説明

プロリン誘導体

本明細書に示された式(I)の化合物。これらの化合物でC型肝炎ウイルス感染を治療する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願との相互参照
米国特許法第119(e)に従って、本発明は、2009年12月4日に出願された米国仮特許出願番号61/266,584の優先権の利益を主張するものである。先の出願の内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景
C型肝炎ウイルス(HCV)感染は世界中で170万もの人が発症していると推定されている。この疾患は、汚染血液製剤による感染が主である。様々な国での血液検査の改善の結果、その拡がりは治まってきたが、世界中で肝臓疾患関連死が主要な原因として今もまだ残っている。たとえば、アメリカだけでも、ひと月に約10,000人が亡くなっている。効果的な治療法がなければ、死亡率は次の20年間で3倍になると予想されている。
【0003】
インターフェロンαに基づいた現治療は、特に、遺伝子1型感染が多いヨーロッパ、日本、アメリカにおいては、成功率が低い。また、この治療法は高価であり、ほとんどの患者がこの治療を受けていない。それゆえに、HCV感染治療のよりよい治療薬を開発することが必要である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明は、特定の多環式化合物がC型肝炎ウイルス感染の治療に効果的であるという予期せぬ知見に基づいている。
【0005】
本発明の一形態では、本発明は、式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
式(I)中、Aは、
【0008】
【化2】

【0009】
【化3】

【0010】
CおよびDは、それぞれ独立して、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、ヘテロシクロアルケニル、シアノ、またはニトロであり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、または、ヘテロシクロアルケニルであり;RおよびR10は、それぞれ独立して、水素またはアルキルであり;R11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニルであり;XおよびXは、それぞれ独立して、C(O)またはC(S)であり;YおよびYは、それぞれ独立して、存在しないか、SO、SO、C(O)、C(O)O、C(O)NR、C(S)NR、またはSONRであり、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;mおよびnは、それぞれ独立して、0、1、2、3、または4であり;pおよびqは、それぞれ独立して、0または1であり;rおよびtは、それぞれ独立して、1、2、または3であり;ならびに、uおよびvは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である、で表される、化合物に関する。
【0011】
例えば、本発明の化合物は、下記式(II):
【0012】
【化4】

【0013】
で表される。
【0014】
これらは特に、下記式(III):
【0015】
【化5】

【0016】
で表される。
【0017】
上記化合物は、以下の少なくとも1つの特徴を含みうる。AおよびBは、それぞれ、
【0018】
【化6】

【0019】
である。CおよびDは、それぞれ、フェニレンである。XおよびXは、それぞれ、C(O)である。YおよびYは、それぞれ独立して、SO、C(O)、またはC(O)Oである。RおよびRは、それぞれ、フェニルである。R11およびR12は、それぞれ独立して、C1−5アルキルまたはC3−5シクロアルキルである。tおよびrは、それぞれ、2である。AおよびBは、異なるものである。p、m、n、q、uおよびvは、それぞれ、0である。p、m、n、およびqは、それぞれ、0であり、uおよびvは、それぞれ、1であり、RおよびRは、それぞれ、Fである。
【0020】
「アルキル」との用語は、1−20個の炭素原子(例えば、C−C10)を含む、直鎖または分岐の一価の炭化水素を意味する。アルキルの具体例は、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、およびt−ブチルを含む。「アルケニル」との用語は、2−20個の炭素原子(例えば、C−C10)および少なくとも1つの二重結合を含む、直鎖または分岐の一価の炭化水素を意味する。アルケニルの具体例は、限定されないが、エテニル、プロペニル、およびアリルを含む。「アルキニル」との用語は、2−20個の炭素原子(例えば、C−C10)および少なくとも1つの三重結合を含む、直鎖または分岐の一価の炭化水素を意味する。アルキニルの具体例は、限定されないが、エチニル、1−プロピニル、1−および2−ブチニル、ならびに1−メチル−2−ブチニルを含む。
【0021】
「シクロアルキル」との用語は、3−30個の炭素原子(例えば、C−C12)を有する、一価の飽和炭化水素環系を意味する。シクロアルキルの具体例は、限定されないが、、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを含む。「シクロアルケニル」との用語は、3−30個の炭素(例えば、C−C12)および少なくとも1つの二重結合を有する、一価の非芳香族炭化水素環系を意味する。具体例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、およびシクロヘプテニルを含む。「ヘテロシクロアルキル」との用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、S、またはSe)を有する、一価の、5−8員非芳香族単環系、8−12員非芳香族二環系または11−14員非芳香族三環系を意味する。ヘテロシクロアルキル基の具体例は限定されないが、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニルおよびテトラヒドロフラニルを含む。「ヘテロシクロアルケニル」との用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、S、またはSe)および少なくとも1つの二重結合を有する、一価の、5−8員非芳香族単環系、8−12員非芳香族二環系または11−14員非芳香族三環系を意味する。
【0022】
「アリール」との用語は、一価の、6個の炭素の単環式芳香族環系、10個の炭素の二環式芳香族環系、または14個の炭素の三環式芳香族環系、を意味する。アリール基の具体例は、限定されないが、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルを含む。「アリーレン」との用語は、二価の、6個の炭素の単環式芳香族環系(例えば、フェニレン)、10個の炭素の二環式芳香族環系(例えば、ナフチレン)、または14個の炭素の三環式芳香族環系、を意味する。「ヘテロアリール」との用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、S、またはSe)を有する、一価の、5−8員芳香族単環系、8−12員芳香族二環系、または11−14員芳香族三環系を意味する。ヘテロアリール基の具体例は、ピリジル、フリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チエニル、キノリニル、インドリルおよびチアゾリルを含む。「ヘテロアリーレン」との用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(O、N、S、またはSe)を有する、二価の、5−8員芳香族単環系、8−12員芳香族二環系、または11−14員芳香族三環系を意味する。
【0023】
上述した、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、アリーレン、ヘテロアリールおよびヘテロアリーレンは、置換および無置換部分のどちらも含む。シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、およびヘテロアリール上の可能な置換基は、限定されないが、C−C10アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、C−C10アルケニル、C−C16アルキニル(例えば、アリールアルキニル)、C−C20シクロアルキル、C−C20シクロアルケニル、C−C20ヘテロシクロアルキル、C−C20ヘテロシクロアルケニル、C−C10アルコキシ、アリール(例えば、ハロアリールまたはハロで置換されたアリール)、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アミノ、C−C10アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、ハロ、オキソ(O=)、チオキソ(S=)、チオ、シリル、C−C10アルキルチオ、アリールチオ、C−C10アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノチオアシル、アミジノ、メルカプト、アミド、チオウレイド、チオシアナト、スルホンアミド、グアニジン、ウレイド、シアノ、ニトロ、アシル、チオアシル、アシルオキシ、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、およびカルボン酸エステルを含む。一方で、アルキル、アルケニル、またはアルキニル上の可能な置換基は、C−C10のアルキルを除いた、前述の置換基全てが挙げられる。シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリールおよびヘテロアリールは、お互いに結合していてもよい。
【0024】
上述した多環式化合物は、化合物自身だけでなく、適用できるならば、その塩、溶媒和物、およびプロドラックも含む。例えば、塩とは、アニオンと、多環式化合物上の正に荷電した基(例えばアミノ)との間で形成されるものである。好適なアニオンは、塩化物(アニオン)、臭化物(アニオン)、ヨウ化物(アニオン)、硫酸(アニオン)、硫酸水素(アニオン)、スルファミン酸(アニオン)、硝酸(アニオン)、リン酸(アニオン)、クエン酸(アニオン)、メタンスルホン酸(アニオン)、トリフルオロ酢酸(アニオン)、グルタミン酸(アニオン)、グルクロン酸(アニオン)、グルクロン酸(アニオン)、リンゴ酸(アニオン)、マレイン酸(アニオン)、コハク酸(アニオン)、フマル酸(アニオン)、酒石酸(アニオン)、トシル酸(アニオン)、サリチル酸(アニオン)、乳酸(アニオン)、ナフタレンスルホン酸(アニオン)、および酢酸(アニオン)を含む。同様にして、塩はまた、カチオンと、多環式化合物上の負に荷電した基(例えば、カルボキシレート)との間で形成される。好適なカチオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびテトラメチルアンモニウムイオンのようなアンモニウムカチオンを含む。多環式化合物はまた、第4級窒素原子を含むこれらの塩も含む。プロドラッグの具体例としては、対象者への投与に活性のある多環式化合物を提供することができるエステルやその他の製薬上許容されうる誘導体を含む。
【0025】
他の形態において、本発明は、少なくとも1つの上述した多環式化合物の有効量を、HCVに感染した対象者へ投与することによる、HCV感染の治療方法に関する。
【0026】
また、本発明の技術的範囲は、HCV感染の治療に用いられる少なくとも1つの上述した多環式化合物を含むだけでなく、この多環式化合物の治療的使用、および、HCV感染治療のための薬剤の製造時にこの化合物を使用すること、を含む。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施形態を下記において詳説する。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書および請求項の範囲から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
本発明の具体的な化合物を以下の表1に示す。
【0029】
【表1−1】

