ヘアカラーのシミュレーションシステム及び方法、コンピュータプログラム
【課題】染色対象者のアンダーカラーを反映した、適切な染色後のヘアカラーを表示できるようにする。
【解決手段】髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムは、髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、染色対象者のアンダーカラーの種別と染色材料の種類とを入力可能な入力部(クライアント端末3)と、入力されたアンダーカラーの種別と、入力された染色材料の種類に対応する座標データとを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、求められた推定座標値に対応する髪色の顔画像を画面表示する表示部(クライアント端末3)とを備える。
【解決手段】髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムは、髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、染色対象者のアンダーカラーの種別と染色材料の種類とを入力可能な入力部(クライアント端末3)と、入力されたアンダーカラーの種別と、入力された染色材料の種類に対応する座標データとを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、求められた推定座標値に対応する髪色の顔画像を画面表示する表示部(クライアント端末3)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムとそのシミュレーション方法、及び、そのシステムに用いるコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
美容室又は理髪店(以下、「ヘアサロン」と総称する。)においてヘアカットや髪染めを行う場合、サロン店員は、雑誌などのカタログを用いて複数のヘアスタイルやヘアカラーを顧客に提示し、その中から所望のヘアスタイル等を選択させるのが通常である。
しかし、雑誌などのカタログでは提示できる例が少ないので、サロン店員と顧客の認識の不一致が生じ易い。このため、顧客がカット後や染色後の出来映えに不満を抱くことがあり、これが原因でヘアサロンに顧客が定着しない場合がある。
【0003】
そこで、顧客の顔画像を撮影するカメラと、複数のヘアスタイルやヘアカラーのサンプル画像を記憶しており、撮影した顔画像にサンプル画像を合成するパソコンよりなる画像処理装置と、その合成画像を画面表示するディスプレイとから構成されたシミュレーションシステムが提案されている(特許文献1参照)。
このシステムによれば、種々のサンプル画像を顧客の顔画像に合成してディスプレイに表示するので、顧客の選択肢が広がってサロン店員との認識の不一致を防止できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−3724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
髪の染色材料は、染色対象者の髪の下地色(以下、「アンダーカラー」という場合がある。)に影響され難いように、高い浸透性と発色性を有する薬剤よりなるが、染色前のアンダーカラーの影響が強い場合は、染色後に所望の髪色が発現しないことがある。
しかし、従来のシミュレーションシステムでは、染色材料のサンプル色を補正せずにそのまま顧客の顔画像に合成するので、アンダーカラーの色味によっては、実際に染色した場合の髪色がディスプレイに表示された染色後の髪色と相違することがある。
【0006】
このため、従来のシミュレーションシステムでは、実際の染色後の髪色が予めディスプレイに表示された髪色と異なるとの印象を顧客が受けた場合に、却って顧客の不満を誘発する場合があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示できるシミュレーションシステムを提供することを第1の目的とする。
【0007】
一方、ヘアサロンにおいては、多彩なヘアカラーを顧客に提供するため、サロン店員が複数の染色材料を混合して所望色の混合材料を作製し、作製した混合材料で染色を行う場合がある。しかし、比較的ベテランのサロン店員でも、所望色の混合材料が得られる色の組み合わせ(レシピ)をそれほど多くは把握していない。
このため、混合材料を用いた染色を顧客に提案する場合に、ワンパターンの提案になることがあり、多彩な嗜好に沿った提案を行うのが困難であった。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるシミュレーションシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明のシミュレーションシステムは、髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムであって、髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、染色対象者のアンダーカラーの種別と前記染色材料の種類とを入力可能な入力部と、入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示する表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明のシミュレーションシステムによれば、制御部が、入力されたアンダーカラーの種別と、入力された染色材料の種類に対応する座標データとを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求め、表示部が、求められた推定座標値に対応する髪色の顔画像を画面表示する。
このため、システムのユーザー(例えば、サロン店員)が染色対象者(例えば、顧客)のアンダーカラーの種別と使用する染色材料の種類を入力すれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
【0011】
(2) 本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記入力部が、前記アンダーカラーの種別としてメラニンタイプを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データを入力された前記メラニンタイプに基づいて補正することにより、前記推定座標値を求めるようにすれば、染色対象者のアンダーカラーのメラニンタイプを反映した、適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。
【0012】
(3) また、本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記記憶部が、前記座標データを前記アンダーカラーの明度レベルごとに記憶しており、前記入力部が、前記アンダーカラーの種別として前記明度レベルを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された前記染色材料の種類と入力された前記明度レベルに対応する前記座標データを抽出することにより、前記推定座標値を求めるようにすれば、染色対象者のアンダーカラーの明度レベルを反映した、適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。
【0013】
(4) 更に、本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記記憶部が、異なる種類の前記染色材料を混合する場合の色空間の座標値の補正係数を、当該染色材料の種類ごとに記憶しており、前記入力部が、混合する前記染色材料の種類とその混合比とを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された種類の前記染色材料の前記座標データ、前記補正係数及び前記混合比に基づいて、混合後の前記染色材料の前記推定座標値を求めるようにすれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
【0014】
(5) 本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記制御部は、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を、前記推定座標値を求めるのに用いた関連情報とともに前記記憶部に登録することが好ましい。
このようにすれば、登録された顔画像と上記関連情報(使用した染色材料の種類やその混合比など)を記憶部から読み出して染色対象者に提示して、過去にシミュレーションした染色後のヘアカラーの顔画像と上記関連情報を、染色対象者に即座に提案できる。
【0015】
(6) 本発明のシミュレーション方法は、本発明のシミュレーションシステムが行う上述の処理を方法発明として捉えた発明である。従って、本発明のシミュレーション方法は、本発明のシミュレーションシステムと同様の作用効果を奏する。
(7) 本発明のコンピュータプログラムは、本発明のシミュレーションシステムが行う上述の処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。従って、本発明のコンピュータプログラムは、本発明のシミュレーションシステムと同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
以上の通り、本発明によれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示できるので、染色対象者に適切なカラーリングのカウンセリングを行うことができる。
また、本発明によれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるので、染色対象者の多彩な嗜好に沿った提案を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るシミュレーションシステムの全体構成図である。
【図2】サーバコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図3】画像ファイルのデータベースの構造図である。
