたはC−C10アルキルであり、C−C10アルキルは、非置換であるかまたはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール,およびヘテロアリールからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、
、R、R、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRは上記定義のとおりであり、かつ、R10は、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
は、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、−ORであり、
はHであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、−C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、Hまたはカチオンであり、
、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRは上記定義のとおりであり、かつ、Rは、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
N−{[4−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−2−オキソ−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン、
N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン、
N−{[1−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン、
N−{[4−ヒドロキシ−6−メチル−2−オキソ−1,5−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン、
N−{[1−[(2−クロロフェニル)メチル]−4−ヒドロキシ−6−メチル−5−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3−ピリジニル]カルボニル}グリシン
である請、求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
HIFプロリルヒドロキシラーゼの阻害により治療しうる貧血を患っている哺乳動物に、請求項1に記載の有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を投与することを含んでなる、哺乳動物の貧血を治療する方法。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物、および1種以上の薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、および賦形剤を含んでなる、医薬組成物。
【請求項7】
式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩もしくは溶媒和物を製造する方法であって、
【化2】

(上記式中、
は、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールであり、
は、−NRまたは−ORであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、C−C10アルキル−C−Cシクロアルケニル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C10アルキル−C−Cヘテロシクロアルキル、アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリールまたはC−C10アルキル−ヘテロアリールからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
は、HまたはカチオンまたはC−C10アルキルであり、C−C10アルキルは、非置換であるかまたはC−Cシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群から独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、
、R、R、R、R、R、Rの任意の炭素またはヘテロ原子は非置換であるか、または可能な場合、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、−OR、−NR、シアノ、ニトロ、−C(O)R、−C(O)OR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−NR、−CONR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−OC(O)NR、−N(R)C(O)NR、−SONR、−N(R)SO、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1つ以上の置換基により置換されており、RおよびRは上記定義のとおりであり、かつ、Rは、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、−CO(C−Cアルキル)、−CO(アリール)、−CO(ヘテロアリール)、−CO(C−Cシクロアルキル)、−CO(C−Cヘテロシクロアルキル)、−SO(C−Cアルキル)、C−Cシクロアルキル、C−Cヘテロシクロアルキル、C−C14アリール、C−C10アルキル−アリール、ヘテロアリール、およびC−C10アルキル−ヘテロアリールである)
式Aの化合物:
【化3】

(上記式中、R、RおよびRは、式(I)中のそれらの基と同様である)を、エチル2−イソシアナトカルボキシラート、および、ジ−イソプロピルエチルアミンのような適切な塩基とともに、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、通常の温度条件またはマイクロ波照射のいずれかの下で処理し、式(B)の化合物:
【化4】

(上記式中、R、R、R、RおよびRは、式(I)における上記定義と同様である)
を形成し、かつ
式(B)の化合物を、水酸化ナトリウムのようなアルカリとともに、含水エタノールのような適切な溶媒中、室温のような適切な温度で処理し、Rが−OHである式(I)の化合物を形成すること
を含んでなる、方法。

【公表番号】特表2012−500850(P2012−500850A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525108(P2011−525108)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054576
【国際公開番号】WO2010/025087
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(591002957)グラクソスミスクライン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (341)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline LLC
【Fターム(参考)】