【0030】
【表1−2】

【0031】
【表1−3】

【0032】
【表1−4】

【0033】
【表1−5】

【0034】
【表1−6】

【0035】
【表1−7】

【0036】
【表1−8】

【0037】
いくつかの追加的な具体的な化合物を以下に示す。
【0038】
【化7−1】

【0039】
【化7−2】

【0040】
【化7−3】

【0041】
【化7−4】

【0042】
本発明の化合物は、従来の化学変換方法(保護基での方法を含む)により準備することができ、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rdEd.,John Wiley and Sons(1999);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’sReagents for Organic Synthesis,JohnWiley and Sons(1994);およびL.Paquette、ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)ならびにこれらの続版に記載のものが挙げられる。以下のスキーム1−13は、本発明の化合物を合成するための変換方法を示す。
【0043】
スキーム1は、対称ジチアゾリルビフェニル類似体7a−cの準備を示す。2−アミノ−1−(4−ブロモフェニル)エタノン塩酸塩をN−Boc−L−プロリンでカップリングし、1,4−ジカルボニル化合物1a−cを得る。続いて、1,4−ジカルボニル中間体1a−cを、ローソン試薬で処理し、アリール臭化物2a−cを作製する。対称ビフェニル骨格を作るために、アリール臭化物2a−cをビス(ピナコラト)ジボロンと反応させて、対応するアリールボロン酸エステル3a−cを得、それを鈴木・宮浦カップリング条件下で、他の等価体のアリールチアゾール臭化物2a−cとカップリングし、対称ジチアゾリルビフェニル(化合物4a−c)を得る。酸中で化合物4a−cをN−脱保護することによって誘導体5a−cを得、それらをN−保護フェニルグリシンとカップリングさせることによってN−保護対称ビフェニルペプチド6a−cを得る。酸で6a−cを処理することによってBoc−保護基を除去する。続いて、この粗生成物を様々なアルキルまたはアリールアセチル塩化物と反応させることによって、最終アシル化生成物7a−cを作製する。
【0044】
【化8】

【0045】
スキーム2に示すように、代替的な合成ルートによって、対称ジチアゾリルビフェニル類似体7a−cを得ることができる。この合成ルートでは、スキーム1と同様の方法で、必須の中間体、4,4’−ビス(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール−5−イル)ビフェニル(化合物5a−c)を準備することができ;続いて5a−cを化合物8とカップリングすることによって、類似体7a−cを得ることができる。
【0046】
【化9】

【0047】
スキーム1および2で示した合成ルートを改変することで、本発明の特定の化合物を準備することができる。例えば、本発明の化合物の様々なマルチ−ヘテロアリール部分は、ヘテロアリール臭化物(例えば、以下のスキーム3−6で示されている、12a〜c、16a〜c、または21a〜c)を、アリールボロン酸エステル誘導体(例えば、下記のスキーム3−6に示されている、13a〜c、20a〜c、または22a〜c)でカップリングすることによって合成することができる。
【0048】
以下のスキーム3で示すように、アンモニウム炭酸塩を使うことによって、単純な方法を利用して、市販のN−Boc−L−プロリン9a〜cから第一アミド10a〜cに、高収率で直接変換することができる。(S)−N−Bocプロリンアミド10a〜cを、高温で、ローソン試薬で処理し、(S)−N−Bocカルバモチオイルピロリジン11a〜cを得る。11a〜cを4−ブロモフェナシル臭化物で室温で縮合することによって、1,3−チアゾール12a〜cを高収率で得ることができる。触媒としてPdCl(dppf)および酢酸カリウムを使う宮浦ボレーションで、ビス(ピナコラト)ジボロンを基質として利用し、チアジルアリールボロン酸エステル誘導体13a〜cを準備することができる。
【0049】
【化10】

【0050】
以下のスキーム4で示すように、アミドキシム15(シン−および/またはアンチ−異性体を含む)は、塩基性媒体中で、4−ブロモベンゾニトリル14をヒドロキシルアミン塩酸塩と還流下で反応させることによって準備することができる。さらなる精製することなく、アミドキシム15を使ってブロモフェニル1,2,4−オキサジアゾール誘導体16を準備する。すなわち、4−ブロモベンズアミドキシム15を市販のN−保護L−プロリン9a〜cとアルカリ条件下で縮合することによって、化合物16a〜cを高収率で得る。
【0051】
【化11】

【0052】
下記のスキーム5に示すように、アミノアリールエタノン塩17をN−Boc−L−プロリン9a〜cとカップリングして化合物18a〜cを得、それらを使ってフェニルイミダゾール(スキーム5に記載)およびフェニルチアゾール(スキーム6に記載の)の両方を準備する。続いて、化合物18a〜cをアンモニウム酢酸塩で温熱条件下で環化することによってフェニルイミダゾール臭化物誘導体19a〜cを形成し、それらを宮浦ボレーションを使って、イミダゾリルアリールボロン酸エステル誘導体20a〜cに変換することができる。
【0053】
【化12】

【0054】
以下のスキーム6に示すように、化合物18a〜cを、短時間、還流下でローソン試薬を用いることによって環化する。アリールボロン酸エステル誘導体22a〜cは、宮浦ボレーションを使って、フェニルチアゾール臭化物21a〜cから準備することができる。
【0055】
【化13】

【0056】
本発明の多環式化合物はまた、以下のスキーム7に示すように、ビフェニル化合物から合成することができる。
【0057】
【化14】

【0058】
以下のスキーム8は、本発明の多環式化合物を準備するための別の改変方法を示している。この合成ルートでは、必須の中間体である、4,4’−ビス(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール−5−イル)ビフェニル(スキーム1の化合物5a)を、化合物93または化合物94とカップリングすることによって、類似体95a−105aおよび106a−114aを得る。
【0059】
【化15】

【0060】
以下のスキーム9は、ジチアゾリルビフェニル119a、ジチアゾリルビフェニル5aの立体異性体、を合成するための方法を示す。
【0061】
【化16】

【0062】
以下で示すスキーム10は、ペプチドカップリング条件で、化合物5aおよび化合物119aから、ジチアゾリルビフェニルペプチド6a、120a、121a、および122aを合成する方法を示している(例えば、HOBt・HOおよびEDC)。これらのジチアゾリルビフェニルペプチドを脱保護し、次いで、様々なアルキルまたはアリールアセチル塩化物と反応することによって、所望の化合物7aおよび123a−127aを作製する。
【0063】
【化17−1】

