説明

ヘアケア装置

本発明は、グリップ(3)と、このグリップ(3)に接続可能であり、特にブラシの毛部分及び/又は歯の部分であるヘアトリートメント器具(5)を有する機能ヘッド(4)と、イオンを髪に供給し、少なくとも1つのイオン出口(11)を有するイオン供給装置(9)と、を備えるヘアケア装置(1)に関する。本発明に基づき、このヘアケア装置(1)は、その機能ヘッド(4)及び/又はイオン出口(11)を取り囲むハウジング部が、電子電荷を消散させる/制限する少なくとも1つの接地面を有することを特徴としている。有利であるのは、ヘアトリートメント器具(5)の反対側の装置背面でのみイオンの流出が行われることであり、一方、機能ヘッド(4)に取り付ける接地面は、装置前面に設けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップと、このグリップに接続可能であり、特に毛の部分及び/又は歯の部分であるヘアトリートメント器具を有する機能ヘッドと、イオンを髪に供給し、少なくとも1つのイオン出口を有するイオン供給装置と、を備えるヘアケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、特にヘアブラシなどのヘアケア装置が、その第1の機能、すなわち、ヘアブラシの場合は髪をとかすこと、ブラッシング及びスタイリングといった機能の他に、追加用途としてイオンを供給することが知られている。この種のイオンは、通常マイナス電子を帯電している分子である。このようなイオンの適用によって、髪及びヘアケアが改善され、特に、髪が静電気に帯電するのを抑え、それによって髪が逆立つのを予防し、更に、保湿性を向上させることができる。
【0003】
US 2005/285595から、ヘアブラシの毛部分とは反対側の装置背面及び毛の部分の装置前面に、機能ヘッドの方向にイオンを流出させるイオン出口をそれぞれ1つ有する一体型ブラシヘッドを備えたヘアドライヤーが周知である。
【0004】
イオンを利用するこのようなヘアケア装置の場合、一方では、もちろんイオンが適切に髪に供給されるべきであり、他方では、イオンがムラなく、可能な限り均等に配分されるように髪に当てられなければならない。この場合、イオンの放出は、イオン出口の前にある髪の毛又は経路を塞いでいるユーザーの手など、直接の機械的障害によって停止するばかりではなく、静電気フィールド、すなわち、強くマイナスに帯電したイオンをいわば拒絶する、マイナスに帯電した構成部品、又はイオンを引きつける電界作用を有するプラス電荷の高い構成部品によっても停止することがある。このような帯電は、例えば、ブラシの毛で髪をとかした場合に、ブラシの毛自体に生じる。また、イオン出口部分においても、静電気のフィールドが装置ハウジングに形成され、この静電気フィールドはイオンの流出を妨げるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 2005/285595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のような周知のヘアケア装置で、更に改善しなければならない点は、前述のような、装置への強い帯電によって侵害される可能性のある使用安全性である。
【0007】
これらのことを前提として、本発明は、前述した種類のヘアケア装置を改善し、先行技術の欠点を回避して、有利な方法で先行技術を発展させるという課題に基づいている。とりわけ、髪へのイオンの放出は、簡単な方法によって、均等かつ効果的に行われるべきであり、その際に装置の使用安全性に支障をきたしてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、本発明に基づき、請求項1によるヘアケア装置によって解決される。好ましい発明の実施形態は、従属請求項の対象である。
【0009】
髪へのイオンの放出を妨げるか、又はイオンの放出に支障をきたす可能性のある、少なくともヘアケア装置の部品に発生する静電気の帯電及び静電気フィールドは、適切な対抗措置により取り除くことができることも提案される。このような静電気フィールドによって支障を受けることなく、均等に配分され、しかも適切かつ効果的な髪へのイオン散布が、単純な形態をもつイオン供給装置によって達成可能であり、本発明の簡単な形態においては、このイオン散布を唯一のイオン出口だけで済ませることができる。本発明に基づき、このヘアケア装置は、その機能ヘッド及び/又はイオン出口を取り囲むハウジング部が、静電気電荷を消散させる/制限する少なくとも1つの接地面を有することを特徴としている。機能ヘッド及び/又はイオン出口を取り囲むハウジング部に取り付けられているこのような接地面により、髪へのイオン放出を妨げるおそれのある、機能ヘッド部分及びイオン出口部分における過剰な帯電とそれに伴う静電気フィールドが防止又は制限される。特に、ここでは、機能ヘッドにもイオン出口を取り囲むハウジング部にも、こうした接地面を取り付けることが可能である。
