説明

プーリ構造体

【課題】コイルばねに過大な力が作用するのを抑止してコイルばね自体の破損を防止し、摩擦トルクのばらつきを抑制しつつ、摩擦トルクを自在に変更することにより設計自由度を高めることができるプーリ構造体を提供する。
【解決手段】駆動プーリ構造体1は、伝動ベルト106が巻掛けられる筒状のプーリ部材2と、プーリ部材2の内側においてプーリ部材2に対して相対回転可能に設けられたハブ構造体3と、一端4aがハブ構造体3に固定されたコイルばね4と、コイルばね4の他端4bが固定されハブ構造体3の回転軸Jを円錐軸とした円錐曲面を有するテーパリング5と、テーパリング5の円錐曲面とプーリ部材2との間に介挿された摩擦部材6とを有しており、コイルばね4はハブ構造体3の回転軸J方向に圧縮されて介挿され、コイルばね4の復元力Pによってテーパリング5と摩擦部材6とプーリ部材2とが圧接されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリ部材とプーリ部材に対して相対回転可能なハブ構造体を有するプーリ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等のエンジンの動力を伝達する機構として複数のプーリ構造体にベルトを巻掛けてなるベルト伝動機構がある。そして、このようなベルト伝動機構に使用されるプーリ構造体として、相対回転可能に連結された2つの回転体を有し、2つの回転体の一方に回転変動が生じたときに、その回転変動を減衰させるための構成を備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この種の技術として特許文献1には、環状プーリ部材68と、ハブ構造体52(交流発電機のシャフト36が相対回転不能に固定される。)と、環状プーリ部材68とハブ構造体52の間に取り付けられたコイルバネ88と、から構成されるプーリ26が開示されている。この構成によれば、ハブ構造体52に回転変動が生じたときには、ハブ構造体52と環状プーリ部材68の間のコイルバネ88が弾性変形することによって、その回転変動を減衰させることができるとされる。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されるプーリ26の固有振動数をエンジンのアイドリング時における回転数によって観念される振動数以下となるように設定すると、エンジンの回転開始時又は回転停止時においてプーリ26は共振する場合がある。この結果、環状プーリ部材68とハブ構造体52の相対捩れ変位が急激に大きくなってコイルバネ88に過大な力が作用してコイルバネ88自体の破損を招く問題があった。
【0005】
この問題に対処すべく、スプリングクラッチ構造を採用したプーリ構造体が提案されている。これは、例えば、特許文献2に挙げられているように、コイルバネの端部をプーリ部材やハブ構造体に直接固定するのではなく、コイルバネの端部を径方向に弾性変形させてその復元力によりプーリ部材やハブ構造体に装着させる構造をしている。そして、プーリ部材やハブ構造体に、コイルバネの端部とプーリ部材又はハブ構造体との間に発生する摩擦トルクを超える入力トルクがあった場合に、コイルバネの端部とプーリ部材又はハブ構造体との間で滑らせてコイルバネに過大な力が作用するのを抑止してコイルバネ自体の破損を防止することができるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3268007号
【特許文献2】特開2003−322174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
もっとも、上記のようなスプリングクラッチ構造を採用した場合、コイルバネは塑性変形加工で製造されるため、要求寸法精度や面精度の画一化の実現が難しく、コイルバネの端部とプーリ部材又はハブ構造体との間に発生する摩擦トルクにばらつきがでやすいという問題がある。また、コイルバネの端部とプーリ部材又はハブ構造体との間に発生する摩擦トルクはコイルバネとプーリ部材又はハブ構造体の材質・性能等によって決まるが、コイルバネの弾性力の確保やプーリ部材・ハブ構造体の強度の確保の点からその材質・性能の選択の幅が狭くなり(設計自由度が低くなる)、ユーザが求める摩擦トルクを実現できない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コイルばねに過大な力が作用するのを抑止してコイルばね自体の破損を防止し、摩擦トルクのばらつきを抑制しつつ、摩擦トルクを自在に変更することにより設計自由度を高めることができるプーリ構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の発明に係るプーリ構造体は、ベルトが巻き掛けられる筒状のプーリ部材と、前記プーリ部材の内側において、前記プーリ部材に対して相対回転可能に設けられたハブ構造体と、一端が前記ハブ構造体又は前記プーリ部材に固定されたコイルばねと、前記コイルばねの他端が固定され、前記ハブ構造体の回転軸を円錐軸とした円錐曲面を有するテーパリングと、前記テーパリングの円錐曲面と前記プーリ部材、又は、前記テーパリングの円錐曲面と前記ハブ構造体との間に介挿された摩擦部材と、を有し、前記コイルばねは前記ハブ構造体の回転軸方向に圧縮されて介挿され、前記コイルばねの復元力によって前記テーパリングと前記摩擦部材と前記プーリ部材、又は、前記テーパリングと前記摩擦部材と前記ハブ構造体とが圧接されていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、コイルばねの復元力によってテーパリングが圧接され、圧接されたテーパリングの円錐曲面が摩擦部材を介してプーリ部材又はハブ構造体を圧接する。