【0064】
【化17−2】

【0065】
以下のスキーム11−13は、本発明の多環式化合物の一般的な合成ルートを示している。アリール臭化物(例えば、上記の、12a〜c、16a〜c、または21a〜c)を、鈴木−宮浦カップリング条件下で、アリールボロン酸エステル(例えば、上記、13a〜c、20a〜c、または22a〜c)と反応させて、N−保護非対称ビフェニル化合物23a〜cを作る(スキーム7−9)。室温で、トリフルオロ酢酸中で、ピロリジン部分のN−脱保護をすることによって、N−脱保護誘導体24a〜cを得、次いで、それらをN−Boc−D−フェニルグリシンとカップリングすることによって非対称ビフェニル化合物25a〜cを得る。1段階の方法では、25a〜cをトリフルオロ酢酸で処理し、次いで、様々なアルキルまたはアリールアセチル塩化物と反応させ、最終アシル化生成物26a〜cを得る。同様にして、他の置換された化合物(例えば、下記スキーム11−13で示す、30a〜c、34a〜c、38a〜c、42a〜c、および46a〜c)を準備することができる。
【0066】
【化18】

【0067】
【化19】

【0068】
【化20】

【0069】
本発明の化合物はまた、当業者に認識された必要な改変を使って、スキーム1−13で示されたものと同様の方法で、合成することができる。
【0070】
よって、合成された化合物は、さらに、フラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、結晶化、または他の好適な方法によって精製することができる。
【0071】
本明細書に記載の化合物は、不斉中心を含む。よって、これらは、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、単一のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、ならびにシス−またはトランス−異性体でありうる。かような異性体は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
また、本発明の範囲は、(1)本発明のいずれかの化合物の有効量および製薬上許容される担体を含む、薬剤組成物と、(2)かような化合物の有効量を、必要とする対象者へ投与することを有する、HCV感染の治療方法と、を含む。
【0073】
本明細書に記載の「治療」との用語は、上記の疾患、または、かような疾患に対する症状もしくは素因を、治療(cure)、治療(heal)、緩和(alleviate)、緩和(relieve)、変化(alter)、治療(remedy)、改善(ameliorate)、改善(improve)または影響(affect)させることを目的として、HCV感染している、または、かような疾患に対する症状もしくは素因を有する、対象者に対して、化合物を投与することを意味する。「有効量」との用語は、対象者へ目的とする治療効果を与えるのに必要な活性薬剤の量を意味する。当業者には認識されているように、投与経路、賦形剤の使用、および他の薬剤との併用の可能性に応じて、有効量は変動するだろう。
【0074】
本発明の方法を実施するにあたり、上記の薬剤組成物は、経口で、非経口で、吸入噴霧で、局所的に、経直腸で、経鼻で、口腔に、経膣的に、または、注入容器(implanted reservoir)で投与することができる。本明細書中に記載の「非経口」との用語は、皮下の、皮内の、静脈の、筋肉内の、関節内の、動脈内の、滑液嚢内への、胸骨内の、鞘内の、病巣内の、頭蓋内の注射または注入技術を含む。
【0075】
無菌注射剤組成物、例えば、無菌注射剤水性または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤(Tween80など)および懸濁化剤を使用するような、この分野で知られている方法に従って製薬化することができる。この無菌注射剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような非毒性の非経口で許容される、希釈剤または溶媒中の溶液および懸濁液で調製してもよい。許容される媒体および溶剤として、マンニトール、水、Ringer溶液、および等張塩化ナトリウム溶液を採用することができる。さらに、無菌性の固定油は、従来、溶剤または懸濁媒体として採用されている(たとえば、合成モノまたはジグリセライド)。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、オリーブ油またはヒマシ油、特にこれらのポリオキシエチレン化体、のような製薬上許容されうる天然油のように、注射剤の調製に有効である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、またはカルボキシメチルセルロース、または同様の分散剤を含みうる。TweenまたはSpanまたは他の類似の乳化剤のような、その他通常使用される界面活性剤、あるいは、製薬上許容されうる、固体、液体、または他の剤形の製造時に一般的に使用されている、バイオアベイラビリティ向上剤も同様に、製剤化の目的で使用されうる。
【0076】
経口投与用の組成物は、制限されないが、カプセル、錠剤、乳化剤、ならびに、水性の、懸濁液、分散液および溶液を含む、経口で許容されうるいずれの投薬形態であってもよい。経口投与のための錠剤の場合、一般的に用いられる担体は、乳糖およびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤もまた、一般的に添加される。カプセル形態での経口投与の目的で、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性の、懸濁液または乳化剤を経口で投与する場合、活性成分を、乳化剤と懸濁化剤とが組み合わされた油相中に、懸濁または分散させればよい。所望により、特定の甘味料、香料、または着色剤を添加してもよい。鼻エアロゾルまたは吸入組成物は、製剤処方の分野において公知の技術により調製されうる。化合物含有組成物はまた、直腸投与用に坐薬の形態で投与されうる。
【0077】
薬剤組成物の担体は、前記組成物の活性成分と適合し(好ましくは、活性成分を安定化し)、治療対象者に対して有害でないという意味で、「許容されうる」ものでなければらなない。例えば、前記化合物とより可溶しやすい錯体を形成する少なくとも1つの可溶化剤、あるいは、さらなる可溶化剤が、活性化合物を送達するための医薬担体として用いられうる。他の担体としては、コロイド状シリコン酸化物、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C黄色10番などが挙げられる。
【0078】
上記化合物は、Vitroでの分析により、上記疾患の治療効果を予めスクリーニングされた後、動物実験および臨床実験により確認されうる。他の方法は、当業者にとって自明でありうる。さらに実験することなく、上記記載は、本発明を実施するのに十分であると理解されるべきである。よって、以下の実施例は単に例示のためのものであって、開示の残部をいかようにも制限するものではないと解釈されるべきである。本明細書で引用されている全ての文献は、その全体が参照により本明細書に引用される。
【実施例】
【0079】
実施例1:(S)−tert−ブチル2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1a)の合成
N−Boc−L−プロリン(5.16g、24.0mmol)およびHOBt・HO(3.67g、24.0mmol)の溶液を室温で10分間攪拌し、次いで、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl、4.60g、24.0mmol)で処理した。得られた混合物を室温で30分攪拌し、次いで、2−アミノ−4’−ブロモアセトフェノン塩酸塩(5.0g、20.0mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、2.58g、20mmol)をジクロロメタン(DCM、150ml)中で室温で10分攪拌することによって形成された黄色い溶液と処理した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、その後、セライト(登録商標)でろ過することによって沈殿物を除去した。ろ過物をDCMおよびHOで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:5)で精製し、精製された黄色いゲル状の生成物1aを得た(7.39g、90%)。
【0080】
実施例2:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2a)の合成
テトラヒドロフラン(THF、300ml)中に入れたケトアミド基質1a(25.26g、61.42mmol)の溶液に、ローソン試薬(37.21g、92.11mmol)を添加した。得られた混合物を6時間還流し、室温まで冷却し、真空にして濃縮した。残渣をシリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、黄色い固体状の生成物2aを得た(19.6g、78%)。
【0081】
実施例3:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(3a)の合成
Pd(PPh(0.49g、0.43mmol)、酢酸カリウム(2.09g、21.37mmol)、およびビス(ピナコラト)ジボロン(5.16g、17.1mmol)、化合物2a(3.50g、8.55mmol)および1,4−ジオキサン(100mL)を入れたフラスコに、窒素を流した。その後、反応混合物を6時間80℃で攪拌した。周辺温度まで冷却後、得られた混合物をろ過した。ろ過物は、減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製することによって黄色いゲル状の生成物3aを得た(3.88g、99%)。
【0082】
実施例4:(2S,2’S)−ジ−tert−ブチル2,2’−(5,5’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(チアゾール−5,2−ジイル))ジピロリジン−1−カルボキシレート(4a)の合成
PdCl(dppf)(0.48g、0.59mmol)、炭酸カリウム(5.87g、42.5mmol)、2a(3.75g、9.16mmol)、3a(3.88g、8.5mmol)、および1,2−ジメトキシエタン(100mL)を入れたフラスコに、窒素を流した。その後、反応混合物を、80℃で18時間攪拌した。周辺温度まで冷却後、得られた混合物をろ過した。ろ過物を減圧下で濃縮し、その後、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製することによって、精製された黄色いゲル状の生成物4aを得た(2.66g、47%)。
【0083】
実施例5:4,4’−ビス(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール−5−イル)ビフェニル(5a)の合成
DCM中に入れた化合物4a(2.66g、4.04mmol)の溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸を添加した。得られた反応混合物を2時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮し、粘稠液を得た。この粘稠液に、蒸留水およびDCMを添加し、得られた混合物を、氷浴で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液をpH=8になるまで添加した。この混合物をDCMで抽出した(40mL×8)。一体化された有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。この残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%酢酸エチル、続いて、メタノール:DCM=1:20)で精製することによって、精製された生成物5aを得た(1.83g、99%)。
【0084】
実施例6:ジ−tert−ブチル(1R,1’R)−2,2’−((2S,2’S)−2,2’−(5,5’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(チアゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−フェニルエタン−2,1−ジイル)ジカルバメート(6a)の合成
DMF(30ml)中に入れたN−Boc−D−フェニルグリシン(2.21g、8.8mmol)の溶液に、HOBt・HO(1.35g、8.8mmol)を、室温で、一部添加した。この混合物を温度で10分攪拌した後、EDC(1.68g、8.8mmol)を加え、得られた混合物を30分攪拌した。次いで、DMF(20mL)中に入れた化合物5a(1.83g、4.0mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を一晩室温で攪拌し、その後、EtOAcおよび水で抽出した(HOBt塩を除去した)。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:DCM=1:20)によって精製し、白い固体状の生成物6aを得た(2.77g、75%)。
【0085】
実施例7:N,N’−(1R,1’R)−2,2’−((2S,2’S)−2,2’−(5,5’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(チアゾール−5,2−ジイル))ビス(ピロリジン−2,1−ジイル))ビス(2−オキソ−1−フェニルエタン−2,1−ジイル)ジシクロプロパンカルボキサミド(7a−A)の合成
DCM(25mL)中に入れた化合物6a(2.77g、3.0mmol)の溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。反応は、2時間攪拌することで行った。反応終了後、それを氷浴で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液をpH=7〜8になるまで添加した。得られた混合物をDCMで抽出した(20mL×8)。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物に対しさらなる精製をせずに次の工程の出発物質として用いた。THF(20mL)中に入れたこの粗生成物の溶液を、氷浴で冷却し、シクロプロパンカルボニル塩化物(208mg、1.99mmol)およびトリエチルアミン(126mg、1.24mmol)を添加した。氷浴を除去し、得られた混合物を室温で10分攪拌し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出した(10mL×4)。一体化された有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH:DCM=1:99)で精製し、最終生成物7a−Aを得た(390mg、54%)。LC/MS(ESI):[M+2]/2:431、[M+1]:861、[M+23]:883。
