説明

プローブカード及びその製造方法

【課題】本発明は、プローブピンが接合される電極パッドがプローブ基板から剥離されることを防止できるプローブカード及びその製造方法に関する。
【解決手段】本発明の実施例によるプローブカードは、一面に少なくとも一つのパッド用溝が形成され、上記パッド用溝に埋め込まれる形態に形成される電極パッドを具備するセラミック基板と、上記電極パッドに接合されるプローブピンと、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードに関するもので、より詳細には、プローブピンが接合される電極パッドがプローブ基板から剥離されることを防止できるプローブカード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体回路の集積技術開発により、半導体サイズの小型化が引き続き進行されるにつれて、半導体チップの検査装置も高い精密度が求められている。
【0003】
ウェハ組立工程(wafer fabrication process)を経て半導体ウェハに形成された集積回路チップは、ウェハ状態で進行される電気的特性検査(EDS:Electrical Die Sorting)によって良品または不良品に分類される。
【0004】
このような電気的特性検査には、一般的に検査信号の発生及び検査結果の判定を担当するテスター(tester)と、半導体ウェハのローディング(loading)及びアンローディング(unloading)を担当するプローブステーション(probe station)と、半導体ウェハとテスターとの電気的連結を担当するプローブカード(probe card)に構成された検査装置が主に用いられている。
【0005】
このうち、プローブカードは、一般的にセラミックグリーンシートに回路パターン及び電極パッド、ビア電極等を形成し積層した後、それを焼成し製造したセラミック基板にプローブピンを接合した形態が主に用いられる。
【0006】
このようなセラミック基板としては、主に高温同時焼成処理されたセラミック基板が主に用いられてきたが、最近では、低温同時焼成処理されたセラミック基板も用いられる趨勢にある。
【0007】
しかしながら、低温同時焼成処理されたセラミック基板を用いる場合、高温同時焼成処理されたセラミック基板に比べ、基板上に形成された電極パッドと基板との固着力が弱まるという短所がある。
【0008】
また、このような短所は、セラミック基板上にプローブピンを付着させた後、必要に応じてプローブピンを再び除去する過程においてプローブピンのみが除去されず、プローブピンが付着された電極パッドが基板から剥離される問題をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、セラミック基板に形成される電極パッドと基板との固着力を確保することができるプローブカード及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるプローブカードは、一面に少なくとも一つのパッド用溝が形成され、上記パッド用溝に埋め込まれる形態に形成される電極パッドを具備するセラミック基板と、上記電極パッドに接合されるプローブピンと、を含むことができる。
【0011】
本発明において、上記セラミック基板は、一面に一端が露出する複数のビア電極と、上記ビア電極の一端と上記電極パッドとを電気的に連結する回路パターンと、をさらに具備することができる。
【0012】
本発明において、上記電極パッドは、上記セラミック基板の外部に露出する上部面が上記プローブピンの接合面より広い面積に形成されることができる。
【0013】
本発明において、上記プローブピンは、上記セラミック基板の外部に露出する上記電極パッドの上部面中心に接合されることができる。
【0014】
本発明において、上記セラミック基板は、上記電極パッドの一部を覆って形成される絶縁保護層をさらに含むことができる。
【0015】
本発明において、上記絶縁保護層は、上記プローブピンが接合される部分に貫通孔が形成されることができる。
【0016】
本発明において、上記絶縁保護層は、ポリイミド(Polyimide)材質で形成されることができる。
【0017】
また、本発明によるプローブカードの製造方法は、セラミック基板を用意する段階と、上記セラミック基板の一面に少なくとも一つのパッド用溝を形成する段階と、上記パッド用溝に埋め込まれる形態に電極パッドを形成する段階と、上記電極パッド上にプローブピンを接合する段階と、を含むことができる。
【0018】
本発明において、上記セラミック基板を用意する段階は、一面に一端が露出する複数のビア電極が形成されたセラミック基板を用意する段階であることができる。
【0019】
本発明において、上記電極パッドを形成する段階は、上記セラミック基板上に金属層を形成し、上記パッド用溝の内部を埋める段階と、上記パッド用溝外部に形成された金属層を除去する段階と、を含むことができる。
【0020】
本発明において、上記金属層を形成する段階以前に、上記セラミック基板の一面全体に金属材質の基底層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0021】
本発明において、上記金属層を形成する段階は、上記基底層を用いて上記セラミック基板の一面全体をめっきして上記金属層を形成する段階であることができる。
【0022】
本発明発明において、上記電極パッドを形成する段階以後に、上記ビア電極と上記電極パッドとを電気的に連結する回路パターンを形成する段階をさらに含むことができる。
【0023】