【図4】染色材料ごとの標準座標値を定義した座標テーブルを示す図である。
【図5】(a)は染色材料の色調ごとの色係数を示すテーブルであり、(b)は染色材料の明度レベルごとの明度係数を示すテーブルである。
【図6】シミュレーション処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】クライアント端末のスタート画面を示す図である。
【図8】同端末のスタイルの設定画面を示す図である。
【図9】同端末のアンダーカラーの設定画面を示す図である。
【図10】同端末のレシピの追加・選択画面(補正処理前)を示す図である。
【図11】同端末のカラー選択画面(選択前)を示す図である。
【図12】同端末の材料表示画面を示す図である。
【図13】同端末のカラー選択画面(選択後)を示す図である。
【図14】同端末のレシピの追加・選択画面(補正処理後)を示す図である。
【図15】同端末のコレクションの保存設定画面を示す図である。
【図16】同端末のコレクションの一覧表示画面を示す図である。
【図17】同端末のコレクションの詳細表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明を好適に適用可能なシミュレーションシステムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のシミュレーションシステムは、インターネット等の公衆通信網1を通じて通信可能に接続されたサーバコンピュータ2(以下、単に「サーバ2」という場合がある。)と、1又は複数のクライアント端末3とを備えている。
【0019】
サーバコンピュータ2は、染色材料の製造業者等が運営するウェブサーバよりなり、クライアント端末3と共通するウェブブラウザを通じてHTMLや画像などのオブジェクトを提供するサービスプログラムを有する。
本実施形態のサービスプログラムは、クライアント端末3がウェブブラウザを通じて入力した条件に応じて、所定の染色材料を用いて染色した場合の顔画像を提示するウェブアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」という。)よりなる。
【0020】
クライアント端末3は、ヘアサロンに収容されたタブレット端末3A、デスクトップパソコン3B又はノートパソコン3C等よりなる。
これらのクライアント端末3は、無線又は有線LANを通じて公衆通信網1と通信可能に繋がっており、所定のURLを入力してサーバ2のアプリケーションにアクセスし、サーバ2の運営者から通知されたID番号とパスワードを入力することにより、当該アプリケーションを利用した所定のシミュレーションサービスを受けることができる。
【0021】
〔サーバコンピュータの構成〕
図2は、サーバコンピュータ2の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のサーバコンピュータ2は、制御部21と、通信部22と、入力デバイス23と、ディスプレイ24と、記憶部25とを有する。
このうち、制御部21は、他の各部22〜25を統括的に電子制御する複数のマイクロプロセッサを含む。また、記憶部25は、各種データの書き込みと読み出しが可能なROM及びRAMを含む。
【0022】
通信部22は、インターネット通信が可能な通信インタフェースよりなる。通信部22は、クライアント端末3から受信したHTTPリクエストを制御部21に送り、制御部21から受けたHTTPレスポンスを所定のクライアント端末3宛てに送信する。
入力デバイス23は、マウスやキーボードなどのヒューマンインタフェースよりなる。ディスプレイ24は、制御部21の描画機能によって制御される、例えばブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機ELディスプレイなどよりなる。
【0023】
制御部21は、記憶部25に格納された前記アプリケーションを読み出して実行することにより、所定のクライアント端末3から取得したHTTPリクエストに応じた処理を実行し、その処理結果であるHTTPレスポンスを通信部22に送信させる。
記憶部25は、前記アプリケーションを格納するプログラム格納領域と、使用するデータの一時的な格納領域と、当該アプリケーションのサービスに必要な画像ファイルFのデータベースDB1及び染色材料のデータベースDB2とを備えている。
【0024】
〔画像ファイルのデータベース〕
図3は、画像ファイルFのデータベースDB1の構造図である。
図3に示すように、データベースDB1は、同じ顔画像(本実施形態では、図8に示す「モデル」の顔画像)のヘア部分に異なるヘアカラーを施して作製された多数の画像ファイルFが含まれており、この多数の画像ファイルFを、ヘアカラーのHSB空間の座標値(以下、「HSB値」という。)ごとに3次元配列したデータ構造になっている。
【0025】
すなわち、HSB空間の色相Hは、0〜360の数値範囲を所定値(例えば、1.0)ごとに区分され、彩度S及び明度Bは、0〜100の数値範囲を所定値(例えば、1.0)ごとに区分されており、このように区分されたHSB値ごとに、所定のヘアスタイルで撮影された同じモデルの顔画像の画像ファイルFが格納されている。
なお、本実施形態では、複数のヘアスタイルの顔画像を選択可能としているので、図3に示すデータベースDB1は選択可能なヘアスタイルのモデルごとに存在する。
【0026】
〔染色材料のデータベース〕
染色材料のデータベースDB2には、使用可能な染色材料ごとの座標データを定義した図4に示す座標テーブルCTが含まれている。
この座標テーブルCTは、使用可能な染色材料の商品名をエントリに含む。各エントリには、アンダーカラーごとのRGB空間における座標データ(以下、「RGBデータ」という。)が記録されている。
【0027】
図4において、「標準」はメラニンレベルが赤味でも黄味でもない標準色であることを意味し、「LV」は髪の明度レベルのことを意味する。明度レベルは、値が大きいほど明度が高くなるように髪の明度を15段階で記述する指標であり、ここでは日本人の平均的な黒髪が「4LV」で表され、脱色作用によって最大限に明るくなった状態を「15LV」で表される。
この座標テーブルCTに含まれる各RGBデータは、特定の染色材料を用いて実際に標準色の髪(ただし、明度レベルについては5段階に区分)に染色した場合のヘアカラーのRGB値を測定し、その測定値をデータ化したものである。
【0028】
すなわち、本実施形態の座標テーブルCTでは、アンダーカラーのメラニンレベルを「標準」に固定し、「14LV」、「12LV」、「10LV」、「8LV」及び「4LV」の5段階の明度レベルごとに、染色後のヘアカラーのRGBデータが記録されている。
なお、図4の「ヤク(白地)」は、染色材料を白地の物体に塗った場合のRGBデータである。また、周知の通り、RGBデータは加法混色であるため、R値、G値及びB値がすべて最大値(255)の場合は白色となり、最小値(0)の場合は黒色となる。
【0029】
図4の例では、紙面範囲の制限から2種類の染色材料(8BAと8R)のみがエントリされているが、本実施形態のシステムで使用可能な染色材料の種類は、図12に示すように、合計15種類の色合いと明度が2〜14までのものが含まれる。
本実施形態のシステムでは、染色材料の種類名(商品名)として、明度の後に色合いを記載して表示する。例えば、色合いが「N(Natural )」でかつ明度が「10」の染色材料の種類名は、「10N」となる。
【0030】
また、染色材料のデータベースDB2は、染色材料を混合する場合の座標データの補正係数を定義した2つのテーブルT1,T2を含む。この2つのテーブルは、図5(a)に示すテーブルT1と、図5(b)に示すテーブルT2とからなる。
このうち、図5(a)のテーブルT1は、染色材料の色合いについての補正係数である「色係数」を定義したものであり、図5(b)のテーブルT2は、染色材料の明度についての補正係数である「明度係数」を定義したものである。
【0031】
例えば、異なる2色の染色材料を混合して混合材料を作製する場合、一方の染色材料の色合いが混合材料の色合いに与える影響が強い場合は、両者を同じ容積比で混合しても、所望の色合いの混合材料を得ることができない。
そこで、使用可能な染色材料の色合い名ごとに、混合後の色合いに与える影響度を予め実験によって数値化し、その数値を原液の色合い名ごとに纏めたものが、テーブルT1である。なお、混合色の色合いに与える影響が小さい原液ほど、色係数の値は大きくなる。
【0032】
また、異なる2色の染色材料を混合して混合材料を作製する場合、一方の染色材料の明度レベルが混合材料の明度レベルに与える影響が強い場合は、両者を同じ容積比で混合しても所望の明度レベルの混合材料を得ることができない。
そこで、使用可能な染色材料の明度レベルごとに、混合後の明度レベルに与える影響度を予め実験によって数値化し、その数値を原液の明度レベルごとに纏めたものが、テーブルT2である。なお、原液の明度レベルが大きいほど、明度係数の値は小さくなる。
【0033】
〔シミュレーション処理の内容〕
図6は、サーバコンピュータ2の制御部21が実行する、シミュレーション処理の手順を示すフローチャートである。また、図7〜図17は、上記シミュレーション処理の手順において表示されるクライアント端末3の表示画面を示している。
以下、これらの図を参照して、本実施形態のシミュレーションシステムの処理内容を説明する。なお、以下においては、クライアント端末3が、画面表示されたアイコン等に対して指やタッチペンで入力可能なタブレット端末3Aである場合を想定している。
【0034】
(開始処理)
まず、サロン店員であるタブレット端末3Aのユーザは、ウェブブラウザを操作してサーバ2のアプリケーションにアクセスする。
その後、ユーザが、図示しない入力画面おいて、サーバ運営者から通知されたID番号とパスワードを入力すると、サーバ2の制御部21は、システムの開始処理を実行し(図6のステップST1)、図7に示すスタート画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0035】
図7のスタート画面には、スタートアイコンC1と、コレクションの一覧表示画面(図16)への移動アイコンC2と、システムの操作方法とヘルプ画面(図示せず)への移動アイコンC3とが含まれる。