【0086】
実施例8:(S)−tert−ブチル2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシレート(10a)の合成
N−Boc−L−プロリン(5.0g、23.2mmol)を、室温で、1,4−ジオキサン(110ml)に溶解させた。このプロリン溶液に、ピリジン(1.1mL、13.9mmol)、ジ−tert−ブチルブチルジカーボネート(6.6g、30.2mmol)、および炭酸アンモニウム(2.9g、30.2mmol)を添加した。その後、反応混合物を、室温で19時間攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、揮発性成分を除去した。この残渣に、酢酸エチル(50ml)、20%水性クエン酸(100ml)、および塩水(50ml)を添加した。この混合物を室温で5分攪拌した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を一体化し、MgSOで乾燥し、ろ過した。このろ過物を濃縮し粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)で精製することによって、10aを得た(4.5g)。
【0087】
実施例9:(S)−tert−ブチル2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシレート(11a)の準備
(S)−tert−ブチル2−カルバモイルピロリジン−1−カルボキシレート(化合物10a、3.0g、14.0mmol)およびローソン試薬(6.8g、16.8mmol)を入れた、丸底フラスコに窒素を流した。乾燥THF(40ml)を溶媒として添加した。この反応混合物を窒素下で70℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製することによって、精製された生成物11aを得た(2.7g)。
【0088】
実施例10:(S)−tert−ブチル2−(4−(4−ブロモフェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(12a)の準備
エタノール(50ml)中に入れた(S)−tert−ブチル2−カルバモチオイルピロリジン−1−カルボキシレート(化合物11a、2.2g、9.6mmol)および4−ブロモフェナシル臭化物(2.9g、10.5mmol)の溶液を、室温で、3時間攪拌した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:3)で精製することによって、精製された生成物12aを得た(3.3g)。
【0089】
実施例11:(S)−tert−ブチル2−(4−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(13a)の準備
ビス(ピナコラト)ジボロン(1.1g、4.4mmol)、Pd(PPh(0.13g、0.11mmol)、およびKCO(1.5g、11.0mmol)を入れた丸底フラスコに、室温で窒素を流した。DMSO(20mL)中に入れた(S)−tert−ブチル2−(2−(4−ブロモフェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物12a、1.5g、3.7mmol)の溶液を添加した。この反応は、80℃で一晩攪拌することによって行った。室温まで冷却後、得られた混合物を酢酸エチル/HOで抽出し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して、黄色い液体を得た。この粗生成物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5)で精製することによって、白い固体状の生成物13aを得た(1.1g)。
【0090】
実施例12:4−ブロモ−N’−ヒドロキシベンズイミドアミド(15)の準備
エタノール(42ml)中に入れた4−ブロモベンゾニトリル(5.0g、27.5mmol)の溶液に、室温で、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.91g、27.5mmol)およびDIPEA(4.8ml、27.5mmol)を添加した。この反応混合物を90℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた混合物を濃縮し、無色の粘稠液を得た。この粘稠液を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、その後、濃縮して、粗化合物を得、それをn−ヘキサンで洗浄することによって、白い固体状の生成物15を得た(5.0g)。
【0091】
実施例13:(S)−tert−ブチル2−(3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(16a)の準備
N,N−ジメチルホルムアミド(18mL)中に入れたN−Boc−L−プロリン(2.5g、11.6mmol)の溶液に、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラテトラフルオロボレート(TBTU、3.73g、11.6mmol)、HOBt・HO(0.36g、2.32mmol)およびDIPEA(10.2ml、58.1mmol)を添加した。反応混合物を、室温で5分攪拌した後、4−ブロモ−N’−ヒドロキシベンズイミドアミド15(2.5g、11.6mmol)を添加した。次いで、この混合物を110℃で2.5時間攪拌した。室温まで冷却後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、クルードの黄色い液体を得、それをクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製することによって、目的物16aを得た(2.5g)。
【0092】
実施例14:(S)−tert−ブチル2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(18a)の準備
DCM(150mL)中に入れた2−アミノ−4’−ブロモアセトフェノン塩酸塩17(5.0g、20.0mmol)の懸濁液に、室温で、DIPEA(2.6g、20mmol)を添加した。10分攪拌すると、この懸濁液は黄色い溶液となった。N−Boc−L−プロリン(5.2g、24.0mmol)のDCM(100mL)溶液を入れたもう1つのフラスコに、室温で、HOBt・HO(3.7g、24.0mmol)を添加した。EDC・HCl(4.6g、24.0mmol)を、このプロリン混合物に添加し、この混合物を室温で30分継続的に攪拌した。上記の黄色い溶液をこのプロリン混合物に添加し、室温で一晩攪拌した。得られた混合物をセライト(登録商標)でろ過し沈殿物を除去した。このろ過物をHO/DCMで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過した。減圧下で濃縮後、この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=2:5)で精製することによって、精製された黄色いゲル状の生成物18aを得た(7.4g)。
【0093】
実施例15:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(19a)の準備
キシレン(75ml)中に入れた(S)−tert−ブチル2−(2−(4−ブロモフェニル)−2−オキソエチルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物18a、5.0g、12.2mmol)の溶液に、室温で、酢酸アンモニウム(23.4g、304mmol)および酢酸(5ml)を添加した。この反応混合物を油浴に設置し、160℃まで加熱し、共沸した水をディーン・スターク・トラップに入れた。3時間後、得られた混合物を室温まで冷却し、その後、酢酸エチルおよび蒸留水で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得、それをカラムクロマトグラフィー(100%酢酸エチル)で精製することによって、精製された生成物19aを得た(4.4g)。
【0094】
実施例16:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(20a)の準備
ビス(ピナコラト)ジボロン(0.8g、3.2mmol)、Pd(PPh(0.06g、0.05mmol)およびKOAc(0.37g、3.81mmol)を入れた丸底フラスコに、室温で窒素を流し、それに、1,4−ジオキサン(15ml)中に入れた(S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物19a、0.5g、1.3mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を80℃で一晩攪拌し、その後、室温まで冷却した。得られた混合物を、酢酸エチルおよび蒸留水で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮し、クルードな黄色い液体を得、その後、それをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1)で精製することによって、白い固体状の生成物20aを得た(0.53g)。
【0095】
実施例17:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−ブロモフェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(21a)の準備
実施例2に記載の方法と同様にして化合物21aを準備した。
【0096】
実施例18:(S)−tert−ブチル2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(22a)の準備
実施例3に記載の方法と同様にして化合物21aから化合物22aを準備した。
【0097】
実施例19:(S)−tert−ブチル2−(4−(4’−(5−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(23a)の準備
PdCl(dppf)(0.04g、0.051mmol)、重炭酸ナトリウム(0.37g、4.45mmol)、および(S)−tert−ブチル2−(3−(4−ブロモフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物16a、0.50g、1.27mmol)を入れたフラスコに、窒素を流した。その後、1,2−ジメトキシエタン(15ml)中に入れた(S)−tert−ブチル2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物20a、0.67g、1.52mmol)の溶液を添加した。この反応混合物を、窒素下で、80℃で、6時間攪拌した。室温まで冷却した後、得られた混合物を酢酸エチル/水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗化合物を得、それを、クロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=4:1)で精製することによって、白い固体状の生成物23aを得た(0.57g)。
【0098】
実施例20:5−((S)−ピロリジン−2−イル)−3−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(24a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物23aから化合物24aを準備した。
【0099】
実施例21:化合物25aの準備
DCM(10mL)中に入れたN−Boc−D−フェニルグリシン(0.29g、1.15mmol)の溶液に、室温で、HOBt・HO(0.18g、1.15mmol)を一部添加した。この混合物を10分攪拌し、EDC(0.22g、1.15mmol)を添加した。10分後、5−((S)−ピロリジン−2−イル)−3−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(化合物24a、0.20g、0.48mmol)を一部添加した。この混合物を一晩室温で攪拌し、10%クエン酸(aq.)を添加した。この混合物を10分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)をpH値約8に調整するため使用した。この得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮することによって、クルードな黄色い液体を得、それをカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1)で精製し、白い固体状の生成物25aを得た(0.37g)。
【0100】
実施例22:N−((R)−2−((S)−2−(4−(4’−(5−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)シクロプロパンカルボキサミド(26a)の準備
実施例7に記載の方法と同様にして化合物25aから化合物26aを準備した。
【0101】
実施例23:(S)−tert−ブチル2−(4−(4’−(5−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(27a)の準備
化合物2aおよび化合物3aの代わりに、化合物13aおよび化合物16aを使う以外は、実施例4に記載の方法と同様にして化合物27aを準備した。
【0102】
実施例24:5−((S)−ピロリジン−2−イル)−3−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(28a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物27aから化合物28aを準備した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0103】
実施例25:化合物29aの準備
実施例21に記載の方法と同様にして化合物28aから化合物29aを準備した。
【0104】
実施例26:N−((R)−2−((S)−2−(4−(4’−(5−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)シクロプロパンカルボキサミド(30a)の準備
