説明

プローブ装置及び被検査体の清掃方法

【課題】清掃装置によるCF基板の損傷を防止することにある。
【解決手段】プローブ装置は、電極を備える被検査体の上方に配置されて、またプローブ装置本体と、該プローブ装置本体に結合された清掃装置と、該清掃装置を前記プローブ装置に結合する結合装置とを含む。前記プローブ装置本体は、前記電極に接触されるように下方に向けられた針先を有する。前記清掃装置は、前記プローブ装置本体と前記被検査体とが相寄り相離れる上下方向への相対移動により前記電極に接触可能の前端部を前記針先より下方及び前方に備える。前記結合装置は、上方ほど後方となる斜めの方向に前記清掃装置と前記プローブ装置本体とを相対的に移動可能に結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の被検査体の電気的試験に用いるプローブ装置及び被検査体の清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶が封入された液晶表示パネルのような平板状の被検査体は、多数の薄膜トランジスタが形成された矩形のTFTアレイ基板と、矩形のカラーフィルタ基板(以下「CF基板」という。)とを対向させて貼り合わせることにより矩形の板状に形成されている。そのような平板状の被検査体は、一般に、複数のプローブ装置を含む検査装置により検査すなわち試験をされる。
【0003】
矩形の被検査体は、TFTアレイ基板がCF基板より大きい寸法を有するから、CF基板が張り合わされずにTFTアレイ基板が露出した縁部を矩形の少なくとも1辺に有し、その縁部に、液晶を駆動する駆動信号が供給される電極を備える。被検査体の縁部は矩形の各辺に沿って延びており、前記した電極は、対応する縁部の長手方向と直交する方向、すなわち被検査体の中央部側(前方側)から被検査体の端部側(後方側)に向けて延びている。被検査体の試験は、プローブ装置本体に備えられた複数のプローブを、それぞれ、被検査体の複数の電極に接触させて行われる。
【0004】
ところで、被検査体の電極上に異物があると、プローブと電極との接触が妨げられ、正確に試験をすることができないことがある。したがって、プローブ装置本体に加えて、電極上の異物を除去すべく、プローブが被検査体の電極に接触するに先立って、被検査体の電極を清掃する清掃装置を備えるプローブ装置又はプローブユニット(以下「プローブ装置等」という。)がある(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1に記載された、清掃部材と、その清掃部材を保持する揺動アームとを有する清掃装置を備えるプローブ装置等は、プローブ装置等と被検査体とが相寄るように相対移動するとき、この相対移動によって揺動アーム(又は清掃部材)が被検査体に接触して、揺動アームが後方側から前方側(すなわち、被検査体の端部側から被検査体の中央部側)に向けて揺動する。この揺動アームの揺動により、清掃部材が被検査体の電極を後方から前方に移動することで電極上の異物を除去することができる。
【0006】
しかし、そのようなプローブ装置等の清掃装置は、清掃部材が被検査体の電極上を被検査体の端部側から被検査体の中央部側に移動することで被検査体の電極を掃くから、被検査体の中央部側に位置するCF基板の端部に清掃部材が接触することによりCF基板を破壊してしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−45937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、清掃装置によるCF基板の損傷を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプローブ装置は、電極を備える被検査体の上方に配置されて、またプローブ装置本体と、該プローブ装置本体に結合された清掃装置と、該清掃装置を前記プローブ装置に結合する結合装置とを含む。前記プローブ装置本体は、前記電極に接触されるように下方に向けられた針先を有する。
【0010】
前記清掃装置は、前記プローブ装置本体と前記被検査体とが相寄り相離れる上下方向への相対移動により前記電極に接触可能の前端部を前記針先より下方及び前方に備える。前記結合装置は、上方ほど後方となる斜めの方向に前記清掃装置と前記プローブ装置本体とを相対的に移動可能に結合している。
【0011】
前記プローブ装置は、さらに、前記清掃装置を前後方向に移動可能に案内する案内装置を含むことができる。前記案内装置は、上下方向に移動可能に前記プローブ装置本体に結合されており、また前後方向に延びる案内溝と、前記清掃装置の前端部と同一の高さ位置にあって前記被検査体を押さえる下端部とを備えていてもよい。前記清掃装置は、前記案内溝に係合する係合部材を備えていてもよい。
【0012】
前記係合部材は、左右方向に延びる軸線の周りに回転可能に前記案内溝に係合していてもよい。前記結合装置は、前記プローブ装置本体の両側に前記清掃装置を結合する一対の第1の結合機構を備えていてもよく、各第1の結合機構は、前記斜めの方向に延びるガイドレール及び該ガイドレールに係合するガイドのいずれか一方を有していてもよい。前記清掃装置は、前記ガイドレール及び前記ガイドの他方を備えていてもよい。
【0013】
前記結合装置は、前記プローブ装置本体の両側に前記清掃装置を結合する一対の第2の結合機構を備えていてもよく、各第2の結合機構は、前記斜めの方向に延びる棒状部材及び前記斜め方向に延びる穴であって前記棒状部材が収動可能に嵌め込まれた穴のいずれか一方を有していてもよい。前記清掃装置は、前記棒状部材及び前記穴の他方を備えていてもよい。
【0014】