ユーザがスタートアイコンC1をタッチすると、サーバ2の制御部21は、スタイルの選択処理(図6のステップST2)に移行し、図8に示すスタイルの選択画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0036】
また、ユーザが移動アイコンC2をタッチすると、サーバ2の制御部21は、コレクションの参照処理(図6のステップST6)に処理を移行し、図16に示すコレクションの一覧表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。なお、このコレクションの参照処理については後述する。
【0037】
〔スタイルの選択処理〕
図8のスタイルの設定画面には、ヘアスタイルが異なる複数の顔画像が表示されたサムネイルC4と、選択された顔画像を拡大する拡大表示部C5と、決定アイコンC6及び戻りアイコンC7とが含まれている。
サムネイルC4に含まれる複数の顔画像は、データベースDB1に含まれる画像ファイルFの中から予め選定されたものであり、複数の顔画像のうちの1つをユーザがタッチして選択すると、制御部21は、選択された顔画像を拡大表示部C5に表示させる。
【0038】
上記選択の後でユーザが決定アイコンC6をタッチすると、制御部21は、選択中の顔画像の画像ファイルFを決定画像として記憶部25に一時的に記憶させるとともに、アンダーカラーの設定処理(図6のステップST3)に処理を移行し、図9に示すアンダーカラーの設定画面をタブレット端末3Aに表示させる。
なお、図8に示す戻りアイコンC7は、スタイルの非選択状態に処理を戻すためのアイコンである。
【0039】
〔アンダーカラーの設定処理〕
図9のアンダーカラーの設定画面には、決定画像の拡大表示部C8と、メラニンタイプの選択部C9と、明度レベルの選択部C10と、決定アイコンC11及び戻りアイコンC12とが含まれている。
拡大表示部C8には、前記スタイルの選択処理で決定された、記憶部25に一時的に記憶されている決定画像が拡大して表示される。
【0040】
メラニンタイプの選択部C9には、ヘアサロンの顧客である染色対象者の髪のメラニンタイプを設定するための設定ボタンが含まれている。図9の例では、上から順に、「赤味が強い」、「標準毛」及び「黄味が強い」の3種類の設定ボタンがある。
また、明度レベルの選択部C10には、染色対象者の髪の明度レベルを設定するための設定ボタンが含まれている。図9の例では、上から順に、「14レベル」、「12レベル」、「10レベル」、「8レベル」及び「4レベル」の5種類の設定ボタンがある。
【0041】
ユーザは、染色対象者のアンダーカラーを目視して観察し、その観察結果に最も近いメラニンタイプと明度レベルに対応する設定ボタンをタッチすることにより、染色対象者のアンダーカラーの設定入力を行う。
サーバ2の制御部21は、メラニンタイプの選択部C9への入力種別に応じて、アンダーカラーのメラニンタイプを考慮した座標データの補正処理を行う。また、制御部21は、明度レベルの選択部C10への入力種別に応じて、アンダーカラーの明度レベルに対応する座標データの選択処理を行う。なお、これらの処理の詳細は後述する。
【0042】
図9に示す決定アイコンC11が操作されると、サーバ2の制御部21は、入力されたアンダーカラーのメラニンタイプと明度レベルを記憶部25に一時的に記憶させるとともに、レシピの追加・選択処理(図6のステップST4)に移行し、図10に示すレシピの追加・選択画面(補正前)をタブレット端末3Aに表示させる。
なお、図9に示す戻りアイコンC12は、アンダーカラーのメラニンタイプと明度レベルを非設定状態に戻すためのアイコンである。
【0043】
〔レシピの選択・追加処理〕
図10のレシピの追加・選択画面には、決定画像の拡大表示部C13と、オリジナルレシピの追加部C14と、他の画面への移動部C15とが含まれている。
拡大表示部C13には、前記スタイルの選択処理で決定された、記憶部25に一時的に記憶されている決定画像が拡大して表示される。なお、図10の拡大表示部C13には、モデル頭部の正面(顔画像)だけでなく、側面と背面の画像がサムネイル表示され、その中から選択された1つの面の画像が拡大表示される。
【0044】
オリジナルレシピの追加部C14には、「おすすめレシピ」の選択ボタンと、ユーザがこれからシミュレーションしようとする「ユーザオリジナルレシピ」の追加ボタンが含まれている。
このうち、ユーザが「おすすめレシピ」の「詳細を見る」の部分をタッチすると、サーバ2の運用者が推奨するレシピの詳細画面(図示せず)がタブレット端末3Aに表示される。また、ユーザが「ユーザオリジナルレシピ」の選択ボタンをタッチすると、制御部21は、図11のカラー選択画面(選択前)をタブレット端末3Aに表示させる。
【0045】
図11のカラー選択画面には、左右に配置された2つの材料選択部C16,C17と、色名表示部C18と、決定アイコンC19と、戻りアイコンC20とが含まれている。
2つの材料選択部C16,C17のうち、左側の材料選択部C16は、混合したい染色材料の一方の色(A色)を選択する部分であり、右側の材料選択部C17は、混合した染色材料の他方の色(B色)を選択する部分である。これらの材料選択部C16,C17には、それぞれ、A色又はB色を選択するかしないかの設定ボタンと、選択した場合の商品名(染色材料の名称)の表示部と、選択する場合の混合比の入力部と、クリアボタンとが含まれている。
【0046】
ここで、ユーザがA色を選択すると、サーバ2の制御部21は、図12のカラー表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
このカラー表示画面は、データベースDB2に含まれる複数種類の染色材料を、色合い別に幅方向に並べかつ明度別に縦方向に並べた2次元配列のマトリックス構造になっている。このカラー表示画面の特定色の部分をユーザがタッチすると、A色に選択する染色材料を選択できるようになっている。
【0047】
図12のカラー表示画面において、例えば、A色として「8N」の染色材料をユーザが選択すると、サーバ2の制御部21は、図13に示すように、カラー選択画面のA色の材料選択部C16に、選択された「8N」の染色材料の色と、その商品名(この場合は、「8N」)を表示させる。
また、図12のカラー表示画面において、ユーザがB色を選択した場合も、サーバ2の制御部21は、図12のカラー表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0048】
図12のカラー表示画面において、例えば、B色として「6Be」の染色材料をユーザが選択すると、サーバ2の制御部21は、図13に示すように、カラー選択画面のB色の材料選択部C17に、選択された「6Be」の染色材料の色と、その商品名(この場合は、「6Be」)を表示する。
また、図13に示すように、カラー選択画面の色名表示部C18には、A色とB色で選択された染色材料の商品名と、混合比とが表示される。
【0049】
A色及びB色の種類とその混合比が入力された後に、図13に示す決定アイコンC19をユーザがタッチすると、サーバ2の制御部21は、A色とB色の材料選択部C16,C17にて選択された染色材料の種類と混合比を記憶部25に一時的に記憶させる。
また、制御部21は、選択された染色材料の種類等に基づいて後述の推定RGB値の算出処理と、推定RGB値をHSB値に変換する処理とを行う。そして、制御部21は、求めたHSB値に対応する画像ファイルFを特定する。
【0050】
なお、ユーザはA色とB色の2色を必ず選択する必要はなく、A色とB色のいずれか一方のみ対する選択を行って決定アイコンC19をタッチすることにより、単色でのシミュレーションを行うことができる。
【0051】
(推定RGB値の算出処理)
サーバ2の制御部21は、次の第1〜第3処理を順に行うことにより、A色又はB色若しくはこれらの双方の混合材料として選択された染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の、推定RGB値(色空間の推定座標値)を求める。
【0052】
1)第1処理:明度レベルに基づくRGBデータの抽出
まず、サーバ2の制御部21は、選択された染色材料の種類と明度レベルとに対応するRGBデータをデータベースDB2から抽出し、抽出したRGBデータを仮の推定RGB値に設定する。
なお、A色とB色の双方の染色材料が選択されている場合には、双方の染色材料について上記の仮の推定RGB値を設定する。
【0053】
2)第2処理:メラニンタイプを用いたデータ補正
次に、サーバ2の制御部21は、選択されたアンダーカラーのメラニンタイプに応じて上記の仮の推定RGB値に対するデータ補正処理を行う。このデータ補正処理は、選択されたメラニンタイプの種類に応じて、次のa)〜c)の処理よりなる。
a)メラニンタイプが「標準毛」の場合
仮の推定RBG値をそのまま推定RBG値として採用する。すなわち、メラニンタイプでの補正を行わない。
【0054】
b)メラニンタイプが「赤味が強い」の場合
仮の推定RGB値を次式によって補正する。
R値=仮のR値−(255−仮のR値)×0.04
G値=仮のG値−(255−仮のG値)×0.07
B値=仮のB値−(255−仮のB値)×0.07
【0055】
c)メラニンタイプが「黄味が強い」の場合
仮の推定RGB値を次式によって補正する。
R値=仮のR値+(255−仮のR値 )×0.07
G値=仮のG値+(255−仮のG値 )×0.07
B値=仮のB値+(255−仮のB値 )×0.04
【0056】
なお、上記b)の補正式において、R値の補正係数(0.04)がG値及びB値の補正係数(0.07)よりも小さく設定されている理由は、アンダーカラーの赤味の強さを考慮し、赤色に影響するR値の変動幅をG値とB値よりも低下させるためである。また標準毛よりも全体の数値が減少する設定としている理由は、標準毛よりもやや明度レベルを低くさせるためである。
同様に、上記c)の補正式において、B値の補正係数(0.04)がR値及びG値の補正係数(0.07)よりも小さく設定されている理由は、アンダーカラーの黄味の強さを考慮し、黄色に影響するB値の変動幅をR値とG値よりも低下させるためである。また標準毛よりも全体の数値が増加する設定としている理由は、標準毛よりもやや明度レベルを高くさせるためである。
【0057】
3)第3処理:2液混合の場合のRGB値の算出
