説明

ヘアアイロン

遮蔽部材で遮蔽された空所部に熱源プレート及びそれに接して閉時に髪を挟持するためのヘアヒートプレートを収納してなる開閉自在の一対の髪挟持アームの一方端を軸に開閉自在に連結し、常時該一対のアームを互いにバネの付勢で開方向に維持し、該ヒートプレートを互いに向かい合わせに装着してなるヘアアイロンで、該ヒートプレートの空所部側の基部にテーパーを形成し、かつ形成されたテーパー空隙に嵌合するパッキングを強固に装着して空所部の蒸気遮断性を改善し、かつ手元側で温度制御の容易なヘアアイロン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ヘアアイロンの髪挟持アームの対向面に取り付けられた開閉自在の一対のヒートプレート間にヘアを挟んで、各種パーマ処理を行うV字型髪挟持タイプのヘアアイロンの蒸気遮断性の改善に関する。
また、本発明は、遮蔽部材によって遮蔽された髪挟持アームの一方の空所部側に基部にテーパーを形成したヒートプレートを配置し、該テーパー空隙に嵌合するパッキングのタイトな装着によって該空所部の蒸気遮断性を改善したV字型髪挟持タイプのヘアアイロンに関する。
さらに、本発明は、熱源プレート及びヒートプレートを収納してなる髪挟持アームの一方側の空所部と髪挟持アームの他方側の空所部との連結域に蒸気遮断性を改善するためにパッキングを装着してなるV字型髪挟持タイプのヘアアイロンに関する。
【背景技術】
ストレートパーマに使用されるヘアアイロンとして、特開昭62−172905号公報、特開2000−166634号公報,特開2001−137038号公報、特開2002−291517号公報及び実用新案登録第3072722号公報に記載されているようなV字型グリップ形式で一対のヒートプレートが対面しているヘアアイロンがある。この形式のヘアアイロンは、開方向に付勢されたV字型髪挟持アームの対向面に一対のヒートプレートを取り付けた構成になっており、V字型髪挟持アームを操作して一対のヒートプレート間に所定量のヘアを挟み、この状態で、ヘアを引き伸ばす方向へヒートプレートを移動させる。いわゆるアイロン掛けの操作により、ヘアの縮れ等を取り除いてこれをストレート化する。また、開閉自在の一対のヒートプレートが対面しているV字型グリップ形式のヘアアイロンでも特開2003−24127号公報では、ヒートプレート表面に腕部長手方向に沿って延びる溝部を設けてパーマ液が加熱されて生ずる蒸気による頭皮への影響を考慮したヘアアイロンが知られている。これらヘアアイロンを用いてパーマの施術するときには、一般にヘアにパーマ液を塗布するが、その設定温度は、ストレートパーマの場合、設定温度は100〜170℃程度の範囲で切替えスイッチで温度コントロールされる。
【特許文献1】特開昭62−172905号公報
【特許文献2】特開2000−166634号公報
【特許文献3】特開2001−137038号公報
【特許文献4】特開2002−291517号公報
【特許文献5】実用新案登録第3072722号公報
【特許文献6】特開2003−24127号公報
V字型髪挟持タイプのヘアアイロンでは、通常は、対向する一対のヒートプレートの両方が適温にコントロールされて、ヒートプレート間にパーマ液を塗布した髪を挟持して加熱処理する。遮蔽部材で形成したV字型髪挟持アームの空所部にヒートプレート及び、このヒートプレートを加熱するための熱源プレート、さらには温度切替えのための手許スイッチや温度コントローラを収納したタイプのものも知られている。しかし、このようなタイプのものでは、ヒートプレートの加熱温度は、上述するように100〜170℃程度の範囲で、温度切替のための手元スイッチを操作して温度コントローラを調節して設定温度にして、ヒートプレートの間にヘアを挟む。ヘアを挟むと、ヘアに塗布されているパーマ液や薬液等の水分が瞬間的に蒸発し、高温の蒸気が発生し、この蒸気はヒートプレートの四方へ排出される。ヒートプレートに高温蒸気がこもることとなり、V字型グリップ本体の遮蔽部の間隙を介して高温蒸気が遮蔽部材で遮蔽されたV字型髪挟持アームの空所部に滲入する。温度切替えスイッチ、温度コントローラや温度表示器等の制御関連機器が高温蒸気により電気障害を起こす問題があり、このため上記制御関連機器は髪挟持アームから離れた位置に配置せざるを得なかった。このため髪挟持アームに配置した手許スイッチで温度調節しても、その温度切替えの度に実際の表示温度をV字型髪挟持アームより離れた位置に配置せざるを得ない温度コントローラや温度表示器によって確かめるのは、パーマ施術者にとってきわめてわずらわしいことであった。