本発明において、上記電極パッドを形成する段階以後に、上記セラミック基板の上部面に絶縁保護層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0024】
本発明において、上記絶縁保護層を形成する段階は、上記プローブピンが接合される部分に貫通孔が具備されるように上記絶縁保護層を形成する段階であることができる。
【0025】
本発明において、上記絶縁保護層を形成する段階は、上記電極パッドの周りに沿って一部分を覆い、上記絶縁保護層を形成する段階であることができる。
【0026】
本発明において、上記絶縁保護層を形成する段階は、ポリイミド(Polyimide)の材質で上記絶縁保護層を形成する段階であることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によるプローブカードは、セラミック基板本体の一面に電極パッドが埋め込まれはめ込まれる形態にセラミック基板上に配置されるため、電極パッドとセラミック基板との固着力を向上させることができる。
【0028】
従って、プローブ基板として低温同時焼成セラミック基板を容易に用いることができる。
【0029】
また、電極パッドの一部分がセラミック基板に埋め込まれるため、プローブピンを除去するためにプローブピンの側面から力を加えても、電極パッドが容易にセラミック基板から剥離されることはない。
【0030】
従って、使用中のプローブピンに異常が発生しても、プローブピンを容易に交換することができる。
【0031】
さらに、本発明によるプローブカードの電極パッドがプローブピンとの接触面より広い面積に形成される場合、プローブピンを除去する際、力が電極パッドの中心に作用するため、電極パッドがプローブピンと共に基板から剥離されることを最小限にすることができる。
【0032】
また、電極パッドの一部を覆って絶縁保護層が形成される場合、電極パッドとセラミック基板との固着力を一層補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例によるプローブカードを示す概略断面図である。
【図2a】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図2b】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図2c】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図2d】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図2e】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図2f】本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例によるプローブカードを示す概略断面図である。
【図4a】本発明の他の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図4b】本発明の他の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【図4c】本発明の他の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の詳細な説明に先立って、以下で説明する本明細書及び請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的または辞書的意味に限定して解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して本発明の技術的思想に適う意味及び概念で解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全部代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0035】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。この際、添付の図面における同一構成要素はできるだけ同一符合で示されることを留意しなければならない。また、本発明の要旨を不明確にするおそれのある公知機能及び構成に対する詳細な説明は省略する。同様の理由として、添付の図面における一部構成要素は、誇張や省略または概略的に示されており、各構成要素のサイズは実際のサイズを全面的に反映するものではない。
【0036】
以下では、本発明の実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図1は本発明の実施例によるプローブカードを示す概略断面図である。
【0038】
図1を参照すると、本実施例によるプローブカード100は、プローブ基板10及びプローブピン20を含んで構成されることができる。
【0039】
また、プローブ基板10は、セラミック基板で、一面には少なくとも一つの電極パッド4が形成される。
【0040】
プローブ基板(10、以下では説明の便宜のため、プローブ基板及びセラミック基板を共に使用して説明するが、両基板は同一構成要素を示す)は、複数のセラミックグリーンシートを積層した後、それを焼成し製造されることができる。
【0041】
セラミック基板10は、セラミックグリーンシートによって複数のセラミック層が形成されることができ、それぞれのセラミック層には配線パターン8及びそれを垂直に連結する導電性ビア2等が形成されることができる。
【0042】
セラミック基板10の一面には回路パターン6及び電極パッド4が形成されることができる。
【0043】