また、サーバ2の制御部21は、A色とB色の双方が選択されている場合には、選択されたA色とB色に対応する色係数と明度係数をデータベースDB2から特定し、この色係数及び明度係数と、ユーザが設定した混合比とを用いて、第1及び第2処理によって得られた各色のRGB値を混合色のRGB値に変換する。
この変換式は次の通りである。この変換式は、A色とB色のRGB値を両色の色係数、明度係数及び混合比を重みとして配分して、混合色のRGB値とするものである。
【0058】
混合色のR値=
{(A色のR値×A色の色係数×A色の明度係数×A色の混合比)+(B色のR値× B色の色係数×B色の明度係数×B色の混合比)}
÷{(A色の色係数×A色の明度係数×A色の混合比)+(B色の色係数×Bの明度係 数×B色の混合比)}
ただし、混合色のB値とG値についても、上記式と同様である。
【0059】
(座標変換処理)
次に、サーバ2の制御部21は、算出した推定RGB値を画像ファイルFの色空間であるHSB値に変換する。この変換式は次式の通りである。
【数1】
【0060】
更に、サーバ2の制御部21は、選択されたスタイルに含まれる多数の画像ファイルFの中から、変換後のHSB値に最も近い色の画像ファイルFを探索する。この探索は、例えば、H値、S値及びB値のそれぞれについて、2分探索によるファイル検索を実行することによって行うことができる。
そして、サーバ2の制御部21は、探索した画像ファイルFを図14に示すレシピの追加・選択画面(補正処理後)に表示させる。従って、図14の拡大表示部C13に表示される顔画像のヘアカラーは、選択された染色材料で染色した場合の髪色になっている。
【0061】
図14のレシピの追加・選択画面において、ユーザが移動部C15の「コレクションに保存する」の設定ボタンをタッチすると、サーバ2の制御部21は、コレクションの保存設定処理(図6のステップST15)に移行し、図15に示すコレクションの保存設定画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0062】
〔コレクションの保存設定処理〕
図15のコレクションの保存設定画面には、画像ファイルFの拡大表示部C21と、カラー情報の表示部C22と、保存アイコンC23と、戻りアイコンC24とが含まれる。
拡大表示部C21には、前記レシピの追加・選択処理で決定された、染色後のヘアカラーを反映した画像ファイルFが拡大して表示される。
【0063】
カラー情報の表示部C22には、上から順に、「保存日」、「コレクション名」、「色名」、「レシピ」(混合色の材料と混合比)、「アンダーカラー設定」及び「コメント」の欄が設けられている。
このうち、コレクション名の欄には、ユーザが任意に定めた名称を入力でき、コメント欄には、追加する色についての任意のドキュメントを入力することができる。そして、ユーザが、保存アイコンC23をタッチすると、サーバ2の制御部21は、画像ファイルFとこの関連情報(コレクション名やレシピ等)を記憶部25に登録する。なお、戻りアイコンC24は、処理を1つ前の画面に戻すためのものである。
【0064】
(コレクションの参照処理)
図16は、コレクションの一覧表示画面を示している。この一覧表示画面は、図7の移動アイコンC2や図14の保存アイコンC23がタッチされた場合に表示される。
図16のコレクションの参照画面には、シミュレーションの後で保存処理された画像ファイルFの表示部が複数配列されている。複数の表示部のうちのいずれかをユーザがタッチすると、サーバ2の制御部21は、図17に示すコレクションの詳細表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0065】
図17のコレクションの詳細表示画面には 画像ファイルFの拡大表示部C21とカラー情報の表示部C22の他に、送信アイコンC25と、変更アイコンC26と、戻りアイコンC27とが設けられている。
ユーザが送信アイコンC25をタッチすると、タブレット端末3Aの制御部(図示せず)がメールソフトを立ち上げて、表示中の画像ファイルFの表示画面へのリンクアドレスが添付されたEメールを生成する。また、変更アイコンC26は、ユーザがコレクションの名称やコメントの内容を変更する場合に操作するものであり、戻りアイコンC27は、1つ前のコレクションの参照画面(図16)に処理を戻すためのものである。
【0066】
〔シミュレーションシステムの効果〕
以上の通り、本実施形態のシミュレーションシステムによれば、サーバ2の制御部21が、タブレット端末3Aに入力されたアンダーカラーの種別(メラニンタイプや明度レベル)と染色材料の種類から特定されるRGBデータを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の推定RGB値を求め、タブレット端末3Aが、求められた推定RGB値に対応する髪色の画像ファイルFを画面表示する。
【0067】
このため、システムのユーザであるサロン店員が、例えば顧客である染色対象者のアンダーカラーの種別と使用する染色材料の種類をタブレット端末3Aに入力すれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーをタブレット端末3Aに表示することができる。従って、染色対象者に適切なカラーリングのカウンセリングを行うことができる。
【0068】
また、本実施形態のシミュレーションシステムによれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるので、染色対象者の多彩な嗜好に沿った提案を容易に行えるとともに、普段は試したことのない種類の染色材料やアンダーカラーに対応した組み合わせ方を、ユーザが実験的に簡単に検証することができ、ユーザの知識やスキルの向上に役立てることができる。
【0069】
〔その他の変形例〕
今回開示した上述の実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、アンダーカラーを考慮した推定RGB値を求めるに当たって、明度レベルに基づくRGBデータの抽出(第1処理)とメラニンタイプを用いたデータ補正(第2処理)を行っているが、このうちのいずれか1つの処理のみを行うことにしてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、各染色材料の染色後の色彩をRGBデータによってデータ化しているが、例えばCMYやHSBなどの他の色空間の座標データによってデータ化することにしてもよい。
また、上述の実施形態では、サーバコンピュータ2とクライアント端末3とからなるシミュレーションシステムを例示したが、本発明のシミュレーションシステムを1台のコンピュータで実装することもできる。
【0071】
更に、上述の実施形態では、画像ファイルFが予め撮影されたモデルの顔画像となっているが、現地で撮影した染色対象者の写真データにシミュレーション後のヘアカラーを合成することにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 公衆通信網
2 サーバコンピュータ
3 クライアント端末(入力部、表示部)
21 制御部
22 通信部
23 入力デバイス
24 ディスプレイ
25 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムとそのシミュレーション方法、及び、そのシステムに用いるコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
美容室又は理髪店(以下、「ヘアサロン」と総称する。)においてヘアカットや髪染めを行う場合、サロン店員は、雑誌などのカタログを用いて複数のヘアスタイルやヘアカラーを顧客に提示し、その中から所望のヘアスタイル等を選択させるのが通常である。
しかし、雑誌などのカタログでは提示できる例が少ないので、サロン店員と顧客の認識の不一致が生じ易い。このため、顧客がカット後や染色後の出来映えに不満を抱くことがあり、これが原因でヘアサロンに顧客が定着しない場合がある。
【0003】
そこで、顧客の顔画像を撮影するカメラと、複数のヘアスタイルやヘアカラーのサンプル画像を記憶しており、撮影した顔画像にサンプル画像を合成するパソコンよりなる画像処理装置と、その合成画像を画面表示するディスプレイとから構成されたシミュレーションシステムが提案されている(特許文献1参照)。
このシステムによれば、種々のサンプル画像を顧客の顔画像に合成してディスプレイに表示するので、顧客の選択肢が広がってサロン店員との認識の不一致を防止できると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−3724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
髪の染色材料は、染色対象者の髪の下地色(以下、「アンダーカラー」という場合がある。)に影響され難いように、高い浸透性と発色性を有する薬剤よりなるが、染色前のアンダーカラーの影響が強い場合は、染色後に所望の髪色が発現しないことがある。
しかし、従来のシミュレーションシステムでは、染色材料のサンプル色を補正せずにそのまま顧客の顔画像に合成するので、アンダーカラーの色味によっては、実際に染色した場合の髪色がディスプレイに表示された染色後の髪色と相違することがある。
【0006】
このため、従来のシミュレーションシステムでは、実際の染色後の髪色が予めディスプレイに表示された髪色と異なるとの印象を顧客が受けた場合に、却って顧客の不満を誘発する場合があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示できるシミュレーションシステムを提供することを第1の目的とする。
【0007】
一方、ヘアサロンにおいては、多彩なヘアカラーを顧客に提供するため、サロン店員が複数の染色材料を混合して所望色の混合材料を作製し、作製した混合材料で染色を行う場合がある。しかし、比較的ベテランのサロン店員でも、所望色の混合材料が得られる色の組み合わせ(レシピ)をそれほど多くは把握していない。