【0010】
この場合の接地面は、基本的に様々に形成することができる。とりわけ、この接地面は、金属表面の形に形成することができ、非伝導性の、好ましくはプラスチックからなる、機能ヘッド及び/又はイオン出口の本体部若しくはハウジング部の上に取り付けられている。したがって、機能部品又はイオン出口そのものの本体部も、引き続きプラスチック射出成形部品又はその他の方法で製造されたプラスチック部品として形成することができる。有利であるのは、前記本体部の外側に配置され、本体部の外部表面を形成することのできる金属表面の形での接地面が、この場合、イオン放出に支障を与えるフィールドを防止するだけではなく、ヘアケア装置の作動安全性も向上させることである。
【0011】
接地面の配置に関しては、様々な実施形態にすることができるのが有利である。機能ヘッドに取り付ける接地面の有利な配置は、接地面がヘアトリートメント器具、特にブラシの毛部分及び/又は歯の部分に接続されている場合である。例えば、この接地面は、ブラシの毛又は歯、若しくは必要に応じて別の形に形成されたヘアトリートメント器具のトリートメントツールを保持する、いわばベッドを形成することができる。前記のブラシの毛部分及び/又は歯の部分の代替又は補足として、ヘアトリートメント器具が、例えば、セラミックなどの適切な材料から作られた、髪を手入れするためのヘアケア面を有することもできる。これの代替又は補足として、適切な形状、とりわけ、凹及び/又は凸の形に丸みをつけられた滑らかな手入れ面を備えたヒータ面を備えることができる。この代替又は補足として、ヘアトリートメント装置は、髪の房を掴むクリップ又は歯を有することができる。考えられる有利な実施形態においては、機能ヘッド、特にブラシの毛部分には、とりわけ、エアを全部又は部分的にイオン出口に向けるようなエア出口がないため、エアの流れが髪へのイオン輸送に影響することはないか、又はほとんど影響しない。
【0012】
接地面を直接ヘアトリートメント器具に接続する前記形態の代替又は補足として、機能ヘッドの接地面は、周辺側で少なくとも部分的に、好ましくは環状にヘアトリートメント器具を取り囲むことができ、及び/又は直接ヘアトリートメント器具に隣接して配置することができる。特に、ヘアトリートメント器具の周りを取り囲む金属帯を、接地面として機能ヘッドに設けることが可能である。この場合、ブラシの毛部分及び/又は歯の部分などのヘアトリートメント器具自体、又は機能ヘッドのハウジング本体自体は、非導電材料からなっていてもよい。有利であるのは、機能ヘッドに取り付ける接地面が、少なくとも1つのイオン出口の近くではない場所に設けられていることである。この接地面は、有利な場合、ヘアトリートメント器具を保持する機能ヘッド内の、ヘアトリートメント器具に隣接するエッジ部分に配置することができる。
【0013】
イオン出口に取り付ける接地面の配置に関しても、様々な実施形態にすることができるのは有利である。本発明の有利な発展形態に基づき、イオン出口は、ハウジングモジュールを有し、このモジュールは、ケース及び/又はボックスの形でイオンを排出する高圧エレメントを取り囲み、高圧エレメントによって生じたイオンを流出させる流出開口部が設けられている出口面を有している。有利であるのは、前記の接地面が、前記のハウジングモジュールの非出口面の1つに設けられていることである。ハウジングモジュールの出口面は、特に対向電極が全くないように形成することが可能である。この場合、好ましくは針、ピン又は先の尖った形状の高圧エレメントを周辺側で取り囲む、出口面に隣接する出口ハウジングの側面に、接地面を配置することができる。この代替又は補足として、この出口面に対向して位置する、裏側の出口ハウジング面にも、接地面を設けることができる。
【0014】