回路パターン6は、セラミック基板10の内部に連結されるビア電極2とセラミック基板10の一面に配置された電極パッド4とを電気的に連結する。
【0044】
電極パッド4は、セラミック基板10の一面から一定距離離隔されるように配置されることができる。このような電極パッド4は、後述するプローブピン20が接合されて物理的、電気的に連結される。
【0045】
ここで、電極パッド4は、本実施例によるプローブ基板10がセラミック基板からなることによって付加される構成である。前述した通り、セラミック基板10は、セラミックグリーンシートに配線パターン8及びビア電極2等を形成し積層した後、これを焼成して製造する。しかしながら、セラミック基板10が焼成される過程においてセラミックグリーンシートの収縮が発生し、これにより、ビア電極2はその位置が一部変更される。このため、焼成が完了したセラミック基板10のビア電極2は、配置位置に対する精密度が低い。
【0046】
従って、本実施例によるセラミック基板10は、ビア電極2上にさらに別途の電極パッド4を形成し、回路パターン6を用いてビア電極2と電極パッド4とを電気的に連結する。
【0047】
また、このような電極パッド4及び回路パターン6は、セラミック基板10上に狭く配置されるビア電極2に対し、プローブピン20が容易に付着できるようにプローブピン20との距離を拡張させるのにも活用されることができる。
【0048】
なお、セラミック基板10は、低温同時焼成セラミック(LTCC:Low temperature co−fired ceramic)基板であることができる。高温同時焼成セラミック(HTCC:High temperature co−fired ceramic)基板の場合、約1500〜1700℃で焼成が進行されることから、導電性物質としてW、Mo等を使用しなければならないため、工程費用が高くなり、大面積の精密パターンに対する寸法精密度を具現しにくいという問題がある。
【0049】
しかしながら、低温同時焼成セラミック(LTCC)基板10は、高温同時焼成セラミック(HTCC)基板に比べて電極パッド4の固着力が低いという短所により、その使用に制限があった。
【0050】
このため、本実施例による電極パッド4は、一部分がセラミック基板10に埋め込まれる形態に形成される。
【0051】
より具体的には、本実施例による電極パッド4は、従来のように薄い膜状ではなく、回路パターン6より厚い厚さを有する楔形態に形成され、その厚さの分だけセラミック基板10にはめ込まれる形態に配置される。よって、セラミック基板10の上部面には電極パッド4の上端面のみが露出し、残った部分は全部セラミック基板10の内部に埋め込まれる。
【0052】
電極パッド4がこのように構成されることで、電極パッド4は、従来に比べてより拡張された面積でセラミック基板10と接触する。即ち、従来は、電極パッド4が薄い膜状に形成されることにより、電極パッド4の下部面のみがセラミック基板10と面接触したが、本実施例による電極パッド4は、下部面及び側面全体がセラミック基板10と面接触するようになる。
【0053】
また、電極パッド4がセラミック基板10上に付着される形態ではなく、セラミック基板10を食い込ませてはめ込む形態に構成することで、本実施例による電極パッド4は、セラミック基板10との固着力を大幅に増加させることができる。
【0054】
一方、電極パッド4上に既に接合されているプローブピン20を除去する場合、一般的にプローブピン20の側面からプローブピンを加圧(図1の符号F)しながら、電極パッド4からプローブピン20を分離する。
【0055】
従って、下部面のみがセラミック基板10と接合される従来の電極パッド4は、セラミック基板10よりプローブピン20との固着力に優れるため、F方向に力が加えられると、電極パッド4がプローブピン20と共にセラミック基板10から容易に剥離される問題があった。
【0056】
しかしながら、本実施例によると、電極パッド4がセラミック基板10にはめ込まれる形態に構成されるため、F方向に力が加えられても電極パッド4の側壁がセラミック基板10内でセラミック基板10を支持するようになり、セラミック基板10から容易に剥離されなくなる。
【0057】
このように、本実施例による電極パッド4は、セラミック基板10にはめ込まれる形態でセラミック基板10上に配置されるため、電極パッド4とセラミック基板10との固着力が向上して低温同時焼成セラミック基板10を容易に活用することができる。
【0058】
このような電極パッド4は導電性物質で形成されることができる。具体的には、Ag、Au、Pd、Pt、Rh、Cu、Ti、W、Mo、Ni及びこれらの合金が材料として利用されることができる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0059】
また、電極パッド4は、めっきまたはスクリーンプリンティング工法によって形成されることができる。しかしながら、これらに限定されず、別途の金属ポストをセラミック基板10内に嵌合して電極パッド4を形成する等電極パッド4がセラミック基板10内にはめ込まれるように形成されることができれば、多様な方法が利用されることができる。
【0060】
プローブピン20は、片持ち梁形態であり、接合部13と、本体部15と、接触部17と、を含むことができる。プローブピン20は、半導体製造において応用される微細薄板技術を用いて製造することができる。
【0061】
接合部13は、四角板状を有し、接合部13の一端がセラミック基板10の電極パッド4と接合されて電気的に連結され、接合部13の他端は本体部15の一端と連結されることができる。
【0062】