このため、混合材料を用いた染色を顧客に提案する場合に、ワンパターンの提案になることがあり、多彩な嗜好に沿った提案を行うのが困難であった。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるシミュレーションシステムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明のシミュレーションシステムは、髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムであって、髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、染色対象者のアンダーカラーの種別と前記染色材料の種類とを入力可能な入力部と、入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示する表示部と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明のシミュレーションシステムによれば、制御部が、入力されたアンダーカラーの種別と、入力された染色材料の種類に対応する座標データとを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求め、表示部が、求められた推定座標値に対応する髪色の顔画像を画面表示する。
このため、システムのユーザー(例えば、サロン店員)が染色対象者(例えば、顧客)のアンダーカラーの種別と使用する染色材料の種類を入力すれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。従って、前記第1の目的が達成される。
【0011】
(2) 本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記入力部が、前記アンダーカラーの種別としてメラニンタイプを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データを入力された前記メラニンタイプに基づいて補正することにより、前記推定座標値を求めるようにすれば、染色対象者のアンダーカラーのメラニンタイプを反映した、適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。
【0012】
(3) また、本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記記憶部が、前記座標データを前記アンダーカラーの明度レベルごとに記憶しており、前記入力部が、前記アンダーカラーの種別として前記明度レベルを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された前記染色材料の種類と入力された前記明度レベルに対応する前記座標データを抽出することにより、前記推定座標値を求めるようにすれば、染色対象者のアンダーカラーの明度レベルを反映した、適切な染色後のヘアカラーを表示することができる。
【0013】
(4) 更に、本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記記憶部が、異なる種類の前記染色材料を混合する場合の色空間の座標値の補正係数を、当該染色材料の種類ごとに記憶しており、前記入力部が、混合する前記染色材料の種類とその混合比とを入力可能であることが好ましい。
この場合、前記制御部が、入力された種類の前記染色材料の前記座標データ、前記補正係数及び前記混合比に基づいて、混合後の前記染色材料の前記推定座標値を求めるようにすれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示することができる。従って、前記第2の目的が達成される。
【0014】
(5) 本発明のシミュレーションシステムにおいて、前記制御部は、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を、前記推定座標値を求めるのに用いた関連情報とともに前記記憶部に登録することが好ましい。
このようにすれば、登録された顔画像と上記関連情報(使用した染色材料の種類やその混合比など)を記憶部から読み出して染色対象者に提示して、過去にシミュレーションした染色後のヘアカラーの顔画像と上記関連情報を、染色対象者に即座に提案できる。
【0015】
(6) 本発明のシミュレーション方法は、本発明のシミュレーションシステムが行う上述の処理を方法発明として捉えた発明である。従って、本発明のシミュレーション方法は、本発明のシミュレーションシステムと同様の作用効果を奏する。
(7) 本発明のコンピュータプログラムは、本発明のシミュレーションシステムが行う上述の処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。従って、本発明のコンピュータプログラムは、本発明のシミュレーションシステムと同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
以上の通り、本発明によれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーを表示できるので、染色対象者に適切なカラーリングのカウンセリングを行うことができる。
また、本発明によれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるので、染色対象者の多彩な嗜好に沿った提案を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るシミュレーションシステムの全体構成図である。
【図2】サーバコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図3】画像ファイルのデータベースの構造図である。
【図4】染色材料ごとの標準座標値を定義した座標テーブルを示す図である。
【図5】(a)は染色材料の色調ごとの色係数を示すテーブルであり、(b)は染色材料の明度レベルごとの明度係数を示すテーブルである。
【図6】シミュレーション処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】クライアント端末のスタート画面を示す図である。
【図8】同端末のスタイルの設定画面を示す図である。
【図9】同端末のアンダーカラーの設定画面を示す図である。
【図10】同端末のレシピの追加・選択画面(補正処理前)を示す図である。
【図11】同端末のカラー選択画面(選択前)を示す図である。
【図12】同端末の材料表示画面を示す図である。
【図13】同端末のカラー選択画面(選択後)を示す図である。
【図14】同端末のレシピの追加・選択画面(補正処理後)を示す図である。
【図15】同端末のコレクションの保存設定画面を示す図である。
【図16】同端末のコレクションの一覧表示画面を示す図である。
【図17】同端末のコレクションの詳細表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明を好適に適用可能なシミュレーションシステムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態のシミュレーションシステムは、インターネット等の公衆通信網1を通じて通信可能に接続されたサーバコンピュータ2(以下、単に「サーバ2」という場合がある。)と、1又は複数のクライアント端末3とを備えている。
【0019】
サーバコンピュータ2は、染色材料の製造業者等が運営するウェブサーバよりなり、クライアント端末3と共通するウェブブラウザを通じてHTMLや画像などのオブジェクトを提供するサービスプログラムを有する。
本実施形態のサービスプログラムは、クライアント端末3がウェブブラウザを通じて入力した条件に応じて、所定の染色材料を用いて染色した場合の顔画像を提示するウェブアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」という。)よりなる。
【0020】
クライアント端末3は、ヘアサロンに収容されたタブレット端末3A、デスクトップパソコン3B又はノートパソコン3C等よりなる。
これらのクライアント端末3は、無線又は有線LANを通じて公衆通信網1と通信可能に繋がっており、所定のURLを入力してサーバ2のアプリケーションにアクセスし、サーバ2の運営者から通知されたID番号とパスワードを入力することにより、当該アプリケーションを利用した所定のシミュレーションサービスを受けることができる。
【0021】
〔サーバコンピュータの構成〕
図2は、サーバコンピュータ2の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のサーバコンピュータ2は、制御部21と、通信部22と、入力デバイス23と、ディスプレイ24と、記憶部25とを有する。
このうち、制御部21は、他の各部22〜25を統括的に電子制御する複数のマイクロプロセッサを含む。また、記憶部25は、各種データの書き込みと読み出しが可能なROM及びRAMを含む。
【0022】
通信部22は、インターネット通信が可能な通信インタフェースよりなる。通信部22は、クライアント端末3から受信したHTTPリクエストを制御部21に送り、制御部21から受けたHTTPレスポンスを所定のクライアント端末3宛てに送信する。
入力デバイス23は、マウスやキーボードなどのヒューマンインタフェースよりなる。ディスプレイ24は、制御部21の描画機能によって制御される、例えばブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機ELディスプレイなどよりなる。
【0023】
制御部21は、記憶部25に格納された前記アプリケーションを読み出して実行することにより、所定のクライアント端末3から取得したHTTPリクエストに応じた処理を実行し、その処理結果であるHTTPレスポンスを通信部22に送信させる。
記憶部25は、前記アプリケーションを格納するプログラム格納領域と、使用するデータの一時的な格納領域と、当該アプリケーションのサービスに必要な画像ファイルFのデータベースDB1及び染色材料のデータベースDB2とを備えている。
【0024】
〔画像ファイルのデータベース〕
図3は、画像ファイルFのデータベースDB1の構造図である。
図3に示すように、データベースDB1は、同じ顔画像(本実施形態では、図8に示す「モデル」の顔画像)のヘア部分に異なるヘアカラーを施して作製された多数の画像ファイルFが含まれており、この多数の画像ファイルFを、ヘアカラーのHSB空間の座標値(以下、「HSB値」という。)ごとに3次元配列したデータ構造になっている。