こうすることにより、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間に摩擦トルクを発生させて、この摩擦トルクよりも大きな入力トルクがプーリ部材又はハブ構造体から入力された場合に、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材とが圧接する面において相対的に滑らせてコイルばねが一定以上ねじれないようにすることができる。このようにコイルばねが一定以上ねじれないようにすることでコイルばねの耐久性を向上させることができる。また、摩擦トルクを発生させる摩擦部材と円錐曲面を有するテーパリングは切削加工や金型による成形等により精度よく加工することができるため、摩擦トルクのばらつきを抑制することができる。また、摩擦部材の材質・性能を自由に変えることで所望の摩擦トルクに設定可能となり設計自由度も高くすることができる。
【0011】
また、第2の発明は、第1の発明に係るプーリ構造体において、前記摩擦部材は、前記プーリ部材又は前記ハブ構造体に回転不能に固定され、当該摩擦部材は前記テーパリングとのみ相対的な滑りを発生することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、摩擦部材をプーリ部材又はハブ構造体に回転不能に固定することにより、摩擦部材はテーパリングとのみ相対的な滑りが発生するようになる。これにより、摩擦部材とテーパリングとの間の静止摩擦係数値等を考慮するだけでテーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間に発生させる摩擦トルクの値を決めることができる。
【0013】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明に係るプーリ構造体において、前記コイルばねの固定態様としては、前記コイルばねの一端及び他端の少なくとも1つが、前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つと径方向に弾性変形した状態で当該コイルばねの復元力により係止される態様であり、前記コイルばねの一端及び他端の少なくとも1つと、前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクよりも大きな回転トルクの入力がなされた場合に滑りが発生することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間に発生する摩擦トルクと、コイルばねの一端及び他端の少なくとも1つとハブ構造体、プーリ部材及びテーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクとを発生させることができる。こうすることにより、コイルばねとハブ構造体、プーリ部材及びテーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクと、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間に発生する摩擦トルクの値を自在に変更して設計自由度を高めることができる。
【0015】
また、第4の発明は、第3の発明に係るプーリ構造体において、前記テーパリングの円錐曲面と前記摩擦部材との間に発生する摩擦トルクと、前記コイルばねと前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクとが異なる値になるようにしたことを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間に発生する摩擦トルクと、コイルばねとハブ構造体、プーリ部材及びテーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクとを異なる値にすることで、プーリ部材又はハブ構造体から入力された回転トルクの大きさにより、テーパリングの円錐曲面と摩擦部材との間、又は、コイルばねとハブ構造体、プーリ部材及びテーパリングの少なくとも1つとの間のどちらで滑らせるかを決定することができる。
【発明の効果】
【0017】