本発明の発展形態においては、ハウジングの電位もユーザーの身体と電気的に接続される。本発明の発展形態においては、ヘアケア装置のグリップが、プラス又はマイナスの電荷をヘアケア装置の各ユーザーに誘導するための導電性接触面を有することができる。このことによって、ユーザーは帯電から保護される。すなわち、マイナスイオンの排出により、ユーザーはマイナスに帯電するが、他方、グリップの接触面により、プラスの電荷がユーザーに伝達されることによって、マイナスイオンによる帯電効果が相殺される。このことは、電源接続がなく、特にバッテリ及び/又は蓄電池としてヘアケア装置を形成する場合に、とりわけ有利である。このような非電源接続装置の場合、バッテリ又は蓄電池としての装置に参照電位がないため、マイナスイオンの生成により、通常、同量のプラス電荷もこの装置に生じる。ユーザーのマイナスへの帯電は、ユーザーが接触面(つまりグリップ)にマイナス電荷を誘導することによって相殺される。その限りにおいて、ユーザーの装置に対する帯電は中性化されている。
【0015】
接地面及びそれによって装置の電荷フィールドが取り除かれるか、又は制限されることにより達成される、ほとんど支障のない髪へのイオン排出により、特にイオン出口の配置に関して、イオン供給装置の形成をとりわけ簡単にすることが可能となる。この場合、本発明の発展形態においては、ヘアケア装置の主要機能を提供するヘアトリートメント器具の反対側の装置背面でのみ、イオンの排出が行われるようにすることができる。驚くべきことに、これにより、均等に分配されながらも、適切に髪に向けられるイオン供給を達成することが可能となる。装置の背面に送り出されるイオンは、ほとんどが目標物、すなわち、手入れしたい髪を通り過ぎてしまうことから、これまでは、いわば、手入れしたい部分にイオンを直接送り込むために、ヘアトリートメントツール部分の装置前面にイオンの少なくとも一部が送られるように試みられてきた。髪は、通常、供給されるイオンによって相殺されるプラスの電荷を有しており、このプラスの電荷がイオンを引き付けるため、特に、すでに説明した接地面、及び障害となる電荷フィールドの除去又は制限と組み合わせて、装置背面でのイオン放出により、イオンを極めて均等に分配しながらも、ほぼ完全な髪へのイオン供給を達成することが可能となる。イオン放出を妨げるおそれのある強い障害フィールドがヘアケア装置に存在しない場合は、この効果が十分に発揮される。装置背面にイオン出口又は複数のイオン出口を配置することによって、ユーザーの手又はイオン出口の前にある髪の毛の房による機械的障害を受けることなく、イオンの流出が行われる。
【0016】
基本的には、唯一のイオン出口で十分である。必要に応じて、装置背面に複数のイオン出口を配置することも可能である。両方の場合において、この配置は、ヘアケア装置の長手方向の中心面に対して左右対称に行われるのが有利である。好ましくは、イオンの主要排出方向又はイオンの主要排出方向の集まりが、長手方向の中心面に対して左右対称に、背面の平面内又は背面上に向けられるように、少なくとも1つのイオン出口又は複数のイオン出口が調整されている。有利な場合、イオン出口の主な排出方向は、この場合、実質的に背面に対して平行に調整されているため、イオンは、装置背面に対して実質的に平行に、装置背面の上を越えて流出する。これの代替又は補足として、わずかに鋭角に広げてイオン排出を行うようにすることができる。この場合、イオン出口は、背面の平面に対して、好ましくは0°〜45°の角度、更には0°〜30°の角度で傾けることができる。
【0017】
髪への均等なイオンの分配を実施するため、少なくとも1つのイオン出口が、ヘアトリートメント器具の反対側にある装置背面のエッジに配置されることにより、機能ヘッドの背面上にイオン噴霧が形成される。
【0018】
唯一のイオン出口を配置する場合、イオン出口を長手方向の中心面に配置するのが有利である。2つのイオン出口を装置背面に配置する場合、これらの出口は、長手方向の中心面から互いに距離をおいた同じ高さに、好ましくはわずかに長手方向の中心面から離れて傾けられている。2つのイオン出口を装置背面に配置する場合、これの代替として、2つのイオン出口を裏側の機能ヘッド面の対向するエッジに配置し、2つのイオン出口が互いの方向を向くように調整することができる。そのため、イオンは、これらのイオン出口から、いわば重なり合って流出することができる。
【0019】