【0025】
すなわち、HSB空間の色相Hは、0〜360の数値範囲を所定値(例えば、1.0)ごとに区分され、彩度S及び明度Bは、0〜100の数値範囲を所定値(例えば、1.0)ごとに区分されており、このように区分されたHSB値ごとに、所定のヘアスタイルで撮影された同じモデルの顔画像の画像ファイルFが格納されている。
なお、本実施形態では、複数のヘアスタイルの顔画像を選択可能としているので、図3に示すデータベースDB1は選択可能なヘアスタイルのモデルごとに存在する。
【0026】
〔染色材料のデータベース〕
染色材料のデータベースDB2には、使用可能な染色材料ごとの座標データを定義した図4に示す座標テーブルCTが含まれている。
この座標テーブルCTは、使用可能な染色材料の商品名をエントリに含む。各エントリには、アンダーカラーごとのRGB空間における座標データ(以下、「RGBデータ」という。)が記録されている。
【0027】
図4において、「標準」はメラニンレベルが赤味でも黄味でもない標準色であることを意味し、「LV」は髪の明度レベルのことを意味する。明度レベルは、値が大きいほど明度が高くなるように髪の明度を15段階で記述する指標であり、ここでは日本人の平均的な黒髪が「4LV」で表され、脱色作用によって最大限に明るくなった状態を「15LV」で表される。
この座標テーブルCTに含まれる各RGBデータは、特定の染色材料を用いて実際に標準色の髪(ただし、明度レベルについては5段階に区分)に染色した場合のヘアカラーのRGB値を測定し、その測定値をデータ化したものである。
【0028】
すなわち、本実施形態の座標テーブルCTでは、アンダーカラーのメラニンレベルを「標準」に固定し、「14LV」、「12LV」、「10LV」、「8LV」及び「4LV」の5段階の明度レベルごとに、染色後のヘアカラーのRGBデータが記録されている。
なお、図4の「ヤク(白地)」は、染色材料を白地の物体に塗った場合のRGBデータである。また、周知の通り、RGBデータは加法混色であるため、R値、G値及びB値がすべて最大値(255)の場合は白色となり、最小値(0)の場合は黒色となる。
【0029】
図4の例では、紙面範囲の制限から2種類の染色材料(8BAと8R)のみがエントリされているが、本実施形態のシステムで使用可能な染色材料の種類は、図12に示すように、合計15種類の色合いと明度が2〜14までのものが含まれる。
本実施形態のシステムでは、染色材料の種類名(商品名)として、明度の後に色合いを記載して表示する。例えば、色合いが「N(Natural )」でかつ明度が「10」の染色材料の種類名は、「10N」となる。
【0030】
また、染色材料のデータベースDB2は、染色材料を混合する場合の座標データの補正係数を定義した2つのテーブルT1,T2を含む。この2つのテーブルは、図5(a)に示すテーブルT1と、図5(b)に示すテーブルT2とからなる。
このうち、図5(a)のテーブルT1は、染色材料の色合いについての補正係数である「色係数」を定義したものであり、図5(b)のテーブルT2は、染色材料の明度についての補正係数である「明度係数」を定義したものである。
【0031】
例えば、異なる2色の染色材料を混合して混合材料を作製する場合、一方の染色材料の色合いが混合材料の色合いに与える影響が強い場合は、両者を同じ容積比で混合しても、所望の色合いの混合材料を得ることができない。
そこで、使用可能な染色材料の色合い名ごとに、混合後の色合いに与える影響度を予め実験によって数値化し、その数値を原液の色合い名ごとに纏めたものが、テーブルT1である。なお、混合色の色合いに与える影響が小さい原液ほど、色係数の値は大きくなる。
【0032】
また、異なる2色の染色材料を混合して混合材料を作製する場合、一方の染色材料の明度レベルが混合材料の明度レベルに与える影響が強い場合は、両者を同じ容積比で混合しても所望の明度レベルの混合材料を得ることができない。
そこで、使用可能な染色材料の明度レベルごとに、混合後の明度レベルに与える影響度を予め実験によって数値化し、その数値を原液の明度レベルごとに纏めたものが、テーブルT2である。なお、原液の明度レベルが大きいほど、明度係数の値は小さくなる。
【0033】
〔シミュレーション処理の内容〕
図6は、サーバコンピュータ2の制御部21が実行する、シミュレーション処理の手順を示すフローチャートである。また、図7〜図17は、上記シミュレーション処理の手順において表示されるクライアント端末3の表示画面を示している。
以下、これらの図を参照して、本実施形態のシミュレーションシステムの処理内容を説明する。なお、以下においては、クライアント端末3が、画面表示されたアイコン等に対して指やタッチペンで入力可能なタブレット端末3Aである場合を想定している。
【0034】
(開始処理)
まず、サロン店員であるタブレット端末3Aのユーザは、ウェブブラウザを操作してサーバ2のアプリケーションにアクセスする。
その後、ユーザが、図示しない入力画面おいて、サーバ運営者から通知されたID番号とパスワードを入力すると、サーバ2の制御部21は、システムの開始処理を実行し(図6のステップST1)、図7に示すスタート画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0035】
図7のスタート画面には、スタートアイコンC1と、コレクションの一覧表示画面(図16)への移動アイコンC2と、システムの操作方法とヘルプ画面(図示せず)への移動アイコンC3とが含まれる。
ユーザがスタートアイコンC1をタッチすると、サーバ2の制御部21は、スタイルの選択処理(図6のステップST2)に移行し、図8に示すスタイルの選択画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0036】
また、ユーザが移動アイコンC2をタッチすると、サーバ2の制御部21は、コレクションの参照処理(図6のステップST6)に処理を移行し、図16に示すコレクションの一覧表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。なお、このコレクションの参照処理については後述する。
【0037】
〔スタイルの選択処理〕
図8のスタイルの設定画面には、ヘアスタイルが異なる複数の顔画像が表示されたサムネイルC4と、選択された顔画像を拡大する拡大表示部C5と、決定アイコンC6及び戻りアイコンC7とが含まれている。
サムネイルC4に含まれる複数の顔画像は、データベースDB1に含まれる画像ファイルFの中から予め選定されたものであり、複数の顔画像のうちの1つをユーザがタッチして選択すると、制御部21は、選択された顔画像を拡大表示部C5に表示させる。
【0038】
上記選択の後でユーザが決定アイコンC6をタッチすると、制御部21は、選択中の顔画像の画像ファイルFを決定画像として記憶部25に一時的に記憶させるとともに、アンダーカラーの設定処理(図6のステップST3)に処理を移行し、図9に示すアンダーカラーの設定画面をタブレット端末3Aに表示させる。
なお、図8に示す戻りアイコンC7は、スタイルの非選択状態に処理を戻すためのアイコンである。
【0039】
〔アンダーカラーの設定処理〕
図9のアンダーカラーの設定画面には、決定画像の拡大表示部C8と、メラニンタイプの選択部C9と、明度レベルの選択部C10と、決定アイコンC11及び戻りアイコンC12とが含まれている。
拡大表示部C8には、前記スタイルの選択処理で決定された、記憶部25に一時的に記憶されている決定画像が拡大して表示される。
【0040】
メラニンタイプの選択部C9には、ヘアサロンの顧客である染色対象者の髪のメラニンタイプを設定するための設定ボタンが含まれている。図9の例では、上から順に、「赤味が強い」、「標準毛」及び「黄味が強い」の3種類の設定ボタンがある。
また、明度レベルの選択部C10には、染色対象者の髪の明度レベルを設定するための設定ボタンが含まれている。図9の例では、上から順に、「14レベル」、「12レベル」、「10レベル」、「8レベル」及び「4レベル」の5種類の設定ボタンがある。
【0041】
ユーザは、染色対象者のアンダーカラーを目視して観察し、その観察結果に最も近いメラニンタイプと明度レベルに対応する設定ボタンをタッチすることにより、染色対象者のアンダーカラーの設定入力を行う。
サーバ2の制御部21は、メラニンタイプの選択部C9への入力種別に応じて、アンダーカラーのメラニンタイプを考慮した座標データの補正処理を行う。また、制御部21は、明度レベルの選択部C10への入力種別に応じて、アンダーカラーの明度レベルに対応する座標データの選択処理を行う。なお、これらの処理の詳細は後述する。
【0042】
図9に示す決定アイコンC11が操作されると、サーバ2の制御部21は、入力されたアンダーカラーのメラニンタイプと明度レベルを記憶部25に一時的に記憶させるとともに、レシピの追加・選択処理(図6のステップST4)に移行し、図10に示すレシピの追加・選択画面(補正前)をタブレット端末3Aに表示させる。
なお、図9に示す戻りアイコンC12は、アンダーカラーのメラニンタイプと明度レベルを非設定状態に戻すためのアイコンである。
【0043】
〔レシピの選択・追加処理〕
図10のレシピの追加・選択画面には、決定画像の拡大表示部C13と、オリジナルレシピの追加部C14と、他の画面への移動部C15とが含まれている。
拡大表示部C13には、前記スタイルの選択処理で決定された、記憶部25に一時的に記憶されている決定画像が拡大して表示される。なお、図10の拡大表示部C13には、モデル頭部の正面(顔画像)だけでなく、側面と背面の画像がサムネイル表示され、その中から選択された1つの面の画像が拡大表示される。
【0044】
オリジナルレシピの追加部C14には、「おすすめレシピ」の選択ボタンと、ユーザがこれからシミュレーションしようとする「ユーザオリジナルレシピ」の追加ボタンが含まれている。
このうち、ユーザが「おすすめレシピ」の「詳細を見る」の部分をタッチすると、サーバ2の運用者が推奨するレシピの詳細画面(図示せず)がタブレット端末3Aに表示される。また、ユーザが「ユーザオリジナルレシピ」の選択ボタンをタッチすると、制御部21は、図11のカラー選択画面(選択前)をタブレット端末3Aに表示させる。
【0045】
図11のカラー選択画面には、左右に配置された2つの材料選択部C16,C17と、色名表示部C18と、決定アイコンC19と、戻りアイコンC20とが含まれている。