本体部15は、カンチレバー構造を有し、本体部15の他端と接触部17の一端が連結されることができる。
【0063】
接触部17は、本体部15の他端に垂直に形成され、接触部17の他端は被検査体(図示せず)と接触できる接触チップを含むことができる。
【0064】
また、本実施例においては、プローブピン20が片持ち梁形態であるが、これに限定されず、垂直に接合される一字型に形成される等、多様な形態に変形されることができる。
【0065】
以下では、本発明の実施例によるプローブ基板10の製造方法を説明する。図2aから図2fは、本発明の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【0066】
まず、図2aに示されるように、複数のセラミック層が積層焼結されたセラミック基板10を用意する。
【0067】
セラミック基板10を構成する複数のセラミック層には配線パターン8と、ビア電極2等が形成されることができる。
【0068】
前述したように、セラミック基板10は、低温同時焼成セラミック(LTCC)基板10であることができる。低温同時焼成セラミック基板10は、ドクターブレード工程のような当該技術分野における公知の方法でセラミックグリーンシートを用意した後、それぞれのセラミックグリーンシートに導電性ビア2、配線パターン8を形成してからそれらを積層焼結することで、形成されることができる。この際、焼結工程は約700〜900℃の温度で行われることができる。
【0069】
次に、図2bに示されるように、セラミック基板10の一面にパッド用溝3を形成する段階が行われる。パッド用溝3を形成する方法は特に制限されない。例えば、レーザードリリング法が利用されることができ、化学的なエッチング方法が利用されることもできる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
【0070】
次いで、セラミック基板10に形成されたパッド用溝3の内部を埋めて電極パッドを形成する段階が行われる。
【0071】
まず、図2cに示されるように、セラミック基板10の一面に金属材質の基底層5が形成される。基底層5は、セラミック基板10上に薄い膜状に形成されることができる。
【0072】
基底層5は導電性材質で形成されることができる。特に、セラミック基板10上に形成される回路パターン(図1の符号6)や、プローブピン(図1の符号20)を形成する材質と容易に結合され、高い結合力を有する材質で形成されることができる。
【0073】
例えば、基底層5は、チタニウム(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、または金(Au)のうち選択された少なくとも一つの金属で形成された金属層7であることができる。
【0074】
また、チタニウム、クロム、またはニッケルで形成された金属層7上に銅、銀、または金で金属層7をさらに形成して基底層5を構成することもできる。
【0075】
基底層5は、後述する金属層(図2dの符号7)が形成される際、金属層7をより堅固にセラミック基板10に接合させるために具備される。
【0076】
このような基底層5は、スパッタリング(sputtering)やエアゾール(aerosol)、電子ビーム(e−beam)等を用いてセラミック基板10上に薄膜形態に形成されることができる。また、高圧のアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、窒素(N)雰囲気下で低温スプレー(Cold spray)コーティング法を用いて形成することもできる。
【0077】
次に、図2dに示されるように、セラミック基板10の一面に金属層7を形成する段階が行われる。この際、金属層7は、パッド用溝(図2cの符号3)を埋めなければならないため、パッド用溝3の深さ以上の厚さで形成されることができる。
【0078】
このような金属層7は、電解めっき法を用いて行われることができる。即ち、電解液内にセラミック基板10を含浸させた後、導電性を有する基底層5に電圧を印加することで、基底層5上に金属層7を成長させることができる。
【0079】
本実施例の場合、基底層5はセラミック基板10の一面全体に形成されている。従って、電解めっき法を容易に適用することができる。
【0080】
また、本発明による金属層7の形成方法は、電解めっき法に限定されず、無電解めっき法やスクリーンプリンティング、スパッタリング等の多様な方法を用いて金属層7を形成することができる。
【0081】
次いで、図2eに示されるように、パッド用溝の外部に形成された金属層(7、基底層を含む)を除去する段階が行われる。これは、セラミック基板10の一面を研磨したり、物理的または化学的なエッチング方法を用いて行われることができる。本実施例においては、グラインダー40等を用いてセラミック基板10の一面を一部エッチングして金属層7を除去する場合を例に挙げている。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0082】
よって、セラミック基板10の一面に形成されていた金属層7及び基底層5は、パッド用溝3に挿入された部分を除いては全部除去される。そして、パッド用溝3に挿入された部分は電極パッド4として形成される。
【0083】
最後に、図2fに示されるように、セラミック基板10の一面に回路パターン6を形成する段階が行われる。回路パターン6は、セラミック基板10のビア電極2と電極パッド4とをそれぞれ電気的に連結するように形成される。これにより、それぞれの電極パッド4は、セラミック基板10の内部と電気的に連結される。
【0084】