本発明のこれらの特徴及び更なる特徴は、請求項の他にも、以下の説明及び/又はそれに属する図面からも発生するものであり、この場合、これらの特徴は、請求項における要約を顧慮せずに、相互の様々な結合及び副結合の形において、並びに個々において本発明の対象を形成することができる。以下に好ましい実施例及び関係する図面を用いて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】機能ヘッドの背面の端に、長手方向の中心面のイオン出口が示された、本発明の有利な実施形態に基づく、ヘアブラシ形のヘアケア装置背面の平面図。
【図2】機能ヘッドの接地面が、機能ヘッドに取り付けられている歯の下に設けられている、図1のヘアブラシを線A−Aに従って切断した場合の縦断面図。
【図3】機能ヘッドの接地面が、歯部分のエッジを取り囲む金属帯の形で設けられている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシ前面の平面図。
【図4】長手方向の中心面に対して左右対称に、機能ヘッドの端に取り付けられている2つのイオン出口の配置が示された、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシ背面の平面図。
【図5】互いに外に開いた、実質的にヘアブラシ背面と平行に延びる、イオン出口の主要排出方向が示された、図4によるヘアブラシの正面図。
【図6】2つのイオン出口が、ヘアブラシの長手方向の中心面に、互いに向かい合った状態で設けられている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシ背面の平面図。
【図7】ヘアブラシ背面上に取り付けられたイオン出口が異なる傾きを有していることを示す、図6の線A−Aに沿って切断した場合の、図6によるヘアブラシの縦断面図。
【図8】出口ハウジングの底面が接地面として形成されている、本発明の有利な実施形態に基づく、イオン出口及びその出口ハウジングの透視図。
【図9】図8によるイオン出口の出口側正面の平面図。
【図10】図8及び図9によるイオン出口の縦断面図。
【図11】出口ハウジングの底面の一部分のみが接地面として形成されている、本発明の代替の有利な実施形態に基づく、イオン出口の透視図。
【図12】出口ハウジングの側面が部分的に接地面として形成されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、イオン出口の透視図。
【図13】出口面の反対側に位置する出口ハウジング背面が接地面として形成されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、イオン出口の透視図。
【図14】出口ハウジングの2つの対向する側面が、それぞれ部分的に接地面として形成されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、イオン出口の透視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び2に示されたヘアケア装置1は、装置ベース本体2を含み、この装置ベース本体2はグリップ3を有し、後に説明される電子装置を本体内部又はアウタシェルに有している。前記のグリップ3は、機能ヘッド4を保持しており、この機能ヘッド4には、ヘアトリートメント器具5として、装置前面7にブラシの毛部分6が取り付けられている。しかしながら、ヘアケア装置がヘアフォーム装置及び/又はヘアドライヤーとして形成されている場合は、例えば、ヘアアイロン又はヘアフォームエレメント又は必要に応じて送風出口などのその他のヘアトリートメントツールも備えることができることは自明である。前記のヘアトリートメントツールは、必要に応じて、互いに組み合わせることもできる。
【0022】
前記のヘアトリートメント器具5は、機能ヘッド4に一体形成で固定することができる。この代替として、ヘアトリートメント器具5は、有利な場合、交換可能に機能ヘッド4に取り付けることができ、それによって、機能ヘッド4は、様々なヘアトリートメント器具5を装備し、利用することが可能となる。
【0023】
有利であるのは、この場合、ヘアケア装置1が互いに接合可能な複数のモジュールによるモジュール構造を有していることであり、その際、特に、機能ヘッド4全体及び/又は前記の方法ではヘアトリートメント器具5を、装置のベース本体2から独立して形成することができる。この場合、異なるモジュールとの間で、例えばラッチ凸部及びラッチ凹部の形でのポジティブロックに働く接続手段を設けることができ、このようなラッチは、ツールを用いないモジュールの脱着を可能にする。