【発明の開示】
上述するように、高温蒸気がヒートプレート周辺にこもり、V字型髪挟持アームのヒートプレートと遮蔽部材との空隙を通じて遮蔽部材で遮蔽された空所部に浸入する問題を解決するために、ヒートプレートと遮蔽部材との間にパッキングをねじ止めしたり、コーキング剤を充填したり、あるいは接着したりするなどして蒸気遮断性を高めることも提案された。しかし、コーキング剤を充填したりする手段では分解が容易でないし、分解しやすいようにパッキングをねじ止めしたのでは、大きな衝撃を受けたり、耐久性が悪く、パーマ施術時のヒートプレート間のヘアの挟み込みによりヒートプレートが遮蔽部材に押しつけの繰り返しにより、ヒートプレートと遮蔽部材との間の遮断性が十分に保たれず、高温蒸気がV字型髪挟持アームの遮蔽部材の空所部に滲入して熱源プレートと接触して複雑な回路の温度コントローラに電気障害を与えることがあった。また、電気障害により火災の危険性があるばかりか、上述するように、V字型髪挟持アームから離れた位置に温度コントローラ及び温度表示器を設置せざるを得ない問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みて創案されたものであり、V字型髪挟持アームの遮蔽部材に支持されるヒートプレートの基部の構造に工夫をこらし、遮蔽部材で遮蔽されたV字型髪挟持アームの空所部の蒸気遮断性を改善することにより、遮蔽部材で遮蔽されたV字型髪挟持アームの空所部に温度コントローラや温度表示器を収納することが可能となり、温度表示が見やすくなり、結果的に温度調節が容易にでき、しかも電気的障害の起こる心配がなく、安全で、ヘアアイロン操作の容易なヘアアイロンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、左右一対の遮蔽部材で構成されたV字型髪挟持アームの常時開放状態に維持された対向面に取り付けられたヒートプレートの空所部側の基部と遮蔽部材との間に耐熱性弾性の優れたパッキングを装着し、ヒートプレートの基部に設けたテーパーを利用してパッキングを強固に装着することによって空所部内への高温蒸気の滲入を防止して、髪挟持アームの空所部に温度調節可能な熱源プレート、温度表示器及び温度コントローラを収納したV字型髪挟持タイプのヘアアイロンを提供するものである。
すなわち、本発明のヘアアイロンは、下記の基本的構成を特徴とするものである。
(1)髪挟持アームを構成する左右一対の遮蔽部材によって遮蔽された空所部に温度調節可能な熱源プレート及びそれに接して閉時に髪を挟持するためのヒートプレートを収納してなる開閉自在の一対の髪挟持アームからなり、該髪挟持アームの一方端を軸で開閉自在に連結し、軸受部に備えたバネの付勢により、常時該開閉自在の一対のアームを互いに開方向に維持し、該ヒートプレートを互いに向かい合わせに固定してなるV字型髪挟持タイプのヘアアイロンにおいて、該ヒートプレートの空所部側の基部にテーパーを設け、かつ該テーパーによって形成された空隙に嵌合するパッキングによって該空所部の蒸気遮断性を向上させ、且つ分解組立を容易にしてなることを特徴とするヘアアイロン。
(2)上記熱源プレート及びヒートプレートを収納してなる髪挟持アームの該遮蔽部材によって遮蔽された一方側の空所部と、該髪挟持アームの該遮蔽部材によって遮蔽された他方側の空所部との連結域にパッキングを配置することによって両方の空所部の蒸気遮断性を改善してなることを特徴とする(1)記載のヘアアイロン。
(3)熱源プレート及びヒートプレートを収納してなる該一方側の空所部又は該他方側の空所部に温度コントローラ及び/又は温度表示器を配置してなることを特徴とする(1)又は(2)記載のヘアアイロン。
本発明のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンは、上述するように左右一対の遮蔽部材によって構成されており、該遮蔽部材によって遮蔽された空所部に収納されるヒートプレート基部にテーパーを設けておき、該一対の遮蔽部材を両側から合わせて取り付ける過程で遮蔽部材凸部がヒートプレート基部のテーパーに沿ってテーパー空隙に完全に嵌合することによって該空所部の密封性を高めることにより蒸気遮断性を改善するものである。その結果、本発明のヘアアイロンは、アイロン施術時にヒートプレートの加熱によりパーマ液や薬液等の水分に由来する蒸気が発生しても、ヒートプレートを取り付けている該遮蔽部材の空所部に蒸気が滲入することなく、蒸気遮断性を完全に達成することが可能となる。また、左右一対の遮蔽部材によって遮蔽されたV字型アームの空所部に熱源プレート、温度コントローラ及び温度表示器が収納可能となり、施術時に手元で温度調節を簡便に行うことができる。また、高温蒸気が該空所部に滲入して熱源プレートに接触し、火災の危険性を防止することができ、しかも手元側で温度表示器を見ながら温度調節を容易にできる。また、一対の遮蔽部材を両側から合わせることによってパッキングがヒートプレート基部のテーパーに自動的に沿うだけでテーパー空隙に完全に嵌合することになるので、上記遮蔽部材の取り外す分解操作や、遮蔽部材を左右から合わせる組立操作が簡単に行える。