コイルばねに過大な力が作用するのを抑止してコイルばね自体の破損を防止し、摩擦トルクのばらつきを抑制しつつ、摩擦トルクを自在に変更することにより設計自由度を高めることができるプーリ構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の補記駆動ベルトシステムの概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る駆動プーリ構造体の平面図である。
【図3】図2に示した駆動プーリ構造体の回転軸Jを含むA−A断面図である。
【図4】図3に示した駆動プーリ構造体の詳細図である。
【図5】第2実施形態に係る駆動プーリ構造体の平面図である。
【図6】図5に示した駆動プーリ構造体の回転軸Jを含むB−B断面図である。
【図7】図6に示した駆動プーリ構造体の詳細図である。
【図8】第3実施形態に係る駆動プーリ構造体の回転軸Jを含む断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示すように、自動車用エンジンの出力軸101のトルクによって補記(ウォーターポンプやオルタネータ等)を駆動する、補記駆動ベルトシステム100に用いられる駆動プーリ構造体1に本発明を適用した一例である。なお、駆動プーリ構造体1は、エンジンの回転変動に起因する伝動ベルト106の張力変動を抑制するために使用される。
【0020】
(補記駆動ベルトシステム100)
図1は本実施形態の補記駆動ベルトシステム100の概略構成図である。図1に示すように、補記駆動ベルトシステム100は、エンジンの出力軸101(レシプロエンジンのクランクシャフトや、ロータリーエンジンのエキセントリックシャフト等)に連結された駆動プーリ構造体1(プーリ構造体)と、ウォーターポンプやオルタネータ等の各種補記にそれぞれ連結された従動軸(補記軸)102、103と、従動軸102に取り付けられた従動プーリ構造体104と、従動軸103に取り付けられた従動プーリ構造体107と、駆動プーリ構造体1、従動プーリ構造体104、及び、従動プーリ構造体107にわたって架け渡された伝動ベルト106とを有する。尚、本実施形態では、伝動ベルト106として、ベルト長手方向に沿って互いに平行に延びる複数のVリブを有するVリブドベルトが用いられている。
【0021】
上記補記駆動ベルトシステム100では、出力軸101のトルクによって駆動プーリ構造体1が回転駆動されると、その駆動プーリ構造体1の回転により伝動ベルト106が駆動される。すると、この伝動ベルト106の走行に伴って、従動プーリ構造体104や従動プーリ構造体107がそれぞれ回転駆動されることにより、図示しないが、従動軸102、103に連結されたウォーターポンプやオルタネータ等の補記がそれぞれ駆動される。
【0022】
(駆動プーリ構造体1の構成)
次に、出力軸101のトルクによって回転駆動される駆動プーリ構造体1について詳細に説明する。図2は駆動プーリ構造体1の平面図である。また、図3は、図2に示した駆動プーリ構造体1の回転軸Jを含むA−A断面図である。また、図4は、図3に示した駆動プーリ構造体1の詳細図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、駆動プーリ構造体1は、伝動ベルト106が巻き掛けられる円筒形状のプーリ部材2と、出力軸101に連結されるとともにプーリ部材2の内側に設けられたハブ構造体3と、一端4aがハブ構造体3に固定されたコイルばね4と、コイルばね4の他端4bが固定され、ハブ構造体3の回転軸Jを円錐軸とした円錐曲面状の外周面5aを有するテーパリング5と、テーパリング5の円錐曲面をした外周面5aとプーリ部材2との間に介挿された摩擦部材6とを有している。また、プーリ部材2とハブ構造体3とは回転軸受9を介して相対回転可能に連結されている。更に、ハブ構造体3とテーパリング5との間には滑り軸受8が介装されている。
【0024】
プーリ部材2は円筒形状をしており、プーリ部材2の外周には、その周方向に沿って延びる複数のプーリ溝2aが形成されている。そして、伝動ベルト106の内周に設けられた複数のVリブが、複数のプーリ溝2aにそれぞれ係合した状態で、プーリ部材2の外周に巻き掛けられる。
【0025】
ハブ構造体3も、円筒形状をしており、その円筒内部3aには出力軸101が嵌挿され、ボルト等の適宜の連結手段によって出力軸101とハブ構造体3とが相対回転不能に連結される。尚、プーリ部材2、及び、ハブ構造体3を構成する材料としては、それぞれ非磁性材料(常磁性体や反磁性体、あるいは、反強磁性体)等が挙げられる。具体的には、非磁性材料として例えば、アルミニウム合金、チタン合金、あるいは、合成樹脂等を挙げられる。なお、プーリ部材2とハブ構造体3とは回転軸受9を介して相対回転可能に連結されている。
【0026】
テーパリング5は、図3に示すように断面略コの字型をしており、内周面5bは円筒形状をしており、外周面5aはハブ構造体3の回転軸Jを円錐軸とした円錐曲面を有している。ここで、図4に示すように、断面視で円錐曲面をした外周面5aの延長線5Lと回転軸Jとの成す角θは、1°以上、90°未満の範囲に設定される。なお、ハブ構造体3とテーパリング5との間には滑り軸受8が介装されており、ハブ構造体3とテーパリング5とは相対回転可能になっている。
【0027】