【0024】
図1及び2に示されるように、ヘアトリートメント器具5の反対側の装置背面8の装置ベース本体2上には、更に、イオン供給装置9が設けられており、この装置は、装置ベース本体2の内部に配置されているイオンエミッター10を有し、及び/又はイオン出口11に配置されている、イオンを排出するための高圧エレメント12を有することができる。前記の高圧エレメント12は、この場合、ケース又はカバーのような形の出口ハウジング13の中に配置され、この出口ハウジング13は、その出口面14に流出開口部17を有し、排出されるイオンはこの開口部から流出することができる。
【0025】
図に示されている実施形態では、イオン出口11がノズル形又はディフューザーのように形成され、イオンの流出する向きを調整するのに作用する(図2を参照)。この場合、有利であるのは、イオン出口11が、ブラシの毛部分6に対向しているか、又はブラシの毛部分6の反対側である、いわゆるヘアブラシの背を形成する装置背面8に配置されていることである。有利な場合、このとき、イオン出口11は、図2の図の平面を形成する長手方向中心面18に配置されており、イオン出口11の主要排出方向19が、裏側の装置表面に対してわずかに鋭角に傾けられており、装置表面から逸れた方向に向けられている(図2を参照)。この場合、傾斜角は0°〜45°であるのが有利であり、図に示された実施形態では、有利な場合、ほぼ20°〜30°とすることができる。図1及び2に示されているように、このとき、イオン出口11は、ブラシの毛部分6の反対側に位置する機能ヘッドの背面の端に配置されているため、イオン出口11から流出するイオンは、機能ヘッド4の背面上にイオン噴霧を形成する。特に、この場合、イオン出口11は、図1に示されるように、大まかに言って、ほぼグリップ3と機能ヘッド4との間の移行部に配置することができる。
【0026】
装置ベース本体2の内部には、特に図に示されていないエネルギー供給ユニットが収納されており、有利な場合には、このユニットをバッテリ又は蓄電池の形で形成することができる。有利であるのは、ヘアケア装置1がエネルギーを自給するように形成されていることであり、すなわち、この装置には、コンセントからの電流が供給される常設の電源装置がない。もちろん、装置ベース本体2内部のバッテリに充電するための電源ケーブルを挿入することはできる。前記のエネルギー供給ユニットによって、イオンを発生させるために、イオン供給装置9にエネルギーが供給される。
【0027】
有利な場合、図2に示されているように、不要な装置の帯電を防止し、装置動作の安全性を向上させるため、ヘアケア装置11には接地装置20が装備されている。図2に示されている実施形態においては、接地装置20が、機能ヘッド4の部分に接地面21を有することができ、この接地面が、機能ヘッド4の部分、特にヘアトリートメント器具5の部分において、高い電荷フィールドが形成されるのを遮断する。図2による実施形態では、接地面21が、直接、ヘアトリートメント装置5に接続されており、その際、この接地面は、キャリアとして形成され、ヘアトリートメント器具5の下にあり、接地面の上にヘアトリートメント器具が固定されている(図2を参照)。有利なことに、ここでは、接地面21が、金属表面及び/又は金属コーティングからなり、通常は、プラスチックから形成される機能ヘッド本体の上に取り付けられている。接地面21は、特に、装置の内部に配置されているグラウンドモジュールの内部で、装置電位に接続することが可能である。
【0028】
この代替又は補足として、機能ヘッド側の接地面21は、ブラシの毛部分6のエッジに配置されている金属表面体を、有利な場合には金属帯の形で有することも可能であり、この金属帯は、環状にブラシの毛部分6を取り囲むか、又は、図3に示されているように、U字型に3つの側面を取り囲んでいる。ブラシの毛部分6及び機能ヘッド4の残りの本体部は、非導電性に形成され、特にプラスチックから作ることができる。図3に従って、ブラシの毛部分6のエッジに接地面21が取り付けられている場合、ブラシの毛部分6を取り囲む接地面21の範囲は、この部分に発生する帯電を相殺するのに十分な範囲である。有利であるのは、金属帯が、ヘアトリートメント器具5の周囲の少なくとも50%に広がっていることである。
【0029】