DCM(10ml)中に入れた化合物29a(0.20g、0.22mmol)の溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(5ml)を添加した。反応混合物を2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)をpH値が約8となるように添加した。得られた混合物をDCMで抽出し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。この粗生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0105】
DCM(5ml)中に入れた白い固体の溶液に、−10℃で、シクロプロパンカルボニル塩化物(0.058g、0.55mmol)およびトリエチルアミン(0.08ml)を一部添加した。この反応混合物を−10℃で15分攪拌した。室温で、蒸留水を添加し、その後、DCMで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗生成物を得、それを、クロマトグラフ(酢酸エチル:h−ヘキサン=2:1)で精製することによって、白い固体状の生成物30aを得た(0.07g)。
【0106】
実施例27:(S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(5−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(31a)の準備
化合物2aおよび化合物3aの代わりに、化合物16aおよび化合物22aを使う以外は、実施例4に記載の方法と同様にして化合物31aを準備した。
【0107】
実施例28:5−((S)−ピロリジン−2−イル)−3−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)−1,2,4−オキサジアゾール(32a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物31aから化合物32aを準備した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0108】
実施例29:化合物33aの準備
実施例21に記載の方法と同様にして化合物32aから化合物33aを準備した。
【0109】
実施例30:N−((R)−2−((S)−2−(5−(4’−(5−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)シクロプロパンカルボキサミド(34a)の準備
実施例26に記載の方法と同様にして化合物33aから化合物34aを準備した。
【0110】
実施例31:(S)−tert−ブチル2−(4−(4’−(2−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(35a)の準備
化合物12a(0.46g、1.13mmol)、(S)−tert−ブチル2−(5−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(化合物20a、0.55g、1.25mmol)、PdCl(dppf)(0.036g、0.04mmol)、および重炭酸ナトリウム(0.33g、3.93mmol)を入れたフラスコに、窒素を流し、その後、1,2−ジメトキシエタン(6ml)および蒸留水(2ml)を溶媒として添加した。この反応混合物を、窒素下で、80℃で、5時間攪拌した。室温まで冷却後、この混合物を酢酸エチル/水で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、その後、濃縮して、粗化合物を得た。この粗化合物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=4:1)で精製することによって、黄色い固体を得た(0.47g)。
【0111】
実施例32:2−((S)−ピロリジン−2−イル)−4−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール(36a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物35aから化合物36aを準備した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0112】
実施例33:化合物37aの準備
N,N−ジメチルホルムアミド(8ml)中に入れたN−Boc−D−フェニルグリシン(0.37g、0.15mmol)の溶液に、HOBt・HO(0.25g、1.63mmol)を、室温で、一部添加した。この反応混合物を15分攪拌後、EDC(0.31g、1.63mmol)および2−((S)−ピロリジン−2−イル)−4−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール(化合物36a、0.30g、0.68mmol)を一部添加した。一晩攪拌後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=2:1)で精製することによって、白い固体状の生成物37aを得た(0.42g)。
【0113】
実施例34:N−((R)−2−((S)−2−(4−(4’−(2−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)シクロプロパンカルボキサミド(38a)の準備
実施例26に記載の方法と同様にして化合物37aから化合物38aを準備した。
【0114】
実施例35:(S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(2−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(39a)の準備
化合物2aおよび化合物3aの代わりに、化合物20aおよび化合物21aを使う以外は、実施例4に記載の方法と同様にして化合物39aを準備した。
【0115】
実施例36:2−((S)−ピロリジン−2−イル)−5−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール(40a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物39aから化合物40aを準備した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0116】
実施例37:化合物41aの準備
DMF(5ml)中に入れたN−Boc−D−フェニルグリシン(0.14g、0.56mmol)の溶液に、室温で、HOBt・HO(0.086g、0.56mmol)を一部添加した。この混合物を10分攪拌後、EDC(0.11g、0.56mmol)を添加した。得られた混合物を30分継続的に攪拌した。2−((S)−ピロリジン−2−イル)−5−(4’−(2−((S)−ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール(化合物40a、0.10g、0.23mmol)を一部添加し、この反応混合物を室温で一晩攪拌した。HOBt塩を蒸留水で洗浄した後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗生成物を得、それを、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製することによって、白い固体状の化合物41aを得た(0.072g)。
【0117】
実施例38:N−((R)−2−((S)−2−(5−(4’−(2−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニル−エチル)シクロプロパンカルボキサミド(42a)の準備
DMF(2ml)中に入れた化合物41a(0.072g、0.08mmol)の溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(1ml)を添加した。この反応混合物を2時間攪拌した。室温で、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)をpH値約8になるように添加した。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0118】
THF(20ml)中に入れた前記白い固体の溶液に、−40℃で、シクロプロパンカルボニル塩化物(0.030g、0.2mmol)およびトリエチルアミン(0.02ml)を一部添加した。この反応混合物を、−40℃で2時間攪拌した。溶媒を除去後、この粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=1:40)で精製することによって、白い固体状の化合物42aを得た(0.033g)。
【0119】
実施例39:(S)−tert−ブチル2−(5−(4’−(2−((S)−1−(tert−ブトシキカルボニル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート(43a)の準備
化合物2aおよび化合物3aの代わりに、化合物13aおよび化合物21aを使う以外は、実施例4に記載の方法と同様にして化合物43aを準備した。
【0120】
実施例40:(S)−4,5’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(2−((S)−ピロリジン−2−イル)チアゾール)(44a)の準備
実施例5に記載の方法と同様にして化合物43aから化合物44aを準備した。この生成物を、さらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。
【0121】
実施例41:化合物45aの準備
実施例21に記載の方法と同様にして化合物44aから化合物45aを準備した。
【0122】
実施例42:N−((R)−2−((S)−2−(5−(4’−(2−((S)−1−((R)−2−(シクロプロパンカルボキサミド)−2−フェニルアセチル)ピロリジン−2−イル)チアゾール−4−イル)ビフェニル−4−イル)チアゾール−2−イル)ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−1−フェニルエチル)シクロプロパンカルボキサミド(46a)の準備
実施例26に記載の方法と同様にして化合物45aから化合物46aを準備した。
【0123】
実施例43:化合物47
氷酢酸(15mL)中に入れた臭素(1.3mL、25.0mmol)の溶液を、酢酸(40mL)中に入れた4,4’−ジアセチルビフェニル(3.0g、12.5mmol)の溶液に、50℃で、滴下した。添加後、この反応混合物を、一晩室温で攪拌した。この沈殿物をろ過し、クロロホルムで再結晶することによって、白い固体状の1,1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(2−ブロモエタノン)47を得た(3.84g、77.5%)。LC/MS(ESI):[M+1]:397。
【0124】
実施例44:化合物48
ナトリウムジホルミルアミド(3.66g、38.5mmol)を、アセトニトリル(85mL)中に入れた、1,1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(2−ブロモエタノン)47(6.1g、15.4mmol)の懸濁液に添加した。この反応混合物を4時間還流し、その後、減圧下で濃縮をした。この残渣を、エタノール(300mL)中に入れた5%HClに懸濁し、4時間還流した。この反応混合物を室温まで冷却し冷凍庫に1時間置いた。この沈殿物を回収し、エーテルで洗浄し(200mL×3)、減圧下で乾燥することによって、1,1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(2−アミノエタノン)二塩酸塩48を得た(4.85g、92%)。この生成物を、さらなる精製することなく使った。LC/MS(ESI):[M+1]:269。
【0125】
実施例45:化合物49a
DMF(15mL)中に入れた1,1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(2−アミノエタノン)二塩酸塩48(0.7g、2.1mmol)、N−Boc−L−プロリン(0.9g、4.2mmol)、およびHATU(1.68g、4.4mmol)の攪拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.4mmol)を5分かけて滴下した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、減圧下で濃縮した。残渣を、20%メタノール/クロロホルムおよび水で抽出した。水層を、20%メタノール/クロロホルムで一度洗浄した。一体化された有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、10−50%酢酸エチル/DCMの勾配溶離でシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって生成物49aを得た(0.97g、69%)。LC/MS(ESI):[M+1]:663。
【0126】
実施例46:化合物50aおよび化合物51a
DCM(5mL)中に入れた化合物6a(462mg、0.5mmol)の溶液に、室温で、トリフルオロ酢酸(1mL)を添加した。その後、この反応物を、室温で2時間攪拌した。反応完了後、これを氷浴で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を、pH=7〜8となるまで添加した。得られた混合物を、DCMで抽出した(10mL×8)。有機層をMgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗生成物を得、それをさらなる精製を行うことなく、次の工程の出発物質として使った。THF(5mL)中に入れた粗生成物の溶液を氷浴で冷却した。アセチル塩化物(94mg、1.2mmol)およびトリエチルアミン(121mg、1.2mmol)を、連続して添加した。氷浴を除去し、この反応混合物を室温で10分攪拌し、次いで、減圧下で濃縮した。この残渣を、酢酸エチルで抽出した(10mL×4)。一体化された有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。この残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中1%メタノール)で精製することによって、最終生成物50a(160mg、40%)および51a(50mg、12%)を得た。LC/MS(ESI):[M+2]/2:405、[M+1]:809、[M+23]:831。