前記結合装置は、一対の第1の結合機構及び一対の第2の結合機構を備えていてもよく、各第1の結合機構は、前記斜めの方向に延びるガイドレール及び該ガイドレールに係合するガイドのいずれか一方を有していてもよい。各第2の結合機構は、前記斜めの方向に延びる棒状部材及び前記斜め方向に延びる穴であって前記棒状部材が収動可能に嵌め込まれた穴のいずれか一方を有していてもよい。前記清掃装置は、前記ガイドレール及び前記ガイドの他方と、前記棒状部材及び前記穴の他方とを備えていてもよい。
【0015】
各第2の結合機構は、前記清掃装置と前記プローブ装置本体との間に配置されて、前記清掃装置を前記プローブ装置本体に対して前記斜めの方向の前方及び下方に付勢するコイルバネを有していてもよい。
【0016】
本発明に係る被検査体の清掃方法は、プローブ装置本体に備えられた清掃装置により、矩形の被検査体において前記矩形の1つの辺に対応する縁部に設けられた電極を清掃する。そのような清掃方法は、前記清掃装置の前端部が前記電極に接するまで、前記プローブ装置と前記被検査体とを相寄る方向へ相対移動させる第1の工程と、前記プローブ装置と前記被検査体とをさらに相寄る方向へ相対移動させて前記清掃手段の前端部で前記被検査体の中央部側から端部側に向けて前記電極を清掃する第2の工程とを含む。
【0017】
前記清掃方法は、さらに、前記プローブ装置と前記被検査体とをさらに相寄る方向へ相対移動させて前記前端部を被検査体の外側に退避させる第3の工程を含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プローブ装置本体のプローブを被検査体の電極に接触させるべく、プローブ装置とその下方に配置されている被検査体とが相寄るようにプローブ装置本体と被検査体とが上下方向に相対移動される(すなわち、プローブ装置本体が被検査体に近づくように下方に移動されるか、又は被検査体本体がプローブ装置近づくように上方に移動される)。この相対移動により、先ず、プローブ装置本体のプローブの針先より下方に配置された清掃装置の前端部が被検査体の電極に接触する。
【0019】
さらに引き続く相対移動により、清掃装置がその前端部を介して被検査体により上方に向けて押される。このとき、清掃装置は、上方ほど後方となる斜めの方向にプローブ装置本体に対して移動可能に結合されているから、被検査体に対して後方に移動する。すなわち、被検査体を固定した状態でみると、プローブ装置本体は被検査体に対して下方に移動し、清掃装置はプローブ装置本体に対して上方及び後方に移動するから、清掃装置は被検査体に対して後方に移動することになる。
【0020】
これにより、清掃装置の前端部が電極に接した状態で後方に移動されるから、前記電極上に異物があれば、清掃装置の前端部がその異物を後方(すなわち、被検査体の電極における被検査体の中央部側から端部側)に向かって除去する。さらに引き続く相対移動により、プローブの針先は被検査体の電極に接触する。このとき、すでに清掃措置が電極を清掃しているから、プローブの針先は、異物を介在させることなく被検査体の電極に正確に接触することができる。
【0021】
清掃装置の前端部は、始めに電極に接触した位置から後方に移動するから、電極の前方(すなわち、被検査体の中央部側)に位置するCF基板の縁部に接触することがなく、CF基板を損傷させることがない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るプローブ装置を用いた検査装置の外観を示す正面図である。
【図2】図1における検査装置の側面図である。
【図3】図1における検査装置の内部に配置されているプローブユニットを示す斜視図である。
【図4】本発明に係るプローブ装置の一実施例を示す斜視図である。
【図5】図4におけるプローブ装置を示す正面図である。
【図6】図4におけるプローブ装置を示す平面図である。
【図7】図4におけるプローブ装置を示す側面図である。
【図8】被検査体にプローブを接した状態のプローブ装置の一部を拡大して示す正面図である。
【図9】本発明に係るプローブ装置の清掃装置の動作を示す、図5における9―9線に沿って得た断面図であって、図5(A)はプローブ装置本体と被検査体との相対移動開始前の状態を示し、図5(B)は相対移動中の清掃工程を示し、図5(C)は相対移動によりプローブが電極に接触した状態を示す断面図である。
【図10】本発明に係るプローブ装置の清掃装置を示す図であって、図10(A)は清掃装置を示す側面図であり、図10(B)は、清掃装置を示す正面図である。
【図11】図3におけるプローブユニットについて示す正面図である。
【図12】他の実施例におけるプローブユニットについて示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[用語の説明]
【0024】
本発明においては、図7において、上下方向をZ方向といい、左右方向をY方向といい、紙背方向をX方向という。しかし、それらの方向は、ワークテーブルのようなパネル受けに受けられた被検査体の姿勢に応じて異なる。それゆえに、プローブ装置は、本発明でいうZ方向が実際に、上下方向となる状態、上下逆となる状態、斜めの方向となる状態等、いずれかの方向となる状態に試験装置に取り付けられて使用される。
【0025】
[検査装置について]
【0026】
図1及び2を参照するに、検査装置10は、例えば、矩形の平面形状を有する液晶表示パネルのような平板状の被検査体12の点灯検査に用いられる。検査装置10には、点灯検査のための検査ステージ14が設けられ、また検査ステージ14との間で被検査体12を順次やり取りする従来よく知られたセットステージ16が検査ステージ14に並んで設けられている。
【0027】