図4及び5に示されているように、ヘアケア装置1は、装置背面8に複数のイオン出口11を有することもでき、この場合、図4及び5に示されている実施形態では、2つのイオン出口11が設けられ、これらのイオン出口11は、装置の長手方向から見て同じ高さに配置され、長手方向の中心面18に関して左右対称に位置決めされている。有利であるのは、この場合、イオン出口11が機能ヘッドの背面の端に配置されており、その際、イオン噴霧を均等に分配するために、それらのイオン出口11が、60°〜120°の角度で、好ましくは約90°の角度をつけて互いに傾けられていることである。このとき、図に示された実施形態においては、イオン出口11の主要排出方向18が、装置背面8の表面と平行に調整されているため、イオンは、実質的に機能ヘッドの背面と平行に流出する。図に示された形態においては、この場合、イオン出口11が、イオンを違った方向に流出させるため、機能ヘッド4又はその背面上にイオン噴霧が均等に分配される。
【0030】
この図4及び5による実施形態の代替として、長手方向の中心面18に複数のイオン出口11を配置することも可能である(図6及び7を参照)。この場合、有利であるのは、2つのイオン出口11が、互いに向かい合っており、その際、機能ヘッドの背面上に発生するイオン噴霧を流出させるために、これらのイオン出口11が、機能ヘッドの背面の端部における対向する両側に配置されていることである(図6及び7を参照)。
【0031】
有利な場合、2つのイオン出口11は装置背面の表面に対して様々な角度に傾けることができる。一方のイオン出口の主要排出方向18は、実質的に装置背面8の表面と平行に調整され、もう一方のイオン出口11は、装置背面の前記表面に対して、好ましくは0°〜40°の角度で、特に10°〜30°の角度でわずかに鋭角に傾けられている。図6及び7に示されるように、この場合、特に有利であるのは、グリップ3と機能ヘッド4との間の移行部に配置されているイオン出口11がわずかに傾けられ、グリップ3から離れた機能ヘッドの背面の端部に配置されたイオン出口11は、装置背面8と平行に配置されることである。
【0032】
図8〜10に示されるように、有利であるのは、前記の接地装置20が、この場合、イオン出口11に組み込まれた接地面22をも含んでいることである。この場合、特に、この接地面22は、イオンエミッター10又はその高圧エレメント12を取り囲む出口ハウジング13のハウジング外面上に設けられている。図8にもっとも良く示されているように、大まかに言って、ケースの形をした出口ハウジング13は、正面を形成する出口面14を有し、その出口面14に、排出されるイオンを流出させるための流出開口部17が設けられている。高圧エレメント12は、出口ハウジング13の中央に配置されるとともに、出口ハウジング13内部において、前記の流出開口部17の少し手前で終了している(図10を参照)。
【0033】
図8〜10による実施形態では、高圧エレメント12に関して周辺側の側面16に、接地面22が取り付けられている。この接地面は、図8〜10に従って、装置ベース本体2に向けられている出口ハウジング13の底面であることができる。この代替又は補足として、接地面は、図12に示されるように、出口ハウジング13の側壁面16でもよい。
【0034】
図8〜10に従って、出口ハウジング13の底面全体は、接地面22として、特に金属表面の形に形成されており、この場合、ハウジング本体は、通常、非導電性に形成され、特にプラスチックから作ることができる。図11に示されているように、出口ハウジング13の該当する面(図11の場合は底側の面)には、部分的にのみ接地面22を取り付けることができる。すなわち、接地面22は、必ずしも側面全体を覆う必要はない(図11を参照)。
【0035】
図12による実施形態の場合も、側面16の半分だけが、接地面22として形成されている。
【0036】
図13に示されているように、出口面14の反対側に位置する、出口ハウジング13の背面も接地面22として形成することができる。
【0037】
図14には、更なる実施形態が示されている。ここでは、互いに対向する出口ハウジング13の側面16にそれぞれ接地面22が取り付けられており、この場合、図に示された実施形態では、これらの接地面が、側面16を部分的に覆う帯の形にのみ形成されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ(3)と、該グリップ(3)に接続可能な機能ヘッド(4)であって、とくにブラシの毛部分及び/又は歯の部分(6)であるヘアトリートメント器具(5)を有する機能ヘッド(4)と、イオンを髪に供給し、少なくとも1つのイオン出口(11)を有するイオン供給装置(9)と、を備えるヘアケア装置であって、