以上の過程によって本実施例によるプローブ基板10が完成した後、電極パッド4の上部にプローブピン20を付着して図1に示される本実施例によるプローブカードを完成させる。
【0085】
以上のように構成される本実施例によるプローブカードは、セラミック基板の一面に電極パッドが埋め込まれはめ込まれる形態にセラミック基板上に配置されるため、電極パッドとセラミック基板との固着力を向上させることができる。
【0086】
従って、プローブ基板として低温同時焼成セラミック基板を容易に用いることができる。
【0087】
また、電極パッドの一部分がセラミック基板に埋め込まれることから、プローブピンを除去するためにプローブピンの側面から力を加えても、電極パッドがセラミック基板から容易に剥離されない。
【0088】
従って、使用中のプローブピンに異常が発生しても、プローブピンを容易に交換することができる。
【0089】
一方、本発明によるプローブカード及びその製造方法は、前述した実施例に限定されず、多様な応用が可能である。
【0090】
図3は本発明の他の実施例によるプローブカードを示す概略断面図である。
【0091】
本実施例によるプローブカード200は、前述した実施例のプローブカード(図1の符号100)と類似した構造に構成され、電極パッド4及び絶縁保護層9の構造においてのみ差異を有する。従って、同一構成要素に対する詳細な説明は省略し、電極パッド4及び絶縁保護層9の構造を中心にして、より詳細に説明する。また、前述した実施例と同一構成要素に対しては、同一符号を用いて説明する。
【0092】
図3を参照すると、本実施例によるプローブカード200は、プローブ基板10及びプローブピン20を含んで構成されることができる。
【0093】
また、プローブ基板10は、セラミック基板10と、電極パッド4と、絶縁保護層9と、を含むことができる。
【0094】
本実施例によるセラミック基板10は、前述した実施例によるセラミック基板10と類似に構成されるが、電極パッド4のサイズが異なって構成される。
【0095】
本実施例による電極パッド4は、セラミック基板10上に形成される面積(即ち、水平断面)が前述した実施例の場合より広く形成される。
【0096】
より具体的には、本実施例による電極パッド4は、プローブピン20の接合部13の接触面より広い面積に形成される。また、プローブピン20の接合部13は、電極パッド4の中心に配置され、電極パッド4に接合される。
【0097】
このような構成により、プローブピン20の側面に力Fが加えられると、電極パッド4は、縁部分ではなく、電極パッド4の内部に力が加えられるため、縁部分から剥離が始まることを抑制できる。
【0098】
また、本実施例によるセラミック基板10は、絶縁保護層9を含む。絶縁保護層9は、セラミック基板10の最も上部に配置されてセラミック基板10の一面を保護する。
【0099】
なお、絶縁保護層9は、電極パッド4の上部を一部覆う形態に形成される。即ち、絶縁保護層9は、電極パッド4に対応する部分に貫通孔(図4cの符号9a)が形成されるが、このような貫通孔9aは、電極パッド4の面積より小さいサイズに形成される。より具体的には、貫通孔9aは、プローブピン20の接合部13の接触面に対応するサイズに形成される。
【0100】
よって、本実施例による電極パッド4は、絶縁保護層9によってセラミック基板10により堅固に付着されることができる。絶縁保護層9が電極パッド4の一部を覆う形態に形成されることで、プローブピン20に力が加えられても絶縁保護層9が下方に電極パッド4を支持するようになり、電極パッド4がセラミック基板10から容易に剥離されなくなる。
【0101】
そのため、本実施例による絶縁保護層9の材質としてポリイミド(polyimide)が利用されることができる。ポリイミドは、耐熱性に優れ、高温における特性変化が少ないため、これを用いる場合、プローブピン20を接合する等の工程において接合パッドに熱が加えられる場合、絶縁保護層9が損傷されることを防止できる。
【0102】
また、ポリイミドを用いる場合、絶縁保護層9の厚さを薄く形成することができてセラミック基板10の厚さが大幅に増加しないという利点もある。
【0103】
以下では、本発明の実施例によるプローブ基板10の製造方法を説明する。図4aから図4cは、本発明の他の実施例によるプローブ基板の製造方法を説明するための工程別の断面図である。
【0104】
まず、図4aに示されるように、複数のセラミック層が積層焼結されたセラミック基板10の本体を用意し、パッド用溝3を形成する。
【0105】
本段階は、前述した実施例と同一に行われることができ、パッド用溝3を形成する過程において、前述した実施例より広い面積にパッド用溝3を形成する点においてのみ差異を有する。
【0106】
次に、図4bに示されるように、電極パッド4及び回路パターン6を形成する段階が行われる。本段階も前述した実施例と同一に行われることができる。
【0107】
次いで、図4cに示されるように、セラミック基板10上に絶縁保護層9を形成する段階が行われる。本段階は、絶縁物質を塗布し、マスクを用いて貫通孔9aを形成する一般的な絶縁層の形成方法によって行われることができる。
【0108】
以上の過程により、本実施例によるプローブ基板10が完成すると、電極パッド4の上部にプローブピン20を付着して図3に示される本実施例によるプローブカード200を完成させるようになる。
【0109】
以上のように構成される本実施例によるプローブカードは、電極パッドがプローブピンとの接触面より広い面積に形成され、プローブピンを除去する際、力が電極パッドの中心に作用するため、電極パッドがプローブピンと共に基板から剥離されることを最小化することができる。
【0110】