図示の例では、点灯検査で作業者の目視による被検査体12の表示画面の観察を容易にすべく、被検査体12が検査ステージ14及びセットステージ16において傾斜して保持されている。
【0028】
矩形の被検査体12の表面には、後に説明するように、その一方の長辺に沿って延びる縁部12a(図3を参照)に多数の電極12b(図6を参照)が配置されており、また一方の短辺に沿って延びる縁部12c(図3を参照)にも同様に、多数の電極12bが配置されている。検査ステージ14で検査を受ける被検査体12は、筐体18の正面に設けられた出し入れ口20からセットステージ16の支持台22上に、電極12bを正面に向けて配置される。
【0029】
被検査体12は、セットステージ16では、支持台22に設けられたセンタリングピン24を有する従来よく知られたセンタリング機構によって支持台22上で姿勢を整えられる。このセットステージ16に置かれた被検査体12は、図示しないが、従来よく知られたパネル取り扱い機構を介して、検査ステージ14で検査を受けた被検査体12と相互に交換されて、検査を終えた被検査体12は、セットステージ16の出し入れ口20を経て検査装置10から取り出される。
【0030】
検査ステージ14には、図1に示すように、筐体18の正面でセットステージ16の出し入れ口20に整列して傾斜配置される全体に矩形の観察窓26が形成されている。また、検査ステージ14には、被検査体12を所定の姿勢で保持するためのチャックトップ28が設けられている。
【0031】
図3を参照するに、チャックトップ28には、ストッパ部材30と、ストッパ部材30へ向けてチャックトップ28上の被検査体12の端部を被検査体12の中央部側に押圧するプッシャ32とが設けられている。チャックトップ28上の被検査体12は、従来よく知られているように、ストッパ部材30及びプッシャ32により、被検査体12の長辺及び短辺が、それぞれ、観察窓26のX軸方向及びY軸方向に沿うように姿勢を調整される。
【0032】
姿勢を調整された被検査体12は、大気圧よりも低いチャックトップ28の吸引圧力によってチャックトップ28上に保持される。チャックトップ28は、従来よく知られているように、xyzθ台上に設けられている。これにより、チャックトップ28上の被検査体12は、チャックトップ28と一体に、X軸方向、Y軸方向及びX−Y面に直角なZ軸方向へ移動可能であり、またZ軸の周り(すなわち、θ方向)に回転可能である。
【0033】
チャックトップ28に受けられた被検査体12は、多数の薄膜トランジスタが形成された矩形のTFTアレイ基板12eと、矩形のカラーフィルタ基板(CF基板)12dとが対向して貼り合わせられ、それらの間に液晶が封入された液晶パネルのような矩形かつ平板状の被検査体である。
【0034】
被検査体12は、CF基板12dが張り合わされていないTFTアレイ基板12eの上面が露出した縁部12a及び12cを、それぞれ、矩形の隣り合う辺に有する。また、縁部12a及び12cには、液晶を駆動する駆動信号を供給される電極12b(図6を参照)が設けられている。
【0035】
電極12bは、対応する縁部の長手方向と直交する方向、すなわち被検査体12の中央部側から被検査体の端部側に延びている。被検査体12の試験は、プローブ装置38が備えるプローブ(配線78)の針先(接触電極80)(図5を参照)を被検査体12の電極12bに接触させて行われる。
【0036】
チャックトップ28の縁部の上方、すなわち被検査体12の縁部12a及び12cの上方には、Z軸方向へチャックトップ28に間隔をおいて、本発明に係るプローブユニット34a及び34bが配置されている。
【0037】
プローブユニット34aは、チャックトップ28と平行な面上でチャックトップ28から間隔をおいて配置された支持体36aと、支持体36aに支持された多数のプローブ装置38aとを備え、同様に、プローブユニット34bは、チャックトップ28と平行な面上でチャックトップ28から間隔をおいて配置された支持体36bと、支持体36bに支持された多数のプローブ装置38bとを備える。
【0038】
支持体36a及び36bは、他の板状部材と共同で矩形の枠状部材36を形成している(図1を参照)。枠状部材36は、筐体18内で、図示しないフレーム部材で固定的に筐体18に支持されている。図3に示す例では、支持体36a上に5つのプローブ装置38aが支持体36aの長手方向(すなわち、X方向)に相互に間隔をおいて保持されている。また、支持体36b上に3つのプローブ装置38bが支持体36bの長手方向(すなわち、Y方向)に相互に間隔をおいて保持されている。
【0039】
本実施例において、検査装置10は、X方向及びY方向に、それぞれ、5つのプローブ装置38a及び3つのプローブ装置38bを備えているが、各方向にそれ以上のプローブ装置を備えていてもよい。また、本実施例において、被検査体12は、隣り合う2つの辺に対応した縁部12a及び12cに電極12bを備えているが、他の辺に対応した縁部に電極12bを備えることがある。そのような場合に、検査装置10は、他の辺の縁部に設けられた電極12bに対応してプローブの針先が位置するようにプローブユニットを備えていてもよい。
【0040】
[プローブ装置について]
【0041】
以下のプローブ装置の説明において、前後方向とは、プローブ装置の被検査体側を前方及び支持体側を後方とする方向をいい、左右方向とは、プローブ装置の複数のプローブが間隔をおいて並ぶ方向をいい、上下方向とは、前後方向及び左右方向と直交する方向をいう。
【0042】
図4〜7に示すように、各プローブ装置38aは、プローブ装置本体42と、プローブ装置本体42に結合された清掃装置44と、清掃装置44をプローブ装置本体42に結合する一対の結合装置46と、プローブ装置本体42と結合装置46との間に介在する一対の取付部材48とを含む。