前記機能ヘッド(4)、及び/又は、前記イオン出口(11)を取り囲むハウジング部(13)が、電荷を消散させる/制限する少なくとも1つの接地面(21、22)を有していることを特徴とするヘアケア装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記接地面(21、22)が、金属表面を有し、該金属表面が、非導電性の、好ましくはプラスチックからなる、前記機能ヘッド(4)及び/又は前記イオン出口(11)を取り囲む前記ハウジング部(13)の、本体部及び/又はハウジング壁部に取り付けられている、請求項1に記載のヘアケア装置。
【請求項3】
前記機能ヘッド(4)及び/又はその前記ヘアトリートメント器具(5)及び/又は前記イオン出口を取り囲む前記ハウジング部(13)が、前記接地面(21、22)を別として、非導電性プラスチックからなる、請求項1又は2に記載のヘアケア装置。
【請求項4】
前記接地面(21)が、前記機能ヘッド(4)の前記ヘアトリートメント器具(5)に取り付けられ、好ましくは該機能ヘッド(4)を取り囲み、とくに好ましくは完全に及び/又は環状に取り囲んでいる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項5】
前記イオン出口(9)に取り付けられている前記接地面(22)が、ハウジング表面を形成し、該ハウジング表面が、イオンを排出するための高圧エレメント(12)を取り囲んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項6】
前記イオン出口(11)を取り囲む前記ハウジング部(13)が、イオンを流出させるための流出開口部(17)の設けられている出口面(14)と、少なくとももう1つの閉じられたハウジング側面(16)と、を有し、前記接地面(22)が、前記閉じられた側面に設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項7】
前記イオン出口(11)の前記出口面(14)が、対向電極がないように形成されている、請求項6に記載のヘアケア装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記イオン出口(11)が、前記ヘアトリートメント器具(5)の反対側の前記装置背面(8)に配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記イオン出口(11)は、その主要排出方向(18)が前記装置背面(8)の表面に対して0°〜45°、好ましくは0°〜30°の角度で傾けられるよう配置されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項10】
前記機能ヘッドの背面上に発生するイオン噴霧が製造可能であるように、少なくとも1つの前記イオン出口(11)又はすべての前記イオン出口(11)が、前記機能ヘッド(4)の前記背面の端部に配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項11】
前記イオン供給装置(9)にエネルギーを供給するためのエネルギーアキュムレータが、好ましくはバッテリ及び/又は蓄電池の形で設けられている、請求項1〜10に記載のヘアケア装置。
【請求項12】
前記機能ヘッド(4)及び/又は前記ヘアトリートメント器具(5)が、前記グリップ(3)を形成する装置ベース本体(2)から取り外し可能に固定されている、請求項11に記載のヘアケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−534536(P2010−534536A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518537(P2010−518537)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005979
【国際公開番号】WO2009/015803
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(591027846)ブラウン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Braun GmbH
【Fターム(参考)】