また、電極パッドの一部を覆って絶縁保護層が形成されるため、電極パッドとセラミック基板との固着力をより補強することができる。
【0111】
一方、本発明によるプローブカード及びその製造方法は、前述した実施例に限定されず、多様な応用が可能である。
【0112】
また、本実施例においては、セラミック基板としてプローブカードが形成される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、プローブピンが接合されるプローブカードであれば、幅広く適用されることができる。
【符号の説明】
【0113】
100 プローブカード
10 プローブ基板、セラミック基板
20 プローブピン
2 導電性ビア、ビア電極
4 電極パッド
5 基底層
6 回路パターン
7 金属層
8 配線パターン
9 絶縁保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に少なくとも一つのパッド用溝が形成され、前記パッド用溝に埋め込まれる形態に形成される電極パッドを具備するセラミック基板と、
前記電極パッドに接合されるプローブピンと、
を含む、プローブカード。
【請求項2】
前記セラミック基板は、
一面に一端が露出する複数のビア電極と、前記ビア電極の一端と前記電極パッドとを電気的に連結する回路パターンと、をさらに具備する、請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記電極パッドは、
前記セラミック基板の外部に露出する上部面が前記プローブピンの接合面より広い面積に形成される、請求項1に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記プローブピンは、
前記セラミック基板の外部に露出する前記電極パッドの上部面中心に接合される、請求項3に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記セラミック基板は、
前記電極パッドの一部を覆って形成される絶縁保護層をさらに含む、請求項3に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記絶縁保護層は、
前記プローブピンが接合される部分に貫通孔が形成される、請求項5に記載のプローブカード。
【請求項7】
前記絶縁保護層は、
ポリイミド(Polyimide)材質で形成される、請求項5に記載のプローブカード。
【請求項8】
セラミック基板を用意する段階と、
前記セラミック基板の一面に少なくとも一つのパッド用溝を形成する段階と、
前記パッド用溝内に埋め込まれる形態に電極パッドを形成する段階と、
前記電極パッド上にプローブピンを接合する段階と、
を含む、プローブカードの製造方法。
【請求項9】
前記セラミック基板を用意する段階は、
一面に一端が露出する複数のビア電極が形成されるセラミック基板を用意する段階である、請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項10】
前記電極パッドを形成する段階は、
前記セラミック基板上に金属層を形成し、前記パッド用溝の内部を埋める段階と、
前記パッド用溝外部に形成される金属層を除去する段階と、
を含む、請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項11】
前記金属層を形成する段階以前に、
前記セラミック基板の一面全体に金属材質の基底層を形成する段階をさらに含む、請求項10に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項12】
前記金属層を形成する段階は、
前記基底層を用いて前記セラミック基板の一面全体をめっきして前記金属層を形成する段階である、請求項11に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項13】
前記電極パッドを形成する段階以後に、
前記ビア電極と前記電極パッドとを電気的に連結する回路パターンを形成する段階をさらに含む、請求項9に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項14】
前記電極パッドを形成する段階以後に、
前記セラミック基板の上部面に絶縁保護層を形成する段階をさらに含む、請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項15】
前記絶縁保護層を形成する段階は、
前記プローブピンが接合される部分に貫通孔が具備されるように前記絶縁保護層を形成する段階である、請求項14に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項16】
前記絶縁保護層を形成する段階は、
前記電極パッドの周りに沿って一部分を覆い、前記絶縁保護層を形成する段階である、請求項14に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項17】
前記絶縁保護層を形成する段階は、
ポリイミド(Polyimide)材質で、前記絶縁保護層を形成する段階である、請求項14に記載のプローブカードの製造方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【公開番号】特開2013−83620(P2013−83620A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−285225(P2011−285225)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】