【0043】
プローブ装置本体42は、支持体36a(図7を参照)に載置されかつ連結される連結ブロック50と、連結ブロック50に支持された支持ブロック52と、支持ブロック52に結合された結合ブロック54と支持ブロック52に支持されたプローブブロック56とを含む。
【0044】
連結ブロック50は、支持体36aから立ち上がるように支持体36aに連結された主体部50aと、主体部50aの上部から前方に延びる延長部50bとにより、L字状の断面形状を有する。連結ブロック50は、主体部50aを上方から下方に貫通して支持体36aに螺合された複数のボルト58(図6を参照)により支持体36aに取り外し可能に結合されている。
【0045】
支持ブロック52は、直方体状の主体部52aと、主体部52aの下部から前方に延びる延長部52bとにより、L字状の断面形状を有する。支持ブロック52は、一組のガイド60及びガイドレール62により上下方向に移動可能に、連結ブロック50の主体部50aの前面に主体部52aの後面において連結されていると共に、ボルト64により上下方向の位置を調整可能に連結ブロック50の延長部50bの下側に支持されている。
【0046】
ボルト64は、連結ブロック50の延長部50bを上方から下方に貫通しており、また支持ブロック52に形成されたねじ穴(図示しない)に螺合されている。支持ブロック52は、左右方向に間隔をおいて連結ブロック50の延長部50bと支持ブロック52との間に配置された一対の圧縮コイルバネ66(図5を参照)により下方に付勢されている。これにより、支持ブロック52へのボルト64のねじ込み量を調整することにより、支持ブロック52、ひいては支持ブロック52に結合ブロック54を介して支持されたプローブブロック56の高さ位置を調整することができる。
【0047】
結合ブロック54は、左右方向に長い板状部材であり、その中央領域において支持ブロック52の下側に結合されている。結合ブロック54と支持ブロック52とは、支持ブロック52の主体部52aを上方から下方に貫通して結合ブロック54に螺合されたボルト68により結合されている。
【0048】
プローブブロック56は、配線シート70と、配線シート70を下側に支持するブロック本体72とを含む。プローブブロック56は、左右方向に間隔をおいて結合ブロック54を上方から下方に貫通してブロック本体72に螺合された一対のボルト74により、結合ブロック54に結合されている。
【0049】
配線シート70は、シート状部材76と、シート状部材76上に形成された複数の配線78と、配線78の先端に設けられた接触電極80とを備える(図5を参照)。複数の配線78は、被検査体12の電極12bのピッチに対応して左右方向に間隔をおいて(図5を参照)、前後方向に延びている。配線78は、電極12bに電気信号を受け渡しするプローブとして作用し、また、接触電極80は被検査体12の電極12bに接触する針先として作用する。
【0050】
上記のようなプローブブロック56に代えて、プローブ装置38aは、ブレードタイプの複数のプローブ備える従来よく知られた(例えば、特許文献1に記載の)プローブ組立体を含んでいてもよい。
【0051】
図7に示すように、配線シート70は、接続回路82を介して、支持体36aの上面に配置されたPCB(Printed Circuit Board)のような接続基板84に電気的に接続されている。接続基板84がテスタ(図示しない)に電気的に接続されるから、配線シート70はテスタに電気的に接続される。接続回路82は、FPC(Flexible Printed Circuit)のような複数の配線(図示しない)を有する可撓性配線基板を備え、配線シート70の複数の配線78は、接続回路82の複数の配線に接続されており、テスタからの駆動信号を被検査体12に供給する。
【0052】
清掃装置44は、プローブ装置本体42の下方にあって左右方向に延びる清掃手段86と、清掃手段86を支持する一対の清掃手段支持体88とを含む。清掃手段86の両端は、それぞれ、一対の清掃手段支持体88に取り付けられており、各清掃手段支持体88は、プローブ装置本体42の両側に各結合装置46及び各取付部材48を介して取り付けられている。
【0053】
図10を参照するに、各清掃手段支持体88は、左右方向を厚さ方向とする板状であり、上下方向に延びる主体部88aと上方ほど後方となる斜めの方向に延びる延長部88bとを備える。主体部88aの下端は、上方ほど後方となる斜めの方向に傾斜している。
【0054】
清掃手段86は、プローブ装置本体42の下方を左右方向に延びる板状部材であり、シリコーン樹脂のような樹脂材料からなる。また、清掃手段86は、その両端の上面を清掃手段支持体88の主体部88aの下端に、清掃手段86を厚さ方向に貫通して主体部88aの下部に螺合するねじ部材90により取り付けられている。しかし、清掃手段86は、接着剤のような接着手段により清掃手段支持体88に取り付けられてもよい。
【0055】
清掃手段86の前端部は、清掃装置44の前端及び下端に位置し、後に説明するように、被検査体12の電極12bを清掃する清掃装置44の前端部92(清掃部)として作用する。前端部92は、プローブ装置本体42のプローブの針先(接触電極80)よりも前方に位置する。
【0056】
これにより、被検査体12とプローブ装置本体42とが相寄る方向に相対移動するとき、前端部92は、プローブの針先が接触する電極12b上の点より前方の部分で電極12bに接触して、その部分から後方に向けて電極12b上を移動する。したがって、清掃装置44は、プローブの針先が接触する12b上の点を確実に清掃することができる。清掃手段86又は前端部92は、左右方向に延びる樹脂性の棒状部材、回転ブラシ及び粘着ローラ等の他の清掃手段であってもよく、また清掃手段支持体88の前端面に取り付けられていてもよい。