摩擦部材6は、円錐曲面をした外周面5aとプーリ部材2との間に介挿され、摩擦部材6自体は、プーリ部材2に回転不能に固定されている。摩擦部材6は、耐摩耗性、耐圧縮変形性に優れた材料で構成されるのが好ましく、例えば、真鍮、メッキ処理された真鍮、青銅、メッキ処理された青銅等の金属や、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアリレート等の合成樹脂などが挙げられる。そして、テーパリング5と摩擦部材6との間の静止摩擦係数は、所望の入力トルクを受けてテーパリング5と摩擦部材6とが相対的に滑るような値に設定される。具体的には、摩擦部材6及びテーパリング5の材料の選択や、テーパリング5と当接する摩擦部材6の表面加工・形状(例えば凹凸パターンを配した形状)の態様や、前述した外周面5aの延長線5Lと回転軸Jとの成す角θによって設定される。
【0028】
コイルばね4には、図3に示すように断面略矩形の線条体が螺旋状に形成された角コイルばねを使用している。そして、コイルばね4は、回転軸J方向に圧縮された状態でその一端4aがハブ構造体3に固定されており、他端4bがテーパリング5に固定されている。そして、圧縮されたコイルばね4の復元力Pによってテーパリング5と摩擦部材6とが圧接されている。
【0029】
具体的には、図4に示すように、コイルばねの復元力Pによってテーパリング5が圧接される。そして、圧接されたテーパリング5の円錐曲面をした外周面5aは、前述した断面視で円錐曲面をした外周面5aの延長線5Lと回転軸Jとの成す角θとの関係において次式(1)で示される垂直抗力Nによって摩擦部材6を圧接する。
N=P/sinθ・・・(1)
【0030】
そして、テーパリング5の外周面5aが、上記式(1)で示された垂直抗力Nによって摩擦部材6を圧接した際に発生するテーパリング5の外周面5aと摩擦部材6との間の摩擦トルクTは、次式(2)で示されることになる。
=μ×N×r=μ×P/sinθ×r・・・(2)
μ:テーパリング5と摩擦部材6との間の静止摩擦係数
r:円錐曲面をした外周面5aの平均半径
【0031】
(駆動プーリ構造体1の作用)
次に、本実施形態の駆動プーリ構造体1の作用について説明する。ここでは、エンジンの回転開始時に出力軸101が回転して、出力軸101を介してハブ構造体3側から駆動プーリ構造体1にトルクが入力された場合を想定して説明する。出力軸101を介してハブ構造体3側から入力されたトルクを入力トルクT(変数)とすると、TとTとの関係が次式(3)の関係にある場合、テーパリング5の外周面5aと摩擦部材6との当接面は滑らず、コイルばね4が周方向にねじれることにより入力トルクTを吸収する。
T<T・・・(3)
一方、TとTとの関係が次式(4)の関係にある場合、コイルばね4は周方向にねじれずに、テーパリング5の外周面5aと摩擦部材6との当接面が滑ることにより入力トルクTを吸収する。
T>T・・・(4)
【0032】
上記の構成によれば、コイルばね4の復元力Pによってテーパリング5が圧接され、圧接されたテーパリング5の円錐曲面を有する外周面5aが摩擦部材6を介してプーリ部材2を圧接する。こうすることにより、テーパリング5の円錐曲面を有した外周面5aと摩擦部材6との間に摩擦トルクTを発生させて、この摩擦トルクTよりも大きな入力トルクTがハブ構造体3から入力された場合に、テーパリング5の円錐曲面を有した外周面5aと摩擦部材6とが圧接する面において相対的に滑らせてコイルばね4が一定以上ねじれないようにすることができる。このようにコイルばね4が一定以上ねじれないようにすることでコイルばね4の耐久性を向上させることができる。また、摩擦トルクTを発生させる摩擦部材6と円錐曲面を有するテーパリング5は切削加工や金型による成形等により精度よく加工することができるため、摩擦トルクTのばらつきを抑制することができる。また、摩擦部材6の材質・性能を自由に変えることで所望の摩擦トルクTに設定可能となり設計自由度も高くすることができる。
【0033】
また、上記構成によれば、摩擦部材6をプーリ部材2に回転不能に固定することにより、摩擦部材6はテーパリング5とのみ相対的な滑りが発生するようになる。これにより、摩擦部材6とテーパリング5との間の静止摩擦係数値を考慮するだけでテーパリング5の円錐曲面を有する外周面5aと摩擦部材6との間に発生させる摩擦トルクTの値を決めることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、エンジンの出力軸101に連結された駆動プーリ構造体1に本発明に係るプーリ構造体を適用したが、ウォーターポンプやオルタネータ等の各種補記にそれぞれ連結された従動軸(補記軸)102、103に取り付けられた従動プーリ構造体104・107に本発明に係るプーリ構造体を適用してもよい。
【0035】