ヒートプレートと遮蔽部材の基部の間に装着されるパッキングの材質は、百数十度の温度に耐える耐熱性を有することが必要であり、施術時に発生するパーマ液の蒸気と接触することがあっても、膨潤や溶解することなく、耐薬品性のクッション性能を発揮できる素材であれば、特に限定はないが、例えば天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリクロロプレン、ブチルゴム、ハイパロン、EPMやEPDM、ウレタンゴムやフッソゴム等の合成ゴムの適宜ブレンドした組成物の使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
[図1] 本発明のヘアアイロンにおけるヒートプレートとそれに装着するパッキング
[図2] 本発明のヘアアイロンにおけるパッキングを装着したヒートプレートの側面図
[図3] 本発明のパッキングを装着したヒートプレートの断面図(図2の矢印A−A方向の断面図)
[図4] 本発明のヘアアイロンにおけるパッキングのヘアイロン本体への装着前の状態図
[図5] 図4の本発明のヘアアイロンにおけるパッキング装着後の状態図
[図6] 本発明のヘアアイロンを構成する髪挟持アームの側面図
[図7] 図6のB−Bの断面図
[図8] 従来のヘアアイロンの斜視図
[図9] 従来のヒートプレートの装着状態
【符号の説明】
101 ヒートプレート
102 パッキング
103 ヒートプレート基部
104 遮蔽部材
105 ヒートプレート基部のテーパー
106 グリップ部
107 髪挟持アーム
108 軸
109 パッキング
109’第2パッキング
110 固定部
111 保護シート
112 付勢バネ
113 温度コントローラ
114 温度表示部
115 熱源プレート
116 遮蔽部合わせ部
117 遮蔽部材凸部
118 空所(温度コントローラ収納部)
119 テーパー空隙
201 ヒートプレート
202 パッキング
203 ヒートプレート基部
204 遮蔽部
206 グリップ部
207 髪挟持アーム
208 軸
211 保護シート
212 付勢バネ
215 熱源プレート
216 遮蔽部合わせ部
218 空所
220 温度切替手元スイッチ
221 ネジ
【発明を実施するための最良の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のV字型ヘアアイロンのヒートプレートとそれに装着するパッキング、図2は、パッキングを装着したヒートプレートの側面図、図3は、パッキングを装着したヒートプレートの断面図(図2の矢印方向の断面図)、図4は、パッキングを装着したヒートプレートのアイロン本体への支持前の状態図、図5は、パッキングをアイロン本体へ完全に嵌合した後の状態図、図6は、本発明のヘアアイロンを構成する髪挟持アームの側面図、図7は、図6のB−Bの断面図、図8は、従来のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンの斜視図、図9は、従来のV字型髪挟持アームにおけるヒートプレートの支持状態の断面図を示す。
従来のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンでは、図8に示すように保護シート211によって表面をカバーされた密閉部材204によってヒートプレート201を支持した髪挟持アーム207の一方端のグリップ部206の軸208によって開閉自在に連結し、該軸受部に備えたバネ212の付勢により、アームを互いに開方向に維持し、温度切替手元スイッチ220によって、温度を変化させることができる。しかし、熱源プレートの温度コントローラや温度表示器(図示せず)は、髪挟持アーム207で形成する空所部218には空所部の蒸気遮断性が悪いので収納できず、遠く離れた位置に配置せざるをえなかった。このため、手元切替えスイッチ220で温度を切り替えても、実際の温度を確認するには温度コントローラによって調節された遠くの温度表示器を見ることが煩わしかった。