【0057】
また、各清掃手段支持体88は、その主体部88aに、左右方向に伸びる軸線の周りに回転可能に取り付けられたベアリング98を有する。さらに、清掃手段支持体88は、その延長部88bに、上方ほど後方となる斜めの方向に延びるガイドレール94と、ガイドレール94と同一方向に延びる穴96とを有する。
【0058】
各結合装置46は、第1及び第2の結合機構100及び102を備え、これら結合機構を介して清掃装置44を取付部材48に結合している。第1の結合機構100は、上方ほど後方となる斜めの方向に延びるガイド104であってガイドレール94にスライド可能に係合するガイド104を含む。
【0059】
第2の結合機構102は、上方ほど後方に延びる棒状部材106を含み、棒状部材106は、取付部材48を介してプローブ装置本体42に結合されている。棒状部材106は、清掃手段支持体88の延長部88bに設けられた穴96に収動可能に嵌め込まれている。
【0060】
さらに、第2の結合機構102は、清掃手段支持体88を下方ほど前方となる斜めの方向に付勢するコイルバネ108を含む。棒状部材106はコイルバネ108に通されて清掃手段支持体88の穴96に嵌め込まれている。これにより、清掃装置44の前端部92が被検査体12の電極12bを清掃するとき、清掃装置44は、コイルバネ108の付勢力により、その前端部92を電極12bに適切な力で押圧させることができる。
【0061】
第1の結合機構100及び清掃装置44は、それぞれ、ガイド104及びガイドレール94を入れ替えて備えていてもよく、第2の結合機構102及び清掃装置44は、それぞれ、棒状部材106及び穴96を入れ替えて備えていてもよい。
【0062】
取付部材48は、プローブブロック56に取り付けられている第1の取付部材110と、第1の取付部材110に結合された第2の取付部材112を備える。第1の取付部材110は、前方からみて断面L字の形状を有するように、左右方向に延びる板状部110aと上下方向に延びる板状部110bとを有する。第1の取付部材110は、前方から見て断面矩形のプローブブロック56の上側の一方の角に、そのL字の角を対応させて取り付けられている。
【0063】
第2の取付部材112は、上下方向を厚さ方向とする板状の部材で、第1の取付部材110の左右方向に延びる板状部110aの上面に取り付けられている。第2の取付部材112は、第1の取付部材110の板状部110aからプローブ装置本体42の外側に向けて左右方向に延びている。取付部材48は、第1の取付部材110の左右方向に延びる板状部110aと第2の板状部材122とを上方から下方に貫通して結合ブロック54又はプローブブロック56に螺合する複数のねじ部材114により結合ブロック54及びプローブブロック56に結合されている。
【0064】
ガイド104は、取付部材48の上下方向に延びる板状部110bの側面に結合されており、第1の結合機構100は、清掃装置44のガイドレール94に係合するガイド104を介して清掃装置44を取付部材48に結合している。これにより、清掃装置44は、取付部材48が結合されたプローブブロック56、ひいてはプローブ装置本体42に対してガイドレール94及びガイド104が延びる斜めの方向にプローブ装置本体42に移動可能に結合されている。
【0065】
しかし、結合装置46は、取付部材48を介さずにプローブ装置本体42に結合されてもよい。例えば、結合装置46のガイド104は、プローブ装置38aの結合ブロック54及びプローブブロック56に直接結合することができる。
【0066】
第1の棒状部材106は、取付部材48の左右方向に延びる板状部110bに結合補助具109を介して、取付部材48に移動不能に結合されている。結合補助具109は、第2の取付部材112から下方に延びる板状部材であり、上方ほど後方となる斜めの方向に延びる棒状部材106の傾きに対応して、その一部を屈曲されている。
【0067】
棒状部材106は、清掃手段支持体88の穴96に収動可能に嵌め込まれているから、清掃装置44は、取付部材48が結合されたプローブ装置本体42に対して、穴96及び棒状部材106の延びる斜めの方向に移動可能に結合されている。
【0068】
第1及び第2の結合機構100及び102により、清掃装置44が、取付部材48を介してプローブ装置本体42に結合されているから、清掃装置44が下方から押圧されたときに、その下方からの押圧力の方向を変換して、清掃装置44をプローブ装置本体42に対して上方ほど後方となる斜めの向きに移動させることができる。
【0069】
結合装置46は、第1及び第2の結合機構100及び102のいずれか一方を備えていればよいが、両結合機構100及び102を備えることにより、安定して清掃装置44をプローブ装置本体42に対して移動させることができる。
【0070】
図4〜8を参照するに、プローブ装置38aは、さらに、清掃装置44を後方に案内する一対の案内装置120を含む。各案内装置120は、清掃装置44の外側に配置されており、左右方向を厚さ方向とする板状部材122と、板状部材122の下端に取り付けられた弾性部材124と、板状部材122の上端に取り付けられた一対の棒状部材126とを備える。
【0071】
各案内装置120の板状部材122は、各棒状部材126が第2の取付部材112を上下方向に貫通する貫通穴(図示しない)に通された状態で、取付部材112の下方に配置されている。これにより、案内装置120は、取付部材48、ひいてはプローブ装置本体42に対して上下方向に移動可能となる。一対の棒状部材126の一方の上端部には、前記貫通穴の径よりも大きいストッパ部材128が設けられており、ストッパ部材128は、案内装置120を取付部材48に係止する。