【0127】
実施例47:化合物52aおよび化合物53a
アセチル塩化物の代わりに、プロピオニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物52aおよび化合物53aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:419、[M+1]:837、[M+23]:859。
【0128】
実施例48:化合物54aおよび化合物55a
アセチル塩化物の代わりに、ブチリル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物54aおよび化合物55aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:433、[M+1]:865、[M+23]:887。
【0129】
実施例49:化合物56aおよび化合物57a
アセチル塩化物の代わりに、ペンタノイル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物56aおよび化合物57aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:447、[M+1]:893、[M+23]:915。
【0130】
実施例50:化合物58aおよび化合物59a
アセチル塩化物の代わりに、ヘキサノイル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物58aおよび化合物59aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:461、[M+1]:921、[M+23]:943。
【0131】
実施例51:化合物60aおよび化合物61a
アセチル塩化物の代わりに、イソブチリル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物60aおよび化合物61aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:433、[M+1]:865、[M+23]:887。
【0132】
実施例52:化合物62aおよび化合物63a
アセチル塩化物の代わりに、2−エチル−ブチリル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物62aおよび化合物63aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:461、[M+1]:921、[M+23]:943。
【0133】
実施例53:化合物64aおよび化合物65a
アセチル塩化物の代わりに、2,2−ジメチルプロピオニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物64aおよび化合物65aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:447、[M+1]:893、[M+23]:915。
【0134】
実施例54:化合物66aおよび化合物67a
アセチル塩化物の代わりに、シクロブタンカルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物66aおよび化合物67aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:445、[M+1]:889、[M+23]:911。
【0135】
実施例55:化合物68aおよび化合物69a
アセチル塩化物の代わりに、シクロペンタンカルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物68aおよび69aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:459、[M+1]:917、[M+23]:939。
【0136】
実施例56:化合物70aおよび化合物71a
アセチル塩化物の代わりに、シクロヘキサンカルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物70aおよび化合物71aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:473、[M+1]:945、[M+23]:967。
【0137】
実施例57:化合物72aおよび化合物73a
アセチル塩化物の代わりに、ベンゾイル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物72aおよび化合物73aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:467、[M+1]:933、[M+23]:955。
【0138】
実施例58:化合物74aおよび化合物75a
アセチル塩化物の代わりに、フェニルアセチル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物74aおよび化合物75aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:481、[M+1]:961、[M+23]:983。
【0139】
実施例59:化合物76aおよび化合物77a
アセチル塩化物の代わりに、フラン−2−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物76aおよび化合物77aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:457、[M+1]:913、[M+23]:935。
【0140】
実施例60:化合物78aおよび化合物79a
アセチル塩化物の代わりに、フラン−3−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物78aおよび化合物79aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:457、[M+1]:913、[M+23]:935。
【0141】
実施例61:化合物80aおよび化合物81a
アセチル塩化物の代わりに、チオフェン−2−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物80aおよび化合物81aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:473、[M+1]:945、[M+23]:967。
【0142】
実施例62:化合物82aおよび化合物83a
アセチル塩化物の代わりに、チオフェン−3−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物82aおよび化合物83aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:473、[M+1]:945、[M+23]:967。
【0143】
実施例63:化合物84aおよび化合物85a
アセチル塩化物の代わりに、イソニコチノイル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物84aおよび化合物85aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:468、[M+1]:935、[M+23]:957。
【0144】
実施例64:化合物86aおよび化合物87a
アセチル塩化物の代わりに、ニコチノイル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物86aおよび化合物87aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:468、[M+1]:935、[M+23]:957。
【0145】
実施例65:化合物87aおよび化合物88a
アセチル塩化物の代わりに、ピリジン−2−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物87aおよび化合物88aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:468、[M+1]:935、[M+23]:957。
【0146】
実施例66:化合物90aおよび化合物91a
アセチル塩化物の代わりに、ピロリジン−1−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物90aおよび化合物91aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:460、[M+1]:919、[M+23]:941。
【0147】
実施例67:化合物92a
アセチル塩化物の代わりに、ピペリジン−1−カルボニル塩化物を使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物92aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:474、[M+1]:947、[M+23]:969。
【0148】
実施例68:化合物95a
DCM(10mL)中に入れたN−メトキシカルボニル−D−バリン(420mg、2.4mmol)の溶液に、HOBt・HO(367mg、2.4mmol)を一部添加し、室温で10分攪拌した。この反応混合物に、EDC(460mg、2.4mmol)を添加し、30分継続的に攪拌した。DCM(5mL)中に入れた化合物5a(458mg、1.0mmol)の溶液を添加し、その後、室温で一晩攪拌した。HOBt塩を水で洗浄することによって除去した後、有機層を、MgSOで乾燥し、ろ過し、濃縮し、粘性のある黄色い液体を得た。この液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:DCM=1:20)で精製することによって、白い固体95aを得た(425mg、55%)。LC/MS(ESI):[M+2]/2:387、[M+1]:773、[M+23]:795。
【0149】
実施例69:化合物96a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−エトキシカルボニル−D−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物96aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:401、[M+1]:801、[M+23]:823。
【0150】
実施例70:化合物97a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−フェノキシカルボニル−D−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物97aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:449、[M+1]:897、[M+23]:919。
【0151】
実施例71:化合物98a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−シクロプロパンカルボニル−D−アラニンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物98aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:369、[M+1]:737、[M+23]:759。
【0152】
実施例72:化合物99a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(R)−2−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−酪酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物99aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:383、[M+1]:765、[M+23]:787。
【0153】
実施例73:化合物100a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(R)−2−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ペンタン酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物100aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:397、[M+1]:793、[M+23]:815。
【0154】
実施例74:化合物101a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(R)−2−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−ヘキサン酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物101aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:411、[M+1]:821、[M+23]:843。
【0155】
実施例75:化合物102a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−シクロプロパンカルボニル−D−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物102aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:397、[M+1]:793、[M+23]:815。
【0156】
実施例76:化合物103a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−シクロプロパンカルボニル−D−ロイシンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物103aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:411、[M+1]:821、[M+23]:843。
【0157】