図9は、同じく従来のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンにおけるヒートプレートの支持状態の断面を示すもので、パッキング202は、熱源プレート215を空所部218側に備えたヒートプレート201の基部203に装着されている。パッキング202の装着は、左右一対の遮蔽部材204を左右から合わせ部216で正確に合わせた後、ネジ221によってヒートプレート201に強固に装着する。この装着手段は、ネジによることなく、コーキング剤を充填したり、接着することも可能である。いずれにしろ、このようなパッキング202の装着では、衝撃や長期間の使用により、位置変化が起こり、遮蔽部材204とヒートプレート203との間に間隙が生ずることとなり、パーマ施術時に高圧蒸気が空所部218に滲入する問題があり、仮にこの空所部に温度コントローラや温度表示器を配置したときには、上述するように電気的障害が生じる問題がある。
本発明のヘアアイロンは、図1及び図2に示すように、髪挟持アーム107のヘアに接触するヒートプレート101のヒートプレート基部103に予めパッキング102を装着しておく(図2は、パッキング102の装着状態で、図3は、図2のA−A断面図)。熱源プレート115は、温度コントローラ113によって温度調節可能であるが、これに隣接するヒートプレート101の基部103には、テーパー105が設けられ、形成されたテーパー空隙119にパッキング102が装着されるようになっている。
本発明のV字型髪挟持アームのヘアアイロンは、開閉自在の一対の髪挟持アーム107からなるものであり、髪挟持アームを構成するためには、左右一対の遮蔽部材の組合せによってヒートプレート101を確実に支持する必要がある。熱源プレート115に隣接するヒートプレート101には、図3に示すようにパッキング102が予め装着されており、このパッキングの装着されたヒートプレート101を、左右一対の遮蔽部材104を両方向から近接させ、両者の合わせ部116を適宜の個所をネジ止め等で固定することによってヒートプレート101を確実に支持するようにする。左右一対の遮蔽部材104の両方向からの組合せの操作は、図4に示すように左右から中央方向に近接させ(図4中左右矢印方向)、空所部118を形成するようにする。遮蔽部材104を両方向から中央方向に近接させると、遮蔽部材の内側の壁の凸部117は、ヒートプレート基部103のテーパー105面に沿って中央方向(内側方向)に移動し、テーパー空隙119に嵌合、密閉するように働く。ヒートプレートは、遮蔽部材104の合わせ部116方向に移動する(図4中、下向きの矢印方向)。遮蔽部材凸部117の移動にしたがって、パッキング102は、ヒートプレート101に対して左右、上下に強く押し付けられ、結果的に図5に示すようにテーパー空隙119に遮蔽部材凸部117が完全に嵌合し、パッキング102が遮蔽部材104に強固に装着されることになり、蒸気遮断性が格段に向上する。
図6は、ヒートプレート101が本発明のV字型ヘアアイロン本体を構成する一対(図中、上下)の髪挟持アームのうちの片方(上部分)の髪挟持アーム107の長手方向の断面図である。髪挟持アーム107は、遮蔽部材104によって遮蔽された空所部118にヘアヒートプレート101を強固に支持しており、該アームのグリップ部106の端は軸108で開閉自在に連結されて、軸受部に備えたバネ112の付勢により、常時、開閉自在の一対のアームが互いに開方向に維持されており、ヒートプレート101は互いに向かい合わせになるように支持され、加温時に髪を挟持するようになっている。髪挟持アーム107は、適宜の保護シート、固定部110及び温度表示部114を有している。
本発明のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンは、上述するように開閉自在の一対の髪挟持アーム107のV字型グリップ106を軸部108により回動可能に連結した構造であり、このバネの付勢により、V字型グリップ106のアーム107を閉じたときに、ヒートプレート101が平行になって、表面同士が全面にわたって密着して髪を挟持するように構成されている。
V字型グリップ106のアーム107には、ヒートプレート101の裏面(髪の接触面の反対側)に熱源プレート115が配置されており、温度切替えスイッチ120によって温度コントローラ113に温度調節した熱源プレート115によって隣接するヒートプレート101を加熱し、その温度を温度表示部114で示すようになっている。