【0072】
板状部材122は、前後方向に延びる案内溝130を備え、案内溝130には、清掃装置44のベアリング98が係合している。すなわち、ベアリング98は、案内溝130に係合する係合部材として作用する。これにより、清掃装置44は、案内溝130に沿って案内装置120に対して前後方向に移動可能である。ベアリング98は、左右方向を軸線とする周りに回転可能であるから、清掃装置44が案内溝130に沿って前後方向に移動することを補助する。
【0073】
弾性部材124は、案内装置120の下端部として作用する。清掃装置44が被検査体12の電極12bを清掃するとき、案内装置120の自重により弾性部材124の下端で被検査体12を下方に押圧して、被検査体12の清掃装置44による清掃による位置ずれを防止する。弾性部材124の下端と清掃装置の前端部92とは、概ね同じ高さに位置している。しかし、前端部92は弾性部材124の下端よりも下方に位置していればよい。
【0074】
[プローブ装置の動作について]
【0075】
次に、図9示す本発明に係るプローブ装置38aを用いた被検査体12の電極12bの清掃方法について説明する。以下の説明において、プローブ装置38aが被検査体12に対して移動するように説明するが、実際は、被検査体12がプローブ装置38aに対して移動してもよい。
【0076】
先ず、図9(A)に示すように、被検査体12の縁部12aの直上に、配線シート70の接触電極80が位置するように配置されたプローブ装置本体42が被検査体12に相寄る方向、すなわち下方に移動する。図9において一部を断面として示すように、案内装置120の案内溝130は前後方向に開放しておらず、清掃装置44のベアリング98が案内溝130の前端部で係止されている。
【0077】
案内溝130の前端部とベアリング98とがストッパ構造となるから、ベアリングが取り付けられた清掃装置44は、案内装置120及びプローブ装置本体42に対して前方に移動不能な状態となっている。ベアリング98と案内溝130との関係による他に、ガイドレール94とガイド104又は穴96と棒状部材106との関係により清掃装置44がプローブ装置本体42に対して前方に移動不能な状態となるようにストッパ構造を設けてもよい。
【0078】
次いで、図9(B)に示すように、プローブ装置本体42の前記した下方への移動により、清掃装置44の前端部92及び案内装置120の弾性部材124が、それぞれ、被検査体12の電極12b及び被検査体12の電極12b以外の部分に接触する。
【0079】
さらなるプローブ装置本体42の下方への移動により、清掃装置44は、清掃手段86の前端部92を介して被検査体12から上方に押される。清掃装置44は、プローブ装置本体42に対して上方ほど後方となる斜めの方向に移動可能とされているから、前記したように下方から押されることにより、プローブ装置本体42に対して前記斜めの方向に移動する。
【0080】
被検査体12に対してプローブ装置本体42が下方に移動し、プローブ装置本体42に対して清掃装置44が上方ほど後方となる斜めの方向に移動するから、清掃装置44は被検査体12に対して後方に移動する。清掃装置44は、その前端部92を被検査体12の電極12bに接触させた状態で、被検査体12に対して清掃装置44が後方に移動するから、清掃手段86は、電極12b上の異物を後方に向けて移動させて除去する。
【0081】
次いで、図9(C)に示すように、さらなるプローブ装置本体42の下方への移動により、清掃装置44は、被検査体12の外側に退避される。このとき、清掃装置44は、その前端部92が被検査体12から離れても、案内溝130に案内されて後方に移動される。
【0082】
図9(B)から図9(C)の間において、案内装置120は、被検査体12にその下端を当接させた後には、プローブ装置本体42が下方へ移動しても被検査体12に対して移動しない。これにより、案内装置120の案内溝130は、被検査体12から一定の高さに維持されている。したがって、プローブ装置42の引き続く下方への移動により、清掃装置44の前端92が被検査体12から離れた場合であっても、清掃装置44は、ベアリング98を介して案内装置120の案内溝130から上方へ押される。
【0083】
これにより、清掃装置44は、プローブ装置本体42に対して上方ほど後方となる斜めの方向に移動可能に結合されているから、前記したように案内溝130から上方に押されることにより、プローブ装置本体42に対して前記斜めの方向に移動する。被検査体12及び案内装置120に対してプローブ装置本体42が下方に移動し、プローブ装置本体42に対して清掃装置44が上方ほど後方となる斜めの方向に移動するから、清掃装置44は被検査体12及び案内装置120に対して後方に移動し、被検査体12の外側に退避されることになる。
【0084】
プローブ装置38aが上記のように動作するから、清掃装置44は、後方(すなわち、被検査体12の中央部側から端部側)に移動する。したがって、被検査体12の中央部側に配置されたCF基板12dの端部に接することはなく、CF基板12dを損傷させることもない。
【0085】
上記のプローブ装置38aの動作において、清掃装置44がプローブ装置本体42に対して上方ほど後方となる斜めの方向に移動すると、清掃装置44は、コイルバネ108により該斜めの方向の前方及び下方に付勢される。この付勢力により、清掃装置44の前端部92は、適切な力で電極12bに押圧されて、確実に異物を除去できる。しかし、コイルバネ108を設けず、清掃装置44の前端部92が清掃装置44の自重によって電極12bに押圧されるようにしてもよい。