この場合、上記補記駆動ベルトシステム100では、出力軸101のトルクによって駆動プーリ構造体1が回転駆動されると、その駆動プーリ構造体1の回転により伝動ベルト106が駆動される。すると、この伝動ベルト106の走行に伴って、本発明に係るプーリ構造体を適用した従動プーリ構造体104や従動プーリ構造体107のプーリ部材2側からトルクが入力され、このトルクを入力トルクT(変数)とすると、TとTとの関係が前述した式(3)の関係にある場合、テーパリング5の外周面5aと摩擦部材6との当接面は滑らず、コイルばね4が周方向にねじれることにより入力トルクTを吸収する。一方、TとTとの関係が前述した式(4)の関係にある場合、コイルばね4は周方向にねじれずに、テーパリング5の外周面5aと摩擦部材6との当接面が滑ることにより入力トルクTを吸収する。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る駆動プーリ構造体201について、第1実施形態と同様の箇所は説明を省略し、相違する構成を中心に説明する。図5は駆動プーリ構造体201の平面図である。また、図6は、図5に示した駆動プーリ構造体201の回転軸Jを含むB−B断面図である。また、図7は、図6に示した駆動プーリ構造体201の詳細図である。
【0037】
(駆動プーリ構造体201の構成)
図5及び図6に示すように、駆動プーリ構造体201は、伝動ベルト106が巻き掛けられる円筒形状のプーリ部材202と、出力軸101に連結されるとともにプーリ部材202の内側に設けられたハブ構造体203と、一端204bがプーリ部材202に固定されたコイルばね204と、コイルばね204の他端204aが固定され、ハブ構造体203の回転軸Jを円錐軸とした円錐曲面状の内周面205aを有するテーパリング205と、テーパリング205の円錐曲面をした内周面205aとハブ構造体203との間に介挿された摩擦部材206とを有している。また、プーリ部材202とハブ構造体203とは回転軸受209及び滑り軸受208を介して相対回転可能に連結されている。
【0038】
テーパリング205は、図6に示すように、略円筒形状をしており、その内周面205aがハブ構造体203の回転軸Jを円錐軸とした円錐曲面形状をしている。ここで、図7に示すように、断面視で円錐曲面形状をした内周面205aの延長線205Lと回転軸Jとの成す角θは、1°以上、90°未満の範囲に設定される。
【0039】
摩擦部材206は、円錐曲面形状をした内周面205aとハブ構造体203との間に介挿され、摩擦部材206自体は、ハブ構造体203に回転不能に固定されている。
【0040】
コイルばね204は、回転軸J方向に圧縮された状態でその一端204bがプーリ部材202に固定されており、他端204aがテーパリング205に固定されている。そして、圧縮されたコイルばね204の復元力Pによってテーパリング205と摩擦部材206とが圧接されている。
【0041】
具体的には、図7に示すように、コイルばねの復元力Pによってテーパリング205が圧接される。そして、圧接されたテーパリング205の円錐曲面形状をした内周面205aは、断面視で円錐曲面形状をした内周面205aの延長線205Lと回転軸Jとの成す角θとの関係において第1実施形態で述べた式(1)で示される垂直抗力Nによって摩擦部材206を圧接する。
【0042】
そして、テーパリング205の内周面205aが、式(1)で示された垂直抗力Nによって摩擦部材206を圧接した際に発生するテーパリング205の内周面205aと摩擦部材206との間の摩擦トルクTは、第1実施形態で述べた式(2)で示されることになる。なお、第2実施形態では、μはテーパリング205と摩擦部材206との間の静止摩擦係数であり、rは円錐曲面形状をした内周面205aの平均半径である。
【0043】
(駆動プーリ構造体201の作用)
次に、本実施形態の駆動プーリ構造体201の作用について説明する。ここでは、エンジンの回転開始時に出力軸101が回転して、出力軸101を介してハブ構造体203側から駆動プーリ構造体201にトルクが入力された場合を想定して説明する。出力軸101を介してハブ構造体203側から入力されたトルクを入力トルクT(変数)とすると、TとTとの関係が前述した式(3)の関係(T<T)にある場合、テーパリング205の内周面205aと摩擦部材206との当接面は滑らず、コイルばね204が周方向にねじれることにより入力トルクTを吸収する。一方、TとTとの関係が前述した式(4)の関係(T>T)にある場合、コイルばね204は周方向にねじれずに、テーパリング205の内周面205aと摩擦部材206との当接面が滑ることにより入力トルクTを吸収する。
【0044】
上記の構成によれば、コイルばね204の復元力Pによってテーパリング205が圧接され、圧接されたテーパリング205の円錐曲面を有する内周面205aが摩擦部材206を介してハブ構造体203を圧接する。こうすることにより、テーパリング205の円錐曲面を有する内周面205aと摩擦部材206との間に摩擦トルクTを発生させて、この摩擦トルクTよりも大きな入力トルクTがハブ構造体203から入力された場合に、テーパリング205の円錐曲面を有する内周面205aと摩擦部材206とが圧接する面において相対的に滑らせてコイルばね204が一定以上ねじれないようにすることができる。このようにコイルばね204が一定以上ねじれないようにすることでコイルばね204の耐久性を向上させることができる。また、摩擦トルクTを発生させる摩擦部材206と円錐曲面を有するテーパリング205は切削加工や金型による成形等により精度よく加工することができ、摩擦トルクTのばらつきを抑制することができる。また、摩擦部材206の材質・性能を自由に変えることで所望の摩擦トルクTに設定可能となり設計自由度も高くすることができる。