2つの材料選択部C16,C17のうち、左側の材料選択部C16は、混合したい染色材料の一方の色(A色)を選択する部分であり、右側の材料選択部C17は、混合した染色材料の他方の色(B色)を選択する部分である。これらの材料選択部C16,C17には、それぞれ、A色又はB色を選択するかしないかの設定ボタンと、選択した場合の商品名(染色材料の名称)の表示部と、選択する場合の混合比の入力部と、クリアボタンとが含まれている。
【0046】
ここで、ユーザがA色を選択すると、サーバ2の制御部21は、図12のカラー表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
このカラー表示画面は、データベースDB2に含まれる複数種類の染色材料を、色合い別に幅方向に並べかつ明度別に縦方向に並べた2次元配列のマトリックス構造になっている。このカラー表示画面の特定色の部分をユーザがタッチすると、A色に選択する染色材料を選択できるようになっている。
【0047】
図12のカラー表示画面において、例えば、A色として「8N」の染色材料をユーザが選択すると、サーバ2の制御部21は、図13に示すように、カラー選択画面のA色の材料選択部C16に、選択された「8N」の染色材料の色と、その商品名(この場合は、「8N」)を表示させる。
また、図12のカラー表示画面において、ユーザがB色を選択した場合も、サーバ2の制御部21は、図12のカラー表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0048】
図12のカラー表示画面において、例えば、B色として「6Be」の染色材料をユーザが選択すると、サーバ2の制御部21は、図13に示すように、カラー選択画面のB色の材料選択部C17に、選択された「6Be」の染色材料の色と、その商品名(この場合は、「6Be」)を表示する。
また、図13に示すように、カラー選択画面の色名表示部C18には、A色とB色で選択された染色材料の商品名と、混合比とが表示される。
【0049】
A色及びB色の種類とその混合比が入力された後に、図13に示す決定アイコンC19をユーザがタッチすると、サーバ2の制御部21は、A色とB色の材料選択部C16,C17にて選択された染色材料の種類と混合比を記憶部25に一時的に記憶させる。
また、制御部21は、選択された染色材料の種類等に基づいて後述の推定RGB値の算出処理と、推定RGB値をHSB値に変換する処理とを行う。そして、制御部21は、求めたHSB値に対応する画像ファイルFを特定する。
【0050】
なお、ユーザはA色とB色の2色を必ず選択する必要はなく、A色とB色のいずれか一方のみ対する選択を行って決定アイコンC19をタッチすることにより、単色でのシミュレーションを行うことができる。
【0051】
(推定RGB値の算出処理)
サーバ2の制御部21は、次の第1〜第3処理を順に行うことにより、A色又はB色若しくはこれらの双方の混合材料として選択された染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の、推定RGB値(色空間の推定座標値)を求める。
【0052】
1)第1処理:明度レベルに基づくRGBデータの抽出
まず、サーバ2の制御部21は、選択された染色材料の種類と明度レベルとに対応するRGBデータをデータベースDB2から抽出し、抽出したRGBデータを仮の推定RGB値に設定する。
なお、A色とB色の双方の染色材料が選択されている場合には、双方の染色材料について上記の仮の推定RGB値を設定する。
【0053】
2)第2処理:メラニンタイプを用いたデータ補正
次に、サーバ2の制御部21は、選択されたアンダーカラーのメラニンタイプに応じて上記の仮の推定RGB値に対するデータ補正処理を行う。このデータ補正処理は、選択されたメラニンタイプの種類に応じて、次のa)〜c)の処理よりなる。
a)メラニンタイプが「標準毛」の場合
仮の推定RBG値をそのまま推定RBG値として採用する。すなわち、メラニンタイプでの補正を行わない。
【0054】
b)メラニンタイプが「赤味が強い」の場合
仮の推定RGB値を次式によって補正する。
R値=仮のR値−(255−仮のR値)×0.04
G値=仮のG値−(255−仮のG値)×0.07
B値=仮のB値−(255−仮のB値)×0.07
【0055】
c)メラニンタイプが「黄味が強い」の場合
仮の推定RGB値を次式によって補正する。
R値=仮のR値+(255−仮のR値 )×0.07
G値=仮のG値+(255−仮のG値 )×0.07
B値=仮のB値+(255−仮のB値 )×0.04
【0056】
なお、上記b)の補正式において、R値の補正係数(0.04)がG値及びB値の補正係数(0.07)よりも小さく設定されている理由は、アンダーカラーの赤味の強さを考慮し、赤色に影響するR値の変動幅をG値とB値よりも低下させるためである。また標準毛よりも全体の数値が減少する設定としている理由は、標準毛よりもやや明度レベルを低くさせるためである。
同様に、上記c)の補正式において、B値の補正係数(0.04)がR値及びG値の補正係数(0.07)よりも小さく設定されている理由は、アンダーカラーの黄味の強さを考慮し、黄色に影響するB値の変動幅をR値とG値よりも低下させるためである。また標準毛よりも全体の数値が増加する設定としている理由は、標準毛よりもやや明度レベルを高くさせるためである。
【0057】
3)第3処理:2液混合の場合のRGB値の算出
また、サーバ2の制御部21は、A色とB色の双方が選択されている場合には、選択されたA色とB色に対応する色係数と明度係数をデータベースDB2から特定し、この色係数及び明度係数と、ユーザが設定した混合比とを用いて、第1及び第2処理によって得られた各色のRGB値を混合色のRGB値に変換する。
この変換式は次の通りである。この変換式は、A色とB色のRGB値を両色の色係数、明度係数及び混合比を重みとして配分して、混合色のRGB値とするものである。
【0058】
混合色のR値=
{(A色のR値×A色の色係数×A色の明度係数×A色の混合比)+(B色のR値× B色の色係数×B色の明度係数×B色の混合比)}
÷{(A色の色係数×A色の明度係数×A色の混合比)+(B色の色係数×Bの明度係 数×B色の混合比)}
ただし、混合色のB値とG値についても、上記式と同様である。
【0059】
(座標変換処理)
次に、サーバ2の制御部21は、算出した推定RGB値を画像ファイルFの色空間であるHSB値に変換する。この変換式は次式の通りである。
【数1】
【0060】
更に、サーバ2の制御部21は、選択されたスタイルに含まれる多数の画像ファイルFの中から、変換後のHSB値に最も近い色の画像ファイルFを探索する。この探索は、例えば、H値、S値及びB値のそれぞれについて、2分探索によるファイル検索を実行することによって行うことができる。
そして、サーバ2の制御部21は、探索した画像ファイルFを図14に示すレシピの追加・選択画面(補正処理後)に表示させる。従って、図14の拡大表示部C13に表示される顔画像のヘアカラーは、選択された染色材料で染色した場合の髪色になっている。
【0061】
図14のレシピの追加・選択画面において、ユーザが移動部C15の「コレクションに保存する」の設定ボタンをタッチすると、サーバ2の制御部21は、コレクションの保存設定処理(図6のステップST15)に移行し、図15に示すコレクションの保存設定画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0062】
〔コレクションの保存設定処理〕
図15のコレクションの保存設定画面には、画像ファイルFの拡大表示部C21と、カラー情報の表示部C22と、保存アイコンC23と、戻りアイコンC24とが含まれる。
拡大表示部C21には、前記レシピの追加・選択処理で決定された、染色後のヘアカラーを反映した画像ファイルFが拡大して表示される。
【0063】
カラー情報の表示部C22には、上から順に、「保存日」、「コレクション名」、「色名」、「レシピ」(混合色の材料と混合比)、「アンダーカラー設定」及び「コメント」の欄が設けられている。
このうち、コレクション名の欄には、ユーザが任意に定めた名称を入力でき、コメント欄には、追加する色についての任意のドキュメントを入力することができる。そして、ユーザが、保存アイコンC23をタッチすると、サーバ2の制御部21は、画像ファイルFとこの関連情報(コレクション名やレシピ等)を記憶部25に登録する。なお、戻りアイコンC24は、処理を1つ前の画面に戻すためのものである。
【0064】
(コレクションの参照処理)
図16は、コレクションの一覧表示画面を示している。この一覧表示画面は、図7の移動アイコンC2や図14の保存アイコンC23がタッチされた場合に表示される。
図16のコレクションの参照画面には、シミュレーションの後で保存処理された画像ファイルFの表示部が複数配列されている。複数の表示部のうちのいずれかをユーザがタッチすると、サーバ2の制御部21は、図17に示すコレクションの詳細表示画面をタブレット端末3Aに表示させる。
【0065】
図17のコレクションの詳細表示画面には 画像ファイルFの拡大表示部C21とカラー情報の表示部C22の他に、送信アイコンC25と、変更アイコンC26と、戻りアイコンC27とが設けられている。
ユーザが送信アイコンC25をタッチすると、タブレット端末3Aの制御部(図示せず)がメールソフトを立ち上げて、表示中の画像ファイルFの表示画面へのリンクアドレスが添付されたEメールを生成する。また、変更アイコンC26は、ユーザがコレクションの名称やコメントの内容を変更する場合に操作するものであり、戻りアイコンC27は、1つ前のコレクションの参照画面(図16)に処理を戻すためのものである。
【0066】
〔シミュレーションシステムの効果〕
以上の通り、本実施形態のシミュレーションシステムによれば、サーバ2の制御部21が、タブレット端末3Aに入力されたアンダーカラーの種別(メラニンタイプや明度レベル)と染色材料の種類から特定されるRGBデータを用いて、その種類の染色材料で染色対象者の髪を染色した場合の推定RGB値を求め、タブレット端末3Aが、求められた推定RGB値に対応する髪色の画像ファイルFを画面表示する。
【0067】