【0086】
[プローブユニットについて]
【0087】
図3及び図11を参照するに、プローブユニット34bは、左右方向(Y方向)に間隔をおい配置された複数のプローブ装置38bを備えるプローブ装置群202と、プローブ装置38bを、その後方において支持した支持体36bと、プローブ装置群202の両側のプローブ装置38bに結合された清掃装置244と、清掃装置244をプローブ装置38bに結合する一対の結合装置246と、結合装置246と前記両側のプローブ装置38bとの間に介在する一対の取付部材248と、清掃装置244を前後方向に案内する案内装置220とを含む。
【0088】
支持体36bは、上下方向を厚さ方向とする板状部材である。清掃装置244は、複数のプローブ装置群202の両側のプローブ装置38bに結合されている。各結合装置246は、清掃装置244を複数のプローブ装置群202の両側のプローブ装置38bのそれぞれに、各取付部材248を介して結合している。
【0089】
清掃装置244の清掃手段286が複数のプローブ装置38bの下方に配置されるように左右方向に延びていることを除いて、清掃装置244、結合装置246、取付部材248及び案内装置220は、それぞれ、上記した清掃装置44、結合装置46、取付部材48及び案内装置120と同様の構造及び機構を備える。したがって、プローブ装置38bと清掃装置244との結合は、既に説明したプローブ装置38aと清掃装置44との結合と同様である。
【0090】
プローブユニット34bと、被検査体12とは、相寄り相離れる方向に相対移動を可能とされており、プローブ装置38aの清掃装置44が被検査体12の電極12bを清掃するのと同様に、プローブユニット34bの清掃装置244が被検査体12の電極12bを清掃する。
【0091】
プローブユニット34bによれば、複数のプローブ装置が配置された1つのプローブユニットに対して1つの清掃装置244が設けられている。これにより、各プローブ装置に清掃装置を設ける必要がないから、プローブユニット34aに比較して部品点数の少ないプローブユニット34bにより被検査体12の電極12bを清掃することができる。
【0092】
[プローブユニットの他の実施例]
【0093】
図12を参照するに、プローブユニット34cは、左右方向(図12におけるY方向)に間隔をおい配置された複数のプローブ装置38cを含むプローブ装置群302と、プローブ装置38cを、その後方において支持した支持体36cと、支持体36cの両端から前方に延びる一対の棒状部材304と、棒状部材304に結合された清掃装置344と、清掃装置344を棒状部材304に結合する一対の結合装置346と、棒状部材304と結合装置346との間に介在する一対の取付部材348と、清掃装置244を後方に案内する案内装置320とを含む。
【0094】
支持体36cは、支持体36bと同様の上下方向(図12におけるZ方向)を厚さ方向とする板状部材である。清掃装置344の清掃手段386は、複数のプローブ装置38bの下方に配置されるように左右方向に延びている。各棒状部材304は角柱状の棒状部材である。各結合装置346は、清掃装置344を一対の棒状部材304のそれぞれに、各取付部材248を介して結合している。
【0095】
本実施例において、清掃装置344の清掃手段386が複数のプローブ装置38cの下方に配置されるように左右方向に延びていること、及び清掃装置344が棒状部材304に結合されていることを除いて、清掃装置344、結合装置346、取付部材348及び案内装置320は、それぞれ、上記した清掃装置44、結合装置46、取付部材48及び案内装置120と同様の構造及び機構を備える。
【0096】
プローブユニット34cと、被検査体12とは、相寄り相離れる方向に相対移動を可能とされており、プローブ装置38aの清掃装置44が被検査体12の電極12bを清掃するのと同様に、プローブユニット34cの清掃装置344が被検査体12の電極12bを清掃する。
【0097】
プローブユニット34cによれば、プローブ装置38cではなく、支持体36cから延びる棒状部材304に清掃装置344が結合して取り付けられている。プローブユニット34bでは、清掃装置244が結合されたプローブ装置38cが故障した場合に、プローブ装置38cを交換すべく、清掃装置244を取り外す作業が必要となる。しかし、プローブユニット34cでは、プローブ装置38cに清掃装置344が取り付けられていないから、プローブ装置38cの交換作業が容易になる。
【0098】
[実施例による他の課題の解決手段]
【0099】
プローブユニット34aは、複数のプローブ装置38aを支持する支持部材36aと、支持部材36aに被検査体12の対応する電極12bにプローブ装置本体42のプローブの針先(接触電極80)が当接可能となるように整列されたプローブ装置38aを含むことができる。
【0100】
電極12bを備える被検査体12の上方に配置されるプローブユニット34bは、多数のプローブを有するプローブ装置本体42を有するプローブ装置38bを備えるプローブ装置群202と、前記プローブの針先(接触電極80)を被検査体12の対応する電極12bに当接可能にプローブ装置38bを整列させるように支持した支持体36bと、プローブユニット34bと被検査体12とが相寄り相離れる上下方向への相対移動により電極12bに接触可能の前端部92を前記プローブの針先(接触電極80)より下方及び前方に備える清掃装置244と、上方ほど後方となる斜めの方向に清掃装置244とプローブ装置本体42とが相対的に移動可能となるように清掃装置244をプローブ装置群202の両端に位置するプローブ装置本体42又は支持体36bに結合する結合装置246とを含むことができる。