実施例77:化合物104a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(R)−2−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−3,3−ジメチル−酪酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物104aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:411、[M+1]:821、[M+23]:843。
【0158】
実施例78:化合物105a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(R)−シクロヘキシル−(シクロプロパンカルボニル−アミノ)−酢酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物105aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:437、[M+1]:873、[M+23]:895。
【0159】
実施例79:化合物106a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−メトキシカルボニル−L−アラニンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物106aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:359、[M+1]:717、[M+23]:739。
【0160】
実施例80:化合物107a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−酪酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物107aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:373、[M+1]:745、[M+23]:767。
【0161】
実施例81:化合物108a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−ペンタン酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物108aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:387、[M+1]:773、[M+23]:795。
【0162】
実施例82:化合物109a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−ヘキサン酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物109aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:401、[M+1]:801、[M+23]:823。
【0163】
実施例83:化合物110a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−メトキシカルボニル−L−ロイシンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物110aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:401、[M+1]:801、[M+23]:823。
【0164】
実施例84:化合物111a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、(S)−2−メトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−酪酸を使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物111aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:401、[M+1]:801、[M+23]:823。
【0165】
実施例85:化合物112a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−メトキシカルボニル−L−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物112aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:387、[M+1]:773、[M+23]:795。
【0166】
実施例86:化合物113a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−エトキシカルボニル−L−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物113aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:401、[M+1]:801、[M+23]:823。
【0167】
実施例87:化合物114a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−フェノキシカルボニル−L−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物114aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:449、[M+1]:897、[M+23]:919。
【0168】
実施例88:化合物115a
N−Boc−L−プロリンの代わりに、N−Boc−D−プロリンを使う以外は、実施例1に記載の方法と同様にして化合物115aを準備した。LC/MS(ESI):[M+1]:411。
【0169】
実施例89:化合物116a
実施例2に記載の方法と同様にして化合物116aを準備した。LC/MS(ESI):[M+1]:409。
【0170】
実施例90:化合物117a
化合物2aの代わりに、化合物116aを使う以外は、実施例3に記載の方法と同様にして化合物117aを準備した。LC/MS(ESI):[M+1]:456。
【0171】
実施例91:化合物118a
化合物2aおよび化合物3aの代わりに、化合物116aおよび化合物117aを使う以外は、実施例4に記載の方法と同様にして化合物118aを準備した。LC/MS(ESI)、[M+1]:659。
【0172】
実施例92:化合物119a
実施例5に記載の方法と同様にして化合物118aから化合物119aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:230、[M+1]:459、[M+23]:481。
【0173】
実施例93:化合物120a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−Boc−L−フェニルグリシンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物120aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:463、[M+1]:925、[M+23]:947。
【0174】
実施例94:化合物121a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−Boc−D−フェニルグリシン、および、5aの代わりに119aを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物121aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:463、[M+1]:925、[M+23]:947。
【0175】
実施例95:化合物122a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、N−Boc−L−フェニルグリシン、および、5aの代わりに119aを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物122aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:463、[M+1]:925、[M+23]:947。
【0176】
実施例96:化合物123aおよび化合物124a
アセチル塩化物の代わりに、シクロプロパンカルボニル塩化物、および、6aの代わりに120aを使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物123aおよび化合物124aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:431、[M+1]:861、[M+23]:883。
【0177】
実施例97:化合物125aおよび化合物127a
アセチル塩化物の代わりに、シクロプロパンカルボニル塩化物、および、6aの代わりに121aを使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物125aおよび化合物127aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:431、[M+1]:861、[M+23]:883。
【0178】
実施例98:化合物126aおよび化合物127a
アセチル塩化物の代わりに、シクロプロパンカルボニル塩化物、および、6aの代わりに122aを使う以外は、実施例46に記載の方法と同様にして化合物126aおよび化合物127aを準備した。LC/MS(ESI):[M+2]/2:431、[M+1]:861、[M+23]:883。
【0179】
実施例99:化合物128a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、D−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物128aを準備した。LC/MS(ESI):[M+1]:657。
【0180】
実施例100:化合物129a
N−メトキシカルボニル−D−バリンの代わりに、L−バリンを使う以外は、実施例68に記載の方法と同様にして化合物129aを準備した。LC/MS(ESI):[M+1]:657。
【0181】
実施例101:HCV複製の抑制
本発明の化合物のHCV複製に対する阻害活性は、Lee et al.、Anal.Biochem.、316:162−70(2003)およびLee et al.、J.Virol methods、116:27−33(2004)の方法に従って、Ava5−EG(△4AB)SEAP、レポーター細胞株を使って評価した。つまり、5%COのインキュベーター中、G418(ジェネティシン)500μg/mL、ブラストサイジン10μg/mLを含有した培地で、Ava5−EG(△4AB)SEAP細胞を培養した。G418およびブラストサイジンはインビトロジェン(カールスバッド、CA)から購入した。この細胞を96−ウェルプレート(5×10細胞/100μL−ウェル)に播種し、24時間37℃で培養した。次いで、様々な濃度の試験化合物のDMSO溶液でこれらを処理した。48時間後、必要であれば各ウェルの培養培地を同じ濃度の試験化合物を含む新鮮な培地に取替え、培養培地中で蓄積した分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)を除去した。この細胞をさらに24時間培養した。次いで、この培養培地を回収し、Phospha−Light分析キット(Tropix,Foster,CA,USA)を使ってSEAP活性を試験した。
【0182】
化合物6a、7a−A、7b−A、7c−A、7a−B、7b−B、7c−B、25a、26a、29a、30a、33a、34a、37a、38a、41a、42a、45a、46a、50a−77a、80a、81a、84a、85a、88a−98a、および100a−129aを、このアッセイで試験した。すべての試験化合物が、HCV複製を抑制した。意外にも、6a、7a−A、7b−A、7c−A、7a−B、7b−B、7c−B、25a、26a、29a、30a、33a、34a、37a、38a、41a、42a、45a、46a、50a、51a、52a、54a、56a、58a、60a、61a、66a、67a、68a、70a、74a、76a、84a、90a、92aは、EC50値(すなわち、50%HCV複製を抑制する試験化合物の濃度)が0.5μM以下であることを示した。さらに驚くべくことに、50a、52a、54a、56a、60a、66a、68a、90a、および92aは、EC50値が、0.04μMより低かった。
【0183】
実施例102:細胞毒性アッセイ
処理後の細胞の生存(上記実施例43参照)を、Cory et al.,Cancer Commun.3:207−12(1991)に記載のMTS分析によって決定した。つまり、Ava5−EG(Δ4AB)SEAP細胞を上記に記載の試験化合物で処理した。48時間後、各培養培地を同じ濃度の試験化合物を含む新鮮な培地と交換した。この細胞をさらに24時間培養した。フェノールレッドフリーDMEM、[3−(4,5−ジメチルチオゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム、内塩](Promega、Madison、WI)、およびフェナジンメトスルファート(Sigma、St.Louis、MO)を、80:20:1で含む100μl溶液を各ウェルに添加した。この細胞を5%COインキュベーター中、37℃で1〜4時間で培養した。各ウェルの490nmでの吸光度を測定した。
【0184】
化合物6a、7a−A、7b−A、7c−A、7a−B、7b−B、7c−B、25a、26a、29a、30a、33a、34a、37a、38a、41a、42a、45a、46a、50a−77a、80a、81a、84a、85a、88a−98a、および100a−129aを、このアッセイで試験した。意外にも、すべての試験化合物のCC50値(すなわち、細胞の50%が死滅する試験化合物の濃度)が50μMを超えていた。
【0185】
他の実施形態
本明細書に開示された全ての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせられうる。本明細書に開示のそれぞれの特徴は、同一の、均等な、または類似の目的を達成する他の特徴により置換されうる。よって、特記しない限り、開示されたそれぞれの特徴は、広範な一連の均等なまたは類似の特徴の一例に過ぎない。
【0186】
当業者であれば、上述した記載から本発明の本質的な特徴を容易に認識することができ、本発明の思想および範囲から逸脱することがなく、発明に種々の変更および修飾を施し、種々の用途および条件に適合させることができる。よって、他の実施形態もまた、特許請求の範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