このため、システムのユーザであるサロン店員が、例えば顧客である染色対象者のアンダーカラーの種別と使用する染色材料の種類をタブレット端末3Aに入力すれば、染色対象者のアンダーカラーを反映した適切な染色後のヘアカラーをタブレット端末3Aに表示することができる。従って、染色対象者に適切なカラーリングのカウンセリングを行うことができる。
【0068】
また、本実施形態のシミュレーションシステムによれば、染色材料を混合する場合でも、染色後のヘアカラーを適切に表示できるので、染色対象者の多彩な嗜好に沿った提案を容易に行えるとともに、普段は試したことのない種類の染色材料やアンダーカラーに対応した組み合わせ方を、ユーザが実験的に簡単に検証することができ、ユーザの知識やスキルの向上に役立てることができる。
【0069】
〔その他の変形例〕
今回開示した上述の実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、アンダーカラーを考慮した推定RGB値を求めるに当たって、明度レベルに基づくRGBデータの抽出(第1処理)とメラニンタイプを用いたデータ補正(第2処理)を行っているが、このうちのいずれか1つの処理のみを行うことにしてもよい。
【0070】
上述の実施形態では、各染色材料の染色後の色彩をRGBデータによってデータ化しているが、例えばCMYやHSBなどの他の色空間の座標データによってデータ化することにしてもよい。
また、上述の実施形態では、サーバコンピュータ2とクライアント端末3とからなるシミュレーションシステムを例示したが、本発明のシミュレーションシステムを1台のコンピュータで実装することもできる。
【0071】
更に、上述の実施形態では、画像ファイルFが予め撮影されたモデルの顔画像となっているが、現地で撮影した染色対象者の写真データにシミュレーション後のヘアカラーを合成することにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 公衆通信網
2 サーバコンピュータ
3 クライアント端末(入力部、表示部)
21 制御部
22 通信部
23 入力デバイス
24 ディスプレイ
25 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムであって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、
染色対象者のアンダーカラーの種別と前記染色材料の種類とを入力可能な入力部と、
入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、
求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示する表示部と、
を備えていることを特徴とするヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項2】
前記入力部は、前記アンダーカラーの種別としてメラニンタイプを入力可能であり、
前記制御部は、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データを入力された前記メラニンタイプに基づいて補正することにより、前記推定座標値を求める請求項1に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記座標データを前記アンダーカラーの明度レベルごとに記憶しており、
前記入力部は、前記アンダーカラーの種別として前記明度レベルを入力可能であり、
前記制御部は、入力された前記染色材料の種類と入力された前記明度レベルに対応する前記座標データを抽出することにより、前記推定座標値を求める請求項1又は2に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、異なる種類の前記染色材料を混合する場合の色空間の座標値の補正係数を、当該染色材料の種類ごとに記憶しており、
前記入力部は、混合する前記染色材料の種類とその混合比とを入力可能であり、
前記制御部は、入力された種類の前記染色材料の前記座標データ、前記補正係数及び前記混合比に基づいて、混合後の前記染色材料の前記推定座標値を求める請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記制御部は、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を、前記推定座標値を求めるのに用いた関連情報とともに前記記憶部に登録する1〜4のいずれか1項に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項6】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーション方法であって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに予め記憶しておき、
染色対象者のアンダーカラーの種別と、前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求め、
求めた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示することを特徴とするヘアカラーのシミュレーション方法。
【請求項7】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーション処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶するステップと、
染色対象者のアンダーカラーの種別と染色材料の種類とを入力するステップと、
入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求めるステップと、
求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーションシステムであって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶する記憶部と、
染色対象者のアンダーカラーの種別と前記染色材料の種類とを入力可能な入力部と、
入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求める制御部と、
求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示する表示部と、
を備えていることを特徴とするヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項2】
前記入力部は、前記アンダーカラーの種別としてメラニンタイプを入力可能であり、
前記制御部は、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データを入力された前記メラニンタイプに基づいて補正することにより、前記推定座標値を求める請求項1に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記座標データを前記アンダーカラーの明度レベルごとに記憶しており、
前記入力部は、前記アンダーカラーの種別として前記明度レベルを入力可能であり、
前記制御部は、入力された前記染色材料の種類と入力された前記明度レベルに対応する前記座標データを抽出することにより、前記推定座標値を求める請求項1又は2に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、異なる種類の前記染色材料を混合する場合の色空間の座標値の補正係数を、当該染色材料の種類ごとに記憶しており、
前記入力部は、混合する前記染色材料の種類とその混合比とを入力可能であり、
前記制御部は、入力された種類の前記染色材料の前記座標データ、前記補正係数及び前記混合比に基づいて、混合後の前記染色材料の前記推定座標値を求める請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記制御部は、求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を、前記推定座標値を求めるのに用いた関連情報とともに前記記憶部に登録する1〜4のいずれか1項に記載のヘアカラーのシミュレーションシステム。
【請求項6】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーション方法であって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに予め記憶しておき、
染色対象者のアンダーカラーの種別と、前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求め、
求めた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示することを特徴とするヘアカラーのシミュレーション方法。
【請求項7】
髪の染色後の顔画像を画面表示するヘアカラーのシミュレーション処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
髪の染色後の色空間の座標データを染色材料の種類ごとに記憶するステップと、
染色対象者のアンダーカラーの種別と染色材料の種類とを入力するステップと、
入力された前記アンダーカラーの種別と、入力された前記染色材料の種類に対応する前記座標データとを用いて、その種類の前記染色材料で前記染色対象者の髪を染色した場合の色空間の推定座標値を求めるステップと、
求められた前記推定座標値に対応する髪色の前記顔画像を画面表示するステップと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−84081(P2013−84081A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222640(P2011−222640)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(511243956)株式会社ピアセラボ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(511243956)株式会社ピアセラボ (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]