【0101】
さらに、プローブユニット34bは、清掃装置244を前後に移動可能に案内する案内装置220を含み、案内装置220は、上下方向に移動可能にプローブ装置群202の両端に位置するプローブ装置本体42又は支持体36bに結合されており、かつ前後方向に延びる案内溝130を備え、清掃装置244は、案内溝130に係合する係合部材98を備え、案内装置220の下端は、清掃装置244の前端部92と同一の高さ位置におかれていてもよい。
【0102】
検査装置10は、プローブ装置38a、プローブユニット34a又はプローブユニット34bと、プローブ装置38a、プローブユニット34a又はプローブユニット34bの下方に配置された検査台(チャックトップ28)とを含み、プローブ装置38a、プローブユニット34a又はプローブユニット34bと前記検査台とは相寄り相離れる上下方向に移動可能である。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。
【符号の説明】
【0104】
12 被検査体
12b 電極
34a、34b、34c プローブユニット
38a、38b、38c プローブ装置
42 プローブ装置本体
44、244、344 清掃装置
46、246,346 結合装置
78 プローブ(配線)
80 針先(接触電極)
92 清掃装置の前端部
94 ガイドレール
96 穴
98 係合部材(ベアリング)
100 第1の結合機構
102 第2の結合機構
104 ガイド
106 棒状部材
108 コイルバネ
120、220、320 案内装置
130 案内溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を備える被検査体の上方に配置されるプローブ装置であって、
前記電極に接触されるように下方に向けられた針先を有する複数のプローブを備えるプローブ装置本体と、
前記プローブ装置本体と前記被検査体とが相寄り相離れる上下方向への相対移動により前記電極に接触可能の前端部を前記針先より下方及び前方に備える清掃装置と、
上方ほど後方となる斜めの方向に前記清掃装置と前記プローブ装置本体とを相対的に移動可能に結合する結合装置とを含む、プローブ装置。
【請求項2】
さらに、上下方向に移動可能に前記プローブ装置本体に結合されて前記清掃装置を前後方向に移動可能に案内する案内装置を含み、該案内装置は、前後方向に延びる案内溝と、前記清掃装置の前端部と同一の高さ位置にあって前記被検査体を押さえる下端部とを備え、前記清掃装置は、前記案内溝に係合する係合部材を備える、請求項1に記載のプローブ装置。
【請求項3】
前記係合部材は、左右方向に延びる軸線の周りに回転可能に前記案内溝に係合されている、請求項2に記載のプローブ装置。
【請求項4】
前記結合装置は、前記プローブ装置本体の両側に前記清掃装置を結合する一対の第1の結合機構を備え、各第1の結合機構は、前記斜めの方向に延びるガイドレール及び該ガイドレールに係合するガイドのいずれか一方を有し、前記清掃装置は、前記ガイドレール及び前記ガイドの他方を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブ装置。
【請求項5】
前記結合装置は、前記プローブ装置本体の両側に前記清掃装置を結合する一対の第2の結合機構を備え、各第2の結合機構は、前記斜めの方向に延びる棒状部材及び前記斜め方向に延びる穴であって前記棒状部材が収動可能に嵌め込まれる穴のいずれか一方を有し、前記清掃装置は、前記棒状部材及び前記穴の他方を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブ装置。
【請求項6】
前記結合装置は、一対の第1の結合機構及び一対の第2の結合機構を備え、
各第1の結合機構は、前記斜めの方向に延びるガイドレール及び該ガイドレールに係合するガイドのいずれか一方を有し、
各第2の結合機構は、前記斜めの方向に延びる棒状部材及び前記斜め方向に延びる穴であって前記棒状部材が収動可能に嵌め込まれた穴のいずれか一方を有し、
前記清掃装置は、前記ガイドレール及び前記ガイドの他方と、前記棒状部材及び前記穴の他方とを備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブ装置。
【請求項7】
各第2の結合機構は、前記清掃装置と前記プローブ装置本体との間に配置されて、前記清掃装置を前記プローブ装置本体に対して前記斜めの方向の前方及び下方に付勢するコイルバネを有する、請求項5又は6に記載のプローブ装置。
【請求項8】
プローブ装置本体に備えられた清掃装置により、矩形の1つの辺に対応する縁部に設けられた被検査体の電極を清掃する清掃方法であって、
前記清掃装置の前端部が前記電極に接するまで、前記プローブ装置と前記被検査体とを相寄る方向へ相対移動させる第1の工程と、
前記プローブ装置と前記被検査体とをさらに相寄る方向へ相対移動させて前記清掃手段の前端部で前記被検査体の中央部側から端部側に向けて前記電極を清掃する第2の工程とを含む、清掃方法。
【請求項9】
前記プローブ装置と前記被検査体とをさらに相寄る方向へ相対移動させて前記前端部を被検査体の外側に退避させる第3の工程を含む、請求項8に記載の清掃方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−177648(P2012−177648A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41550(P2011−41550)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】