【0045】
また、上記の構成によれば、摩擦部材206をハブ構造体203に回転不能に固定することにより、摩擦部材206はテーパリング205とのみ相対的な滑りが発生するようになる。これにより、摩擦部材206とテーパリング205との間の静止摩擦係数値等を考慮するだけでテーパリング205の円錐曲面を有する内周面205aと摩擦部材206との間に発生させる摩擦トルクTの値を決めることができる。
【0046】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る従動プーリ構造体301(プーリ構造体)について、第1実施形態と同様の箇所は説明を省略し、相違する構成を中心に説明する。第3実施形態に係る従動プーリ構造体301は、図8に示すように、第1実施形態に挙げた駆動プーリ構造体1のコイルばね4の部分にスプリングクラッチ構造を取り入れた構成としている。そして、第3実施形態では、本発明に係る従動プーリ構造体301を図1の補記駆動ベルトシステム100の従動軸102に装着して、従動プーリ構造体として使用した場合について説明する。なお、図8は、従動プーリ構造体301の回転軸Jを含む断面図である。
【0047】
(従動プーリ構造体301の構成)
第3実施形態に係る従動プーリ構造体301は、第1実施形態で挙げた駆動プーリ構造体1のコイルばね4のように、他端4bをテーパリング5に直接固定するのではなく、図8に示すように、コイルばね304の他端304bを径外方向Oに弾性変形させてその復元力F(径内方向)によりテーパリング305に係止させて装着させる構造をしている。一方、コイルばね304の一端304aは、ハブ構造体303に固定されている。
【0048】
(従動プーリ構造体301の作用)
次に、本実施形態の従動プーリ構造体301の作用について説明する。まず、エンジンの回転開始時において、出力軸101が回転して、出力軸101のトルクによって駆動プーリ構造体1及び伝動ベルト106を介して、従動プーリ構造体301のプーリ部材302側から従動プーリ構造体301にトルクが入力された場合について説明する。これは、エンジンの回転開始時において、従動プーリ構造体301のプーリ部材302の回転トルクがハブ構造体303の回転トルクを上回る場合を想定している。
【0049】
第1実施形態同様に、プーリ部材302側から従動プーリ構造体301に入力されたトルクを入力トルクT(変数)とし、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間の摩擦トルクをTとし、TとTとの関係が式(3)の関係(T<T)にある場合、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面は滑らない。また、コイルばね304は、テーパリング305のクラッチ面305cとの接触により縮径して、コイルばね304が周方向にねじれ、クラッチ面305cに対する圧接係合力が増大した状態で保持されたまま滑らず、プーリ部材302の回転がハブ構造体303に伝達されることになる。そして、ハブ構造体303に取り付けられた従動軸102に連結されたウォーターポンプやオルタネータ等の補記がそれぞれ駆動されることになる。
【0050】
一方、TとTとの関係が式(4)の関係(T>T)にある場合、コイルばね304は、テーパリング305のクラッチ面305cとの接触により縮径して、クラッチ面305cに対する圧接係合力が増大した状態で保持されたまま滑らないが、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面が滑ることにより入力トルクTを吸収することになる。これにより、プーリ部材302の回転がハブ構造体303に伝達されず、プーリ部材302はフリー回転する。
【0051】
次に、エンジンの回転停止により出力軸101の回転が停止する際に、伝動ベルト106を介してプーリ部材302の回転トルクが下がるが、ハブ構造体303の回転トルクはエンジン回転時の惰性によりプーリ部材302の回転トルクを上回る場合、即ち、ハブ構造体303側から従動プーリ構造体301にトルクが入力された場合について説明する。
【0052】
ハブ構造体303側から従動プーリ構造体301に入力されたトルクを入力トルクT(変数)とし、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間の摩擦トルクをTとし、コイルばね304とクラッチ面305cの接触部における摩擦トルクをTsとして、各摩擦トルクの関係をT<Ts<Tとした場合、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面は滑らない。また、コイルばね304は、クラッチ面305cに対して保持されたまま滑ることはなく、ハブ構造体303の回転がプーリ部材302に伝達されることになる。