ここで、
Aは、
【化2】

Bは、
【化3】

CおよびDは、それぞれ独立して、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり;
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、ヘテロシクロアルケニル、シアノ、またはニトロであり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニルであり;
およびR10は、それぞれ独立して、水素またはアルキルであり;
11およびR12は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニルであり;
およびXは、それぞれ独立して、C(O)またはC(S)であり;
およびYは、それぞれ独立して、存在しないか、SO、SO、C(O)、C(O)O、C(O)NR、C(S)NR、またはSONRであり、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;
mおよびnは、それぞれ独立して、0、1、2、3、または4であり;
pおよびqは、それぞれ独立して、0または1であり;
rおよびtは、それぞれ独立して、1、2、または3;ならびに、
uおよびvは、それぞれ独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、または8である、
で表される、化合物。
【請求項2】
式(II):
【化4】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
AおよびBは、それぞれ、
【化5】

であり、CおよびDは、それぞれ、フェニレンである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびXは、それぞれ、C(O)であり、YおよびYは、それぞれ独立して、SO、C(O)、または、C(O)Oである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
およびRは、それぞれ、フェニルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
11およびR12は、それぞれ独立して、C1−5アルキルまたはC3−5シクロアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
tおよびrは、それぞれ、2である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
AおよびBは、異なるものであり、CおよびDは、それぞれ、フェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
AおよびBは、それぞれ、
【化6】

であり、CおよびDは、それぞれ、フェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
およびRは、それぞれ、フェニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
11およびR12は、それぞれ独立して、C1−5アルキルまたはC3−5シクロアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
式(II):
【化7】

で表される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
およびRは、それぞれ、フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
11およびR12、それぞれ独立して、C1−5アルキルまたはC3−5シクロアルキルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
式(II):
【化8】

で表される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
11およびR12は、それぞれ独立して、C1−5アルキルまたはC3−5シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
tおよびrは、それぞれ、2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
p、m、n、q、uおよびvは、それぞれ、0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
p、m、n、およびqは、それぞれ、0であり、uおよびvは、それぞれ、1であり、かつ、RおよびRは、それぞれ、Fである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
式(III):
【化9】

で表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
およびRは、それぞれ、フェニルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
11およびR12は、それぞれ独立して、アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
11およびR12は、それぞれ独立して、ヘテロシクロアルキル、または、アミノもしくはヘテロシクロアルキルで置換されたアルキルである、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
6a、7a−A、7b−A、7c−A、7a−B、7b−B、7c−B、25a、26a、29a、30a、33a、34a、37a、38a、41a、42a、45a、46a、50a、51a、−92a、95a−114a、123a−153aで表される、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物の有効量を、必要とする対象者へ投与することを有する、C型肝炎ウイルス感染の治療方法。
【請求項26】
請求項1に記載の化合物と、製薬上許容される担体と、を含む、薬剤組成物。

【公表番号】特表2013−512915(P2013−512915A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−542178(P2012−542178)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/058672
【国際公開番号】WO2011/068941
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(509093370)ナショナル ヘルス リサーチ インスティテューツ (6)
【Fターム(参考)】