説明

プール内の水の出入に応じて浮上沈降する構築物

【課題】本発明は、植物工場あるいは家畜の厩舎の暖房・冷房に要するエネルギーを節約して温度環境を一定にする手段を提供するものである。
【解決手段】本発明は、プール内に設けられた植物工場あるいは家畜の厩舎として使用される構築物であって、当該構築物の下部に浮上体が設けられ、上部に断熱材が設けられ、プール内の水の出入に応じて浮上沈降する構築物である。特に夜間にプール内に沈降させ、上面に設けた断熱材によって周囲の温度を遮断して構築物の温度を地中の一定温度に保てるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物工場または家畜の厩舎の構造に属する。
【背景技術】
【0002】
水面上に浮遊する構築物は、水面上に居住空間を形成するため、広い幕で水面を覆い、水面と幕の間に空気を入れ浮上させ、膜の周辺に居住空間用の場所を確保する方法が特開平08−113190に開示されている。しかしながら、構造物を時には水面上に浮上させ、水を抜いて沈降させることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−113190
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、植物工場あるいは家畜の厩舎の暖房・冷房に要するエネルギーを節約して温度環境を一定にする手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プール内に設けられた植物工場あるいは家畜の厩舎として使用される構築物であって、当該構築物の下部に浮上体が設けられ、上部に断熱材が設けられ、プール内の水の出入に応じて浮上沈降する構築物である。特に夜間にプール内に沈降させ、上面に設けた断熱材によって周囲の温度を遮断して構築物の温度を地中の一定温度に保てるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、構築物が昼間はプール水面上に浮遊状態にあり、夜間は排水したプール内に沈降し、上部天井部に設けた断熱層で周囲の外気温から遮断されるため、地中温度により一定の温度範囲に保たれるため、植物、家畜にストレスを与えないためそれらの生育条件の向上となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】は、昼間プール水面上に構築物が浮遊した状態を示す概念図である。
【図2】は、夜間プール内に構築物が沈降した状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図により詳細に説明する。
図1は、昼間プール水面上に構築物が浮遊した状態を示す概念図である。図に示すように、構築物は上下に3層に分かれ最下層が浮遊体であり、中間部が植物工場あるいは家畜の厩舎であり、植物あるいは家畜を育成する空間であり、最上部が断熱体であり昼間特に夏場の熱射を防ぐあるいは冬場の夜間の冷気を防ぐためのものである。浮遊体は構築物を水の浮力により水面上に浮遊させる浮き袋であり、空気を充填したゴム製の袋、緻密な樹脂製あるいは金属製の函、発泡樹脂などで形成される。断熱体は土、発泡コンクリート。発泡樹脂などからなる断熱材を敷設したものである。
プール内の水をプールから移動させ貯留しておくための貯留槽が設けられている。これは、水道の水をプールに入れ、排水して外部に放出することでもよいため、特に必要ではない。
【0009】
その他、図示されていないが、プール内の水を他の貯水槽に移動させるためのポンプ・配管が敷設される。
さらに、プール外から構築物に人あるいは家畜が出入するためのプールと構築物を連結する連結部が設けられる。
また構築物には必要に応じて昼間の採光のためあるいは風通しのための窓を設けておくこともできる。
【0010】
図2は、夜間、プールの水を排水して貯留槽に移し、プールの底に沈降している状態を示している。プールに沈降した状態では、上部断熱体は冬期夜間の冷気を遮断し、地中温度がほぼ一定であるためその影響を受け構築物の内部は特に暖房せずとも一定の温度範囲に保たれる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
冷暖房の消費エネルギーの小さい植物工場、厩舎などとして利用できる。
【符号の説明】
【0012】
1 構築物
2 断熱体
3 浮力体
4 植物工場あるいは厩舎用の空間
5 貯水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プール内に設けられた植物工場あるいは家畜の厩舎として使用される構築物であって、当該構築物の下部に浮上体が設けられ、上部に断熱材が設けられ、プール内の水の出入に応じて浮上沈降する構築物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−115225(P2012−115225A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270003(P2010−270003)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(306024805)株式会社 林物産発明研究所 (155)
【Fターム(参考)】