【0053】
また、各摩擦トルクの関係をTs<T<Tとした場合、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面は滑らない。一方、コイルばね304は、拡径してクラッチ面305cに対する圧接係合力が弱くなり、コイルばね304とクラッチ面305cの接触部において滑りが生じ、ハブ構造体303の回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303はフリー回転する。
【0054】
更に、各摩擦トルクの関係をTs<T<Tとした場合、コイルばね304は、拡径してクラッチ面305cに対する圧接係合力が弱くなり、コイルばね304とクラッチ面305cの接触部において滑りが生じ、ハブ構造体303の回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303はフリー回転する。
【0055】
ここで、第3実施形態では、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間の摩擦トルクTとコイルばね304とクラッチ面305cの接触部における摩擦トルクTsとの関係をTs<Tとしているが、摩擦トルクTs・Tの値を自由に設定することにより(TsとTとの値を異なる値に設定する)、入力トルクTの大きさにより、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間、又は、コイルばね304とクラッチ面305cとの間のどちらで滑らせるかを決定することができる。
【0056】
例えば、ハブ構造体303の回転トルクがエンジン回転時の惰性によりプーリ部材302の回転トルクを上回る場合、即ち、ハブ構造体303側から従動プーリ構造体301にトルクが入力された場合について説明すると、T<Tsとした場合において、入力トルクTとの関係で、T<T<Tsとした場合、コイルばね304は、クラッチ面305cに対して保持されたまま滑ることはなく、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面において滑りが生じ、ハブ構造体303での回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303はフリー回転する。
【0057】
また、T<Ts<Tとした場合、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面において滑りが生じ、ハブ構造体303での回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303はフリー回転する。
【0058】
なお、上記従動プーリ構造体301を出力軸101に装着して、駆動プーリ構造体として使用した場合にも同様の作用が働く。この場合、エンジンの回転開始時に出力軸101が回転して、出力軸101を介してハブ構造体303側から従動プーリ構造体301にトルクが入力され、ハブ構造体303の回転トルクがプーリ部材302の回転トルクを上回ることになる。一方、エンジンの回転停止により出力軸101の回転が停止する際に、伝動ベルト106の惰性駆動によりプーリ部材302の回転トルクがハブ構造体303の回転トルクを上回ることによりプーリ部材302側から従動プーリ構造体301にトルクが入力されることになる。
【0059】
また、第3実施形態では、コイルばね304の他端304bを径外方向Oに弾性変形させてその復元力F(径内方向)によりテーパリング305に係止させて装着させる構造をしている。しかし、これに限らずに、コイルばね304の他端304bを径内方向に弾性変形させてその復元力(径外方向)によりテーパリング305に係止させて装着させてもよい。
【0060】
また、第3実施形態では、コイルばね304の一端304aは、ハブ構造体303に固定されている。しかし、コイルばね304の一端304aを、ハブ構造体303に固定せずに、コイルばね304の他端304bと同様に、コイルばね304の一端304aを径外方向に弾性変形させてその復元力(径内方向)によりハブ構造体303に係止させて装着させてもよい。
【0061】
また、第3実施形態に係る従動プーリ構造体301は、第1実施形態に挙げた駆動プーリ構造体1のコイルばね4の部分にスプリングクラッチ構造を取り入れた構成としているが、第2実施形態に挙げた駆動プーリ構造体201のコイルばね204の部分にスプリングクラッチ構造を取り入れた構成としてもよい。この場合、コイルばね204の他端204aを径外方向に弾性変形させてその復元力(径内方向)によりテーパリング205に係止させて装着させている。なお、コイルばね204の一端204bは、プーリ部材202に固定されていてもよいし、コイルばね204の他端204a同様に、一端204bを径外(内)方向に弾性変形させてその復元力(径内(外)方向)によりプーリ部材202に係止させて装着させてもよい。
【0062】