本発明のV字型髪挟持アームタイプのヘアアイロンは、左右一対の遮蔽部材104を図5の矢印方向に示すように左右から合わせた一対の遮蔽部材104から構成されているが、該一対の遮蔽部材によって熱源プレート115及びヒートプレート101を収納する空所部と、グリップ部106の側に空所部を形成する。図6では、温度コントローラ113をグリップ側の空所部に配置しているが、本発明ではパッキングのタイトな装着により、蒸気遮断性が改善されているので、ヒートプレート101の側の空所部118に配置することも可能である。
また、熱源プレート及びヒートプレート101を収納してなる空所部及びグリップ側の空所部の、蒸気遮断性をより一層高めるために両空所部の連結域の一対の遮蔽部材104の合わせ部116に第2のパッキング109’を配置することが効果的である。すなわち、図6のB−B断面である図7に示されるように、第2のパッキング109’を配置することによって、ヒートプレート101周辺の高温蒸気を遮断して、熱源プレート及びヒートプレートを収納した空所部とグリップ側の空所部の蒸気遮断性を完全に達成することができる。
上記本発明のヘアアイロンの使用方法は、従来のV字型髪挟持アーム型のヘアアイロンと同じである。すなわち、ヘアにパーマ液を塗布し、ヒートプレート101を所定温度に加熱した状態で、V字型グリップ106を操作して、ヒートプレート101間に所定量のヘアを挟む。このとき、ヘアに塗布されたパーマ液が蒸発し、高温の蒸気が発生する。蒸気は、ヒートプレート101間から四方へ排出されるが、左右一対の遮蔽部材104を左右から合わせる際に、パッキング102がヒートプレート基部103と遮蔽部材凸部117がテーパー105に沿ってテーパー空隙に完全に嵌合されて強固に装着され、形成された空所部の蒸気遮断性が完全であるので、グリップ側又はヒートプレート側の空所部に収納されている熱源プレート115や温度コントローラ113が安全、かつ安定に作動することが可能である。
【産業上の利用可能性】
以上に説明したとおり、本発明のヘアアイロンは、V字型ヘアアイロンを構成する開閉自在の一対のアームの対向面に取り付けられたヒートプレートの基部にに設けたテーパーを利用することによってパッキングを遮蔽部材に強固に装着でき、パッキング素材の耐熱性弾性体の弾性を極力生かすことによって、パーマ施術時に発生するパーマ液蒸気の滲入を完全に防止することにより、電気的安全性を改善することができる。また、手元側に温度切替え装置の外に、温度コントローラや温度表示器を配置することができるので、手元での温度コントロールと温度表示が可能となり、パーマ施術時の手数が大幅に改善された。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
髪挟持アームを構成する左右一対の遮蔽部材によって遮蔽された空所部に温度調節可能な熱源プレート及びそれに接して閉時に髪を挟持するためのヒートプレートを収納してなる開閉自在の一対の髪挟持アームからなり、該髪挟持アームの一方端を軸で開閉自在に連結し、軸受部に備えたバネの付勢により、常時該開閉自在の一対のアームを互いに開方向に維持し、該ヒートプレートを互いに向かい合わせに装着してなるV字型髪挟持タイプのヘアアイロンにおいて、該ヒートプレートの空所部側の基部にテーパーを設け、かつ該テーパーによって形成された空隙に嵌合するパッキングによって該空所部の蒸気遮断性を向上させ、分解組立を容易にしてなることを特徴とするヘアアイロン。
【請求項2】
上記熱源プレート及びヒートプレートを収納してなる髪挟持アームの該遮蔽部材によって遮蔽された一方側の空所部と、該髪挟持アームの該遮蔽部材によって遮蔽された他方側の空所部との連結域にパッキングを配置することによって両方の空所部の蒸気遮断性を改善してなることを特徴とする請求項1記載のヘアアイロン。
【請求項3】
熱源プレート及びヒートプレートを収納してなる該一方側の空所部又は該他方側の空所部に温度コントローラ及び/又は温度表示器を配置してなることを特徴とする請求項1又は2記載のヘアアイロン。

【国際公開番号】WO2005/011434
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【発行日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−512555(P2005−512555)
【国際出願番号】PCT/JP2004/011112
【国際出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(593022906)ファイルド株式会社 (10)