上記の構成によれば、テーパリング305の円錐曲面を有した外周面305aと摩擦部材306との間に発生する摩擦トルクTと、コイルばね304の他端304bとテーパリング305のクラッチ面305cとの間に発生する摩擦トルクTsとの2つの摩擦トルクを発生させることができる。こうすることにより、例えば、本発明に係る従動プーリ構造体301を従動軸102に装着して、従動プーリ構造体として使用した場合において、プーリ部材302側から入力トルクTがあった場合、入力トルクTがテーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間で発生する摩擦トルクTよりも大きい場合には、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面を滑らせることにより入力トルクTを吸収させることができる。一方、ハブ構造体303側から入力トルクTがあった場合、各摩擦トルクとの関係をTs<T<Tとすると、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との当接面は滑らずに、コイルばね304は、クラッチ面305cとの接触部において滑りが生じ、ハブ構造体303の回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303をフリー回転させることができる。更に、各摩擦トルクの関係をTs<T<Tとした場合、コイルばね304は、クラッチ面305cとの接触部において滑りが生じ、ハブ構造体303の回転がプーリ部材302に伝達されず、ハブ構造体303をフリー回転させることができる。これにより、コイルばね304の他端304bとテーパリング305のクラッチ面305cとの間に発生する摩擦トルクTsと、テーパリング305の円錐曲面を有した外周面305aと摩擦部材306との間に発生する摩擦トルクTの値を自在に変更して設計自由度を高めることが可能となる。
【0063】
また、摩擦トルクTs・Tの値をそれぞれ自由に設定することにより(TsとTとの値を異なる値に設定する)、入力トルクTの大きさにより、テーパリング305の外周面305aと摩擦部材306との間、又は、コイルばね304とクラッチ面305cとの間のどちらで滑らせるかを決定することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 駆動プーリ構造体
2 プーリ部材
3 ハブ構造体
4 コイルばね
5 テーパリング
6 摩擦部材
100 補記駆動ベルトシステム
101 出力軸
104 従動プーリ構造体
106 伝動ベルト
107 従動プーリ構造体
J 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトが巻き掛けられる筒状のプーリ部材と、
前記プーリ部材の内側において、前記プーリ部材に対して相対回転可能に設けられたハブ構造体と、
一端が前記ハブ構造体又は前記プーリ部材に固定されたコイルばねと、
前記コイルばねの他端が固定され、前記ハブ構造体の回転軸を円錐軸とした円錐曲面を有するテーパリングと、
前記テーパリングの円錐曲面と前記プーリ部材、又は、前記テーパリングの円錐曲面と前記ハブ構造体との間に介挿された摩擦部材と、
を有し、
前記コイルばねは前記ハブ構造体の回転軸方向に圧縮されて介挿され、前記コイルばねの復元力によって前記テーパリングと前記摩擦部材と前記プーリ部材、又は、前記テーパリングと前記摩擦部材と前記ハブ構造体とが圧接されていることを特徴とするプーリ構造体。
【請求項2】
前記摩擦部材は、前記プーリ部材又は前記ハブ構造体に回転不能に固定され、当該摩擦部材は前記テーパリングとのみ相対的な滑りを発生することを特徴とする請求項1に記載のプーリ構造体。
【請求項3】
前記コイルばねの固定態様としては、前記コイルばねの一端及び他端の少なくとも1つが、前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つと径方向に弾性変形した状態で当該コイルばねの復元力により係止される態様であり、
前記コイルばねの一端及び他端の少なくとも1つと、前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクよりも大きな回転トルクの入力がなされた場合に滑りが発生することを特徴とする請求項1又は2に記載のプーリ構造体。
【請求項4】
前記テーパリングの円錐曲面と前記摩擦部材との間に発生する摩擦トルクと、前記コイルばねと前記ハブ構造体、前記プーリ部材及び前記テーパリングの少なくとも1つとの間に発生する摩擦トルクとが異なる値になるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のプーリ構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−52576(P2012−52576A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193935(P2010−193935)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】